以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
本実施の形態では、アクセスポイントとは別に設けられた無線通信制御用センサが、通信端末からアクセスポイントに送信した接続要求信号(アソシエーション要求)を受信した場合に、この電波強度に基づいて通信端末とアクセスポイントとの接続の許可又は拒否を判断する。接続を拒否すると判断した場合、無線通信制御用センサはアクセスポイントへ拒否要求信号を送信する。アクセスポイントは、受信した拒否要求信号に基づいて、通信端末との接続を許可又は拒否する。
図1は、本実施の形態に係る無線通信制御システムの構成を示す模式図である。図1に示すように、無線通信制御システム100は、アクセスポイント120a,120bと、無線通信制御用センサ131a,131b,131c,131d,131e,131f,131g,131hとを備える。アクセスポイント120a,120bは、有線LAN等の有線ネットワーク4に接続され、相互に通信可能である。また、アクセスポイント120a,120bは、例えばIEEE802.11等の公知の無線規格(以下、「第1無線規格」という)による無線通信が可能である。かかるアクセスポイント120a,120bにより、無線LANが構成される。なお、図1では、2台のアクセスポイント120a,120bのみを図示しているが、3台以上のアクセスポイントが設けられていてもよい。
無線通信制御システム100は、1つの建物内に設置される。アクセスポイント120aは、当該建物内の1つの部屋4aに設置され、アクセスポイント120bは、部屋4aの隣の部屋4bに設置される。図1において、150aは通信に必要な電波強度でアクセスポイント120aからの電波が届くエリア(以下、「通信可能エリア」という)を示し、150bはアクセスポイント120bの通信可能エリアを示す。図1に示すように、アクセスポイント120a,120bの通信可能エリア150a,150bは、一部が互いに重なっている。
次に、アクセスポイント120a,120bの構成について説明する。図2は、アクセスポイントの構成を示すブロック図である。なお、アクセスポイント120a,120bの構成は同一であるので、ここではアクセスポイント120aの構成を代表して説明し、アクセスポイント120bの構成についての説明を省略する。図2に示すように、アクセスポイント120aは、第1通信部121と、第2通信部122と、有線通信部123と、制御部124とを備える。
第1通信部121は、上記の第1無線規格による無線通信を可能とする通信モジュールであり、無線通信用のアンテナ121aを有している。通信端末6(図1参照)は、第1通信部121との間で第1無線規格による無線通信を行うことができる。
上記のようなアクセスポイント120aの第1通信部121は、無線通信用の特定の周波数帯域(チャネル)に設定されている。これに対して、アクセスポイント120bの第1通信部121は、当該チャネルとは異なるチャネルに設定されている。このため、通信端末6は、アクセスポイント120aとの間で無線通信を行う場合、アクセスポイント120aと同一のチャネルを用いて無線通信を行い、アクセスポイント120bとの間で無線通信を行う場合、アクセスポイント120bと同一のチャネルを用いて無線通信を行う必要がある。
第2通信部122は、第1無線規格とは異なる公知の第2無線規格(例えばBluetooth(登録商標))による無線通信を可能とする通信モジュールであり、無線通信用のアンテナ122aを有している。無線通信制御用センサ131a〜131hは、第2通信部122との間で第2無線規格による無線通信を行うことができる。
有線通信部123は、有線ネットワーク4を介して、当該有線ネットワーク4に接続された他の機器(図1の場合はアクセスポイント120b)との間で通信を行うことができる。
制御部124は、マイクロプロセッサ、メモリ等を備えており、第1通信部121、第2通信部122、及び有線通信部123による通信を制御する。また、制御部124は、通信端末6の接続要求に対して、接続の許可又は拒否を決定する。
再び図1を参照する。アクセスポイント120aが設置された部屋4aには、無線通信制御用センサ131a〜131dが設置され、アクセスポイント120bが設置された部屋4bには、無線通信制御用センサ131e〜131hが設置される。アクセスポイント120aの通信可能エリア150aは部屋4aの全体を含んでおり、アクセスポイント120bの通信可能エリア150bは部屋4bの全体を含んでいる。つまり、部屋4aの中のどのような位置に通信端末6が配置されても、この通信端末6はアクセスポイント120aとの間で無線通信が可能である。同様に、部屋4bの中のどのような位置に通信端末6が配置されても、この通信端末6はアクセスポイント120bとの間で無線通信が可能である。
ここで、通信端末6とアクセスポイント120aとの接続を許可するエリア(接続許可エリア)50aは、部屋4aの内部とし、アクセスポイント120bの接続許可エリア50bは、部屋4bの内部とする。つまり、通信端末6が部屋4aの内部にある場合、この通信端末6はアクセスポイント120aに接続されるべきものである。同様に、通信端末6が部屋4bの内部にある場合、この通信端末6はアクセスポイント120bに接続されるべきものである。このように、アクセスポイント120aの接続許可エリア50aは、アクセスポイント120aの通信可能エリア150aの一部分であり、アクセスポイント120bの接続許可エリア50bは、アクセスポイント120bの通信可能エリア150bの一部分である。その上、接続許可エリア50aと接続許可エリア50bとは互いに重複しない。
無線通信制御用センサ131a〜131dは、接続許可エリア50aにある通信端末6をアクセスポイント120aに接続させるために用いられ、無線通信制御用センサ131e〜131hは、接続許可エリア50bにある通信端末6をアクセスポイント120bに接続させるために用いられる。換言すれば、無線通信制御用センサ131a〜131dは、接続許可エリア50aを規定するためのものであり、無線通信制御用センサ131e〜131hは、接続許可エリア50bを規定するためのものである。本実施の形態では、無線通信制御用センサ131a〜131dは接続許可エリア50a内に配置され、無線通信制御用センサ131e〜131hは接続許可エリア50b内に配置される。なお、無線通信制御用センサ131a〜131dは、接続許可エリア50aにある通信端末6をアクセスポイント120aに接続させることができれば、接続許可エリア50aの内部に配置されていなくてもよく、無線通信制御用センサ131e〜131hは、接続許可エリア50bにある通信端末6をアクセスポイント120bに接続させることができれば、接続許可エリア50bの内部に配置されていなくてもよい。
次に、無線通信制御用センサ131a〜131hの構成について説明する。図3は、無線通信制御用センサの構成を示すブロック図である。なお、無線通信制御用センサ131a〜131hの構成は同一であるので、ここでは無線通信制御用センサ131aの構成を代表して説明し、無線通信制御用センサ131b〜131hの構成についての説明を省略する。図3に示すように、無線通信制御用センサ131aは、検出部133と、センサ側通信部134と、制御部135とを備える。
検出部133は、上記の第1無線規格による無線通信を可能とする通信モジュールであり、無線通信用のアンテナ133aを有している。検出部133は、第1無線規格にしたがって通信端末6から送信された無線信号を受信することで、当該無線信号を検出できる。また、検出部133は、通信端末6から送信された無線信号を検出部133が受信したときの電波の受信強度(電波強度)を検出できる。例えば、通信端末6と無線通信制御用センサ131aとの間の距離が大きかったり、通信端末6と無線通信制御用センサ131aとの間にコンクリート製の壁等が存在したりすると、通信端末6から送信された無線信号が減衰され、電波強度は小さくなる。つまり、電波強度が大きいほど、検出部133と通信端末6との通信状態は良好であるといえる。
センサ側通信部134は、第2無線規格による無線通信を可能とする通信モジュールであり、無線通信用のアンテナ134aを有している。これにより、無線通信制御用センサ131aは、第2無線規格によってアクセスポイント120aとの間で無線通信を行うことができる。
制御部135は、マイクロプロセッサ、メモリ等を備えており、検出部133を制御し、検出部によって検出された無線信号に基づいて所定の処理を実行する。また、制御部135は、センサ側通信部134による通信を制御する。
