JP6679280B2 - 脂質代謝改善用組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、肝臓への脂肪蓄積を抑制するのに有効な化合物、ならびにそれを含む医薬組成物及び食品添加剤に関する。
脂肪肝とは、食べ過ぎや飲みすぎによって肝臓に中性脂肪等が蓄積されることによって生じる症状である。脂肪肝を放置すると肝硬変や肝臓癌になりかねないばかりか、糖尿病の発症リスクの上昇、動脈硬化の促進といった危険性もある。
これまでに、肝臓への脂肪蓄積を抑制する効果を有する物質がいくつか見出されており、このような物質として例えば、ブルーベリー葉の加工処理物や、海藻発酵食品、大豆タンパクが挙げられる(特許文献1、2、非特許文献1)。その他にもお茶、Fish oil、不飽和脂肪酸などにも肝臓への脂肪蓄積抑制効果があることが論文で報告されている。さらに、タマネギ、あるいはタマネギエキスに脂肪肝抑制作用、体脂肪蓄積抑制作用があることも報告されている(特許文献3、4)。
タマネギは古くから世界中で広く食されている野菜の一つであり、人に対して有効な生理作用を示すことに関して多くの報告がある(非特許文献2)。
今日、催涙成分生成酵素(Lachrymatory Factor Synthase、以下、「LFS」という)が発見され、タマネギの催涙成分(Lachrymatory Factor、以下、「LF」という)であるpropanthial S-oxideが生じる機構が明らかとされている。すなわち、前駆物質であるS-1-プロペニル-システインスルフォキシド(以下、「PRENCSO」という)に酵素アリイナーゼが作用して1-プロペニルスルフェン酸(E-1-propenylsulfenic acid)となり、1-プロペニルスルフェン酸がLFSにより異性化されてLFを生じる(非特許文献3)。
RNAi技術を用いて作出されたLFSが抑制されたタマネギにおいては、通常のタマネギに比べてチオスルフィネート量が増加していることや、Zwiebelane isomerと呼ばれる成分が増加していることが確認されている(非特許文献4)。
LFSが抑制されたタマネギで増加する成分として、Zwiebelane isomerである化合物(以下の化1で表される)が見出されており(非特許文献5)、本発明者らはこれまでに当該化合物がシクロオキシゲナーゼ-1(COX-1)を阻害する活性やα-グルコシダーゼを阻害する活性を有していること(特許文献5)、さらには当該化合物が脂肪蓄積抑制作用を有することを明らかにし報告している(特許文献6)。
Figure 0006679280
特開2008−189631号公報 特開2003−000201号公報 特開2009−089703号公報 特開2007−326800号公報 特開2012−111742号公報 特開2014−136699号公報
Ascencio C et al.; Soy Protein Affects Serum Insulin and Hepatic SREBP-1 mRNA and Reduces Fatty Liver in Rats. J. Nutr, 134(3),522−529, (2004) Griffiths G et al.; Onions-A Global Benefit to Health. Phytother. Res., 16, 603-615 (2002) Imai S et al.; An onion enzyme that makes the eyes water. Nature, 419, 685 (2002) Eady C. C. et al.; Silencing Onion Lachrymatory Factor Synthase Causes a Significant Change in the Sulfur Secondary Metabolite Profile. Plant Physiology, 147, 2096-2106 (2008) Aoyagi M et al.; Structure and Bioactivity of Thiosulfinates Resulting from Suppression of Lachrymatory Factor Synthase in Onion.J. Agric. Food Chem, 59(20), 10893−10900 (2011)
しかしながら、前記Zwiebelane isomerは水溶液中で不安定であることから、製造過程において、また医薬品や食品添加剤、ならびに飲食品中に含めた場合に分解しやすいといった問題があった。
そこで、本発明は製造過程において、また医薬品や食品添加剤、ならびに飲食品中に含めた場合においても安定であり、かつ肝臓への脂肪蓄積を抑制する作用を有する化合物を提供する事を目的とする。
本発明者らは低LFSタマネギの抽出液中の成分、及び、LFS非存在下でのPRENCSOのアリイナーゼ分解反応の反応液中の成分について鋭意研究を積み重ねた結果、これらの抽出液及び反応液中に前記Zwiebelane isomerとは異なる、肝臓への脂肪蓄積を抑制する作用を有する化合物が存在すること、また当該化合物が前記Zwiebelane isomerと比べて高い安定性を有することを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明は以下の発明を包含する。
[1] 式I:
Figure 0006679280
(式中、
R1は水素又は低級アルキル基であり、
R2及びR3は同一又は異なって低級アルキル基であり、
R4
Figure 0006679280
であり、
R5及びR6は同一又は異なって低級アルキル基であり、
R7は水素又は低級アルキル基であり、
nは3〜6の整数である。)
で表される、化合物又はその塩を含有することを特徴とする、肝臓への脂肪蓄積を抑制するための組成物。
[2] 化合物が式1:
Figure 0006679280
で表される、[1]の組成物。
[3] 化合物が式2(a):
Figure 0006679280
、又は式2(b):
Figure 0006679280
で表される、[1]の組成物。
[4] 医薬組成物である、[1]〜[3]のいずれかの組成物。
[5] 食品添加剤である、[1]〜[3]のいずれかの組成物。
[6] [5]の組成物を含む飲食品。
[7] 式I:
Figure 0006679280
(式中、
R1は水素又は低級アルキル基であり、
R2及びR3は同一又は異なって低級アルキル基であり、
R4
Figure 0006679280
であり、
R5及びR6は同一又は異なって低級アルキル基であり、
R7は水素又は低級アルキル基であり、
nは3〜6の整数である。)
で表される、化合物又はその塩を飲食品の材料に配合することを含む、肝臓への脂肪蓄積を抑制する作用を有する飲食品の製造方法。
本発明によれば、製造過程において、また医薬品や食品添加剤、ならびに飲食品中に含めた場合においても安定であり、かつ肝臓への脂肪蓄積を抑制する作用を有する化合物が提供される。
