JP6676151B2 - 波高算出装置、レーダ装置、及び波高算出方法 - Google Patents

波高算出装置、レーダ装置、及び波高算出方法 Download PDF

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Description

本発明は、水面に生じる波の高さを算出する波高算出装置、この波高算出装置を備えたレーダ装置、及び波高算出方法に関する。
従来から知られている波高算出装置では、波浪の高さである波高H1/3を、所定の算出式(H1/3=α√m)に基づいて算出している。但し、mは波浪スペクトルの0次モーメントであり、αは固定係数である。
なお、上述した波高H1/3とは、いわゆる有義波高である。有義波高とは、有義波の波高を平均したものである。有義波とは、非特許文献1に記載されるように、ある地点で連続する波を観測したとき、波高の高さが、観測された波の数を母数とした上位3分の1に含まれる波(例えば20分間で100個の波が観測されれば、大きい方の33個の波)のことである。一般的に、上述のように定義される有義波高は、目視で監視される波高と概ね一致することが知られている。
金沢地方気象台、「お天気まめ知識」、[online]、[平成28年2月24日検索]、インターネット〈http://www.jma-net.go.jp/kanazawa/mame/nami/nami.html〉
ところで、波峰線のエコーの映り方には方位依存性がある。具体的には、波浪の進行方向に向かって送信波が送波される場合、すなわち、波高算出対象となる波浪が含まれる解析エリアから受波器に向かう方向を基準とした前記波浪の進行方向で定義される相対波向が0度付近である場合には、波浪スペクトルパワー√mが大きくなり易く、波峰線のエコーが明瞭に映りやすい。同様に、波浪の進行方向に沿って送信波が送波される場合、すなわち、相対波向が180度付近である場合にも、波浪スペクトルパワー√mが大きくなり易く、波峰線のエコーが明瞭に映りやすい。一方、波浪の進行方向に対して垂直な方向に送信波が送波される場合、すなわち、相対波向が90度付近又は270度付近である場合には、波浪スペクトルパワー√mが小さくなり易く、波峰線のエコーが映りにくい。このように、波峰線の映り方には方位依存性があるため、波浪の高さが同じ場合であっても、解析エリアの方位によって√mの値が変動してしまう。すなわち、従来の手法では、方位による波高計測誤差が生じてしまう。
本発明は、上記課題を解決するためのものであり、その目的は、波高算出対象となる波浪の相対波向によらず、波高を正確に算出することである。
(1)上記課題を解決するため、本発明のある局面に係る波高算出装置は、送信波が探知エリア内の水面に生じる波浪で反射して帰来するエコーを受波する受波器から得られるエコー信号に基づいて、波浪の波高を算出する波高算出装置であって、前記探知エリア内に含まれる解析エリア内の波浪スペクトルパワーを算出する波浪スペクトルパワー算出部と、前記解析エリアから前記受波器に向かう方向を基準とした前記解析エリア内の波浪の進行方向である相対波向、に基づいて、前記波浪スペクトルパワーを補正する波浪スペクトルパワー補正部と、補正された前記波浪スペクトルパワーに基づいて前記解析エリア内の波浪の波高を算出する波高算出部と、を備えている。
(2)前記波浪スペクトルパワー補正部は、前記相対波向が0度となる場合に最小値をとる前記相対波向の関数である第1補正係数算出式に、前記波浪スペクトルパワーの算出が行われた前記解析エリア内の波浪の前記相対波向を代入することにより得られる第1補正係数を用いて、前記波浪スペクトルパワーを補正する。
(3)前記第1補正係数算出式は、前記相対波向が180度となる場合に極小値をとる。
(4)前記波浪スペクトルパワー補正部は、以下の式(1)で表される前記第1補正係数算出式により得られた前記第1補正係数を前記波浪スペクトルパワーに乗算することにより、前記波浪スペクトルパワーを補正する。
[数1]
β(θ)=1/(A+Bcosθ+Ccos2θ) …(1)
但し、βは前記第1補正係数、θは前記相対波向、A,B,Cは、それぞれ、補正係数用パラメータである。
(5)前記波浪スペクトルパワー補正部は、以下の式(2)で表される前記第1補正係数算出式により得られた前記第1補正係数、に基づいて得られた第2補正係数を前記波浪スペクトルパワーに乗算することにより、前記波浪スペクトルパワーを補正する。
[数2]
β(θ)=1/(A+Bcosθ+Ccos2θ) …(2)
但し、iは方位に対応して付される自然数、βは波浪の方位に対応して算出される前記第1補正係数、θは波浪の方位に対応して算出される前記相対波向、A,B,Cは、それぞれ、補正係数用パラメータである。
(6)前記補正係数用パラメータは、波浪が到来する方位に応じて設定される。
(7)前記補正係数用パラメータは、波浪の周期に応じて設定される。
(8)前記波高算出装置は、複数の前記補正係数用パラメータを記憶する記憶部を更に備えている。
(9)前記波高算出装置は、複数の前記補正係数用パラメータの算出を行う補正係数用パラメータ算出処理部を更に備えている。
