JP6669199B2 - センサ校正装置、及びセンサ校正プログラム - Google Patents

センサ校正装置、及びセンサ校正プログラム Download PDF

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Description

この明細書による開示は、車両の姿勢を検出する姿勢センサの出力を校正する技術に関する。
車両の姿勢を計測する姿勢センサの一種として、例えば特許文献1に記載されているように、加速度センサ及び角速度センサ等が知られている。こうした姿勢センサには、例えば周囲温度の変化や個体差等に起因した出力の変化が生じる。故に、特許文献1に開示の補正装置は、計測した姿勢センサの周囲温度と予め記憶された温度特定データとに基づいて、姿勢センサの出力を校正している。
特開2009−25012号公報
近年、運転者の運転を高度に支援するための種々の情報が、車両によって取得可能となりつつある。本開示の発明者は、車両が取得可能なこうした情報を利用して、姿勢センサの出力を校正することができないか検討を重ねた。
本開示は、従来とは異なる情報を用いて姿勢センサを校正可能な技術の提供を目的とする。
上記目的を達成するため、開示された一つの態様は、車両の姿勢を検出する姿勢センサ(41〜43)の出力を校正するセンサ校正装置であって、姿勢センサの出力に基づく車両の姿勢の計測値を取得する計測値取得部(61)と、車両の走行速度を示す車速情報を取得する車速取得部(62)車両が走行する道路の地図情報を取得する地図情報取得部(64)と、車速情報及び計測値から算出される車両の算出位置が地図情報に示された基準位置に近づくように、計測値に適用される校正値を設定する校正値設定部(66)と、を備えるセンサ校正装置とされる。
また開示された一つの態様は、車両の姿勢を検出する姿勢センサ(41〜43)の出力を校正するセンサ校正プログラムであって、少なくとも一つの処理部(60)を、姿勢センサの出力に基づく車両の姿勢の計測値を取得する計測値取得部(61)、車両の走行速度を示す車速情報を取得する車速取得部(62)、車両が走行する道路の地図情報を取得する地図情報取得部(64)、車速情報及び計測値から算出される車両の算出位置が地図情報に示された基準位置に近づくように、計測値に適用される校正値を設定する校正値設定部(66)、として機能させるためのセンサ校正プログラムとされる。
これらの態様のように、姿勢センサの計測値と車速情報とを組み合わせることで、姿勢センサの計測値に基づく算出位置が取得できる。この算出位置が地図情報に示された基準位置に近づくように校正値を設定すれば、地図情報を用いた姿勢センサの校正が可能となる。以上によれば、従来とは異なる情報を用いた姿勢センサの校正が可能となる。
また開示された一つの態様は、車両の姿勢を検出する姿勢センサ(41〜43)の出力を校正するセンサ校正装置であって、姿勢センサの出力に基づく車両の姿勢の計測値を取得する計測値取得部(61)と、車両の走行速度を示す車速情報を取得する車速取得部(62)と、測位衛星から受信した測位信号に基づき車両の測位位置を特定する位置特定部(65)と、車速情報及び計測値から算出される車両の算出位置が位置特定部にて特定された測位位置に近づくように、計測値に適用される校正値を設定する校正値設定部(66)と、を備えるセンサ校正装置とされる。
また開示された一つの態様は、車両の姿勢を検出する姿勢センサ(41〜43)の出力を校正するセンサ校正プログラムであって、少なくとも一つの処理部(60)を、姿勢センサの出力に基づく車両の姿勢の計測値を取得する計測値取得部(61)、車両の走行速度を示す車速情報を取得する車速取得部(62)、衛星から受信した測位信号に基づき車両の測位位置を特定する位置特定部(65)、車速情報及び計測値から算出される車両の算出位置が位置特定部にて特定された測位位置に近づくように、計測値に適用される校正値を設定する校正値設定部(66)、として機能させるためのセンサ校正プログラムとされる。
これらの態様では、車速情報及び計測値に基づく算出位置が、測位信号に基づき特定された測位位置に近づくように、姿勢センサの校正値が設定される。以上のように、衛星から受信した測位信号という、従来とは異なる情報を用いた姿勢センサの校正が可能となる。
また開示された一つの態様は、車両の変位を検出する姿勢センサ(340)の出力を校正するセンサ校正装置であって、姿勢センサの出力に基づく車両の変位の計測値を取得する計測値取得部(61)と、車両の走行速度を示す車速情報を取得する車速取得部(62)と、車両が走行する道路の高度情報を取得する高度情報取得部(364)と、車速情報及び計測値から算出される車両の算出位置が高度情報に示された基準位置に近づくように、計測値に適用される校正値を設定する校正値設定部(366)と、を備えるセンサ校正装置とされる。
また開示された一つの態様は、車両の変位を検出する姿勢センサ(340)の出力を校正するセンサ校正プログラムであって、少なくとも一つの処理部(60)を、姿勢センサの出力に基づく車両の変位の計測値を取得する計測値取得部(361)、車両の走行速度を示す車速情報を取得する車速取得部(62)、車両が走行する道路の高度情報を取得する高度情報取得部(364)、車速情報及び計測値から算出される車両の算出位置が高度情報に示された基準位置に近づくように、計測値に適用される校正値を設定する校正値設定部(366)、として機能させるためのセンサ校正プログラムとされる。
これらの態様では、姿勢センサの計測値と車速情報とを組み合わせることで、車両の変位の計測値に基づく高度についての算出位置が取得できる。この算出位置が高度情報に示された基準位置に近づくように校正値を設定すれば、高度情報を用いた姿勢センサの校正が可能となる。したがって、従来とは異なる情報を用いた姿勢センサの校正が可能となる。
尚、上記括弧内の参照番号は、後述する実施形態における具体的な構成との対応関係の一例を示すものにすぎず、技術的範囲を何ら制限するものではない。
本開示の第一実施形態による表示制御装置を含む車両に搭載されたシステムの全体像を示すブロック図である。 校正係数の設定のために、地図データに基づく走行軌跡に算出された走行軌跡を整合させる処理を視覚化して示す図である。 校正係数の更新処理の詳細を示すフローチャートである。 データ選択処理の詳細を示すフローチャートである。 第二実施形態の更新処理の詳細を示すフローチャートである。 第三実施形態による表示制御装置を含む車両に搭載されたシステムの全体像を示すブロック図である。 校正係数の設定のために、地図データに基づく自車高度に、算出された自車高度を整合させる処理を視覚化して示す図である。 第三実施形態の更新処理の詳細を示すフローチャートである。 データ選択処理の詳細を示すフローチャートである。 変形例1によるデータ選択処理を示すフローチャートである。 変形例2によるデータ選択処理を示すフローチャートである。 変形例3によるデータ選択処理を示すフローチャートである。
以下、本開示の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する場合がある。各実施形態において構成の一部分のみを説明している場合、当該構成の他の部分については、先行して説明した他の実施形態の構成を適用することができる。また、各実施形態の説明において明示している構成の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても複数の実施形態の構成同士を部分的に組み合わせることができる。そして、複数の実施形態及び変形例に記述された構成同士の明示されていない組み合わせも、以下の説明によって開示されているものとする。
(第一実施形態)