図1はPRENCSO+アリイナーゼの反応開始後、90分経過時にメタノールを添加した溶液についてのHPLCによる分析結果を示す。 図2はPRENCSO+アリイナーゼの反応液(上清)についての大量分取HPLCシステムによる分析結果を示す。 図3−1は画分3の内、Peak 1及びPeak 2のMS/MSスペクトルの測定結果を示す。 図3−2は画分3の内、Peak 3及びPeak 4のMS/MSスペクトルの測定結果を示す。 図4はPRENCSO+アリイナーゼの反応開始後、3分または90分経過時にメタノールを添加した溶液についてのHPLCによる分析結果を示す。 図5はニンニクジュース+加熱タマネギジュースの反応液にメタノールを添加した溶液についてのHPLC-Orbitrap分析におけるm/z 203抽出イオンクロマトグラムを示す。 図6はPRENCSO+アリイナーゼの反応液(沈殿物)についての大量分取HPLCシステムによる分析結果を示す。 図7−1はPeak A及びPeak BのMSスペクトルの測定結果を示す。 図7−2はPeak C1及びPeak C2のMSスペクトルの測定結果を示す。 図7−3はPeak D1及びPeak D2のMSスペクトルの測定結果を示す。 図8はニンニクジュース+加熱タマネギジュースの反応液にメタノールを添加した溶液についてのHPLC-Orbitrap分析におけるm/z 227及びm/z 259抽出イオンクロマトグラムを示す。 図9は、高脂肪食を摂取したラット(コントロール群)と、高脂肪食と共に式2の化合物を摂取したラット(試験群)における体重の経時的変化を示すグラフ図である。 図10は、高脂肪食を摂取したラット(コントロール群)と、高脂肪食と共に式2の化合物を摂取したラット(試験群)における摂餌量の経時的変化を示すグラフ図である。 図11は、高脂肪食を摂取したラット(コントロール群)と、高脂肪食と共に式2の化合物を摂取したラット(試験群)における肝臓中のトリグリセライド(TG)量を示すグラフ図である。
I.化合物
本発明における化合物は式I:
Figure 0006679280
(式中、
R1は水素又は低級アルキル基であり、
R2及びR3は同一又は異なって低級アルキル基であり、
R4
Figure 0006679280
であり、
R5及びR6は同一又は異なって低級アルキル基であり、
R7は水素又は低級アルキル基であり、
nは3〜6の整数である。)
で表される平面構造を有する。
本明細書において、「低級アルキル基」とは、炭素原子数が1〜6個の直鎖又は分枝のアルキル基が好ましく、炭素原子数が1〜4個の直鎖又は分枝のアルキル基がより好ましい。例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル基等が挙げられる。
式Iで表される平面構造を有する化合物には、複数の光学異性体が存在する。本発明の化合物は、式Iで表される平面構造を有する化合物であればよく、光学異性体の構造は特に限定されない。
本発明において「式Iで表される化合物」とは、式Iで表される平面構造を有する化合物の複数の光学異性体の混合物と、単離又は高濃度化された個別の光学異性体との両方を包含する。
本発明において塩とは、医薬、飲食品等の用途に許容される慣用的なものを意味し、例えばアルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(カルシウム塩、マグネシウム塩等)、アンモニウム塩、有機アミン塩、有機酸塩、無機酸塩、スルホン酸塩等が挙げられる。
一実施形態において、本発明の化合物は式1:
Figure 0006679280
で表される平面構造を有する。式1で表される平面構造を有する化合物には、複数の光学異性体が存在する。本発明の化合物は、式1で表される平面構造を有する化合物であればよく、光学異性体の構造は特に限定されない。
本発明において「式1で表される化合物」とは、式1で表される平面構造を有する化合物の複数の光学異性体の混合物と、単離又は高濃度化された個別の光学異性体との両方を包含する。
式1で表される化合物は、構造式に基づいて化学的に合成しても良いし、あるいは後述する化合物の製造方法に基づいて調製することができる。すなわち、LFSの活性が低減された又は消失した条件下でのPRENCSOのアリイナーゼによる分解反応の反応物や、低LFSタマネギの粉砕物より、式1で表される平面構造を有する化合物の複数の光学異性体の混合物を得ることができる。
具体的には、LFSの活性が低減された又は消失した条件下でのPRENCSOのアリイナーゼによる分解反応の反応物や、低LFSタマネギの粉砕物には、以下の条件:
カラム:Thermo Fisher Scientific ODS Hypersil 250 mm X 4.6 mm, 5 μm、カラムオーブン:30℃、移動相(CH3CN/10 mM HCOONH4 H2O):0分(18%/82%), 45分(90%/10%), 50分(90%/10%), 51分(18%/82%)、65分(18%/82%)(具体的には、0分から45分において、グラジエントをかけてCH3CN濃度を18%から90%に上げた。45分から50分までの5分間は、CH3CNを90%で保持した。その直後51分からは、CH3CN濃度を18%に切り替えて65分まで流した)、流速:0.5 ml/分、検出190〜650 nm、
の高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によるクロマトグラムにおいて、保持時間約13分〜約17分の間に主要な4つのピーク(Peak1〜Peak4)として現れる(図1)、式1で表される平面構造を有する化合物の複数の光学異性体化合物が含まれる。これらの光学異性体化合物は相互に分離して取得されてもよいし、複数の光学異性体の混合物として取得されてもよい。
上記条件でのHPLCによるクロマトグラムにおいて、保持時間約13分〜約17分の間に現れる主要な4つのピークのうち、保持時間が3番目に長いPeak3(実施例1-3.では27.5分から28.5分)に対応する画分中の式1で表される化合物は、下記実施例1-3.に示す物理化学的特徴を有する。
式1で表される化合物は単離精製された形態の化合物で提供されてもよいし、式1で表される化合物を含む組成物として提供されてもよい。式1で表される化合物を含む組成物としては、組成物の固形分に対して当該化合物を0.001質量%以上、0.01質量%以上、0.1質量%以上、1質量%以上、10質量%以上、30質量%以上、50質量%以上、70質量%以上、又は90質量%以上の量で含む組成物が挙げられる。このような組成物は、後述する化合物の製造方法において調製することができる。
式1で表される化合物は、水との水和物や、低級アルコール等との溶媒和物の形態で存在していてもよい。水和物又は溶媒和物は医薬、飲食品等の用途に許容される水和物又は溶媒和物であれば特に限定されない。すなわち、本発明における「式1で表される化合物」には、それらの水和物又は溶媒和物の形態も下位概念として包含される。
また、一実施形態において、本発明の化合物は式2:
Figure 0006679280
(式中、
R1及びR7は同一又は異なって水素又は低級アルキル基であり、
R2, R3, R5 及びR6は同一又は異なって低級アルキル基であり、
nは3〜6の整数である。)
