JP6671667B1 - 棒鋼・線材の粗圧延方法 - Google Patents

棒鋼・線材の粗圧延方法 Download PDF

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Abstract

【課題】作業性と被加工材の表面品質を改善し、且つ長方形断面鋳片への対処を容易にする、棒線の粗圧延方法の提供。【解決手段】粗圧延を直列全水平式に構成し、素材である断面アスペクト比(=圧下面幅/側面高さ)が1以下の連続鋳造鋳片の同一面を複数回圧下して断面アスペクト比を2以上4以下とし、次いで捻転ロールにより前端を90°捻転して次パスに誘導し、再度同一面(旧側面)を複数回圧下してアスペクト比を1、鍛錬比を5以上12以下に粗圧延する。初パスは平ロールにより25%以上の圧下率とし、加工性の低い鋼種に対して鋳片角部のワレ発生を抑制する。全水平式において全パス間に不可欠な捻転機構は1台に削減される。【選択図】図1

Description

本発明は連続鋳造鋳片から熱間圧延によって棒鋼又は線材を製造するに際して、工程の上流を担う粗圧延の方法に関している。
棒線の圧延ラインは便宜上、粗圧延・中間圧延・仕上げ圧延の三つに分けられる。上流の粗圧延は製造する鋼種や製品寸法に関わらず、素材を一定寸法の中間材に加工する工程である。中間列以後で造り分けや複線化がなされる。複線化は、生産能率(t/h)の劣る下流を上流と均衡させるためである。
圧延回数は通常、粗列5〜10,中間列5〜10,仕上げ列5〜10、合計20〜30となっている。
粗圧延における要件は、1)操業が安定し低コストであること、2)鋳片の表面性状を劣化させないこと、さらに、3)熱間加工性に難のある鋼種に対してワレを発生させないことである。一度鍛錬された鋼片ではワレ問題は概ね解消される。
鋼片(100〜200mm角)から熱間圧延により汎用棒鋼(9〜51mm径)や線材(5〜15mm径)を製造するに当たり、圧延設備の配列は、1)計画生産能率(40〜200t/h)に対処し、2)鋼片や製品の計画単重(例;2t/本)に対処し、3)自動化・省力化に対処し、4)圧延品質改善にも対処するため、新設や大改造に際して従来の中間列以後だけでなく粗圧延も含めて全スタンドの直列水平垂直式圧延(VHタンデム)、特に近接配置VHタンデム(VHコンパクト)の採用が進んでいる。
粗圧延における当該方式(VHタンデム)の長所は、以前の逆転式粗圧延や直列全水平式圧延(HHタンデム)と比較して、鋼片の直進1本通しと圧延機の水平垂直交互配置の2手段によって
1) パス間の捻転機構の排除や転倒逆転機構の排除によるラインの簡素化
2) 省力化・操業安定
3) 捻転機構に起因する当たりキズの低減
等の効果が得られる。
他方問題が無いわけでもない。第1に、直列式であるから能率(t/h)は初パスから最終まで一定(もしくは2:1)であり、従って仕上げ圧延速度が大きくても初パス速度は極めて小さい。表皮過冷が発現する。後述するように連続鋳造鋳片は未鍛錬の鋳造組織を持つので加工性問題を内包している。
ボロン鋼・快削鋼・ステンレス鋼等熱間加工に難のある鋼種・製品に対して粗圧延ワレは対処困難な問題である。
第2に、棒線用に供給されるビレットの断面形状は常に正方形(又は円)である。長方形が不適切であるわけではない。将来、鋳片断面形状を長方形にすることにより新しい効果を誘発しようとする場合、水平垂直交互配置は不適切で圧延機の過不足が生ずる。
棒線圧延における作業上の特徴を鋼板・平鋼の圧延と比較して検討する。
板圧延では変形は2次元(圧下・延伸)であるが、棒線圧延では仕上げの円断面に向かって3次元(圧下・延伸・拡幅)で進行する。具体的には孔型圧延が適用され、圧下歪みは延伸と拡幅に分解する。組み合わされる孔型は種々あって工場により異なり、それぞれ一長一短がある。共通している圧延作業過程は、ほとんど圧下毎に圧下方向が変更される、即ち、あるパスで被加工材のある辺を圧下すると次パスでは側面又は斜め側面が圧下されることである。これは鍛錬手作業でまんべんなく鍛くことに由来するかもしれない。圧延方向の毎回変更の必然性には疑問がある。
