JP6673133B2 - ピラー構造 - Google Patents

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Description

本発明は、ピラー構造に関する。
アウタパネルとインナパネルとを備えたピラー構造として、特許文献1には、断面略U字状のアウタパネルと断面略U字状のインナパネルとを両端の縁部同士を突き合わせて、当該突き合わせ部を溶接により接合したピラー構造が開示されている。また、特許文献2には、断面ハット形状のアウタパネルと断面ハット形状のインナパネルとを両端部のフランジ部で接合したピラー構造が開示されている。
特開平7−257430号公報 特開平9−226622号公報
しかしながら、特許文献1のピラー構造の場合、突き合わせ部を溶接する際、図6に示されるように溶接用の設備であるレーザー溶接機のレーザーヘッドが隣接するピラーと干渉するという問題がある。また、突き合わせ部の溶接は、精度を出すことが難しく、品質が安定しないという問題がある。一方、特許文献2のピラー構造の場合、ピラーの両端にフランジ部を必要とするため、ドアの開口部が狭くなるという問題がある。また、フランジ部による重量増という問題がある。
本発明は、上記事実を考慮し、溶接時の部品と設備との干渉を避けることができ、溶接の品質を安定させることができるとともに、ドアの開口部を広げることができるピラー構造を得ることを目的とする。
請求項1に記載のピラー構造は、ピラーを構成し、断面凸状の第1部材と、前記第1部材とともに閉断面のピラーを構成する第2部材と、前記第1部材において開口を形成すると共に、当該開口に向けて互いに離間する一対の壁部と、断面視において前記開口の幅よりも短い幅を構成する前記第2部材の両端側の縁部と、前記第1部材における前記壁部内側の面部と前記第2部材における前記縁部とで形成され、前記閉断面の外側が溶接されている、いずれも断面略T字状の接合部と、を備えている。
請求項1に記載のピラー構造では、少なくとも第1部材と第2部材とが接合されることにより閉断面のピラーが形成されている。ここで、ピラーが車両幅方向に分割される場合、第1部材としてアウタパネルが、第2部材としてインナパネルが例示される。第1部材と第2部材とを接合させる場合、第1部材と第2部材のいずれか一方の縁部と、第1部材及び第2部材の他方の面部とを接合させて接合部が形成される。すなわち、接合部の組み合わせ例としては、第1部材の縁部と第2部材の面部との組み合わせ、及び第1部材の面部と第2部材の縁部との組み合わせがある。縁部と面部とが組み合わされた接合部は、断面形状が略T字状となる。
請求項1に記載のピラー構造によれば、断面略T字状の接合部の角部に溶接部を設けることができ、斜め方向からレーザー溶接が行えるため、溶接時に隣のピラーなどの部品とレーザー溶接機などの設備との干渉を避けることができる。これにより、溶接の品質を安定させることができる。また、スポット溶接により形成された接合部と比べて、面部が設けられるフランジ部の幅を狭くすることができるため、ドアの開口部を広げることができる。
請求項1に係る発明によれば、溶接時の部品と設備との干渉を避けることができ、溶接の品質を安定させることができるとともに、ドアの開口部を広げることができる。
本実施形態に係るピラー構造が適用された車両の要部を示す側面図である。 図1の2−2線に沿って切断した切断面を拡大して示す拡大断面図である。 本実施形態に係るピラーとレーザー溶接機との位置関係を示す断面図である。 本実施形態に係るピラー構造の変形例を示す断面図である。 第1の比較例のピラー構造を示す、図2に対応する拡大断面図である。 第1の比較例に係るピラーとレーザー溶接機との位置関係を示す断面図である。 第1の比較例と同じ溶接方法のピラー構造の例である。 第2の比較例のピラー構造を示す、図2に対応する拡大断面図である。
以下、図面に基づいて、本発明に係るピラー構造について説明する。なお、図面に適宜示される矢印FRは車両前方側を示し、矢印UPは車両上方側を示し、矢印INは車両幅方向内側を示している。また、本発明に係るピラー構造は、車両幅方向において左右対称に構成されている。このため、車両の左側部分について以下に説明し、車両の右側部分についての説明は省略する。
