以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。
(スロットマシンの構成)
図1は、スロットマシンの概略構成を説明するための説明図である。図1(a)に、スロットマシン10の正面図を示す。同図において、スロットマシン10の筐体の前面部には、フロントパネル20が設けられている。このフロントパネル20の略中央には、表示窓22が形成されており、スロットマシン10の内部に回転自在に設けられている3個のリール40L,40C及び40Rの外周面に印刷された図柄が表示される。リール40L,40C及び40Rは、各回転軸が、水平方向の同一直線上に並ぶように設けられ、各々リング状の形状を有し、その外周面には20個の図柄が等間隔で印刷された帯状のリールテープが貼り付けられている。そして、表示窓22からは、リール40L,40C及び40Rが停止しているときに、各リールに印刷された20個の図柄のうち、各リールの回転方向に沿って連続する3つの図柄が視認可能となっている。すなわち、表示窓22には、3[図柄]×3[リール]=合計9つの図柄が停止表示される。ここで、リール40L,40C及び40Rが停止しているときに表示される連続する3つの図柄のうち、最も上側の停止表示位置を上段U、中央の停止表示位置を中段M、最も下側の停止表示位置を下段Lとする。
また、表示窓22には、1つの有効ライン(有効ラインとも称する)、リール40Lの中段M,40Cの中段M及び40Rの中段Mを横切る有効ラインL(中段有効ライン)が定められている。この有効ラインLは、予め定められた複数種類の役(後述する)に対応する図柄組合せが停止表示されたか否かを判定する際の基準となるラインである。すなわち、リール40L、40C及び40Rが停止したときに、有効ラインLが通過する停止表示位置に停止表示された3つの図柄からなる組合せがいずれかの役に対応していたときに、その役が入賞したことになる。また、「図柄組合せが有効ラインLに沿って(停止)表示された」とは「入賞」と同義であるものとする。なお、有効ラインは、上記に限られない。
フロントパネル20には、表示窓22の他に、単位遊技に関する各種情報を遊技者へ知らせるための各種ランプ及び表示器が設けられている。表示窓22の下側には、図1中、下から順に、ベット数(賭け枚数)表示ランプ26a,26b,26c、クレジット数表示器27、及び、獲得枚数表示器28が設けられている。なお、押し順報知用の表示器29を別途設けても良い。ベット数表示ランプ26a,26b,26cは、1回の遊技に投入されるメダルの枚数を表示するものである。すなわち、1枚のメダルが投入されるとベット数表示ランプ26aのみが点灯し、2枚のメダルが投入されるとベット数表示ランプ26a及び26bが点灯し、3枚のメダルが投入されるとベット数表示ランプ26a,26b,26cが点灯する。
ここで、スロットマシン10で単位遊技を行うために投入するメダルは遊技媒体の一種であり、遊技媒体は、メダルに限らず、遊技球(いわゆるパチンコ球)や、磁気カード、非接触式ICカード又はICチップを内蔵したコインなどの記録媒体に記録された、単位遊技を行うことができる価値情報であってもよい。スロットマシン10では、規定枚数(例えば、3枚)のメダルが投入されると1回の単位遊技が可能となり、有効ラインLが有効ラインとなる。なお、2枚のメダルが投入されると1回の単位遊技が可能となり、有効ラインLが有効ラインとなるようにしてもよい。クレジット数表示器27(貯留数表示手段)は、2桁の7セグメント表示器からなり、スロットマシン10にクレジット(貯留)されている(より具体的には、後述する主制御回路100内のRWMに記憶されている)メダルの枚数を表示する。獲得枚数表示器28(付与数表示手段)は、2桁の7セグメント表示器からなり、スロットマシン10において単位遊技の結果に応じて遊技者へ払い出されるメダルの枚数を表示する。
上述したフロントパネル20の下側には、概略水平の操作パネル部30が設けられている。操作パネル部30の上面右側には、スロットマシン10へメダルを投入するためのメダル投入口32が設けられている。このメダル投入口32の内部には、メダル投入口32から投入されたメダルを検出すると、後述する主制御回路100へメダル検出信号を出力するメダルセンサが設けられている。これにより、主制御回路100においてメダル検出信号の出力回数を計数することで、投入されたメダルの枚数を認識することができる。
また、操作パネル部30の上面左側には、クレジットされているメダルをスロットマシン10へ投入することができる1−ベットスイッチ34及び最大ベットスイッチ35が設けられている。1−ベットスイッチ34は、1回操作されるごとにクレジットされているメダルのうち1枚だけを遊技の賭けの対象としてスロットマシン10へ投入するためのスイッチである。最大ベットスイッチ35は、クレジットされているメダルのうち、現在の単位遊技において投入が許容される最大枚数(規定枚数)のメダルを、遊技の賭けの対象としてスロットマシン10へ投入するためのスイッチである。
メダル投入口32から、又は、各種ベットスイッチ34,35を操作することにより、スロットマシン10に3枚のメダルを投入すると、メダルが投入されるごとにベット数表示ランプ26a,26b,26cが順次点灯していく。また、各種ベットスイッチ34,35を操作したときは、前述した主制御回路100のRWMに記憶されているクレジット数から、投入されたメダルの枚数が減算されることにより、クレジット数表示器27に表示されている値も減算される。さらに、規定枚数のメダルが既に投入されている状態で、さらにメダル投入口32からメダルが投入されると、当該投入されたメダルの枚数が、主制御回路100のRWMに記憶されているクレジット数に加算されることにより、クレジット数表示器27に表示されている値も加算される。
操作パネル部30の上面中央には、決定ボタンスイッチ39、左方向スイッチ39L、上方向スイッチ39U、下方向スイッチ39D、右方向スイッチ39Rが設けられている(図1(b)参照)。
操作パネル部30の正面左側には、スタートスイッチ36が傾動可能に設けられている。スタートスイッチ36は、遊技者がスロットマシン10に規定枚数のメダルを投入すると操作が有効となる。なお、単位遊技で後述する再遊技役が入賞したときは、メダルが投入されなくても、ベット数表示ランプ26a,26b,26cが規定枚数分だけ点灯し、次の単位遊技のための、スタートスイッチ36の操作が有効となる。この状態で遊技者がスタートスイッチ36を傾動操作すると、前述した3つのリール40L,40C及び40Rが一斉に回転を開始する。これにより、リール40L,40C及び40Rの各外周面に印刷された図柄は、表示窓22において上から下へと移動(スクロール)表示される。
操作パネル部30の正面中央部には、3つのストップスイッチ37L,37C及び37Rが設けられている。ここで、ストップスイッチ37L,37C及び37Rは、いわゆる自照式の押しボタンスイッチであり、押しボタンの部分が複数色に発光し得る構造になっている。また、左ストップスイッチ37Lは左リール40Lに対応し、中ストップスイッチ37Cは中リール40Cに対応し、右ストップスイッチ37Rは右リール40Rに対応している。ストップスイッチ37L,37C及び37Rは、3つのリール40L,40C及び40Rの回転速度が所定の定常回転速度(例えば、80回転/分。単に定速ともいう。)に達したときに、遊技者による操作が有効となる。ここで基本的に、各ストップスイッチの操作が無効になっているときは、各ストップスイッチの押しボタン部分における発光色が赤くなっており、定常回転速度に達して操作が有効になると、押しボタン部分の発光色は青に変化する。後述するように、各ストップスイッチの発光色は、状態により適宜制御される。なお、各ストップスイッチの操作が無効になっているときは、各ストップスイッチの押しボタン部分が消灯し、リールが定常回転速度に達して操作が有効になると、押しボタン部分が発光するようにしてもよい。
そして、遊技者が左ストップスイッチ37Lを押動操作したときには、左リール40Lが停止し、中ストップスイッチ37Cを押動操作したときには、中リール40Cが停止し、右ストップスイッチ37Rを押動操作したときには、右リール40Rが停止する。このとき、3つのリール40L、40C及び40Rの各々は、各リールの外周面に描かれている図柄のうち、連続するいずれか3つの図柄の各中心位置と、表示窓22内の上段U、中段M、及び、下段Lの各中央位置とが、一致するように停止制御される。ここで、図柄の中心と、停止表示位置の中央とが一致する位置を定位置といい、スロットマシン10がリールを停止させるときは、リールの各図柄が定位置で停止するようなリール停止制御が行われる。
操作パネル部30の左側には、精算スイッチ38が設けられており、メダル投入の受付期間内に操作されると、クレジットされていたメダルがすべて払い戻され、クレジット数表示器27に表示されている値が「0」になる。ここで、メダル投入の受付期間は、全てのリールが停止して(メダルが払い出される場合は、メダルの払い出しが終了して)から次遊技のスタートスイッチ36の操作がなされるまでの間とする。
操作パネル部30の下側には、スロットマシン10の機種名やモチーフとして採用されたキャラクタなどが描かれた下部パネル50が配設されている。下部パネル50の下方略中央には、遊技者に対してメダルを払い出すためのメダル払出口60が設けられている。例えば、リール40L、40C及び40Rが停止したときに、有効ラインLに沿って停止表示された3つの図柄の組合せが入賞役に対応していた場合、スロットマシン10の内部に設置されたメダル払出装置が作動してその入賞役に対応した枚数のメダルが払い出される。また、メダルがクレジットされている状態で精算スイッチ38が操作されると、クレジットされていたメダルが払い出される。そして、払い出されたメダルは、メダル払出口60から排出されて受け皿61に貯留される。メダル払出口60の右側及び左側には、各々、スロットマシン10内部に収納されたスピーカ64R,64Lから発せられた音を外部へ通すための透音孔62R,62Lが設けられている。
フロントパネル20の上方には、液晶ディスプレイパネルから構成される表示装置70が設けられている。なお、表示装置70は、上述した液晶ディスプレイパネルに限られず、画像情報や文字情報を遊技者が遊技中に視認し得る装置であれば、その他あらゆる画像表示装置を用いることが可能である。この表示装置70は、遊技履歴を表示したり、単位遊技中に表示される演出画像、役抽選の結果を報知するための演出画像、単位遊技の進行(メダル投入→スタートスイッチ36の操作→リールの回転→ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作→全リール回転停止)に応じた演出画像等を表示したりすることができる。表示装置70の上方には、リール40L,40C,40Rが停止し、何らかの役が入賞した場合、入賞した役に応じたパターンで点滅する演出用ランプ72が設けられている。
[リール図柄の説明]
次に、図2を参照して、リール40L、40C及び40Rの各外周面に貼り付けられるリールテープに印刷された図柄の配列について説明する。図2(a)に示すように、リール40L、40C及び40Rの各外周面には20個の図柄が印刷されているが、各図柄は、リールテープの長手方向において、20分割に区画された各図柄領域に1つの図柄が印刷されている。また、各図柄領域に表示される図柄の種類は、図2(b)に示すように、10種類あり、各種類に応じて種別コード(図示略)が予め定められている。スロットマシン10における図柄の種類には、数字の7を赤色で表した「シンボル1」図柄、数字の7を青色で表した「シンボル2」図柄、数字の7を白色で表した「シンボル3」図柄、象をモチーフとした「シンボル4」図柄、鳥をモチーフとした「シンボル5」図柄、水色のプラムをモチーフとした「リプレイ」図柄、赤いサクランボをモチーフとした「HIT」図柄、木をモチーフとした「ブランクA」図柄、灰色の円状の図形をモチーフとした「ブランクB」図柄、紫色の楕円状の図形をモチーフとした「JAC」図柄がある。
なお、1リールにおける図柄数は20図柄に限らず、16、21図柄等、任意の図柄数に定めることができる。
また、リール40L、40C及び40Rの各々に貼り付けられるリールテープの各図柄領域には、図2(a)に示すように「0」〜「19」の図柄番号が予め定められており、各図柄番号に対応する図柄の種別コードが、主制御回路100のROMに記憶されている。各リールの図柄番号及び対応する種別コードは、後述するリール停止制御を行う際に参照される。以下では、図柄番号及び種別コードをまとめて図柄識別情報という。図2(a)に示す各リールテープは、図柄番号「0」と「1」の間を切り離して展開した状態を示し、実際にリール40L、40C及び40Rの外周面に貼り付けたときは、図柄番号「0」と「1」の図柄が連続することになる。
また、リール40L、40C及び40Rが回転すると、表示窓22内に表示される各リールの3つの図柄は、連続する3つの図柄番号の値が増加する方向にスクロール表示されることになる。たとえば、表示窓22の下段Lから上段Uに向かって、図柄番号「1」,「2」,「3」の図柄が表示されていた場合、それ以降、表示される図柄は、図柄番号「2」,「3」,「4」→図柄番号「3」,「4」,「5」→図柄番号「4」,「5」,「6」→……と変化する。そして、図柄番号「18」,「19」,「0」が表示されると、引き続き、図柄番号図柄番号「19」,「0」,「1」→図柄番号「0」,「1」,「2」→図柄番号「1」,「2」,「3」→……と変化していき、以下、リールが停止するまで図柄番号「0」から「19」のうち連続する3つの図柄が循環的にスクロール表示される。
(1−c−1)制御回路の構成
スロットマシン10を制御する制御回路は、主制御回路100(以下、主制御手段100や主制御基板100とも称する)と副制御回路200(以下、副制御手段200とも称する)とで構成されている。ここで、主制御回路100のブロック図、これに電気的に接続されている副制御回路200のブロック図を図3に示す。
[制御手段の説明]
次に、図3に示す機能ブロック図を参照して、スロットマシン10の制御を行う制御手段について説明する。スロットマシン10の制御手段は、遊技の進行を制御する主制御手段100と、遊技の演出を制御する副制御手段200とによって構成されている。主制御手段100は、遊技者の操作に応じて遊技を進行させる制御を行い、副制御手段200は、主制御手段100から送信された制御コマンドに基づいて遊技に伴って実行される演出を出力する制御や各種情報を報知する制御を行う。なお、主制御手段100と副制御手段200との間でやりとりされる情報の送信は、主制御手段100から副制御手段200への一方向に限られており、副制御手段200から何らかの情報が主制御手段100へ直接送信されることはない。
≪主制御手段の説明≫
<主制御手段及びその周辺のハードウェア構成>
主制御手段100は、CPU、ROM、RWM(RAMでもよい)、乱数生成手段(乱数回路)及びタイマカウント手段(タイマ回路)、I/Oポートが1つのチップ内に構成されたものである。この主制御手段100は、主制御回路又は主制御基板とも呼ばれ、主制御手段100の機能を実現するための回路は一枚の基板上に構成されている。
乱数生成手段は、各種抽選を行う際に使用される乱数を生成し、タイマカウント手段は、CPUなどが作動するためのクロック信号の計数値に基づいて割込要求信号を生成する。また、I/Oポートは、操作手段300、ベット数表示ランプ26a〜26c、クレジット数表示器27、獲得枚数表示器28、ステッピングモータ42L,42C,42R、リール回転位置センサ44L,44C,44R、ブロッカ45、ホッパーモータ46、払出センサ47、ドアスイッチ48、設定ドアスイッチ49及び外部集中端子基板84といった各部構成に対する信号を出力し、各部構成からの信号を入力する。
ここで、ステッピングモータ42L,42C,42Rは、主制御手段100から出力される励磁信号にしたがって、対応するリール40L,40C,40Rを回転又は停止させる。リール回転位置センサ44L,44C,44Rは、リール40L,40C,40Rに各々対応して設けられており、対応するリールの基準位置に設けられたインデックス(被検出部材)を検出すると、その検出信号を主制御手段100に対して出力する。これにより主制御手段100は、当該インデックスの位置から計数を開始したステッピングモータのステップ数に基づいて、リールの回転位置(表示窓22に表示されている図柄)を認識することができる。
ホッパーモータ46は、メダル投入口32から投入されたメダルを貯留するメダルホッパー(図示略)に設けられ、主制御手段100から出力される駆動信号にしたがって貯留されているメダルをメダル払出口60から排出させる。払出センサ47は、ホッパーモータ46が駆動することによって払い出されるメダルを検出し、その検出信号を主制御手段100へ出力する。ブロッカ45は、スロットマシン10の内部に設けられたメダル投入口32からメダルホッパーへ至るメダル流路の途中に設置され、主制御手段100からのオン/オフ信号にしたがってメダル流路の形成又は解除する。なお、メダル投入口32から投入されたメダルは、メダル流路が形成されている(ブロッカがオン)ときはメダルホッパーに貯留され、メダル流路が形成されていない(ブロッカがオフ)ときは、メダル払出口60から排出される。ドアスイッチ48は前述した前面扉の開閉を検出し、その検出信号を主制御手段100へ出力する。設定ドアスイッチ49は後述する設定値を設定するための設定変更キースイッチ92及びリセット/設定スイッチ93を開閉可能に覆っている設定ドアの開閉を検出し、その検出信号を主制御手段100へ出力する。
外部集中端子基板84は、スロットマシン10が現在行われている遊技に関する情報を外部の遊技情報表示装置(データ表示器とも称する)やホールコンピュータに対して主制御手段100から出力される各種信号を中継する。主制御手段100から外部へ送信される信号としては、遊技が行われる際にメダルがベットされたことを示すベット信号(IN信号)、遊技者にメダルが払い出されたことを示す払出信号(OUT信号)、後述する遊技状態がBBに移行したことを示す信号(BB信号)、スロットマシン10に異常が発生したことを示す信号(異常発生信号)、スタートスイッチ36が操作されたことを示す信号(スタート信号)、有利な状態に初当たりしたことを示す信号、連荘回数を示す信号がある。有利な状態に初当たりしたことを示す信号とは、BB非作動中のRT5又はRT6からBBに移行し、BB中にSRBが当選してSRB内部中RT1に移行し、SRB内部中RT1であるときにBBが終了し、BB非作動中のRT1で遊技を開始したときに出力される信号を示す。即ち、有利な状態に初当たりしたことを示す信号は、BB非作動中のRT5又はRT6から、BB中のSRB内部中RT1を経由して、BB非作動中のRT1にRT状態が移行したときに出力される信号を示す。連荘回数を示す信号とは、メダルが250枚純増する度に出力される信号を示す。遊技者は、連荘回数を示す回数を参照して出玉を認識することが可能になる。例えば、遊技情報表示装置に連荘回数を示す回数が「4」と表示されると約1000枚のメダルを獲得できたことを認識できる。なお、連荘回数を示す信号の出力条件は、払い出し枚数が250枚をカウントした場合、11枚役、13枚役、14枚役または1枚役が合計20回当選した場合、11枚役、13枚役、14枚役または1枚役の図柄組み合わせが合計20回表示された場合としてもよい。