で表される平面構造を有する。式2で表される平面構造を有する化合物には、複数の光学異性体が存在する。本発明の化合物は、式2で表される平面構造を有する化合物であればよく、光学異性体の構造は特に限定されない。
本発明において「式2で表される化合物」とは、式2で表される平面構造を有する化合物の複数の光学異性体の混合物と、単離又は高濃度化された個別の光学異性体との両方を包含する。
好ましくは、式2で表される化合物は式2(a):
Figure 0006679280
、又は式2(b):
Figure 0006679280
で表される平面構造を有する。式2(a)及び式2(b)で表される平面構造を有する化合物には、複数の光学異性体が存在する。本発明の化合物は、式2(a)及び式2(b)で表される平面構造を有する化合物であればよく、光学異性体の構造は特に限定されない。
本発明において「式2(a)で表される化合物」とは、式2(a)で表される平面構造を有する化合物の複数の光学異性体の混合物と、単離又は高濃度化された個別の光学異性体との両方を包含する。また、本発明において「式2(b)で表される化合物」とは、式2(b)で表される平面構造を有する化合物の複数の光学異性体の混合物と、単離又は高濃度化された個別の光学異性体との両方を包含する。
式2で表される化合物は、構造式に基づいて化学的に合成しても良いし、あるいは後述する化合物の製造方法において調製することができる。LFSの活性が低減された又は消失した条件下でのPRENCSOのアリイナーゼによる分解反応の反応物、及び低LFSタマネギの粉砕物において、式2で表される平面構造を有する化合物の混合物が含まれる。
具体的には、LFSの活性が低減された又は消失した条件下でのPRENCSOのアリイナーゼによる分解反応の反応物、及び低LFSタマネギの粉砕物には、以下の条件:
カラム:Thermo Fisher Scientific ODS Hypersil 250 mm X 4.6 mm, 5 μm、カラムオーブン:30℃、移動相(CH3CN/10 mM HCOONH4 H2O):0分(18%/82%), 45分(90%/10%), 50分(90%/10%), 51分(18%/82%),65分(18%/82%)(具体的には、0分から45分において、グラジエントをかけてCH3CN濃度を18%から90%に上げた。45分から50分までの5分間は、CH3CNを90%で保持した。その直後51分からは、CH3CN濃度を18%に切り替えて65分まで流した)、流速:0.5 ml/分、検出190〜650 nm、
の高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によるクロマトグラムにおいて、保持時間約35分〜約46分の間に主要な6つのピークが現れ(Peak A, Peak B, Peak C1, C2, Peak D1, D2)、そのうち保持時間が最も短いピーク及び保持時間が次に短いピークに式2で表される平面構造を有する化合物の複数の光学異性体化合物が含まれる(図1)。これらの光学異性体化合物は相互に分離して取得されてもよいし、複数の光学異性体の混合物として取得されてもよい。
上記条件でのHPLCによるクロマトグラムにおいて、保持時間約35分〜約46分の間に現れる主要な6つのピークのうち、保持時間が最も短いPeak A(実施例3.では23分から26分)に対応する画分中には式2(a)で表される化合物が含まれる。
また、上記条件でのHPLCによるクロマトグラムにおいて、保持時間約35分〜約46分の間に主要な6つのピークのうち、保持時間が次に短いPeak B(実施例3.では28.5分から31分)に対応する画分中の式2(b)で表される化合物が含まれる。
式2(a)で表される化合物及び式2(b)で表される化合物は、下記実施例3.に示す物理化学的特徴をそれぞれ有する。
式2で表される化合物は単離精製された形態の化合物で提供されてもよいし、式2で表される化合物を含む組成物として提供されてもよい。式2で表される化合物を含む組成物としては、組成物の固形分に対して当該化合物を0.001質量%以上、0.01質量%以上、0. 1質量%以上、1質量%以上、10質量%以上、30質量%以上、50質量%以上、70質量%以上、又は90質量%以上の量で含む組成物が挙げられる。このような組成物は、後述する化合物の製造方法において調製することができる。
式2で表される化合物は、アルコール、エーテル、アセトン、ヘキサン、クロロホルム等の有機溶媒との溶媒和物の形態で存在していてもよい。溶媒和物は医薬、飲食品等の用途に許容される溶媒和物であれば特に限定されない。すなわち、本発明における「式2で表される化合物」には、それらの溶媒和物の形態も下位概念として包含される。
II.化合物の製造方法
本発明の化合物の製造は特に限定されず、構造式に基づいて化学的に合成しても良いが、好ましくは、PRENCSOをアリイナーゼにより処理する分解反応を含む方法により行うことができる。タマネギを粉砕することによりこの分解反応は進行するが、通常のタマネギ粉砕物中にはLFSが含まれるため、PRENCSOのアリイナーゼによる分解物(1-プロペニルスルフェン酸)はLFSによるLF(催涙成分)の合成に用いられて速やかに消費されるため、本発明の化合物は蓄積され難い。
そこで本明細書では、本発明の化合物を以下の2つの手法を含む方法により製造することを開示するが、当該化合物を工業的に製造するには、LFSの活性が低減された又は消失した条件下で、PRENCSOをアリイナーゼにより分解する工程を含む、下記第二の製造方法が好適である。
本発明の化合物又は該化合物を含む組成物の第一の製造方法は、LFSの活性が低減された低LFSタマネギを粉砕する工程を含む。第二の製造方法は、LFSの活性が低減された又は消失した条件下で、PRENCSOをアリイナーゼにより分解する工程を含む。
上記第一の製造方法について詳述する。
低LFSタマネギは通常のタマネギと比較してLFSの活性が低減したタマネギであり、遺伝子組み換えや突然変異処理により得ることができる。好ましい低LFSタマネギは、親株(通常のタマネギ)のLFS活性の20分の1以下、好ましくは40分の1以下、より好ましくは160分の1以下、特に好ましくは400分の1以下のLFS活性を有する。LFS活性は以下の方法により測定することができる。
<LFS活性測定方法>
LFS活性は、酵素反応で発生した催涙成分(LF)のピーク面積に基づいて定量する。測定試料(タマネギ抽出液)10μlに対し、250 U/mlの精製アリイナーゼ溶液を40μl添加し、さらに20mg/mlの精製PRENCSO溶液20μlを添加して、酵素基質反応を開始させる。3分後に反応液1μlをHPLCへ注入し、LF発生量を測定する。
ここで用いるHPLC条件としては以下の条件を適用することができる:
カラム:Pegasil ODS 4.6mmΦ×25cm(センシュウ科学),移動相:酸性水pH3.3とメタノールを7対3で混合したもの, 温度:35℃, 検出波長:254nm, 流速:0.6ml/min。この条件を用いると、LFのピークは、保持時間9.6分に検出される。
