JP6677495B2 - インプリント装置、及び物品の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、インプリント装置、及び物品の製造方法に関する。
インプリント装置は一般に、半導体プロセス中に発生するパターン形状の誤差を補正する補正機構を備える。これは、モールドの外周部から外力を与えてモールド自体を変形させ、モールドに形成されているパターンの形状を補正するものである。
ここで、モールドはモールド保持部に例えば真空吸着されて保持される。モールドがモールド保持部によって保持された状態で形状の補正が行われると、モールドとモールド保持部との接触面の摩耗に伴うパーティクルが発生する。発生したパーティクルがモールドのパターン面に付着した場合には、基板上に形成されるパターンが歪み、程度によっては転写欠陥が発生してしまう。したがって、このようなパーティクルの発生を抑えることは、高精度なパターン形成を実現するための重要な要請である。
特許文献1は、上記パーティクルの発生を抑えるため、モールドを吸着保持する吸着部を、補正機構によってモールドに加えられる力の方向に変位可能にした構成を開示している。
特開2012−160635号公報
しかし、特許文献1の構成では、吸着部の変形を許容するための構造が複雑になる。
本発明は、例えば、モールドとモールド保持部との接触面における発塵抑制しつつ、モールドの側面に加える力をモールドに効率よく伝達させるのに有利な技術を提供することを目的とする。
本発明の一側面によれば、モールドを用いて基板の上のインプリント材にパターンを形成するインプリント装置であって、記モールドを保持するモールド保持部と、前記モールド保持部に保持された前記モールドの側面を加圧する加圧部とを含み、前記モールド保持部の前記モールドに接触する接触面の一部分は、フッ素系高分子材料、ダイヤモンドライクカーボン、および潤滑性金属のうちいずれかの低摩擦係数材料で構成され、前記モールド保持部の前記接触面の他の部分は、前記低摩擦係数材料以外の材料で構成されていることを特徴とするインプリント装置が提供される。
本発明によれば、モールドとモールド保持部との接触面における発塵抑制しつつ、モールドの側面に印加する力をモールドに効率よく伝達させるのに有利な技術が提供される。
実施形態におけるインプリント装置の構成図。 実施形態におけるインプリント動作を説明する図。 基板上の複数のショット領域に行われるインプリント動作を説明する図。 実施形態における補正機構の構成を示す図。 実施形態におけるモールド保持部のモールド保持面の構成を説明する図。 モールド保持部の構成の変形例を示す図。 低摩擦係数材料の配置例を説明する図。 低摩擦係数材料の配置による効果を説明する図。 実施形態による効果を説明する図。 保持力制御部の構成を示す図。 保持力制御部によるモールド保持部側に発生する垂直抗力の制御を説明する図。 実施形態による効果を説明する図。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の実施に有利な具体例を示すにすぎない。また、以下の実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の課題解決のために必須のものであるとは限らない。
図1に実施形態におけるインプリント装置の構成を示す。本実施形態におけるインプリント装置は例えば、光(例えば、紫外光)の照射によってインプリント材を硬化させる光硬化型インプリント装置である。ただし本発明は、他のエネルギー(例えば、熱)によってインプリント材を硬化させるインプリント装置に適用することも可能である。
インプリント装置100は、インプリント動作を繰り返すことによって基板の上の複数のショット領域にパターンを形成するように構成されている。ここで、1つのインプリント動作は、モールドをインプリント材に接触させた状態でインプリント材を硬化させることによって基板の1つのショット領域にパターンを形成する動作である。
基板微動ステージ2は、基板1をXY方向及びZ方向を回転軸とする回転方向に微小量(例えばXY方向に1mm程度、回転方向に数度程度)駆動可能なステージである。基板粗動ステージ3は、基板1をXY方向に大きく移動させるステージで、互いに直交する方向で基板1の搬入搬出位置から基板全面へのインプリント領域を移動させることができる。インプリント装置のベースフレーム4は、基板微動ステージ2及び基板粗動ステージ3を保持する。