かかる無線通信制御用センサ131aは、同じ部屋4aに設置されているアクセスポイント120a(図1参照)との間で、第2無線規格による無線通信の接続(ペアリング)が予め行われる。同様に、無線通信制御用センサ131b〜131dは、アクセスポイント120aとの間で予めペアリングされる。これにより、無線通信制御用センサ131a〜131dは、アクセスポイント120aとの間で第2無線規格による無線通信を行うことが可能であり、アクセスポイント120bとの間で無線通信を行うことはできない。これに対して、無線通信制御用センサ131e〜131hは、アクセスポイント120bとの間で予めペアリングされる。これにより、無線通信制御用センサ131e〜131hは、アクセスポイント120bとの間で第2無線規格による無線通信を行うことが可能であり、アクセスポイント120aとの間で無線通信を行うことはできない。このように、無線通信制御用センサ131a〜131dはアクセスポイント120aに対応しており、無線通信制御用センサ131e〜131hはアクセスポイント120bに対応している。
次に、本実施の形態に係る無線通信制御システム100の動作について説明する。図4は、本実施の形態に係る無線通信制御システム100の動作の手順を示すフローチャートである。なお、図4のフローチャートの説明においては、アクセスポイント120a,120bをアクセスポイント120とし、無線通信制御用センサ131b〜131hを無線通信制御用センサ131とし、接続許可エリア50a,50bを接続許可エリア50として説明する。
通信端末6は、無線LANによる第1無線規格での無線通信を開始する場合、アクセスポイント120から送信されるビーコンの電波強度等によって接続に適したアクセスポイント120を探索し、接続対象のアクセスポイント120を決定した後、そのアクセスポイント120に対して接続要求信号(アソシエーション要求)を送信する。ここで通信端末6は、接続対象とするアクセスポイント120において設定されているチャネルを使用してアソシエーション要求を送信する。
通信端末6から送信されたアソシエーション要求は、接続対象とされたアクセスポイント120によって受信される(ステップS101)。また、接続対象のアクセスポイント120に対応する無線通信制御用センサ131における検出部133は、当該アソシエーション要求を検出する(ステップS102)。
接続対象のアクセスポイント120に対応する無線通信制御用センサ131の制御部135は、検出されたアソシエーション要求に基づいて、アクセスポイント120と通信端末6との接続を拒否すべきか否かを判定する(ステップS103)。ここで、ステップS103における判定基準について説明する。通信端末6が接続対象のアクセスポイント120の接続許可エリア50の内部にあるとき、その接続許可エリア50の内部にある無線通信制御用センサ131では、アソシエーション要求がある程度より大きい電波強度で検出される。つまり、アソシエーション要求の電波強度がある程度以下であれば、通信端末6が接続許可エリア50の外側にあると推定できる。このため、ステップS103では、アソシエーション要求の電波強度と予め設定された基準値とを比較し、アソシエーション要求の電波強度が基準値以下である場合に、接続を拒否すべきと判定することができる。
また、アソシエーション要求の電波強度を固定された基準値と比較する構成には限られない。無線通信制御用センサ131が、これに対応するアクセスポイント120から送信された第1無線規格による無線信号(以下、「比較用信号」という)を検出し、制御部124が、この比較用信号の電波強度と、通信端末6から送信されたアソシエーション要求の電波強度とを比較する構成とすることもできる。この場合、比較用信号の電波強度を基準値とし、通信端末6から送信されたアソシエーション要求の電波強度と基準値とを比較して、アソシエーション要求の電波強度が基準値以下の場合に、接続を拒否すべきと判定することができる。
ステップS103において、アクセスポイント120と通信端末6との接続を拒否すべきではない、即ち、接続を許可すべきと判定した場合には(ステップS103においてNO)、制御部135は処理を終了する。他方、接続を拒否すべきと判定した場合(ステップS103においてYES)、制御部135は、通信端末6との接続の拒否を要求する拒否要求信号を、センサ側通信部134に送信させ(ステップS104)、処理を終了する。
無線通信制御用センサ131から拒否要求信号が送信された場合、この拒否要求信号をアクセスポイント120の第2通信部122が受信する(ステップS105においてYES)。他方、無線通信制御用センサ131から拒否要求信号が送信されない場合、アクセスポイント120の第2通信部122は拒否要求信号を受信しない(ステップS105においてNO)。ステップS105では、制御部124が所定期間待機し、この期間に拒否要求信号を受信する。当該期間中に拒否要求信号を受信しない場合、制御部124は、期間経過後に拒否要求信号を受信したとしても、拒否要求信号を受信しなかったものとする。
アクセスポイント120の制御部124は、受信された拒否要求信号に基づいて、通信端末6との接続を拒否するか否かを判定する(ステップS106)。ここで、ステップS106における判定基準について説明する。通信端末6が接続対象のアクセスポイント120の接続許可エリア50の外側にあるとき、接続許可エリア50の内部にある無線通信制御用センサ131から拒否要求信号が送信される可能性が高い。例えば、接続対象のアクセスポイント120が設置されている部屋の隣の部屋に通信端末6がある場合、接続対象のアクセスポイント120に対応する無線通信制御用センサ131のうちの複数から拒否要求信号が送信されることが考えられる。このように、拒否要求信号を送信した無線通信制御用センサ131が多ければ、通信端末6が接続許可エリア50の外側にあると推定できる。このため、ステップS106では、拒否要求信号を送信した無線通信制御用センサ131の数と予め設定された基準値とを比較し、拒否要求信号を送信した無線通信制御用センサ131の数が基準値以上である場合に、通信端末6との接続を拒否すると判定することができる。
ステップS106において、通信端末6との接続を拒否しない、即ち、接続を許可すると判定した場合には(ステップS106においてNO)、制御部124は、接続を許可する応答信号(以下、「許可応答」という)を第1通信部121に送信させ(ステップS107)、処理を終了する。これにより、通信端末6と接続対象のアクセスポイント120との接続が確立される。他方、通信端末6との接続を拒否すると判定した場合(ステップS106においてYES)、制御部124は、接続を拒否する応答信号(以下、「拒否応答」という)を第1通信部121に送信させ(ステップS108)、処理を終了する。これにより、通信端末6と接続対象のアクセスポイント120との接続が失敗する。
次に、具体例を用いて通信端末6との接続を許可する場合の本実施の形態に係る無線通信制御システム100の動作を説明する。図5は、接続許可エリア50a,50bに対する通信端末6の位置の一例を示す模式図であり、図6は、この例における無線通信制御システム100の動作の流れを示すシーケンス図である。以下の例では、通信端末6の接続対象をアクセスポイント120aとする。図5に示す例において、通信端末6は接続対象のアクセスポイント120aの接続許可エリア50aの内部にある。
まず、通信端末6は接続対象のアクセスポイント120aに設定されたチャネルを用いてアソシエーション要求(図6では「ASReq」)を送信する(ステップS111〜S115)。このアソシエーション要求は、アクセスポイント120aの第1通信部121によって受信され、また、アクセスポイント120aに対応する無線通信制御用センサ131a〜131dの検出部133によって検出される。
各無線通信制御用センサ131a〜131dの制御部135が、アソシエーション要求の電波強度に基づいてアクセスポイント120aと通信端末6との接続を拒否すべきか否かを判定する(ステップS116〜119)。図5において、6aは、通信端末6から送信された無線信号が、予め設定された基準値より大きい電波強度(つまり、通信端末6との接続が許可される電波強度)で届くエリア(以下、「端末側エリア」という)を示している。図5に示すように、無線通信制御用センサ131a〜131dの全てが、端末側エリア6aの内部にある。このため、各無線通信制御用センサ131a〜131dの検出部133によって検出されたアソシエーション要求の電波強度は、基準値よりも大きい。したがって、各無線通信制御用センサ131a〜131dの制御部135は、接続を許可すべきと判定し、拒否要求信号を送信することなく、処理を終了する。
