JP6681059B2 - 揚水井戸内熱変換装置 - Google Patents

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Description

本発明は、地下水熱利用システムに係り、特に、揚水井戸の地下帯水層に流れる地下水の水を汲み上げる揚水ポンプと、揚水井戸の地下水熱の熱交換が行われる熱交換器と、を備えた揚水井戸内熱交換装置の改良構造に関するものである。
従来のこの種の揚水井戸内熱交換装置としては、特許文献1から特許文献3などに開示されているように、揚水井戸内に設けられた地下水を汲み上げる揚水用ポンプに加えて、揚水井戸内の地下水熱を熱源として採熱管によってその熱を取り入れる熱交換器とを備えてなる揚水井戸内熱交換装置が知られている。
特開2015−52259号公報 特開2009−2595号公報 特開2009−8342号公報
ところで、前述の特許文献1においては、ストレーナパイプを底部側に接続したケーシングパイプからなる井戸パイプの外側に媒体液循環パイプを固定バンドで固定し、井戸パイプとともに媒体液循環パイプを揚水井戸である掘削井戸の孔内に設置している。そして揚水井戸である掘削井戸の孔内に設置され、井戸パイプ内に配置した水中ポンプで揚水した地下水は地上で種々な用水として使用することができるとともに、揚水井戸である掘削井戸の孔内に設置され、井戸パイプの外側に設置した媒体液循環パイプからなる熱交換器により地下水を熱変換することができ、この地下水熱を熱源としている融雪装置や冷暖房装置などの各種の装置を稼動することができるという効果が得られる反面、揚水井戸のメンテナンス(保守点検)や揚水井戸内の部品交換などを行う場合、井戸パイプの外側に熱交換を行うための媒体液循環パイプが配設されているため、それぞれのパイプを揚水井戸である掘削井戸の孔内から引き上げて分解する必要があり、この際に、掘削井戸の孔と各パイプとの隙間に介在する土や充填砂利などによってパイプや留め具などを傷めてしまう虞があり厄介な作業を強いられるという問題がある。
また、特許文献2においては、揚水井戸である掘削井戸の孔内に井戸ケーシングを配設し、この井戸ケーシングの内部に井戸ポンプを収納して配置するとともに、揚水井戸である掘削井戸の孔内と井戸ケーシングの外壁との間の集熱空間には熱交換器となる集熱パイプが設置され、集熱パイプは集熱空間を横断するように地表から井戸底部へ直線的に向かい、井戸底部付近で井戸ケーシングを横断して反対側に突き出し、さらに掘削孔と筒状の井戸ケーシングのとの間の集熱空間を井戸底部付近から地表に直線的に向かうU字状に設置されているため、前述した特許文献1と同様にして、井戸ケーシングの外周部にU字状の集熱パイプが固定されているため、部品交換を行う際や定期点検などを行う際に労力を要するものであり、同じような問題を抱えている。
この点を考慮するものとして、特許文献3においては、地中の所定深度に存在している水脈に達するようにケーシングが挿設され、このケーシング内に地下水熱との交換が行われる熱媒体をケーシングの奥行き方向に向けて流通させる往路用配管と熱媒体をケーシングの奥行き方向から地表に向けて流通させる復路用配管および各配管の下端部に熱媒体を合流するタンクを備えた熱交換器が挿設されるとともに、熱交換器の軸芯に沿ってケーシング内の筒方向に形成される内側通路を通してケーシング内における適宜の深度位置に水中ポンプが吊り下げ部材を介して吊り下げ支持されるように形成されている。このようにケーシング内に熱交換器と水中ポンプとが配設されているため、熱交換器と水中ポンプとをケーシングの筒部に沿って取り外し作業や取り付け作業などを行うことができる。
しかしながら、ケーシング内に配設される熱交換器の各構成部品と水中ポンプの各構成部品はそれぞれ独自に分離した状態にて組み付けられており、特に、熱交換器においては、地中の所定の深度に至るようにケーシングの底部側に配置される第1のユニットと、この第1のユニットから地表側に至る範囲において接続されて配置される複数の第2のユニット、そして、この第2のユニットから地表に臨むケーシングの上側開口部に至る範囲において接続されて配置される第3のユニット、これらの各ユニットを順次に接続することで地表から地中深度の底部側に至る往路と、この底部側から地表に至る復路を備えて構成されており、各ユニットを形成する部品点数も多くなるため大型化しやすく、その組み立ても大変であり、また水深位置が深くなればなるほど、吊り下げ支持されているユニットの重量が嵩み、これによりさらなる取り付けのための強度なども考慮しなければならないという問題もある。
そこで、本発明は、地下水を汲み上げる揚水用ポンプに加えて、揚水井戸内の地下水熱を熱源として採熱管によってその熱を取り入れる熱交換器とを揚水井戸のケーシングパイプ内に容易に取り付け作業や取り外し作業ができるとともに、比較的に簡単な構成手段によって達成することのできる揚水井戸内熱交換装置を提供することを目的とするものである。
本発明は前述した課題を解決するため、請求項1では、揚水井戸のケーシングパイプ内に配設され地下帯水層の地下水を揚水管によって汲み上げる揚水ポンプと、前記ケーシングパイプ内に配設されて地下水熱との熱交換が行われる熱交換器と、を備えた揚水井戸内熱交換装置において、前記熱交換器は、前記ケーシングパイプの上端側開口部から熱媒体を流入するための流入用採熱管と、前記ケーシングパイプの上端側開口部へと熱媒体を流出するための流出用採熱管と、前記流入用採熱管と前記流出用採熱管との下端側がそれぞれ連通するように設けられた流路変換用ヘッダー部と、によって形成され、前記揚水管の下端部側は、実質的に前記流路変換用ヘッダー部に貫通して配設されるとともに、前記揚水管の下端部側において、その上部側にて前記流路変換用ヘッダー部を保持し、その下部側にて前記揚水ポンプを吊り下げ支持してなることを特徴とする揚水井戸内熱交換装置である。
このように構成してなることにより、熱交換器の一部を構成する流路変換用ヘッダー部に流入用採熱管と流出用採熱管との下端部をそれぞれ連通するように設けることにより簡単に熱交換器を形成することができる。また揚水管の下端部側は、流路変換用ヘッダー部を介して実質的に貫通して配設されるとともに、貫通して配設された揚水管の下端部側において、その上部側にて流路変換用ヘッダー部を保持し、その下部側にて揚水ポンプを吊り下げ支持してなることにより、揚水管の下端部側にて熱交換器側と揚水ポンプ側とを一体化することが可能となり、この組み付け後において、揚水井戸のケーシングパイプ内に揚水ポンプと熱交換器とをセットすることができるため、取り付け、取り外しが容易であり、安価でしかも耐久性に優れた揚水井戸内熱交換装置を提供することができる。
また請求項2では、請求項1に記載の揚水井戸内熱交換装置において、前記揚水管の下端部側は、上部側と下部側とに分割形成され、前記揚水管の上部側と前記流路変換用ヘッダー部の上部側とを連結固定することにより、前記揚水管の上部側にて揚水管の上部側と前記流路変換用ヘッダー部を保持し、前記揚水管の下部側と前記流路変換用ヘッダー部の下部側とを連結固定することにより、前記揚水管の下部側にて前記揚水ポンプを吊り下げ支持してなることを特徴とする揚水井戸内熱交換装置である。
このように構成してなることにより、揚水管の上部側と流路変換用ヘッダー部の上部側とを連結固定することにより熱変換器の流路変換用ヘッダー部が揚水管に固定支持され、揚水管の下部側と流路変換用ヘッダー部の下部側とを連結固定することにより、その下部側にて前記揚水ポンプを吊り下げ支持することができるものであり、これにより揚水ポンプと熱交換器との取り付け作業や取り外し作業を簡便に行うことができ、この組み付け時において、揚水井戸のケーシングパイプ内に揚水ポンプと熱交換器とを順次セットすることができるため安価でしかも耐久性に優れた揚水井戸内熱交換装置を提供することができるものであり、また組み付けのための部品点数を追加することもなく組み付け作業ができるためコストも抑えることができる。