(10)前記補正係数用パラメータ算出処理部は、前記探知エリア内に設定される複数のデータ取得用エリアのそれぞれに含まれる波浪スペクトルパワーであるエリア毎波浪スペクトルパワー、を算出するエリア毎波浪スペクトルパワー算出部と、各前記データ取得用エリアから前記受波器に向かう方向を基準とした各前記データ取得用エリア内の波浪の進行方向であるエリア毎相対波向、を算出するエリア毎相対波向算出部と、前記エリア毎波浪スペクトルパワーと、前記エリア毎相対波向とで特定されるサンプル点を、前記エリア毎波浪スペクトルパワーに対応する第1軸と前記エリア毎相対波向に対応する第2軸とを有する座標にプロットして相対波向別波浪スペクトルパワーグラフを生成するグラフ生成部と、前記相対波向別波浪スペクトルパワーグラフに基づいて前記補正係数用パラメータを算出する補正係数用パラメータ算出部と、を有している。
(11)前記受波器が水平面に沿って360度回転する間に得られる複数の前記エリア毎波浪スペクトルパワーは、それぞれが、それらのうち最も値が大きいエリア毎波浪スペクトルパワーで除算されて正規化され、前記グラフ生成部は、正規化された前記エリア毎波浪スペクトルパワーと前記エリア毎相対波向とで特定されるサンプルを、前記座標にプロットして前記相対波向別波浪スペクトルパワーグラフを生成する。
(12)上記課題を解決するため、本発明のある局面に係るレーダ装置は、送信波を送波する送波器と、前記送信波が探知エリア内の水面に生じる波浪で反射して帰来するエコー、を受波する受波器と、前記受波器で受波された前記エコーから得られるエコー信号に基づいて波浪の波高を算出する上述したいずれかの波高算出装置と、を備えている。
(13)上記課題を解決するため、本発明のある局面に係る波高算出方法は、送信波が探知エリア内の水面に生じる波浪で反射して帰来するエコーを受波する受波器から得られるエコー信号に基づいて、波浪の波高を算出する波高算出方法であって、前記探知エリア内に含まれる解析エリア内の波浪スペクトルパワーを算出するステップと、前記解析エリアから前記受波器に向かう方向を基準とした前記解析エリア内の波浪の進行方向である相対波向、に基づいて、前記波浪スペクトルパワーを補正するステップと、補正された前記波浪スペクトルパワーに基づいて前記解析エリア内の波浪の波高を算出するステップと、を含む。
本発明によれば、波高算出対象となる波浪の相対波向によらず、波高を正確に算出できる。
本発明の実施形態に係るレーダ装置のブロック図である。 図1に示す波高算出処理部の構成を示すブロック図である。 画像生成部によって生成されるエコー画像の一例を模式的に示す図である。 補正係数を算出するための補正係数用パラメータを決定するための予備実験を行う際に実施される各工程を説明するためのフローチャートである。 予備実験において波浪スペクトルパワーが算出されるデータ取得用エリアの自船に対する位置を示す図である。 予備実験で得られた散布図と、該散布図から得られた補正係数算出式を示すグラフとを重ねて示す図である。 変形例に係るレーダ装置の波高算出処理部のブロック図である。 図7に示す補正係数用パラメータ算出処理部を示すブロック図である。 変形例に係るレーダ装置の波高算出処理部のブロック図である。 変形例に係るレーダ装置の波高算出処理部の構成を示すブロック図である。 変形例に係るレーダ装置の波高算出処理部の構成を示すブロック図である。
以下、本発明の実施形態に係る波高算出装置としての波高算出処理部10、この波高算出処理部10を備えたレーダ装置1、及び波高算出方法について図面を参照しつつ説明する。本発明は、水面に生じる波の高さを算出する波高算出装置、この波高算出装置を備えたレーダ装置、及び波高算出方法に広く適用することができる。
図1は、本発明の実施形態に係るレーダ装置1のブロック図である。本実施形態のレーダ装置1は、例えば、漁船等の船舶としての自船に備えられている。このレーダ装置1によれば、以下で詳しく説明するように、水面に生じる波浪の高さである波高を正確に算出することができる。
図1に示すように、レーダ装置1は、アンテナユニット2と、風速計3と、波高算出装置としての波高算出処理部10と、表示器4と、を備えている。
アンテナユニット2は、アンテナ5と、受信部6と、A/D変換部7と、を含んでいる。
アンテナ5は、指向性の強い送信波としてのパルス状電波を送波可能なレーダアンテナである。また、アンテナ5は、物標(本実施形態の場合、波浪)からの反射波を受波するように構成されている。すなわち、アンテナ5は、送信波を送波する送波器、及び送波された送信波の反射波を受信波として受波する受波器として機能する。レーダ装置1は、パルス状電波を送波してから反射波を受波するまでの時間を測定する。これにより、レーダ装置1は、物標までの距離rを検出することができる。アンテナ5は、水平面上で360°回転可能に構成されている。アンテナ5は、パルス状電波の送波方向を変えながら(例えば、アンテナ角度を変えながら)、電波の送受波を繰り返し行うように構成されている。以上の構成で、レーダ装置1は、自船周囲の平面上の物標を、360°にわたり探知することができる。
なお、以下の説明では、パルス状電波を送波してから次のパルス状電波を送波するまでの動作を「スイープ」という。また、電波の送受波を行いながらアンテナを360°回転させる動作を「スキャン」と呼ぶ。
受信部6は、アンテナ5で受波したエコーから得られるエコー信号を検波して増幅する。受信部6は、増幅したエコー信号を、A/D変換部7へ出力する。A/D変換部7は、アナログ形式のエコー信号をサンプリングし、複数ビットからなるデジタルデータに変換する。このデジタルデータは、エコーデータである。エコーデータは、アンテナ5が受波した反射波から得られたエコー信号の強度を特定するデータを含んでいる。A/D変換部7は、エコーデータを、波高算出処理部10へ出力する。
