JP2003075172A - 車両挙動計測装置 - Google Patents

車両挙動計測装置

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JP2003075172A
JP2003075172A JP2001268789A JP2001268789A JP2003075172A JP 2003075172 A JP2003075172 A JP 2003075172A JP 2001268789 A JP2001268789 A JP 2001268789A JP 2001268789 A JP2001268789 A JP 2001268789A JP 2003075172 A JP2003075172 A JP 2003075172A
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signal
vehicle
acceleration
altitude
distance
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Application number
JP2001268789A
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English (en)
Inventor
Tadatomi Ishigami
忠富 石上
Makoto Mikuriya
誠 御厨
Mitsuo Shitaya
光生 下谷
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加速度センサの加速度信号に重畳されている
車両の移動に伴う前後方向加速度成分と、車両の傾斜に
伴う重力の前後方向加速度成分を分離し、移動時や停車
時などに係わらず、カルマンフィルタ処理で精度の高い
姿勢角を求めることのできる車両挙動計測装置を得る。 【解決手段】 車両の前後方向加速度に対応した加速度
信号を出力する加速度センサと、車両の移動距離に対応
した距離信号を出力する距離センサと、加速度信号およ
び距離信号に基づいてカルマンフィルタ処理を行い、車
両の姿勢角を離散時刻毎に算出する信号処理器とを備え
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば、自動車
などに適用される車両挙動計測装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、車両(自動車)走行において
は、快適さが求められており、自動変速機による制御に
ついても、例えば道路の勾配などの走行条件に応じて木
目細やかな制御が必要になってきた。このような走行条
件に応じた制御を行うために、車内に車両挙動計測装置
を設置し、車両の姿勢角(道路の勾配)などを計測して
いる。
【0003】例えば、特開2001−082956号公
報に示された従来の車両挙動計測装置においては、加速
度センサにより直接検出される加速度実測値(車両の走
行方向に現れる前後方向加速度)と、距離センサにより
得られるパルス信号(車両の走行速度に応じて周期が変
化する)を微分して算出される加速度計算値(走行速度
の微分値)との2種の加速度値に基づいて、車両の姿勢
角(走行中の道路の勾配)を算出している。
【0004】ここで、加速度実測値をGsen、加速度
計算値をDvspとしたとき、加速度実測値Gsenお
よび加速度計算値Dvspと車両の姿勢角βとの関係
は、以下の(1)式で表される。
【0005】
【数1】
【0006】(1)式において、gは重力加速度であ
る。また、加速度実測値Gsenから加速度計算値Dv
spを減算した値を、ノイズ低減用のローパスフィルタ
(低域通過フィルタ)にかけて、車両の姿勢角βの算出
を行っている。
【0007】また、他の従来装置として、例えば、特開
平9-042979号公報に示された車両挙動計測装置
がある。この車両挙動計測装置は、例えばカーナビゲー
ションシステムに搭載されており、車両挙動計測装置か
ら出力される値に基づいて車両の現在位置をカーナビゲ
ーションシステムの表示部の地図上に表示している。
【0008】この車両挙動計測装置の距離センサは、車
輪の回転数を計測して車両の移動距離を算出している。
しかし、車両が勾配の急な坂道を登る場合、実際の移動
距離と地図上に表されている水平方向の移動距離とを比
較すると、両者間に誤差が生じるので、地図上に正確な
現在位置を表示することはできない。
【0009】そこで、この誤差を小さくするために、前
述のように、車両挙動計測装置の加速度センサが検出し
たX軸、Y軸およびZ軸方向の加速度と、距離センサが
検出した加速度とに基づいて車両の姿勢角βを演算して
いる。
【0010】そして、以下の(2)式のように距離セン
