JP6681910B2 - コロイダルシリカ濃縮物の生成の方法 - Google Patents

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Description

本発明は高温地熱流体中のコロイダルシリカの濃縮の方法に関する。
地球の内部からの熱によって加熱された流体は、歴史的に直接加熱のために使用されてきたが、最近になって、電気を生成するために利用されている。地熱発電所により生成される電気は、信頼でき、持続可能で環境に優しいことが示されている。地熱は燃料を必要としないので(いくつかの発電所においてポンプを動かすことを除き)、これは、化石燃料コスト変動および依存性とは無関係である。地熱発電はまた、化石燃料発電方法と比べると温室効果ガスの放出が著しく低く、よって、化石燃料の代わりに広く使用されると、地球温暖化を軽減するのを助ける可能性を有する。
風または太陽光などの他の再生可能なエネルギー源に勝る1つの主な利点は、地熱は、これらの方法において特有の断続的な供給に悩まされないことである。その結果、これはまた、エネルギー貯蔵能力に対する必要性を低減する。地表近くの地熱活動を必要とする、地熱の発電所の従来の制限にもかかわらず、技術の最近の進歩は、地熱発電をサポートできる領域の範囲を劇的に拡大させた。
地熱電力は主に2つの方法により生成される。フラッシュスチーム発電所から生成される第1の方法は、一般に高温地熱流体を有する領域で採用され、地熱流体を「フラッシング」することを含む。これは、高圧流体を低圧槽に通して蒸気と分離された地熱水(SGW)への流体の分離を達成することを含む。得られた蒸気を使用してタービンを駆動し、一方、SGWは地中に再注入されるか、さらなる電気がSGWから抽出される1段階バイナリサイクルプラントに送られる。電気発生の第2の方法は、2段階バイナリサイクル発電所の使用による。これらのプラントはフラッシュプラントにおける蒸気およびSGWの分離を含み、地熱流体および蒸気はどちらも異なる熱交換器を通過させられ低沸点2次流体(典型的にはペンタン)を蒸発させるために使用され、これが、次に、発電のためのタービンを駆動する。冷却された地熱流体は典型的には、地上水路に再注入されるか送り込まれる。バイナリサイクル発電所は、ずっと冷たい初期地熱流体温度で動作することができる。
地熱流体は、地殻中の岩石由来の多くのイオン種および微粒子状物質を含む。エネルギーが地熱源蒸気から抽出される際、温度の低減により多くの溶解種の溶解度が減少し、これがそれらの沈殿を引き起こし得る。沈殿のこのプロセスは、溶解種を抽出するために使用する場合に有益であり得る。しかしながら、過度の熱が抽出されると、溶解種は溶液から沈殿し、パイプ、水路および他の機器のスケール付着および汚損につながる。加えて、地熱流体が地中に再注入される場合、再注入部位の周囲での種の沈殿が地下妨害および流れの低減を招く可能性がある。地熱源は、地質学的組成物により溶解種の濃度が異なる。しかしながら、沈殿の問題は、地熱源の有効利用およびエネルギー回収を阻止する主な制限である。既存の地熱源からのさらなるエネルギー回収を可能にすることは、大きな経済利益を有し、脱化石燃料電力の動きを支援する。
地熱流体の重要な成分はシリカ(二酸化ケイ素)である。エネルギー回収中の上記の沈殿問題を回避するためには、シリカの抽出が望ましい。1つの研究により、シリカがうまく抽出された場合、25%多い電力が、利用できる地熱源から生成され得るであろうことが推定される(Harper et al. 1992)。加えて、沈殿シリカおよびコロイダルシリカはそれ自体で、様々な産業用途を有する、価値のある商品である。
沈殿前に、シリカ粒子が親モノマケイ酸種の自発核生成により形成する。これらのモノマはその後重合により成長してポリマ一次シリカ粒子を形成し、それらは約1.5nmの物理的寸法を獲得する(Harper、1997−US5,595,717A号)。これらの粒子はより多くのモノマを獲得することにより成長してコロイドを形成するか、または粒子は凝集し、シリカゲルとして知られるゼラチン状物質の形成をもたらす可能性がある。シリカコロイドは単純に大きなシリカポリマであり、これは表面力により自然に球形状をとる。10ナノメートルのコロイドはおよそ15,000のシリカ分子を含む。条件およびある凝固剤の存在によって、シリカ粒子は溶液から固体として沈殿して懸濁液を形成し得る。
地熱水からのシリカ沈殿の問題の長年の認識にもかかわらず、シリカの抽出により問題を処理する商業的に実現可能な解決策はまだ出現していない。公知の方法は、低シリカ濃度(すなわち<275ppm)を有する低温源(すなわち<75℃)からのシリカの抽出に焦点を当ててきた。抽出は、すでにエネルギー抽出を受けた源に対して実施されてきた。
コロイダルシリカは、ほとんどの場合、ケイ酸ナトリウムから多段階プロセスで調製される。一般原理は、ケイ酸ナトリウムからカチオン交換によりナトリウムを除去することである。ナトリウムがないと、重合が起こり、粒子が成長し始める。アルカリ−ケイ酸塩溶液は部分的に中和され、これにより、1〜5nmの範囲のシリカ核が形成される。ケイ酸ナトリウム溶液の初期酸性化により、Si(OH)が得られる。pHは中性のわずかにアルカリ性側で維持され、サブユニットは分離されたままでありコロイダルシリカが徐々に成長することを確実にする。コロイド懸濁液はpH調整により安定化され、その後、通常は蒸発により濃縮される。得られる最大濃度は、粒子サイズに依存する。例えば、50nm粒子は50m%超固体まで濃縮され得るが、10nm粒子はおよそ30m%固体にしか濃縮できず、その後、懸濁液が不安定になりすぎる。
発明の1つの目的は、地熱流体からコロイダルシリカ濃縮物を生成する方法を提供すること、または少なくとも大衆に有用な選択を与えることである。
第1の態様によれば、発明は、シリカを含む地熱流体からコロイダルシリカ濃縮物を生成する方法を提供し、方法は下記を含む:
a.コロイド核形成が起こるのに十分な温度に流体の温度を低減すること;
b.流体を沈降させてコロイダルシリカを形成させること;
c.流体を、スパイラル巻回膜を含む第1の限外濾過ユニットを通過させて第1のUF濃縮物を得ること;
d.1つ以上のさらなる限外濾過工程を使用して第1のUF濃縮物を処理しコロイダルシリカ濃縮物を得ること。
好ましくは、方法は、流体を沈降させた後かつ第1の限外濾過ユニットで受け取られる前に分散剤を地熱流体に添加する工程をさらに含む。好ましくは、分散剤は沈降流体に添加される。好ましくは、コロイド形成は分散剤の添加後に実質的に止まる。好ましくは、分散剤はNalco980またはAcumer5000である。
好ましくは、コロイダルシリカ濃縮物は、実質的に単分散のコロイド粒子サイズ分布を含む。好ましくは、実質的に単分散とは、コロイダルシリカの粒子サイズの標準偏差が50nm未満であることを意味する。
好ましくは、方法は、コロイド形成後かつ流体が第1の限外濾過ユニットで受け取られる前の期間の間沈降流体を養生させることをさらに含む。好ましくは、養生は1つ以上の養生槽内で実施される。好ましくは、分散剤は限外濾過前または養生槽に入る前に流体に添加され、期間はコロイド成長が実質的に止まるのに十分である。好ましくは、分散剤は5ppmの濃度で添加される。好ましくは、添加される分散剤は1〜10ppmである。
好ましくは、養生期間は、コロイド形成を実質的に停止するのに、またはすでに形成されたコロイドを安定化するのに十分である。好ましくは、養生期間はおよそ1.75時間である。好ましくは、養生期間は1秒〜4時間である。好ましくは、養生期間はおよそ1時間、およそ2時間、およそ3時間またはおよそ4時間である。
好ましくは、方法は、限外濾過前に地熱流体のpHを7.0〜9.0に調整することをさらに含む。
好ましくは地熱流体のpHは、流体を沈降させる前に調整される。好ましくは、pHは、少なくとも1つのアルカリを地熱流体に添加することにより調整される。好ましくは、アルカリは水酸化ナトリウムである。他の実施形態では、アルカリは、水酸化カリウム、水酸化カルシウムおよび水酸化マグネシウムからなる群より選択される。
好ましくは、地熱流体のpHは、コロイダルシリカ生成を促進するのに十分高いがコロイダルシリカの溶解を回避するのに十分低いpHに調整される。好ましくは、地熱流体のpHは7.0〜8.5、7.5〜9.0、8.0〜9.0、7.0超、7.5超、8.0超、8.5超、およそ7.0、およそ7.5、およそ8.0、およそ8.5、およそ9.0からなる群より選択されるpHに調整される。
好ましくは、地熱流体は分離された地熱水(SGW)である。
好ましくは、地熱流体中のシリカの濃度は、少なくとも300ppmである。好ましくは、地熱流体中のシリカの濃度は、少なくとも400ppm、少なくとも500ppm、少なくとも600ppm、少なくとも700ppm、少なくとも740ppm、少なくとも800ppm、少なくとも1000ppmおよび少なくとも1200ppmから選択される。
好ましくは、地熱流体は約90℃〜約250℃の温度から低減される。好ましくは地熱流体の温度は、約90℃〜約150℃、約100℃〜約140℃、少なくとも90℃、少なくとも100℃、少なくとも110℃、少なくとも120℃、少なくとも130℃、少なくとも140℃、150℃未満、140℃未満、250℃未満、200℃未満、185℃未満、150℃未満、130℃未満、120℃未満、およそ90℃、およそ100℃、およそ110℃、およそ120℃、およそ130℃、およそ140℃、およそ150℃、およそ185℃、およそ200℃またはおよそ250℃からなる群より選択される。
好ましくは、地熱流体は、シリカを濃縮するための逆浸透(RO)プロセスから得られる。好ましくは、RO濃縮プロセスは実質的に、ニュージーランド特許出願第NZ625448号に記載される通りである。