図1に示す本開示の第一実施形態において、センサ校正装置の機能は、表示制御装置100によって実現されている。表示制御装置100は、車両に搭載された複数の電子制御ユニットのうちの一つである。表示制御装置100は、HUD装置10及びコンビネーションメータ等の複数の表示デバイスと電気的に接続されており、これらの表示を制御する。表示制御装置100は、HUD装置10等の表示デバイスに加えて、車内LAN50、地図データベース(以下、「地図DB」)30、GNSS受信器20、及びセンサユニット40等と直接的又は間接的に電気接続されている。
HUD(Head-Up Display)装置10は、車両の乗員、例えば運転者の前方に虚像VIを表示する表示装置である。虚像VIは、車両の前方の空間中であって、運転者のアイポイントから例えば10〜20メートル程度の位置に結像される。虚像VIは、運転者の見かけ上で路面及び他の車両等に重畳されることで、拡張現実(以下、「AR(Augmented Reality)」)表示として機能する。例えば警告情報及び経路情報等が、虚像VIを通じて運転者に情報提示される。
HUD装置10は、虚像VIを表示するための構成として、プロジェクタ11、反射光学系12、及びアクチュエータ13を有している。プロジェクタ11は、虚像VIとして結像される表示像の光を、反射光学系12へ向けて射出する。反射光学系12は、プロジェクタ11から入射した表示像の光を、ウィンドシールドWSの投影領域PAに投影する。ウィンドシールドWSに投影された光は、投影領域PAによってアイポイント側へ向けて反射され、運転者によって知覚される。アクチュエータ13は、反射光学系12の姿勢を変化させることにより、投影領域PAにおける表示像の光の投影位置を変化させる。以上のHUD装置10は、プロジェクタ11にて描画される表示像の描画制御、及びアクチュエータ13による反射光学系12の姿勢制御の少なくとも一方を用いて、運転者の見た目上にて、虚像VIの表示位置を上下に変化させる。
車内LAN(Local Area Network)50は、多数の電子制御ユニット及び多数の車載センサと接続されている。車内LAN50には、電子制御ユニット及び車載センサから、種々の情報が出力されている。車内LAN50には、例えば車両の走行速度を示す車速情報、及び車両の駆動力を示す駆動力情報等が出力されている。
地図DB30は、多数の地図データを格納した大容量の記憶媒体を主体とした構成である。地図データには、各道路の曲率値、勾配値、及び区間の長さといった情報、並びに各道路の制限速度及び一方通行といった非一時的な交通規制の情報等が含まれている。加えて地図データには、三次元での道路の位置を示す情報として、道路上の複数のポイントにおける経度、緯度及び高度を示す座標情報が含まれている。座標情報に含まれた経度、緯度及び高度の各値は、車両の自動運転を可能にするために、高精度な測位によって計測された値である。
GNSS(Global Navigation Satellite System)受信器20は、複数の測位衛星からの測位信号を受信する。GNSS受信器20は、受信した測位信号を、表示制御装置100へ向けて逐次出力する。尚、GNSS受信器20は、GPS、GLONASS、Galileo、IRNSS、QZSS、Beidou等の衛星測位システムのうちで、少なくとも一つの衛星測位システムの各測位衛星から、測位信号を受信可能である。
センサユニット40は、車両の姿勢を検出するモーションセンサである。センサユニット40は、車両の任意の位置に固定されており、車両に生じるピッチ、ロール及びヨー等を計測する。センサユニット40は、車両のヨー軸、ピッチ軸及びロール軸周りの重心位置の変化、即ち姿勢変化を計測するために、複数のジャイロセンサ41〜43を有している。
ジャイロセンサ41〜43は、一例として、角速度を電圧値として検出するセンサである。各ジャイロセンサ41〜43は、互に直交関係にあるx軸、y軸及びz軸について、各軸周りに生じる角速度の大きさを計測可能なように、互に異なる姿勢で設けられている。各ジャイロセンサ41〜43は、各軸周りの計測値を計測し、計測値を表示制御装置100へ向けて逐次出力する。尚、センサユニット40に規定された三軸の向きは、車両におけるヨー軸、ピッチ軸及びロール軸に対して傾斜していてもよい。
表示制御装置100は、制御回路60、記憶部60a及び入出力インターフェース等によって構成されている。制御回路60は、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)及びRAM(Random Access Memory)等を主体に構成されている。記憶部60aには、制御回路60にて実行される種々のプログラムが格納されている。具体的には、虚像VIの表示を制御する表示制御プログラム、ジャイロセンサ41〜43の出力を校正するセンサ校正プログラム等が記憶部60aに記憶されている。
制御回路60は、記憶部60aに記憶された種々のプログラムを実行することにより、複数の機能ブロックを構築する。具体的に、制御回路60は、表示制御プログラムに基づく機能ブロックとして、表示制御部71、姿勢演算部72、アクチュエータ制御部73を有する。また制御回路60は、センサ校正プログラムに基づく機能ブロックとして、計測値取得部61、車速取得部62、加速度取得部63、地図情報取得部64、位置特定部65及び校正値設定部66を有する。
表示制御部71は、HUD装置10による虚像VIの表示を制御する。表示制御部71は、車内LAN50を通じて取得する種々の情報に基づき、情報提示に用いる虚像VIを選択する。表示制御部71は、選択した虚像VIを表示させるための画像データを描画し、プロジェクタ11へ向けて逐次出力する。こうした表示制御部71の表示制御処理により、画像データに基づく表示像の光が、プロジェクタ11から反射光学系12に投射される。
姿勢演算部72は、計測値取得部61にて取得される各ジャイロセンサ41〜43の出力に基づき、車両の姿勢情報として、ピッチ角θ、ロール角θ及びヨー角θを演算する。各ジャイロセンサ41〜43の値には、センサユニット40の設置されている雰囲気温度の変化を要因とした誤差として、温度ドリフトが生じる。加えて、角速度から角度を算出する場合、時間積分に伴う誤差(時間ドリフト)も生じる。これら温度ドリフト及び時間ドリフトの誤差要因を補正するために、姿勢演算部72は、下記の数1に示す校正式を用いて、各ジャイロセンサ41〜43の生の出力である計測値θp_sens,θr_sens,θy_sensを校正する。校正式における校正係数a,b,a,b,a,bは、校正値設定部66にて設定される値である。
Figure 0006669199
アクチュエータ制御部73は、姿勢演算部72にて演算された車両の姿勢情報に基づき、アクチュエータ13を作動させて、投影領域PAにおける表示像の光の投影位置を上下方向に移動させる。アクチュエータ制御部73は、車両の姿勢が変化した場合でも、車両の姿勢変化に起因した虚像VIの重畳位置のずれが補正されるように、アクチュエータ13によって反射光学系12の姿勢を制御する。アクチュエータ制御部73の制御によれば、虚像VIは、運転者の見た目上にて、対象物に正しく重畳された状態を維持できる。
尚、アクチュエータ制御部73による姿勢制御と共に、又は当該姿勢制御に替えて、表示制御部71が、プロジェクタ11から反射光学系12に投射される表示像の光の到達位置を変更する制御を行ってもよい。こうした表示制御部71の描画制御によっても、虚像VIは、運転者の見た目上にて、対象物に正しく重畳された状態を維持できる。
