以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
図1(A)及び図1(B)は、それぞれ一実施形態の表示装置1の閉じ形態と開き形態を示す斜視図である。
表示装置1は、図1(A)及び図1(B)に示されるように、ディスプレイ部10、座標検出装置24、右側ホワイトボード部20、左側ホワイトボード部30、キャスター付きスタンド40などを備えている。
ディスプレイ部10は、略矩形の前面に開口部を有する筐体10aと、該開口部を介して略矩形の表示面11が露出するように筐体10aに収容されたフラットパネル10b(例えば液晶パネルやプラズマパネルなど)とを含む。ディスプレイ部10は、コントローラ60(図15〜図17参照)によって制御される。なお、以下では、表示面11に向かって右側を「右側」とし、表示面11に向かって左側を「左側」として説明する。
また、ディスプレイ部10は、キャスター付きスタンド40により、表示面11が鉛直方向に略平行になるように支持されている。
フラットパネル10bは、表示機能を有するのに加えて、座標検出装置24による検出対象の座標が入力される座標入力領域(タッチパネル領域)が設定されている。
すなわち、フラットパネル10b及び座標検出装置24を含んで、タッチパネル機能を有する表示部が構成されている。
座標検出装置24は、表示面11に対する指示入力手段による入力位置の座標を検出する。なお、「入力位置」は、発光型もしくは非発型の指示入力手段が表示面11に接触もしくは近接した位置を意味する。
さらに、専用のペン形入力装置100の可動ペン先120を表示面11に接触させることにより表示面11に文字や図形などを書き込むことができる。
ペン形入力装置100は、可動ペン先120が表示面11に接触されると、筆記検知信号を無線信号(例えば赤外線)として発信する。
コントローラ60は、ペン形入力装置100からの筆記検知信号をペン信号受信部210(図16及び図17参照)を介して受信すると、座標検出装置24により検出された座標に書き込まれた文字や図形等を表示面11に表示する。
また、ペン形入力装置100は、他端の可動ペン尻130が表示面11に接触されると、筆記検知信号とは異なる消去検知信号を無線信号(例えば赤外線)として発信する。
コントローラ60は、ペン形入力装置100からの消去検知信号をペン信号受信部210(図16及び図17参照)を介して受信すると、座標検出装置24により検出された座標に書き込まれた文字や図形等を表示面11から消去する。すなわち、消去処理を行う。
この消去処理としては、コントローラ60により、検出された座標を背景と同じ色(例えば、白色)とする表示処理が行われる。
右側ホワイトボード部20は、表示面11の一部(ここでは右半分)を覆う閉じ位置と該一部を露出させる開き位置との間で回動可能に筐体10aに設けられている(図2、図4参照)。
詳述すると、右側ホワイトボード部20は、筐体10aの右側部に、表示面11の縦辺に略平行な軸を持つ上下に並ぶ2つのヒンジ400A、400Bを介して接続されている。
また、右側ホワイトボード部20は、開き位置に位置するときに2つの右側固定手段1000A、1000Bによって筐体10aに固定される。右側固定手段1000A、1000Bは、実質的に同一の構成を有する。
左側ホワイトボード部30は、表示面11の残部(ここでは左半分)を覆う閉じ位置と該残部を露出させる開き位置との間で回動可能に筐体10aに設けられている(図2、図4参照)。
詳述すると、左側ホワイトボード部30は、筐体10aの左側部に、表示面11の縦辺に略平行な軸を持つ上下に並ぶ2つのヒンジ500A、500Bを介して接続されている。
また、左側ホワイトボード部30は、開き位置に位置するときに2つの左側固定手段2000A、2000Bによって筐体10aに固定される。左側固定手段2000A、2000Bは、実質的に同一の構成を有する。
表示装置1において、右側及び左側ホワイトボード部20、30の筐体10aに対する開き角度が略0°の形態が前述した「閉じ形態」(図1(A)参照)であり、開き角度が所定角度θ(例えば135°)の形態が前述した「開き形態」(図1(B)参照)である。なお、90°<θ<270°であることが好ましい。
ここで、各ホワイトボード部は、例えばマーカー等の筆記具を用いて両面に書込み可能である。このため、表示装置1が閉じ形態と開き形態のいずれであっても、各ホワイトボード部に書き込みを行うことが可能である。
以上の説明から分かるように、表示装置1は、閉じ形態において「ホワイトボード」として機能し、開き形態において「ホワイトボード付きタッチパネル搭載ディスプレイ」として機能する。
そこで、例えば、表示装置1を起動してから、ディスプレイ部10に対して書き込み可能(タッチパネル機能が動作可能)になるまでは、各形態において、各ホワイトボード部に書き込みを行うことができる。また、例えば、ディスプレイ部10のタッチパネル機能に不具合が生じても、各形態において、各ホワイトボード部に対して書込みを行うことができる。要するに、各形態において、タッチパネル機能が動作していないときにも、各ホワイトボード部に対して書込みを行うことができる。
さらに、表示装置1では、上述した固定手段を導入することにより、開き形態におけるホワイトボード部への安定した書込みを実現している。
なお、右側固定手段と左側固定手段は、取付姿勢が異なる点を除いて、同様の構成及び取付構造を有するので、以下では、右側固定手段(代表的に右側固定手段1000A)及びその取付構造についてのみ、図2の部分拡大図(図2における矩形枠aで囲まれた部分の模式的な拡大図)である図3(C)と、図4の部分拡大図(図4における矩形枠bで囲まれた部分の拡大図)である図5を用いて詳細に説明する。
ここで、図3(C)及び図5に示されるように、筐体10aの右端部には、支持部材3000が例えばビス止めにより固定されている。
支持部材3000の右端面には、ヒンジ400Aの一方のヒンジ部材400A−1と、ヒンジ400Bの一方のヒンジ部材400B−1が例えばビス止めにより固定されている。