移動相として用いた酸性水pH3.3としてはTFA溶液を使用することができる。作製方法は以下である。蒸留水2リットルを密栓できる容器に注ぎ、アスピレーターを用いて脱気する。脱気した蒸留水2リットルにTFA(アミノ酸配列分析用特製試薬 ナカライテスク 34902-11 1mlアンプル×5本入り)1mlを加え、ストック溶液(TFA溶液(×10))とする。そのストック溶液を、脱気した蒸留水で10倍に希釈して、酸性水 pH3.3を作製することができる。精製アリイナーゼ溶液及び精製PRENCSO溶液としては、下記実施例1-1.及び1-2.に記載の方法で作製したものを用いることができる。
本発明では低LFSタマネギとして該タマネギの鱗茎(一般に、「バルブ」または「球」と呼ばれる部分)、或いは鱗茎から伸びる鞘葉の部分を用いることができる。
低LFSタマネギの粉砕はホモジナイザー、ミキサー等の通常の粉砕装置により行うことができる。このようにして得られた低LFSタマネギの粉砕物又は粉砕物から固形物を取り除いた溶液は、本発明の化合物を含む組成物として利用することができる。
上記第一の製造方法は更に、低LFSタマネギの粉砕物又は粉砕物から固形物を取り除いた溶液から本発明の化合物を抽出する工程を含んでもよい。本発明の化合物はPRENCSOをアリイナーゼで処理したのち徐々に生成されてくることから、粉砕後は速やかに抽出を行っても目的の化合物を十分に得ることはできない。そこで、低LFSタマネギ粉砕物から、粉砕後1〜120分、好ましくは3〜90分経過した後に、当該化合物を抽出することが好ましい。
低LFSタマネギ粉砕物からの本発明の化合物の抽出は、低LFSタマネギ粉砕物又は粉砕物から固形物を取り除いた溶液を水、メタノール、エタノール、アセトニトリル、アセトン、エーテル、酢酸エチル、ヘキサン、ジクロロメタン、クロロホルムなどより適宜選択される一又は複数の抽出溶媒を用いて抽出する方法と、低LFSタマネギの粉砕物から固形物を取り除いた溶液を合成吸着剤により処理して前記化合物を合成吸着剤に吸着させ、次いでメタノール、エタノール、プロパノール、アセトニトリル、アセトンなどの水可溶な有機溶媒を含む溶液により、吸着された前記化合物を溶出させる方法等が挙げられる。特に、式1の化合物は水溶性の性質を示すため、水、メタノール、エタノール、アセトニトリル、アセトン等を用いて抽出及び溶出することができる。また、式2の化合物は、例えばメタノール、エタノール、アセトニトリル、アセトン、エーテル、酢酸エチル、ヘキサン、クロロホルム等を用いて抽出及び溶出することができる。合成吸着剤としては、ダイアイオンHP-20(三菱化学株式会社)やアンバーライトXAD-2(オルガノ株式会社)など各種吸着剤が使用できる。このようにして得られた抽出物は、本発明の化合物を含む組成物として利用することができる。
上記第一の製造方法は更に、得られた抽出物より式1及び/又は式2で表される化合物を精製する工程を含んでもよい。精製はシリカゲルカラムクロマトグラフィー、HPLC等の手段により行うことができる。
次に、上記第二の製造方法について詳述する。
原料として用いられるS-1-プロペニル-システインスルフォキシド(PRENCSO)は、天然由来の場合、以下の構造:
Figure 0006679280
を有する。ただし当該天然型とは異なるPRENCSOの立体異性体(例えばスルフォキシドの立体配置が異なる異性体)もまた原料PRENCSOとして利用可能である。
原料として用いるPRENCSOは合成されたものであってもよいし、タマネギ等に由来するものであってもよい。更に、PRENCSOを含む組成物を、PRENCSO原料として使用することもできる。例えば、タマネギを加熱処理して酵素を失活又は酵素活性を低減させる。加熱処理による酵素活性の低減又は失活は、少なくともLFSの活性が、未加熱のタマネギにおけるLFSの活性と比べて、20分の1以下、40分の1以下、160分の1以下、400分の1以下、800分の1以下、又はそれ以下であるか、あるいは消失していればよい。次いで加熱処理したタマネギを粉砕して調製されたジュースやペースト(加熱タマネギジュース、加熱タマネギペースト)はPRENCSOを含む組成物であり、PRENCSO原料としてアリイナーゼ処理に供することができる。
アリイナーゼ(E.C.4.4.1.4, S-alk(en)yl-L-cysteine sulfoxide lyase)はアルキル(アルケニル)システインスルフォキシドをデヒドロアラニンとスルフェン酸に分解する酵素であり、アリインを分解する事からその名がつけられた。現在ではC-Sリアーゼとも呼ばれている(出典:香辛料成分の食品機能 岩井和夫、中谷延二 編集、(株)光生館 P174-175 (1989))。上記第二の製造方法に用いることができるアリイナーゼの起源は特に限定されず、タマネギ、ニンニク、ネギ、ニラ、ラッキョなどのネギ属の他、アブラナ科のブロッコリーやカリフラワー、マメ科の灌木Albizzia lophantha (出典は上記と同じ)等に由来するものを使用することができる。
PRENCSOをアリイナーゼで処理する条件は特に限定されない。しかし、アリイナーゼの特性は由来によって異なるため、反応条件を使用する個々のアリイナーゼの特性に合わせるとPRENCSOの分解を効率化できる。例えば、アリイナーゼがニンニク由来の場合は、至適pHの範囲は広いのでpHは5〜8の範囲でよく、温度は37℃が最適である。一方、タマネギ由来のアリイナーゼを使う場合は、pHを7.5〜8.6にすると酵素活性が最適化され、Welsh onionの葉由来のアリイナーゼを用いる場合は、pHを7.0にすると最適化される(出典:香辛料成分の食品機能 岩井和夫、中谷延二 編集、(株)光生館 P174-175 (1989))。なお、アリイナーゼは、ピリドキサールリン酸を補酵素とするため、実施例1-2.の様に、ピリドキサールリン酸を添加したバッファーを使う事も、アリイナーゼの活性を最適化するのに役立つ。
このようにして得られた、PRENCSOをアリイナーゼで分解処理して得られた反応液は、本発明の化合物を含む組成物として利用することができる。
上記第二の製造方法は更に、PRENCSOをアリイナーゼで分解処理して得られた反応液から本発明の化合物を抽出する工程を含んでもよい。本発明の化合物はPRENCSOをアリイナーゼで処理したのち徐々に生成されてくることから、処理後は速やかに抽出を行っても目的の化合物を十分に得ることはできない。そこで、処理後少なくとも1〜120分、好ましくは3〜90分経過した後に、当該化合物を抽出することが好ましい。抽出に際しては、反応物を遠心分離して、上清と沈殿物に分けて、それぞれより、目的の化合物を抽出することができる。すなわち、上清からは上記式1で表される化合物を抽出することができ、沈殿物からは上記式2で表される化合物を抽出することができる。上清からの上記式1で表される化合物の抽出は、例えば水、メタノール、エタノール、アセトニトリル、アセトン等の抽出溶媒を用いて行うことができる。また、沈殿物からの上記式2で表される化合物の抽出は、例えばメタノール、エタノール、アセトニトリル、アセトン、エーテル、酢酸エチル、ヘキサン、クロロホルム等の抽出溶媒を用いて行うことができる。得られた抽出物は、各式で表される化合物を含む組成物として利用することができる。
上記第二の製造方法は更に、抽出物から各式で表される化合物を精製する工程を含んでもよい。精製はシリカゲルカラムクロマトグラフィー、HPLC等の手段により行うことができる。
