JP6677995B2 - 塗料用樹脂組成物 - Google Patents
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Description
他の硬化系としては、シラノール基又は加水分解によってシラノール基を生成する基をアクリル樹脂へ導入してなるアクリルシリコーン樹脂を用いたシリコーン硬化系がある(特許文献1)。シリコーン硬化系では、導入されたシラノール基(加水分解によって生成したものを含む)の縮合反応により塗膜が硬化する。
また、ウレタン硬化系とシリコーン硬化系とを併用した例として、ウレタン硬化系に用いるアクリルポリオール樹脂として、加水分解によってシラノール基を生成する基を当該樹脂へ導入し、水酸基と共存させたものを用いる技術が存在する(特許文献2)。
特許文献1に記載のシリコーン硬化系では、安定性が低いシラノール基を利用して塗膜の硬化を行うため、塗料の貯蔵安定性を確保するために安定化剤を配合する必要がある。また、シリコーン硬化系は周囲の湿度条件に影響を受けやすく、また加熱硬化をせず常温で硬化させる場合、単独では硬化が著しく遅いため、硬化促進剤(有機金属触媒、酸や塩基)を塗料へ配合する必要がある。更にシリコーン硬化系では、縮合反応によって副生成物であるアルコールや水が生じ、また縮合反応による架橋点が多くなり易い設計のため、塗膜の硬化収縮が大きくなり塗膜の基材追従性が低下し、更に塗膜のクラックやはがれが生ずるといった欠陥を引き起こすことがある。
特許文献2に記載の併用系でも、アルコキシシリル基またはそれが加水分解して生成したシラノール基を利用して塗膜を硬化させるので、前述のシリコーン硬化系と同様の課題が存在する。また、特定の理論に限定されるものではないが、シラノール基とイソシアネートとの反応により、シリルウレタン(−Si−O−C(=O)−NH−)結合を有する反応中間体が生成し、塗膜硬化が遅延する要因となる。このシリルウレタン結合は水やアルコール等に対して弱いため、得られた塗膜の硬度や耐薬品性の低下等、塗膜物性に悪影響を与えることが懸念される。
1.塗料用樹脂組成物であって、
該塗料用樹脂組成物が、下記(A)と(B)との反応生成物を含み、
(A)分子内に2つ以上のアミノ基を有するが、−Si−OH基及び−Si−O−C−基を含まないオルガノポリシロキサン化合物であって、アミン当量が300〜6000g/eqであるオルガノポリシロキサン化合物、
(B)アミノ基と反応することができる有機官能基及び水酸基を分子内に有し、重量平均分子量が3000〜100000であり、かつ、水酸基価が10〜200mgKOH/gである樹脂、
該反応生成物が分子内に水酸基を有し、
該反応生成物がイソシアネート化合物との反応により塗膜を形成する、
塗料用樹脂組成物。
2.(A)のオルガノポリシロキサン化合物中のシロキサン結合が、1つ以上の3方分岐構造(T構造)を含む、前記1に記載の塗料用樹脂組成物。
3.(B)の有機官能基が、エポキシ基であることを特徴とする、前記1又は2に記載の塗料用樹脂組成物。
4.(A)と(B)との反応生成物が、分子内にアミノ基を更に有することを特徴とする、前記1〜3のいずれか1つに記載の塗料用樹脂組成物。
5.前記1〜4のいずれか1つに記載の塗料用樹脂組成物を含む、塗料。
6.前記5に記載の塗料で塗装された物品。
本発明の塗料用樹脂組成物は、(A)オルガノポリシロキサン化合物と(B)樹脂との反応生成物を含む。
(A)成分は、下記の条件(1)〜(3)を満たすオルガノポリシロキサン化合物である。
(1)分子内に2つ以上のアミノ基を有する。
(2)−Si−OH基及び−Si−O−C−基を含まない。
(3)アミン当量が300〜6000g/eqである。
主鎖の長さに特に制限はないが、(B)成分との易反応性及び安定性の観点から、好ましくは数平均分子量で500〜12000であり、より好ましくは800〜5000である。尚、本発明における数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィーにおいて、標準物質としてポリスチレンを使用し、ポリスチレンと試料との相対比較により試料の分子量を決定する方法によって決定される値であり、ポリスチレン換算数平均分子量ともいう。数平均分子量は、当該技術分野で公知の方法に従い測定することができる。なお、前記の数平均分子量の説明は、後述の(B)成分の樹脂の数平均分子量にも適用される。
主鎖のケイ素原子に結合する有機置換基としては、一般的には、メチル基やエチル基等のアルキル基(例えば、メチル基やエチル基等)、アリール基(例えば、フェニル基等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基やエトキシ基等)、カルボキシアルキル基、アルキルグリシジルエーテル基、アミノアルキル基(例えば、アミノプロピル基やアミノエチル基等)等が挙げられる。
更に、オルガノポリシロキサン化合物は、−Si−O−C−基を含まない。
また、オルガノポリシロキサン化合物は、2方分岐構造(D構造)及び3方分岐構造(T構造)の双方を有していてもよい。
