JP6670165B2 - 収穫機 - Google Patents

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Description

本発明は、米や麦等の穀稈を有する穀類を収穫する収穫機、特に、刈り取った穀稈を穀稈搬送部材と該穀稈搬送部材に対向する挟持部材とで挟持搬送する搬送部を設けた収穫機に関する。
米や麦等の穀稈を有する穀類を収穫する収穫機としては、例えば、刈り取った穀稈を穀稈搬送部材(例えばフィードチェーン)と該穀稈搬送部材に対向する挟持部材(例えば挟持レール)とで挟持搬送する搬送部を設けたものがある。
かかる収穫機においては、刈り取った穀稈を搬送するにあたり、穀稈搬送部材および挟持部材により搬送される穀稈の藁が搬送部の部分で停滞して詰まることがある。このような藁詰まりは、従来では、一般的に、穀稈搬送部材に対して対向方向に移動自在な構成とされた挟持部材が藁の停滞によって穀稈搬送部材から対向方向に離れた所定の限界位置に到達したか否かを検知するリミットスイッチを用いて検出している。
特開2003−265021号公報 実開平07−028324号公報
ところが、リミットスイッチを用いて藁詰まりを検出する従来の収穫機では、藁詰まりを検出したときには、穀稈搬送部材と挟持部材との間にぎっしりと(例えば各構成部材が破損しない程度に)藁が詰まり、藁を除去する除去作業、さらには除去した穀稈から穀類を手作業で脱穀する脱穀作業を行う必要があり、それだけ藁詰まりによる余計な手間および時間(例えば数十分程度の時間)がかかることになる。このことは、穀稈搬送部材と挟持部材との間に詰まった藁の量が多くなる程、顕著となる。
この点に関し、特許文献1は、終端レール部材(挟持部材)のフィードチェーン(穀稈搬送部材)側からの離間状態を検出するセンサを設ける構成を開示している。また、特許文献2は、茎稈検知スイッチにより継送部の上手位置で茎稈を検知しかつ継送部の下手位置で茎稈を検知しない場合に継送部に詰りが発生したと判断する構成を開示している。
しかしながら、特許文献1,2に記載の何れの構成も藁詰りの発生の検出に留まり、藁詰りが発生した場合には、藁詰まりによる余計な手間および時間がかかる。
また、特許文献1の段落[0020]には、挟持部材の穀稈搬送部材側からの離間状態を検出するセンサとして、磁気センサや超音波センサなどの変位センサを用いる構成を開示していることから、かかる変位センサにより藁詰まりの予兆を判定して藁詰まりによる余計な手間および時間を無くす或いは少なくすることが考えられる。
ところが、特許文献1に記載のような変位センサを利用して、単に変位センサからの出力値に対応する変位を検出して挟持部材の穀稈搬送部材側からの離間距離で藁詰まりの予兆を判定したとしても、変位センサからの出力値に対応する変位を単に検出しただけでは変位センサから出力される出力値の信号変動が大きく、そのまま穀稈の搬送を続けると将来的に藁詰まりが発生(例えばリミットスイッチがオン)してしまうにも拘わらず、藁詰まりの予兆を判定しなかったり、逆に、そのまま穀稈の搬送を続けても将来的に藁詰まりが発生(例えばリミットスイッチがオン)しないにも拘わらず、藁詰まりの予兆を判定したりする藁詰まり予兆判定の誤り率が高く、藁詰まりの予兆を精度良く判定することができない。従って、藁詰まりによる余計な手間および時間を確実に無くす或いは少なくすることができない。
そこで、本発明は、刈り取った穀稈を穀稈搬送部材と該穀稈搬送部材に対向する挟持部材とで挟持搬送する搬送部を設けた収穫機であって、藁詰まりの予兆を精度良く判定することができ、これにより藁詰まりによる余計な手間および時間を確実に無くす或いは少なくすることができる収穫機を提供することを目的とする。
本発明らは、前記課題を解決するために、鋭意研鑽を重ねた結果、刈り取った穀稈を穀稈搬送部材と該穀稈搬送部材に対向する挟持部材とで挟持搬送する搬送部を設けた収穫機において、搬送部にて搬送される穀稈の厚みの時間的変位を検知する変位センサを穀稈の搬送方向に離間して複数設けた場合に、穀稈が正常に搬送している正常状態から藁が詰まりかけると、複数の変位センサのうちの任意の2つの変位センサのそれぞれの出力値に対応する変位から得られる相関関係の分布が崩れることに着目し、任意の2つの変位センサのそれぞれの出力値に対応する変位から得られる相関関係の分布に基づいて穀稈の藁詰りの予兆を判定することで、藁詰まりの予兆を精度良く判定することができることを見出し、本発明を完成した。
本発明に係る収穫機は、かかる知見に基づくものであり、刈り取った穀稈を穀稈搬送部材と該穀稈搬送部材に対向する挟持部材とで挟持搬送する搬送部を設けた収穫機であって、前記搬送部にて搬送される前記穀稈の厚みの時間的変位を検知する変位センサを前記穀稈の搬送方向に離間して複数設け、前記複数の変位センサのうちの任意の2つの変位センサのそれぞれの出力値に対応する変位から得られる相関関係の分布に基づいて前記穀稈の藁詰りの予兆を判定する制御装置を設け、前記制御装置は、前記相関関係の正常状態と看做せる分布である正常分布に対して、該相関関係が所定の逸脱状態であるときに前記藁詰りの予兆であると判定することを特徴とする。
本発明において、前記制御装置は、前記任意の2つの変位センサのうち、上流側の変位センサで検知した前記穀稈の検知箇所の検知タイミングと下流側の変位センサで検知した該検知箇所の検知タイミングとのタイムラグを補正して、前記相関関係の分布を求める態様を例示できる。
本発明において、前記複数の変位センサは、3以上の変位センサであり、前記任意の2つの変位センサは、前記3以上の変位センサのうちの少なくとも1組の互いに隣り合う変位センサである態様を例示できる。
本発明において、前記挟持部材は、前記搬送方向に沿って延び、前記穀稈搬送部材に対して対向方向に移動自在、且つ、前記搬送方向および前記対向方向の双方に直交または略直交する方向に沿った揺動軸線回りに揺動自在な構成とされ、前記任意の2つの変位センサは、前記挟持部材の前記穀稈搬送部材からの離間距離を検知する態様を例示できる。
本発明において、前記穀稈搬送部材および前記挟持部材を前記搬送方向に沿って複数対設け、複数対の前記穀稈搬送部材および前記挟持部材のうちの少なくとも2対の前記穀稈搬送部材および前記挟持部材に対応して前記任意の2つの変位センサをそれぞれ設ける態様を例示できる。
本発明によると、藁詰まりの予兆を精度良く判定することができ、これにより藁詰まりによる余計な手間および時間を確実に無くす或いは少なくすることが可能となる。
本発明の実施の形態に係る収穫機の左側面図である。 本発明の実施の形態に係る収穫機の正面図である。 図1および図2に示す収穫機における搬送部およびその周辺部分を示す概略左側面図である。 図1および図2に示す収穫機における搬送部およびその周辺部分を示す概略平面図である。 縦搬送部および補助搬送部における挟持部の概略構成図である。 図5に示す縦搬送部および補助搬送部における挟持部の構成を縦搬送部における挟持部に代表させて示す一部断面を含む概略平面図である。 収穫機における制御装置の制御構成を概略的に示すシステムブロック図である。 任意の2つの変位センサからのそれぞれの出力値に対応する変位の相関関係の分布を示すグラフであって、穀稈が正常に搬送している正常状態から藁が詰まりかけて、正常状態に対する異常状態になり、最終的にリミットスイッチがオンされるまでの過程を示す図である。 任意の2つの変位センサのそれぞれの出力値に対応する変位から得られる相関関係を利用することで、藁詰まり予兆判定の誤り率が極めて低いことを説明するためのグラフである。 K近傍法を採用して藁詰まりの予兆を判定する例を説明するためのグラフであって、K近傍法により離れ度合を求める際の現在の出力値の正常データに対する距離を示す図である。 K近傍法により離れ度合の算出に用いた活性化関数を示すグラフであって、(a)は、上流側の変位センサの出力値に応じて離れ度合を活性化する活性化関数であり、(b)は、下流側の変位センサの出力値に応じて離れ度合を活性化する活性化関数である。 正常状態と看做せる相関関係から算出した異常度(ベースライン特性)の時間的変化を示すグラフである。 図12に示す正常状態と看做せる相関関係の分布からの離れ度合に対する発生頻度の分布である離れ度合分布のグラフである。 正常状態と看做せる相関関係の分布からの離れ度合の時間的変化を示すグラフである。 タイムラグが発生した任意の2つの変位センサのそれぞれの出力値に対応する変位の正常状態での相関関係の分布を示すグラフである。 タイムラグを補正した任意の2つの変位センサのそれぞれの出力値に対応する変位の正常状態での相関関係の分布を示すグラフである。 制御装置による藁詰まりの予兆を判定する動作制御の一例を示すフローチャートである。
以下、本発明に係る実施の形態について収穫機としてコンバインを例にとって図面を参照しながら説明する。
〔収穫機の全体構成〕
図1および図2は、それぞれ、本発明の実施の形態に係る収穫機1の左側面図および正面図である。図3および図4は、それぞれ、図1および図2に示す収穫機1における搬送部200およびその周辺部分を示す概略左側面図および概略平面図である。
収穫機1(この例ではコンバイン)は、走行機台10(図1参照)と、駆動源20(この例ではエンジン)(図1参照)と、走行装置30と、刈取装置40と、脱穀装置50(図1、図3および図4参照)と、運転席60(図1および図2参照)と、グレンタンク70(図1および図2参照)とを備えている。
走行機台10は、収穫機1の基台を構成している。駆動源20は、走行機台10に支持されている。走行装置30は、左右一対のクローラ式走行装置であり、走行機台10の左右方向(車体幅方向)における両側に連結されている。刈取装置40は、走行機台10の前方に配設されて穀稈を刈り取る刈取処理を行い、且つ、該刈取処理にて刈り取った穀稈(以下、刈取穀稈ということがある。)を後方へ搬送する。脱穀装置50は、刈取装置40により刈り取られて搬送される穀稈に対して脱穀する脱穀処理を行い、且つ、該脱穀処理にて脱穀した脱穀物から穀粒を選別する。運転席60は、走行機台10の右前方部分に配設されている。グレンタンク70は、運転席60の後方に配設されており、脱穀装置50によって選別された穀粒を収容する。
