JP6679371B2 - 物体検知装置 - Google Patents

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Description

本発明は、所定の監視領域内に存在する物体(例えばドローン等の飛行物体)を検知する物体検知装置に関する。
近年、ドローンと呼ばれる小型で無人のマルチコプターが実用化され、農薬散布や施設点検などさまざまな用途に有効利用されている。
一方で、盗撮や危険物運搬などドローンを悪用した犯罪も懸念されつつあり、このようなドローンが監視領域内への侵入を早期に検出するシステムも現れ始めている。
従来、比較的広範囲を監視領域とし、監視領域内に侵入する侵入物体を検知すると警報を出力する物体検知センサとして、例えば下記特許文献1に開示されるようなFM−CW、2周波CW等のレーダを利用するものが知られている。
特開2007−178140号公報 特開平10−142322号公報
このようなレーダでは、アンテナから送信した電波の反射波から物体の有無を判定するが、アンテナの開口部を狭くすることでビーム幅が拡がり広範囲を監視することができる。一方、アンテナの開口部が広いと狭いビーム幅の電波が送信でき、角度分解能が向上する。また、アンテナに回転機構を持たせることで360度の監視範囲を実現できる。
ここで、監視領域内に飛行物体が侵入したことを検知するだけであれば、飛行物体の正確な位置を知ることは必ずしも必要とされない。しかし、例えば、侵入した飛行物体を検知して何らかの手段により自動で捕獲等を行うシステムを想定する場合には、監視領域内における飛行物体の位置を精度良く求めることが必要となる。
例えば半球面のような広い監視範囲を対象とする場合は、上述のように仰角のビーム幅が広い(偏波角が広い)アンテナを回転させることで実現できる。その際、方位角方向のビーム幅を狭くすることで方位角方向の分解能を高くすることはできるが、仰角方向の分解能を上げることができず、監視領域内における飛行物体の位置を精度良く求めることができない。
ところで、特許文献2には、ビームを重複させ、各ビームの重複信号の和信号と差信号と方位に一定の関係があることが記載されている。しかし、広域の監視範囲内で十分な仰角の分解能を得るためには多くのアンテナが必要となり、コストや制御負荷等の問題で現実的ではない。
本発明は、上記課題を解決しようとするものであり、監視領域内の物体の位置を精度良く求めることが可能な物体検知装置を提供することを目的としている。
上記した目的を達成するために、本発明に係る物体検知装置は、所定のビーム幅の電波を複数方向に送受信するアンテナを備え、前記アンテナから送信された送信波に対する反射波から監視領域の物体の有無を検知するとともに物体が存在する角度範囲を取得する物体検知手段と、
空間上に複数配置されたマイクロホンを有する音響信号入力手段と、
前記マイクロホンに入力された複数の音響信号から監視領域内の音源方向を特定する音響信号処理手段と、
を備えた物体検知装置であって、
前記音響信号処理手段は、前記物体検知手段が監視領域内で物体を検知すると、該物体検知手段で取得した前記角度範囲内を探索して前記物体が存在する角度を特定することを特徴とする。
また、本発明に係る物体検知装置は、前記物体検知手段が、前記アンテナにて方位角方向にビーム幅が狭く仰角方向にビーム幅が広い電波を送受信し、前記アンテナを所定周期で回転させる回転機構を備え、前記アンテナから送信された送信波に対する反射波から監視領域の物体の有無を検知するとともに物体までの距離及び方位角方向、仰角範囲を特定可能であり、
前記音響信号処理手段が、前記仰角範囲内で、前記複数のマイクロホンの入力信号を処理して前記物体の仰角を求め、前記物体の位置を特定してもよい。
さらに、本発明に係る物体検知装置は、前記物体検知手段が、仰角方向の送受信範囲が異なる複数のアンテナを備え、前記物体を検知したアンテナの送受信方向に基づき仰角範囲を設定してもよい。