ここで、外部集中端子基板84は、上述した各種信号の内容を、ハイレベルを示す電位と、ローレベルを示す電位とによって表してもよいし、各種信号に対応するリレー回路を設けて、各リレー回路を開閉することで上述した各種信号の内容を表してもよい。
操作手段300は、図1に示したスロットマシン10の前面扉に設けられた各種スイッチの他に、スロットマシン10の内部に設けられた電源スイッチ91、設定変更キースイッチ92及びリセット/設定スイッチ93を含む。電源スイッチ91はスロットマシン10に供給される電力をオン/オフするスイッチである。設定変更キースイッチ92は鍵穴を有し、当該鍵穴に挿入した設定変更用の鍵を回動することでオン又はオフとなるスイッチである。リセット/設定スイッチ93はエラーが発生したときにそのエラー状態をリセットしたり、後述する設定値を変化させたりする際に操作される押しボタン式のスイッチである。
<主制御手段の機能ブロック>
次に、主制御手段100の機能ブロックについて説明する。主制御手段100は、当選役決定手段110と、フリーズ制御手段120と、リール制御手段130と、状態制御手段140と、報知制御手段146と、入賞判定手段150と、制御コマンド送信手段160と、外部信号出力手段170と、を含んでいる。以下に説明する各手段の機能は、主制御手段100を構成するCPUによって、ROMに記憶された制御プログラムを実行することで実現されるものとする。
(当選役決定手段の説明)
当選役決定手段110は、主制御手段100に含まれる乱数生成手段が発生する乱数(数値範囲:0〜65535)に基づく抽選によって当選番号(当選番号により当選役に対応する入賞再遊技当選番号や役物当選番号)を決定する。
ここで、当選役には大別するとボーナス、再遊技及び入賞(ボーナス役(役物)、再遊技役及び入賞役とも称する)の3種類があり、これら当選役が入賞すると、遊技者に所定の特典が付与される。すなわち、ボーナス役が入賞すると、次の遊技から所定の終了条件が成立するまで、遊技者に有利なボーナスゲーム(特別遊技とも称する)が行われる。本実施形態では、ボーナスはBB、MB、SRB(RB)であるものとして説明するがSB(シングルボーナス)を設けSBを含めてもよい。BBとは、一種特別役物が連続して作動するものの略称であり、21枚のメダル払い出しを超えるまで連続して行うことができるものである。BBは、BBに対応する図柄組合せ(BB作動図柄とも称する)が有効ラインLに停止表示される(入賞とも称する)と、開始(作動とも称する)し、21枚の払い出しを超えると終了する。BBが開始してから終了するまでの期間をBB作動中、BB中と称する。BB中は、BB一般遊技(第1遊技状態)、SRB又はSRB当選状態中(内部中とも称する)(第2遊技状態)の遊技状態がある。BB一般遊技とは、BB一般中に行われる遊技のことである。BB一般中とは、BB中のSRBが当選または作動していないときの状態である。
MBとは、二種特別役物が連続して作動するものの略称であり、14枚の払い出しを超えるまで、または、RB(SRB)やSBが当選するという条件が成立するまで少なくともすべての入賞役が当選した状態となる遊技を行うことが可能となるものである。MBは、MBに対応する図柄組合せが有効ラインLに停止表示される(入賞とも称する)と、開始(作動とも称する)し、終了条件を満たすと終了する。MBが開始してから終了するまでの期間をMB作動中又はMB中と称する。RB、SRB(シフトレギュラーボーナス)とは、RB、SRBに移行するための移行役が入賞するとボーナスゲームに相当するゲームを1セット、すなわち所定役が高確率で当選する遊技を一定条件下で所定回数行うものである。
SRBは、SRBに対応する図柄組合せが有効ラインLに停止表示される(移行役(SRB1〜11)が入賞)と、開始(作動とも称する)し、2回の遊技又は2回の入賞、または、BB中に21枚の払い出しを超えること(BBの終了条件)を満たすと終了する。SRBが開始してから終了するまでの期間をSRB作動中、SRB中と称する。SRB(シフトレギュラーボーナス)とは、SRBに移行するための移行役(SRB1〜11)が入賞するとボーナスゲームに相当するゲームを1セット、すなわち所定役が高確率で当選する遊技を一定条件下で所定回数行うものである。本明細書では、SRBは2回の遊技または2回の入賞で終了する。SRBにはSRB1〜11の11種類があり、移行役(SRB1〜11)が入賞すると対応するSRB1〜11が行われる。
役抽選手段110は、BB一般中においてSRB1〜11に移行するためのSRB移行役(SRB1〜11)に当選していないとき(後述するSRB内部中RT1にないとき)、SRB移行役(SRB1〜11)と一般役(再遊技役、入賞役)との抽選を行う。即ち、BB一般中は、移行役(SRB1〜11)と一般役とが抽選される。本実施例においては、SRB移行役(SRB1〜11)は一般役とは重複当選することはなく、SRB移行役(SRB1〜11)は単独で当選する。BB開始時にはBB一般遊技が行われ、SRB移行役(SRB1〜11)が当選し入賞するとSRBが行われる。BBはこの一連のBB一般遊技及びSRBが21枚のメダル払い出しを超えるまで行われる。また、BBはSRBの途中でも所定の払出枚数を超えると終了する。
SRBの当選領域は、ハズレの抽選領域の一部を当選領域とするようにしているが、既存の役の当選領域をSRBの当選領域に変更するようにしてもよい。なお、SRBに関する図柄組み合わせは、規定した図柄組み合わせに限らず、例えば、BB非作動中に表示可能なハズレの図柄組み合わせの一部をSRBに対応する図柄組み合わせとして設定してもよい。例えば、本実施例に規定されていない「JAC−JAC−JAC」をSRBに対応する図柄組み合わせとして設定してもよい。
再遊技役が入賞すると、次の遊技に限ってメダルを投入することなく再び遊技を行うことができる。ここで、再遊技役が入賞したことによってメダルを投入することなく実行することができる遊技を再遊技役という。また、入賞役が入賞すると、予め定められた枚数のメダルが遊技者に払い出される。
次に、各役に対応する図柄組合せを図4〜12に示し、条件装置BB1、BB2、MB1A〜C(MB1)、MB2A〜B(MB2)、SRB1〜11、再遊技1〜14、入賞1〜11に対応する図柄組合せが示されている。これらの図に示すように、各役には1つ又は複数の図柄組合せが対応付けられており、対応づけられた図柄組合せのうちいずれかが揃うと、対応する当選役が入賞することになる。図4〜12の右欄には、規定数及び各遊技状態において、入賞すると作動する役又は払い出される払出枚数が示されている。ここで、入賞1は11枚のメダルの払い出しがあるので11枚役、入賞2は14枚のメダルの払い出しがあるので14枚役、入賞3〜8は1枚のメダルの払い出しがあるので1枚役、入賞9〜11は15枚のメダルの払い出しがあるので15枚役と呼ばれる。遊技状態1は役物未作動時を示し、遊技状態2はBB作動時のSRB未作動時を示し、遊技状態3はSRB作動時を示し、遊技状態4はMB作動時を示す。
例えば、BB1、BB2に対応する図柄組合せが有効ラインLに揃うと、次の遊技からBBゲームが開始し、再遊技1〜14のいずれかに対応する図柄組合せが揃うと再遊技が行われる。
入賞1〜11のいずれかに対応する図柄組合せが有効ラインLに揃うと、予め定められた枚数のメダルが払い出される。ここで、図10〜12に示すように、入賞1に対応する図柄組合せが揃ったときは11枚、入賞2に対応する図柄組合せが揃ったときは14枚、入賞3〜8に対応する図柄組合せが揃ったときは1枚、入賞9〜11に対応する図柄組合せが揃ったときは15枚のメダルが払い出される。
なお、以下では図柄組合せを文言で表す場合、左リール、中リール、右リールの順に各リールにおける図柄の名称を記し、カギ括弧で括ることとする。例えば図6に示す図柄組合せ名称が「再遊技役9」に対応する図柄組合せは「リプレイ−リプレイ−リプレイ」と表す。
図13は、条件装置と条件装置を構成する役との関係を示す。図13(a)は役物条件装置と役条件装置を構成する役との関係を示す。図13(b)は入賞再遊技条件装置と入賞再遊技条件装置を構成する役との関係を示す。図13(a)に示すように、役物として当選する条件装置はBB1、BB2、MB1、MB2、SRB1〜11条件装置であり、BB1、BB2条件装置は一旦当選すると入賞するまで当選している状態が維持される。MB1、MB2条件装置は当選すると取りこぼしなく入賞する。SRB1〜11条件装置は、BB一般中に当選し、当選すると入賞するまで当選している状態が維持され、BBが終了すると当選している状態が終了する。BB1、BB2、SRB1〜11条件装置が当選している状態が維持されることを「内部中」、「内部当選中」又は「ボーナスフラグ持越し中」という。
また、図13(b)に示すように、入賞再遊技条件装置には再遊技役及び入賞役が対応付けられている。入賞再遊技条件装置の欄に記載された条件装置が当選すると、当選した条件装置を構成する役の欄に記載された役が当選する。例えば、再遊技L条件装置が当選すると、再遊技1、3、8〜10が同時に当選することになる。また、各再遊技役及び入賞役に対応する条件装置は、役物(ボーナス役)に対応する条件装置と異なり、対応する当選役が決定された遊技の間だけ作動可能であり、当該遊技が終了すると、役物と異なり、次遊技に持ち越すことがない。
図13(b)の入賞再遊技条件装置番号23〜39に対応する再遊技A〜P条件装置+入賞ALL(MB)条件装置、入賞ALL(MB)条件装置は、MB中に当選する条件装置である。ここで、入賞再遊技条件装置番号23、24に対応する再遊技A、B条件装置+入賞ALL(MB)条件装置が当選したときには、1枚個数優先制御が設定されており、1枚役が優先して有効ラインL上に停止するように制御される。入賞再遊技条件装置番号25に対応する再遊技C条件装置+入賞ALL(MB)条件装置が当選したときには、15枚枚数優先制御が設定されており、15枚役が優先して有効ラインL上に停止するように制御される。入賞再遊技条件装置番号26〜38に対応する再遊技D〜P条件装置+入賞ALL(MB)条件装置が当選したときには、14枚個数優先制御が設定されており、14枚役が優先して有効ラインL上に停止するように制御される。なお、再遊技A条件装置を略して再遊技Aと称してもよい(他の条件装置も同様)。図13における通称は、各条件装置が有する特徴を表す通称が示されている。
複数の役が対応付けられた条件装置が当選した場合は、ストップスイッチの操作順序(押し順とも称する)や操作タイミング(押し位置とも称する)に応じて、有効ラインL上に揃う図柄組合せ(条件装置)が異なるものもある。ここでは操作順序(押し順とも称する)や操作タイミング(押し位置とも称する)の総称を操作手順と呼ぶ。
また、当選役決定手段110による抽選の結果、ボーナス役(BB1、BB2等)が当選したか否かに関係なく役物当選番号が副制御手段200へ送信される。役物当選番号は、いずれのボーナスが当選したかを判別するための番号であり、ボーナス役が当選していないときは「0」であり、BB1が当選しているときは役物当選番号が「1」、BB2が当選しているときは役物当選番号が「2」、MB1が当選しているときは役物当選番号が「3」、MB2が当選しているときは役物当選番号が「4」となる。役物当選番号は、副制御手段200が設定示唆や演出を実行するときに使用する情報となる。
当選役決定手段110によって当選番号(当選役)が決定されると、決定された当選役に対応する条件装置が作動し、作動した条件装置に対応する図柄組合せが有効ラインL上に揃うように(すなわち、当選役が入賞し得るように)リール停止制御が行われる。なお、以下の説明において、図柄組合せが有効ラインL上に揃うことを、単に「図柄組合せが揃う」ともいう。
(抽選テーブル)
ここで、3枚賭けにおける役物条件装置と入賞再遊技条件装置との当選確率を定めた抽選テーブルを図14〜29に示す。RT状態には、RT1〜6、非RT、SRB内部中RT1があり、図14〜29に各RT状態に対応する抽選テーブルが示されている。SRB非内部中RT1については、図16、17のBB一般中の抽選テーブルが使用される。RT状態は、予め定められた移行条件に応じて移行するようになっており、移行条件の成立判断や移行先は、RT状態制御手段142によって制御される。
図14は、非RT中における役物条件装置と入賞再遊技条件装置との抽選テーブルを示す。図中の数値は当選置数を示し、図中の置数の合計値は65536になる。また図中R1は設定値1、R3は設定値3、R6は設定値6を示す(図15〜29も同様)。例えば、通常時における役物条件装置が「BB1」、入賞再遊技条件装置が「―」に対応する置数「25」は、BB1が単独当選する置数を示す(図15〜29も同様)。また、通常時における役物条件装置が「BB1」、入賞再遊技条件装置が「再遊技D」に対応する置数「20」は、BB1と再遊技Dとが重複当選する置数を示す(図15〜29も同様)。
図14には、通常時、MB作動中、BB内部中、BB一般中ごとに、設定値1、3、6における当選置数が示されている(図15〜29も同様)。また、抽選状態として、非RTの通常時、非RTのMB作動中、非RTのBB内部中、非RTのBB一般中が定められており、各状態に応じて当選役の当選確率が異なる。ここで、通常時とは、MB作動中、BB内部中、BB一般中、SRB作動中以外の遊技状態を示す。なお、図示しないが実際のスロットマシンには設定値2、4、5の抽選テーブルも存在する。設定値2、4、5の置数は、設定値1、3、6の置数が同じである場合には、設定値1、3、6の置数と同じにする。また、設定値2、4、5の置数は、設定値1、3、6の置数が違う場合には、設定値1から6までの数値が等差となるように振り分けられるようにしてもよい。設定値とは、遊技者の有利度、より具体的にはメダルの投入枚数に対する払出枚数の期待値(遊技者が取得できるメダルの期待値)の程度を定めるものである。
また、遊技状態がMB作動中、BB内部中における、役物条件装置と入賞再遊技条件装置とが重複当選している置数に関しては、入賞再遊技条件装置の当選のみを有効とし、役物条件装置が単独当選している置数に関してはハズレとし、役物条件装置が新たに当選することはない。遊技状態がBB一般中における、役物条件装置と入賞再遊技条件装置とが重複当選している置数に関しては、BB、MBの当選は無効、SRBの当選は有効として、入賞再遊技条件装置の当選を有効とする。遊技状態がBB一般中における、BB、MBが単独当選している置数に関してはハズレとし、SRBの当選は有効とする処理が行われる。換言すれば、BBと再遊技役又は入賞役とが重複当選している抽選結果に関しては、通常時のみBBと再遊技役又は入賞役との当選が有効となり、MB作動中、BB内部中、BB一般中にはBBの当選が無効とみなされ再遊技役又は入賞役のみの当選が有効となる。同様に、BB、MBの単独当選に関しても、通常時のみBB、MBの当選が有効となり、MB作動中、BB内部中、BB一般中にはBB、MBの当選が無効とみなされハズレが決定されたとみなされる。なお、MB作動中は、SB(シングルボーナス)が当選するようにしてもよい。
図14の抽選テーブルにおいて、当選役決定手段110によって行われる抽選では、当選役として、ボーナス役(役物)であるBB1、BB2、MB1、MB2、SRB1〜11、再遊技役である再遊技A〜P、及び、入賞役である入賞A〜Fのうち1つ以上が決定される。また、MB作動中は、全ての抽選結果において入賞1〜10が当選している状態とする。
図15は、非RT中における役物条件装置と入賞再遊技条件装置との置数を合算した抽選テーブルを示す。図15(a)は、非RT中における役物条件装置、入賞再遊技条件装置の合算値の抽選テーブルを示す(図17(a)、図19(a)、図21(a)、図23(a)、図25(a)、図27(a)、図28(a)、図29(a)も同様)。図15(b)は、BB1、2をBB、MB1、2をMB、SRB1〜11をSRB、再遊技A〜Qを再遊技、入賞A〜Fを入賞として合算した抽選テーブルを示す(図17(b)、図19(b)、図21(b)、図23(b)、図25(b)、図27(b)、図28(b)、図29(b)も同様)。なお、図15(b)における、BBにおける()内の数値(例えば、通常時における(50))はBBが単独当選する置数を示す(図17(b)、図19(b)、図21(b)、図23(b)、図25(b)、図27(b)も同様)。
図16は、RT1中における役物条件装置と入賞再遊技条件装置との抽選テーブルを示す。図17は、RT1中における役物条件装置と入賞再遊技条件装置との置数を合算した抽選テーブルを示す。図18は、RT2中における役物条件装置と入賞再遊技条件装置との抽選テーブルを示す。図19は、RT2中における役物条件装置と入賞再遊技条件装置との置数を合算した抽選テーブルを示す。図20は、RT3中における役物条件装置と入賞再遊技条件装置との抽選テーブルを示す。図21は、RT3中における役物条件装置と入賞再遊技条件装置との置数を合算した抽選テーブルを示す。図22は、RT4中における役物条件装置と入賞再遊技条件装置との抽選テーブルを示す。図23は、RT4中における役物条件装置と入賞再遊技条件装置との置数を合算した抽選テーブルを示す。図24は、RT5中における役物条件装置と入賞再遊技条件装置との抽選テーブルを示す。図25は、RT5中における役物条件装置と入賞再遊技条件装置との置数を合算した抽選テーブルを示す。
図26は、RT6中における役物条件装置と入賞再遊技条件装置との抽選テーブルを示す。図27は、RT6中における役物条件装置と入賞再遊技条件装置との置数を合算した抽選テーブルを示す。図28は、SRB内部中RT1中における役物条件装置と入賞再遊技条件装置との抽選テーブルを示す。図29は、SRB中における役物条件装置と入賞再遊技条件装置との抽選テーブルを示す。SRB中には、入賞D〜Fのみが当選する。
(フリーズ制御手段の説明)
フリーズ制御手段120は、所定の条件が成立すると、スタートスイッチ36が操作された後に遊技の進行を遅延させる、いわゆるフリーズ状態にする。本実施形態におけるフリーズ状態の発生タイミングは、スタートスイッチ36が操作されてからリールが回転を開始するまでの間であるが、この他にも、リールが回転を開始してからストップスイッチの操作が受け付け可能となるまでの間、ストップスイッチの操作が受け付け可能になってから各ストップスイッチが操作されるまでの間、全リールの回転が停止してから次の遊技を開始することができる状態になるまでの間、などにフリーズ状態を発生させてもよい。
(リール制御手段の説明)
リール制御手段130は、リール40L,40C,40Rを回転/停止させるステッピングモータ42L,42C,42Rを駆動制御する。すなわち、遊技者によってスタートレバー36が操作されたことに基づいてステッピングモータ42L,42C,42Rの回転を開始し、リール40L,40C,40Rの回転速度が前述した定速に達すると、以下、定速を維持する。そして、ストップスイッチ37L,37C,37Rのいずれかが操作されると、操作されたストップスイッチに対応するリール(より正確にはステッピングモータ)について停止制御を行う。
