JP6669262B2 - 弾性波フィルタ装置、高周波フロントエンド回路及び通信装置 - Google Patents

弾性波フィルタ装置、高周波フロントエンド回路及び通信装置 Download PDF

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Description

本発明は、共振子を有する弾性波フィルタ装置、高周波フロントエンド回路及び通信装置に関する。
従来、ラダー型フィルタ等の弾性波フィルタ装置として、直列腕(直列腕共振回路)とグランドとを結ぶ1つの並列腕(並列腕共振回路)について、第1の並列腕共振子、及び、互いに直列接続された状態で当該第1の並列腕共振子に並列接続された複数の第2の並列腕共振子を設ける構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。この弾性波フィルタ装置では、複数の第2の並列腕共振子の共振周波数が直列腕共振子の反共振周波数よりも高く、かつ、当該複数の第2の並列腕共振子のうち少なくとも1つの第2の並列腕共振子の反共振周波数が他の第2の並列腕共振子の反共振周波数と異なる。これにより、この弾性波フィルタ装置は、阻止域(減衰帯域)内の特定の周波数帯域において減衰量が大きい減衰域の幅を広げることができる。
特開2014−68123号公報
ここで、近年のマルチバンド化等への対応に伴い、移動体通信機のフロントエンド部に配置されるフィルタには、低ロス化及び高選択度化(自帯域に隣接する他の帯域との相互干渉の抑制)が求められている。つまり、フィルタ特性について、通過帯域内のロスを抑制し、かつ、減衰スロープの急峻性(いわゆる「通過帯域端のキレ」)の向上が求められている。
しかしながら、上記従来の弾性波フィルタ装置では、フィルタ特性が共振子のQによって制約されるため、通過帯域内の低ロス化及び通過帯域高域側のキレの改善を図ることが難しかった。ここで、通過帯域高域側のキレの改善を図るとは、具体的には、通過帯域の両側において通過帯域から減衰帯域にかけて形成される2つの減衰スロープのうち高域側の減衰スロープの急峻性を向上させることをいう。
そこで、本発明は、通過帯域内の低ロス化及び通過帯域高域側のキレの改善を図ることができる弾性波フィルタ装置、高周波フロントエンド回路及び通信装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る弾性波フィルタ装置は、第1入出力端子と第2入出力端子とを結ぶ経路上に接続された直列腕共振回路と、前記経路上の同一ノードとグランドとの間に接続された第1並列腕共振子及び第2並列腕共振子と、を有し、前記第2並列腕共振子における共振周波数は、前記第1並列腕共振子における共振周波数よりも高く、前記第2並列腕共振子における反共振周波数は、前記第1並列腕共振子における反共振周波数よりも高く、前記第1並列腕共振子及び前記第2並列腕共振子は、IDT電極を有する弾性波共振子からなり、前記第2並列腕共振子における前記IDT電極は、前記第1並列腕共振子における前記IDT電極よりも、複数の電極指の対数に対する複数の電極指の交叉幅の比である縦横比が小さい。
本願発明者は鋭意検討の結果、次のことを見出した。すなわち、共振子単体のインピーダンス特性については、IDT電極の縦横比が小さいほど共振周波数のQが高くなり、逆に、IDT電極の縦横比が大きいほど反共振周波数のQが高くなる。また、フィルタ特性については、第2並列腕共振子の共振周波数のQが高く、第1並列腕共振子の反共振周波数のQが高いほど、通過帯域内の低ロス化及び通過帯域高域側のキレを改善することができる。したがって、第2並列腕共振子におけるIDT電極の縦横比を、第1並列腕共振子におけるIDT電極の縦横比より小さくすることにより、通過帯域内の低ロス化及び通過帯域高域側のキレの改善を図ることができる。
また、前記第2並列腕共振子における前記IDT電極は、前記第1並列腕共振子における前記IDT電極よりも、前記交叉幅が小さいことにより前記縦横比が小さいことにしてもよい。
共振子では、交叉幅が小さいほど、電極指抵抗が小さくなる。つまり、交叉幅を小さくすることにより、共振子において共振周波数のQを劣化させる要因である直列抵抗を小さくすることができる。したがって、第2並列腕共振子におけるIDT電極の交叉幅を小さくすることにより、通過帯域内のさらなる低ロス化及び通過帯域高域側のキレのさらなる改善を図ることができる。
また、前記第2並列腕共振子における前記IDT電極は、前記第1並列腕共振子における前記IDT電極よりも、前記対数が多いことにより前記縦横比が小さいことにしてもよい。
本願発明者は鋭意検討の結果、次のことを見出した。すなわち、共振子において、共振周波数より低域側の周波数帯域では、対数が小さくなるほど、グレーティングによる阻止域のサイドローブによるリップル(局所的な変動)が大きくなる。ここで、第2並列腕共振子の共振周波数より低域側の周波数帯域は、フィルタの通過帯域内に位置する。したがって、第2並列腕共振子におけるIDT電極の対数を多くすることにより、通過帯域内のリップルを抑制しつつ、通過帯域内の低ロス化及び通過帯域高域側のキレの改善を図ることができる。
また、前記直列腕共振回路は、IDT電極を有する弾性波共振子を有し、前記直列腕共振回路における前記IDT電極は、前記第1並列腕共振子における前記IDT電極よりも、前記縦横比が小さいことにしてもよい。
フィルタの通過帯域は、直列腕共振子の共振周波数と並列腕共振回路(本態様では第1並列腕共振子及び第2並列腕共振子の並列接続回路)の低域側の反共振周波数とで形成される。上述したように、共振子単体のインピーダンス特性については、IDT電極の縦横比が小さいほど共振周波数のQが高くなり、逆に、IDT電極の縦横比が大きいほど反共振周波数のQが高くなる。このため、直列腕共振子におけるIDT電極の縦横比を小さくすることにより、通過帯域内のさらなる低ロス化を図ることができる。
また、前記直列腕共振回路における前記IDT電極は、前記第2並列腕共振子における前記IDT電極よりも、前記縦横比が大きいことにしてもよい。
IDT電極で構成される共振子(弾性表面波共振子)では、交叉幅を小さくし過ぎると、弾性表面波の回折による損失(回折損)の影響が大きくなる。直列腕共振子は、共振周波数が通過帯域を形成し、反共振周波数が通過帯域高域側の減衰極を形成する。このため、フィルタ特性の観点から、直列腕共振子の交叉幅を小さくすることには限界がある。一方、第2並列腕共振子は、共振周波数が通過帯域高域側の減衰極を形成するものの、反共振周波数はフィルタ特性の形成にはあまり寄与しない。また、回折損は、共振周波数より高域側で発生するため、共振特性には大きな影響を及ぼしにくい。このため、フィルタ特性の観点から、第2並列腕共振子の交叉幅を小さくすることには特に問題がない。
したがって、直列腕共振子におけるIDT電極の縦横比を、第2並列腕共振子におけるIDT電極の縦横比よりも大きくすることにより、直列腕共振子の交差幅を小さくし過ぎることによる回折損の影響を抑制できる。このため、回折損によるフィルタ特性の劣化を抑制しつつ、通過帯域内の低ロス化及び通過帯域高域側のキレの改善を図ることができる。
また、さらに、一対のインピーダンス素子及びスイッチ素子が並列接続されたインピーダンス回路を有し、前記第1並列腕共振子及び前記第2並列腕共振子のうち少なくとも一方は、前記インピーダンス回路と直列接続されていることにしてもよい。
これにより、スイッチ素子の導通及び非導通に応じて第1特性と第2特性とを切り替えるチューナブルフィルタを提供できる。
また、前記第2並列腕共振子は、前記インピーダンス回路と直列接続され、前記第1並列腕共振子は、前記第2並列腕共振子と前記インピーダンス回路とが直列接続された回路に対して並列接続されていることにしてもよい。
これにより、スイッチ素子の導通及び非導通の切り替えに応じて、通過帯域高域側の減衰極の周波数を切り替えつつ、通過帯域高域端における挿入損失の増大を抑制しながら第1特性と第2特性を切り替えるチューナブルフィルタを提供できる。
また、前記第1並列腕共振子は、前記インピーダンス回路と直列接続され、前記第2並列腕共振子は、前記第1並列腕共振子と前記インピーダンス回路とが直列接続された回路に対して並列接続されていることにしてもよい。
これにより、スイッチ素子の導通及び非導通の切り替えに応じて、通過帯域低域側の減衰極の周波数を切り替えつつ、通過帯域低域端における挿入損失の増大を抑制しながら第1特性と第2特性を切り替えるチューナブルフィルタを提供できる。
また、前記第1並列腕共振子と前記第2並列腕共振子とは並列接続されており、前記インピーダンス回路は、前記第1並列腕共振子と前記第2並列腕共振子とが並列接続された回路に対し直列接続されていることにしてもよい。
これにより、スイッチ素子の導通及び非導通の切り替えに応じて、通過帯域両側の極(減衰極)の周波数を共に切り替えることができるチューナブルフィルタを提供できる。
また、さらに、一対のインピーダンス素子及びスイッチ素子が並列接続されたインピーダンス回路を2つ有し、前記第1並列腕共振子は、2つの前記インピーダンス回路のうち一方のインピーダンス回路と直列接続され、前記第2並列腕共振子は、2つの前記インピーダンス回路のうち他方のインピーダンス回路と直列接続され、前記第1並列腕共振子と前記一方のインピーダンス回路とが直列接続された回路と、前記第2並列腕共振子と前記他方のインピーダンス回路とが直列接続された回路とは、並列接続されていることにしてもよい。
これにより、スイッチ素子の導通及び非導通の切り替えに応じて、通過帯域高域側及び通過帯域低域側の減衰極の周波数を切り替えることができるとともに、通過帯域高域端及び通過帯域低域端の挿入損失の増大を抑制できるチューナブルフィルタを提供できる。このため、このようなチューナブルフィルタは、例えば、帯域幅を維持しつつ、中心周波数を切り替えることができる。
また、さらに、前記第1並列腕共振子及び前記第2並列腕共振子の一方の並列腕共振子に並列接続されたスイッチ素子を有し、前記第1並列腕共振子及び前記第2並列腕共振子の他方の並列腕共振子は、前記一方の並列腕共振子と前記スイッチ素子とが並列接続された回路に対して直列接続されていることにしてもよい。
これにより、スイッチ素子の導通及び非導通の切り替えに応じて、通過帯域低域側の減衰極の周波数を切り替えることができるとともに、通過帯域高域側の減衰極の数を切り替えることができるチューナブルフィルタを提供できる。
また、前記第2並列腕共振子におけるIDT電極は、前記第1並列腕共振子におけるIDT電極よりも、複数の電極指のピッチに対する複数の電極指の幅の比であるデューティ比が大きいことにしてもよい。
本願発明者は鋭意検討の結果、次のことを見出した。すなわち、共振子単体のインピーダンス特性については、IDT電極のデューティ比が大きいほど共振周波数のQが高くなり、逆に、IDT電極のデューティ比が小さいほど反共振周波数のQが高くなる。また、フィルタ特性については、第2並列腕共振子の共振周波数のQが高く、第1並列腕共振子の反共振周波数のQが高いほど、通過帯域内の低ロス化及び通過帯域高域側のキレを改善することができる。したがって、第2並列腕共振子におけるIDT電極のデューティ比を、第1並列腕共振子におけるIDT電極のデューティ比より大きくすることにより、通過帯域内のさらなる低ロス化及び通過帯域高域側のキレの改善を図ることができる。
