JP6681166B2 - ゴム組成物からなるシール又はホース - Google Patents

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Description

本発明は、シリカ及びセルロース繊維を含有するゴム組成物に関する。また、そのようなゴム組成物からなる成形品及びその製造方法に関する。
エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム(以下、EPDMと略記することがある)は、耐候性、耐熱性、耐薬品性、耐オゾン性等に優れており、それを用いた成形品は自動車、電気、土木、建築等、幅広い分野において使用されている。EPDMを用いた成形品の機械特性を向上させるための充填剤としては、カーボンブラックが広く用いられているが、黒色以外の成形品、電気絶縁性や電磁波透過性が求められる成形品等にはシリカが用いられることも多い(例えば、特許文献1)。しかしながら、EPDMに添加する充填剤としてシリカを用いた場合には、成形性や得られる成形品の強度、補強性、耐圧縮永久歪性、耐油性等が不十分である場合があった。
ところで、ゴム組成物等に添加される充填剤の1つとして、一般的なセルロース繊維よりも繊維径が細いセルロース繊維が知られている。当該セルロース繊維は、「セルロースナノファイバー」等と呼ばれ、セルロース繊維をフィブリル化することにより製造される。このようなセルロース繊維を用いて成形品の機械特性を向上させるためには、当該セルロース繊維をゴム組成物中に分散させる必要がある。しかしながら、繊維径が細いセルロース繊維は水には容易に分散するものの、ゴム組成物中では凝集し易い。そのため、このようなセルロース繊維をゴム組成物中に分散させる方法として、当該セルロース繊維をゴムラテックスに添加した後、乾燥させる方法が一般的に採用されている。
特許文献2には、セルロース繊維と無機充填剤を含む水懸濁液に機械的剪断力を与えて前記セルロース繊維をフィブリル化し、得られた水懸濁液とゴムラテックスとを混合した後に乾燥させるゴム/セルロースマスターバッチの製造方法や、当該マスターバッチを含有するゴム組成物が記載されている。特許文献2の実施例には、粉末セルロースとシリカを含有する水懸濁液を磨砕処理して得られた水懸濁液と、スチレンブタジエンゴムラテックスとを混合した後に乾燥させて得られたマスターバッチを含有するゴム組成物が記載されている。しかしながら、特許文献2には、通常、ラテックスとしては取扱われないEPDMをベースゴムとして用いることについては記載されていない。
特開2012−12576号公報 特開2013−204010号公報
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、成形性に優れるとともに、強度、補強性、耐圧縮永久歪性及び耐油性に優れる成形品を得ることが可能であり、黒色以外の成形品や、電気絶縁性や電磁波透過性が求められる成形品の製造に好適に用いられるゴム組成物を提供することを目的とするものである。また、そのようなゴム組成物からなる成形品及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
上記課題は、EPDM(A)、軟化剤(B)、シリカ(C)及びセルロース繊維(D)を含有するゴム組成物であって、セルロース繊維(D)の平均繊維径が2〜1000nmであり、平均繊維長が0.1〜1000μmであり、かつEPDM(A)100質量部に対する、軟化剤(B)の含有量が10〜200質量部、シリカ(C)の含有量が10〜200質量部、セルロース繊維(D)の含有量が2〜35質量部であるゴム組成物を提供することによって解決される。
このとき、前記ゴム組成物の165℃における加硫曲線を測定した際のトルクの最小値MLが、0.5〜6dN・mであることが好適である。
前記ゴム組成物を成形した後に加硫してなる成形品が本発明の好適な実施態様である。前記成形品の体積固有抵抗が10〜1016Ω・cmであることが好適である。前記成形品からなるシール又はホースが本発明のより好適な実施態様である。