また請求項3では、請求項1または請求項2に記載の揚水井戸内熱交換装置において、前記流路変換用ヘッダー部に連通される前記流入用採熱管と前記流出用採熱管とを複数個それぞれ設けるとともに、前記ケーシングパイプ内に配設されて地下水熱との熱交換が行われるようにそれぞれ設定した単一の前記流入用採熱管と前記流出用採熱管とを一対とする熱媒体の流路を形成してなることを特徴とする揚水井戸内熱交換装置である。
このように構成してなることにより、一箇所に設けられた揚水井戸からケーシングパイプ内に配設されて地下水熱との熱交換が行われるようにそれぞれ設定した単一の流入用採熱管と流出用採熱管とを一対とする熱媒体の流路を形成してなることにより、それぞれ分岐させた状態にて指定した箇所のみを熱交換器を介して分配して熱媒体の熱を伝達することができるものであり、揚水井戸の許容範囲内にて効率よく有効に稼働することができる。
また請求項4では、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の揚水井戸内熱交換装置において、前記流路変換用ヘッダー部に連通される前記流入用採熱管の下端部を前記流路変換用ヘッダー部の内部側に突き出し配設してなることを特徴とする揚水井戸内熱交換装置である。
このように構成してなることにより、特に初期の段階において使用する際、熱交換器の内部、特に流入用採熱管と流出用採熱管の内部に溜まりやすいエアーを抜く作業時において流入用採熱管の下端部側を流路変換用ヘッダー部の内部側に突き出し配設してなることにより、流入用採熱管に熱媒体を送り込むことによって熱媒体に混入しているエアーを流入用採熱管の下端部から熱媒体とともに押し出すことができ、この際、押し出されたエアーは流入用採熱管から流路変換用ヘッダー部の内部側へと熱媒体とともに押し出されるため、流路変換用ヘッダー部の上側へとエアーが浮き上がり、流出用採熱管を介してケーシングパイプの上端側開口部へと押し出されるものであり、これにより一連のエアー抜き作業を良好に行うことができる。
また請求項5では、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の揚水井戸内熱交換装置において、前記流路変換用ヘッダー部の下端部に設置される前記揚水ポンプを前記ケーシングパイプの軸芯位置に沿うように配置するとともに、前記揚水管も前記ケーシングパイプの軸芯位置に沿うように配置してなることを特徴とする揚水井戸内熱交換装置である。
このように構成してなることにより、揚水ポンプから吸い上げられる地下水はケーシングパイプの中心位置に配置されているため、ほぼ均等に回りから吸入することができ安定した地下水の供給を行うことができるものであり、また揚水管もケーシングパイプの軸芯位置に沿うように配置してなることによりケーシングパイプ内において、流入用採熱管と流出用採熱管との配管を軸芯位置の領域を除いて自由に選択して配管することができる。
また請求項6では、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の揚水井戸内熱交換装置において、径小なる前記ケーシングパイプ内に配設される前記揚水ポンプを前記ケーシングパイプの軸芯位置に沿うように配置するとともに、前記揚水管を前記ケーシングパイプの軸心位置から外れた箇所に設置してなることを特徴とする揚水井戸内熱交換装置である。
このように構成してなることにより、揚水ポンプから吸い上げられる地下水はケーシングパイプの中心位置に配置されているため、ほぼ均等に揚水ポンプの回りから吸入することができ安定した地下水の供給を行うことができるものであり、また小型軽量化をねらいとした場合、ケーシングパイプの外径寸法を小さく設定した際に、ケーシングパイプの軸芯位置から外れた箇所であるケーシングパイプの内壁に沿うように揚水管を配置するとともに、ケーシングパイプの内部の残りスペースにて流入用採熱管と流出用採熱管とを配設することにより、小型軽量化を達成することができる。
上述したように本発明は、地下水を汲み上げる揚水用ポンプに加えて、揚水井戸内の地下水熱を熱源として採熱管によってその熱を取り入れる熱交換器とを揚水井戸のケーシングパイプ内に容易に取り付け作業や取り外し作業ができるとともに、比較的に簡単な構成手段によって達成することのできる揚水井戸内熱交換装置を提供することができ、これにより初期の目的を達成することができる。
図1は、本発明の第一の実施形態に係る揚水井戸内熱交換装置の全体概要図。 図2は、図1のA−A線箇所の熱交換器を示す断面図。 図3は、図1の熱交換器と揚水ポンプを主体に表した斜視図。 図4は、図1の熱交換器と揚水ポンプとを揚水管に取り付けた状態を示す概要図。 図5は、図4の揚水管との熱交換器との組み付け状態前を示す概要図。 図6(A),(B),(C)は、第一の実施形態における熱交換器の変形例を示す側面図。 図7は、本発明の第二の実施形態に係る揚水井戸内熱交換装置の全体概要図。 図8は、図7のA−A線箇所の熱交換器を示す断面図。 図9は、図7の熱交換器と揚水ポンプを主体に表した斜視図。 図10は、図7の熱交換器と揚水ポンプを主体に表した斜視図。 図11は、図7の熱交換器と揚水ポンプとを揚水管に取り付けた状態を示す概要断面図。 図12は、図11の揚水管と揚水ポンプとの組み付け状態前を示す熱交換器の概要断面図。 図13は、図12の熱交換器の分解した状態を示す概要断面図。 図14は、本発明の第四の実施形態に係る揚水井戸内熱交換装置の全体概要図。 図15は、図14のA−A線箇所の熱交換器を示す断面図。 図16は、図14の熱交換器と揚水ポンプとの組み付け状態前を主体に表した概要図。 図17は、図16の揚水井戸内熱交換装置の組み付け状態を示す斜視図。 図18は、図14の熱交換器の流入用採熱管を主体に表した概要図。 図19は、図14の熱交換器の流出用採熱管を主体に表した概要図。
以下本発明に係る揚水井戸内熱交換装置を、添付図面に基づいて説明する。図1から図6は本発明の第一の実施形態に係る揚水井戸内熱交換装置である。
同図において、本実施形態における揚水井戸内熱交換装置は、揚水井戸1のケーシングパイプ2内に配設され地下帯水層の地下水Wを揚水管3によって汲み上げる揚水ポンプ4に加えて、前記ケーシングパイプ2内に配設されて地下水熱との熱交換が行われる熱交換器5と、を備えている。
熱交換器5は、ケーシングパイプ2の上端側開口部から熱媒体Hを流入するための流入用採熱管6と、ケーシングパイプ2の上端側開口部へと熱媒体Hを流出するための流出用採熱管7と、流入用採熱管6と流出用採熱管7との下端側がそれぞれ連通するように設けられた流路変換用ヘッダー部8と、によって形成されている。この際、流入用採熱管6と流出用採熱管7との間には、採熱配管9を介して熱媒体Hを各採熱管6,7内に循環するための地下水熱集熱用循環ポンプPが接続されている。なお、本実施形態における流入用採熱管6と流出用採熱管7は柔軟性を有する合成樹脂製のチューブにて形成されている。
また揚水管3の下端部側は、実質的に熱交換器5の流路変換用ヘッダー部8に貫通して配設されるとともに、流路変換用ヘッダー部8に貫通して突き出し配設された揚水管3の下端部分には揚水ポンプ4が吊り下げ支持されるように設けられている。
この実施形態における流路変換用ヘッダー部8は金属製材料からなり、中央に揚水管3の下端部側が貫通されて配置される貫通孔部80を有し、断面中空状のドーナツ形状からなる枠体81にて形成されている。この枠体81は、略円筒状の外周壁面部82と環状の上側平面部83と環状の下側平面部84と筒状の内周壁面部85とによって形成され、このようにこれら各面部82,83.84,85によって四方が囲まれた枠体81によってドーナツ状の中空部86が形成されている。なお、枠体81はたとえば溶接などの手段によって各面部82,83.84,85が接合固定されている。