(車両側部の構造)
本発明のピラー構造10が適用された車両12の車両側部12Aには、車両上下方向に延在された複数のピラー14が配設されている。具体的には、車両前方側から順にフロントピラー15(図3参照)、センタピラー16、及びリヤピラー(図示せず)が配設されている。
図1は、本発明のピラー構造10が適用されたセンタピラー16を図示したものである。
図示しないが、フロントピラー15の下端部、センタピラー16の下端部、及びリヤピラーの下端部は、車両前後方向に延在されたロッカによって連結されている。また、フロントピラー15の上端部、センタピラー16の上端部、及びリヤピラーの上端部は、車両前後方向に延在されたルーフサイドレール26によって連結されている。そして、フロントピラー15、センタピラー16、ロッカ、及びルーフサイドレール26によって乗員乗降用のフロントドア開口部22が形成されている。さらに、センタピラー16、リヤピラー、ロッカ、及びルーフサイドレール26によって乗員乗降用のリヤサイドドア開口部24が形成されている。フロントドア開口部22及びリヤサイドドア開口部24は、図示しないフロントサイドドア及びリヤサイドドアによって開閉可能とされている。ここで、フロントドア開口部22及びリヤサイドドア開口部24の総称をドア開口部20とする。
(ピラー構造)
図2に示されるように、本実施形態に係るピラー構造10は、主として、ピラー14を構成するアウタパネル30と、ピラー14を構成し、かつアウタパネル30に接合されるインナパネル34と、を含んで構成されている。ここで、アウタパネル30は第1部材の一例であり、インナパネル34は第2部材の一例である。なお、アウタパネル30を第2部材の一例として、インナパネル34を第1部材の一例としてもよい。
アウタパネル30は、一対のアウタ縦壁部30A、30Bと、アウタ側壁部30Cと、を含んで構成された金属部材である。このアウタパネル30は、断面が車両幅方向内側に開放された略U字状に形成されている。アウタ縦壁部30Aは、アウタパネル30の前端部に設けられており、車両幅方向外側へ向かって延びている。また、アウタ縦壁部30Bは、アウタパネル30の後端部に設けられており、車両幅方向外側へ向かって延びている。
さらに、アウタ縦壁部30Aの車両幅方向外側の端部と、アウタ縦壁部30Bの車両幅方向外側の端部とは、アウタ側壁部30Cによって車両前後方向に連結されている。
なお、本実施形態のアウタ縦壁部30Aはアウタ側壁部30C側が車両後方側及び車両幅方向外側に2回折り返され、アウタ縦壁部30Bはアウタ側壁部30C側が車両前方側に1回折り返されている。しかし、アウタ縦壁部30A、30Bの形状はこれに限らず、連続した一つの平面や曲面で形成されていてもよい。また、アウタ側壁部30Cについては、1又は複数回折り返された面や曲面で形成されていてもよい。
以上のように構成されたアウタパネル30の車両幅方向内側には、インナパネル34が配設されている。インナパネル34は、断面略M字状に形成された金属部材であり、一対のインナフランジ部34A、34Bと、一対のインナ縦壁部34C、34Dと、インナ側壁部34Eと、を含んで構成されている。
インナフランジ部34Aは、インナパネル34の前端部に設けられており、車両前後方向に延びている。また、インナフランジ部34Bは、インナパネル34の後端部に設けられており、車両前後方向に延びている。
インナフランジ部34Aの後端部には、車両幅方向内側へ延びるインナ縦壁部34Cが設けられており、インナフランジ部34Bの前端部には、車両幅方向内側へ延びるインナ縦壁部34Dが設けられている。また、インナ縦壁部34Cの車両幅方向内側の端部と、インナ縦壁部34Dの車両幅方向内側の端部とは、インナ側壁部34Eによって車両前後方向に連結されている。ここで、本実施形態のインナ側壁部34Eは、車両前後方向中央部に車両幅方向外側に向かう凹みが設けられているが、これに限らず、連続した一つの平面や曲面で形成されていてもよい。
以上のように構成されたインナパネル34とアウタパネル30との間には、隙間が設けられており、このインナパネル34とアウタパネル30とで閉断面38が形成されている。
