JP6679432B2 - 作業機 - Google Patents
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Description
作業機は、ディーゼルエンジンから排出された排気ガスに含まれる粒子状物質を捕捉するフィルタと、前記ディーゼルエンジンに対して当該ディーゼルエンジンの回転数を上昇させる指令を行うことで前記フィルタの再生を行う再生制御部とを有する排ガス浄化装置と、前記ディーゼルエンジンの出力軸の回転動力が入力され且つ当該入力された回転動力である第1回転動力を第2回転動力に変更して出力する動力伝達部と、前記動力伝達部から出力された前記第2回転動力によって回転可能なファンと、制御装置と、を備え、前記動力伝達部は、前記ディーゼルエンジンの回転数に伴って回転数が増減する回転軸と、前記回転軸に回転自在に支持され且つ、前記ファンが装着されたハウジングと、前記回転軸の回転に応じて回転し且つ、前記ハウジングとの間に形成されたギャップに導入された流体によって当該ハウジングと共に回転可能なロータと、前記ギャップに導入する前記流体の導入量を設定する流体設定部と、を有し、前記ロータが、前記排ガス浄化装置による前記フィルタの再生時に前記ディーゼルエンジンの回転数の上昇に応じて回転数が増加することによって前記第1回転動力が増加するようになっており、前記フィルタの再生前の前記ファンの回転数である第2回転動力を「再生前回転数P1」、前記フィルタの再生によって増加する第1回転動力を前記動力伝達部で減少させなかった場合の前記ファンの回転数である第2回転動力を「第1再生後回転数P2」、前記フィルタの再生によって増加する第1回転動力を前記動力伝達部で減少した場合の第2回転動力を「第2再生回転数P3」とした場合、前記前記動力伝達部の前記流体設定部は、再生前回転数P1<第2再生回転数P3<第1再生後回転数P2を満たすように、前記ギャップに導入する前記流体の導入量を設定し、前記制御装置は、前記フィルタの再生が行われた場合、前記ディーゼルエンジンの増加した回転数である増加量ΔM1を求め、前記増加量ΔM1に基づいて、前記ファンの実回転数の増加量である推定増加量ΔM2を推定し、再生前回転数P1及び推定増加量ΔM2に基づき、前記フィルタの再生において前記エンジンの回転数を上昇させた場合のファンの実回転数である推定回転数M3を推定し、前記推定回転数M3を前記第1再生回転数P2に設定し、第2再生後回転数P3を、再生前回転数P1を超え且つ第1再生後回転数P2未満に設定する。
作業機は、前記フィルタの再生の指令を手動で行う再生スイッチを備え、前記再生制御部は、前記再生スイッチによって再生の指令が行われた場合に前記ディーゼルエンジンを制御することによって前記フィルタの再生を行う。
前記動力伝達部は、前記ファンが装着されたハウジングと、前記ディーゼルエンジンの出力軸の回転動力によって回転し、且つ、前記ハウジングとの間に形成されたギャップに導入された流体によって当該ハウジングと共に回転するロータと、前記ギャップに導入する前記流体の導入量を設定する流体設定部と、を備えている。
まず、作業機として、ホイールローダを例にあげて説明する。なお、作業機は、ホイールローダに限定されず、コンパクトトラックローダ、スキッドステアローダ、バックホー等であっても、その他の作業機であってもよい。
排ガス浄化装置20は、フィルタ21と、第1圧力検出装置22と、第2圧力検出装置23と、制御装置24とを有している。フィルタ21は、ディーゼルパーティキュレートフィルタ(DPF)であって、エンジン18から排出されたガスに含まれる粒子状物質を捕集するためのフィルタである。説明の便宜上、フィルタ21のことをDPFという。
再生制御部24aは、第1圧力検出装置22が検出した第1排気圧力と、第2圧力検出装置23が検出した第2排気圧力とに基づいて、DPF21に堆積したPM堆積量を演算する。再生制御部24aは、エンジン18に対して所定の指令を行うことによって、排気マニホールド25の排ガスの温度を上昇させ、DPF21に堆積した粒子状物質を燃焼させることにより、DPF21に堆積した粒子状物質の堆積量(PM堆積量)を減少させる。即ち、再生制御部24aは、DPFの再生(以降、DPF再生ということがある)を行う。
次に、再生制御部24aによる第1動作、第2動作、第3動作について説明する。