前記ゴム組成物を成形した後に加硫する成形品の製造方法も本発明の好適な実施態様である。
本発明のゴム組成物は、成形性に優れるとともに、当該ゴム組成物を用いて得られる成形品は強度、補強性、耐圧縮永久歪性及び耐油性に優れる。このようなゴム組成物を用いることにより、様々な色の成形品や、電気絶縁性や電磁波透過性に優れた成形品を得ることができる。また、本発明の製造方法によれば、そのような成形品を簡便に製造できる。
実施例1〜3、比較例1及び2における、加硫して得られた試験片のセルロース繊維(D)の含有量と引張強さとの関係を示したグラフである。
本発明のゴム組成物は、EPDM(A)、軟化剤(B)、シリカ(C)及びセルロース繊維(D)を含有するゴム組成物であって、セルロース繊維(D)の平均繊維径が2〜1000nmであり、平均繊維長が0.1〜1000μmであり、かつEPDM(A)100質量部に対する、軟化剤(B)の含有量が10〜200質量部、シリカ(C)の含有量が10〜200質量部、セルロース繊維(D)の含有量が2〜35質量部であるものである。
本発明のゴム組成物は、EPDM(A)、軟化剤(B)、シリカ(C)及びセルロース繊維(D)を含有する。
本発明で用いられるEPDM(A)を構成するジエンとしては、エチリデンノルボルネン(ENB)、ジシクロペンタジエン(DCPD)、1,4−ヘキサジエン(HD)などが例示される。なかでも、エチリデンノルボルネン(ENB)が好ましい。通常、EPDM(A)中の全単量体単位の合計モル数に対する、エチレン単位のモル数は、5〜94モル%であり、プロピレン単位のモル数は、5〜94モル%であり、ジエン単位のモル数は、1〜20モル%である。EPDM(A)は、複数種類のエチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴムを含有していても構わない。
本発明で用いられる軟化剤(B)は特に限定されず、ゴム組成物を成形する際に一般的に用いられる各種軟化剤を用いることができる。例えば、パラフィン系オイル、ナフテン系オイル、アロマ系オイル等の鉱物油系軟化剤が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
前記ゴム組成物中における軟化剤(B)の含有量は、EPDM(A)100質量部に対して、10〜200質量部である。軟化剤(B)の含有量が10質量部未満の場合には、得られる成形品が硬くなり過ぎる。軟化剤(B)の含有量は、20質量部以上が好適である。一方、軟化剤(B)の含有量が200質量部を超える場合には、得られる成形品が柔軟になり過ぎるとともに、軟化剤のブリードが生じる。軟化剤(B)の含有量は、150質量部以下が好適である。
本発明で用いられるシリカ(C)は、特に限定されず、一般にゴム組成物に配合されるものであればよい。例えば、シリカ(C)として、ヒュームドシリカ等の乾式法シリカ、沈殿シリカ等の湿式法シリカ等が用いられる。前記ゴム組成物中におけるシリカ(C)の含有量は、EPDM(A)100質量部に対して、10〜200質量部である。シリカ(C)の含有量が10質量部未満の場合には、得られる成形品の強度が低下する。シリカ(C)の含有量は、30質量部以上が好適である。特に優れた強度を有する成形品が得られる観点からは、シリカ(C)の含有量は、50質量部以上が好適である。一方、シリカ(C)の含有量が200質量部を超える場合には、成形性が低下する。シリカ(C)の含有量は、150質量部以下が好適であり、85質量部以下がより好適であり、70質量部以下がさらに好適である。
本発明のゴム組成物は、平均繊維径が2〜1000nmであり、平均繊維長が0.1〜1000μmであるセルロース繊維(D)を含有する。セルロース繊維(D)を含有させることにより成形性が向上するとともに、得られる成形品の強度、補強性及び耐油性が向上する。また、シリカと比較して、セルロース繊維(D)の添加による耐圧縮永久歪性の低下はわずかであるため、成形品の耐圧縮永久歪性の低下が抑制される。