(刈取装置)
刈取装置40は、走行機台10に対して昇降可能に支持されている。詳しくは、刈取装置40は、走行機台10の左側前端部に立設した左右一対の支柱40a,40a(図1参照)の上端部間に、刈取フレーム42(図1および図3参照)の基端部が刈取入力ケース43(図3参照)を介して車体幅方向に沿った刈取入力軸43a(図3参照)線回り回転自在に支持されており、刈取フレーム42が上下方向に回動するようになっている。
刈取装置40は、穀稈を刈り取る刈取部41と、刈取部41によって刈り取られた穀稈を脱穀装置50に搬送する刈取搬送部100(図1、図3および図4参照)と、刈取部41および刈取搬送部100を支持する刈取フレーム42とを備えている。
刈取部41は、穀稈を複数条(この例では四条)に分草する分草体41aと、分草体41aにより分草された複数条の穀稈を引き起こす穀稈引起装置41bと、穀稈引起装置41bにより引き起こされた複数条の穀稈の株元部を掻き込む株元部掻込み装置41c(図1、図3および図4参照)と、株元部掻込み装置41cにより掻き込まれた穀稈の株元を刈り取る刈刃装置41d(図1および図3参照)とを備えている。
刈取搬送部100は、刈取部41にて刈取られた穀稈を株元が車体幅方向における外側に向くように、且つ、穂先が車体幅方向における内側に向くように脱穀装置50に向けて搬送する構成されている。これにより、刈取搬送部100は、刈取部41にて刈取られた穀稈において株元を脱穀装置50における脱穀搬送部51(図1、図3および図4参照)へ受け継がせ、且つ、穂先を脱穀装置50における脱穀部52(図1および図4参照)へ移行させることができる。なお、刈取搬送部100の詳細については後ほど説明する。
(脱穀装置)
脱穀装置50は、刈取搬送部100にて搬送された穀稈を後方へ搬送する脱穀搬送部51と、脱穀搬送部51にて搬送された穀稈に対して脱穀処理を行う脱穀部52と、脱穀部52にて脱穀されて流下する脱穀物から穀粒を選別する選別部53(図1参照)と、脱穀部52にて脱穀されて残った排藁を搬送する排藁搬送部54(図1参照)とを備えている。ここで、刈取搬送部100と脱穀搬送部51と排藁搬送部54とで搬送部200(図1、図3および図4参照)を構成している。
脱穀搬送部51は、走行機台10の左側方に配設されている。脱穀搬送部51は、穀稈の穂先が脱穀部52にて脱穀処理されるように該穀稈を後方へ搬送する構成とされている。脱穀部52は、走行機台10の左側方において脱穀搬送部51よりも内側に配設されている。脱穀部52は、外周部に設けられた多数の扱歯52a1(図4参照)で脱穀処理するドラム状の扱胴52a(図4参照)を有している。選別部53および排藁搬送部54は、脱穀部52の下方に配設されている。排藁搬送部54は、選別部53の後方に配設されている。
(グレンタンク)
グレンタンク70は、脱穀装置50によって選別され且つ一番物集約機構(図示省略)にて集約された一番物を貯留するように構成されている。なお、グレンタンク70内に貯留された穀粒は、グレンタンク70の底部に設けられた下部コンベア(図示省略)と、該下部コンベアから穀粒を受け継いで上方へ搬送するように縦排出オーガ71(図1参照)内に内挿された縦コンベア(図示省略)と、該縦コンベアから穀粒を受け継ぐように横排出オーガ72(図1および図2参照)に内挿された排出コンベア(図示省略)とを介して、外部に排出されるようになっている。
[刈取搬送部]
次に、刈取装置40において刈取穀稈を搬送する刈取搬送部100の詳細について以下に説明する。
刈取搬送部100は、刈取穀稈の株元部を搬送する下部搬送装置110(図1、図3および図4参照)と、刈取穀稈の株元部と上部との間の中間部を搬送する補助搬送装置120(図1、図3および図4参照)と、刈取穀稈の上部を搬送する上部搬送装置130(図1、図3および図4参照)と、刈取穀稈の穂先部を搬送する穂先部搬送装置140(図1、図3および図4参照)とを備えている。
(下部搬送装置)
下部搬送装置110は、刈刃装置41dにより刈り取られた複数条の穀稈の株元部を脱穀装置50における脱穀搬送部51側に向けて搬送するように構成されている。
詳しくは、下部搬送装置110は、下部搬送部111(具体的には下部搬送機構)(図1、図3および図4参照)と、縦搬送部112(具体的には縦搬送機構)(図1、図3および図4参照)とを備えている。下部搬送部111および縦搬送部112は、刈取搬送部100を構成している。
下部搬送部111は、刈取搬送部100において前下方に配設されており、株元部掻込み装置41cにて掻込まれた刈取穀稈の株元部を後上方の縦搬送部112に向けて挟持搬送するように構成されている。
さらに説明すると、下部搬送部111は、右株元合流搬送チェーン111R(図3および図4参照)と、左株元合流搬送チェーン111L(図3および図4参照)と、それらに対向配置された挟扼体(図示省略)とを備えている。
右株元合流搬送チェーン111Rは、株元部掻込み装置41cによって掻込まれた右側1条または複数条(この例では2条)分の刈取穀稈の株元部を左斜め後上方に挟扼体との間で挟持搬送するように構成されている。左株元合流搬送チェーン111Lは、株元部掻込み装置41cによって掻込まれた左側1条または複数条(この例では2条)分の刈取穀稈の株元部を右斜め後上方に挟扼体との間で挟持搬送するように構成されている。そして、右株元合流搬送チェーン111Rおよび左株元合流搬送チェーン111Lは、搬送終端部で互いに合流するように配設されている。
縦搬送部112は、刈取搬送部100において後上方に配設されており、下部搬送部111によって挟持搬送された刈取穀稈の株元部を下部搬送部111の搬送終端部から受継ぎ且つ後上方に挟持搬送して刈取穀稈の中間部を補助搬送装置120に受継搬送するように構成されている。
詳しくは、縦搬送部112は、チェーン搬送部(具体的には縦チェーン搬送機構)112a(図3および図4参照)と、挟持部(具体的には縦挟持機構)112b(図3および図4参照)とを備えている。
縦搬送部112は、チェーン搬送部112aおよび挟持部112bが互いに対向した状態で配設され、チェーン搬送部112aおよび挟持部112bにより刈取穀稈の株元部を挟持した状態で刈取穀稈を搬送する構成とされている。
具体的には、チェーン搬送部112aは、穀稈搬送部材として作用する縦フィードチェーン(以下、単にフィードチェーンという。)112a1(図3および図4参照)を備えている。フィードチェーン112a1は、穀稈の搬送方向W(図3および図4参照)に沿った穀稈搬送領域112a3(図3および図4参照)を有している。この例では、穀稈搬送領域112a3は、直線状の領域とされている。
挟持部112bは、挟持部材(挟扼体)として作用する縦搬送挟持レール(以下、単に挟持レールという。)112b1(図3および図4参照)を備えている。挟持レール112b1は、フィードチェーン112a1の穀稈搬送領域112a3に対向して設けられており、対向する穀稈搬送領域112a3に対応した形状に形成されている。挟持レール112b1の上流側端には、搬送される穀稈をフィードチェーン112a1および挟持レール112b1の間に案内するガイド部112b2(図3および図4参照)が設けられている。
フィードチェーン112a1は、下部搬送部111における右株元合流搬送チェーン111Rおよび左株元合流搬送チェーン111Lによって合流された複数条分の刈取穀稈の株元部を下部搬送部111の搬送終端部から受継ぎ、且つ、挟持部112bにおける挟持レール112b1との間で挟持搬送して左斜後上方の補助搬送装置120に向けて搬送するように構成されている。
なお、縦搬送部112は、穀稈の扱き深さを調節できるように穀搬送終端部が昇降調節可能となっている。
(上部搬送装置)
上部搬送装置130は、下部搬送部111の上方に配設されており、下部搬送部111によって株元部が挟持搬送された刈取穀稈の上部を係止搬送するように構成されている。
詳しくは、上部搬送装置130は、上部搬送部131(具体的には上部搬送機構)(図3および図4参照)と、上部搬送ガイド体(図示省略)とを備えている。上部搬送装置130は、上部搬送部131および上部搬送ガイド体が互いに対向状態で配設され、下部搬送部111によって株元部が挟持搬送された刈取穀稈の上部を上部搬送部131により上部搬送部131および上部搬送ガイド体の間で係止搬送する構成とされている。上部搬送部131は、刈取搬送部100を構成している。
具体的には、上部搬送部131は、右上部搬送タイン131R(図4参照)と、左上部搬送タイン131L(図4参照)と、右上部搬送ガイド体(図示省略)と、左上部搬送ガイド体(図示省略)とを備えている。
右上部搬送タイン131Rは、右株元合流搬送チェーン111Rによって株元部が挟持搬送された右側1条または複数条(この例では2条)分の刈取穀稈の上部を係止搬送するように構成されている。左上部搬送タイン131Lは、左株元合流搬送チェーン111Lによって株元部が挟持搬送された左側1条または複数条(この例では2条)分の刈取穀稈の上部を係止搬送するように構成されている。
また、右上部搬送ガイド体は、右側1条または複数条(この例では2つ)の穀稈引起装置41bの間から導入される引起後の右側1条または複数条分の穀稈の穂先部を、右上部搬送タイン131Rの上方で且つ右上部搬送タイン131Rの反対側で案内するように構成されている。左上部搬送ガイド体は、左側2つの穀稈引起装置41bの間から導入される引起後の左側2条分の穀稈の穂先を、左上部搬送タイン131Lの上方で且つ左上部搬送タイン131Lの反対側で案内するように構成されている。
(補助搬送装置)
補助搬送装置120は、下部搬送装置110および上部搬送装置130の搬送終端部からの刈取穀稈を受け継ぎ、かつ、脱穀装置50の搬送始端部に向けて搬送するように構成されている。
詳しくは、補助搬送装置120は、補助搬送部121(具体的には補助搬送機構)(図3および図4参照)を備えている。補助搬送部121は、刈取搬送部100を構成している。
