JP6678129B2 - 保護装置 - Google Patents

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本発明は、バイメタル素子およびPTC(positive temperature coefficient)素子を有して成る保護装置に関する。
電気装置(例えばモーター)に電流が過剰に流れて電気装置が異常に高い温度になった場合、あるいは過電流以外の何等かの理由で電気装置の温度が異常に高い温度になった場合等の異常が生じた際、電気装置を流れる電流を遮断して、その後、必要に応じてそのような異常の原因を解消して、電気装置の安全を確保する必要がある。そのように電流を遮断する手段としてバイメタル素子が使用されている。
バイメタル素子は、バイメタル金属のシート部材を有して成り、それ自体が特定の温度を越えて高温になった場合、あるいはその周囲の雰囲気の温度が高くなってバイメタル素子が特定の温度を越えて高温になった場合、作動して(即ち、変形して)、バイメタル素子を流れる電流を遮断するように構成されている。
そのようなバイメタル素子が電気装置に組み込まれている場合、過電流または他の理由によって電気装置が異常な高温になると作動して電流を遮断する。電流の遮断により電気装置の温度が低下するが、バイメタル素子自体の温度も低下するので、バイメタル素子は元の形状に戻り(即ち、復帰して)、その結果、異常の原因を取り除いて電気装置の安全を確保する前に、再び電流が流れることを許容することになり得る。
そのように再び電流が流れることを防止するには、バイメタル素子が作動した状態を確保および維持する必要がある。そのために、電気装置の回路において、バイメタル素子を直列に配置して、その回路の電流を遮断できるようにすると共に、バイメタル素子に対してPTC素子が並列に配置されている。このような配置によって、バイメタル素子が作動した場合に、そこを流れていた電流をPTC素子に迂回させ、その電流によってPTC素子がジュール熱を発生して、その熱をバイメタル素子に伝達してバイメタル素子の作動状態を維持できる。
このように電気回路においてバイメタル素子の作動により回路を開くように動作する可動接点を配置し、また、PTC素子をバイメタル素子に対して並列に配置するように構成された保護装置が知られている。例えば、特許文献2には、樹脂ベース内の空間に、第1ターミナル、PTC素子、バイメタル素子、アームおよび上方プレートが配置され、この状態で樹脂カバーが二次モールド(例えば、インサート形成)された保護装置が開示されている。
国際公開2013/058362号
上記特許文献1のような保護装置では、異常時に第1ターミナルとアームの接点が開くことにより、回路が開く。この際、第1ターミナルとアーム間にはアークが生じ得るが、このアークにより保護装置が劣化し得る。特に、接点直下の樹脂ベースは、アークの影響を受けやすく、従って、保護装置の機能を担保するために、樹脂ベースは、ある程度の厚みを有する構造にする必要があった。また、アークの発生による問題のために、保護装置の定格電圧および定格電流を大きくするのが困難であった。
従って、本発明は、アークによる悪影響を受けにくい保護装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、第1ターミナルとアームの接点近傍に、磁石を配置することにより、アークを迅速に減衰することができ、アークによる悪影響を低減できることを見出し、本発明に至った。
本発明の1つの要旨によれば、
樹脂ベース、磁石、第1ターミナル、PTC素子、バイメタル素子、アーム、上方プレートおよび第2ターミナルを有して成る保護装置であって、
樹脂ベースの内壁により規定される内部空間内に、第1ターミナル、PTC素子、バイメタル素子およびアームが、この順に重ねられ、これらを含む内部空間が、上方プレートにより封じられており、
第1ターミナル、アームおよび第2ターミナルがこの順で電気的に直列に接続された状態にあり、
磁石が、第1ターミナルとアームの接点近傍に位置し、
バイメタル素子が作動した際には、第1ターミナルとアームとが電気的に遮断された状態になる一方、第1ターミナル、PTC素子、バイメタル素子、アームおよび第2ターミナルがこの順で電気的に直列に接続された状態となるように構成されていることを特徴とする保護装置
が提供される。
本発明のもう1つの要旨によれば、上記の保護装置を有して成ることを特徴とする電気装置が提供される。
