JP6682057B1 - 真空バルブ - Google Patents

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Abstract

電流遮断を繰り返し実行しても、絶縁筒体の電気的絶縁を維持することができる真空バルブを得る。真空バルブ(100)は、絶縁性であり筒状の絶縁筒体(1)と、この絶縁筒体の一方側端部を閉塞する可動側端板(2)と、この絶縁筒体の他方側端部を閉塞する固定側端板(3)と、可動側端板を貫通して配設された可動側通電軸(4)の先端部に設けられた可動側電極(6)と、固定側端板を貫通して配設された固定側通電軸(5)の先端部にこの可動側電極と相対向して設けられた固定側電極(7)と、この絶縁筒体の内面(1n)に配置される強磁性体(14b,14d)とを備える。さらに、この強磁性体は、この絶縁筒体の上記内面に対して法線方向の磁界成分を有する。

Description

この発明は、回路と電力系統との遮断および接続を行う真空バルブに関するものである。
従来の真空バルブは、セラミックス等の絶縁材料からなる絶縁容器と、絶縁容器内に固定側電極および可動側電極が配置され、固定側電極と可動側電極とを覆うように、アークシールドを配置する構造を備える。
固定側電極と可動側電極との間を開放し電流遮断を実行する際、固定側電極と可動側電極との間にアーク放電が発生することがある。この時に、アーク放電による熱により固定側電極と可動側電極とが加熱され、固定側電極と可動側電極とを構成する部材が、金属粒子となり真空バルブの内部に飛散する。
アークシールドは、飛散した金属粒子が絶縁容器の内面に付着するのを抑止するために配置される(例えば、特許文献1)。
なお、飛散した金属粒子が、絶縁容器の内面に多量に付着すると、絶縁容器の電気的絶縁を維持することができなくなることがある。
特開平5−2956号公報
アーク放電により発生した金属粒子は、あらゆる方向に飛散する。この金属粒子の一部は、アークシールドをすり抜け絶縁容器の内面に付着することがある。さらに、電流遮断を繰り返し実行した場合、このすり抜けた金属粒子が絶縁容器の内面に多量に付着し、絶縁容器の内面を汚損することにより、絶縁容器の電気的絶縁が劣化する問題があった。
この発明は、これらの課題を解決するためになされたものであり、この発明の目的は、電流遮断を繰り返し実行しても、絶縁容器の電気的絶縁を維持することができる真空バルブを提供することである。
この発明に係る真空バルブは、絶縁性であり筒状の絶縁筒体と、この絶縁筒体の一方側端部を閉塞する可動側端板と、この絶縁筒体の他方側端部を閉塞する固定側端板と、この可動側端板を貫通して配設された可動側通電軸と、この可動側通電軸の先端部に設けられた可動側電極と、この固定側端板を貫通しこの可動側通電軸の軸線上に配置される固定側通電軸と、この固定側通電軸の先端部にこの可動側電極と対向して設けられた固定側電極と、この絶縁筒体の外面あるいは内面に配置される強磁性体とを備える。
さらに、この強磁性体は、この絶縁筒体の内面に対して法線方向の磁界成分を有する。
この発明によれば、飛散した金属粒子を、強磁性体の磁界により絶縁筒体の内面の所定の位置に誘導することにより、絶縁筒体の内面の所定の位置以外に付着することを抑制する。よって、電流遮断を繰り返し実行しても、絶縁筒体の電気的絶縁を維持し、信頼性の高い真空バルブを提供することができる。
この発明の実施の形態1に係る真空バルブ100の断面図である。 この発明の実施の形態1に係る真空バルブ100の内部および周辺の磁界の分布図である。 この発明の実施の形態1に係り、正に帯電した金属粒子Psが磁界の影響により強磁性体14bに誘導される作用の概念図である。 この発明の実施の形態1に係り、電子Esが磁界の影響により強磁性体14bに誘導される作用の概念図である。 この発明の実施の形態1に係り、電子Esの影響により、強磁性体14bの近傍に電界が生じ、この電界により正に帯電した金属粒子Psが強磁性体14bに誘導される作用の概念図である。 この発明の実施の形態1に係り、電子Esが強磁性体14bの近傍に滞留することで電界が生じ、この電界により正に帯電した金属粒子Psが強磁性体14bに誘導される作用の概念図である。 この発明の実施の形態1に係り、中性の金属粒子Nsが、強磁性体14bの近傍に滞留する電子に衝突し、負電荷を帯びることにより強磁性体14bに誘導される作用の概念図である。 この発明の実施の形態2に係る真空バルブ101の断面図である。 この発明の実施の形態2に係る真空バルブ101の真空バルブ101の内部および周辺の磁界分布、絶縁筒体1の内面1nの沿面電界の分布、およびr方向の磁束密度成分を示す図である。 この発明の実施の形態3に係る真空バルブ102の断面図である。 この発明の実施の形態4に係る真空バルブ103の断面図である。 この発明の実施の形態5に係る強磁性体14bの外観図である。
実施の形態1.
図1〜図7は、この発明を実施するための実施の形態1を示すものである。
図1は、この発明を実施するための実施の形態1に係る真空バルブ100の断面図であり、図2は、真空バルブ100の内部および周辺の磁界の分布図である。さらに、図3〜図7は、真空バルブ100の内部を飛散する金属粒子への作用を説明する概念図である。
はじめに、図1を参照して、実施の形態1に係る真空バルブ100の構成を説明する。
可動電極側絶縁筒体1aと固定電極側絶縁筒体1bとは、セラミックスなどの絶縁性の部材で構成される。また、可動電極側絶縁筒体1aの一方の端部と固定電極側絶縁筒体1bの一方の端部とは接続部材12を挟持し接続され、可動電極側絶縁筒体1a、固定電極側絶縁筒体1b、および接続部材12で絶縁筒体1を構成する。
また、可動電極側絶縁筒体1aの内面1anと固定電極側絶縁筒体1bの内面1bnとで、絶縁筒体1の内面1nを構成する。
可動電極側絶縁筒体1aのもう一方の端部1aeと可動側端板2の端部2eとが接続される。さらに、固定電極側絶縁筒体1bのもう一方の端部1beと固定側端板3の端部3eとが接続される。
また、絶縁筒体1の内部には、接続部材12により支持されるアークシールド13を備える。アークシールド13は、金属などの導電性部材で形成され、可動側電極6と固定側電極7とを覆うように設置される。
可動側端板2には、ベローズ9の一端側が取り付けれ、ベローズ9のもう一端側には、ベローズシールド10が取り付けられる。なお、ベローズ9は紙面の左右方向に伸縮自在である。さらに、ベローズシールド10、ベローズ9、および可動側端板2を貫通するように、可動側通電軸4が取り付けられる。
また、アークシールド13に覆われる可動側通電軸4の端部には、可動側電極6を有する。さらに、可動側端板2には、可動側シールド8が、可動側通電軸4とベローズ9とを取り囲むように取り付けられる。
なお、可動側シールド8は、金属などの導電性部材で構成され、可動側端板2の端部2eに発生する電界強度を緩和する効果を有する。
また、可動側端板2、ベローズ9、ベローズシールド10、可動側通電軸4、可動側電極6、および可動側シールド8は、電気的に接続される。
固定側端板3には、可動側通電軸4の軸線の延長上に、固定側端板3を貫通するように、固定側通電軸5が取り付けられる。言い換えると、可動側通電軸4と固定側通電軸5とは、同一な軸線に配置される。また、アークシールド13に覆われる固定側通電軸5の端部には、固定側電極7を有する。
さらに、固定側端板3には、固定側シールド11が、固定側通電軸5を取り囲むように取り付けられる。
なお、固定側シールド11は、金属などの導電性部材で構成され、固定側端板3の端部3eに発生する電界強度を緩和する効果を有する。