ここで、インナフランジ部34Aのアウタパネル30側の面である平面部36Aには、アウタ縦壁部30Aの端縁部31Aが接している。平面部36Aと端縁部31Aとの接触により形成される角部のうち、閉断面38の外側にあたる角部には、レーザー溶接により形成された溶接部Wが設けられている。そして、平面部36Aと端縁部31Aとの接触部分は、溶接部Wにより接合された接合部40Aとされている。この接合部40Aは、平面部36Aと端縁部31Aにより、その断面形状が略T字状とされている。
一方、インナフランジ部34Bのアウタパネル30側の面である平面部36Bには、アウタ縦壁部30Bの端縁部31Bが接している。平面部36Bと端縁部31Bとの接触により形成される角部のうち、閉断面38の外側にあたる角部には、レーザー溶接により形成された溶接部Wが設けられている。そして、平面部36Bと端縁部31Bとの接触部分は、溶接部Wにより接合された接合部40Bとされている。この接合部40Bは、平面部36Bと端縁部31Bにより、その断面形状が略T字状とされている。
なお、本実施形態では、端縁部31A、31Bは縁部の一例であり、平面部36A、36Bは面部の一例である。
図3は、本実施形態に係るピラー構造10が適用されたフロントピラー15及びセンタピラー16を示したものである。上述のとおり、本実施形態の接合部40A(40B)における溶接は、平面部36A(36B)と端縁部31A(31B)との接触により形成される角部のうち、閉断面38の外側にあたる角部に対して行われる。つまり、図3に示されるように、本実施形態のレーザー溶接は、ピラー14に対してレーザー溶接機100のレーザーヘッド102を斜め方向(車両幅方向及び車両前後方向に対する斜め方向)に傾けてレーザーを照射することにより行われる。
(変形例)
本実施形態では、アウタパネル30の端縁部31A(31B)をインナパネル34の平面部36A(36B)に接触させて、両者の角部を溶接することで断面形状が略T字状の接合部40A(40B)を形成させていた。しかしこれに限らず、断面形状が略T字状であれば接合部の形態は自由である。
以下、断面形状が略T字状となる本実施形態の変形例を示す。
〔変形例1〕
図4(A)に変形例1のピラー14を示す。変形例1はピラー14の車両幅方向内側の2箇所に接合部を設けたものであるが、当該接合部におけるアウタパネル30とインナパネル34との接触関係が本実施形態と相違する。具体的な構成を以下に示す。
変形例1のアウタパネル30は、一対のアウタ縦壁部30A、30Bと、アウタ側壁部30Cと、を含んで構成された金属部材であって、その形状は本実施形態のアウタパネル30と同じである。
一方、変形例1のインナパネル34は、インナ側壁部34Eにより構成された金属部材である。このインナ側壁部34Eは、車両前後方向に延びており、車両前後方向中央部には車両幅方向外側に向かう凹みが設けられている。なお、インナ側壁部34Eは、連続した一つの平面や曲面で形成されていてもよい。
以上のように構成されたインナパネル34とアウタパネル30との間には、隙間が設けられており、このインナパネル34とアウタパネル30とで閉断面38が形成されている。
ここで、アウタ縦壁部30Aの車両後方側の面である平面部32Aには、インナ側壁部34Eの端縁部35Aが接している。平面部32Aと端縁部35Aとの接触により形成される角部のうち、閉断面38の外側にあたる角部には、レーザー溶接により形成された溶接部Wが設けられている。そして、平面部32Aと端縁部35Aとの接触部分は、溶接部Wにより接合された接合部42Aとされている。この接合部42Aは、平面部32Aと端縁部35Aとにより、その断面形状が略T字状とされている。
一方、アウタ縦壁部30Bの車両前方側の面である平面部32Bには、インナ側壁部34Eの端縁部35Bが接している。平面部32Bと端縁部35Bとの接触により形成される角部のうち、閉断面38の外側にあたる角部には、レーザー溶接により形成された溶接部Wが設けられている。そして、平面部32Bと端縁部35Bとの接触部分は、溶接部Wにより接合された接合部42Bとされている。この接合部42Bは、平面部32Bと端縁部35Bとにより、その断面形状が略T字状とされている。