ここで、通信端末6との接続を拒否するための判定基準を、2つ以上の無線通信制御用センサから拒否要求信号を受信することとする。本例の場合、アクセスポイント120aの制御部124は、拒否要求信号を1つも受信しなかったため、通信端末6との接続を許可すると判定する(ステップS120)。これにより、アクセスポイント120aの第1通信部121は、許可応答を通信端末6に送信し(ステップS121)、通信端末6と接続対象のアクセスポイント120aとの接続が確立する(ステップS122)。
次に、具体例を用いて通信端末6との接続を拒否する場合の本実施の形態に係る無線通信制御システム100の動作を説明する。図7は、接続許可エリア50a,50bに対する通信端末6の位置の他の例を示す模式図であり、図8は、この例における無線通信制御システム100の動作の流れを示すシーケンス図である。この例では、通信端末6が接続対象のアクセスポイント120aが設置された部屋4aの隣の部屋4bにある。
通信端末6は接続対象のアクセスポイント120aに設定されたチャネルを用いてアソシエーション要求を送信する(ステップS131〜S135)。このアソシエーション要求は、アクセスポイント120aの第1通信部121によって受信され、また、アクセスポイント120aに対応する無線通信制御用センサ131a〜131dの検出部133によって検出される。
各無線通信制御用センサ131a〜131dの制御部135が、アソシエーション要求の電波強度に基づいてアクセスポイント120aと通信端末6との接続を拒否すべきか否かを判定する(ステップS136〜139)。図7に示す例では、無線通信制御用センサ131c,131dが端末側エリア6aの内部にあり、無線通信制御用センサ131a,131bが端末側エリア6aの外側にある。このため、無線通信制御用センサ131c及び131dの検出部133によって検出されたアソシエーション要求の電波強度は、基準値よりも大きいが、無線通信制御用センサ131a及び131bの検出部133によって検出されたアソシエーション要求の電波強度は、基準値以下である。したがって、無線通信制御用センサ131c及び131dの制御部135は、接続を許可すべきと判定し、拒否要求信号を送信することなく、処理を終了する。他方、無線通信制御用センサ131a及び131bの制御部135は、接続を拒否すべきと判定し、拒否要求信号(図8では「拒否要求」)を送信して(ステップS140〜S141)、処理を終了する。
アクセスポイント120aの制御部124は、2つの無線通信制御用センサ131a及び131bから拒否要求信号を受信している。したがって、制御部124は、通信端末6との接続を拒否すると判定する(ステップS142)。これにより、アクセスポイント120aの第1通信部121は、拒否応答を通信端末6に送信し(ステップS143)、通信端末6と接続対象のアクセスポイント120aとの接続が失敗する。
以上のように、アクセスポイント120a,120bとは別の位置に無線通信制御用センサ131a〜131hを配置することで、アクセスポイント120a,120bの接続許可エリア50a,50bを設定できる。また、無線通信制御用センサのレイアウトにより、様々な形状及び大きさの接続許可エリアを形成でき、接続許可エリアの設計の自由度が高い。
(実施の形態2)
本実施の形態では、受信したアソシエーション要求の送信元の無線通信制御用センサの数をアクセスポイント毎に計数し、各アクセスポイントにおける計数結果を比較して、通信端末との接続の許可又は拒否を判定する。
本実施の形態に係る無線通信制御システムの構成は、実施の形態1に係る無線通信制御システム100の構成と同様であるので、同一構成要素については同一符号を付し、その説明を省略する。
本実施の形態に係る無線通信制御システムの動作について説明する。図9は、本実施の形態に係る無線通信制御システムの動作の手順を示すフローチャートである。
通信端末6は、接続対象とされるアクセスポイント120において設定されているチャネルを使用してアソシエーション要求を送信する。通信端末6から送信されたアソシエーション要求は、接続対象とされたアクセスポイント120によって受信される(ステップS201)。なお、接続対象とされないアクセスポイント120は、接続対象とされたアクセスポイント120と使用するチャネルが異なるため、アソシエーション要求を受信しない。
また、接続対象のアクセスポイント120に対応する無線通信制御用センサ131における検出部133は、当該アソシエーション要求を検出する。同様に、接続対象ではないアクセスポイント120に対応する無線通信制御用センサ131における検出部133も、当該アソシエーション要求を検出する。各無線通信制御用センサ131の制御部135は、検出されたアソシエーション要求に基づいて、アクセスポイント120と通信端末6との接続を拒否すべきか否かを判定する。接続を拒否すべきと判定した場合、無線通信制御用センサ131は、対応するアクセスポイント120へ拒否要求信号を送信する。つまり、接続対象のアクセスポイント120に対応する無線通信制御用センサ131は、接続対象のアクセスポイント120へ拒否要求信号を送信し、接続対象ではないアクセスポイント120に対応する無線通信制御用センサ131は、当該接続対象ではないアクセスポイント120へ拒否要求信号を送信する。
接続対象のアクセスポイント120に対応する無線通信制御用センサ131が拒否要求信号を送信すると、接続対象のアクセスポイント120の第2通信部122がこの拒否要求信号を受信する(ステップS202)。他方、接続対象ではないアクセスポイント120に対応する無線通信制御用センサ131が拒否要求信号を送信すると、当該接続対象ではないアクセスポイント120の第2通信部122がこの拒否要求信号を受信する(ステップS203)。ステップS202,S203では、各アクセスポイント120の制御部124が所定期間待機し、この期間に拒否要求信号を受信する。当該期間中に拒否要求信号を受信しない場合、制御部124は、期間経過後に拒否要求信号を受信したとしても、拒否要求信号を受信しなかったものとする。各アクセスポイント120の制御部124は、受信された拒否要求信号の送信元の無線通信制御用センサの数(以下、「センサ数」という)を計数する(ステップS204、S205)。
接続対象ではないアクセスポイント120の制御部124は、センサ数の計数結果を示すセンサ数情報を、接続対象のアクセスポイント120へ有線通信部123に送信させる(ステップS206)。接続対象のアクセスポイント120の有線通信部123は、当該センサ数情報を受信する(ステップS207)。
接続対象のアクセスポイント120の制御部124は、接続対象のアクセスポイント120におけるセンサ数の計数結果と、接続対象ではないアクセスポイント120におけるセンサ数の計数結果とを比較する(ステップS208)。接続対象のアクセスポイント120におけるセンサ数が、接続対象ではないアクセスポイント120におけるセンサ数より大きい場合(ステップS208においてYES)、制御部124は、許可応答を第1通信部121に送信させ(ステップS209)、処理を終了する。これにより、通信端末6と接続対象のアクセスポイント120との接続が確立される。他方、接続対象のアクセスポイント120におけるセンサ数が、接続対象ではないアクセスポイント120におけるセンサ数以下である場合(ステップS208においてNO)、接続対象のアクセスポイント120の制御部124は、拒否応答を第1通信部121に送信させ(ステップS210)、処理を終了する。これにより、通信端末6と接続対象のアクセスポイント120との接続が失敗する。
次に、具体例を用いて通信端末6との接続を許可する場合の本実施の形態に係る無線通信制御システムの動作を説明する。図10A及び図10Bは、図5に示す例における無線通信制御システムの動作の流れを示すシーケンス図である。
まず、通信端末6は接続対象のアクセスポイント120aに設定されたチャネルを用いてアソシエーション要求を送信する(ステップS211〜S219)。このアソシエーション要求は、アクセスポイント120aの第1通信部121によって受信されるが、アクセスポイント120bの第1通信部121によっては受信されない。また、アソシエーション要求は、アクセスポイント120a及び120bに対応する無線通信制御用センサ131a〜131hの検出部133によって検出される。