同一面を複数回続けて圧下してはならないと言う材質上の制約や成形上の制約があるわけではない。逆に毎回圧下方向を変えることに特別な効果があるわけでもない。
前者は板圧延が明白な物証であり、後者はスリット圧延(圧延途中で2本以上に縦断した簡素圧延)が、最終が決まるなら過程はどうでも良い場合もあることを示している。
交互圧下方式は、圧延機列の古い配置方式である粗圧延は逆転式圧延、後続の中間ではトラバース圧延(多数の圧延機間を渡り歩く)において被加工材を捻る必要が無く、パス毎に圧下方向を変更する転倒作業等が無難であり且つ容易であったことにも起因する。
交互圧下が前提になっているので粗圧延が逆転式から直列全水平式に進歩する過程で材料をパス間で捻転することが不可欠となった。
捻転機構には圧延に準ずる大きな負荷が作用し、安易な設計では問題が慢性化する。管理は大変であり、常に作業不安定が品質劣化に作用してきた。整備の煩雑さから逆に圧延機を水平垂直交互配置に変更しようとする機運が生まれ、実施結果は当該問題の解決だけでなく期待以上に評価された。簡素化・安定化が得られたが垂直組込に伴う設備費の大幅増加は避けられないこととなる。
他方直列式に変化した結果、逆転式の長所に気付くことにもなった。難加工性材料には逆転式の方がワレ疵が少ないことである。原因は、直列式では高速仕上げ圧延(100m/s)でも初パスは極めて低速(約0.1m/s)であり、ロール接触時間増とロール冷却水の被曝に起因して材料表皮温度が異常に低下するためである。
直列全水平圧延列は捻転と言う煩雑な問題を持つが長所として、水平垂直圧延列と比較して割安、多本通しが可能で能率(t/h)強化が容易、であることである。
当該粗圧延列においては、当該長所を保持しつつ、
1) 捻転機構の簡素化と改良
2) 2種の品質問題(当たりキズ、粗圧ワレ)への対処
3) 将来の長方形断面の鋳片への効果的な対処、の3点の改善が期待される。
既述粗圧ワレ問題に対して先行事例を検討する。
特許文献1には、棒線製造において鋼片の粗圧延を水平逆転式で処理する際、適切な孔型・圧下率・圧延速度(m/s)の組み合わせにより難加工材に対処可能となることが開示されている。逆転式では被加工材の転倒はあるが捻転が無いことからパス衝突キズにも対処し易い。他方、鋼片単重が大きくなると製品までの圧延時間が長くなり、小径品には途中で被加工材の温度不足が生ずる。前端と後端で圧延温度に大きな差が生ずる。場合により再加熱装置が必要になると言う問題が生ずる。
当該方法は効果的に操業されているが、総合コストと単重問題でVHタンデムに勝てないのかほとんど普及しない。
特許文献2には、ステンレス鋼専用の棒線圧延において難加工材に対処するため、直列式粗圧延の上流に3ロール傾斜圧延機を設け、当該圧延機の本来の大圧下効果に反して軽圧下を施し、表皮の延性化を図ることが開示されている。効果は確実であるが新規設備を要する上にしかも極めて高価が問題であって追随例は無い。
非特許文献1にはB(ボロン)鋼等の鋳片の粗圧延において、鋳片角部ワレの研究がなされ、孔型形状によりワレの有無があること、角−菱圧延(スクウェア−ダイアモンド)では角部は単純引張となって横ワレが多発するが、平圧延(フラット)ではワレが生じない加工度の限界が拡大することが得られている。孔型設計において大いに参考になる。
公開特許公報2000−317503 公開特許公報2001−1004
山田、鉄と鋼、第67年 第8号 P.298 線材用連鋳設備と品質問題 P.302(線材の表面疵)
棒線の熱間圧延において粗圧延列の構造は直列水平垂直式が主流になっている。ロールの水平垂直交互配置により被加工材の捻転が不要となり操業の安定と表面品質劣化を防止している。問題は、1)設備費が過大、2)低速圧延故に表皮の過冷が発現し、難加工性材料ではワレが発生し易い、3)将来性のある長方形断面の鋳片に対して圧延機台数に過不足が生ずる。