III.用途
本発明の化合物は、肝臓におけるトリグリセライドの蓄積を抑制する作用を有しているため、脂肪肝の発症を抑制するのに有用である。
本発明の化合物は、飲食品、医薬品などの最終的な形態において許容される成分であって、経口摂取可能な成分と共に組成物の形態とすることができる。
本発明の化合物を含む組成物は、食品添加剤、または医薬組成物(医薬部外品組成物を含む。以下同じ)等の任意の形態であってよい。
医薬組成物は、その形態に特に制限はないが、経口に適した形態であることが好ましい。例えば、経口投与用固体組成物(固形医薬製剤)としては、錠剤(糖衣錠を含む)、丸剤、カプセル剤、細粒剤、顆粒剤等の形態を、また経口投与用液状組成物(液状医薬製剤)としては、乳濁剤、溶液剤、懸濁剤、シロップ剤などの形態をとることができる。これらの製剤には、有効成分に加えて、剤形に応じて、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色料、矯味矯臭剤、pH調整剤等を適宜配合することができ、常法に従って製剤化することができる。
医薬組成物には、有効成分である上記化合物、及び前記担体または添加剤に加えて、ビタミン等の他の機能性成分が含まれていてもよい。
食品添加剤は、上記化合物を含有し、当該化合物の有効量が飲食品へ添加されるように用いることができる。ここで「有効量」とは、個々の飲食品において通常喫食される量を摂取した場合に、肝臓への脂肪蓄積を抑制する効果が得られる量をいう。
本発明に係る食品添加剤は、飲食品に配合することができる。本発明に係る食品添加剤が含まれる「飲食品」には、健康食品、機能性食品、特定保健用食品、病者用食品等が含まれる。
有効成分である上記化合物の投与量または摂取量は、受容者、受容者の年齢および体重、症状、投与時間、剤形、投与方法、薬剤の組み合わせ等に応じて適宜決定することができる。
実施例1. 式1の化合物の単離精製
実施例1-1. 精製PRENCSO溶液の調製
(1)加熱タマネギからPRENCSOの抽出
生タマネギ3玉(約1000g)の外皮をはがし、ラップをして電子レンジで12分間加熱した。加熱したタマネギをミキサーに入れ、等量の蒸留水を加えてから粗砕し、粗砕液を8000rpmで10分間遠心分離した。上清を回収し、陽イオン交換樹脂IR120B(Hタイプ)を加えて攪拌したのち、吸引濾過により、樹脂を回収した。回収した樹脂に蒸留水1Lを加え、これに濃アンモニア水を加えてpH8.5に調整した。吸引濾過により、上清を回収し、残った樹脂に再度pH8.5のアンモニア水を加えた。再度、吸引濾過により、上清を回収した。得られた溶液に1N塩酸を加えてpH7.0に中和した。エバポレーターを用いて溶液を濃縮乾固した。
(2)PRENCSOの精製
残留物に蒸留水50mlを加えて溶解させた。得られた粗PRENCSO溶液を中圧逆相クロマトグラフィーによって精製した。必要に応じて、さらにHPLC(カラム:ODS,移動相:酸性水pH3.3,温度:35℃,UV:230nm)によって精製した。カラムから得られた溶出液をエバポレーターおよび凍結乾燥機を用いて乾固し、精製PRENCSO粉末(約100mg)を得た。
実施例1-2. 精製アリイナーゼ溶液の調製
(1)ニンニクを粉砕・酸沈
まず、ミキサーのジョッキを冷蔵庫に入れて冷やしておいた。また、低温遠心機にローターをセットし、温度を4℃にセットして冷却しておいた。ニンニク片(100g)に等量のバッファー A(後述)を加えて、ミキサーで粉砕した。氷上に置いたジョッキの口に二重にしたガーゼを輪ゴムでとめ、粉砕物をそのガーゼの上に流して、濾した。ろ液がある程度得られた後で、ガーゼ上の粉砕物をガーゼで包んで絞った。得られたろ液を4℃、12000rpmで10分間遠心分離し、上清を回収した。回収した遠心上清を氷上に置いた状態で攪拌しつつ、pHをモニターしながら、酢酸を加えていき、pHを4.0に調整した。pHが4.0になったら、そのまま5分間静置した。沈殿の出てきたサンプルを4℃、12000rpmで10分間遠心分離し、遠心ペレットを回収した(バッファー Aを使用した)。
回収したペレットを50ml〜100mlにして(バッファー A)、そのまま、5℃で30分間静置した。回収したペレットの懸濁液を4℃、12000rpmで10分間遠心分離した。1N水酸化ナトリウム水溶液を用いて、回収した遠心上清のpHを6.5に調整した。これをアリイナーゼ粗抽出液とした。
(2)ハイドロキシアパタイトカラム処理
上記アリイナーゼ粗抽出液(遠心上清)をバッファー Aで平衡化したハイドロキシアパタイトカラムにアプライした。アリイナーゼは、ハイドロキシアパタイトカラムに黄色のバンドとなって吸着された。サンプルをアプライしたハイドロキシアパタイトカラムを300mlのバッファー Aで洗浄した。洗浄の終了したハイドロキシアパタイトカラムに300mlのバッファー C(後述)を流して、溶出させた。溶出液はフラクションコレクターを使って10mlずつ分画し、黄色の溶出液が分画されているフラクションを集めた。
(3)ConAカラムによるアリイナーゼの精製
集めたフラクション(20ml)の1/20倍volの20mM塩化カルシウム及び塩化マグネシウム溶液を加えて、サンプル溶液のカルシウムイオン及びマグネシウムイオン濃度を上げた。そうした上で、再生し、startingバッファー(ConA Sepharose 4Bのマニュアルに記載されている推奨バッファー)で平衡化したConAカラムにアプライした。サンプルをアプライした後のConAカラムを50mlのstartingバッファーで洗浄した。洗浄の終了したConAカラムに50mlのConA溶出バッファー(ConA Sepharose 4Bのマニュアルに記載されている推奨バッファー)を流して、溶出させた。溶出液はフラクションコレクターを使って2mlずつ分画し、黄色の溶出液が分画されているフラクションを集めた。
(4)精製したアリイナーゼの濃縮方法
ConAカラム精製によって得られた黄色い溶出液(アリイナーゼ溶液)10mlをCENTRIPLUS CONCENTRATORS(up to 15ml,No.4421)(ミリポア社製)に入れた。CENTRIPLUS CONCENTRATORSを、4℃に冷却した遠心機にセットし、3000rpmで30分遠心した。中身を一度確認した後、もう一度、3000rpmで30分間遠心した。濃縮したアリイナーゼは250または500U/mlになるように適宜バッファー Dで希釈し、使用時まで-80℃で保存した。
[バッファー A]
上記バッファー A(pH7.0)(アリイナーゼ精製用50mMバッファーA)は次のように調製した。50mMリン酸水素二カリウム溶液(5.22gを600mlに溶解)と50mMリン酸二水素カリウム溶液(3.4gを500mlに溶解)を調製した。pHをモニターしながら、両者を混合して、pHを7.0に調整した。出来上がったバッファー9倍volに対して、グリセロールを1倍vol加えてよく混合した。出来上がったグリセロール入りバッファー 1Lに対して、5.3mgのピリドキサールリン酸を添加して混合した。出来上がったバッファーは、10℃で保存した。
[バッファー C]