また、前記直列腕共振回路は、1つの弾性波共振子からなる直列腕共振子であり、前記第1並列腕共振子及び前記第2並列腕共振子と共にラダー型のフィルタ構造を構成することにしてもよい。
これにより、ラダー型のバンドパスフィルタを構成でき、急峻性の高い通過特性を実現できる。
また、前記直列腕共振回路は、複数の弾性波共振子からなる縦結合共振子であることにしてもよい。
これにより、減衰強化等を要求されるフィルタ特性に適応することが可能となる。
また、本発明の一態様に係る高周波フロントエンド回路は、上記いずれかの弾性波フィルタ装置と、前記弾性波フィルタ装置に接続された増幅回路と、を備える。
これにより、低ロス化と高選択度化(自帯域に隣接する他の帯域との相互干渉の抑制)との両立を図ることができる。
また、本発明の一態様に係る通信装置は、アンテナ素子で送受信される高周波信号を処理するRF信号処理回路と、前記アンテナ素子と前記RF信号処理回路との間で前記高周波信号を伝達する上記の高周波フロントエンド回路と、を備える。
本発明に係る弾性波フィルタ装置、高周波フロントエンド回路及び通信装置によれば、通過帯域内の低ロス化及び通過帯域高域側のキレの改善を図ることができる。
図1Aは、実施の形態1に係るフィルタの回路構成図である。 図1Bは、実施の形態1に係るフィルタの電極構造を模式的に表す平面図である。 図2は、実施の形態1における共振子の構造を模式的に表す図の一例である。 図3は、実施の形態1に係るフィルタの特性を表すグラフである。 図4は、典型例1の共振子において、縦横比を振った場合のインピーダンス特性を表すグラフである。 図5は、典型例1の共振子において、縦横比に対する共振周波数及び反共振周波数のインピーダンス値を表すグラフである。 図6は、典型例2の共振子において、対数を振った場合の特性を示すグラフである。 図7は、実施例及び比較例のフィルタのフィルタ特性を表すグラフである。 図8Aは、実施の形態1の変形例に係るフィルタの回路構成図である。 図8Bは、実施の形態1の変形例に係るフィルタの電極構造を模式的に表す平面図である。 図9は、実施の形態1の変形例に係るフィルタの特性を表すグラフである。 図10Aは、実施の形態2の適用例1におけるフィルタの回路構成図である。 図10Bは、実施の形態2の適用例1におけるフィルタの特性を表すグラフである。 図11Aは、実施の形態2の適用例2におけるフィルタの回路構成図である。 図11Bは、実施の形態2の適用例2におけるフィルタの特性を表すグラフである。 図12Aは、実施の形態2の適用例3におけるフィルタの回路構成図である。 図12Bは、実施の形態2の適用例3におけるフィルタの特性を表すグラフである。 図13Aは、実施の形態2の適用例4におけるフィルタの回路構成図である。 図13Bは、実施の形態2の適用例4におけるフィルタの特性を表すグラフである。 図14Aは、実施の形態2の適用例5におけるフィルタの回路構成図である。 図14Bは、実施の形態2の適用例5におけるフィルタの特性を表すグラフである。 図15は、実施の形態3に係る高周波フロントエンド回路及びその周辺回路の構成図である。 図16は、実施の形態3の変形例に係る高周波フロントエンド回路の構成図である。 図17は、その他の実施の形態に係るフィルタの電極構造を模式的に表す平面図である。
以下、本発明の実施の形態について、実施例及び図面を用いて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置及び接続形態などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、図面に示される構成要素の大きさ、または大きさの比は、必ずしも厳密ではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略または簡略化する場合がある。
また、以下において、「通過帯域低域端」は、「通過帯域内の最も低い周波数」を意味する。また、「通過帯域高域端」は、「通過帯域内の最も高い周波数」を意味する。また、以下において、「通過帯域低域側」は、「通過帯域外かつ通過帯域より低周波数側」を意味する。また「通過帯域高域側」は、「通過帯域外かつ通過帯域より高周波数側」を意味する。
(実施の形態1)
[1.フィルタの回路構成]
図1Aは、実施の形態1に係るフィルタ10の回路構成図である。
フィルタ10は、例えば、マルチモード/マルチバンド対応の携帯電話のフロントエンド部に配置される、高周波フィルタ回路である。フィルタ10は、例えばLTE(Long Term Evolution)等の通信規格に準拠したマルチバンド対応の携帯電話に内蔵され、所定の帯域(Band)の高周波信号をフィルタリングするバンドパスフィルタである。このフィルタ10は、弾性波共振子を用いて高周波信号をフィルタリングする弾性波フィルタ装置である。
同図に示すように、フィルタ10は、直列腕共振子s1と、並列腕共振子p1及びp2と、を備える。
直列腕共振子s1は、入出力端子11m(第1入出力端子)と入出力端子11n(第2入出力端子)との間に接続されている。つまり、直列腕共振子s1は、入出力端子11mと入出力端子11nとを結ぶ経路上に設けられた直列腕共振回路である。なお、当該経路には、直列腕共振子s1に限らず、1以上の弾性波共振子からなる直列腕共振回路が設けられていればよい。本実施の形態では、当該直列腕共振回路は、1つの弾性波共振子によって構成されているが、複数の弾性波共振子によって構成されていてもかまわない。複数の弾性波共振子によって構成される直列腕共振回路には、例えば、複数の弾性波共振子からなる縦結合共振子、あるいは、1つの弾性波共振子が直列分割または並列分割された複数の分割共振子が含まれる。例えば、直列腕共振回路として縦結合共振子を用いることにより、減衰強化等の要求されるフィルタ特性に適応することが可能となる。
並列腕共振子p1は、入出力端子11mと入出力端子11nとを結ぶ経路上のノード(図1Aではノードx1)とグランド(基準端子)とに接続されている第1並列腕共振子である。つまり、並列腕共振子p1は、上記経路上のノードx1とグランドとを結ぶ並列腕共振回路に設けられた共振子である。
並列腕共振子p2は、入出力端子11mと入出力端子11nとを結ぶ経路上のノード(図1Aではノードx1)とグランド(基準端子)とに接続されている第2並列腕共振子である。つまり、並列腕共振子p2は、上記経路上のノードx1とグランドとを結ぶ並列腕共振回路に設けられた共振子である。
これら並列腕共振子p1及びp2は、上記経路上の同一ノードx1とグランドとの間に接続されている。本実施の形態では、並列腕共振子p1及びp2は並列接続されて、ノードx1とグランドとの間に接続されている。ここで、「同一ノード」とは、伝送線路上の1点だけでなく、共振子またはインピーダンス素子を介さずに位置する伝送線路上の異なる2点も含まれる。なお、本実施の形態では、ノードx1は、直列腕共振子s1の入出力端子11n側であるが、直列腕共振子s1の入出力端子11m側であってもかまわない。
また、これら並列腕共振子p1及びp2は、入出力端子11mと入出力端子11nとを結ぶ経路上のノードx1とグランドとの間に接続された並列腕共振回路を構成する。すなわち、当該並列腕共振回路は、上記経路とグランドとを結ぶ1つの経路に設けられている。よって、直列腕共振回路(本実施の形態では直列腕共振子s1)は、並列腕共振回路(本実施の形態では並列腕共振子p1及びp2)と共にラダー型のフィルタ構造(本実施の形態では1段のラダー型のフィルタ構造)を構成する。
つまり、並列腕共振子p1及びp2によって構成される並列腕共振回路は、直列腕共振子s1とともにフィルタ10の通過帯域を形成する。
[2.構造]
[2−1.電極構造]
次に、フィルタ10の構造について、説明する。
図1Bは、実施の形態1に係るフィルタ10の電極構造を模式的に表す平面図である。
同図に示すように、フィルタ10を構成する各共振子(直列腕共振子s1、並列腕共振子p1及びp2)は、弾性波を用いた弾性波共振子である。これにより、フィルタ10を、圧電性を有する基板上に形成されたIDT(InterDigital Transducer)電極により構成できるので、急峻性の向上された通過特性を有する小型かつ低背のフィルタ回路を実現できる。なお、圧電性を有する基板は、少なくとも表面に圧電性を有する基板である。当該基板は、例えば、表面に圧電薄膜を備え、当該圧電薄膜と音速の異なる膜、及び、支持基板などの積層体で構成されていてもよい。また、当該基板は、例えば、高音速支持基板と、高音速支持基板上に形成された圧電薄膜とを含む積層体、高音速支持基板と、高音速支持基板上に形成された低音速膜と、低音速膜上に形成された圧電薄膜とを含む積層体、または、支持基板と、支持基板上に形成された高音速膜と、高音速膜上に形成された低音速膜と、低音速膜上に形成された圧電薄膜とを含む積層体であってもよい。なお、当該基板は、基板全体に圧電性を有していてもよい。
各共振子は、弾性波を励振するIDT電極と、当該IDT電極を弾性波伝搬方向の両側から挟み込むように配置された1対の反射器と、を有する。
具体的には、直列腕共振子s1は、IDT電極111及び1対の反射器112によって構成されている。並列腕共振子p1は、IDT電極121及び1対の反射器122によって構成されている。並列腕共振子p2は、IDT電極131及び1対の反射器132によって構成されている。
ここで、並列腕共振子p2(第2並列腕共振子)における共振周波数(後述する共振点の周波数)は、並列腕共振子p1(第1並列腕共振子)における共振周波数よりも高い。また、並列腕共振子p2における反共振周波数(後述する反共振点の周波数)は、並列腕共振子p1における反共振周波数よりも高い。
また、並列腕共振子p2におけるIDT電極131は、並列腕共振子p1におけるIDT電極121よりも、複数の電極指の対数Nに対する複数の電極指の交叉幅Lの比である縦横比L/Nが小さい。さらに、本実施の形態では、直列腕共振子s1(直列腕共振回路)におけるIDT電極111は、並列腕共振子p1におけるIDT電極121よりも縦横比L/Nが小さく、かつ、並列腕共振子p2におけるIDT電極131よりも縦横比L/Nが大きい。
つまり、IDT電極111、121、131について、交叉幅Lをこの順にLs1、Lp1、Lp2とし、対数Nをこの順にNs1、Np1、Np2とすると、本実施の形態では、縦横比L/NはLp1/Np1>Ls1/Ns1>Lp2/Np2を満たす。
なお、図1Bでは、各共振子のIDT電極(IDT電極111、IDT電極121及びIDT電極131)の対数が等しく示されているが、実際の設計ではこれらの対数が等しくなることは稀である。つまり、各共振子のIDT電極の対数及び交差幅等の設計パラメータは、各共振子に要求される仕様に応じて適宜決定され得る。
[2−2.共振子構造]
以下、フィルタ10を構成する各共振子の構造について、任意の共振子に着目してより詳細に説明する。なお、他の共振子については、当該任意の共振子と概ね同じ構造を有するため、詳細な説明を省略する。
図2は、本実施の形態における共振子の構造を模式的に表す図の一例であり、(a)は平面図、(b)は(a)の断面図である。なお、図2に示された共振子は、フィルタ10を構成する各共振子の典型的な構造を説明するためのものである。このため、フィルタ10の各共振子のIDT電極を構成する電極指の本数や長さなどは、同図に示すIDT電極の電極指の本数や長さに限定されない。なお、同図では、共振子を構成する反射器については図示を省略している。