なお、変形例1では、端縁部35A、35Bは縁部の一例であり、平面部32A、32Bは面部の一例である。また、変形例1では、アウタ縦壁部30A、30Bのそれぞれの先端部分がフランジ部に相当する。
以上、変形例1におけるレーザー溶接は、ピラー14に対してレーザー溶接機100のレーザーヘッド102を斜め方向(車両幅方向及び車両前後方向に対する斜め方向)に傾けてレーザーを照射することにより行われる。
〔変形例2〕
図4(B)に変形例2のピラー14を示す。変形例2は、ピラー14の車両幅方向内側かつ車両前方側と、車両幅方向外側かつ車両後方側に接合部を設けたものである。変形例2では、アウタパネル30とインナパネル34の形状が本実施形態と相違する。具体的な構成を以下に示す。
変形例2のアウタパネル30は、断面が略L字状に形成された金属部材であり、アウタ縦壁部30Aと、アウタ側壁部30Cと、を含んで構成されている。アウタ縦壁部30Aは、アウタパネル30の前端部に設けられており、車両幅方向外側へ向かって延びている。また、アウタ縦壁部30Aの車両幅方向外側の端部から車両後方側に向けて延びるアウタ側壁部30Cが形成されている。
なお、本実施形態のアウタ縦壁部30Aはアウタ側壁部30C側が車両後方側及び車両幅方向外側に2回折り返されている。しかし、アウタ縦壁部30Aの形状はこれに限らず、連続した一つの平面や曲面で形成されていてもよい。また、アウタ側壁部30Cについては、1又は複数回折り返された面や曲面で形成されていてもよい。
一方、変形例2のインナパネル34は、断面が略L字状に形成された金属部材であり、インナ側壁部34Eと、インナ縦壁部34Dとを含んで構成されている。
インナ側壁部34Eは、車両前後方向に延びており、アウタパネル30のアウタ側壁部30Cに対向する位置に形成されている。インナ側壁部34Eの後端部には、車両幅方向外側へ延びるインナ縦壁部34Dが設けられている。ここで、本実施形態のインナ側壁部34Eは、車両前後方向中央部に車両幅方向外側に向かう凹みが設けられているが、これに限らず、連続した一つの平面や曲面で形成されていてもよい。
以上のように構成されたインナパネル34とアウタパネル30との間には、隙間が設けられており、このインナパネル34とアウタパネル30とで閉断面38が形成されている。
ここで、インナ側壁部34Eのアウタパネル30側の面である平面部36Aには、アウタ縦壁部30Aの端縁部31Aが接している。平面部36Aと端縁部31Aとの接触により形成される角部のうち、閉断面38の外側にあたる角部には、レーザー溶接により形成された溶接部Wが設けられている。そして、平面部36Aと端縁部31Aとの接触部分は、溶接部Wにより接合された接合部43Aとされている。この接合部43Aは、平面部36Aと端縁部31Aにより、その断面形状が略T字状とされている。
一方、インナ縦壁部34Dの車両前方側の面である平面部36Dには、アウタ側壁部30Cの端縁部31Cが接している。平面部36Dと端縁部31Cとの接触により形成される角部のうち、閉断面38の外側にあたる角部には、レーザー溶接により形成された溶接部Wが設けられている。そして、平面部36Dと端縁部31Cとの接触部分は、溶接部Wにより接合された接合部43Bとされている。この接合部43Bは、平面部36Dと端縁部31Cにより、その断面形状が略T字状とされている。
なお、変形例2では、端縁部31A、31Cは縁部の一例であり、平面部36A、36Dは面部の一例である。また、変形例2では、インナ側壁部34Eの先端部分とインナ縦壁部34Dの先端部分がフランジ部に相当する。
以上、変形例2におけるレーザー溶接は、ピラー14に対してレーザー溶接機100のレーザーヘッド102を斜め方向(車両幅方向及び車両前後方向に対する斜め方向)に傾けてレーザーを照射することにより行われる。
(作用効果)
次に、本実施形態のピラー構造の作用及び効果について説明する。
