JP6671312B2 - レーダ装置 - Google Patents
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Description
図1は、実施の形態1に係るレーダ装置2の構成を示す図である。
このレーダ装置2は、MIMOレーダ方式のレーダ装置である。レーダ装置2は、分散アレイ校正装置1と、レーダ運用部6とを備える。
分散アレイ校正装置1は、送信信号生成部7と、割当部8と、送信部9(1)〜9(N)と、送信アレイアンテナ4とを備える。
分散アレイ校正装置1は、受信アレイアンテナ5と、受信部10(1)〜10(N)と、A/D変換部11(1)〜11(N)と、分離部12(1)〜12(N)と、校正部13と、校正部13と、格納部15と、選択部25とを備える。
選択部25は、M個の送信アンテナTx(1)〜Tx(M)の中から互いの特性を校正する複数の校正対象アンテナを選択する。
送信アレイアンテナ4を校正するときには、少なくとも1つの校正対象の送信アンテナを含む複数個の送信アンテナ(M個以下の送信アンテナ)から信号が送信される。
ここで、第1アンテナ群は、相互に校正が行われた送信アンテナのうち、少なくとも二以上のものを組み合わせて構成される。第2アンテナ群は、第1アンテナ群を構成する送信アンテナ以外の送信アンテナから構成される。
割当部8は、送信信号生成部7から出力される各送信信号を送信部9(1)〜9(M)のうちのいずれかへ出力する。割当部8は、送信アレイアンテナ4を校正するときには、少なくとも1つの校正対象の送信アンテナを含む複数個の送信アンテナ(M個以下の送信アンテナ)にK個の直交信号のいずれかを割り当てて、対応する送信部へ出力する。割当部8は、互いに校正されて無い校正対象アンテナ同士に異なる直交信号を割り当てる。
送信アンテナTx(m)は、送信部9(m)から出力される送信信号を移動目標3に向けて照射する。m=1〜Mである。
受信部10(n)は、受信アンテナRx(n)から出力される受信信号に対して必要に応じて増幅および周波数変換を施す。
A/D変換部11(n)は、受信部10(n)から出力される信号をデジタル信号に変換する。
校正部13は、複数の観測時点において、分離部12(1)〜12(N)から出力されるN×K個の信号成分について、同一の直交信号に対応するN個の信号成分を合成することによってK個の合成信号を求める。校正部13は、K個の合成信号の間の相対的な振幅および位相を表わす振幅位相情報を算出する。
校正部13は、複数の観測時点についての、校正部13で算出された振幅位相情報と、格納部15に格納されている移動目標3の位置情報とに基づいて、複数の送信アンテナの相互のビーム形成に係る特性を算出して、校正対象の送信アンテナ同士の校正を行う。
レーダ運用部6は、校正部13で推定された校正対象の送信アンテナのパラメータである校正情報を用いて、レーダ運用を行う。
図2では前提として、送信信号生成部7で生成され、送信信号として用いることのできる直交信号がK個存在する場合を想定している。なお、Kは2以上である。また、直交信号の個数Kは送信アンテナの個数Mより少ないものとする。
ステップST101において、選択部25は、送信アンテナTx(1)〜Tx(i+K−1)を校正対象に選択する。
ステップST102において、割当部8は、送信アンテナTx(1)〜Tx(i)に1番目の直交信号L1を割り当て、送信アンテナTx(i+1)〜Tx(i+K−1)にそれぞれ2番目〜K番目の直交信号L2〜LKを割り当てる。たとえば、i=1の初期状態であれば、送信アンテナTx(1)〜Tx(K)に直交信号L1〜LKがそれぞれ割り当てられた状態となる。
