JP6672738B2 - 電力変換システム - Google Patents

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Description

本発明は、システムを構成する各種の電気機器の接地手段を改良した電力変換システムに関し、詳しくは、異なる種別の複数の接地極を設けることが必要とされる場合の接地技術に関するものである。
電力変換器や変圧器等を含む電力変換システムにおいては、感電防止や機器の保護、ノイズ対策、基準電位の確保等を目的として、機器本体やその盤筺体等(以下、接地対象物という)を大地に接続して接地する接地システムを構成している。
この種の接地システムは、接地対象物と大地とを電気的に接続するために地中に埋設される接地極と、この接地極を接地対象物に接続する導体とを備えている。
ここで、接地極は大地との間に接地抵抗を有するため、接地極に地絡電流やノイズ電流が流れ込むと、接地抵抗に起因する電圧降下によって電位が上昇し、感電や電磁ノイズ(電磁波として空間を伝播する放射ノイズ、及び伝導ノイズ)による機器の誤動作等、様々な障害を引き起こす。従って、理想的には接地抵抗を0[Ω]にすることが望ましいが、現実には不可能であるため、接地システムを適切に構成して接地抵抗を低減し、感電や誤動作等の障害を防ぐことが必要である。
周知のように、我が国では、接地対象物の電圧等に応じて接地工事の種別を分け、種別ごとに独立した接地極を埋設する個別接地(独立接地)方式が採用されている。
例えば、低圧の電力変換器,電動機に加え、高圧/低圧の変圧器や制御機器等の300[V]以下の低圧機器等を含むシステムにおいて、電気設備技術基準の解釈では、以下のような接地工事が定められており、異種の接地極同士は接続することができない。
・高圧/低圧変圧器:A種接地工事
・高圧/低圧変圧器の混触防止用(低圧側中性点または混触防止板の接地):B種接地工事
・低圧電力変換器, 低圧電動機:C種接地工事
・制御機器等の300[V]以下の低圧機器:D種接地工事
図15は、複数の電気機器からなる電力変換システムに個別接地方式を適用した場合の構成図である。
図15において、10は電力系統、21は変圧器、22はインバータやコンバータ等の電力変換器、23はPLC(プログラマブル・ロジック・コントローラ)や保護機器を含む制御機器、24は電動機、31, 33は接地導体、32は接地端子箱、34は主として感電防止を目的とした保護用(保安用)接地極部であり、接地工事の種別に応じてA種接地極34A、B種接地極34B、C種接地極34C、D種接地極34Dがそれぞれ独立して設けられている。
なお、変圧器21は、高圧側のA種接地、低圧側中性点または混触防止板のB種接地を行い、電力変換器22及び電動機24はC種接地、制御機器23はD種接地を行っている。
この電力変換システムにおいては、例えば電力変換器22から発生した高周波ノイズにより電動機24の浮遊容量を介してC種接地極34Cにノイズ電流が流れ込んだとしても、異種の接地極を有する制御機器23等の周辺機器は影響を受けず、誤動作し難いと考えられている。
しかしながら、実際には、保護用接地極部34を流れるノイズ電流、すなわち接地電流に起因する障害は多く発生しており、いわゆる電磁ノイズが制御機器23等の誤動作を招く場合がある。
図15において、接地極34A〜34Dは接地端子箱32により一旦集約された後、各機器に接地導体31を介して接続される。この場合、電力変換器22から流出したノイズ電流は、システム全体に引き回された長い接地導体31,33を流れることになり、ノイズ電流経路が大きなループアンテナを形成して放射ノイズを発生させるため、制御機器23等の周辺機器や、電力変換システムの外部に配置された各種の電子・通信機器を誤動作させる原因となる。
また、ノイズ電流の帰路として、ある接地極から大地を介して他の接地極へノイズ電流が流れ込むことにより、制御機器23等に悪影響を及ぼす場合もある。例えば、図15において、ノイズ電流は電動機24からC種接地極34Cに流れ込むが、C種接地極34CとD種接地極34Dとが近接しており、または、D種接地極34Dの接地抵抗が低くC種接地極34Cとの間のインピーダンスが小さいと、D種接地極34Dに接続された制御機器23もノイズ電流の帰路になってしまい、制御機器23が誤動作する恐れがある。
上述したような個別接地方式の問題点を解決するためには、欧米で広く利用されている等電位ボンディング法を接地システムに適用することが考えられる。この等電位ボンディング法は、建物の各床に配置された水道管やケーブルダクト、鉄筋、鉄骨等の導体に機器を接続して機器間の接地電位差を低減し、等電位化する方法であり、これによって感電やノイズによる誤動作等を防ぐことができる。