平均繊維径が2nm未満のセルロース繊維は、通常の方法で得ることが難しく、工業的に使用するのは現実的ではない。セルロース繊維(D)の平均繊維径が5nm以上であることが好適であり、10nm以上であることがより好適である。一方、平均繊維径が1000nmを超える場合には、得られる成形品の強度、補強性及び耐油性が低下する。セルロース繊維(D)の平均繊維径が500nm以下であることが好適である。なお、本発明におけるセルロース繊維(D)の平均繊維径は、顕微鏡観察により算出した数平均繊維径である。
セルロース繊維(D)の平均繊維長が0.1μm未満の場合には、得られる成形品の強度、補強性及び耐油性が低下する。セルロース繊維(D)の平均繊維長が1μm以上であることが好適であり、10μm以上であることがより好適であり、50μm以上であることがさらに好適である。一方、セルロース繊維(D)の平均繊維長が1000μmを超える場合には、セルロース繊維(D)が凝集することにより、得られる成形品の強度、補強性及び耐油性が低下する。平均繊維長が800μm以下であることが好適である。なお、本発明におけるセルロース繊維(D)の平均繊維長は、顕微鏡観察により算出した数平均繊維長である。
セルロース繊維(D)における、平均繊維長と平均繊維径との比(平均繊維長/平均繊維径)が50以上であることが好適であり、100以上であることがより好適である。当該比(平均繊維長/平均繊維径)が50未満である場合には、得られる成形品の強度、補強性及び耐油性が低下するおそれがある。
本発明に用いられるセルロース繊維(D)は、上述の平均繊維径及び平均繊維長を有するものであれば特に限定されず、一般的な、フィブリル化セルロース繊維を好適に使用することができる。フィブリル化セルロース繊維の原料としては、例えば、木材、藁、竹、バガス、笹、葦又は米殻などが挙げられる。フィブリル化は、得られたセルロース繊維に叩解機やホモジナイザー等を用いて機械的なせん断力をかけることにより行うことができる。また、化学的処理により、セルロース繊維のフィブリル化を行うこともできる。得られる成形品の強度及び補強性がより向上する観点から、セルロース繊維(D)は、リグニンを2〜30質量%含有することが好ましい。リグニンは、原料に含まれる成分である。フィブリル化を行う際に、リグニンの除去率を調整することにより、リグニンを含有するセルロース繊維(D)が得られる。
前記ゴム組成物中におけるセルロース繊維(D)の含有量は、EPDM(A)100質量部に対して、2〜35質量部である。セルロース繊維(D)の含有量が2質量部未満の場合には、成形性及び得られる成形品の強度、補強性及び耐油性が低下する。セルロース繊維(D)の含有量は、5質量部以上が好適であり、9質量部以上がより好適である。一方、セルロース繊維(D)の含有量が35質量部を超える場合には、得られる成形品の柔軟性が低下するとともに、高コストになり好ましくない。セルロース繊維(D)の含有量は20質量部以下が好適である。特に優れた強度を有する成形品が得られる観点からは、セルロース繊維(D)の含有量は15質量部以下が好適である。
EPDM(A)に対して、所定量のセルロース繊維(D)を添加することが本発明の大きな特徴である。本発明のゴム組成物は、充填剤としてシリカのみ含有するEPDMと比較して、成形性に優れるとともに、本発明のゴム組成物を加硫して得られる成形品は、充填剤としてシリカのみ含有する成形品と比較して、強度、補強性、耐圧縮永久歪性及び耐油性に優れる。なかでも、セルロース繊維(D)とシリカ(C)を併用することによって、成形品の強度が顕著に向上する。発明者らが検討した結果、ニトリルゴムに対してセルロース繊維(D)及びシリカ(C)を添加した場合には、このような併用効果は得られなかった。セルロース繊維(D)とシリカ(C)を併用することによって、EPDM(A)を含有する成形品の強度が向上することは、本発明者らが鋭意検討した結果、初めて見出したものである。
前記ゴム組成物は加硫剤を含有することが好適であり、その含有量は、通常、EPDM(A)100質量部に対して、0.1〜5質量部である。加硫剤を配合して加熱する方法等により、加硫された成形品を得ることができる。加硫の方法は特に限定されないが、硫黄加硫や過酸化物加硫が採用される。硫黄加硫する際の加硫剤としては、硫黄や、硫黄含有化合物が用いられる。また、過酸化物加硫する際の加硫剤としては、有機過酸化物が用いられる。