補助搬送部121は、縦搬送部112の搬送終端部と脱穀装置50の搬送開始部との間の領域において下部搬送装置110より上方且つ穂先部搬送装置140より下方に配設されており、縦搬送部112によって挟持搬送された刈取穀稈の上部よりも株元部側の中間部を搬送するように構成されている。
詳しくは、補助搬送部121は、チェーン搬送部(具体的には補助チェーン搬送機構)121a(図3および図4参照)と、挟持部(具体的には補助挟持機構)121b(図3および図4参照)とを備えている。
補助搬送部121は、チェーン搬送部121aおよび挟持部121bが互いに対向した状態で配設され、チェーン搬送部121aおよび挟持部121bにより刈取穀稈の中間部を挟持した状態で刈取穀稈を搬送する構成とされている。
具体的には、チェーン搬送部121aは、穀稈搬送部材として作用する補助搬送フィードチェーン(以下、単にフィードチェーンという。)121a1(図3および図4参照)を備えている。フィードチェーン121a1は、穀稈の搬送方向Wに沿った穀稈搬送領域121a3(図3および図4参照)を有している。この例では、穀稈搬送領域121a3は、直線状の上流側領域と上流側領域とは異なる方向の直線状の下流側領域と上流側領域および下流側領域の間で屈曲した屈曲領域とを有する領域とされている。
挟持部121bは、挟持部材(挟扼体)として作用する補助搬送挟持レール(以下、単に挟持レールという。)121b1(図3および図4参照)を備えている。挟持レール121b1は、フィードチェーン121a1の穀稈搬送領域121a3に対向して設けられており、対向する穀稈搬送領域121a3に対応した形状に形成されている。挟持レール121b1の上流側端には、搬送される穀稈をフィードチェーン121a1および挟持レール121b1の間に案内するガイド部121b2(図3および図4参照)が設けられている。
フィードチェーン121a1は、縦搬送部112から搬送されてきた複数条分の刈取穀稈の中間部を縦搬送部112の搬送終端部から受継ぎ、且つ、挟持部121bにおける挟持レール121b1との間で挟持搬送して後方の脱穀装置50の搬送始端部に向けて搬送するように構成されている。
なお、図4中のαは、車体幅方向に沿って刈取フレーム42を上下回動させる刈取入力軸43aの回動支点の位置を示しており、この例では、補助搬送装置120の搬送終端位置とされている。
(穂先部搬送装置)
穂先部搬送装置140は、縦搬送部112の上方に配設されており、縦搬送部112によって株元部が挟持搬送された刈取穀稈の穂先部を脱穀装置50へ向けて係止搬送するように構成されている。
詳しくは、穂先部搬送装置140は、穂先部搬送部(具体的には穂先部搬送機構)141(図3および図4参照)と、穂先部ガイド体(図示省略)とを備えている。
穂先部搬送装置140は、上部搬送部131および穂先部ガイド体が互いに対向状態で配設され、縦搬送部112によって株元部が挟持搬送された刈取穀稈の穂先部を穂先部搬送部141により穂先部搬送部141および穂先部ガイド体の間で係止搬送する構成とされている。
[挟持部]
次に、縦搬送部112および補助搬送部121における挟持部112b,121bの詳細について以下に説明する。
図5は、縦搬送部112および補助搬送部121における挟持部112b,121bの概略構成図である。また、図6は、図5に示す縦搬送部112および補助搬送部121における挟持部112b,121bの構成を縦搬送部112における挟持部112bに代表させて示す一部断面を含む概略平面図である。
なお、図5および図6において実質的に同じ構成作用を有する部材には同一符号を付している。
(縦搬送部における挟持部)
縦搬送部112における挟持部材(この例では挟持レール112b1)は、搬送方向Wに沿って延びている。挟持レール112b1は、搬送部200(この例では刈取搬送部100)にて搬送される穀稈の厚みの時間的変位に応じて、穀稈搬送部材(この例ではフィードチェーン112a1)に対して対向方向H(図5および図6参照)に移動自在、且つ、搬送方向Wおよび対向方向Hの双方に直交または略直交する方向に沿った揺動軸線R(図6参照)回りに揺動自在な構成とされている。
詳しくは、挟持レール112b1は、搬送される穀稈の厚みの時間的変位に応じてフィードチェーン112a1における穀稈搬送領域112a3の搬送方向Wにおける任意の何れかの地点Pa1(図6参照)から該地点Pa1を通る仮想垂線β1(対向方向Hに平行な直線)(図6参照)との交点Pb1(図6参照)までの離間距離d1(図6参照)が搬送方向Wにおいて時間的に変動する構成とされている。
具体的には、挟持部112bは、挟持レール112b1に加えて、挟持レール112b1の搬送方向Wにおける複数個所(この例では2箇所)に揺動軸線R,R(図6参照)に沿って回転自在にそれぞれ設けられた複数(この例では2つ)の回動軸11,11(図6参照)と、複数の回動軸11,11を介して挟持レール112b1を揺動軸線R,R回りに回動自在にそれぞれ支持する複数(この例では2つ)の支持部材12,12(図6参照)と、下部搬送装置110本体に設けられて複数の支持部材12,12を対向方向Hに往復移動自在に支持する筐体13(図6参照)と、筐体13に対して複数の支持部材12,12を対向方向Hにおけるフィードチェーン112a1側に向けてそれぞれ付勢する複数(この例では2つ)の付勢部材14,14(図6参照)とを備えている。
支持部材12,12は、対向方向Hに沿った棒状の部材とされており、先端には、回動軸11,11が固定(この例では一体形成)されている。挟持レール112b1には、回動軸11,11が貫通する揺動軸線R,Rに沿った貫通孔PH,PH(図6参照)が設けられている。支持部材12,12の先端に固定された回動軸11,11は、挟持レール112b1に設けられた貫通孔PH,PHに揺動軸線R,R回りに回動自在に挿通されている。
また、筐体13は、箱状の形状とされている。筐体13には、支持部材12,12を対向方向Hに沿って往復移動自在に案内する案内部(13a,13a),(13b,13b)(図6参照)が設けられている。案内部(13a,13b),(13a,13b)は、筐体13のフィードチェーン112a1側の第1側板13cおよびフィードチェーン112a1とは反対側の第2側板13dに設けられて対向方向Hに沿った貫通穴を有している。
支持部材12,12には、支持部材12,12の対向方向Hにおけるフィードチェーン112a1側への移動を規制する規制部12a,12a(図6参照)が設けられている。支持部材12,12に設けられた規制部12a,12aは、筐体13の第1側板13cに当接することにより支持部材12,12の対向方向Hにおけるフィードチェーン112a1側への移動が規制される。
付勢部材14,14は、直巻きスプリングとされている。支持部材12,12に設けられた規制部12a,12aは、付勢部材14,14の一端を係止する係止部を兼ねている。筐体13の第2側板13dは、付勢部材14,14の他端を係止する係止部を兼ねている。
付勢部材14,14は、支持部材12,12に挿通されて筐体13内で一端が支持部材12,12における規制部12a,12aに係止され、且つ、他端が筐体13における第2側板13dに係止されている。
そして、支持部材12,12に挿通された付勢部材14,14は、支持部材12,12の先端側および基端側の両側を突出した状態で、筐体13内に保持されている。
かかる構成を備えることにより、挟持部112bは、搬送される穀稈の厚みd1の時間的変位に応じて、挟持レール112b1を対向方向Hに自在に移動させ、且つ、揺動軸線R,R回りに自在に回動させることができる。
(補助搬送部における挟持部)
補助搬送部121における挟持部121bは、縦搬送部112における挟持部112bと同様の構成とされている。従って、補助搬送部121における挟持部121bの構成について、図5を図6に示す縦搬送部112における挟持部112bの構成と共に参照しながら以下に説明する。
補助搬送部121における挟持部材(この例では挟持レール121b1)は、搬送方向Wに沿って延びている。挟持レール121b1は、搬送部200(この例では刈取搬送部100)にて搬送される穀稈の厚みの時間的変位に応じて、穀稈搬送部材(この例ではフィードチェーン121a1)に対して対向方向H(図5参照)に移動自在、且つ、搬送方向Wおよび対向方向Hの双方に直交または略直交する方向に沿った揺動軸線R(図6参照)回りに揺動自在な構成とされている。
詳しくは、挟持レール121b1は、搬送される穀稈の厚みの時間的変位に応じてフィードチェーン121a1における穀稈搬送領域121a3の搬送方向Wにおける任意の何れかの地点Pa2(図5参照)から該地点Pa2を通る仮想垂線β2(対向方向Hに平行な直線)(図5参照)との交点Pb2(図5参照)までの離間距離d2(図5参照)が搬送方向Wにおいて時間的に変動する構成とされている。
具体的には、挟持部121bは、挟持レール121b1に加えて、挟持レール121b1の搬送方向Wにおける複数個所(この例では2箇所)に揺動軸線R,R(図6参照)に沿って回転自在にそれぞれ設けられた複数(この例では2つ)の回動軸11,11(図5および図6参照)と、複数の回動軸11,11を介して挟持レール121b1を揺動軸線R,R回りに回動自在にそれぞれ支持する複数(この例では2つ)の支持部材12,12(図5および図6参照)と、補助搬送装置120本体に設けられて複数の支持部材12,12を対向方向Hに往復移動自在に支持する筐体13(図5および図6参照)と、筐体13に対して複数の支持部材12,12を対向方向Hにおけるフィードチェーン121a1側に向けてそれぞれ付勢する複数(この例では2つ)の付勢部材14,14(図6参照)とを備えている。
支持部材12,12は、対向方向Hに沿った棒状の部材とされており、先端には、回動軸11,11が固定(この例では一体形成)されている。挟持レール121b1には、回動軸11,11が貫通する揺動軸線R,Rに沿った貫通孔PH,PH(図6参照)が設けられている。支持部材12,12の先端に固定された回動軸11,11は、挟持レール121b1に設けられた貫通孔PH,PHに揺動軸線R,R回りに回動自在に挿通されている。