このとき、リール制御手段130は、ストップスイッチが操作されてから対応するリールの回転を190ミリ秒以内に停止させる。これにより、本実施形態のように各リールに20図柄が設けられたリールを、定速(80回転/分)の状態から190ミリ秒以内にリールの回転を停止させるとすると、80(回転)/60(秒)×0.19(秒)×20(図柄)=約5.067図柄分が回動するまで(停止制御範囲内)にリールを停止させればよい。
リール制御手段130は、当選役決定手段110によっていずれかの当選番号や役物当選番号が決定されたときは、その当選番号や役物当選番号に対応する当選役の図柄組合せが有効ラインLに停止するようにリールの回転を停止させる(いわゆる引込制御を行う)。ただし、当選役の図柄組合せ構成する図柄が停止制御範囲内に無かったときは、当選役以外の役が入賞しないようにリールを停止させる(いわゆる蹴飛ばし制御を行う)。複数の役(役物、入賞役、再遊技役)に当選している遊技では所定の優先順位(再遊技>役物>入賞役)に従って引込制御を行う。より具体的には役物と入賞役が当選している遊技では役物を引き込むことを優先する。役物と再遊技役が当選している遊技では再遊技を引き込むことを優先する。また、本実施例に限らず、役物よりも入賞役を優先して引き込むように設定してもよい。
(発明の背景の説明)
遊技者に有利な遊技結果が得られる(有利な図柄組合せが有効ラインL上に揃う)ストップスイッチ37の押し順(操作順番)又は操作タイミングを報知するアシストタイム(ATと称する)を搭載したスロットマシンがあり、獲得枚数表示器28等を用いて、決定した押し順の報知(指示表示(指示番号に対応する指示内容の表示)とも称する)等が行われる。AT(指示機能)を搭載したスロットマシンでは、射幸性を抑えるために、ボーナスが作動していないときは、1ゲームあたりのメダル増加数を抑制することが通例となっている。抑制としては、例えば、1ゲームあたり2枚以下のメダル増加数にすることが挙げられる。
ところが、遊技者の中には、1ゲームあたりのメダルの平均増加数(傾斜又はベースと称する)が例えば、メダル2.6枚(傾斜2.6枚と称する)以上あり、急速にメダルが増加する遊技性を好む遊技者もいる。そこで、AT(指示機能)を搭載していないスロットマシンにおいて、1ゲームあたりのメダル増加数が例えば、メダル2.6枚以上となる遊技機が望まれている。また、AT(指示機能)を搭載していなければ、メダルの増加を2枚以下にするという通例にとらわれず、遊技者のニーズに応じたメダルの増加がある遊技機の提供が可能になる。また、所定の遊技数を行うと有利な状態に移行する天井機能を主制御手段100が制御する遊技機も望まれている。
本実施例のスロットマシンにおいては、傾斜2.6枚以上とするために以下のこと行っている。1つめは、AT(指示機能)を搭載しないことである。AT(指示機能)を搭載していないことにより、傾斜2.0枚以下にする通例にとらわれなくなるため、傾斜2.6枚以上にすることが可能になる。2つめは、後述するギャップMBを採用することによって、メダルを出したくない通常状態(後述するRT5、RT6)のMB中には賭けた枚数よりも少ない1枚役の入賞を多くし賭けた枚数よりも多い14枚役の入賞を少なくすることで傾斜を抑え、メダルを出したい有利な状態(後述するRT1〜4、非RT)のMB中には1枚役の入賞を少なくし賭けた枚数よりも多い14枚役の入賞を多くすることで傾斜を高くすることが行われる。
また、従来のスロットマシンにおけるMBは、通常状態(RT5、RT6)においても高い払い出しのある15枚役、14枚役が高確率で当選、入賞していたため、MBの終了条件が14枚を超えるメダル払い出しが行われたことである場合では1〜2ゲームでMBが終了していた。そのため、メダルを出したくない通常状態において傾斜が高くなり、メダルを出したい有利な状態における傾斜を下げなければならない欠点があった。
本実施例のスロットマシンのMBは、通常状態(RT5、RT6)において1枚役が高確率で当選、入賞し、MBの終了条件が14枚を超えるメダル払い出しが行われたことであるため、MBが終了するのに数十ゲームを要する。そのため、メダルを出したくない通常状態において傾斜を低くできる。結果、MBが頻繁に当選しても全体における傾斜が高くならないのでメダルを出したい有利な状態における傾斜を上げることができる。
また、本実施例のスロットマシンのMBは、通常状態(RT5、RT6)において1枚役が高確率で当選、入賞し、通常状態において傾斜を低くできるため、従来のスロットマシンにおけるMBに比べて、MBの当選確率を高くすることが可能になる。
(当選した条件装置と、個数優先制御、枚数優先制御との関係の説明)
図30、31は、当選した条件装置と当選フラグとの関係を示す図である。図30(a)は、RT5中にMBが作動していない時(MB未作動時と称する)、入賞B条件装置が当選した場合にRWMに記憶される当選フラグを説明する図である。ここで、RWMの第1、2バイトには入賞に対応する当選フラグが記憶される。第1バイトのA0〜A7ビットには順に、入賞1〜8の当選フラグ、第2バイトのB0〜B7ビットには順に、入賞9〜10の当選フラグが記憶される。図30(a)では、入賞B条件装置が当選しているため、入賞1(入賞B条件装置に対応、図13参照)に対応する第1バイトのA0ビットに「1」が記憶される。ここで、「1」は当選、「0」は非当選を示し、「1」が記憶された役に対応する図柄組合せは基本的に有効ラインLに表示可能となる。
第3バイトのC0〜C7ビットには順に、再遊技役1〜8の当選フラグ、第4バイトのD0〜D7ビットには順に、再遊技役9〜14の当選フラグが記憶される。そして、第5バイトのE0〜E7ビットには順に、BB1、BB2、MB1、MB2、SRB1〜4の当選フラグ、第6バイトのF0〜F7ビットには順に、SRB5〜11の当選フラグが記憶される。図30(a)の場合には、当選している役は入賞1のみであるので、入賞1に対応する図柄組合せを引き込む停止制御Aが設定される。
(MBの説明)
ここで、MB(2種特別役物)の特徴について説明する。MBの特徴として、MB中にSRB(RB)又はSB(シングルボーナス)が当選するとパンク(MBが終了すること)することがある。別のMBの特徴として、役抽選結果に関わらず全ての入賞(入賞1〜10)を当選とみなすことがある。即ち、MB中は、再遊技A〜P条件装置、入賞A〜F条件装置、ハズレが役抽選結果として決定されると(図13参照)、入賞1〜10の当選フラグに「1」が記憶される。図30、31では、MB中は入賞B条件装置(入賞1)、再遊技D条件装置(再遊技1)、ハズレが役抽選結果として決定されたときでも入賞1〜10の当選フラグとして「1」を記憶する例が示されている。また、本実施例では、左リール40Lのスベリコマ数は2コマ(左ストップスイッチ37を操作したとき、左リール40Lの有効ラインLにある図柄と、有効ラインLにある図柄の1コマ上にある図柄との2つの図柄が停止可能となる)に設定されている。
図30(b)は、RT5中にMBが作動している時、入賞B条件装置が当選した場合にRWMに記憶される当選フラグを説明する図である。図30(b)では、MB作動時に入賞B条件装置が当選しているため、全ての入賞(入賞1〜10)を当選とみなし第1バイトのA0〜A7ビット、第2バイトのB0〜B1ビットに当選を示す「1」がRWMに記憶される。図30(b)の場合には、1枚役である入賞3〜8に対応する図柄組合せを優先的に引き込む1枚個数優先引込制御である停止制御Bが設定される。
(個数優先制御、枚数優先制御の説明)
役抽選の結果、複数の役が同時に当選状態になっている場合に、当選役を構成する図柄のいずれかを有効ライン上に停止させるかを決定する方法として、最終的に払い出され得るメダル数が最も多くなるように当選図柄を引き込んで回転中のリール40を停止させる枚数優先引込制御と、1以上の回転中のリール40が停止し得る状態において、当選役のうち表示され得る図柄が最も多い図柄を引き込んで回転中のリール40を停止させる個数優先引込制御とが知られている。このような制御方法の使い分けにより、優先的に有効ライン上に引き込まれる図柄を異ならせる技術がある。
枚数優先引込制御を適用するか個数優先引込制御を適用するかは、1種類の当選フラグの組み合わせに対して1種類の引込制御が対応するように設計者が設定できる。換言すると、役抽選が行われたときに(役抽選結果が決定されたときに)、1種類の当選フラグの組み合わせに対して、1枚役を優先して引込制御するか、11枚役を優先して引込制御するか、14枚役を優先して引込制御するか、15枚役を優先して引込制御するかが決定される。そのため、設計者は、実現したい遊技性に合わせて、個数優先引込制御と枚数優先引込制御とを適宜選択して設定できる。本実施例においては、非MB中(MB中以外)の役抽選結果が再遊技A〜Pの場合には再遊技役が引込制御され、入賞Aの場合には1枚個数優先引込制御が行われ、入賞Bの場合には入賞2が引込制御され、入賞Cの場合には15枚枚数優先引込制御が行われ、入賞Dの場合には1枚個数優先引込制御が行われる。
MB中の役抽選結果が、通常状態(RT5、RT6)のMB中に多く当選する再遊技A、B、入賞A〜F、ハズレの場合には1枚個数優先引込制御が設定され、有利な状態(RT1〜4、非RT)のMB中に多く当選する再遊技D〜Pの場合には14枚個数優先引込制御が設定され、RT5中にのみ当選する再遊技Cの場合には15枚枚数優先引込制御が設定される。
図30(c)は、RT5中のMB中に、再遊技D条件装置が当選した場合にRWMに記憶される当選フラグを説明する図である。図30(c)では、MB中に再遊技D条件装置が当選しているため、全ての入賞(入賞1〜10)と再遊技役1とを当選とみなし第1バイトのA0〜A7ビット、第2バイトのB0〜B1ビット、第3バイトのC0ビットに当選を示す「1」がRWMに記憶される。図30(c)の場合には、14枚役である入賞2に対応する図柄組合せを優先的に引き込む14枚個数優先引込制御である停止制御Cが設定される。
図31(a)は、RT5中のMB中に、ハズレが決定された場合にRWMに記憶される当選フラグを説明する図である。図31(a)では、MB中にハズレが決定されているため、図30(b)の場合と同様に全ての入賞(入賞1〜10)を当選とみなし第1バイトのA0〜A7ビット、第2バイトのB0〜B1ビットに当選を示す「1」がRWMに記憶される。図31(a)の場合には図30(b)の場合と同様に、1枚役である入賞3〜8に対応する図柄組合せを優先的に引き込む1枚個数優先引込制御である停止制御Bが設定される。
図31(b)は、RT5中のMB中に、再遊技C条件装置が当選した場合にRWMに記憶される当選フラグを説明する図である。図31(b)では、MB作動時に再遊技C条件装置が当選しているため、全ての入賞(入賞1〜10)と再遊技役1、3とを当選とみなし第1バイトのA0〜A7ビット、第2バイトのB0〜B1ビット、第3バイトのC0、C2ビットに当選を示す「1」がRWMに記憶される。図31(b)の場合には、15枚役である入賞9、10に対応する図柄組合せを優先的に引き込む15枚枚数優先引込制御である停止制御Dが設定される。なお、15枚役が入賞する再遊技C条件装置は、RT5中にみにおいて当選する。
(MB中に中リールを第1停止時の停止例)
図32は、MB中に中リール40Cを第1停止したときの停止図柄例を示す。図32(a)は、MB中に役抽選結果が再遊技A、B、入賞A〜F、ハズレの場合に、中リール40Cを第1停止したときの停止図柄例を示す。MB中に役抽選結果が再遊技Aになったとき、当選役は再遊技役1、14、入賞1〜10になる。再遊技役1、14、入賞1〜10のうち、図6、9、10〜12の図柄組み合わせを参照すると中リール40Cの図柄には、入賞2において「HIT」図柄が10個、入賞3、7において「ブランクA」図柄が10個、「ブランクB」図柄が10個あり、「HIT」図柄、「ブランクA」図柄、「ブランクB」図柄が10個で最多となる。
最多の引き込む図柄数が同じ数である時、設計者は、14枚役に対応する「HIT」図柄を引き込む14枚個数優先引込制御、又は、1枚役に対応する「ブランクA」図柄又は「ブランクB」図柄を引き込む1枚個数優先引込制御のいずれかを個数優先引込制御として設定できる。換言すると、1枚個数優先引込制御と14枚個数優先引込制御とを当選役によって適宜選択できるように、入賞1〜10の図柄組み合わせのうち、中リール40Cの図柄に関して1枚個数優先引込制御に対応する「ブランクA」図柄の数と14枚個数優先引込制御に対応する「HIT」図柄の数とが同じ数になるように入賞1〜10の図柄組み合わせが設計されている。本実施例では、1枚役に対応する「ブランクA」図柄又は「ブランクB」図柄を引き込む1枚個数優先引込制御が、MB中に役抽選結果が再遊技Aになったときに設定されている。
また、MB中に役抽選結果が再遊技Bになったとき、当選役は再遊技役1、6、14、入賞1〜10になる。再遊技役1、6、14、入賞1〜10のうち、MB中に役抽選結果が再遊技Aになったときと同様に、中リール40Cの図柄には、入賞2において「HIT」図柄が10個、入賞3、7において「ブランクA」図柄が10個、「ブランクB」図柄が10個あり、「HIT」図柄、「ブランクA」図柄、「ブランクB」図柄が10個で最多となる。そのため、MB中に役抽選結果が再遊技Aになったときと同様に、1枚役に対応する「ブランクA」図柄又は「ブランクB」図柄を引き込む1枚個数優先引込制御が設定されている。
また、MB中に役抽選結果が入賞A〜F、ハズレになったとき、当選役は入賞1〜10になる。入賞1〜10のうち、MB中に役抽選結果が再遊技Aになったときと同様に、中リール40Cの図柄には、入賞2において「HIT」図柄が10個、入賞3、7において「ブランクA」図柄が10個、「ブランクB」図柄が10個で最多となる。そのため、MB中に役抽選結果が再遊技Aになったときと同様に、1枚役に対応する「ブランクA」図柄又は「ブランクB」図柄を引き込む1枚個数優先引込制御が設定されている。
図32(a)の例では、1枚個数優先制御が行われ、中リール40Cを第1停止したとき、入賞3又は入賞7に対応する中リール40Cの0番又は15番の「ブランクA」図柄を有効ラインLに引き込み停止させている。なお、「ブランクA」図柄を有効ラインLに引き込めない場合は、「ブランクB」図柄が有効ラインLに引き込まれる。そして、右リール40Rには、入賞3又は入賞7に対応する「ブランクA」図柄を有効ラインLに引き込み停止させる。そして、左リール40Lには、入賞3又は入賞7が入賞する図柄を引き込み停止させる。
但し、図32(a)の右側の上から6番目の例では、左リール40Lに17番の「シンボル2」図柄を引き込み停止させ、いずれの役も入賞しない「はずれ」が表示される。これは、MB中は左リール40Lのスベリコマ数が2コマに設定されているため、左リール40Lの有効ラインLに17番の「シンボル2」図柄があるとき、左ストップスイッチ37Lを操作すると、入賞3又は入賞7に対応する図柄を引き込めないことによる。このように、遊技者は、左リール40Lの有効ラインLに17番の「シンボル2」図柄があるとき、ストップスイッチ37を操作することにより、1枚役を入賞させないようにすることができる(1枚役外し又は入賞外しと称する)。
また、図示しないが、左リール40Lの有効ラインLに18番の「シンボル1」図柄又は19番の「ブランクB」図柄があるとき、左ストップスイッチ37Lを操作したときも、入賞3又は入賞7に対応する図柄を引き込めないないため、1枚役を入賞させないようにすることができる(図32(b)、図33(a)、(b)の場合も同様)。このように、中リール40C、右リール40Rを第1停止したときには、1枚役を外すのに3コマの余裕がある。
図32(b)は、MB中に役抽選結果が再遊技D〜Pの場合に、中リール40Cを第1停止したときの停止図柄例を示す。MB中に役抽選結果が再遊技Dになったとき、当選役は再遊技役1、入賞1〜10になる。再遊技役1、入賞1〜10のうち、図6、9、10〜12の図柄組み合わせを参照すると中リール40Cの図柄には、入賞2において「HIT」図柄が10個、入賞3、7において「ブランクA」図柄が10個、「ブランクB」図柄が10個あり、「HIT」図柄、「ブランクA」図柄、「ブランクB」図柄が10個で最多となる。
最多の引き込む図柄数が同じである時、設計者は、14枚役に対応する「HIT」図柄を引き込む14枚個数優先引込制御、又は、1枚役に対応する「ブランクA」図柄又は「ブランクB」図柄を引き込む1枚個数優先引込制御のいずれかを個数優先引込制御として設定できる。本実施例では、14枚役に対応する「HIT」図柄を引き込む14枚個数優先引込制御が、MB中に役抽選結果が再遊技Dになったときに設定されている。
また、MB中の役抽選結果が再遊技E〜Pの場合にも、図13の当選役、図6、9、10〜12の図柄組み合わせを参照すると中リール40Cの図柄には、入賞2において「HIT」図柄が10個、入賞3、7において「ブランクA」図柄が10個、「ブランクB」図柄が10個あり、「HIT」図柄、「ブランクA」図柄、「ブランクB」図柄が10個で最多となる。そのため、MB中の役抽選結果が再遊技E〜Pの場合にも、MB中に役抽選結果が再遊技Dになったときと同様に「HIT」図柄を引き込む14枚個数優先引込制御が設定されている。
図32(b)の例では、14枚個数優先制御が行われ、中リール40Cを第1停止したとき、入賞2に対応する中リール40Cの1番、6番、11番又は16番の「HIT」図柄を有効ラインLに引き込み停止させている。そして、右リール40Rには、入賞2に対応する「リプレイ」図柄を有効ラインLに引き込み停止させる。そして、左リール40Lには、入賞2が入賞する図柄を引き込み停止させる。
但し、図32(b)の右側の上から6番目の例では、左リール40Lに17番の「シンボル2」図柄を引き込み停止させ、いずれの役も入賞しない「はずれ」が表示される。これは、MB中は左リール40Lのスベリコマ数が2コマに設定されているため、左リール40Lの有効ラインLに17番の「シンボル2」図柄があるとき、ストップスイッチ37を操作すると、入賞2に対応する図柄を引き込めないことによる。このように、遊技者は、左リール40Lの有効ラインLに17番の「シンボル2」図柄があるとき、ストップスイッチ37を操作することにより、14枚役を入賞させないようにすることができる(14枚役外し又は入賞外しと称する)。
(MB中に右リールを第1停止時の停止例)
図33は、MB中に右リール40Rを第1停止したときの停止図柄例を示す。図33(a)は、MB中に役抽選結果が再遊技A、B、入賞A〜F、ハズレの場合に、右リール40Rを第1停止したときの停止図柄例を示す。MB中に役抽選結果が再遊技Aになったとき、当選役は再遊技役1、14、入賞1〜10になる。再遊技役1、14、入賞1〜10のうち、図6、9、10〜12の図柄組み合わせを参照すると右リール40Rの図柄には、入賞2、5、6、8において「JAC」図柄が10個、入賞3、7において「ブランクA」図柄が10個、「ブランクB」図柄が10個あり、「JAC」図柄、「ブランクA」図柄、「ブランクB」図柄が10個で最多となる。
