JP6671070B2 - 杭打ち治具 - Google Patents
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Description
従来、一端が開口した杭(単管を含む)を地面に打ち込むときには、開口部を覆うキャップをかぶせて当該キャップにハンマー等の打撃具により打撃力を負荷していていた。また、その他の方法として、例えば特許文献1には、杭の開口部に径が異なる円柱状部材を組み合わせた杭打ち治具を挿入して、杭を保持するとともに杭打ちを行う技術が開示されている。
また、特許文献1に記載の治具では、杭に過大な打撃力が負荷されやすく、杭の変形が起こりやすいという問題があった。
伝達部材により、打撃部材に負荷された打撃力をテーパー部により打撃方向から略円錐面の方向に拡張して伝達してから杭の開口端部に負荷するため、過大な打撃力が杭に負荷されることがない。伝達部材は打撃部材よりも軟質であるため、打撃部材に過大な打撃力が負荷された場合でも、打撃力を吸収することができる。このように、杭に過大な打撃力が伝達されることがないため、杭にふくれや座屈などの変形が生じることを防ぐことができる。係止部が円柱状に形成されているので、変形を生じにくいとともに、杭の開口端部に打撃力を確実に伝達させることができる。
位置決め部材を杭の開口した一端から挿入するだけで杭打ち治具の正確な位置決めを行うことができ、がたつきがなく、安定した杭打ち作業を行うことができる。また、杭が内側に変形するような応力が負荷されたときにも位置決め部材により杭の内側から支持して変形しないようにすることができる。
以上のように、耐久性が高く、杭が変形せずに杭打ち作業が可能である杭の杭打ち治具を提供することができる。
また、打撃部材が受けた打撃力が、打撃方向から略円錐面の方向に拡張して伝達してから杭の開口端部に負荷され、打撃方向に伝達して直接杭の開口端部に負荷されることがないため、過大な打撃力が杭に負荷されることがないので、杭にふくれや座屈などの変形が生じることを防ぐことができる。
請求項4に記載の発明では、請求項1に記載の杭打ち治具において、前記伝達部材の係止部は、外径が杭の外径と略同一に形成されている、という技術的手段を用いる。
伝達部材により、打撃部材に負荷された打撃力をテーパー部により打撃方向から略円錐面の方向に拡張して伝達してから杭の開口端部に負荷するため、過大な打撃力が杭に負荷されることがない。伝達部材は打撃部材よりも軟質であるため、打撃部材に過大な打撃力が負荷された場合でも、打撃力を吸収することができる。このように、杭に過大な打撃力が伝達されることがないため、杭にふくれや座屈などの変形が生じることを防ぐことができる。係止部が円柱状に形成されているので、変形を生じにくいとともに、杭の開口端部に打撃力を確実に伝達させることができる。
位置決め部材を杭の開口した一端から挿入するだけで杭打ち治具の正確な位置決めを行うことができ、がたつきがなく、安定した杭打ち作業を行うことができる。また、杭が内側に変形するような応力が負荷されたときにも位置決め部材により杭の内側から支持して変形しないようにすることができる。
以上のように、耐久性が高く、杭が変形せずに杭打ち作業が可能である杭の杭打ち治具を提供することができる。
また、他の部材と硬度が異なる打撃部材が圧入により伝達部材と結合されて一体的に形成されるので、杭打ち治具を簡単な工程で作製することができる。
請求項4に記載の発明によれば、係止部が杭の開口端部に係止する幅が狭すぎて十分な打撃力が杭に伝達されなかったり杭の端部が変形したりすることがない。また、係止する幅が広すぎて杭が係止部に食い込み係止部が変形することがない。これにより、杭や杭打ち治具の変形などの不具合が生じることなく、安定した杭打ち作業を行うことができる。