前記ゴム組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲であれば、EPDM以外のポリマーを含有しても構わない。このようなポリマーの含有量は、EPDM(A)100質量部に対して、通常、50質量部以下であり、10質量部以下が好適であり、1質量部未満がより好適であり、実質的に含有されないことがさらに好適である。
前記ゴム組成物中のカーボンブラックの含有量は、EPDM(A)100質量部に対して、10質量部以下が好適である。カーボンブラックの含有量が10質量部を超える場合には、得られる成形品の電気絶縁性や電磁波透過性が不十分になるおそれがある。カーボンブラックの含有量は5質量部以下がより好適である。前記ゴム組成物を黒色以外の成形品の製造に用いる場合には、前記ゴム組成物がカーボンブラックを実質的に含有しないことが好ましい。カーボンブラックを含有しない場合でも、本発明のゴム組成物は、成形性に優れるとともに、当該ゴム組成物を用いて得られる成形品は、強度、補強性、耐圧縮永久歪性及び耐油性に優れる。したがって、本発明のゴム組成物は、電気絶縁性や電磁波透過性が求められる成形品や黒色以外の成形品等、カーボンブラックの使用が制限される用途において好適に用いられる。
前記ゴム組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲であれば、シリカ(C)、セルロース繊維(D)及びカーボンブラック以外の、他の充填剤を含有しても構わない。当該他の充填剤としては、タルク、酸化チタン、炭酸カルシウム等が挙げられる。なかでも、成形性の観点から、炭酸カルシウムが好適である。他の充填剤の含有量は、EPDM(A)100質量部に対して、通常、50質量部以下である。特に優れた機械的特性を有する成形品が得られる観点からは、他の充填剤の含有量は、5質量%以下が好適であり、前記ゴム組成物が他の充填剤を実質的に含有しないことがより好適である。
前記ゴム組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲であれば、その他の一般的なゴム製品に用いられる各種添加剤を含有しても構わない。このような添加剤としては、加硫促進剤、老化防止剤、スコーチ防止剤、界面活性剤等が挙げられる。前記ゴム組成物における、その他の添加剤の合計含有量は特に限定されないが、通常、EPDM(A)100質量部に対して、1〜40質量部である。
前記ゴム組成物の製造方法は、特に限定されないが、セルロース繊維(D)が分散し易い観点から、セルロース繊維(D)の水分散体及び軟化剤(B)を含有する含水混合物を加熱して該含水混合物中の水を除去することにより乾燥混合物を得た後に、得られた前記乾燥混合物をEPDM(A)に添加する方法が好ましい。以下、当該製造方法について説明する。
セルロース繊維(D)の原料として、セルロース繊維(D)の水分散体が用いられる。セルロース繊維(D)は微細であるため非常に凝集し易い。一方、セルロース繊維(D)は水に分散し易い。セルロース繊維(D)を水分散体として使用することで、セルロース繊維(D)の凝集が抑制される。セルロース繊維(D)の水分散体中における、セルロース繊維(D)と水の質量比W(水/セルロース繊維)は特に限定されないが、通常、50/50〜99/1である。セルロース繊維(D)の水分散体と軟化剤(B)を混合するに際して、軟化剤(B)と、水分散体中のセルロース繊維(D)の質量比[軟化剤(B)/セルロース繊維(D)]は、通常5/95〜99/1である。
セルロース繊維がより分散し易い観点から、前記含水混合物が、さらに界面活性剤を含有することが好ましい。当該界面活性剤は特に限定されず、例えば、非イオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤及び両性界面活性剤を用いることができる。なかでも、加硫への影響を考慮すると非イオン系界面活性剤が好適である。