また、固定側端板3、固定側通電軸5、固定側電極7、および固定側シールド11は、電気的に接続される。
後述するように、アークシールド13は、可動側電極6と固定側電極7との間にアーク放電が発生した場合、アーク放電の熱により可動側電極6と固定側電極7とから飛散する金属粒子をアークシールド13に付着させ、真空バルブ100の内部、特に絶縁筒体1の内面1nへの付着を防止するために設置される。
図中に矢印で記すz方向は、前述した可動側通電軸4と固定側通電軸5との軸線に沿って、固定側通電軸5から可動側通電軸4へ向かう方向を記す。また、図中に矢印で記すr方向は、z方向に垂直で、絶縁筒体1の内面1nから可動側通電軸4と固定側通電軸5との軸線に向かう方向を記す。
本実施の形態1の場合、r方向は、絶縁筒体1の内面1nから真空バルブ100の内部への法線方向と同一である。そのため、紙面の絶縁筒体1の上部において、r方向は、紙面上から紙面下の方向であり、紙面の絶縁筒体1の下部において、r方向は、紙面下から紙面上の方向である。
さらに、内面部1na〜1neは、各々絶縁筒体1の内面1n上の部分を示す。
内面部1naは、絶縁筒体1の端部1aeが接する内面1nから内面1nの中心方向(z方向と反対方向)への内面1nの範囲であり、内面部1neは、絶縁筒体1の端部1beが接する内面1nから内面1nの中心方向(z方向)への内面1nの範囲である。
内面部1ncは、アークシールド13に近接する内面1nの範囲である。内面部1nbは、内面部1naと内面部1ncとの間の内面1nの範囲であり、その表面上に強磁性体14bを有する。内面部1ndは、内面部1neと内面部1ncとの間の内面1nの範囲であり、その表面上に強磁性体14dを有する。
なお、内面部1naは、請求の範囲に記す第1の内面部分の例示であり、内面部1ncは、請求の範囲に記す第2の内面部分の例示であり、内面部1neは、請求の範囲に記す第3の内面部分の例示である。さらに、内面部1nbは、請求の範囲に記す第4の内面部分の例示であり、内面部1ndは、請求の範囲に記す第5の内面部分の例示である。
さらに、強磁性体14bおよび強磁性体14dは、請求の範囲に記す強磁性体の例示である。強磁性体14bは、請求の範囲に記す第1の強磁性体の例示であり、強磁性体14dは、請求の範囲に記す第2の強磁性体の例示である。すなわち、実施の形態1に係る真空バルブ100が備える強磁性体は、請求の範囲に記す第1の強磁性体および第2の強磁性体を含む。第1の強磁性体としての強磁性体14bは、第4の内面部分としての内面部1nbの表面に配置されている。第2の強磁性体としての強磁性体14dは、第4の内面部分としての内面部1ndの表面に配置されている。強磁性体14b,14dは、可動側通電軸4と固定側通電軸5との軸線に対する周方向に沿って環状に設けられている。
強磁性体14bおよび強磁性体14dは、強磁性の特性を有し、さらに真空中において気化する量が少ない材質が望ましい。たとえば、強磁性体14bおよび強磁性体14dの構成部材には、Fe、Co、Niなどの遷移元素、あるいはNd、Smなどの希土類元素を含む材質などが挙げられる。なお、このような材質は、蒸着法あるいはスパッタリング法により、簡便に堆積することができる材質であるので、強磁性体14bおよび強磁性体14dに用いるのに適している。
つぎに、真空バルブ100の動作について説明する。
真空バルブ100の内部は、高い絶縁状態を維持するために、1×10−3パスカル以下の圧力(真空状態)に保たれる。また、真空バルブ100は、可動側電極6と固定側電極7とを接続する閉状態と、可動側電極6と固定側電極7とを開放する開状態とを、切り替えることが可能である。
図1は、可動側電極6と固定側電極7とが接続していない開状態である。外部から可動側通電軸4に、紙面右から左へ押圧が印加されることにより、可動側通電軸4が軸線上を移動し、可動側電極6と固定側電極7とが接続する閉状態となる。
すなわち、可動側通電軸4を、z方向と反対方向に移動することにより開状態から閉状態への切り替え、あるいはz方向に移動することにより閉状態から開状態への切り替えることが可能である。
なお、詳細は後述するが、真空バルブ100は可動側通電軸4と固定側通電軸5との間に電流が流れている状態で、閉状態から開状態への切り替えることにより電流遮断を実行する。この時に、固定側電極7と可動側電極6との間にアーク放電が発生することがあり、このアーク放電による熱により、固定側電極7と可動側電極6とを構成する部材が、金属粒子となり真空バルブ100の内部に飛散する。
また、金属粒子は、蒸気状態、あるいはクラスター状態で飛散することがある。さらに、金属粒子は、電気的に正に帯電した状態で飛散する場合、電気的に負に帯電した状態で飛散する場合、および電気的に中性の場合がある。さらに、これらの金属粒子の飛散に伴い電子も飛散する場合がある。
絶縁筒体1の内面1nの表面抵抗率は、1×1015Ω/sq以上であることが望ましい。しかしながら、アーク放電により発生した金属粒子が、絶縁筒体1の内面1nに多量に付着し汚損することにより、絶縁筒体1の内面1nの表面抵抗率が、1×1013Ω/sq以下になることがある。この場合、絶縁筒体1の内面1nの耐電圧(以下、沿面耐電圧と称する)が損なわれ、絶縁筒体1の内面1nの絶縁性が崩壊することがある(以下、絶縁破壊現象と称する)。
つぎに、図2を参照して、真空バルブ100の内部の磁界の方向について説明する。
図2は、図1の紙面上における真空バルブ100の下部分の拡大図であり、強磁性体14bおよび強磁性体14dが形成する磁界を説明する磁界の分布図である。
矢印Mbは、強磁性体14bの着磁方向を示し、r方向である。言い換えると、矢印Mbは、絶縁筒体1の内面1nの法線方向である。
さらに、点線Mbfは、強磁性体14bが形成する磁界を示し、点線Mbfに合わせて記載の矢印は、磁界の方向を示す。強磁性体14bが形成する磁界の方向は、強磁性体14bの近傍では、絶縁筒体1の内面1nの法線方向であり、真空バルブ100の内部を回周し、真空バルブ100の外部から、強磁性体14bの絶縁筒体1と接する面へ戻る。すなわち、強磁性体14bは、絶縁筒体1の内面1nの法線方向の磁界成分を有する。
また、矢印Mdは、強磁性体14dの着磁方向を示し、矢印Mbと同様にr方向であり、絶縁筒体1の内面1nの法線方向である。
さらに、点線Mdfは、強磁性体14dが形成する磁界を示し、点線Mdfに合わせて記載の矢印は、磁界の方向を示す。強磁性体14dが形成する磁界の方向は、強磁性体14dの近傍では、絶縁筒体1の内面1nの法線方向であり、真空バルブ100の内部を回周し、真空バルブ100の外部から、強磁性体14dの絶縁筒体1と接する面へ戻る。すなわち、強磁性体14dは、絶縁筒体1の内面1nの法線方向の磁界成分を有する。
つぎに、図3〜図7を参照して、強磁性体14bが形成する磁界がアーク放電により飛散する金属粒子を強磁性体14bに誘導する作用について説明する。
図3〜図7は、図2に示す強磁性体14bの近傍の拡大図であり、さらにアーク放電により発生した金属粒子に直接的あるいは間接的に磁界が作用し、金属粒子が強磁性体14bに誘導される作用を説明する概念図である。
図3は、アーク放電により発生した正に帯電した金属粒子Psが強磁性体14bに誘導される作用を説明する概念図である。また、図4は、アーク放電により発生した電子Esが強磁性体14bに誘導される作用を説明する概念図であり、図5は、アーク放電により発生した電子Esの影響により、強磁性体14bの近傍に電界が生じ、この電界により正に帯電した金属粒子Psが強磁性体14bに誘導される作用を説明する概念図である。