また筒状の内周壁面部85は、その上端側が環状の上側平面部83の表面部分より上側に向けて内周壁面部85が適宜設定した所定の長さに突き出し形成されるとともに、その先端部に雄ネジ部による連結部85Aが形成されている。また筒状の内周壁面部85の下端側も同様にして環状の下側平面部84の表面部分より下側に向けて筒状の内周壁面部85が適宜設定した所定の長さに突き出し形成されるとともに、その先端部に雄ネジ部による連結部85Aが形成されている。なお、本実施形態における流路変換用ヘッダー部8に貫通する筒状の内周壁面部85としては、専用に製作した配管を用いることなく、一般的に用いられている揚水管3にて形成されている。
また熱交換器5の流路変換用ヘッダー部8の外周部分である外周壁面部82には、ケーシングパイプ2の長手方向に沿って揚水ポンプ4の電源コード4Aを引き廻し配線する電源コード引き廻し凹設部87が設けられている。これにより、揚水パイプ4から引き廻し案内される電源コード4Aを電源コード引き廻し凹設部87の凹み箇所に沿わせて配線処理することができ、地表側へと容易に引き廻し案内することができるように設けられている。
また流路変換用ヘッダー部8には、断面中空状のドーナツ形状からなる枠体81の上側平面部83箇所に流入用採熱管6の下端部6A側と流出用採熱管7の下端部7A側とがそれぞれ連結される筒状からなる取付部83Aが設けられ、この取付部83Aを介して流入用採熱管6や流出用採熱管7が流路変換用ヘッダー部8の中空部86部分とそれぞれ連通されるように設けられている。
また上側平面部83に設けられた取付部83Aには、柔軟性を有する合成樹脂製の流入用採熱管6と流出用採熱管7とを連結するためのソケットナットカプラーなどからなる接続部Cを介して各採熱管6,7が組み付け固定されるように設けられている。
また流入用採熱管6側と接続される筒状の取付部83Aには、流路変換用ヘッダー部8の中空部86の内部側に向けて流入用採熱管6の下端部6A側の一部を形成するたとえば金属製材料にて形成した流入用採熱管6の末端部6Bがねじ込み固定されている。これにより筒状からなる流入用採熱管6の下端部6Aの一部を形成する流入用採熱管6の末端部6B側は、取付部83Aを介して流路変換用ヘッダー部8の上側平面部83から内側の中空部86内に突き出し形成され、他方の流出用採熱管7の下端部7A側は、流路変換用ヘッダー部8の上側平面部83から内部側へと突出することなく形成されている。なお、図示はしないが流入用採熱管6側と接続される筒状の取付部83Aを流路変換用ヘッダー部8の上側平面部83から内側の中空部86内に適宜所定の長さに突き出し形成することにより、流入用採熱管6の下端部6A側の一部を形成した流入用採熱管6の末端部6Bの機能を果たすようにしてもよい。
また流路変換用ヘッダー部8の貫通孔部80となる筒状の内周壁面部85と接続して配置される揚水管3の下端部側は、流路変換用ヘッダー部8の上側に取り付けられる揚水管3の上部側30と、流路変換用ヘッダー部8の下側に取り付けられる揚水管3の下部側31とに分割形成されている。また上部側30の揚水管3の端部には雄ネジ部からなる連結部3Aが形成されるとともに、下部側31の揚水管3の端部も同様にして雄ネジ部からなる連結部3Aが形成されている。
本実施形態においては、流路変換用ヘッダー部8の上端側の筒状の内周壁面部85に設けられた雄ネジ部からなる連結部85Aと、上部側30の揚水管3に形成された雄ネジ部からなる連結部3Aとを連結するために雌ネジ部を有するソケットからなる連結固定部300によってねじ込み固定されるように設けられている。また流路変換用ヘッダー部8の下端側の内周壁面部85に形成された雄ネジ部からなる連結部85Aと、揚水ポンプ4が吊り下げ支持される下部側31の揚水管3に形成された雄ネジ部からなる連結部3Aとが、雌ネジ部を有するソケットからなる連結固定部300によってねじ込み固定されるように設けられている。
また地表側となる揚水管3の上端部側は、揚水井戸1のケーシングパイプ2の上端側開口部から外部へと案内され、揚水ポンプ4によって汲み上げられた地下水Wは、揚水管3に接続された切替バルブV等を介して例えば地下帯水層へと還元したり、消雪・融雪装置として熱源として利用したり、災害時の緊急用井戸水などとして利用することができるように設けられている。
また地表側となる流入用採熱管6と流出用採熱管7との上端側は、ケーシングパイプ2の上端側開口部から外部へと引き出し案内されるとともに、流入用採熱管6と流出用採熱管7との間を連結するように配管された採熱配管9によって熱媒体Hが地下水熱集熱用循環ポンプPの駆動により循環される。この場合、たとえば採熱配管9による地下水熱を熱源として地上に設けられた地下水熱利用ヒートポンプHPへと伝達するように設けることによって外部機器Eである冷暖房装置や融雪装置あるいは給湯機器などを稼動することができるように設けられている。
また地表側である揚水井戸1のケーシングパイプ2の上端側開口部には、揚水管3の上端部側を保持しつつ揚水井戸1のケーシングパイプ2の上端側開口部を覆うように蓋部材10が設けられている。なお本実施形態においては、流入用採熱管6と流出用採熱管7との上端側は蓋部材10を介して地表部側へと引き出し案内されるように設けられている。
また揚水井戸1内には、地下帯水層の地下水Wの水温を検知する温度センサSが設置されている。
このように構成された本実施形態における揚水井戸内熱交換装置を設置する手段としては、先ず地表から帯水層に達する所定の深さまで掘削し、掘削された揚水井戸1内にケーシングパイプ2を挿入して配設する。次いで、揚水井戸1のケーシングパイプ2内に配設される揚水ポンプ4と熱交換器5は、事前に流入用採熱管6と流出用採熱管7との下端部を取付部83Aを介して流路変換用ヘッダー部8にそれぞれ連通するように設けるとともに、揚水管3の下端部側は、熱交換器5の流路変換用ヘッダー部8の貫通孔部80となる筒状の内周壁面部85とに貫通して配設し、その貫通して配設された揚水管3の下端部側において、その上部側30の揚水管3にて流路変換用ヘッダー部8を支持し、その下部側31にて揚水ポンプ4を吊り下げ支持することによって、揚水管3の下端部側を基準として揚水ポンプ4側と熱交換器5側とのそれぞれの各部品を取り付けながら一体化することが可能となり、一体化することによりコンパクトになるとともに組み付け強度をも高めることが可能となり、この組み付け状態において、揚水井戸1のケーシングパイプ2内に揚水ポンプ4と熱交換器5とをセットすることにより、揚水井戸内熱交換装置の設置作業が完了する。
この際、本実施形態においては、流路変換用ヘッダー部8の貫通孔部80となる筒状の内周壁面部85に連結して配置される揚水管3の下端部側は、流路変換用ヘッダー部8の上側に取り付けられる揚水管3の上部側30と、流路変換用ヘッダー部8の下側に取り付けられる揚水管3の下部側31とに分割形成されており、揚水管3の上部側30の端部に形成した雄ネジ部からなる連結部3Aと、流路変換用ヘッダー部8の貫通孔部80となる筒状の内周壁面部85の上端側に形成された雄ネジ部からなる連結部85Aとを雌ネジ部を有するソケットからなる連結固定部300にねじ込んで連結固定することにより、熱変換器5の流路変換用ヘッダー部8が揚水管3に固定支持される。また揚水管3の下端部31の端部に形成した雄ネジ部からなる連結部3Aと、流路変換用ヘッダー部8の貫通孔部80となる筒状の内周壁面部85の下端側に形成された雄ネジ部からなる連結部85Aとを雌ネジ部を有するソケットからなる連結固定部300にねじ込んで連結固定することにより、その下部側にて揚水ポンプ4を吊り下げ支持することができるものであり、これにより揚水ポンプ4と熱交換器5との取り付け作業や取り外し作業を簡便に行うことができ、この組み付け時において、揚水井戸1のケーシングパイプ2内に揚水ポンプ4と熱交換器5とを順次セットすることができるため安価でしかも耐久性に優れた揚水井戸内熱交換装置を提供することができるものであり、また組み付けのための部品点数も低減することもできるためコストも抑えることができるという効果がある。