第1動作は、エンジン回転数を上昇させる動作である。再生制御部24aは、PM堆積量が予め定められた量(DPF再生が必要な量)以上になると、第1動作として、まず、報知装置26に対して、報知信号を出力する。報知装置26は、報知信号を取得すると、「作業者が手動で設定部材27を操作することによってエンジン回転数をアイドリング回転数よりも高い回転数(再生回転数)に上昇しなければならない」ことを、音声、光、文字等によって知らせる。即ち、報知装置26は、エンジン回転数を上昇させる必要があることを作業者に知らせる情報を出力する。例えば、報知装置26は、再生制御部24aから出力された報知信号に基づいて、「アクセルを操作し、エンジン回転数を再生回転数である1800rpm以上に設定して下さい」と表示する。
することによって、エンジン回転数を再生回転数以上にすると、排ガスの温度を上昇させることができる。
図2の時点T1に示すように、PM堆積量が所定量以上になった場合、再生制御部24aによる第1動作が行われる。時点T1においては、報知装置26によってエンジン回転数を上昇することが促される。その結果、作業者は設定部材27を操作するため、エンジン回転数が上昇する。エンジン回転数の上昇を行うことによって水温が上がり、65℃以上になると、図2の時点T2に示すように、再生制御部24aによる第2動作が行われる。即ち、エンジン18の吸気が絞られる。エンジン18の吸気が絞られることによって、排ガスの温度が上昇し、図2の時点T3に示すように、排ガスの温度が250℃以上になると、再生制御部24aによる第3動作が行われる。エンジン18のポスト噴射が行われると、排ガスの温度は600℃以上になり、DPF21に堆積した粒子状物質の燃焼が促進される。
なお、上述した3段階のDPF再生は、ホイールローダ1を所定の場所に駐車した状態で行うことが好ましい。図1に示すように、制御装置24には、駐車を検出する駐車検出装置29が接続されている。駐車検出装置29は、機体2に揺動自在に支持された駐車レバー(パーキングブレーキ)が当該機体2の制動を行う位置(制動位置)である場合にONとなり、駐車を検出する。また、駐車検出装置29は、駐車レバーが機体2の制動を解除する位置(解除位置)にある場合にOFFになり、駐車を検出しない。再生制御部24aは、PM堆積量がDPF再生の必要な量以上である状況下で駐車検出装置29によって駐車が検出された場合に第1動作を実行する。このように、ホイールローダ1を所定の場所に駐車したことを条件としてDPF再生を行うことによって、DPF再生時の排ガスが直接、高温環境に弱い物に掛かってしまうことを防止することができる。例えば、草、木などの植物、建設資材等は高温環境に弱く、このような物が無い場所を選んでDPF再生を行うことができる。
冷却装置40は、エンジン18を動力源として駆動する装置であって、例えば、粘性の流体を用いた粘性式のクラッチファンである。粘性式のクラッチファンである場合、外気温等が非常に低く、例えば、−30℃の環境下でも作動させることが可能である。
冷却装置40は、動力伝達部41と、ファン42とを備えている。動力伝達部41は、エンジン18の出力軸19の回転動力が入力され且つ当該入力された回転動力(以降、第1回転動力ということがある)を、第2回転動力に変更してファン42に出力する伝達装置である。図3に示すように、動力伝達部41は、回転軸43と、ロータ44と、ハウジング(ケース)45と、流体設定部(流体設定装置)46とを有している。
る。また、回転軸43にも、当該回転軸43と共に回転するプーリ51が設けられている。プーリ50とプーリ51とには、ベルト(駆動ベルト)52が掛けられ、プーリ50の回転動力が駆動ベルト52を介してプーリ51に伝達される。プーリ51の回転動力、即ち、第1回転動力が回転軸43に伝えられ、当該回転軸43が回転する。
ハウジング45は、回転軸43に軸受53を介して回転自在に支持されている。ハウジング45の外側には、複数枚の羽根を有するファン42が装着されている。したがって、ハウジング45を回転させることによってファン42を回転させることができる。
また、ギャップ44bへのシリコン油の導入量を少なくすることによって、エンジン18の回転軸19からロータ44を介してハウジング45に伝達するトルクが小さくなる。即ち、ギャップ44bへのシリコン油の導入量を少なくすることによって、エンジン18の回転数に対するファン42の回転数の比率が減少する。言い換えれば、ギャップ44bへのシリコン油の導入量を減少させることによって、動力伝達部41(回転軸43)に入力された第1回転動力を低下させて、第2回転動力としてハウジング45を介してファン42に出力することができる。