各無線通信制御用センサ131a〜131hの制御部135が、アソシエーション要求の電波強度に基づいて、対応するアクセスポイント120a,120bと通信端末6との接続を拒否すべきか否かを判定する(ステップS220〜S227)。端末側エリア6a内にある無線通信制御用センサ131a〜131fの制御部135は、接続を許可すべきと判定し、拒否要求信号を送信することなく、処理を終了する。端末側エリア6aの外側にある無線通信制御用センサ131g〜131hの制御部135は、接続を拒否すべきと判定し、拒否要求信号を送信して(ステップS228〜S229)、処理を終了する。
アクセスポイント120a及び120bのそれぞれの制御部124は、受信した拒否要求信号の送信元の無線通信制御用センサの数を計数する(ステップS230,S231)。接続対象ではないアクセスポイント120bの制御部124は、計数結果を示すセンサ数情報をアクセスポイント120aへ送信し(ステップS232)、処理を終了する。
接続対象のアクセスポイント120aは、センサ数情報を受信し、アクセスポイント120aにおけるセンサ数と、アクセスポイント120bにおけるセンサ数とを比較して、接続を拒否するか否かを判定する(ステップS233)。ここでは、接続対象のアクセスポイント120aにおけるセンサ数(0)が、接続対象ではないアクセスポイント120bにおけるセンサ数(2)以下であるため、制御部124は、接続を許可すると判定する。これにより、アクセスポイント120aの第1通信部121は、許可応答を通信端末6に送信し(ステップS234)、通信端末6と接続対象のアクセスポイント120との接続が確立する(ステップS235)。
次に、具体例を用いて通信端末6との接続を拒否する場合の本実施の形態に係る無線通信制御システム100の動作を説明する。図11A及び図11Bは、図7に示す例における無線通信制御システム100の動作の流れを示すシーケンス図である。
通信端末6は接続対象のアクセスポイント120aに設定されたチャネルを用いてアソシエーション要求を送信する(ステップS241〜S249)。このアソシエーション要求は、アクセスポイント120aの第1通信部121によって受信されるが、アクセスポイント120bの第1通信部121によっては受信されない。また、アソシエーション要求は、アクセスポイント120a及び120bに対応する無線通信制御用センサ131a〜131hの検出部133によって検出される。
各無線通信制御用センサ131a〜131hの制御部135が、アソシエーション要求の電波強度に基づいて、対応するアクセスポイント120a,120bと通信端末6との接続を拒否すべきか否かを判定する(ステップS250〜S257)。端末側エリア6a内にある無線通信制御用センサ131c〜131f,131hの制御部135は、接続を許可すべきと判定し、拒否要求信号を送信することなく、処理を終了する。端末側エリア6aの外側にある無線通信制御用センサ131a,131b,131gの制御部135は、接続を拒否すべきと判定し、拒否要求信号を送信して(ステップS258〜S260)、処理を終了する。
アクセスポイント120a及び120bのそれぞれの制御部124は、受信した拒否要求信号の送信元の無線通信制御用センサの数を計数する(ステップS261,S262)。接続対象ではないアクセスポイント120bの制御部124は、計数結果を示すセンサ数情報をアクセスポイント120aへ送信し(ステップS263)、処理を終了する。
接続対象のアクセスポイント120aは、センサ数情報を受信し、アクセスポイント120aにおけるセンサ数と、アクセスポイント120bにおけるセンサ数とを比較して、接続を拒否するか否かを判定する(ステップS264)。ここでは、接続対象のアクセスポイント120aにおけるセンサ数(2)が、接続対象ではないアクセスポイント120bにおけるセンサ数(1)よりも多いため、制御部124は、接続を拒否すると判定する。これにより、アクセスポイント120aの第1通信部121は、拒否応答を通信端末6に送信し(ステップS265)、通信端末6と接続対象のアクセスポイント120との接続が失敗する。
アクセスポイント120aとの接続に失敗した通信端末6は、接続対象としてアクセスポイント120a以外のアクセスポイントを探索し、新たな接続対象のアクセスポイント(例えば、アクセスポイント120b)に対してアソシエーション要求を送信する。これにより、上記と同様にして通信端末6との接続の可否が判定され、適切なアクセスポイント120bと通信端末6との接続が確立する。本実施の形態に係る無線通信制御システムでは、このように複数のアクセスポイント間で通信端末の接続可否の調整を行うことができ、通信端末がどのアクセスポイントの接続許可エリア内にあるかをより正確に判定できる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、無線通信制御用センサが、通信端末からアクセスポイントに送信したアソシエーション要求を受信した場合に、この電波強度を示す強度信号を拒否要求信号の代わりにアクセスポイントに送信する。接続対象とされたアクセスポイントは、無線通信制御用センサにおけるアソシエーション要求の電波強度に基づき、通信端末との接続の許可又は拒否を判断する。
本実施の形態に係る無線通信制御システムの構成は、実施の形態1に係る無線通信制御システム100の構成と同様であるので、同一構成要素については同一符号を付し、その説明を省略する。
本実施の形態に係る無線通信制御システムの動作について説明する。図12は、本実施の形態に係る無線通信制御システムの動作の手順を示すフローチャートである。
通信端末6は、接続対象とされるアクセスポイント120において設定されているチャネルを使用してアソシエーション要求を送信する。通信端末6から送信されたアソシエーション要求は、接続対象とされたアクセスポイント120によって受信される(ステップS301)。また、接続対象のアクセスポイント120に対応する無線通信制御用センサ131における検出部133は、当該アソシエーション要求を検出する(ステップS302)。
接続対象のアクセスポイント120に対応する無線通信制御用センサ131の制御部135は、検出されたアソシエーション要求の電波強度を示す強度信号をセンサ側通信部134に送信させ(ステップS303)、処理を終了する。
無線通信制御用センサ131から強度信号が送信されると、この強度信号をアクセスポイント120の第2通信部122が受信する(ステップS304)。アクセスポイント120の制御部124は、受信された強度信号に基づいて、通信端末6との接続を拒否するか否かを判定する(ステップS305)。ここで、ステップS305における判定基準について説明する。通信端末6が接続対象のアクセスポイント120の接続許可エリア50の内部にあるとき、その接続許可エリア50の内部にある無線通信制御用センサ131では、アソシエーション要求がある程度以上の電波強度で検出される。このため、ステップS305では、無線通信制御用センサ131毎に、アソシエーション要求の電波強度と予め設定された基準値とを比較し、所定の基準数以上の無線通信制御用センサ131において、アソシエーション要求の電波強度が基準値以下である場合に、接続を拒否すべきと判定することができる。
また、アソシエーション要求の電波強度を固定された基準値と比較する構成には限られない。無線通信制御用センサ131が、これに対応するアクセスポイント120から送信された第1無線規格による比較用信号を検出し、制御部124が、この比較用信号の電波強度と、通信端末6から送信されたアソシエーション要求の電波強度とを比較する構成とすることもできる。例えば、無線通信制御用センサ131が、比較用信号の電波強度と、通信端末6から送信されたアソシエーション要求の電波強度との両方を含む強度信号を送信する。強度信号を受信したアクセスポイント120が、無線通信制御用センサ131毎に、比較用信号の電波強度を基準値とし、アソシエーション要求の電波強度と基準値とを比較して、所定の基準数以上の無線通信制御用センサ131において、アソシエーション要求の電波強度が基準値以下である場合に、接続を拒否すべきと判定することができる。
ステップS305において、通信端末6との接続を拒否しない、即ち、接続を許可すると判定した場合には(ステップS305においてNO)、制御部124は、許可応答を第1通信部121に送信させ(ステップS306)、処理を終了する。これにより、通信端末6と接続対象のアクセスポイント120との接続が確立される。他方、通信端末6との接続を拒否すると判定した場合(ステップS305においてYES)、制御部124は、拒否応答を第1通信部121に送信させ(ステップS307)、処理を終了する。これにより、通信端末6と接続対象のアクセスポイント120との接続が失敗する。