図2に示されるように、本実施形態のピラー構造10は、ピラー14を構成するアウタパネル30と、ピラー14を構成し、かつアウタパネル30に接合されるインナパネル34とを備えている。そして、本実施形態のピラー構造10は、アウタパネル30の端縁部31Aと、インナパネル34の平面部36Aによる接合部40Aを備えている。また、アウタパネル30の端縁部31Bと、インナパネル34の平面部36Bとの接合部40Bを備えている。そして、これらの接合部40A、40Bは、断面形状が略T字状とされている。
本実施形態の作用効果について2つの比較例を用いて説明する。
(第1の比較例との比較)
第1の比較例として、アウタパネル50及びインナパネル54の縁部同士を突き合わせて溶接するピラー構造10Aの例を示す。
図5に示されるように、第1の比較例のアウタパネル50は本実施形態と同じ形状である。すなわち、アウタパネル30は、一対のアウタ縦壁部50A、50Bと、アウタ側壁部50Cと、を含んで構成された金属部材である。
一方、第1の比較例のインナパネル54は、一対のインナ縦壁部54A、54Bと、インナ側壁部54Cと、を含んで構成された金属部材であり、断面が略M字状に形成されている。
インナ縦壁部54Aは、インナパネル54の前端部に設けられており、車両幅方向内側へ向かって延びている。また、インナ縦壁部54Bは、インナパネル54の後端部に設けられており、車両幅方向内側へ向かって延びている。さらに、インナ縦壁部54Aの車両幅方向内側の端部と、インナ縦壁部54Bの車両幅方向内側の端部とは、インナ側壁部54Cによって車両前後方向に連結されている。なお、第1の比較例のインナ側壁部54Cは、車両前後方向中央部に車両幅方向外側に向かう凹みが設けられている。
以上のように構成されたインナパネル54とアウタパネル50との間には、隙間が設けられており、このインナパネル54とアウタパネル50とで閉断面58が形成されている。
ここで、インナ縦壁部54Aの端縁部55Aは、その先端がアウタ縦壁部50Aの端縁部51Aの先端と接している。端縁部55Aの先端と端縁部51Aの先端との接触部分、換言すると、端縁部55Aと端縁部51Aとの突き合わせ部分には、レーザー溶接により形成された溶接部Wが設けられている。そして、端縁部55Aと端縁部51Aとの突き合わせ部分は、溶接部Wにより接合された接合部60Aとされている。
一方、インナ縦壁部54Bの端縁部55Bは、その先端がアウタ縦壁部50Bの端縁部51Bの先端と接している。端縁部55Bの先端と端縁部51Bの先端との接触部分、換言すると、端縁部55Bと端縁部51Bとの突き合わせ部分には、レーザー溶接により形成された溶接部Wが設けられている。そして、端縁部55Bと端縁部51Bとの突き合わせ部分は、溶接部Wにより接合された接合部60Bとされている。
以上のように構成された第1の比較例のピラー構造10Aでは、図5に示されるように、接合部60Aの溶接部Wが車両の真前を向き、接合部60Bの溶接部Wが車両の真後ろを向いている。つまり、第1の比較例のピラー14を溶接する場合、レーザー溶接機100のレーザーを接合部60Aにおいては車両の真前から、接合部60Bにおいては車両の真後ろから照射する必要がある。特に、突き合わせ部分を溶接する場合、突き合わせ部分に対して垂直にレーザーを照射しないと、レーザーが突き合わせ部分以外の場所に照射されて、インナパネル54やアウタパネル50を損傷させる可能性が生ずる。しかし、突き合わせ部分に対して垂直にレーザーを照射しようとすると、図6に示されるように、レーザー溶接機100のレーザーヘッド102が隣のピラー14と干渉する場合がある。したがって、第1の比較例では、レーザー溶接機100のレーザーヘッド102を、突き合わせ部分に対して垂直に配置することが好ましいが、他のピラー14と干渉するため、レーザーヘッド102は、その姿勢を変更する必要がある。すなわち、第1の比較例のピラー構造10Aでは、理想的な溶接姿勢で溶接が行えないおそれが生じる。そして、理想的な溶接姿勢で溶接が行えない結果、溶接の精度が出ず、溶接品質が安定しない。
これに対して本実施形態のピラー構造10では、図2に示されるように、接合部40A、40Bが略T字状のため、ピラー14において車両幅方向及び車両前後方向に対する斜め方向からレーザー溶接を行うことができる。詳しくは、図3に示されるように、レーザーヘッド102の水平方向(車両前後方向)に対する角度Xを溶接の品質が安定するとされる30〜60度の角度とすることができる。