例えば、特許文献1には、等電位ボンディング法による建造物の接地システムが記載されている。
図16は、この接地システムの構成図である。図示するように、建築物100の直下に打ち込まれた複数のアース杭101が、導電性の埋設メッシュ層102により互いに接続され、この埋設メッシュ層102に、躯体103及び鉄骨104〜106が接続されている。建造物100の各階には、空調機や動力機等の設備機器107、電子・通信機器108が配置されており、これらの機器107,108は各階の分電盤109,110により集約されたうえ、鉄骨106等に接続されている。
また、各階のデッキプレート111,112も鉄骨104に接続され、デッキプレート111には、電子・通信機器108を接地するための銅メッシュ113が設けられている。なお、114は避雷針、115はその接地極である。
上記接地システムによれば、機器107,108間の接地電位差を解消することができると共に、雷や雷サージ、電磁ノイズから機器107,108を保護することが可能である。
また、機器107,108から流出するノイズ電流は、埋設メッシュ層102及びアース杭101を通って還流するが、ノイズ電流はメッシュ状の各経路に分散するので、これらの経路によって形成されるループアンテナは小さくなり、その結果、放射ノイズが減少して周辺機器の誤動作を防ぐことができる。
等電位ボンディング法は、近年、我が国においても電気設備技術基準省令・解釈に新たに取り入れられているが、建屋の鉄骨や鉄筋を用いて等電位化する場合にのみ施工が許されており、屋外に設置されるシステムや、納入場所の制約によって建屋の他設備との接地の共有化を避ける必要がある場合には適用できない。
特に、保護接地の観点から、国内では、多くの条件で個別接地方式を採用せざるを得ない場合が多い。
これに対し、特許文献2に記載された従来技術では、本来的に個別接地方式を採用しなければならない複数の機器に対し、装置の構成を工夫して接地極を共通化し、等電位ボンディング法に類した効果が得られるようにしている。
図17は、特許文献2に記載された電力変換装置の構成図であり、200は電力変換装置、201は多重変圧器、201aは内部の混触防止板、202はインバータ、203は各相について複数台が直列接続されたセルインバータ、204は出力フィルタ回路、213は制御回路、205は誘導電動機である。
この電力変換装置200における接地システムとしては、装置内部に絶縁支持部材211を介してコモン接地母線206が配置され、このコモン接地母線206に、混触防止板接地207、セルインバータ中性点接地208、及び出力フィルタ回路中性点接地209が設けられる。また、コモン接地母線206は筐体のA種接地極210を介して設備接地極215に接続され、前記制御回路213はC種接地極214を介して設備接地極215に接続されている。
図17の接地システムでは、インバータ202のスイッチングによるサージ電圧や中性点電圧の変動に伴う高調波に起因したノイズ電流が、混触防止板接地207及び出力フィルタ回路中性点接地209からコモン接地母線206を介してセルインバータ中性点接地208側に還流する。これにより、筐体のA種接地極210から設備接地極215に流出するノイズ電流を低減し、制御回路213や周辺機器に対して悪影響が及ぶのを防止することができる。
すなわち、特許文献1のように建築物の鉄骨や鉄筋を利用しなくても、一部の接地をコモン接地母線206によって等電位化することで、電力変換装置200の外部へのノイズ電流の流出を抑制可能となっている。
特開2003−208929号公報(段落[0008]〜[0012]、図1等) 特許第5465023号公報(段落[0026]〜[0032]、図1,図4等)
前述したように、電力変換システムを構成する複数台の電気機器間の接地電位差を低減して等電位化する従来技術は各種存在する。しかし、国内において、特許文献1に記載された技術は限られた条件のもとで適用できるに過ぎず、また、特許文献2に記載された技術は、多重巻線変圧器が複数台のインバータと共に同一筐体内に収納されているという限定された装置構成を前提としているため、適用範囲が狭いという問題がある。
つまり、特許文献1,2に係る技術を適用可能な条件や用途、装置構成以外のシステムについては、依然として、接地部を流れるノイズ電流による影響等の問題が残る。