また、本発明に係る物体検知装置は、前記音響信号処理手段で特定した前記仰角において前記複数の音響信号を遅延和処理して生成した遅延和信号が所定以上である場合に警報を出力してもよい。
さらに、本発明に係る物体検知装置は、さらにパン・チルト・ズーム機能を備えた撮像手段を備え、前記物体検知手段で取得した方位角、仰角範囲が画面上に入るようにパン・チルト・ズーム制御し、撮像画像上で画像処理して画像上の物体位置を特定し、前記画像上の物体位置に基づいて仰角を求め、物体位置を特定してもよい。
本発明の物体検知装置によれば、物体検知手段は、所定のビーム幅の電波を複数方向に送受信するアンテナから送信された送信波に対する反射波から監視領域の物体の有無を検知するとともに物体が存在する角度範囲を取得する。音響信号入力手段は、空間上に複数配置されたマイクロホンにより監視領域内の音響信号を取得する。音響信号処理手段は、マイクロホンに入力された複数の音響信号から監視領域内の音源方向を特定し、物体検知手段が監視領域内で物体を検知すると、物体検知手段で取得した角度範囲内を探索して物体が存在する角度を特定する。かかる構成により、物体検知手段にて監視領域内の物体の存在範囲を絞り込んで当たりをつけ、音響信号入力部による走査範囲を限定することにより低コストな構成で効率的に監視領域内の物体の位置を精度良く特定することができる。
また、本発明の物体検知装置によれば、物体検知手段は、アンテナにて方位角方向にビーム幅が狭く仰角方向にビーム幅が広い電波を送受信し、アンテナを所定周期で回転させる回転機構を備え、アンテナから送信された送信波に対する反射波から監視領域の物体の有無を検知するとともに物体までの距離及び方位角方向、仰角範囲を特定する。音響信号処理手段は、物体検知手段にて特定した仰角範囲内で、複数のマイクロホンの入力信号を処理して物体の仰角を求め、物体の位置を特定する。かかる構成により、監視領域の物体の有無、物体が有るときの物体までの距離及び方位角方向、仰角範囲を物体検知手段にて特定し、特定した仰角範囲内で音響信号処理手段にて複数のマイクロホンの入力信号を処理して物体の仰角を求め、監視領域内の物体の位置を特定することができる。
さらに、本発明の物体検知装置によれば、物体検知手段は、仰角方向の送受信範囲が異なる複数のアンテナを備え、物体を検知したアンテナの送受信方向に基づき仰角範囲を設定する。かかる構成により、仰角方向の送受信範囲が異なるアンテナを多段構成とすることで仰角探索範囲を限定することができる。
また、本発明の物体検知装置によれば、音響信号処理手段で特定した仰角において複数の音響信号を遅延和処理して生成した遅延和信号が所定以上である場合に警報を出力する。かかる構成により、仰角方向の分解能が低いアンテナを物体検知手段に用いた場合に、物体検知手段にて特定される仰角範囲内で音響信号処理手段が物体の仰角を特定し、特定した仰角における遅延和信号が所定以上のときに警報を出力することができる。
さらに、本発明の物体検知装置によれば、パン・チルト・ズーム機能を備えた撮像手段を備え、物体検知手段で取得した方位角、仰角範囲が画面上に入るようにパン・チルト・ズーム制御し、撮像画像上で画像処理して画像上の物体位置を特定し、画像上の物体位置に基づいて仰角を求め、物体位置を特定する。かかる構成により、監視領域内に騒音源等が存在し、音響信号による判定が困難な場合に撮像手段による撮像画像を用いて物体位置の特定に対応することができる。
本発明に係る物体検知装置の全体構成を示すブロック図である。 本発明に係る物体検知装置における監視範囲の概略斜視図である。 本発明に係る物体検知装置における監視用レーダの概略構成を示す図である。 本発明に係る物体検知装置におけるマイクアレイの一例を示す概略図である。 本発明に係る物体検知装置における検査領域の設定例を示す図である。 本発明に係る物体検知装置の動作フローチャートである。
以下、本発明を実施するための形態について、添付した図面の図1〜6を参照しながら詳細に説明する。
[本発明の概要について]