上記バッファー C(pH 7.0)(アリイナーゼ精製用500mMバッファー C)は、次のように調製した。500mMリン酸水素二カリウム溶液(43.6gを500mlに溶解)と500mMリン酸二水素カリウム溶液(34.0gを500mlに溶解)を調製した。pHをモニターしながら、両者を混合して、pHを7.0に調整した。出来上がったバッファー9倍volに対して、グリセロールを1倍vol加えてよく混合した。出来上がったグリセロール入りバッファー 1Lに対して、5.3mgのピリドキサールリン酸を添加して混合した。出来上がったバッファーは、10℃で保存した。
[バッファー D]
上記バッファー D(pH6.5)(アリイナーゼ希釈用100mMバッファー D)は、次のように調製した。100mMリン酸水素二カリウム溶液(10.44gを600mlに溶解)と100mMリン酸二水素カリウム溶液(6.8gを500mlに溶解)を調製した。pHをモニターしながら、両者を混合して、pHを6.5に調整した。出来上がったバッファー9倍volに対して、グリセロールを1倍vol加えてよく混合した。出来上がったグリセロール入りバッファー 1Lに対して、5.3mgのピリドキサールリン酸を添加して混合した。出来上がったバッファーは、10℃で保存した。
実施例1-3. 式1の化合物の誘導と単離精製
2mlマイクロチューブに250U/mlのアリイナーゼ溶液1200μlを採った。ここに20mg/mlのPRENCSO水溶液800μlを加えて酵素反応を開始させた。反応開始から90分後にチューブを15000rpmで5分間遠心し、上清と沈殿物を回収した。
得られた上清について、島津製作所社の大量分取HPLCシステムを用いて、反応後期生成物-SUPを単離精製した。HPLC条件は、検出波長:210nm、カラム:GL Sciences Inertsil ODS-3 250 mm X 20 mm, 5μm、移動相(CH3CN/H2O):0分(16%/84%),16分(16%/84%),35分(35%/65%),36分(90%/10%),41分(90%/10%),42分(16%/84%),65分(16%/84%)、流速:15ml/分とした。
HPLC保持時間20分から32分までの画分3(Fr-3)の内、Peak3(HPLC保持時間27.5分から28.5分)について分取した(図2)。分取したPeak3を含む画分について、エバポレーターを用いて濃縮乾固後、NMRとHPLC-Orbitrapを用いて解析した結果、式1の平面構造を有することが特定できた。
また、画分3の内、Peak1, Peak2及びPeak4については、HPLC-Orbitrapを用いたMSスペクトル解析の結果、Peak3と同様のスペクトルを示したことから、Peak3の異性体画分であることが確認できた(図3-1,3-2)。
Peak3として現れる式1の平面構造を有する化合物は以下の物理化学的性状を有する。
(1)外観:無色粉末
(2)HR MS [M+H]+:m/z 221.0661 (221.0664 calcd. for C9H17O2S2)
(3)分子式:C9H16O2S2
(4)溶解性:水、メタノール、エタノール、アセトニトリル
(5)紫外吸収スペクトル:λmax nm 230 (in 43% CH3CN)
(6)1H NMRスペクトル:δ 6.53, 6.45, 5.19, 4.08, 2.31, 2.03, 1.93, 1.24, 1.05
(7)13C NMRスペクトル:δ 139.10, 131.66, 84.39, 73.70, 53.52, 42.59, 17.51, 16.64, 12.43
(8)HPLC保持時間:15.5〜15.9分 (ピークトップの検出時間:15.67分)
(HPLC条件)HPLC:Thermo Fisher Scientific Ultimate 3000、カラム:Thermo Fisher Scientific ODS Hypersil 250 mm X 4.6 mm, 5 μm、カラムオーブン:30℃、移動相(CH3CN/10 mM HCOONH4 H2O):0分(18%/82%), 45分(90%/10%), 50分(90%/10%), 51分(18%/82%),60分(18%/82%)(具体的には、0分から45分において、グラジエントをかけてCH3CN濃度を18%から90%に上げた。45分から50分までの5分間は、CH3CNを90%で保持した。その直後51分からは、CH3CN濃度を18%に切り替えて60分まで流した)、流速:0.5ml/分、検出190〜650nm
(Orbitrap条件)Ionaizationモード:ポジティブ、Heater温度:200℃、Spray電圧:3.5 kV、Capillary温度:300℃、Sheathガス:50、Auxiliaryガス:15、Collisionエネルギー:35
実施例2. 式1の化合物の誘導
(1)アリイナーゼとPRENCSOの混合液から
1.5mlマイクロチューブに250U/mlのアリイナーゼ溶液30μlを採った。ここに20mg/mlのPRENCSO水溶液20μlを加えて酵素反応を開始させた。反応開始から3分または90分後に10μg/mlホルモノネチン含有メタノール150μlを添加し、30秒間混合した。チューブを15000rpmで3分間遠心し、得られた上清について、Thermo Fisher Scientific社のHPLC-Orbitrapを用いて下記の条件にて分析を行った。
[HPLC条件]
HPLC:Thermo Fisher Scientific Ultimate 3000、カラム:Thermo Fisher Scientific ODS Hypersil 250 mm X 4.6 mm, 5 μm、カラムオーブン:30℃、移動相(CH3CN/10 mM HCOONH4 H2O):0分(18%/82%), 45分(90%/10%), 50分(90%/10%), 51分(18%/82%),60分(18%/82%)(具体的には、0分から45分において、グラジエントをかけてCH3CN濃度を18%から90%に上げた。45分から50分までの5分間は、CH3CNを90%で保持した。その直後51分からは、CH3CN濃度を18%に切り替えて60分まで流した)、流速:0.5 ml/分、検出190〜650nm
[Orbitrap条件]
Ionaizationモード:ポジティブ、Heater温度:200℃、Spray電圧:3.5 kV、Capillary温度:300℃、Sheathガス:50、Auxiliaryガス:15、Collisionエネルギー:35
結果を図4に示す。HPLC保持時間13〜17分にピークが観察され、式1の化合物が誘導されたことが確認された。また、式1の化合物は反応開始から90分後においても十分に存在していたのに対して、前記Zwiebelane isomerは、反応開始から90分後には顕著に減少していることが確認できた。これは式1の化合物が、前記Zwiebelane isomerと比べて、水溶液中にてより安定な化合物であることを示す。
(2)ニンニクジュースと加熱タマネギジュースの混合液から
ニンニクジュースはニンニクの鱗茎や鱗茎から伸びる鞘葉を粉砕して調製した。また、加熱タマネギジュースはタマネギの鱗茎や鱗茎から伸びる鞘葉を加熱処理した後、粉砕して調製した。