風速計3は、海上の風速(海上風速、水上風速)を計測するものであって、自船に装備されている。風速計3は、計測された風速に関するデータを、波高算出処理部10へ出力する。
波高算出処理部10は、アンテナユニット2から出力されたエコーデータに基づき、波浪の高さ(波高)を算出する。波高算出処理部10は、算出した波高に関するデータを、表示器4へ出力する。なお、波高算出処理部10は、風速計3で得られた風速が所定値以下の場合には、波高の算出を行わない。これは、風速が小さい場合には波高が小さくなり易く、正確な波高を算出しにくくなるためである。波高算出処理部10の構成及び動作については、詳しくは後述する。
表示器4では、波高算出処理部10から出力された波高に関するデータ(例えば、波高の数値)が表示される。これにより、ユーザは、海上の波高を知ることができる。
[波高算出処理部の構成]
図2は、図1に示す波高算出処理部10の構成を示すブロック図である。波高算出処理部10は、画像生成部11と、解析エリア設定部12と、周波数解析部13と、波浪スペクトルパワー算出部14と、相対波向算出部15と、補正係数算出部16と、波浪スペクトルパワー補正部17と、波高算出部18とを備えている。
波高算出処理部10は、ハードウェア・プロセッサ8(例えば、CPU、FPGA等)及び不揮発性メモリ等のデバイスで構成される。例えば、CPUが不揮発性メモリからプログラムを読み出して実行することにより、波高算出処理部10を、画像生成部11、解析エリア設定部12、周波数解析部13、波浪スペクトルパワー算出部14等として機能させることができる。
図3は、画像生成部11によって生成されるエコー画像Pの一例を模式的に示す図である。画像生成部11は、アンテナユニット2から出力されたエコーデータに基づき、エコー画像Pを生成する。エコー画像Pは、アンテナ5が360°回転する毎に(すなわち、スキャン毎に)生成される。なお、図3に示す例では、波峰線wが比較的はっきりと映っている例を示している。
解析エリア設定部12は、エコー画像Pに対して解析エリアZを設定する(図3参照)。この解析エリアZは、ユーザによって随時、設定されてもよく、或いは、装置の出荷時において予め設定されていてもよい。本実施形態では、例えば一例として、図3に示すように解析エリアZが自船Sの前方に設定される。なお、解析エリアZが設定される領域は、自船S後方以外の領域が好ましい。これは、自船後方の領域では、自船Sの引き波により正確な波浪解析が困難となるためである。
周波数解析部13は、スキャン毎に得られる、解析エリアZ内のエコー画像である解析エリア内エコー画像、をフーリエ変換し、周波数スペクトルS(f)を算出する。また、周波数解析部13は、フーリエ変換により得られた周波数スペクトルS(f)に基づき、波浪の波向を算出する。なお、波向の算出手法は周知であるため、その説明を省略する。
波浪スペクトルパワー算出部14は、解析エリア内エコー画像から得られた周波数スペクトルS(f)に基づき、以下の式(3)を用いて、解析エリアZにおける波浪スペクトルの0次モーメントmを算出する。そして、波浪スペクトルパワー算出部14は、その0次モーメントmの平方根をとることにより、解析エリアZ内の波浪スペクトルパワー√mを算出する。
Figure 0006676151
相対波向算出部15は、図3を参照して、解析エリアZから自船Sに向かう方向dsを基準とした、周波数解析部13によって算出された解析エリアZ内の波浪の波向dw、で定義される相対波向θを算出する。相対波向算出部15は、図3における反時計回り方向を正方向として、相対波向θを算出する。
補正係数算出部16は、相対波向算出部15で算出された相対波向θを、以下に示す式(4)に代入することにより、波浪スペクトルパワー算出部14によって算出された波浪スペクトルパワー√mを補正するための補正係数β(第1補正係数)を算出する。
[数4]
β=1/(A+Bcosθ+Ccos2θ) …(4)
但し、A,B,及びCは、予め行われた実験によって決定されたパラメータ(補正係数用パラメータ)であって、それらの値は、補正係数算出部16に記憶されている。すなわち、補正係数算出部16は、補正係数用パラメータA,B,Cを記憶する記憶部としての機能も有する。この式(4)は、第1補正係数算出式である。
波浪スペクトルパワー補正部17は、波浪スペクトルパワー算出部14によって算出された波浪スペクトルパワー√mに、補正係数算出部16によって算出された補正係数βを乗算することにより波浪スペクトルパワー√mを補正して、補正後波浪スペクトルパワー√m0_newを算出する。
波高算出部18は、波浪スペクトルパワー補正部17によって算出された補正後波浪スペクトルパワー√m0_newに固定係数αを乗算することにより、解析エリアZ内の波浪の波高H1/3を算出する。具体的には、波高算出部18は、以下の式(5)に基づいて、波高H1/3を算出する。
[数5]
1/3=α√m0_new …(5)
[式(4)について]
以下では、式(4)を用いて得ることができる補正係数βによって波浪スペクトルパワー√mを補正すると正確な波高H1/3を得ることができる理由について説明する。しかし、その前に、相対波向θと波浪スペクトルパワー√mとの関係について説明する。