同図の(a)及び(b)に示すように、共振子は、IDT電極101と、当該IDT電極101が形成された圧電基板102と、当該IDT電極101を覆う保護層103と、を備える。以下、これらの構成要素について、詳細に説明する。
図2の(a)に示すように、圧電基板102の上には、IDT電極101を構成する互いに対向する一対の櫛歯電極101a及び101bが形成されている。櫛歯電極101aは、互いに平行な複数の電極指110aと、複数の電極指110aを接続するバスバー電極111aとで構成されている。また、櫛歯電極101bは、互いに平行な複数の電極指110bと、複数の電極指110bを接続するバスバー電極111bとで構成されている。複数の電極指110a及び110bは、伝搬方向と直交する方向に沿って形成されている。
なお、櫛歯電極101a及び101bは、それぞれが単体でIDT電極と称される場合もある。ただし、以下では、便宜上、一対の櫛歯電極101a及び101bによって1つのIDT電極101が構成されているものとして説明する。
また、複数の電極指110a及び110b、ならびに、バスバー電極111a及び111bで構成されるIDT電極101は、図2の(b)に示すように、密着層101gと主電極層101hとの積層構造となっている。
密着層101gは、圧電基板102と主電極層101hとの密着性を向上させるための層であり、材料として、例えば、Tiが用いられる。密着層101gの膜厚は、例えば、12nmである。
主電極層101hは、材料として、例えば、Cuを1%含有したAlが用いられる。主電極層101hの膜厚は、例えば162nmである。
圧電基板102は、IDT電極101が形成された基板であり、例えば、LiTaO圧電単結晶、LiNbO圧電単結晶、KNbO圧電単結晶、水晶、または圧電セラミックスからなる。
保護層103は、櫛歯電極101a及び101bを覆うように形成されている。保護層103は、主電極層101hを外部環境から保護する、周波数温度特性を調整する、及び、耐湿性を高めるなどを目的とする層であり、例えば、二酸化ケイ素を主成分とする膜である。
このように構成された共振子は、インピーダンスが極小となる特異点(理想的にはインピーダンスが0となる点)である「共振点」、及び、インピーダンスが極大となる特異点(理想的には無限大となる点)である「反共振点」を有する。
なお、フィルタ10が有する各共振子の構造は、図2に記載された構造に限定されない。例えば、IDT電極101は、金属膜の積層構造でなく、金属膜の単層であってもよい。また、密着層101g、主電極層101h及び保護層103を構成する材料は、上述した材料に限定されない。また、IDT電極101は、例えば、Ti、Al、Cu、Pt、Au、Ag、Pdなどの金属または合金から構成されてもよく、上記の金属または合金から構成される複数の積層体から構成されてもよい。また、保護層103は、形成されていなくてもよい。
以上のように構成された共振子(弾性波共振子)では、IDT電極101の設計パラメータ等によって、励振される弾性波の波長が規定される。以下、IDT電極101の設計パラメータ、すなわち櫛歯電極101a及び櫛歯電極101bの設計パラメータについて説明する。
上記弾性波の波長は、図2に示す櫛歯電極101a及び101bを構成する複数の電極指110aまたは110bの繰り返し周期λで規定される。また、電極ピッチ(電極周期)とは、当該繰り返し周期λの1/2であり、櫛歯電極101a及び101bを構成する電極指110a及び110bのライン幅をWとし、隣り合う電極指110aと電極指110bとの間のスペース幅をSとした場合、(W+S)で定義される。また、IDT電極101の交叉幅Lとは、図2の(a)に示すように、櫛歯電極101aの電極指110aと櫛歯電極101bの電極指110bとを弾性波の伝搬方向から見た場合の重複する電極指長さである。また、電極デューティ(以下、デューティ比)は、複数の電極指110a及び110bのライン幅占有率であり、複数の電極指110a及び110bのライン幅とスペース幅との加算値に対する当該ライン幅の割合であり、W/(W+S)で定義される。また、対数とは、櫛歯電極101a及び101bのうち、対をなす電極指110a及び電極指110bの数であり、電極指110a及び電極指110bの総数の概ね半数である。例えば、対数をNとし、電極指110a及び電極指110bの総数をMとすると、M=2N+1を満たす。すなわち、櫛歯電極101a及び101bの一方の1つの電極指の先端部分と当該先端部分に対向する他方のバスバー電極とで挟まれる領域の数が0.5対に相当する。また、IDT電極101の膜厚とは、複数の電極指110a及び110bの厚みhである。
[3.フィルタ特性]
次に、本実施の形態に係るフィルタ10のフィルタ特性について、説明する。
なお、以下では、共振子単体に限らず複数の共振子で構成される回路についても、便宜上、インピーダンスが極小となる特異点(理想的にはインピーダンスが0となる点)を「共振点」と称し、その周波数を「共振周波数」と称する。また、インピーダンスが極大となる特異点(理想的にはインピーダンスが無限大となる点)を「反共振点」と称し、その周波数を「反共振周波数」と称する。
図3は、実施の形態1に係るフィルタ10の特性を表すグラフである。具体的には、同図の(a)は、並列腕共振子p1及びp2ならびに直列腕共振子s1それぞれのインピーダンス特性を表すグラフである。同図の(b)は、並列腕共振子p1及びp2の合成インピーダンス特性(合成特性)ならびに直列腕共振子s1のインピーダンス特性を表すグラフである。同図の(c)は、フィルタ10のフィルタ特性を表すグラフである。
まず、同図の(a)を用いて、共振子単体でのインピーダンス特性について、説明する。
同図に示すように、並列腕共振子p1及び並列腕共振子p2ならびに直列腕共振子s1は、次のようなインピーダンス特性を有する。具体的には、並列腕共振子p1及び並列腕共振子p2ならびに直列腕共振子s1についてこの順に、共振周波数をfrp1、frp2、frs1とし、反共振周波数をfap1、fap2、fas1とすると、本実施の形態ではfrp1<frs1<frp2かつfap1<fas1<fap2を満たす。
次に、並列腕共振子p1及び並列腕共振子p2の合成特性(すなわち、並列腕共振回路のインピーダンス特性)について、説明する。
同図の(b)に示すように、2つの並列腕共振子(並列腕共振子p1及びp2)の合成特性(図中の「並列腕(p1+p2)の合成特性」)は、並列腕共振子p2の共振周波数frp2、及び、並列腕共振子p1の共振周波数frp1において、極小となる。また、当該合成特性は、2つの共振周波数frp2及びfrp1の間の周波数、及び、2つの反共振周波数fap2及びfap1の間の周波数において、極大となる。
ラダー型の共振子によりバンドパスフィルタを構成するにあたり、並列腕共振回路の2つの反共振周波数のうち低域側の反共振周波数と直列腕共振子s1の共振周波数frs1とを近接させて、通過帯域を構成する。
これにより、同図の(c)に示すように、通過帯域低域側には、並列腕共振子p1の共振周波数frp1を減衰極とする減衰帯域が形成される。また、通過帯域高域側には並列腕共振子p2の共振周波数frp2及び直列腕共振子s1の反共振周波数fas1を減衰極とする減衰帯域が形成される。
ここで、並列腕共振子p1及び並列腕共振子p2の合成インピーダンス特性の低域側の反共振周波数(図3中のFa1)と高域側の共振周波数(図3中のFr2)とは、フィルタ10の通過帯域高域側の減衰スロープを規定する。つまり、通過帯域高域側の減衰スロープのキレは、上記の合成インピーダンス特性における低域側の反共振周波数(図3中のFa1)と高域側の共振周波数(図3中のFr2)との間のスロープのキレに影響される。このため、並列腕共振子p1の反共振周波数(図3中のFap1)のQ、及び、並列腕共振子p2の共振周波数(図3中のFrp2)のQが、通過帯域高域側のキレに影響を及ぼす。具体的には、並列腕共振子p1の反共振周波数のQが高いほど、並列腕共振回路(本実施の形態では並列腕共振子p1及びp2の並列接続回路)の合成インピーダンス特性において、低域側の反共振周波数(図3中のFa1)のQが高くなる。一方、並列腕共振子p2の共振周波数のQが高いほど、並列腕の回路の合成インピーダンス特性において、高域側の共振周波数(図3中のFr2)のQが高くなる。このため、当該合成インピーダンス特性において、低域側の反共振周波数と高域側の共振周波数との間(図3中のFa1とFr2との間)のスロープのキレが改善されることにより、上記フィルタ特性について、通過帯域高域側のキレを改善することができる。言い換えると、並列腕共振子p2の共振周波数のQが高いほど通過帯域高域側の減衰極(図3中のPoleH)のQが高くなり(すなわち減衰極が深くなり)、並列腕共振子p1の反共振周波数のQが高いほど通過帯域内(図3中のPB)のロスが抑制される。このため、通過帯域高域側のキレを改善することができる。
また、並列腕共振回路の合成インピーダンス特性は、低域側の反共振周波数近傍では、並列腕共振子p1の特性に並列腕共振子p2の容量成分が合成された特性となる。このため、並列腕共振子p1の反共振周波数のQを高くすることに加え、並列腕共振子p2の容量成分のQを高くする、つまり並列腕共振子p2の直列抵抗を小さくすることにより、フィルタ10の通過帯域内のロスを抑制することができる。
本実施の形態に係るフィルタ10では、上述したように、並列腕共振子p2は、並列腕共振子p1のIDT電極121に比べ、縦横比が小さいIDT電極131によって構成されている。これにより、フィルタ10は、通過帯域内の低ロス化及び通過帯域高域側のキレの改善を図ることができる。以下、このような効果が奏される理由について、本発明に至った経緯も含めて説明する。
[4.フィルタ特性の改善メカニズム]
一般的に、弾性波フィルタ装置では、当該弾性波フィルタ装置を構成する共振子のQによってフィルタ特性が制約されてしまうため、フィルタ特性の改善を図ることが難しい。これに対し、本願発明者は、共振子におけるIDT電極(すなわち共振子を構成するIDT電極)の縦横比に依存して当該共振子の共振周波数及び反共振周波数のQが変わることを利用して、フィルタ特性を改善できることを見出した。このことに関し、以下、具体的な典型例に基づき説明する。
なお、以下の典型例1は、本実施の形態と周波数帯域が異なるものの、IDT電極の縦横比に依存して共振周波数及び反共振周波数のQが変化する傾向については、本実施の形態の周波数帯域でも同様である。また、以下の典型例1では、共振子のインピーダンスを一定(つまり静電容量を一定)にした状態で対数を振っているため、対数に依存して交叉幅も調整されている。
図4は、典型例1の共振子において、縦横比を振った場合のインピーダンス特性を表すグラフである。同図において、(a)は全体的なインピーダンス特性を表し、(b)は(a)の共振周波数付近のインピーダンス特性を拡大して表すグラフであり、(c)は(a)の反共振周波数付近のインピーダンス特性を拡大して表すグラフである。具体的には、同図には、凡例に示したように、縦横比(交叉幅/対数)を0.096、0.112、0.162、0.252、0.449(単位は全て[μm/対])とした場合のインピーダンス特性が示されている。
