JP6669325B1 - 鋼板 - Google Patents
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Abstract
Description
(1)質量%で、
C:0.18%超0.45%未満、
Si:0.001%以上3.50%未満、
Mn:4.00%超9.00%未満、
sol.Al:0.001%以上2.00%未満、
Mo:0.030%以上0.500%以下、
B:0.0003%以上0.010%以下、
P:0.023%以下、
S:0.010%以下、
N:0.050%未満、
O:0.020%未満、
Cr:0.00%以上2.00%未満、
W:0.00%以上2.00%以下、
Cu:0.00%以上2.00%以下、
Ni:0.00%以上2.00%以下、
Ti:0.000%以上0.300%以下、
Nb:0.000%以上0.300%以下、
V:0.000%以上0.300%以下、
Ca:0.000%以上0.010%以下、
Mg:0.000%以上0.010%以下、
Zr:0.000%以上0.010%以下、
REM:0.000%以上0.010%以下、
Sb:0.000%以上0.050%以下、
Sn:0.000%以上0.050%以下、及び
Bi:0.000%以上0.050%以下を含有し、
さらに、Mn及びMoを式(1):
25≦[Mn]/[Mo]≦150 (1)
を満たす範囲に制限し、式中、[Mn]及び[Mo]はそれぞれ、Mn及びMoの含有量(質量%)であり、
残部が鉄および不純物であり、
L断面において表面から厚みの1/4位置における金属組織が、面積率で、40%以上90%以下の焼き戻しマルテンサイトを含み、
前記焼き戻しマルテンサイト中のMo濃度が、鋼板の平均Mo含有量の1.03倍以上1.15倍以下である
こと特徴とする鋼板。
(2)質量%で、
Cr:0.01%以上2.00%未満、
W:0.01%以上2.00%以下、
Cu:0.01%以上2.00%以下、及び
Ni:0.01%以上2.00%以下
の1種又は2種以上を含有することを特徴とする、上記(1)に記載の鋼板。
(3)質量%で、
Ti:0.005%以上0.300%以下、
Nb:0.005%以上0.300%以下、及び
V:0.005%以上0.300%以下
の1種又は2種以上を含有することを特徴とする、上記(1)又は(2)に記載の鋼板。
(4)質量%で、
Ca:0.0001%以上0.0100%以下、
Mg:0.0001%以上0.0100%以下、
Zr:0.0001%以上0.0100%以下、及び
REM:0.0001%以上0.0100%以下
の1種又は2種以上を含有することを特徴とする、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の鋼板。
(5)質量%で、
Sb:0.0005%以上0.0500%以下、
Sn:0.0005%以上0.0500%以下、及び
Bi:0.0005%以上0.0500%以下
の1種又は2種以上を含有することを特徴とする、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の鋼板。
(6)前記鋼板のL断面において表面から厚みの1/4位置における金属組織が、面積率で、15%以上75%以下の残留オーステナイトを含むことを特徴とする、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の鋼板。
(7)前記鋼板の表面に溶融亜鉛めっき層を有することを特徴とする、上記(1)〜(6)のいずれかに記載の鋼板。
(8)前記鋼板の表面に合金化溶融亜鉛めっき層を有することを特徴とする、上記(1)〜(6)のいずれかに記載の鋼板。
本開示の鋼板の化学組成を上述のように規定した理由を説明する。以下の説明において、各元素の含有量を表す「%」は特に断りがない限り質量%を意味する。
Cは、鋼の強度と伸び特性とを高めるために、極めて重要な元素である。十分な引張強度を得るためには、0.18%超のC含有量が必要となる。一方、Cを過剰に含有すると鋼板の溶接性を損なうので、C含有量の上限を0.45%未満とした。引張強度と全伸びとを高める点から、C含有量の下限値は、好ましくは0.20%以上、より好ましくは0.24%以上である。また、C含有量の下限値を0.24%以上にすると、面積率で、残留オーステナイトが20%以上となる。さらに、C含有量の下限値を0.24%以上にし、かつ、後述するB含有量を0.0005%以上0.0040%以下に制御することで、引張強度と全伸びとの積をさらに向上させることができる。C含有量の上限値は、好ましくは0.40%以下、より好ましくは0.35%以下であり、C含有量の上限値を上記範囲にすることによって、鋼板の溶接性をより高めることができる。