また一般的に用いられている従前の施工と同様にして、本実施形態においても、各揚水管3の両端部にそれぞれ雄ネジ部からなる連結部3Aが形成されており、揚水管3を連結固定する際は、揚水管3を突き合わせて各雄ネジ部の連結部3A箇所を雌ネジ部を有するソケットからなる連結固定部300によってねじ込みながら連結固定することにより、地表から帯水層に達する所定の深さまでの揚水井戸1の奥行き寸法に応じて、各揚水管3を繋げながら所定の長さとなるように連結して配管処理が行われる。この配管処理した後、揚水井戸1のケーシングパイプ2の開口部側を覆う蓋部材10に揚水管3の上端部を固定保持することにより、揚水井戸1のケーシングパイプ2の上端開口部側である地表部側にて一連の揚水井戸内熱交換装置の設置作業が完了する。この際、本実施形態においては、流入用採熱管6と流出用採熱管7とを柔軟性を有する樹脂製のチューブにて形成しているため、地表から帯水層に達する所定の深さまでの揚水井戸1の奥行き寸法に応じて長さを設定することにより、連結することなく揚水井戸1の外部側へと引回し配設することが可能である。なお、熱交換効率を高めるために所定の長さの流出用採熱管6と流出用採熱管7とを金属パイプにて形成し、地表から帯水層に達する深さまでの揚水井戸1の奥行き寸法に応じて複数の各流入用採熱管6同志をそれぞれ連結固定するとともに、複数の各流出用採熱管7同志をそれぞれ連結固定し、地表部側へと採熱管6,7を引き廻し配設するようにしてもよい。
このように揚水井戸1のケーシングパイプ2内に設置された揚水井戸内熱交換装置においては、地下水熱集熱用循環ポンプPの作動によって、熱媒体Hが採熱配管9から流入用採熱管6を経て流路変換用ヘッダー部8のドーナツ形状からなる枠体81によって形成された中空部86内にて撹拌されながら流出用採熱管7へと伝達され、さらに採熱配管9へと伝達されることにより、熱媒体Hが熱交換器5内を循環する間にケーシングパイプ2内の地下水Wによる地下水熱との熱変換が行われる。これにより熱変換が行われた採熱配管9による熱源をヒートポンプHPへと伝達するように設けることによって、たとえば室内の冷暖房装置や給湯機器などの外部機器Eを安定した状態にて稼動することができる。
また一般的に、揚水井戸1のケーシングパイプ2内に配設される揚水ポンプ4と熱交換器5の設置作業が完了した後において、特に初期の段階において使用する際には、熱交換器5の内部、特に流入用採熱管6と流出用採熱管7の内部に溜まりやすいエアーを抜く作業を行っている。この際、本実施形態においては、流路変換用ヘッダー部8に連通される流入用採熱管6の下端部6A側の一部を形成する金属製材料からなる流入用流路採熱管6の末端部6Bを流路変換用ヘッダー部8の内部側である流路変換用ヘッダー部8の上側平面部83から内側の中空部86内へと突き出し配設してなることにより、流入用採熱管6に熱媒体Hを送り込むことによって熱媒体Hに混入しているエアーを流入用採熱管6の下端部6Aに形成した末端部6Bから熱媒体Hとともに押し出すことができ、この際、押し出されたエアーは流入用採熱管6から流路変換用ヘッダー部8の内部側である中空部86へと熱媒体Hとともに押し出されるため、流路変換用ヘッダー部8の上側である上側平面部83の内面側へとエアーが浮き上がり、流出用採熱管7を介してケーシングパイプ2の上端側開口部へと押し出されるものであり、これにより一連のエアー抜き作業を良好に行うことができる。
また、流路変換用ヘッダー部8の下端部に設置される揚水ポンプ4をケーシングパイプ2の軸芯位置Gに沿うように配置するとともに、揚水管3もケーシングパイプ2の軸芯位置Gに沿うように配置してなることにより、地下水Wはケーシングパイプ2の中心位置に配置されている揚水ポンプ4から吸い上げられるため、ほぼ均等に回りから吸入することができ安定した地下水Wの供給を行うことができるものであり、また揚水管3もケーシングパイプ2の軸芯位置Gに沿うように配置してなることによりケーシングパイプ2内において、流入用採熱管6と流出用採熱管7との配管を軸芯位置Gの領域を除いて自由に選択して配管することができる。
また、揚水井戸1内には、地下帯水層の地下水Wの水温を検知する温度センサSを設けてなることにより、たとえば冬場などにおいて地下帯水層の地下水Wの水温が所定の温度以下になった場合、ケーシングパイプ2内の下部側に配設した温度センサSによって検知することによって揚水ポンプ4を作動させて地下水Wを汲み上げることによりケーシングパイプ2内の地下水Wを流動させることができ、流入用採熱管6と流出用採熱管7と流路変換用ヘッダー部8とからなる熱交換器5の周囲の温度を所定の温度まで上昇させることができる。また夏場などにおいて地下帯水層の地下水Wの水温が所定の温度以上になった場合は、ケーシングパイプ2内の上部側に配設した温度センサSによって揚水ポンプ4を作動させて地下水Wを汲み上げることによりケーシングパイプ2内の地下水Wを流動させ、流入用採熱管6と流出用採熱管7と流路変換用ヘッダー部8とからなる熱交換器5の周囲の温度を所定の温度に下げることができるものであり、これにより熱媒体Hによる地下水熱を効率よく地上に設けられた地下水熱利用ヒートポンプHPへとそれぞれ伝達することができる。
また図6(A),(B),(C)は本実施形態における変形例を示すもので、基本的には熱交換器の一部を構成する流路変換用ヘッダー部8に流入用採熱管6と流出用採熱管7との下端部をそれぞれ連通するように設けることにより簡単に熱交換器を形成することができる点において共通であり、図6(A)は第一の実施形態である小型軽量タイプの揚水井戸内熱交換装置を示しており、また図6(B)は、揚水ポンプ4および流路変換用ヘッダー部8の奥行き寸法を若干長く形成することによって熱交換効率を高めることができるようにしたものであり、また図6(C)は、揚水ポンプ4および流路変換用ヘッダー部8の容量を大きくし、揚水ポンプ4によって汲み上げられる地下水Wによって、たとえば消雪・融雪装置として熱源として利用する際に大型化を可能とするとともに、流路変換用ヘッダー部8の容量を増やすことで、熱媒体Hが熱交換器5内を循環する間にケーシングパイプ2内の地下水Wによる地下水熱との熱変換が行われる全体の容量も増加することができ、これにより熱変換が行われた採熱配管9による熱源をヒートポンプHPへと伝達し、ヒートポンプHPを介して、たとえば室内の冷暖房装置や給湯機器などの外部機器Tをさらに安定した状態にて稼動することができる。この際、流路変換用ヘッダー部8の外径寸法や流路変換用ヘッダー部8の奥行き寸法の設定あるいは流路変換用ヘッダー部8の熱伝導率の異なる金属材料の選定によって熱変換効率を高めることが可能である。また図示はしないが、たとえば流入用採熱管6と流出用採熱管7とをケーシングパイプ2内の地下水Wと接する領域を増やすために柔軟性材料からなる採熱管6,7をたとえば螺旋状にあるいは九十九折りに引き廻し配設することで熱変換効率を高めることが可能である。
また図7から図13は、本発明の第二の実施形態を示すものであり、前述した図1から図6に示す第一の実施形態と基本的な揚水井戸内の熱交換器の構造については同様であるため、同一部分、均等部分については同一符号を付して説明する。
同図において、本実施形態における揚水井戸内熱交換装置は、揚水井戸1のケーシングパイプ2内に配設され地下帯水層の地下水Wを揚水管3によって汲み上げる揚水ポンプ4に加えて、前記ケーシングパイプ2内に配設されて地下水熱との熱交換が行われる熱交換器5と、を備えている点で、前述した第一の実施形態と同様である。
本実施形態における熱交換器5は、ケーシングパイプ2の上端側開口部から熱媒体Hを流入するための複数個からなる流入用採熱管6と、ケーシングパイプ2の上端側開口部へと熱媒体Hを流出するための複数個からなる流出用採熱管7と、各流入用採熱管6と各流出用採熱管7との下端側がそれぞれ連通するように設けられた流路変換用ヘッダー部8と、によって形成されている。なお、本実施形態においては、流入用採熱管6の個数としては4個、流出用採熱管7も同様に4個設けられている。
また揚水管3の下端部は、熱交換器5の流路変換用ヘッダー部8に貫通して配設されるとともに、流路変換用ヘッダー部8に貫通して突き出し配設された揚水管3の下端部分には揚水ポンプ4が吊り下げ支持されるように設けられている。