前記位置決め部材と打撃方向に同軸に連結され、ハンマー等の打撃具により打撃を加える打撃面を有し、前記打撃面に負荷された打撃力を杭に伝達する伝達部材と、を備え、前記伝達部材は、前記位置決め部材側で杭の開口端部に係止する外形が円柱状の係止部と、前記係止部と連続して形成され、前記位置決め部材の反対側に向かって外径が小さくなる略円錐面を有するテーパー部と、を備え、前記テーパー部の前記打撃面側には、硬度が高い領域である高硬度部が形成されており、前記打撃面は、外径が前記位置決め部材の外径と略同一となるように形成されている、という技術的手段を用いる。
できるので、効率的な杭打ち作業を行うことができる。また、打撃面が変形しにくいため打撃面を打撃方向に対して垂直な状態を保つことができるので、杭に対して打撃方向からずれた曲げ方向の応力が負荷されることがなく、杭の変形を防ぐことができる。
伝達部材により打撃力をテーパー部により打撃方向から略円錐面の方向に拡張して伝達してから杭の開口端部に負荷するため、過大な打撃力が杭に負荷されることがない。伝達部材は高硬度部以外の領域は高硬度部よりも軟質であるため、打撃面に過大な打撃力が負荷された場合でも、打撃力を吸収することができる。このように、杭に過大な打撃力が伝達されることがないため、杭にふくれや座屈などの変形が生じることを防ぐことができる。係止部が円柱状に形成されているので、変形を生じにくいとともに、杭の開口端部に打撃力を確実に伝達させることができる。
位置決め部材を杭の開口した一端から挿入するだけで杭打ち治具の正確な位置決めを行うことができ、がたつきがなく、安定した杭打ち作業を行うことができる。また、杭が内側に変形するような応力が負荷されたときにも位置決め部材により変形しないようにすることができる。
以上のように、耐久性が高く、杭が変形せずに、効率的な杭打ち作業可能である杭の杭打ち治具を提供することができる。
本発明に係る、一端が開口している杭を地面に打ち込むための杭打ち治具について、図1、2を参照して説明する。ここで、市販されている標準的な杭として、外径48.6mm 肉厚2.4mmの単管の一方の先端にコーン状の尖った部分が形成され、他端が開口している杭をハンマーで打撃する場合を例に説明する。ここで、図2においては杭打ち治具1の使用状況をわかりやすく説明するために杭Kの断面図を併記している。
特に、打撃部材10との境界部では位置決め部材30の外径D1と略同一となるように形成されているため、打撃部材10が受けた打撃力が、打撃方向Aから略円錐面22aの方向に拡張して伝達してから杭Kの開口端部K1に負荷され、打撃方向Aに伝達して直接杭Kの開口端部K1に負荷されることがないため、過大な打撃力が杭Kに負荷されることがない。
また、伝達部材20は打撃部材10よりも軟質であるため、打撃部材10に過大な打撃力が負荷された場合でも、打撃力を吸収することができる。このように、杭Kに過大な打撃力が伝達されることがないため、杭Kにふくれや座屈などの変形が生じることを防ぐことができる。
これにより、杭打ち治具1は、他の部材と硬度が異なる打撃部材10が圧入により伝達部材20と結合されることにより一体的に形成されるので、簡単な工程で作製することができる。なお、打撃部材10、伝達部材20及び位置決め部材30を一体形成して打撃部材10にのみ焼き入れ処理を行い、硬度を高くすることもできる。
本発明の杭打ち治具1によれば、上記の特徴ある構成を有するため、耐久性が高く、杭が変形せずに杭打ち作業が可能である杭の杭打ち治具とすることができる。
第1実施形態の杭打ち治具1において、打撃部材10を設けない構成とすることもできる。図4に示すように、杭打ち治具2は、杭Kの開口した一端から挿入可能で杭打ち治具の位置決めを行う位置決め部材50と、位置決め部材50と打撃方向に同軸に連結され、ハンマー等の打撃具により打撃を加える打撃面40aを有し、打撃具に負荷された打撃力を杭に伝達する伝達部材40と、を備えている。
・打撃部材10なし