本発明によれば、磁石を、第1ターミナルとアームの接点近傍に配置することにより、アークに磁石により生じるローレンツ力を作用させて、アークを引き延ばすことができ、その結果、アークを迅速に減衰させることができる。
図1は、本発明の一の態様の保護装置1aを模式的に示す斜視図である。 図2は、図2は、図1の保護装置1aの断面を模式的に示す断面図である。 図3は、図1の保護装置1aを、それを構成する要素に仮に分解したとした場合に得られる分解斜視図である。 図4は、図1の保護装置1aの内部構造を模式的に示す斜視図である。 図5は、別の態様の保護装置1bを、それを構成する要素に仮に分解したとした場合に得られる分解斜視図である。 図6は、図5の保護装置の上方プレートと磁石を模式的に示す斜視図である。 図7は、上方プレートと磁石の別の態様を模式的に示す斜視図である。
本発明の一の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。尚、図3に、図1に示す本発明の保護装置1aを、それを構成する要素毎に分解した様子を模式的に示すが、図3は、装置として完成状態にある、本発明の保護装置1aをそれを構成する要素に仮に分解した場合に得られる分解斜視図を模式的に示すものである。
本発明の保護装置1aは、概略的には、図1〜4に示すような構造を有する。具体的には、保護装置1aは、第1ターミナル2および第2ターミナル4を有する樹脂ベース6、磁石7、PTC素子8、バイメタル素子10、アーム12、および上方プレート14を有する。樹脂ベース6は空間16を有し、その底部には第1ターミナル2の一部が露出し、その露出部分18の上方にPTC素子8が配置され、その上方にバイメタル素子10が配置され、その上方にアーム12が配置されている。アーム12は、第2ターミナル4にかしめにより固定されている。2つの磁石7は、その間に第1ターミナル2とアーム12の接点が位置するように、配置されている。上方プレート14は、樹脂ベース6の内壁24に保持されており、これにより樹脂ベース6の空間16を封じている。
保護装置1において、過電流または異常発熱が生じていない平常時には、第1ターミナル2、アーム12および第2ターミナル4が電気的に直列に接続されている。また、バイメタル素子10は、図示するように上向き(アーム側)に凸となるよう湾曲した状態であり、アーム12から離隔されている。この状態では、電流は、第1ターミナル2、第1ターミナルの接点部26、アームの接点部28、アーム12、第2ターミナル4の順(またはその逆)に流れ、PTC素子8およびバイメタル素子10には電流は流れない。異常時、即ち、過電流が生じた場合または異常発熱が生じた場合には、バイメタル素子10が作動して、上向き(図2における紙面上向き)に凸から下向き(図2における紙面下向き)に凸に変形し、これによりアーム12が上方に持ち上げられ、アームの接点部28と第1ターミナルの接点部26の電気的接続が遮断される。また、変形したバイメタル素子10は、PTC素子8およびアーム12と接触してこれらと電気的に接続された状態となる。この状態では、電流は、第1ターミナル2、PTC素子8、バイメタル素子10、アーム12、第2ターミナル4の順(またはその逆)に流れ、この電流により生じるジュール熱によりPTC素子8がトリップ(動作)し、ジュール熱が生じ続ける。このジュール熱によりバイメタル素子10は下向き凸の状態に保持され、アーム12と第1ターミナル2の接点の開放状態を維持することができる。このとき保護されるべき回路には、実質的に電流が遮断される(ただし、漏れ電流としての微少電流は流れ得る)。
アームの接点部28と第1ターミナルの接点部26間の接点が開く際、両接点部間には、アークが生じ得る。接点部26および接点部28間で生じたアークは、磁石7により生じる磁場によるローレンツ力の作用により、側壁方向に引き延ばされる。これによりアークは、迅速に減衰し、アークによる樹脂ベースの損傷等の不具合を回避することができる。また、アークを迅速に減衰、消滅させることができるので、保護装置の定格電流および定格電圧をより大きくすることができる。
本発明の1つの態様では、第1ターミナル2、第2ターミナル4および樹脂ベース6は、インサート成形により一体に形成される。このようにインサート成形することにより、第1ターミナル2および第2ターミナル4と樹脂ベース6との間の密着性を高めることができる。樹脂ベース6は、空間16を有し、その底部では第1ターミナル2の一部分18(以下、露出部分18という)が露出している。この第1ターミナルの露出部分18上にPTC素子8が配置される。また、図2では第1ターミナル2は、樹脂ベースの底面から露出していないが、樹脂ベースを薄くし、第1ターミナル2の一部(例えば、露出部分18の裏側)を樹脂ベースの底面から露出させてもよい。このように第1ターミナルの一部を露出させることにより、保護装置の厚みを低減できることに加え、第1ターミナルとアームとの接点など保護装置内部で生じた熱を効率よく外部に消散することができ、保持電流をより向上させることができる。
