JP6675642B2 - 汚染コンクリート塊の除染処理方法および汚染コンクリート塊の除染処理装置 - Google Patents
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Description
表層部に放射性物質が浸透した汚染コンクリート塊や、表層部に放射性物質が浸透したコンクリート構造物を解体した際に生じるコンクリートガラ(汚染コンクリート塊)を全て放射性廃棄物として処理すると、放射性廃棄物が莫大な量となり、処理に膨大な敷地や費用が必要となるという問題がある。
このような問題に対し、表面や表層部のみが放射性物質で汚染されている汚染コンクリート塊を対象として、汚染コンクリート塊をすりもみ装置に投入し、汚染コンクリート塊の表層部をすりもみして磨砕し、磨砕によって生じた磨砕粉(磨砕された汚染コンクリート塊の表層部)のみを放射性廃棄物として処理する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
本実施形態による汚染コンクリート塊の除染処理方法および汚染コンクリート塊の除染処理装置は、例えば原子力発電所等の原子力関連施設における事故あるいは原子力関連施設に対する解体工事や更新工事に伴って発生した表層部が放射性物質で汚染された汚染コンクリート塊を対象として除染処理を行うための方法および装置である。
本実施形態では、汚染コンクリート塊の表層部を磨砕して除去する。以下では、図1に示すように、磨砕された後の汚染コンクリート塊11の表層部を磨砕粉12としている。また、表層部が除去されることで放射性物質が除去された汚染コンクリート塊11をコンクリート塊13としている。
図1に示すように、汚染コンクリート塊の除染処理装置1は、所定量の汚染コンクリート塊11が収容される密閉容器2と、密閉容器2の内部において汚染コンクリート塊11を撹拌してすりもみ処理し汚染コンクリート塊11の表層部を磨砕する磨砕手段3と、密閉容器2の内部において汚染コンクリート塊11の表面に付着した磨砕粉12を圧縮空気(気体)を吹き付けて払落とす第1払落し手段4と、密閉容器2の内部において汚染コンクリート塊11の表面に付着した磨砕粉12をブラシ52で擦って払落とす第2払落し手段5と、ブラシ52に付着した磨砕粉12を圧縮空気を吹き付けて払い落とす第3払落し手段8と、密閉容器2から磨砕粉12を回収する回収手段6と、コンクリート塊13を回収するコンクリート塊回収手段7と、を有する。
第1排出口212は、第2密閉容器22の投入口221と連結されている。
磨砕手段3は、第1篩網31が軸線を中心に回転することにより、第1篩網31に投入された汚染コンクリート塊11を撹拌して互いに擦りあわせてすりもみ処理し、汚染コンクリート塊11の表層部を磨砕する。汚染コンクリート塊11の表層部が磨砕されることによって生じた磨砕粉12は、第1篩網31の網目311から第1篩網31の下方に落下する。
なお、第1篩網31の軸線上に軸部材が設けられていて、この軸部材に汚染コンクリート塊11を撹拌する撹拌翼が設けられていてもよい。
第1払落し手段4は、第1篩網31の上方から第1篩網31に向かって圧縮空気を噴出する圧縮空気噴出手段41を有している。圧縮空気噴出手段41は、圧縮空気を第1篩網31の網目311を介して第1篩網31の内部の汚染コンクリート塊11に吹き付け、汚染コンクリート塊11の表面に付着した磨砕粉12を払落とすように構成されている。
また、第1払落し手段4は、圧縮空気噴出手段41から噴出された圧縮空気を第1篩網31にも吹き付けて、第1篩網31に付着した磨砕粉12を払落とすように構成されている。
第1払落し手段4によって汚染コンクリート塊11および第1篩網31から払落とされた磨砕粉12は、第1篩網31の網目311から下方に落下する。
ブラシ52は、第2篩網51の内周面全体にわたり第2篩網51の網目を閉塞しないように設けられている。
圧縮空気噴出手段81は、圧縮空気を第2篩網51の網目511を介して第1篩網31の内部のブラシ52に吹き付け、ブラシ52の表面に付着した磨砕粉12を払落とすように構成されている。ブラシ52から払落とされた磨砕粉12は第2回収手段62によって回収される。