計測値取得部61は、各ジャイロセンサ41〜43にて検出された車両のピッチ軸、ロール軸及びヨー軸周りについての角速度を、センサユニット40から取得する。センサユニット40に規定された三軸が車両の三軸に対して傾斜している場合、計測値取得部61は、座標変換によって、各ジャイロセンサ41〜43の出力を車両の三軸周りの角速度に修正する。計測値取得部61は、各軸周りの角速度を時間積分する処理により、車両のピッチ角θp_sens、ロール角θr_sens及びヨー角θy_sensを取得する。
車速取得部62は、車内LAN50に出力された車両の走行速度を示す車速情報を取得する。加速度取得部63は、車内LAN50に出力された車両の駆動力を示す駆動力情報を取得する。加速度取得部63は、駆動力情報と、車両の重量、タイヤ外径及び駆動系のギヤ比等の諸元情報とに基づき、車両の加速度を示す加速度情報を取得する。
地図情報取得部64は、車両が走行する道路について、緯度、経度及び高度の情報を含む三次元の地図データを、地図DB30から取得する。具体的に、地図情報取得部64は、車両の現在位置周辺の地図データ、及び車両が走行した道路を含む地図データの提供を、地図DB30に要求する。地図情報取得部64は、例えば通信ネットワークを通じて、車両の周囲の地図データを取得可能であってもよい。
位置特定部65は、GNSS受信器20にて受信された衛星からの測位信号を取得する。位置特定部65は、測位信号に基づき、車両の現在の測位位置を特定する。尚、位置特定部65にて特定された測位位置の推移に基づき、車速取得部62及び加速度取得部63は、それぞれ車速情報及び加速度情報を取得してもよい。
校正値設定部66は、計測値取得部61にて取得される計測値に適用される校正係数(数1参照)を設定する。具体的に、校正値設定部66は、下記の数2に示す座標算出式を用いて、車両の走行軌跡RPc(図2参照)を算出する。走行軌跡RPcは、車速情報及び計測値から算出される算出位置の座標を、時系列に繋げてなる三次元の図形である。
尚、下記の座標算出式におけるvは、車速情報の示す車両の走行速度である。また、(x,y,z)は、時刻iにおける自車両の算出位置の座標であり、(xi+1,yi+1,zi+1)は、時刻i+1における自車両の算出位置の座標である。さらに、ピッチ角θ、ロール角θ及びヨー角θは、校正前の計測値θp_sens,θr_sens,θy_sens、又は仮の校正係数を設定した校正式に基づく各姿勢角とされる。
Figure 0006669199
校正値設定部66は、地図データに示された道路の形状情報に基づき、車両が走行したと推定される走行軌跡RPm(図2参照)を設定する。校正値設定部66は、地図データに基づく走行軌跡RPmを真の値と仮定する。そして校正値設定部66は、算出した走行軌跡RPcが地図データに基づく走行軌跡RPmに近づく(重なる)ような、即ち、走行軌跡RPmに対する走行軌跡RPcの誤差が最小となるような校正係数を算出する。
具体的に、校正値設定部66は、走行軌跡RPm上にある多数の座標について、それぞれに対応する走行軌跡RPc上の座標を選択する。校正値設定部66は、各走行軌跡RPm,RPcから、同時刻での車両の位置を示すと推定される一対の座標情報のペアを設定する。校正値設定部66は、下記の数3に示すように目的関数の最小値を探索する。目的関数では、組み合わされた各対の座標について、走行軌跡RPm上にある基準位置の座標(x^,y^,z^)と、走行軌跡RPc上にある算出位置の座標(x,y,z)との誤差ノルムが算出される。校正値設定部66は、誤差ノルムの総和が最小となるような校正係数を設定する。校正値設定部66は、一例として勾配法による反復計算により、校正係数を探索する。
Figure 0006669199
校正値設定部66は、車両の走行状態を判別し、特定の走行状態で計測された計測値を除外して、校正係数を設定する。具体的に、車両が加速中及び減速中に各ジャイロセンサ41〜43にて計測された計測値は、校正係数の設定に用いる対象データから除外される。加えて、車両が路面の凹凸を通過した期間に各ジャイロセンサ41〜43にて計測された計測値も、校正係数の設定に用いる対象データから除外される。
ここまで説明した表示制御装置100は、上記の校正係数を更新する更新処理を継続的に実施する。以下、校正係数を更新する処理の詳細を、図3及び図4に基づき、図1を参照しつつ説明する。図3に示す更新処理は、車両が走行可能な状態となったことに基づき、制御回路60によって開始される。更新処理は、車両の電源又はイグニッションがオフ状態とされるまで、制御回路60によって繰り返し実施される。
S101では、各ジャイロセンサ41〜43の出力に基づく計測値と、車速情報とを取得し、S102に進む。S102では、S101にて取得される計測値のうちで、校正係数の設定に使用するデータを選択する。即ち、S102では、校正係数に大きな誤差を生じさせる可能性のある計測値が、図4に示すデータ選択処理により、使用の対象から除外される。
データ選択処理のS121では、計測値が計測された期間又はタイミングでの加速度情報を取得する。そして、車両に生じている加速度の絶対値が閾値Aを超えているか否かを判定する。S121にて、加速度の絶対値が閾値A以下であると判定した場合、S123に進む。一方、加速度の絶対値が閾値Aを超えていると判定した場合、S122に進む。S122では、加速度の絶対値が閾値Aを超えた期間の計測値を、校正係数の設定に用いる対象から除外し、S123に進む。以上により、加速中及び減速中のデータは、使用対象から除外される。
S123では、時系列における算出位置の座標の差分値を算出する。差分値は、例えば座標を示すx,y,zのうちの一つについての値(|x−xt−1|)であってもよく、二つの座標の空間距離の値であってもよい。尚、xは時刻tにおける算出位置の値であり、xt−1は時刻t−1における算出位置の値である。
そして、座標の差分値の絶対値が閾値Bを超えているか否かを判定する。S123にて、差分値の絶対値が閾値B以下であると判定した場合、S125に進む。一方、S123にて、差分値の絶対値が閾値Bを超えていると判定した場合、S124に進む。S124では、差分値の絶対値が閾値Bを超えた期間の計測値を、校正係数の設定に用いる対象から除外し、S125に進む。以上により、例えば路面の凹凸の通過等によって車両の姿勢が急激に変化したときのデータは、使用対象から除外される。
S125では、特定の期間(例えば数秒間)における算出位置の座標の分散値を算出し、分散値が閾値Cを超えているか否かを判定する。S125にて、分散値が閾値C以下であると判定した場合、更新(メイン)処理のS103に戻る。一方、S125にて、分散値が閾値Cを超えていると判定した場合、S126に進む。S126では、分散値が閾値Cを超えた期間の計測値を、校正係数の設定に用いる対象から除外し、図3に示すメイン処理のS103に戻る。以上により、地図データに表れない何らかの要因によって車両が姿勢変化した期間のデータは、使用対象から除外される。
S103では、校正前の走行軌跡RPcを、上記の座標算出式(数2参照)によって算出し、S104に進む。S104では、地図DB30から地図データを読み出し、車両の走行軌跡RPmを設定する。そして、走行軌跡RPm上にある個々の座標に対応するポイント、即ち、個々の座標に最も近接する座標を、S103にて算出した算出位置の座標群の中から選択し、S105に進む。
S105では、S104にて対応付けた算出位置と基準位置との誤差が最小となるように、校正式(数1参照)の各校正係数を算出し、更新処理を一旦終了する。
ここまで説明した第一実施形態では、各ジャイロセンサ41〜43の出力に基づく計測値と車速情報とを組み合わせることにより、算出位置が取得される。この算出位置が地図データに示された基準位置に近づくように校正係数を設定すれば、地図データを用いたセンサユニット40の校正が可能となる。その結果、従来とは異なり、地図データを用いた各ジャイロセンサ41〜43の校正が可能となる。