第1ターミナル2および第2ターミナル4を構成する材料は、導電性の材料であれば特に限定されないが、導電性金属が好ましい。このような材料としては、従来と同様のものを用いることができる。
上記したように、第1ターミナルの一部20および第2ターミナルの一部22は、樹脂ベース6の側面を貫通して外向きに延在している。この第1ターミナルの一部20および第2ターミナルの一部22は、本発明の保護装置1を所定の電気要素に電気的に接続するための部分であり、ターミナルの本来の機能を果たす。図示するように、第1ターミナルの一部20および第2ターミナルの一部22に接点32を設けてもよい。
第1ターミナル2は、アーム12の接点部28との接点部26を有する。当該接点部26は、種々の方法により形成され得、例えば、かしめ、めっき、溶接により接点材を設置することにより形成することができる。また、接点部26は、インレイ材またはクラッド材であってもよい。好ましくは、接点部26は、第1ターミナル2の対応する位置に貫通して設けられた穴に、接点材をかしめることにより形成される。例えば、接点部は、第1ターミナルに貫通して設けられた穴に、その穴の直径と同等の直径を有し、その穴の厚みよりも大きい厚み(または高さ)を有する接点材をはめ込み、この穴から上下に突出した部分を潰すことにより第1ターミナルに接点材をかしめて固定することにより形成される。尚、接点材は必ずしも円柱形である必要はなく、角柱形等であってもよい。第1ターミナル2にこのような接点部を形成することにより、接点部に大きな熱容量を持たせることが可能になり、これにより保護装置に比較的大きな電流を流した場合でも接点部の温度の急激な上昇を防止することができ、保護装置の保持電流を大きくすることが可能になる。
上記接点材を構成する金属は、特に限定されないが、熱容量が大きいものが好ましく、例えば、銀−ニッケル、銀−銅、AgCdO、AgSnO、AgZnO、AgSnOInO、AgCu、銅−タングステン合金等が好ましい。硬度が低く、接点部の形状、特に厚みの微細な設計が可能であり、熱容量が大きいという観点から、90%銀10%ニッケル合金が好ましい。
好ましい態様において、第1ターミナル2および/または第2ターミナル4の内少なくとも他の要素と接続する部分は、酸化しにくい金属によりメッキされていてもよい。例えば、第1ターミナル2および/または第2ターミナル4と他の電気要素とを接続する部分(例えば、接点32)、第1ターミナル2とアーム12の接点、第1ターミナル2とPTC素子8との接点、第2ターミナル4とアーム12の接触部は、酸化しにくい金属によりメッキされていることが好ましい。このような金属でメッキすることにより、例えば、保護装置をリフロー炉において熱処理した際に接点が酸化して抵抗が増加することを防止することができる。
酸化しにくい金属としては、限定するものではないが、例えば、金、白金、銀、水銀、銅等が挙げられる。
好ましい態様において、樹脂ベース6は、耐熱性樹脂、アークに耐性を有する樹脂により形成される。また、樹脂ベース6は、好ましくはリフロー炉の温度環境下において安定な樹脂により形成される。このような樹脂を用いることにより、アークが生じた場合でも不具合が生じにくい保護装置を得ることができる。また、リフロー炉など高温環境に付された場合であっても、保護装置の変形を防止することができる。
上記の耐熱性樹脂としては、例えば、LCP(Liquid Crystal Polymer)樹脂、ポリアミド系樹脂、PPS(Poly Phenylene Sulfide)系樹脂等が挙げられる。
好ましい態様において、樹脂ベース6において、底面の厚みよりも、側面の厚み、特に接点近傍の側面の厚み、好ましくは、第1ターミナルの一部20側の側面の厚みの方が大きい。側面の厚みを大きくすることにより、磁石による磁場が作用して側面方向に引き延ばされたアークに対する耐性が大きくなる。
好ましい態様において、樹脂ベース6は、磁石7を収容するポケットを有する。このようなポケットを設置することにより、磁石の位置決めが容易になり、また、磁石の位置ずれを防止することができる。
