JP6673652B2 - 貯水槽及び給水装置 - Google Patents
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Description
図21に示すように、給水装置101は、貯水槽102と、貯水槽102に設けられた流入口121に順次接続されている給水管103,111と、給水管103と給水管111との間に設けられた逆止弁104と、貯水槽102に設けられた流出口122に順次接続されている給水管112,113,117と、貯水槽102に設けられた流出口123に順次接続されている給水管114,115,116と、給水管115と給水管116の間に設けられた切り替え弁107と、を備えている。給水管113,116,117は管継手108により接続されている。
上記貯水槽によれば、両端部の水道水及び空気が湾曲面に沿って円滑に対流し、任意の箇所に滞留し難くなる。従って、貯水槽内での水道水や空気の滞留が極めて発生し難くなる。
上記貯水槽によれば、管体の開口面を閉塞板で塞ぐように、管体に蓋部を融着又は接着により接合することで、貯水槽を容易に製造可能となる。また、このような貯水槽を備えることで、給水装置を製造容易性が高まり、且つ貯水槽内における水道水の滞留がより確実に防止される。
また、上記貯水槽によれば、連設部が軸線方向から見て管内周面から離れるに従い、漸次曲率半径が増大する湾曲面を形成していることで、蓋部の周方向と該周方向の接線方向がより滑らかに接続され、段差等が生じ難くなる。これにより、接続継手を介して貯水槽に流入する水及び貯水槽から流出する水が滞ることなく、より円滑に流動する。
上記給水装置によれば、上記貯水槽を備えていることで、容易に製造され、且つ貯水槽内での水道水や空気の滞留が極めて発生し難くなる。
上記給水装置によれば、例えば第一給水管及び逆止弁を介して流入口より水道水が所定値以上の水圧で供給されている場合は、貯水槽内の水道水が第一流出口から第二給水管に流出し、貯水量が増えれば第二流出口から第三給水管にも流出する。ここで、切り替え弁により第二給水管と第三給水管とが連通状態とされていれば、水栓を開けることで水道水を取水可能となる。
一方、水道水が所定値未満の水圧が供給されている場合であっても、切り替え弁により第二給水管と第三給水管とを非連通状態とし、例えば第二流出口から貯水槽内に高圧の空気を供給することで、貯水槽内の水が第一流出口から第二給水管に流出可能となり、水栓を開けることで水道水を取水可能となる。
従って、供給される水の水圧に関わらず、貯水槽内の水を貯水槽外に円滑に取り出し可能となる。
先ず、本発明を適用した第一実施形態(以下、「第一実施形態」と記載する)について説明する。
図1は第一実施形態の貯水槽2を示す正面図である。
図1に示すように、第一実施形態の貯水槽2は、管体6と、管体6の両端部の開口面6H,6Hを塞ぐ閉塞板7Cを有する蓋部(一方の蓋部)7及び蓋部(他方の蓋部)8から構成されている。
閉塞板7C,8Cは、蓋部7,8の外周端から中心に向けて凸形状に湾曲して形成されている。
側壁7S,8Sは、管体6の両端部に重ねて配置されるとともに融着又は接着により、管体6に接合されている。
また、管体6及び蓋部7,8をPVCで形成した場合、蓋部7,8の側壁7S,8Sは適切な接着材によって管体6の両端部に接合されている。
図2及び図3に示すように、蓋部7の閉塞板7Cには、給水装置(図示略)から供給される水道水を貯水槽2内に流入させる流入口21が設けられている。流入口21には、給水管11と、給水管11及び他の給水管を連結するための連結具11Nが接続されている。
図4及び図5に示すように、蓋部8の閉塞板8Cには、貯水槽2内に貯留された水道水を貯水槽2外に流出させる流出口25が設けられている。第一実施形態では、流出口25は第一流出口22と第二流出口23から構成されている。閉塞板8Cには、下部から第一流出口22と第二流出口23がこの順に設けられている。
第一流出口22には、給水管12と、給水管12及び他の給水管を連結するための連結具12Nが接続されている。
第二流出口23には、給水管14と、給水管14及び他の給水管を連結するための連結具14Nが接続されている。
図6に示すように、給水装置1Aにおいて、蓋部7が蓋部8よりも低く配置されるように貯水槽2が傾斜して設置されている。また、給水管11には第一給水管3が接続されている。第一給水管3には管内を流れる水道水の逆流を防止する逆止弁4が設けられている。この構成により、給水ヘッダー等の給水装置(図示略)から供給された水道水が給水管3,11を介して流入口21から貯水槽2に導入可能とされている。