表1に、このときの共振子の設計パラメータの詳細を示す。なお、表中のZmin.は共振周波数のインピーダンス値、すなわちインピーダンスの極小値である。また、表中のZmax.は反共振周波数のインピーダンス値、すなわちインピーダンスの極大値である。また、表中への記載は省略しているが、全ての典型例について膜厚hは同じである。
Figure 0006669262
図5は、典型例1の共振子において、縦横比に対する、共振周波数のインピーダンス値Zmin.及び反共振周波数のインピーダンス値Zmax.を表すグラフである。
同図に示すように、縦横比が大きくなるほどZmin.及びZmax.がいずれも大きくなることがわかる。つまり、共振周波数については、縦横比が小さくなるほどQが高くなり、一方、反共振周波数については、縦横比が大きくなるほどQが高くなることがわかる。
したがって、フィルタ10について、並列腕共振子p2におけるIDT電極131の縦横比を小さくし、並列腕共振子p1におけるIDT電極121の縦横比を大きくすることにより、通過帯域内の低ロス化及び通過帯域高域側のキレの改善を図ることができる。
また、本願発明者は、並列腕共振子p2におけるIDT電極131について、対数を多くすることによって、通過帯域内のリップルを抑制できることを見出した。つまり、縦横比は交叉幅と対数との2つの因子によって決定されるが、本願発明者は、並列腕共振子p2については、当該2つの因子のうち対数をより多くすることで縦横比をより小さくすることが好ましいことに気付いた。このことに関し、以下、具体的な典型例に基づき説明する。なお、以下の典型例2は、本実施の形態と周波数帯域が異なるものの、対数に依存してリップルが変化する傾向については、本実施の形態の周波数帯域でも同様である。また、以下の典型例2では、上記の典型例1と同様に、共振子のインピーダンスを一定(つまり静電容量を一定)にした状態で対数を振っているため、対数に依存して交叉幅も調整されている。
図6は、典型例2の共振子において、対数を振った場合の特性を表すグラフである。同図において、(a)はインピーダンス特性を表すグラフであり、(b)は位相特性を表すグラフであり、(c−1)は反射特性を示すインピーダンススミスチャートであり、(c−2)は反射特性(リターンロス:反射損失)を表すグラフである。具体的には、同図には、凡例に示したように、縦横比(交叉幅/対数)を0.65、0.32、0.19、0.13、0.08、0.05(単位は全て[μm/対])とした場合のインピーダンス特性が示されている。
表2に、このときの共振子の設計パラメータの詳細を示す。なお、表中への記載は省略しているが、全ての典型例についてIDT波長λ及び膜厚hは同じである。
Figure 0006669262
図6の(a)及び(b)に示すように、共振周波数より低域側の周波数帯域では、対数が小さくなるほど、グレーティングによる阻止域のサイドローブによるリップル(局所的な変動)が大きくなる。このことは、図6の(c−1)及び(c−2)に示すように、当該周波数帯域において、対数が小さくなるほど反射係数のリップルが大きくなることによる。
並列腕共振子p2の共振周波数より低域側の周波数帯域は、図に示すように、フィルタ10の通過帯域内に位置する。したがって、フィルタ10の通過帯域内のリップルを抑制する観点からは、並列腕共振子p2におけるIDT電極131の対数を多くすることにより縦横比を小さくすることが好ましい。
このように、本願発明者は、鋭意検討の結果、対数を多くすることにより当該リップルを抑制できることを見出した。
つまり、通過帯域内のリップルを抑制するためには、IDT電極131の対数はIDT電極121の対数より多いことが好ましい。言い換えると、並列腕共振子p2は、並列腕共振子p1に比べ、対数が多いことにより縦横比が小さいIDT電極131によって構成されていることが好ましい。このような構成によれば、通過帯域内のリップルを抑制しつつ、通過帯域内の低ロス化及び通過帯域高域側のキレの改善を図ることができる。
上記リップルは、特に、IDT電極に対して弾性波の伝搬方向に反射器が設けられている場合に顕著である。つまり、当該反射器を有する共振子を並列腕共振子p2として用いた場合、弾性波を反射させて閉じ込めることにより弾性波の漏れを抑制して高Q化を図ることができるものの、グレーティングによる阻止域のサイドローブによるリップルを発生させる要因となり得る。ここで、「グレーティング」とは、反射器を構成する複数の電極指による周期的な繰り返し構造を言う。そこで、反射器を有する並列腕共振子p2についてIDT電極の対数を多くすることにより、通過帯域内のリップルを抑制しつつ、さらなる低ロス化を図ることができる。
[5.効果等]
次に、本実施の形態に係るフィルタ10によって奏される効果について、実施例を用いて比較例と対比しながら説明する。
実施例のフィルタは、上述した実施の形態に係るフィルタ10の構成を有する。一方、比較例のフィルタは、実施例のフィルタとほぼ同様の構成を有するものの、並列腕共振子p1と並列腕共振子p2とが同一の縦横比(交叉幅/対数)のIDT電極によって構成されている点が異なる。
表3に、実施例及び比較例のフィルタの設計パラメータ(縦横比)を示す。
Figure 0006669262
この表に示すように、実施例の直列腕共振子s1は、比較例の直列腕共振子s1に比べて、縦横比が同一のIDT電極によって構成されている。
実施例の並列腕共振子p1は、比較例の並列腕共振子p1に比べて、縦横比が大きいIDT電極によって構成されている。つまり、実施例において、並列腕共振子p1は、並列腕共振子p2よりも縦横比が大きいIDT電極によって構成されている。また、実施例において、並列腕共振子p1は、直列腕共振子s1よりも縦横比が大きいIDT電極によって構成されている。
実施例の並列腕共振子p2は、比較例の並列腕共振子p2に比べて、縦横比が小さいIDT電極によって構成されている。つまり、実施例において、並列腕共振子p2は、並列腕共振子p1よりも縦横比が小さいIDT電極によって構成されている。また、実施例において、並列腕共振子p2は、直列腕共振子s1よりも縦横比が小さいIDT電極によって構成されている。
図7は、実施例及び比較例のフィルタのフィルタ特性を示すグラフである。
同図に示すフィルタ特性について、通過帯域(図中のPB部分)に着目すると、実施例では、比較例に比べて通過帯域内のロスが抑制されていることが分かる。つまり、実施例では、比較例に比べて通過帯域内の低ロス化が図られている。
また、同図に示すフィルタ特性について、通過帯域高域側の減衰スロープに着目すると、実施例では、比較例に比べて、当該減衰スロープの急峻性が向上されていることが分かる。つまり、実施例では、比較例に比べて通過帯域高域側のキレが改善されている。
以上説明したように、本実施の形態に係るフィルタ10(弾性波フィルタ装置)によれば、並列腕共振子p2(第2並列腕共振子)は、並列腕共振子p1(第1並列腕共振子)に比べ、弾性波を励振する周波数が高く、かつ、縦横比が小さいIDT電極131によって構成されている。ここで、本願発明者は鋭意検討の結果、次のことを見出した。すなわち、共振子単体のインピーダンス特性については、IDT電極の縦横比が小さいほど共振周波数のQが高くなり、逆に、IDT電極の縦横比が大きいほど反共振周波数のQが高くなる。また、フィルタ特性については、並列腕共振子p2の共振周波数のQが高く、並列腕共振子p1の反共振周波数のQが高いほど、通過帯域内の低ロス化及び通過帯域高域側のキレを改善することができる。したがって、並列腕共振子p2におけるIDT電極131の縦横比を、並列腕共振子p1におけるIDT電極121の縦横比より小さくすることにより、通過帯域内の低ロス化及び通過帯域高域側のキレの改善を図ることができる。
また、本実施の形態に係るフィルタ10によれば、並列腕共振子p2は、並列腕共振子p1に比べ、縦横比が小さいIDT電極131によって構成されている。
ここで、共振子では、交叉幅L(図2参照)が小さいほど、電極指抵抗が小さくなる。つまり、交叉幅を小さくすることにより、共振子において共振周波数のQを劣化させる要因である直列抵抗を小さくすることができる。したがって、並列腕共振子p2におけるIDT電極131の交叉幅Lp2を小さく、すなわち縦横比を小さくすることにより、通過帯域内のさらなる低ロス化及び通過帯域高域側のキレのさらなる改善を図ることができる。
また、本実施の形態に係るフィルタ10によれば、直列腕共振子s1は、並列腕共振子p1に比べ、縦横比が小さいIDT電極111によって構成されている。
ここで、フィルタ10の通過帯域は、直列腕共振子s1の共振周波数と並列腕共振回路(本実施の形態では並列腕共振子p1及びp2の並列接続回路)の低域側の反共振周波数とで形成される。上述したように、共振子単体のインピーダンス特性については、IDT電極の縦横比が小さいほど共振周波数のQが高くなり、逆に、IDT電極の縦横比が大きいほど反共振周波数のQが高くなる。このため、直列腕共振子s1におけるIDT電極111の縦横比を小さくすることにより、通過帯域内のさらなる低ロス化を図ることができる。
また、本実施の形態に係るフィルタ10によれば、直列腕共振子s1は、並列腕共振子p2に比べ、縦横比が大きいIDT電極111によって構成されている。
IDT電極で構成される共振子(弾性表面波共振子)では、交叉幅Lを小さくし過ぎると、弾性表面波の回折による損失(回折損)の影響が大きくなる。直列腕共振子s1は、共振周波数が通過帯域を形成し、反共振周波数が通過帯域高域側の減衰極を形成する。このため、フィルタ特性の観点から、直列腕共振子s1の交叉幅Ls1を小さくすることには限界がある。一方、並列腕共振子p2は、共振周波数が通過帯域高域側の減衰極を形成するものの、反共振周波数はフィルタ特性の形成にはあまり寄与しない。また、回折損は、共振周波数より高域側で発生するため、共振特性には大きな影響を及ぼしにくい。このため、フィルタ特性の観点から、並列腕共振子p2の交差幅Lp2を小さくすることには特に問題がない。
したがって、直列腕共振子s1におけるIDT電極111の縦横比を、並列腕共振子p2におけるIDT電極131の縦横比よりも大きくすることにより、直列腕共振子s1の交差幅Ls1が小さくなり過ぎることによる回折損の影響を抑制できる。このため、回折損によるフィルタ特性の劣化を抑制しつつ、通過帯域内の低ロス化及び通過帯域高域側のキレの改善を図ることができる。
(実施の形態1の変形例)
上記実施の形態では、並列腕共振子p1及びp2は、互いに並列接続されて直列腕の同一ノードx1(ノード)に接続されているとした。しかし、並列腕共振子p1及びp2は、互いに直列接続されて直列腕の同一ノードx1(ノード)に接続されていてもかまわない。そこで、実施の形態1の変形例に係るフィルタとして、このようなフィルタについて説明する。
図8Aは、実施の形態1の変形例に係るフィルタ10Aの回路構成図である。図8Bは、実施の形態1の変形例に係るフィルタ10Aの電極構造を模式的に表す平面図である。
これらの図に示すフィルタ10Aは、図1A及び図1Bに示したフィルタ10に比べて、並列腕共振子p1及びp2が直列接続された状態で、入出力端子11m(第1入出力端子)と入出力端子11n(第2入出力端子)とを結ぶ経路の同一ノードx1とグランドとの間に接続されている点が異なる。本変形例では、並列腕共振子p1は、一方の端子がノードx1に接続され、他方の端子が並列腕共振子p2の一方の端子に接続されている。並列腕共振子p2は、一方の端子が並列腕共振子p1の上記他方の端子に接続され、他方の端子がグランドに接続されている。なお、並列腕共振子p1及びp2の接続順序はこれに限らず、上記接続順序と逆であってもかまわない。