以上によれば、ジャイロセンサ41〜43による車両の姿勢計測の正確性が向上する。故に、表示制御部71及びアクチュエータ制御部73は、車両の姿勢変化に追従した虚像VIの移動を、高精度に行なうことができる。したがって、表示制御装置100は、運転者の見た目上にて、虚像VIを対象物に正確に重畳させることが可能になる。
そして、地図データの精度の向上により、校正の正確性も向上可能となる。さらに、例えば温度センサ等の校正のための追加部品が必要とされなくなるため、システムのコストを抑えることが可能となる。
加えて第一実施形態のセンサユニット40は、三軸周りの角速度、ひいては姿勢角を計測する構成である。このような三軸のセンサユニット40を用いた形態でも、地図データに三次元の座標が示されていれば、各軸周りの計測値の校正が可能となる。
また第一実施形態では、地図データの示す基準位置の座標に対応する一つのポイントが、多数算出された算出位置の座標群の中から選択される。以上のように、地図データに含まれる座標の数は、算出位置として算出される座標の数よりも少なくなる。故に、基準位置の座標に対して、算出位置の座標を紐付ける処理によれば、表示制御装置100は、取得可能なデータを有効に利用して、校正係数を精度良く算出ができる。
さらに第一実施形態の校正値設定部66は、各走行軌跡RPm,RPcそれぞれの各座標の誤差ノルムの総和が最小となるように、校正係数を演算する。こうした演算処理であれば、校正係数の精度を確保しつつ、校正係数を探索するための演算負荷を抑えることが可能になる。
また、車両の重心位置が変化している期間の各ジャイロセンサ41〜43の計測値は、地図データには無い車両の動きを含んだ値となる。故に、第一実施形態では、重心位置の変化を伴う加速中及び減速中の計測値は、校正係数の設定に用いる対象から除外される。具体的には、車両の加速度の値を加速度情報として取得し、加速中及び減速中と推定される期間の計測値が、校正係数の算出から除外される。以上によれば、地図データを用いて算出した校正係数の精度を、高く維持することが可能になる。
さらに、例えば路面の経年劣化や継ぎ目等に起因する凹凸は、地図データには示されていない。故に、路面の凹凸を通過したタイミングでの計測値は、地図データには無い動きを含んだ値となる。そのため第一実施形態では、路面の凹凸を通過している期間の計測値が、校正係数の設定に用いる対象から除外される。具体的には、算出位置の座標について経時的な差分値を監視し、座標の変化幅が閾値Bを超えた期間の計測値は、校正係数の算出から除外される。以上によれば、地図データを用いて算出した校正係数の精度を、高く維持することが可能になる。
さらに第一実施形態では、特定期間での算出位置の分散値を算出し、分散値が閾値Cを超えた期間の計測値は、校正係数の算出に用いられない。このように、分散値に基づく選別を姿勢変化フィルタとして採用することによれば、地図データにない要因で大きな姿勢変化を生じた期間の計測値は、校正係数の算出から除外され得る。故に、校正係数の精度は、高く維持可能となる。
尚、第一実施形態では、地図データが「地図情報」に相当し、校正係数が「校正値」に相当し、ジャイロセンサ41〜43が「姿勢センサ」に相当し、制御回路60が「処理部」に相当し、表示制御装置100が「センサ校正装置」に相当する。
(第二実施形態)
第二実施形態における校正係数の設定には、地図データの示す座標に替えて、測位信号の示す三次元の座標が、基準位置として用いられる。図1に示す校正値設定部66は、第一実施形態と同様の座標算出式(数2参照)を用いて、車両の走行軌跡RPc(図2参照)を算出する。一方で、第二実施形態による校正値設定部66は、位置特定部65にて特定された測位位置を時系列に連ねる処理により、車両が走行したと推定される走行軌跡RPm(図2参照)を設定する。校正値設定部66は、測位信号に基づく走行軌跡RPmを真の値と仮定し、算出した走行軌跡RPcが測位信号に基づく走行軌跡RPmと三次元的に重なるように、換言すれば、測位位置に対する算出位置の誤差が最小になるように、校正係数を算出する。
図5に示す第二実施形態の更新処理では、S201〜S203,S205の内容は、第一実施形態のS101〜S103,S105(図3参照)と実質同一となる。一方で、S204では、位置特定部65から測位位置に基づく座標(以下、「測位座標」)を読み出し、車両の走行軌跡RPmを設定する。そして、走行軌跡RPm上にある個々の測位座標に対応するポイントが、S203にて算出した算出位置の座標群の中から選択される。S204では、例えば座標情報を取得した時刻に基づき、実質的に同時刻に検出された算出位置の座標と測位座標との紐付けが実施される。
ここまで説明した第二実施形態では、車速情報及び計測値に基づく算出位置が、測位信号に基づき特定された測位位置に近づくように、各ジャイロセンサ41〜43の校正係数が設定される。その結果、従来とは異なり、測位衛星から受信する測位信号を用いた各ジャイロセンサ41〜43の校正が可能となる。そして、測位精度の向上により、校正の正確性も向上可能となる。
(第三実施形態)
図6に示す本開示の第三実施形態においても、センサ校正装置の機能は、表示制御装置300によって実現されている。表示制御装置300は、第一実施形態と実質同一のGNSS受信器20、地図DB30及び車内LAN50等に加えて、HUD装置310及びハイトセンサ340等と直接的又は間接的に電気接続されている。
車内LAN50には、加速度センサ51、車速センサ52及び操舵角センサ53等が接続されている。加速度センサ51は、車両に作用する前後方向の加速度を検出し、検出結果を車内LAN50に出力する。車速センサ52は、例えば車輪速を計測するセンサであって、車速に応じた計測信号を車速情報として車内LAN50に出力する。操舵角センサ53は、ステアリング系の操舵角を検出し、検出結果を車内LAN50に出力する。操舵角は、ステアリング角であってもよく、又は操舵輪の実舵角であってもよい。
HUD装置310は、第一実施形態のHUD装置10(図1参照)と同様に、虚像VIを用いたAR表示及び非AR表示を併用し、運転者に情報を提示する。HUD装置310は、虚像VIを表示するための構成として、プロジェクタ11及び反射光学系12を有している。プロジェクタ11は、反射光学系12に投影する元画像の位置を、表示制御装置300から取得する姿勢角(ピッチ角θ,数4参照)の情報に基づき調整し、AR表示された虚像VIが対象物に正しく重畳された状態を維持させる。
ハイトセンサ340は、車両の車高を検出するセンサである。ハイトセンサ340は、車両の姿勢変化のうちで、上下方向の変位(ヒーブ)を少なくとも検出可能である。ハイトセンサ340は、例えば車室外であって、左右いずれか一方のリヤサスペンションに設置されている。ハイトセンサ340は、ボディに懸架されたサスペンションアームの動作によって上下方向に変位する特定の車輪について、ボディに対する沈み込み量を計測する。ハイトセンサ340は、ボディとサスペンションアームとの間の相対距離を計測し、計測した計測データの信号(例えば電位)を、表示制御装置300へ向けて逐次出力する。
尚、ハイトセンサ340は、車両の前後左右の各サスペンションのうちの複数に設けられていてもよい。また、ハイトセンサ340の計測データは、車内LAN50を経由して、表示制御装置300に取得されてもよい。
表示制御装置300は、第一実施形態と実質同一の制御回路60、記憶部60a及び入出力インターフェース等によって構成されている。第三実施形態の記憶部60aにも、虚像VIの表示を制御する表示制御プログラムに加えて、ハイトセンサ340の出力を校正するセンサ校正プログラムが記憶されている。