第三給水管15と第三給水管16との間には、切り替え弁9が設けられている。第一実施形態では、切り替え弁9として口部9a,9b,9cを有する三方弁が用いられている。口部9aには第三給水管16が接続され、口部9bには第三給水管15が接続されている。口部9cは大気中に開放されている。切り替え弁9では、弁の操作によって、第三給水管15と第三給水管16が連通し、且つ給水装置1Aの外部とは遮断されている第一状態と、第三給水管15と第三給水管16が連通せず、給水装置1Aの外部と第三給水管15が連通している第二状態が切り替え可能とされている。
上記構成により、切り替え弁9が第一状態とされれば、貯水槽2内の水道水が第一流出口22から第二給水管13,17に順次導出される。また、第二流出口23から第三給水管15,16、第二給水管17に順次導出され、給水栓10から取り出し可能となる。これに対し、切り替え弁9が第二状態とされれば、大気中に開放された口部9cから第三給水管15に空気を供給可能となる。供給された空気は、貯水槽2内の水道水は第一流出口22から第二給水管13,17内に導出され、給水栓10から取り出し可能となる。
常時取水工程は、給水装置1Aに供給される水道水の水圧が所定値以上を維持している通常の場合に実行される。
一方、断水時等のように水道水の水圧が低下し、安定して水道水の供給を得ることができなくなった場合は非常時取水工程が実行される。
先ず、切り替え弁9を第二状態とし、貯水槽2内に水道水を導入する。この際、貯水槽2内に存在していた空気は、水道水の導入に伴って、第三給水管15を通じて切り替え弁9まで送り出され、口部9cを介して大気中に排出される。この際、給水栓10を大気中に開放すれば、給水栓10からも空気が排出される。その結果、貯水槽2内に存在していた空気がより迅速となり、常時取水工程或いは非常時取水工程に要する時間が短くなる。
その後、口部9cから水道水が漏出してきた時点で、貯水槽2が満水になったものとみなし、切り替え弁9を第一状態とする。
本工程では、切り替え弁9を第一状態としたまま、給水栓10を開く。この際、一定の水圧で供給される水道水は、第一給水管3、逆止弁4及び給水管11を介して貯水槽2に導入される。そして、貯水槽2に一旦貯留された水道水は、給水管12,14、第二給水管13及び第三給水管15を通じて第二給水管17に導出され、給水栓10まで至り、給水栓10から取水される。この際、水道水は図6に示す白矢印に沿って流動する。
図7は、給水装置1Aにおける非常時取水工程を説明するための図である。
本工程では先ず、切り替え弁9を第二状態とする。その後、図7に示すように切り替え弁9における口部9cにエアコンプレッサーや手動ポンプ等の空気導入手段(図示略)を接続し、第三給水管15及び給水管14を通じて空気を貯水槽2内に供給する。
このように空気を貯水槽2内に供給することで、貯水槽2内の圧力がより高まり、水道水に対して貯水槽2を出て給水栓10に向かう水圧が付与される。
そして、貯水槽2内の圧力が上がった状態で給水栓10を開けば、貯水槽2内の圧力に押し出されて、第二給水管13を通って送り出された水道水が給水栓10から取水される。本工程では、空気は図7に示す黒矢印に沿って流動し、水道水は図7に示す白矢印に沿って流動する。
また、蓋部7,8の天壁が閉塞板7C,8Cを構成すると共に、閉塞板7C,8Cによって管体6の開口面6Hが塞がれる。また、蓋部7,8の側壁7S,8Sを管体6の両側端部に重ねて管体6と蓋部7,8とを接合可能となる。従って、簡便な製造方法によって管体6と蓋部7,8とを強固に接合することができる。
さらに、流入口21及び流出口25が蓋部7,8の閉塞板7C,8Cに設けられているため、管体6の一端から他端に向けてこの方向に確実に水道水及び空気が流れ、貯水槽2内での水道水や空気の滞留が極めて発生し難くなる。
即ち、貯水槽2を容易に製造することができ、且つ貯水槽2内での水道水や空気の滞留を確実に防止することができる。
上記構成によれば、管体6の両端部の水道水及び空気が閉塞板7C,8Cに沿って円滑に対流し、任意の箇所に滞留し難くなる。従って、貯水槽2内における水道水や空気の滞留をより確実に防止することができる。
上記構成によれば、水道水が蓋部7側の貯水槽2の下端部から貯水槽2内に流入すると共に、蓋部8側の貯水槽2の下端部から流出する。従って、貯水槽2内における水道水の滞留をより確実に防止することができる。