アミン当量は、当該技術分野で公知の方法に従い計算することができる。例えば、オルガノポリシロキサン化合物1g中のアミノ基を中和するのに要する塩酸のmg数を定量し、オルガノポリシロキサン化合物中に存在する全アミン価を求め、この値からアミン当量を算出することができる。
例えば、N−(3−アミノプロピル) メタクリルアミドとメチルハイドロジェンシリコーンオイルとのヒドロシリル化反応や、エチレンジアミンとビニル基を有するシルセスキオキサンとのマイケル付加反応により調製することができる。
オルガノポリシロキサン化合物の具体例としては、商品名:KF−8010(信越化学工業(株)製、両末端アミノ変性ポリジメチルシロキサン型シリコーンオイル)、DC3055(Dow Corning Corp.製、アミノ基含有シリコーンレジン)、KF−8012(信越化学工業(株)製、両末端アミノ変性ポリジメチルシロキサン型シリコーンオイル)やWacker FLUID NH 40 D (Wacker Chemie AG 製、両末端アミノ変性シリコーンオイル)等が挙げられる。
(B)成分は、下記の条件(1)〜(2)を満たす樹脂である。
(1)アミノ基と反応することができる有機官能基及び水酸基を分子内に有する。
(2)重量平均分子量が3000〜100000である。
具体例としては、エポキシ基、カルボキシル基やエチレン性不飽和二重結合基(例えば、メタクリロイル基)が挙げられ、エポキシ基及びカルボキシル基が好ましく、エポキシ基がより好ましい。
樹脂が、有機官能基としてエポキシ基を含む場合、当該樹脂1分子当たりのエポキシ基の数は1〜3にすることが好ましい。エポキシ基の数が1以上であると貯蔵安定性や耐候性により優れた塗膜を得ることができる。また、エポキシ基の数が3以下であると、(A)成分との急速な反応によるゲル化を抑制することができる。樹脂に含まれるエポキシ基の数は、樹脂の数平均分子量をエポキシ当量で除すことで算出することができる。エポキシ当量は、当該技術分野で公知の方法に従い算出することができる。
樹脂が有する「水酸基」の量は10〜200mgKOH/g、好ましくは25〜100mgKOH/g、より好ましくは25〜90mgKOH/gである。水酸基価が10〜200mgKOH/gであると、塗料の硬化剤、例えば水酸基と反応するイソシアネート化合物とより容易に反応して塗膜を硬化させることができ、硬化性、耐候性、耐水性や耐薬品性により優れた塗膜が得ることができる。水酸基価は、当該技術分野で公知の方法に従い測定することができる。
樹脂は1種類のモノマーから調製される重合体であってもよく、2種類以上のモノマーから調製される共重合体であってもよい。
樹脂の製造は、当該技術分野で公知の製法を用いて行うことができる。例えば、アクリル樹脂の場合、樹脂の主鎖を構成する「ベースモノマー」と、アミノ基と反応することができる有機官能基を主鎖へ導入する「反応性有機官能基含有モノマー」とを、溶剤存在下、重合開始剤を用いて共重合することにより、樹脂を製造することができる。
ベースモノマーは、1種類のモノマーを単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
反応性有機官能基含有モノマーは、1種類のモノマーを単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
その他、(B)成分の具体例としては、水酸基含有アクリル樹脂の製造の際に、ベースモノマーや反応性有機官能基含有モノマーと共に、アミノ基と反応することができる有機官能基(例えば、エポキシ基及び/又はカルボキシル基)を有するアルキド樹脂を加えて反応させて得られる有機官能基変性アルキドアクリル樹脂や、
水酸基含有フッ素樹脂の一部の水酸基とメタクリル酸2−イソシアナトエチルとを反応させて得られる、ビニリデン基及び水酸基を有する有機官能基変性フッ素樹脂等が挙げられる。
樹脂溶液における溶剤は、使用する樹脂に対して一般的に用いられているものを特に制限なく用いることができる。例えば、溶剤は、樹脂製造時に用いた溶剤である。樹脂がアクリル酸エステルとスチレンとの共重合体を主鎖とする場合、溶剤としては、石油系溶剤(例えば、ミネラルスピリットや芳香族炭化水素溶剤)や、ケトン系溶剤(例えば、アセトンやメチルエチルケトン)等が挙げられる。
樹脂溶液は、任意成分として、脱水剤、消泡剤、紫外線吸収剤、光安定剤、粘性調整剤、表面調製剤、低汚染化剤、触媒や重合禁止剤等を含んでいてもよい。
樹脂分散液の溶剤は、前述の樹脂溶液用の溶剤と同じものを使用することができる。
樹脂分散液は、任意成分として、脱水剤、消泡剤、紫外線吸収剤、光安定剤、粘性調整剤、表面調製剤、低汚染化剤、触媒や重合禁止剤等を含んでいてもよい。
反応生成物は、(A)成分と(B)成分とを反応させることにより得られる。
(A)成分の「アミノ基」と(B)成分の「アミノ基と反応することができる有機官能基」とを反応させることができる限り、反応条件は特に制限されないが、「アミノ基」と「アミノ基と反応させることができる有機官能基」との反応に好適な触媒(例えば、硫酸やリン酸等の酸、3級アミン等の塩基や、有機金属触媒)の添加や加熱(例えば、60〜150℃)を行うと、反応生成物をより収率よく得ることができるので好ましい。