モールド5の表面には凹凸状のパターンが形成されている。インプリント装置100は、このモールド5を用いて基板1の上のインプリント材を成形する。駆動装置5aは、モールド5の上下駆動を行う装置であり、基板上のインプリント材(硬化性組成物)にモールド5を接触させる動作を行う。紫外光発生装置6は、モールド5を介してインプリント材に紫外光を照射してインプリント材を硬化させる。紫外光発生装置6は、例えばi線、g線を発生するハロゲンランプなどの光源と、光源から発生した光を集光成形する機能を含む。
ディスペンサ7は、インプリント材を微小液滴化して吐出することで、基板上に所定量のインプリント材を供給(塗布)することができる。インプリント材はタンク8に貯蔵されており、配管9を介してディスペンサ7に供給される。移動装置10は、ディスペンサ7を、吐出位置と退避位置(メンテナンス位置)との間で移動させる。通常の吐出動作時は移動装置10はディスペンサ7を所定の吐出位置に位置決めする。ディスペンサ7をメンテナンスする際には、移動装置10はディスペンサ7を基板1の上部から外れた所定の退避位置に移動する。
アライメントスコープ11は、ディスペンサ7によってインプリント材が基板上に供給(吐出)された後に、モールド5と基板1とのパターンの位置を合わせるための顕微鏡である。モールド5に設けられたアライメントマークと基板上のアライメントマークとの重ね合わせ状態をアライメントスコープ11で計測することで、相互の位置合わせが行われる。上記したモールド5、駆動装置5a、紫外光発生装置6、ディスペンサ7、タンク8、移動装置10、アライメントスコープ11はそれぞれ、定盤12に支持固定される。
本実施形態におけるインプリント装置100の構成は概ね上記のとおりである。次に、インプリント装置100によるインプリント動作を図2及び図3を参照して説明する。
まず、図2(A)に示されるように、基板微動ステージ2及び基板粗動ステージ3の上に基板1が搭載される。このとき基板1は不図示の基板チャックによって保持される。次に、図2(B)に示されるように、基板微動ステージ2及び基板粗動ステージ3は、基板1がディスペンサ7の下に来るように位置決めを行う。次に、図2(C)に示されるように、ディスペンサ7が所定量のインプリント材を基板1の上に塗布する。次に、図2(D)に示されるように、アライメントスコープ11によりモールド5のアライメントマークと基板1上のアライメントマークとを検出し、その検出結果に基づいてインプリント装置は基板1とモールド5の相対位置の調整を行う。
次に、図3(E)に示されるように、駆動装置5aにより、モールド5を基板1の方向に降下させ、基板1の上のインプリント材にモールド5のパターン部を接触させる。次に、図3(F)に示されるように、紫外光発生装置6が紫外光6aを上から照射する。紫外光6aはモールド5を透過してインプリント材に照射される。この段階で、インプリント材が硬化する。そして、図3(G)に示されるように、モールド5を上方向に剥離(離型)させることで、基板1の上にパターニングされたインプリント材が形成され、インプリント動作が終了する。上述したように、本実施形態におけるインプリント装置100は、インプリント動作を繰り返すことによって基板上の複数のショット領域にパターンを形成するように構成されている。例えば、図4に示されるように、基板1に対して連続したショット番号1,2,3,…の順に、上記インプリント動作が繰り返される。
図5に、本実施形態におけるモールド5の補正機構の構成を示す。図5(A)において、モールド5はモールド保持部51に保持されている。また、モールド5の周囲4面には、モールド5の側面を加圧する加圧部を構成する複数のピエゾアクチュエータ52が配置されている。
図5(B)及び(C)は、図5(A)のA−A’断面図である。モールド保持部51のモールド保持面51aは、モールド5のパターン部53の外周部に当接する位置に形成されており、モールド保持面51aには、モールド5を負圧吸着により引き付けるための吸着溝51bが、パターン部53に沿って周状に形成されている。つまり、吸着溝51bは、Z方向から見てパターン部53を囲むように設けられている。ここで、図5(B)はモールド5がモールド保持部51の直下に搬送された後で、まだモールド保持部51に保持されていない状態を示している。このとき、ピエゾアクチュエータ52は、モールド5の外形より外側に離間した退避位置にある。その後、モールド5が矢印Fの方向にリフトアップされることで、図5(C)に示されるようにモールド保持部51により吸着保持される。ここで、それぞれのピエゾアクチュエータ52によりモールド5の側面に力を加えることで、モールド5のパターン部53の倍率が補正される。また、補正機構は、モールド5のパターン部53の倍率に限らず、パターン部53の形状を変形させることで、パターン部53の形状を補正することもできる。上述したインプリント動作は、このようにモールド5の補正が行われた状態で実行される。