本発明は、所定幅のビームを所定周期で回転させて送受信するレーダを用い、所定の監視領域内に存在する対象物体(例えばドローン等の飛行物体)を検知する物体検知装置に関するものである。
本発明では、方位角方向のビーム幅が狭く、仰角方向のビーム幅が広くなるアンテナをレーダに用いるため、方位角方向の分解能は高く、仰角方向の分解能は低い。このため、対象物体の捕獲などを想定した場合には対象物体の正確な位置を求めることが必要となる。
そこで、本発明の物体検知装置は、レーダとマイクアレイを備え、レーダにより対象物体を検知して対象物体の方位角及び仰角範囲を特定した後、この特定した方位角と仰角範囲内でマイクアレイにより遅延和信号が最大となる仰角を特定し、これら方位角と仰角から対象物体の位置を特定する機能を有する。
[物体検知装置の構成について]
図1に示すように、本実施の形態の物体検知装置1は、物体検知部2、音響信号入力部3、撮像部4、制御部5、表示部6を含んで概略構成される。
物体検知装置1は、図2の点線で示す円aの中心に設置され、半球面を監視範囲Eとしている。物体検知装置1は、物体検知部2により監視範囲E内の対象物体Wを検知したと判定すると、物体検知部2の近傍に設置された撮像部4により対象物体Wを含む撮像が行なわれる。以下、対象物体Wを飛行物体として説明する。
[物体検知部(監視用レーダ)]
物体検知部2は、監視範囲E内の飛行物体Wを検知する監視用レーダで構成される。監視用レーダ2は、監視領域の所定箇所に固定設置され、複数のレーダを組み合わせて半球面の監視範囲Eを監視する構成としている。
監視用レーダ2は、レーダから送信される送受信波として周波数変調された連続波を使用して測距を行うFM−CW方式を採用し、所定周期(例えば1回転/1秒)で方位角方向に所定の水平ビーム幅(例えば2度)のビームを360度回転させ、所定周期(例えば3ms)ごとに電波を送受信することで、飛行物体Wの方位角を検知できる。
また、監視用レーダ2の回転速度は、レーダの最大検知距離(例えば100m)に応じて決定されるビームの往復時間と比較して、アンテナが停止しているとみなせるほど小さい速度に設定される。
仰角方向は、斜め上方、及び上空方向に水平ビーム幅より広い送信ビーム(例えば60度)を放射し、斜め上方に送信した領域を上下に分割した領域からの電波を受信する2つの受信アンテナ、及び上空方向からの受信波を受信する2つの受信アンテナ(例えば30度)を用いて監視領域内に侵入した飛行物体Wからの反射波を受信する。
監視用レーダ2は、レーダ方式としてはFM−CW方式が採用することで、レーダを中心とした飛行物体Wの方位角、物体までの距離、速度、受信強度、検知した受信アンテナが監視する仰角範囲の情報が取得できる。
さらに監視用レーダ2の構成について図3を参照しながら説明する。ここでの監視用レーダ2は、斜方監視用レーダと天面監視用レーダによる2つのレーダ装置を組み合わせて半球面の監視範囲Eを監視する構成としている。以下、2つのレーダ装置にFM−CWレーダを用いた場合を例にとって説明する。
図3は2つのレーダ装置で構成される監視領域のイメージを示している。固定位置に設置されたFM−CWレーダは、図3に示すように、斜め上方、及び上空方向のそれぞれに送信ビームT1,T2を放射し、斜め上方に送信した領域を上下に分割した領域からの電波R1を受信する2つの受信アンテナ、及び上空方向からの電波R2を受信する2つの受信アンテナを用いて監視領域内に存在する飛行物体Wからの反射ビームを受信する。
ここでは、FM−CWレーダの原理の詳細な説明については省略するが、その概略について説明すると、監視用レーダ2としてのFM−CWレーダは、送信アンテナ、複数の受信アンテナ、送受信装置、A/D変換器、信号処理装置を含んで構成される。
各部について説明すると、送信アンテナは、送信ビームを前方に放射する。仰角範囲の異なる複数の受信アンテナは、送信ビームの範囲あるいは、送信ビームの範囲を分割した監視領域からの電波を受信する。送受信装置は、FM−CW送信波を生成し、また受信ビームを信号処理装置で処理可能な周波数に変換する。A/D変換器は、送受信装置が出力する受信ビーム強度をデジタル変換する。信号処理装置は、A/D変換器が出力する受信ビーム強度から監視領域にある飛行物体Wの相対距離、相対速度、及び受信ビーム中の飛行物体Wからの反射ビーム成分の強度を求める。