相対波向θが0度の場合(具体的には、図3を参照して、dsとdwとが同じ向きである場合)、又は180度の場合(dsとdwとが反対向きである場合)とは、レーダ装置1からの送信波が波峰線wに向かって垂直に送波される場合である。この場合、波浪における比較的広範囲に送信波が当たるため、波浪スペクトルパワーが比較的強くなる。そうすると、該波浪スペクトルパワーを用いて従来のように波高を算出しても、波高を比較的正確に算出することができる。
一方、相対波向θが90度又は270度の場合とは、レーダ装置1からの送信波が波峰線wの側方に送波される場合である。この場合、波浪における比較的狭い範囲にしか送信波が当たらず、波浪スペクトルパワーが弱めに算出される。そうすると、相対波向が0度又は180度の場合よりも、波高が低めに算出される傾向が高くなり、波高を正確に算出できなくなる。
この点につき、式(4)を用いて波浪スペクトルパワー√mを補正することにより補正後波浪スペクトルパワー√m0_newを算出すると、解析エリアZ内に含まれる波浪の相対波向に関わらず、波浪スペクトルパワーを正確に算出できる。
具体的には、式(4)を参照して、相対波向θが0度付近、又は180度付近の場合、補正係数βは比較的小さな値となる。一方、相対波向θが90度付近、又は270度付近の場合、補正係数βは、相対波向が0度付近又は180度付近の場合と比べて、大きくなる。すなわち、式(4)を用いれば、波浪スペクトルパワー√mが弱めに算出されても、その波浪スペクトルパワー√mが高くなるように、補正係数βによって補正される。
[補正係数パラメータについて]
図4は、式(4)に示す補正係数βを算出するための補正係数用パラメータA,B,Cを決定するための予備実験を行う際に実施される各工程を説明するためのフローチャートである。以下では、図4を用いて、補正係数用パラメータA,B,Cを決定するための予備実験の各工程について説明する。
図5は、予備実験において波浪スペクトルパワー√mが算出されるデータ取得用エリアZ1〜Z7の自船Sに対する位置を示す図である。まず、ステップS1では、図5に示す複数のデータ取得用エリアZ1〜Z7のそれぞれから得られるエコーに基づき、各データ取得用エリアZ1〜Z7内に含まれるエコー信号の周波数解析が行われる。具体的には、ステップS1では、各データ取得用エリアZ1〜Z7内に含まれるエコー画像がフーリエ変換されることにより、各エコー画像が周波数スペクトルに変換される。
次に、ステップS2では、ステップS1によって生成された周波数スペクトルに基づき、各データ取得用エリアZ1〜Z7内の波浪の波向が算出される。そして、ステップS2では、各データ取得用エリアZ1〜Z7から自船Sに向かう方向を基準とした、各データ取得用エリアZ1〜Z7内の波浪の波向を、各データ取得用エリアZ1〜Z7内の波浪の相対波向として算出する。
一方、ステップS3では、ステップS2の前又は後に、又はステップS2と並行して、各データ取得用エリアZ1〜Z7内の波浪スペクトルパワー√mが算出される。波浪スペクトルパワー√mの算出手法は、波浪スペクトルパワー算出部14の場合と同様である。
次に、ステップS4では、各データ取得用エリアZ1〜Z7内の波浪スペクトルパワー√mが正規化される。具体的には、各データ取得用エリアZ1〜Z7内の波浪スペクトルパワー√mが、7つのデータ取得用エリアZ1〜Z7のうち最も波浪スペクトルパワーが高いデータ取得用エリアの波浪スペクトルパワーで除算される。これにより、各データ取得用エリアZ1〜Z7のうち最も波浪スペクトルパワーが高いエリアの波浪スペクトルパワーが1となるように、各データ取得用エリアZ1〜Z7の波浪スペクトルパワーが正規化される。なお、このように正規化された波浪スペクトルパワーを、以下では、正規化波浪スペクトルパワーと称する。
次に、ステップS5では、ステップS1からステップS4のステップを行うことにより取得される7つの正規化波浪スペクトルパワーが、複数のタイミング(すなわち、複数のスキャン)のそれぞれで算出される。
次に、ステップS6では、ステップS5によって算出された正規化波浪スペクトルパワーを情報として有する多数のサンプル点が、それぞれ、図6に示すように、相対波向θをx軸とし且つ正規化波浪スペクトルパワーをy軸とした直交座標上にプロットされる。これにより、相対波向別正規化波浪スペクトルパワーグラフが生成される。以下では、この相対波向別正規化波浪スペクトルパワーグラフを、単に散布図SPと称する。
なお、図6において丸印で示されるサンプル点は、風速計によって得られた風速の風力階級が5のときに得られたサンプル点である。また、四角印で示されるサンプル点は、風速計によって得られた風速の風力階級が6のときに得られたサンプル点である。また、三角印で示されるサンプル点は、風速計によって得られた風速の風力階級が7のときに得られたサンプル点である。また、×印で示されるサンプル点は、風速計によって得られた風速の風力階級が8以上のときに得られたサンプル点である。
次に、ステップS7では、ステップS6によって生成された散布図SPに基づき、補正係数用パラメータA,B,Cが算出される。具体的には、ステップS6では、上述した式(4)右辺の分母(A+Bcosθ+Ccos2θ)で表される式と、散布図SPを構成する各サンプル点との残差の二乗和が最小となるように、補正係数用パラメータA,B,Cが算出される。すなわち、ステップS6では、最小二乗法により、A+Bcosθ+Ccos2θにおける補正係数用パラメータA,B,Cが算出される。これにより、実際に得られた各データ取得用エリアでの波浪スペクトルパワーに基づき、補正係数用パラメータを算出することができる。なお、図6では、最小二乗法により補正係数用パラメータA,B,Cが算出された数式(A+Bcosθ+Ccos2θ)を示すグラフが、散布図SPに重ねて表示されている。
