JP6676998B2 - 電気光学装置、および電子機器 - Google Patents

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本発明は、電気光学装置、および電子機器に関する。
有機EL(Electro Luminescence)材料等の発光材料を利用した発光装置が知られている(例えば、特許文献1)。特許文献1の発光装置は、発光機能層を挟む第1電極および第2電極と、第2電極の面上に形成された封止体と、を備えている。封止体は、有機材料で形成された第1封止層を含んでいる。
特開2015−76300号公報
ところで、第1封止層(有機層)は、有機材料で形成されているため、発光装置の外部と接触することは避けるのが好ましい。そのため、第1封止層は無機材料で構成された層で覆われ、発光装置(電気光学装置)の外縁は第1封止層の外縁よりも外側に配置される。
特許文献1において、第1封止層(有機層)は、第2電極よりも外側に位置している。そのため、発光装置の外縁は、第2電極よりも外側に位置する第1封止層よりも、さらに外側に配置されることとなり、発光機能層(発光層)の外縁から発光装置の外縁までの距離が大きくなる問題があった。すなわち、発光装置における発光領域の周りの額縁の幅が大きくなる問題があった。
本発明の一つの態様は、上記問題点に鑑みて成されたものであって、額縁の幅を小さくできる構造を有する電気光学装置、およびそのような電気光学装置を備えた電子機器を提供することを目的の一つとする。
本発明の電気光学装置の一つの態様は、配線層を含む基体と、前記基体上に位置する複数の第1電極と、前記第1電極を覆う発光層と、前記発光層を介して、複数の前記第1電極を覆う第2電極と、無機層および有機層を含み、前記第2電極を覆う封止膜と、を備え、前記第2電極は、前記配線層と接続されたコンタクト部を有し、平面視において、前記有機層の外縁の少なくとも一部は、前記コンタクト部よりも外側に位置し、かつ、前記第2電極の外縁と同じ位置、または前記第2電極の外縁よりも内側に位置することを特徴とする。
本発明の電気光学装置の一つの態様によれば、平面視において、有機層の外縁の少なくとも一部は、第2電極の外縁よりも内側に位置している。そのため、発光層によって構成される発光領域から有機層の外縁までの距離を小さくでき、電気光学装置の外縁を発光領域に近い位置に配置することができる。したがって、発光領域の外縁から電気光学装置の外縁までの距離、すなわち額縁の幅を小さくできる。以上により、本発明の電気光学装置の一つの態様によれば、額縁の幅を小さくできる構造を有する電気光学装置が得られる。
平面視において、前記有機層の外縁の全体は、前記コンタクト部よりも外側に位置し、かつ、前記第2電極の外縁と同じ位置、または前記第2電極の外縁よりも内側に位置する構成としてもよい。
この構成によれば、発光領域の周囲のいずれの箇所においても、額縁の幅を小さくできる。
前記第2電極は、銀とマグネシウムの合金で構成されており、前記合金における銀に対するマグネシウムのモル比は、1以上であり、前記第2電極の厚みは、15nm以上、30nm以下である構成としてもよい。
この構成によれば、第2電極における有機層よりも外側に位置する部分に水分が接触しても、マグネシウムによって水分が吸着されて、水分が電気光学装置の内側に入り込むことを抑制できる。
前記基体と前記第2電極との間に位置し、平面視において前記第1電極と重なる位置に開口部を有する隔壁層をさらに備え、前記隔壁層は、無機材料で構成されていてもよい。
この構成によれば、隔壁層が水分の経路とならず、コンタクト部に水分が到達することを抑制できる。また、隔壁層による封止性を向上できる。
平面視において、前記隔壁層の一部は、前記第2電極の外縁よりも外側に位置する構成としてもよい。
この構成によれば、コンタクト部に水分が到達することを抑制できる効果を、特に大きく得られる。
前記無機層は、第1無機層と、第2無機層と、を含み、前記有機層は、前記第1無機層と前記第2無機層との間に位置し、平面視において、前記第1無機層の外縁および前記第2無機層の外縁は、前記第2電極の外縁よりも外側に位置する構成としてもよい。
この構成によれば、第2電極をより保護しやすく、第2電極に水分が接触することを抑制できる。
本発明の電子機器の一つの態様は、上記の電気光学装置を備えることを特徴とする。
本発明の電子機器の一つの態様によれば、上記の電気光学装置を備えるため、電気光学装置を電子機器の表示装置として用いることで、表示装置全体の大きさに対して、表示領域を大きく、額縁を小さくできる。したがって、表示領域を確保しつつ、表示装置全体を小型化および軽量化できる。その結果、電子機器全体を小型化および軽量化できる。
第1実施形態の有機EL装置を示す平面図である。 第1実施形態の有機EL装置の部分を示す断面図である。 第1実施形態の有機EL装置の電気的な構成を示す等価回路図である。 第2実施形態の有機EL装置の部分を示す断面図である。 電子機器の実施形態を示す図である。 比較例1の有機EL装置を示す平面図である。 比較例1の有機EL装置の部分を示す断面図である。 比較例2の有機EL装置の部分を示す断面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る電気光学装置について説明する。以下の説明においては、電気光学装置の一例として、有機EL装置について説明する。なお、本発明の範囲は、以下の実施の形態に限定されず、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、各構造における縮尺および数等を、実際の構造における縮尺および数等と異ならせる場合がある。