サが算出した車両の速度Viから水平方向の速度V'i
演算し、水平面(地図上)の距離の誤差を補正した後
に、水平面(地図上)における車両の現在位置を表示し
ている。
【0011】
【数2】
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従来の車両挙動計測装
置は以下のように、姿勢角βを高精度にるためには、加
速度実測値を高精度に検出して、加速度実測値Gsen
と加速度計算値Dvspとの誤差を抑制する必要があっ
た。
【0013】また、加速度センサは、出力信号(電圧)
から加速度を得るために、加速度信号のバイアスと加速
度の関係を示すスケールファクタとを利用しているの
で、加速度実測値Gsenの検出精度を高くするために
は、加速度信号のバイアスとスケールファクタとを補正
する必要があった。
【0014】特に、加速度信号のバイアスは、車両の移
動中において変動量が大きいので、車両が移動中にも補
正する必要があり、仮に補正演算が実行されなければ、
高精度に姿勢角βを検出できる時間が短くなり、実用に
向かないという問題点があった。
【0015】また、従来の車両挙動計測装置は、単に水
平方向の加速度を補正するのみであり、車両の3次元位
置(緯度、経度、高度)の運動を補正することができな
いという問題点があった。
【0016】さらに、従来の車両挙動計測装置は、水平
面上の2次元位置(緯度、経度)を算出するために、距
離および方位による移動ベクトルを前回の推定位置に加
算して車両の現在位置を更新しているので、移動ベクト
ルの累積誤差を補正することができないという問題点が
あった。
【0017】この発明は、上記問題点を解決するために
なされたもので、車両の挙動によらず、高精度に車両の
姿勢角を算出することのできる車両挙動計測装置を得る
ことを目的とする。
【0018】また、この発明は、車両の挙動によらず、
加速度信号のバイアスとスケールファクタとを補正する
ことのできる車両挙動計測装置を得ることを目的とす
る。
【0019】また、この発明は、車両の挙動によらず、
高精度に車両の高度を算出することのできる車両挙動計
測装置を得ることを目的とする。
【0020】また、この発明は、離散時刻毎に車両の3
次元位置を補正することのできる車両挙動計測装置を得
ることを目的とする。
【0021】さらに、この発明は、離散時刻毎に車両の
2次元位置を補正することのできる車両挙動計測装置を
得ることを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】この発明に係る車両挙動
計測装置は、車両の前後方向加速度に対応した加速度信
号を出力する加速度センサと、車両の移動距離に対応し
た距離信号を出力する距離センサと、加速度信号および
距離信号に基づいてカルマンフィルタ処理を行い、車両
の姿勢角を離散時刻毎に算出する信号処理器とを備えた
ものである。
【0023】この発明に係る車両挙動計測装置の信号処
理器は、加速度信号および距離信号から算出された車両
の加速度および車両の姿勢角と加速度センサに含まれる
スケールファクタとに基づいて離散時刻毎に加速度信号
のバイアスを補正するものである。
【0024】この発明に係る車両挙動計測装置は、車両
の高度に対応した高度信号を出力する高度計を備え、信
号処理器は、加速度信号、距離信号および高度信号に基
づいてカルマンフィルタ処理を行い、離散時刻毎に姿勢
角および高度の少なくとも一方を算出するものである。
【0025】この発明に係る車両挙動計測装置の信号処
理器は、高度信号と車両の加速度と加速度センサに含ま
れるスケールファクタとに基づいて離散時刻毎に加速度
信号のバイアスを補正するものである。
【0026】この発明に係る車両挙動計測装置の信号処
理器は、距離信号および姿勢角から算出された車両の高
度方向の移動量と、高度信号の変化量とを比較して、カ
ルマンフィルタ処理による高度の観測誤差を算出するも
のである。
【0027】この発明に係る車両挙動計測装置は、高度
計は、大気圧に対応した気圧信号を出力する気圧高度セ
ンサからなり、信号処理器は、距離信号から算出された
車両の速度と気圧信号から算出された高度差とに基づい
て離散時刻毎に加速度信号のバイアスを補正し、加速度
信号、距離信号および気圧信号に基づいてカルマンフィ
ルタ処理を行い、離散時刻毎に車両の姿勢角および高度
の少なくとも一方を算出するものである。
【0028】この発明に係る車両挙動計測装置は、高度
計は、車両の高度を含む3次元位置に対応した位置信号
を出力するGPS受信機からなり、信号処理器は、加速
度信号、距離信号および位置信号に基づいてカルマンフ
ィルタ処理を行い、離散時刻毎に車両の姿勢角および高
度の少なくとも一方を算出するものである。
【0029】この発明に係る車両挙動計測装置は、大気