最多の引き込む図柄数が同じである時、設計者は、14枚役に対応する「JAC」図柄を引き込む14枚個数優先引込制御、又は、1枚役に対応する「ブランクA」図柄又は「ブランクB」図柄を引き込む1枚個数優先引込制御のいずれかを個数優先引込制御として設定できる。換言すると、1枚個数優先引込制御と14枚個数優先引込制御とを当選役によって適宜選択できるように、入賞1〜10の図柄組み合わせのうち、右リール40Rの図柄に関して14枚個数優先引込制御に対応するJAC」図柄の数と1枚個数優先引込制御に対応する「ブランクA」図柄の数とが同じ数になるように入賞1〜10の図柄組み合わせが設計されている。図33の例では、1枚役に対応する「ブランクA」図柄又は「ブランクB」図柄を引き込む1枚個数優先引込制御が、MB中に役抽選結果が再遊技Aになったときに設定されている。
また、MB中に役抽選結果が再遊技Bになったとき、当選役は再遊技役1、6、14、入賞1〜10になる。再遊技役1、6、14、入賞1〜10のうち、MB中に役抽選結果が再遊技Aになったときと同様に右リール40Rの図柄には、入賞2、5、6、8において「JAC」図柄が10個、入賞3、7において「ブランクA」図柄が10個、「ブランクB」図柄が10個あり、「JAC」図柄、「ブランクA」図柄、「ブランクB」図柄が10個で最多となる。そのため、MB中に役抽選結果が再遊技Aになったときと同様に、1枚役に対応する「ブランクA」図柄又は「ブランクB」図柄を引き込む1枚個数優先引込制御が設定されている。
また、MB中に役抽選結果が入賞A〜F、ハズレになったとき、当選役は入賞1〜10になる。入賞1〜10のうち、MB中に役抽選結果が再遊技Aになったときと同様に、右リール40Rの図柄には、入賞2、5、6、8において「JAC」図柄が10個、入賞3、7において「ブランクA」図柄が10個、「ブランクB」図柄が10個で最多となる。そのため、MB中に役抽選結果が再遊技Aになったときと同様に、1枚役に対応する「ブランクA」図柄又は「ブランクB」図柄を引き込む1枚個数優先引込制御が設定されている。
図33(a)の例では、1枚個数優先制御が行われ、右リール40Rを第1停止したとき、入賞3又は入賞7に対応する右リール40Rの「ブランクA」図柄を有効ラインLに引き込み停止させている。なお、「ブランクA」図柄を有効ラインLに引き込めない場合は、「ブランクB」図柄が有効ラインLに引き込まれる。そして、中リール40Cには、入賞3又は入賞7に対応する「ブランクA」図柄を有効ラインLに引き込み停止させる。そして、左リール40Lには、入賞3又は入賞7が入賞する図柄を引き込み停止させる。
但し、図33(a)の右側の上から6番目の例では、図32(a)の例と同様の理由により、左リール40Lに17番の「シンボル2」図柄を引き込み停止させ、いずれの役も入賞しない「はずれ」が表示される。
図33(b)は、MB中に役抽選結果が再遊技D〜Pの場合に、右リール40Rを第1停止したときの停止図柄例を示す。MB中に役抽選結果が再遊技Dになったとき、当選役は再遊技役1、入賞1〜10になる。再遊技役1、入賞1〜10のうち、図6、9、10〜12の図柄組み合わせを参照すると右リール40Rの図柄には、入賞2、5、6、8において「JAC」図柄が10個、入賞3、7において「ブランクA」図柄が10個、「ブランクB」図柄が10個あり、「JAC」図柄、「ブランクA」図柄、「ブランクB」図柄が10個で最多となる。
最多の引き込む図柄数が同じである時、設計者は、14枚役に対応する「JAC」図柄を引き込む14枚個数優先引込制御、又は、1枚役に対応する「ブランクA」図柄又は「ブランクB」図柄を引き込む1枚個数優先引込制御のいずれかを個数優先引込制御として設定できる。図33(b)の例では、14枚役に対応する「JAC」図柄を引き込む14枚個数優先引込制御が、MB中に役抽選結果が再遊技Dになったときに設定されている。
また、MB中の役抽選結果が再遊技E〜Pの場合にも、図13の当選役、図6、9、10〜12の図柄組み合わせを参照すると右リール40Rの図柄には、入賞2、5、6、8において「JAC」図柄が10個、入賞3、7において「ブランクA」図柄が10個、「ブランクB」図柄が10個あり、「JAC」図柄、「ブランクA」図柄、「ブランクB」図柄が10個で最多となる。そのため、MB中の役抽選結果が再遊技E〜Pの場合にも、MB中に役抽選結果が再遊技Dになったときと同様に「JAC」図柄を引き込む14枚個数優先引込制御が設定されている。
図33(b)の例では、14枚個数優先制御が行われ、右リール40Rを第1停止したとき、入賞2に対応する右リール40Rの「JAC」図柄を有効ラインLに引き込み停止させている。そして、中リール40Cには、入賞2に対応する「HIT」図柄を有効ラインLに引き込み停止させる。そして、左リール40Lには、入賞2が入賞する図柄を引き込み停止させる。
但し、図33(b)の右側の上から6番目の例では、図32(a)の例と同様の理由により、左リール40Lに17番の「シンボル2」図柄を引き込み停止させ、いずれの役にも入賞しない「はずれ」が表示される。
(MB中に左リールを第1停止時の停止例)
図34は、MB中に役抽選結果が再遊技A、B、入賞A〜F、ハズレの場合に、左リール40Lを第1停止したときの停止図柄例を示す。図34(a)は、MB中に役抽選結果が再遊技A、B、入賞A〜F、ハズレの場合に、左リール40Lの有効ラインLに2番の「HIT」図柄があるとき、左ストップスイッチ37Lを第1停止したときの停止図柄例を示す。MB中に役抽選結果が再遊技A、B、入賞A〜F、ハズレになったとき、図13の当選役、図6、9、10〜12の図柄組み合わせを参照すると左リール40Lの図柄には、入賞1〜4、6、7において「ブランクA」図柄が13個で最多となる。そのため、「ブランクA」図柄を有効ラインLに引き込む個数優先引込制御が設定される。また、MB中に役抽選結果が再遊技A、B、入賞A〜F、ハズレの場合には、当選した時点で、1枚個数優先引込制御が設定されている。
図34(a)の例では、MB中は左リール40Lのスベリコマ数が2コマに設定されており、左リール40Lの有効ラインLに2番の「HIT」図柄があるとき、左ストップスイッチ37Lが第1停止されているので、4番の「ブランクA」図柄を引き込めないため、3番の「シンボル4」図柄が左リール40Lの有効ラインLに引き込まれる(図2参照)。そして、第2停止では、1枚個数優先引込制御によって、1枚役である入賞3に対応する図柄を有効ラインLに引き込み、第3停止では、入賞3が入賞する図柄を有効ラインLに引き込む。
図34(b)は、MB中に役抽選結果が再遊技A、B、入賞A〜F、ハズレの場合に、左リール40Lの有効ラインLに3番の「シンボル4」図柄又は4番の「ブランクA」図柄があるとき、左ストップスイッチ37Lを第1停止したときの停止図柄例を示す。
図34(b)の例では、MB中は左リール40Lのスベリコマ数が2コマに設定されているため、4番の「ブランクA」図柄を左リール40Lの有効ラインLに引き込める(図2参照)。そして、第2停止では、1枚個数優先引込制御によって、1枚役である入賞3、4、6のいずれかに対応する図柄を有効ラインLに引き込み、第3停止では、入賞3、4、6のいずれかが入賞する図柄を有効ラインLに引き込む。
図34(c)は、MB中に役抽選結果が再遊技A、B、入賞A〜F、ハズレの場合に、左リール40Lの有効ラインLに5番の「リプレイ」図柄又は6番の「JAC」図柄があるとき、左ストップスイッチ37Lを第1停止したときの停止図柄例を示す。
図34(c)の例では、MB中は左リール40Lのスベリコマ数が2コマに設定されているため、9番の「ブランクA」図柄を引き込めないため、6番の「JAC」図柄が左リール40Lの有効ラインLに引き込まれる。そして、第2停止では、1枚個数優先引込制御によって、1枚役である入賞7に対応する図柄を有効ラインLに引き込み、第3停止では、入賞7が入賞する図柄を有効ラインLに引き込む。
図34(d)は、MB中に役抽選結果が再遊技A、B、入賞A〜F、ハズレの場合に、左リール40Lの有効ラインLに17番の「シンボル2」図柄があるとき、左ストップスイッチ37Lを第1停止したときの停止図柄例を示す。
図34(d)の例では、MB中は左リール40Lのスベリコマ数が2コマに設定されているため、入賞可能な役に対応する図柄を引き込めないため(入賞可能な役がないため)、17番の「シンボル2」図柄が有効ラインLに引き込まれる。そして、第2停止、第3停止において、いずれの役にも入賞しない「はずれ」が表示される。
また、図34(e)に示すように、左リール40Lの有効ラインLに18番の「シンボル1」図柄があるとき、左ストップスイッチ37Lを操作すると、図34(e)に示すように19番の「ブランクB」図柄が左リール40Lの有効ラインLに引き込まれ1枚役を外すことはできない。このように、左リール40Lを第1停止したときには、中リール40C又は右リール40Rを第1停止したときとは異なり、1枚役を外すのに1コマの余裕しかない。
図34(e)は、MB中に役抽選結果が再遊技A、B、入賞A〜F、ハズレの場合に、左リール40Lの有効ラインLに18番の「シンボル1」図柄又は19番の「ブランクB」図柄があるとき、左ストップスイッチ37Lを第1停止したときの停止図柄例を示す。
図34(e)の例では、MB中は左リール40Lのスベリコマ数が2コマに設定されているため、4番の「ブランクA」図柄を引き込めないため、19番の「ブランクB」図柄が左リール40Lの有効ラインLに引き込まれる。そして、第2停止では、1枚個数優先引込制御によって、1枚役である入賞4又は入賞5に対応する図柄を有効ラインLに引き込み、第3停止では、入賞4又は入賞5が入賞する図柄を有効ラインLに引き込む。
なお、図34の例では、左リール40Lの有効ラインLに17番〜19番の図柄があるとき、左ストップスイッチ37Lを第1停止したとき以外は、基本的に図34(a)〜(c)の制御が行われる。
図35は、MB中に役抽選結果が再遊技D〜Pの場合に、左リール40Lを第1停止したときの停止図柄例を示す。図35(a)は、MB中に役抽選結果が再遊技D〜Pの場合に、左リール40Lの有効ラインLに2番の「HIT」図柄があるとき、左ストップスイッチ37Lを第1停止したときの停止図柄例を示す。MB中に役抽選結果が再遊技D〜Pになったとき、図13の当選役、図6、9、10〜12の図柄組み合わせを参照すると左リール40Lの図柄には、入賞1〜4、6、7において「ブランクA」図柄が13個で最多となる。そのため、「ブランクA」図柄を有効ラインLに引き込む個数優先引込制御が設定される。また、MB中に役抽選結果が再遊技D〜Pの場合には、当選した時点で、14枚個数優先引込制御が設定されている。
そして、図35(a)〜(e)における、左ストップスイッチ37Lを第1停止したときの停止図柄例は、図34(a)〜(e)における停止図柄例と全く同じになり、1枚役、14枚役どちらも停止表示が有り得るようになっている。即ち、左ストップスイッチ37Lを第1停止したときには、停止図柄からは1枚個数優先引込制御と14枚個数優先引込制御とのいずれかが選択されていることは判別できないようになっている。そして、第2停止時に、1枚役と14枚役とのいずれを引込かが判別可能となる。
左ストップスイッチ37Lを第1停止したときの停止図柄例は、1枚役と14枚役とのどちらも表示可能な図柄となっている理由は、MB中は左リール40Lの停止可能な図柄数は2個(2コマ)であるため、15枚役に対応する図柄を停止不可能にするには(15枚役に対応する図柄を蹴飛ばすと残りは1コマしかないため)、1枚役に対応する図柄と14枚役に対応する図柄とを残りは1コマで共通にする必要があるためである。
図35(a)の例では、MB中は左リール40Lのスベリコマ数が2コマに設定されているため、4番の「ブランクA」図柄を引き込めないため、3番の「シンボル4」図柄が左リール40Lの有効ラインLに引き込まれる(図34(a)と同様)。そして、第2停止では、14枚個数優先引込制御によって、14枚役である入賞2に対応する図柄を有効ラインLに引き込み、第3停止では、入賞2が入賞する図柄を有効ラインLに引き込む。
図35(b)は、MB中に役抽選結果が再遊技D〜Pの場合に、左リール40Lの有効ラインLに3番の「シンボル4」図柄又は4番の「ブランクA」図柄があるとき、左ストップスイッチ37Lを第1停止したときの停止図柄例を示す。
図35(b)の例では、MB中は左リール40Lのスベリコマ数が2コマに設定されているため、4番の「ブランクA」図柄を左リール40Lの有効ラインLに引き込める(図34(b)と同様)。そして、第2停止では、14枚個数優先引込制御によって、14枚役である入賞2に対応する図柄を有効ラインLに引き込み、第3停止では、入賞2が入賞する図柄を有効ラインLに引き込む。
図35(c)は、MB中に役抽選結果が再遊技D〜Pの場合に、左リール40Lの有効ラインLに5番の「リプレイ」図柄又は6番の「JAC」図柄があるとき、左ストップスイッチ37Lを第1停止したときの停止図柄例を示す。
図35(c)の例では、MB中は左リール40Lのスベリコマ数が2コマに設定されているため、9番の「ブランクA」図柄を引き込めないため、6番の「JAC」図柄が左リール40Lの有効ラインLに引き込まれる(図34(c)と同様)。そして、第2停止では、14枚個数優先引込制御によって、1枚役である入賞2に対応する図柄を有効ラインLに引き込み、第3停止では、入賞2が入賞する図柄を有効ラインLに引き込む。
図35(d)は、MB中に役抽選結果が再遊技D〜Pの場合に、左リール40Lの有効ラインLに17番の「シンボル2」図柄があるとき、左ストップスイッチ37Lを第1停止したときの停止図柄例を示す。
図35(d)の例では、MB中は左リール40Lのスベリコマ数が2コマに設定されているため、入賞可能な役に対応する図柄を引き込めないため(入賞可能な役がないため)、17番の「シンボル2」図柄が有効ラインLに引き込まれる(図34(d)と同様)。そして、第2停止で、第3停止において、いずれの役にも入賞しない「はずれ」が表示される。
図35(e)は、MB中に役抽選結果が再遊技D〜Pの場合に、左リール40Lの有効ラインLに18番の「シンボル1」図柄又は19番の「ブランクB」図柄があるとき、左ストップスイッチ37Lを第1停止したときの停止図柄例を示す。
図35(e)の例では、MB中は左リール40Lのスベリコマ数が2コマに設定されているため、4番の「ブランクA」図柄を引き込めないため、19番の「ブランクB」図柄が左リール40Lの有効ラインLに引き込まれる(図34(e)と同様)。そして、第2停止では、個数優先引込制御によって、11枚役である入賞1に対応する図柄を有効ラインLに引き込み、第3停止では、入賞1が入賞する図柄を有効ラインLに引き込む。
なお、図35の例では、左リール40Lの有効ラインLに17番〜19番の図柄があるとき、左ストップスイッチ37Lを第1停止したとき以外は、基本的に図35(a)〜(c)の制御が行われる。
(ギャップMBの説明)
通常状態(RT5、6)のMBの出玉と、有利な状態(RT1〜4、非RT)におけるMBの出玉とに差があるMBをギャップMBと呼ぶ。また、ギャップMBを搭載するスロットマシンでは、市場の遊技者が取得できる出玉と理論上取得できる出玉とに差がでる特徴がある。
本実施例のギャップMBでは、通常状態(RT5、6)のMB中は1枚役が高確率で当選するため、MB中は1枚役が高確率で入賞して14枚を超えるメダル払い出しが行われたこと(15枚以上の払い出し)で終了する。そのため、通常状態(RT5、6)は、傾斜を下げることが可能になる。対して、有利な状態(RT1〜4、非RT)のMB中は14枚役が高確率で当選するため、14枚役を2回取得する15枚以上の払い出しがある場合が多くなる。そのため、有利な状態(RT1〜4、非RT)は、傾斜を上げることが可能になる。これにより通常状態(RT5、6)ではメダルが減少するMBを有利な状態ではメダルが増加するMBにすることができる。
図32〜35に示す図柄停止例に示されるように、1枚役は、全押し順においても左リール40Lに17番の「シンボル2」図柄(中リール40C、右リール40Rを第1停止したときには18番の「シンボル1」図柄、19番の「ブランクB」図柄もさらに含む)を有効ラインLに停止させることによって外すことができる。そのため、有利な状態のMB中(通常状態のMB中でもよい)に、既にメダルを14枚取得している状態において、1枚個数優先引込制御が設定されている場合には1枚役を外し、14枚個数優先引込制御が設定されるまで1枚役を外すことが考えられる。すると、MB中に14枚役を2回取得でき、より多く且つ効率よくメダルを取得することができる。但し、中リール40C、右リール40Rを第1停止したときには、1枚役を外すのに3コマの余裕があり目押しの難易度は低いが、左リール40Lを第1停止したときには、1枚役を外すのに1コマの余裕しかないため、目押しの難易度が高くなる。
1枚役をなるべく取得したくないときは、中リール40C、右リール40Rを第1停止すると目押しの難易度は低くなるという利点がある。左リール40Lを第1停止したときには、1枚役を外すための目押しの難易度は高いが、18番の「シンボル1」図柄、19番の「ブランクB」図柄を目押ししてしまっても11枚役を取得できるという利点がある。
MB中に1枚個数優先引込制御が設定されていることは、中リール40Cを第1停止したときは、「ブランクA」図柄が有効ラインLに停止すること(図32(a)参照)、右リール40Rを第1停止したときは、「ブランクA」図柄が有効ラインLに停止すること(図33(a)参照)によって判別できる。なお、1枚個数優先引込制御が設定されていることは、表示装置70に1枚個数優先引込制御が設定されていることを示す演出によって告知し、遊技者に1枚役を外す旨を報知してもよい。
以上より、本実施例において、MB中は再遊技役の当選状況に応じて獲得枚数を異ならせることが可能となる遊技性を提供することが可能である。また、再遊技役の当選状況を遊技者に対して告知しないため、いかなる入賞役が入賞可能かの判別を操作手順(停止順または停止位置)に応じて判別することが可能であるため、遊技者の遊技方法を拡張させること(多様化すること)が可能となる。
RT状態には、RT1〜6、非RT、SRB内部中RT1があり、RT1〜4、非RTは、再遊技の当選確率とMB中に14枚役を取得できる確率とがRT5、6よりも高く、メダルを取得できる期待値が100%以上でありメダルが増えるRTであるため、有利な状態(有利なRT)と称する。また、RT5、6は、再遊技の当選確率とMB中に14枚役を取得できる確率とがRT1〜4、非RTよりも低く、メダルを取得できる期待値が100%未満でありメダルが減るRTであるため、通常状態(通常RT)と称する。SRB内部中RT1は、MBは当選しないが再遊技の当選確率がRT5、6よりも高く、メダルを取得できる期待値が100%以上でありメダルが増えるRTであるため、有利な状態(有利なRT)と称する。
次に、有利な状態であるRT1〜4、非RT、SRB内部中RT1において、傾斜(ベース)が高くなる理由について説明する。図17(b)、図19(b)、図21(b)、図23(b)、図28(c)を参照すると、RT1〜4、非RT、SRB内部中RT1においては、再遊技の置数の合算値は設定1で47137であり、その確率は47137/65536であり約2/3の確率で再遊技が当選する。対して、図25(b)、図27(b)を参照すると、RT5においては、再遊技の置数の合算値は設定1で8978、その確率は8978/65536であり、RT6においては、再遊技の置数の合算値は設定1で33328、その確率は33328/65536である。そのため、RT1〜4、非RT、SRB内部中RT1は、再遊技の当選確率が相対的に高いため傾斜(ベース)が高くなる。