右側固定手段1000Aは、支持部材3000の右端面に例えばビス止めにより固定された取付金具1010と、該取付金具1010に台座1025(図3(c)では不図示、図5参照)を介して固定された磁石1020と、右側ホワイトボード部20の一側の端面に例えばビス止めにより固定された磁性部材1030とを含む。
なお、磁石1020は台座1025に固定、保持され、台座1025が取付金具1010に例えばビス止めされている。
磁性部材1030の端面には、ヒンジ400Aの他方のヒンジ部材400A−2と、ヒンジ400Bの他方のヒンジ部材400B−2が例えばビス止めにより固定されている。なお、図3において、ヒンジ部材400B−1、400B−2は、それぞれヒンジ部材400A−1、400A−2の裏側に隠れている。
ここでは、ヒンジ部材400A−1とヒンジ部材400A−2は、鉛直軸周りに相対回動可能に連結されている。また、ヒンジ部材400B−1とヒンジ部材400B−2は、鉛直軸周りに相対回動可能に連結されている。
結果として、本実施形態では、右側及び左側ホワイトボード部20、30は、それぞれ筐体10aに対して鉛直軸周りに回動可能となっている。なお、ホワイトボード部の回動軸は、鉛直軸に対して傾斜していても良い。
そこで、閉じ位置に位置する右側ホワイトボード部20(図3(A)参照)を開き方向に回動させると(図3(B)参照)、その開き角度が所定角度θ(例えば135°)になったとき(図3(C)参照)、磁性部材1030が磁石1020に突き当たって回動が阻止されるとともに、磁性部材1030が磁石1020に引き付けられる。この結果、開き形態において右側ホワイトボード部20が筐体10aに対して固定される。これにより、開き形態における右側ホワイトボード部20に対する書込み時の押圧の反動が抑制され、右側ホワイトボード部20の揺れが抑制され、安定した書込みを行うことが可能となる。なお、仮に開き形態において右側ホワイトボード部20が筐体10aに対して固定されない場合には、右側ホワイトボード部20に対する書込み時の押圧の反動で右側ホワイトボード部20に特に回動方向の揺れが生じ、安定した書込みを行うことが困難となる。
なお、右側ホワイトボード部20は、開き角度が所定角度θになったとき、右側固定手段1000Aによって回動が阻止され固定されると同時に右側固定手段1000Bによっても回動が阻止され固定される。
このように、右側固定手段1000A、1000Bのペアは、右側ホワイトボード部20の最大開き角度を所定角度θ(例えば135°)に規定する機能と、右側ホワイトボード部20を筐体10aに固定する機能を併せ持つ。以下では「所定角度θ」を「最大開き角度θ」とも呼ぶ。
また、左側ホワイトボード部30を開き方向に回動させ、その開き角度が所定角度θ(例えば135°)になったときにも、開き形態において左側ホワイトボード部30が筐体10aに対して固定される。これにより、開き形態における左側ホワイトボード部30に対する書込み時の押圧の反動が抑制され、左側ホワイトボード部30の揺れが抑制され、安定した書込みを行うことが可能となる。なお、仮に開き形態において、左側ホワイトボード部30が筐体10aに対して固定されない場合には、左側ホワイトボード部30に対する書込み時の押圧の反動で左側ホワイトボード部30に特に回動方向の揺れが生じ、安定した書込みを行うことが困難となる。
なお、左側ホワイトボード部30は、開き角度が所定角度θになったとき、左側固定手段2000Aによって回動が阻止され固定されると同時に左側固定手段2000Bによっても回動が阻止され固定される。
このように、左側固定手段2000A、2000Bのペアは、左側ホワイトボード部30の最大開き角度を所定角度θ(例えば135°)に規定する機能と、左側ホワイトボード部30を筐体10aに固定する機能を併せ持つ。
一方、各ホワイトボード部が2つの固定手段によって開き位置で固定された状態から、該ホワイトボード部に、2つの磁性部材に対する2つの磁石の引力に抗する閉じ方向の外力を作用させることで、該2つの磁性部材を対応する2つの磁石から引き離し該ホワイトボード部を閉じ方向に回動させることができる。
ここで、図6に示されるように、表示装置1が部屋(例えば会議室、教室等)の隅に配置されるような場合には、各ホワイトボード部の最大開き角度θを略135°に設定することが好ましい。
一方、図7に示されるように、表示装置1が部屋(例えば会議室、教室等)の一壁に沿って配置されるような場合には、各ホワイトボード部の最大開き角度θを略180°に設定することが好ましい。
また、表示装置1は、前述の如くキャスター付きスタンド40に支持されているため、部屋内での移動や、部屋間での移動が容易である。
そこで、表示装置1では、その配置状況に応じて、各ホワイトボード部の最大開き角度θを変更可能となっている。
すなわち、表示装置1では、支持部材3000に対する取付金具1010の取付姿勢と、取付金具1010に対する磁石1020の取付位置を変えることにより、開き形態を規定する(決める)最大開き角度θを変更可能となっている。
具体的には、2つの最大開き角度θを例えば135°と例えば180°のいずれかに選択的に設定できるよう取付金具1010の形状に工夫が凝らされている。
詳述すると、取付金具1010は、金属製又は合金製の平板状の基材をその表面内の平行な2つの直線に沿って異なる折り曲げ角度で折り曲げた形状(2つの折り曲げ部を含む形状)を有している(図3及び図5参照)。すなわち、取付金具1010では、2つの折り曲げ部の一方の折り曲げ部が一端部分1010aと中間部分1010bにより形成され、他方の折り曲げ部が中間部分1010bと他端部分1010cにより形成されている。なお、図3では、2つの折り曲げ部は、折り曲げ方向が異なっているが、同じであっても良い。
取付金具1010の一方の折り曲げ部を形成する一端部分1010aと中間部分1010bは135°の角度を成しており、他方の折り曲げ部を形成する中間部分1010bと他端部分1010cは90°の角度を成している。
そして、最大開き角度θを135°に設定する場合には、図3に示されるように、磁石1020が取り付けられた台座1025(図3では不図示、図5参照)を一端部分1010aにビス止めし、かつ中間部分1010bを支持部材3000にビス止めする。