さらに説明すると、信号処理装置では、A/D変換器から入力した反射ビームの信号の周波数分析を行い、各周波数における信号強度を演算する。次に、信号強度が閾値以上となる周波数を求めて、その周波数を飛行物体Wからの反射ビーム成分の周波数とする。そして、求めた飛行物体Wからの反射ビーム成分の周波数と、送信ビームの周波数の差を演算してビート周波数を算出し、このビート周波数から飛行物体Wの相対距離、相対速度を演算して出力する。また、信号処理装置は、回転させているレーダがどの位置で飛行物体Wを検知したかに基づいて方位角を出力する。さらに、信号処理装置は、複数ある受信アンテナの内、いずれかで受信したかを出力する。各受信アンテナが監視する仰角範囲は予め記憶されており、これにより、仰角範囲を求めることができる。
尚、監視用レーダ2は、監視領域に存在する飛行物体Wの相対距離、相対速度、及び受信ビーム中の飛行物体Wからの反射ビーム成分の強度などの飛行物体Wに関する各種情報を取得できればよく、図3に示すFM−CWレーダに限定されるものではない。例えば、他のレーダ方式として、2周波CW、パルスドップラレーダを適用してもよい。
[音響信号入力部]
音響信号入力部3は、空間上に配置された複数のマイクロホンを備えたマイクアレイ、マイクアンプ、多チャンネルA/D変換器などを含んで構成される。
図4はマイクアレイの入力部のイメージ図を示す。マイクアレイのマイクロホンは、音源の3次元的な空間位置を測定するため、3個のマイクロホンと、これら3個のマイクロホンと同一面ない1個のマイクロホンの計4個のマイクロホンを最低限必要とする。図4は三角推の各辺上に複数のマイクロホンMを所定間隔で配置した例を示している。
尚、マイクロホンの数は、多ければノイズ抑圧性能、方向検出精度が向上し、監視用レーダ2との監視距離に応じて適宜設定される。
また、マイクロホンの入力部は、図4の形状に限定されることはなく、例えば球面状とし、この球面にマイクロホンを配置するようにしてもよい。
監視領域内の音響信号取得手段であるマイクロホンは、無指向性のコンデンサマイクを採用することができる。
また、マイクロホンの間隔は、飛行物体Wが発生する音響信号の主要周波数帯域(波長)との関係で十分に方向推定が可能な値(位相差が生じ易い)に設定される。
音響信号入力部3は、マイクロホンが取得した音響信号をマイクアンプで増幅した後にA/D変換器によりデジタル信号に変換して制御部5に出力する。
[撮像部]
撮像部4は、パン、チルト、ズーム機能を備えた高解像度、高感度のカメラで構成される。撮像部4は、監視領域を撮像可能な位置に固定設置され、制御部5の制御により、パン、チルト及びズームが可能であり、目標の飛行物体Wが画面中央に映し出せるように撮像範囲が可変される。
撮像部4は、監視用レーダ2と連動し、監視用レーダ2で検知した飛行物体Wの位置情報に基づく制御部5の制御により、飛行物体Wが画像中心になるように旋回台を旋回、上下方向を調整し、監視用レーダ2から取得した飛行物体Wが存在する仰角範囲が画角内に入るようにズーム倍率を調整し、撮像画像を制御部5を介して表示部6に送信し、モニタ表示する。
尚、音響信号入力部3、撮像部4は、監視用レーダ2の上部または下部、あるいは監視用レーダ2近傍の別の場所に設置されてもよい。また、監視用レーダ2、音響信号入力部3及び撮像部4の相対位置は、物体検知装置1の不図示の記憶部に記憶されている。
[制御部]
制御部5は、監視用レーダ2の出力(各レーダ出力)、音響信号入力部3の出力(マイクアレイの出力)を信号処理して飛行物体W(例えばドローン)と判定すると、撮像部4が撮像したカメラ画像を表示部6へ出力するものであり、レーダ信号処理部5a、音響信号処理部5b、画像処理部5c、判定部5dを含んで構成される。
(レーダ信号処理部)