また、MB中に14枚役を取得できる14枚個数優先制御が設定される再遊技D〜Pについては、図14、図16、図18、図20、図22、図28(a)を参照すると、有利な状態であるRT1〜4、非RTにおいて、MB中の再遊技D〜Pの置数の合算値は設定1で47137であり、その確率は47137/65536であり約2/3の確率で再遊技D〜Pが当選する。そのため、MB中は14枚役を約2/3の確率で取得できる機会が与えられる。そのため、RT1〜4、非RTは、14枚個数優先制御が設定される再遊技D〜Pの当選確率が相対的に高いため傾斜(ベース)が高くなる。
また、MB中に1枚役を取得できる1枚個数優先制御が設定される再遊技A、B、入賞A〜F、ハズレは、図17(b)、図19(b)、図21(b)、図23(b)、図28(c)を参照すると、有利な状態であるRT1〜4、非RTにおいて、MB中の再遊技A、B、入賞A〜F、ハズレの置数の合算値は設定1で18399(入賞+ハズレ)であり、その確率は18399/65536であり約1/3の確率で再遊技A、B、入賞A〜F、ハズレが当選する。そのため、MB中は1枚役を約1/3の確率で取得できる。そのため、RT1〜4、非RTは、1枚個数優先制御が設定される再遊技A、B、入賞A〜F、ハズレの当選確率が相対的に低いため傾斜(ベース)が高くなる。
図24、図25(b)を参照すると、RT5においては、MB中の再遊技D〜Pの置数の合算値は設定1で3045、その確率は3045/65536であり、図26、図27(b)を参照すると、RT6においては、MB中の再遊技D〜Pの置数の合算値は設定1で33328、その確率は33328/65536である。RT5におけるMB中は14枚役を約1/22の確率、RT6におけるMB中は14枚役を約1/2の確率で取得できる機会が与えられる。そのため、RT5、6は、14枚個数優先制御が設定される再遊技D〜Pの当選確率が相対的に低いため傾斜(ベース)が相対的に低くなる。
また、RT5において、MB中に1枚役を取得できる1枚個数優先制御が設定される再遊技A、B、入賞A〜F、ハズレについては、図25(b)を参照すると、MB中の再遊技A、B、入賞A〜F、ハズレの置数の合算値は設定1で47708(入賞+ハズレ)であり、その確率は47708/65536であり約2/3の確率で再遊技A、B、入賞A〜F、ハズレが当選する。そのため、MB中は1枚役を約2/3の確率で取得できる。そのため、RT5は、1枚個数優先制御が設定される再遊技A、B、入賞A〜F、ハズレの当選確率が高いため傾斜(ベース)が低くなる。
また、RT6において、MB中に1枚役を取得できる1枚個数優先制御が設定される再遊技A、B、入賞A〜F、ハズレについては、図27(b)を参照すると、MB中の再遊技A、B、入賞A〜F、ハズレの置数の合算値は設定1で23358(入賞+ハズレ)であり、その確率は23358/65536であり約1/3の確率で再遊技A、B、入賞A〜F、ハズレが当選する。そのため、MB中は1枚役を約1/3の確率で取得できる。そのため、RT6は、1枚個数優先制御が設定される再遊技A、B、入賞A〜F、ハズレの当選確率が高いため傾斜(ベース)が低くなる。
なお、各RT状態における傾斜(ベース)、特徴は、図14〜図29に示される置数に基づき判断することができる。
(MB中の平均滞在遊技数)
次に、MB中の平均滞在遊技数について説明する。ここで、図25(a)、(b)を参照すると、設定値1においてRT5のMB中に1枚個数優先制御が設定される再遊技A、B、入賞A〜F、ハズレの当選確率は(933+5000+9549+47009)/65536=62492/65536であり、14枚個数優先制御が設定される再遊技D〜Qの当選確率は3043/65536であり、15枚枚数優先引込制御が設定される再遊技Cの当選確率は1/65536であることから判るように、1枚役が高確率で当選する。このように、1枚役が連続して当選することが多いため、設定値1におけるRT5のMBの開始からMBの終了条件である14枚を超えるメダル払い出し(15枚以上の払い出し)があるまでの遊技数の平均(第1の平均滞在遊技数)は、10ゲーム以上になる。
また、図15(a)、(b)を参照すると、設定値1において非RTのMB中に1枚個数優先制御が設定される再遊技A、B、入賞A〜F、ハズレの当選確率は(9549+8850)/65536=18399/65536であり、14枚個数優先制御が設定される再遊技D〜Qの当選確率は47137/65536であり、15枚枚数優先引込制御が設定される再遊技Cの当選確率は0/65536であることから判るように、14枚役が高確率で当選する。このように、14枚役が頻繁に当選するため、設定値1における非RTのMBの開始からMBの終了条件である14枚を超えるメダル払い出し(15枚以上の払い出し)があるまでの遊技数の平均(第2の平均滞在遊技数)は、2〜3ゲームになる。
このように、設定値1におけるRT5のMBの開始からMBの終了条件である15枚払い出しがあるまでの遊技数の平均(第1の平均滞在遊技数)は、設定値1における非RTのMBの開始からMBの終了条件である14枚を超えるメダル払い出し(15枚以上の払い出し)があるまでの遊技数の平均(第2の平均滞在遊技数)よりも長くなる。
次に、図25(a)、(b)を参照すると、設定値6においてRT5のMB中に1枚個数優先制御が設定される再遊技A、B、入賞A〜F、ハズレの当選確率は(838+5000+10310+46248)/65536=62396/65536であり、14枚個数優先制御が設定される再遊技D〜Qの当選確率は3140/65536であり、15枚枚数優先引込制御が設定される再遊技Cの当選確率は32/65536であることから判るように、1枚役が高確率で当選する。このように、1枚役が連続して当選することが多いため、設定値6におけるRT5のMBの開始からMBの終了条件である14枚を超えるメダル払い出し(15枚以上の払い出し)があるまでの遊技数の平均(第3の平均滞在遊技数)は、10ゲーム以上になる。
また、図15(a)、(b)を参照すると、設定値6において非RTのMB中に1枚個数優先制御が設定される再遊技A、B、入賞A〜F、ハズレの当選確率は(10310+8900)/65536=19210/65536であり、14枚個数優先制御が設定される再遊技D〜Qの当選確率は46326/65536であり、15枚枚数優先引込制御が設定される再遊技Cの当選確率は0/65536であることから判るように、14枚役が高確率で当選する。このように、14枚役が頻繁に当選するため、設定値6における非RTのMBの開始からMBの終了条件である14枚を超えるメダル払い出し(15枚以上の払い出し)があるまでの遊技数の平均(第4の平均滞在遊技数)は、2〜3ゲームになる。
このように、設定値6におけるRT5のMBの開始からMBの終了条件である15枚払い出しがあるまでの遊技数の平均(第3の平均滞在遊技数)は、設定値6における非RTのMBの開始からMBの終了条件である14枚を超えるメダル払い出し(15枚以上の払い出し)があるまでの遊技数の平均(第4の平均滞在遊技数)よりも長くなる。
また、設定値1におけるRT5のMBの開始からMBの終了条件である15枚払い出しがあるまでの遊技数の平均(第1の平均滞在遊技数)は、設定値6におけるRT5のMBの開始からMBの終了条件である14枚を超えるメダル払い出し(15枚以上の払い出し)があるまでの遊技数の平均(第3の平均滞在遊技数)よりも長くなる。即ち、設定値6は、設定値1と比べて、15枚枚数優先引込制御が設定される再遊技Cの当選確率が32倍高く、14枚個数優先制御が設定される再遊技D〜Qの当選確率も若干高く、1枚個数優先制御が設定される再遊技A、B、入賞A〜F、ハズレの当選確率は低いため、設定値6の第3の平均滞在遊技数が設定値1の第1の平均滞在遊技数と比べて、短くなる。また、設定値6は設定値1と比べて、15枚枚数優先引込制御が設定される再遊技Cの当選確率が32倍高いため、15枚役の表示頻度から遊技者は設定値を推測することができる。
また、MB中には出玉が多いBBは当選しないため、BBの当選を期待できないMB遊技が長くなるほど遊技者は不利益を被る。そのため、遊技者にとってMBは早く終了させたほうが有利となる。
図40は、設定値1と設定値6とにおける、第1の平均滞在遊技数〜第4の平均滞在遊技数の長さの関係を纏めた図である。図40によれば、設定値1におけるRT5中のMBの第1の平均滞在遊技数は、設定値1における非RT中のMBの第2の平均滞在遊技数よりも長くなる。設定値6におけるRT5中のMBの第3の平均滞在遊技数は、設定値6における非RT中のMBの第4の平均滞在遊技数よりも長くなる。また、設定値1におけるRT5中のMBの第1の平均滞在遊技数は、設定値6におけるRT5中のMBの第3の平均滞在遊技数よりも長くなる。
(MB中の設定示唆)
通常時のRT5、6ではMB中はメダルが減り遊技数が長くなる区間、RT1〜4、非RTでも14枚役及び1枚役を外せば遊技数が長くなる区間となっているが、MB中の遊技数が長くなることを利用して、設定値の示唆又は天井までのゲーム数を示唆する演出を行うようにしてもよい。具体的には、MB中の3G目と7G目は、高設定ほど設定値の示唆、天井までのゲーム数を示唆する演出が行われる確率が高くなるようにする。また、1枚役の入賞又は当選の3回目と7回目の入賞又は当選時に高設定ほど設定値の示唆、天井までのゲーム数を示唆する演出が行われる確率が高くなるようにする。設定値の示唆、天井までのゲーム数を示唆する演出は3G目と7G目に限らずどのゲーム数において行われてもよい。
なお、MB中は、RT5滞在中に設定値の示唆や天井までのゲーム数の示唆を行うようにしているが、天井ゲーム数に到達すると演出内容が変更されるようにしてもよい。例えば、より信頼度の高い設定値の示唆の演出を行ってもよい。また、天井に到達したことを報知するための当選役又は図柄組み合わせを設け、MB中に有限RTの天井ゲーム数に到達し天井RT(非RT)に移行した場合、天井に到達したことを報知するための図柄組み合わせが表示されたタイミングで天井RT(非RT)に移行したことを報知するようにしてもよい。
設定値1におけるRT5中のMBの第1の平均滞在遊技数は、設定値6におけるRT5中のMBの第3の平均滞在遊技数よりも長くなることのように、平均滞在遊技数に設定差が設けられることで、設定値の示唆や天井までのゲーム数の示唆の頻度に設定差が生じるため、遊技者に新たな遊技性を提供できる。
(状態制御手段の説明)
状態制御手段140は、RT状態制御手段142、遊技状態制御手段144を有し、当選役決定手段110で行われる抽選の当選確率(当選役の当選確率)が異なるRT状態の移行等を制御する。RT状態制御手段142は、RT状態の移行を制御するものであり、図36に示すように、RT状態を移行させる。
(RT状態の遷移の第1実施例)
図36は、RT状態の遷移を説明するための図である。図36において、下部の破線で囲われた部分は、BBが入賞 (作動)していないBB非作動中にあることを示し、上部の破線で囲われた部分は、BBが入賞してBBが作動しているBB作動中(BB中)にあることを示す。
本実施例のスロットマシンのRT状態には、RT1〜6、非RTがある。SRB内部中RT1は、BB中にSRBが当選したとき移行されるRT状態でありRT1と同様なRT状態であり、SRB内部中RT1ではRT1と同じ抽選テーブルが役抽選に使用される。なお、BB、SRB等のボーナスは、RT状態とは別概念の遊技状態となる。本実施例のスロットマシンは、役物(BB、MB)が当選又は入賞してもRT状態が変化しない貫通型RTを採用しており、通常時にBB又はMBが当選又は入賞してもRT状態は維持される。例えば、通常時のRT5においてBBが当選してもRT状態はRT5に維持され、通常時のRT5においてBBが入賞してもRT状態はRT5に維持される。
RT5、6は、1枚個数優先制御が設定されて1枚役が入賞する確率が高いため傾斜(ベース)が低く(メダルを取得できる期待値が100%未満)、通常滞在する状態であるため通常状態と称する。RT1〜4、非RTは、再遊技の当選確率とMB中に14枚個数優先制御が設定されて14枚役が入賞する確率とが通常状態よりも高くメダルが増加するRTであるため(メダルを取得できる期待値が100%以上ある)、有利な状態(有利なRT)と称する。
有利な状態におけるMB中には約2/3の確率で再遊技D〜Pのいずれかが当選しており、再遊技D〜Pのいずれかが当選すると、主制御手段100は14枚役が入賞し得る14枚個数優先制御を行う(図13参照)。また、有利な状態におけるMB中には約1/3の確率で入賞A又はBが当選して入賞役が全て当選状態となり、主制御手段100は1枚が入賞し得る1枚個数優先制御を行う(図13参照)。
MB中に14枚役を2回取得することは、遊技者からみて最適な遊技方法となる。1枚個数優先制御が行われているとき、遊技者は、既に14枚メダルを取得している場合には、合計14枚を超える(15枚以上)メダルを取得してMBが終了しないように1枚役を入賞させない(1枚役外しと称する)ストップスイッチ37の操作を行う。1枚個数優先制御が設定されていることは、特定の停止出目が表示されたことで判別でき、遊技者は特定の停止出目に基づき1枚役外しを行う。なお、副制御手段200によって表示装置70に1枚個数優先制御が設定されていることを報知し、遊技者は1枚役外しを行うようにしてもよい。
工場出荷時のRWMは初期化状態であるためRT状態は非RTとなる。非RTは、有利なRTであり、再遊技の当選確率とMB中における14枚役を取得できる確率とがRT5よりも高くなっている。非RTは、天井RTと呼ばれるRT状態で、RT5に1200ゲーム滞在(図36の条件○10)するとRT5から移行されるRT状態である。非RTにおいて、再遊技8〜10に対応する図柄組合せ(再遊技8〜10作動図柄とも称する、以下同様)(図8参照)のいずれかが有効ラインL上に停止表示されると、RT状態制御手段142はRT状態をRT1へ移行させる。
また、非RTは、通常状態であるRT5、RT6に転落することはなく、BB非作動中の移行先はRT1とBB作動中の非RTのみであるため、最も有利なRTとなる。最も有利なRTとなる理由は、通常状態であるRT5に転落するまでに、有利なRTをRT1からRT4まで順に必然的に経由するため、有利なRTに滞在するゲーム数(遊技数)が最も多くなるためである。なお、非RTをより有利にするために、RT1に移行する再遊技8〜10が当選する確率をより低くしてもよいし、非RT状態ではRT1に移行する再遊技8〜10を当選しないように設計することで、非RTから他のRT状態に移行するための条件はBBの当選のみとなるようにしてもよい。
次に、主な遊技の経路(ルート)について説明する。通常状態であるRT5中にBBを入賞させ、BB中にSRBを当選させてSRB内部中RT1に移行し、SRBを入賞させないままBBが終了してBB非作動中のRT1に移行し、順にRT2、RT3、RT4に移行させ、RT4から通常状態であるRT5に戻る経路が主な遊技の経路になる。また、遊技の経路の中で、SRB内部中RT1から順にRT1、RT2、RT3、RT4に移行する経路がメダルを獲得する経路となる。
RT1は、BB非作動中にメダルを獲得する経路の出発点となるRTである。RT1は、通常状態であるRT5に転落移行するまでRT2〜RT4を経由するため、RT1〜RT4の中ではRT5まで最も遠い位置にある。そのため、RT1には、長く有利なRTに滞在できるので、BB非作動中においては非RTに次いで最も有利なRTとなる。なお、本実施例では、RT5からRT1に移行することはないが、RT5からRT1に移行する図柄組合せを設けて、RT5からRT1に移行可能にしてもよい。
また、設定値1において、RT1からRT2への移行する(再遊技Mが当選し、再遊技11に対応する図柄組み合わせが表示される)確率は1800/65536、RT2からRT3へ移行する(再遊技Nが当選し、再遊技12に対応する図柄組み合わせが表示される)確率は1800/65536、RT3からRT4へ移行する(再遊技Oが当選し、再遊技13に対応する図柄組み合わせが表示される)確率は1800/65536、RT4からRT5へ移行する(再遊技Pが当選し、再遊技14に対応する図柄組み合わせが表示される)確率は1800/65536に設計されている。一方、設定値6において、RT1からRT2への移行する(再遊技Mが当選し、再遊技11に対応する図柄組み合わせが表示される)確率は1675/65536、RT2からRT3へ移行する(再遊技Nが当選し、再遊技12に対応する図柄組み合わせが表示される)確率は1675/65536、RT3からRT4へ移行する(再遊技Oが当選し、再遊技13に対応する図柄組み合わせが表示される)確率は1675/65536、RT4からRT5へ移行する(再遊技Pが当選し、再遊技14に対応する図柄組み合わせが表示される)確率は1675/65536に設計されている。これにより、有利な状態(RT1〜RT4)から通常状態(RT5)へ移行する確率に設定差を設けている。つまり、RT2〜4よりもRT1に滞在している方が、RT5に転落するまで複数回数の転落を経るため、遊技者にとって有利となる。かつ、上述したように、設定値6は設定値1よりも、RT状態が転落する再遊技の当選確率が低いため、高設定ほど有利な状態(RT1〜RT4)に滞在し易くなることからも判るように、設定差によって有利度合いが異なる。このように、有利な状態(RT1〜RT4)の滞在期間は、設定値が高いほど長期間になることが可能となり、遊技者の興趣を高めることができる。
本実施例では、BB作動中にSRBが当選しSRBが入賞しない(持越しと称する)と、次遊技では、RT状態がSRB内部中RT1に移行し、RT1の抽選テーブルを参照して役抽選を行う。SRB内部中RT1へのRT状態の移行のタイミングに関して、SRB当選時(スタートスイッチオン時)にRT状態の移行を行うが、SRBに当選し、SRB非入賞の場合(ストップスイッチ全停止後)にRT状態の移行を行う(ストップスイッチ全停止後)ようにしてもよい。ここで、BB作動中にSRBが作動していないRT状態である、BB作動中のRT2〜6、非RT、SRB内部中RT1にあるときをBB一般中と称する。本実施例においては、RT状態をSRB内部中RT1に移行させることによって、主にメダルを獲得する経路に入ることができるので、遊技者は、BBを当選、入賞させて、BB一般中においてSRBを当選させてSRB内部中RT1のままBBを終了することを目的に遊技を行うことになる。
SRB内部中RT1は、SRBが入賞しない限り、BBが終了するとRT1に移行されるので、BB作動中において最も有利なRTとなる。RT状態がSRB内部中RT1、SRB非内部中RT1にあるとき、BBが終了すると、RT状態はRT1に移行される。RT1中に再遊技11に対応する図柄組合せ(パンクリプレイ)が表示されると、RT状態はRT2に移行され、RT2中に再遊技12に対応する図柄組合せ(パンクリプレイ)が表示されると、RT状態はRT3に移行される。そして、RT3中に再遊技13に対応する図柄組合せ(パンクリプレイ)が表示されると、RT状態はRT4に移行される。RT4は、RT4よりも有利なRT1〜3に復帰する可能性があるので、引き戻し区間と呼ばれる。
RT2はRT1又はRT3に移行可能であり、RT3はRT1、2、4に移行可能であり、RT4はRT1、3、5に移行可能である。なお、RT状態は、図36に示された移行条件(1)〜(11)に従って移行する。また、RT状態の移行は、図36に示された移行に限らず、適宜各RT状態から図36に示された移行条件(1)〜(11)によって移行するようにしてもよい。