この実施形態における流路変換用ヘッダー部8は、中央に揚水管3の下端部側が貫通されて配置される貫通孔部80を有し、断面中空状のドーナツ形状からなる枠体81にて形成されている。この枠体81は、略円筒状の外周壁面部82と環状の上側平面部83と環状の下側平面部84と筒状の内周壁面部85とにとって形成され、このように各面部82,83.84,85によって四方が囲まれた枠体81によってドーナツ状の中空部86が形成されている。なお、枠体81はたとえば溶接などの手段によって各面部82,83.84,85が接合固定されている。また筒状の内周壁面部85は、その下端側が環状の下側平面部84の裏面部分より下側に向けて筒状の内周壁面部85が適宜設定した長さに突き出し形成されている。
また熱交換器5の流路変換用ヘッダー部8の外周部分である略円筒状の外周壁面部82には、前述した第一の実施形態と同様にして、ケーシングパイプ2の長手方向に沿って揚水ポンプ4の電源コード4Aを引き廻し配線する電源コード引き廻し凹設部87が設けられている。これにより、揚水パイプ4から引き廻し案内される電源コード4Aを電源コード引き廻し凹設部87の凹み箇所に沿わせて配線処理することができ、電源コード4Aを地表側へと容易に引き廻し案内することができる。
また流路変換用ヘッダー部8には、環状の上側平面部83の上面側に、上側平面部83とほぼ同形状からなるプレート88が載置されるとともに、このプレート88箇所に流入用採熱管6の下端部6A側と流出用採熱管7の下端部7A側とがそれぞれ連結される筒状の取付部88Aが4箇所ずつ溶接などの手段によって上下方向に突き出して設けられており、この各取付部88Aの位置に対応して流路変換用ヘッダー部8の上側平面部83に各開口孔部83Bが設けられている。また各開口孔部83Bを介して取付部88Aに連結された各流入用採熱管6側と流路変換用ヘッダー部8の中空部86とがそれぞれ連通するように設けられている。また各開口孔部83Bを介して取付部88Aに連結された各流出用採熱管7側も流入用採熱管6側と同様にして、各流出用採熱管7側と流路変換用ヘッダー部8の中空部86とがそれぞれ連通するように設けられている。なお、プレート88と上側平面部83に設けられた開口孔部83Bとの間には水密に保つためのパッキング89が介在されている。
また本実施形態においては、各流入用採熱管6側と接続される筒状の取付部88Aの下端部は、パッキング89と、流路変換用ヘッダー部8の上側平面部83に設けられた開口孔部83Bとを介して中空部86内に突き出し形成され、他方の流出用採熱管7側と接続される筒状の取付部88Aの下端部は、パッキング89と、流路変換用ヘッダー部8の上側平面部83に設けられた開口孔部83Bとを介して中空部86の内部側へと突出することなくほぼ同一平面状に配設されるように形成されている。なお、プレート88と流路変換用ヘッダー部8の上側平面部83とは、パッキング89を介してビスやネジ,ボルトなどの固定部材Bによって水密を保つように固定されている。
またプレート88に設けられた筒状の取付部88Aには、流入用採熱管6と流出用採熱管7とを連結するためのソケットナットカプラなどからなる接続部Cを介して組み付け固定されるように設けられている。
また流入用採熱管6側と接続されるプレート88に設けられた筒状の取付部88Aの下端部側には、流路変換用ヘッダー部8の中空部86部分に向けて柔軟性を有するチューブ状からなる流入用採熱管6の下端部6Aの一部を形成する末端部6Cが差し込み固定され、締結バンドDにより末端部6Cが抜け止め保持されている。
また流路変換用ヘッダー部8の貫通孔部80となる筒状の内周壁面部85に貫通して配置される揚水管3の下端部側は、流路変換用ヘッダー部8の下部側の位置を基準として上側に取り付けられる揚水管3の上部側30と、流路変換用ヘッダー部8の下側に取り付けられる揚水管3の下部側31とに分割形成されている。また上部側30の揚水管3の端部には雄ネジ部からなる連結部3Aが形成されるとともに、下部側31の揚水管3の端部も同様にして雄ネジ部からなる連結部3Aが形成されている。
この実施形態においては、流路変換用ヘッダー部8の貫通孔部80の上側から差し込まれて配置される揚水管3の上部側30と、流路変換用ヘッダー部8の貫通孔部80の下側から差し込まれて配置される揚水ポンプ4が吊り下げ支持される揚水管3の下部側31とは、流路変換用ヘッダー部8の貫通孔部80となる筒状の内周壁面部85の下端側の内壁箇所に溶接などの手段によって接合された雌ネジ部を有するソケットからなる連結固定部301にねじ込み固定されるように設けられている。
この場合、揚水管3の上部側30の端部に形成された雄ネジ部からなる連結部3Aが、流路変換用ヘッダー部8の筒状の内周壁面部85の内壁箇所に接合された雌ネジ部によるソケットからなる連結固定部301にねじ込み固定され、同様に揚水管3の下部側31の端部に形成された雄ネジ部からなる連結部3Aが、流路変換用ヘッダー部8の筒状の内周壁面部85の内壁箇所に接合された雌ネジ部によるソケットからなる連結固定部301にねじ込み固定され、これにより揚水管3の下端部側において、その上部側30にて流路変換用ヘッダー部8が支持され、その下部側31にて揚水ポンプ4が吊り下げ支持される。
また地表側となる揚水管3の上端部側は、前述した第一の実施形態と同様にして、揚水井戸1のケーシングパイプ2の上端側開口部から外部へと案内され、揚水ポンプ4によって汲み上げられた地下水Wは、揚水管3に接続された切替バルブV等を介して例えば地下帯水層へと還元したり、消雪・融雪装置として熱源として利用したり、災害時の緊急用井戸水などとして利用することができるように設けられている。
また流路変換用ヘッダー部8に連通された各流入用採熱管6と各流出用採熱管7とのそれぞれの上端側は、ケーシングパイプ2の上端側開口部から外部へと引き出し案内されるとともに、ケーシングパイプ2内に配設されて地下水熱との熱交換が行われるようにそれぞれ設定した単一の流入用採熱管6と流出用採熱管7との間を連結するように配管された採熱配管9によって熱媒体Hの流路が設定され、その採熱配管9の途上に設けられた地下水熱集熱用循環ポンプPの駆動により熱媒体Hが循環される。
本実施形態においては、4つの組み合わせによる単一の流入用採熱管6と流出用採熱管7とを一対とする熱媒体Hの流路が形成されるものであり、それぞれの循環路には採熱配管9と地下水熱集熱用循環ポンプPが設けられている。
この場合、たとえば採熱配管9による地下水熱を熱源として地上に設けられた地下水熱利用ヒートポンプHPへと伝達するように設けることによって外部機器Eである冷暖房装置や融雪装置あるいは給湯機器などを個別に稼動することができる。
また、揚水井戸1のケーシングパイプ2の上端側開口部には、前述した第一の実施形態と同様にして、地表側である揚水井戸1のケーシングパイプ2の上端側開口部には、揚水管3の上端部側を保持しつつ揚水井戸1のケーシングパイプ2の上端側開口部を覆うように蓋部材10が設けられている。なお本実施形態においても、各流入用採熱管6と各流出用採熱管7との上端側は蓋部材10を介して地表部側へと引き出し案内されるように設けられている。
また揚水井戸1内には、ケーシングパイプ2内に地下帯水層の地下水Wの水温を検知する温度センサSが上部側と下部側とにそれぞれ設置されるとともに、揚水井戸1のケーシングパイプ2内にはさらに水位を検知する水位センサS1、S2が下部側と上部側にそれぞれ設置されている。