レーダ信号処理部5aは、監視用レーダ2が出力した情報からノイズ除去処理等を行い、監視用レーダ2が出力した信号の強度、大きさ、速度などから飛行物体Wである可能性があるか否かの判定を行う。
(音響信号処理部)
音響信号処理部5bは、音響信号入力部3のマイクアレイの出力信号を処理して音源方向の特定を行う。この音源方向の特定を行うための音源方向特定処理は、相関関数、遅延和アレイ、高分解能法などが知られている(大賀、山崎、金田共著”音響システムとディジタル処理”電子情報通信学会、1995年、pp.199-200)。
ここでは遅延和アレイを用いた場合を例にとって、その原理について説明する。説明を簡単にするため、間隔dで直線上に配置されたマイクロホンM1 〜Mm に対し、音源がθL の方向から到来すると、基準となるマイクロホンM1 で受音される信号と他のマイクロホンで受音される信号の間には(m−1)(dsinθL )/cの遅延が発生する。
各マイクロホンから受音した信号に各々遅延を付加すると、各マイクロホンから受音した信号が同相化され、この同相化された信号を加算すると、音源方向θL から到来する信号が強調される。一方でθL 以外から到来する信号は、同相化されないため加算しても強調されない。これにより、指向性を音源方向に向けるように制御できる。直線ではなく三次元的に配置されたマイクアレイの場合もマイクロホン位置が既知であるため、幾何学的に特定方向から到来する信号を同相化することができる。
ここで、目的の方向θL を走査して、マイクアレイの出力信号を監視し、出力信号が最大となった角度が音源方向と特定できる。
本発明においては、レーダ信号処理部5aから、飛行物体Wの検知情報として、方位角と、どの受信アンテナが検知したかに基づき仰角範囲の情報が取得される。
そして、各マイクロホンの信号に対し、方位角は監視用レーダ2から取得した値を用い、仰角方向は検知した受信アンテナが監視する角度範囲の中で走査してマイクアレイの出力信号である遅延和信号を監視し、最大となった角度を仰角として特定する。
このように、通常のマイクアレイでは全ての方位角、仰角に対し走査を行い方向を特定する必要があるが、音響信号処理部5bでは、レーダ信号処理部5aから方位角と仰角範囲情報を取得することで走査範囲を特定の仰角範囲だけに絞ることができるため、処理が高速化できる。また、複数の音源が存在し、対象とする飛行物体Wとは異なる方向により高い音響レベルの騒音源がある場合であっても、騒音源方向を飛行物体Wの方向と誤検知することなく、対象である飛行物体Wを的確に判別できる。
(画像処理部)
画像処理部5cは、音響信号処理部5bの補助手段としての機能を備える。監視領域内で騒音源がある場合には、騒音源の方向ではレーダ信号処理部5aが飛行物体Wを検知しても音響信号処理部5bで正しい判定ができない可能性がある。このため、予め環境測定を行い、騒音源が存在する方位を不図示の記憶部に記憶しておき、監視用レーダ2が騒音源の方位で飛行物体Wを検知した場合は、検知した方位角に撮像部4のカメラを旋回し、監視用レーダ2が検知した受信アンテナの範囲内において画像上で画像処理を行い、飛行物体Wの仰角の位置を検出する。
さらに説明すると、画像処理部5cは、図5に示すように、監視用レーダ2が検知した飛行物体Wの方位角、及び検知した受信アンテナの監視範囲に相当する画像上の仰角範囲(及びその周辺画素を含む領域)を検査範囲として設定する。監視用レーダ2から取得した仰角範囲の情報に基づき、当該検査範囲が画角内に入るように制御部5により調整される。そして、画像処理部5cは、設定した検査範囲内において画像処理を行い、画像上の飛行物体Wの位置を特定し、仰角を特定する。具体的には、例えば検査領域内の平均輝度値を求め、この平均輝度値に対して所定以上の差がある領域を飛行物体位置として特定することができる。あるいは、検査領域内でエッジ検出を行い、エッジ強度が所定以上の位置を飛行物体位置として特定するようにしてもよい。ズーム倍率と画角の関係は既知(補正値を含め)であるため、撮像部3が撮像したカメラ画像の画角情報と撮像部3のチルト角(上下方向への回転角)、そしてカメラ画像上で特定した飛行物体位置から飛行物体Wの仰角が精度良く特定できる。