一方、最大開き角度θを180°に設定する場合には、図8に示されるように、磁石1020が取り付けられた台座1025(図8では不図示、図5参照)を他端部分1010cにビス止めにより磁石1020を固定し、かつ中間部分1010bを支持部材3000にビス止めにより固定する。
この場合に、閉じ位置に位置する右側ホワイトボード部20(図8(A)参照)を開き方向に回動させると(図8(B)参照)、その開き角度が所定角度θ(例えば180°)になったとき(開き形態になったとき、図8(C)参照)、磁性部材1030が磁石1020に突き当たって回動が阻止されるとともに、磁性部材1030が磁石1020に引き付けられる。この結果、開き形態において右側ホワイトボード部20が筐体10aに対して固定される。これにより、開き形態における右側ホワイトボード部20に対する書込み時の押圧の反動が抑制され、右側ホワイトボード部20の揺れが抑制され、安定した書込みが可能となる。なお、仮に開き形態において、右側ホワイトボード部20が筐体10aに対して固定されない場合には、書込み時に右側ホワイトボード部20に特に回動方向の揺れが生じ、安定した書込みを行うことが困難となる。
また、左側ホワイトボード部20を開き方向に回動させ、その開き角度が所定角度θ(例えば180°)になったとき(開き形態になったとき)にも、左側ホワイトボード部30が筐体10aに対して固定される。これにより、開き形態における左側ホワイトボード部30に対する書込み時の押圧の反動が抑制され、左側ホワイトボード部30の揺れが抑制され、安定した書込みを行うことが可能となる。なお、仮に開き形態において、左側ホワイトボード部30が筐体10aに対して固定されない場合には、書込み時に左側ホワイトボード部30に特に回動方向の揺れが生じ、安定した書込みを行うことが困難となる。
以上の説明から分かるように、取付金具1010は、2つの開き形態をそれぞれ規定する2つの最大開き角度θのいずれかを選択的に設定する最大開き角度設定部材として機能する。
なお、取付金具1010の着脱や、取付金具1010に対する磁石1020の着脱は、ドライバーを用いたビス穴に対するビスの着脱により、容易に行うことができる。
また、取付金具は、必ずしも折り曲げることにより作製される必要はなく、例えば、金属製又は合金製の平板状の複数の基材を溶接等により接合して作製しても良い。
また、取付金具の折り曲げ部の数を3つ以上にすることにより、3つ以上の開き形態に対応することも可能である。
また、磁石1020は、取付金具1010に代えて、直接又は間接的にホワイトボード部に取り付けられても良い。この場合、取付金具1010には、最大開き角度設定部材としての機能に加えて、磁性体としての機能が要求される。すなわち、取付金具1010の材料には、磁性体を用いる必要がある。この磁性体として極力剛性が高いものが好ましい。
磁石1020をホワイトボード部に直接又は間接的に取り付ける場合、図3や図8から分かるように、ホワイトボード部の最大開き角度を変更する際、取付金具1010の取付姿勢を変更するだけ良く、ホワイトボード部に対する磁石1020の取付位置を変更する必要がない。このため、最大開き角度θの変更作業が容易となる。
図9に示されるように、筐体10aの開口部の縁の上部及び下部の中央より右側の部位には、右側ホワイトボード部20の上角部及び下角部にそれぞれ取り付けられた磁性部材4000A、4000Bに対応する位置にそれぞれ磁石5000A、5000Bが取り付けられており、右側ホワイトボード部20が閉じ位置に位置するときに2つの磁性部材4000A、4000Bが対応する2つの磁石5000A、5000Bに接触し引き付けられ、右側ホワイトボード部20が閉じ位置で固定される。逆に、閉じ位置に位置する右側ホワイトボード部20に2つの磁石5000A、5000Bの引力に抗する開き方向の外力を作用させることで、右側ホワイトボード部20を開き方向に回動させることができる。
また、筐体10aの開口部の縁の上部及び下部の中央より左側の部位には、左側ホワイトボード部30の上角部及び下角部にそれぞれ取り付けられた磁性部材6000A、6000Bに対応する位置にそれぞれ磁石7000A、7000Bが取り付けられており、左側ホワイトボード部30が閉じ位置に位置するときに2つの磁性部材6000A、6000Bが対応する2つの磁石7000A、7000Bに接触し引き付けられ、左側ホワイトボード部30が閉じ位置で固定される。逆に、閉じ位置に位置する左側ホワイトボード部30に2つの磁石7000A、7000Bの引力に抗する開き方向の外力を作用させることで、左側ホワイトボード部30を開き方向に回動させることができる。なお、上記とは逆に、筐体10aに磁性部材を取り付け、かつホワイトボード部に磁石を取り付けても良い。
なお、各ホワイトボード部を開き位置や閉じ位置において筐体10aに固定する手段は、上述したような磁石と磁性部材を含む手段に限られず、要は、各ホワイトボード部が開き位置や閉じ位置に位置するときに該ホワイトボード部を筐体10aに固定する手段であれば良い。
例えば、上記固定する手段として、図10に示されるように、フック面とループ面を有する面ファスナー(いわゆるマジックテープ(登録商標))を用いても良い。
具体的には、面ファスナーのフック面及びループ面の一方の面を取付金具1010に固定し、他方の面をホワイトボード部の端面に取り付けても良い。
以上、右側及び左側ホワイトボード部20、30がいずれも閉じ位置に位置する閉じ形態と、右側及び左側ホワイトボード部20、30がいずれも開き位置に位置する開き形態で表示装置1を使用する場合について説明したが、例えば表示面11を使用しない場合や、表示面11の右半分又は左半分のみを使用するような場合には、右側及び左側ホワイトボード部20、30の一方が閉じ位置に位置し他方が開き位置に位置する半閉じ形態(半開き形態)で表示装置1を使用することも可能である。但し、表示装置1が左右対称となる閉じ形態又は開き形態で用いる方が装置のバランスの観点から好ましい。
図11には、座標検出装置24の概略的構成が示されている。