とができるため、説明の便宜上、回転動力のことを回転数と同等として説明を進める。
図4に示すように、例えば、DPF再生の第1動作を行った場合、エンジン回転数は上昇する。図4のL1に示すように、エンジン回転数の上昇に伴って動力伝達部41に入力される第1回転動力が増加することから、第2回転動力(ファン42の回転数)が増加する。
詳しくは、図4に示すように、DPF再生前の第2回転動力(ファン42の回転数)を「再生前動力(再生前回転数)P1」、DPF再生において増加する第1回転動力を動力伝達部41で減少させなかった場合の第2回転動力(ファン42の回転数)を「第1再生後動力(第1再生後回転数)P2」、DPF再生において増加する第1回転動力を動力伝達部41減少させた場合の第2回転動力(ファン42の回転数)を「第2再生後動力(第2再生後回転数)P3」とした場合、動力伝達部41は、第2再生後回転数P3をP1<P3<P2を満たすように設定する。
図3に示すように、第1制御装置60には、回転検出装置61が接続されている。回転検出装置61は、ファン42(ハウジング23)の実回転数を検出する装置である。即ち、回転検出装置61は、ファン42又はハウジング23の近傍に設けられ、ファン42の実回転数を検出する。第1制御装置60は、設定部62を備えている。設定部62は、第2再生後回転数P3の設定を行う部分であって、第1制御装置60を構成する電気・電子部品、当該第1制御装置60に組み込まれたプログラム等から構成されている。
設定部62は、第2再生後回転数P3がP1<P3<P2を満たすように設定する。
具体的には、第1制御装置60がDPF再生の開始(再生制御部24aによる第1動作の開始)の信号を取得すると、設定部62は、DPF再生の開始直前の回転検出装置61で検出されたファン42の実回転数を、再生前回転数P1として保持する。
転数P3の値は、測定装置28で測定した水温に基づいて設定することが好ましい。言い換えれば、第1回転動力の減少量を水温に基づいて設定することが好ましい。例えば、DPF再生の開始後における水温が第2動作を行うための閾値である65℃に近い場合(例えば、5℃以内)、設定部62は、第1回転動力の減少量、即ち、再生前回転数P1と第2再生後回転数P3との差を小さくする。一方で、DPF再生の開始後における水温が65℃から離れている場合(例えば、30℃)、再生前回転数P1と第2再生後回転数P3との差を大きくする。
上述した実施形態では、DPF再生において、設定部材27を作業者が手動で操作することによってエンジン回転数を上昇させていたが、スイッチを切り換えることによってエンジン回転数を上昇させてもよい。具体的には、図1に示すように、制御装置24には、再生スイッチ63が接続されている。再生スイッチ63は、手動でON又はOFFに切換可能なスイッチである。再生スイッチ63がONである場合は、再生の指令(以降、再生指令という)を制御装置24に出力する。再生スイッチ63がOFFである場合には、再生指令を停止する。PM堆積量が所定量以上になった場合、再生スイッチ63は入力を受け付け可能の状態になる。作業者が再生スイッチ63をONし、再生指令が制御装置24に入力されると、再生制御部24aは自動的にエンジン回転数を上昇させる動作(第1動作)を行う。この場合も、上述したように、第1制御装置60の設定部62は、第2再生後回転数P3を求め、DPF再生前よりもファン42の回転数を減少させる。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。上述した実施形態では、第1制御装置60と第2制御装置24とを別体に構成していたが、これに代えて、一体化してもよい。
2 機体
18 原動機
19 出力軸
20 排ガス浄化装置
21 フィルタ(DPF)
22 第1圧力検出装置
23 第2圧力検出装置
24 制御装置
24a 再生制御部
26 報知装置
27 設定部材
28 再生スイッチ
29 駐車検出装置
40 冷却装置
41 動力伝達部
42 ファン
43 回転軸
44 ロータ
46 流体設定部
60 制御装置
61 回転検出装置
62 設定部
63 再生スイッチ
Claims (4)
- ディーゼルエンジンから排出された排気ガスに含まれる粒子状物質を捕捉するフィルタと、前記ディーゼルエンジンに対して当該ディーゼルエンジンの回転数を上昇させる指令を行うことで前記フィルタの再生を行う再生制御部とを有する排ガス浄化装置と、