そこで、本発明の解決課題は、保護用接地極を備えた電力変換システムにおいて、保護用接地極を流れるノイズ電流を減少させて電磁ノイズを低減し、制御機器等への悪影響を除去するようにした電力変換システムを提供することにある。
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、電力変換器を含む複数台の電気機器を備え、これらの電気機器が異なる種別の複数の保護用接地極を必要とする電力変換システムにおいて、
少なくとも2台の前記電気機器に対応させて機能用接地極をそれぞれ設け、個々の前記電気機器における同電位部を、第1の接地導体を介して当該電気機器の前記保護用接地極に接続すると共に第2の接地導体を介して当該電気機器の前記機能用接地極に接続したことを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載した電力変換システムにおいて、前記機能用接地極相互の間隔を、前記保護用接地極相互の間隔よりも狭くしたものである。
請求項3に係る発明は、請求項1または2に記載した電力変換システムにおいて、前記電気機器と当該電気機器に設けられる前記機能用接地極との間の配線長が、当該電気機器と当該電気機器に設けられる前記保護用接地極との間の配線長よりも短いことを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項1〜3の何れか1項に記載した電力変換システムにおいて、前記機能用接地極を設けない前記電気機器として、前記電力変換器を制御するための制御機器が含まれるものである。
請求項5に係る発明は、請求項1〜4の何れか1項に記載した電力変換システムにおいて、前記電気機器と当該電気機器に設けられる前記機能用接地極とを、ヒューズを介して接続したものである。
請求項6に係る発明は、請求項1〜5の何れか1項に記載した電力変換システムにおいて、接地工事の種別が同一である複数の前記電気機器にそれぞれ設けられるべき前記機能用接地極を、同一の機能用接地極により共用したものである。
請求項7に係る発明は、請求項1〜6の何れか1項に記載した電力変換システムにおいて、複数の前記機能用接地極により機能用接地極部を構成し、前記機能用接地極部は、少なくとも1つの接地極と、この接地極の全体または一部を包囲する他の接地極とを有するものである。
請求項8に係る発明は、請求項7に記載した電力変換システムにおいて、前記機能用接地極部は、少なくとも1つの接地極と、この接地極を包囲するように同心円状に配置された他の接地極とを有するものである。
請求項9に係る発明は、請求項7または8に記載した電力変換システムにおいて、前記機能用接地極部を構成する複数の接地極の相互間に絶縁物を充填したものである。
本発明によれば、保護用接地極部に流れるノイズ電流の一部を機能用接地極部に分流させることができる。この機能用接地極部は少なくとも2つの接地極を備え、分流されたノイズ電流は大地や絶縁物を介して機能用接地極部から電気機器間を還流するので、保護用接地極部に流れるノイズ電流を減らし、周辺機器への影響を小さくすることができる。また、同時に、電力変換システムから外部に流れるノイズ電流を減らすことができる。
特に、電力変換システムに内蔵された制御機器に機能用接地極部を設けない場合には、この制御機器や、電力変換システムの外部に配置された電子・通信機器等が電磁ノイズによって誤動作するのを防止することができる。
また、機能用接地極部の構造は極めて簡単であり、電力変換システムの大幅なコスト増加を招く恐れもない。
本発明の第1実施形態に係る電力変換システムの構成図である。 本発明の第2実施形態に係る電力変換システムの構成図である。 本発明の第3実施形態に係る電力変換システムの構成図である。 本発明の第4実施形態に係る電力変換システムの構成図である。 本発明の第5実施形態に係る電力変換システムの構成図である。 本発明の第6実施形態に係る電力変換システムの構成図である。 本発明の第7実施形態に係る電力変換システムの構成図である。 本発明の第8実施形態に係る電力変換システムの構成図である。 本発明の各実施形態における機能用接地極部の第1実施例を示す斜視図である。 本発明の各実施形態における機能用接地極部の第2実施例を示す斜視図である。 本発明の各実施形態における機能用接地極部の第3実施例を示す斜視図である。 本発明の各実施形態における機能用接地極部の第4実施例を示す斜視図である。 本発明の各実施形態における機能用接地極部の第5実施例を示す斜視図である。 本発明の各実施形態における機能用接地極部の第6実施例を示す斜視図である。 複数台の電気機器からなる電力変換システムに個別接地方式を適用した場合の構成図である。 特許文献1に記載された接地システムの構成図である。 特許文献2に記載された電力変換装置の構成図である。