[効果]
以上のように、本実施形態に係るレーダ装置1の波高算出処理部10は、相対波向θに基づいて波浪スペクトルパワー√mを補正して補正後波浪スペクトルパワー√m0_newを算出し、その補正後波浪スペクトルパワー√m0_newに固定係数αを乗算して波高H1/3を算出している。上述のように、波高が同じ場合であっても、相対波向θによって波浪スペクトルパワー√mの大小が異なってくる。よって、本実施形態の波高算出処理部10のように、相対波向θに基づいて波浪スペクトルパワー√mを補正することで、波高H1/3を正確に算出することができる。
従って、波高算出処理部10によれば、波高算出対象となる波浪の相対波向θによらず、波高を正確に算出できる。
また、波高算出処理部10で用いられる、波浪スペクトルパワー√mを補正するための補正係数算出式としては、相対波向θが0度のときに最小値をとる式が採用されている。相対波向θが0度のときには、解析エリアZ内の波浪が自船に向かって進行しているため、波浪スペクトルパワー√mが大きくなり易い。従って、このように波浪スペクトルパワー√mが大きくなり易い場合に補正係数が小さくなるような補正係数算出式を採用することで、補正係数βを適切に設定することができる。
また、波高算出処理部10で用いられる、波浪スペクトルパワー√mを補正するための補正係数算出式としては、相対波向θが180度のときに極小値をとる式が採用されている。相対波向θが180度のときには、解析エリアZ内の波浪が自船から離れる方向に向かって進行しているため、波浪スペクトルパワー√mが大きくなり易い。従って、このように波浪スペクトルパワー√mが大きくなり易い場合に補正係数が小さくなるような補正係数算出式を採用することで、補正係数βを適切に設定することができる。
また、波高算出処理部10で用いられる、波浪スペクトルパワー√mを補正するための補正係数算出式としては、式(4)が採用されている。式(4)によれば、波浪スペクトルパワー√mが小さくなり易い状況下、具体的には、相対波向θが90度付近、又は270度付近の場合に、補正係数βが大きくなる。従って、波高算出処理部10によれば、補正係数βをより適切に設定することができる。
また、波高算出処理部10では、補正係数βを算出するための補正係数用パラメータA,B,Cが、波高算出部18での波高H1/3の算出が行われる前に予備実験によって予め設定され、それらの値が補正係数算出部16に記憶されている。これにより、波高算出部18による波高算出と並行して補正係数用パラメータA,B,Cを算出する必要がなくなるため、波高算出処理部10にかかる演算負荷を軽減できる。
また、本実施形態に係るレーダ装置1によれば、波高H1/3が算出される波浪の進行方向に関係なく波高を正確に算出できる波高算出処理部を備えたレーダ装置を提供できる。
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
(1)図7は、変形例に係るレーダ装置の波高算出処理部10aのブロック図である。上述した実施形態では、予め実施された予備実験に基づいて算出された補正係数用パラメータA,B,Cを用いて補正係数βを算出した。これに対して、本変形例では、波高算出部18による波高の算出と並行して、補正係数用パラメータA,B,Cが随時、算出される。波高算出処理部10aは、上述した実施形態の波高算出処理部10が有する各構成要件の他に、補正係数用パラメータ算出処理部20を備えている。
図8は、図7に示す補正係数用パラメータ算出処理部20を示すブロック図である。補正係数用パラメータ算出処理部20は、データ取得用エリア設定部21と、エリア毎周波数解析部22と、エリア毎波浪スペクトルパワー算出部23と、正規化部24と、エリア毎相対波向算出部25と、グラフ生成部26と、補正係数用パラメータ算出部27とを有している。
データ取得用エリア設定部21は、波浪スペクトルパワーが算出されるエリアであるデータ取得用エリアを複数、設定する。例えば、データ取得用エリア設定部21は、図5に示す各データ取得用エリアZ1〜Z7を、データ取得用エリアとして設定する。
エリア毎周波数解析部22は、スキャン毎に得られる、各データ取得用エリアZ1〜Z7内のエコー画像、をフーリエ変換し、周波数スペクトルを算出する。また、エリア毎周波数解析部22は、フーリエ変換により得られた周波数スペクトルに基づき、各データ取得用エリアZ1〜Z7における波浪の波向を算出する。
エリア毎波浪スペクトルパワー算出部23は、各データ取得用エリアに対応して得られた周波数スペクトルに基づき、各データ取得用エリアにおけるエリア毎波浪スペクトルパワー√mを算出する。なお、エリア毎波浪スペクトルパワー√mは、上記実施形態の場合と同様に算出される。
正規化部24は、エリア毎波浪スペクトルパワー√mを正規化する。具体的には、正規化部24は、1スキャンで得られる複数のエリア毎波浪スペクトルパワー√mを、それぞれ、それらのうち最も値が大きいエリア毎波浪スペクトルパワー√mで除算することにより、エリア毎波浪スペクトルパワー√mを正規化する。これにより、複数のエリアのうち最も波浪スペクトルパワーが高いエリアの波浪スペクトルパワーが1となるように、エリア毎波浪スペクトルパワーが正規化される。正規化部24は、スキャン毎に、エリア毎波浪スペクトルパワー√mの正規化を行う。