以上、本実施形態によれば、レーザー溶接時に、隣のピラー14などの部品と、レーザー溶接機100のレーザーヘッド102などの設備との干渉を避けることができる。そして、理想的な溶接姿勢で溶接を行うことができるため、溶接の品質を安定させることができる。
ここで、図7(A)〜(C)に、2つのパネルの縁部同士を突き合わせて溶接するピラー構造10Aの他の例を示す。図7(A)は、アウタパネル50とインナパネル54からなるピラー14において、車両前方側の接合部61Aは車両幅方向内側から、車両後方側の接合部61Bは車両幅方向外側から溶接を可能にした例である。また、図7(B)は、フロントパネル57とリアパネル59からなるピラー14において、車両幅方向外側の接合部62Aは車両幅方向外側から、車両幅方向内側の接合部62Bは車両幅方向内側から溶接を可能にした例である。さらに、図7(C)は、アウタパネル50とインナパネル54からなるピラー14において、車両前方側の接合部63Aは車両幅方向外側から、車両後方側の接合部63Bは車両幅方向外側から溶接を可能にした例である。
図7(A)〜(C)に示した例によれば、隣のピラー14やドア開口部20などの部品と、レーザー溶接機100のレーザーヘッド102などの設備との干渉を避けることが可能である。しかしながら、突き合わせ部分における溶接の精度を出すことが難しいことに変わりはない。そこで、特許文献1に示されるように、閉断面の内部にチャンネル形状のリンフォースを設け、当該リンフォースの面上で2つのパネルの縁部同士を突き合わせると、この突き合わせ部分の位置決めが容易となる。しかしながら、この場合、リンフォースの分だけピラーの重量が増加するというデメリットが生ずる。つまり、溶接の精度を上げようとした場合、本実施形態の方が重量が軽くて済む。
(第2の比較例との比較)
第2の比較例として、アウタパネル70及びインナパネル74にそれぞれフランジ部を設け、当該フランジ部同士をスポット溶接するピラー構造10Bの例を示す。
図8に示されるように、第2の比較例のアウタパネル70は、一対のアウタフランジ部70A、70Bと、一対のアウタ縦壁部70C、70Dと、アウタ側壁部70Eと、を含んで構成された金属部材である。このアウタパネル70は、断面が車両幅方向内側に開放された略U字状に形成されている。アウタフランジ部70Aはアウタパネル70の前端部に設けられており、車両前後方向に延びている。また、アウタフランジ部70Bは、アウタパネル70の後端部に設けられており、車両前後方向に延びている。
アウタフランジ部70Aの後端部には、車両幅方向外側へ延びるアウタ縦壁部70Cが設けられており、アウタフランジ部70Bの前端部には、車両幅方向外側へ延びるアウタ縦壁部70Dが設けられている。また、アウタ縦壁部70Cの車両幅方向外側の端部と、アウタ縦壁部70Dの車両幅方向外側の端部とは、アウタ側壁部70Eによって車両前後方向に連結されている。なお、第2の比較例のアウタ縦壁部70Cはアウタ側壁部70E側が車両後方側及び車両幅方向外側に2回折り返され、アウタ縦壁部70Dはアウタ側壁部70E側が車両前方側に1回折り返されている。
以上のように構成されたアウタパネル70の車両幅方向内側には、インナパネル74が配設されている。インナパネル74は、断面略M字状に形成された金属部材であり、一対のインナフランジ部74A、74Bと、一対のインナ縦壁部74C、74Dと、インナ側壁部74Eと、を含んで構成されている。
インナフランジ部74Aは、インナパネル74の前端部に設けられており、車両前後方向に延びている。また、インナフランジ部74Bは、インナパネル74の後端部に設けられており、車両前後方向に延びている。
インナフランジ部74Aの後端部には、車両幅方向内側へ延びるインナ縦壁部74Cが設けられており、インナフランジ部74Bの前端部には、車両幅方向内側へ延びるインナ縦壁部74Dが設けられている。また、インナ縦壁部74Cの車両幅方向内側の端部と、インナ縦壁部74Dの車両幅方向内側の端部とは、インナ側壁部74Eによって車両前後方向に連結されている。なお、第2の比較例のインナ側壁部74Eは、車両前後方向中央部に車両幅方向外側に向かう凹みが設けられている。