以下、図に沿って本発明の実施形態を説明する。
まず、図1は、本発明の第1実施形態に係る電力変換システムの構成図である。図1において、図15と同一の部分には同一の符号を付して説明を省略し、以下では図15と異なる部分を中心に説明する。
図1に示す第1実施形態では、図15と同様に感電防止等を主目的とした保護用接地極部34の他に、電磁ノイズを低減して変圧器21、電力変換器22及び電動機24の安定動作を可能にするための機能用接地極部35と、同じく制御機器23の安定動作を可能にするための機能用接地極35Dと、を備えている。ここで、機能用接地極部35は、接地導体37を介して変圧器21の高圧側、低圧側中性点または混触防止板に接続される接地極35A,35Bと、接地導体37を介して電力変換器22及び電動機24にそれぞれ接続される接地極35C,35Cと、を有する。
機能用接地極部35(接地極35A,35B, 35C,35C)や接地極35Dは、保護用接地極部34と共に、電力変換器22等から発生して接地部に流れるノイズ電流の還流経路となるものである。
本実施形態では、ノイズ電流を保護用接地極部34を経由する経路と機能用接地極部35及び接地極35Dを経由する経路とに分流させているため、保護用接地極部34に流れるノイズ電流が減少する。
保護用接地極部34から大地に流れるノイズ電流の経路は、接地導体31,33によって比較的長く引き回されており、いわば大きなループアンテナを構成している。この経路に流れるノイズ電流が大きい場合には、発生する放射ノイズも大きくなるが、本実施形態では機能用接地極部35及び接地極35Dを追加したことで、保護用接地極部34から大地に向かう経路のノイズ電流が減少するので、放射ノイズも少なくなり、制御機器23や周辺機器の誤動作等を防止することができる。
機能用接地極部35及び接地極35Dは接地抵抗が小さいほど効果が得られるが、保護用接地極部34のように接地抵抗を管理する必要はなく、異種の接地極を用いて接地する高圧/低圧変圧器、電力変換器及び電動機等の組み合わせに対して広く適用できるものである。
なお、電力変換器22及び電動機24のように、必要とする接地工事の種別が同じ場合(この場合はC種接地)には、図15に示したように同一のC種接地極34Cを保護用接地極として共用することができる。
従って、図2に示す第2実施形態のごとく、機能用接地極部35において、電力変換器22及び電動機24に同一の接地極35Cを共用して施工しても、国内の基準に反することなく第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
しかしながら、機器の配置上の制約等により、機能用接地極部35及び接地極35Dの配線が保護用接地極部34より複雑な引き回しにならざるを得ない場合には、ノイズ電流の経路が長くなって電磁ノイズの低減効果が減少する。また、接地導体37を介して機能用接地極間を通る経路のインピーダンスが接地導体31,33を介して保護用接地極間を通る経路のインピーダンスに比べて小さいほど、機能用接地極部35及び接地極35Dを介して循環するノイズ電流が多くなり、言い換えれば保護用接地極部34を経由して循環するノイズ電流が少なくなるので、電磁ノイズの低減効果が大きくなる。
そこで、本発明の第3実施形態では、機能用接地極の配線長を保護用接地極の配線長よりも短くすることにより、機器から機能用接地極に至る配線インピーダンスを小さくし、機能用接地極を介して大地に流れるノイズ電流が増加するようにした。
具体的には、図3に示すように、対象機器の直近に機能用接地極を配置する。すなわち、変圧器21の直近に接地極35A,35Bを、電力変換器22の直近に接地極35Cを、電動機24の直近に接地極35Cを、制御機器23の直近に接地極35Dを、それぞれ配置するものである。
このような構成にすれば、各機器から機能用接地極を介して大地に流れるノイズ電流経路のインピーダンスが小さくなる。これにより、ノイズ電流の多くは機能用接地極35A,35B,35C,35C,35Dを介して循環することになり、ノイズ電流による放射ノイズは小さなループアンテナから生じるだけで済む。結果として、電力変換システム全体から発生する放射ノイズが減少し、周辺機器に対するノイズ障害を防止することができる。
また、この実施形態は、同一の機能用接地極に接続される複数の機器間でノイズ電流が還流する場合にも、ノイズ障害の防止に役立つ。