好ましくは、温度は20℃〜80℃の温度に低減される。好ましくは、流体の温度は30℃〜80℃、30℃〜70℃、30℃〜60℃、40℃〜70℃、40℃〜80℃、少なくとも30℃、少なくとも40℃、少なくとも50℃、少なくとも60℃、80℃未満、70℃未満、60℃未満、50℃未満、およそ35℃、およそ40℃、およそ45℃、およそ50℃、およそ55℃、およそ60℃、およそ65℃、およそ70℃、およそ75℃、およそ80℃からなる群より選択される温度に低減される。
好ましくは、沈降は1つ以上の沈降槽内で起こる。好ましくは、形成されるシリカコロイドのサイズは沈降時間により制御される。好ましくは、沈降時間は5分〜2時間である。好ましくは、沈降時間はおよそ30分である。好ましくは、沈降時間は、5分超、10分超、15分超、30分超、1時間超、2時間超、6時間未満、2時間未満、1時間未満、30分未満、15分未満、10分〜1時間、10分〜45分、およそ5分、およそ10分、およそ15分、およそ20分、およそ30分、およそ45分、およそ1時間およびおよそ2時間からなる群より選択される。
好ましくは、第1の限外濾過ユニットは、地熱流体からコロイダルシリカを分離する。好ましくは、第1のUFユニットのスパイラル巻回膜は、1000ダルトン〜7000ダルトン、好ましくは3000〜5000ダルトンの分画分子量(MWCO)を有する。他の実施形態では、MWCOは1000ダルトン超、4000ダルトン超、およそ1000ダルトン、およそ2000ダルトン、およそ4000ダルトン、およそ10000ダルトンまたは10000ダルトン超である。
好ましくは、膜はおよそ5nm超の粒子を保持する。
好ましくは、第1のUFユニットにより保持されるコロイダルシリカは8nm超であり、またはおよそ12nmの平均サイズを有する。好ましくは、コロイダルシリカは5nm〜100nmの平均サイズを有する。好ましくは、コロイダルシリカの標準偏差は50nm未満である。
好ましくは、単一の8インチスパイラル巻回膜を通る流速は0.5l/s〜2l/sである。好ましくは、この膜を通る流速は2l/s未満、1l/s未満、およそ0.5l/s、およそ1l/s、およそ1.5l/sまたはおよそ2l/sである。
好ましくは、第1のUFユニットは、フィードアンドブリードUF設計を含む。
好ましくは、地熱流体は限外濾過ユニットに入る前に予め濾過されて微粒子状物質および沈殿シリカの少なくとも1つを除去する。好ましくは、前置フィルタは100μmスクリーンを含む。好ましくは、スクリーンは、10μm〜200μm、およそ10μm、およそ20μm、およそ50μm、およそ100μm、およそ150μm、およびおよそ200μmからなる群より選択されスクリーンサイズを含む。
好ましくは、第1のUFユニットは、2つ以上のステージを含む。好ましくは、各ステージは並列の複数のUF膜を含み、ここで、上記ステージが直列に連結される。
好ましくは、第1のUFユニットは第1のUF濃縮物を生成し、ここで、シリカ濃度は、0.1m%超、0.5m%超、1m%超、1.5m%超、2m%超、5m%超、10m%超、15m%超、0.1m%〜20m%、およそ0.5m%、およそ1m%、およそ1.5m%およびおよそ2m%、およそ3m%、およそ4m%、およそ5m%、およそ10m%、およそ15m%、およびおよそ20m%からなる群より選択される。
好ましくは、第1のUF濃縮物のpHは、9.0〜11.0、9.0〜10.5、9.0〜10.0、9.5〜11.0、9.5〜10.5、9.0超、9.5超、10.0超、11.0未満、10.5未満、およそ9.0、およそ9.5、およそ10.0、およそ10.5、およびおよそ11.0からなる群より選択されるpHに調整される。
好ましくは、1つ以上のさらなる限外濾過工程は、第2の限外濾過ユニット中の管状膜またはスパイラル巻回膜を使用する限外濾過を含む。
好ましくは、第2のUFユニットの膜は、およそ200000ダルトン超の粒子を保持する。好ましくは、第2のUFユニットにより保持されるコロイダルシリカは8nm超であり、または、およそ12nmの平均サイズを有する。
好ましくは、第2またはさらなるUFユニットは、フィードアンドブリードUF設計を含む。
好ましくは、最終UFステージはバッチである。
好ましくは、第2またはさらなるUFユニットは、2つ以上のステージを含む。
好ましくは、第2またはさらなるUFユニットは少なくとも10m%のUF濃縮物を生成する。好ましくは、第2またはさらなるUFユニットはUF濃縮物を生成し、ここで、シリカ濃度は、2m%超、5m%超、10m%超、15m%超、20m%超、30m%超、40m%超、2m%〜50m%、およそ10m%、およそ20m%、およそ30m%、およそ40m%およびおよそ50m%からなる群より選択される。
好ましくは、第1のUFユニットは第1のUF透過物を生成し、これは、逆浸透ユニットに送られ、RO透過物およびRO濃縮物を得る。好ましくは、ROユニットの回収率は50%〜80%である。好ましくは、回収率はおよそ50%、およそ60%、およそ70%またはおよそ80%である。
好ましくは、RO透過物は、ダイアフィルトレーション槽に送られる。好ましくは、RO透過物の少なくとも一部を使用して第2またはさらなる限外濾過ユニットにおけるダイアフィルトレーションプロセスを設定する。好ましくは、RO透過物の少なくとも一部はUF供給槽で受け取られ、供給槽は第2またはさらなる限外濾過工程に供給する。
好ましくは、第1のUF濃縮物はRO透過物またはダイアフィルトレーション槽からの流体と組み合わされ、第2の限外濾過ユニットに送られる。好ましくは、RO透過物の少なくとも一部は第1のUF濃縮物と組み合わされて第1のUF濃縮物をダイアフィルトレーションし、生成された混合物は第2の限外濾過ユニットに送られる。
好ましくは、RO濃縮物は沈降槽にリサイクルされる。
好ましくは、第1のUF濃縮物はダイアフィルトレーションに供せられ、総溶解塩濃度をおよそ1500ppm未満またはおよそ1000ppm未満に低減する。
好ましくは、熱交換器は背圧下にあり、冷却中の地熱流体のフラッシングを防止する。
第2の態様では、発明は、地熱流体からシリカを濃縮するためのシステムを提供し、システムは下記を含む:
a.地熱流体の温度を低減するように適合された1つ以上の熱交換器;
b.熱交換器から地熱流体を受け取るように適合されたスパイラル巻回膜を含む第1の限外濾過ユニット;
c.第1の限外濾過ユニットから第1のUF濃縮物を受け取るように適合された1つ以上のさらなる限外濾過ユニット。
好ましくは、熱交換器はプレート熱交換器、パイプ型熱交換器またはチューブアンドシェル熱交換器である。
好ましくは、熱交換器は、地熱流体の温度を少なくとも90℃の温度から低減させ、それを30℃〜80℃に低減するように適合される。
好ましくは、システムは、地熱流体に少なくとも1つのアルカリまたは酸を投与して予め決められたpHにpHを調整するように適合された投与手段を含む。
好ましくは、第1の投与手段は、地熱流体のpHを7.0〜9.0、7.0〜8.5、7.5〜9.0、8.0〜9.0、7.0超、7.5超、8.0超、8.5超、およそ7.0、およそ7.5、およそ8.0、およそ8.5、およそ9.0からなる群より選択されるpHに調整するように適合される。
好ましくは、システムは、シリカコロイドを形成させるように適合された1つ以上の沈降槽をさらに含む。
好ましくは、システムは、沈降槽から流体を受け取りそれを第1の限外濾過ユニットに回すように適合された1つ以上の養生槽をさらに含み、ここで、養生槽は流体をある期間の間保持するように適合される。
好ましくは、システムは、沈降槽から受け取った流体を投与するように適合された1つ以上の投与手段をさらに含む。
好ましくは、システムは、1000ダルトン〜7000ダルトン、好ましくは3000〜5000ダルトンの分画分子量(MWCO)を有するスパイラル巻回膜をさらに含む。他の実施形態では、MWCOは1000ダルトン超、4000ダルトン超、およそ1000ダルトン、およそ2000ダルトン、およそ4000ダルトン、およそ10000ダルトンまたは10000ダルトン超である。
好ましくは、第1のUFユニットは、フィードアンドブリードUF設計を含む。
好ましくは、第1のUFユニットは、UFユニットに入る流体を濾過するように適合された前置フィルタをさらに含む。好ましくは、前置フィルタは100μmスクリーンを有する前置フィルタを含む。好ましくは、スクリーンは、10μm〜200μm、およそ10μm、およそ20μm、およそ50μm、およそ100μm、およそ150μm、およびおよそ200μmからなる群より選択されるスクリーンサイズを含む。好ましくは、前置フィルタは第1のUFユニットの直前のシステムに連結される。
好ましくは、UFユニットは、2つ以上のステージを含む。
好ましくは、1つ以上のさらなる限外濾過ユニットは管状膜またはスパイラル巻回膜を含む。好ましくは、膜はおよそ5nm超またはおよそ200000ダルトン超の粒子を保持する。
好ましくは、第2またはさらなるUFユニットは、フィードアンドブリードUF設計を含む。
好ましくは、第2またはさらなるUFユニットは、2つ以上のステージを含む。
好ましくは、第2の投与手段は、地熱流体のpHを9.0〜11.0、9.0〜10.5、9.0〜10.0、9.5〜11.0、9.5〜10.5、9.0超、9.5超、10.0超、11.0未満、10.5未満、およそ9.0、およそ9.5、およそ10.0、およそ10.5、およびおよそ11.0からなる群より選択されるpHに調整するように適合される。
好ましくは、システムは、第1のUFユニットから第1のUF透過物を受け取り、RO透過物およびRO濃縮物を得るように適合された逆浸透ユニットをさらに含む。
好ましくは、システムは、RO透過物を受け取りそれをダイアフィルトレーションのために第2のまたはさらなるUFユニットに供給するように適合されたダイアフィルトレーション槽をさらに含む。
第3の態様では、発明は、発明の第一の態様で記載される方法により得られた場合のコロイダルシリカ濃縮物を提供する。
第4の態様では、発明は、シリカを含む地熱流体から調製されるコロイダルシリカ濃縮物の分散度を制御する方法を提供し、方法は下記を含む:
a.コロイド核形成が起こるのに十分な温度に流体の温度を低減すること;