前記ディーゼルエンジンの出力軸の回転動力が入力され且つ当該入力された回転動力である第1回転動力を第2回転動力に変更して出力する動力伝達部と、
前記動力伝達部から出力された前記第2回転動力によって回転可能なファンと、
制御装置と、
を備え、
前記動力伝達部は、
前記ディーゼルエンジンの回転数に伴って回転数が増減する回転軸と、
前記回転軸に回転自在に支持され且つ、前記ファンが装着されたハウジングと、
前記回転軸の回転に応じて回転し且つ、前記ハウジングとの間に形成されたギャップに導入された流体によって当該ハウジングと共に回転可能なロータと、
前記ギャップに導入する前記流体の導入量を設定する流体設定部と、
を有し、
前記ロータが、前記排ガス浄化装置による前記フィルタの再生時に前記ディーゼルエンジンの回転数の上昇に応じて回転数が増加することによって前記第1回転動力が増加するようになっており、
前記フィルタの再生前の前記ファンの回転数である第2回転動力を「再生前回転数P1」、前記フィルタの再生によって増加する第1回転動力を前記動力伝達部で減少させなかった場合の前記ファンの回転数である第2回転動力を「第1再生後回転数P2」、前記フィルタの再生によって増加する第1回転動力を前記動力伝達部で減少した場合の第2回転動力を「第2再生回転数P3」とした場合、前記前記動力伝達部の前記流体設定部は、再生前回転数P1<第2再生回転数P3<第1再生後回転数P2を満たすように、前記ギャップに導入する前記流体の導入量を設定し、
前記制御装置は、前記フィルタの再生が行われた場合、前記ディーゼルエンジンの増加した回転数である増加量ΔM1を求め、前記増加量ΔM1に基づいて、前記ファンの実回転数の増加量である推定増加量ΔM2を推定し、再生前回転数P1及び推定増加量ΔM2に基づき、前記フィルタの再生において前記エンジンの回転数を上昇させた場合のファンの実回転数である推定回転数M3を推定し、前記推定回転数M3を前記第1再生回転数P2に設定し、第2再生後回転数P3を、再生前回転数P1を超え且つ第1再生後回転数P2未満に設定する作業機。 - 前記ディーゼルエンジンの冷却水の温度を測定可能な測定装置を備え、
前記制御装置は、前記第2再生後回転数P3を前記測定装置で測定された前記冷却水の温度に基づいて設定する請求項1に記載の作業機。 - 前記フィルタの再生の指令を手動で行う再生スイッチを備え、
前記再生制御部は、前記再生スイッチによって再生の指令が行われた場合に前記ディーゼルエンジンを制御することによって前記フィルタの再生を行う請求項1又は2に記載の作業機。 - 駐車を検出する駐車検出装置と、
前記ディーゼルエンジンの回転数を設定する設定部材と、
を備え、
前記再生制御部は、前記駐車検出装置によって駐車が検出された場合は、前記設定部材で設定されたディーゼルエンジンの回転数に応じて前記ディーゼルエンジンの回転数を上昇させて前記フィルタの再生を行う請求項1〜3のいずれかに記載の作業機。
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PCT/JP2016/087354 WO2017110644A1 (ja) | 2015-12-24 | 2016-12-15 | 作業機の冷却制御システム及び作業機 |
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Applications Claiming Priority (1)
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Publications (2)
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JP2018003608A JP2018003608A (ja) | 2018-01-11 |
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---|---|---|---|
JP2016126842A Active JP6679432B2 (ja) | 2015-12-24 | 2016-06-27 | 作業機 |
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2016
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