更に、図4は本発明の第4実施形態を示している。この実施形態では、保護用接地極部34における各接地極の相互の間隔に比べ、機能用接地極部35における接地極35A,35B,35C,35Dの相互の間隔を短くしたものである。
ノイズ電流は各接地極間の大地の部分にも流れるので、接地極相互の間隔を短くするほど接地極間の大地のインピーダンスが小さくなる。つまり、この実施形態によれば、保護用接地極部34における各接地極間に比べて、機能用接地極部35における接地極35A,35B,35C,35Dの間のインピーダンスが小さくなる。
これにより、ノイズ電流の多くは機能用接地極35を流れることになるので、小さなループアンテナから放射ノイズが生じるだけで済む。結果として、電力変換システム全体から発生する放射ノイズを低減することができる。
なお、前述した第1〜第4実施形態を組み合わせて適用することも勿論、可能である。
例えば、図5に示す第5実施形態のように、機能用接地極部35内の全ての接地極35A,35B,35C,35Dの相互の間隔を短くし、かつ、各機器からの配線長をできるだけ短くする。これにより、保護用接地極部34の各接地極間を通る経路に比べて機能用接地極部35の各接地極間を通る経路のインピーダンスが小さくなり、ノイズ電流は機能用接地極部35を含む小さなループアンテナ側に多く流れる。よって、電力変換システム全体から発生する放射ノイズを低減して周辺機器のノイズ障害を防ぐことができる。
第1〜第5実施形態では、電力変換システムを構成する全ての機器に機能用接地極を設けているが、本発明においては、全ての機器に機能用接地極を設ける必要はなく、少なくとも2つの機器に機能用接地極を設けてノイズ電流の還流経路を作れば所望の効果を得ることができる。この場合、大きなノイズ電流が還流する経路が構成されるように機能用接地極を設ける機器を選択すると、得られる効果も大きくなる。
例えば、第3実施形態に係る図3のシステムにおいて、一般的には、電力変換器22と電動機24との間を還流するノイズ電流が大きくなる。そこで、電力変換器22及び電動機24を対象として機能用接地極をそれぞれ設ければ、これらの接地極に大きなノイズ電流が流れるようになるため、2つの機能用接地極だけでも所望の効果を得ることができる。
また、本発明は、電力変換システムの中に、電磁ノイズに弱い制御機器等が含まれる場合に、特に有効なものである。
図6は、本発明の第6実施形態を示しており、制御機器23には機能用接地極を設けず、他の機器21,22,24を機能用接地極部35により接地している。なお、この実施形態は、図4の第4実施形態において、各機器21,22,24から機能用接地極部35までの配線長を短くしたものに相当する。
第6実施形態によれば、ノイズ電流が機能用接地極を介して制御機器23に到達することがなくなる。また、機能用接地極部35を設けることで保護用接地極部34に流れるノイズ電流は減っているので、保護用接地極部34から制御機器23に到達するノイズ電流も小さくなる。これにより、制御機器23に対するノイズ障害を防ぐことができる。
次に、図7は本発明の第7実施形態を示している。この実施形態は、図6における各機器21,22,24から機能用接地極部35に至る接地導体37にヒューズ40A,40B,40C,40Cを挿入したものである。このように接地導体37にヒューズを挿入する着想は、前述した全ての実施形態に適用可能である。
第7実施形態によれば、地絡等の事故によって大きな電流が流れた時にヒューズが溶断して機能用接地極部35内の接地極が切り離され、保護用接地極部34に電流が流れ込む。このため、機能用接地極部35に至る接地導体37を、保護用接地極34部のために設けられる接地導体31,33よりも細くして施工の自由度を高くしても、安全性を確保したまま電磁ノイズの低減効果を得ることができる。
上述した第1〜第7実施形態のように、感電等を防止するための保護用接地極部を有する従来の電力変換システムに機能用接地極を適宜、追加すれば、保護用接地極部内の異種の接地極同士を接続することなく、ノイズ電流による制御機器等への影響を低減することが可能である。
しかしながら、ノイズ障害を起こしやすい制御機器等の動作周波数はより高くなる傾向にあり、近年では、高周波のノイズ電流による影響が従来よりも現れやすくなっている。
また、機能用接地極部を通るノイズ電流経路のインピーダンスは、各接地極の形状や接地極同士の距離、機器までの配線長を等しくしても、各接地極が埋設される大地の特性(電気的特性)により変化するため、機能用接地極部の作用効果を正確に見積もって適切な設計を行うことは一般に困難である。