本発明の保護装置において、上記第1ターミナルの露出部分18の上方にPTC素子8が配置されている。その結果、第1ターミナル2とPTC素子8は、電気的に接続される。
上記PTC素子としては、セラミックPTC素子またはポリマーPTC素子のいずれを用いてもよいが、ポリマーPTC素子を使用するのが好ましい。ポリマーPTC素子は、セラミックPTC素子と比較して、素子自体の抵抗値が低く、一定以上の温度になっても自己破壊が生じにくいという点で有利である。また、ポリマーPTC素子は、セラミックPTC素子と比較して、トリップ状態を維持するために必要な電圧が低く、回路の電圧が低い状態であってもトリップ状態を維持することができる。この結果、接点を開放状態に維持することができ(ラッチ状態)、接点の開閉を繰り返すチャタリング現象を防止できるという点で有利である。さらに、保持電流値が同等である場合、ポリマーPTC素子は、セラミックPTC素子よりも小型・低抵抗である点でも好ましい。
一般的に、上記ポリマーPTC素子は、導電性充填剤(例えばカーボンブラック、ニッケル合金等)が分散しているポリマー(例えばポリエチレン、ポリビニリデンフルオライド等)を含んで成る導電性組成物を押出することによって得られる層状のPTC要素およびその両側に配置された電極(例えば金属箔)を有して成る。
本発明の保護装置において、PTC素子8の上方にはバイメタル素子10が配置されている。当該バイメタル素子10は、異常状態と判断すべき温度で変形するものであれば特に限定されず、自体公知のものを用いることができる。平常時には、バイメタル素子10は、PTC素子8と電気的に接続されていてもいなくてもよいが、異常時には電気的に接続される。
バイメタル素子10は、樹脂ベースの空間16が許容し得る限り、できるだけ表面積が大きいものが好ましい。表面積を大きくすることにより、動作温度のばらつきを低減することができ、また、異常時に変形した際にアーム12を上方に持ち上げる力が大きくなる。
図示した実施形態では、バイメタル素子10は1つであるが、2つまたはそれ以上用いてもよい。複数枚のバイメタル素子を用いることにより、異常時に変形した際にアーム12を上方に持ち上げる力が大きくなる。2つ以上のバイメタル素子を用いる場合、それらは、同じバイメタル素子であっても、異なるバイメタル素子であってもよい。具体的には、動作温度が異なるものを用いる、例えば上側のバイメタル素子の動作温度が、下側のバイメタル素子の動作温度よりも高いものを用いる;厚みおよび/またはサイズが異なるものを用いる;バイメタル素子同士の接触面の曲率を合わせて用いる;または最下層のバイメタル素子以外は中央突起を有しないものを用いてもよい。このように、種々のバイメタル素子を組み合わせることにより、バイメタル素子が下向き凸に変形した場合のアームの持ち上げ力を調整することができる。
好ましくは、バイメタル素子10は、その下面(PTC素子側)の中央部付近に、突起、例えばドーム状の凸部を有していてもよい。この突起は、バイメタル素子10が作動して、上向きに凸の状態から下向きに凸となった場合、PTC素子8と接触した状態となる。この突起の高さに相当する分だけアーム12がさらに上方に押し上げられるので、バイメタル素子10自体の湾曲の程度がより小さい場合であっても、アーム12を十分に押し上げることができ、アームと第1ターミナルの接点での電気的接続をより確実に遮断することができる。
本発明の保護装置において、アーム12は、バイメタル素子10の上方に配置されており、第2ターミナル4と、接点部28と反対の端部にて電気的に接続されている。アーム12と第2ターミナル4との接続方法は、特に限定されず、かしめ、半田付け、溶接などが挙げられるが、好ましくはかしめにより接続される。かしめによりアーム12と第2ターミナル4を接続することにより、より強固にアームを固定することが可能になり、アーム12と第2ターミナルの固定ばらつきを抑制することができ、保護装置自体の抵抗値のばらつきを抑制することができる。
また、別の態様において、アームと第2ターミナルは一体に形成されていてもよい。
アーム12を構成する材料は、導電性の材料であれば特に限定されないが、導電性金属が好ましい。このような材料としては、従来と同様のものを用いることができる。
また、アーム12は、接点部28を有し、図示するように、その接点部28が水平方向(樹脂ベースの底面の延在方向)に対してやや下方に位置するように湾曲している状態に形成されているのが好ましい。この接点部28は、平常時には、第1ターミナルの接点部26と接触しており、異常時には、バイメタル素子10が変形することによりアーム12が上方に持ち上げられ、この接触状態が解除される。