受信アンテナRx(n)は、移動目標3からの反射信号を指定観測回数だけ受信する。n=1〜Nである。指定観測回数は、校正対象の送信アンテナのパラメータがアンテナの透過位相のみの場合は、少なくとも1回、校正対象の送信アンテナの位置の場合は少なくとも3回、その両方の場合は少なくとも4回とする。受信部10(n)は、受信アンテナRx(n)から出力される信号に対して必要に応じて増幅および周波数変換を施す。A/D変換部11(n)は、受信部10(n)の出力をデジタル信号に変換する。
具体的な分離手法は、用いているMIMOレーダ方式によって異なる。符号変調を用いたMIMOレーダ方式の場合は、各送信信号に対応したMatched Filterあるいはそれに相当する処理によって分離処理が実施される。周波数分割によるMIMOレーダ方式の場合は、各直交信号の周波数に対応したBand Pass Filterとして分離処理が実施される。時分割によるMIMOレーダの場合であれば、時間信号に対する窓関数の乗算により分離処理が実施される。ドップラ変調によるMIMOレーダの場合であれば、パルスドップラフィルタとして分離処理が実施される。いずれにしても、MIMOレーダの変調方式に対応した形で分離処理(復調処理)が実施される。
θjは送信アンテナおよび受信アンテナの個数および違いによらず、不変であると仮定する。これはアレーアンテナの配置の広がりよりもレーダ装置2から移動目標3までの距離が十分に大きい場合に一般的に成り立つ仮定である(遠方界)。
ステップS106において、推定された相対位置および相対透過位相の情報を補正値として、Tx(i+1)〜Tx(i+K−1)の送信アレイアンテナ4に適用する。
ステップS108において、全ての送信アンテナの校正が完了した場合には処理が終了し、未完了の場合は、処理がステップST102に戻って、ST102〜ST107の処理が繰り返される。この判定は具体的には、i≧Mの場合には終了という判定式が用いられる。
実施の形態1では、選択部25は、第1アンテナ群から複数の送信アンテナを校正対象アンテナとして選択する。
実施の形態1では、割当部8は、校正情報の推定が完了した送信アンテナが存在しないときには、M個の送信アンテナのうちのK個の送信アンテナにK個の直交信号をそれぞれ割当てる。割当部8は、校正情報の推定が完了した1個以上の送信アンテナが存在するときには、校正情報の推定が完了したすべての送信アンテナに1つの直交信号L1を割り当て、M個の送信アンテナのうちの校正情報の推定が完了していない1個以上の送信アンテナの中の(K−1)個の送信アンテナに、割り当てた1つの直交信号L1を除く(K−1)個の直交信号をそれぞれ割り当てる。
i=1のステップにおいて、K=3より、送信アンテナTx(1)に対する送信アンテナTx(2)、Tx(3)の相対位置および相対透過位相が推定される。
このような構成により、分散アレイに送信アンテナの追加した場合に、直交信号数が送信アンテナの数よりも少ない場合でも、高精度な基準信号送信源を高精度に別途配置せずに、校正対象の送信アンテナの校正情報を取得することができる。
格納部が、複数の位置情報を格納情報として格納し、受信アンテナが、格納情報における位置毎に存在する目標により反射された受信信号をそれぞれ受信し、分離部が、受信アンテナが目標の位置毎にそれぞれ受信した受信信号を成分に分離し、校正部が、分離された成分および格納情報を用いることとしてもよい。
図4は、実施の形態2のレーダ装置2の送信アンテナの校正処理の手順を表わすフローチャートである。
図4でも実施の形態1と同様に、送信信号生成部7で生成され、送信信号として用いることのできる直交信号がK個存在する場合を想定している。Kは2以上である。また、直交信号数Kは送信アンテナ数Mより少ないものとする。
ステップST101Bにおいて、選択部25は、送信アンテナTx(1)、Tx(i)〜Tx(i+K−1)を校正対象に選択する。
ステップST102Bにおいて、実施の形態2では、実施の形態1と異なり、割当部8は、1番目の直交信号L1を割り当てる送信アンテナを常に同一の送信アンテナTx(1)とする。