<第1実施形態>
図1は、有機EL装置100を示す平面図である。図2は、有機EL装置100の部分を示す断面図である。図3は、本実施形態の有機EL装置100の電気的な構成を示す等価回路図である。図1においては、充填材層50、カラーフィルター90、ガスバリア層62、および電極保護層61の図示を省略している。
本実施形態の有機EL装置100は、例えば、トップエミッション型の有機EL装置である。図1に示すように、有機EL装置100には、発光領域E1と、非発光領域E2と、が設けられている。発光領域E1は、後述する有機EL層40が発光することで画像が表示される領域である。発光領域E1は、複数の画素18が配列された矩形状である。
非発光領域E2は、発光領域E1の周りを囲む矩形枠状の領域である。非発光領域E2は、発光領域E1の外縁から有機EL装置100の外縁100aまで設けられている。本実施形態において有機EL装置100の外縁100aは、後述する基体10の外縁である。本実施形態においては、非発光領域E2が、有機EL装置100の額縁に相当する。非発光領域E2は、実装領域E3を含んでいる。
実装領域E3には、複数の実装端子19が配列されている。制御信号および電源電位は、制御回路および電源回路等の各種の外部回路(図示せず)から実装端子19に供給される。外部回路は、例えば実装領域E3に接合された可撓性の配線基板(図示せず)に実装される。
有機EL装置100は、図1および図2に示すように、基体10と、複数の画素電極(第1電極)31と、隔壁層24と、有機EL層(発光層)40と、共通電極(第2電極)70と、封止膜60と、カラーフィルター90と、充填材層50と、保護基板11と、を備えている。有機EL装置100は、各部が所定方向に沿って互いに積層されて構成されている。
以下の説明においては、有機EL装置100の各部が積層される所定方向を上下方向とし、図2における上側を上下方向の上側、図2における下側を上下方向の下側として各部の位置関係を説明する。上下方向、上側および下側は、単に各部の位置関係を説明するための名称であり、実際の各部の位置関係および実際の有機EL装置100の使用態様および姿勢を限定しない。
なお、本明細書において、平面視とは、有機EL装置100の各部が積層される所定方向(上下方向)に沿って視ることを含む。
詳細な図示は省略するが、基体10は、半導体基板と、半導体基板上に形成された複数のトランジスターと、トランジスター上に配置された多層配線層と、を含んでいる。多層配線層は、複数の絶縁層と、複数の配線層と、が交互に積層されて構成されている。
基体10の配線層には、図3に示すように、互いに交差する複数の走査線12および複数のデータ線13と、第1電源線14と、が含まれている。複数の走査線12は、走査線駆動回路16に接続されている。複数のデータ線13は、データ線駆動回路15に接続されている。画素18は、複数の走査線12と複数のデータ線13との各交差部に対応してマトリックス状に配置されている。
また、基体10の配線層には、図2に示すコンタクト配線10aが含まれている。コンタクト配線10aは、共通電極70と電気的に接続されている。コンタクト配線10aは、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)等の光透過性の導電材料で形成されている。また、図示は省略するが、基体10の配線層には、コンタクト配線10aと電気的に接続され、共通電極70に電位を与える第2電源線が含まれている。第2電源線には、第1電源線14よりも低い電源電位が供給されている。
基体10のトランジスターには、図3に示すように、複数のスイッチング用トランジスター21と、複数の駆動用トランジスター23と、が含まれている。スイッチング用トランジスター21および駆動用トランジスター23は、例えば、薄膜トランジスター(TFT:Thin Film Transistor)、MOSトランジスター(MOSFET:Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)等である。スイッチング用トランジスター21および駆動用トランジスター23は、Nチャネル型であってもよいし、Pチャネル型であってもよい。
スイッチング用トランジスター21のゲートは走査線12に接続され、ソースまたはドレインのうち一方がデータ線13に接続され、ソースまたはドレインのうち他方が駆動用トランジスター23のゲートに接続されている。駆動用トランジスター23のソースまたはドレインのうち一方が画素電極31に接続され、ソースまたはドレインのうち他方が第1電源線14に接続されている。駆動用トランジスター23のゲートと第1電源線14との間には、蓄積容量22が接続されている。
スイッチング用トランジスター21、駆動用トランジスター23、および蓄積容量22は、画素回路20を構成している。画素回路20は、画素18ごとに設けられ、発光素子としての有機EL素子80の駆動を制御する。有機EL素子80は、基体10上に画素18ごとに設けられている。有機EL素子80は、画素電極31と、有機EL層40と、共通電極70と、によって構成されている。このような有機EL素子80は、図3に示すように、電気的にダイオードとして表記することができる。