Siは、セメンタイトの析出と粗大化とを抑制し、焼鈍中に生成するオーステナイトを制御しやすくする作用も有する。上記効果を得るために、0.001%以上のSi含有量が必要となる。Si含有量の下限値は、好ましくは0.01%以上、より好ましくは0.40%以上である。また、Siの含有量が1.00%以上になると、強度−延性バランスを保ちつつ疲労特性を向上させることができるので、Si含有量の下限値は、さらに好ましくは1.00%以上である。一方、Siを過剰に含有すると鋼板のメッキ性や化成処理性を損なうので、Si含有量の上限値を3.50%未満とした。さらに、Si含有量の上限値は、好ましくは3.00%以下、より好ましくは2.50%以下である。
Mnは、引張強度と全伸びとを高める元素である。4.00%超のMnを含有させることで、引張強度及び引張強度と全伸びとの積を向上することができる。また、本開示の鋼板においては、Mnをオーステナイト中に分配させ、よりオーステナイトを安定化させる。Mn含有量の下限値は、好ましくは4.30%以上、より好ましくは4.80%以上である。Mnの含有量が5.40%以上になると、面積率で、残留オーステナイトが20%以上になるので、Mn含有量の下限値は、さらに好ましくは5.40%以上となる。すなわち、Cが0.24%以上、および/またはMnが5.40%以上含有されていれば、面積率で、残留オーステナイトが20%以上となる。Mnの含有量は、さらにより好ましくは6.00%以上である。Mnの含有量が6.00%以上であれば、面積率で、残留オーステナイトが30%以上となり、機械特性がさらに向上する。一方、鋼板がMnを過剰に含有すると延性を損なわれ、脆性的に破壊するので、Mn含有量の上限を9.00%未満とした。Mn含有量の上限値は、好ましくは8.50%以下、より好ましくは8.20%以下である。Mn含有量の下限値及び上限値を上記範囲にすることによって、さらにオーステナイトを安定化させることができる。
Alは、脱酸剤であり、0.001%以上含有させる必要がある。また、Alは、焼鈍時の二相温度域を広げるため、材質安定性を高める作用も有する。Alの含有量が多いほどその効果は大きくなるが、Alを過剰に含有させると、鋳造性などの劣化を招くので、sol.Alの上限を2.00%未満とした。sol.Al含有量の下限値は、好ましくは0.005%以上、より好ましくは0.010%以上、さらに好ましくは0.020%以上である。sol.Al含有量の上限値は、好ましくは1.20%以下、より好ましくは0.60%以下である。sol.Al含有量の下限値及び上限値を上記範囲にすることによって、脱酸効果及び材質安定向上効果と、鋳造性とのバランスがより良好になる。本明細書にいう「sol.Al」は、「酸可溶性Al」を意味する。
Moは、脆性的な破壊を抑制するために、極めて重要な元素である。脆性的な破壊を抑制するために、0.030%以上のMo含有量が必要となり、さらに、後述するように、Mn含有量とMo含有量との比を制御することが必要になる。一方、Mo含有量が0.500%を超えると、その効果が飽和するので、コストの点から、Mo含有量の上限を0.500%以下とした。
Bは、優れた伸び特性を発現させるために、極めて重要な元素である。Bによる粒界強化の効果を発揮させるためには、0.0003%以上のB含有量が必要となる。一方、Bを過剰に含有すると靭性を損なうので、B含有量の上限を0.010%以下とした。B含有量の下限値は、好ましくは0.0005%以上、より好ましくは0.0008%以上である。C含有量が0.24%以上である場合、B含有量の下限値を、好ましくは0.0005%以上、より好ましくは0.0008%以上とすることで、引張強度と全伸びとの積をさらに向上させることができる。B含有量の上限値は、好ましくは0.0040%以下、より好ましくは0.0030%以下である。
Pは不純物であり、鋼板がPを過剰に含有すると、靭性や溶接性を損なうだけでなく、Bの添加による粒界脆化抑制効果を阻害する。したがって、P含有量の上限を0.023%以下とする。P含有量の上限値は、好ましくは0.020%以下、より好ましくは0.015%以下、さらに好ましくは0.012%以下である。本実施形態に係る鋼板はPを必要としないので、Pを実質的に含有しなくてもよく、P含有量の下限値は0.000%である。P含有量の下限値は0.000%超または0.001%以上でもよいが、P含有量は少ないほど好ましい。