b.ある沈降時間の間ある沈降温度で流体を沈降させることにより制御された分散度を有するコロイドを形成させること;
c.スパイラル巻回膜を用いる限外濾過を使用して流体を濾過して0.1m%〜20m%の濃縮物を得ること。
好ましくは、コロイダルシリカ濃縮物は実質的に単分散である。好ましくは、コロイダルシリカは5nm〜100nmの平均サイズを有する。好ましくは、コロイダルシリカの標準偏差は50nm未満である。
好ましくは、分散剤は成長期間後に添加されてコロイド成長を実質的に停止する。
好ましくは、沈降時間は第一の態様に関連して記載される通りである。
好ましくは、濃縮物中のシリカ濃度は、0.1m%超、0.5m%超、1m%超、1.5m%超、2m%超、5m%超、10m%超、15m%超、0.1m%〜20m%、およそ0.5m%、およそ1m%、およそ1.5m%およびおよそ2m%、およそ3m%、およそ4m%、およそ5m%、およそ10m%、およそ15m%、およびおよそ20m%からなる群より選択される。
好ましくは、沈降温度は、コロイド核形成が起こるのに十分である。好ましくは、沈降温度は20℃〜80℃である。好ましくは、沈降温度は、30℃〜80℃、30℃〜70℃、30℃〜60℃、40℃〜70℃、40℃〜80℃、少なくとも30℃、少なくとも40℃、少なくとも50℃、少なくとも60℃、80℃未満、70℃未満、60℃未満、50℃未満、およそ35℃、およそ40℃、およそ45℃、およそ50℃、およそ55℃、およそ60℃、およそ65℃、およそ70℃、およそ75℃、およそ80℃からなる群より選択される。
第5の態様では、発明は、シリカを含む地熱流体から形成されるシリカコロイドの平均粒子サイズを制御する方法を提供し、方法は下記を含む:
a.コロイド核形成が起こるのに十分な温度に流体の温度を低減すること;
b.ある沈降時間の間ある沈降温度で流体を沈降させることにより制御された分散度を有するコロイドを形成させること。
好ましくは、コロイドサイズは、シリカコロイドの平均数直径を含む。好ましくは、分散剤は成長期間後に添加されてコロイド成長を実質的に停止する。
好ましくは、沈降時間は第一の態様に関連して記載される通りである。
好ましくは、沈降温度は、コロイド核形成が起こるのに十分である。好ましくは、沈降温度は20℃〜80℃である。好ましくは、沈降温度は、30℃〜80℃、30℃〜70℃、30℃〜60℃、40℃〜70℃、40℃〜80℃、少なくとも30℃、少なくとも40℃、少なくとも50℃、少なくとも60℃、80℃未満、70℃未満、60℃未満、50℃未満、およそ35℃、およそ40℃、およそ45℃、およそ50℃、およそ55℃、およそ60℃、およそ65℃、およそ70℃、およそ75℃、およそ80℃からなる群より選択される。
発明の別の態様によれば、300ppm超でシリカを含む地熱流体からシリカ濃縮物を生成する方法が提供され、方法は下記を含む:
a.地熱流体のpHを7.5〜8.5に調整すること;
b.流体の温度を100℃〜130℃から35℃〜75℃に低減すること;
c.流体を沈降させてコロイダルシリカを形成させること;
d.分散剤を流体に添加すること;
e.流体を濾過して沈殿シリカを除去すること;
f.流体を、スパイラル巻回膜を含む第1の限外濾過ユニットを通過させて第1のUF濃縮物を得ること;
g.第1のUF濃縮物のpHを9.0〜11.0に調整すること;
h.第1のUF濃縮物を第2の限外濾過ユニットに回してコロイダルシリカ濃縮物を得ること。
発明のさらなる態様は、全体でその新規態様と考えられるべきであり、これらは、発明の実用化の少なくとも1つの例を提供する下記説明を読むと当業者に明らかになるであろう。
本明細書で言及される実施形態は、その態様または他の実施形態のいずれかと共に読まれることが意図される。
発明の実施形態を以下、ほんの一例として、添付の図面を参照して説明する。
コロイダルシリカの濃度についての発明の一実施形態を示す。 コロイダルシリカが40℃およびpH8.5で生成される時の溶液中のモノマシリカの変化を示す。 シリカコロイドのサイズおよびサイズ分布(分散度)を示す。 シリカコロイドのサイズおよびサイズ分布(分散度)を示す。
「地熱流体」は主に地面から得られ、地熱エネルギーにより加熱された流体蒸気の任意の液体画分を指す。地熱流体は、蒸気を分離するための高温加圧地熱蒸気のフラッシング後に生成される、分離された地熱水(SGW)であってよい。
「コロイド」は、第2の物質により連続相中に分散された1つの物質の大きな分子または極微粒子からなる非晶質物質を指す。コロイドは典型的には大きすぎて半透膜を通過することができない。
「コロイダルシリカ」または「シリカコロイド」は、液相中の二酸化ケイ素(シリカ)粒子の分散懸濁液を指す。典型的には、コロイダルシリカは、表面力のために自然に球形状をとる大きなシリカポリマを含む。
「分散度」は、あるポリマ/コロイド試料中の分子質量の分布のIUPACにより認可された尺度である。分散度はポリマ/コロイドのバッチ中の個々の分子質量の分布を示す。
「シリカコロイドのサイズ」および同様の専門用語は平均数直径を指すことが意図される。この平均は数分布に対して加重される。
「沈殿シリカ」または「シリカ沈殿物」は、溶液から沈殿した固体シリカを指す。この沈殿シリカは懸濁液として存在し得る。沈殿シリカはコロイダルシリカとは異なると認識され得る。なぜなら沈殿シリカは最終的に沈降するがコロイダルシリカは分散相中に保持されるからである。
「シリカ濃度」などは液相中の総シリカ濃度を指す。総シリカ(すなわち、モノマシリカ+コロイダルシリカ)は、イオン結合プラズマ(ICP)試験、または基準に対する濃縮物の比重などの任意の公知の方法により測定され得る。比重は、比重計を用いる公知の方法により測定される。別記されない限り、本明細書で記載される測定値は、試料の比重の計算により比重計を用いて測定されるm%の単位で示される。総シリカはパーツ・パー・ミリオン(ppm)または質量パーセンテージ(m%)を単位として表される。
「金属」または「金属成分」は、本明細書では、金属の純粋元素形態に限定されず金属のイオン形態を包含することが意図される。これらは溶液、懸濁液、または任意の他の状態にあってもよい。これらの用語は、メタロイド元素を包含することも意図される。
「濃縮物」は、ユニットの半透膜を通過しない、逆浸透/限外濾過ユニットから出てくる流体の画分を指す。シリカ濃縮物は少なくともシリカを含む濃縮物である。
「透過物」は、ユニットの半透膜を通過した、逆浸透/限外濾過ユニットから出てくる流体の画分を指す。
「回収率」または「回収」は、逆浸透/限外濾過プロセスに言及する場合、透過物として膜を通過する供給物のパーセンテージ量を意味する。
「限外濾過」または「UF」は、供給流体を分離するために半透膜を使用して濃縮物および透過物を得る濾過方法を指す。限外濾過は、0.005−0.01μm(>1000ダルトン)の範囲で供給流体から物質を濾過するために使用される。
「限外濾過ユニット」は、本明細書では、1つ以上の半透膜を含む限外濾過ハウジングを含む。ユニットは任意の好適なユニットであってもよく、そのようなユニットは当業者に知られている。例として、ユニットのハウジングはPentair Codelineモデル80860を含み得る。ハウジング内に受け入れられる膜は、任意の好適な膜を含み得る。特定の実施形態では、膜は4インチスパイラル巻回膜を含む。他の実施形態では、膜は8インチスパイラル巻回膜または別のサイズのスパイラル巻回膜を含み得る。当業者は、プロセスに適切な膜およびハウジングを認識するであろう。しかしながら、例として、膜はMembrane Development Specialists, San Diego, USAから供給され得る。
「限外濾過ユニットを含むシステム」または同様の表現は、供給口から限外濾過ユニットへの地熱流体の輸送および流れを可能にするために典型的に使用されるであろう配管および他の特徴を含む。例として、「システム」は排気弁、熱交換器、フィルタ、計測手段(圧力センサ、流量センサ、pHセンサ)、T字合流配管(スタティックミキサ)を含み得る。
「逆浸透ユニット」は、本明細書では、1つ以上の半透膜を含む逆浸透容器を含む。ユニットは任意の好適な逆浸透ユニットであってよい。そのようなユニットは当業者に知られている。しかしながら、例として、ユニットは、Filmtech 8040F膜を使用する手巻逆浸透膜および高温ADTおよび透過物チューブまたはGE Industrial ROエレメントを含み得る。本明細書で言及され、本発明者らにより使用される逆浸透膜はMembrane Development Specialists, San Diego, USAから供給された。
「ダイアフィルトレーション」は、より低い濃度のイオンまたは不純物を有する溶媒をより高い濃度の供給物に添加して供給物の成分を希釈することを含む。ダイアフィルトレーションは、公知の方法により実施され得る。
「水酸化ナトリウム」はまた、本明細書では「苛性」とも呼ばれ得る。特定のpHを達成するための水酸化ナトリウムの濃度は多くの因子に依存し、当業者により容易に確認され得る。
文脈上明白に他の意味に解釈すべき場合を除いて、説明および特許請求の範囲を通して、「含む」、「含んでいる」、などという語は、排他的または徹底的な意味とは対照的に包括的な意味で、すなわち、「含むが、それらに限定はされない」という意味で解釈されるべきである。
上記および下記で引用される全ての出願、特許および刊行物(もしあれば)の開示内容は全てが、本明細書で参照により組み込まれる。
この明細書におけるいずれの先行技術への言及も、先行技術が、世界中のいずれかの国における企画の分野の普通の一般的な知識の一部を形成することを認めるものと、またはそれを何らかの形態で示唆するものと解釈されず、解釈されるべきではない。
発明はまた、出願の明細書において言及される、または示される部分、要素および特徴に、個々にまたは集合的に、上記部分、要素または特徴の2つ以上の任意のまたは全ての組み合わせにあると広く言うことができる。
上記説明が完全体または公知のその等価物を有する構成要素について言及する場合、それらの完全体は、個々に明記されているかのように本明細書に組み込まれる。