従って本発明では、以下に説明するように機能用接地極の構造や形状を工夫することにより、ノイズ電流の低減効果を一層高めるようにした。
ここで、図8は、本発明の第8実施形態に係る電力変換システムの構成図であり、電力変換システムを構成する複数台の電気機器を、単一の機能用接地極部35内の接地極35A,35B,35C,35C,35Dにより接地したものである。
以下では、構造、形状が異なる機能用接地極部35の第1〜第6実施例について、符号351〜356を付して説明する。なお、これらの機能用接地極部351〜356は、前述した第1〜第7実施形態における機能用接地極部35としても使用することができる。
まず、図9は、第1実施例に係る機能用接地極部351の斜視図である。この機能用接地極部351では、棒状の接地極35Cを中心にして、円筒状の接地極35C, 35D,35B, 35Aが順次、同心円状に配置されている。なお、Gは大地を示す。
図9では、機能用接地極部351の内側から外側に向かって、電動機24の接地極35C→電力変換器22の接地極35C→制御機器23の接地極35D→変圧器21の接地極35B→同じく接地極35Aという順に配置されているが、各接地極の割り付け(配置)は、これに限定されるものではない。例えば、内側から外側に向かって、変圧器21の接地極35A→同じく接地極35B→電動機24の接地極35C→電力変換器22の接地極35C→制御機器23の接地極35Dという順に配置しても良い。
何れにしても、大きなノイズ電流の還流経路となる接地極同士を近接して配置すると効果的である。すなわち、図8のシステムにおいては、一般的に電動機24から電力変換器22に還流するノイズ電流が大きくなるため、電動機24の接地極35Cと電力変換器22の接地極35Cとを近接して配置することが望ましく、これにより両接地極35C,35C間に大きなノイズ電流が流れて周囲へのノイズ電流の流出が少なくなり、制御機器23等に影響を及ぼす電磁ノイズも少なくなる。
更に、機能用接地極部351を図9のような同心円状の構造にして各接地極同士の間隔を短くすれば、静電結合によって形成されるキャパシタンス成分が大きくなり、大地を介して各接地極間を流れる経路の高周波インピーダンスが小さくなる。このため、機能用接地極部351の内部において接地極間を流れるノイズ電流により小さなループアンテナから高周波の放射ノイズが発生するだけで済み、結果として、電力変換システム全体から発生する高周波の放射ノイズを一層少なくすることができる。
なお、前述したように、接地工事の種別が同一である機器については同一の接地極を共用できるため、電力変換器22の接地極35Cと電動機24の接地極35Cとを共用してもよく、これによって機能用接地極部351の構造を一層簡略化することができる。
次に、図10は第2実施例に係る機能用接地極部352の斜視図である。
この機能用接地極部352では、棒状の接地極35C,35Cを中心にして、円筒状の接地極35D,35B, 35Aが順次、同心円状に配置されている。
なお、接地極の割り付けは、図示例に何ら限定されるものではない。また、第1実施例、第2実施例では、各機器21〜24に対応する接地極35C,35C,35D,35B, 35Aの全てを内側または外側の接地極に割り付けているが、一部の接地極のみを割り付け、他の接地極については別途施工しても良い。
図11は、第3実施例に係る機能用接地極部353の斜視図である。
すなわち、各機器21〜24の全てに機能用接地極を設ける必要はないため、図11に示すように、電動機24の接地極35Cを棒状に形成して中心に配置し、その周囲に、電力変換器22の円筒状の接地極35Cを配置して構成しても良い。
また、図12は第4実施例に係る機能用接地極部354の斜視図、図13は第5実施例に係る機能用接地極部355の斜視図である。
各接地極の形状や構造は前述した第1〜第3実施例に限定されるものではなく、図12,図13に示すように、外側の接地極35Cを角筒状や半球状に形成しても良い。図示されていないが、内側の接地極35Cも、例えば角棒状や平板状にすることもできる。
要は、任意形状の内側の接地極の一部または全部を、任意形状の外側の接地極により包囲するような構造であれば良いものである。
図14は、第6実施例に係る機能用接地極部356の斜視図である。
この機能用接地極部356は、図9に示した第1実施例の機能用接地極部351において、各接地極の相互間の大地Gの代わりに絶縁物41を充填して構成されている。このような構成にすると、接地極間を通る経路のインピーダンスは、各接地極の形状・構造及び絶縁物41の特性によって決まり、大地Gの特性に影響されることがない。