制御回路60は、表示制御プログラムの実行により、表示制御部71及び姿勢演算部372等の機能ブロックを有する。また制御回路60は、センサ校正プログラムの実行により、の車速取得部62、加速度取得部63及び位置特定部65に加えて、計測値取得部361、操舵角情報取得部363、地図情報取得部364及び校正値設定部366等の機能ブロックを有する。
姿勢演算部372は、計測値取得部361にて取得されるハイトセンサ340の出力(例えば電圧値)に基づき、車両のピッチ角θを演算する。姿勢演算部372は、下記の数4に示す校正式を用いて、ハイトセンサ340の生の出力(電位V)を校正する。校正式におけるVは、ハイトセンサ340の出力の初期値である。また校正式におけるa,bは、共に校正係数であって、校正値設定部366にて設定される。
Figure 0006669199
計測値取得部361は、ハイトセンサ340の出力に基づく車両の変位(ヒーブ)の計測値を取得する。操舵角情報取得部363は、車内LAN50に出力された車両の操舵角を示す舵角情報を取得する。地図情報取得部364は、車両が走行する道路について、緯度、経度及び高度を示す情報と、路面の横断勾配(カント)を示す情報とを、地図DB30から取得する。
校正値設定部366は、計測値取得部361にて取得されたヒーブの計測値に適用される校正係数(数4参照)を設定する。詳記すると、ピッチ角θ及び車速を用いることで、自車の高度情報の暫定値が算出できる。こうした算出値は、搭乗者数及び積載物の変動に伴うサスペンション上部の重量バランスの変化や車両の経年劣化等の理由から、高度情報の真値(図7 破線参照)に対して誤差を持つ。校正値設定部366は、こうした誤差を補正する校正係数を更新し、現状の車両に適合した校正係数を設定する。その結果、姿勢演算部372は、誤差要因を校正し、高精度な車両姿勢角(ピッチ角θ)を算出できるようになる。
具体的に、校正値設定部366は、下記の数5に示す座標算出式を用いて、自車高度RHc(図7 破線参照)を算出する。自車高度RHcは、車速情報及び計測値から算出される算出位置の座標を、時系列に繋げてなる。
尚、下記の座標算出式におけるvは、車速情報の示す車両の走行速度である。また、(z)は、キャリブレーション区間におけるi番目の算出位置を示す座標であり、(zi+1)は、i+1番目の算出位置を示す座標である。そして、ピッチ角θは、校正前又は仮の校正係数を設定した校正式(数4参照)に基づく姿勢角とされる。
Figure 0006669199
さらに校正値設定部366は、測位位置及び地図データに基づき、自車高度RHm(図7 実線参照)を設定する。校正値設定部366は、地図データに基づく自車高度RHmを真の値と仮定する。そして校正値設定部366は、計測値から算出した自車高度RHcが地図データに基づく自車高度RHmに近づく(重なる)ような、即ち、自車高度RHmに対する自車高度RHcの誤差が最小となるような校正係数を算出する。
具体的に、校正値設定部366は、各自車高度RHm,RHcから、同時刻での車両の高度を示すと推定される一対の座標情報のペアを設定する。校正値設定部366は、下記の数6に示す目的関数の最小値を探索する。目的関数では、組み合わされた各対の座標について、自車高度RHm上にある基準位置の座標(z^)と、自車高度RHc上にある算出位置の座標(z)との誤差ノルムが算出される。校正値設定部366は、誤差ノルムの総和が最小となるような校正係数を、勾配法による反復計算によって探索する。尚、数6における「n」は、キャリブレーションに使用するデータ数である。
Figure 0006669199
次に、表示制御装置300にて継続的に実施される第三実施形態の更新処理の詳細を、図8及び図9に基づき、図6を参照しつつ説明する。図8に示す更新処理は、第一実施形態等と同様に、イグニッションのオン状態への切り替えに基づき、制御回路60によって開始され、イグニッションがオフ状態とされるまで繰り返される。
S301では、ハイトセンサ340の出力に基づく計測値と、車速情報とを取得し、S302に進む。S302では、S301にて取得される計測値のうちで、校正係数に大きな誤差を生じさせる可能性のある計測値を、図9にサブ処理として示すデータ選択処理によって使用の対象から除外し、校正係数の設定に使用するデータを選択する。
データ選択処理のS321では、計測値が計測された期間又はタイミングでの加速度情報を取得する。そして、車両に生じている加速度の絶対値が閾値Dを超えているか否かを判定する。S321にて、加速度の絶対値が閾値D以下であると判定した場合、S323に進む。一方、加速度の絶対値が閾値Dを超えていると判定した場合、S322に進む。S322では、加速度の絶対値が閾値Dを超えた期間の計測値を、校正係数の設定に用いる対象から除外し、S323に進む。以上により、加速中及び減速中のデータは、使用対象から除外される。
S323では、走行中の道路路面のカントの情報を取得する。そして、カントの絶対値が閾値Eを超えているか否かを判定する。S323にて、カントの絶対値が閾値E以下であると判定した場合、S325に進む。一方、カントの絶対値が閾値Eを超えていると判定した場合、S324に進む。S324では、カントの絶対値が閾値Eを超えた期間の計測値を、校正係数の設定に用いる対象から除外し、S325に進む。
S325では、車速情報及び操舵角情報を取得し、車両に作用している遠心力の大きさを推定する。そして、推定した遠心力の絶対値が閾値Fを超えているか否かを判定する。S325にて、遠心力の絶対値が閾値F以下であると判定した場合、S327に進む。一方、遠心力の絶対値が閾値Fを超えていると判定した場合、S326に進む。S326では、遠心力の絶対値が閾値Fを超えた期間の計測値を、校正係数の設定に用いる対象から除外し、S327に進む。
以上のS323〜S326の処理により、カーブ走行中のデータは、使用対象から除外される。
S327では、特定期間における算出位置の座標の分散値を算出し、分散値が閾値Gを超えているか否かを判定する。S327にて、分散値が閾値G以下であると判定した場合、S329に進む。一方、分散値が閾値Gを超えていると判定した場合、S328に進む。S328では、分散値が閾値Gを超えた期間の計測値を、校正係数の設定に用いる対象から除外し、S329に進む。
S329では、地図データの示す緯度、経度、高度の情報を用いて、走行中の道路路面の縦断勾配を算出し、縦断勾配の絶対値が閾値Hを超えているか否かを判定する。S329にて、縦断勾配の絶対値が閾値H以下であると判定した場合、更新(メイン)処理のS303に戻る。一方、S329にて、縦断勾配の絶対値が閾値Hを超えていると判定した場合、S330に進む。S330では、縦断勾配の絶対値が閾値Hを超えた期間の計測値を、校正係数の設定に用いる対象から除外し、図8に示すメイン処理のS303に戻る。以上により、登坂及び降坂に伴う姿勢変化が顕著な期間のデータは、使用対象から除外される。
S303では、計測値に基づく校正前の自車高度RHcを算出し、S304に進む。S304では、地図データに基づく自車高度RHmを算出する。そして、自車高度RHm上にある個々の座標に対応するポイント(座標)に最も近接する座標を、S303にて算出した算出位置の座標群の中から選択し、S305に進む。S305では、S304にて対応付けた算出位置と基準位置との誤差が最小となるように、校正式(数4参照)の各校正係数a,bを算出し、更新処理を一旦終了する。
ここまで説明した第三実施形態では、ハイトセンサ340の出力に基づく計測値と車速情報とを組み合わせて、高度についての算出位置が取得される。この算出位置が基準位置に近づくように校正係数を設定すれば、高度情報を用いたハイトセンサ340の校正が可能となる。
以上のような校正係数の設定によれば、ハイトセンサ340の計測値に基づく姿勢計測の正確性が向上するため、表示制御部71は、車両の姿勢変化に追従した虚像VIの移動を高精度に行い得る。したがって、表示制御装置300は、運転者の見た目上にて、虚像VIを対象物に正確に重畳させることができる。