このように構成された本実施形態においては、揚水井戸内熱交換装置を設置する手段としては、先ず地表から帯水層に達する所定の深さまで掘削し、掘削された揚水井戸1内にケーシングパイプ2を挿入して配設する。次いで、揚水井戸1のケーシングパイプ2内に配設される揚水ポンプ4と熱交換器5は、事前に各流入用採熱管6と各流出用採熱管7との下端部を流路変換用ヘッダー部8にそれぞれ連通するように設け、揚水管3の下端部側を、熱交換器5の流路変換用ヘッダー部8に貫通して配設し、その貫通して配設された揚水管3の下端部側において、その上部側30の揚水管3にて流路変換用ヘッダー部8を支持し、その下部側31の揚水管3にて揚水ポンプ4を吊り下げ支持することによって、揚水管3の下端部側を基準として揚水ポンプ4側と熱交換器5側とのそれぞれの各部品を取り付けながら一体化することができ、一体化することによりコンパクトになるとともに組み付け強度をも高めることが可能となり、揚水ポンプ4と熱交換器5との組み付け状態において、揚水井戸1のケーシングパイプ2内に揚水ポンプ4と熱交換器5とをセットすることにより、揚水井戸内熱交換装置の設置作業が完了する。
この際、本実施形態においては、流路変換用ヘッダー部8の貫通孔部80となる筒状の内周壁面部85に貫通して配置される揚水管3の下端部側は、流路変換用ヘッダー部8の上側に取り付けられる揚水管3の上部側30と、流路変換用ヘッダー部8の下側に取り付けられる揚水管3の下部側31とに分割形成されており、この分割形成された揚水管3の上部側30は流路変換用ヘッダー部8の貫通孔部80の上側から差し込みながら連結固定部301に揚水管3の上部側30の連結部3Aをねじ込み固定することによって熱交換機5の流路変換用ヘッダー部8を揚水管3に支持することができ、また揚水管3の下部側31は流路変換用ヘッダー部8の貫通孔部80の下側から差し込みながら連結固定部301に揚水管3の下部側31の連結部3Aをねじ込み固定することによって揚水ポンプ4を下部側にて吊り下げ支持することができるものであり、これにより揚水ポンプ4と熱交換器5との取り付け作業や取り外し作業を簡便に行うことができ、この組み付け時において、揚水井戸1のケーシングパイプ2内に揚水ポンプ4と熱交換器5とを順次セットすることができるため安価でしかも耐久性に優れた揚水井戸内熱交換装置を提供することができるものであり、また組み付けのための部品点数も低減することもできるためコストも抑えることができるという効果がある。
また流路変換用ヘッダー部8のドーナツ形状からなる枠体81によって形成された中空部86に連通される流入用採熱管6と流出用採熱管7とを複数個それぞれ設けるとともに、ケーシングパイプ2内に配設されて地下水熱との熱交換が行われるようにそれぞれ設定した単一の流入用採熱管6と流出用採熱管7とを一対とする熱媒体Hの流路を形成してなることにより、一箇所に設けられた揚水井戸1からケーシングパイプ2内に配設されて地下水熱との熱交換が行われるようにそれぞれ設定した単一の流入用採熱管6と流出用採熱管7とを一対とする熱媒体Hの流路を形成することによって、それぞれ分岐させた状態にて指定した箇所のみを熱交換器5を介して分配して熱媒体の熱を伝達することができるものであり、揚水井戸1の許容範囲内にて効率よく有効に稼働することができる。
また一般的に、揚水井戸1のケーシングパイプ2内に配設される揚水ポンプ4と熱交換器5の設置作業が完了した後において、特に初期の段階において使用する際には、熱交換器5の内部、特に流入用採熱管6と流出用採熱管7の内部に溜まりやすいエアーを抜く作業を行っている。この際、本実施形態においては、流路変換用ヘッダー部8に連通される各流入用採熱管6の下端部6Aの一部を形成する末端部6Cを流路変換用ヘッダー部8の内部側である流路変換用ヘッダー部8の上側平面部83から内側の中空部86内へと突き出し配設してなることにより、流入用採熱管6に熱媒体Hを送り込むことによって熱媒体Hに混入しているエアーを各流入用採熱管6の下端部6Aである末端部6Cから熱媒体Hとともに押し出すことができ、この際、押し出されたエアーは各流入用採熱管6から流路変換用ヘッダー部8の内部側である中空部86へと熱媒体Hとともに押し出されるため、流路変換用ヘッダー部8の上側である上側平面部83の内面側へとエアーが浮き上がり、各流出用採熱管7を介してケーシングパイプ2の上端側開口部へと押し出されるものであり、これにより一連のエアー抜き作業を良好に行うことができる。加えて、吐出する位置を流入用採熱管6の下端部6Aの一部を形成する柔軟性を有するチューブ状からなる末端部6Cの引回し位置や末端部6Cの長さや横方向への屈曲などにより配設する位置関係を任意に設定することによってエアー抜きとともに熱媒体Hの流入から流出までの流れの道筋を誘導することも可能である。
またエアー抜き作業とは別にして、流路変換用ヘッダー部8のドーナツ形状からなる枠体81によって形成された中空部86に連通される流入用採熱管6と流出用採熱管7を複数個それぞれ設け、流路変換用ヘッダー部8に連通される各流入用採熱管6の下端部6Aの一部を形成する末端部6Cを流路変換用ヘッダー部8の内部側である流路変換用ヘッダー部8の上側平面部83から内側の中空部86内へとそれぞれ突き出し配設し、かつ、それぞれ設定した単一の流入用採熱管6と流出用採熱管7とを一対とする熱媒体Hの流路を形成してなることにより、それぞれ個別に設けられた地下水熱集熱用循環ポンプPの作動によって、熱媒体Hが採熱配管9から流入用採熱管6の下端部6Aの一部を形成する末端部6Cを経て流路変換用ヘッダー部8のドーナツ形状からなる枠体81によって形成された中空部86内にて撹拌しながら流出用採熱管7へと伝達することができ、熱媒体Hが熱交換器5内を循環する間にケーシングパイプ2内の地下水Wによる地下水熱との熱変換が行われ、これにより熱変換が行われた採熱配管9による熱源を効率よくヒートポンプHPへと伝達することができる。
また、流路変換用ヘッダー部8の下端部に設置される揚水ポンプ4をケーシングパイプ2の軸芯位置Gに沿うように配置するとともに、揚水管3もケーシングパイプ2の軸芯位置Gに沿うように配置してなることにより、揚水ポンプ4から吸い上げられる地下水Wはケーシングパイプ2の中心位置に配置されているため、ほぼ均等に回りから吸入することができ安定した地下水Wの供給を行うことができるものであり、また揚水管3もケーシングパイプ2の軸芯位置Gに沿うように配置してなることによりケーシングパイプ2内において、各流入用採熱管6と各流出用採熱管7との配管を軸芯位置Gの領域を除いて自由に選択して配管することができる。
また、前述した第一の実施形態と同様にして、揚水井戸1内には、地下帯水層の地下水Wの水温を検知する温度センサSを設けてなることにより、たとえば冬場などにおいて地下帯水層の地下水Wの水温が所定の温度以下になった場合、ケーシングパイプ2内の下部側に配設した温度センサSによって検知することによって揚水ポンプ4を作動させて地下水Wを汲み上げることによりケーシングパイプ2内の地下水Wを流動させることができ、流入用採熱管6と流出用採熱管7と流路変換用ヘッダー部8とからなる熱交換器5の周囲の温度を所定の温度まで上昇させることができ、その所定の温度に達した時に温度センサSを介して揚水ポンプ4を停止する。また夏場などにおいて地下帯水層の地下水Wの水温が所定の温度以上になった場合は、ケーシングパイプ2内の上部側に配設した温度センサSによって揚水ポンプ4を作動させて地下水Wを汲み上げることによりケーシングパイプ2内の地下水Wを流動させ、流入用採熱管6と流出用採熱管7と流路変換用ヘッダー部8とからなる熱交換器5の周囲の温度を所定の温度に下げることができるものであり、その所定の温度に達した時に温度センサSを介して揚水ポンプ4を停止する。これにより熱媒体Hによる地下水熱を効率よく地上に設けられた地下水熱利用ヒートポンプHPへとそれぞれ伝達することができる。
また、揚水井戸1内には、地下帯水層の地下水Wの水量を検知する水位センサS1,S2をケーシングパイプ2内に設けてなることにより、たとえば地下帯水層の地下水Wの水量が所定の水位以下になった場合、下部側に設置された水位センサS1により検知することによって揚水ポンプ4の駆動状態を停止させ、これによりケーシングパイプ2内に設置した揚水ポンプ4の空運転を防止でき、揚水ポンプ4を保護することができるものであり、また上部側に設置したセンサS2の位置まで地下水Wの水位が上昇して所定の水量となったときに、センサS2により検知することによって揚水ポンプ4が復帰作動するものであり、通常の駆動状態にて地下水Wを汲み上げることができる。