座標検出装置24は、図11に示されるように、表示面11の4つの角部近傍にそれぞれ配置された4つの受発光手段300、301、302、303、及び各受発光手段を制御する制御部400(図11では不図示、図17参照)を含んで構成される。ここでは、各受発光手段は、実質的に同一の構成を有しているが、互いに異なる構成とすることも可能である。
各受発光手段は、図12に示されるように、赤外線を出射する発光部255と、該発光部255からの光の光路上に配置され該光を表示面11に沿って扇形状に広がりながら進行する光として出射する光学系(不図示)と、赤外線を受光する受光部254とを含む。各発光部としては、例えばLD(レーザダイオード)、VCSEL(面発光レーザ)、LED(発光ダイオード)等が挙げられる。
図11に戻り、表示面11の四辺には、それぞれ再帰性反射部材320、330、340、345が再帰反射面を表示面11の中央に向けて設置されている。再帰性反射部材は、入射した光を、入射角度によらずに同じ方向に反射する特性をもった部材である。
表示面11の左上の角部近傍に配置された受発光手段300は、表示面11に沿って赤外線を照射可能であり、その照射範囲は右側の再帰性反射部材330及び下側の再帰性反射部材340の全域である。
また、表示面11の右上の角部近傍に配置された受発光手段301は、表示面11に沿って赤外線を照射可能であり、その照射範囲は左側の再帰性反射部材320及び下側の再帰性反射部材340の全域である。
また、表示面11の左下の角部近傍に配置された受発光手段302は、表示面11に沿って赤外線を照射可能であり、その照射範囲は右側の再帰性反射部材330及び上側の再帰性反射部材345の全域である。
また、表示面11の右下の角部近傍に配置された受発光手段303は、表示面11に沿って赤外線を照射可能であり、その照射範囲は左側の再帰性反射部材320及び上側の再帰性反射部材345の全域である。
制御部400は、4つの受発光手段300、301、302、303の発光部を制御し、少なくとも2つの受発光手段の受光部の出力(出力信号)に基づいて指示入力手段(ペン形入力装置や非発光体)による入力位置の座標を求める。制御部400は、例えばCPU、チップセットを含んで構成される。
表示面11に何も接触もしくは近接していない場合、受発光手段300、301、302、303の発光部から照射された赤外線は、再帰性反射部材320、330、340、345で反射され、それぞれの反射光が受発光手段300、301、302、303の受光部で受光される。
ここで、図13に示されるように、例えば手指、指示棒等の非発光体200が表示面11に接触もしくは近接された場合、受発光手段300、301、302、303から照射された赤外線の一部が接触箇所もしくは近接箇所で遮断される。
そこで、表示面11の外縁に沿って隣り合う2つの受発光手段の受光部の出力信号から、該2つの受発光手段それぞれの出射位置と赤外線の一部が遮断された箇所(入力位置)を通る直線の、表示面11の横辺もしくは縦辺に対する傾斜角度を取得し、該傾斜角度の組み合わせを三角測量の数式でXY座標に変換することで、入力位置の座標を求めることができる。
図11に戻り、ペン形入力装置100は、その可動ペン先120が表示面11に接触されると、接触圧による可動ペン先120の変位により接触が検知される。接触が検知されると、可動ペン先120の先端に搭載された発光素子105から赤外線が照射され、その赤外線が受発光手段300、301、302、303の受光部に入射する。このとき、表示面11の外縁に沿って隣り合う2つの受発光手段の受光部の出力(受光光量)に基づいて、三角測量の数式で座標を演算子、XY座標に変換することができ、表示面11に対するペン形入力装置100による筆記時の入力位置の座標を求めることができる。
また、ペン形入力装置100は、その可動ペン尻130が表示面11に接触されると、接触圧による可動ペン尻130の変位により接触が検知される。接触が検知されると、可動ペン尻130の先端に搭載された発光素子105から赤外線が照射され、その赤外線が受発光手段300、301、302、303の受光部に入射する。このとき、表示面11の外縁に沿って隣り合う2つの受発光手段の受光部の出力(受光光量)に基づいて、三角測量の数式で座標を演算子、XY座標に変換することができ、表示面11に対するペン形入力装置100による消去時の入力位置の座標を求めることができる。
図14は、ペン形入力装置100の縦断面図である。図14に示されるように、ペン形入力装置100は、円筒形状のペン本体110の一端に筆記ユニット100Aが設けられ、ペン本体110の他端に消去ユニット100Bが設けられている。筆記ユニット100Aは、ペン本体110の先端凹部112に、可動ペン先120と、ペン先検知スイッチ140とを有する。また、消去ユニット100Bは、ペン本体110の後端凹部114に、可動ペン尻130と、ペン尻検知スイッチ150とを有する。
ペン先検知スイッチ140、及びペン尻検知スイッチ150は、所謂プッシュスイッチからなり、それぞれ軸方向に突出する可動切片142、152を有する。可動切片142、152は、可動ペン先120、可動ペン尻130と微小な隙間を介して離間している。そのため、可動切片142、152は、可動ペン先120、可動ペン尻130が軸方向に所定距離以上(上記微小隙間以上)移動したときに押圧され、スイッチのオフからオンに切り替わる可動範囲(軸方向距離)を移動することで検知信号を出力するように構成されている。
ペン先検知スイッチ140、及びペン尻検知スイッチ150は、一端が先端凹部112、後端凹部114の奥部に形成された隔壁113、115に固定されている。また、ペン先検知スイッチ140、及びペン尻検知スイッチ150は、他端より突出する可動切片142、152をオフの位置に押圧するバネ部材が内蔵されている。
ペン形入力装置100は、ペン本体110の内部空間116に送信回路ユニット(送信手段)180が収納されている。また、送信回路ユニット180は、信号入力部182と、信号処理部184と、検知信号送信部186とを有する。