加えて第三実施形態のように、地図データに含まれた高度情報を用いて設定される基準位置には、高い精度が確保され得る。故に、算出される校正係数の精度、ひいては、校正係数を適用されたピッチ角の精度も、高く維持可能となる。
ここで、車両がカーブを走行中に取得されるハイトセンサ340の計測値には、高度変化に起因する成分だけでなく、カーブ走行に伴うロール変化に起因する成分も含まれ得る。故に第三実施形態では、カーブ走行中に計測された計測値は、校正係数の設定に使用する対象から除外される。具体的には、車両の操舵角及び相応速度、並びにカント等の情報に基づき、計測値の使用の可否が判定される。以上の処理によれば、1方向の変位センサを用いた場合に不可避的に生じるロール変化の影響が低減され得るため、校正係数の精度は、高く維持可能となる。
さらに、走行中の道路の勾配が大きいシーンでは、ピッチ変化に起因する成分が、ハイトセンサ340の計測値に含まれ得る。故に第三実施形態では、道路路面の縦断勾配が閾値Hを超えた期間の計測値も、校正係数の設定には使用されない。以上の処理によれば、車両のピッチ変化による影響が低減され得るため、校正係数の精度は、さらに高く維持可能となる。
尚、第三実施形態では、ハイトセンサ340が「姿勢センサ」に相当し、地図情報取得部364が「高度情報取得部」に相当し、表示制御装置300が「センサ校正装置」に相当する。
(第四実施形態)
第四実施形態における校正係数の設定には、三次元の地図データの示す高度の座標に替えて、測位信号の示す高度の座標が、基準位置として用いられる。図6に示す校正値設定部366は、第三実施形態と同様の座標算出式(数5参照)を用いて、車両の自車高度RHc(図7参照)を算出する。一方で、校正値設定部366は、位置特定部65にて特定された測位位置を時系列に連ねる処理により、車両の走行軌跡における自車高度RHm(図7参照)を設定する。校正値設定部366は、測位信号に基づく自車高度RHmを真の値と仮定し、算出した自車高度RHcと、測位信号に基づく自車高度RHmとの誤差が最小になるように、校正係数a,b(数4参照)を算出する。
ここまで説明した第四実施形態でも、第三実施形態と同様に、車速情報及び計測値に基づく算出位置が、測位信号に基づく基準位置に近づくように、ハイトセンサ340の校正係数が設定される。その結果、ハイトセンサ340の計測値を用いたピッチ角の精度、及び虚像VIの重畳精度は、高く維持可能となる。
(他の実施形態)
以上、本開示の複数の実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定して解釈されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態及び組み合わせに適用することができる。
上記実施形態のデータ選択処理(図4参照)では、複数の判定を連続して実施することにより、校正係数の精度を低下させ得る計測値が、使用対象から除外されていた。こうしたデータの選別に用いる閾値は、車両の重量やホイールベース等の諸元情報、及び想定される道路環境等に応じて、校正係数の精度確保が可能な値に適宜設定されてよい。また、データ選択処理によるデータの選別は、実施されなくてもよい。さらに、データ選択処理の内容は、適宜変更可能である。
例えば、図10に示す変形例1によるデータ選択処理では、校正値設定部は、走行速度の変化幅が閾値以内であるか否かを判定する(S521)。そして、発進シーン及び停車シーンのように、加速中及び減速中等、走行速度の変化幅が閾値を超える期間のデータは、校正係数の算出に使用する対象から除外される(S522)。その結果、校正値設定部は、走行速度が一定の時間、一定の変化幅を規定する閾値以内となる計測値のみを選択的に用いて、校正係数を設定できる。
また、図11に示す変形例2によるデータ選択処理では、校正値設定部は、算出位置の時間微分値が閾値以上であるか否かを判定する(S523)。時間微分値は、例えばサンプリング周期あたりの変化量である。凹凸を通過したタイミング等、時間微分値が閾値を超える期間のデータは、校正係数の算出に使用する対象から除外される(S524)。以上により、校正値設定部は、時間微分値の小さい期間の計測値のみを選択的に用いて、校正係数を設定できる。
また、図12に示す変形例3によるデータ選択処理では、校正値設定部は、特定期間の分散値が閾値以内であるか否かを判定する(S525)。そして、車両の姿勢が大きく変化した期間等、分散値が閾値を超える期間のデータは、校正係数の算出に使用する対象から除外される(S526)。以上により、校正値設定部は、分散値の小さい期間の計測値のみを選択的に用いて、校正係数を設定できる。
上記実施形態では、三次元の地図データを用いて、ピッチ軸、ロール軸及びヨー軸についての姿勢角が校正可能とされていた。しかし、校正対象とされるセンサユニットは、適宜変更されてよい。例えば、変形例4の計測値取得部は、センサユニットからの出力に基づき、車両のヨー角について計測値を取得し、ピッチ角及びロール角についての計測値を取得しない。一方、地図情報取得部は、緯度及び経度の情報を含む二次元の地図データを取得する。校正値設定部は、車速情報及びヨー角についての計測値から、緯度及び経度のみの算出位置の座標を算出できる。換言すれば、校正値設定部は、算出位置に基づく二次元の走行軌跡RPcと、地図データに基づく二次元の走行軌跡RPmとを規定できる。故に、第一実施形態と同様に、走行軌跡RPcが走行軌跡RPmに重なるような補正係数の探索を行なうことで、校正値設定部は、二次元の地図データを用いたヨー角の校正を行なうことができる。尚、三次元の地図データのうちで緯度及び経度の情報だけを利用して、ヨー角の校正が行われてもよい。
上記実施形態では、車両のピッチ、ロール及びヨーを示す値を計測するためのジャイロセンサを校正する処理を説明した。しかし、校正対象とされる姿勢センサは、ジャイロセンサに限定されない。例えば、加速度センサが、校正対象となる姿勢センサであってもよい。また、センサユニットは、三軸の角速度を計測する三つのジャイロセンサに加えて、当該三軸に沿う方向の加速度を計測する加速度センサを備えるいわゆる六軸センサであってもよい。さらに、校正係数の算出に、地図データ及び測位情報等に加えて、センサユニットの周囲の雰囲気温度等の従来の情報がさらに用いられてもよい。
上記第一実施形態では、地図データを真値として、校正係数を設定していた。また上記第二実施形態では、測位位置を真値として、校正係数を設定していた。こうした処理は、組み合わされてもよい。例えば、衛星信号の受信状態の良否を判定する受信状態判定部を設け、測位位置の精度が確保されていると判定される場合には、測位信号を真値とした校正係数の設定が実施される。一方で、測位位置の精度が確保されていないと判定される場合には、地図データを真値とした校正係数の設定が実施される。或いは、地図データの精度を判定する精度判定部を設け、地図データの精度が確保されていると判定される場合には、地図データを真値とした校正係数の設定が実施される。一方で、地図データの精度が確保されていないと判定される場合には、測位信号を真値とした校正係数の設定が実施される。
上記第一実施形態等では、虚像が対象物に正しく重畳された状態を維持するために、アクチュエータ制御部及びアクチュエータが設けられていた。しかし、第三実施形態等のように、虚像の表示位置のハードウェアによる調整は、実施されなくてもよい。即ち、アクチュエータ制御部及びアクチュエータは、省略されてもよい。こうした形態では、上述したように、虚像の表示位置の調整は、表示制御部にて描画される画像データの調整、具体的には、虚像として結像される元画像の位置調整により、実施される。以上のように、虚像が対象物に正しく重畳された状態は、ソフトウェア処理のみによって維持されてもよい。或いは、アクチュエータ制御部及びアクチュエータのみによって、虚像を対象物に正しく重畳させた状態が維持されてもよい。