また、筐体13は、箱状の形状とされている。筐体13には、支持部材12,12を対向方向Hに沿って往復移動自在に案内する案内部(13a,13a),(13b,13b)(図6参照)が設けられている。案内部(13a,13b),(13a,13b)は、筐体13のフィードチェーン121a1側の第1側板13cおよびフィードチェーン121a1とは反対側の第2側板13dに設けられて対向方向Hに沿った貫通穴を有している。
支持部材12,12には、支持部材12,12の対向方向Hにおけるフィードチェーン121a1側への移動を規制する規制部12a,12a(図6参照)が設けられている。支持部材12,12に設けられた規制部12a,12aは、筐体13の第1側板13cに当接することにより支持部材12,12の対向方向Hにおけるフィードチェーン121a1側への移動が規制される。
付勢部材14,14は、直巻きスプリングとされている。支持部材12,12に設けられた規制部12a,12aは、付勢部材14,14の一端を係止する係止部を兼ねている。筐体13の第2側板13dは、付勢部材14,14の他端を係止する係止部を兼ねている。
付勢部材14,14は、支持部材12,12に挿通されて筐体13内で一端が支持部材12,12における規制部12a,12aに係止され、且つ、他端が筐体13における第2側板13dに係止されている。
そして、支持部材12,12に挿通された付勢部材14,14は、支持部材12,12の先端側および基端側の両側を突出した状態で、筐体13内に保持されている。
かかる構成を備えることにより、挟持部121bは、搬送される穀稈の厚みd2の時間的変位に応じて、挟持レール121b1を対向方向Hに自在に移動させ、且つ、揺動軸線R,R回りに自在に回動させることができる。
[制御装置]
収穫機1は、収穫機1全体の制御を司る制御装置300(図1参照)をさらに備えている。
図7は、収穫機1における制御装置300の制御構成を概略的に示すシステムブロック図である。
図7に示すように、制御装置300は、CPU(Central Processing Unit)等のマイクロコンピュータからなる処理部310(図7参照)と、ROM(Read Only Memory)等の不揮発性メモリ、RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリを含む記憶部320(図7参照)とを有している。制御装置300は、処理部310が記憶部320のROMに予め格納された制御プログラムを記憶部320のRAM上にロードして実行することにより、各種構成要素の作動制御を行うようになっている。記憶部320のRAMは、それぞれ、処理部310に対して作業用のワークエリアを提供する。
収穫機1は、表示装置400と、車速制御部500と、車速センサ600と、扱胴センサ700とをさらに備えている。
表示装置400は、運転席60の操作パネルに設けられており、制御装置300の出力系に電気的に接続されている。表示装置400は、制御装置300からの出力表示情報を表示画面に表示する構成とされている。
車速制御部500は、収穫機1の車速を変更することができるものであり、この例では、駆動源20から走行装置30へ駆動力を伝達する走行用のHST(Hydro Static Transmission:静油圧式無段変速装置)とされている。車速制御部500は、制御装置300の出力系に電気的に接続されており、制御装置300からの指示信号により収穫機1の車速を変更する。これにより、制御装置300は、車速制御部500により収穫機1の車速を制御することができる。
車速センサ600は、収穫機1の車速(例えば走行装置30のクローラの回転速度)を検知するものである。車速センサ600は、制御装置300の入力系に電気的に接続されており、制御装置300に収穫機1の車速に対応する車速信号を送信することができる。これにより、制御装置300は、車速信号を検知することにより収穫機1の車速を検出(認識)することができる。ここで、収穫機1は、車速が速くなるに従って、搬送部200の穀稈の搬送速度も速くなる一方、車速が遅くなるに従って、搬送部200の穀稈の搬送速度も遅くなる構成とされている。
扱胴センサ700は、扱胴52aの周速度を検知するものである。扱胴センサ700は、制御装置300の入力系に電気的に接続されており、制御装置300に扱胴52aの周速度に対応する収束信号を送信することができる。これにより、制御装置300は、収束信号を検知することにより扱胴52aの周速度を検出(認識)することができる。
また、収穫機1は、搬送部200にて搬送される穀稈の厚みの時間的変位を検知する複数の変位センサSN(1)〜SN(n)(nは3以上の整数、この例ではn=4)(図5から図7参照)を備えている。複数のSN(1)〜SN(n)は、穀稈の搬送方向Wに離間して設けられている。ここで、穀稈の厚みは、基準位置(この例ではフィードチェーン121a1)に対する厚みである。また、変位センサSN(1)〜SN(n)は、搬送部200にて搬送される穀稈の厚みの時間的変位を検知することができるものであれば、何れのものであってもよく、例えば、穀稈の厚みを直接的に検知するものであってもよいし、間接的に〔例えば挟持部材(この例では挟持レール112b1,121b1)を介して間接的に〕検知するものであってもよい。穀稈の厚みを直接的に検知する変位センサとしては、それには限定されないが、レーザ変位センサや超音波センサなどを例示できる。穀稈の厚みを間接的に検知する変位センサとしては、それには限定されないが、回転角度センサ(具体的にはポテンショメータ)や磁気変位センサなどを例示できる。
そして、制御装置300は、複数の変位センサSN(1)〜SN(n)のうちの任意の2つの変位センサのそれぞれの出力値に対応する変位から得られる相関関係の分布に基づいて穀稈の藁詰りの予兆を判定する構成とされている。
(変位センサ)
本実施の形態では、複数の変位センサSN(1)〜SN(n)は、3以上の変位センサ(この例では4つの変位センサ)とされており、任意の2つの変位センサは、3以上の変位センサのうちの少なくとも1組の互いに隣り合う変位センサ〔この例では、変位センサSN(1),SN(2)(図5および図6参照)、変位センサSN(3),SN(4)(図5参照)〕とされている。
以下では、複数の変位センサSN(1)〜SN(n)を4つの変位センサSN(1)〜SN(4)として説明する。
任意の2つの変位センサ〔SN(1),SN(2)〕,〔SN(3),SN(4)〕は、挟持部材(この例では挟持レール112b1,121b1)の穀稈搬送部材(この例ではフィードチェーン112a1,121a1)からの離間距離d1,d2を検知する。
詳しくは、挟持部材(この例では挟持レール112b1,121b1)および穀稈搬送部材(この例ではフィードチェーン112a1,121a1)は、搬送方向Wに沿って複数対設けられている。任意の2つの変位センサ〔SN(1),SN(2)〕,〔SN(3),SN(4)〕は、複数対の挟持部材および穀稈搬送部材のうちの少なくとも2対(この例では2対)の挟持部材および穀稈搬送部材に対応してそれぞれ設けられている。これにより、任意の2つの変位センサ〔SN(1),SN(2)〕は、対応する挟持部材(この例では挟持レール112b1)および穀稈搬送部材(この例ではフィードチェーン112a1)にて搬送される穀稈の厚みの時間的変位を検知することができる。また、もう1組の任意の2つの変位センサ〔SN(3),SN(4)〕は、対応する挟持部材(この例では挟持レール121b1)および穀稈搬送部材(この例ではフィードチェーン121a1)にて搬送される穀稈の厚みの時間的変位を検知することができる。
具体的には、任意の2つの変位センサ〔SN(1),SN(2)〕,〔SN(3),SN(4)〕は、回転角度センサとされている。任意の2つの変位センサ〔SN(1),SN(2)〕,〔SN(3),SN(4)〕は、この例では、ポテンショメータとされている。変位センサ〔SN(1),SN(2)〕,〔SN(3),SN(4)〕は、センサ本体SNa(図5および図6参照)と、支持部材12の対向方向Hの往復移動に伴いセンサ本体SNaの回転角度検知用の回転軸SNa1(図6参照)を回動させる回動アームSNb(図6および図7参照)を備えている。
回動アームSNbは、基端部がセンサ本体SNaの回転軸SNa1に固定されている。回動アームSNbの先端部には、回動アームSNbの長手方向に沿って延び且つ揺動軸線R方向に貫通する貫通長孔SNb1(図6参照)が設けられている。
支持部材12のフィードチェーン112a1,121a1とは反対側の端部には、揺動軸線Rに沿ったピン12b(図6参照)が立設されている。
回動アームSNbにおける貫通長孔SNb1は、支持部材12におけるピン12bに挿通されて支持部材12の対向方向Hの往復移動に伴いピン12bに摺動されるように構成されている。
ここで、変位センサ〔SN(1),SN(2)〕,〔SN(3),SN(4)〕(この例では回転角度センサ)にて検知される出力値(この例では回転角度に関する角度データ)と挟持レール112b1,121b1のフィードチェーン112a1,121a1からの離間距離d1,d2とは、所定の相関関係にある。この例では、かかる相関関係は、角度データが大きくなるに従って離間距離d1,d2が大きくなる一方、角度データが小さくなるに従って離間距離d1,d2が小さくなる比例関係を示す。
かかる構成を備えることにより、変位センサ〔SN(1),SN(2)〕,〔SN(3),SN(4)〕は、挟持レール112b1,121b1のフィードチェーン112a1,121a1からの離間距離d1,d2、ひいては、搬送される穀稈の厚みの時間的変位を検知することができる。
(リミットスイッチ)
収穫機1は、挟持部材(この例では挟持レール112b1,121b1)が藁の停滞によって穀稈搬送部材(この例ではフィードチェーン112a1,121a1)から対向方向Hに離れた所定の限界位置に到達したか否かを検知するリミットスイッチLSW(1)〜LSW(m)(mは1以上の整数であって挟持部材の数に対応する値、この例ではm=2)(図5から図7参照)をさらに備えている。