本明細書で記載される現在のところ好ましい実施形態に対する様々な変更および改変は当業者に明らかであることに注意すべきである。そのような変更および改変は本発明の精神および範囲から逸脱せずに、かつその付随する利点を損なうことなく、実施可能である。そのため、そのような変更および改変は発明の範囲に含まれることが意図される。
一般論として、ニュージーランド特許出願第NZ625448号で記載される発明は、少なくとも300ppmのシリカ濃度を有する地熱流体から、逆浸透(RO)技術を使用してシリカ濃縮物を生成する方法を提供した。その方法は、地熱流体を逆浸透ユニットに回す前に地熱流体のpHを低減する工程、および、その地熱流体を少なくとも80℃の温度で逆浸透ユニットを含むシステムを通過させて、シリカ濃縮物および透過物を生成する工程を含んだ。このRO志向の方法における主要な目的は、システムのスケール付着および汚損を回避するために、RO濃縮後までシリカを溶液中に保持することであった。しかしながら、流体中のシリカ濃度がある一定の閾値に到達すると、コロイド形成を誘導しコロイダルシリカを販売または使用のために収集することが商業的に実現可能である。コロイド形成がこの閾値の前に誘導される場合、流体はより希薄であり、得られる抽出プロセスは経済的にそれほど実行可能でなく、より大きなスループットタイムを必要としより大きなスループットエネルギーを必要とするであろう。
コロイダルシリカを生成するための公知の方法(例えば、ケイ酸ナトリウムにより)は、一般に、シリカ溶液の初期濃度が2−5m%である場合に経済的に実行可能であるにすぎない。本発明は新規シリカコロイド源を利用し、経済的に実行可能な様式で、比較的低いシリカ濃度から2−5m%のシリカ濃度を利用する。さらに、より低い温度(すなわち40−70℃)でのコロイダルシリカの限外濾過は、炭酸カルシウムおよび硫酸カルシウムなどの種のスケール付着に関する問題を低減する。なぜならそれらは、これらのより低い温度で、十分可溶性で沈殿しないからである。
シリカ濃縮物からシリカを効率的に抽出するためには、比較的高いシリカ濃度、すなわち20m%超の濃縮物を使用することが望ましい。濃縮物中のシリカの濃度が高いほど、より多くを抽出できる。加えて、産業的状況では、流体からのシリカの抽出は、エネルギー抽出およびシリカ濃縮とは異なる場所および異なる時間で起こり得る。これらの状況では、多くの理由(例えば物流およびコスト)のために、高濃縮シリカ濃縮物を有することが望ましい。よって、発明は、少なくとも20m%、25m%、30m%、35m%、40m%、45m%または50m%のコロイダルシリカ濃度を有するコロイダルシリカ濃縮物を生成する方法を提供する。本明細書で記載される方法を使用して、より高い濃度が理論的には達成可能であるが、そのような化合物の粘度は高くなりすぎて使用可能な生成物を得ることができない。各地熱源はその特定の性質において異なっているが、一般論として、少なくとも20m%の濃度でコロイダルシリカを含む流体を得ることが商業的に望ましい。
シリカを地熱水から抽出する前の試みは、高粘性シリカゲルを形成する傾向を有するシリカ含有流体を扱う困難のために、完全に失敗した。地熱流体の他の成分は、一般に、インフラストラクチャーの制御されない汚損およびスケール付着を引き起こす。そのような流体中のミネラル混合物の複雑さはまた、予想外の化学相互作用および予測不可能な沈殿特性を生じさせる。全体に、そのような流体を取り扱う際に遭遇する困難は、そのようなベンチャーは費用がかかりハイリスクであることを意味する。初期の挫折およびかなりのプロセス開発時間にもかかわらず、発明者らは地熱流体からの商用コロイダルシリカ濃縮物の迅速でコスト効率の良い生成のためのプロセスを開発した。この改善されたプロセスは、地熱流体が実行可能なシリカコロイド生成源になることを可能にし、コロイダルシリカ生成の公知の方法(例えば、上記のケイ酸ナトリウム法)の商業的に実現可能な代替案を提供する。
したがって1つの態様では、発明は、シリカを含む地熱流体からコロイダルシリカ濃縮物を生成する方法を提供し、方法は下記を含む:
a.コロイド核形成が起こるのに十分な温度に流体の温度を低減すること;
b.流体を沈降させてコロイダルシリカを形成させること;
c.流体を、スパイラル巻回膜を含む第1の限外濾過ユニットを通過させて第1のUF濃縮物を得ること;
d.1つ以上のさらなる限外濾過工程を使用して第1のUF濃縮物を処理してコロイダルシリカ濃縮物を得ること。
方法は、スパイラル巻回膜を含む第1の限外濾過ユニットの使用を含む。スパイラル巻回膜は、少量の物質のみが流体から除去される飲料水の精製のための方法および他の技術において典型的に使用される。発明者らは、限外濾過のためにスパイラル巻回膜を使用することは、管状膜などの標準限外濾過膜と比べると、限外濾過のエネルギー消費を著しく低減することを見出した。これにより、ひいては、より多くの量の流体の経済的な濾過を可能にする。スパイラル巻回膜はまた、コロイダルシリカによる汚損に対し驚くべき高い回復力を提供する。理論に縛られることは望まないが、コロイダルシリカ粒子は、沈降および養生プロセス中にコロイドの表面上で蓄積される高度の負電荷のために、膜の表面により反発されると考えられる。これにより、透過物を通過させることができ、一方で極性シリカコロイドは濃縮物中に保持される。
図1は、地熱流体1に水酸化ナトリウム2が投与され、その後、熱交換器3に送られる、発明の特定の実施形態を示す。冷却された流体はその後、沈降槽4に送られて、コロイダルシリカを形成させる。流体はその後、分散剤5が投与され、その後、養生槽6に送られる。流体はその後、第1の限外濾過ユニット7を通して濾過される。濃縮物は水酸化ナトリウムが投与され8、その後、限外濾過供給槽9に送られる。第1の限外濾過ユニット7からの透過物は、逆浸透ユニット10に送られる。逆浸透ユニット10からの透過物は、第2の限外濾過ユニット12で使用するために、ダイアフィルトレーション槽11に送られる。逆浸透ユニット10からの濃縮物は、廃棄物13に送られる。限外濾過供給槽9からの流体は、ダイアフィルトレーション槽11からの流体と併せられ14、第2の限外濾過ユニット12に送られる。第2の限外濾過ユニットからの透過物は、廃棄物13に送られ、一方で濃縮物は、生成物槽15に送られる。RO濃縮物の一部は沈降槽4へリサイクルされる。
本明細書で記載される方法により受け取られ処理される地熱流体は、任意の地熱流体であってよい。特定の実施形態では、流体は分離された地熱水(SGW)である。先行技術プロセスは、一般に、地熱エネルギー抽出システムの下流の冷却された地熱水からのシリカの抽出の検討に制限される。例えばWO2009/079047号は段落[0040]で、地熱流体が発電所交換器から下流で得られたことを述べている。また、Harper(1992)は、バイナリサイクルタービンの下流で70−80℃の源供給物からのシリカの沈殿を示す流れ図を提供する。好ましくは、本発明のプロセスにより使用される地熱流体は、フラッシュプラントからなどの天然加圧源からのものである(すなわち、分離された地熱水)。高温で流体により与えられる自発圧力は、シリカ濃縮のために必要とされるシステムの圧力を維持するのに利点を有し、追加のポンプおよび結果として生じるエネルギーの使用を必要としない。したがって、システムは天然加圧システムを含み、費用がかかり維持集約型であるポンプまたは他の機器の使用がない。
発明の方法は、任意の濃度のシリカを有する地熱流体のシリカ成分を濃縮すると考えられる。しかしながら、商業上の点から見て、シリカの濃縮およびコロイド形成と関連するコストを低減するために、可能な限り高いシリカ濃度を有する流体源を使用することが望ましい。好ましくは、地熱流体中のシリカの濃度は少なくとも300ppmである。好ましくは、地熱流体中のシリカの濃度は、少なくとも400ppm、少なくとも500ppm、少なくとも600ppm、少なくとも700ppm、少なくとも740ppm、少なくとも800ppm、少なくとも1000ppmおよび少なくとも1200ppmから選択される。
好ましくは、地熱流体は、シリカを濃縮するための逆浸透プロセスから受け取られる。好ましくは、RO濃縮プロセスは実質的に、ニュージーランド特許出願第NZ625448号またはWO2015/178783号を参照して、以上で記載される通りである。
本発明の方法はコロイダルシリカを形成させ、続いて、限外濾過によりコロイダルシリカを濃縮する。発明者らは、コロイダルシリカの形成がpH感受性プロセスであり7.0〜9.0のpHを必要とすることを見出した。好ましくは、地熱流体のpHは流体を沈降させる前に調整される。流体のpHが低すぎると、これがシリカコロイドの形成を妨害し、コロイドの凝集をも引き起こして処理しにくいゲルを形成する。pHが高すぎると、コロイドは単に溶解して溶液中でモノマシリカを形成する。したがって、方法は、地熱流体のpHを、コロイダルシリカの生成を促進するのに十分高いが、コロイダルシリカの溶解を回避するのに十分低いように調整することを含む。好ましくは、地熱流体のpHは7.0〜8.0、7.0〜8.5、7.5〜9.0、8.0〜9.0、7.0超、7.5超、8.0超、8.5超、およそ7.0、およそ7.5、およそ8.0、およそ8.5、およそ9.0からなる群より選択されるpHに調整される。
pHは、当業者に知られている方法により調整され得る。好ましくは、地熱流体のpHは、少なくとも1つのアルカリを地熱流体に添加することにより増加される。好ましくは、アルカリは水酸化ナトリウムである。他の実施形態では、アルカリは、水酸化カリウム、水酸化カルシウムおよび水酸化マグネシウムからなる群より選択される。
地熱流体のpH調整の方法は当業者に知られている。しかしながら、例として、pHは、好ましくは標準注入ポートを含む、投与手段により調整される。好ましくは、地熱流体はpH調整の直後に混合される。好ましくは、地熱流体はスタティックミキサを通過して、pH調整後混合を実施する。同様の投与手段ならびに投与および混合の方法が、下に記載される第1のUF濃縮物のpHを調整する工程に適用可能である。同様の投与手段ならびに投与および混合の方法が、下に記載される分散剤を添加する工程に適用可能である。