1.5mlマイクロチューブにニンニクジュース30μlを採った。ここに加熱タマネギジュース300μlを加えて酵素反応を開始させた。反応開始から90分後に10 μg/mlホルモノネチン含有メタノールを990μl添加した後、チューブを15000rpmで5分間遠心し、得られた上清について、上記「(1)アリイナーゼとPRENCSOの混合液から」に記載のHPLC-Orbitrap条件にて分析を行った。但し、検出は式1の化合物のプロダクトイオンであるm/z 203でイオンクロマトグラム抽出を行った。
結果を図5に示す。HPLC保持時間13〜17分にピークが観察され、式1の化合物が誘導されたことが確認された。
実施例3. 式2の化合物の単離精製
実施例1-3で回収された沈殿物を1mlのメタノールに溶解し、島津製作所社の大量分取HPLCシステムを用いて、反応後期生成物-PPTを単離精製した。HPLC条件は、検出波長:210 nm、カラム:GL Sciences Inertsil ODS-3 250 mm X 20 mm, 5μm、移動相(CH3CN/H2O):0分(50%/50%),40分(90%/10%),45分(90%/10%),46分(50%/50%),70分(50%/50%)、流速:10ml/分とした。
HPLC保持時間23分から26分までのPeak Aと、28.5分から31分までのPeak Bについて分取した(図6)。分取したPeak A及びPeak Bを含む各画分について、エバポレーターを用いて濃縮乾固後、NMRとHPLC-Orbitrapを用いて解析した結果、Peak Aは式2(a)の平面構造を有するトリスルフィドタイプの構造を有すること、Peak Bは式2(b)の平面構造を有するテトラスルフィドタイプの構造を有することが特定できた。
Peak Aとして現れる式2(a)の平面構造を有する化合物は以下の物理化学的性状を有する。
(1)外観:無色油状
(2)HR MS [M+HCOO]-:m/z 403.0205 (403.0205 calcd. for C13H23O4S5)
(3)分子式:C12H22O2S5
(4)溶解性:メタノール、エタノール、アセトニトリル、アセトン、エーテル、酢酸エチル、ヘキサン、クロロホルム
(5)紫外吸収スペクトル:λmax nm 280 (in 74.8% CH3CN)
(6)1H NMRスペクトル:δ 5.18, 5.14, 4.49, 4.34, 2.12, 1.85, 1.84, 1.73, 1.18, 1.16, 1.10, 1.04
(7)13C NMRスペクトル:δ 86.57, 83.41, 65.99, 64.19, 52.81, 51.20, 49.08, 47.25, 15.15, 14.79, 14.76, 12.68
(8)HPLC保持時間:35〜36分 (ピークトップの検出時間:35.65分)
(HPLC条件)HPLC:Thermo Fisher Scientific Ultimate 3000、カラム:Thermo Fisher Scientific ODS Hypersil 250mm X 4.6mm, 5μm、カラムオーブン:30℃、移動相(CH3CN/10mM HCOONH4 H2O):0分(18%/82%), 45分(90%/10%), 50分(90%/10%), 51分(18%/82%),60分(18%/82%)(具体的には、0分から45分において、グラジエントをかけてCH3CN濃度を18%から90%に上げた。45分から50分までの5分間は、CH3CNを90%で保持した。その直後51分からは、CH3CN濃度を18%に切り替えて60分まで流した)、流速:0.5 ml/分、検出190〜650nm
(Orbitrap条件)Ionaizationモード:ネガティブ、Heater温度:200℃、Spray電圧:2.5 kV、Capillary温度:275℃、Sheathガス:50、Auxiliaryガス:15、Collisionエネルギー:35
また、Peak Bとして現れる式2(b)の平面構造を有する化合物は以下の物理化学的性状を有する。
(1)外観:無色油状
(2)HR MS [M-H]-:m/z 388.9871 (388.9871 calcd. for C12H21O2S6)
(3)分子式:C12H22O2S6
(4)溶解性:メタノール、エタノール、アセトニトリル、アセトン、エーテル、酢酸エチル、ヘキサン、クロロホルム
(5)紫外吸収スペクトル:λmax nm 300 (in 80.4% CH3CN)
(6)1H NMRスペクトル:δ 5.19, 5.17, 4.52, 4.39, 2.15, 1.89, 1.86, 1.74, 1.20, 1.16, 1.11, 1.05
(7)13C NMRスペクトル:δ 86.63, 83.55, 66.14, 64.13, 52.74, 51.28, 49.34, 47.54, 15.09, 14.92, 14.69, 12.69
(8)HPLC保持時間:38.5〜39.5分 (ピークトップの検出時間:38.96分)
(HPLC条件)HPLC:Thermo Fisher Scientific Ultimate 3000、カラム:Thermo Fisher Scientific ODS Hypersil 250mm X 4.6mm, 5 μm、カラムオーブン:30℃、移動相(CH3CN/10mM HCOONH4 H2O):0分(18%/82%), 45分(90%/10%), 50分(90%/10%), 51分(18%/82%),60分(18%/82%)(具体的には、0分から45分において、グラジエントをかけてCH3CN濃度を18%から90%に上げた。45分から50分までの5分間は、CH3CNを90%で保持した。その直後51分からは、CH3CN濃度を18%に切り替えて60分まで流した)、流速:0.5 ml/分、検出190〜650nm
(Orbitrap条件)Ionaizationモード:ネガティブ、Heater温度:200℃、Spray電圧:2.5 kV、Capillary温度:275℃、Sheathガス:50、Auxiliaryガス:15、Collisionエネルギー:35
実施例4. 式2の化合物の誘導
(1)アリイナーゼとPRENCSOの混合液から
実施例2の「(1)アリイナーゼとPRENCSOの混合液から」にて得られた上清について、Thermo Fisher Scientific社のHPLC-Orbitrapを用いて同様の条件にて分析を行った。
[HPLC条件]
HPLC:Thermo Fisher Scientific Ultimate 3000、カラム:Thermo Fisher Scientific ODS Hypersil 250mm X 4.6mm, 5 μm、カラムオーブン:30℃、移動相(CH3CN/10mM HCOONH4 H2O):0分(18%/82%), 45分(90%/10%), 50分(90%/10%), 51分(18%/82%),60分(18%/82%)(具体的には、0分から45分において、グラジエントをかけてCH3CN濃度を18%から90%に上げた。45分から50分までの5分間は、CH3CNを90%で保持した。その直後51分からは、CH3CN濃度を18%に切り替えて60分まで流した)、流速:0.5ml/分、検出190〜650nm