この例では、リミットスイッチLSW(1)は、縦搬送部112における挟持レール112b1が限界位置に到達したときにオン状態となる位置に設けられている。リミットスイッチLSW(2)は、補助搬送部121における挟持レール121b1が限界位置に到達したときにオン状態となる位置に設けられている。リミットスイッチLSW(1),LSW(2)は、制御装置300の入力系に電気的に接続されており、制御装置300にオン信号またはオフ信号を送信することができる。これにより、制御装置300は、リミットスイッチLSW(1),LSW(2)がオフ信号を検知することにより挟持レール112b1,121b1が限界位置に到達していないことを検出(認識)する一方、リミットスイッチLSW(1),LSW(2)がオン信号を検知することにより挟持レール112b1,121b1が限界位置に到達したことを検出(認識)することができる。
(制御装置の制御構成)
図7に示すように、制御装置300は、変位検出手段Q1と、相関関係演算手段Q2と、予兆判定手段Q3とを備える手段として機能する。
変位検出手段Q1では、制御装置300は、任意の2つの変位センサ〔SN(1),SN(2)〕,〔SN(3),SN(4)〕からの検知信号〔SG(1),SG(2)〕,〔SG(3),SG(4)〕に基づいて挟持レール112b1,121b1のフィードチェーン112a1,121a1からのそれぞれの離間距離d1,d2を検出する。
詳しくは、変位検出手段Q1では、制御装置300は、任意の2つの変位センサ〔SN(1),SN(2)〕,〔SN(3),SN(4)〕からの検知信号〔SG(1),SG(2)〕,〔SG(3),SG(4)〕のアナログ信号を予め定めた所定のサンプリング周波数でサンプリングして量子化し、符号化してデジタル信号に変換し(A/D変換し)、変換したデジタル信号(出力値)(この例では回転角度に関する角度データ)を所定の換算式または所定の換算テーブルにより離間距離d1,d2に変換し、変換した離間距離d1,d2を記憶部320に検出動作開始からの時間情報(例えば経過時間または時刻)と共に順次記憶していく。なお、所定の換算式または所定の換算テーブルは、実験等により予め求めておくことができる。所定の換算式または所定の換算テーブルは記憶部320に予め設定(記憶)されている。
相関関係演算手段Q2では、制御装置300は、任意の2つの変位センサ〔SN(1),SN(2)〕,〔SN(3),SN(4)〕のうち、上流側の変位センサSN(1),SN(3)からの出力値SO(1),SO(2)に対応する変位を二次元関数の一方の座標(縦軸または横軸)とし、下流側の変位センサSN(2),SN(4)からの出力値SO(2),SO(4)に対応する変位を二次元関数の他方の座標(横軸または縦軸)とする。
図8は、任意の2つの変位センサ〔SN(3),SN(4)〕からのそれぞれの出力値SO(3),SO(4)に対応する変位の相関関係の分布を示すグラフである。図8は、穀稈が正常に搬送している正常状態γaから藁が詰まりかけて、正常状態γaに対する異常状態γbになり、最終的にリミットスイッチLSW(2)がオンされるまでの過程を示している。なお、図8に示す例では、異常状態γbは、脱穀搬送部51の搬送を停止させて補助搬送部121で藁を強制的に詰まらせることで発生させている。そして、図8では、補助搬送部121における変位センサ〔SN(3),SN(4)〕からのそれぞれの出力値SO(3),SO(4)に対応する変位の相関関係の分布を示している。このことは、後述する図9および図12から図14についても同様である。
図8に示すように、任意の2つの変位センサ〔SN(3),SN(4)〕のうち、上流側の変位センサSN(3)の出力値SO(3)に対応する変位と、下流側の変位センサSN(4)の出力値SO(4)に対応する変位との相関関係の分布において、穀稈が正常に搬送しているときには、正常状態γaの分布となる一方で、藁が詰まりかけると、正常状態γaの分布に対する異常状態γbの分布となる。なお、図8において、「ST」は、脱穀搬送部51の搬送停止を開始した時点を表し、「ED」は、リミットスイッチLSW(2)がオンした時点を表している。
なお、図8に示す例では、補助搬送部121における変位センサ〔SN(3),SN(4)〕からのそれぞれの出力値SO(3),SO(4)に対応する変位の相関関係の分布を示しているが、縦搬送部112で藁が詰まりかけた場合に、縦搬送部112における変位センサ〔SN(1),SN(2)〕からのそれぞれの出力値SO(1),SO(2)に対応する変位の相関関係の分布についても同様に表すことができる。
これにより、予兆判定手段Q3では、制御装置300は、複数の変位センサSN(1),SN(2)〕,〔SN(3),SN(4)〕のうちの任意の2つの変位センサ〔SN(1),SN(2)〕,〔SN(3),SN(4)〕のそれぞれの出力値〔SO(1),SO(2)〕,〔SO(3),SO(4)〕に対応する変位から得られる相関関係の分布に基づいて(例えば正常状態γaの分布に対する異常状態γbの距離を算出することにより)穀稈の藁詰りの予兆(例えば正常状態γaの分布と異常状態γbとの距離が有意水準から逸脱すること)を判定することができる。
(本実施の形態について)
このように、本実施の形態によれば、制御装置300は、複数の変位センサ{この例では変位センサ〔SN(1),SN(2)〕,〔SN(3),SN(4)〕}のうちの任意の2つの変位センサ{この例では変位センサ〔SN(1),SN(2)〕,〔SN(3),SN(4)〕}のそれぞれの出力値{この例では出力値〔SO(1),SO(2)〕,〔SO(3),SO(4)〕}に対応する変位から得られる相関関係の分布に基づいて穀稈の藁詰りの予兆を判定するので、例えば、相関関係の分布の正常状態γaに対する異常度を求めることができ、或いは、相関関係の分布の正常状態γaと異常状態γbとを直接的に分類することができ、これにより、藁詰りの予兆であると確実に判定することができる。しかも、任意の2つの変位センサのそれぞれの出力値{この例では出力値〔SO(1),SO(2)〕,〔SO(3),SO(4)〕}に対応する変位から得られる相関関係を利用するので、そのまま穀稈の搬送を続けると将来的に藁詰まりが発生〔この例ではリミットスイッチLSW(1),LSW(2)がオン〕してしまうにも拘わらず、藁詰まりの予兆を判定しなかったり、逆に、そのまま穀稈の搬送を続けても将来的に藁詰まりが発生〔この例ではリミットスイッチLSW(1),LSW(2)がオン〕しないにも拘わらず、藁詰まりの予兆を判定したりする藁詰まり予兆判定の誤り率を極めて低くすることができる。
図9は、任意の2つの変位センサのそれぞれの出力値〔SO(1),SO(2)〕,〔SO(3),SO(4)〕に対応する変位から得られる相関関係を利用することで、藁詰まり予兆判定の誤り率が極めて低いことを説明するためのグラフである。図9において、「δa」は、変位センサから単に検出しただけの出力値に対応する変位を表し、「δb」は、任意の2つの変位センサのそれぞれの出力値〔SO(1),SO(2)〕,〔SO(3),SO(4)〕に対応する変位から得られる相関関係の分布の正常状態γaに対する異常状態γbの異常度を表している。また、「γa」および「γb」は、それぞれ正常状態および異常状態を表し、「ST」は、脱穀搬送部51の搬送停止を開始した時点を表し、「ED」は、リミットスイッチLSW(2)がオンした時点を表している。
図9に示すように、変位センサから単に検出しただけの出力値に対応する変位δaを表した波形では、変位センサから出力される出力値の信号変動が大きく、すなわち、藁詰まり予兆判定の誤り率が高く、藁詰まりの予兆を精度良く判定することができない。従って、藁詰まりによる余計な手間および時間を確実に無くす或いは少なくすることができない。
これに対し、任意の2つの変位センサのそれぞれの出力値〔SO(1),SO(2)〕,〔SO(3),SO(4)〕に対応する変位から得られる相関関係の分布の正常状態γaに対する異常状態γbの異常度δbを表した波形では、異常度δbの変動が極めて小さく、藁が詰まりかけると(ST参照)、異常度δbが次第に大きくなる。なお、図9では、藁が詰まりかけてから(ST参照)リミットスイッチLSW(2)がオンするまで(ED参照)、異常度δbが急激に大きくなっているように見えるが、これは、時間軸のレンジが大きいためである。
従って、本実施の形態によれば、藁詰まりの予兆を精度良く判定することができ、これにより藁詰まりによる余計な手間および時間を確実に無くす或いは少なくすることができる。
(第1実施形態)
第1実施形態において、制御装置300は、藁詰まりの予兆を判定すると、将来的に藁詰まりが発生する可能性があることを示す藁詰まり予兆警報を発する(例えば表示装置400に表示する或いはアラーム音や音声等で報知するといった藁詰まり予兆警報を発する)警報制御手段Q4(図7参照)、および/または、藁詰まりの予兆を判定すると、車速制御部500により収穫機1の車速を低減させる車速制御手段Q5(図7参照)を備えている。ここで、任意の2つの変位センサのそれぞれの出力値{この例では出力値〔SO(1),SO(2)〕,〔SO(3),SO(4)〕}に対応する変位から得られる相関関係が正常状態γaに戻ると、警報制御手段Q4は、藁詰まり予兆警報を解除する構成とされていてもよい。および/または、車速制御手段Q5は、収穫機1の車速低減動作を解除する構成とされていてもよいし、該相関関係の正常状態γaに対する異常度δbに基づいて収穫機1の車速制御を行う構成とされていてもよい。該相関関係の分布の正常状態γaに対する異常度δbに基づいて行う車速制御としては、例えば、異常度δbが大きい程、収穫機1の車速を遅くする一方、異常度δbが小さい程、収穫機1の車速を速くする制御を挙げることができる。