上記接点部28は、第1ターミナルの接点部26と同様に、種々の方法により形成されるが、アーム12の対応する位置に設けられた穴に、接点材をかしめることにより形成することが好ましい。アーム12にこのような接点部を形成することにより、接点部に大きな熱容量を持たせることが可能になり、これにより保護装置に比較的大きな電流を流した場合でも接点部の温度の急激な上昇を防止することができ、保護装置の保持電流を大きくすることが可能になる。尚、第1ターミナルの接点部26およびアーム12の接点部28のいずれか一方が、接点材をかしめることにより形成されていてもよいが、より好ましくは両方の接点部が接点材をかしめることにより形成される。
上記接点材を構成する金属は、第1ターミナルの接点部26を形成する接点材を構成するものと同じものを用いることができる。
アーム12を構成する材料は、導電性の材料であれば特に限定されないが、好ましくはりん青銅やベリリウム銅等を含む銅合金、Ni、またはこれらに表面処理(金、銀、Ni)をしたものが挙げられる。
アーム12は、できるだけ幅が広いことが好ましい。アームの幅を広くすることにより、第1ターミナルの接点部26とアームの接点部28の接点圧をより大きくすることができ、衝撃、振動などによる瞬断を抑制することができる。
本発明の保護装置において、樹脂ベース6の内部空間内には、一対の磁石7が、第1ターミナル2とアーム12の接点がこれらの間に位置するように、対向して配置されている。これらの磁石は、好ましくは、一方の磁石のS極と他方の磁石のN極が向かい合うように配置される。これらの磁石7により生じるローレンツ力により、第1ターミナルとアームの接点において生じたアークは、側壁方向に引き延ばされる。その結果、アークは速やかに消弧する。これにより、保護装置の定格電圧および定格電流をより大きくすることが可能になる。
好ましい態様において、上記磁石7は、磁束の方向が、アークの方向(即ち、接点において電流の流れる方向)、図2においては図面上下方向と平行にならないように、好ましくは45°以上になるように、より好ましくは実質的に直角になるように配置される。磁束の方向が、アークの方向を直角に近づけることによりアークを効率よく側面方向に引き延ばすことができる。
上記磁石7は、永久磁石であっても、電磁石であってもよい。好ましい態様において、磁石7は、永久磁石である。
上記永久磁石としては、特に限定されないが、例えば、ネオジム磁石、サマリウムコバルト磁石、アルニコ磁石、フェライト磁石等が挙げられる。
一の態様において、上記磁石は、アークが生じる箇所での磁束密度を高めるために、金属を含むヨークを有していてもよい。保護装置1のように磁石7が2個存在する場合には、ヨークは、それらを接続するように設置される。
上記ヨークに含まれる金属としては、例えば、鉄、ニッケル、コバルト、アルミニウム、シリコン、クロム、マンガン、ボロン、ニオブ、亜鉛等が挙げられる。
本発明の保護装置において、空間16内のアーム12の上方には、上方プレート14が配置されている。上方プレート14は、樹脂ベース6の内壁24、好ましくは内壁24の上方縁部により保持されている。
上方プレートを構成する材料は、特に限定されず、例えば、金属、樹脂等を用いることができる。上記磁石7からの漏れ磁束による電磁気妨害を抑制することができることから、金属材料を用いることが好ましい。また、金属材料は、外部で異常発熱が生じた際、効率よく保護装置の内部に熱を伝えることができる点でも好ましい。
上方プレートを構成する材料が金属材料である場合、上方プレートは上記ヨークとしても利用することができる。上方プレートは、好ましくは磁石7に接するように配置される。上方プレートをヨークとして用いることにより、保護装置のサイズを大きくすることなく、アークに作用する磁束の磁束密度を高めることができ、また、磁束の漏れをより低減することができる。
上記上方プレートを構成する金属材料としては、好ましくは、ニッケル、ステンレス、鉄、銅、アルミニウム、スズ、チタン、あるいはこれら金属の合金等を用いることができる。好ましい態様において、上方プレートを構成する金属材料は、鉄、ニッケル、これら金属の合金等である。
上方プレート14は、好ましくは磁石7に接するように設置される。これにより磁束の漏れをより低減することができる。