次に、本実施形態におけるモールド保持部51におけるモールド保持面の詳細構成について説明する。図6(A)は、図5(C)と同じく、それぞれのピエゾアクチュエータ52によりモールド5の側面に力を加えてモールド5のパターン部53を補正している状態を示している。図6(B)に、図6(A)における破線で囲まれた領域Rの拡大図を示す。ここで、本実施形態では、モールド保持部51は、モールド保持面51aの少なくとも一部の表面粗さがモールド保持部51におけるモールド保持面以外の面51cの表面粗さより小さくなるように構成されている。そうすることで、モールド5の側面に力を加える際に、モールド保持部51のモールド保持面51aとモールド5との間の滑り移動がスムーズに行われ、発塵を抑制することができる。モールド保持面51aの一部の表面粗さがモールド保持面以外の面51cの表面粗さより小さくなるように構成されていてもよいし、モールド保持面51a全面の表面粗さがモールド保持面以外の面51cの表面粗さより小さくなるように構成されていてもよい。また、モールド保持面51aの一部の表面粗さがモールド保持面5aの他の部分の表面粗さより小さくなるように構成されてもよい。
本実施形態では、モールド保持面51aのモールド5に対する摩擦係数を下げることによって、モールド保持面51aとモールド5との間の滑り移動のスムースネスを確保する。例えば、モールド保持面51aの少なくとも一部を、低摩擦係数材料54で構成する。低摩擦係数材料54は、例えばセラミック系材料より摩擦係数の低い材料で形成される。あるいは、低摩擦係数材料54は、そのような摩擦係数を低くするための加工(コーティング、メッキ、蒸着、又は接合等)が施された材料で形成される。そのような材料として、PTFE樹脂、PFA樹脂等のフッ素系高分子材料を用いることができる。あるいは、そのような材料として、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)、Niメッキ等の潤滑金属材料、あるいはセレン化物相を用いることができる。なお、セレン化物相は、Mo,W,V,Nb,Ta,Ti,Zr,Hf,Re,Th,U,Teよりなるグループのうちの1つ以上を含有する。
モールド5が石英で構成され、モールド保持部51がセラミック系材料で構成された場合、両者間の摩擦係数は0.2〜0.3程度であった。これに対し本実施形態によれば、モールド保持部51のモールド5と接触するモールド保持面の少なくとも一部を低摩擦係数材料54で構成することにより、摩擦係数を0.10〜0.15程度に低下させることができる。
本実施形態によれば、モールド5の補正を行う際に、モールド保持部51のモールド保持面とモールドとの間のすべり移動がスムーズに行われる。これにより、補正機構のピエゾアクチュエータ52によって印加する力が小さくて済むためモールド保持部とモールドとの間の摩擦力の発生が小さく、摩擦粉等の発生を抑えることが可能になる。したがって、モールド周囲からのパーティクルの発生が低減され、モールドのパターン面へのパーティクルの付着に起因する欠陥の発生を抑えることができる。
また、本実施形態によれば、モールド5の補正を行う際に、モールド保持部51のモールド保持面とモールドとの間のとりわけモールドの外周部での最初のすべり移動がスムーズに行われる。これにより、モールド内周部への力の伝達もスムーズに行われ、ピエゾアクチュエータ52を小型化できるという効果も得られる。
なお、図6(B)の例では、モールド保持面51aの一部に低摩擦係数材料54を使用したが、図7(A)に示すように、モールド保持面51aの全面に低摩擦係数材料54を使用してもよい。なお、本実施形態では、モールド保持部51は、モールド5をモールド保持面51aに吸着させるための吸着溝51bを有する。ここで、図7(B)に示すように、吸着溝51bの凹部から突出し、モールド5がモールド保持面51aに吸着された際にそれぞれの一端がモールド5に当接する複数のピン55が設けられていてもよい(ピンチャック)。このとき、複数のピン55のモールド5に当接する端部の表面粗さが他の部分の表面粗さより小さくなるように構成されていてもよい。具体例として、図7(C)に示すように、複数のピン55における、モールド5と当接する部分の表面にも低摩擦係数材料55aがコーティングされるようにしてもよい。