本発明は特定の理論に限定されるものではないが、塗膜形成の際、反応生成物が有する水酸基及びアミノ基と、イソシアネート化合物が有するイソシアネート基とが反応して、それぞれウレタン結合及びウレア結合が形成し、このウレタン結合及びウレア結合が、塗膜に優れた硬化性、基材密着性(基材追従性)、可撓性や、耐薬品性等を付与すると考えられる。また、上記のウレタン結合並びにウレア結合が形成して硬化する塗膜中に、耐候性に優れるシロキサン結合を有するオルガノポリシロキサン化合物((A)成分)が、部分的に配列したブロック化合物として存在することで、塗膜に耐候性を付与することができる。
反応生成物が有する「水酸基」の量は特に制限されないが、反応生成物の固形分の水酸基価は、好ましくは10〜200mgKOH/g、より好ましくは25〜100mgKOH/gである。水酸基価が10〜200mgKOH/gであると、より優れた塗膜を得ることができる。水酸基価は、当該技術分野で公知の方法に従い測定することができる。
イソシアネート化合物は、反応生成物を硬化させて塗膜を形成するために用いられる。
イソシアネート化合物の具体例としては、2官能性以上のイソシアネート化合物(例えば、トルエンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等)や、該イソシアネート化合物のビュウレット型化合物、イソシアヌレート型化合物、アダクト型化合物や、ポリイソシアネート化合物が挙げられる。使用するイソシアネート化合物は特に限定されないが、塗膜の耐候性向上の観点から、脂肪鎖型または脂環型構造を有し、かつ、2官能以上のイソシアネート化合物や、そのビュウレット型化合物、イソシアヌレート型化合物、アダクト型化合物や、ポリイソシアネート化合物が好ましい。
本発明の塗料用樹脂組成物は、上述の(A)オルガノポリシロキサン化合物と(B)樹脂との反応生成物とを必須成分として含む。
添加する溶剤としては、塗料用溶剤として使用されているものを特に制限なく用いることができる。溶剤の具体例としては、石油系溶剤(例えば、ミネラルスピリット)や、ケトン系溶剤(例えば、メチルエチルケトン)等が挙げられる。
溶剤以外に添加する添加剤としては、塗料に使用されているものを特に制限なく用いることができる。添加剤の具体例としては、脱水剤、消泡剤、紫外線吸収剤、光安定剤、粘性調整剤、表面調製剤、低汚染化剤、触媒や重合禁止剤等が挙げられる。
本発明の塗料用樹脂組成物は、塗料に用いられる。例えば、塗料用樹脂組成物と、顔料と各種添加剤とを混合し、該樹脂組成物中に顔料を分散することで、塗料を製造することができる。また、該塗料と塗料硬化剤とを混合し、被塗物に塗布することにより耐候性に優れた塗膜を形成することができる。
顔料は、1種類の顔料を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
イソシアネート化合物の具体例としては、2官能性以上のイソシアネート化合物(例えば、トルエンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等)や、該イソシアネート化合物のビュウレット型化合物、イソシアヌレート型化合物、アダクト型化合物や、ポリイソシアネート化合物が挙げられる。使用するイソシアネート化合物は特に限定されないが、塗膜の耐候性向上の観点から、脂肪鎖型または脂環型構造を有し、かつ、2官能以上のイソシアネート化合物や、そのビュウレット型化合物、イソシアヌレート型化合物、アダクト型化合物や、ポリイソシアネート化合物が好ましい。
イソシアネート化合物は、市場において容易に入手可能であるか、又は、公知の方法によって調製可能である。
塗料硬化剤としては、1種類のイソシアネート化合物を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の塗料用樹脂組成物から製造された塗料によって塗装される物品の種類に特に制限はないが、鋼板や一般建築物の外装、コンクリート構造物や鋼構造物等の上塗り塗装に好適に用いることができる。
下記調製例に従って、塗料用樹脂組成物を調製した。なお、塗料用樹脂組成物及びその前駆体となるオルガノポリシロキサン化合物、アクリル樹脂溶液及びアクリル樹脂分散液の樹脂固形分、酸価、カルボキシル基当量、水酸基価、エポキシ当量、アミン当量、活性水素(NH)価、エチレン性不飽和二重結合基当量、数平均分子量及び重量平均分子量は、下記の方法で測定、算出した。
<樹脂固形分>
1.0gの樹脂溶液、樹脂分散液又は樹脂組成物をアルミカップに精秤し、これを150℃オーブンで30分乾燥させた。乾燥後、残留物の質量を精秤し、元の質量に対する残留物の質量の割合を樹脂固形分(質量%)として求めた。
<酸価>
JIS K 5601−2−1に記載の方法に準じて、樹脂1g中の遊離酸を中和するのに要する水酸化カリウムのmg数を定量し、樹脂固形分の酸価を求めた。
<カルボキシル基当量>
上記で算出した酸価の値を用い、樹脂固形分のカルボキシル当量を算出した。
<水酸基価>
樹脂1g中の遊離水酸基を無水酢酸で完全にアセチル化した後、それを中和するのに要する水酸化カリウムのmg数を定量し、樹脂固形分の水酸基価を求めた。