このため、特性(抵抗率、誘電率等)が既知である絶縁物41を用いれば、接地極間のインピーダンスを計算可能であり、ノイズ電流の大きさ、ひいてはノイズ電流の低減効果を正確に見積もって機能用接地極356を適切に設計することができる。
従って、例えば保護用接地極部34の各接地極間のインピーダンスよりも機能用接地極部356における各接地極間のインピーダンスが十分小さくなるように電極形状を設計すると共に絶縁物41を選定することで、大地Gの特性に関わらず、機能用接地極部356に流れるノイズ電流を大きくして保護用接地極部34に流れるノイズ電流を減らすことが可能である。
第6実施例の機能用接地極部356を製造するにあたっては、各接地極を大地Gに埋設する前に、絶縁物41を各接地極の間の空間に充填しておくことが望ましい。すなわち、図14に示すように各接地極及び絶縁物41からなる構造体を予め製造しておけば、この構造体ごと大地Gに埋設するだけで施工が完了する。これにより、各接地極を大地Gに埋設してから接地極間の土砂を掘削し、その空間に絶縁物41を充填する方法に比べて、施工の手間や時間を減らすことができる。
なお、各接地極の相互間に絶縁物41を充填する着想は、前述した第2〜第5実施例の機能用接地極部352〜355にも勿論、適用可能である。
10:電力系統
21:変圧器
22:電力変換器
23:制御機器
24:電動機
31,37,38:接地導体
32:接地端子箱
33:接地導体
34:保護用接地極部
34A:A種接地極
34B:B種接地極
34C:C種接地極
34D:D種接地極
35,351〜356:機能用接地極部
35A,35B,35C,35C,35C,35D:接地極
40A,40B,40C,40C:ヒューズ
41:絶縁物
G:大地

Claims (9)

  1. 電力変換器を含む複数台の電気機器を備え、これらの電気機器が異なる種別の複数の保護用接地極を必要とする電力変換システムにおいて、
    少なくとも2台の前記電気機器に対応させて機能用接地極をそれぞれ設け、個々の前記電気機器における同電位部を、第1の接地導体を介して当該電気機器の前記保護用接地極に接続すると共に第2の接地導体を介して当該電気機器の前記機能用接地極に接続したことを特徴とする電力変換システム。
  2. 請求項1に記載した電力変換システムにおいて、
    前記機能用接地極相互の間隔を、前記保護用接地極相互の間隔よりも狭くしたことを特徴とする電力変換システム。
  3. 請求項1または2に記載した電力変換システムにおいて、
    前記電気機器と当該電気機器に設けられる前記機能用接地極との間の配線長が、当該電気機器と当該電気機器に設けられる前記保護用接地極との間の配線長よりも短いことを特徴とする電力変換システム。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載した電力変換システムにおいて、
    前記機能用接地極を設けない前記電気機器として、前記電力変換器を制御するための制御機器が含まれることを特徴とする電力変換システム。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載した電力変換システムにおいて、
    前記電気機器と当該電気機器に設けられる前記機能用接地極とを、ヒューズを介して接続したことを特徴とする電力変換システム。
  6. 請求項1〜5の何れか1項に記載した電力変換システムにおいて、
    接地工事の種別が同一である複数の前記電気機器にそれぞれ設けられるべき前記機能用接地極を、同一の機能用接地極により共用したことを特徴とする電力変換システム。
  7. 請求項1〜6の何れか1項に記載した電力変換システムにおいて、
    複数の前記機能用接地極により機能用接地極部を構成し、前記機能用接地極部は、少なくとも1つの接地極と、この接地極の全体または一部を包囲する他の接地極とを有することを特徴とする電力変換システム。
  8. 請求項7に記載した電力変換システムにおいて、
    前記機能用接地極部は、少なくとも1つの接地極と、この接地極を包囲するように同心円状に配置された他の接地極とを有することを特徴とする電力変換システム。
  9. 請求項7または8に記載した電力変換システムにおいて、
    前記機能用接地極部を構成する複数の接地極の相互間に絶縁物を充填したことを特徴とする電力変換システム。
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