なお、詳しくは後述するが、画素電極31は、画素18ごとに形成されており、共通電極70および有機EL層40は、複数の画素18に亘って連続して形成されている。すなわち、画素18ごとに有機EL素子80が形成されていると説明したが、本実施形態において、有機EL素子80を構成する有機EL層40および共通電極70は、画素18ごとに複数設けられているわけではなく、それぞれ1つずつ設けられている。
複数の画素電極31は、図2に示すように、基体10上に位置している。画素電極31は、有機EL素子80の陽極として機能する略矩形状の電極である。画素電極31は、画素18ごとに設けられている。画素電極31は、例えば、ITO等の光透過性の導電材料または反射性を有する金属材料で形成されている。画素電極31は、駆動用トランジスター23を介して、画素回路20と電気的に接続されている。
隔壁層24は、基体10上に接触して形成された絶縁性を有する層である。隔壁層24の膜厚は、画素電極31、有機EL層40および共通電極70等に比べて厚い。隔壁層24は、平面視において画素電極31と重なる位置に複数の開口部24aを有している。開口部24aは、隔壁層24を上下方向に貫通している。各開口部24aの内側には、各画素電極31、有機EL層40のうち有機EL素子80を構成する部分、および共通電極70のうち有機EL素子80を構成する部分が配置されている。これにより、隔壁層24は、画素電極31同士の間の絶縁性を確保しつつ、有機EL素子80を区分している。
本実施形態において隔壁層24は、平面視において、有機EL層40の外縁よりも内側に位置している。隔壁層24は、積層方向(上下方向)において、基体10と共通電極70との間に位置している。隔壁層24は、基体10の上面と有機EL層40の下面とに、接触した状態で挟まれている。本実施形態において隔壁層24は、例えば、アクリル、ポリイミド等の有機材料で構成されている。
なお、本明細書において、平面視において所定対象が他の対象よりも「内側」に位置するとは、平面視において、所定対象が、他の対象に対して、有機EL装置の外縁から有機EL装置の中央に向かう側に位置することを含む。また、本明細書において、平面視において所定対象が他の対象よりも「外側」に位置するとは、平面視において、所定対象が、他の対象に対して、有機EL装置の中央から有機EL装置の外縁に向かう側に位置することを含む。また、本明細書において、所定対象の「外縁」とは、平面視における所定対象の外側の端部を含む。
図2、図4、図7および図8においては、有機EL装置100の外縁100aから有機EL装置100の中央よりも手前の部分までの断面を示している。すなわち、図2、図4、図7および図8においては、図2、図4、図7および図8の左右方向における左側が「外側」であり、右側が「内側」である。また、図2、図4、図7および図8においては、左右方向における左側の端部が「外縁」である。
有機EL層40は、図2に示すように、画素電極31上および隔壁層24上に接触して形成されている。有機EL層40は、画素電極31および隔壁層24を覆っている。有機EL層40は、発光領域E1の全域に形成され、複数の画素18に亘って連続して設けられている。有機EL層40の外側の部分は、基体10の上面と接触している。図1に示すように、平面視において、有機EL層40の外縁は、発光領域E1よりも外側に位置している。有機EL層40の平面視形状は、例えば、矩形状である。
有機EL層40は、有機EL材料で形成された発光層を含んで構成され、電流の供給により白色光を放射する。白色光は、青色の波長域と緑色の波長域と赤色の波長域とにわたるスペクトルを有する光であり、可視光の波長域内に少なくとも2個のピークが観測される。なお、発光層に供給される電子および正孔の輸送層または注入層を有機EL層40に含ませることも可能である。
共通電極70は、図2に示すように、有機EL層40上に接触して形成されている。共通電極70は、有機EL素子80の陰極として機能する。共通電極70は、複数の画素18に亘って連続して設けられている。共通電極70は、有機EL層40を介して、複数の画素電極31を覆っている。共通電極70の外縁は、有機EL層40の外縁よりも外側に位置している。共通電極70は、有機EL層40の外縁よりも外側において、基体10の上面と接触している。図1に示すように、共通電極70の平面視形状は、例えば、矩形状である。
共通電極70は、図2に示すように、基体10の配線層の一つであるコンタクト配線10aと接続されたコンタクト部71を有している。コンタクト部71は、基体10の上面から下側に窪んでいる。コンタクト部71の下端がコンタクト配線10aの上面に接触して、コンタクト部71とコンタクト配線10aとが電気的に接続されている。これにより、共通電極70は、コンタクト配線10aを介して、基体10の図示しない第2電源線と電気的に接続され、共通電極70には、第2電源線から電位が与えられる。図1に示すように、コンタクト部71の平面視形状は、例えば、矩形枠状である。
本実施形態において共通電極70は、銀とマグネシウムの合金(以下、単にマグネシウム合金と呼ぶ場合がある)で構成されている。共通電極70を構成するマグネシウム合金における銀に対するマグネシウムのモル比は、1以上である。共通電極70の厚みD1は、15nm以上、30nm以下である。これにより、共通電極70に接触した水分が、共通電極70を介して内側に浸入することを好適に抑制できる。