エリア毎相対波向算出部25は、各データ取得用エリアに対応して算出された波浪の波向と、各データ取得用エリアから自船に向かう方向とに基づき、各データ取得用エリア内の波浪の相対波向を算出する。相対波向の算出手法については、上記実施形態の相対波向算出部15の場合と同様である。
グラフ生成部26は、該グラフ生成部26が記憶している散布図に、直近で得られた正規化後のエリア毎波浪スペクトルパワーとエリア毎相対波向とで特定されるサンプル点をプロットしてその散布図を更新し、新たな散布図を生成する。グラフ生成部26によって生成される散布図は、図6に示すものと同様である。
補正係数用パラメータ算出部27は、グラフ生成部26によって新たな散布図が生成される毎に、補正係数用パラメータA,B,Cを算出する。具体的には、補正係数用パラメータ算出部27は、A+Bcosθ+Ccos2θで表される式と、更新された散布図を構成する各サンプル点との残差の二乗和が最小となるように、補正係数用パラメータA,B,Cを算出する。
そして、本変形例では、波浪スペクトルパワー補正部17が、直近のタイミングで得られた正規化後の波浪スペクトルパワーも加味された上で算出された補正係数用パラメータA,B,Cを用いて得られた補正係数βに基づいて、解析エリアZ内の波浪スペクトルパワーを補正する。そして、波高算出部18は、その補正された波浪スペクトルパワーに基づいて、解析エリアZ内の波高を算出する。
以上のように、本変形例に係るレーダ装置の波高算出処理部10aによれば、直近のタイミングで得られた正規化後の波浪スペクトルパワーも加味された上で算出された補正係数用パラメータA,B,Cを用いて得られた補正係数βに基づいて解析エリアZ内の波浪スペクトルパワーが補正され、その補正された波浪スペクトルパワーに基づき、解析エリアZ内の波高H1/3が算出される。すなわち、本変形例の波高算出処理部10aによれば、最新のデータに基づいて解析エリアZ内の波高H1/3を算出することができるため、波高H1/3をより正確に算出できる。
また、波高算出処理部10aでは、補正係数用パラメータ算出処理部20の構成要件として、エリア毎波浪スペクトルパワー算出部23、エリア毎相対波向算出部25、グラフ生成部26、及び補正係数用パラメータ算出部27が設けられている。これにより、波高算出処理部10aによれば、最新のデータに基づいて解析エリアZ内の波高H1/3を算出するための具体的な構成を提供できる。
また、波高算出処理部10aでは、スキャン毎に得られた複数の波浪スペクトルパワーをスキャン毎に正規化し、その正規化した波浪スペクトルパワーに基づき、補正係数用パラメータA,B,Cを算出するための散布図を生成している。
ところで、波浪スペクトルパワーの正規化を行わずに散布図を生成する場合、波浪スペクトルパワーが風速の影響を大きく受けるため、補正係数用パラメータA,B,Cを正確に算出するために、例えば風速毎に(一例として風力階級毎に)散布図を生成する必要が生じる。
この点につき、本変形例の波高算出処理部10aの場合、スキャン毎に得られた複数の波浪スペクトルパワーをスキャン毎に正規化し、その正規化した波浪スペクトルパワーに基づき、補正係数用パラメータA,B,Cを算出するための散布図を生成している。こうすると、風速に起因する波浪スペクトルパワーの大小を均一化できるため、風速毎に散布図を生成する必要がなくなる。これにより、補正係数用パラメータA,B,Cを算出するために波高算出処理部10aにかかる演算負荷を軽減できる。
(2)図9は、変形例に係るレーダ装置の波高算出処理部10bの構成を示すブロック図である。上記実施形態では、1方向から到来する波浪の波高を算出する波高算出処理部10を例に挙げて説明したが、これに限らない。具体的には、以下で説明するように、複数方向から到来する各波浪の波高を正確に算出可能な波高算出処理部10bを構成することもできる。
本変形例の波高算出処理部10bでは、周波数解析部13a、相対波向算出部15a、補正係数算出部16aの構成及び動作が、上記実施形態におけるそれらの構成及び動作と異なる。以下では、上記実施形態と異なる箇所について説明し、それ以外の箇所については説明を省略する。
周波数解析部13aは、上記実施形態の場合と同様にして周波数スペクトルS(f)を算出した後、その周波数スペクトルS(f)に基づき、複数方向から到来する各波浪の波向を算出する。
相対波向算出部15aは、各方向から到来する波浪の相対波向θを算出する。但し、iは、各方向からの波浪に対応して付される数字であって、i=1,2,…,n、である。
補正係数算出部16aは、各方向からの波浪ごとに、波浪毎補正係数β(第1補正係数)を算出する。具体的には、補正係数算出部16aは、以下の式(6)に基づいて、各方向からの波浪に対応する波浪毎補正係数βを算出する。そして、補正係数算出部16aは、各方向に対応して得られた波浪毎補正係数βを、以下の式(7)に代入することにより、補正係数β(第2補正係数)を算出する。すなわち、式(6)は第1補正係数算出式であり、式(7)は、第2補正係数算出式である。
[数6]
β=1/(A+Bcosθ+Ccos2θ) …(6)
Figure 0006676151
そして、波浪スペクトルパワー補正部17は、波浪スペクトルパワー算出部14によって算出された波浪スペクトルパワー√mに、補正係数算出部16aによって算出された補正係数βを乗算することにより波浪スペクトルパワー√mを補正して、補正後波浪スペクトルパワー√m0_newを算出する。