Sは不純物であり、鋼板がSを過剰に含有すると、熱間圧延によって伸張したMnSが生成し、曲げ性及び穴広げ性などの成形性の劣化を招く。したがって、S含有量の上限を0.010%以下とする。S含有量の上限値は、好ましくは0.007%以下、より好ましくは0.003%以下である。本実施形態に係る鋼板はSを必要としないので、Sを実質的に含有しなくてもよく、S含有量の下限値は0.000%である。S含有量の下限値を0.000%超または0.001%以上としてもよいが、S含有量は少ないほど好ましい。
Nは不純物であり、鋼板が0.050%以上のNを含有すると靭性を損なう。したがって、N含有量の上限を0.050%未満とする。N含有量の上限値は、好ましくは0.010%以下、より好ましくは0.006%以下である。本実施形態に係る鋼板はNを必要としないので、Nを実質的に含有しなくてもよく、N含有量の下限値は0.000%である。N含有量の下限値を0.000%超または0.001%以上としてもよいが、N含有量は少ないほど好ましい。
Oは不純物であり、鋼板が0.020%以上のOを含有すると延性の劣化を招く。したがって、O含有量の上限を0.020%未満とする。O含有量の上限値は、好ましくは0.010%以下、より好ましくは0.005%以下、さらに好ましくは0.003%以下である。本実施形態に係る鋼板はOを必要としないので、Oを実質的に含有しなくてもよく、O含有量の下限値は0.000%である。O含有量の下限値を0.000%超または0.001%以上としてもよいが、O含有量は少ないほど好ましい。
25≦[Mn]/[Mo]≦150 (1)
を満たす範囲に制限する。式(1)において、[Mn]及び[Mo]はそれぞれ、Mn及びMoの含有量(質量%)である。
(W:0.00%以上2.00%以下)
(Cu:0.00%以上2.00%以下)
(Ni:0.00%以上2.00%以下)
Cr、W、Cu、及びNiはそれぞれ、本実施形態に係る鋼板に必須の元素ではないので含まれなくてもよく、それぞれの含有量は0.00%以上である。しかしながら、Cr、W、Cu、及びNiは、鋼板の強度を向上させる元素であるので、含有されてもよい。鋼板の強度向上効果を得るために、鋼板は、Cr、W、Cu、及びNiからなる群から選択された1種又は2種以上の元素それぞれを0.01%以上含有してもよい。しかしながら、鋼板がこれらの元素を過剰に含有すると、熱延時の表面傷が生成しやすくなり、さらには、熱延鋼板の強度が高くなりすぎて、冷間圧延性が低下する場合がある。したがって、Cr、W、Cu、及びNiからなる群から選択された1種又は2種以上の元素それぞれの含有量の上限値を2.00%以下とする。
(Nb:0.000%以上0.300%以下)
(V:0.000%以上0.300%以下)
Ti、Nb、及びVは、本実施形態に係る鋼板に必須の元素ではないので含まれなくてもよく、それぞれの含有量は0.000%以上である。しかし、Ti、Nb、及びVは、微細な炭化物、窒化物または炭窒化物を生成する元素であるので、鋼板の強度向上に有効である。したがって、鋼板は、Ti、Nb、及びVからなる群から選択される1種または2種以上の元素を含有してもよい。鋼板の強度向上効果を得るためには、Ti、Nb、及びVからなる群から選択される1種または2種以上の元素それぞれの含有量の下限値を0.005%以上とすることが好ましい。一方で、これらの元素を過剰に含有させると、熱延鋼板の強度が上昇しすぎて、冷間圧延性が低下する場合がある。したがって、Ti、Nb、及びVからなる群から選択される1種または2種以上の元素それぞれの含有量の上限値を0.300%以下とする。
(Mg:0.000%以上0.010%以下)
(Zr:0.000%以上0.010%以下)
(REM:0.000%以上0.010%以下)
Ca、Mg、Zr、及びREM(希土類金属)は、本開示の鋼板に必須の元素ではないので含まれなくてもよく、それぞれの含有量は0.000%以上である。しかしながら、Ca、Mg、Zr、及びREMは、鋼板の局部延性及び穴広げ性を向上させる。この効果を得るためには、Ca、Mg、Zr、及びREMからなる群から選択される1種または2種以上の元素それぞれの含有量の下限値を好ましくは0.0001%以上、より好ましくは0.001%以上とする。しかし、過剰量のこれら元素は、鋼板の加工性を劣化させるので、これら元素それぞれの含有量の上限を0.010%以下とし、Ca、Mg、Zr、及びREMからなる群から選択される1種または2種以上の元素の含有量の合計を0.030%以下とすることが好ましい。