図9は、実施の形態1の変形例に係るフィルタ10Aの特性を表すグラフである。
本変形例に係るフィルタ10Aの特性についても、上記実施の形態1に係るフィルタ10の特性と同様に、並列腕共振子p1の反共振周波数(図9中のFap1)のQ、及び、並列腕共振子p2の共振周波数(図9中のFrp2)のQが、通過帯域高域側のキレに影響を及ぼす。なお、このことに関する具体的なメカニズムについては、上記実施の形態1と同様であるため、詳細な説明を省略する。
また、本変形例に係るフィルタ10Aについても、並列腕の回路の合成インピーダンス特性は、低域側の反共振周波数近傍において、並列腕共振子p1の特性に並列腕共振子p2の容量成分が合成された特性となる。このため、並列腕共振子p1の反共振周波数のQを高くすることに加え、並列腕共振子p2の容量成分のQを高くする、つまり並列腕共振子p2の直列抵抗を小さくすることにより、フィルタ10Aの通過帯域内のロスを抑制することができる。
したがって、本変形例に係るフィルタ10Aであっても、並列腕共振子p2が並列腕共振子p1に比べて縦横比が小さいIDT電極によって構成されていることにより、実施の形態1と同様に、通過帯域高域側の低ロス化及びキレの改善を図ることができる。
(実施の形態2)
上記実施の形態1及びその変形例に係るフィルタ(弾性波フィルタ装置)の構成は、通過帯域を可変できるチューナブルフィルタに適用することができる。そこで、実施の形態2に係るフィルタとして、このようなチューナブルフィルタについて適用例1〜5を用いて説明する。具体的には、適用例1〜4は、上記実施の形態1に係るフィルタ10のチューナブルフィルタへの適用例であり、適用例5は、上記実施の形態1の変形例に係るフィルタ10Aのチューナブルフィルタへの適用例である。
以下で説明する適用例1〜5のチューナブルフィルタはいずれも、並列腕共振子p1または並列腕共振子p2に直列接続あるいは並列接続されたスイッチ素子を有し、当該スイッチ素子の導通(オン)及び非導通(オフ)に応じて通過帯域が切り替えられる。ここで、スイッチ素子は、RF信号処理回路(RFIC:Radio Frequency Integrated Circuit)等の制御部からの制御信号にしたがってオン及びオフする。
[適用例1]
図10Aは、実施の形態2の適用例1におけるフィルタ20Aの回路構成図である。
同図に示すフィルタ20Aは、図1Aに示したフィルタ10に比べて、さらに、並列腕共振子p1及びp2(第1並列腕共振子及び第2並列腕共振子)の少なくとも一方(本適用例では並列腕共振子p2)に直列接続され、かつ、互いに並列接続された一対のキャパシタC及びスイッチSWを有する。これにより、フィルタ20Aは、スイッチSWの導通及び非導通に応じて第1通過帯域と第2通過帯域とを切り替えることができる。具体的には、本適用例では、当該互いに並列接続された一対のキャパシタC及びスイッチSWは、並列腕共振子p1及びp2のうち並列腕共振子p2のみに直列接続されている。
言い換えると、フィルタ20Aは、フィルタ10に比べて、さらに、一対のキャパシタC及びスイッチSWが並列接続された回路であるインピーダンス回路を有する。また、並列腕共振子p1及びp2の少なくとも一方は、当該インピーダンス回路と直列接続されている。具体的には、本適用例では、並列腕共振子p2(第2並列腕共振子)が当該インピーダンス回路と直列接続されており、並列腕共振子p1(第1並列腕共振子)は、並列腕共振子p2と当該インピーダンス回路とが直列接続された回路に対して並列接続されている。
つまり、本適用例では、キャパシタC及びスイッチSWが並列接続された回路が、ノードx1とグランドとの間で並列腕共振子p2に直列接続され、具体的には、グランドと並列腕共振子p2との間で直列接続されている。なお、キャパシタC及びスイッチSWは、ノードx1と並列腕共振子p2との間に接続されていてもよい。
キャパシタCは、本実施の形態では、並列腕共振子p2に直列接続されたインピーダンス素子である。フィルタ20Aの通過帯域の周波数可変幅はキャパシタCの定数に依存し、例えばキャパシタCの定数が小さいほど周波数可変幅が広くなる。このため、キャパシタCの定数は、フィルタ20Aに要求される周波数仕様に応じて、適宜決定され得る。また、キャパシタCは、バリキャップ及びDTC(Digital Tunable Capacitor)等の可変キャパシタであってもかまわない。これにより、周波数可変幅を細かく調整することが可能となる。
スイッチSWは、一方の端子が並列腕共振子p2とキャパシタCとの接続ノードに接続され、他方の端子がグランドに接続された、例えばSPST(Single Pole Single Throw)型のスイッチ素子である。スイッチSWは、制御部(図示せず)からの制御信号によって導通(オン)及び非導通(オフ)が切り替えられることにより、当該接続ノードとグランドとを導通または非導通とする。
例えば、スイッチSWは、GaAsもしくはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)からなるFET(Field Effect Transistor)スイッチ、または、ダイオードスイッチが挙げられる。これにより、スイッチSWを、1つのFETスイッチまたはダイオードスイッチにより構成できるので、フィルタ20Aを小型化することができる。
これら並列腕共振子p1及びp2とキャパシタCとスイッチSWとは、入出力端子11mと入出力端子11nとを結ぶ経路上のノードx1とグランドとの間に接続された並列腕共振回路を構成する。すなわち、当該並列腕共振回路は、上記経路とグランドとを結ぶ1つの経路に設けられている。よって、フィルタ20Aは、直列腕共振子s1と当該並列腕共振回路とで構成された1段のラダー型のフィルタ構造を有している。
この並列腕共振回路は、スイッチSWのオン(導通)及びオフ(非導通)の切り替えに応じて、共振周波数及び反共振周波数が、共に低域側または共に高域側に切り替えられる。このことについては、フィルタ20Aの特性と併せて後述する。
図10Bは、実施の形態2の適用例1におけるフィルタ20Aの特性を表すグラフである。具体的には、同図の(a)は、共振子単体(並列腕共振子p1及びp2ならびに直列腕共振子s1それぞれ)のインピーダンス特性を表すグラフである。同図の(b)は、スイッチSWがオンの場合及びオフの場合における並列腕共振回路(本適用例では並列腕共振子p1及びp2ならびにキャパシタC及びスイッチSWで構成される回路)の合成インピーダンス特性(合成特性)を比較して表すグラフである。なお、同図には直列腕共振子s1のインピーダンス特性も併せて図示されている。同図の(c)は、スイッチSWがオンの場合及びオフの場合におけるフィルタ特性を比較して表すグラフである。
なお、各共振子(並列腕共振子p1及び並列腕共振子p2ならびに直列腕共振子s1)の単体のインピーダンス特性ならびにスイッチSWがオンの場合の特性については、上記実施の形態1の特性と同様である。このため、以下では、これらの事項について適宜簡略化して説明する。
つまり、スイッチSWがオンの場合には、フィルタ20Aは、並列腕共振回路の2つの反共振周波数のうち低域側の反共振周波数と直列腕共振子s1の共振周波数frs1によって通過帯域が規定され、並列腕共振子p1の共振周波数frp1によって通過帯域低域側の極(減衰極)が規定され、並列腕共振子p2の共振周波数frp2及び直列腕共振子s1の反共振周波数fas1によって通過帯域高域側の極(減衰極)が規定される、第1通過特性を有する。
一方、スイッチSWがオフの場合には、並列腕共振回路のインピーダンス特性は、キャパシタCの影響を受ける特性となる。つまり、この場合には、2つの並列腕共振子(並列腕共振子p1及びp2)とキャパシタCとの合成特性が並列腕共振回路のインピーダンス特性となる。
本適用例では、スイッチSWがオフの場合には並列腕共振子p2のみにキャパシタCが付加される。このため、同図の(b)の黒い矢印で示すように、スイッチSWがオンからオフに切り替わると、並列腕共振回路のインピーダンス特性(図中の並列腕の合成特性)において、2つの共振周波数のうち高域側の共振周波数、及び、2つの反共振周波数のうち低域側の反共振周波数が、共に高域側に切り替わる。
ここで、並列腕共振回路の低域側の反共振周波数と高域側の共振周波数とは、フィルタ20Aの通過帯域高域側の減衰スロープを規定する。したがって、同図の(c)に示すように、スイッチSWがオンからオフに切り替わることにより、フィルタ20Aの通過特性は、第1特性から通過帯域高域側の減衰スロープの急峻性を維持しつつ高域側にシフトした第2特性へと切り替わる。言い換えると、フィルタ20Aは、スイッチSWの導通及び非導通の切り替えに応じて、通過帯域高域側の減衰極の周波数を切り替えつつ、通過帯域高域端における挿入損失の増大を抑制しながら第1特性と第2特性を切り替えることができる。
このようなフィルタ20Aであっても、並列腕共振子p2が並列腕共振子p1に比べて縦横比が小さいIDT電極によって構成されていることにより、第1通過特性及び第2通過特性のそれぞれについて、実施の形態1と同様に、通過帯域高域側の低ロス化及びキレの改善を図ることができる。つまり、フィルタ20Aは、通過帯域高域側の低ロス化及びキレの改善を図ることができるチューナブルフィルタを構成する。
なお、インピーダンス素子はキャパシタに限らず、例えばインダクタであってもかまわない。インピーダンス素子としてインダクタを用いた場合、上記の構成に比べて、スイッチSWのオン及びオフが切り替えられた場合の減衰スロープのシフト方向が異なる。具体的には、スイッチSWがオフの場合の第2通過特性は、スイッチSWがオンの場合の第1通過特性に比べて、減衰スロープが低域側にシフトすることになる。また、このとき、フィルタ20Aの通過帯域の周波数可変幅はインダクタの定数に依存し、例えばインダクタの定数が大きいほど周波数可変幅が広くなる。このため、インダクタの定数は、フィルタ20Aに要求される周波数仕様に応じて、適宜決定され得る。また、このとき、インダクタは、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)を用いた可変インダクタであってもかまわない。これにより、周波数可変幅を細かく調整することが可能となる。
[適用例2]
図11Aは、実施の形態2の適用例2におけるフィルタ20Bの回路構成図である。
同図に示すフィルタ20Bは、図10Aに示したフィルタ20Aに比べて、互いに並列接続された一対のキャパシタC及びスイッチSWが、並列腕共振子p1及びp2のうち並列腕共振子p1のみに直列接続されている点が異なる。
言い換えると、フィルタ20Aでは、一対のキャパシタC及びスイッチSWが並列接続された回路であるインピーダンス回路に対して並列腕共振子p2が直列接続されていた。これに対し、フィルタ20Bでは、並列腕共振子p1(第1並列腕共振子)が当該インピーダンス回路と直列接続されており、並列腕共振子p2(第2並列腕共振子)は、並列腕共振子p1と当該インピーダンス回路とが直列接続された回路に対して並列接続されている。