以上のように構成されたインナパネル74とアウタパネル70との間には、隙間が設けられており、このインナパネル74とアウタパネル70とで閉断面78が形成されている。
ここで、アウタフランジ部70Aとインナフランジ部74Aとは、車両幅方向に重ねて配設されており、このフランジ部の重なり部分はスポット溶接により接合されている。すなわち、フランジ部の重なり部分は、スポット溶接によるスポット溶接部Sにより接合された接合部80Aとされている。
一方、アウタフランジ部70Bとインナフランジ部74Bとは、車両幅方向に重ねて配設されており、このフランジ部の重なり部分はスポット溶接により接合されている。すなわち、フランジ部の重なり部分は、スポット溶接によるスポット溶接部Sにより接合された接合部80Bとされている。
以上のように構成された第2の比較例のピラー構造10Bでは、図8に示されるように、スポット溶接やレーザー溶接を行うための溶接用フランジ(アウタフランジ部70A、70B、インナフランジ部74A、74B)が形成されている。この溶接用フランジは、スポット溶接機の一対の電極を設置できるだけの、及びスポット溶接部Sを形成できるだけの幅が必要となる。したがって、第2の比較例では、溶接用フランジを設けることにより、ピラー14の重量が増加する。また、溶接用フランジを設けた場合、ピラーの強度を確保するために理想とされる断面形状を取るのが難しい。
また、第2の比較例のピラー構造10Bでは車両前後方向に溶接用フランジが突出している。すなわちドア開口部20に溶接用フランジが存在することとなり、ドア開口部20が狭くなる。さらに、ドア開口部20側に溶接用フランジの端部が存在するため、この端部に保護材を設ける必要が生じる。
これに対して本実施形態のピラー構造10では、図2に示されるように、略T字状の接合部40A、40Bの角部がレーザー溶接により接合されている。したがって、第2の比較例の溶接用フランジのようにスポット溶接機の一対の電極を設置できるだけの、及びスポット溶接部Sを形成できるだけの幅を必要としない。具体的に、本実施形態のインナフランジ部34A、34Bは、第2の比較例の溶接用フランジに比べて半分以下の長さで足りる。
以上、本実施形態のピラー構造10によれば、閉断面38の形状そのものをピラー14の強度を確保するために理想とされる断面形状とすることが可能となる。そして、溶接用フランジを有する第2の比較例と同じ強度でピラーを設計する場合、軽量化が可能となるとともに、ドア開口部20を広く取ることができる。
(補足)
本実施形態では、縁部としての端縁部31A、31Bは、その断面が直線状であり、面部としての平面部36A、36Bは、平面として形成されている。しかしこれに限らず、端縁部31A、31Bを曲線状に、平面部36A、36Bを曲面として形成してもよい。
また、本実施形態では、平面部36A(36B)に対して端縁部31A(31B)を垂直に接触させているが、これに限らず、平面部36A(36B)に対して端縁部31A(31B)を傾けて接触させてもよい。
10 ピラー構造
14 ピラー
30 アウタパネル(第1部材、第2部材の一例)
31A、31B、31C 端縁部(縁部の一例)
32A、32B 平面部(面部の一例)
34 インナパネル(第1部材、第2部材の一例)
35A、35B 端縁部(縁部の一例)
36A、36B、36D 平面部(面部の一例)
38 閉断面
40A、40B 接合部
42A、42B 接合部
43A、43B 接合部

Claims (1)

  1. ピラーを構成し、断面凸状の第1部材と、
    前記第1部材とともに閉断面のピラーを構成する第2部材と、
    前記第1部材において開口を形成すると共に、当該開口に向けて互いに離間する一対の壁部と、
    断面視において前記開口の幅よりも短い幅を構成する前記第2部材の両端側の縁部と、
    前記第1部材における前記壁部内側の面部と前記第2部材における前記縁部とで形成され、前記閉断面の外側が溶接されている、いずれも断面略T字状の接合部と、
    を備えたピラー構造。
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