モールドの補正をせずにインプリント動作を行う場合を考えると、パターン部53のパターン面に対しては鉛直方向の力が主にかかる。このとき、モールド5を保持する際の不要な横ズレを発生させてはならない。この点に関しては、図7(A)の如くモールド保持面51aの全てに低摩擦係数材料54を使用した場合には不利となりうる。その点では、図6(B)のように、モールド保持面51aの全てではなく一部に低摩擦係数材料54を使用し、他の部分は従来どおりの大きめの摩擦係数の材料(例えば、セラミック材料)を使用することが有利となりうる。すなわち、モールドの補正による発塵の抑制と、インプリント動作時におけるモールドの不要な水平移動の防止との両立を図るためには、モールド保持面の全てではなく一部に低摩擦係数材料を使用するとよい。
では、モールド保持面の一部に低摩擦係数材料を使用する場合の、その位置について考察する。図8(A)及び図8(B)は、モールド保持部51とモールド5との間の摩擦係数を下げるために、モールド保持部51のモールド5と当接するモールド保持面の一部に低摩擦係数材料54を配置した例を示している。この場合、モールド保持部51側の低摩擦係数材料54のコート面とモールド5との間の摩擦係数は従来構成の0.2〜0.5程度から、0.10〜0.15程度に低下させることができる。
第8(A)に示す構成例1では、モールド保持面51aにおける、パターン部53から面内方向で最も離れた位置にある部分56に低摩擦係数材料54がコーティングされる。この低摩擦係数材料54がコーティングされる部分56は、モールド保持面のうちのピエゾアクチュエータ52に最も近い位置である。一方、パターン部53から近い位置にある部分57には低摩擦係数材料は使用されていない。この例において、低摩擦係数材料54がコーティングされる部分56は、モールド5のパターン部53の外周部のうちの最外周部に位置している。この場合、ピエゾアクチュエータ52からの補正用の力F1がモールド保持部51側に発生する垂直抗力と摩擦係数により発生する摩擦力に変換される割合が軽減される。このとき、図8(A)に示すように、低摩擦係数材料54がコーティングされた部分56と低摩擦係数材料を使用しない部分57との間の領域には、低摩擦係数材料を全く使用しない従来例(図8(C))と比べて低μで変位する長い領域が確保される。したがって、図8(A)の構成例1によれば、補正を効率よく行うことができる。図8(A)では、力F1に対して、変位m1が得られることを示している。
この構成例1によれば、図9(A)に示すように、ピエゾアクチュエータ52からの補正用の力F1が、モールド保持部51側に発生する垂直抗力と摩擦係数により発生する摩擦力に変換される割合が軽減される。そのため、力F1がモールド5に伝達される割合が多くなる。その結果、効率的な力F1で変位m1が得られる。
一方、図8(B)に示す構成例2では、モールド保持面のうち、パターン部53から最も離れた位置にある部分56には低摩擦係数材料が使用されず、パターン部53から近い位置にある部分57に低摩擦係数材料54がコーティングされている。この場合、ピエゾアクチュエータ52からの力F1がモールド保持部51側に発生する垂直抗力と摩擦係数により発生する摩擦力に変換される割合が軽減される領域は、低摩擦係数材料54が使用された部分57からパターン部53までの間の短い領域になる。そのため、図8(A)に示す構成と比較すると低μで変位する領域が小さくなり補正の効率は劣る。そのため、図8(B)の構成例2では、図8(A)と同等の変位m1を得るためには力F1より大きな力F2が必要である。
この構成例2によれば、図9(B)に示すように、ピエゾアクチュエータ52からの補正用の力F1が、モールド保持部51側に発生する垂直抗力と摩擦係数により発生する摩擦力に変換される割合が図9(A)の構成に比べると大きい。したがって、印加した力によって得られる変位の効率は劣ることになる。
図8(B)に示すように、パターン部53から離れた位置にあるモールド保持面の部分56が従来と同じセラミック材の場合には、そこで摩擦力が大きく発生する。そのため、補正用にモールド5に印加される力F1は摩擦力によって減少し、モールド5に効率よく伝達されない。その結果、図9(B)に示すように、補正による変位はm1より小さいm2となる。つまり同じ力F1を印加しても、補正による変位は、図8(A)の構成よりも小さくなる。