一例として、マグネシウム合金における銀に対するマグネシウムのモル比は、10であることが好ましい。また、一例として、共通電極70の厚みD1は、20nmであることが好ましい。これにより、共通電極70に接触した水分が、共通電極70を介して内側に浸入することをより好適に抑制できる。共通電極70は厚みD1が小さいため、光透過性を有している。
なお、本明細書において共通電極70の厚みD1は、有機EL装置100の各部が積層される所定方向(本実施形態では、例えば上下方向)における共通電極70の寸法である。
封止膜60は、共通電極70上に接触して形成された光透過性の膜である。封止膜60は、共通電極70を覆っている。封止膜60は、基体10の図示しない半導体基板よりも上側に形成された各部を封止して、外気および水分が有機EL装置100の内部に入り込むことを抑制する。封止膜60は、無機層および有機緩衝層(有機層)63を含んでいる。封止膜60の無機層は、無機材料で構成されており、電極保護層(第1無機層)61と、ガスバリア層(第2無機層)62と、を含んでいる。
電極保護層61は、共通電極70上に接触して形成されている。電極保護層61は、共通電極70を覆っている。平面視において、電極保護層61の外縁は、共通電極70の外縁よりも外側に位置している。電極保護層61は、共通電極70よりも外側において、基体10の上面と接触している。電極保護層61は、基体10上の全体に亘って設けられている。すなわち、平面視において、電極保護層61の外縁は、基体10の外縁(有機EL装置100の外縁100a)と同じ位置にある。電極保護層61は、光透過性を有している。電極保護層61は、例えば、酸窒化シリコン(SiON)で構成されている。
有機緩衝層63は、電極保護層61上に接触して形成されている。有機緩衝層63は、隔壁層24の形状およびコンタクト部71の形状等の影響により、凹凸状に形成された電極保護層61の凹凸部分を埋めるように配置されている。有機緩衝層63の上面は略平坦に形成されている。すなわち、有機緩衝層63は、電極保護層61の上面を平坦化する平坦化膜として機能している。また、言い換えれば、有機緩衝層63の上面の凹凸は、有機緩衝層63の下面の凹凸よりも小さく構成されている。
有機緩衝層63は、外部からの機械的衝撃に対して緩衝機能を有している。また、有機緩衝層63は、基体10の半導体基板の反り、および体積膨張によって発生する応力を緩和し、不安定な形状の隔壁層24からの電極保護層61の剥離を抑制する機能を有する。
図1および図2に示すように、平面視において、有機緩衝層63の外縁の少なくとも一部は、共通電極70のコンタクト部71よりも外側に位置し、かつ、共通電極70の外縁よりも内側に位置している。本実施形態においては、有機緩衝層63の外縁の全体が、コンタクト部71よりも外側に位置し、かつ、共通電極70の外縁よりも内側に位置している。図1に示すように、有機緩衝層63の平面視形状は、例えば、矩形状である。図2に示すように、有機緩衝層63の外側の端面は、有機緩衝層63の上面に向かうに従って内側に傾く傾斜面である。平面視において、有機緩衝層63の上面に向かうに従って内側に傾く傾斜面が電極保護層61の上面と交わる部位が、コンタクト部71よりも外側に位置し、かつ、共通電極70の外縁よりも内側に位置していればよい。平面視において、有機緩衝層63の傾斜面の一部、例えば、傾斜面の上側の部分がコンタクト部71と重なるようにしてもよい。
有機緩衝層63は、光透過性を有している。有機緩衝層63は、例えば、ウレタン系、アクリル系、エポキシ系、ポリオレフィン系等の、柔軟でガラス転移点が低い樹脂材料からなる接着剤によって構成されている。本実施形態において有機緩衝層63は、例えば、エポキシ樹脂である。
ガスバリア層62は、有機緩衝層63上に接触して形成されている。すなわち、有機緩衝層63は、電極保護層61とガスバリア層62との間に位置している。ガスバリア層62は、有機緩衝層63を覆っている。平面視において、ガスバリア層62の外縁は、有機緩衝層63の外縁よりも外側に位置している。ガスバリア層62は、有機緩衝層63よりも外側において、電極保護層61の上面と接触している。すなわち、有機緩衝層63の外縁近傍において、ガスバリア層62は電極保護層61と接している。平面視において、ガスバリア層62の外縁は、共通電極70の外縁よりも外側に位置している。
ガスバリア層62は、基体10上の全体に亘って設けられている。すなわち、平面視において、ガスバリア層62の外縁は、基体10の外縁(有機EL装置100の外縁100a)と同じ位置にある。平面視において、ガスバリア層62の外縁と電極保護層61の外縁とは同じ位置にある。
有機緩衝層63の上面が略平坦化されているため、ガスバリア層62の上面のうち有機緩衝層63上に位置する部分は、略平坦化されている。これにより、ガスバリア層62において応力が集中する部位がなく、ガスバリア層62でクラックが生じることを抑制できる。
ガスバリア層62は、光透過性を有している。ガスバリア層62は、有機EL装置100の内部に酸素および水分等が浸入するのを抑制する。ガスバリア層62が設けられることで、酸素および水分等による有機EL素子80の劣化等を抑えることができる。ガスバリア層62は、透明性、ガスバリア性、耐水性等を考慮して、好ましくは窒素を含む珪素化合物等で形成される。本実施形態においてガスバリア層62は、例えば、酸窒化シリコン(SiON)で構成されている。
カラーフィルター90は、封止膜60(ガスバリア層62)上に接触して形成されている。平面視において、カラーフィルター90の外縁は、有機緩衝層63の外縁よりも内側に位置している。カラーフィルター90の外縁は、有機EL層40の外縁とほぼ同じ位置にある。図示は省略するが、カラーフィルター90の平面視形状は、例えば、矩形状である。