コロイダルシリカは、流体がシリカで過飽和となった時に形成し、核形成とも呼ばれる。温度が減少するにつれ、シリカの溶解度が減少し核形成点に到達する。十分なシリカ濃度が与えられると、飽和が達成されシリカコロイドが形成し始める。本発明は、温度を、コロイダルシリカが形成するのに適切である30℃〜80℃の温度に低減する工程を含む。好ましくは、温度は流体を1つ以上の熱交換器に送ることにより低減される。
好ましくは、地熱流体は約90℃〜約250℃の温度から低減される。好ましくは地熱流体の温度は、約90℃〜約150℃、約100℃〜約140℃、少なくとも90℃、少なくとも100℃、少なくとも110℃、少なくとも120℃、少なくとも130℃、少なくとも140℃、150℃未満、140℃未満、250℃未満、200℃未満、185℃未満、150℃未満、130℃未満、120℃未満、およそ90℃、およそ100℃、およそ110℃、およそ120℃、およそ130℃、およそ140℃、およそ150℃、およそ185℃、およそ200℃またはおよそ250℃からなる群より選択される。
さらに、本明細書で記載される装置および方法は、スパイラル巻回膜の使用、逆浸透透過物を使用するダイアフィルトレーションおよび使用される2つのUFステージのために、125℃を超える地熱流体に特に有用である。
好ましくは、温度は30℃〜80℃に低減される。好ましくは、どの温度に低減されるかは、30℃〜80℃、30℃〜70℃、30℃〜60℃、40℃〜70℃、40℃〜80℃、少なくとも30℃、少なくとも40℃、少なくとも50℃、少なくとも60℃、80℃未満、70℃未満、60℃未満、50℃未満、およそ35℃、およそ40℃、およそ45℃、およそ50℃、およそ55℃、およそ60℃、およそ65℃、およそ70℃、およそ75℃、およそ80℃からなる群より選択される。
任意の適切な熱交換器がこの目的のために使用され得、当業者はそれを認識するであろう。好ましくは、熱交換器はプレート熱交換器、パイプ型熱交換器またはチューブアンドシェル熱交換器である。当業者であれば、単一のまたは複数の熱交換器が使用でき、かつそのような選択肢が「熱交換器」という用語の範囲内にあると意図されることも認識するであろう。
流入流体と配管および計測手段の間の温度差は、一部の流体が蒸発するので、内部フラッシングまたは「水撃効果」を引き起こし得る。これらの効果は、熱交換器および限外濾過ユニットを含む機器に損害を与え得る。これらの問題に対処するために、発明者らは、システムを加圧することが「水撃」の発生率を低減することを見出した。好ましくは、熱交換器は、冷却中の地熱流体のフラッシングを防止するために背圧下にある。
温度低減後に、流体を一定期間沈降させてコロイドを成長させる。好ましくは、沈降は1つ以上の沈降槽内で起こる。好ましくは、形成されるシリカコロイドのサイズは1つ以上の沈降槽における沈降時間により制御される。
好ましくは、沈降時間は5分〜2時間である。好ましくは、沈降時間はおよそ5分である。好ましくは、沈降時間は、5分超、10分超、15分超、30分超、1時間超、2時間超、6時間未満、2時間未満、1時間未満、30分未満、15分未満、10分〜1時間、10分〜45分、およそ5分、およそ10分、およそ15分、およそ20分、およそ30分、およそ45分、およそ1時間およびおよそ2時間からなる群より選択される。
沈降槽は、コロイドが成長するのに適切な任意の形態の容器であってよい。標準の円筒形状または立方体形状容器の他に、槽はまた、チューブ、カラムまたはパイプであってもよい。沈降槽の流れは実質的に一定であってよく、または断続的であってよい。例えば、チューブまたはカラム型沈降槽を使用すると、流れは一定であり、沈降時間はチューブ/カラム長さおよび流速により決定されるであろう。
1つの実施形態では、2つ以上の沈降槽は、各槽について所定の時間で直列に連結され、沈降時間は、全ての槽における時間により計算される。
発明者らは、熱交換器により流体が低減される温度が、生成されるコロイダルシリカの特性に影響を有することを見出した。そのようなものとして、発明は、シリカを含む地熱流体から形成されるシリカコロイドの平均粒子サイズを制御する方法をさらに提供し、方法は下記を含む:
a.コロイド核形成が起こるのに十分な温度に流体の温度を低減すること;
b.ある沈降時間の間ある沈降温度で流体を沈降させることにより制御された分散度を有するコロイドを形成させること。
好ましくは、コロイドサイズは、シリカコロイドの平均数直径を含む。好ましくは、分散剤が成長期間後に添加されてコロイド成長を実質的に停止する。
実施例2は、より低温の流体がコロイド形成のために使用される場合、コロイダルシリカ粒子の平均数直径が低減されることを証明する。例えば、発明者らは、流体がおよそ70℃の温度に低減され、コロイド形成中、実質的にこの温度で維持される場合、コロイドサイズは実質的に40℃で形成されるコロイドのサイズよりも大きいことを決定した(表1を参照し、図3a(40℃)を図3b(70℃)と比較されたい)。
本発明の1つの特別な利点は、比較的均一な粒子サイズ分布を有するコロイダルシリカを形成させる予想外の能力である。発明のこの態様は重要である。なぜなら商用シリカは比較的均一な分布を有する、すなわち単分散であることが望ましいからである。粒子サイズは、典型的には、動的光散乱(DLS)により測定され、この場合コロイド粒子サイズはインサイチューで光散乱技術により測定される。コヒーレントレーザ光が溶液中に照射され、透過または反射のいずれかにより検出される時の光の散乱が、粒子サイズの尺度を与える。
好ましくはコロイダルシリカ濃縮物を生成する方法は、コロイダルシリカ形成後かつ第1の限外濾過ユニットで受け取られる前に、分散剤を地熱流体に添加する工程を含む。発明者らは、この段階での分散剤の添加により、熱交換器による地熱流体の温度降下の制御と共に、特定のコロイドサイズおよび分散度が達成され維持されることを見出した。分散剤はコロイド形成を実質的に停止すると考えられ、よって、そうでなければ起こるであろう粒子サイズ分散度の増加を阻止する。分散剤はまた、機器を汚損する可能性のあるゲルを形成する凝集を阻止することによりコロイドを安定化する。理論に縛られることは望まないが、コロイドの安定性の増加は、コロイド粒子を互いに反発させ、よって凝集を阻止する、表面負電荷密度の増加によると考えられる。
分散剤は当業者に知られているが、しかしながら例として、分散剤は、Nalco980およびAccumer5000からなる群より選択される。好ましくは、コロイダルシリカ濃縮物は、実質的に単分散のコロイダルシリカ濃縮物を含む。好ましくは、実質的に単分散は、コロイダルシリカの粒子サイズの標準偏差が50nm未満であることを意味する。いくつかの実施形態では、生成物の分散度は特に重要であり、発明の方法は実質的に単分散の生成物を提供し、ここで、コロイダルシリカの粒子サイズの標準偏差は20nm未満である。標準偏差の減少は、沈降プロセスおよび任意で養生プロセス中に温度を注意深く維持することにより達成できる。好ましくは、分散剤は5ppmの投与量で添加される。好ましくは、添加される分散剤は1〜10ppmである。
さらなる態様では、発明は、シリカを含む地熱流体から調製されるコロイダルシリカ濃縮物の分散度を制御する方法を提供し、方法は下記を含む:
a.コロイド核形成が起こるのに十分な温度に流体の温度を低減すること;
b.ある沈降時間の間ある沈降温度で流体を沈降させることにより制御された分散度を有するコロイドを形成させること;
c.スパイラル巻回膜を用いる限外濾過を使用して流体を濾過して2m%〜10m%の濃縮物を得ること。
好ましくは、コロイダルシリカ濃縮物は実質的に単分散である。好ましくは、実質的に単分散は、実質的に単分散の濃縮物が50nm未満のコロイダルシリカの粒子サイズの範囲の標準偏差を含むことを意味する。
好ましくは、分散剤は成長期間後に添加されてコロイド成長を実質的に停止する。
好ましくは、方法は、コロイド形成後かつ流体が第1の限外濾過ユニットで受け取られる前の期間の間、流体を養生させることをさらに含む。好ましくは、養生は1つ以上の養生槽中で実施される。好ましくは、分散剤は養生槽に入る前に流体に添加され、期間はコロイド成長が実質的に止まるのに十分である。
好ましくは、養生期間は、コロイド形成を実質的に停止するのに十分である。好ましくは、養生期間はおよそ1.75時間である。好ましくは養生期間は、1秒〜4時間である。好ましくは、養生期間はおよそ1時間、およそ2時間、およそ3時間またはおよそ4時間である。
限外濾過は、0.005−0.01μmの範囲で(>1000ダルトン)供給流体から物質を濾過するために使用される。
発明者らは、スパイラル巻回(SW)膜を含む限外濾過ユニットは、コロイダルシリカを濃縮するために現在の発明との関連で使用された場合、驚くほどエネルギー効率的であることを見出した。スパイラル巻回膜は、典型的には、水精製のために使用され、発明者らの知る限りではコロイドの濃縮のためには使用されていない。これは、そのようなコロイドは膜の細孔を封鎖し制御できない汚損に至らしめるという、当技術分野における一般的見解のためである。エレメント内の狭い隙間のために、コロイドが凝集した場合、それらはスペーサおよび膜を封鎖する可能性がある。実際、スパイラル巻回エレメントは、管状膜よりもクリーニングするのが困難である。本明細書で記載されるUFシステムはコロイダルシリカ濃度を20m%もの高さまで増加することができるが、好ましい濃度は2m%であり、これは、コロイド凝集および結果としての膜の汚損のリスクを軽減し、クリーニングを実施しなければならない頻度を軽減する。
SW膜は、多孔性プラスチックスクリーン支持体として機能する薄いメッシュスペーサ材料により分離された平面膜シートの組み合わせから構成される。これらのシートは中央穴あきチューブの周りに巻かれ、管状圧力シールUFハウジング中に組み込まれる。供給溶液は膜表面上を通過し、透過物はらせん状に中央収集チューブ中に入る。