<エポキシ当量>
JIS K 7236に記載の指示薬滴定法に準じて、エポキシ当量を算出した。
<アミン当量>
試料調製に使用する原料の仕込み量から、樹脂試料のアミン当量を算出した。
<活性水素価(NH価)>
上記で算出した、アミン当量値を用いて、活性水素当量を算出後、樹脂試料中に含まれるアミンの水素1つ当たりの活性水素価(NH価)を算出した。
<エチレン性不飽和二重結合基当量>
アクリル樹脂を合成後、樹脂の変性に使用するエチレン性不飽和二重結合を有する原料の仕込み量から、エチレン性不飽和二重結合当量を算出した。
<数平均分子量(ポリスチレン換算数平均分子量)>
数平均分子量(Mn)の測定は、TSKgelカラム(東ソー(株)製)を用い、RIを装備したGPC(東ソー(株)製;HLC−8220GPC)により求めた。GPCの条件として、展開溶媒にテトラヒドロフランを用い、流速0.35ml/分、温度40℃にて測定を行った。なお、TSK標準ポリスチレン(東ソー(株)製)を標準物質として用いた。
<重量平均分子量(ポリスチレン換算重量平均分子量)>
重量平均分子量(Mw)の測定は、TSKgelカラム(東ソー(株)製)を用い、RIを装備したGPC(東ソー(株)製;HLC−8220GPC)により求めた。GPCの条件として、展開溶媒にテトラヒドロフランを用い、流速0.35ml/分、温度40℃にて測定を行った。なお、TSK標準ポリスチレン(東ソー(株)製)を標準物質として用いた。
下記のオルガノポリシロキサン化合物を入手又は調製した。
KF−8010(信越化学工業(株)製、両末端アミノ変性ポリジメチルシロキサン型シリコーンオイル)は、分子内に2つのアミノ基を有するが、Si−OH基及び−Si−O−C−基を含まないオルガノポリシロキサン化合物である。
KF−8010のアミン当量は430g/eqであった。
また、KF−8010の主鎖の数平均分子量は860であった。主鎖に結合する有機置換基はアミノアルキル基及びメチル基であった。
KF−8010は2方分岐構造(D構造)のみを有する化合物であった。
DC3055(Dow Corning Corp.製、アミノ基含有シリコーンレジン)は、分子内に5つ(推定値)のアミノ基を有するが、Si−OH基及び−Si−O−C−基を含まないオルガノポリシロキサン化合物である。
DC3055のアミン当量は520g/eqであった。
また、DC3055の主鎖の数平均分子量は1300であった。主鎖に結合する有機置換基はアミノアルキル基、メチル基及びフェニル基であった。
DC3055は2方分岐構造(D構造)及び2以上20以下の3方分岐構造(T構造)を有する化合物であった。
MCR−A11(Gelest Inc.製、片末端アミノ変性ポリジメチルシロキサン型シリコーンオイル)は、分子内に1つのアミノ基を有するが、−Si−OH基及び−Si−O−C−基を含まないオルガノポリシロキサン化合物である。
MCR−A11のアミン当量は350g/eqであった。
また、MCR−A11の数平均分子量は350であった。主鎖に結合する有機置換基はアミノプロピル基、メチル基及びブチル基であった。
MCR−A11は2方分岐構造(D構造)のみを有する化合物であった。
KF−54(信越化学工業(株)製、ポリフェニルメチルシロキサン型シリコーンオイル)は、分子内にアミノ基を有さず、−Si−OH基及び−Si−O−C−基を含まないオルガノポリシロキサン化合物である。
KF−54のアミン当量は0g/eqであった。
また、KF−54の数平均分子量は測定できなかった。主鎖に結合する有機置換基はメチル基及びフェニル基であった。
KF−54は2方分岐構造(D構造)のみを有する化合物であった。
PAM−E(信越化学工業(株)製、両末端アミノ変性ポリジメチルシロキサン型シリコーンオイル)は、分子内にアミノ基を2つ有するが、−Si−OH基及び−Si−O−C−基を含まないオルガノポリシロキサン化合物である。
PAM−Eのアミン当量は130g/eqであった。
また、PAM−Eの数平均分子量は260であった。主鎖に結合する有機置換基はアミノアルキル基及びメチル基であった。
PAM−Eは2方分岐構造(D構造)のみを有する化合物であった。
DMS−A31(Gelest Inc.製、両末端アミノ変性ポリジメチルシロキサン型シリコーンオイル)は、分子内にアミノ基を2つ有するが、−Si−OH基及び−Si−O−C−基を含まないオルガノポリシロキサン化合物である。
DMS−A331のアミン当量は12500g/eqであった。
また、DMS−A31の数平均分子量は25000であった。主鎖に結合する有機置換基はアミノプロピル基及びメチル基であった。
DMS−A31は2方分岐構造(D構造)のみを有する化合物であった。
KF−8012(信越化学工業(株)製、両末端アミノ変性ポリジメチルシロキサン型シリコーンオイル)は、分子内にアミノ基を2つ有するが、−Si−OH基及び−Si−O−C−基を含まないオルガノポリシロキサン化合物である。
KF−8012のアミン当量は2200g/eqであった。
また、KF−8012の数平均分子量は4400であった。主鎖に結合する有機置換基はアミノアルキル基及びメチル基であった。