第1実施形態では、藁詰まりの予兆を判定すると、将来的に藁詰まりが発生する可能性があることを示す藁詰まり予兆警報を発することで、収穫機1を操作する作業者は、藁詰まり予兆警報により、藁詰まりを回避するための操作(例えば収穫機1の車速を低減させる操作)を行うことができる。そうすると、穀稈の搬送速度を低減させることができ、藁が詰まりかけていた穀稈を円滑に搬送させて収穫作業を継続させることができる。これにより、藁詰まりを手動で回避させることができ、従って、藁詰まりによる余計な手間および時間をなくすことができる。或いは、収穫機1を操作する作業者は、藁詰まり予兆警報により、たとえ収穫作業を中断(当該収穫機を停止)して詰まりかけていた藁を除去したとしても、詰まり量が少ない状態で藁を除去することができ、それだけ藁詰まりによる余計な手間および時間を少なくすることができる。
また、制御装置300は、藁詰まりの予兆を判定すると、収穫機1の車速を低減させることで、穀稈の搬送速度を低減させることができ、藁が詰まりかけていた穀稈を円滑に搬送させて収穫作業を継続させることができる。これにより、藁詰まりを自動で回避させることができ、従って、藁詰まりによる余計な手間および時間をなくすことができる。
(第2実施形態)
第2実施形態において、制御装置300は、任意の2つの変位センサのそれぞれの出力値〔SO(1),SO(2)〕,〔SO(3),SO(4)〕に対応する変位から得られる相関関係が正常状態γaと看做せる正常分布に対して、該相関関係が所定の逸脱状態(異常状態γb)であるときに藁詰りの予兆であると判定する。
こうすることで、藁詰まりの予兆をさらに精度良く判定することができ、これにより藁詰まりによる余計な手間および時間をさらに確実に無くす或いは少なくすることができる。
この例では、予兆判定手段Q3では、穀稈の搬送状態が正常状態γaと看做せる相関関係の分布(ベースライン特性)を予め設定し、正常状態γaと看做せる相関関係の分布からの離れ度合A(異常度δbの一例)が予め定めた所定の閾値Th(基準離れ度合)から逸脱した場合に藁詰まりの予兆と判定する。すなわち、閾値Thは、藁詰まりの予兆の判定基準となる。ここで、「正常状態γaと看做せる相関関係の分布」とは、藁詰まりの予兆を判定するより前の相関関係の分布とすることができる。なお、「正常状態γaと看做せる相関関係の分布」は、実験等により求めたデータを予め設定(具体的には記憶部320に記憶)するようにしてもよい。また、正常状態γaは作業中のデータを学習する形にしてもよい。すなわち、藁詰まりが発生していないと信じられるデータについては逐一メモリ(具体的には記憶部320)に保存するようにしてもよい。こうすることで、圃場や作物の特性が変化した場合にも対応し、精度を向上させることができる。
正常状態γaと看做せる相関関係の分布からの離れ度合Aが所定の閾値Thから逸脱した場合に藁詰まりの予兆と判定する手法として、例えば、主成分分析による再構成誤差を用いる方法、クラスタリング法、ホテリングのT2統計量・Local Outlier Factor法、ニューラルネットワーク法、自己組織化マップ法を挙げることができる。クラスタリング法としては、例えば、K近傍法やK平均法を挙げることができる。また、離れ度合Aを判定するのではなく、直接的に藁詰まりの予兆を判定する手法として、1クラスサポートベクトルマシンなどの分類器を用いて、正常状態γaと異常状態γbとを分類する手法を用いてもよい。これらの手法は、全て統計的機械学習と呼ばれる分野で発展している方法であり、ここでは詳しい説明を省略する。本実施の形態では、K近傍法を採用して藁詰まりの予兆を判定している。
図10から図14は、K近傍法を採用して藁詰まりの予兆を判定する例を説明するためのグラフである。
離れ度合Aは、次の式(1)から式(3)により求めることができる。
図10は、K近傍法により離れ度合Aを求める際の現在の出力値の正常データに対する距離D(i)を示している。
ここで、D(i)は、図10に示すように、相関関係の分布において、現在の出力値に対応する変位〔図10の白丸(○)参照〕から近い距離にある近傍K個(例えば10個)の出力値に対応する変位〔図10の枠F内の黒丸(●)参照〕との距離である。
式(2)のWは、上流側の変位センサSN(1),SN(3)の出力値SO(1),SO(3)に応じて離れ度合を活性化する活性化関数である。また、式(3)のWは、下流側の変位センサSN(2),SN(4)の出力値SO(2),SO(4)に応じて離れ度合を活性化する活性化関数である。活性化関数W,Wは、いわば変位センサ〔SN(1),SN(3)〕,〔SN(2),SN(4)〕の出力値〔SO(1),SO(3)〕,〔SO(2),SO(4)〕に対応する変位に基づいて重み付けする重み付け関数である。
図11は、K近傍法により離れ度合Aの算出に用いた活性化関数W,Wを示すグラフである。図11(a)は、上流側の変位センサSN(1),SN(3)の出力値SO(1),SO(3)に応じて離れ度合を活性化する活性化関数Wであり、図11(b)は、下流側の変位センサSN(2),SN(4)の出力値SO(2),SO(4)に応じて離れ度合を活性化する活性化関数Wである。
ここで、xは、上流側の変位センサSN(1),SN(3)の出力値SO(1),SO(3)に対応する変位であり、a,b,cは、予め定めた定数である。yは、下流側の変位センサSN(2),SN(4)の出力値SO(2),SO(4)に対応する変位であり、a,b,cは、予め定めた定数である。
活性化関数Wは、上流側の変位センサSN(1),SN(3)の出力値SO(1),SO(3)に対応する変位xが所定の距離(例えばb=20[mm])以下のときには略一定(例えばa≒1)となり、変位xが所定の距離(例えばb=20[mm])を超えると、変位xの増加の伴い比例的に増加する関数である。
同様に、活性化関数Wは、下流側の変位センサSN(2),SN(4)の出力値SO(2),SO(4)に対応する変位yが所定の距離(例えばb=20[mm])以下のときには略一定(例えばa≒1)となり、変位yが所定の距離(例えばb=20[mm])を超えると、変位yの増加の伴い比例的に増加する関数である。
このように、離れ度合Aの算出に活性化関数W,Wを用いるのは、変位x,yが比較的小さいときには、藁詰まりが発生することはなく或いは殆どなく、従って、所定の距離(例えばb=20[mm]、b=20[mm])以下のときには一定または略一定(例えば1またはa≒1、a≒1)としている。一方、変位x,yが比較的大きいときには、変位x,yが大きい程、藁詰まりが発生し易く、従って、所定の距離(例えばb=20[mm]、b=20[mm])を超えたときには増加関数としている。
ここで、活性化関数W,Wは、等しい式であってもよいし、挟持部112b,121bの構成等に応じて互いに異なった式であってもよい。また、定数a,aは、等しくてもよいし、挟持部112b,121bの構成等に応じて互いに異なっていてもよい。また、定数b,bは、等しくてもよいし、挟持部112b,121bの構成等に応じて互いに異なっていてもよい。また、定数c,cは、変位x,yが所定の距離(例えばb=20[mm]、b=20[mm])を超えたときの増加関数の傾きを表す値(例えば0.1)である。定数c,cは、等しくてもよいし、挟持部112b,121bの構成等に応じて互いに異なっていてもよい。
この例では、活性化関数としてソフトプラスと呼ばれる関数形を用いているが、活性化関数の関数形はいずれのものであってもよく、例えば、ReLUのようなランプ関数、シグモイド関数、ステップ関数などであってもよい。
ところで、離れ度合Aおよび閾値Thの値としては、例えば、正常状態γaと看做せる相関関係の分布が1次関数と看做すときには、1次関数からの最短距離(垂線上の距離)とする態様、正常状態γaと看做せる相関関係の分布が1群の集団と看做すときには、1群の集団の予め定めた所定値(例えば1群の集団の平均値、最大値、最小値、重心、距離的に最も遠い位置での値、距離的に最も近い位置での値)との間の直線距離とすることができる。
なお、相関関係の分布から1次関数を求める手法としては、従来公知の何れの手法を用いてもよく、ここでは詳しい説明を省略する。
本実施の形態において、予兆判定手段Q3は、離れ度合分布演算手段Q3a(図7参照)を備える。
離れ度合分布演算手段Q3aでは、制御装置300は、正常状態γaと看做せる相関関係の分布からの離れ度合Aに対する発生頻度の分布である離れ度合分布φを演算する。
図12は、正常状態γaと看做せる相関関係から算出した異常度(ベースライン特性)の時間的変化を示すグラフである。
図13は、図12に示す正常状態γaと看做せる相関関係の分布からの離れ度合Aに対する発生頻度の分布である離れ度合分布φのグラフである。図13において、「HTG」は、離れ度合分布φをヒストグラムで表し、「PDF」は、離れ度合分布φをガンマ分布で近似した確率密度関数で表し、「CDF」は、累積分布関数を表し、また、「Th」は、藁詰まり予兆判定の閾値を表している。なお、離れ度合分布φを近似する分布は、ガンマ分布に限定されるものではなく、何れの分布であってもよい。
また、図14は、正常状態γaと看做せる相関関係の分布からの離れ度合Aの時間的変化を示すグラフである。図14において、「A」は、離れ度合を表し、「Th」は、藁詰まり予兆判定の閾値を表している。また、「ST」は、脱穀搬送部51の搬送停止を開始した時点を表し、「DT」は、藁詰まりの予兆と判定した時点を表し、「ED」は、リミットスイッチLSW(2)がオンした時点を表している。
図13に示すように、本実施の形態では、正常状態γa(図12参照)と看做せる相関関係の分布からの離れ度合Aが閾値Thを逸脱した場合とは、離れ度合分布φの離れ度合Aが大きい側の片側検定(右側検定)において有意水準によって設定されている棄却域Tに入る場合である。ここで、有意水準は、危険率ともいい、例えば、それには限定されないが、10のマイナス5乗や10のマイナス6乗程度の値とすることができる。
このように、離れ度合のガンマ分布の有意水準を用いて離れ度合Aが閾値Thから逸脱したか否かを判定することで(図14参照)、藁詰まりの予兆をさらに精度よく判定することができる。
(第3実施形態)