(判定部)
判定部5dは、レーダ信号処理部5aで検知した飛行物体Wの方向に、音響信号入力部3のマイクアレイの出力信号である遅延和信号が所定条件を満たせば対象である飛行物体Wを検知したとして警報出力する。
具体的に、判定部5dは、遅延和信号の所定周波数範囲における強度、或いは帯域フィルタを通した時間波形上の平均強度などが所定の閾値(第1のしきい値)を超えるか否かで音響信号の有無を判定する。
また、判定部5dは、レーダ信号処理部5aから取得した距離情報、方位角、音響信号処理部5b又は画像処理部5cから取得した仰角の情報により飛行物体Wの位置を特定する。
[表示部]
表示部6は、制御部5と接続されて監視卓に設置され、監視用レーダ2で検知した付近のカメラ画像を表示するモニタである。
表示部6は、監視用レーダ2が監視領域内で飛行物体Wを検知すると、制御部5の制御により、監視用レーダ2近傍の撮像部4が撮像したカメラ画像を表示させる。その際、制御部5は、監視用レーダ2から取得した飛行物体Wの位置情報に基づき撮像部4のパン・チルト・ズーム制御(以下、PTZ制御と言う)を行い、検知した飛行物体Wが画面中央に映し出せるようにする。
[物体検知装置の動作について]
次に、上記のように構成される物体検知装置1における制御部5の動作について図6のフローチャートを参照しながら説明する。
尚、ここでは、監視領域内に進入した人工的な飛行物体であって、有人無人を問わず、自律的或いは人が操作するものであり、飛行時に音響信号を発生させる飛行物体を対象物体Wとする。具体的な対象物体Wとしては、例えばドローン等のマルチコプター、ヘリコプター、ラジコン飛行機等が上げられる。
まず、制御部5は、監視用レーダ2が監視領域内の飛行物体Wを監視範囲Eで検知しているか否かを判定する(S101)。
制御部5は、監視用レーダ2が反射波より飛行物体Wを検知し、監視用レーダ2が監視領域内の飛行物体Wを監視範囲Eで検知していると判定すると、レーダ信号処理部5aが監視用レーダ2からのレーダ信号に対してノイズ除去処理を行い、対象物体である飛行物体Wの可能性があるか否かを判定する(S102)。
レーダ信号処理部5aでは、監視用レーダ2から検知信号を取得すると、飛行物体Wの速度、大きさ等から単なる飛来物やノイズを除去し、上述の対象物体である飛行物体Wの可能性がある場合に次ステップへ進む。
制御部5は、上述の対象物体である飛行物体Wの可能性があると判定すると、検知した飛行物体Wの距離情報、方位角、複数ある受信アンテナのいずれが受信したかの情報をレーダ信号処理部5aから取得する。そして、制御部5は、受信アンテナ情報から仰角の範囲を求め、マイクアレイにて遅延和処理による仰角を算出する(S103)。
この際には、監視用レーダ2から取得した方位角、仰角の範囲内で角度を走査させ、遅延和信号が最大となる仰角を飛行物体Wの仰角として特定する。これにより、監視用レーダ2を原点とした監視用レーダ2から取得した物体までの距離、方位角の情報と、マイクアレイの情報から特定した仰角の3つの情報により飛行物体Wの位置が求められる。
制御部5は、S103で求めた仰角において得られる遅延和信号の出力値が所定以上か否かにより対象物体の飛行物体Wであるか否かを判定する(S104)。
制御部5は、遅延和信号の出力値が所定以上で、対象物体の飛行物体Wであると判定すると、警報を出力し、撮像部4のカメラを飛行物体Wの検知方向にPTZ制御し、撮像を行う(S105)。撮像部4が撮像したカメラ画像は、表示部6に表示、或いは不図示の記憶部に記憶する。
制御部5は、対象物体であると判定した飛行物体Wが監視用レーダ2上から消失するまで、監視用レーダ2から取得した位置情報に基づいて撮像部4を旋回制御させ追随する(S106)。
制御部5は、飛行物体Wが消失すると監視領域内に他の飛行物体Wがあるか否か判定する(S107)。そして、他の飛行物体Wが有る場合はS102へ戻り、監視領域内に他の飛行物体Wがない場合はS101へ戻る。