KF−8012は2方分岐構造(D構造)のみを有する化合物であった。
(第1工程)
攪拌機、温度計及び還流冷却器等を備えた反応容器中に、ソルベッソ100(東燃ゼネラル石油(株)製、芳香族炭化水素溶剤) 40.00質量部、Z6018(Dow Corning Corp.製、シラノールオリゴマー) 50.00質量部を入れ、これを60℃で加熱撹拌し、Z6018を溶解させた。
100℃に昇温し、3−アミノプロピルトリメトキシシラン10.00質量部を滴下しつつ加熱撹拌し、シロキサン化合物Aを得た。なお、シロキサン化合物Aの樹脂固形分は、60.0質量%であった。また、固形分の活性水素価(NH価)は104mgKOH/gであった。
シロキサン化合物Aは、分子内に−Si−OH基及び−Si−O−C−基(−Si−OCH3)を有するため、本発明の(A)成分のオルガノポリシロキサン化合物には該当しなかった。
下記の表1に示す化合物及びその使用量に変更する以外は、シロキサン化合物Aと同様の方法により、シロキサン化合物Bを調製した。なお、シロキサン化合物Bの樹脂固形分及び活性水素当量を表1に示す。
シロキサン化合物Bは、分子内に−Si−OH基及び−Si−O−C−基(−Si−OCH3)を有するため、本発明の(A)成分のオルガノポリシロキサン化合物には該当しなかった。
下記調製例に従って、アクリル樹脂溶液(アクリル樹脂溶液A〜U)及びアクリル樹脂分散液を調製した。
(第1工程)
攪拌機、温度計及び還流冷却器等を備えた反応容器中に、ソルベッソ100(東燃ゼネラル石油(株)製、芳香族炭化水素溶剤) 7.10質量部、ミネラルスピリット17.00質量部を入れ、これを加熱撹拌し、100℃に達してから、スチレン 6.00質量部、メタクリル酸メチル 21.48質量部、メタクリル酸2−エチルへキシル 8.30質量部、アクリル酸2−エチルへキシル 11.90質量部、メタクリル酸2−ヒドロキシルエチル 5.10質量部、メタクリル酸 1.32質量部及びターシャリーブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート 0.60質量部を予め混合して得た混合物を3時間かけて滴下しつつ加熱撹拌し、第1混合物を得た。
滴下終了後、100℃を保持したまま、第1工程で得た第1混合物中に、ターシャリーブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート 0.60質量部及びミネラルスピリット 0.60質量部、ソルベッソ100 1.20質量部を予め混合して得た混合物を1時間かけて滴下し、第2混合物を得た。さらに100℃で2.5時間撹拌を続けた後、第2混合物を冷却した。第2混合物にソルベッソ100 18.80質量部を加えて攪拌し、アクリル樹脂溶液Aを得た。
アクリル樹脂溶液Aは、「アミノ基と反応することができる有機官能基」としてのカルボキシル基と、水酸基とを分子内に有する樹脂の溶液であった。
アクリル樹脂溶液Aの樹脂固形分は、55.2質量%であった。
アクリル樹脂溶液Aの固形分の水酸基価は39.9mgKOH/g、酸価は15.6mgKOH/gであり、カルボキシル基当量は3594g/eqであり、ポリスチレン換算数平均分子量は8100であり、ポリスチレン換算重量平均分子量は39800であった。
したがって、アクリル樹脂溶液Aは、本発明の(B)成分に該当した。
表2に示す化合物及びその使用量に変更する以外は、アクリル樹脂溶液Aと同様の方法により、樹脂溶液B〜Tを調製した。なお、樹脂溶液の樹脂固形分、樹脂固形分の水酸基価、酸価、カルボキシル基当量、エポキシ当量、ポリスチレン換算数平均分子量、ポリスチレン換算重量平均分子量、アミノ基と反応できる有機官能基、樹脂1分子中のアミノ基と反応できる有機官能基の数を表2に示す。
なお、アクリル樹脂溶液J〜P、S及びTは、「アミノ基と反応することができる有機官能基」としてのカルボキシル基と、水酸基とを分子内に有する樹脂の溶液であった。
アクリル樹脂溶液B〜Iは、「アミノ基と反応することができる有機官能基」としてのエポキシ基と、水酸基とを分子内に有する樹脂の溶液であった。
アクリル樹脂溶液Qは、水酸基は有するが、「アミノ基と反応することができる有機官能基」を有さない樹脂の溶液であり、本発明の(B)成分には該当しなかった。
アクリル樹脂溶液Rは、「アミノ基と反応することができる有機官能基」としてのエポキシ基を有するが、水酸基は有さない樹脂の溶液であり、本発明の(B)成分には該当しなかった。
アクリル樹脂溶液Sは、樹脂固形分のポリスチレン換算重量平均分子量が2900であり、本発明の(B)成分には該当しなかった。
アクリル樹脂溶液Tは、樹脂固形分の水酸基価が3.9mgKOH/gであり、本発明の(B)成分には該当しなかった。
アクリル樹脂溶液B〜Pは、本発明の(B)成分に該当した。
(第1工程)
攪拌機、温度計及び還流冷却器等を備えた反応容器中に、ソルベッソ100(東燃ゼネラル石油(株)製、芳香族炭化水素溶剤) 7.10質量部、ミネラルスピリット17.00質量部を入れ、これを加熱撹拌し、100℃に達してから、スチレン 5.65質量部、メタクリル酸メチル 19.83質量部、メタクリル酸2−エチルへキシル 7.85質量部、アクリル酸2−エチルへキシル 11.29質量部、メタクリル酸2−ヒドロキシルエチル7.10質量部及びターシャリーブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート 0.60質量部を予め混合して得た混合物を3時間かけて滴下しつつ加熱撹拌し、第1混合物を得た。