BB非作動中のRT2において、RT状態がRT1に移行する条件装置(RT状態の移行に関する条件装置)である再遊技Lが当選したとき、RWMに再遊技1、3、8〜10の当選フラグが記憶される(図13参照)。RWMに再遊技1、3、8〜10の当選フラグが記憶されているとき、ストップスイッチ37が全て停止操作されて、再遊技8〜10に対応する図柄組合せが有効ラインLに揃うと、RT状態はRT2からRT1へ移行される(図36参照)。このとき、賭け枚数と同等の遊技価値(再遊技)が付与される。
MB中のRT2において、BB非作動中ではRT状態がRT1に移行する条件装置(BB非作動中ではRT状態の移行に関する条件装置)である再遊技Lが当選したとき、RWMに再遊技1、3、8〜10、入賞1〜10の当選フラグが記憶される(図13参照)。RWMに再遊技1、3、8〜10、入賞1〜10の当選フラグが記憶されているとき、ストップスイッチ37が全て停止操作されると、14枚役に対応する図柄組合せが有効ラインLに揃い、RT状態はRT2のまま維持される(図36参照)。このとき、賭け枚数(例えば、3枚)と比べると有利となる遊技価値(例えば、14枚)が付与される。
BB非作動中のRT2において、再遊技Lが当選すると有利なRT1に移行し大きな特典を得ることができる。規則に従うと、ボーナス中(MB中、BB中)及びBB内部中は、有効ラインLに揃った図柄組合せに基づきRT状態を変更することはできないことになっている。そのため、MB中には、稀にしか当選しない再遊技Lが当選してもRT1に移行するような大きな特典を得ることができない。そのため、少しでも有利となるように、MB中において、再遊技Lが当選すると、1枚役と比べると有利となる14枚役に対応する図柄組合せが有効ラインLに揃うように制御される。同様に、本実施例においては、MB中にRT状態が移行する再遊技D〜Pが当選すると14枚役に対応する図柄組合せが有効ラインLに揃うように制御される。
BB内部中のRT2において、BB非作動中ではRT状態がRT1に移行する条件装置(BB非作動中ではRT状態の移行に関する条件装置)である再遊技Lが当選したとき、RWMに再遊技1、3、8〜10の当選フラグが記憶される(図13参照)。RWMに再遊技1、3、8〜10の当選フラグが記憶されているとき、ストップスイッチ37が全て停止操作されると、再遊技1、3、8〜10に対応する図柄組合せが有効ラインLに揃い、RT状態はRT2のまま維持される(図36参照)。RT状態がRT2のまま維持される理由は、規則上、ボーナス中及びBB内部中は、有効ラインLに揃った図柄組合せに基づきRT状態を変更することはできないためである。このとき、賭け枚数と同等の遊技価値(再遊技)が付与される。なお、RT2に限らず、RT1、RT3〜6、非RTにおいても、BB非作動中のMB中において、RT状態が移行する条件装置が当選すると、14枚役に対応する図柄組合せが有効ラインLに揃うように制御される。
ボーナス中(MB中、BB中)及びBB内部中には、RT状態が移行する条件装置が当選しても、RT状態が移行することはないが、遊技者の興趣を下げないために、賭け枚数以上のメダル払出しを行わせることで、遊技者の興趣の下げ幅を小さくできる。なお、RT状態が移行する条件装置が当選したときのみ15枚役が表示可能になるようにしてもよい。
BB非作動中のRT1〜4の出玉率は、同一設定において同じであるため有利なRT(有利な状態)をRT1のみの1つとしてもよいが、BB非作動中の有利なRTとして4つのRT状態(RT1〜4)が設けられ順番に転落するため、RT1から一機にRT5に転落してしまうことを防ぐことができ、有利な状態に安定して滞在する遊技性を提供できる。換言すると、有利なRT(有利な状態)が終了するまで段階を踏むことにより、有利なRT(有利な状態)が一機に終了する危険性を緩和している。有利なRT(有利な状態)が一機に転落しないことで、BBに当選する機会を増加させ、遊技者の興趣を高めることも可能である。
また、演出装置70に表示する演出を多様化するため、例えば、RT1〜4に応じて演出段階を設ける等のため、有利なRTの数は多い方が好ましい。また、BB非作動中のRT1〜6、非RTのいずれの状態からもBBが当選するので、BB非作動中のRT1〜6、非RTのいずれの状態からもBBにおいてSRB内部中RT1に移行させるチャンスがある。また、BB非作動中のRT1〜RT4に滞在している間にBBを作動させSRBを当選させることによって、有利な状態をループ(維持)することが可能となっている。
そして、RT4中に再遊技14に対応する図柄組合せ(パンクリプレイ)が表示されると、有利なRT(有利な状態)が終了しRT状態は通常状態であるRT5に移行される。RT5は、RT5において1200ゲーム消化すると(移行条件(10))(天井ゲーム数と称する)終了して非RTに移行する有限RTである。なお、天井ゲーム数は、MB中、BB一般中でも1ゲーム毎(単位遊技毎)にカウントされる。即ち、天井ゲーム数には、MB中、BB一般中でも到達し得る。このため、MB中、BB中に天井ゲーム数に到達したとしても、有利な非RTに移行するため、有利な非RTを付与されないことによって遊技者に不快感を与えることがなくなる。ここで、遊技機の規則に従うと、所定遊技数消化で他のRT状態に移行する有限RTが終了すると、RT状態は非RTに移行されることになる。なお、RT5以外のRTは全て無限RTとなっている。RT5の天井ゲーム数のカウントは、MB中、BB作動中もRT5にある状態が維持されるため、MB中、BB作動中もカウントされる。
RT5(第1抽選状態)では、1ゲーム毎(単位遊技毎)に、所定条件(RT5において、RT状態がRT5から変化することなく1200ゲーム遊技が行われたか否か)を満たすか否かが判定され、BB一般中(第1遊技状態)のRT5(第1抽選状態)においても所定条件(RT5において、RT状態がRT5から変化することなく1200ゲーム遊技が行われたか否か)を満たすか否かが判定される。
RT状態がRT5から変化することなく1200ゲーム遊技が行われた場合の演出については、以下の状況1、2における演出がある。状況1では、BB非作動中にRT状態がRT5から変化することなく1200ゲーム遊技が行われた場合に、非RTが開始される要件であるベットスイッチ又はスタートスイッチ36の操作に基づいて非RTへ移行したことを表示装置70に報知する。即ち、BB非作動中に天井ゲーム数に到達した場合には、天井ゲーム数に到達すると即時に非RTへ移行したことを表示装置70に報知する。
状況2では、BB一般中にRT状態がRT5から変化することなく1200ゲーム遊技が行われた場合に、BB終了時に非RTに滞在している状況でBBが終了し、次遊技の遊技結果が得られるまでの期間における所定の契機で非RTに滞在していることを示す報知(第1報知)を表示装置70に行う。この次遊技の遊技結果が得られるまでの期間における所定の契機には、ベットスイッチ、スタートスイッチ36、ストップスイッチ37の操作、次遊技のメダル投入が可能となるタイミング等がある。BB一般中に天井ゲーム数に到達し、RT状態がRT5から非RTへ移行しても、即時(非RTへ移行した単位遊技中)に非RTへ移行したことは報知されない。即時に非RTへ移行したことが報知されない理由は、BB一般中に非RTへ移行したことを報知したのちに、SRBが当選してRT状態がSRB内部中RT1に移行してさらにSRBが入賞すると、不利なRT状態であるRT6に移行することになり、非RTへ移行する報知があって有利な非RTへ移行するものと喜んでいる遊技者が、実際には不利なRT状態であるRT6に移行していることによって、失望することを防止するためである。
BB一般中に天井ゲーム数に到達し、SRBが当選していないときには、BBが終了してBB非作動中に戻り、次遊技の遊技結果が得られるまでの期間における所定の契機で非RTへ移行したことが報知される(第1報知)。第1報知に関する、次遊技の遊技結果が得られるまでの期間における所定の契機には、ベットスイッチ、スタートスイッチ36、ストップスイッチ37の操作、次遊技のメダル投入が可能となるタイミング等がある。SRBが当選したときには、SRB内部中RT1に移行したことが報知され、BBが終了してBB非作動中に戻り、次遊技の遊技結果が得られるまでの期間における所定の契機でRT1へ移行したことが報知される(第2報知)。第2報知に関する、次遊技の遊技結果が得られるまでの期間における所定の契機には、ベットスイッチ、スタートスイッチ36、ストップスイッチ37の操作、次遊技のメダル投入が可能となるタイミング等がある。また、MB中に天井ゲーム数に到達したときも非RTへ移行したことが報知される。
第1報知及び第2報知は、副制御手段200によって制御される表示装置70に画像表示された第1ランプ、第2ランプを点灯することによって報知される。第1ランプは、BB非作動中にRT5から非RTへ移行したときと、BB一般中に天井ゲーム数に到達し、SRBが当選することなくBBが終了してBB非作動中に戻り、前述した次遊技の遊技結果が得られるまでの期間における所定の契機で点灯される。次遊技の遊技結果が得られるまでの期間における所定の契機には、ベットスイッチ、スタートスイッチ36、ストップスイッチ37の操作、次遊技のメダル投入が可能となるタイミング等がある。第2ランプは、SRBが当選したとき、または、SRB内部中RT1中にBBが終了してBB非作動中に戻り、次遊技の遊技結果が得られるまでの期間における前述した所定の契機で点灯される。次遊技の遊技結果が得られるまでの期間における所定の契機には、ベットスイッチ、スタートスイッチ36、ストップスイッチ37の操作、次遊技のメダル投入が可能となるタイミング等がある。第1ランプの点灯は、第2ランプの点灯よりも有利な状態に移行したことを示す。なお、第1ランプ、第2ランプは、主制御手段100によって制御される筐体に備えられた物理的なランプでもよい。
次にRT6について説明する。RT6は、BB作動中のSRBが終了したあとに移行されるRT状態である。SRBは、入賞が頻繁に当選するためメダルを取得できる期待値自体は100%以上あるが、入賞させると有利なRT(有利な状態)であるSRB内部中RT1が終了するため、遊技者にとって入賞させたくないボーナスである。また、SRB終了後には必ずRT6に移行されるので、遊技全体からみるとメダルを取得できる期待値が下がるため、なるべく入賞させたくないボーナスでもある。また、SRBは、BB一般中において基本的に他の役と重複当選することなく単独で当選する。
本機械は65536の範囲から任意の値を抽出することで一の役を決定しているが、例えば、非RTの通常時では設定値1において、BBは746(50)/65536、MBは8800/65536、再遊技は47137/65536、入賞は9549/65536、はずれは0/65536の確率で設計されている。なお、BBにおける(50)は、BBが単独当選する置数を示す(図15(b)参照)。図15(b)の非RTの通常時の設定値1において、BBが単独当選する置数50と、MBが当選する置数8800と、再遊技が当選する置数47137と、入賞が当選する置数9549と、を合計すると65536になる。また、非RTのBB内部中では、BBまたはMBは当選することがないため、再遊技は47137/65536、入賞は9549/65536、はずれは8850/65536の確率で設計されている。つまり、BBの単独当選の置数(50)とMBの当選の置数(8800)とは、はずれ(8850)に置換されている。例えば、非RTのBB一般中では設定1において、SRBは4103/65536、再遊技は47137/65536、入賞は9549/65536、はずれは4747/65536の確率で設計されている。つまり、SRBの当選範囲は、はずれの当選範囲の一部が置換されている(図15((b)参照)。
なお、SRB内部中において、左リールLの18番の「シンボル1」図柄を有効ライン上に入賞させない箇所でストップスイッチ37を操作することによって、SRBの入賞を回避することが可能になる(SRB外しと称する)。
また、出玉設計の通例として、入賞よりも役物を優先して引込む役物優先制御を行うか、役物よりも入賞を優先して引込む入賞優先制御を行うかのいずれかが定められているスロットマシンが通例であった。例えば、ボーナス内部中であるときは、ボーナスを入賞させない方が遊技者にとって有利な状態であるスロットマシンがあり(特開2015−092936号)、ボーナスをできる限り入賞させないようにするために、入賞優先制御でありかつBB内部中において再遊技と入賞との当選確率を高くするように設計されているものがあった。
しかし、本実施例のように入賞の置数がハズレの置数よりも多い場合、役物優先制御が行われる。役物優先制御が行われると、故意又は偶然にSRBが入賞することがある。SRBが入賞すると、SRB内部中RT1からBB非作動中のRT1に移行する有利な経路から外れてしまうので、傾斜(ベース)が下がってしまう。そのため、本実施例では、SRBとしてSRB1〜11の11種類を設け、中リール40C、右リール40RにはSRBに対応する図柄が1種類しかないこと等から(図5参照)、遊技者はSRBを容易には入賞させることができない仕様として、SRBを入賞しにくくしている。なお、役物よりも入賞を優先して引込む入賞優先制御を行うようにして、SRBをより入賞しにくくしてもよい。
例えば、SRB1が当選している状況であって、SRB1を入賞させるためには、左リール40Lの18番の「シンボル1」図柄、中リール40Cの18番の「シンボル1」図柄、右リール40Rの3番の「シンボル1」図柄を有効ラインL上に入賞させる必要がある。本実施例では、いずれかのSRB1〜11のいずれかが当選しているかは遊技者がストップスイッチ37を操作した結果、SRBに対応する図柄組み合わせが有効ラインL上に入賞するまで判別できない。よって、SRB1の入賞を確実に回避するためには、左リール40Lの18番の「シンボル1」図柄を有効ライン上に入賞させない箇所でストップスイッチ37を操作することが良い。SRB1以外のSRB2〜11でも、左リール40Lの18番の「シンボル1」図柄が図柄組み合わせに含まれるため、左リール40Lの18番の「シンボル1」図柄を有効ライン上に入賞させない箇所でストップスイッチ37を操作することにより、遊技者はどのSRBが当選したかを具体的に把握していなくてもSRBの入賞を回避することができる。
さらに、SRB1に当選し、かつ入賞A条件装置が作動している状況であって、中リール40Cの18番の「シンボル1」図柄を有効ラインL上に表示させることが可能なタイミングでストップスイッチ37を操作した場合、本実施例は役物優先制御であるため、入賞A条件装置よりもSRB1に対応する図柄組み合わせを優先して有効ラインL上に表示させるようにしていることから、中リール40Cの18番の「シンボル1」図柄が有効ラインL上に表示されることとなる。この時点で入賞の可能性がある役は、SRB1と入賞4(1枚役17と1枚役21)となる。右リール40Rの3番の「シンボル1」図柄を有効ラインL上に表示不可能なタイミングでストップスイッチ37を操作した場合は、入賞4(1枚役17、1枚役21)が入賞可能となる。右リール40Rの3番の「シンボル1」図柄を有効ラインL上に表示可能なタイミングでストップスイッチ37を操作した場合は、入賞役は表示不可能となりSRB1のみが入賞可能となる。
この場合、遊技者としては、入賞A条件装置のうち、最もメダル獲得数が多い入賞1(11枚)を表示させることができず、賭け枚数よりも少ないメダル獲得数である入賞4(1枚)か遊技者にとって不利な遊技状態となるSRB1が入賞する可能性がある。
よって、本実施例では、少なくとも左リール40Lを最初に操作し、かつ18番の「シンボル1」図柄を引き込まないタイミングでストップスイッチ37を操作をすることで必ず入賞A(11枚)を表示させることができ、メダル獲得数でも有利となり、かつSRB内部中RT1の維持を容易に行うことができる。
左リール40Lの18番の「シンボル1」図柄は、前述したように、MB中には小役を外す位置として利用されている。BB中のSRB外しでは、左リール40Lの18番の「シンボル1」図柄は、有効ラインL上に狙わないことでSRBを外し、MB中の小役外しでは、有効ラインL上に狙うことでSRBを外している。このように、左リール40Lの18番の「シンボル1」図柄は、BB中のSRB外しとMB中の小役外しにおいて、共通に目印となる位置(図柄)となっている。
また、本実施例のBBは21枚の払い出しを超えると終了し、SRBは払い出しの多い役が連続して入賞すると2回の遊技又は2回の入賞で終了することからわかるように、比較的短いゲーム数で終了してしまう。本スロットマシンの特徴として、BB作動中に如何にSRBを当選させ且つSRBを入賞させずにBB終了時にSRB内部中RT1に滞在させることが重要となっているため、SRBが入賞してしまうとSRBの終了とともにBBも終了する場合があり、SRB内部中RT1に移行する機会を失う可能性があることから。BB終了条件を満たす前にいずれかのSRBに当選させることで、遊技者の遊技に対する興趣を高めている。
SRBが終了すると、RT状態はRT6に移行する。そして、BB非作動中のRT6において、再遊技14に対応する図柄組合せが表示されること(移行条件(9))によって、RT5における天井ゲーム数のカウントが0から開始される。RT6では、RT5に移行するための再遊技P条件装置(再遊技14)が高確率で当選するため、仮にSRBが入賞してしまってもRT5における天井ゲーム数のカウントがスムーズに開始される。なお、RT4において、再遊技14に対応する図柄組合せが表示されること(移行条件(9))によっても、RT5における天井ゲーム数のカウントが0から開始される。
次に、SRBが終了すると、RT状態はRT5に移行するように設計されていない理由について説明する。規則に従うと、有限RT中は、有効ラインLに揃った図柄組合せに基づきRT状態を変更することは基本的にできないが、例外としてBB、RB(SRB)直後の有限RT中は、有効ラインLに揃った図柄組合せに基づきRT状態を変更することができる。ここで、SRBが終了したときRT5に移行して天井ゲーム数を設定し、数ゲーム後に有効ラインLにRT5に移行する図柄組合せが揃うと、再び天井ゲーム数を1200ゲームに再設定してしまう不具合が生じてしまう。このため、本実施例では、SRBが終了すると、RT状態はRT5に容易に移行するRT6に移行される。
また、本実施例では、当選役決定手段110によって当選役にSRB1〜11のいずれかが決定されたとき、主制御手段100はマスク処理を行って演出グループ番号を纏めて「3」にして、副制御手段200へ送信する。
次に、SRB1〜11が決定されたとき、マスク処理を行う理由について説明する。SRBが入賞すると、SRB内部中RT1からBB非作動中のRT1に移行する有利な経路から外れてしまうので、傾斜(ベース)が下がってしまう。保通協による出玉試験では、当選した役を全て入賞させるように試行する試験があり、主制御手段100がSRB1〜11各々の役物当選番号を副制御手段200へ送信していると、送信された役物当選番号に基づき当選したSRBを全て入賞させてしまう事態が生じる。当選したSRBを全て入賞させてしまうと、出玉試験における最低出玉が55%以下となって、試験に不適合となる可能性が高くなる。