[Orbitrap条件]
Ionaizationモード:ネガティブ、Heater温度:200℃、Spray電圧:2.5 kV、Capillary温度:275℃、Sheathガス:50、Auxiliaryガス:15、Collisionエネルギー:35
結果を図4に示す。HPLC保持時間35〜46分にピークが観察され、式2の化合物が誘導されたことが確認された。また、式1の化合物と同じく、式2の化合物は反応開始から90分後においても十分に存在していることが確認できた。これは式2の化合物が、前記Zwiebelane isomerと比べて、水溶液中にてより安定な化合物であることを示す。また、HPLC-Orbitrapの分析で検出されたPeak C1, C2, Peak D1, D2は、精密質量から算出される組成式とMSスペクトル解析の結果、ペンタスルフィドタイプ、ヘキサスルフィドタイプの構造を有することが確認できた(図7-1, 7-2, 7-3)。
(2)ニンニクジュースと加熱タマネギジュースの混合液から
実施例2の「(2)ニンニクジュースと加熱タマネギジュースの混合液から」にて得られた上清について、上記「アリイナーゼとPRENCSOの混合液」と同様の条件にてHPLC-Orbitrap分析を行った。但し、式2の化合物のプロダクトイオンであるm/z 227および259でイオンクロマトグラム抽出を行った。
結果を図8に示す。HPLC保持時間35〜40分にピークが観察され、式2(a)の化合物及び式2(b)の化合物が誘導されたことが確認された。
実施例5. 式2の化合物による脂質代謝改善効果
(1)PRENCSO高含有溶液の調製
生タマネギの薄皮を剥き、繊維にそって4等分にカットし、1/4サイズにカットされたタマネギ(7.9kg)を10mMクエン酸バッファー(pH3.0)(7.9L)に浸し、70℃で2時間ブランチングした。
ブランチング後冷却し、ミキサーで破砕して得られた破砕液を8000rpmで10分間遠心分離し、上清13Lを回収した。得られた上清を、1N水酸化ナトリウム水溶液(200mL)でpH7.0になるように中和し、アリイナーゼとLFSが失活したPRENCSO高含有溶液(13L)を得た。
(2)式2の化合物の誘導
上記(1)で得られたPRENCSO高含有溶液に、アリイナーゼ源として1/200当量の生ニンニクペースト65gを加えて撹拌し酵素反応を開始させ、60分後、反応液を回収した。回収した反応液の一部について、Thermo Fisher Scientific社のHPLC-Orbitrapを用いて分析を行い、式2の化合物が主生成物として生成できていることを確認した。
反応液は-80℃で冷凍したのち、凍結乾燥機を用いて粉末化した。得られた粉末(約1140g)は、使用時まで-20℃の冷凍庫で保管した。
上記(1)、(2)の操作を繰り返し、下記の試験に必要な量を作製した。
(3)式2の化合物による脂質代謝改善効果の評価
(i)方法
式2の化合物による脂質代謝改善効果について、SDラット(雄)を用いて評価を行った。即ち、1群7匹の5週齢Slc:SD(SPF)雄(日本エスエルシー株式会社)を市販固形飼料CRF-1(オリエンタル酵母工業株式会社)、および水を自由摂取させ一週間飼育した。その後、体重が各群で均一になるように「層別無作為化割付」にてコントロール群と試験群とに振り分けた。
次いで、コントロール群には、タンパク質:脂肪:炭水化物の割合が21:59:20の割合で混合された高脂肪食飼料を、週3回の頻度で給餌した。
一方、試験群には、高脂肪食飼料を同様に給餌することに加えて、被験物質を投与した。
被験物質は、上記(2)で作製した式2の化合物を含む組成物の粉末をクエン酸バッファー(pH7.0)に0.33mg/mLにて懸濁させた懸濁液を用いた。
また、被験物質中の最終的なクエン酸濃度は、23.9mMとなるように調製した。
コントロール群においては、23.9mMクエン酸バッファー(pH7.0)を被験物質の対照物質として用いた。
被験物質および対照物質であるクエン酸バッファーは、冷凍保管しておき、使用時に流水中で解凍した。
被験物質および対照物質であるクエン酸バッファーの投与量は、10mL/kgとした。投与の液量は、最新の体重を基に算出した計算値の少数第二位を四捨五入して0.1mL単位とした。
被験物質および対照物質であるクエン酸バッファーは、1日1回、午前9時から12時の間に、上記の投与量をディスポーザブルシリンジおよび経口ゾンデを用いて強制経口投与した。投与期間は56日間とした。
試験期間中は、1日1回の頻度で一般状態の観察を行った。投与開始日から、週3回の頻度で体重測定及び摂餌量測定を行った。投与55日目の16:00から絶食を行い、翌日イソフルランの2%吸入麻酔下で動物を開腹し、腹部大静脈から全採血し、その後肝臓を摘出した。採取した肝臓は各種測定に用いるまで-80℃で凍結保存した。
肝臓は、4倍量のテトラヒドロフラン:アセトン(4:1)の混合溶媒中で破砕し、室温にて遠心分離(15000rpmで5分間)して上清を得、これを0.2μmメッシュのディスクフィルターでろ過したものを「検液」とした。
得られた肝臓検液について、Thermo Fisher Scientific社のHPLC-Orbitrapを用いてトリグリセライド(TG)量を定量した。
(ii)結果
各群の体重及び摂餌量の推移を図9及び図10にそれぞれ示す。各群において体重及び摂餌量の経時的な増大が観察され、両群において有意な差は確認されなかった。
各群の肝臓中のTG量を図11に示す。尚、測定値は平均値±標準誤差で表し、統計解析は、Bartlett検定により分散に一様性が認められたので、Dunnett検定を用いた。有意水準は5%(*)で表示した。
試験群における肝臓中のTG量は、コントロール群に比べて有意に低いことが確認された。
この結果より、式2の化合物の摂取により、高脂肪食を摂取しても肝臓中におけるTG量の増大を抑制でき、肝臓への脂肪蓄積が抑制されることが示された。また、式2の化合物における当該効果はラットにて3.3mg/kgの投与量にて確認されたが、この投与量をヒトの投与量に換算するとおよそ66μg/kgと算出される。したがって、当該量に基づいて、式2の化合物をヒトに投与又は摂取させることによってヒト肝臓における脂肪蓄積を抑制し得ることが示された。

Claims (1)

  1. PRENCSOをアリイナーゼにより処理する酵素反応を90分間以上行うことにより、
    式1:
    Figure 0006679280
    で表される化合物又はその塩、及び、
    式2(a):
    Figure 0006679280
    又は式2(b):
    Figure 0006679280
    で表される化合物又はその塩を有効成分として含む肝臓への脂肪蓄積の抑制剤を製造すること、並びに、
    前記肝臓への脂肪蓄積の抑制剤を飲食品、医薬組成物又は食品添加剤の材料に配合することを含む、肝臓への脂肪蓄積を抑制する作用を有する飲食品、医薬組成物又は食品添加剤の製造方法。
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