第2回収手段62で回収された磨砕粉12は、第2排出口223から第2密閉容器22の外部へ取り出されて放射性廃棄物として処理される。
次に、汚染コンクリート塊の除染処理方法について説明する。
(磨砕工程)
まず、対象となる汚染コンクリート塊11を第1密閉容器21の内部の磨砕手段3の第1篩網31の内部に所定量投入する。モータを駆動させて第1篩網31を回転させ、第1篩網31の内部の汚染コンクリート塊11を互いに擦り合わせてすりもみ処理し、汚染コンクリート塊11の表層部を磨砕する。磨砕されて生じた磨砕粉12は、第1篩網31の網目311から第1回収手段61のベルトコンベア611の上に落下する。
続いて、第1払落し手段4の圧縮空気噴出手段41から噴出された圧縮空気によって汚染コンクリート塊11の表面に付着した磨砕粉12第1篩網31の下方に払落とすとともに、第1篩網31に付着した磨砕粉12を第1篩網31の下方に払落とす。払落とされた磨砕粉12は、第1回収手段61のベルトコンベア611の上に落下する。
汚染コンクリート塊11および第1篩網31から払落とされてベルトコンベア611に落下した磨砕粉12を回収する。第1回収手段61で回収された磨砕粉12は、放射性廃棄物として処理する。
続いて、第1払落し工程で処理された汚染コンクリート塊11を、第1密閉容器21から第2密閉容器22へ移動させ、第2密閉容器22の第2払落し手段5の第2篩網51の内部に投入する。モータを駆動させて第2篩網51を回転させ、第2篩網51の内部の汚染コンクリート塊11を互いに擦り合わせてすりもみ処理し、汚染コンクリート塊11の表層部を再度磨砕するとともに、汚染コンクリート塊11の表面をブラシ52で擦り汚染コンクリート塊11の表面に付着した磨砕粉12を汚染コンクリート塊11から払落とす。
第3払落し手段8の圧縮空気噴出手段81の圧縮空気によって、ブラシ52付着した磨砕粉12を払落とす。このとき、圧縮空気噴出手段81の圧縮空気によって、汚染コンクリート塊11の表面に付着した磨砕粉12、および第2篩網51に付着した磨砕粉12を払落としてもよい。
第2払落し工程および第3払落し工程で払落とされた磨砕粉12を第2回収手段62の吸引手段621で吸引して回収する。第2回収手段62で回収された磨砕粉12は、放射性廃棄物として処理する。
コンクリート塊回収手段7で第2篩網51の内部の放射性物質が除去されたコンクリート塊13を回収する。コンクリート塊回収手段7で回収されたコンクリート塊13は、放射性物質が除去されているため、骨材として再利用することができる。
上述した本実施形態による汚染コンクリート塊11の除染処理方法および汚染コンクリート塊の除染処理装置1では、第1払落し工程において汚染コンクリート塊11に圧縮空気を吹き付けて汚染コンクリート塊11から磨砕粉12を払落した後に、第2払落し工程において汚染コンクリート塊11をブラシ52で擦り汚染コンクリート塊11から磨砕粉12を払落としている。これにより、第1払落し工程における圧縮空気の吹付けだけでは落としきれなかった汚染コンクリート塊11の表面に付着した磨砕粉12を、第2払落し工程においてブラシ52で払落とすことができるため、磨砕粉12を確実に回収することができる。その結果、汚染コンクリート塊11から放射性物質で汚染された表層部を確実に除去することができる。
また、ブラシ52は、円筒形の第2篩網51の内周面に沿って設けられていることにより、第2篩網51を回転させることで第2篩網51の内部の汚染コンクリート塊11がブラシ52に擦られるため、汚染コンクリート塊11の表面に付着した磨砕粉12を汚染コンクリート塊11から容易に払落とすことができる。また、汚染コンクリート塊11から払落とされた磨砕粉12は、第2篩網51の網目から下方に落下するため、払落とされた磨砕粉12が汚染コンクリート塊11の表面に付着することを防止できる。
例えば、上記の実施形態では、第3払落し手段8の圧縮空気噴出手段81は、ブラシ52に圧縮空気を吹き付けてブラシ52に付着した磨砕粉12を払落とすように構成されているが、ブラシ52に圧縮されていない気体を吹き付けてブラシ52に付着した磨砕粉12を払落とすように構成されていてもよいし、気体を吹き付ける以外の方法でブラシ52に付着した磨砕粉12が払い落とされてもよい。また、第3払落し手段8が設けられていなくてもよい。