上記第三実施形態の変形例5において、高度情報は、勾配値に基づいて取得される。詳記すると、変形例5の制御回路には、勾配値演算部が設けられている。勾配値演算部は、アクセル開度及びブレーキ油圧等のタイヤ駆動力に対する車速又は加速度の応答から、車両の推定重量を参照しつつ、路面勾配(縦断勾配)の値(勾配値)を推定する。高度情報取得部は、勾配値と車速情報とに基づき、基準位置となる高度情報を取得できる。以上の変形例5では、制御回路が地図情報取得部及び位置特定部を有していなくても、換言すれば、車両に地図DB及びGNSS受信器が搭載されていなくても、校正値設定部は、校正係数を更新できる。
上記第三実施形態では、一方向の変位センサとして、上下方向の変位を計測するハイトセンサが例示されていた。しかし、本開示による校正値の更新処理は、上下方向の変位センサに限らず、任意の方向の変位を計測する変位センサに対し適用可能である。具体的には、変位センサの車両に対する取り付け角度の設計値を用いて、変位センサの計測値を上下方向の変位量に変換すれば、ハイトセンサと同様の扱いが可能となる。
さらに、擬似的な変位センサとして、上下方向の加速度成分を検出可能な加速度センサが用いられていてもよい。加速度センサの計測値を二回積分する演算処理を、上下方向の変位量として使用すれば、加速度センサもハイトセンサと同様の扱いが可能となる。
上記実施形態では、地図データに無い路面情報、具体的には、路面の荒れ及び段差の影響による誤差増大を回避するため、計測値の分散値又は時間差分等の情報を用いて、路面の荒れ及び段差の影響を含む計測値は、校正係数の使用対象から外されていた。こうした路面の荒れ及び段差の発生は、分散値及び時間差分以外でも、例えば計測値の周波数に基づいて推定されてもよい。
また、上記第三実施形態では、カーブ走行中のロール角成分の影響による誤差増大を避けるため、遠心力の大きさに基づき、計測値の使用及び不使用が仕分けされていた。例えば校正値設定部は、遠心力に替えて、例えば操舵角の大きさに基づき計測値の使用及び不使用を選別し、ロール角成分を除去するようにしてもよい。
上記実施形態及び変形例にて説明した複数の除外条件の組み合わせは、適宜変更されてよい。さらに、除外条件は、設定されなくてもよい。加えて、閾値の具体的な値も、適宜変更されてよい。
例えば上記三実施形態では、遠心力及びカントの両方に除外条件となる閾値を設定し、両方の判定にてロール角成分を実質含まないと推定された計測値を、選択的に使用していた。しかし、使用可能とする計測値を確保するため、校正値設定部は、例えば遠心力に基づくロール角の大きさとカントの大きさとを合算し、当該合算値と閾値との比較に基づき、合算値が閾値を超える期間の計測値を除外するフィルタ処理を行ってもよい。
さらに、変位センサが複数のサスペンションに設けられている場合、計測値を除外する除外条件は、緩和されてよい。例えば、複数のハイトセンサの計測値を平均化する処理を行うことで、荒れた路面状況及びカーブ走行中の計測値が、校正係数の演算に使用されてもよい。また、特異な変化を示した計測値のみを除外する処理等により、路面凹凸の影響を避けつつ、校正係数の演算に使用する計測値のデータ量が増やされてもよい。以上の処理によれば、キャリブレーション区間の延長回避が可能になる。
上記実施形態の校正値設定部は、校正係数を演算するにあたり、走行軌跡及び自車高度の誤差が最小となる値を、勾配法によって演算していた。しかし、校正係数を探索する最小化問題の解法は、勾配法に限定されない。例えば、校正係数(校正パラメータ)の範囲がある程度まで絞れている場合、校正値設定部は、全数検査によって最小値を求めてもよい。
さらに、校正前の変位センサの算出値(算出位置)が真値(基準位置)に対して大きくずれている場合、勾配法等での最小値の探索が不可能になり得る。この場合、校正値設定部は、校正前の変位センサの算出値の最大値と、真値の最大値とが一致するように、一連の算出値を正規化する。このように、正規化した算出値を用いれば、校正値設定部は、最小値を探索可能となる。
センサ校正装置の機能は、上記の表示制御装置100とは異なる構成によって実現されてもよい。例えば、コンビネーションメータ及びHUD装置等の表示デバイスが、制御回路にてセンサ校正プログラムを実行することにより、センサ校正装置として機能してもよい。さらに、車両に搭載された自動運転ECUの制御回路が、センサ校正プログラムに基づく本開示のセンサ校正方法を実行する処理部として機能してもよい。或いは、表示制御装置、表示デバイス及び自動運転ECU等の複数の制御回路が、センサ校正のための演算を分散処理してもよい。さらに、フラッシュメモリ及びハードディスク等の種々の非遷移的実体的記憶媒体(non-transitory tangible storage medium)が処理部にて実行されるセンサ校正プログラム等を格納する記憶部として、採用可能である。
上記実施形態では、高精度な地図情報を基準とすることにより、姿勢センサの校正値が設定されていた。しかし、すべての道路について高精度な地図情報が生成されているわけではなく、正確性が十分ではない地図情報しか存在しない場合がある。このように、正確性が十分ではない地図情報を、姿勢センサの出力に基づいて修正することが可能である。換言すれば、姿勢センサの出力と走行速度とに基づいて算出された走行軌跡RPc(図2参照)に、地図情報から特定される走行軌跡RPm(図2参照)を重ねるように、地図情報が更新されてもよい。このような技術的思想を、以下に追記する。
(付記1)
車両の走行によって地図情報を修正する地図修正装置であって、
前記車両に固定された姿勢センサの出力に基づく前記車両の姿勢の計測値を取得する計測値取得部と、
前記車両の走行速度を示す車速情報を取得する車速取得部と、
前記車両が走行する道路の地図情報を取得する地図情報取得部と、
前記地図情報にて道路上の位置を規定した位置情報が、前記車速情報及び前記計測値から算出される前記車両の算出位置と整合するように、前記位置情報を更新する地図更新部と、を備える地図修正装置。
以上の構成によれば、正確性が十分でない地図情報しかない場合でも、車両の走行により、地図情報の位置情報の正確性を高めることが可能になる。また、例えば地図情報の正確性を示す情報があれば、位置情報と算出情報とのうちで、真値とする情報を切り替えることが可能になる。詳記すると、高精度な地図情報を取得している場合には、地図情報の示す位置情報が真値とされ、基準位置とされる。そして、校正値設定部が、算出位置を地図情報に基づく基準位置に整合させることで、姿勢センサの校正値を設定する。一方で、低精度な地図情報を取得している場合には、姿勢センサの計測値に基づく算出位置が真値とされる。そして、地図更新部が、地図情報に示された道路位置を算出位置に整合させる処理により、地図の正確性を向上させる。
41〜43 ジャイロセンサ(姿勢センサ)、340 ハイトセンサ(姿勢センサ)、60 制御回路(処理部)、61,361 計測値取得部、62 車速取得部、63 加速度取得部、64 地図情報取得部、364 地図情報取得部(高度情報取得部)、65 位置特定部、66,366 校正値設定部、100,300 表示制御装置(センサ校正装置)

Claims (23)

  1. 車両の姿勢を検出する姿勢センサ(41〜43)の出力を校正するセンサ校正装置であって、
    前記姿勢センサの出力に基づく前記車両の姿勢の計測値を取得する計測値取得部(61)と、
    前記車両の走行速度を示す車速情報を取得する車速取得部(62)と、