また図14から図19は、本発明の第三の実施形態を示すものであり、前述した第一の実施形態や第二の実施形態と基本的な揚水井戸内の熱交換器の構造については同様であるため、同一部分、均等部分については同一符号を付して説明する。
同図において、本実施形態における揚水井戸内熱交換装置は、揚水井戸1のケーシングパイプ2内に配設され地下帯水層の地下水Wを揚水管3によって汲み上げる揚水ポンプ4に加えて、前記ケーシングパイプ2内に配設されて地下水熱との熱交換が行われる熱交換器5と、を備えている点で、前述した各実施形態と同様である。
本実施形態においても、一般的に用いられている従前の施工と同様にして、各揚水管3の両端部にそれぞれ雄ネジ部からなる連結部3Aが形成されており、揚水管3を連結固定する際は、揚水管3を突き合わせて各雄ネジ部の連結部3A箇所を雌ネジ部を有するソケットからなる連結固定部300によってねじ込みながら連結固定することにより、地表から帯水層に達する所定の深さまでの揚水井戸1の奥行き寸法に応じて、各揚水管3を繋げながら所定の長さとなるように連結して配管処理が行われる。
ところで本実施形態においては、揚水井戸1のケーシングパイプ2の外径寸法が小さいコンパクトな小型の揚水井戸内熱交換装置を提供することを目的とするものであり、この場合、揚水ポンプ4から吸い上げられる地下水Wの水量を保つためには所定の外径を有する揚水管3をケーシングパイプ2内に挿通する必要がある。このため、図15などに示すように、ケーシングパイプ2の外径寸法に対し、ケーシングパイプ2内に配設される揚水管3の外径寸法も比較的に大きなものとなるため、揚水管3をケーシングパイプ2の軸芯位置Gから外れた箇所、すなわちケーシングパイプ2の内部側の際に寄せて設置し、この揚水管3を配設したケーシングパイプ2内の他の余剰スペースに流入用採熱管6と流出用採熱管7との配管を行うように設けている。
従って本実施形態における熱交換器5においては、流路変換用ヘッダー部8は、ケーシングパイプ2の中央の軸芯位置Gから外れた箇所に揚水管3が設置されているため、これに合わせてケーシングパイプ2の中央の軸芯位置Gから外れた箇所に揚水管3の下端部側と接続されて配置されるように貫通孔部80を配置するとともに、この貫通孔部80によって偏芯した断面中空状のドーナツ形状からなる枠体81にて形成している。この枠体81は、略円筒状の外周壁面部82と偏芯した環状の上側平面部83と偏芯した環状の下側平面部84と筒状の内周壁面部85とによって形成され、このように各面部82,83.84,85によって四方が囲まれた枠体81によって偏芯したドーナツ状の中空部86が形成されている。なお、枠体81はたとえば溶接などの手段によって接合固定されている。
また筒状の内周壁面部85は、その上端側が環状の上側平面部83の表面部分より上側に向けて筒状の内周壁面部85が適宜設定した所定の長さに突き出し形成されるとともに、その先端部に雄ネジ部による連結部85Aが形成されている。また筒状の内周壁面部85の下端側も同様にして環状の下側平面部84の表面部分より下側に向けて筒状の内周壁面部85が適宜設定した所定の長さに突き出し形成されるとともに、その先端部に雄ネジ部による連結部85Aが形成されている。
なお、本実施形態における流路変換用ヘッダー部8に貫通する筒状の内周壁面部85としては、前述した第一の実施形態と同様にして、専用に製作した配管を用いることなく、一般的に用いられている揚水管3にて形成されている。
また熱交換器5の流路変換用ヘッダー部8の外周部分である外周壁面部82には、前述した各実施形態と同様にして、ケーシングパイプ2の長手方向に沿って揚水ポンプ4の電源コード4Aを引き廻し配線する電源コード引き廻し凹設部87が設けられている。これにより、揚水ポンプ4から引き廻し案内される電源コード4Aを電源コード引き廻し凹設部87の凹み箇所に沿わせて容易に引き廻し案内される。
また流路変換用ヘッダー部8には、偏芯した断面中空状のドーナツ形状からなる枠体81の上側平面部83箇所に流入用採熱管6の下端部6A側と流出用採熱管7の下端部7A側とが連結される筒状からなる取付部83Aがそれぞれ設けられ、この各取付部83Aを介して流入用採熱管6および流出用採熱管7と流路変換用ヘッダー部8の偏芯したドーナツ状の中空部86部分とが連通されるように設けられている。
また偏芯した環状の上側平面部83に設けられた筒状からなる取付部83Aには、柔軟性を有するたとえば樹脂製のチューブ状からなる流入用採熱管6と流出用採熱管7とを連結するためのソケットナットカプラーなどによる接続部Cを介して各採熱管6,7が組み付け固定されるように設けられている。
また流入用採熱管6側と接続される筒状の取付部83Aには、前述した第一の実施形態と同様にして、流路変換用ヘッダー部8の中空部86の内側箇所に向けてたとえば金属製材料からなる流入用採熱管6の下端部6A側の一部を形成する流入用採熱管6の末端部6B側がねじ込み固定されている。これにより筒状からなる流入用採熱管6の下端部6A側の一部を形成する流入用採熱管6の末端部6B側は、取付部83Aを介して流路変換用ヘッダー部8の上側平面部83から内側の中空部86内に突き出し形成され、他方の流出用採熱管7の下端部7A側は、流路変換用ヘッダー部8の上側平面部83から内部側へと突出することなく形成されている。
また流路変換用ヘッダー部8の偏芯した貫通孔部80と接続して配置される揚水管3の下端部側は、流路変換用ヘッダー部8の下端側の位置にて上部側30Aの揚水管3と下部側31Aの揚水管3とに分割形成されている。また上部側30Aの揚水管3の端部には雄ネジ部からなる連結部3Aが形成されるとともに、揚水ポンプ4が吊り下げ支持される下部側31Aの揚水管3の端部も同様にして雄ネジ部からなる連結部3Aが形成されている。
本実施形態においては、下部側31Aの揚水管3を配管する際には、ケーシングパイプ2の中央の軸芯位置Gから流路変換用ヘッダー部8の筒状の内周壁面部85の位置が外れて配置しているため、鉛直に形成されている揚水ポンプ4が吊り下げ支持される下部側31Aの揚水管3と直接連結することなく、偏芯パイプ32を中継して流路変換用ヘッダー部8の貫通孔部80の下側に接続するようにしている。
この場合、偏芯パイプ32は、ケーシングパイプ2の軸芯位置Gに沿うように揚水管3を緩やかに折れ曲げながら引き廻し形成しており、この偏芯パイプ32の両端部には雄ネジ部からなる連結部32Aが形成され、この偏芯パイプ32の上端部分の連結部32Aと流路変換用ヘッダー部8の貫通孔部80となる筒状の内周壁面部85に設けられた連結部85Aとをソケットからなる連結固定部300によってねじ込み固定するとともに、偏芯パイプ32の下端部分の連結部32Aと揚水ポンプ4が吊り下げ支持される下部側31Aの連結部3Aとをソケットからなる連結固定部300によってねじ込み固定することにより、偏芯パイプ32の下端部分は、ケーシングパイプ2の軸心位置Gに沿うように配設される。
このように軸芯位置Gを揃えた状態にて、偏芯パイプ32を介して揚水ポンプ4が吊り下げ支持されるため、揚水ポンプ4から吸い上げられる地下水Wはケーシングパイプ2の中心位置において、ほぼ均等に回りから吸入することができ安定した地下水Wの供給を行うことができる。
また揚水管3の上端部側は、前述した第一の実施形態などと同様にして、揚水井戸1のケーシングパイプ2の上端側開口部から外部へと引き出し案内され、揚水ポンプ4によって汲み上げられた地下水Wは、切替バルブV等を介して例えば地下帯水層へと還元したり、消雪・融雪装置として熱源として利用したり、災害時の緊急用井戸水などとして利用することができる。
また流路変換用ヘッダー部8に連通された流入用採熱管6と流出用採熱管7との上端側は、ケーシングパイプ2の上端側開口部から外部へと引き出し案内されるとともに、流入用採熱管6と流出用採熱管7との間を連結するように配管された採熱配管9によって熱媒体Hの流路が設定され、その採熱配管9の途上に設けられた地下水熱集熱用循環ポンプPの駆動により熱媒体Hが循環される。