次に、具体例を用いて通信端末6との接続を許可する場合の本実施の形態に係る無線通信制御システム100の動作を説明する。図13は、図5に示す例における無線通信制御システム100の動作の流れを示すシーケンス図である。
まず、通信端末6は接続対象のアクセスポイント120aに設定されたチャネルを用いてアソシエーション要求を送信する(ステップS311〜S315)。このアソシエーション要求は、アクセスポイント120aの第1通信部121によって受信され、また、アクセスポイント120aに対応する無線通信制御用センサ131a〜131dの検出部133によって検出される。
各無線通信制御用センサ131a〜131dの制御部135が、受信されたアソシエーション要求の電波強度を示す強度信号を、アクセスポイント120aへ送信する(ステップS316〜S319)。
アクセスポイント120aの制御部124は、受信した強度信号に基づいて、通信端末6との接続を拒否するか否かを判定する(ステップS320)。ここで、通信端末6との接続を拒否するための判定基準を、2つ以上の無線通信制御用センサにおいて、アソシエーション要求の電波強度が基準値以下であることとする。この例では、無線通信制御用センサ131a〜131dの全てが、端末側エリア6aの内部にある(図5参照)。このため、各無線通信制御用センサ131a〜131dの検出部133によって検出されたアソシエーション要求の電波強度は、基準値よりも大きい。そこで、アクセスポイント120aの制御部124は、通信端末6との接続を許可すると判定する。これにより、アクセスポイント120aの第1通信部121は、許可応答を通信端末6に送信し(ステップS321)、通信端末6と接続対象のアクセスポイント120との接続が確立する(ステップS322)。
次に、具体例を用いて通信端末6との接続を拒否する場合の本実施の形態に係る無線通信制御システムの動作を説明する。図14は、図7に示す例における無線通信制御システム100の動作の流れを示すシーケンス図である。
ステップS331〜S339の動作は、ステップS311〜S319の動作と同様であるので、説明を省略する。
アクセスポイント120aの制御部124は、受信した強度信号に基づいて、通信端末6との接続を拒否するか否かを判定する(ステップS340)。この例では、無線通信制御用センサ131c,131dが端末側エリア6aの内部にあり、無線通信制御用センサ131a,131bが端末側エリア6aの外側にある(図7参照)。このため、無線通信制御用センサ131c及び131dの検出部133によって検出されたアソシエーション要求の電波強度は、基準値よりも大きいが、無線通信制御用センサ131a及び131bの検出部133によって検出されたアソシエーション要求の電波強度は、基準値以下である。つまり、2つ以上の無線通信制御用センサにおいて、アソシエーション要求の電波強度が基準値以下である。そこで、アクセスポイント120aの制御部124は、通信端末6との接続を拒否すると判定する。これにより、アクセスポイント120aの第1通信部121は、拒否応答を通信端末6に送信し(ステップS341)、通信端末6と接続対象のアクセスポイント120との接続が失敗する。
以上のような構成により、無線通信制御用センサ131a〜131dはアソシエーション要求の電波強度に応じた強度信号を送信すればよく、拒否要求信号を送信するか否かを判定する機能を省略できる。このため、無線通信制御用センサ131a〜131dの構成を簡易なものとすることができる。
(実施の形態4)
本実施の形態では、各アクセスポイントが、対応する無線通信制御用センサのうち、アソシエーション要求の電波強度が所定の基準値以下である無線通信制御用センサの数を計数する。接続対象とされたアクセスポイントは、各アクセスポイントにおける計数結果を比較して、通信端末との接続の許可又は拒否を判定する。
本実施の形態に係る無線通信制御システムの構成は、実施の形態1に係る無線通信制御システム100の構成と同様であるので、同一構成要素については同一符号を付し、その説明を省略する。
本実施の形態に係る無線通信制御システムの動作について説明する。図15は、本実施の形態に係る無線通信制御システムの動作の手順を示すフローチャートである。
通信端末6は、接続対象とされるアクセスポイント120において設定されているチャネルを使用してアソシエーション要求を送信する。通信端末6から送信されたアソシエーション要求は、接続対象とされたアクセスポイント120によって受信される(ステップS401)。なお、接続対象とされないアクセスポイント120は、接続対象とされたアクセスポイント120と使用するチャネルが異なるため、アソシエーション要求を受信しない。
また、接続対象のアクセスポイント120に対応する無線通信制御用センサ131における検出部133は、当該アソシエーション要求を検出する。同様に、接続対象ではないアクセスポイント120に対応する無線通信制御用センサ131における検出部133も、当該アソシエーション要求を検出する。各無線通信制御用センサ131は、検出されたアソシエーション要求の電波強度を示す強度信号を対応するアクセスポイント120へ送信する。つまり、接続対象のアクセスポイント120に対応する無線通信制御用センサ131は、接続対象のアクセスポイント120へ強度信号を送信し、接続対象ではないアクセスポイント120に対応する無線通信制御用センサ131は、当該接続対象ではないアクセスポイント120へ強度信号を送信する。
接続対象のアクセスポイント120に対応する無線通信制御用センサ131が強度信号を送信すると、接続対象のアクセスポイント120の第2通信部122がこの強度信号を受信する(ステップS402)。他方、接続対象ではないアクセスポイント120に対応する無線通信制御用センサ131が強度信号を送信すると、当該接続対象ではないアクセスポイント120の第2通信部122がこの強度信号を受信する(ステップS403)。各アクセスポイント120の制御部124は、受信された強度信号に基づき、対応する無線通信制御用センサ131のうち、受信したアソシエーション要求の電波強度が基準値以下である無線通信制御用センサ131の数(以下、「センサ数」という)を計数する(ステップS404、S405)。
接続対象ではないアクセスポイント120の制御部124は、センサ数の計数結果を示すセンサ数情報を有線通信部123に送信させる(ステップS406)。接続対象のアクセスポイント120の有線通信部123は、当該センサ数情報を受信する(ステップS407)。
接続対象のアクセスポイント120の制御部124は、接続対象のアクセスポイント120におけるセンサ数の計数結果と、接続対象ではないアクセスポイント120におけるセンサ数の計数結果とを比較する(ステップS408)。接続対象のアクセスポイント120におけるセンサ数が、接続対象ではないアクセスポイント120におけるセンサ数より大きい場合(ステップS408においてYES)、制御部124は、許可応答を第1通信部121に送信させ(ステップS409)、処理を終了する。これにより、通信端末6と接続対象のアクセスポイント120との接続が確立される。他方、接続対象のアクセスポイント120におけるセンサ数が、接続対象ではないアクセスポイント120におけるセンサ数以下である場合(ステップS408においてNO)、接続対象のアクセスポイント120の制御部124は、拒否応答を第1通信部121に送信させ(ステップS410)、処理を終了する。これにより、通信端末6と接続対象のアクセスポイント120との接続が失敗する。
次に、具体例を用いて通信端末6との接続を許可する場合の本実施の形態に係る無線通信制御システムの動作を説明する。図16A及び図16Bは、図5に示す例における無線通信制御システムの動作の流れを示すシーケンス図である。
まず、通信端末6は接続対象のアクセスポイント120aに設定されたチャネルを用いてアソシエーション要求を送信する(ステップS411〜S419)。このアソシエーション要求は、アクセスポイント120aの第1通信部121によって受信されるが、アクセスポイント120bの第1通信部121によっては受信されない。また、アソシエーション要求は、アクセスポイント120a及び120bに対応する無線通信制御用センサ131a〜131hの検出部133によって検出される。
無線通信制御用センサ131a〜131dは、検出されたアソシエーション要求の電波強度を示す強度信号をアクセスポイント120aへと送信する(ステップS420〜S423)。同様に、無線通信制御用センサ131e〜131hは、強度信号をアクセスポイント120bへと送信する(ステップS424〜S427)。