さらに、図6は、アーク放電により発生した電子Esが、強磁性体14bの近傍に滞留することで電界が生じ、この電界により正に帯電した金属粒子Psが強磁性体14bに誘導される作用を説明する概念図である。図7は、アーク放電により発生した中性の金属粒子Nsが、強磁性体14bの近傍に滞留する電子に衝突し、負電荷を帯びて強磁性体14bに誘導される作用を説明する概念図である。
図3を参照して、強磁性体14bが形成する磁界が、アーク放電により生じた正に帯電した金属粒子Psを強磁性体14bに誘導する作用について説明する。
点線Mbfに示す強磁性体14bの磁界が存在しない場合、あるいは磁界の強度がきわめて微小な場合、正に帯電した金属粒子Psは、実線Bp1に示す軌道を経た後、点線Bp2に示す軌道を経て、可動電極側絶縁筒体1aの内面1an上の正に帯電した金属粒子Paの位置に付着するものとする。
正に帯電した金属粒子Psが点線Mbfに示す強磁性体14bの磁界の影響を受ける場合、正に帯電した金属粒子Psにローレンツ力が作用し、正に帯電した金属粒子Psは、その進行方向と強磁性体14bの磁界の方向とに垂直な方向に力を受け、円運動を伴い螺線Bpsに示すように螺線状の軌道を辿る。そのため、正に帯電した金属粒子Psのz方向への飛程が制限され、強磁性体14bの表面の金属粒子Ptの位置に付着する。すなわち、正に帯電した金属粒子Psに強磁性体14bの磁界が作用し、正に帯電した金属粒子Psは、可動電極側絶縁筒体1aの内面1anに付着することなく、強磁性体14bの表面に付着する。
言い換えると、強磁性体14bの磁界により、正に帯電した金属粒子Psを強磁性体14bの表面上に誘導し、正に帯電した金属粒子Psが他の真空バルブ100の内部に付着することを抑制することができる。
なお、アーク放電により固定側電極7と可動側電極6とを構成する部材が負に帯電し、真空バルブ100の内部に放出される場合でも、この負に帯電した金属粒子にローレンツ力が作用し、正に帯電した金属粒子Psとは逆回転の円運動を伴い螺線状の軌道を辿り、強磁性体14bの表面上に付着する。
すなわち、強磁性体の磁界によりアーク放電により飛散した負に帯電した金属粒子を強磁性体14bの表面上に誘導し、他の真空バルブ100の内部への付着を抑制することができる。
すなわち、本実施の形態1は、強磁性体14bの磁界により、正および負に帯電した金属粒子を強磁性体14bの表面上に誘導し、他の真空バルブ100の内部への付着を抑制する作用(以後、作用Aと称する)を生ずる。
なお、作用Aは、強磁性体14bの表面上のr方向の磁界が強いほど顕著になる。
アーク放電による金属粒子の飛散に伴い、電子も飛散することを前述した。図4および図5を参照して、飛散した電子Esにより生ずる電界により、正に帯電した金属粒子Psを強磁性体14bに誘導する作用を説明する。
図4を参照して、点線Mbfに示す強磁性体14bの磁界が存在しない場合、あるいは磁界の強度がきわめて微小な場合、電子Esは、実線Be1に示す軌道を経た後、点線Be2に示す軌道を経て、可動電極側絶縁筒体1aの内面1an上の電子Eaの位置に付着するものとする。
電子Esが点線Mbfに示す強磁性体14bの磁界の影響を受ける場合、正に帯電した金属粒子Psと同様に電子Esにローレンツ力が作用し、電子Esはその進行方向と強磁性体14bの磁界の方向とに垂直な方向に力を受け、円運動を伴い螺線Besに示すように螺線状の軌道を辿り、強磁性体14bの表面の電子Etの位置に付着する。すなわち、電子Esに強磁性体14bの磁界が作用し、電子Esは可動電極側絶縁筒体1aの内面1anに付着することなく、強磁性体14bの表面に付着する。
言い換えると、強磁性体の磁界により、電子Esを強磁性体14bの表面上に誘導し、電子Esが他の真空バルブ100の内部に付着することを抑制することができる。
電子の質量は、固定側電極7および可動側電極6に用いられる部材の原子の質量に比べきわめて軽い。電子の静止質量は、9.1×10−31キログラムであり、一方、固定側電極7および可動側電極6に用いられる部材であるCu原子の質量は、約1.1×10−19キログラムである。そのため、正に帯電した金属粒子Psに比べ、電子Esは早い速度で飛散し、強磁性体14bに到達する。
図5は、前述したように、多数の電子Esが強磁性体14bの表面に付着することにより、強磁性体14bが負に帯電している状態を示し、さらに電子Esよりも遅い速度で、正に帯電した金属粒子Psが飛散する状態を示す。
図3に示したのと同様に強磁性体14bの磁界が存在しない場合、あるいは磁界の強度がきわめて微小な場合、正に帯電した金属粒子Psは、実線Bp1に示す軌道を経た後、点線Bp2に示す軌道を経て、可動電極側絶縁筒体1aの内面1an上の正に帯電した金属粒子Paの位置に付着するものとする。
正に帯電した金属粒子Psは、実線Bp1に示す軌道を辿っている最中に負に帯電した強磁性体14bより引力方向のクーロン力を受け、実線Bpc1に示す強磁性体14b方向の軌道を辿り、強磁性体14bの表面の正に帯電した金属粒子Ptの位置に付着する。すなわち、正に帯電した金属粒子Psに強磁性体14の負電荷が作用し、正に帯電した金属粒子Psは真空バルブ100の内部に付着することなく、強磁性体14bの表面に付着する。
言い換えると、強磁性体14上の負電荷のクーロン力より、正に帯電した金属粒子Psを強磁性体14bの表面上に誘導し、正に帯電した金属粒子Psが他の真空バルブ100の内部に付着することを抑制することができる。
すなわち、本実施の形態1は、強磁性体14bが負に帯電することよる正に帯電した金属粒子Psを強磁性体14bに誘導することより、正に帯電した金属粒子Psを他の真空バルブ100の内部に付着することを抑制する作用(以後、作用Bと称する)を生ずる。
なお、作用Bは、強磁性体14bの表面上のr方向の磁界が強いほど顕著になる。
電子Etにより強磁性体14bが負に帯電することによる作用Bを前述した。
さらに、図6を参照して、強磁性体14bの磁界に拘束され、強磁性体14bの表面上の空間に滞在する電子Efの影響により正に帯電した金属粒子Psを強磁性体14bの表面上に誘導する作用を説明する。
前述した円運動は、サイクロトロン運動と呼ばれ、その半径であるラーモア半径と呼ばれる。たとえば、10ミリテスラ程度の磁界で、電子Esのラーモア半径は、1×10−3メートル程度と見積もられる。すなわち、電子Esは強磁性体14bの表面近傍のz方向の距離が1×10−3メートル程度の範囲に、サイクロトロン運動を続けながら、強磁性体14bの表面上の空間に一定時間滞在する。
図中の電子Efは、強磁性体14b近傍の空間に一定時間滞在している状態を示し、螺線Besに示す軌道を描く。電子Efが、強磁性体14b近傍の空間に一定時間滞在することにより、強磁性体14b近傍の空間は、負に帯電する。
つぎに、正に帯電した金属粒子Psは、実線Bp1に示す軌道を辿っている最中に負に帯電した強磁性体14b近傍の空間により引力方向のクーロン力を受け、実線Bpc2に示す強磁性体14b方向の軌道を辿り、強磁性体14bの表面の正に帯電した金属粒子Ptの位置に付着する。すなわち、正に帯電した金属粒子Psに電子Efによるクーロン力が作用し、正に帯電した金属粒子Psは真空バルブ100の内部に付着することなく、強磁性体14bの表面に付着する。
すなわち、本実施の形態1は、電子Efが強磁性体14b近傍の空間に一定時間滞在することにより強磁性体14b近傍の空間を負に帯電し、この負に帯電した空間とのクーロン力により正に帯電した金属粒子Psを強磁性体14bに誘導し、正に帯電した金属粒子Psを他の真空バルブ100の内部に付着することを抑制する作用(以後、作用Cと称する)を生ずる。
なお、作用Cは、強磁性体14bの表面上のr方向の磁界が強いほど顕著になる。