すなわち、1つの直交信号L1に1つの送信アンテナTx(1)が常に対応しているので、送信アンテナTx(1)の位相から1つのエレメントファクタa1(θj,φj)が計算される。k>1について、相対位置(xk,yk,zk)および相対透過位相ψkは、1番目の直交信号L1が割り当てられた送信アンテナTx(1)の位置および透過位相に対する相対位置および相対透過位相である。G1(θk,φk)は、送信アンテナTx(1)の利得である。d1は、送信アンテナTx(1)の位置ベクトルである。
実施の形態2では、割当部8は、校正情報の推定が完了した送信アンテナが存在しないときには、M個の送信アンテナのうちのK個の送信アンテナにK個の直交信号をそれぞれ割当てる。割当部8は、校正情報の推定が完了した1個以上の送信アンテナが存在するときには、校正情報の推定が完了した1個以上の送信アンテナの中の1つのアンテナに1つの直交信号L1を割り当て、M個の送信アンテナのうちの校正情報の推定が完了していない1個以上の送信アンテナの中の(K−1)個の送信アンテナに、割り当てた1つの直交信号L1を除く(K−1)個の直交信号をそれぞれ割り当てる。
実施の形態2では、選択部25は、第1アンテナ群から1個の送信アンテナを校正対象アンテナとして選択する。
i=1のステップにおいて、K=3より、送信アンテナTx(1)に対する送信アンテナTx(2)、Tx(3)の相対位置および相対透過位相が推定される。
また、実施の形態1の場合、複数の送信アンテナに同一の信号(1番目の直交信号L1)を割り当てるためビームパターンが形成される。その場合、移動目標3の方位によっては、ビームパターンの影響で却って目標の観測SN比が劣化する場合がある。そのような場合は、実施の形態2のように直交信号を割り当てる送信アンテナは常に1つとしたほうがよい。
実施の形態1および2では、校正を完了した送信アンテナTx(1)〜Tx(i)に対して、校正が行われていない送信アンテナTx(i+1)〜Tx(i+K−1)を校正する。これを順次繰り返すことにより、K個の直交信号L1〜LKにより、K個より多いM個の以上の送信アンテナTx(1)〜Tx(M)の校正を行っている。しかし、校正を完了した送信アンテナTx(1)〜Tx(i)に対して、送信アンテナTx(1)〜Tx(i)以外の送信アンテナとの間で校正を行った送信アンテナの校正を行うようにしても良い。
実施の形態3では、第1アンテン群は、相互に校正が行われた送信アンテナのうち、全てのものを組み合わせて構成される。
実施の形態1および2では、例えば図1の送信アレイアンテナ4と受信アレイアンテナ5は、別々、すなわち送受分離型のレーダとして構成していた。
実施の形態4のレーダ装置は、受信アンテナが、送信アンテナから送信される送信信号を直接受信する場合を除いて、送信アンテナおよび受信アンテナの全部があるいは一部が送受兼用という構成とすることができる。
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、たとえば以下のような変形例も含む。
(1)図1では、送信アンテナTx(1)〜Tx(M)の各々は、単一のアンテナとして記載されているが、送信アンテナTx(1)〜Tx(M)の各々自体がアレイアンテナとして構成される(よって、送信アンテナTx(m)がサブアアレイとして構成される)ものとしてもよい。
(2)各アンテナは固定のアンテナの場合もあれば、それぞれが移動体に備えられたアンテナとして構成されてもよい。
(3)実施の形態の説明では、波動として電波を用いるレーダ装置について述べたが、それ以外の波動、例えば超音波を用いるレーダ装置にも適用可能である。
Claims (7)
- 複数の送信アンテナの相互のビーム形成に係る特性である相対位置および相対透過位相の少なくとも一方を校正するレーダ装置であって、