UF膜フィルムはコロイド材料のみを拒絶するために使用され、そのため水、溶解した塩および金属は容易に通過できる。これはコロイダルシリカ溶液を脱水する効果を有し、よって、フィードアンドブリード型様式で再循環されると溶液をより高い濃度にする。
発明者らは、より一般的な管状膜とは対照的に、SW膜を使用することは多くの利点を有することを見出した:
・SW膜はポンプ電力消費をおよそ半分にする。これは、比較的低いシリカ濃度(すなわち、およそ500ppm)を有する流体が商業的に実現可能な様式で処理され得ることを意味する;
・各膜エレメントは大量の膜面積を保持し、そのためより少ないUFユニットが必要とされる;
・エレメントに対して必要とされる供給流速は比較的低く、よってシステムはより小さなポンプを必要とし、これにより電気ポンピングコストがより低くなる;
・標準ファイバーガラスRO/UFハウジングを使用してスパイラル巻回UFエレメントを収容できる。ファイバーガラスは高耐食性であり、これによりシステムにおいて塩化物により誘導される腐食のリスクが低減する。
・膜は、塩酸および水酸化ナトリウムなどの比較的安全な物質を用いてクリーニングできる。
好ましくは、SW膜は、7日に1回よりも少ない頻度でクリーニングされる。好ましくは、それらは、14日または30日に1回よりも少ない頻度でクリーニングされる。
好ましくは単一の8インチスパイラル巻回膜を通る流速は0.5l/s〜2l/sである。好ましくは、この膜を通る流速は2l/s未満、1l/s未満、およそ0.5l/s、およそ1l/s、およそ1.5l/sまたはおよそ2l/sである。
好ましくは、SW膜は、弱酸および任意で弱アルカリを用いてクリーニングされる。好ましくは、弱酸は0.01M塩酸である。当業者であれば、周期的に膜をクリーニングするために使用できる他の酸およびアルカリを認識するであろう。好ましくは、弱アルカリは0.01M水酸化ナトリウムである。
発明者らはまた、限外濾過前に地熱流体を予め濾過することが微粒子状物質を除去し、汚損を低減しSW膜の寿命を延長することを見出した。典型的には、シリカのいくらかの沈殿がプロセスの沈降段階および養生段階で起こり、この前置フィルタが、沈殿したシリカがUFユニットへと通過せず、またはこれを越えないことを確実にする。好ましくは、地熱流体は限外濾過ユニットに入る前に予め濾過されて微粒子状物質を除去する。好ましくは、前置フィルタは100μmスクリーンを含む。好ましくは、スクリーンは、10μm〜200μm、およそ10μm、およそ20μm、およそ50μm、およそ100μm、およそ150μm、およびおよそ200μmからなる群より選択されるスクリーンサイズを含む。
好ましくは、第1のUFユニットは第1のUF濃縮物を生成し、この場合、シリカ濃度は20m%までである。好ましくは、濃度は、0.1m%超、0.5m%超、1m%超、1.5m%超、2m%超、5m%超、10m%超、15m%超、0.1m%〜20m%、およそ0.5m%、およそ1m%、およそ1.5m%およびおよそ2m%、およそ3m%、およそ4m%、およそ5m%、およそ10m%、およそ15m%、およびおよそ20m%からなる群より選択される。
好ましくは、第1のUFユニットは第1のUF濃縮物を生成し、ここで、シリカ濃度は、0.1m%超、0.5m%超、1m%超、1.5m%超、2m%超、5m%超、10m%超、15m%超、0.1m%〜20m%、およそ0.5m%、およそ1m%、およそ1.5m%およびおよそ2m%、およそ3m%、およそ4m%、およそ5m%、およそ10m%、およそ15m%、およびおよそ20m%からなる群より選択される。
第1の、第2のまたはさらなるUFユニットは、1を超えるステージ/物理的UFハウジングを含み得る。特定の実施形態では、UFユニットは、直列に連結される2つ以上のステージを含み、この場合、流体は濾過され、さらなる濾過/濃縮のためにより高い濃度で、次のステージに送られる。このように、各UFステージにおいて過度のエネルギーまたは圧力を使用することなく、濃度の段階的な増加が達成される。好ましくは、UFユニットは、2つ以上のステージを含む。好ましくは、各ステージは並列の複数のUF膜を含み、ここで、上記ステージは直列に連結される。各UFユニットにおいて2つ以上のステージを使用することは、プロセスが限外濾過ユニットのクリーニング中に動作し続けられるようにすることにより、プロセスの全体効率を改善する。これは、各ステージが典型的には、並列に連結される複数のエレメントで構成されるためである。単一のエレメントを、他のステージとは独立して、取り外しクリーニングまたは交換することができる。これは、ユニット全体を停止することにより被るコストのかかるダウンタイムなしに流体の連続処理を可能にする。
一実施形態では、第1のUFユニットはフィードアンドブリードUF設計を含む。フィードアンドブリード設計を用いて動作するUFユニットが供給物/緩衝液槽を必要とすることは、当業者に認識されるであろう。発明のUFユニット(第1の、および任意で第2のまたはさらなるUFユニットを含む)はそのような供給槽を含んでよく、その仕様は当業者に知られている。別の実施形態では、第1のUFユニットは、混合の直列および並列供給設計を含む。
好ましくは、第1の限外濾過ユニットは、地熱流体からコロイダルシリカを分離する。好ましくは、第1のUFユニットのスパイラル巻回膜は、1000ダルトン〜7000ダルトン、好ましくは3000〜5000ダルトンの分画分子量(MWCO)を有する。他の実施形態では、MWCOは1000ダルトン超、4000ダルトン超、およそ1000ダルトン、およそ2000ダルトン、およそ4000ダルトン、およそ10000ダルトンまたは10000ダルトン超である。
異なるサイズの粒子を保持するために、別の膜を使用してもよい。典型的には、UFユニットにより保持されるコロイダルシリカは5nm超、8nm超であり、40℃で、およそ12nmの平均サイズが形成される。
地熱流体中に残っているモノマシリカは全て、第1のUFユニット膜を通過して第1のUF透過物を形成する。プラントについて全体のシリカ回収を増加するために、方法は、第1のUF透過物を逆浸透(RO)ユニットに送る工程をさらに含み得る。ROユニットはRO濃縮物中のモノマシリカを捕獲し、その後、濃縮物はシリカコロイド形成のためにリサイクルされ、続いて処理される。
好ましくは、第1のUF濃縮物は、およそ2m%のシリカ濃度およびおよそpH7.0−9.0で第1のUFユニットを出て行く。この濃度およびpHで、コロイドは凝集する傾向を有し、その結果コロイドのゲル化が起こり、シリカゲルを形成する。したがって、方法は第1のUF濃縮物のpHを9.0〜11.0に調整する工程を含む。このより高いpHは、コロイド安定性を依然として維持しながらゲル化を低減する。
好ましくは、第1のUF濃縮物のpHは9.0〜11.0に調整される。好ましくは地熱流体のpHは、9.0〜10.5、9.0〜10.0、9.5〜11.0、9.5〜10.5、9.0超、9.5超、10.0超、11.0未満、10.5未満、およそ9.0、およそ9.5、およそ10.0、およそ10.5、およびおよそ11.0からなる群より選択されるpHに調整される。
上述のように、発明者らは、スパイラル巻回膜が、20m%までのコロイダルシリカ濃縮物を生成するのに特に効率的であることを見出した。商業的な目的では、コロイダルシリカ生成物の輸送および使用のために実現され得る物流効率を確保するために、20m%超、好ましくは30m%の濃縮物を生成することが望ましい。25nm超の濃縮物のより粗のコロイドでは、50m%までの濃縮物を有することが望ましい可能性がある。したがって、発明は、第1のUF濃縮物を1つ以上のさらなる限外濾過工程を使用して処理して少なくとも10m%および好ましくは20m%の濃度のコロイダルシリカ濃縮物を得る工程を含む、コロイダルシリカ濃縮物の生成の方法を提供する。1つの実施形態では、1つ以上のさらなる限外濾過工程は、第2の限外濾過ユニットにおいて管状膜またはスパイラル巻回膜を使用する限外濾過を含む。発明者らは、管状膜が、それらの有利なクリアランス特性のために、これらのより高いレベルの濃縮工程に有効であることを見出した。1つの実施形態では、第2のUFユニットは、スパイラル巻回膜を含む。機器についての設備投資を最小に抑えるために、たった1つのさらなるUFユニットを使用することが好ましい。
したがって、1つの実施形態では、発明は、シリカを含む地熱流体からコロイダルシリカ濃縮物を生成する方法を提供し、方法は下記を含む:
a.コロイド核形成が起こるのに十分な温度に流体の温度を低減すること;
b.流体を沈降させてコロイダルシリカを形成させること;
c.流体を、スパイラル巻回膜を含む第1の限外濾過ユニットを通過させて0.1m%〜20m%シリカの第1のUF濃縮物を得ること;
d.第2の限外濾過工程を使用して第1のUF濃縮物を処理して20m%超シリカのコロイダルシリカ濃縮物を得ること。
好ましくは、第2のUFユニットの膜はおよそ5nm超またはおよそ200000ダルトン超の粒子を保持する。好ましくは、第2のUFユニットにより保持されるコロイダルシリカは8nm超であり、または、およそ12nmの平均サイズを有する。
好ましくは、第2またはさらなるUFユニットは、フィードアンドブリードUF設計を含む。
好ましくは、第2またはさらなるUFユニットは、2つ以上のステージを含む。
好ましくは、第2またはさらなるUFの最終ステージはバッチである。
好ましくは、第2またはさらなるUFユニットはUF濃縮物を生成し、ここで、シリカ濃度は、2m%超、5m%超、10m%超、15m%超、20m%超、30m%超、40m%超、2m%〜50m%、およそ10m%、およそ20m%、およそ30m%、およそ40m%およびおよそ50m%からなる群より選択される。