上方プレート14は、保護装置の上部から露出させることができる。上方プレート14を、外部に露出させることにより、外部で異常発熱が生じた際、効率よく保護装置の内部に熱を伝えることができる。即ち、このような保護装置は、速やかに異常発熱を感知してバイメタル素子10を動作させ、電流を遮断することができる。また、平常時には、保護装置の内部、特に接点で生じた熱を装置外部に効率的に消散することができ、これにより保持電流を大きくすることができる。
好ましくは、上方プレート14の露出面は、酸化しにくい金属によりメッキされる。このような金属でメッキすることにより、保護装置をリフロー炉において熱処理した際に、露出面が酸化することを防止することができる。
酸化しにくい金属としては、限定するものではないが、例えば、金、白金、銀、銅等が挙げられ、特に金が好ましい。
本発明の保護装置は、小型化が可能であり、特にその厚みは、例えば、1.5mm以下、より好ましくは1.0mm以下、さらに好ましくは0.9mm以下、さらにより好ましくは0.7mm以下のサイズとすることができる。また、好ましくは、本発明の保護装置は、幅2.0〜4.5mm、長さ4.5〜15.0mmであり得る。
一の態様において、本発明の保護装置は、他の電気要素との接続部分である第1ターミナルおよび第2ターミナルの一部を除いて、絶縁性樹脂等により被覆され、保護されていてもよい。
以上、本発明の一の実施形態について説明したが、本発明の保護装置は種々の改変が可能である。
例えば、磁石の数は、2個に限定されず、1個または3個以上であってもよい。
一の態様において、磁石は、1個のみである。磁石を1個のみとする場合、アークを側面方向に引き延ばすことができるような位置に配置することが好ましい。例えば、磁界範囲内に接点が入るように接点近傍で磁束の向きが接点における電流方向と直角になる位置に配置することが好ましい。
別の態様において、図6に示されるように、上方プレートは脚部15を有していてもよい。好ましい態様において、磁石は、上記上方プレートの主面と脚部に接するように配置される。かかる構造を採用することにより、ヨークの効果をより大きくすることができる。即ち、磁束の漏れをより抑制でき、アークに作用する磁束の磁束密度を大きくすることができる。
さらに別の態様において、図7に示されるように、上方プレートの脚部15は、L字形であってもよい。好ましい態様において、磁石は、その3つの側面が、上記上方プレートの主面と脚部に囲まれるように配置される。かかる構造を採用することにより、上方プレートは、磁石の3つの側面に接することが可能になり、ヨークの効果をより大きくすることができる。即ち、磁束の漏れをより抑制でき、アークに作用する磁束の磁束密度を大きくすることができる。
実施例1
図1〜図4に示されるような保護装置を準備した。保護装置に含まれる各部材は、下記の通りであった。
バイメタル素子:BL−51(日立金属ネオマテリアル社製)
PTC素子:ポリマーPTC(Littelfuse社製)
磁石:ネオジム磁石(磁石間磁束密度約20mT)
接点材料:90Ag10Ni
比較例1
磁石を有しないこと以外は、実施例1と同じ構成を有する保護装置を準備した。
(評価)
・サイクル試験
実施例1および比較例1の保護装置を、サイクル試験に付した。具体的には、保護装置に12V、23Aの印加電圧および電流にて、室温環境下(25℃)で保護装置を繰り返し動作させた。10、1000、3000および6000サイクル時に、保護装置の第1ターミナルと第2ターミナル間の抵抗値を測定した。結果を下記表1に示す。
Figure 0006678129
上記の結果から、磁石を用いた本発明の保護素子は、優れたサイクル耐性を有することが確認された。実施例1の保護装置は、磁石を設置することによりアークの影響を小さくできたために、優れたサイクル耐性を示したと考えられる。
本発明の保護装置は、携帯電話、タブレット機器などのリチウムイオンバッテリー電池セルの保護装置として好適に利用できる。
1a…保護装置
2…第1ターミナル
4…第2ターミナル
6…樹脂ベース
7…磁石
8…PTC素子
10…バイメタル素子
12…アーム
14…上方プレート
15…脚部
16…空間
18…露出部分
20…第1ターミナルの一部
22…第2ターミナルの一部
24…内壁
26…第1ターミナルの接点部
28…アームの接点部
32…接点

Claims (10)

  1. 樹脂ベース、磁石、第1ターミナル、PTC素子、バイメタル素子、アーム、上方プレートおよび第2ターミナルを有して成る保護装置であって、
    前記樹脂ベースの内壁により規定される内部空間内に、前記第1ターミナル、前記PTC素子、前記バイメタル素子および前記アームが、この順に重ねられ、これらを含む内部空間が、前記上方プレートにより封じられており、