セルロース繊維(D)の水分散体、軟化剤(B)及び界面活性剤を混合するに際して、水分散体中のセルロース繊維(D)と界面活性剤の質量比[界面活性剤/セルロース繊維(D)]は、通常、0.1/99.9〜67/33である。
セルロース繊維(D)の水分散体及び軟化剤(B)の混合や含水混合物の加熱は、ヘンシェルミキサー、スクリュー押出機、遊星式撹拌機(自転/公転式撹拌機)、ブラベンダー(接線型密閉式混練機)等を用いることにより行うことができる。前記含水混合物を加熱した際の前記含水混合物の温度は特に限定されないが、100℃以上になるように加熱することが好適である。
こうして得られる乾燥混合物の含水率が40質量%以下であることが好適である。得られた前記乾燥混合物をEPDM(A)に添加することによりゴム組成物を得る。前記乾燥混合物をEPDM(A)に添加する方法は特に限定されない。例えば、オープンロール、バンバリーミキサー、ニーダ、スクリュー押出機等を用いて乾燥混合物とEPDM(A)とを混練する方法等が挙げられる。EPDM(A)、軟化剤(B)及びセルロース繊維(D)以外の成分は、予め、前記乾燥混合物に添加しておくことができる。また、これらの成分を前記乾燥混合物とともにEPDM(A)に添加することもできる。このとき、軟化剤(B)をEPDM(A)に追加しても構わない。
前記ゴム組成物を成形した後に加硫する成形品の製造方法が本発明の好適な実施態様である。そして、前記ゴム組成物を成形した後に加硫してなる成形品もまた本発明の好適な実施態様である。ゴム組成物の成形方法は特に限定されず、プレス成形方法、押出成形方法、巻き成形方法、カレンダー成形方法等が採用される。前記ゴム組成物を成形した後、得られた成形品を加硫することにより成形品を得る。このときの条件は、ゴム組成物中の成分の種類や比率により、適宜調整すればよい。通常、ゴム組成物を加熱することにより加硫する際の温度は、130〜200℃である。加硫方法は特に限定されないが、蒸気加硫、連続常圧加硫、プレス加硫等が挙げられる。
前記ゴム組成物の165℃における加硫曲線を測定した際のトルクの最小値MLが、0.5〜6dN・mであることが好適である。MLがこのような範囲である場合には、ゴム組成物の成形性がさらに向上する。本発明において、ゴム組成物の加硫曲線は、JIS K6300−2(振動式加硫試験機による加硫特性の求め方)に従って測定される。
本発明において、前記ゴム組成物を加硫してなる成形品の体積固有抵抗が10〜1016Ω・cmであることが好適である。当該成形品の体積固有抵抗が1010Ω・cm以上であることが好適であり、1011Ω・cm以上であることがより好適である。本発明において、成形品の体積固有抵抗は、JIS K6271(加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−体積抵抗率及び表面抵抗率の求め方)に従って測定される。
本発明において、前記ゴム組成物を加硫してなる成形品の引張強度が5〜20MPaであることが好適である。引張強さが5MPa未満の場合には、実用上十分な性能が得られないおそれがある。引張強さが7MPa以上であることがより好適であり、8MPa以上であることがさらに好適であり、9MPa以上であることがさらに好適である。本発明において、成形品の引張強さは、JIS K6251(加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−引張特性の求め方)に従って測定される。
本発明において、前記ゴム組成物を加硫してなる成形品のデュロメータA硬さが40〜90であることが好適である。デュロメータA硬さが40未満の場合又は90を超える場合には、実用上十分な性能が得られないおそれがある。デュロメータA硬さが50以上であることがより好適である。一方、デュロメータA硬さが80以下であることがより好適である。本発明において、デュロメータA硬さは、JIS K6253(加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−硬さの求め方)に従って測定される。