カラーフィルター90は、特定の波長の単色光を透過させる着色された層である。図示は省略するが、カラーフィルター90は、赤色光を透過させるカラーフィルターと、緑色光を透過させるカラーフィルターと、青色光を透過させるカラーフィルターと、の3種類のカラーフィルターを含んでいる。各種のカラーフィルターは、各画素18に対応して設けられている。
充填材層50は、カラーフィルター90上およびガスバリア層62上に接触して形成されている。充填材層50は、保護基板11とカラーフィルター90およびガスバリア層62とを接着する接着剤からなる層である。充填材層50を構成する接着剤は、光透過性を有しているならば、特に限定されない。
保護基板11は、充填材層50を介して、カラーフィルター90およびガスバリア層62の上側に接着されている。図1および図2に示すように、平面視において、保護基板11の外縁は、有機EL装置100の外縁100aよりも内側に位置している。平面視において、保護基板11の外縁は、充填材層50の外縁とほぼ同じ位置にある。保護基板11の平面視形状は、例えば、矩形状である。保護基板11は、例えば、ガラス、石英等で形成された光透過性を有する板状部材である。
有機EL装置100において、基体10の走査線12が駆動されてスイッチング用トランジスター21がオン状態になると、データ線13から供給される画像信号に基づく電位がスイッチング用トランジスター21を介して蓄積容量22に保持される。蓄積容量22の電位すなわち駆動用トランジスター23のゲート電位に応じて、駆動用トランジスター23のオン・オフ状態が決まる。そして、駆動用トランジスター23がオン状態になると、第1電源線14から駆動用トランジスター23を介して画素電極31と共通電極70とに挟まれた有機EL層40にゲート電位に応じた量の電流が流れる。有機EL素子80は、有機EL層40を流れる電流量に応じて発光する。
有機EL素子80から射出された光は、封止膜60を介してカラーフィルター90に入射される。カラーフィルター90に入射された光は、カラーフィルター90の種類に応じた波長域の光のみが透過され、他の波長域の光の大半は遮られる。カラーフィルター90を透過した光は、充填材層50および保護基板11を介して、保護基板11の上面から射出される。このようにして、有機EL装置100の発光領域E1から光が射出される。
図6は、比較例1の有機EL装置300を示す平面図である。図7は、比較例1の有機EL装置300の部分を示す断面図である。図6においては、カラーフィルター90、充填材層50、ガスバリア層62、および電極保護層61の図示を省略している。なお、比較例1において本実施形態と同様の構成については、適宜同一の符号を付す等により説明を省略する場合がある。
図6および図7に示す有機EL装置300の共通電極370は、銀とマグネシウムとの合金で構成されている。共通電極370を構成するマグネシウム合金における銀に対するマグネシウムのモル比は、1以上である。共通電極370の厚みD2は、15nmよりも小さく、例えば、10nmである。共通電極370のコンタクト部371は、本実施形態のコンタクト部71と同様である。
有機EL装置300の封止膜360における有機緩衝層363は、平面視において、外縁が共通電極370の外縁よりも外側に位置している。そのため、発光領域E1の外縁から有機緩衝層363の外縁までの距離が大きくなり、結果として、発光領域E1から有機EL装置300の外縁300aまでの距離、すなわち非発光領域E4の幅L2(額縁の幅)が大きくなる問題があった。
これに対して、本実施形態によれば、図1および図2に示すように、平面視において、有機緩衝層63の外縁の少なくとも一部は、共通電極70の外縁よりも内側に位置している。そのため、発光領域E1から有機緩衝層63の外縁までの距離を小さくでき、有機EL装置100の外縁100aを発光領域E1に近い位置に配置することができる。したがって、発光領域E1の外縁から有機EL装置100の外縁100aまでの距離、すなわち非発光領域E2の幅L1(額縁の幅)を小さくできる。以上により、本実施形態によれば、額縁の幅を小さくできる構造を有する有機EL装置100が得られる。
額縁の幅を小さくできることで、有機EL装置100における発光領域E1が占める比率を大きくでき、有機EL装置100全体の大きさに比して発光領域E1が大きい有機EL装置100が得られる。したがって、例えば、有機EL装置100を画像表示装置に用いる場合には、表示領域の大きさを同じとしつつ、画像表示装置全体の大きさを小型化することが可能である。
また、本実施形態によれば、平面視において、有機緩衝層63の外縁は、共通電極70のコンタクト部71よりも外側に位置している。そのため、コンタクト部71が有機緩衝層63によって保護され、コンタクト部71に酸素および水分が入り込むことを抑制できる。これにより、コンタクト部71が酸化等によって劣化することを抑制でき、共通電極70と基体10のコンタクト配線10aとの電気的な接続が切断されることを抑制できる。
また、本実施形態によれば、平面視において、有機緩衝層63の外縁の全体は、共通電極70の外縁よりも内側に位置している。そのため、発光領域E1の周囲のいずれの箇所においても、非発光領域E2の幅L1、すなわち額縁の幅を小さくできる。