図11Bは、実施の形態2の適用例2におけるフィルタ20Bの特性を表すグラフである。具体的には、同図の(a)及び(b)は、図10Bの(a)及び(b)と同様に、共振子単体のインピーダンス特性及び並列腕共振回路の合成インピーダンス特性を表すグラフである。同図の(c)は、スイッチSWがオンの場合及びオフの場合におけるフィルタ特性を比較して表すグラフである。
本適用例では、スイッチSWがオフの場合には並列腕共振子p1のみにキャパシタCが付加される。このため、同図の(b)の黒い矢印で示すように、スイッチSWがオンからオフに切り替わると、並列腕共振回路のインピーダンス特性(図中の並列腕の合成特性)において、2つの共振周波数のうち低域側の共振周波数、及び、2つの反共振周波数のうち低域側の反共振周波数が、共に高域側にシフトする。
ここで、並列腕共振回路の低域側の反共振周波数と低域側の共振周波数とは、フィルタ20Bの通過帯域低域側の減衰スロープを規定する。したがって、同図の(c)に示すように、スイッチSWがオンからオフに切り替わることにより、フィルタ20Bの通過特性は、第1通過特性から通過帯域低域側の減衰スロープの急峻性を維持しつつ高域側にシフトした第2通過特性へと切り替わる。言い換えると、フィルタ20Bは、スイッチSWの導通及び非導通の切り替えに応じて、通過帯域低域側の減衰極を切り替えることができるとともに、通過帯域低域端の挿入損失の増大を抑制できる。
このようなフィルタ20Bであっても、並列腕共振子p2が並列腕共振子p1に比べて縦横比が小さいIDT電極によって構成されていることにより、第1通過特性及び第2通過特性のそれぞれについて、実施の形態1と同様に、通過帯域高域側の低ロス化及びキレの改善を図ることができる。つまり、フィルタ20Bは、通過帯域高域側の低ロス化及びキレの改善を図ることができるチューナブルフィルタを構成する。
[適用例3]
図12Aは、実施の形態2の適用例3におけるフィルタ20Cの回路構成図である。
同図に示すフィルタ20Cは、通過帯域高域側及び通過帯域低域側の減衰スロープを共にシフトさせる。具体的には、フィルタ20Cは、図11Aに示したフィルタ20Bが有する一対のキャパシタC(インピーダンス素子)及びスイッチSWに相当するキャパシタC1及びスイッチSW1を備える。また、さらに、フィルタ20Cは、図10Aに示したフィルタ20Aが有する一対のキャパシタC(インピーダンス素子)及びスイッチSWに相当するキャパシタC2及びスイッチSW2を備える。
言い換えると、フィルタ20A及び20Bでは、一対のキャパシタC及びスイッチSWが並列接続された回路であるインピーダンス回路を1つ有した。これに対し、フィルタ20Cでは、当該インピーダンス回路を2つ有する。また、並列腕共振子p1(第1並列腕共振子)は、2つのインピーダンス回路のうち一方のインピーダンス回路と直列接続されている。一方、並列腕共振子p2(第2並列腕共振子)は、2つのインピーダンス回路のうち他方のインピーダンス回路と直列接続されている。また、並列腕共振子p1と一方のインピーダンス回路とが直列接続された回路と、並列腕共振子p2と他方のインピーダンス回路とが直列接続された回路とは、並列接続されている。
図12Bは、実施の形態2の適用例3におけるフィルタ20Cの特性を表すグラフである。具体的には、同図の(a)及び(b)は、図10Bの(a)及び(b)と同様に、共振子単体のインピーダンス特性及び並列腕共振回路(本適用例では並列腕共振子p1、p2、キャパシタC1、C2及びスイッチSW1、SW2で構成される回路)の合成インピーダンス特性を表すグラフである。同図の(c)は、スイッチSW1及びSW2が共にオンの場合またはオフの場合におけるフィルタ特性を比較して表すグラフである。
本適用例では、スイッチSW1及びSW2共にオフ時には、並列腕共振子p1にはキャパシタC1が付加され、並列腕共振子p2にはキャパシタC2が付加される。このため、同図の(b)の黒い矢印で示すように、スイッチSW1及びSW2がオンからオフに共に切り替わると、並列腕共振回路のインピーダンス特性(図中の並列腕の合成特性)において、2つの共振周波数の双方、及び、2つの反共振周波数のうち低域側の反共振周波数が、共に高域側にシフトする。
したがって、同図の(c)に示すように、スイッチSW1及びSW2が共にオンからオフに切り替わることにより、フィルタ20Cの通過特性は、第1通過特性から通過帯域高域側及び通過帯域低域側の減衰スロープが急峻性を維持しつつ高域側にシフトした第2通過特性へと切り替わる。言い換えると、フィルタ20Cは、スイッチSW1及びSW2の導通及び非導通の切り替えに応じて、通過帯域高域側及び通過帯域低域側の減衰極の周波数を切り替えることができるとともに、通過帯域高域端及び通過帯域低域端の挿入損失の増大を抑制できる。このため、例えば、フィルタ20Cは、帯域幅を維持しつつ、中心周波数を切り替えることができる。
このようなフィルタ20Cであっても、並列腕共振子p2が並列腕共振子p1に比べて縦横比が小さいIDT電極によって構成されていることにより、第1通過特性及び第2通過特性のそれぞれについて、実施の形態1と同様に、通過帯域高域側の低ロス化及びキレの改善を図ることができる。つまり、フィルタ20Cは、通過帯域高域側の低ロス化及びキレの改善を図ることができるチューナブルフィルタを構成する。
なお、フィルタ20Cにおいて、スイッチSW1及びSW2のオン及びオフは、共に切り替えられなくてもよく、個別に切り替えられてもかまわない。ただし、スイッチSW1及びSW2のオン及びオフが共に切り替えられる場合、スイッチSW1及びSW2を制御する制御線の本数を削減できるため、フィルタ20Cの構成の簡素化が図られる。
一方、スイッチSW1及びSW2のオン及びオフが個別に切り替えられる場合、フィルタ20Cによって切り替え可能な通過帯域のバリエーションを増やすことができる。
具体的には、フィルタ20Aについて説明したように、並列腕共振子p2に直列接続されたスイッチSW2のオン及びオフに応じて、通過帯域の高域端を可変することができる。また、フィルタ20Bについて説明したように、並列腕共振子p1に直列接続されたスイッチSW1のオン及びオフに応じて、通過帯域の低域端を可変することができる。
したがって、スイッチSW1及びSW2を共にオンまたは共にオフすることにより、通過帯域の低域端及び高域端を共に低域側または高域側にシフトすることができる。すなわち、通過帯域の中心周波数を低域側または高域側にシフトすることができる。また、スイッチSW1及びSW2の一方をオンからオフにするとともに他方をオフからオンにすることにより、通過帯域の低域端及び高域端の双方をこれらの周波数差が広がるまたは狭まるようにシフトすることができる。すなわち、通過帯域の中心周波数を略一定にしつつ、通過帯域幅を可変することができる。また、スイッチSW1及びSW2の一方をオンまたはオフとした場合に他方をオン及びオフすることにより、通過帯域の低域端及び高域端の一方を固定した状態で他方を低域側または高域側にシフトすることができる。すなわち、通過帯域の低域端または高域端を可変することができる。
このように、キャパシタC1及びC2及びスイッチSW1及びSW2を有することにより、通過帯域を可変する自由度を高めることができる。
[適用例4]
図13Aは、実施の形態2の適用例4におけるフィルタ20Dの回路構成図である。
同図に示すフィルタ20Dは、図10Aに示したフィルタ20Aに比べて、互いに並列接続された一対のキャパシタC及びスイッチSWが、並列腕共振子p1と並列腕共振子p2とが並列接続された回路に対し直列接続されている点が異なる。
言い換えると、フィルタ20Dでは、並列腕共振子p1(第1並列腕共振子)と並列腕共振子p2(第2並列腕共振子)とは並列接続されている。また、一対のキャパシタC及びスイッチSWが並列接続された回路であるインピーダンス回路は、並列腕共振子p1と並列腕共振子p2とが並列接続された回路に対して直列接続されている。
図13Bは、実施の形態2の適用例4におけるフィルタ20Dの特性を表すグラフである。具体的には、同図の(a)及び(b)は、図10Bの(a)及び(b)と同様に、共振子単体のインピーダンス特性及び並列腕共振回路の合成インピーダンス特性を表すグラフである。同図の(c)は、スイッチSWがオンの場合及びオフの場合におけるフィルタ特性を比較して表すグラフである。
本適用例では、スイッチSWがオフの場合には並列接続された並列腕共振子p1及びp2に対してキャパシタCが付加される。このため、同図の(b)の黒い矢印で示すように、スイッチSWがオンからオフに切り替わると、並列腕共振回路のインピーダンス特性(図中の並列腕の合成特性)において、2つの反共振周波数はいずれもシフトせずに、2つの共振周波数の双方が共に高域側にシフトする。
したがって、同図の(c)に示すように、スイッチSWがオンからオフに切り替わることにより、フィルタ20Dの通過特性は、第1通過特性から通過帯域両側の極(減衰極)が共に高域側にシフトした第2通過特性へと切り替わる。
このようなフィルタ20Dであっても、並列腕共振子p2が並列腕共振子p1に比べて縦横比が小さいIDT電極によって構成されていることにより、第1通過特性及び第2通過特性のそれぞれについて、実施の形態1と同様に、通過帯域高域側の低ロス化及びキレの改善を図ることができる。つまり、フィルタ20Dは、通過帯域高域側の低ロス化及びキレの改善を図ることができるチューナブルフィルタを構成する。
[適用例5]
図14Aは、実施の形態2の適用例5におけるフィルタ20Eの回路構成図である。
同図に示すフィルタ20Eは、図8Aに示したフィルタ10Aに比べて、さらに、並列腕共振子p1及びp2(第1並列腕共振子及び第2並列腕共振子)の一方の並列腕共振子に並列接続されたスイッチSWを有する。また、並列腕共振子p1及びp2の他方の並列腕共振子は、当該一方の並列腕共振子とスイッチSWとが並列接続された回路に対して直列接続されている。
本適用例では、スイッチSWは、並列腕共振子p2に並列接続されている。なお、フィルタ20Eへの要求仕様により、並列腕共振子p2の回折損による影響が許容される場合等には、スイッチSWは、並列腕共振子p1に並列接続されていてもかまわない。
図14Bは、実施の形態2の適用例5におけるフィルタ20Eの特性を表すグラフである。具体的には、同図の(a)及び(b)は、図10Bの(a)及び(b)と同様に、共振子単体のインピーダンス特性及び並列腕共振回路(本適用例では並列腕共振子p1、p2及びスイッチSWで構成される回路)の合成インピーダンス特性を表すグラフである。同図の(c)は、スイッチSWがオンの場合及びオフの場合におけるフィルタ特性を比較して表すグラフである。
本適用例では、スイッチSWがオンの場合には、並列腕共振回路のインピーダンス特性(図中の並列腕の合成特性)は、並列腕共振子p1単体のインピーダンス特性となる。一方、スイッチSWがオフの場合には、並列腕共振子p1に対して並列腕共振子p2が付加される。このため、同図の(b)の黒い矢印で示すように、スイッチSWがオンからオフに切り替わると、並列腕共振回路のインピーダンス特性(図中の並列腕の合成特性)は、並列腕共振子p1及びp2の直列接続回路の合成インピーダンス特性となる。