本発明のゴム組成物は、カーボンブラックを含有しない場合でも、成形性に優れるとともに、当該ゴム組成物を用いて得られる成形品は強度、補強性、耐圧縮永久歪性及び耐油性に優れる。したがって、当該ゴム組成物を加硫して得られる成形品は、黒色以外のホース、パッキン、ガスケット等のシール、ゴムシート、グロメット;電気絶縁性のホース、パッキン、ガスケット等のシール、ゴムスイッチ、通電保護カバー;電磁波透過性のゴムカバー、レドーム(Radome)等として好適に用いられる。
以下、実施例を用いて本発明を説明する。本実施例中で行った評価方法は以下のとおりである。
[硬さ試験]
JIS K6253(加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−硬さの求め方)に従ってデュロメータ硬さ(標準硬さ)の測定を行った。測定には、タイプAデュロメータを用いた。試験片として、縦50mm、横50mm、厚さ6mmの加硫された成形品を用いた。
[引張試験]
JIS K6251(加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−引張特性の求め方)に従って引張試験を行い、引張強さ、引張応力[50%モジュラス(M50)、MPa]及び伸びを測定した。試験片として、厚さ2mmのJIS K6251規格のダンベル状5号形成形品(加硫ゴム)を用いた。
[体積固有抵抗測定]
JIS K6271(加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−体積抵抗率及び表面抵抗率の求め方)に従って、体積固有抵抗の測定を行った。測定には日置電機株式会社製絶縁抵抗計「DSM−8104」を用いた。試験片として、縦100mm、横100mm、厚さ2mmの加硫された成形品を用いた。
[加硫特性測定]
JIS K6300−2に従って、加硫特性の測定を行った。オープンロールで混練後の未加硫のゴム組成物を試料とし、モンサント社製レオメーター「MDR 2000」を用いて測定した。測定温度165℃で6分間の加硫曲線を測定し、縦軸をトルク、横軸を時間としたグラフのトルクの最小値ML(dN・m)、最大値MH(dN・m)を求めた。MLが低いほどゴム組成物を成形し易いため好ましい。
[耐油性試験]
JIS K6258(加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−耐液性の求め方)に従って、浸せき試験を行なった。試験片として、縦20mm、横40mm、厚み2mmの加硫された成形品を用いて、体積変化を測定した。試験用液体として、試験用潤滑油No.1油を使用した。
[耐圧縮永久歪性試験]
JIS K6262(加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−常温、高温及び低温における圧縮永久ひずみの求め方)に従って、圧縮永久ひずみを求めた。試験片として、直径29mm、厚さ12.5mmの加硫された成形品を用いた。試験条件は、試験時間24時間、試験温度70℃、圧縮率25%とした。
実施例1
軟化剤(パラフィンオイル)8g、非イオン系界面活性剤[ポリオキシエチレン(10)オクチルフェニルエーテル]8g及びセルロース繊維の水分散体(モリマシナリー株式会社製、平均繊維径:100nm、平均繊維長:200μm、セルロース繊維のリグニン含有量約8質量%、水分散体のセルロース繊維含有率:5質量%、水分散体の含水率:95質量%)1280gを遊星式攪拌機(公転/自転方式の攪拌機)に投入し、室温にて6分間予備混合した。得られた予備混合物をブラベンダー(接線型密閉式混練機)に充填し、温度160℃、回転数120min−1に設定して混練を行った。水分の蒸発による混合物の充填率の低下に応じて、予備混合物を追加投入した。予備混合物を全量投入した後、混練機内の温度が140℃以上に上昇したところで混練を終了し、乾燥混合物を取り出し、室温になるまで冷却した。こうして、含水率4.6質量%の乾燥混合物84gを得た。当該乾燥混合物は、オイリーな粉末状であり、水以外の原料がそのまま含まれているものであった。