さらに、図7を参照して、強磁性体14bが形成する磁界が、アーク放電により生じた中性の金属粒子Nsを強磁性体14bに誘導する作用について説明する。
点線Mbfに示す強磁性体14bの磁界が存在しない、あるいは磁界の強度がきわめて微小な場合、中性の金属粒子Nsは、実線Bn1に示す軌道を経た後、点線Bn2に示す軌道を経て、可動電極側絶縁筒体1aの内面1an上の中性の金属粒子Naの位置に付着するものとする。
中性の金属粒子Nsは、実線Bn1に示す軌道を経ている最中に、強磁性体14b近傍の空間に一定時間滞在する電子Efに衝突し、中性の金属粒子Nsは負に帯電する。負に帯電した後の金属粒子Nsは、その進行方向と強磁性体14bの磁界の方向とに垂直な方向に力を受け、円運動を伴い螺線Bnsに示すように螺線状の軌道を辿る。そのため、負に帯電した後の金属粒子Nsのz方向への飛程が制限され、強磁性体14bの表面の金属粒子Ntの位置に付着する。すなわち、負に帯電した後の金属粒子Nsに強磁性体14bの磁界が作用し、負に帯電した後の金属粒子Nsは、可動電極側絶縁筒体1aの内面1anに付着することなく、強磁性体14bの表面に付着する。
言い換えると、強磁性体14bの負電荷より飛散した中性の金属粒子Nsを強磁性体14bの表面上に誘導し、他の真空バルブ100の内部に付着することを抑制することができる。
すなわち、本実施の形態1は、強磁性体14bの磁界により、強磁性体14bの近傍の空間に一定時間、電子Efを滞在し、この電子Efと中性の金属粒子Nとが衝突することにより、この中性の金属粒子Nsは負に帯電し強磁性体14bの表面上に誘導される。
言い換えると、この中性の金属粒子Nsが、他の真空バルブ100の内部へ付着することを抑制する作用(以後、作用Dと称する)を生ずる。
なお、作用Dは、強磁性体14bの表面上のr方向の磁界が強いほど顕著になる。
なお、強磁性体14bに関して説明したが、強磁性体14dに関しても、強磁性体14bと同様な構造を備えるので、同様な作用A〜Dを得ることができる。
さらに、本実施の形態1では、強磁性体14bおよび強磁性体14dを、絶縁筒体1の内面1nに配置したが、絶縁筒体1の外面に配置しても良い。
なお、強磁性体14bおよび強磁性体14dを、絶縁筒体1の外面に配置する場合、内面部1naに対向する絶縁筒体1の外面は、請求の範囲に記す第1の外面部分の例示であり、内面部1ncに対向する絶縁筒体1の外面は、請求の範囲に記す第2の外面部分の例示であり、内面部1neに対向する絶縁筒体1の外面は、請求の範囲に記す第3の外面部分の例示である。さらに、内面部1nbに対向する絶縁筒体1の外面は、請求の範囲に記す第4の外面部分の例示であり、内面部1ndに対向する絶縁筒体1の外面は、請求の範囲に記す第5の外面部分の例示である。
さらに、強磁性体14bは、請求の範囲に記す第1の強磁性体の例示であり、強磁性体14dは、請求の範囲に記す第2の強磁性体の例示である。
前述したように、本実施の形態1では、真空バルブ100は、絶縁筒体1の内面部1nbに強磁性体14bを有し、絶縁筒体1の内面部1ndに強磁性体14dを有する。強磁性体14bおよび強磁性体14dが形成する磁界により作用A〜Dを生じ、アーク放電により飛散する金属粒子を絶縁筒体1の内面1nの所定の位置に誘導し、絶縁筒体の内面の所定の位置以外に付着することを抑制する。このため、電流遮断を繰り返し実行しても、絶縁筒体の電気的絶縁を維持し、信頼性の高い真空バルブを提供することができる。
実施の形態2.
実施の形態1では、真空バルブ100の内面1nに、強磁性体14bと強磁性体14dとを配置する形態を説明した。
本実施の形態2では、真空バルブ101の外面1uに、強磁性体15b1、強磁性体15b2、強磁性体15d1、および強磁性体15d2を配置することで、絶縁筒体1の内面1nの帯電を抑制し、絶縁筒体1の絶縁破壊現象を防止する形態を説明する。
図8は、この発明の実施の形態2に係る真空バルブ101の断面図であり、図9は、真空バルブ101の内部および周辺の磁界分布、絶縁筒体1の内面1nのz方向の電界(以下、沿面電界と称す)の分布、および磁束密度を示す。
なお、図8および図9において、図1〜図7と同一番号あるいは同一符号は、実施の形態1に示す構成要素と同一品あるいは同等品であるので、その詳細な説明は省略する。
はじめに、図8を参照して、実施の形態2に係る真空バルブ101の構成を説明する。可動電極側絶縁筒体1aの外面1auと固定電極側絶縁筒体1bの外面1buとで、絶縁筒体1の外面1uを構成する。
さらに、外面部1ua〜1ueは、各々絶縁筒体1の外面1u上の部分を示す。
外面部1uaは、絶縁筒体1の端部1aeが接する外面1uから外面1uの中心方向(z方向と反対方向)への外面1uの範囲であり、外面部1ueは、絶縁筒体1の端部1beが接する外面1uから外面1uの中心方向(z方向)への外面1uの範囲である。
外面部1ucは、アークシールド13に近接する外面1uの範囲である。外面部1ubは、外面部1uaと外面部1ucとの間の外面1uの範囲である。また、外面部1udは、外面部1ueと外面部1ucとの間の外面1uの範囲である。
さらに、強磁性体15b1と強磁性体15b2とは、間隔を設け外面部1ubに配置される。また、強磁性体15b1は、アークシールド13の可動側端板2の側の端部13e2のz方向の位置が、強磁性体15b1のz方向の幅の範囲内になるように配置される。さらに、強磁性体15b2は、可動側シールド8の端部8eのz方向の位置が、強磁性体15b2のz方向の幅の範囲内になるように配置される。なお、外面部1ub1は、強磁性体15b1が配置される外面部1ubの部分であり、外面部1ub2は、強磁性体15b2が配置される外面部1ubの部分である。
さらに、強磁性体15d1と強磁性体15d2とは、間隔を設け外面部1udに配置される。また、強磁性体15d2は、アークシールド13の固定側端板3の側の端部13e1のz方向の位置が、強磁性体15d2のz方向の幅の範囲内になるように配置される。さらに、強磁性体15d1は、固定側シールド11の端部11eのz方向の位置が、強磁性体15d1のz方向の幅の範囲内になるように配置される。なお、外面部1ud1は、強磁性体15d1が配置される外面部1udの部分であり、外面部1ud2は、強磁性体15d2が配置される外面部1udの部分である。
言い換えると、可動側通電軸4と固定側通電軸5との軸線の垂直方向から断面視する場合、アークシールド13の可動側端板2の側の端部13e2の軸線方向の位置は、強磁性体15b1の軸線方向の両端の範囲内であり、可動側シールド8の端部8eの軸線方向の位置は、強磁性体15b2の軸線方向の両端の範囲内であり、アークシールド13の固定側端板3の側の端部13e1の軸線方向の位置は、強磁性体15d2の軸線方向の両端の範囲内であり、さらに固定側シールド11の端部11eの軸線方向の位置は、強磁性体15d1の軸線方向の両端の範囲内である。
つぎに、図9を参照して、強磁性体15b1、強磁性体15b2、強磁性体15d1、および強磁性体15d2が形成する磁界の作用について説明する。
図9(a)は真空バルブ101の内部の磁界の方向を示し、図9(b)は沿面電界の強度を示し、図9(c)は絶縁筒体1の内面1nのr方向の磁束密度成分を示す。
図9(a)を参照して、矢印Mb1は、強磁性体15b1の着磁方向を示し、絶縁筒体1の内面1nから可動側通電軸4と固定側通電軸5との軸線に向かうr方向である。すなわち、絶縁筒体1の内面1nの法線方向である。
また、矢印Md2は、強磁性体15d2の着磁方向を示し、強磁性体15b1の着磁方向と同様な着磁方向である。