信号入力部182は、ペン先検知スイッチ140やペン尻検知スイッチ150からの検知信号が入力される。信号処理部184は、信号入力部182を介して入力された検知信号を可動ペン先120や可動ペン尻130の発光素子105の駆動信号に変換して検知信号送信部186に送る。検知信号送信部186は、駆動信号を発光素子105に印加して、該発光素子105から無線信号(筆記検知信号や消去検知信号)としての赤外線を発信する。
すなわち、ペン形入力装置100は、可動ペン先120又は可動ペン尻130が表示面11に接触すると、赤外線を放射する。
また、再帰性反射部材320、330、340、345の長さを変更することで、サイズの拡張を簡単に行えるため、様々なサイズのフラットパネルに対応可能なだけでなく、プロジェクタなどの投影装置にも対応可能である。
図15は、表示装置1の主要部を模式的に示す図である。図16は、表示装置1の制御系の構成を示すブロック図である。ディスプレイ部10は、図15及び図16から分かるように、コントローラ60により制御され、入力操作される各種画面操作部26やユーザPC90から取り込まれた画像を表示面11に表示する。
また、コントローラ60は、USB(Universal Serial Bus)ケーブル70が接続されるUSBソケット72、VGA(Video Graphics Array)やHDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)、Display Portといったケーブル80が接続される入力ソケット82を有する。
ユーザPC(Personal Computer)90は、USBソケット72及びVGAやHDMI(登録商標)、DisplayPortなどの信号を入力するソケット82を介してコントローラ60と接続される。
また、ユーザPC90は、磁気ディスク装置などからなるストレージ94(図16参照)を有する。
ストレージ94には、各種コンテンツ及びコンテンツ表示用アプリケーションソフトウエアなどのプログラムが格納されている。
そして、操作者は、ストレージ94に格納されたコンテンツの中から所望のコンテンツを選択することで、モニタ92(図15参照)に当該コンテンツを表示させる。
そこで、コントローラ60は、ユーザPC90のモニタ92に表示された画像データがUSBケーブル70及びVGAケーブル80を介して転送されると、ディスプレイ部10のユーザPC画面28にモニタ92に表示された画像データと同じ画像を表示する。
また、コントローラ60は、光ファイバなどの通信回線205及びネットワークソケット202を介してインターネット又はLAN(Local Area Network)等のネットワーク204にも接続される。
図17は、表示装置1のコントローラ60の構成を示すブロック図である。図17に示されるように、コントローラ60は、コントローラオペレーティングシステム部220と、アプリケーション部230と、映像入力デバイス部240と、タッチパネルドライバ部250とを有する。
アプリケーション部230は、イベント信号判断部231と、映像入力処理部232と、画像描画処理部234と、画面消去処理部236と、画面操作処理部238とを有する。
コントローラオペレーティングシステム部220は、コントローラ60で行う制御処理を管理、実行するメイン制御部である。
アプリケーション部230は、ディスプレイ部10の表示面11に表示される画像全体を生成する制御処理、ユーザPC画面28に表示する制御処理、ペン形入力装置100の可動ペン先120もしくは可動ペン尻130が表示面11に接触し、筆記検知信号もしくは消去検知信号が検知された場合、ならびに表示面11に対する例えば手指、指示棒等の非発光体による入力(接触もしくは近接)が検知された場合に、筆記された図形や文字などを表示もしくは消去する制御処理を行う。
イベント信号判断部231は、コントローラオペレーティングシステム部220から入力されるイベント信号を監視しており、入力されたイベント信号に応じた制御処理を行う。
映像入力処理部232は、ユーザPC90から入力された画像を表示面11のユーザPC画面28に表示するための制御処理を行う。
画像描画処理部234は、イベント信号判断部231を介して座標検出装置24から入力される座標情報に基づいて手書きのグラフィックを生成し、既に表示された画像に手書きのグラフィックを重畳してディスプレイ部10の表示面11に表示する。
画面消去処理部236は、イベント信号判断部231を介して座標検出装置24から入力される座標情報に基づいて現在表示されている画像の背景色でグラフィックを生成し、既に表示された画像に背景色のグラフィックを重畳してディスプレイ部10の表示面11に表示する。
これにより、ディスプレイ部10に表示された手書きグラフィックに背景色のグラフィックが重畳されて見かけ上は、表示面11から消去される。
画面操作処理部238は、座標検出装置24から入力される座標情報(座標信号)をマウスイベントなどのポインティングディバイス信号に変換し、ディスプレイ部10の表示面11に表示される画面操作部26のオン・オフ操作による処理を行う。
また、座標検出装置24の受発光手段300、301、302、303により検知されたペン形入力装置100が接触した位置の座標情報をマウスダウンイベントとして座標値と共にコントローラオペレーティングシステム部220に伝送する。
また、ペン形入力装置100が座標検出装置24の表示面11に接触したまま移動させられた場合、マウスアップイベントとして座標値と共にコントローラオペレーティングシステム部220に伝送する。
タッチパネルドライバ部250は、ペン形入力装置100からペン信号受信部210を介して入力された筆記検知信号又は消去検知信号と、座標検出装置24から入力された座標信号を所定のイベント信号に変換してコントローラオペレーティングシステム部220に伝送する。
図18は、発光素子がペン本体に搭載されたペン形入力装置100、101、102の入力検知ならびに入力位置検出の構成を示した図である。各ペン形入力装置は、実質的に同一の構成を有している。ここでは、4つの受発光手段300、301、302、303の発光部は消灯している。また、受発光手段300の出射位置とペン形入力装置101、102による入力位置が同一直線上にあり、受発光手段301の出射位置とペン形入力装置100、102よる入力位置が同一直線上にある。