    前記第1ターミナル、前記アームおよび前記第2ターミナルがこの順で電気的に直列に接続された状態にあり、
    前記磁石が、前記第1ターミナルと前記アームの接点近傍に位置し、
    前記磁石が一対の磁石であり、該一対の磁石が、前記第1ターミナルと前記アームの接点が該一対の磁石の間に位置し、金属を含むヨークにより接続されるように配置され、
    前記上方プレートが、ヨークとして機能し、
    前記バイメタル素子が作動した際には、前記第1ターミナルと前記アームとが電気的に遮断された状態になる一方、前記第1ターミナル、前記PTC素子、前記バイメタル素子、前記アームおよび前記第2ターミナルがこの順で電気的に直列に接続された状態となるように構成されていることを特徴とする保護装置。
  2. 樹脂ベース、磁石、第1ターミナル、PTC素子、バイメタル素子、アーム、上方プレートおよび第2ターミナルを有して成る保護装置であって、
    前記樹脂ベースの内壁により規定される内部空間内に、前記第1ターミナル、前記PTC素子、前記バイメタル素子および前記アームが、この順に重ねられ、これらを含む内部空間が、前記上方プレートにより封じられており、
    前記第1ターミナル、前記アームおよび前記第2ターミナルがこの順で電気的に直列に接続された状態にあり、
    前記磁石が、前記第1ターミナルと前記アームの接点近傍に位置し、
    前記磁石が一対の磁石であり、該一対の磁石が、第1ターミナルとアームの接点が該一対の磁石の間に位置するように配置され、
    前記上方プレートが脚部を有し、磁石が、前記上方プレートの主面と脚部に接するように配置され、
    前記バイメタル素子が作動した際には、前記第1ターミナルと前記アームとが電気的に遮断された状態になる一方、前記第1ターミナル、前記PTC素子、前記バイメタル素子、前記アームおよび前記第2ターミナルがこの順で電気的に直列に接続された状態となるように構成されていることを特徴とする保護装置。
  3. 樹脂ベース、磁石、第1ターミナル、PTC素子、バイメタル素子、アーム、上方プレートおよび第2ターミナルを有して成る保護装置であって、
    樹脂ベースの内壁により規定される内部空間内に、第1ターミナル、PTC素子、バイメタル素子およびアームが、この順に重ねられ、これらを含む内部空間が、上方プレートにより封じられており、
    第1ターミナル、アームおよび第2ターミナルがこの順で電気的に直列に接続された状態にあり、
    磁石が、第1ターミナルとアームの接点近傍に位置し、
    前記磁石が一対の磁石であり、該一対の磁石が、前記第1ターミナルと前記アームの接点が該一対の磁石の間に位置するように配置され、
    前記上方プレートがL字形の脚部を有し、磁石が、前記上方プレートの主面と脚部に囲まれるように配置され、
    前記バイメタル素子が作動した際には、前記第1ターミナルと前記アームとが電気的に遮断された状態になる一方、前記第1ターミナル、前記PTC素子、前記バイメタル素子、前記アームおよび前記第2ターミナルがこの順で電気的に直列に接続された状態となるように構成されていることを特徴とする保護装置。
  4. 前記磁石が一対の磁石であり、これらが金属を含むヨークにより接続されている、請求項またはに記載の保護装置。
  5. 前記上方プレートが、ヨークとして機能する、請求項2〜4のいずれか1項に記載の保護装置。
  6. 前記上方プレートが脚部を有し、前記磁石が、前記上方プレートの主面と脚部に接するように配置されている、請求項1および3〜5のいずれか1項に記載の保護装置。
  7. 前記上方プレートがL字形の脚部を有し、磁石が、上方プレートの主面と脚部に囲まれるように配置されている、請求項1、2および4〜6のいずれか1項に記載の保護装置。
  8. 前記樹脂ベースが、前記磁石を収容するためのポケットを有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の保護装置。
  9. 前記磁石が永久磁石である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の保護装置。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の保護装置を有して成ることを特徴とする電気装置。
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