さらに、矢印Mb2は、強磁性体15b2の着磁方向を示し、r方向と逆方向である。また、矢印Md1は、強磁性体15d1の着磁方向を示し、強磁性体15b2の着磁方向と同様な着磁方向である。
そして、多数の矢印Msに示す方向は、各々の位置の磁界の方向を示す。例えば、強磁性体15b1の周辺の磁界は、強磁性体15b1の近傍でr方向を向き、r方向に向かうに従い紙面の左側および右側(z方向と反対方向およびz方向)に広がる。同様に、強磁性体15d2の周辺の磁界は、強磁性体15d2の絶縁筒体1の近傍でr方向を向き、r方向に向かうに従いz方向と反対方向およびz方向に広がる。
さらに、強磁性体15b2の周辺の磁界は、強磁性体15b2の近傍でr方向の反対方向を向き、強磁性体15b2の表面上方で、z方向およびz方向の反対方向から強磁性体15b2の表面方向(r方向の反対方向)に収束する。同様に、強磁性体15d1の近傍でr方向の反対方向を向き、強磁性体15d1の表面上方で、z方向およびz方向の反対方向から強磁性体15b2の表面方向(r方向の反対方向)に収束する。
図9(c)を参照して、絶縁筒体1の内面1nのr方向の磁束密度成分を説明する。図中の横軸は、z方向の位置を示し、縦軸は、r方向の磁束密度成分を示す。なお、正の値は、r方向の磁束密度成分であり、負の値は、r方向と反対方向の磁束密度成分である。
特徴的であるのは、強磁性体(15b1、15b2、15d1、および15d2)が、配置される絶縁筒体1の外面1uの位置(外面部1ub1、1ub2、1ud1、1ud2)に対向する絶縁筒体1の内面1nの位置の磁束密度の極大値を有することである。
一方、図9(b)を参照して、絶縁筒体1の内面1nの沿面電界の強度を説明する。図中の横軸はz方向の位置を示し、縦軸は沿面電界の強度を示す。なお、真空バルブ101は、開状態であり、可動側通電軸4と固定側通電軸5の間には、電圧が印加されるものとする。
特徴的であるのは、可動側シールド8の端部8e、アークシールド13の端部13e2、アークシールド13の端部13e1、および固定側シールド11の端部11eの近傍で沿面電界の強度の極大値を有する。この理由は、前述したように可動側シールド8、アークシールド13、および固定側シールド11は金属などの導電性部材で構成され、このような導電性部材の端部に電界が集中することによる。
一方、前述したように、強磁性体15b1は、アークシールド13の可動側端板2の側の端部13e2のz方向の位置が強磁性体15b1のz方向の幅の範囲内になるように配置され、強磁性体15b2は、可動側シールド8の端部8eのz方向の位置が、強磁性体15b2のz方向の幅の範囲内になるように配置される。
さらに、強磁性体15d2は、アークシールド13の固定側端板3の側の端部13e1のz方向の位置が強磁性体15d2のz方向の幅の範囲内になるように配置され、強磁性体15d1は、固定側シールド11の端部11eのz方向の位置が強磁性体15d1のz方向の幅の範囲内になるように配置される。
すなわち、本実施の形態2では、絶縁筒体1の内面1nのr方向の沿面電界の高い位置に、r方向の磁束密度が高くなるように強磁性体(15b1、15b2、15d1、および15d2)が配置される。
つぎに、真空バルブ101の動作およびアーク放電により放出される金属粒子への作用について説明する。
真空バルブ101の内部は、実施の形態1に示す真空バルブ100と同様に高い絶縁状態を維持するために、1×10−3パスカル以下の真空状態に保たれる。また、可動側電極6と固定側電極7とを接続する閉状態と、可動側電極6と固定側電極7とを開放する開状態とを、切り替えることが可能である。
図8は、可動側電極6と固定側電極7とが接続していない開状態である。外部から可動側通電軸4に、紙面右から左へ押圧が印加されることにより、可動側通電軸4が軸線上を移動し、可動側電極6と固定側電極7とが接続する閉状態となる。
さらに、電流遮断を実行する際、真空バルブ100と同様に固定側電極7と可動側電極6との間にアーク放電が発生することがある。この時、アーク放電による熱により、固定側電極7と可動側電極6とが加熱され、固定側電極7と可動側電極6とを構成する部材が、金属粒子となり真空バルブ101の内部に放出される。
前述したように、金属粒子は、蒸気状態の場合、あるいはクラスター状態で飛散することがある。さらに、金属粒子は、電気的に正に帯電した状態で飛散する場合、電気的に負に帯電した状態で飛散する場合、および電気的に中性の場合がある。さらに、これらの金属粒子の飛散に伴い電子も飛散する場合がある。
実施の形態1の場合、これらの金属粒子に作用A〜Dが作用し、これらの金属粒子が他の真空バルブ100の内部に付着することが抑制されることを説明した。
本実施の形態2の場合においても、これらの金属粒子に作用A〜Dが作用し、これらの金属粒子は、r方向の磁界が強い位置に誘導される。すなわち、外面部(1ub1、1ub2、1ud1、および1ud2)にそれぞれ対向する絶縁筒体1の内面1nの位置に、金属粒子が誘導される。
なお、外面部1uaは、請求の範囲に記す第1の外面部分の例示であり、外面部1ucは、請求の範囲に記す第2の外面部分の例示であり、外面部1ueは、請求の範囲に記す第3の外面部分の例示である。さらに、外面部1ubは、請求の範囲に記す第4の外面部分の例示であり、外面部1udは、請求の範囲に記す第5の外面部分の例示である。
さらに、外面部1ub1は、請求の範囲に記す第4の1の外面部分の例示であり、外面部1ub2は、請求の範囲に記す第4の2の外面部分の例示であり、外面部1ud1は、請求の範囲に記す第5の1の外面部分の例示であり、外面部1ud2は、請求の範囲に記す第5の2の外面部分の例示である。
また、強磁性体15b1は、請求の範囲に記す第1の強磁性体の例示であり、強磁性体15b2は、請求の範囲に記す第3の強磁性体の例示であり、強磁性体15d1は、請求の範囲に記す第2の強磁性体の例示であり、強磁性体15d2は、請求の範囲に記す第4の強磁性体の例示である。
さらに、絶縁破壊現象について説明する。
真空バルブ101の開状態において、可動側通電軸4と固定側通電軸5との間に電圧が印加される場合、可動側シールド8の表面および固定側シールド11の表面の電界強度が高くなり、可動側シールド8の表面および固定側シールド11の表面から1次電子が真空バルブ101の内部に向かって放出される。この1次電子が、絶縁筒体1の内面1n上に衝突すると、絶縁筒体1の内面1nから2次電子が放出される。この2次電子の放出により、絶縁筒体1の内面1nが正極性に帯電する。2次電子が放出され続け、内面1nの正極性の帯電が進行すれば、可動側通電軸4と固定側通電軸5との間の絶縁状態が維持できなくなることがある。すなわち、絶縁破壊現象に至ることがある。
なお、2次電子の放出量は、1次電子の運動エネルギーに依存する。すなわち、絶縁筒体1の内面1n上の沿面電界の強度に依存し、電界強度が高くなると、1次電子は加速され1次電子の運動エネルギーが増加し、2次電子の放出量が増える。さらに、絶縁筒体1の内面1n上の沿面電界の強度が高い位置に、1次電子が引き寄せられ、絶縁破壊現象に至る可能性が高くなる。
また、絶縁筒体1の内面1nに金属粒子を分散し配置させることによって、内面1nの帯電を抑制し、絶縁破壊現象を防止する技術が知られている(例えば、特許文献1)。
前述したように、本実施の形態2では、外面部(1ub1、1ub2、1ud1、および1ud2)に対向する絶縁筒体1の内面1nの位置に、アーク放電による金属粒子が誘導される。すなわち、沿面電界の強度の高い絶縁筒体1の内面1nの位置にアーク放電による金属粒子を分散させることにより、内面1nの帯電を抑制し、絶縁破壊現象を防止することができる。