したがって、同図の(c)に示すように、スイッチSWがオンからオフに切り替わることにより、フィルタ20Eの通過特性は、通過帯域低域側の減衰極が高域側にシフトすると共に、通過帯域高域側に減衰極が追加される(図中のPoleH)ため、通過帯域高域側の減衰を得ることも可能になる。言い換えると、フィルタ20Eは、スイッチSWのオン及びオフの切り替えに応じて、通過帯域低域側の減衰極の周波数を切り替えることができるとともに、通過帯域高域側の減衰極の数を切り替えることができる。
このようなフィルタ20Eであっても、並列腕共振子p2が並列腕共振子p1に比べて縦横比が小さいIDT電極によって構成されていることにより、並列腕共振子p1に並列腕共振子p2が付加されたときの特性について、実施の形態1と同様に、通過帯域高域側の低ロス化及びキレの改善を図ることができる。つまり、フィルタ20Eは、通過帯域高域側の低ロス化及びキレの改善を図ることができるチューナブルフィルタを構成する。
(実施の形態3)
以上の実施の形態1及び2ならびにその変形例で説明したフィルタ(弾性波フィルタ装置)は、マルチプレクサ及び高周波フロントエンド回路等に適用することができる。
そこで、本実施の形態では、このような高周波フロントエンド回路について説明する。
図15は、実施の形態3に係る高周波フロントエンド回路1及びその周辺回路の構成図である。同図には、高周波フロントエンド回路1と、アンテナ素子2と、RF信号処理回路(RFIC)3とが示されている。高周波フロントエンド回路1、アンテナ素子2及びRFIC3は、通信装置4を構成している。アンテナ素子2、高周波フロントエンド回路1、及びRFIC3は、例えば、マルチモード/マルチバンド対応の携帯電話のフロントエンド部に配置される。
アンテナ素子2は、高周波信号を送受信する、例えば3GPP(Third Generation Partnership Project)等の通信規格に準拠した装置で用いられるマルチバンド対応のアンテナである。なお、アンテナ素子2は、例えば通信装置4の全バンドに対応しなくてもよく、低周波数帯域群または高周波数帯域群のバンドのみに対応していてもかまわない。また、アンテナ素子2は、通信装置4に内蔵されておらず、通信装置4とは別に設けられていてもかまわない。
高周波フロントエンド回路1は、アンテナ素子2とRFIC3との間で高周波信号を伝達する回路である。具体的には、高周波フロントエンド回路1は、RFIC3から出力された高周波送信信号を、送信側信号経路を介してアンテナ素子2に伝達する。また、高周波フロントエンド回路1は、アンテナ素子2で受信された高周波受信信号を、受信側信号経路を介してRFIC3に伝達する。
高周波フロントエンド回路1は、デュプレクサ120と、送信増幅回路140と、受信増幅回路160とを備える。
デュプレクサ120は、送信側フィルタ120Tx及び受信側フィルタ120Rxを有し、これらの少なくとも一方に上記説明した弾性波フィルタ装置を備えるマルチプレクサである。送信側フィルタ120Tx及び受信側フィルタ120Rxは、アンテナ側の入出力端子が束ねられてアンテナ素子2に接続され、他の端子が送信増幅回路140または受信増幅回路160に接続されている。
送信増幅回路140は、RFIC3から出力された高周波送信信号を電力増幅するパワーアンプである。
受信増幅回路160は、アンテナ素子2で受信された高周波受信信号を電力増幅するローノイズアンプである。
RFIC3は、アンテナ素子2で送受信される高周波信号を処理するRF信号処理回路である。具体的には、RFIC3は、アンテナ素子2から高周波フロントエンド回路1の受信側信号経路を介して入力された高周波受信信号を、ダウンコンバートなどにより信号処理し、当該信号処理して生成された受信信号をベースバンド信号処理回路(図示せず)へ出力する。また、RFIC3は、ベースバンド信号処理回路から入力された送信信号をアップコンバートなどにより信号処理し、当該信号処理して生成された高周波送信信号を高周波フロントエンド回路1の送信側信号経路に出力する。
このような高周波フロントエンド回路1によれば、上記説明した弾性波フィルタ装置を備えることにより、低ロス化と高選択度化(自帯域に隣接する他の帯域との相互干渉の抑制)との両立を図ることができる。このため、マルチバンドに対応する通信装置4に適用される高周波フロントエンド回路1として、特に有用である。
(実施の形態3の変形例)
以上の実施の形態1及び2ならびにその変形例で説明したフィルタ(弾性波フィルタ装置)は、実施の形態3に係る高周波フロントエンド回路1よりも、さらに使用バンド数が多いシステムに対応する高周波フロントエンド回路に適用することもできる。そこで、本変形例では、このような高周波フロントエンド回路について説明する。
図16は、実施の形態3の変形例に係る高周波フロントエンド回路1Aの構成図である。
同図に示すように、高周波フロントエンド回路1Aは、アンテナ端子ANTと送信端子Tx1及びTx2ならびに受信端子Rx1及びRx2を備え、アンテナ端子ANT側から順に、複数のスイッチにより構成されるスイッチ群110と、複数のフィルタにより構成されるフィルタ群120と、送信側スイッチ131及び132ならびに受信側スイッチ151152及び153と、送信増幅回路141及び142ならびに受信増幅回路161及び162とを備える。
スイッチ群110は、制御部(図示せず)からの制御信号にしたがって、アンテナ端子ANTと所定のバンドに対応する信号経路とを接続し、例えば、複数のSPST型のスイッチによって構成される。なお、アンテナ端子ANTと接続される信号経路は1つに限らず、複数であってもかまわない。つまり、高周波フロントエンド回路1Aは、キャリアアグリゲーションに対応してもかまわない。
フィルタ群120は、例えば次の帯域を通過帯域に有する複数のフィルタ(デュプレクサを含む)によって構成される。具体的には、当該帯域は、(i)Band12の送信帯域、(ii)Band13の送信帯域、(iii)Band14の送信帯域、(iv)Band27(またはBand26)の送信帯域、(v)Band29及びBand14(またはBand12、Band67及びBand13)の受信帯域、(vi−Tx)Band68及びBand28a(またはBand68及びBand28b)の送信帯域、(vi−Rx)Band68及びBand28a(またはBand68及びBand28b)の受信帯域、(vii−Tx)Band20の送信帯域、(vii−Rx)Band20の受信帯域、(viii)Band27(またはBand26)の受信帯域、(ix−Tx)Band8の送信帯域、ならびに、(ix−Rx)Band8の受信帯域、である。
送信側スイッチ131は、ローバンド側の複数の送信側信号経路に接続された複数の選択端子と送信増幅回路141に接続された共通端子とを有するスイッチ回路である。送信側スイッチ131は、ハイバンド側の複数の送信側信号経路に接続された複数の選択端子と送信増幅回路141に接続された共通端子とを有するスイッチ回路である。これら送信側スイッチ131及び132は、フィルタ群120の前段(ここでは送信側信号経路における前段)に設けられ、制御部(図示せず)からの制御信号にしたがって接続状態が切り替えられるスイッチ回路である。これにより、送信増幅回路141及び142で増幅された高周波送信信号は、フィルタ群120の所定のフィルタを介してアンテナ端子ANTからアンテナ素子2(図15参照)に出力される。
受信側スイッチ151は、ローバンド側の複数の受信側信号経路に接続された複数の選択端子と受信増幅回路161に接続された共通端子とを有するスイッチ回路である。受信側スイッチ152は、所定のバンド(ここではBand20)の受信側信号経路に接続された共通端子と、受信側スイッチ151選択端子及び受信側スイッチ153選択端子に接続された2つの選択端子とを有するスイッチ回路である。受信側スイッチ153は、ハイバンド側の複数の受信側信号経路に接続された複数の選択端子と受信増幅回路162に接続された共通端子とを有するスイッチ回路である。これら受信側スイッチ151153は、フィルタ群120の後段(ここでは受信側信号経路における後段)に設けられ、制御部(図示せず)からの制御信号にしたがって接続状態が切り替えられる。これにより、アンテナ端子ANTに入力された高周波受信信号は、フィルタ群120の所定のフィルタを介して、受信増幅回路161及び162で増幅されて、受信端子Rx1及びRx2からRFIC3(図15参照)に出力される。なお、ローバンドに対応するRFICとハイバンドに対応するRFICとが個別に設けられていてもかまわない。
送信増幅回路141は、ローバンドの高周波送信信号を電力増幅するパワーアンプであり、送信増幅回路142は、ハイバンドの高周波送信信号を電力増幅するパワーアンプである。
受信増幅回路161は、ローバンドの高周波受信信号を電力増幅するローノイズアンプであり、受信増幅回路162は、ハイバンドの高周波受信信号を電力増幅するローノイズアンプである。
このように構成された高周波フロントエンド回路1Aは、(iv)Band27(またはBand26)の送信帯域を通過帯域に有するフィルタとして、実施の形態2の適用例1に係るフィルタ20Aを備える。つまり、当該フィルタは、制御信号にしたがって、通過帯域を、Band27の送信帯域とBand26の送信帯域とで切り替える。
また、高周波フロントエンド回路1Aは、(vi−Rx)Band68及びBand28a(またはBand68及びBand28b)の受信帯域を通過帯域に有する受信フィルタとして、実施の形態2の適用例2に係るフィルタ20Bを備え、(vi−Tx)Band68及びBand28a(またはBand68及びBand28b)の送信帯域を通過帯域に有する送信フィルタとして、実施の形態2の適用例3に係るフィルタ20Cを備える。つまり、当該送信フィルタ及び当該受信フィルタによって構成されるデュプレクサは、制御信号にしたがって、通過帯域を、Band68及びBand28aの送信帯域及び受信帯域とBand68及びBand28bの送信帯域及び受信帯域とで切り替える。
また、高周波フロントエンド回路1Aは、(viii)Band27(またはBand26)の受信帯域を通過帯域に有するフィルタとして、実施の形態2の適用例2に係るフィルタ20Bを備える。つまり、当該フィルタは、制御信号にしたがって、通過帯域を、Band27の受信帯域とBand26の受信帯域とで切り替える。
以上のように構成された高周波フロントエンド回路1Aによれば、上記実施の形態2の適用例1〜3に係るフィルタ20A〜20C(弾性波フィルタ装置)を備えることにより、バンドごとにフィルタを設ける場合に比べてフィルタの個数を削減できるため、小型化することができる。
また、本実施の形態に係る高周波フロントエンド回路1Aによれば、フィルタ群120(複数の弾性波フィルタ装置)の前段または後段に設けられた送信側スイッチ131及び132ならびに受信側スイッチ151153(スイッチ回路)を備える。これにより、高周波信号が伝達される信号経路の一部を共通化することができる。よって、例えば、複数の弾性波フィルタ装置に対応する送信増幅回路141及び142あるいは受信増幅回路161及び162(増幅回路)を共通化することができる。したがって、高周波フロントエンド回路1Aの小型化及び低コスト化が可能となる。