ところで、任意の2つの変位センサ〔SN(1),SN(2)〕,〔SN(3),SN(4)〕のうち、上流側の変位センサSN(1),SN(3)で検知した穀稈の検知箇所の検知タイミングと、下流側の変位センサSN(2),SN(4)で検知した該検知箇所の検知タイミングとは、上流側の変位センサSN(1),SN(3)と下流側の変位センサSN(2),SN(4)との間の距離dw(dw1,dw2)(図5参照)および穀稈の搬送速度から算出される時間だけタイムラグが発生する。
図15は、タイムラグが発生した任意の2つの変位センサ〔SN(1),SN(2)〕,〔SN(3),SN(4)〕のそれぞれの出力値〔SO(1),SO(2)〕,〔SO(3),SO(4)〕に対応する変位の正常状態での相関関係の分布を示すグラフである。
図15に示すように、タイムラグが発生した状態での相関関係の分布では、上流側の変位センサSN(1),SN(3)で検知した穀稈の検知箇所の検知タイミングよりも下流側の変位センサSN(2),SN(4)で検知した該検知箇所の検知タイミングが遅れる分だけ相関関係の分布に時間的ずれが生じ、ひいては藁詰まりの予兆の判定精度が低下する。このことは、特に、条の刈り始め、刈り終わりで顕著となる。
この点、第3実施形態において、変位検出手段Q1では、制御装置300は、任意の2つの変位センサ〔SN(1),SN(2)〕,〔SN(3),SN(4)〕のうち、上流側の変位センサSN(1),SN(3)で検知した穀稈の検知箇所の検知タイミングと下流側の変位センサSN(2),SN(4)で検知した該検知箇所の検知タイミングとのタイムラグを補正して、相関関係の分布を求める。
図16は、タイムラグを補正した任意の2つの変位センサ〔SN(1),SN(2)〕,〔SN(3),SN(4)〕のそれぞれの出力値〔SO(1),SO(2)〕,〔SO(3),SO(4)〕に対応する変位の正常状態での相関関係の分布を示すグラフである。
こうすることで、図16に示すように、上流側の変位センサSN(1),SN(3)で検知した穀稈の検知箇所の検知タイミングと下流側の変位センサSN(2),SN(4)で検知した該検知箇所の検知タイミングとを一致または略一致させた状態で相関関係の分布を得ることができ、これにより、相関関係の時間的ずれを無くすまたは略無くすことができ、それだけ藁詰まりの予兆の判定精度を向上させることができる。
詳しくは、制御装置300は、任意の2つの変位センサ〔SN(1),SN(2)〕,〔SN(3),SN(4)〕のうち、上流側の変位センサSN(1),SN(3)で検知した穀稈の検知箇所の検知タイミングと下流側の変位センサSN(2),SN(4)で検知した該検知箇所の検知タイミングとが同一または略同一の検知タイミングになるように出力値〔SO(1),SO(2)〕,〔SO(3),SO(4)〕の検知タイミングを補正する。
具体的には、制御装置300は、上流側の変位センサSN(1),SN(3)と下流側の変位センサSN(2),SN(4)との間の距離dw(dw1,dw2)を車速センサ600からの出力値から算出した穀稈の搬送速度Vで割ることで、遅延時間Tc(=dw/v)(検知タイミングのタイムラグ)を算出し、現在の下流側の変位センサSN(2),SN(4)の出力値SO(2),SO(4)に対応する変位と、現在の時間より遅延時間Tcだけ前に検出した上流側の変位センサSN(1),SN(3)の出力値SO(1),SO(1)〔記憶部320に記憶している出力値SO(1),SO(1)〕に対応する変位との相関関係の分布を算出する。
これにより、制御装置300は、タイムラグを補正した任意の2つの変位センサ〔SN(1),SN(2)〕,〔SN(3),SN(4)〕のそれぞれの出力値〔SO(1),SO(2)〕,〔SO(3),SO(4)〕に対応する変位の相関関係の分布を得ることができる。
(第4実施形態)
ところで、制御装置300は、藁詰りの予兆であると判定した場合、藁詰りの予兆であると判定した判定対象の任意の2つの変位センサ〔SN(1),SN(2)〕,〔SN(3),SN(4)〕間において藁が詰まりかけていると判定することができる。そして、本実施の形態のように、複数の変位センサは、3以上の変位センサである場合において、任意の2つの変位センサを3以上の変位センサのうちの互いに離れた位置の変位センサとしてもよいが、あまり離れ過ぎると、藁が詰まりかけている箇所を特定し難い。このため、藁が詰まりかけている箇所を特定し易くするという観点から、任意の2つの変位センサを3以上の変位センサのうちのある程度近い変位センサとすることが好ましい。
この点、第4実施形態において、複数の変位センサは、3以上の変位センサであり、任意の2つの変位センサ〔SN(1),SN(2)〕,〔SN(3),SN(4)〕は、3以上の変位センサのうちの少なくとも1組の互いに隣り合う変位センサとされていることで、藁詰りの予兆であると判定した判定対象の任意の2つの変位センサ〔SN(1),SN(2)〕,〔SN(3),SN(4)〕間において藁が詰まりかけていることを作業者に認識させることができる。
第4実施形態において、警報制御手段Q4では、制御装置300は、藁詰りの予兆であると判定した判定対象の任意の2つの変位センサ〔SN(1),SN(2)〕,〔SN(3),SN(4)〕間において藁が詰まりかけていると判定し、該任意の2つの変位センサ〔SN(1),SN(2)〕,〔SN(3),SN(4)〕間において藁が詰まりかけていることを示す藁詰まり予兆警報を発する警報装置(例えば表示装置400および/または図示を省略したアラーム発生装置および/または図示を省略した音声出力装置)に対して指令(例えばメッセージ表示および/またはアラーム音および/または音声で報知する指令)を出力する。
(第5実施形態)
ところで、穀稈の厚みを直接的に検知する変位センサでは、出力値が不安定になり易い。従って、変位センサは、穀稈の厚みを間接的に検知するものであることが望まれる。
この点、第5実施形態において、挟持レール112b1,121b1は、搬送方向Wに沿って延び、且つ、フィードチェーン112a1,121a1に対して対向方向Hに移動自在、且つ、揺動軸線R,R回りに揺動自在な構成とされ、任意の2つの変位センサ〔SN(1),SN(2)〕,〔SN(3),SN(4)〕は、挟持レール112b1,121b1のフィードチェーン112a1,121a1からの離間距離d1,d2を検知することで、挟持レール112b1,121b1のフィードチェーン112a1,121a1から離間距離d1,d2の時間的変動を搬送部200にて搬送される穀稈の厚みの時間的変位として変位センサ〔SN(1),SN(2)〕,〔SN(3),SN(4)〕により間接的に検知することができ、これにより搬送部200にて搬送される穀稈の厚みの時間的変位を安定的に検知することができる。
(第6実施形態)
第6実施形態において、挟持部材(この例では挟持レール112b1,121b1)および穀稈搬送部材(この例ではフィードチェーン112a1,121a1)を搬送方向Wに沿って複数対設け、複数対の挟持部材および穀稈搬送部材のうちの少なくとも2対(この例では2対)の挟持部材および穀稈搬送部材に対応して任意の2つの変位センサ〔SN(1),SN(2)〕,〔SN(3),SN(4)〕をそれぞれ設けることで、藁詰りの予兆であると判定した判定対象の任意の2つの変位センサ〔SN(1),SN(2)〕,〔SN(3),SN(4)〕が設けられた対の挟持部材(この例では挟持レール112b1,121b1)および穀稈搬送部材(この例ではフィードチェーン112a1,121a1)において藁が詰まりかけていることを作業者に認識させることができ、これにより、搬送方向Wにおける藁が詰まりかけている対の挟持部材および穀稈搬送部材を確実に特定することができる。従って、例えば、作業者は、次工程の脱穀搬送部51のフィードチェーンが摩耗して搬送力が弱っているといった不都合を確認することができる。
第6実施形態において、警報制御手段Q4では、制御装置300は、藁詰まりの予兆を検出すると、藁詰りの予兆であると判断した判断対象の任意の2つの変位センサ〔SN(1),SN(2)〕,〔SN(3),SN(4)〕が設けられた対の挟持部材(この例では挟持レール112b1,121b1)および穀稈搬送部材(この例ではフィードチェーン112a1,121a1)において藁が詰まりかけていると判定し、該任意の2つの変位センサ〔SN(1),SN(2)〕,〔SN(3),SN(4)〕が設けられた対の挟持部材(この例では挟持レール112b1,121b1)および穀稈搬送部材(この例ではフィードチェーン112a1,121a1)において藁が詰まりかけていることを示す藁詰まり予兆警報を発する警報装置(例えば表示装置400および/または図示を省略したアラーム発生装置および/または図示を省略した音声出力装置)に対して指令(例えばメッセージ表示および/またはアラーム音および/または音声で報知する指令)を出力する。
(第7実施形態)
ところで、収穫機1を停止させた状態で作業者が手作業で脱穀処理を行うことがある。その場合、穀稈の搬送性が不安定となり、藁詰まりの予兆精度が低下し易い。また、作業者が手作業で脱穀処理を行うことから、特に、藁詰まりの予兆を判定しなくても支障がない。
この点、制御装置300は、予め定めた所定の条件を満たしてときに藁詰まりの予兆を判定する構成とされている。
こうするとこで、収穫機1が実際に穀稈を刈り取っているときに藁詰まりの予兆を判定することができる。
詳しくは、所定の条件は、収穫機1が穀稈を自動で(走行装置30を作動させて)刈り取っていることを示す条件である。
例えば、所定の条件は、車速センサ600による収穫機1の車速(m/s)が予め定めた所定の車速よりも速くなる車速条件、さらには、作業機部(この例では刈取装置40および脱穀装置50)への駆動力を伝達(この例ではクラッチをオンする)させる駆動伝達条件、さらには、扱胴センサ700による扱胴52aの周速度(m/s)が予め定めた所定の周速よりも速くなる周速条件とすることができる。すなわち、制御装置300は、収穫機1の車速が所定の車速よりも速くなったとき、さらには、作業機部へ駆動力を伝達したとき、さらには、扱胴52aの周速度が所定の周速よりも速くなったときに藁詰まりの予兆を判定する。
(藁詰まりの予兆判定の動作制御)