上記構成によれば、例えば流入口21より水道水が所定値以上の水圧で供給されている場合(常時)には、貯水槽2内の水が第一流出口22から流出し、貯水量が増えれば第二流出口23からも流出する。一方、水道水の水圧が低下した場合(非常時)には、第二流出口から貯水槽2内に空気を供給して貯水槽2内の圧力を高めることで、貯水槽2内の水道水が第一流出口22から流出可能となる。従って、供給される水道水の水圧に関わらず、貯水槽2内の水道水を貯水槽2外に円滑に取り出し可能となる。このように、貯水槽2を常時だけではなく非常時でも使用可能とすることができる。
上記構成によれば、貯水槽2を備えることで、給水装置1Aをより容易に製造し、且つ貯水槽2内における水道水の滞留をより確実に防止することができる。
上記構成によれば、例えば第一給水管3及び逆止弁4を介して流入口21より水道水が所定値以上の水圧で供給されている場合は、貯水槽2内の水道水が第一流出口22から給水管12を介して第二給水管13に流出し、貯水槽2内の貯水量が増えれば第二流出口23から給水管14を介して第三給水管15,16にも流出する。ここで、切り替え弁9により第三給水管15と第二給水管13に接続されている第三給水管16とが連通状態とされていれば、給水栓10を開けることで水道水を取水することができる。
一方、水道水が所定値未満の水圧が供給されている場合であっても、切り替え弁9により第二給水管13と第三給水管15とを非連通状態とし、例えば第二流出口23から貯水槽2の内部に高圧の空気を供給することで、貯水槽2の内部の水が第一流出口22から第二給水管13,17に流出可能となり、給水栓10を開けることで水道水を取水可能となる。
従って、供給される水道水の水圧に関わらず、水道水を貯水槽2内に貯留すると共に、給水栓10から円滑に取水することができる。即ち、給水装置1Aを常時取水工程及び非常時取水工程の両方で稼働させることができる。
上記構成によれば、流出口25が流入口21よりも高く配置され、且つ管体6が傾斜していることで、水道水が蓋部7側の貯水槽2の下端部から貯水槽2内に流入すると共に、管体6内を円滑に移動し、蓋部8側の貯水槽2から流出する。また、貯水槽2内に存在する空気が管体6の傾斜に沿って移動し、流出口25に向けてより円滑に導かれる。従って、貯水槽2内での水道水及び空気の滞留をより一層確実に防止することができる。
次いで、本発明を適用した第二実施形態(以下、「第二実施形態」と記載する)について説明する。
図8は第二実施形態の貯水槽32を示す正面図である。図9は貯水槽32を示す側面図であり、貯水槽32を蓋部7側から見た場合に対応する図である。図10は貯水槽32を示す断面図であり、図9に示すC−C線で矢視した場合に対応する図である。図11は貯水槽32を示す側面図であり、貯水槽32を蓋部8側から見た場合に対応する図である。図12は貯水槽32を示す断面図であり、図11に示すD−D線で矢視した場合に対応する図である。なお、図8から図12に示す貯水槽32の構成要素において、図1から図5に示す貯水槽2の構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
給水装置1Bにおける貯水工程、常時取水工程及び非常時取水工程は、給水装置1Aにおける貯水工程、常時取水工程及び非常時取水工程と同様である。なお、給水装置1Bにおける非常時取水工程を説明するための図は省略するが、図6から図7への変更点を図13に適用すればよい。
次いで、本発明を適用した第三実施形態(以下、「第三実施形態」と記載する)について説明する。
図14は貯水槽42を示す側面図及び断面図であり、貯水槽42を蓋部7側から見た場合に対応する図である。図15は貯水槽42の一部を示す正面図及び断面図であり、該断面図は図14に示すE−E線で矢視した場合に対応している。図16は貯水槽42を示す側面図及び断面図であり、貯水槽42を蓋部8側から見た場合に対応する図である。図17は貯水槽42の端部を示す正面図であり、図16に示すF方向から見た場合に対応する図である。図18は貯水槽42の端部を示す正面図であり、図16に示すG方向から見た場合に対応する図である。なお、図14から図18に示す貯水槽42の構成要素において、図1から図5に示す貯水槽2の構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