尚、監視領域内の固定位置に定常的な騒音源が存在する場合、マイクアレイによる音響信号の有無の判定が困難な場合がある。このため、予め監視領域内の騒音源の有無を不図示の記憶部に記憶しておき、監視用レーダ2が検知した飛行物体Wの位置が騒音源の方向である場合は、画像処理部5cによる判定を併用することもできる。即ち、監視用レーダ2が飛行物体Wを検知した方向に撮像部4のPTZ制御を行い、監視用レーダ2が特定した角度範囲を画像処理して画像上の物体位置を特定し、撮像部4のパンチルトズーム情報と画像上の物体検知位置から、物体の位置を精度良く求めることができる。
このように、本実施の形態の物体検知装置1は、監視用レーダ2にて検知した飛行物体Wの方位角及び仰角範囲をレーダ信号処理部5aにて特定した後、特定した方位角と仰角範囲内でマイクアレイによる遅延和信号が最大となる仰角を音響信号処理部5bにて特定し、特定した方位角と仰角を監視領域内における飛行物体Wの位置として特定する。これにより、監視用レーダ2で飛行物体Wの存在範囲を絞り込んで当たりをつけ、マイクアレイの走査範囲を限定することで効率的に監視領域内の飛行物体Wの位置を低コストな構成で精度良く特定することができる。
以上、本発明に係る物体検知装置の最良の形態について説明したが、この形態による記述及び図面により本発明が限定されることはない。すなわち、この形態に基づいて当業者等によりなされる他の形態、実施例及び運用技術などはすべて本発明の範疇に含まれることは勿論である。
1 物体検知装置
2 物体検知部(監視用レーダ)
3 音響信号入力部
4 撮像部
5 制御部
5a レーダ信号処理部
5b 音響信号処理部
5c 画像処理部
5d 判定部
6 表示部
E 監視範囲
M マイクロホン
W 対象物体(飛行物体)

Claims (5)

  1. 所定のビーム幅の電波を複数方向に送受信するアンテナを備え、前記アンテナから送信された送信波に対する反射波から監視領域の物体の有無を検知するとともに物体が存在する角度範囲を取得する物体検知手段と、
    空間上に複数配置されたマイクロホンを有する音響信号入力手段と、
    前記マイクロホンに入力された複数の音響信号から監視領域内の音源方向を特定する音響信号処理手段と、
    を備えた物体検知装置であって、
    前記音響信号処理手段は、前記物体検知手段が監視領域内で物体を検知すると、該物体検知手段で取得した前記角度範囲内を探索して前記物体が存在する角度を特定することを特徴とする物体検知装置。
  2. 前記物体検知手段は、前記アンテナにて方位角方向にビーム幅が狭く仰角方向にビーム幅が広い電波を送受信し、前記アンテナを所定周期で回転させる回転機構を備え、前記アンテナから送信された送信波に対する反射波から監視領域の物体の有無を検知するとともに物体までの距離及び方位角方向、仰角範囲を特定可能であり、
    前記音響信号処理手段は、前記仰角範囲内で、前記複数のマイクロホンの入力信号を処理して前記物体の仰角を求め、前記物体の位置を特定する請求項1に記載の物体検知装置。
  3. 前記物体検知手段は、仰角方向の送受信範囲が異なる複数のアンテナを備え、前記物体を検知したアンテナの送受信方向に基づき仰角範囲を設定する請求項2に記載の物体検知装置。
  4. 前記音響信号処理手段で特定した前記仰角において前記複数の音響信号を遅延和処理して生成した遅延和信号が所定以上である場合に警報を出力する請求項2又は3に記載の物体検知装置。
  5. さらにパン・チルト・ズーム機能を備えた撮像手段を備え、前記物体検知手段で取得した方位角、仰角範囲が画面上に入るようにパン・チルト・ズーム制御し、撮像画像上で画像処理して画像上の物体位置を特定し、前記画像上の物体位置に基づいて仰角を求め、物体位置を特定する請求項2又は3に記載の物体検知装置。
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