本実施例では、当選役にSRB1〜11のいずれかが決定されたとき、主制御手段100はマスク処理を行って演出グループ番号を纏めて「3」にして、副制御手段200へ送信する。そのため、保通協による出玉試験では、送信された演出グループ番号から、SRB1〜11のいずれかが当選していることを判別できないため、いずれかのSRBの入賞を狙っても1/11の確率でしか、SRBを入賞させることができない。そのため、傾斜(ベース)が上がり、出玉試験における最低出玉が55%以上となり、試験に適合する可能性が高くなる。また、遊技者にしてもいずれかのSRBが当選しているかが不明なため、狙い撃ちを避けることが可能となる。
また、当選役にSRB1〜11のいずれかが決定されたとき、副制御手段200は、SRBの入賞を回避(SRB外し)するために、表示装置70に逆押し(右リール40Rを第1停止)で白7揃いを狙う旨の画像を表示する。これは、SRB1〜11の図柄組合せには、右リール40Rに数字の7を白色で表した「シンボル3」図柄を含むものがないため(図5参照)、右リール40Rに数字の7を白色で表した「シンボル3」図柄を狙えばSRBの入賞を回避できるためである。その他の報知としては、表示装置70を白く点滅させることも考えられる。
第1の特別役(SRB1)に当選したときは特別役(SRB)が当選したことを示唆する演出(SRB外し演出)を行い、第2の特別役(SRB2)に当選したときも特別役(SRB)が当選したことを示唆する演出(SRB外し演出)を行う。
また、RT5にある状態で、BB作動中に移行し、SRBが当選することなくBBが終了してBB非作動中に移行してもRT5における天井ゲーム数はリセットされない。つまり、BBが入賞してもSRBが当選しなければ天井ゲーム数は1ゲームごとにカウントされ、非RT(天井)への到達は近くなる。ただし、RT5における天井ゲーム数は、RT5以外のRT状態に移行するとリセット(0に戻る)されることになる。
また、本実施例においては、貫通型RTを採用しているため、以下の利点がある。仮にBB終了後にRT5に移行するような仕様であった場合、通常時の有利な状態であるRT1〜4、非RT中にBBに移行しBBが終了するとRT5に移行してしまう。遊技者は、BB一般中においてSRB内部中RT1のままBBを終了することを目的に遊技を行うので、BB終了後にRT5に移行してしまうことはBB当選時に有利な状態に滞在していたならば実質的な転落となる。このような、有利な状態であるRT1〜4、非RT中からBB終了後にRT5に移行してしまうような実質的な転落を防ぐために、貫通型RTが採用されている。また、貫通型RTが採用されることによって、遊技者にとって本来当選すると嬉しいBBが、当選すると残念な結果をもたらすBBとなってしまうことを防げる。
このように、貫通型RTを採用することによって、付加価値の高い遊技性を提供できる。また、貫通型RTを採用することによって、RT5における天井ゲーム数がBBが当選又は入賞する度にリセットされてしまうことを防げるため、遊技性の向上が可能になる。
なお、設定変更時、電源断時にはRT状態は維持され、RWMクリア時にはRT状態は非RTから開始される。また、通常時のRT5、6では1枚役が多く当選するため、14枚の払い出しを超えるまで1枚払い出しが続く単調な遊技を繰り返すこと、BBの抽選がないためBBの当選に期待がもてないこと等により、遊技者に苦痛を与える場合がある。そのため、MB中にSRB(RB)又はSB(シングルボーナス)が当選してMBがパンクするようにし、単調な遊技がすぐに終了するようにしてもよい。
(RT状態の維持)
設定変更又は電源断が行われても、RT状態は維持される。RT1中に設定変更が行われてもRT1は引き継がれるため、翌日、遊技者は直ちに有利なRT状態であるRT1から遊技を行うことができる。例えば、別の遊技機に次々と移動しながら1ゲームのみ遊技を行うこと(カニ歩き)が行われる又はメダル投入で有利な状態を示す演出(RT1にあることを示す演出)が直ちに表示されると、遊技機の特性を知っている遊技者が有利となる不具合が発生してしまう。
設定変更又は電源断が行われ、かつ有利なRT状態が維持されている場合は、フリーズフラグをセットし(セットタイミングは電源オフから電源オンまでの間でならいつでもよい)、フリーズフラグがオフになると有利な状態を示す演出(RT1にあることを示す演出)を出力するようにしてもよい。このとき、フリーズフラグがオフになるまでは、通常時を示す演出が液晶(表示装置70)に表示される。具体的には、フリーズフラグは電源オンから5ゲーム消化でオフとなる。有利な状態を示す演出を出力した場合、そのときに外部信号(RT1にあることを示す信号)をオンしてもよい。有利な状態であることの報知は、リール40上のランプをVフラッシュさせる(左リール40LのU(上段)、M(中段)、中リール40CのL(下段)、右リールR40のU(上段)、M(中段))こと、リール40を逆回転させることによって行われてもよく、有利な状態であることの報知ののち、有利な状態を示す演出(RT1にあることを示す演出)を液晶(表示装置70)に表示してもよい。再遊技役が複数遊技連続して入賞したことを契機として有利な状態であることを報知するようにしてもよい。これは、RT5、RT6以外では再遊技確率が高くなっていることから、遊技者は再遊技役の連続入賞を契機にRT状態を推測することが可能になるためである。換言すると、遊技者は再遊技役が連続入賞すると有利なRT状態にあることを推測することが可能になるためである。
また、フリーズフラグがオンの状態で、MBに当選した場合、14枚役が表示された時点またはMBが終了した時点でフリーズフラグをオフにし、有利な状態であることを示してもよい。フリーズフラグがオンの状態で、BBに当選した場合、フリーズフラグのオフタイミングは、所定の状況でオフにしてもよい。例えば、所定の状況は、BB入賞時、BB中の白7揃い時、BB終了時として、有利な状態にあることを示してもよい。
(演出状態の説明)
図37は、演出状態を説明するための図である。演出状態は副制御回路200によって制御され、副制御回路200は演出状態に基づき演出を制御し、演出状態は基本的にRT状態に対応付けされている。遊技者が通常遊技する通常状態中は、RT状態はRT5又はRT6にあり、演出状態は通常状態中にあることを示す演出1にある。基本的に、通常状態中は、RT状態はRT5にあり、予備的にRT6にある。
通常状態中は、BB非作動中のRT5に滞在し、演出状態は通常時を示す演出1が表示される。そして、BBが入賞するとBB作動中のRT5に移行し、演出状態はBB中(BB作動中)であることを示す演出2に移行する。
図37における演出3は、SRB内部中RT1中に対応し、SRBの当選告知が行われる。SRB内部中RT1中には、白7揃いが入賞する再遊技Gが高確率で当選するため(図28参照)、演出3では白7揃いを狙う旨の画像が表示され、SRBが当選したことを告知する。また、演出3では、「WIN」等の告知を表示し、SRBが当選したことを告知してもよい。
なお、SRB内部中RT1中はSRBが入賞すると有利な状態に移行せずに、SRB終了後にRT6に移行する。そのため、演出3では、SRB内部中RT1中に移行しても、有利な状態に移行することは確定していないため、有利な状態が確定したことを示す演出等は表示しないようにする。例えば、「確定」という文字の表示又はSRBが確定したことを示す演出は行わない。このように、有利な状態が確定したことを示す演出等は表示されないため、仮にSRBが入賞して有利な状態に移行しなくても、遊技者は喪失感を感じることがなくなる。ただし、演出3においてもBBが終了した時点において、SRB内部中RT1中にある場合には有利な状態(BB非作動中のRT1に移行すること)が確定したことを示す演出等を表示してもよい。
演出4は、SRBが入賞したときに行われる演出である。SRBの入賞は、遊技者にとって不利なことであるため、演出としてペナルティを受けたような(遊技上の失敗をしてしまったことを示唆するような)画像が表示されたのち、通常時を示す演出1と同じ演出が表示される。
演出5〜7は、有利な状態であるRT1〜3中に行われ、基本的に演出5はRT1中に、演出6はRT2中に、演出7はRT3中に行われる。例えば、演出5では有利な状態であることが判るように赤色背景の演出、演出6では演出5の次に有利な状態であることが判るように緑色背景の演出、演出7では演出6の次に有利な状態であることが判るように黄色背景の演出が表示される。
演出5(RT1)中に再遊技11に対応する図柄組合せ(パンクリプレイ)が表示されると、演出状態は演出6(RT2)に移行され、演出6(RT2)中に再遊技12に対応する図柄組合せ(パンクリプレイ)が表示されると、演出状態は演出7(RT3)に移行される。そして、演出7(RT3) 中に再遊技13に対応する図柄組合せ(パンクリプレイ)が表示されると、演出状態は演出8(RT4)に移行される。
演出8(RT4)は、より有利な状態であることを示す演出5(RT1)、演出7(RT3)に戻る可能性があるので、引き戻し区間と呼ばれる。例えば、演出8では演出7の次に有利な状態であることが判るように青色背景の演出が行われる。演出8(RT4)中に再遊技14に対応する図柄組合せ(パンクリプレイ)が表示されると、演出状態は演出1 (RT5)に移行される。
演出2は、RT5又はRT6にあるとき、BBが入賞すると行われる演出である。そして、演出9は、有利なRT1〜4、非RTにあるとき、BBが入賞すると行われる演出である。演出10は、非RTにあるとき行われる演出である。
なお、設定変更時、電源断時の演出状態はRT状態に対応して維持される。例えば、設定変更時、電源断時にRT1中であるときは、復帰時にはRT1に対応する演出5が表示される。また、RWMクリア時にはRT状態は非RTから開始される。
(MB連続入賞に関する演出)
図41は、MBが連続して入賞したときの演出を説明するための図である。図41に示す実施例では、説明を容易にするためMB中において当選役が再遊技D〜Pの場合には15枚枚数優先引込制御が設定されるものとする。図41(a)は、MBが当選したときに表示装置70に表示される演出を示す。図41(b)は、MBが入賞したときに表示装置70に表示される演出を示す。
図41(a)のMB1連目のMB当選の演出では、MBが初めて当選した遊技において、副制御手段200は、右ストップスイッチ37Rを第1停止操作、中ストップスイッチ37Cを第2停止操作、左ストップスイッチ37Lを第3停止操作すべき旨の演出を表示装置70に表示する。MB当選時に、右ストップスイッチ37Rが第1停止操作、中ストップスイッチ37Cが第2停止操作、左ストップスイッチ37Lが第3停止操作されると、「JAC」図柄が表示窓22内に右上がり又は右下がりに揃う。他の操作順序であると「JAC」図柄が表示窓22内に揃わず、不慣れな遊技者がMBが入賞したことを認識できないことがある。
図41(b)のMB1連目のMB入賞の演出では、「やったねMB入賞」という文字が表示装置70に表示される。そして、図41(b)のMB1連目のMB中の演出では、15枚役が入賞して15枚の払出しがあったことが表示装置70に表示される。
図41(a)のMB2連目のMB当選の演出では、MBが2回連続して当選した遊技において、「CHANCE」と示された演出が表示装置70に表示される。図41(b)のMB2連目のMB入賞の演出では、「すごい!!MB入賞」という文字が表示装置70に表示される。2連目では、1連目における「やったね」よりも上級の表現「すごい!!」が表示される。そして、図41(b)のMB2連目のMB中の演出では、15枚役が入賞して15枚の払出しがあったことが表示装置70に表示される。このとき、MB1連目と合わせた合計払出し枚数(30枚)を表示装置70に表示してもよい。
図41(a)のMB3連目のMB当選の演出では、MBが3回連続して当選した遊技において、副制御手段200は、右ストップスイッチ37Rを第1停止操作、中ストップスイッチ37Cを第2停止操作、左ストップスイッチ37Lを第3停止操作すべき旨の演出を表示装置70に表示する。図41(b)のMB3連目のMB入賞の演出では、「ワンダフル」という文字が表示装置70に表示される。3連目では、1、2連目における「やったね」、「すごい!!」よりも上級の表現「ワンダフル」が表示される。そして、図41(b)のMB3連目のMB中の演出では、15枚役が入賞して15枚の払出しがあったことが表示装置70に表示される。このとき、MB1、2連目と合わせた合計払出し枚数(45枚)を表示装置70に表示してもよい。なお、図41(a)のMB当選時の演出は、MBの連続回数に応じて、報知態様を変更するようにしてもよい。
(MB中のナビに関する演出)
図42は、MB中のナビ演出を説明するための図である。図42に示す実施例では、図41における実施例とは異なり、MB中において当選役が再遊技D〜Pの場合には14枚個数優先引込制御が設定されるものとする。ナビ演出とは、14枚役、1枚役等が当選していることを示唆する演出のことをいう。
図42(a)は1枚役を外すことに失敗した場合に表示される演出、図42(b)は1枚役を外すことに成功した場合に表示される演出を示す。図42(a)において、MB中1G目において再遊技D当選時には、14枚役が入賞可能であることを報知する黄色の菱形が3個、表示装置70に表示される。そして、MB中1G目のストップスイッチ37の第3停止時に、14枚役が入賞しメダルを14枚獲得したことを示す「14枚GET!!」という表示が表示装置70に表示される。
MB中2G目において再遊技A当選時には、1枚役が入賞可能であることを報知する「!」が内部に記された三角形が3個、表示装置70に表示される。「!」が内部に記された三角形は、1枚役を外すようにストップスイッチ37の操作タイミングに注意すること(1枚役を外すように停止操作すること)を遊技者に報知している。図42(a)におけるMB中2G目のストップスイッチ37の第3停止時に、1枚役を外せるタイミングでストップスイッチ37を操作できずに1枚役が入賞してしまったとき、メダルを1枚獲得しMB開始から9枚純増のみのメダル獲得でMBが終了してしまったことを示す「何やってんだよー。」という表示が表示装置70に表示される。
図42(a)の各演出を示す図の下には、各演出におけるメダル投入数、メダル払出数、メダル純増数が示されている。ここで、メダル純増数はMB開始からのメダルの純増枚数を示す。
図42(b)において、MB中2G目に再遊技A当選時の演出までは、図42(a)における演出と同じ演出が行われる。図42(b)におけるMB中2G目のストップスイッチ37の第3停止時に、1枚役を外せるタイミングでストップスイッチ37を操作でき1枚役の入賞を外せたとき、1枚役の入賞を外せたこと及びMBが終了しなかったことを示す「ナイス!!」という表示が表示装置70に表示される。
図42(b)において、MB中3G目に再遊技D当選時には、14枚役が入賞可能であることを報知する黄色の菱形が3個、表示装置70に表示される。そして、MB中3G目のストップスイッチ37の第3停止時に、14枚役が入賞しメダルを14枚獲得したことを示す「14枚GET!!」という表示が表示装置70に表示され、MB開始から19枚純増のメダル獲得でMBが終了する。
図42(b)の各演出を示す図の下には、各演出におけるメダル投入数、メダル払出数、メダル純増数が示されている。ここで、メダル純増数はMB開始からのメダルの純増枚数を示す。
図42を用いて説明したように、MB中は、演出によって入賞させて良い入賞役(14枚役)と入賞させたくない入賞役(1枚役)を表示装置70に表示して示唆する。具体的には、14枚役が入賞可能であることを報知する黄色の菱形を3個、1枚が入賞可能であることを報知する「DANGER」(「!」が内部に記された三角形)を表示装置70に表示する。
(入賞判定手段の説明)
入賞判定手段150は、リール40L,40C,40Rがすべて停止すると、有効ラインL上に停止表示された図柄組合せが、図4〜12に示した図柄組合せのいずれかに対応するか否かを判定する。これにより、BBが入賞したと判定された場合は、次の遊技からボーナスゲームが開始され、再遊技役が入賞したと判定された場合は、次の遊技で再遊技が行われ、入賞役が入賞した場合は、入賞した入賞役に対応する枚数のメダルが払い出される。なお、メダルの払い出しは、クレジット枚数の上限値(例えば50枚)に達するまで、現在のクレジット枚数に、入賞した入賞役に対応するメダル枚数を加算することによって行い、クレジット枚数の上限値(例えば50枚)に達した後は、図1に示したメダル払出口60からメダルを排出する。
(制御コマンド送信手段の説明)
制御コマンド送信手段160は、主制御手段100の各部で決定された遊技に関する各種情報を副制御手段200へ送信する。主制御手段100と副制御手段200との間でやり取りされる情報は、主制御手段100から副制御手段200への一方向に限られており、副制御手段200から主制御手段100に対して何らかの情報が直接送信されることはない。主制御手段100から副制御手段200への情報は、シリアル通信によって制御コマンドという形態で送信される。制御コマンドは、送信する情報の種別を示す第1制御コマンド(1バイト)と、送信する情報の内容を示す第2制御コマンド(1バイト)とで構成されている。
「RT状態番号」コマンド(3300〜3307)は、遊技が開始する前(スタートレバーが操作される前)に送信される制御コマンドである。RT状態番号は、現在のRT状態が、非RT、RT1〜6、BB作動中のいずれであるかを示す情報である。RT状態番号は、非RTであるときは「0」、RT1であるときは「1」、RT2であるときは「2」、RT3であるときは「3」、RT4であるときは「4」、RT5であるときは「5」、RT6であるときは「6」、BB作動中であるときは「7」となっている。非RTは3300、RT1〜6はコマンド3301〜3306、BB作動中は3307に対応する。
また「役物当選番号」コマンドは、スタートレバーが操作された後に送信される制御コマンドである。当選役決定手段110によって当選役にBB1が決定されると、役物当選番号は1となり、BB1が入賞するまで役物当選番号1が、毎遊技、副制御手段200に送信される。そしてBB1が入賞して、ボーナスゲームが開始されると役物当選番号は0となり、当選役にBBが決定されるまで役物当選番号0が、毎遊技、副制御手段200に送信される。同様に、当選役決定手段110によって当選役にBB2が決定されると、役物当選番号は2となる。
なお、通常時にBB1又はBB2が決定されなかった場合は、「役物当選番号」コマンドの第2制御コマンドの値が「0」となる。また、BB1、BB2が当選すると抽選状態はBB内部中となり、「役物当選番号」コマンドの第2制御コマンドの値は「1」又は「2」となる。そして、BB1又はBB2が入賞するまでは、「役物当選番号」コマンドの第2制御コマンドの値は「1」又は「2」になったままになる。これにより、副制御手段200は、「役物当選番号」コマンドの第2制御コマンドに基づいて、決定された当選役に応じた演出を行うことができる。また、「役物当選番号」コマンドは、スタートスイッチ36が操作されたことを副制御手段200へ伝達するという役割も兼ねている。副制御手段200では、「役物当選番号」コマンドに基づいて、スタートスイッチが操作されたときの処理を行う。