アクセスポイント120a,120bそれぞれの制御部124は、受信された強度信号に基づき、各無線通信制御用センサについて、受信したアソシエーション要求の電波強度が予め設定された基準値以下であるか否かを判定し、電波強度が当該基準値以下である無線通信制御用センサの数を計数する(ステップS428,S429)。この例では、アクセスポイント120aに対応する無線通信制御用センサ131a〜131dの全てにおいて、アソシエーション要求の電波強度が基準値より大きいことから、センサ数は0である(図5参照)。他方、アクセスポイント120bに対応する無線通信制御用センサ131e〜131hのうち、無線通信制御用センサ131e,131fにおいて、アソシエーション要求の電波強度が基準値より大きく、無線通信制御用センサ131g,131hにおいて、アソシエーション要求の電波強度が基準値以下であることから、センサ数は2である(図5参照)。接続対象ではないアクセスポイント120bは、センサ数の計数結果を示すセンサ数情報を送信する(ステップS430)。
接続対象のアクセスポイント120aは、センサ数情報を受信し、アクセスポイント120aにおけるセンサ数と、アクセスポイント120bにおけるセンサ数とを比較して、接続を拒否するか否かを判定する(ステップS431)。ここでは、接続対象のアクセスポイント120aにおけるセンサ数(0)が、接続対象ではないアクセスポイント120bにおけるセンサ数(2)よりも少ないため、制御部124は、接続を許可すると判定する。これにより、アクセスポイント120aの第1通信部121は、許可応答を通信端末6に送信し(ステップS432)、通信端末6と接続対象のアクセスポイント120との接続が確立する(ステップS433)。
次に、具体例を用いて通信端末6との接続を拒否する場合の本実施の形態に係る無線通信制御システム100の動作を説明する。図17A及び図17Bは、図7に示す例における無線通信制御システム100の動作の流れを示すシーケンス図である。
ステップS441〜S457の動作は、ステップS411〜S427の動作と同様であるので、説明を省略する。
アクセスポイント120a,120bそれぞれの制御部124は、受信された強度信号に基づき、各無線通信制御用センサについて、受信したアソシエーション要求の電波強度が予め設定された基準値以下であるか否かを判定し、電波強度が基準値以下である無線通信制御用センサの数を計数する(ステップS458,S459)。この例では、アクセスポイント120aに対応する無線通信制御用センサ131a〜131dのうち、無線通信制御用センサ131c,131dにおいて、アソシエーション要求の電波強度が基準値より大きく、無線通信制御用センサ131a,131bにおいて、アソシエーション要求の電波強度が基準値以下であることから、センサ数は2である(図7参照)。他方、アクセスポイント120bに対応する無線通信制御用センサ131e〜131hのうち、無線通信制御用センサ131e,131f,131hにおいて、アソシエーション要求の電波強度が基準値より大きく、無線通信制御用センサ131gにおいて、アソシエーション要求の電波強度が基準値以下であることから、センサ数は1である(図7参照)。接続対象ではないアクセスポイント120bは、センサ数の計数結果を示すセンサ数情報を送信する(ステップS460)。
接続対象のアクセスポイント120aは、センサ数情報を受信し、アクセスポイント120aにおけるセンサ数と、アクセスポイント120bにおけるセンサ数とを比較して、接続を拒否するか否かを判定する(ステップS461)。ここでは、接続対象のアクセスポイント120aにおけるセンサ数(2)が、接続対象ではないアクセスポイント120bにおけるセンサ数(1)よりも多いため、制御部124は、接続を拒否すると判定する。これにより、アクセスポイント120aの第1通信部121は、拒否応答を通信端末6に送信し(ステップS462)、通信端末6と接続対象のアクセスポイント120との接続が失敗する。
アクセスポイント120aとの接続に失敗した通信端末6は、接続対象としてアクセスポイント120a以外のアクセスポイントを探索し、新たな接続対象のアクセスポイント(例えば、アクセスポイント120b)に対してアソシエーション要求を送信する。これにより、上記と同様にして通信端末6との接続の可否が判定され、適切なアクセスポイント120bと通信端末6との接続が確立する。本実施の形態に係る無線通信制御システムでは、このように複数のアクセスポイント間で通信端末の接続可否の調整を行うことができ、通信端末がどのアクセスポイントの接続許可エリア内にあるかをより正確に判定できる。
(実施の形態5)
本実施の形態では、無線通信制御用センサによって接続禁止エリアを形成する。接続禁止エリアを形成する無線通信制御用センサは、通信端末から送信されたアソシエーション要求を検出すると、電波強度にかかわらず、要求拒否信号をアクセスポイントへ送信する。これにより、アクセスポイントを介して接続禁止エリア内の通信端末との接続を拒否する。
本実施の形態に係る無線通信制御システムの構成について説明する。図18は、本実施の形態に係る無線通信制御システムの構成を示す模式図である。図18に示すように、無線通信制御システム500は、アクセスポイント520と、無線通信制御用センサ530とを備える。アクセスポイント520は、有線LAN等の有線ネットワーク4に接続されている。なお、アクセスポイント520の構成は、実施の形態1において説明したアクセスポイント120aの構成と同様であるので、同一構成要素については同一符号を付し、その説明を省略する。図18において550は、アクセスポイント520の通信可能エリアを示す。また、無線通信制御用センサ530は、アクセスポイント520と通信端末6との接続を禁止する領域である接続禁止エリア560を形成する。なお、無線通信制御用センサ530の構成は、実施の形態1において説明した無線通信制御用センサ131aの構成と同様であるので、同一構成要素については同一符号を付し、その説明を省略する。
次に、本実施の形態に係る無線通信制御システム500の動作について説明する。図19は、本実施の形態に係る無線通信制御システム500の動作の手順を示すフローチャートである。
通信端末6は、接続対象とされるアクセスポイント520において設定されているチャネルを使用してアソシエーション要求を送信する。通信端末6から送信されたアソシエーション要求は、接続対象とされたアクセスポイント520によって受信される(ステップS501)。
また、接続対象のアクセスポイント520に対応する無線通信制御用センサ530における検出部133は、当該アソシエーション要求を検出する(ステップS502)。無線通信制御用センサ530の制御部135は、アソシエーション要求を検出すると、拒否要求信号をセンサ側通信部134に送信させる(ステップS503)。
無線通信制御用センサ530から拒否要求信号が送信された場合、当該拒否要求信号がアクセスポイント520の第2通信部122によって受信される。無線通信制御用センサ530から拒否要求信号が送信されなかった場合、当該拒否要求信号がアクセスポイント520によって受信されない。アクセスポイント520の制御部124は、拒否要求信号を受信したか否かを判定する(ステップS504)。ステップS504では、制御部124が所定期間待機し、この期間に拒否要求信号を受信する。当該期間中に拒否要求信号を受信しない場合、制御部124は、期間経過後に拒否要求信号を受信したとしても、拒否要求信号を受信しなかったものとする。拒否要求信号を受信していない場合(ステップS504においてNO)、制御部124は、許可応答を第1通信部121に送信させ(ステップS505)、処理を終了する。これにより、通信端末6と接続対象のアクセスポイント520との接続が確立される。他方、拒否要求信号がアクセスポイント520によって受信された場合(ステップS504においてYES)、制御部124は、拒否応答を第1通信部121に送信させ(ステップS506)、処理を終了する。これにより、通信端末6と接続対象のアクセスポイント520との接続が失敗する。
次に、具体例を用いて通信端末6との接続を許可する場合の本実施の形態に係る無線通信制御システム500の動作を説明する。この例では、通信端末6が、通信可能エリア550の内部であって、接続禁止エリア560の外側にあるものとする(図18参照)。図20は、この例における無線通信制御システム500の動作の流れを示すシーケンス図である。
まず、通信端末6は接続対象のアクセスポイント520に設定されたチャネルを用いてアソシエーション要求を送信する(ステップS511)。このアソシエーション要求は、アクセスポイント520の第1通信部121によって受信される。また、接続禁止エリア560の外側にある通信端末6から送信されたアソシエーション要求は、無線通信制御用センサ530によっては検出されない。