図17は、制御装置300による藁詰まりの予兆を判定する動作制御の一例を示すフローチャートである。なお、図17に示すフローチャートでは、任意の2つの変位センサ〔SN(1),SN(2)〕,〔SN(3),SN(4)〕からの出力値として挟持レール112b1,121b1のフィードチェーン112a1,121a1からの離間距離d1,d2を検知する例を示している。
図17に示すように、先ず、制御装置300は、所定の条件を満たしているか否かを判断する(ステップS1)。制御装置300は、所定の条件を満たしてないときには(ステップS1:No)、ステップS8に移行する一方、所定の条件を満たしているときには(ステップS1:Yes)、ステップS2に移行する。
次に、制御装置300は、任意の2つの変位センサ〔SN(1),SN(2)〕,〔SN(3),SN(4)〕からの出力値として挟持レール112b1,121b1のフィードチェーン112a1,121a1からの離間距離d1,d2を検知する(ステップS2)。
次に、制御装置300は、任意の2つの変位センサ〔SN(1),SN(2)〕,〔SN(3),SN(4)〕のうち、上流側の変位センサSN(1),SN(3)で検知した穀稈の検知箇所の検知タイミングと下流側の変位センサSN(2),SN(4)で検知した該検知箇所の検知タイミングとのタイムラグを補正しながら上流側の変位センサSN(1),SN(3)の出力値SO(1),SO(3)に対応する変位と、下流側の変位センサSN(2),SN(4)の出力値SO(2),SO(4)に対応する変位との相関関係を算出する(ステップS3)。
次に、制御装置300は、正常状態γaと看做せる相関関係の分布からの離れ度合Aを算出し(ステップS4)、算出した離れ度合Aが所定の閾値Thから逸脱したか否かを判断する(ステップS5)。制御装置300は、離れ度合Aが所定の閾値Thから逸脱していないときには(ステップS5:No)、藁詰まり予兆警報を行わず、および/または、収穫機1の車速低減動作を行わず(ステップS6)、ステップS8に移行する一方、離れ度合Aが所定の閾値Thから逸脱したときには(ステップS5:Yes)、藁詰まり予兆警報を発し、および/または、収穫機1の車速を低減させ(ステップS7)、ステップS8に移行する。
次に、制御装置300は、リミットスイッチLSW(1),LSW(2)がオン状態か否かを判断する(ステップS8)。制御装置300は、リミットスイッチLSW(1),LSW(2)がオン状態であるときには(ステップS8:Yes)、収穫機1の作業動作を停止させ(具体的には駆動源20を強制的に停止させ)(ステップS9)、処理動作を終了する一方、リミットスイッチLSW(1),LSW(2)がオン状態でないときには(ステップS8:No)、ステップS10に移行する。
次に、制御装置300は、処理動作の終了指示があるか否かを判断する(ステップS10)。制御装置300は、処理動作の終了指示がないときには(ステップS10:No)、ステップS1に移行する一方、処理動作の終了指示があるときには(ステップS10:Yes)、処理動作を終了する。
(その他の実施の形態)
本実施の形態では、刈取搬送部100(この例では縦搬送部112および補助搬送部121)にて搬送される穀稈の厚みの時間的変位を変位センサにて検知するように適用したが、脱穀搬送部51および/または排藁搬送部54にて搬送される穀稈の厚みの時間的変位を変位センサにて検知するに適用してもよい。
また、本実施の形態では、変位センサを4つとしたが、3つ或いは5つ以上であってもよい。
また、本実施の形態では、任意の2つの変位センサを個々の挟持レール121b1,112b1内の隣り合う変位センサ〔SN(1),SN(2)〕,〔SN(3),SN(4)〕としたが、隣り合う挟持レール121b1,112b1間の隣り合う変位センサSN(2),SN(3)としてよい。また、任意の2つの変位センサを隣り合っていない変位センサSN(1),SN(4)としてもよい。
また、本実施の形態では、任意の2つの変位センサ〔SN(1),SN(2)〕,〔SN(3),SN(4)〕により、挟持レール112b1,121b1のフィードチェーン112a1,121a1からの離間距離d1,d2を検知して穀稈の厚みを間接的に検知するようにしたが、他の構成で穀稈の厚みを間接的に検知するようにしてもよいし、穀稈の厚みを直接的に検知するようにしてもよい。
また、本実施の形態において、収穫機1にGNSS(Global Navigation Satellite System:全地球測位システム)衛星からの電波を受信するGNSS受信機を設け、圃場の何れの位置(緯度、経度)で藁詰まりが発生し易いかを検出するようにしてもよい。こうすることで、収穫機1に不都合があるのか、穀稈が混雑している状態なのかを後ほどから検証することができる。ここで、GNSSとしては、GPS:Global Positioning System(米国)、GLONASS:GLObal’naya NAvigatsionnaya Sputnikovaya Sistema(ロシア)、ガリレオ:Galileo(欧州)、コンパス:Compass(中国)、QZSS:Quasi−Zenith Satellite System(日本)等を例示できる。
本発明は、以上説明した実施の形態に限定されるものではなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、かかる実施の形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
1 収穫機
10 走行機台
11 回動軸
12 支持部材
12a 規制部
12b ピン
13 筐体
13a 案内部
13b 案内部
13c 第1側板
13d 第2側板
14 付勢部材
20 駆動源
30 走行装置
40 刈取装置
40a 支柱
41 刈取部
41a 分草体
41b 穀稈引起装置
41c 株元部掻込み装置
41d 刈刃装置
42 刈取フレーム
43 刈取入力ケース
43a 刈取入力軸
50 脱穀装置
51 脱穀搬送部
52 脱穀部
52a 扱胴
53 選別部
60 運転席
70 グレンタンク
71 縦排出オーガ
72 横排出オーガ
100 刈取搬送部
110 下部搬送装置
111 下部搬送部
111L 左株元合流搬送チェーン
111R 右株元合流搬送チェーン
112 縦搬送部
112a チェーン搬送部
112a1 フィードチェーン(穀稈搬送部材の一例)
112a3 穀稈搬送領域
112b 挟持部
112b1 挟持レール(挟持部材の一例)
112b2 ガイド部
120 補助搬送装置
121 補助搬送部
121a チェーン搬送部
121a1 フィードチェーン(穀稈搬送部材の他の例)
121a3 穀稈搬送領域
121b 挟持部
121b1 挟持レール(挟持部材の他の例)
121b2 ガイド部
130 上部搬送装置
131 上部搬送部
131L 左上部搬送タイン
131R 右上部搬送タイン
140 穂先部搬送装置
141 穂先部搬送部
200 搬送部
300 制御装置
310 処理部
320 記憶部
400 表示装置
500 車速制御部
600 車速センサ
700 扱胴センサ
離れ度合
D 距離
F 枠
H 対向方向
LSW リミットスイッチ
PH 貫通孔
Pa1 地点
Pa2 地点
Pb1 交点
Pb2 交点
Q1 変位検出手段
Q2 相関関係演算手段
Q3 予兆判定手段
Q3a 離れ度合分布演算手段
Q4 警報制御手段
Q5 車速制御手段
R 揺動軸線
SN 変位センサ
SNa センサ本体
SNa1 回転軸
SNb 回動アーム
SNb1 貫通長孔
SO 出力値
T 棄却域
Tc 遅延時間
Th 閾値
V 搬送速度
W 搬送方向
活性化関数
活性化関数
定数
定数
定数
定数
定数
定数
d1 離間距離
d2 離間距離
dw 距離
x 変位
y 変位
β1 仮想垂線
β2 仮想垂線
γa 正常状態
γb 異常状態
δa 変位
δb 異常度
φ 離れ度合分布

Claims (5)

  1. 刈り取った穀稈を穀稈搬送部材と該穀稈搬送部材に対向する挟持部材とで挟持搬送する搬送部を設けた収穫機であって、
    前記搬送部にて搬送される前記穀稈の厚みの時間的変位を検知する変位センサを前記穀稈の搬送方向に離間して複数設け、
    前記複数の変位センサのうちの任意の2つの変位センサのそれぞれの出力値に対応する変位から得られる相関関係の分布に基づいて前記穀稈の藁詰りの予兆を判定する制御装置を設け
    前記制御装置は、前記相関関係の正常状態と看做せる分布である正常分布に対して、該相関関係が所定の逸脱状態であるときに前記藁詰りの予兆であると判定することを特徴とする収穫機。
  2. 請求項1に記載の収穫機であって、
    前記制御装置は、前記任意の2つの変位センサのうち、上流側の変位センサで検知した前記穀稈の検知箇所の検知タイミングと下流側の変位センサで検知した該検知箇所の検知タイミングとのタイムラグを補正して、前記相関関係の分布を求めることを特徴とする収穫機。
  3. 請求項1または請求項に記載の収穫機であって、
    前記複数の変位センサは、3以上の変位センサであり、
    前記任意の2つの変位センサは、前記3以上の変位センサのうちの少なくとも1組の互いに隣り合う変位センサであることを特徴とする収穫機。
  4. 請求項1から請求項までの何れか1つに記載の収穫機であって、
    前記挟持部材は、前記搬送方向に沿って延び、前記穀稈搬送部材に対して対向方向に移動自在、且つ、前記搬送方向および前記対向方向の双方に直交または略直交する方向に沿った揺動軸線回りに揺動自在な構成とされ、
    前記任意の2つの変位センサは、前記挟持部材の前記穀稈搬送部材からの離間距離を検知することを特徴とする収穫機。
  5. 請求項1から請求項までの何れか1つに記載の収穫機であって、
    前記穀稈搬送部材および前記挟持部材を前記搬送方向に沿って複数対設け、
    複数対の前記穀稈搬送部材および前記挟持部材のうちの少なくとも2対の前記穀稈搬送部材および前記挟持部材に対応して前記任意の2つの変位センサをそれぞれ設けることを特徴とする収穫機。
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