さらに、本実施の形態2では、強磁性体(15b1、15b2、15d1、および15d2)を、絶縁筒体1の外面1uに配置したが、絶縁筒体1の内面1nに配置しても良い。
なお、強磁性体(15b1、15b2、15d1、および15d2)を絶縁筒体1の内面1nに配置する場合、外面部1uaに対向する絶縁筒体1の内面は、請求の範囲に記す第1の内面部分の例示であり、外面部1ucに対向する絶縁筒体1の内面は、請求の範囲に記す第2の内面部分の例示であり、外面部1ueに対向する絶縁筒体1の内面は、請求の範囲に記す第3の内面部分の例示である。さらに、外面部1ubに対向する絶縁筒体1の内面は、請求の範囲に記す第4の内面部分の例示であり、外面部1udに対向する絶縁筒体1の内面は、請求の範囲に記す第5の内面部分の例示である。
さらに、外面部1ub1に対向する絶縁筒体1の内面は、請求の範囲に記す第4の1の内面部分の例示であり、外面部1ub2に対向する絶縁筒体1の内面は、請求の範囲に記す第4の2の内面部分の例示であり、外面部1ud1に対向する絶縁筒体1の内面は、請求の範囲に記す第5の1の内面部分の例示であり、外面部1ud2に対向する絶縁筒体1の内面は、請求の範囲に記す第5の2の内面部分の例示である。
また、強磁性体15b1、強磁性体15b2、強磁性体15d1、および強磁性体15d2は、請求の範囲に記す強磁性体の例示である。強磁性体15b1は、請求の範囲に記す第1の強磁性体の例示であり、強磁性体15b2は、請求の範囲に記す第3の強磁性体の例示であり、強磁性体15d1は、請求の範囲に記す第2の強磁性体の例示であり、強磁性体15d2は、請求の範囲に記す第4の強磁性体の例示である。すなわち、実施の形態2に係る真空バルブ101が備える強磁性体は、請求の範囲に記す第1の強磁性体、第2の強磁性体、第3の強磁性体、および第4の強磁性体を含む。第1の強磁性体としての強磁性体15b1は、第4の1の内面部分と対向する外面部1ub1に配置されている。第2の強磁性体としての強磁性体15d1は、第5の1の内面部分と対向する外面部1ud1に配置されている。第3の強磁性体としての強磁性体15b2は、第4の2の内面部分と対向する外面部1ub2に配置されている。第4の強磁性体としての強磁性体15d2は、第5の2の内面部分と対向する外面部1ud2に配置されている。
本実施の形態2では、実施の形態1に示すアーク放電により飛散する金属粒子を、作用A〜Dにより、絶縁筒体1の内面1nの所定の位置に誘導することにより、絶縁筒体の内面の所定の位置以外に付着することを抑制する作用を備え、さらに、内面1nの帯電を抑制し、絶縁破壊現象を防止することができる。このため、電流遮断を繰り返し実行しても、絶縁筒体の電気的絶縁を維持し、信頼性の高い真空バルブを提供することができる。
実施の形態3.
実施の形態2では、絶縁筒体1の外面1uに、強磁性体15b1、強磁性体15b2、強磁性体15d1、および強磁性体15d2を配置することで、絶縁筒体1の内面1nの帯電を抑制し、絶縁筒体1の絶縁破壊現象を防止する形態を説明した。
本実施の形態3では、さらに、強磁性体15b1、強磁性体15b2、強磁性体15d1、および強磁性体15d2を、絶縁筒体1の外面1uに脱着可能に配置する形態を説明する。
図10は、この発明の実施の形態3に係る真空バルブ102の断面図を示す。
なお、図10において、図8および図9と同一番号あるいは同一符号は、実施の形態2に示す構成要素と同一品あるいは同等品であるので、その詳細な説明は省略する。
図10を参照して、実施の形態3に係る真空バルブ102の構成を説明する。
絶縁筒体1の外面1uには、突起部(16b1、16b2、16d1、および16d2)が、配置される。さらに、突起部16b1は、強磁性体15b1を取り外し可能な状態に挟み込み保持する。同様に、突起部16b2は、強磁性体15b2を取り外し可能な状態に挟み込み保持し、突起部16d1は、強磁性体15d1を取り外し可能な状態に挟み込み保持し、さらに突起部16d2は、強磁性体15d2を取り外し可能な状態に挟み込み保持する。
強磁性体(15b1、15b2、15d1、および15d2)が絶縁筒体1の外面1uから取り外し可能であるため、真空バルブ102の製造時の組み立て工程が容易になる。また、真空バルブ102の分解が容易になるので、真空バルブ102の各部位の再利用も容易になる。
なお、本実施の形態3では、突起部(16b1、16b2、16d1、および16d2)により、強磁性体(15b1、15b2、15d1、および15d2)を取り外し可能な状態に挟み込み保持する形態を説明したが、強磁性体(15b1、15b2、15d1、および15d2)を絶縁筒体1の外面1uから取り外し可能な状態であれば良い。
例えば、強磁性体(15b1、15b2、15d1、および15d2)を直接的あるいは間接的に絶縁筒体1の外面1uにネジにより固定しても良い。
すなわち、本実施の形態3では、実施の形態1および2に備える効果と同様な効果により、電流遮断を繰り返し実行しても、絶縁筒体の電気的絶縁を維持し、信頼性の高い真空バルブを提供することができる。さらに、本実施の形態3では、真空バルブ102の製造時の組み立て工程が容易になり、また、真空バルブ102の分解が容易になるので、真空バルブ102の各部位の再利用も容易になることにより、低コスト化を図ることができる。
実施の形態4.
実施の形態2では、絶縁筒体1の外面1uに、強磁性体15b1、強磁性体15b2、強磁性体15d1、および強磁性体15d2を配置することで、絶縁筒体1の内面1nの帯電を抑制し、絶縁筒体1の絶縁破壊現象を防止する形態を説明した。
本実施の形態4では、さらに、強磁性体(15b1、15b2、15d1、および15d2)を、絶縁筒体1の外面1uに配置され、さらに絶縁筒体1の外面1uに、強磁性体(15b1、15b2、15d1、および15d2)を覆うように、非磁性体17を配置する形態を説明する。
図11は、この発明の実施の形態4に係る真空バルブ103の断面図を示す。
なお、図11において、図8および図9と同一番号あるいは同一符号は、実施の形態2に示す構成要素と同一品あるいは同等品であるので、その詳細な説明は省略する。
図11を参照して、実施の形態4に係る真空バルブ103の構成を説明する。
絶縁筒体1の外面1uには、強磁性体(15b1、15b2、15d1、および15d2)を覆うように、非磁性体17を配置される。
非磁性体17は、強磁性体(15b1、15b2、15d1、および15d2)を支持し、外部からの衝撃、および振動などによる強磁性体(15b1、15b2、15d1、および15d2)の位置ずれを防止する。そのため、真空バルブ103は、作用A〜Dを維持することができる。さらに、非磁性体17は、外因による絶縁筒体1の外面1uの汚損を防止することができるので、外面1uを流れる電流の抑制を図ることができる。
なお、非磁性体17は、強磁性体(15b1、15b2、15d1、および15d2)による磁界を維持するため、非磁性体の部材であり、可動側シールド8と固定側シールド11との絶縁性を維持するために絶縁性は高い方が望ましい。例えば、非磁性体17には、絶縁性の樹脂、およびセラミックスなどを用いるのが望ましい。
すなわち、本実施の形態4では、実施の形態1および2に備える効果と同様な効果により、電流遮断を繰り返し実行しても、絶縁筒体の電気的絶縁を維持し、信頼性の高い真空バルブを提供することができる。さらに、本実施の形態4では、外部からの衝撃、および振動などによる強磁性体(15b1、15b2、15d1、および15d2)の位置ずれを防止し、外面1uを流れる電流の抑制を図ることができので、より信頼性の高い真空バルブを提供することができる。
実施の形態5.