図8(C)は、保持面の全てが例えばセラミック材で構成され、低摩擦係数材料54が使用されない従来例を示している。この場合、図9(C)に示すように、ピエゾアクチュエータ52からの補正用に印加される力F1が、モールド保持部51側に発生する垂直抗力と摩擦係数により発生する摩擦力に変換される割合が大きく、上記した低μで変位する領域が確保されない。そのため、補正用に印加される力がモールド5に効率よく伝達されない。その結果、図9(C)に示すように、印加する力を同じくF1とした場合、印加力は摩擦力により減少し、力F1を印加した場合の補正による変位は、m1,m2より小さいm3にとどまる。図8(C)は、図8(A),(B)と同等の変位m1を得るためには、力F1,F2よりも大きな力F3を印加する必要があることを示している。
図10に、図8(A)〜(C)の各構成について、補正時のピエゾアクチュエータ52によってモールドに印加される力と、それによるモールドの変位との関係を示す。ここで、補正時に、ピエゾアクチュエータ52により、モールド5に力F1を印加したとする。構成例1(図8(A))では、印加される力F1がモールド保持部51側に発生する抗力と摩擦係数により発生する摩擦力に変換される割合が少なく、力F1がモールド5に効率よく伝達される。その結果得られるモールド5の変位はm1である。構成例2(図8(B))では、印加される力F1がモールド保持部51側に発生する抗力と摩擦係数により発生する摩擦力に変換される割合が構成例1よりは大きく、モールド5の変位はm1よりは小さいm2である。従来例(図8(C))では、印加される力F1がモールド保持部51側に発生する抗力と摩擦係数により発生する摩擦力に変換される割合が構成例2よりも更に大きく、モールド5の変位はm2より更に小さいm3となる。
本実施形態によれば、モールドの補正時のモールドとモールド保持部との摩擦に起因する発塵を低減することが可能になる。これにより、モールドのパターン面へのパーティクルの付着による欠陥の発生を抑制することができる。
また、本実施形態によれば、モールドの補正を行う際に、ピエゾアクチュエータによって印加される力がモールドに効率よく伝達されるので、モールドの変位がスムーズに行われる。したがって、補正用の力を発生させるピエゾアクチュエータを、従来の構成と比較して相対的に小型化することも可能になる。
モールドの補正を行う際に、モールド保持部側に発生する垂直抗力を制御することにより、モールドとモールド保持部との摩擦力を効果的に低減することも考えられる。以下、これを構成例3として説明する。
実施形態において、モールド保持部51によるモールド5の保持力を制御する機構を備えてもよい。図11に、モールド保持部51の保持力を制御する保持力制御部13を示す。保持力制御部13は、例えば、モールド保持部51における吸着溝51bとモールドとの間に形成される閉空間における負圧状態を調整することでモールド5の保持力を制御する。
図12を参照して、保持力制御部13によるモールド保持部側に発生する垂直抗力の制御の方法を説明する。保持力制御部13は、モールド5の補正を行わない期間中は、負圧圧力をP2に設定している。そして、モールド5の補正時のみ、保持力制御部13は負圧圧力をP1まで弱める。負圧圧力を弱めることで、モールド保持部側に発生する垂直抗力をN2からN1に小さくすることができる。その結果、モールド保持面の摩擦力をより小さくすることができ、ピエゾアクチュエータ52が発生する力を更に低減することが可能となる。
図13に、従来例及び構成例1〜3の各構成について、補正時のピエゾアクチュエータ52によってモールドに印加される力と、それによるモールドの変位との関係を示す。これは、図10に構成例3のグラフを追加したものである。構成例3によれば、補正時にモールド5に対する負圧吸引力を弱くするよう制御するので、補正のために印加される力F1がモールド5に更に効率よく伝達される。その結果得られるモールド5の変位はm1より大きいm1’となる。したがって、構成例3によれば、上述した他の構成例と比べて、補正で同じ変位を得るためには、モールドに印加する力は更に小さな力で済む。
このように、構成3によれば、モールド保持面の摩擦力を更に小さくすることができるので、モールドの補正時のモールドとモールド保持部との摩擦に起因する発塵をよりいっそう低減することが可能になる。