以上のように、本変形例の波高算出処理部10bでも、上記実施形態の場合と同様、波高算出対象となる波浪の相対波向θによらず、波高を正確に算出できる。
更に、本変形例によれば、複数の方向から波浪が到来する場合であっても、それら複数方向からの波浪を考慮にいれて補正係数βを算出することができる。従って、本変形例によれば、波高をより正確に算出できる。
なお、本変形例において、式(7)の代わりに、以下の式(8)を用いることにより、各方向からの波浪の大きさ(例えば、波浪スペクトルパワーのピーク値)を考慮に入れた補正係数βを算出することができる。これにより、波高をより一層正確に算出できる。
Figure 0006676151
但し、γは重み付け係数であって、各方向からの波浪の大きさに対応して決定される数値であり、波浪が大きいほど大きな値が設定され、波浪が小さいほど小さな値が設定される。
(3)図10は、変形例に係るレーダ装置の波高算出処理部10cの構成を示すブロック図である。図9を用いて説明した変形例では、波浪の到来方向に関わらず、同じ散布図SPを用いて算出された補正係数用パラメータA,B,Cを用いて補正係数βを算出する例を挙げて説明したが、これに限らない。
本変形例では、波浪が到来する方位毎に生成された散布図SP(図示省略)に基づいて算出された補正係数用パラメータA,B,Cが、補正係数算出部16bに記憶されている。そして、本変形例では、補正係数算出部16bは、以下の式(9)に基づいて、各方向からの波浪に対応する波浪毎補正係数β(第1補正係数)を算出する。その後、補正係数算出部16bは、図9を用いて説明した変形例の場合と同様、式(7)を用いて補正係数β(第2補正係数)を算出する。
[数9]
β=1/(A+Bcosθ+Ccos2θ) …(9)
そして、波浪スペクトルパワー補正部17は、波浪スペクトルパワー算出部14によって算出された波浪スペクトルパワー√mに、補正係数算出部16bによって算出された補正係数βを乗算することにより波浪スペクトルパワー√mを補正して、補正後波浪スペクトルパワー√m0_newを算出する。
以上のように、本変形例の波高算出処理部10cでも、上記実施形態の場合と同様、波高算出対象となる波浪の相対波向θによらず、波高を正確に算出できる。
更に、本変形例によれば、複数の方向から波浪が到来する場合であっても、それら複数方向からの波浪を考慮にいれて補正係数βを算出することができる。従って、本変形例によれば、波高をより正確に算出できる。しかも、本変形例によれば、方位毎に算出された補正係数用パラメータA,B,Cを用いて補正係数βを算出できるため、波高をより一層正確に算出できる。
(4)図11は、変形例に係るレーダ装置の波高算出処理部10dの構成を示すブロック図である。上述した実施形態では、波高算出対象となる波浪の周期に関わらず、同じ補正係数用パラメータA,B,Cに基づいて算出された補正係数βを用いて波高を算出した。しかし、これに限らず、波浪の周期に応じて異なる補正係数用パラメータを用いてもよく、例えば一例として、補正係数算出部16cは、周期が8秒以下の波浪と、周期が8秒以上の波浪とで、異なる補正係数用パラメータを用いてもよい。
ところで、波浪には、風浪及びうねりが含まれ、これらの特性は互いに異なっている。例えば一例として、風浪の周期は概ね8秒以下であり、うねりの周期は概ね8秒以上である。すなわち、上述のように、波浪の周期に応じて異なる補正係数用パラメータを用いることで、互いに特性が異なる風浪及びうねりのそれぞれに対応した補正係数βを算出することができる。これにより、異なる特性を有する波浪(例えば風浪及びうねり)のそれぞれに応じて適切な補正係数βを算出できるため、波浪の種類に応じて波高をより正確に算出できる。なお、波高算出対象となる波浪の周期は、周波数解析部13で算出され、補正係数算出部16cは、周波数解析部13で算出された波浪の周期の値に応じて、いずれの補正係数用パラメータを用いるかを決定する。
1 レーダ装置
5 アンテナ(送波器、受波器)
10,10a〜10d 波高算出処理部(波高算出装置)
14 波浪スペクトルパワー算出部
17 波浪スペクトルパワー補正部
18 波高算出部

Claims (10)

  1. 送信波が探知エリア内の水面に生じる波浪で反射して帰来するエコーを受波する受波器から得られるエコー信号に基づいて、波浪の波高を算出する波高算出装置であって、
    前記探知エリア内に含まれる解析エリア内の波浪スペクトルパワーを算出する波浪スペクトルパワー算出部と、
    前記解析エリアから前記受波器に向かう方向を基準とした前記解析エリア内の波浪の進行方向である相対波向、に基づいて、前記波浪スペクトルパワーを補正する波浪スペクトルパワー補正部と、
    補正された前記波浪スペクトルパワーに基づいて前記解析エリア内の波浪の波高を算出する波高算出部と、
    を備え、
    前記波浪スペクトルパワー補正部は、前記相対波向の関数である第1補正係数算出式に、前記波浪スペクトルパワーの算出が行われた前記解析エリア内の波浪の前記相対波向を代入することにより得られる第1補正係数を用いて、前記波浪スペクトルパワーを補正するものであり、前記第1補正係数算出式は、以下の式(1)で表されることを特徴とする、波高算出装置。
    [数1]
    β(θ)=1/(A+Bcosθ+Ccos2θ) …(1)
    但し、βは前記第1補正係数、θは前記相対波向、A,B,Cは、それぞれ、補正係数用パラメータである。