各ペン形入力装置の可動ペン先が表示面11に接触された場合、その発光素子から照射された赤外線が受発光手段300、301、302、303に入射する。これにより、該ペン形入力装置が表示面11に接触した位置(入力位置、タッチ位置)での赤外線光量が大きくなり、その位置を推定するための角度を、少なくとも2つの受発光手段の受光部の出力から得ることができる。受光部の出力を「受光光量」とも呼ぶ。
図19(A)は、図18に示されるように配置された3つのペン形入力装置100、101、102の発光素子が発光したときに、受発光手段300、301で検知される光量を示した図である。
図19(A)から分かるように、各発光素子から赤外線が発せられた際、その位置の光量が突出して大きくなる。これにより、表示面11に複数のペン形入力装置が接触していることを検知できる。
ここで、受発光手段300、301の受光部の出力から得られる角度の組み合わせが(θ11、θ21)のみであると仮定する。この場合、ペン形入力装置100の発光素子105のみが発光している、すなわちペン形入力装置100による入力のみがあると推定でき、(θ11、θ21)を用いた三角測量により、その入力位置(タッチ位置)の座標(X1、Y1)を一義的に求めることができる。
しかし、実際に3つのペン形入力装置100、101、102の発光素子が発光している場合、受発光手段300、301の受光部の出力(受光光量)から得られる角度の組み合わせは(θ11、θ21)、(θ11、θ22)、(θ12、θ21)、(θ12、θ22)の合計4つあり、これら4つの組み合わせのどの組み合わせで決まる位置でペン形入力装置による入力があるかを正確に推定することは困難である。図18において、実際には(θ11、θ21)、(θ12、θ22)、(θ12、θ21)でそれぞれ決まる3つの位置に対してペン形入力装置100、101、102による入力があるが、例えば(θ11、θ22)で決まる位置に対してもペン形入力装置による入力があると誤検知したり、例えば(θ12、θ21)で決まる位置に対してはペン形入力装置による入力はないと誤検知するおそれがある。
すなわち、図18における3つのペン形入力装置100、101、102による入力位置は、2つの受発光手段300、301の受光光量のみからでは、正確に推定できず、誤検知が生じるおそれがある。
そこで、受発光手段300、301の受光光量に加えて、図19(B)に示される2つの受発光手段302、303の少なくとも一方の受光光量を用いてペン形入力装置による入力位置を推定することが好ましい。
この場合、受発光手段300、301の受光光量から得られた角度(図19(A)参照)と、受発光手段302、303の少なくとも一方の受光光量から得られた角度(図19(B)参照)を組み合わせることにより、入力位置を推定するための角度情報を増やすことができるため、複数のペン形入力装置による入力が同時にあった場合でも、それぞれの入力位置を正確に推定し、その座標を求めることができる。
例えば、3つの受発光手段300、301、302から得られる角度の組み合わせ(θ11、θ21、θ31)、(θ12、θ22、θ32)、(θ12、θ21、θ33)から、それぞれに対応する3つの位置での入力を正確に検知でき、さらに2つの受発光手段300、301から得られる角度の組み合わせ(θ11、θ21)、(θ12、θ22)、(θ12、θ21)をそれぞれ用いて三角測量を行うことで、対応する入力位置の座標(X1、Y1)、(X2、Y2)、(X3、Y3)を求めることができる。結果として、3つのペン形入力装置100、101、102による入力位置の座標を正確に求めることができる。すなわち、上記のような誤検知を防止できる。
また、例えば、4つの受発光手段300、301、302、303から得られる角度の組み合わせ(θ11、θ21、θ31、θ41)、(θ12、θ22、θ32、θ42)、(θ12、θ21、θ33、θ43)から、それぞれに対応する3つの位置での入力を正確に検知でき、さらに2つの受発光手段300、301から得られる角度の組み合わせ(θ11、θ21)、(θ12、θ22)、(θ12、θ21)をそれぞれ用いて三角測量を行うことで、対応する入力位置の座標(X1、Y1)、(X2、Y2)、(X3、Y3)を求めることができる。結果として、3つのペン形入力装置100、101、102による入力位置を正確に求めることができる。すなわち、上記のような誤検知をより防止できる。
なお、4つの受発光手段から得られる角度の組み合わせを用いる場合には、4つのペン形入力装置による入力が同時にあった場合でも、それぞれの入力位置の座標を求めることもできる。
また、上記2つの例では、2つの受発光手段300、301の受光光量に基づいて三角測量(入力位置の座標の計算)を行うこととしているが、これに代えて、2つの受発光手段300、302の受光光量や、2つの受発光手段302、303の受光光量や、2つの受発光手段303、301の受光光量に基づいて三角測量(入力位置の座標の計算)を行うこととしても良い。要は、表示面11に沿って隣り合う2つの受発光手段の受光光量に基づいて三角測量を行うことが好ましい。
以上の説明から分かるように、表示面11の外縁に沿って配置される受発光手段の数が多いほど、より多くのペン形入力装置による入力位置の座標を同時に求めることができる。また、ペン形入力装置の発光素子から発せられる赤外線を、例えば手のひらなどで遮断してしまった場合でも、いずれかの受発光手段から得られる角度を用いて、該ペン形入力装置による入力位置を推定することが可能となる。
なお、受発光手段を増設する場合は、例えば表示面11の頂点間の位置近傍に配置しても良い。
図20は、例えば手指、指示棒等の非発光体200の入力検知及び入力位置検出の構成を示した図である。ここでは、4つの受発光手段300、301、302、303の発光部が点灯している。
図21は、受発光手段300、301、302、303から照射されている赤外線が、指等の非発光体200によって遮断された場合の、受発光手段300、301、302、303で検出される光量を示した図である。