また、例えば、共通電極70における有機緩衝層63よりも外側に位置する部分は、有機緩衝層63が上側に配置されていないことで封止膜60による封止性が低下する場合がある。また、共通電極70における有機緩衝層63よりも外側に位置する部分は、上述したように非発光領域E2の幅L1が小さいため、有機EL装置100の外縁100aに比較的近い。そのため、共通電極70における有機緩衝層63よりも外側に位置する部分には、電極保護層61と基体10との間等から入り込んだ水分が接触する場合がある。
ここで、マグネシウムは、水分と接触して酸化マグネシウムとなることで、水分の吸着剤として機能する。しかし、例えば、共通電極の構成が比較例1の共通電極370の構成と同じ場合、共通電極370の厚みD2が比較的小さく、平面視における単位面積当たりの共通電極370に含まれるマグネシウムの量が比較的少ない。そのため、マグネシウムの水分の吸着機能が不十分となり、水分が共通電極370を伝って内側へと移動する場合がある。これにより、有機EL装置の内部に水分が入り込み、コンタクト部の劣化、および有機EL素子の劣化が生じる場合がある。
これに対して、本実施形態によれば、共通電極70は、銀に対するマグネシウムのモル比が1以上の銀とマグネシウムとの合金で構成され、共通電極70の厚みD1は、15nm以上である。そのため、平面視における単位面積当たりの共通電極70に含まれるマグネシウムの量を十分に多くできる。これにより、共通電極70における有機緩衝層63よりも外側に位置する部分に水分が接触しても、マグネシウムによって水分が吸着されて、水分が有機EL装置100の内側に入り込むことを抑制できる。したがって、共通電極70の劣化(酸化)が、有機緩衝層63よりも外側の部分から内側に進行することを抑制できる。以上により、本実施形態によれば、額縁の幅が小さく、かつ、信頼性に優れた有機EL装置100が得られる。また、共通電極70における有機緩衝層63よりも外側に位置する部分は、コンタクト部71に設けられた共通電極70よりも平坦に形成されることが好ましい。これによれば、有機緩衝層63がなくとも、封止膜60はそのガスバリア性能を発現できる。
また、本実施形態のようにトップエミッション型の有機EL装置100では、有機EL層40から射出される光が共通電極70を介して上方に射出される。そのため、共通電極70の厚みD1が大きすぎると、共通電極70の光透過性が低下して、有機EL装置100の光利用効率が低下する問題がある。これに対して、共通電極70の厚みD1を30nm以下とすることで、有機EL装置100の光利用効率を好適に維持できる。
また、本実施形態によれば、有機緩衝層63は、電極保護層61とガスバリア層62との間に位置しており、電極保護層61の外縁およびガスバリア層62の外縁は、共通電極70の外縁よりも外側に位置している。そのため、共通電極70をより保護しやすく、共通電極70に水分が接触することを抑制できる。
なお、本実施形態においては、以下の構成を採用することもできる。
有機緩衝層63の外縁は、少なくとも一部において、コンタクト部71よりも外側に位置し、かつ、共通電極70の外縁よりも内側に位置していればよい。すなわち、有機緩衝層63の外縁の一部は、コンタクト部71よりも内側に位置してもよいし、共通電極70の外縁よりも外側に位置してもよい。例えば、共通電極70の外縁の4辺のうち1辺のみが、コンタクト部71よりも外側に位置し、かつ、共通電極70の外縁よりも内側に位置していてもよい。
また、コンタクト部71の形状は、特に限定されず、円環状であってもよい。また、上記説明において、コンタクト部71は、1周に亘って連続して繋がる枠状としたが、これに限られない。コンタクト部71は、例えば、1周のうちの一部が設けられていなくてもよい。具体的には、例えば、図1に示すコンタクト部71の4辺のうちの一部が設けられていなくてもよい。
平面視において、有機緩衝層63の外縁の少なくとも一部は、共通電極70の外縁と同じ位置にあってもよい。この場合においても、発光領域E1の外縁から有機緩衝層63の外縁までの距離を小さくでき、非発光領域E2の幅L1(額縁の幅)を小さくできる。
<第2実施形態>
第2実施形態は、第1実施形態に対して、隔壁層の構成が異なる。なお、上記実施形態と同一の構成については、適宜同一の符号を付す等により説明を省略する場合がある。図4は、本実施形態の有機EL装置200の部分を示す断面図である。
有機EL装置200において隔壁層224は、図4に示すように、基体10上の全体に亘って設けられている。平面視において、隔壁層224の外縁は、有機EL装置200の外縁200aと同じ位置にある。平面視において、隔壁層224の一部は、有機緩衝層63の外縁よりも外側に位置している。また、平面視において、隔壁層224の一部は、共通電極70の外縁よりも外側に位置している。
隔壁層224は、積層方向において、基体10と共通電極70との間に位置している。隔壁層224のうち有機EL層40の外縁よりも内側の部分は、基体10の上面と有機EL層40の下面とに、接触した状態で挟まれている。隔壁層224のうち有機EL層40の外縁よりも外側の部分は、基体10の上面と共通電極70の下面とに、接触した状態で挟まれている。有機EL装置200は、開口部24aと、第2開口部224bと、第3開口部224cと、を有している。
第2開口部224bは、隔壁層224を上下方向に貫通する孔である。第2開口部224bは、平面視において、有機EL層40の外縁と重なる位置に設けられている。図示は省略するが、第2開口部224bの平面視形状は、有機EL層40の外縁に沿った矩形枠状である。平面視において、有機EL層40の外縁の全体は、第2開口部224bと重なっている。