    前記車両が走行する道路の地図情報を取得する地図情報取得部(64)と、
    前記車速情報及び前記計測値から算出される前記車両の算出位置が前記地図情報に示された基準位置に近づくように、前記計測値に適用される校正値を設定する校正値設定部(66)と、を備えるセンサ校正装置。
  2. 前記計測値取得部は、前記姿勢センサの出力に基づき前記車両のピッチ、ロール及びヨーを示す前記計測値を取得し、
    前記地図情報取得部は、緯度、経度及び高度の情報を含む三次元の前記地図情報を取得する請求項1に記載のセンサ校正装置。
  3. 前記計測値取得部は、前記姿勢センサの出力に基づき前記車両のヨーを示す前記計測値を取得し、
    前記地図情報取得部は、緯度及び経度の情報を含む二次元の前記地図情報を取得する請求項1に記載のセンサ校正装置。
  4. 前記校正値設定部は、前記基準位置に対応する前記算出位置を選択し、選択した前記算出位置と前記基準位置との誤差が最小となるような前記校正値を探索する請求項1〜3のいずれか一項に記載のセンサ校正装置。
  5. 車両の姿勢を検出する姿勢センサ(41〜43)の出力を校正するセンサ校正装置であって、
    前記姿勢センサの出力に基づく前記車両の姿勢の計測値を取得する計測値取得部(61)と、
    前記車両の走行速度を示す車速情報を取得する車速取得部(62)と、
    測位衛星から受信した測位信号に基づき前記車両の測位位置を特定する位置特定部(65)と、
    前記車速情報及び前記計測値から算出される前記車両の算出位置が前記位置特定部にて特定された前記測位位置に近づくように、前記計測値に適用される校正値を設定する校正値設定部(66)と、を備えるセンサ校正装置。
  6. 車両の変位を検出する姿勢センサ(340)の出力を校正するセンサ校正装置であって、
    前記姿勢センサの出力に基づく前記車両の変位の計測値を取得する計測値取得部(361)と、
    前記車両の走行速度を示す車速情報を取得する車速取得部(62)と、
    前記車両が走行する道路の高度情報を取得する高度情報取得部(364)と、
    前記車速情報及び前記計測値から算出される前記車両の算出位置が前記高度情報に示された基準位置に近づくように、前記計測値に適用される校正値を設定する校正値設定部(366)と、を備えるセンサ校正装置。
  7. 前記高度情報取得部は、高度の情報を含む地図情報を取得し、
    前記校正値設定部は、前記地図情報に基づく前記高度情報を用いた前記基準位置に前記算出位置が近づくように、前記校正値を設定する請求項6に記載のセンサ校正装置。
  8. 前記高度情報取得部は、測位衛星から受信した測位信号に基づく前記高度情報を取得し、
    前記校正値設定部は、前記測位信号に基づく前記高度情報を用いた前記基準位置に前記算出位置が近づくように、前記校正値を設定する請求項6に記載のセンサ校正装置。
  9. 前記高度情報取得部は、前記車両が走行する道路の路面の勾配値に基づく前記高度情報を取得し、
    前記校正値設定部は、前記勾配値に基づく前記高度情報を用いた前記基準位置に前記算出位置が近づくように、前記校正値を設定する請求項6に記載のセンサ校正装置。
  10. 前記校正値設定部は、前記車両がカーブを走行中に前記姿勢センサにて計測された前記計測値を除外して、前記校正値を設定する請求項6〜9のいずれか一項に記載のセンサ校正装置。
  11. 前記校正値設定部は、前記車両の操舵角又は前記車両に作用する遠心力が閾値を超えた期間の前記計測値を、前記校正値の設定に用いる対象から除外する請求項10に記載のセンサ校正装置。
  12. 前記校正値設定部は、前記車両が走行する道路の路面の横断勾配が閾値を超えた期間の前記計測値を、前記校正値の設定に用いる対象から除外する請求項10又は11に記載のセンサ校正装置。
  13. 前記校正値設定部は、前記車両が走行する道路の路面の縦断勾配が閾値を超えた期間の前記計測値を、前記校正値の設定に用いる対象から除外する請求項10〜12のいずれか一項に記載のセンサ校正装置。
  14. 前記校正値設定部は、前記車両が加速中及び減速中に前記姿勢センサにて計測された前記計測値を除外して、前記校正値を設定する請求項1〜13のいずれか一項に記載のセンサ校正装置。
  15. 前記校正値設定部は、前記車速情報の示す走行速度の変化幅が閾値以内となる期間の前記計測値を用いて、前記校正値を設定する請求項14に記載のセンサ校正装置。
  16. 前記車両の加速度を示す加速度情報を取得する加速度取得部(63)、をさらに備え、
    前記校正値設定部は、前記加速度情報の示す加速度の絶対値が閾値を超えた期間の前記計測値を、前記校正値の設定に用いる対象から除外する請求項14又は15に記載のセンサ校正装置。
  17. 前記校正値設定部は、前記車両が路面の凹凸を通過した期間に前記姿勢センサにて計測された前記計測値を除外して、前記校正値を設定する請求項1〜16のいずれか一項に記載のセンサ校正装置。
  18. 前記校正値設定部は、前記算出位置の時間微分値が閾値を超える期間の前記計測値を除外して、前記校正値を設定する請求項17に記載のセンサ校正装置。
  19. 前記校正値設定部は、前記算出位置の経時的な差分値が閾値を超える期間の前記計測値を除外して、前記校正値を設定する請求項17又は18に記載のセンサ校正装置。
  20. 前記校正値設定部は、前記算出位置の分散値が閾値を超える期間の前記計測値を除外して、前記校正値を設定する請求項1〜19のいずれか一項に記載のセンサ校正装置。
  21. 車両の姿勢を検出する姿勢センサ(41〜43)の出力を校正するセンサ校正プログラムであって、
    少なくとも一つの処理部(60)を、
    前記姿勢センサの出力に基づく前記車両の姿勢の計測値を取得する計測値取得部(61)、
    前記車両の走行速度を示す車速情報を取得する車速取得部(62)、
    前記車両が走行する道路の地図情報を取得する地図情報取得部(64)、
    前記車速情報及び前記計測値から算出される前記車両の算出位置が前記地図情報に示された基準位置に近づくように、前記計測値に適用される校正値を設定する校正値設定部(66)、として機能させるためのセンサ校正プログラム。
  22. 車両の姿勢を検出する姿勢センサ(41〜43)の出力を校正するセンサ校正プログラムであって、
    少なくとも一つの処理部(60)を、
    前記姿勢センサの出力に基づく前記車両の姿勢の計測値を取得する計測値取得部(61)、
    前記車両の走行速度を示す車速情報を取得する車速取得部(62)、
    衛星から受信した測位信号に基づき前記車両の測位位置を特定する位置特定部(65)、
    前記車速情報及び前記計測値から算出される前記車両の算出位置が前記位置特定部にて特定された前記測位位置に近づくように、前記計測値に適用される校正値を設定する校正値設定部(66)、として機能させるためのセンサ校正プログラム。
  23. 車両の変位を検出する姿勢センサ(340)の出力を校正するセンサ校正プログラムであって、
    少なくとも一つの処理部(60)を、
    前記姿勢センサの出力に基づく前記車両の変位の計測値を取得する計測値取得部(361)、
    前記車両の走行速度を示す車速情報を取得する車速取得部(62)、
    前記車両が走行する道路の高度情報を取得する高度情報取得部(364)、
    前記車速情報及び前記計測値から算出される前記車両の算出位置が前記高度情報に示された基準位置に近づくように、前記計測値に適用される校正値を設定する校正値設定部(366)、として機能させるためのセンサ校正プログラム。
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