滴下終了後、100℃を保持したまま、第1工程で得た第1混合物中に、ターシャリーブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート 0.60質量部、ミネラルスピリット 0.60質量部及びソルベッソ100 1.20質量部を予め混合して得た混合物を1時間かけて滴下し、第2混合物を得た。さらに100℃で2.5時間撹拌を続けた後、第2混合物にソルベッソ100 18.80質量部を加えて攪拌し、第3混合物を得た。
希釈終了後、メタクリル酸2−イソシアナトエチル2.38部を加え、100℃で2時間反応させた。IR(赤外吸収)スペクトル測定でメタクリル酸2−イソシアナトエチル由来のイソシアネート基の消失を確認後、冷却し、アクリル樹脂溶液Uを得た。
アクリル樹脂溶液Uは、「アミノ基と反応することができる有機官能基」としてのエチレン性不飽和二重結合基(メタクリロイル基)と、水酸基とを分子内に有する樹脂の溶液であった。
アクリル樹脂溶液Uの樹脂固形分は、55.2質量%であった。
アクリル樹脂溶液Uの固形分の水酸基価は39.9mgKOH/g、エチレン性不飽和二重結合当量は3596g/eqであり、ポリスチレン換算数平均分子量は8550、ポリスチレン換算重量平均分子量は40300であった。なお、樹脂溶液の樹脂固形分、樹脂固形分の水酸基価、エチレン性不飽和二重結合当量、ポリスチレン換算数平均分子量、ポリスチレン換算重量平均分子量、アミノ基と反応できる有機官能基、及び、樹脂1分子中のアミノ基と反応できる有機官能基の数を表3に示す。
したがって、アクリル樹脂溶液Uは、本発明の(B)成分に該当した。
(第1工程)
攪拌機、温度計及び還流冷却器等を備えた反応容器中に、ソルベッソ100(東燃ゼネラル石油(株)製、芳香族炭化水素溶剤) 3.83質量部、ミネラルスピリット9.18質量部を入れ、これを加熱撹拌し、100℃に達してから、スチレン 2.27質量部、メタクリル酸ターシャリーブチル 9.03質量部、メタクリル酸2−エチルへキシル 3.17質量部、アクリル酸2−エチルへキシル 5.01質量部及びターシャリーブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート 0.22質量部を予め混合して得た混合物を3時間かけて滴下しつつ加熱撹拌し、第1混合物を得た。
滴下終了後、100℃を保持したまま、第1工程で得た第1混合物中に、ターシャリーブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート 0.22質量部及びミネラルスピリット 0.22質量部を予め混合して得た混合物を1時間かけて滴下し、さらに100℃で2.5時間撹拌を続けた後、ソルベッソ100 10.45質量部を加えて攪拌し、第2混合物を得た。
100℃を保持したまま、第2工程で得た第2混合物中に、スチレン 6.40質量部、メタクリル酸メチル 9.26質量部、アクリル酸エチル 12.02質量部、メタクリル酸2−ヒドロキシルエチル 5.00質量部、メタクリル酸 1.32質量部及びターシャリーブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート 0.65質量部を予め混合して得た混合物を4時間かけて滴下しつつ加熱撹拌し、第3混合物を得た。
滴下終了後、100℃を保持したまま、第3工程で得た第3混合物中に、ターシャリーブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート 0.65質量部及びミネラルスピリット 0.65質量部、ソルベッソ100 1.30質量部を予め混合して得た混合物を1.5時間かけて滴下し、さらに100℃で2.5時間撹拌を続けた後、ソルベッソ100 11.75質量部及びミネラルスピリット7.40質量部を加えて攪拌し、アクリル樹脂分散液を得た。
アクリル樹脂分散液は、「アミノ基と反応することができる有機官能基」としてのカルボキシル基と、水酸基とを分子内に有する樹脂の分散液であった。
アクリル樹脂分散液の樹脂固形分は、55.0質量%であった。
アクリル樹脂分散液中の固形分の水酸基価は39.2mgKOH/g、酸価は15.7mgKOH/gであり、カルボキシル基当量は3584g/eqであり、ポリスチレン換算数平均分子量は8700、ポリスチレン換算重量平均分子量は121300であった。なお、樹脂分散液の樹脂固形分、樹脂固形分の水酸基価、酸価、カルボキシル基当量、ポリスチレン換算数平均分子量、ポリスチレン換算重量平均分子量、アミノ基と反応できる有機官能基、樹脂1分子中のアミノ基と反応できる有機官能基の数を表4に示す。
アクリル樹脂分散液は、樹脂固形分のポリスチレン換算重量平均分子量が121300であり、本発明の(B)成分には該当しなかった。