  2. 送信波が探知エリア内の水面に生じる波浪で反射して帰来するエコーを受波する受波器から得られるエコー信号に基づいて、波浪の波高を算出する波高算出装置であって、
    前記探知エリア内に含まれる解析エリア内の波浪スペクトルパワーを算出する波浪スペクトルパワー算出部と、
    前記解析エリアから前記受波器に向かう方向を基準とした前記解析エリア内の波浪の進行方向である相対波向、に基づいて、前記波浪スペクトルパワーを補正する波浪スペクトルパワー補正部と、
    補正された前記波浪スペクトルパワーに基づいて前記解析エリア内の波浪の波高を算出する波高算出部と、
    を備え、
    前記波浪スペクトルパワー補正部は、前記相対波向の関数である第1補正係数算出式に、前記波浪スペクトルパワーの算出が行われた前記解析エリア内の波浪の前記相対波向を代入することにより得られる第1補正係数、に基づいて得られた第2補正係数を用いて前記波浪スペクトルパワーを補正するものであり、前記第1補正係数算出式は、以下の式(2)で表されることを特徴とする、波高算出装置。
    [数2]
    βi(θi)=1/(A+Bcosθi+Ccos2θi) …(2)
    但し、iは方位に対応して付される自然数、βiは波浪の方位に対応して算出される前記第1補正係数、θiは波浪の方位に対応して算出される前記相対波向、A,B,Cは、それぞれ、補正係数用パラメータである。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の波高算出装置であって、
    前記補正係数用パラメータは、波浪が到来する方位に応じて設定されることを特徴とする、波高算出装置。
  4. 請求項1又は請求項2に記載の波高算出装置であって、
    前記補正係数用パラメータは、波浪の周期に応じて設定されることを特徴とする、波高算出装置。
  5. 請求項1から請求項4に記載の波高算出装置において、
    前記補正係数用パラメータを記憶する記憶部を更に備えていることを特徴とする、波高算出装置。
  6. 請求項5に記載の波高算出装置において、
    前記補正係数用パラメータの算出を行う補正係数用パラメータ算出処理部を更に備えていることを特徴とする、波高算出装置。
  7. 請求項6に記載の波高算出装置において、
    前記補正係数用パラメータ算出処理部は、
    前記探知エリア内に設定される複数のデータ取得用エリアのそれぞれに含まれる波浪スペクトルパワーであるエリア毎波浪スペクトルパワー、を算出するエリア毎波浪スペクトルパワー算出部と、
    各前記データ取得用エリアから前記受波器に向かう方向を基準とした各前記データ取得用エリア内の波浪の進行方向であるエリア毎相対波向、を算出するエリア毎相対波向算出部と、
    前記エリア毎波浪スペクトルパワーと、前記エリア毎相対波向とで特定されるサンプル点を、前記エリア毎波浪スペクトルパワーに対応する第1軸と前記エリア毎相対波向に対応する第2軸とを有する座標にプロットして相対波向別波浪スペクトルパワーグラフを生成するグラフ生成部と、
    前記相対波向別波浪スペクトルパワーグラフに基づいて前記補正係数用パラメータを算出する補正係数用パラメータ算出部と、
    を有していることを特徴とする、波高算出装置。
  8. 請求項7に記載の波高算出装置において、
    前記受波器が水平面に沿って360度回転する間に得られる複数の前記エリア毎波浪スペクトルパワーは、それぞれが、それらのうち最も値が大きいエリア毎波浪スペクトルパワーで除算されて正規化され、
    前記グラフ生成部は、正規化された前記エリア毎波浪スペクトルパワーと前記エリア毎相対波向とで特定されるサンプルを、前記座標にプロットして前記相対波向別波浪スペクトルパワーグラフを生成することを特徴とする、波高算出装置。
  9. 送信波を送波する送波器と、
    前記送信波が探知エリア内の水面に生じる波浪で反射して帰来するエコー、を受波する受波器と、
    前記受波器で受波された前記エコーから得られるエコー信号に基づいて波浪の波高を算出する請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の波高算出装置と、
    を備えていることを特徴とする、レーダ装置。
  10. 送信波が探知エリア内の水面に生じる波浪で反射して帰来するエコーを受波する受波器から得られるエコー信号に基づいて、波浪の波高を算出する波高算出方法であって、
    前記探知エリア内に含まれる解析エリア内の波浪スペクトルパワーを算出するステップと、
    前記解析エリアから前記受波器に向かう方向を基準とした前記解析エリア内の波浪の進行方向である相対波向、に基づいて、前記波浪スペクトルパワーを補正するステップと、
    補正された前記波浪スペクトルパワーに基づいて前記解析エリア内の波浪の波高を算出するステップと、
    を含み、
    前記波浪スペクトルパワーを補正するステップは、以下の式(1)で表される第1補正係数算出式により得られた第1補正係数を前記波浪スペクトルパワーに乗算することにより、前記波浪スペクトルパワーを補正することを特徴とする、波高算出方法。
    [数1]
    β(θ)=1/(A+Bcosθ+Ccos2θ) …(1)
    但し、βは前記第1補正係数、θは前記相対波向、A,B,Cは、それぞれ、補正係数用パラメータである。
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