決められた信号数の互いに直交する直交信号のいずれかをそれぞれが送信する、複数の前記送信アンテナと、複数の前記送信アンテナから、互いの特性を校正する複数の校正対象アンテナを選択する選択部と、互いに校正されて無い前記校正対象アンテナ同士に異なる前記直交信号を割り当てる割当部と、割り当てられた前記直交信号をそれぞれの前記校正対象アンテナから送信して受信アンテナで受信した受信信号を、前記直交信号毎の成分に分離する分離部と、前記成分間の相対的な振幅比および位相差を基に前記特性を算出して、前記校正対象アンテナ同士の校正を行う校正部とを備え、
前記選択部は、二以上の前記送信アンテナで構成された第1アンテナ群、および、一以上の前記送信アンテナで構成された第2アンテナ群のそれぞれから、一つ以上の前記送信アンテナを前記校正対象アンテナとして選択し、
前記第1アンテナ群は、相互に校正が行われた前記送信アンテナの全てによって構成され、
前記第2アンテナ群は、前記第1アンテナ群を構成する前記送信アンテナ以外の前記送信アンテナから構成された、
ことを特徴とするレーダ装置。 - 前記選択部は、前記第1アンテナ群から複数の前記送信アンテナを前記校正対象アンテナに選択することを特徴とする、請求項1に記載のレーダ装置。
- 複数の送信アンテナの相互のビーム形成に係る特性である相対位置および相対透過位相の少なくとも一方を校正するレーダ装置であって、
決められた信号数の互いに直交する直交信号のいずれかをそれぞれが送信する、複数の前記送信アンテナと、複数の前記送信アンテナから、互いの特性を校正する複数の校正対象アンテナを選択する選択部と、互いに校正されて無い前記校正対象アンテナ同士に異なる前記直交信号を割り当てる割当部と、割り当てられた前記直交信号をそれぞれの前記校正対象アンテナから送信して受信アンテナで受信した受信信号を、前記直交信号毎の成分に分離する分離部と、前記成分間の相対的な振幅比および位相差を基に前記特性を算出して、前記校正対象アンテナ同士の校正を行う校正部とを備え、
前記選択部は、二以上の前記送信アンテナで構成された第1アンテナ群、および、一以上の前記送信アンテナで構成された第2アンテナ群の少なくとも一方から、一つ以上の前記送信アンテナを前記校正対象アンテナとして選択し、
前記第1アンテナ群は、相互に校正が行われた前記送信アンテナの全てによって構成され、
前記第2アンテナ群は、前記第1アンテナ群を構成する前記送信アンテナ以外の前記送信アンテナから構成され、
前記選択部は、前記第1アンテナ群から一つの前記送信アンテナを前記校正対象アンテナに選択することを特徴とする、レーダ装置。 - 前記校正対象アンテナから送信された前記直交信号を反射する決められた目標の位置情報を格納情報として格納した格納部を備え、前記受信アンテナは、前記目標により反射された前記受信信号を受信し、前記校正部は、前記特性の算出に、さらに前記格納情報を用いることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載のレーダ装置。
- 前記格納部は、複数の前記位置情報を前記格納情報として格納し、前記受信アンテナは、前記格納情報における位置毎に存在する前記目標により反射された前記受信信号をそれぞれ受信し、前記分離部は、前記受信アンテナが前記目標の位置毎にそれぞれ受信した前記受信信号を前記成分に分離することを特徴とする、請求項4に記載のレーダ装置。
- 前記格納部は、移動目標である前記目標の時間経過による時間毎の複数の前記位置情報を前記格納情報として格納することを特徴とする、請求項5に記載のレーダ装置。
- 前記受信アンテナを複数備え、前記受信アンテナそれぞれに対応した前記分離部を備え、前記校正部は、それぞれの前記分離部で分離された同一の前記直交信号に対する各成分を合成した合成成分を前記成分とすることを特徴とする、請求項1から6のいずれか1項に記載のレーダ装置。
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