実施の形態1では、真空バルブ100の内面1nに、強磁性体14bと強磁性体14dとを配置する形態を説明した。
本実施の形態5では、強磁性体14b、14dにスリット18を設けることにより、可動側通電軸4と固定側通電軸5を流れる電流によって生じる誘導磁界により強磁性体14b、14dの内部に誘起される渦電流を抑制する形態を説明する。すなわち、実施の形態5に係る真空バルブは、実施の形態1に係る真空バルブ100と基本的に同様の構成を備えるが、強磁性体14b、14dにスリット18が設けられている点でのみ、真空バルブ100とは異なる。
図12は、この発明の実施の形態5に係る強磁性体14bの外観図である。なお、図12において、図1と同一番号あるいは同一符号は、実施の形態1に示す構成要素と同一品あるいは同等品であるので、その詳細な説明は省略する。
図12を参照して、強磁性体14bの構成を説明する。実施の形態5に係る強磁性体14bは、実施の形態1に係る強磁性体14bに、螺旋状のスリット18が設けられたものである。強磁性体14bは、上記軸線に対する径方向すなわち上記r方向において、絶縁筒体1の内面1nに接続されている外周面14baと、外周面14baとは反対側に配置されており可動側通電軸4を向いている内周面14bbとを有している。スリット18は、強磁性体14bの外周面14baおよび内周面14bbに開口している。上記周方向に垂直な断面において、スリット18は、強磁性体14bを複数の部分に区画している。スリット18は、強磁性体14bの上記z方向の一端から他端にまで達するように設けられており、かつ強磁性体14bの上記周方向の全周に渡って設けられている。強磁性体14bは、上記周方向に垂直な任意の断面において、スリット18によって区画された複数の部分を有しており、かつ上記z方向に垂直な任意の断面において、スリット18によって区画された複数の部分を有している。
スリット18は、可動側通電軸4の軸線に対して螺旋状に設けられている。言い換えると、強磁性体14bは、可動側通電軸4の周囲に螺旋状に設けられている。スリット18の一端とスリット18の他端とは、例えば上記z方向において重なるように配置されている。
強磁性体14bを構成する材料は、任意の強磁性体であればよいが、例えば鉄(Fe)に代表される良導体を含む。強磁性体14dは、例えば強磁性体14bと同等の構成を備えている。強磁性体14dは、固定側通電軸5の周囲に螺旋状に設けられている。
実施の形態5に係る真空バルブは、強磁性体14b,14dの上記作用A〜Dにより、実施の形態1に係る真空バルブ100と同様の効果を奏することができる。さらに、実施の形態5に係る真空バルブは、強磁性体14b,14dに設けられたスリット18の後述する作用E,Fにより、実施の形態1に係る真空バルブ100と比べて強磁性体14b,14dの発熱が抑制されている。以下、図12を参照して、強磁性体14bに設けられたスリット18の作用E,Fについて説明する。
まず、比較例として、強磁性体14b,14dにスリット18が設けられていない実施の形態1に係る真空バルブ100が上記閉状態とされ、かつ通電電流が可動側通電軸4および固定側通電軸5を流れている状態を考える。この通電状態では、可動側通電軸4および固定側通電軸5の周囲に、アンペールの法則に従って誘導磁界が生じる。上記電流が軸線に沿った方向すなわちz方向に流れるため、誘導磁界の向きは上記周方向に沿っている。誘導磁界の磁束は、透磁率の高い強磁性体14b,14dの内部で増大する。強磁性体14b,14dが良導体である場合、誘導磁界の磁束が強磁性体14b、14dを鎖交することによる電磁誘導により、強磁性体14b,14dには渦電流が生じる。上記渦電流は、図12中に示されるループdに沿って、強磁性体14b,14dの内部を還流する。その結果、強磁性体14b,14dはこのような渦電流により加熱されるため、真空バルブ100の放熱が妨げられるだけでなく、真空バルブ100自体の発熱量が増大する場合がある。
つぎに、実施の形態5に係る真空バルブが上記閉状態とされ、かつ通電電流が上記比較例と同様に可動側通電軸4および固定側通電軸5を流れている状態を考える。この通電状態においても、誘導磁界が可動側通電軸4および固定側通電軸5の周囲に生じる。しかし、スリット18が強磁性体14bの上記z方向の一端から他端にまで達するように設けられていることにより、誘導磁界の各磁束線の一部分はスリット18を通り、各磁束線の残部が強磁性体14b、14dを鎖交する。各磁束線のうちスリット18を通る上記一部分は渦電流の発生に寄与しない。そのため、同等の通電状態にある実施の形態5に係る真空バルブと実施の形態1に係る真空バルブ100とを比較したときに、前者の強磁性体14b,14dでは、後者の強磁性体14b,14dと比べて、渦電流に伴う発熱量が少ない。
すなわち、本実施の形態5に係るスリット18は、強磁性体14bの上記z方向の一端から他端にまで達するように設けられていることにより、渦電流に伴う強磁性体14b,14dの発熱を抑制するように作用する。以後、スリット18の本作用を作用Eと称する。
さらに、スリット18が強磁性体14b,14dの上記周方向の全周に渡って設けられていることにより、強磁性体14bは、上記周方向に垂直な任意の断面において、スリット18によって区画された少なくとも2以上の部分を有している。そのため、上記渦電流は、図12中に示される複数の小ループeの各々に沿って、強磁性体14b,14dにおいてスリット18により区画された各部分を還流する。各ループeは上記ループdよりも小さいため、各ループeに沿って流れる渦電流量は上記ループdに沿って流れる渦電流量よりも少ない。そのため、同等の通電状態にある実施の形態5に係る真空バルブと実施の形態1に係る真空バルブ100とを比較したときに、前者の強磁性体14b,14dでは、後者の強磁性体14b,14dと比べて、渦電流に伴う発熱量が少ない。
すなわち、本実施の形態5に係るスリット18は、強磁性体14bの上記周方向の全周に渡って設けられていることにより、渦電流に伴う強磁性体14b,14dの発熱を抑制するように作用する。以後、スリット18の本作用を作用Fと称する。
実施の形態5に係る真空バルブによれば、スリット18の上記作用Eおよび上記作用Fにより、上記閉状態における発熱量が実施の形態1に係る真空バルブ100と比べて低減されている。
図12に示されるスリット18は、強磁性体14bの上記z方向の一端から他端にまで達するように設けられており、かつ強磁性体14bの上記周方向の全周に渡って設けられているが、これに限られるものではない。
スリット18は、強磁性体14bの上記周方向の全周に渡って設けられておらず、強磁性体14bの上記z方向の一端から他端にまで達するように設けられていてもよい。このようなスリット18は、例えば上記z方向に沿って直線状に設けられていてもよい。この場合、強磁性体14b,14dは、スリット18によって上記周方向に分割されている。このようにしても、スリット18の上記作用Eにより、上記閉状態における発熱量が実施の形態1に係る真空バルブ100と比べて低減される。
スリット18は、強磁性体14bの上記z方向の一端から他端にまで達するように設けられておらず、強磁性体14bの上記周方向の全周に渡って設けられていてもよい。このようなスリット18は、例えば上記周方向に沿うように設けられていればよい。この場合、強磁性体14b,14dは、スリット18によって上記z方向に分割されている。このようにしても、スリット18の上記作用Fにより、上記閉状態における発熱量が実施の形態1に係る真空バルブ100と比べて低減される。
スリット18は、例えば強磁性体14bの上記z方向の一端と他端との間の一部分にのみ設けられていてもよい。スリット18は、例えば強磁性体14bの上記周方向の一部分のみに設けられていてもよい。この場合にも、各磁束線のうちスリット18を通る上記一部分は渦電流の発生に寄与せず、かつスリット18によって上記ループdがそれよりも小さい複数のループeに分割されるため、強磁性体14b,14dでの発熱量が抑制されている。