<物品の製造方法の実施形態>
本発明の実施形態に係る物品の製造方法は、例えば、半導体デバイス等のマイクロデバイスや微細構造を有する素子等の物品を製造するのに好適である。本実施形態の物品の製造方法は、基板上のインプリント材に上記インプリント装置を用いてパターン形成を行う工程(インプリント処理を基板に行う工程)と、かかる工程でパターンを形成された基板(インプリント処理を行われた基板)を加工する工程とを含む。更に、かかる製造方法は、他の周知の工程(酸化、成膜、蒸着、ドーピング、平坦化、エッチング、レジスト剥離、ダイシング、ボンディング、パッケージング等)を含む。本実施形態の物品の製造方法は、従来の方法に比べて、物品の性能・品質・生産性・生産コストの少なくとも1つにおいて有利である。
100:インプリント装置、1:基板、5:モールド、51:モールド保持部、54:低摩擦係数材料

Claims (10)

  1. モールドを用いて基板の上のインプリント材にパターンを形成するインプリント装置であって、
    記モールドを保持するモールド保持部と、
    前記モールド保持部に保持された前記モールドの側面を加圧する加圧部と、
    を含み、
    前記モールド保持部の前記モールドに接触する接触面の一部分は、フッ素系高分子材料、ダイヤモンドライクカーボン、および潤滑性金属のうちいずれかの低摩擦係数材料で構成され、
    前記モールド保持部の前記接触面の他の部分は、前記低摩擦係数材料以外の材料で構成されている
    とを特徴とするインプリント装置。
  2. 前記モールド保持部は、前記接触面の一部の表面粗さが前記接触面の他の部分の表面粗さより小さくなるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のインプリント装置。
  3. 前記モールド保持部は、前記接触面の一部分と前記モールドとの間の摩擦係数が、前記接触面の他の部分と前記モールドとの間の摩擦係数より小さくなるように構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のインプリント装置。
  4. 前記接触面の一部分と前記モールドとの間の摩擦係数は、0.1から0.15の間であり、前記接触面の他の部分と前記モールドとの間の摩擦係数は、0.2から0.3の間であることを特徴とする請求項3に記載のインプリント装置。
  5. 前記モールド保持部の前記接触面の一部分は、前記接触面の他の部分よりも外側に位置していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のインプリント装置。
  6. 前記モールド保持部は、
    前記モールドを着させるための吸着溝と、
    前記吸着溝の凹部から突出して、前記モールドが前記モールド保持に吸着された際にそれぞれの一端が前記モールドに当接する複数のピンと、
    を含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のインプリント装置。
  7. 前記複数のピンは、前記モールドに当接する端部の表面粗さが前記接触面の他の部分の表面粗さより小さくなるように構成されていることを特徴とする請求項に記載のインプリント装置。
  8. 前記モールド保持部と前記モールドとの間に形成される閉空間における負圧状態を調整することで前記モールドの前記接触面への保持力を制御する保持力制御部を含み、
    前記保持力制御部は、前記加圧部により前記モールドの側面を加圧するときは、加圧しないときよりも負圧圧力を弱める
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のインプリント装置。
  9. 前記モールドは、石英で構成され、接触面の他の部分は、セラミック系材料で構成されている
    とを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のインプリント装置。
  10. 請求項1乃至9のうちいずれか1項に記載のインプリント装置を用いてパターン形成を基板に行う工程と、
    前記工程で前記パターン形成を行われた前記基板を処理する工程と、
    を含むことを特徴とする物品の製造方法。
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