従来の直列全水平式では各パス間に捻転機構が不可欠であり、作業の繁雑と品質(当たりキズ)に不利である。VHタンデム同様の粗圧ワレにも問題がある。
本願発明は、直列粗圧延列において、
1) 低廉な方法により捻転工程を簡素・確実に処理し、
2) 難加工性材料にもある程度対処可能とし、
3) 将来性のある長方形断面の鋳片にも容易に適応することを解決すべき課題とする。
上記課題の解決に当たり、設備費有利且つ長方形断面鋳片への対処容易な全水平式粗圧延列を採用し、圧延方向の交互圧下を見直して捻転回数を最小の1回に限定し、捻転機構を改良し、無孔型圧延によりワレの発生し易い鋼種にも対応可能な以下の発明をなした。
第1の発明は、連続鋳造鋳片から棒鋼・線材を製造する熱間圧延の上流を担う粗圧延において、圧延機の構造・配列が直列全水平式であって、断面アスペクト比(=圧下面幅/側面高さ)が1以下の方形断面鋳片の同一面を複数回圧下して断面アスペクト比が2以上4以下の被圧下材とし、次いで該被圧下材を中心軸回りに90°捻転し、再度複数回旧側面を圧下して断面アスペクト比が1、鍛錬比(=鋳片断面積/被圧下材断面積)が5以上12以下の粗圧材とすることを特徴とする連続鋳造鋳片の粗圧延方法である。
第2の発明は、下記3条件、
1)少なくとも圧延初パスは圧下率が20%以上の平ロールによること、
2)捻転機構がパス心と同軸に被圧下材断面を包摂する孔型を持つ垂直ピンチロールから成り、被圧下材の前端を受けて直ちにパス心回りに捻転して該前端を次パスの孔型に誘導し、後端が通過後元の位置に復帰する機構であること、
3)粗圧延後の断面形状が丸みのある正方形であること、
のうちのどれか一つ以上を組み込んだことを特徴とする第1発明に記載した連続鋳造鋳片の粗圧延方法である。
ここで述語の定義として、
『直列』とは、各圧延機のパス心が一直線になる配置である。
『平ロール』とは、孔型を持たない円柱状のロールである。
『粗圧材』とは、粗圧延工程を通過した材料を言う。
本願発明の第1の効果は、捻転機構が1台に削減され、設備・作業が簡素化され、捻転に伴う当たりキズが減少する。
その上、本発明の捻転機構は、1)被圧下材の軸心と圧延パス心と捻転用ピンチロールの孔型心を一致させており、2)被圧下材断面と同一孔型を持つピンチロールから成り、
3)且つ捻転角度は適宜調節可能としているので摺動作用が発生せず、無理なく次パスに誘導することができる。
第2の効果は、B鋼・S快削鋼・Pb快削鋼等の熱間ワレの生じ易い鋼種に対して初パスワレの発生が減少する。
その理由は以下である。直列式圧延では初パスの圧延速度は極めて小さい(例;0.1m/s)ので表皮のロール接触時間及びロール冷却水を被る時間が増加する。特に角部が過冷して加工性が低下する。当該鋼種ではその上に加熱時に結晶粒界が脆化・微少ワレが生じており、初パスにおいて表皮に引張が作用すると微少ワレが拡大する。孔型が菱(ダイアモンド)であると上下の角部は噛み込み直後の過冷と引張により、左右の角部は水冷と延伸に伴う単純引張によりワレ易い。孔型を箱(ボックス)にするとかなり改善されるが孔型隅部が摩耗してくるとワレが増加する。
平ロールではワレ易い鋳片の角部が噛み込みの進行につれて圧下面内に移行し、角部に近い側面が角部に移行する。その間、角部周辺に圧縮が作用した延伸になって微少ワレが開口しない。ワレを恐れて圧下率を小さくすると角部移行作用が小さくなりかえって効果が縮小する。これが圧下率を20%以上と特定した理由である。
第3の効果は、供給される鋼片の断面アスペクト比が大きい場合、VHタンデムでは対処困難だがHHタンデムなら容易に処理することができる。現在棒線用鋼片の断面形状はは世界的に正方形と決まっているが、最良であるわけでもない。長方形の方が将来より良い効果を産むことができる。
現在旧式2流と見なされている直列全水平式粗圧延列も、やりようでは捨てたものではない評価が期待される。