また、強磁性体14b,14dには、複数のスリット18が設けられていてもよい。各スリット18は、互いに交差していてもよいし、互いに間隔を隔てて配置されていてもよい。また、強磁性体14bおよび強磁性体14dのうちのいずれか一方にのみ、スリット18が設けられていてもよい。
実施の形態5に係る真空バルブは、実施の形態2〜4に係る真空バルブ101,102,103と基本的に同様の構成を備え、強磁性体15b1、強磁性体15b2、強磁性体15d1、および強磁性体15d2の少なくともいずれかにスリット18が設けられた点でのみ、これらと異なっていてもよい。
さらに、この発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜変更、省略することが可能である。例えば、実施の形態3に係る真空バルブ102は、強磁性体15b1、強磁性体15b2、強磁性体15d1、および強磁性体15d2に換えて強磁性体14b,14dを備え、強磁性体14b,14dが絶縁筒体1の内面1nに脱着可能に配置されていてもよい。実施の形態4に係る真空バルブ103は、強磁性体15b1、強磁性体15b2、強磁性体15d1、および強磁性体15d2に換えて強磁性体14b,14dを備えていてもよい。この場合、非磁性体17は、絶縁筒体1の内面1nに配置された強磁性体14b,14dを囲むように、絶縁筒体1の外面1uに配置される。
1 絶縁筒体、 1n 絶縁筒体1の内面、 1u 絶縁筒体1の外面、 1na 内面部、 1nb 内面部、 1nc 内面部、 1nd 内面部、 1ne 内面部、 1ua 外面部、 1ub 外面部、 1ub1 外面部、 1ub2 外面部、 1uc 外面部、 1ud 外面部、 1ud1 外面部、 1ud2 外面部、 1ue 外面部、2 可動側端板、3 固定側端板、4 可動側通電軸、5 固定側通電軸、6 可動側電極、7 固定側電極、8 可動側シールド、11 固定側シールド、13 アークシールド、17 非磁性体、18 スリット。

Claims (7)

  1. 絶縁性であり筒状の絶縁筒体と、
    前記絶縁筒体の一方側端部を閉塞する可動側端板と、
    前記絶縁筒体の他方側端部を閉塞する固定側端板と、
    前記可動側端板を貫通して配設された可動側通電軸と、
    前記可動側通電軸の先端部に設けられた可動側電極と、
    前記固定側端板を貫通して配設され、前記可動側通電軸の軸線上に配置される固定側通電軸と、
    前記固定側通電軸の先端部に前記可動側電極と対向して設けられた固定側電極と、
    前記絶縁筒体の外面あるいは内面に配置される強磁性体と、
    前記可動側電極と前記固定側電極とを覆うように配置されたアークシ−ルドとを備え、
    前記強磁性体は、前記絶縁筒体の前記内面に対して法線方向の磁界成分を有し、
    以下の構成(1)および構成(2)のいずれかをさらに備えることを特徴とする真空バルブ。
    前記構成(1):
    前記絶縁筒体の前記内面は、
    前記可動側端板に近接する第1の内面部分と、
    前記アークシ−ルドに近接する第2の内面部分と、
    前記固定側端板に近接する第3の内面部分と、
    前記第1の内面部分と前記第2の内面部分との間に位置する第4の内面部分と、
    前記第3の内面部分と前記第2の内面部分との間に位置する第5の内面部分とに分割され、
    前記第4の内面部分の表面に第1の強磁性体を配置し、
    前記第5の内面部分の表面に第2の強磁性体を配置する。
    前記構成(2):
    前記絶縁筒体の前記外面は、
    前記可動側端板に近接する第1の外面部分と、
    前記アークシ−ルドに近接する第2の外面部分と、
    前記固定側端板に近接する第3の外面部分と、
    前記第1の外面部分と前記第2の外面部分との間に位置する第4の外面部分と、
    前記第3の外面部分と前記第2の外面部分との間に位置する第5の外面部分とに分割され、
    前記第4の外面部分の表面に第1の強磁性体を配置し、
    前記第5の外面部分の表面に第2の強磁性体を配置する。
  2. 前記強磁性体は、前記絶縁筒体から取り外し可能に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の真空バルブ。
  3. 前記絶縁筒体の前記外面は非磁性体が配置されていることを特徴とする請求項1あるいは請求項2に記載の真空バルブ。
  4. 前記構成(1)を備え、
    前記可動側通電軸を取り囲むように前記可動側端板に取り付けられる可動側シールドと、
    前記固定側通電軸を取り囲むように前記固定側端板に取り付けられる固定側シールドとを、さらに備え、
    前記第4の内面部分は、
    前記アークシ−ルド側の第4の1の内面部分と、前記第4の1の内面部分と間隔を設け前記可動側端板側の第4の2の内面部分とに分割され、
    前記第4の1の内面部分に前記第1の強磁性体を有し、前記第4の2の内面部分に第3の強磁性体を有し、
    前記第5の内面部分は、
    前記固定側端板側の第5の1の内面部分、前記第5の1の内面部分と間隔を設け前記アークシ−ルド側の第5の2の内面部分とに分割され、
    前記第5の1の内面部分に前記第2の強磁性体を有し、前記第5の2の内面部分に第4の強磁性体を有し、
    前記軸線と垂直方向から断面視する場合、
    前記アークシ−ルドの前記可動側端板側の端部の前記軸線方向の位置は、前記第1の強磁性体の前記軸線方向の両端の範囲内であり、
    前記可動側シールドの端部の前記軸線方向の位置は、前記第3の強磁性体の前記軸線方向の両端の範囲内であり、
    前記固定側シールドの端部の前記軸線方向の位置は、前記第2の強磁性体の前記軸線方向の両端の範囲内であり、
    前記アークシ−ルドの前記固定側端板側の端部の前記軸線方向の位置は、前記第4の強磁性体の前記軸線方向の両端の範囲内であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の真空バルブ。
  5. 前記構成(2)を備え、
    前記可動側通電軸を取り囲むように、前記可動側端板に取り付けられる可動側シールドと、
    前記固定側通電軸を取り囲むように、前記固定側端板に取り付けられる固定側シールドとを、さらに備え、
    前記第4の外面部分は、
    前記アークシ−ルド側の第4の1の外面部分と、前記第4の1の外面部分と間隔を設け前記可動側端板側の第4の2の外面部分とに分割され、
    前記第4の1の外面部分に前記第1の強磁性体を有し、前記第4の2の外面部分に第3の強磁性体を有し、
    前記第5の外面部分は、
    前記固定側端板側の第5の1の外面部分、前記第5の1の外面部分と間隔を設け前記アークシ−ルド側の第5の2の外面部分とに分割され、
    前記第5の1の外面部分に前記第2の強磁性体を有し、前記第5の2の外面部分に第4の強磁性体を有し、
    前記軸線と垂直方向から断面視する場合、
    前記アークシ−ルドの前記可動側端板側の端部の前記軸線方向の位置は、前記第1の強磁性体の前記軸線方向の両端の範囲内であり、
    前記可動側シールドの端部の前記軸線方向の位置は、前記第3の強磁性体の前記軸線方向の両端の範囲内であり、
    前記固定側シールドの端部の前記軸線方向の位置は、前記第2の強磁性体の前記軸線方向の両端の範囲内であり、
    前記アークシ−ルドの前記固定側端板側の端部の前記軸線方向の位置は、前記第4の強磁性体の前記軸線方向の両端の範囲内であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の真空バルブ。
  6. 前記強磁性体には、スリットが設けられている、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の真空バルブ。
  7. 前記スリットは、螺旋状に設けられている、請求項に記載の真空バルブ。
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