EPDM、前記乾燥混合物及びその他の添加物をオープンロールを用いて10分間混練することによりゴム組成物を得た。このとき使用した原料及びその配合比率を表1に示す。なお、ゴム組成物に添加するシリカとして、株式会社トクヤマ製湿式シリカ「トクシールU」を用いた。得られたゴム組成物の一部を用いて加硫特性測定を行った。また、得られたゴム組成物の一部を160℃にて10分間プレス加硫することにより、硬さ試験、引張試験、耐圧縮永久歪性試験、耐油性試験及び体積固有抵抗測定に用いる試験片を得た後、上記方法により各評価を行った。結果を表1に示す。
実施例2及び3、比較例1及び2
実施例1と同様にして乾燥混合物を得た。EPDM、前記乾燥混合物及びその他の添加物の配合比率を表1に示すとおりに変更したこと以外は実施例1と同様にして、試験片の作成及び評価を行った。その結果を表1に示す。
Figure 0006681166
実施例1〜3、比較例1及び2は、加硫後の試験片が実用的なデュロメータA硬さ(70〜74)になるように、シリカ(C)及びセルロース繊維(D)の量を調整したゴム組成物の例である。図1に、実施例1〜3、比較例1及び2における、加硫して得られた試験片のセルロース繊維(D)の含有量と引張強さとの関係を示したグラフを示す。シリカ(C)及びセルロース繊維(D)をそれぞれ所定量含有するゴム組成物(実施例1〜3)は、成形性に優れるとともに、これらのゴム組成物を加硫して得られた成形品は、強度、補強性、耐圧縮永久歪性及び耐油性に優れていた。
一方、セルロース繊維(D)を含有しないゴム組成物(比較例1)は、加硫曲線のトルクの最小値MLが高く、成形性が不十分であった。また、当該ゴム組成物を加硫して得られた成形品は、強度、補強性、耐圧縮永久歪性及び耐油性絶縁性が不十分であった。シリカ(C)を含有しないゴム組成物(比較例2)は、引張強さ及び伸びが不十分であった。

Claims (8)

  1. エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム(A)、軟化剤(B)、シリカ(C)及びセルロース繊維(D)を含有するゴム組成物を成形した後に加硫してなるシールであって、
    セルロース繊維(D)の平均繊維径が2〜1000nmであり、平均繊維長が0.1〜1000μmであり、かつ
    前記ゴム組成物中のエチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム(A)100質量部に対する、軟化剤(B)の含有量が10〜200質量部、シリカ(C)の含有量が10〜200質量部、セルロース繊維(D)の含有量が2〜35質量部であることを特徴とするシール
  2. 165℃における前記ゴム組成物の加硫曲線を測定した際のトルクの最小値MLが、0.5〜6dN・mである請求項1に記載のシール
  3. 体積固有抵抗が10〜1016Ω・cmである請求項1又は2に記載のシール
  4. 前記ゴム組成物を成形した後に加硫する請求項1〜3のいずれかに記載のシールの製造方法。
  5. エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム(A)、軟化剤(B)、シリカ(C)及びセルロース繊維(D)を含有するゴム組成物を成形した後に加硫してなるホースであって、
    セルロース繊維(D)の平均繊維径が2〜1000nmであり、平均繊維長が0.1〜1000μmであり、かつ
    前記ゴム組成物中のエチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム(A)100質量部に対する、軟化剤(B)の含有量が10〜200質量部、シリカ(C)の含有量が10〜200質量部、セルロース繊維(D)の含有量が2〜35質量部であることを特徴とするホース
  6. 165℃における前記ゴム組成物の加硫曲線を測定した際のトルクの最小値MLが、0.5〜6dN・mである請求項に記載のホース
  7. 体積固有抵抗が10〜1016Ω・cmである請求項5又は6に記載のホース
  8. 前記ゴム組成物を成形した後に加硫する請求項5〜7のいずれかに記載のホースの製造方法。
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