本願発明を実施する全水平粗圧延列を説明する概略図である。 本願発明の平ロール圧延における被圧下材の変形を示す。 本願発明に組込まれる捻転機の概略図である。 現行の直列水平垂直式粗圧延列の概略図である。 Aは難加工性材料の粗圧延に適した逆転式粗圧延機の概略図であり、Bは該圧延機に適用される孔型ロールの構造例を示す。 連続鋳造鋳片の熱間加工性試験における供試材化学成分を示す。 熱間加工性試験における試験片の製作方法を示す。 熱間加工性試験結果を示し、種々の鋼種に対して圧延温度と圧下率とワレ発生の関係を図解する。
図1に示される本願発明の例である直列全水平式粗圧延列は7段の水平圧延機から成り、130mm角の連続鋳造鋳片0が供給される。第1段圧延機1は平ロールを持ち該鋳片0は27%の圧下率で圧延され、断面1sは95mm×145mmとなる。
第2段圧延機2、第3段圧延機3は拡幅を抑制するため比較的浅い箱孔型を採用し、圧下率を30%前後に設定して同一面を圧下する。断面3sは48mm×150mm、アスペクト比は3になる。
第3段圧延機3から押し出された被圧下材の前端を、後続して設けられた捻転ロール8により被圧下材の軸回りに90°捻り、第4段圧延機4の深い箱孔型に誘導する。以後第7段圧延機7まで約30%の圧下率で同一面を圧下し、断面アスペクト比1の角の丸い50mm角の粗圧材7sを形成する。鍛錬比は6.8になる。
初段は平ロールを使用しているので横方向の拘束がない。傾斜摺動ガイド9を設けることが望ましい。
図2は第1段圧延機における鋳片0の変形を軸方向から見た図である。鋳片0の圧下前断面21は平ロール25により圧下されて圧下後断面22(斜線部)に変形する。その際、拡幅のため鋳片0の角部23は圧下面内の点Pに移行し、側面であった部分が角の丸い角部24に移行する。
難加工性鋳片では角部にワレが生じ易いが、平ロールにより角部は圧下による圧縮状態で無理なく延伸(展伸に近似)し、ワレが生じにくい。
初パスの孔型を菱・長円等にするとワレが生じやすい。
次パスは箱(ボックス)孔型であるが、鋳片の角部相当部は孔型角部からずれていて、孔型底の平坦部で圧下されるので再びワレが生じにくい。
以後最終パスまで拡幅を抑制する箱孔型により丸みのある正方形に誘導する。
図3に従って捻転ロールについて説明する。被圧下材31に作用する捻転力は断面積×剛性率であるから、圧延機とほぼ同水準の力が作用する。安易な捻りガイドではキズが付き易い。ローラーガイドにしても耐久力を重々考慮しなければならない。本発明では、圧下はしないが圧延機と同様のピンチロール33を採用し、上流側孔型よりも少し大きい孔型32を持つ。待機位置ではロール軸は垂直である。ロールが組み込まれるロールハウジング34はロールスタンド35の中でパス心C(被圧下材と同軸)の回りに旋回するよう構成される。
旋回駆動ギア36は被圧下材前端を受けて直ちに旋回するが、旋回角は必ずしも90°であるわけではない。実作業の中で最適角を探す。該ピンチロール33は後端が通過したら直ちに元の垂直位置に復帰する。
従来の全水平式粗圧延列(図示せず)では、各パス間に捻転機構が設けられており本発明ではそれが強固な1台に簡素化される。
図4は直列水平垂直式粗圧延列の概略である。鋳片40は初段水平ロール41,次段垂直ロール42以下を通過する。パス間には捻転機構が無く単純なガイド(図示せず)が設けられる。本願発明は、当該粗圧延列に準ずる簡素化とパス安定性が得られる。
図5Aは、古い粗圧延方法又は特殊鋼に適した粗圧延方法を示す。被圧下材51は胴長のロールを持つ1台の逆転式圧延機52により、孔型圧延を比較的高速で逆転反復して所定断面55に成形する。図5Bは当該方式による孔型例を示す。ロール53には箱孔型54を所定数設ける。本方法において孔型を適切に設定すれば難加工性鋳片を無理なく粗圧延することができる。
本願発明の方法は当該方法に次ぐ難加工性材料への対応能力がある。