アクセスポイント520の制御部124は、拒否要求信号を受信しなかったため、通信端末6との接続を許可すると判定する(ステップS512)。これにより、アクセスポイント520の第1通信部121は、許可応答を通信端末6に送信し(ステップS513)、通信端末6と接続対象のアクセスポイント520との接続が確立する(ステップS514)。
次に、具体例を用いて通信端末6との接続を拒否する場合の本実施の形態に係る無線通信制御システム500の動作を説明する。この例では、通信端末6が、通信可能エリア550の内部であって、且つ、接続禁止エリア560の内部にあるものとする(図18参照)。図21は、この例における無線通信制御システム500の動作の流れを示すシーケンス図である。
まず、通信端末6は接続対象のアクセスポイント520に設定されたチャネルを用いてアソシエーション要求を送信する(ステップS521)。このアソシエーション要求は、アクセスポイント520の第1通信部121によって受信される。また、接続禁止エリア560の内側にある通信端末6から送信されたアソシエーション要求は、無線通信制御用センサ530によって検出される(ステップS522)。
無線通信制御用センサ530は、拒否要求信号をアクセスポイント520へ送信する(ステップS523)。アクセスポイント520が拒否要求信号を受信し、制御部124が通信端末6との接続を拒否すると判定する(ステップS524)。これにより、アクセスポイント520の第1通信部121は、拒否応答を通信端末6に送信し(ステップS525)、通信端末6と接続対象のアクセスポイント520との接続が失敗する。
以上のような構成により、無線通信制御用センサ530が通信端末6からアソシエーション要求を受信すると、無条件で当該通信端末6とアクセスポイント120aとの接続が拒否される。このため、無線通信制御用センサ530を配置することで、接続禁止エリア560を設けることができる。
(実施の形態6)
本実施の形態では、無線通信制御用センサによって接続禁止エリアを形成する。接続禁止エリアを形成する無線通信制御用センサは、通信端末からアソシエーション要求を検出すると、電波強度にかかわらず、拒否応答を送信する。これにより、アクセスポイントを介在させることなく、接続禁止エリア内の通信端末との接続を拒否する。
本実施の形態に係る無線通信制御用センサは、検出部133が、拒否応答を送信することが可能な接続拒否信号送信部としての機能を有している。なお、本実施の形態に係る無線通信制御システムの構成は、実施の形態5に係る無線通信制御システム500の構成と同様であるので、同一構成要素については同一符号を付し、その説明を省略する。
次に、本実施の形態に係る無線通信制御システム500の動作について説明する。図22は、本実施の形態に係る無線通信制御用センサ530の動作の手順を示すフローチャートである。
通信端末6は、接続対象とされるアクセスポイント520において設定されているチャネルを使用してアソシエーション要求を送信する。通信端末6から送信されたアソシエーション要求は、接続対象とされたアクセスポイント520によって受信される。接続禁止エリア560の外側に通信端末6がある場合(図18参照)、アソシエーション信号は無線通信制御用センサ530によって検出されない。この場合、制御部124は、許可応答を第1通信部121に送信させる。これにより、通信端末6と接続対象のアクセスポイント520との接続が確立される。
他方、接続禁止エリア560の内部に通信端末6がある場合(図18参照)、無線通信制御用センサ530における検出部133は、当該アソシエーション要求を検出する(ステップS601)。無線通信制御用センサ530の制御部135は、アソシエーション要求を検出すると、拒否応答を検出部133に送信させ(ステップS602)、処理を終了する。これにより、通信端末6と接続対象のアクセスポイント520との接続が失敗する。
次に、具体例を用いて通信端末6との接続を許可する場合の本実施の形態に係る無線通信制御システム500の動作を説明する。この例では、通信端末6が、通信可能エリア550の内部であって、接続禁止エリア560の外側にあるものとする(図18参照)。図23は、この例における無線通信制御システム500の動作の流れを示すシーケンス図である。
まず、通信端末6は接続対象のアクセスポイント520に設定されたチャネルを用いてアソシエーション要求を送信する(ステップS611)。このアソシエーション要求は、アクセスポイント520の第1通信部121によって受信される。また、接続禁止エリア560の外側にある通信端末6から送信されたアソシエーション要求は、無線通信制御用センサ530によっては検出されない。したがって、無線通信制御用センサ530から拒否応答は送信されない。
アクセスポイント520の制御部124は、通信端末6との接続を許可すると判定する(ステップS612)。これにより、アクセスポイント520の第1通信部121は、許可応答を通信端末6に送信し(ステップS613)、通信端末6と接続対象のアクセスポイント520との接続が確立する(ステップS614)。
次に、具体例を用いて通信端末6との接続を拒否する場合の本実施の形態に係る無線通信制御システム500の動作を説明する。この例では、通信端末6が、通信可能エリア550の内部であって、且つ、接続禁止エリア560の内部にあるものとする(図18参照)。図24は、この例における無線通信制御システム500の動作の流れを示すシーケンス図である。
まず、通信端末6は接続対象のアクセスポイント520に設定されたチャネルを用いてアソシエーション要求を送信する(ステップS621)。このアソシエーション要求は、アクセスポイント520の第1通信部121によって受信される。また、接続禁止エリア560の内側にある通信端末6から送信されたアソシエーション要求は、無線通信制御用センサ530によって検出される(ステップS622)。
無線通信制御用センサ530は、拒否応答を通信端末6へ送信する(ステップS623)。これにより、通信端末6と接続対象のアクセスポイント520との接続が失敗する。
以上のような構成により、無線通信制御用センサ530が通信端末6からアソシエーション要求を受信すると、無条件で当該通信端末6とアクセスポイント120aとの接続が拒否される。このため、無線通信制御用センサ530を配置することで、接続禁止エリア560を設けることができる。
(実施の形態7)
本実施の形態では、無線通信制御用センサによって接続禁止エリアを形成する。接続禁止エリアを形成する無線通信制御用センサは、通信端末からアソシエーション要求を検出すると、その電波強度が所定値以下の場合に、当該電波強度より強い電波強度で妨害信号を送信する。この妨害信号によって、通信端末とアクセスポイントとの間での通信が妨害される。これにより、通信端末の接続エリア制御が実現される。
本実施の形態に係る無線通信制御システムの構成について説明する。図25は、本実施の形態に係る無線通信制御システムの構成を示す模式図である。図25に示すように、無線通信制御システム700は、アクセスポイント720と、無線通信制御用センサ730とを備える。アクセスポイント720は、有線LAN等の有線ネットワーク4に接続されている。なお、アクセスポイント720の構成は、実施の形態1において説明したアクセスポイント120aの構成と同様であるので、同一構成要素については同一符号を付し、その説明を省略する。図25において750は、アクセスポイント720の通信可能エリアを示し、760は、アクセスポイント720と通信端末6との接続を許可する接続許可エリアを示す。本実施の形態に係る無線通信制御用センサ730は、検出部133が、接続拒否信号を送信することが可能な接続拒否信号送信部としての機能を有している。なお、無線通信制御用センサ730のその他の構成は、実施の形態1において説明した無線通信制御用センサ131aの構成と同様であるので、同一構成要素については同一符号を付し、その説明を省略する。
次に、本実施の形態に係る無線通信制御システム700の動作について説明する。図26は、本実施の形態に係る無線通信制御用センサ730の動作の手順を示すフローチャートである。