(Sn:0.000%以上0.050%以下)
(Bi:0.000%以上0.050%以下)
Sb、Sn、及びBiは、本開示の鋼板に必須の元素ではないので含まれなくてもよく、それぞれの含有量は0.000%以上である。しかしながら、Sb、Sn、及びBiは、鋼板中のMn、Si、及び/又はAl等の易酸化性元素が鋼板表面に拡散され酸化物を形成することを抑え、鋼板の表面性状やめっき性を高める。この効果を得るために、Sb、Sn、及びBiからなる群から選択される1種又は2種以上の元素それぞれの含有量の下限値を好ましくは0.0005%以上、より好ましくは0.001%以上とする。一方、これら元素それぞれの含有量が0.050%を超えると、その効果が飽和するので、これら元素それぞれの含有量の上限値を0.050%以下とした。
次に、本実施形態に係る鋼板の金属組織について説明する。
本実施形態に係る鋼板のL断面において表面から厚みの1/4位置(1/4t部ともいう)における金属組織は、面積率で、40%以上90%以下の焼き戻しマルテンサイトを含む。焼き戻しマルテンサイトの面積率は、焼鈍の条件によって変化し、強度、均一伸び特性、穴広げ性などの材質に影響を与える。L断面とは、板厚方向と圧延方向に平行に鋼板の圧延方向の中心軸を通るように切断した面をいう。
本実施形態に係る鋼板のL断面において表面から厚みの1/4位置における金属組織は、面積率で、15%以上75%以下の残留オーステナイトを含むことが好ましい。残留オーステナイトの面積率は、焼鈍の条件によって変化し、強度、均一伸び特性、穴広げ性などの材質に影響を与える。
本実施形態に係る鋼板においては、焼き戻しマルテンサイト中のMo濃度は、鋼板の平均Mo含有量の1.03倍以上1.15倍以下である。焼き戻しマルテンサイト中のMo濃度の測定は、走査型電子顕微鏡(SEM)により観察される10点の焼き戻しマルテンサイトの組織のそれぞれに対して電子線プローブマイクロアナライザー(EPMA)による元素分布に基づいて行い、各点におけるMo濃度の測定結果の平均値を焼き戻しマルテンサイト中のMo濃度とした。鋼板の平均Mo含有量は、鋼板の表面から厚みの1/4位置において、10μmの線長において0.1μm間隔で各点のMo濃度を測定し、その平均値とした。破断特性を高め、さらに、延性を高めるためには、焼き戻しマルテンサイト中のMo濃度が、鋼板のMo含有量の1.03倍以上である必要がある。1.03倍未満である場合、脆性破壊しやすくなり、延性も著しく劣化する。鋼板のMo含有量に対して、焼き戻しマルテンサイト中のMo濃度は高いほど好ましい。焼き戻しマルテンサイト中のMo濃度は、好ましくは鋼板のMo含有量の1.04倍以上であり、より好ましくは鋼板のMo含有量の1.05倍以上である。しかしながら、上述した化学成分を有する鋼板では、焼き戻しマルテンサイト中のMo濃度がMo含有量の1.15倍が実質的に上限となる。このため、焼き戻しマルテンサイト中のMo濃度がMo含有量の1.15倍を上限とする。
次に、本実施形態に係る鋼板の機械特性について説明する。
次に、本実施形態に係る鋼板の製造方法について説明する。
Ac3=910−200√C+44Si−25Mn+44Al
が得られ、この式を用いてAc3点を算出することができる。
表1に示す化学成分を有する鋼を転炉で溶製し、連続鋳造により245mm厚のスラブを得た。
各例で得られた焼鈍冷延鋼板について、焼き戻しマルテンサイト、残留オーステナイト、及びフレッシュマルテンサイトの面積率、Mo濃度に対するMn濃度の比率[Mn]/[Mo]、引張強度、並びに全伸びを評価した。各評価の方法は次のとおりである。
鋼板の圧延方向に直角方向からJIS5号引張試験片3枚を採取し、それぞれの試験片から引張強度(TS)及び全伸び(EL)を測定した。引張試験は、JIS5号引張試験片を用いて、JIS Z2241:2011に規定される方法で行った。全伸びの測定は、JIS5号試験片を用いて、JIS Z2241:2011に規定される方法で行った。引張強度、及び引張強度と全伸びとの積(TS×EL)は引張試験三回の平均値とした。引張試験後の試料破面を電子顕微鏡で観察し、へき開破面、あるいは、粒界破面を含む脆性破面が認められる鋼板を不良、脆性破面が認められない試料を良好と評価した。また、別途V曲げ試験を行った。曲げ試験は、幅15mm(曲げ稜線となる方向)、長さ50mmの試験片を、先端角度90度、先端Rが板厚の5倍のV型ポンチでVブロックに押し込んだ。その後、曲げ稜線を観察し、稜線に割れがない場合を曲げ性が良好とした。