下記に示す調製例に従い、樹脂溶液1〜26を合成した。
(第1工程)
攪拌機、温度計及び還流冷却器、分水器等を備えた反応容器中に、アクリル樹脂溶液A 94.10質量部及びKF−8010(信越化学工業(株)製、両末端アミノ変性ポリジメチルシロキサン型シリコーンオイル) 3.10質量部を入れ、還流温度で加熱撹拌し、所定量の脱水を確認し、第1混合物を得た。
第1工程で得た第1混合物中に、ミネラルスピリット 2.80質量部を加えて攪拌後冷却し、樹脂溶液1を得た。なお、樹脂溶液1の樹脂固形分は、55.0質量%であり、樹脂溶液1の固形分水酸基価は37.6mgKOH/gであった。
表5に示す化合物及びその使用量に変更する以外は、樹脂溶液1と同様の方法により、それぞれ樹脂溶液を調製した。なお、反応に使用した(B)成分の有機官能基、樹脂溶液の樹脂固形分、樹脂固形分中の水酸基価、酸価、活性水素価(NH価)、及び、対応する塗料用樹脂組成物(後述)を表5に示す。
(第1工程)
攪拌機、温度計及び還流冷却器等を備えた反応容器中に、アクリル樹脂溶液U 92.98質量部及びDC3055 (Dow Corning Corp.製、アミノ基含有シリコーンレジン) 3.71質量部を入れ、60℃で6時間加熱撹拌し、第1混合物を得た。
第1工程で得た第1混合物中に、ミネラルスピリット 3.31質量部を加えて攪拌後冷却し、樹脂溶液3を得た。なお、樹脂溶液3の樹脂固形分は、55.0質量%であり、樹脂溶液3の固形分水酸基価は37.3mgKOH/gであった。
(第1工程)
攪拌機、温度計及び還流冷却器等を備えた反応容器中に、アクリル樹脂溶液B 92.98質量部及びDC3055 (Dow Corning Corp.製、アミノ基含有シリコーンレジン) 3.71質量部を入れ、80℃で2時間加熱撹拌し、第1混合物を得た。
第1工程で得た第1混合物中に、ミネラルスピリット 3.31質量部を加えて攪拌後冷却し、樹脂溶液4を得た。なお、樹脂溶液4の樹脂固形分は、55.0質量%であり、樹脂溶液4の固形分水酸基価は40.8mgKOH/gであった。
表5に示す化合物及びその使用量に変更する以外は、樹脂溶液4と同様の方法により、それぞれ樹脂溶液を調製した。なお、反応に使用した(B)成分の有機官能基、樹脂溶液の樹脂固形分、樹脂固形分中の水酸基価、活性水素価(NH価)、及び、対応する塗料用樹脂組成物(後述)を表5に示す。
攪拌機を備えた容器中に、アクリル樹脂溶液Q 94.10質量部及びKF−8010 (信越化学工業(株)製、両末端アミノ変性ポリジメチルシロキサン型シリコーンオイル) 3.10質量部を入れ、ミネラルスピリット 2.80質量部を加えて攪拌し、樹脂溶液20を得た。なお、樹脂溶液20の樹脂固形分は、55.0質量%であり、樹脂溶液20の固形分水酸基価は38.4mgKOH/g、固形分活性水素価(NH価)は14.7mgKOH/gであった。
攪拌機を備えた容器中に、KF−8012 (信越化学工業(株)製、両末端アミノ変性ポリジメチルシロキサン型シリコーンオイル) 55.00質量部を入れ、ミネラルスピリット 45.00質量部を加えて攪拌し、樹脂溶液24を得た。なお、樹脂溶液24の樹脂固形分は、55.0質量%であり、樹脂溶液24の固形分活性水素価(NH価)は51.0mgKOH/gであった。
アクリル樹脂溶液Mを100.00質量部そのまま用いることとし、樹脂溶液25と呼称した。なお、樹脂溶液25の樹脂固形分は、55.2質量%であり、樹脂溶液25の固形分水酸基価は39.9mgKOH/gであった。
(実施例1)
樹脂溶液1 54.48質量部、着色顔料JR−806(テイカ(株)製、酸化チタン) 27.20質量部、体質顔料BARIACE B−30(堺化学工業(株)製、沈降性硫酸バリウム) 9.80質量部、及び、粘性調整剤ディスパロンD6820−20M(楠本化成(株)製、アマイド系粘性調整剤のミネラルスピリット/ベンジルアルコール混合溶液、固形分20質量%) 4.42質量部を混合した後、サンドグラインダーにて2時間分散処理し、主剤を調製した。そして、塗装直前に95.90質量部の主剤に対して、塗料硬化剤デュラネートTSA−100(旭化成ケミカルズ(株)製、弱溶剤可溶型ヘキサメチレンジイソシアネート系ポリイソシアネート(ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート型化合物)) 4.10質量部を添加し、これらを混合して実施例1の塗料組成物を得た。
各種成分の種類及び配合量を表6に示されるように変更した以外は、実施例1の製造手順と同様にして、実施例2〜13及び比較例1〜13の塗料組成物を調製した。
厚み3.2mm及び大きさ70×150mmのサンドブラスト鋼板に、表6に示す塗料組成物(実施例1〜13及び比較例1〜13)を、乾燥膜厚が80μmとなるようにエアスプレー塗装した後、該塗料組成物を常温(20℃)で1週間乾燥させ、実施例1〜13及び比較例1〜13の塗装板を作製した。作製した塗装板について、下記に示す試験によって塗膜性能を評価した。評価結果を表7に示す。
塗装板作成時の塗装作業性を、以下の基準で目視判定した。
(判定基準)
○:スプレー霧化良好かつ塗膜表面に異常なし。