なお、送信側スイッチ131及び132ならびに受信側スイッチ151153は、少なくとも1つが設けられていればよい。また、送信側スイッチ131及び132の個数、ならびに、受信側スイッチ151153の個数は、上記説明した個数に限らず、例えば、1つの送信側スイッチと1つの受信側スイッチとが設けられていてもかまわない。また、送信側スイッチ及び受信側スイッチの選択端子等の個数も、本実施の形態に限らず、それぞれ2つであってもかまわない。
また、フィルタ群に含まれる複数のフィルタのうち、少なくとも1つのフィルタに実施の形態1及びその変形例に係るフィルタの構成が適用されていてもかまわない。
(その他の実施の形態)
以上、本発明の実施の形態に係る弾性波フィルタ装置及び高周波フロントエンド回路について、実施の形態1〜3及び変形例を挙げて説明したが、本発明は、上記実施の形態及び変形例に限定されるものではない。上記実施の形態及び変形例における任意の構成要素を組み合わせて実現される別の実施の形態や、上記実施の形態に対して本発明の主旨を逸脱しない範囲で当業者が思いつく各種変形を施して得られる変形例や、本発明に係る弾性波フィルタ装置及び高周波フロントエンド回路を内蔵した各種機器も本発明に含まれる。
例えば、上述した高周波フロントエンド回路とRFIC3(RF信号処理回路)とを備える通信装置4も本発明に含まれる。このような通信装置4によれば、低ロス化と高選択度化を図ることができる。
また、直列腕共振子s1ならびに並列腕共振子p1及びp2におけるIDT電極のデューティ比は同じであっても異なっていてもかまわない。ただし、フィルタ特性を向上する観点からは、並列腕共振子p2におけるIDT電極131のデューティ比が、並列腕共振子p1におけるIDT電極121のデューティ比より大きいことが好ましい。
図17は、このように構成されたフィルタ10Bの電極構造を模式的に表す平面図である。
同図に示すように、並列腕共振子p32(第2並列腕共振子)におけるIDT電極は、並列腕共振子p1(第1並列腕共振子)におけるIDT電極121よりも、複数の電極指のピッチに対する複数の電極指の幅の比であるデューティ比が大きい。具体的には、並列腕共振子p1のIDT電極121の複数の電極指の幅をWp1とし、隣り合う電極指間のスペース幅をSp1とする。並列腕共振子p32のIDT電極の電極指の幅をWp32とし、隣り合う電極指間のスペース幅をSp32とする。このとき、並列腕共振子p32のIDT電極のデューティ比であるWp32/(Wp32+Sp32)は、IDT電極121のデューティ比であるW p1/(Wp1+Sp1)よりも大きい。つまり、ここでは、並列腕共振子p32におけるIDT電極は、並列腕共振子p1におけるIDT電極121よりも、縦横比が小さく、かつ、デューティ比が大きい。
本願発明者は、共振子におけるIDT電極の縦横比だけでなく共振子におけるIDT電極のデューティ比に依存して当該共振子の共振周波数及び反共振周波数のQが変わることを利用して、フィルタ特性を改善できることを見出した。すなわち、共振子単体のインピーダンス特性については、IDT電極の縦横比が小さくデューティ比が大きいほど共振周波数のQが高くなり、逆に、IDT電極の縦横比が大きくデューティ比が小さいほど反共振周波数のQが高くなる。また、フィルタ特性については、並列腕共振子p32の共振周波数のQが高く、並列腕共振子p1の反共振周波数のQが高いほど、通過帯域内の低ロス化及び通過帯域高域側のキレを改善することができる。したがって、並列腕共振子p32におけるIDT電極のデューティ比を並列腕共振子p1におけるIDT電極のデューティ比より大きくし、かつ、並列腕共振子p32におけるIDT電極の縦横比を並列腕共振子p1におけるIDT電極の縦横比より小さくする。これにより、通過帯域内のさらなる低ロス化及び通過帯域高域側のキレのさらなる改善を図ることができる。
また、直列腕共振子s1は、弾性表面波を用いた弾性波共振子に限らず、例えば、バルク波または弾性境界波を用いた弾性波共振子によって構成されていてもかまわない。つまり、直列腕共振子s1は、IDT電極を有さなくてもかまわない。このような直列腕共振子s1を有する弾性波フィルタ装置であっても、弾性波共振子は一般的に高Qの特性を示すため、低ロス化と高選択度化(自帯域に隣接する他の帯域との相互干渉の抑制)との両立を図ることができる。
また、直列腕共振子s1におけるIDT電極111は、第2並列腕共振子におけるIDT電極(上記説明では、並列腕共振子p2におけるIDT電極131または並列腕共振子p32におけるIDT電極)に比べ、縦横比が同等または大きくてもかまわない。さらには、直列腕共振子s1におけるIDT電極111は、並列腕共振子p1(第1並列腕共振子)におけるIDT電極121に比べ、縦横比が同等または大きくてもかまわない。
また、低ロス化の観点からは各共振子が反射器を有することが好ましいが、例えば実装レイアウト等の制約がある場合には、共振子は反射器を有していなくてもかまわない。
また、例えば、高周波フロントエンド回路または通信装置において、各構成要素の間に、インダクタやキャパシタが接続されていてもかまわない。なお、当該インダクタには、各構成要素間を繋ぐ配線による配線インダクタが含まれてもよい。
本発明は、マルチバンドシステムに適用できる小型のフィルタ、マルチプレクサ、フロントエンド回路及び通信装置として、携帯電話などの通信機器に広く利用できる。
1、1A 高周波フロントエンド回路
2 アンテナ素子
3 RFIC(RF信号処理回路)
4 通信装置
10、10A、10B、20A〜20E フィルタ(弾性波フィルタ装置)
11m 入出力端子(第1入出力端子)
11n 入出力端子(第2入出力端子)
101、111、121、13 IDT電極
101a、101b 櫛歯電極
101g 密着層
101h 主電極層
102 圧電基板
103 保護層
110a、110b 電極指
111a、111b バスバー電極
112、122、132 反射器
120 デュプレクサ
120A フィルタ群
120Rx 受信側フィルタ
120Tx 送信側フィルタ
130A、130B 送信側スイッチ
140、140A、140B 送信増幅回路
150A〜150C 受信側スイッチ
160、160A、160B 受信増幅回路
C、C1、C2 キャパシタ(インピーダンス素子)
p1、p2 並列腕共振子
s1 直列腕共振子(直列腕共振回路)
SW、SW1、SW2 スイッチ(スイッチ素子)

Claims (15)

  1. 第1入出力端子と第2入出力端子とを結ぶ経路上に接続された直列腕共振回路と、
    前記経路上の同一ノードとグランドとの間に接続された第1並列腕共振子及び第2並列腕共振子と、を有し、
    前記第2並列腕共振子における共振周波数は、前記第1並列腕共振子における共振周波数よりも高く、
    前記第2並列腕共振子における反共振周波数は、前記第1並列腕共振子における反共振周波数よりも高く、
    前記第1並列腕共振子及び前記第2並列腕共振子は、IDT電極を有する弾性波共振子からなり、
    前記第2並列腕共振子における前記IDT電極は、前記第1並列腕共振子における前記IDT電極よりも、複数の電極指の対数が多いことにより、前記対数に対する複数の電極指の交叉幅の比である縦横比が小さい、
    弾性波フィルタ装置。
  2. 前記第2並列腕共振子における前記IDT電極は、前記第1並列腕共振子における前記IDT電極よりも、前記交叉幅が小さいことにより前記縦横比が小さい、
    請求項1に記載の弾性波フィルタ装置。
  3. 前記直列腕共振回路は、IDT電極を有する弾性波共振子を有し、
    前記直列腕共振回路における前記IDT電極は、前記第1並列腕共振子における前記IDT電極よりも、前記縦横比が小さい、
    請求項1または2に記載の弾性波フィルタ装置。
  4. 前記直列腕共振回路における前記IDT電極は、前記第2並列腕共振子における前記IDT電極よりも、前記縦横比が大きい、
    請求項1〜のいずれか1項に記載の弾性波フィルタ装置。
  5. さらに、一対のインピーダンス素子及びスイッチ素子が並列接続されたインピーダンス回路を有し、
    前記第1並列腕共振子及び前記第2並列腕共振子のうち少なくとも一方は、前記インピーダンス回路と直列接続されている、
    請求項1〜のいずれか1項に記載の弾性波フィルタ装置。
  6. 前記第2並列腕共振子は、前記インピーダンス回路と直列接続され、
    前記第1並列腕共振子は、前記第2並列腕共振子と前記インピーダンス回路とが直列接続された回路に対して並列接続されている、
    請求項に記載の弾性波フィルタ装置。
  7. 前記第1並列腕共振子は、前記インピーダンス回路と直列接続され、
    前記第2並列腕共振子は、前記第1並列腕共振子と前記インピーダンス回路とが直列接続された回路に対して並列接続されている、
    請求項に記載の弾性波フィルタ装置。
  8. 前記第1並列腕共振子と前記第2並列腕共振子とは並列接続されており、
    前記インピーダンス回路は、前記第1並列腕共振子と前記第2並列腕共振子とが並列接続された回路に対して直列接続されている、
    請求項に記載の弾性波フィルタ装置。
  9. さらに、一対のインピーダンス素子及びスイッチ素子が並列されたインピーダンス回路を2つ有し、
    前記第1並列腕共振子は、2つの前記インピーダンス回路のうち一方のインピーダンス回路と直列接続され、
    前記第2並列腕共振子は、2つの前記インピーダンス回路のうち他方のインピーダンス回路と直列接続され、
    前記第1並列腕共振子と前記一方のインピーダンス回路とが直列接続された回路と、前記第2並列腕共振子と前記他方のインピーダンス回路とが直列接続された回路とは、並列接続されている、
    請求項1〜のいずれか1項に記載の弾性波フィルタ装置。
  10. さらに、前記第1並列腕共振子及び前記第2並列腕共振子の一方の並列腕共振子に並列接続されたスイッチ素子を有し、
    前記第1並列腕共振子及び前記第2並列腕共振子の他方の並列腕共振子は、前記一方の並列腕共振子と前記スイッチ素子とが並列接続された回路に対して直列接続されている、
    請求項1〜のいずれか1項に記載の弾性波フィルタ装置。
  11. 前記第2並列腕共振子におけるIDT電極は、前記第1並列腕共振子におけるIDT電極よりも、複数の電極指のピッチに対する複数の電極指の幅の比であるデューティ比が大きい、
    請求項1〜10のいずれか1項に記載の弾性波フィルタ装置。
  12. 前記直列腕共振回路は、1つの弾性波共振子からなる直列腕共振子であり、前記第1並列腕共振子及び前記第2並列腕共振子と共にラダー型のフィルタ構造を構成する、
    請求項1〜11のいずれか1項に記載の弾性波フィルタ装置。
  13. 前記直列腕共振回路は、複数の弾性波共振子からなる縦結合共振子である、
    請求項1〜11のいずれか1項に記載の弾性波フィルタ装置。
  14. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の弾性波フィルタ装置と、
    前記弾性波フィルタ装置に接続された増幅回路と、を備える、
    高周波フロントエンド回路。
  15. アンテナ素子で送受信される高周波信号を処理するRF信号処理回路と、
    前記アンテナ素子と前記RF信号処理回路との間で前記高周波信号を伝達する請求項14に記載の高周波フロントエンド回路と、を備える、
    通信装置。
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