受発光手段300、301、302、303からは赤外線が常に照射されている。各受発光手段からの赤外線は、表示面11の四辺にそれぞれ配置された4つの再帰性反射部材320、330、340、345で反射され、該受発光手段に戻ってくる。
受発光手段からの赤外線の光路を非発光体200で遮断すると、該受発光手段に赤外線が戻ってこず、図21に示されるようにその部分のみ光量が減るため、受発光手段300、301の受光光量から得られる角度θ1、θ2や、受発光手段302、303の受光光量から得られる角度θ3、θ4を用いて三角測量を行うことで、非発光体200による入力位置の座標(X、Y)を求めることができる。
また、この例では、2つの受発光手段300、301の受光光量や、2つの受発光手段303、304の受光光量に基づいて三角測量(入力位置の座標の計算)を行うこととしているが、これに代えて、2つの受発光手段300、302の受光光量や、2つの受発光手段302、303の受光光量や、2つの受発光手段303、301の受光光量に基づいて三角測量(入力位置の座標の計算)を行うこととしても良い。
また、上述した複数のペン形入力装置による入力位置の座標検出の場合と同様に、複数の非発光体200が表示面11に同時に接触もしくは近接しても、4つの受発光手段300、301、302、303の受光光量から得られる角度θ1、θ2、θ3、θ4の少なくとも3つを用いることで、複数の非発光体200による入力位置を正確に求めることが可能となる。
以上説明した本実施形態の表示装置1は、開口部を有する筐体10aと、開口部を介して表示面11が露出するように筐体10aに収容された、タッチパネル機能を有する表示部と、筐体10aに回動可能に設けられた、書込み可能な右側及び左側ホワイトボード部20、30(書き込み可能な2つの板状部材)と、を備えている。
この場合、タッチパネル機能が動作していないときでも書込みを行うことができる。
具体的には、表示装置1では、装置に電源を投入してからタッチパネル機能が動作可能になるまでにホワイトボード部に書込み可能であり、またタッチパネル機能に不具合(例えば動作不良)が生じてもホワイトボード部に書込み可能である。
一方、特許文献1(特開2000−118190号公報)には、黒板の防水の目的で、黒板に開閉式のカバー(回動可能なカバー)を取り付ける技術が開示されている。
しかし、タッチパネル機能を有する表示装置に開閉式のカバーを取り付けても、該カバーに書き込みはできない。この場合、例えば表示装置に電源を投入してから書き込み可能になるまで(タッチパネル機能が動作可能になるまで)に時間を要し、またタッチパネル機能に不具合(例えば動作不良)が生じたときには書込みを行うことができない。すなわち、タッチパネル機能が動作していないときには書込みを行うことができない。
また、各ホワイトボード部は、表示面11の半分を覆う第1位置(閉じ位置)と該半分を露出させる第2位置(開き位置)との間で回動可能であり、表示装置1は、第2位置(開き位置)に位置する該ホワイトボード部を筐体10aに固定するための固定手段を更に備えている。
この場合、開き位置に位置するホワイトボード部の書込み時の揺れが抑制され、安定した書込みを行うことが可能となる。
また、固定手段は、ホワイトボード部が開き方向に回動され開き位置に到達したときに該ホワイトボード部を筐体10aに固定する。
この場合、ホワイトボード部を開き位置へ回動させるだけで該ホワイトボード部を筐体10aに固定することができる。
また、固定手段は、筐体10a及びホワイトボード部の一方に設けられた第1係止部と、筐体10a及びホワイトボード部の他方に設けられ該ホワイトボード部が開き位置に位置するときに第1係止部と係止する第2係止部と、を含む。
特に、第1係止部が磁石1020を含み、第2係止部が、ホワイトボード部が開き位置に位置するときに磁石1020に接触する磁性部材1030を含む場合、該ホワイトボード部の筐体10aに対する固定や固定解除を簡単に行うことができる。
また、第1係止部が面ファスナーのフック面を含み、第2係止部が、ホワイトボード部が開き位置に位置するときにフック面に接触する、面ファスナーのループ面を含む場合にも、該ホワイトボード部の筐体10aに対する固定や固定解除を簡単に行うことができる。
また、第1及び第2係止部の一方が、開き位置を決めるホワイトボード部の最大開き角度を設定し、その設定を変更可能な最大開き角度設定手段を含む場合には、表示装置1の設置状況に応じてホワイトボード部の開き位置を変更できる。
また、最大開き角度設定手段が、折り曲げ角度が異なる複数の折り曲げ部を有する取付金具1010を含む場合には、少なくとも取付金具1010の姿勢を変更することにより、最大開き角度を変更することができる。
また、2つのホワイトボード部が、筐体10aの右側部の周りに回動可能であり、閉じ位置に位置するときに表示面11の右半分を覆う右側ホワイトボード部20と、筐体10aの左側部の周りに回動可能であり、閉じ位置に位置するときに表示面11の左半分を覆う左側ホワイトボード部30と、を含む場合には、右側及び左側ホワイトボード20、30を開き位置に位置させたときの装置全体のバランスを良好に保つことができる。
以上の説明から明らかなように、本実施形態の表示装置1は、例えばプレゼンテーション、会議等において、ホワイトボード部に対して常時書込みが可能であるため、タッチパネル機能を有する表示部に対して書き込みができないときに特に有効である。また、表示装置1は、閉じ形態においてホワイトボード部のみに対して書き込み可能であり、開き形態において表示部及びホワイトボード部のいずれに対しても書き込み可能であり、非常に使い勝手が良い。
なお、本発明の表示装置は、上記実施形態の表示装置1に限定されず、適宜変更可能である。
例えば、表示装置は、開き形態においてホワイトボード部を筐体に固定する固定手段を有していなくても良い。この場合、表示装置は閉じ形態ではホワイトボード部の揺れが生じ難いので、タッチパネル機能を使用しないときや、タッチパネル機能が動作していないときは閉じ形態で用いることが好ましい。