第3開口部224cは、隔壁層224を厚み方向に貫通する孔である。第3開口部224cは、平面視において、コンタクト部71と重なる位置に設けられている。図示は省略するが、第3開口部224cは、コンタクト部71に沿った矩形枠状である。平面視において、コンタクト部71の全体は、第3開口部224cと重なっている。
本実施形態において隔壁層224は、無機材料で構成されている。隔壁層224を構成する無機材料は、光透過性を有する無機材料であれば、特に限定されない。隔壁層224を構成する無機材料は、例えば、二酸化ケイ素(SiO)や窒化ケイ素(SiN)である。
本実施形態において隔壁層224は、例えば、基体10上の全体に無機材料(二酸化ケイ素)の層を形成した後に、エッチングによって無機材料層の一部を除去して開口部24a、第2開口部224b、および第3開口部224cを形成することで、製造される。
例えば、本実施形態の隔壁層224が、第1実施形態の隔壁層24と同様に有機材料で構成されている場合、共通電極70によって水分を吸着できても、隔壁層224が水分の経路となって水分を内側へと導くため、水分が有機緩衝層63の外縁よりも内側に入り込み、コンタクト部71に到達する場合がある。そのため、コンタクト部71が劣化する場合がある。
これに対して、本実施形態によれば、隔壁層224は、無機材料で構成されている。そのため、隔壁層224が水分の経路とならず、コンタクト部71に水分が到達することを抑制できる。この効果は、本実施形態のように隔壁層224の一部が共通電極70の外縁よりも外側に位置している場合、すなわち隔壁層224に水分が接触しやすい場合に、特に効果が大きい。また、隔壁層224が無機材料で構成されることで、隔壁層224による封止性を向上できる。
また、例えば、従来、有機材料で構成された隔壁層をコンタクト部よりも外側に設ける場合には、図8に示す比較例2のような構成としていた。図8は、比較例2の有機EL装置400の部分を示す断面図である。図8に示すように、比較例2の隔壁層424の外縁は、コンタクト部371よりも外側に位置し、かつ、共通電極370の外縁よりも内側に位置している。隔壁層424は、例えば、アクリル、ポリイミド等の有機材料で構成されている。隔壁層424のその他の構成は、本実施形態の隔壁層224の構成と同様である。
隔壁層424は、例えば、基体10上の全体に有機材料(アクリル)の層を形成した後に、エッチングによって有機材料層の一部を除去して、各開口部を形成するのと同時に、有機材料層の外縁部分を共通電極370の外縁の内側となる位置まで除去することで製造される。
このように、比較例2においては、有機緩衝層363の外縁を共通電極370よりも外側とし、かつ、隔壁層424の外縁を共通電極370の外縁よりも内側とすることで、水分がコンタクト部371に入り込むことを抑制していた。
これに対して、本実施形態によれば、基体10上の全体に形成した無機材料から、各開口部に相当する部分のみを除去することで、容易に隔壁層424を製造することができ、かつ、水分がコンタクト部71に入り込むことも抑制できる。
また、基体10の最上層には、無機材料によって構成される絶縁層が形成されている。隔壁層が有機材料で構成されている場合には、基体10の最上層の絶縁層と、隔壁層とは、それぞれ別々に製造する必要があった。これに対して、本実施形態によれば、隔壁層224が無機材料で構成されているため、隔壁層224を基体10の最上層の絶縁層として利用することができる。これにより、基体10の最上層の絶縁層と隔壁層224とを同時に製造することができ、有機EL装置200の製造を容易にできる。
また、例えば、第1実施形態の有機EL装置100において、隔壁層24の一部が、比較例2の隔壁層424のように、コンタクト部71よりも外側に位置している場合について考える。この場合、隔壁層24におけるコンタクト部71よりも外側に位置している部分は、有機緩衝層63の外縁と比較的近い位置にあるため、入り込んだ水分が接触する場合がある。この場合、隔壁層24を伝って、水分がコンタクト部71に入り込む場合がある。すなわち、隔壁層24の一部がコンタクト部71よりも外側に設けられている場合、共通電極70の厚みD1を大きくして吸着剤として機能させるだけでは、水分の浸入を十分に抑制できない場合があった。
これに対して、本実施形態によれば、隔壁層224が無機材料で構成されている。そのため、隔壁層224の一部がコンタクト部71よりも外側にある場合に、有機緩衝層63の外縁を共通電極70の外縁より内側としても、隔壁層224を介して水分が内側に入り込むことがない。したがって、額縁の幅を小さくしつつ、より信頼性に優れた有機EL装置200が得られる。また、隔壁層224を設ける位置の制約を小さくできるため、隔壁層224を配置する自由度を向上させることができる。
なお、上記説明した各構成は、相互に矛盾しない範囲内において、適宜組み合わせることができる。
<電子機器の実施形態>
上述の各実施形態に例示した有機EL装置は、各種の電子機器の表示装置として好適に利用される。図5は、電子機器の一例であるヘッドマウントディスプレイ1を示す図である。図5に示すように、ヘッドマウントディスプレイ1は、使用者Mが眼鏡を掛ける感覚で頭部に装着して使用するものである。
ヘッドマウントディスプレイ1は、シースルー型(透過型)である。ヘッドマウントディスプレイ1は、眼鏡の形態を有する表示装置2を備えている。表示装置2には、上述した第1実施形態あるいは第2実施形態の有機EL装置が用いられている。