第三実施形態では、流入口21が周方向の蓋部7の内周面(管内周面)7p(即ち、側壁7Sの内周面)に形成されている。流入口21には、管体6の軸線方向(管軸方向)D6に直交する面方向に沿う接続継手51が設けられている。接続継手51は、軸線方向D6から見て内周面7pの下端から蓋部7の側方(紙面右側)に向けて、且つ水平方向に対して所定の角度で下方に傾斜して延出するように配設されている。接続継手51には、図14で不図示の給水管11が接続されている。
なお、接続継手51は、水平方向に対して所定の角度で上方に傾斜して延出するように配設されていても構わない。
第三実施形態の給水装置における貯水工程、常時取水工程及び非常時取水工程は、給水装置1Aにおける貯水工程、常時取水工程及び非常時取水工程と同様である。
特に、第三実施形態の貯水槽42,44では、連設部61,62,64が軸線方向D6から見て内周面7p,8pから離れるに従い、漸次曲率半径が増大する湾曲面を形成していることで、蓋部7,8の周方向と該周方向の接線方向がより滑らかに接続され、段差等が生じ難い。これにより、接続継手51,52,54を介して貯水槽42に流入する水及び貯水槽42から流出する水を滞らせることなく、より円滑に流動させることができる。詳細には、貯水槽42に水が流入する際及び貯水槽42から水が流出する際には、水が給水管11,流出管12,14、及び接続継手51,52,54の中空部51W,52W,54Wから図14及び図16に例示するように蓋部7,8の内周面7p,8pに沿って矢印方向に流入及び流出し、蓋部7,8の中空部及び管体6の中空部6Wで螺旋状に流動する。そのため、貯水槽42,44の貯水効率を高め、貯水時間及び取水時間の短縮を図ることができる。また、管体6や接続継手51,52,54における多少の製造誤差も許容され、貯水槽42,44の製造容易性を高めることもできる。
すなわち、本変形例による貯水槽2Aは、一方の蓋部7の給水管11から流入した水が、中空部W内を通過して同じ一方の蓋部7の第一流出口22および第二流出口23を介して流出管12,14から流出する構成となっている。
Claims (3)
- 給水装置から供給される水道水を給水栓より上流側で貯水する貯水装置に用いられる貯水槽であって、
樹脂製の管体と、
前記管体の開口面を塞ぐ閉塞板を有し、前記閉塞板を天壁として有頂筒状に形成された二つの蓋部と、
を備え、
前記管体又は前記蓋部の周方向の管内周面には前記給水装置からの水道水を前記管体内に流入させる流入口が一つ設けられ、
前記管体又は前記管内周面には前記管体内に貯留された水道水を前記給水栓に向けて流出させる流出口が二つ設けられ、
前記二つの流出口は、前記管体の管軸方向に直交する面に沿って前記他方の蓋部の閉塞板の下端に設けられた第一流出口と、前記管軸方向に直交する面に沿って前記他方の蓋部の閉塞板の上端に設けられた第二流出口とを備え、
前記流入口及び前記流出口には管軸方向に直交する面方向に沿う接続継手が設けられ、
前記接続継手には給水管が接続され、
前記管内周面と前記接続継手とが接続する連設部は、前記管軸方向から見て前記管内周面から離れるに従い、漸次曲率半径が増大する湾曲面を形成し、
前記第一流出口に設けられた接続継手は前記管軸方向から見て前記蓋部の内周面の下端から下方に傾斜する方向に延出するように配設され、
前記第二流出口に設けられた接続継手は前記管軸方向から見て前記蓋部の内周面の上端から上方に傾斜する方向に延出するように配設され、
前記二つの蓋部の各々と前記管体の端部とは融着又は接着により接合されていることを特徴とする貯水槽。 - 請求項1に記載の貯水槽を備えていることを特徴とする給水装置。
- 請求項1に記載の貯水槽と、
前記流入口に接続され、且つ前記給水装置から供給される水道水を前記貯水槽内に導入する第一給水管と、
前記第一給水管に設けられて水道水の逆流を防止する逆止弁と、
前記第一流出口に接続され、且つ前記貯水槽内に導入された水道水を前記水栓まで導く第二給水管と、
前記第二流出口に接続され、且つ前記第二給水管に連結されている第三給水管と、
前記第二給水管と前記第三給水管との接続位置又は前記第三給水管に設けられ、前記第二給水管と前記第三給水管とが連通している状態と前記第二給水管と前記第三給水管とが連通せずに前記第三給水管のみが開放された状態とを切り替え可能な切り替え弁と、
を備えていることを特徴とする給水装置。
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