上記の評価の結果を表4に示す。1320MPa以上の引張強度(TS)及び26000MPa%以上の引張強度と全伸びとの積(TS×EL)を示し、破面様相が良好な鋼板を、優れた伸び特性及び高強度を有し且つ引張り時にくびれを伴う延性破壊が生じる鋼板として評価した。なお、例番号14及び例番号18については、焼き戻しマルテンサイト、残留オーステナイトおよびフレッシュマルテンサイト以外に、フェライトおよび未再結晶フェライトが観察された。また、実施例の鋼板のうち、フレッシュマルテンサイトの面積率が30%以下の例番号はV曲げ試験時に割れが発生せず、曲げ性が良好であった。
Claims (8)
- 質量%で、
C:0.18%超0.45%未満、
Si:0.001%以上3.50%未満、
Mn:4.00%超9.00%未満、
sol.Al:0.001%以上2.00%未満、
Mo:0.030%以上0.500%以下、
B:0.0003%以上0.010%以下、
P:0.023%以下、
S:0.010%以下、
N:0.050%未満、
O:0.020%未満、
Cr:0.00%以上2.00%未満、
W:0.00%以上2.00%以下、
Cu:0.00%以上2.00%以下、
Ni:0.00%以上2.00%以下、
Ti:0.000%以上0.300%以下、
Nb:0.000%以上0.300%以下、
V:0.000%以上0.300%以下、
Ca:0.000%以上0.010%以下、
Mg:0.000%以上0.010%以下、
Zr:0.000%以上0.010%以下、
REM:0.000%以上0.010%以下、
Sb:0.000%以上0.050%以下、
Sn:0.000%以上0.050%以下、及び
Bi:0.000%以上0.050%以下を含有し、
さらに、Mn及びMoを式(1):
25≦[Mn]/[Mo]≦150 (1)
を満たす範囲に制限し、式中、[Mn]及び[Mo]はそれぞれ、Mn及びMoの含有量(質量%)であり、
残部が鉄および不純物であり、
L断面において表面から厚みの1/4位置における金属組織が、面積率で、40%以上90%以下の焼き戻しマルテンサイトを含み、
前記焼き戻しマルテンサイト中のMo濃度が、鋼板の平均Mo含有量の1.03倍以上1.15倍以下である
こと特徴とする鋼板。 - 質量%で、
Cr:0.01%以上2.00%未満、
W:0.01%以上2.00%以下、
Cu:0.01%以上2.00%以下、及び
Ni:0.01%以上2.00%以下
の1種又は2種以上を含有することを特徴とする、請求項1に記載の鋼板。 - 質量%で、
Ti:0.005%以上0.300%以下、
Nb:0.005%以上0.300%以下、及び
V:0.005%以上0.300%以下
の1種又は2種以上を含有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の鋼板。 - 質量%で、
Ca:0.0001%以上0.0100%以下、
Mg:0.0001%以上0.0100%以下、
Zr:0.0001%以上0.0100%以下、及び
REM:0.0001%以上0.0100%以下
の1種又は2種以上を含有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の鋼板。 - 質量%で、
Sb:0.0005%以上0.0500%以下、
Sn:0.0005%以上0.0500%以下、及び
Bi:0.0005%以上0.0500%以下
の1種又は2種以上を含有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の鋼板。 - 前記鋼板のL断面において表面から厚みの1/4位置における金属組織が、面積率で、15%以上75%以下の残留オーステナイトを含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の鋼板。
- 前記鋼板の表面に溶融亜鉛めっき層を有することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の鋼板。
- 前記鋼板の表面に合金化溶融亜鉛めっき層を有することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の鋼板。
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