・伝達部材20が円柱状:テーパー部22なし
・形状は比較例1に同じ
・伝達部材20に焼入れ処理
・第1実施形態の杭打ち治具1の構成のうち、テーパー部22と打撃部材10との境界部20aの外径が位置決め部材30の外径より小さい形状
・第1実施形態の杭打ち治具1の構成のうち、テーパー部22と打撃部材10との境界部20aの外径が位置決め部材30の外径より大きい形状
10…打撃部材
10a…打撃面
10b…凹部
20…伝達部材
20a…境界部
21…係止部
22…テーパー部
22a…略円錐面
30…位置決め部材
40…伝達部材
40a…打撃面
41…係止部
42…テーパー部
42a…略円錐面
43…高硬度部
50…位置決め部材
K…杭
K1…杭の開口端部
Claims (5)
- 一端が開口している杭を地面に打ち込むための杭打ち治具であって、
ハンマー等の打撃具により打撃を加える打撃部材と、
杭の一端から挿入可能で杭打ち治具の位置決めを行う位置決め部材と、
前記打撃部材と前記位置決め部材とを打撃方向に同軸に連結し、前記打撃部材に負荷された打撃力を杭に伝達する伝達部材と、を備え、
前記伝達部材は、
前記位置決め部材側で杭の開口端部に係止する外形が円柱状の係止部と、
前記係止部と連続して形成され、前記打撃部材に向かって外径が小さくなる略円錐面を有するテーパー部と、を備え、
前記打撃部材は、前記伝達部材との境界部よりも外径が大きい円板または円柱状に形成され、前記伝達部材より硬度が高く形成されており、
前記伝達部材のテーパー部は、前記打撃部材との境界部において前記位置決め部材の外径と略同一となるように形成されていることを特徴とする杭打ち治具。 - 前記伝達部材の係止部は、外径が杭の外径と略同一に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の杭打ち治具。
- 一端が開口している杭を地面に打ち込むための杭打ち治具であって、
ハンマー等の打撃具により打撃を加える打撃部材と、
杭の一端から挿入可能で杭打ち治具の位置決めを行う位置決め部材と、
前記打撃部材と前記位置決め部材とを打撃方向に同軸に連結し、前記打撃部材に負荷された打撃力を杭に伝達する伝達部材と、を備え、
前記伝達部材は、
前記位置決め部材側で杭の開口端部に係止する外形が円柱状の係止部と、
前記係止部と連続して形成され、前記打撃部材に向かって外径が小さくなる略円錐面を有するテーパー部と、を備え、
前記打撃部材は、前記伝達部材との境界部よりも外径が大きい円板または円柱状に形成され、前記伝達部材より硬度が高く形成されており、
前記打撃部材は打撃面に対向する面に前記伝達部材のテーパー部を圧入可能な凹部を備えており、当該凹部において前記伝達部材と結合されて一体的に形成されていることを特徴とする杭打ち治具。 - 前記伝達部材の係止部は、外径が杭の外径と略同一に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の杭打ち治具。
- 一端が開口している杭を地面に打ち込むための杭打ち治具であって、
杭の一端から挿入可能で杭打ち治具の位置決めを行う位置決め部材と、
前記位置決め部材と打撃方向に同軸に連結され、ハンマー等の打撃具により打撃を加える打撃面を有し、前記打撃面に負荷された打撃力を杭に伝達する伝達部材と、を備え、
前記伝達部材は、
前記位置決め部材側で杭の開口端部に係止する外形が円柱状の係止部と、
前記係止部と連続して形成され、前記位置決め部材の反対側に向かって外径が小さくなる略円錐面を有するテーパー部と、を備え、
前記テーパー部の前記打撃面側には、硬度が高い領域である高硬度部が形成されており、
前記打撃面は、外径が前記位置決め部材の外径と略同一となるように形成されていることを特徴とする杭打ち治具。
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