×:スプレー霧化が不十分であり、所定の膜厚を得るための吹付回数が増加する。また、塗膜表面にハジキ等の異常が認められる。
実施例1〜13及び比較例1〜13で調製した硬化剤を含まない表6記載の塗料主剤成分のみを、容量300mL、内径が70〜80mmの金属製の缶に入れ密封し、5℃環境下で1か月保管後、下記の判定基準に基づいて低温貯蔵安定性試験の評価を行った。
(判定基準)
○:貯蔵後の容器内の状態、塗装に供した際の塗膜の外観及び塗装作業性が貯蔵前に比べて著しい差異が認められない。
×:貯蔵後の容器内の状態、塗装に供した際の塗膜の外観及び塗装作業性が貯蔵前に比べて著しい差異が見られる。
実施例1〜13及び比較例1〜13で調製した硬化剤を含まない表6記載の塗料主剤成分のみを、容量300mL、内径が70〜80mmの金属製の缶に入れ密封し、50℃環境下で1か月保管後、下記の判定基準に基づいて低温貯蔵安定性試験の評価を行った。
(判定基準)
○:貯蔵後の容器内の状態、塗装に供した際の塗膜外観及び塗装作業性が貯蔵前に比べて著しい差異が認められない。
×:貯蔵後の容器内の状態、塗装に供した際の塗膜外観及び塗装作業性が貯蔵前に比べて著しい差異が見られる。
JIS K 5600−7−7に準じてキセノンアークランプ式試験機を用いて促進耐候性試験を4000時間行った。試験後の塗膜光沢感を促進耐候性試験未実施の初期塗膜と比較し、目視並びに光沢計を用いて以下の基準で判定した。
(判定基準)
◎+:塗膜外観に変化は無く、光沢保持率95%以上
◎:塗膜外観に変化は無く、光沢保持率90%以上95%未満
○:塗膜外観の変化がわずかにあり、光沢保持率80%以上90%未満
×:塗膜外観の変化が著しく、光沢保持率80%未満
乾燥膜厚が80μmとなるように、塗料組成物を、厚み3.2mm及び大きさ70×150mmのサンドブラスト鋼板にエアスプレー塗装し、常温(20℃)で湿度10%並びに湿度90%の環境で乾燥後、得られた塗膜がJIS K 5500『塗料用語』に規定される指触乾燥の状態に至るまでの時間を計り、下記の判定基準に基づいて表面乾燥性の評価を行った。
(判定基準)
〇:指触乾燥までの時間が90分以内
×:指触乾燥までの時間が90分を超える
湿潤膜厚が300μmとなるように、塗料組成物を、厚み3.2mm及び大きさ70×150mmのサンドブラスト鋼板に刷毛で塗装し、得られた塗膜を常温(20℃)で1週間乾燥させた後、以下の判定基準に基づいて塗膜外観を評価した。
(判定基準)
○:塗膜外観に艶引けやワレ、はがれ等の異常が認められない。
×:塗膜外観に艶引けやワレ、はがれ等の異常が認められる。
乾燥膜厚が80μmとなるように、塗料組成物を、厚み0.6mm及び大きさ200×100mmの溶融亜鉛メッキ鋼板にエアスプレー塗装し、得られた塗膜を常温(20℃)で1週間乾燥させた後、JIS K 5600−5−3に規定される方法のうち、3.3『デュポン式』試験において500gの重りを用い、高さ30cmから落下させた際、以下の判定基準に基づいて耐おもり落下性を評価した。
(判定基準)
○:試験片の衝撃変形による塗膜のワレ、剥がれが認められない。
×:試験片の衝撃変形による塗膜のワレ、剥がれが認められる。
Claims (6)
- 塗料用樹脂組成物であって、
該塗料用樹脂組成物が、下記(A)と(B)との反応生成物を含み、
(A)分子内に2つ以上のアミノ基を有するが、−Si−OH基及び−Si−O−C−基を含まないオルガノポリシロキサン化合物であって、アミン当量が300〜6000g/eqであり、両末端アミノ変性ポリジメチルシロキサン型シリコーンオイル、アミノ基含有シリコーンレジン、及び両末端アミノ変性シリコーンオイルからなる群より選ばれるオルガノポリシロキサン化合物、
(B)アミノ基と反応することができる有機官能基及び水酸基を分子内に有し、重量平均分子量が3000〜100000であり、かつ、水酸基価が10〜200mgKOH/gである樹脂であって、前記有機官能基としてのカルボキシル基を有するアクリル樹脂、前記有機官能基としてのエポキシ基を有するアクリル樹脂、及び前記有機官能基としてのメタクリロイル基を有するアクリル樹脂からなる群より選ばれる樹脂、
該反応生成物が分子内に水酸基を有し、
該反応生成物がイソシアネート化合物との反応により塗膜を形成する、
塗料用樹脂組成物。 - (A)のオルガノポリシロキサン化合物中のシロキサン結合が、1つ以上の3方分岐構造(T構造)を含む、請求項1に記載の塗料用樹脂組成物。
- (B)が、エポキシ基を有するアクリル樹脂であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の塗料用樹脂組成物。
- (A)と(B)との反応生成物が、分子内にアミノ基を更に有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の塗料用樹脂組成物。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の塗料用樹脂組成物を含む、塗料。
- 請求項5に記載の塗料で塗装された物品。
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