また、上記の実施形態では、ブラシ52は、円筒状の第2篩網51の内周面に沿って設けられているが、汚染コンクリート塊11の表面を擦ることが可能であれば、ブラシ52が設けられる位置は適宜設定されてよい。
また、上記の実施形態では、第1篩網31および第2篩網51はそれぞれ円筒形であるが、いずれかまたはその両方は断面が三角形、または四角形等の矩形、あるいは楕円形であってもよい。第1篩網31および第2篩網51は、それぞれが回転する際に汚染コンクリート塊11が内部に保持される形状であればよい。
また、上記の実施形態では、磨砕手段3および第1払落し手段4が第1密閉容器21に設けられていて、第2払落し手段5が第2密閉容器22に設けられているが、磨砕手段3、第1払落し手段4、および第2払落し手段5が同一の密閉容器に設けられていてもよい。
また、上記の実施形態では、第2回収手段62は、第2密閉容器22から磨砕粉12を吸引手段621で吸引して回収しているが、例えば、磨砕粉12を第2篩網51から落下させてベルトコンベアで回収するなど、上記以外の方法で回収するように構成されていてもよい。
2 密閉容器
3 磨砕手段
4 第1払落し手段
5 第2払落し手段
6 回収手段
8 第3払落し手段
11 汚染コンクリート塊
12 磨砕粉
13 コンクリート塊
21 第1密閉容器(密閉容器)
22 第2密閉容器(密閉容器)
51 第2篩網(篩網)
52 ブラシ
61 第1回収手段(回収手段)
62 第2回収手段(回収手段)
Claims (5)
- 表層部が放射性物質で汚染された汚染コンクリート塊を対象として除染処理を行う汚染コンクリート塊の除染処理方法において、
密閉容器において除染処理対象の前記汚染コンクリート塊をすりもみ処理し、前記汚染コンクリート塊の表層部を磨砕する磨砕工程と、
前記磨砕工程の後に前記密閉容器の内部において前記汚染コンクリート塊に気体を吹き付けて、前記汚染コンクリート塊から前記磨砕工程よって生じた磨砕粉を払落とす第1払落し工程と、
該第1払落し工程の後に前記密閉容器の内部において前記汚染コンクリート塊の表面をブラシで擦り、前記汚染コンクリート塊から前記磨砕粉を払落とす第2払落し工程と、
前記密閉容器から前記磨砕粉を回収する回収工程と、を有することを特徴とする汚染コンクリート塊の除染処理方法。 - 前記第2払落し工程の後に前記密閉容器の内部において前記ブラシに気体を吹き付けて、前記ブラシから前記磨砕粉を払落とす第3払落し工程を有することを特徴とする請求項1に記載の汚染コンクリート塊の除染処理方法。
- 表層部が放射性物質で汚染された汚染コンクリート塊を対象として除染処理を行う汚染コンクリート塊の除染処理装置において、
除染処理対象の前記汚染コンクリート塊を収容する密閉容器と、
該密閉容器の内部において前記汚染コンクリート塊をすりもみ処理し、前記汚染コンクリート塊の表層部を磨砕する磨砕手段と、
前記密閉容器の内部において前記汚染コンクリート塊に気体を吹き付けて、前記汚染コンクリート塊から前記汚染コンクリート塊の表層部が磨砕されたことによって生じた磨砕粉を払落とす第1払落し手段と、
前記密閉容器の内部において前記汚染コンクリート塊をブラシで擦り前記汚染コンクリート塊から前記磨砕粉を払落とす第2払落し手段と、
前記密閉容器から前記磨砕粉を回収する回収手段と、を有することを特徴とする汚染コンクリート塊の除染処理装置。 - 前記密閉容器において前記ブラシに気体を吹き付けて前記磨砕粉を払落とす第3払落し手段を有することを特徴とする請求項3に記載の汚染コンクリート塊の除染処理装置。
- 前記第2払落し手段は、内部に前記汚染コンクリート塊が収容される筒形の篩網を有し、
該篩網は、横向きに配置されて軸線を中心に回転可能に構成されるとともに、内周面に沿って前記ブラシが設けられていることを特徴とする請求項3または4に記載の汚染コンクリート塊の除染処理装置。
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JP2016122546A JP6675642B2 (ja) | 2016-06-21 | 2016-06-21 | 汚染コンクリート塊の除染処理方法および汚染コンクリート塊の除染処理装置 |
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