従って、本実施形態においては、前述した第一の実施形態などと同様の作用効果を得ることができるとともに、揚水ポンプ4から吸い上げられる地下水Wは、ケーシングパイプ2の軸芯位置Gに沿って揚水ポンプ4が配置されているため、ほぼ均一に地下水Wを吸入することができ、これにより安定した地下水Wの供給を行うことができる。また小型軽量化をねらいとし、ケーシングパイプ2の外径寸法を小さく設定した際に、偏芯パイプ32によってケーシングパイプ2の軸芯位置Gから外れた箇所であるケーシングパイプ2の内壁に沿うように揚水管3を配置することができとともに、ケーシングパイプ2の軸芯位置Gに沿って揚水ポンプ4を配置することができるため、ケーシングパイプ2の内部の残りスペースにて流入用採熱管6と流出用採熱管7とを配設することができ、揚水井戸内熱交換装置の小型軽量化を達成することができる。なお、本実施形態においては、揚水管3を折り曲げて偏芯パイプ32を形成していたが、既存の偏芯ソケットを用いてもよいものである
なお図示はしないが、前述した実施形態と同様にして、揚水井戸1内には、地下帯水層の地下水Wの水量を検知する水位センサS1,S2をケーシングパイプ2内に設けてなることにより、たとえば地下帯水層の地下水Wの水量が所定の水位以下になった場合においては、下部側に設置された水位センサS1により水位を検知することによって揚水ポンプ4の駆動状態を停止さ、これによりケーシングパイプ2内に設置した揚水ポンプ4の空運転を防止でき、揚水ポンプ4を保護することができるものであり、また上部側に設置したセンサS2の位置まで地下水Wの水位が上昇して所定の水量となったときに、センサS2により揚水ポンプ4を復帰作動するものであり、これにより通常の駆動状態にて地下水Wを汲み上げることができる。
また図示はしないが、前述した実施形態と同様にして、揚水井戸1内に、地下帯水層の地下水Wの水温を検知する温度センサSを設けてなることにより、たとえば冬場などにおいて地下帯水層の地下水Wの水温が所定の温度以下になった場合、ケーシングパイプ2内の下部側に配設した温度センサSによって検知することによって揚水ポンプ4を作動させて地下水Wを汲み上げることによりケーシングパイプ2内の地下水Wを流動させることができ、流入用採熱管6と流出用採熱管7と流路変換用ヘッダー部8とからなる熱交換器5の周囲の温度を所定の温度まで上昇させることができ、その所定の温度に達した時に温度センサSを介して揚水ポンプ4を停止する。また夏場などにおいて地下帯水層の地下水Wの水温が所定の温度以上になった場合は、ケーシングパイプ2内の上部側に配設した温度センサSによって揚水ポンプ4を作動させて地下水Wを汲み上げることによりケーシングパイプ2内の地下水Wを流動させ、流入用採熱管6と流出用採熱管7と流路変換用ヘッダー部8とからなる熱交換器5の周囲の温度を所定の温度に下げることができるものであり、その所定の温度に達した時に温度センサSを介して揚水ポンプ4を停止する。これにより熱媒体Hによる地下水熱を効率よく地上に設けられた地下水熱利用ヒートポンプHPへとそれぞれ伝達することができる。
また、前述した各実施形態における揚水井戸内熱交換装置では、揚水管の下端部側を固定する手段としてねじ込み固定手段を採用していたが、これに限られるものではなく差し込み固定手段やバヨネット結合による固定手段等によって固定することも可能であり、また揚水ポンプ4によって汲み上げられた地下水Wは、揚水管3に接続された切替バルブV等を介して例えば地下帯水層へと還元したり、消雪・融雪装置として熱源として利用したり、災害時の緊急用井戸水などとして利用するようにしていたが、これに限られるものではなく、また採熱配管9による地下水熱を熱源として地上に設けられた地下水熱利用ヒートポンプHPへと伝達するように設けることによって外部機器Eである冷暖房装置や融雪装置あるいは給湯機器などを稼動することを例に説明していたが、これに限られるものではなく、床暖房や屋根融雪などにおいて利用することも可能である。
1 揚水井戸
2 ケーシングパイプ
3 揚水管
4 揚水ポンプ
4A 電源コード
5 熱交換器
6 流入用採熱管
6A 下端部
6B,6C 末端部
7 流出用採熱管
7A 下端部
8 流路変換用ヘッダー部
9 採熱配管
10 蓋部材
30,30A 上部側
31,31A 下部側
32 偏芯パイプ
80 貫通孔部
81 ドーナツ形状からなる枠体
82 筒状の外周壁面部
83 環状の上側平面部
83A 取付部
83B 開口部
84 環状の下側平面部
85 筒状の内周壁面部
85A 連結部
86 ドーナツ状の中空部
87 電源コード引き廻し凹設部
88 プレート
88A 筒状の取付部
89 パッキング
300,301 連結固定部
B 固定部材
C 接続部
D 締結バンド
E 外部機器
G 軸芯位置
H 熱媒体
P 地下水熱集熱用循環ポンプ
R,R1,R2 連結固定部材
S 温度センサ
S1,S2 水位センサ
V 切替バルブ
W 地下水
HP 地下水熱利用ヒートポンプ

Claims (6)

  1. 揚水井戸のケーシングパイプ内に配設され地下帯水層の地下水を揚水管によって汲み上げる揚水ポンプと、前記ケーシングパイプ内に配設されて地下水熱との熱交換が行われる熱交換器と、を備えた揚水井戸内熱交換装置において、
    前記熱交換器は、前記ケーシングパイプの上端側開口部から熱媒体を流入するための流入用採熱管と、前記ケーシングパイプの上端側開口部へと熱媒体を流出するための流出用採熱管と、前記流入用採熱管と前記流出用採熱管との下端側がそれぞれ連通するように設けられた流路変換用ヘッダー部と、によって形成され、前記揚水管の下端部側は、実質的に前記流路変換用ヘッダー部に貫通して配設されるとともに、前記揚水管の下端部側において、その上部側にて前記流路変換用ヘッダー部を保持し、その下部側にて前記揚水ポンプを吊り下げ支持してなることを特徴とする揚水井戸内熱交換装置。
  2. 前記揚水管の下端部側は、上部側と下部側とに分割形成され、前記揚水管の上部側と前記流路変換用ヘッダー部の上部側とを連結固定することにより、前記揚水管の上部側にて前記流路変換用ヘッダー部を保持し、前記揚水管の下部側と前記流路変換用ヘッダー部の下部側とを連結固定することにより、前記揚水管の下部側にて前記揚水ポンプを吊り下げ支持してなることを特徴とする請求項1に記載の揚水井戸内熱交換装置。
  3. 前記流路変換用ヘッダー部に連通される前記流入用採熱管と前記流出用採熱管とを複数個それぞれ設けるとともに、前記ケーシングパイプ内に配設されて地下水熱との熱交換が行われるようにそれぞれ設定した単一の前記流入用採熱管と前記流出用採熱管とを一対とする熱媒体の流路を形成してなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の揚水井戸内熱交換装置。
  4. 前記流路変換用ヘッダー部に連通される前記流入用採熱管の下端部を前記流路変換用ヘッダー部の内部側に突き出し配設してなることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の揚水井戸内熱交換装置。
  5. 前記流路変換用ヘッダー部の下端部に設置される前記揚水ポンプを前記ケーシングパイプの軸芯位置に沿うように配置するとともに、前記揚水管も前記ケーシングパイプの軸芯位置に沿うように配置してなることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の揚水井戸内熱交換装置。
  6. 径小なる前記ケーシングパイプ内に配設される前記揚水ポンプを前記ケーシングパイプの軸芯位置に沿うように配置するとともに、前記揚水管を前記ケーシングパイプの軸芯位置から外れた箇所に設置してなることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の揚水井戸内熱交換装置。
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