通信端末6は、接続対象とされるアクセスポイント720において設定されているチャネルを使用してアソシエーション要求を送信する。通信端末6から送信されたアソシエーション要求は、接続対象とされたアクセスポイント720によって受信されると共に、無線通信制御用センサ730の検出部133によって検出される(ステップS701)。無線通信制御用センサ730の制御部135は、検出されたアソシエーション要求に基づいて、アクセスポイント720と通信端末6との接続を拒否すべきか否かを判定する(ステップS702)。ステップS702では、制御部135がアソシエーション要求の電波強度と予め設定された基準値とを比較し、アソシエーション要求の電波強度が基準値以下である場合に、接続を拒否すべきと判定する。なお、アクセスポイント720から送信された比較用信号を無線通信制御用センサ131が検出し、制御部135が、この比較用信号の電波強度と、通信端末6から送信されたアソシエーション要求の電波強度とを比較し、アソシエーション要求の電波強度が比較用信号の電波強度以下である場合に、接続を拒否すべきと判定する構成としてもよい。
接続許可エリア750の内側に通信端末6がある場合(図25参照)、アソシエーション要求は基準値より大きい電波強度で無線通信制御用センサ730によって検出される。このため、ステップS702において、制御部135は、アクセスポイント720と通信端末6との接続を拒否すべきではない、即ち、接続を許可すべきと判定する。アクセスポイント720と通信端末6との接続を許可すべきと判定した場合(ステップS702においてNO)、制御部135は処理を終了する。これにより、通信端末6と接続対象のアクセスポイント720との接続が確立される。
他方、接続許可エリア760の外側に通信端末6がある場合(図25参照)、無線通信制御用センサ730における検出部133は、当該アソシエーション要求を微弱な電波強度で検出する。したがって、アソシエーション要求の電波強度は基準値以下となり、制御部135は、アクセスポイント720と通信端末6との接続を拒否すべきと判定する。アクセスポイント720と通信端末6との接続を拒否すべきと判定した場合(ステップS702においてYES)、制御部135は、アソシエーション要求よりも少し大きい電波強度の妨害信号を検出部133に所定時間継続的に送信させる(ステップS703)。通信端末6から送信され、アクセスポイント720で受信される信号の電波強度は、上記の妨害信号の電波強度よりも小さい。このため、妨害信号によって、通信端末6とアクセスポイント720との間で通信が妨害され、通信端末6と接続対象のアクセスポイント720との接続が失敗する。
次に、具体例を用いて通信端末6との接続を許可する場合の本実施の形態に係る無線通信制御システムの動作を説明する。この例では、通信端末6が、通信可能エリア750の内部であって、接続許可エリア760の内側にあるものとする(図25参照)。図27は、この例における無線通信制御システム700の動作の流れを示すシーケンス図である。
まず、通信端末6は接続対象のアクセスポイント720に設定されたチャネルを用いてアソシエーション要求を送信する(ステップS711〜S712)。このアソシエーション要求は、アクセスポイント720の第1通信部121によって受信される。また、通信端末6から送信されたアソシエーション要求は、無線通信制御用センサ730により検出される。
アクセスポイント720の制御部124は、通信端末6との接続を許可すると判定する(ステップS713)。これにより、アクセスポイント720の第1通信部121は、許可応答を通信端末6に送信し(ステップS714)、通信端末6と接続対象のアクセスポイント720との接続が確立する(ステップS715)。
他方、無線通信制御用センサ730の制御部135が、検出されたアソシエーション要求の電波強度に基づいてアクセスポイント720と通信端末6との接続を拒否すべきか否かを判定する(ステップS716)。この例では、無線通信制御用センサ430の検出部133によって検出されたアソシエーション要求の電波強度は、基準値よりも大きい。したがって、無線通信制御用センサ730の制御部135は、接続を許可すべきと判定し、妨害信号を送信することなく、処理を終了する。これにより、通信端末6とアクセスポイント720との通信は妨害されることなく継続する。
次に、具体例を用いて通信端末6との接続を拒否する場合の本実施の形態に係る無線通信制御システム700の動作を説明する。この例では、通信端末6が、通信可能エリア750の内部であって、且つ、接続許可エリア760の外側にあるものとする(図25参照)。図28は、この例における無線通信制御システム700の動作の流れを示すシーケンス図である。
まず、通信端末6は接続対象のアクセスポイント720に設定されたチャネルを用いてアソシエーション要求を送信する(ステップS721〜S722)。このアソシエーション要求は、アクセスポイント720の第1通信部121によって受信される。また、通信端末6から送信されたアソシエーション要求は、無線通信制御用センサ730により検出される。
アクセスポイント720の制御部124は、通信端末6との接続を許可すると判定する(ステップS723)。これにより、アクセスポイント720の第1通信部121は、許可応答を通信端末6に送信し(ステップS724)、通信端末6と接続対象のアクセスポイント720との接続が確立する(ステップS725)。
他方、無線通信制御用センサ730の制御部135が、アソシエーション要求の電波強度に基づいてアクセスポイント720と通信端末6との接続を拒否すべきか否かを判定する(ステップS726)。この例では、無線通信制御用センサ430の検出部133によって検出されたアソシエーション要求の電波強度は、基準値以下である。したがって、無線通信制御用センサ730の制御部135は、接続を拒否すべきと判定し、接続拒否信号として妨害信号を送信する(ステップS727〜S728)。この妨害信号によって、通信端末6と接続対象のアクセスポイント720との通信が不能となる。かかる通信妨害が所定時間継続すると、通信端末6とアクセスポイント720との接続が切断される。
以上のような構成により、無線通信制御用センサ730が通信端末6からアソシエーション要求を受信すると、その電波強度が基準値以下の場合に妨害信号を送信する。このため、無線通信制御用センサ730を配置することで、通信端末6とアクセスポイント720との通信を制御できる。
(その他の実施の形態)
上述した実施の形態1乃至4においては、無線通信制御用センサにおけるアソシエーション要求の電波強度に基づいて、通信端末とアクセスポイントとの接続の許可又は拒否を判定する構成について述べたが、これに限定されるものではない。アソシエーション要求には、送信元の通信端末のMACアドレスが含まれる。このMACアドレスに応じて、通信端末とアクセスポイントとの接続の許可又は拒否を判定することもできる。例えば、アソシエーション信号に、接続が許可されている特定のMACアドレス以外のMACアドレスが含まれている場合、当該通信端末との接続を拒否するようにしてもよい。これにより、特定のMACアドレスの通信端末のみを無線LANに接続することができる。
また、実施の形態5及び6においては、無線通信制御用センサが通信端末から送信されたアソシエーション要求を検出した場合に、無条件で通信端末とアクセスポイントとの接続を拒否することで、如何なる通信端末6であってもアクセスポイントとの接続を禁止する接続禁止エリアを形成する構成について述べたが、これに限定されるものではない。例えば、特定のMACアドレスを含むアソシエーション要求が検出された場合には、通信端末とアクセスポイントとの接続を拒否し、上記の特定のMACアドレス以外のMACアドレスを含むアソシエーション要求が検出された場合には、通信端末とアクセスポイントとの接続を許可する構成とすることもできる。これにより、特定のMACアドレス以外のMACアドレスを有する通信端末の接続を禁止する接続禁止エリアを形成することができる。
また、実施の形態1乃至5においては、無線通信制御用センサが、アソシエーション要求を検出した場合に、通信端末とアクセスポイントとの接続の可否に関する可否関連信号(拒否要求信号、強度信号)を送信する構成について述べたが、これに限定されるものではない。無線通信制御用センサが、可否関連信号を送信する機能だけでなく、可否関連信号以外の無線信号を送信する機能も有していてもよい。例えば、iBeacon(登録商標)のような、可否関連信号以外のビーコンを送信する機能を有する送信機に、アソシエーション要求を検出する機能と可否関連信号を送信する機能とを設けることで、無線通信制御用センサを構成することもできる。また、可否関連信号を、拒否要求信号及び強度信号以外の信号としてもよい。無線通信制御用センサが、アソシエーション要求を検出した場合に、可否関連信号としてその無線通信制御用センサの位置を示す位置情報を送信し、アクセスポイントが当該位置情報を受信し、この位置情報に基づいて通信端末との接続の許可又は拒否を判定することもできる。