本願発明において初パスを平ロールとした根拠を説明する。種々の鋼種について温度と減面率(≒圧下率)とワレ発生の関係を明らかにする実験を行った。
図6は供試材の化学成分、図7は試験片の製作方法、図8は実験結果を示す。
供試材A(ボロン鋼)とF(ばね鋼)はワレの生じ易い鋼種であって、他は加工性に問題のない炭素鋼である。
試験片は鋳片の角部から楔形に切り出したもので、1回の圧延で広範な圧下率を試験することができる。楔形試験片のひれ部は角−菱圧延における角部(ワレが発生し易い)を想定したものであって、圧下に際して引張りのみが作用する。他にひれ無し試験片も製作した。ひれ無しは平ロールによる圧延に相当する。圧延速度は0.9m/sで逆転式圧延に近い。ロール冷却水も無いので表皮冷却は生じない。
図8からボロン鋼、ばね鋼では減面率を大きくするとワレが発生し易いことが解り、作業経験と合致する。900〜1000℃において加工性が低下(C曲線)することも作業経験と合致する。
ひれ無し試験片では図示したC曲線が高圧下率の側に移行した(図示せず)。即ち平ロール圧延により鋳片角部のワレ発生を抑制することができる。
平ロール圧延はしばしばロールコスト削減に使用されるが、熱間割れ対策に適用される事例は見当たらない。
供給される鋳片の断面アスペクト比を1以下とした理由は、通常の1(正方形)だけでなく、縦長の長方形断面鋳片にも適用して新たな効果を誘発するためである。
世界的にビレットの断面形状は常に正方形、ブルームでは多くが長方形である。ビレットを長方形にすると種々の新しい効果が期待される。例えば、
1) 連続鋳造において鋳造能率(t/h)は機長(鋳込面から切断部位間での長さ)と断面アスペクト比の積に比例する。矩形化により能率が増加する。ストランド数の削減にも活用される。
2) 鋼片の再加熱に必要な時間は鋼片厚さにほぼ比例する。従って矩形化により加熱時間が短縮され、燃料効率や脱炭層の低減に有利である。本願発明は将来の可能性への対応を含む。
鍛錬比を5以上12以下と特定した理由は、一般的に実施されている範囲であって特に過不足はない。
粗圧延後の断面形状を丸みのある正方形と特定した理由は、円とすると粗圧延故に真円ではないので、後続の孔型には常に捻れ傾向で噛み込み、融通無碍の管理になる。角では捻れない。
連続鋳造鋳片を直列全水平粗圧延列で粗圧延する事例を従来方法と本願発明を比較して表1にまとめる。実施に際して特に困難は無い。
Figure 0006671667
本願発明の粗圧延方法は、新設にも既存設備の改良にも容易に適用することができる。
0;連続鋳造鋳片 1;初段ロール 2;2段目ロール 3;3段目ロール 4;4段目ロール 5;5段目ロール 6;6段目ロール 7;7段目ロール 8;捻転ロール 9;傾斜摺動ガイド 21;圧下前断面 22;圧下後断面 23;鋳片角部 24;丸い角部 P;角部相当部 25平ロール C;パス心 31;被圧下材 32;孔型 33;ピンチロール 34;ロールハウジング 35;ロールスタンド 36;旋回駆動ギア 40;鋳片 41;初段水平ロール 42;次段垂直ロール 51;被加工材 52;逆転式圧延機 53;ロール 54;孔型 55;所定断面

Claims (1)

  1. 連続鋳造鋳片から棒鋼・線材を製造する熱間圧延の上流を担う粗圧延において、圧延機の構造・配列が直列全水平式であって、断面アスペクト比(=圧下面幅/側面高さ)が1以下の方形断面鋳片の同一面を複数回圧下して断面アスペクト比が2以上4以下の被圧下材とし、該複数回圧下の際少なくとも初パスは圧下率20%以上の平ロール圧延、その後はボックス孔型圧延とし、次いでパス心と同軸に被圧下材断面を包摂する孔型を持つ垂直ピンチロールにより該被圧下材を中心軸回りに90°捻転し、再度複数回旧側面をボックス孔型によって圧下して断面鍛錬比(=鋳片断面積/被圧下材断面積)が5以上12以下の粗圧材とすることを特徴とする連続鋳造鋳片の粗圧延方法。
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