第2またはさらなるUFユニットは、1を超えるステージ/物理的UFハウジングを含み得る。第2のUFユニットに対する好適な設計は当業者に知られている。しかしながら、例として、システムは、フィードアンドブリード型システムとして連続して動作するように設計された単一の多ステージトレーンを含み得る。フィードアンドブリード設計を使用して動作するUFユニットが供給物/緩衝液槽を必要とすることは、当業者に認識されるであろう。発明のUFユニット(第1のおよび任意で第2のまたはさらなるUFユニットを含む)はそのような供給槽を含んでよく、その仕様は当業者に知られている。別の実施形態では、UFユニットは、混合の直列および並列供給設計を含む。
好ましくは、プロセスはバッチプロセスとして動作される。特定のバッチで何らかの問題が同定された場合に各バッチを個々に追跡でき容易に同定できるので、これは好ましい。地熱流体を使用する場合、濃縮される際の地熱流体の自然な変動のために、これは特に重要である。
したがって、1つの実施形態では、発明は、シリカを含む地熱流体からコロイダルシリカ濃縮物を生成する方法を提供し、方法は下記を含み:
a.コロイド核形成が起こるのに十分な温度に流体の温度を低減すること;
b.流体を沈降させてコロイダルシリカを形成させること;
c.流体を、スパイラル巻回膜を含む第1の限外濾過ユニットを通過させて0.1m%〜20m%シリカの第1のUF濃縮物を得ること;
d.第2の限外濾過工程を使用して第1のUF濃縮物を処理して20m%超シリカのコロイダルシリカ濃縮物を得ること、
ここで、第2の限外濾過ユニットはバッチプロセスとして動作される。
コロイダルシリカ濃縮物の生成後、濃縮物は、公知の方法に従いかつ公知の機器を使用して保存され、または輸送され得る。
コロイダルシリカを濃縮するのみならず、第1のまたはさらなるUF工程により流体が脱水され、塩または不純物などの、地熱流体の他のより望ましくない成分が続いて濃縮される。また、比較的高いコロイダルシリカ濃度での濃縮物は、そのような塩または不純物との相互作用の結果として、ゲル化する傾向がある。この問題に対処するために、発明者らは、第2のまたはさらなるUF工程でコロイダルシリカ濃縮物から塩および不純物濃度を低減するように動作するダイアフィルトレーションシステムを企図する。コロイダルシリカマトリクス中にそのような塩および不純物を含むことは望ましくなく、よって、この工程を採用することは、より高い価値を有するコロイドの生成を可能にする。ダイアフィルトレーションはまた、装置内および膜上でのシリカゲルの形成のリスクを低減する。好ましくは、第1のUFユニットはシリカを2〜10m%に濃縮し、その後、第1のシリカ濃縮物はダイアフィルトレーションに供せられて、1000ppm未満に総溶解塩濃度を低減する。この工程はまた、ヒ素などの毒性成分の濃度を低減する。ダイアフィルトレーション目的のためのRO透過物の使用は、流体の組成における固有の変動性のため地熱流体を使用する場合特に望ましい。発明者らは、そのような方法を使用することによりこの変動性が低減され得ることを見出した。
第2のまたはさらなるUFユニットに供給されるダイアフィルトレーション溶媒は、第1のUFユニットからの透過物の逆浸透処理により生成される透過物から好ましくは供給される。任意の他の溶媒源がダイアフィルトレーション溶媒として使用され得るが、このように第1のUF透過物を再利用することは、水が乏しいか高価である環境で使用される場合、特に利点を有する。したがって、ROユニットの包含は二重の目的を提供し、UF、ダイアフィルトレーションおよびRO工程を効果的に統合して公知の方法を超える重要な改善をもたらす。RO工程はRO濃縮物中のモノマシリカを捕獲し、それはその後、シリカコロイド形成および次の処理のためにリサイクルされる。このRO工程はまた、システムのクリーニング、および潜在的に有害な塩および不純物蓄積を低減するダイアフィルトレーションにおいて使用するための飲用水源を提供する。驚いたことに、本明細書で記載される発明の方法は特に低いアルミニウム濃度を有するコロイダルシリカ濃縮物を提供することが見出された。
したがって、特定の実施形態では、第1のUFユニットは第1のUF透過物を生成し、これは逆浸透(RO)ユニットを通過させられて、RO透過物およびRO濃縮物を得る。逆浸透ユニットは、膜に対して導入される加圧流体により機能する。膜の細孔サイズより小さい流体の成分の一部は、膜を横切る圧力差により押し出され、よって、透過物を生成する。保持される成分が濃縮物を形成する。
したがって、1つの実施形態では、発明は、シリカを含む地熱流体からコロイダルシリカ濃縮物を生成する方法を提供し、方法は下記を含み:
a.コロイド核形成が起こるのに十分な温度に流体の温度を低減すること;
b.流体を沈降させてコロイダルシリカを形成させること;
c.流体を、スパイラル巻回膜を含む第1の限外濾過ユニットを通過させて第1のUF透過物、および0.1m%〜20m%シリカの第1のUF濃縮物を得ること;
d.第1のUF透過物を逆浸透(RO)ユニットに送りRO透過物およびRO濃縮物を得ること;
e.第2のまたはさらなる限外濾過工程を使用して第1のUF濃縮物を処理して20m%超シリカのコロイダルシリカ濃縮物を得ること、
ここで、第2の限外濾過ユニットはバッチプロセスとして動作され、RO透過物の少なくとも一部は第2のまたはさらなる限外濾過ユニットにおけるダイアフィルトレーションのために使用される。
逆浸透工程から得られる透過物は主に水を含む。そのようなものとして、発明はさらに、地熱流体からの水の生成方法を提供する。好ましくは、水は実質的に純粋な水である。本明細書で記載される方法により生成される水は、任意の適切な用途のために使用され得る。しかしながら、例として、それは家庭暖房、発電、灌漑のため、または飲用水源として使用され得る。
好ましくは、ROユニットの回収率は50%〜80%である。好ましくは、回収率はおよそ50%、およそ60%、およそ70%またはおよそ80%である。溶解モノマシリカの濃度は第1のUF透過物中で比較的低いので、ROユニットは比較的高い回収率で実行され得る。
好ましくは、RO透過物は、ダイアフィルトレーション槽に送られる。好ましくは、RO透過物の少なくとも一部は、第2のまたはさらなる限外濾過ユニットにおけるダイアフィルトレーションプロセスを設定するために使用される。好ましくは、RO透過物の少なくとも一部はUF供給槽で受け取られ、供給槽は第2またはさらなる限外濾過工程に供給する。
好ましくは、第1のUF濃縮物はダイアフィルトレーション槽からの流体と組み合わされ、第2の限外濾過ユニットに送られる。
好ましくは、RO濃縮物は沈降槽にリサイクルされる。これは、溶解されたモノマシリカがコロイド形成および収集のためにリサイクルされることを確実にする。沈降槽中への再導入はより多くのコロイドの成長をもたらし、よって同じ源からより多くの収量をもたらす。
参考文献
Harper et al. 1992 ‐ Towards the efficient utilization of geothermal resources. Geothermics 21, pp641−651;
Harper, 1997 − US 5,595,717A − Controlled precipitation of amorphous silica from geothermal fluids or other aqueous media containing silicic acid。
実施例1−核形成温度での重合
主に溶解モノマシリカを有する地熱流体の試料の重合特性を試験して、コロイド形成を決定した。
材料および方法
Wairakei(ニュージーランド)からの地熱流体の試料を入手し、モノマシリカ濃度をおよそ740ppmに調整した。流体のpHを、水酸化ナトリウムを添加することによりおよそpH8.5に調整した。流体の温度を、魔法瓶内で試料を断熱することによりおよそ40℃で維持した。試料の重合特性を周期的に、モリブデン酸塩反応性シリカのためのモリブダイト法を使用して測定した。
結果および分析
図2は40℃およびpH8.5での重合曲線を示す。モノマシリカ濃度の最大降下は、反応の最初の20分以内であることがわかる。これは、コロイダルシリカの大半がこの時間中に形成されることを示す。
実施例2−コロイドのサイズおよび分散度の制御
材料および方法
地熱流体の試料を、およそ10m%コロイダルシリカで第1のUF濃縮物から取った。40℃に低減した流体を使用して試料Cを形成させ、70℃に低減した流体を使用して試料Fを形成させた。
平均数直径(MN)を、動的光散乱(DLS)を使用して測定した。計算比表面積(CS)および粒子サイズの標準偏差(SD)を計算した。
MNは数分布に対して加重された平均粒子サイズである。そのため、この平均は、多くの小さな粒子により歪められ、平均サイズを下方に追いやる可能性がある。この型の平均は集団に関連する。
SAは比表面積の指示を提供する。この計算は滑らかで、固い、球状の粒子を推測する。
SDは測定粒子サイズ分布の幅の関数である。標準偏差が大きいほど、粒子のサイズ範囲における広がりがより大きいことを示唆する。
結果
Figure 0006681910
図3aおよび3bは、シリカコロイドのサイズおよびサイズ分布(分散度)を示す。より高い温度では、コロイドの平均サイズが増加することがわかる。
コロイドはまた、比表面積を比較することにより、より温かい核形成温度ではより大きいと考えることができる。これは70℃核形成温度では77、40℃核形成温度では210であった。より小さなコロイドは、その高い面積対体積比のために、より大きな比表面積を有する。
結論
実施例2は、コロイダルシリカ粒子の平均数直径が、より低温の流体がコロイド形成のために使用される場合に低減されることを証明する。したがって、発明は、コロイドが形成する温度を調整することによりコロイド粒子のサイズを制御する方法を提供する。
より高い温度は、より低いシリカ飽和指数(SSI)を有したので、より大きなコロイドを生成した(図3bおよび表1)。これは、過飽和は新しい核を形成するのに十分強くはなかったが、むしろ優先的に既存のコロイドに付着したことを意味する。より高い温度はまた、より対称的な/単分散の分布を有する。なぜなら、より熱い流体が供給された場合、システムはその温度をより良好に維持できたからである。