また、表示装置が固定手段を有していない場合は、ヒンジのトルクを大きくして、ホワイトボード部への書き込み時の揺れを抑制しても良い。但し、この場合、ホワイトボード部の開閉時に相当な力を要する。
また、固定手段は、取付金具1010を有していなくても良い。この場合、最大開き角度を変更するための機構を設けても良い。但し、この場合、構成の煩雑化や、突き当て時の剛性が低下することが懸念される。
また、表示装置は、閉じ形態においてホワイトボード部を筐体に固定する手段として、外付けのロック装置を用いても良い。
また、表示装置は、閉じ形態においてホワイトボード部を筐体に固定する手段を有していなくても良い。
また、表示装置のホワイトボード部の数は、2つに限らず、1つ又は3つ以上であっても良い。
例えば、表示面の全域を覆う単一のホワイトボード部を用いても良いし、ホワイトボード部20、30の少なくとも一方を上下に複数分割し、分割された各ホワイトボード部を筐体に対して個別に回動可能としても良い。
また、表示装置は、ホワイトボード部に代えて、黒板部を用いても良い。
また、ホワイトボード部や黒板部は、ディスプレイ部10の表示面11とは反対側の面の(背面)少なくとも一部を覆う位置と該少なくとも一部を露出させる位置との間で回動可能に筐体10aに設けられても良い。この場合も、開き位置に位置するホワイトボード部を筐体に固定するための固定手段を有することが好ましい。
また、ホワイトボード部や黒板部は、両面に書込み可能なものに限らず、片面のみに書込み可能なものであっても良い。すなわち、閉じ位置に位置するホワイトボード部の、表示面11に対向する面のみを書込み可能な面としても良いし、該対向する面の反対側の面のみを書込み可能な面としても良い。
また、上記実施形態において、ヒンジや固定手段の数は、ホワイトボード部の数、大きさ等に応じて、適宜変更可能である。
また、取付金具1010は、固定手段の構成要素でなくても良い。
また、上記実施形態の座標検出装置24は、受発光手段を4つ有しているが、これに限らず、例えば以下に説明する変形例1、2のように、適宜変更可能である。以下の変形例の座標検出装置は、受発光手段の数が異なる点を除いて、上記実施形態の座標検出装置24と実質的に同一の構成を有する。
《変形例1》
例えば、図22(A)及び図23(A)に示される変形例1の座標検出装置24´のように、2つの受発光手段300、301のみを有していても良い。この場合、発光ペンによる入力位置の座標検出時に2つの受発光手段300、301の受光光量から得られる角度θ1、θ2(図22(B)参照)から発光ペンによる入力位置の座標を検出し、非発光体による入力位置の座標検出時に2つの受発光手段300、301の受光光量から得られる角度θ1、θ2(図23(B)参照)から非発光体による入力位置の座標を検出しても良い。
《変形例2》
また、例えば、図24(A)及び図25(A)に示される変形例2の座標検出装置24´´のように、3つの受発光手段300、301、302のみを有していても良い。この場合、発光ペンによる入力位置の座標検出時に3つの受発光手段300、301、302の受光光量から得られる角度θ11、θ12、θ21、θ22、θ31、θ32(図24(B)参照)を用いて発光ペンによる入力を検知し、(θ11、θ21)、(θ12、θ22)から、該発光ペンによる入力位置の座標を検出しても良い。また、非発光体による入力位置の座標検出時に2つの受発光手段300、301の受光光量から得られる角度θ11、θ12、θ21、θ22(図25(B)参照)から非発光体による入力を検知し、(θ11、θ21)、(θ12、θ22)から、該非発光体による入力位置の座標を検出しても良い。
また、図26に示されるように、発光ペンと非発光体による入力が同時に有った場合でも、上記座標検出装置24、24´、24´´を用いることにより、発光ペン及び非発光体の一方による入力位置の座標の検出が完了後、即座に他方による入力位置の座標を検出することができる。
なお、上記実施形態及び各変形例では、受発光手段の発光部や発光ペンの発光素子から放射する光(無線信号)として赤外線を用いているが、これに限らず、他の波長帯の光(好ましくは不可視光)を用いても良い。この場合も、放射する光の波長を、発光部間や、発光部と発光素子の間で同一にすることが好ましい。
また、上記実施形態及び各変形例では、制御部400は、コントローラ60とは別に設けられているが、コントローラの一部であっても良い。また、制御部400を設けずに、コントローラ60の一部(例えばコントローラオペレーティングシステム部220)が制御部400の機能を担っても良い。
以下に、発明者らが上記実施形態を発案するに至った思考プロセスを説明する。
従来、電子ペン(描画装置)やユーザの指と画像表示部との接触や近接を検知する電子情報ボードシステム(電子黒板)が知られている。
しかし、従来の電子情報ボードシステムでは、電源を入れてから書き込み可能になるまでに時間を要し、会議等ですぐに書き込みが必要な場合に書き込めないという問題がある。
そこで、ホワイトボードをヒンジで開閉可能にディスプレイに取り付けることにより、この問題に対処できる。
しかし、この場合には、下記の(1)〜(4)のような留意点がある。
(1)ホワイトボードへの書き込み時に、該ホワイトボードが所定の角度以上に開かないよう突き当て部(ストッパ)が必要である。
(2)突き当て部だけでは、書き込み時の電子ペンや指の押圧の反動により、ホワイトボードが揺れる。
(3)ヒンジ自体のトルクを上げると、揺れは収まるが、ホワイトボードの開閉動作自体も重くなり作業性が悪い。
(4)ホワイトボードを開き、突き当て部に突き当たったときのみ、ホワイトボードの閉動作を規制することが望まれる。
また、ホワイトボードの開閉角度についても、下記の(5)〜(7)のような留意点がある。
(5)突き当て部の位置により、ホワイトボードの開き角度が決定する。
(6)ユーザの使用環境により、適切な開き角度は異なる。
(7)突き当て部の位置を可変にしたいが、可変機構を用いると、突き当て部の剛性が下がり、ホワイトボード書き込み時の揺れが増加することが懸念される。
そこで、発明者らは、以上の問題を解決すべく、上記実施形態を発案するに至った。