当選役決定手段110によって当選役にSRB1〜11のいずれかが決定されると、役物当選番号は3となる。また、当選役にSRB1〜11のいずれかが決定されると、SRBに対応する演出グループ番号「3」が副制御手段200へ送信される。演出グループ番号「3」は、「演出グループ番号」コマンド(3A03)に対応する。「演出グループ番号」コマンド(3A03)は、スタートレバーが操作された後に送信される制御コマンドである。また「役物当選番号」コマンドは、スタートスイッチが操作された後に送信される制御コマンドである。
このように、本実施形態では、SRB1〜11のいずれかが決定されたとき、主制御手段100はマスク処理を行って演出グループ番号を纏めて「3」にして、副制御手段200へ送信する。
(外部信号送信手段の説明)
図3に戻り、外部信号送信手段170は、主制御手段100において所定周期で実行されるタイマ割込処理により外部集中端子基板84を介して、IN信号、OUT信号、BB信号、異常発生信号及びスタート信号のオン/オフを外部へ出力する。
≪副制御手段の説明≫
<副制御手段及びその周辺のハードウェア構成>
副制御手段200(副制御回路200)は、CPU、ROM、RWM等を含んで構成され、主制御手段100(主制御回路100)から送信された制御コマンドに基づいて、実行する演出を制御する副制御基板202と、副制御基板202から送信されたサブ制御コマンドに基づいて、表示装置70、スピーカ64L,64R及び演出用ランプ72などの演出手段を駆動する画像制御基板204とを含んで構成されている。
<副制御基板の機能ブロック>
副制御基板202は、主制御手段100から送信された制御コマンドに基づいて演出の内容を決定し、決定した演出を実行するためのサブ制御コマンドを生成する演出制御手段210と、主制御手段100から送信された制御コマンドを受信する制御コマンド受信手段220と、演出制御手段210によって生成されたサブ制御コマンドを画像制御基板204へ送信するサブ制御コマンド送受信手段230とを含んで構成されている。
(演出制御手段の説明)
演出制御手段210は、演出状態に応じて実行する演出を制御する手段であって、演出抽選手段212及び演出状態制御手段214を含んで構成されている。演出制御手段210は、主制御手段100から受信した制御コマンド(RT状態番号コマンド、役物当選番号コマンド等)と、現在の演出状態とに応じた演出を抽選によって決定する演出抽選手段212と、主制御手段100から送信された制御コマンドに基づいて演出状態の移行制御を行う演出状態制御手段214とを有している。
(制御コマンド受信手段の説明)
制御コマンド受信手段220は、主制御手段100からシリアル通信で送信された制御コマンドを受信し、受信した制御コマンドをパラレルデータに変換して、受信した順に副制御手段200が有するコマンドバッファ(例えばRWMの記憶領域の一部)に蓄積していく。これにより、演出制御手段210は、コマンドバッファに蓄積されている制御コマンドのうち、最先に蓄積された制御コマンドに基づく処理を順次行っていく。なお、一部の制御コマンドに基づく処理は行わないことがある。その場合、制御コマンドは、RWMの別の記憶領域に記憶され、その後、他の制御コマンドに基づく処理において、参照されたりする。
(サブ制御コマンド送信受手段の説明)
サブ制御コマンド送受信手段230は、演出制御手段210によって生成されたサブ制御コマンドを、所定周期(例えば16ミリ秒)ごとにシリアル通信によって画像制御基板204に送信する。また、サブ制御コマンド送受信手段230は、サブ制御コマンド送受信手段250から送信されたコマンドを受信する。
<画像制御基板の機能ブロック>
画像制御基板204は、サブ制御コマンド送受信手段250と、画像/サウンド出力手段240とを含み、副制御基板202から送信されたサブ制御コマンドに基づいて表示装置70、スピーカ64L,64R及び演出用ランプ72を駆動制御し、演出制御手段210によって決定された演出を実行する。
(サブ制御コマンド送受信手段の説明)
サブ制御コマンド送受信手段250は、サブ制御コマンド送受信手段230からシリアル通信で送信されたサブ制御コマンドを受信し、受信したサブ制御コマンドをパラレルデータに変換して、受信した順に、サブコマンドバッファに蓄積していく。また、サブ制御コマンド送受信手段250は、画像制御基板204が正常に作動しているか否かを示すコマンドや、サブ制御コマンド送受信手段230から送信されたコマンドを正常に受信できたか否かを示すコマンドを、サブ制御コマンド送受信手段230に送信する。これにより、副制御基板202は、画像制御基板204で発生した異常を検知することができ、画像制御基板204がサブ制御コマンドの受信に失敗した場合は、そのサブ制御コマンドを再送することができる。
(画像/サウンド出力手段の説明)
画像/サウンド出力手段240は、画像制御基板204で生成された演出用の画像信号及び音声信号を、表示装置70とスピーカ64L,64Rへ出力する。これにより、表示装置70には演出画像が表示され、スピーカ64L,64Rから音声が発生する。一方、表示装置70やスピーカ64L、64Rからは、正常に動作可能な状態であるか否かを示す正常動作信号が画像制御基板204(又は副制御基板202)に対して出力される。正常動作信号が受信できない場合には、画像/音声信号を送ることなく保持してもよいし、遊技の進行に伴い破棄するようにしてもよい。
[制御手段による処理の説明]
≪主制御手段における制御処理の説明≫
まず、主制御手段100において実行され、遊技の進行を制御する遊技進行メイン処理の内容について、図38のフローチャートを参照しつつ説明する。図38に示す遊技進行メイン処理は、スロットマシン10の電源投入後に実行される各種チェック処理が行われた後に実行されるものであり、遊技進行メイン処理を繰り返し実行することで遊技の制御を行うことができる。
<遊技進行メイン処理の説明>
遊技進行メイン処理が開始されると、主制御手段100は、遊技開始処理を行う(ステップS10)。この遊技開始処理では、RT状態番号をRWMの所定の記憶領域から読み出して、リングバッファに保存する(これにより、後述するタイマ割込処理によって、各制御コマンドが副制御手段へ送信される)。また、ブロッカ45(図3参照。)をオンにしてメダル流路を形成し、メダル投入口32からのメダル投入を有効にする。但し、次に行う遊技が再遊技役の場合は、メダルの自動投入処理(例えばベット数表示ランプ26a,26b,26cを自動的に点灯させるなど)を行い、さらにクレジット枚数が上限値に達していた場合はブロッカ45をオフにして、メダル投入口32から投入されたメダルを受け皿62から返却する。そして、前回の遊技で決定された指示番号をクリア(「0」に更新)する。
次に、主制御手段100は、メダルの投入に伴う処理(遊技メダル管理処理)を行う(ステップS12)。この処理としては、例えば、クレジット数表示器27の表示の更新処理、クレジット数の減算処理、メダル投入口32からのメダル投入に関する不正行為の判断処理、ベット数のカウント処理などを実行する。次に主制御手段100は、投入されたメダル枚数が規定数に達してスタートスイッチ36の操作を受け付けられる状態になるとスタートスイッチ36が操作されたか否かを判断し(ステップS14)、操作されていない(NO)と判断したときは、ステップS12の処理に戻る。
また、ステップS14の判断処理で、スタートスイッチ36が操作された(YES)と判断したときは、ブロッカ45をオフにして、メダル投入口32からのメダル投入を無効にする(ステップS16)。次に主制御手段100は、図14〜29に示した抽選テーブルに基づいて役抽選処理を行う(ステップS18)。
そして、主制御手段100は、役物当選番号をリングバッファに保存する(ステップS20)。これにより、後述するタイマ割込処理によって、役物当選番号コマンドが副制御手段200へ送信される。
そして、主制御手段100は、最小遊技時間が経過したか否かを判断し(ステップS22)、最小遊技時間が経過したと判断すると(ステップS22/YES)、リール停止管理処理を行う(ステップS24)。リール停止管理処理では、リール40L,40C,40Rの回転を開始し、ストップスイッチ37L,37C,37Rが操作されると、操作されたストップスイッチに対応するリールについて停止制御を行う。
そして、有効ラインL上に停止表示された図柄組合せが、図4〜12に示した図柄組合せのいずれかに一致するか否かを判断する表示判定処理を行う(ステップS26)。また、有効ラインL上に停止表示された図柄組合せが、入賞役の図柄組合せ(図10〜12参照)のいずれかと一致していた場合は、ホッパーモータ46を駆動して、一致した入賞役に対応する枚数のメダルを払い出すための払出処理を行う(ステップS28)。
次に主制御手段100は、遊技終了チェック処理を行い(ステップS30)、停止表示された図柄組合せなどに基づいて、RT状態の移行制御を行う。また、BB1又はBB2に対応する図柄組合せが停止表示されたときは、外部集中端子基板84を介してBB信号をオンにする。
以上の処理によって1回の遊技が終了すると、主制御手段100は、再びステップS10の処理に戻って次の遊技のための処理を実行する。
<タイマ割込処理の説明>
主制御手段100において遊技を制御する上で重要な処理として、図38に示した遊技進行メイン処理の他に、所定の周期ごとに実行されるタイマ割込処理がある。このタイマ割込処理は、約2.235ミリ秒の周期で繰り返し実行され、図3に示した操作手段300の各スイッチに対する操作の検出、副制御手段200に対する制御コマンドの送信、ステッピングモータ42L,42C,42Rの駆動制御を行うための制御信号の生成及び出力、乱数の値やタイマとして用いる各種カウンタ値の更新などの処理を行っている。以下、図39に示すフローチャートを参照して、上述したタイマ割込処理の内容について説明する。
主制御手段100は、チップ内に設けられているタイマカウント手段から割込要求信号(発生周期:約2.235ミリ秒)が出力されると、図39に示すタイマ割込処理を開始する。まず、主制御手段100は、これから実行するタイマ割込処理の初期処理を行う(ステップS100)。例えば、CPUのレジスタにセットされていたデータをRWMのスタック領域に格納し、これから行うタイマ割込処理中に、新たなタイマ割込処理が開始されないように、割込禁止フラグをオンにする。
次に主制御手段100は、入力ポートに入力されている電源断検知信号に基づいて電源断(電源電圧が所定値よりも下回ったこと)が検知されたか否かを判断する(ステップS102)。なお、この電源断検知信号は、主制御基板上に設けられた電源監視回路から出力されているものとする。主制御手段100によって電源断が検出された場合は、ステップS102の判断結果がYESとなり、電断時に行う電源断処理を行う(ステップS126)。この電源断処理では、電源断処理を行ったことを示す電源断処理済みフラグの値を「1」にセットし、RWMのチェックサムを算出して、その結果を不揮発性メモリに記憶する。また、RWM内の各フラグの値を、CPUのレジスタ及びスタックポインタの値と共に不揮発性メモリに保存した後、RWMへのアクセスを禁止し、外部から入力されるリセット信号の待機状態となる。
これに対して、ステップS102の判断処理で電源断が検出されなかった場合は、判断結果がNOとなり、主制御手段100は、各種制御を行う際に参照される各種制御用カウンタの値を更新し(ステップS104)、所定時間を計時するために汎用的に利用される計時タイマの計数値を更新する(ステップS106)。そして、クレジット数表示器27や獲得枚数表示器28の表示内容を更新するための7セグ表示制御を行う(ステップS108)。ここで、7セグ表示制御として、本実施形態ではいわゆるダイナミック駆動制御を行っている。
次に主制御手段100は、入力ポートに入力された外部からの各種信号を読み込んでRWMの所定アドレスに各々格納する(ステップS110)。そして、リール40L,40C,40Rの回転を制御するために、ステッピングモータ42L,42C,42Rの各々に対してリール駆動管理処理を実行する(ステップS112)。そして、全てのステッピングモータについてリール駆動管理処理を行うと(ステップS114/YES)、主制御手段100は、各種表示器の表示データや、各ステッピングモータ42L,42C,42Rに対する制御信号などを、内部の出力ポートから出力する(ステップS116)。
次に主制御手段100は、RWM内に設定されているリングバッファに保存されている制御コマンドのうち、最先に保存された制御コマンドを副制御手段200へ送信する(ステップS118)。
次いで主制御手段100は、外部集中端子基板84を介して外部へ出力する各種信号(IN信号、OUT信号、BB信号、異常発生信号及びスタート信号など)の出力処理を行い(ステップS120)、役抽選などに使用する乱数の値を更新する(ステップS122)。さらに主制御手段100は、初期処理によってRWMの所定アドレスに格納していたレジスタの値や各種フラグの状態を元に戻す復帰処理を行って(ステップS124)、図39のタイマ割込処理を終了する。
また本発明は、カジノマシンや、パチンコ機、メダルを用いずに遊技球や電子遊技媒体で遊技を行う遊技機にも適用可能である。
(RT状態の遷移の第2実施例)
図43は、RT状態の遷移の第2実施例を説明するための図である。図43において、下部の破線で囲われた部分は、BBが入賞 (作動)していないBB非作動中にあることを示し、上部の破線で囲われた部分は、BBが入賞してBBが作動しているBB作動中(BB中)にあることを示す。第2実施例のRT状態の遷移の特徴は以下に記載するとおりであるが、以下に記載されていないものについては第1実施例の特徴に従うものとする。
第2実施例のスロットマシンのRT状態には、RT1〜6、非RTがある。SRB内部中RT1は、BB中にSRBが当選したとき移行されるRT状態であり、SRB内部中RT1ではRT1と同じ抽選テーブルが役抽選に使用される。なお、BB、SRB等のボーナスは、RT状態とは別概念の遊技状態となる。第2実施例のスロットマシンは、役物(BB、MB)が当選又は入賞してもRT状態が変化しない貫通型RTを採用しており、通常時にBB又はMBが当選又は入賞してもRT状態は維持される。例えば、通常時のRT5においてBBが当選してBB内部中となってもRT状態はRT5に維持され、通常時のRT5においてBBが入賞してもRT状態はRT5に維持される。
ここで、RT1(BB中を含む)、RT6、非RTは、無限RTであり、RT2〜5は所定遊技数消化で他のRT状態に移行する有限RTである。無限RTとは、所定遊技数消化で他のRT状態に移行することはなく、所定の図柄組み合わせが表示されると他のRT状態に移行するRTのことをいう。図36における第1実施例とは異なり、第2実施例では、RT状態は、無限RTであるRT1から有限RTであるRT2〜4に、図43に示される対応する移行条件(5)〜(7)に従って移行する。第2実施例における、移行条件(1)〜(13)は、図43に示された移行条件(1)〜(13)を示す。
RT2は、RT2において30ゲーム消化(RT2天井ゲーム数と称する)すると終了して(移行条件(9))非RTに移行する有限RTである。RT3は、RT3において50ゲーム消化(RT3天井ゲーム数と称する)すると終了して(移行条件(10))非RTに移行する有限RTである。RT4は、RT4において100ゲーム消化(RT4天井ゲーム数と称する)すると終了して(移行条件(11))非RTに移行する有限RTである。
次に、第2実施例における主な遊技の経路(ルート)について説明する。通常状態であるRT5中にBBを入賞させ、BB中にSRBを当選させてSRB内部中RT1に移行し、SRBを入賞させないままBBが終了してBB非作動中のRT1に移行し、RT1からRT2、RT3、RT4のいずれかに移行させ、RT2、RT3、RT4のいずれかから非RTに戻る経路が主な遊技の経路になる。
そして、非RTでは、図43に示される移行条件(5)〜(8)に従って、RT状態がRT2、RT3、RT4、RT5のいずれかに移行される。また、遊技の経路の中で、非RTとRT2、RT3、RT4との間を往復する経路、及び非RT、RT2、RT3、RT4にある間にBBを入賞させSRB内部中RT1に移行させる経路がメダルを獲得する経路となる。
RT1からは、RT2、RT3、RT4のいずれかに分岐され、RT2は擬似的なRB、RT3は擬似的なBB、RT4は擬似的なSBB(スーパービッグボーナス)に対応する。非RTは、図36における第1実施例では最も有利なRTとして機能していたが、第2実施例ではチャンスゾーンとして機能する。非RTに対応するチャンスゾーンは、移行条件(5)、(6)、(7)に従って昇格してRT2、3、4に移行し、移行条件(8)に従って転落しRT5に移行される。第2実施例における通常状態は、RT5になる。
第1実施例では、RT1からRT5に移行するまでの遊技数はRT状態が毎ゲーム転落すると最短4ゲームであるが、第2実施例では、RT1から非RTに移行するまでにRT2〜4のいずれかの有限RTを経由するため、RT1からRT5に移行するまで最短でも30ゲーム以上を要する。このため、第2実施例による遊技機の方が第1実施例による遊技機よりも、短期間で終了することのない安定した有利状態を提供できる。
第2実施例による遊技機は、RT1又は非RTから移行するRT2〜4であって擬似的なボーナス演出に対応させることができる有限RTであるRT2〜4を備えるため、第1実施例による遊技機と比べると、擬似的なボーナスを見せる演出や擬似的なボーナスが連荘する演出等の作成及びプログラミングが容易になる。
RT5は、RT5において500ゲーム消化(RT5天井ゲーム数と称する)すると終了して(移行条件(12))非RTに移行する有限RTである。なお、RT2〜5天井ゲーム数は、MB中、BB一般中でも1ゲーム毎(単位遊技毎)にカウントされる。即ち、RT2〜5天井ゲーム数には、MB中、BB一般中でも到達し得る。RT2〜5の天井ゲーム数のカウントは、MB中、BB作動中も対応するRT2〜5にある状態が維持されるため、MB中、BB作動中もカウントされる。
RT2〜5では、1ゲーム毎(単位遊技毎)に、所定条件(RT2〜5において、RT状態が対応するRT2〜5から変化することなく天井ゲーム数遊技が行われたか否か)を満たすか否かが判定され、BB一般中のRT2〜5においても所定条件(RT2〜5において、RT状態が対応するRT2〜5から変化することなく天井ゲーム遊技が行われたか否か)を満たすか否かが判定される。なお、規則に従うと、有限RT中は、有効ラインLに揃った図柄組合せに基づきRT状態を変更することはできない。
図14〜29の各RT状態に対応する抽選テーブルは、基本的に実施例2においても使用されるが、図44に示される置数が実施例1の置数とは異なる。図44に示される置数が実施例1と実施例2とでは異なるが、再遊技の合計当選確率は実施例1と実施例2とにおいて同じとなっている。図44に示される非RTにおける再遊技D、再遊技L〜Oの置数は、図14に示される再遊技D、再遊技L〜Oの置数と異なる。図44に示されるRT1における再遊技D、再遊技L〜Oの置数は、図16に示される再遊技D、再遊技L〜Oの置数と異なる。図44に示されるRT6における再遊技O、再遊技Pの置数は、図26に示される再遊技O、再遊技Pの置数と異なる。