実施例3−コロイダルシリカ濃縮物の生成
材料および方法
分離された地熱水(SGW)を図1で示されるシステム中に導入した。流体を一連のプレート熱交換器で受け取り、熱交換器は温度を126℃から40℃または70℃のいずれかに低減した。苛性ソーダがまた、熱交換器の前に投与されてpHを8.5に増加し、これがシリカ重合速度を増加する。流体はその後、5つの沈降槽に送られ、流体は各1つの中で7分間保持され、合計35分の沈降時間を与えた。この滞留時間は、コロイドが形成する時間を可能にした。流体にはその後、養生槽に入る前に、分散剤が投与される。養生槽は、およそ2時間の滞留時間を有する。分散剤の目的は、シリカコロイドの外殻を負電荷で荷電することであり、これにより個々のシリカ粒子は互いに反発し、よって非常に安定な懸濁液をもたらす。これは限外濾過段階中のコロイド凝集/成長を防止する。pH値を低下させることにより、安定性が減少し:粒子は互いに反応し、ゲルを形成し得る。pH4〜7でのゲル化速度は非常に高い。
スパイラル巻回UF膜(Membrane Development Specialists, San Diego, USAにより開発され、製造された4’’膜)を、同時に実行される並列の3つの二重UFモジュールで構成され、さらに小さなモジュールが直列に配置されてシリカ濃度を2m%まで増加する、第1のUFユニットにおいて使用した。モジュールの各々は、3つのUFステージを用いて、コロイダルシリカをそれが通過するにつれ漸進的に濃縮するように設計される。システムはフィードアンドブリード設計を使用して連続して動作した。設計パラメータは、下の表2において列挙される。膜の分画分子量(MWCO)は4000ダルトンであった。
Figure 0006681910
UF1膜はシリカコロイドを保持するのに十分タイトであるにすぎないので、供給流体中の残っているモノマシリカは、膜を通過してUF1透過物中に入る。プラントに対する全体のシリカ回収を増加するために、UF1透過物のおよそ70%をその後、逆浸透ユニット中に送り込んだ。そこでモノマシリカ濃縮物がリサイクルされ、沈降槽に送られる。UF1透過物の残りの30%を迂回させて廃棄した。
UF1を出て行く2m%コロイダルシリカ溶液をさらなる限外濾過システム(UF2)に送り、2m%から30m%の最終生成物濃度までの最終濃縮工程を実施した。UF2での濃縮前に、UF1濃縮物へ苛性ソーダを投与して、pHをおよそ8.5からおよそ10.0に増加させ、これは高シリカ濃度でのゲル化のリスクを低減する。
限外濾過2(UF2)システムは、フィードアンドブリード型システムとして連続して動作するように設計された単一のトレーンで構成した。トレーンは直列の3つのステージで構成され、これらはコロイダルシリカを最終濃度まで漸進的に濃縮する。システムは、全UF2システムのためにPCI管状UFモジュールを使用する。
逆浸透ユニットはUF1透過物のおよそ70%を処理して1)UF1透過物中に放出されるモノマシリカをリサクルすることによりSiの回収を増加し、2)精製水を生成し、UF1とUF2のステージの間のダイアフィルトレーションに必要とされる水の量を低減した。
このシステムに関して全RO回収はおよそ50%であった。
UF2システムは、塩および不純物をコロイダルシリカ生成物から追い出し塩濃度を低減するためにダイアフィルトレーションを含んだ。ダイアフィルトレーションはUF2においてシリカゲルの形成を低減する。UF2ステージの各々へのダイアフィルトレーション水は、逆浸透ユニットからの透過物から供給される。
Figure 0006681910
結果
記載される方法により、コロイダルシリカの成長が得られ、主要な段階でのシリカの濃度を下記のようにもたらした:
第1のUF濃縮物=2m%
第2のUF濃縮物25−31m%
プロセスを連続して2週間実行したが、著しい汚損または妨害は起こらなかった。
最終濃縮物が分析され、下記成分を含んだ(全ての量はmg/lで表す):
Figure 0006681910
結論
発明者らは、コロイダルシリカ濃縮物が限外濾過工程を含む一連の工程を用いて効率的に生成され得ることを証明した。高い源温度およびシリカ濃度で地熱流体を利用して、安定なコロイダルシリカ濃縮物を得ることは、この分野での大きな進歩を表す。それは、エネルギー効率的で経済的に実行可能なプロセスを用いて地熱流体のシリカ成分を収集できる突破口である。

Claims (15)

  1. シリカを含む地熱流体からコロイダルシリカ濃縮物を生成する方法であって、
    a.コロイド核形成が起こるのに十分な温度に前記流体の温度を低減すること;
    b.前記流体を沈降させてコロイダルシリカを形成させること;
    c.分散剤を前記沈降流体に添加すること;
    d.前記コロイダルシリカを含む前記流体を、スパイラル巻回膜を含む第1の限外濾過ユニットを通過させて第1の限外濾過コロイダルシリカ濃縮物を得ることであって、前記シリカ濃縮物は0.1質量%超である、前記得ること;
    e.1つ以上のさらなる限外濾過工程を使用して前記第1の限外濾過濃縮物を処理して20質量%超のシリカを含むさらなる限外濾過コロイダルシリカ濃縮物を得ること
    を含み、
    前記コロイダルシリカ濃縮物は単分散でありかつ前記単分散の濃縮物は50nm未満の前記コロイダルシリカの粒子サイズの範囲の標準偏差を含む、方法。
  2. (a)コロイド核形成後かつ前記流体が前記第1の限外濾過ユニットで受け取られる前の期間前記流体を養生させること;および/または
    (b)限外濾過前に前記地熱流体のpHを7.0〜9.0に調整すること
    をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記地熱流体中のシリカの濃度は少なくとも300ppmである、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記地熱流体は90℃〜250℃の温度から20℃〜80℃の温度に低減される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 沈降時間は少なくとも5分である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記第1の限外濾過ユニットの前記スパイラル巻回膜は1000ダルトン〜7000ダルトンの分画分子量を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記方法の工程d.は、前記コロイダルシリカを含む前記流体を、前記第1の限外濾過ユニット内に直列に連結された2つ以上のステージを通過させることを含み、各ステージは並列の複数の限外濾過膜を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記第1の限外濾過濃縮物は9.0〜11.0のpHに調整される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記1つ以上のさらなる限外濾過工程は第2の限外濾過ユニットによる限外濾過を含み前記第2の限外濾過ユニットの膜は200000ダルトン超の粒子を保持する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記第1の限外濾過ユニットは第1の限外濾過透過物を生成しこれが逆浸透ユニットに送られて逆浸透透過物および逆浸透濃縮物を得、前記逆浸透透過物の少なくとも一部は前記第1の限外濾過濃縮物をダイアフィルトレーションするために前記第1の限外濾過濃縮物と組み合わされかつ生成される混合物は第2の限外濾過ユニットに送られる、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記第1の限外濾過濃縮物はダイアフィルトレーションに供せられて総溶解塩濃度を1500ppm未満に低減する、請求項10に記載の方法。
  12. 前記地熱流体はシリカを300ppm超で含み、前記地熱流体のpHは7.5〜8.5に調整され;前記地熱流体の温度は100℃〜130℃から35℃〜75℃に低減され;前記流体は少なくとも5分間沈降され;前記第1の限外濾過濃縮物のpHは9.0〜11.0に調整されかつシリカコロイドの粒子サイズの標準偏差は50nm未満である、請求項1に記載の方法。
  13. a.地熱流体の温度を低減するように適合された1つ以上の熱交換器;
    b.前記熱交換器から地熱流体を受け取るための沈降槽;
    c.7.0〜9.0の予め決められたpHにpHを調整するために、限外濾過前に前記地熱流体に少なくとも1つのアルカリまたは酸を投与するように適合された投与手段;
    d.前記沈降槽から地熱流体を受け取るように適合された1000ダルトン〜7000ダルトンの分画分子量を有するスパイラル巻回膜を含む第1の限外濾過ユニット;
    e.前記第1の限外濾過ユニットから第1の限外濾過濃縮物を受け取るように適合された1つ以上のさらなる限外濾過ユニット
    を含む、地熱流体からシリカを濃縮するためのシステム。
  14. 前記沈降槽から流体を受け取りかつこれを前記第1の限外濾過ユニットに送るように適合された1つ以上の養生槽をさらに含み、前記養生槽は前記地熱流体を保持するように適合され、および/または
    前記第1の限外濾過ユニット、または1つ以上のさらなる限外濾過ユニットはフィードアンドブリード限外濾過設計を含む、請求項13に記載のシステム。
  15. 前記第1の限外濾過ユニットから第1の限外濾過透過物を受け取り、かつ逆浸透透過物および逆浸透濃縮物を得るように適合された逆浸透ユニット、ならびに
    前記逆浸透透過物の少なくとも一部を受け取りかつダイアフィルトレーションのために、前記逆浸透透過物と前記第1の限外濾過濃縮物の混合物を1つ以上のさらなる限外濾過ユニットに供給するように適合されたダイアフィルトレーション槽
    をさらに含む、請求項13または14に記載のシステム。
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