本実施形態のヘッドマウントディスプレイ1によれば、上述した実施形態の有機EL装置が用いられた表示装置2を備えているため、表示装置2全体の大きさに対して、表示領域を大きく、非表示領域(額縁)を小さくできる。したがって、表示領域を確保しつつ、表示装置2全体を小型化および軽量化できる。その結果、ヘッドマウントディスプレイ1全体を小型化および軽量化できる。
ヘッドマウントディスプレイ1は使用者Mが頭部に装着して用いるため、装着時の快適性、安定性、利便性等の観点から、小型で、軽量であることが、特に求められる。そのため、上記説明した実施形態の有機EL装置をヘッドマウントディスプレイ1に適用することで、額縁の幅を小さくできることよる効果を特に大きく得られる。
なお、上記説明した各実施形態の有機EL装置が適用される電子機器は、特に限定されず、ヘッドマウントディスプレイ以外のいかなる電子機器に用いられてもよい。
共通電極の厚みに対する水分の吸着効果について検証を行った。厚みが10nm,15nm,20nmの共通電極をそれぞれ用意して、共通電極の一端に水分を滴下し、所定時間経過した場合の共通電極の酸化状態について観察を行った。共通電極は、銀とマグネシウムとの合金として、合金における銀に対するマグネシウムのモル比は、10とした。
その結果、厚みが10nmの共通電極においては、水分が一端から他端側へと伝わって、共通電極の酸化が一端から他端側へと進行することが確かめられた。一方、厚みが15nm,20nmの共通電極においては、水分が一端から他端側へと伝わることが抑制され、共通電極の酸化も、一端の近傍のみで、他端側への進行が抑制されていることが確認できた。
以上の結果から、共通電極の厚みを15nm以上とすることで、共通電極の吸着剤としての機能を十分に得ることができ、有機EL装置の内部に水分が入り込むことを抑制できることが確かめられた。
1…ヘッドマウントディスプレイ(電子機器)、10…基体、10a…コンタクト配線(配線層)、24,224,424…隔壁層、24a…開口部、31…画素電極(第1電極)、40…有機EL層(発光層)、60…封止膜、61…電極保護層(第1無機層)、62…ガスバリア層(第2無機層)、63…有機緩衝層(有機層)、70…共通電極(第2電極)、71…コンタクト部、100…有機EL装置(電気光学装置)

Claims (7)

  1. 配線層を含む基体と、
    前記基体上に位置する複数の第1電極と、
    前記第1電極を覆う発光層と、
    前記発光層を介して、複数の前記第1電極を覆う第2電極と、
    無機層および有機層を含み、前記第2電極を覆う封止膜と、
    を備え、
    前記第2電極は、前記配線層と接続されたコンタクト部を有し、
    平面視において、前記有機層の外縁の少なくとも一部は、前記コンタクト部よりも外側に位置し、かつ、前記第2電極の外縁と同じ位置、または前記第2電極の外縁よりも内側に位置し、
    前記無機層は、第1無機層と、第2無機層と、を含み、
    前記有機層は、前記第1無機層と前記第2無機層との間に位置し、
    平面視において、前記第1無機層の外縁および前記第2無機層の外縁は、前記第2電極の外縁よりも外側に位置することを特徴とする電気光学装置。
  2. 前記基体と前記第2電極との間に位置し、平面視において前記第1電極と重なる位置に開口部を有する隔壁層をさらに備え、
    前記隔壁層は、無機材料で構成されている、請求項に記載の電気光学装置。
  3. 平面視において、前記隔壁層の一部は、前記第2電極の外縁よりも外側に位置する、請求項に記載の電気光学装置。
  4. 配線層を含む基体と、
    前記基体上に位置する複数の第1電極と、
    前記第1電極を覆う発光層と、
    前記発光層を介して、複数の前記第1電極を覆う第2電極と、
    無機層および有機層を含み、前記第2電極を覆う封止膜と、
    前記基体と前記第2電極との間に位置し、平面視において前記第1電極と重なる位置に開口部を有する隔壁層と、
    を備え、
    前記第2電極は、前記配線層と接続されたコンタクト部を有し、
    平面視において、前記有機層の外縁の少なくとも一部は、前記コンタクト部よりも外側に位置し、かつ、前記第2電極の外縁と同じ位置、または前記第2電極の外縁よりも内側に位置し、
    前記隔壁層は、無機材料で構成され、
    平面視において、前記隔壁層の一部は、前記第2電極の外縁よりも外側に位置することを特徴とする電気光学装置。
  5. 平面視において、前記有機層の外縁の全体は、前記コンタクト部よりも外側に位置し、かつ、前記第2電極の外縁と同じ位置、または前記第2電極の外縁よりも内側に位置する、請求項1から4のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  6. 前記第2電極は、銀とマグネシウムの合金で構成されており、
    前記合金における銀に対するマグネシウムのモル比は、1以上であり、
    前記第2電極の厚みは、15nm以上、30nm以下である、請求項1から5のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  7. 請求項1から6のいずれか一項に記載の電気光学装置を備えることを特徴とする電子機器。
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