圧に対応した気圧信号を出力する気圧高度センサを備
え、信号処理器は、位置信号と気圧信号とを比較してカ
ルマンフィルタ処理による高度の観測誤差を算出し、加
速度信号、距離信号、位置信号および気圧信号に基づい
てカルマンフィルタ処理を行い、離散時刻毎に車両の姿
勢角および高度の少なくとも一方を算出するものであ
る。
【0030】この発明に係る車両挙動計測装置は、車両
の角速度に対応した角速度信号を出力する相対方位セン
サを備え、信号処理器は、加速度信号、距離信号、位置
信号および角速度信号に基づいてカルマンフィルタ処理
を行い、離散時刻毎に車両の3次元位置および姿勢角を
算出するものである。
【0031】この発明に係る車両挙動計測装置は、車両
の角速度に対応した角速度信号を出力する相対方位セン
サを備え、信号処理器は、車両の姿勢角および移動距離
から算出される水平面の移動距離と、車両の移動距離と
を比較してシステム誤差を算出し、加速度信号、距離信
号、位置信号および角速度信号に基づいてカルマンフィ
ルタ処理を行い、離散時刻毎に車両の2次元位置および
進行方位を算出するものである。
【0032】
【発明の実施の形態】実施の形態1.以下、図面を参照
しながら、この発明の実施の形態1について説明する。
この発明による車両挙動計測装置は、例えば、車両がど
の道路のどの位置にいるかという情報を搭乗者に知らせ
るカーナビゲーションシステムに設置されており、その
中で車両の姿勢角などを計測し、これらの計測情報に基
づき、車両の現在位置を推定する。
【0033】図1は、この発明の実施の形態1の構成を
示すブロック図である。
【0034】図1において、1は加速度センサであり、
車両の走行方向に現れる前後方向加速度を計測し、前後
方向加速度と加速度信号のバイアスとの関係を示す傾き
(スケールファクタ)に基づいて前後方向加速度に応じ
た加速度信号(電圧)を出力する。
【0035】2は距離センサであり、タイヤの回転数か
ら車両の走行距離を計測し、その走行距離に応じて距離
信号(パルス信号)を出力する。6はコンピュータを含
む信号処理器であり、あらかじめメモリに記憶した制御
プログラムに従って車両の挙動を推定する。
【0036】信号処理器6は、距離信号から車両の速度
および加速度を算出する速度計算手段61と、加速度信
号、速度計算手段61で算出する速度および加速度から
車両の姿勢角などを算出する挙動推定手段64とで構成
されている。
【0037】信号処理器6内の制御プログラムは、図2
〜図4のフローチャートに示すように第1の割込処理、
第2の割込処理およびメインルーチンにより構成されて
いる。図4のメインルーチンが処理を開始すると、第1
の割込処理(図2参照)は、所定時間△T毎に実行され
る。第2の割込処理(図3参照)は、距離センサ2から
距離信号が出力されたときに実行される。
【0038】次に、図1とともに、図2〜図4を参照し
ながら、この発明の実施の形態1による動作について説
明する。
【0039】まず、図2に示す第1の割込処理におい
て、割込処理を開始するタイミングを示す処理開始フラ
グをセットし(ステップS201)、図2の処理を終了
する。
【0040】また、図3に示す第2の割込処理におい
て、距離センサ2からのパルス信号に対応した車速パル
スカウンタに「1」を加算し(ステップS301)、図
3の処理を終了する。
【0041】一方、図4に示すメインルーチンにおいて
は、速度計算手段61および挙動推定手段64の動作を
管理している。まず、全ての処理を初期化し(ステップ
S401)、以下の処理を実行する。
【0042】すなわち、第1の割込処理(図2)でセッ
トされた処理開始フラグを参照して、メインルーチンの
処理を開始するタイミングか否かを判定する(ステップ
S402)。ステップS402において、処理開始フラ
グがセットされている(すなわち、YES)と判定され
れば、処理を開始するタイミングであると見なして、次
回の処理のために処理開始フラグをクリアする(ステッ
プS403)。
【0043】一方、ステップS402において、処理開
始フラグがセットされていない(すなわち、NO)と判
定されれば、メインルーチンの処理を開始するタイミン
グではないと見なし、第1の割込処理内のステップS2
01で処理開始フラグがセット(ステップS402でY
ESと判定)されるまで待機する。
【0044】ステップS403に続いて、速度計算手段
61の処理(ステップS404)を実行する。すなわ
ち、速度計算手段61は、以下の(3)式、(4)式に
より、車速パルスカウンタのカウント値△Niから速度
Riおよび加速度ARiを算出する。
【0045】
【数3】
【0046】また、次回の処理のために、車速パルスカ
ウンタのカウント値△Niを0にする。なお、(3)式
中のSFSPDiは距離センサ2の距離信号(パルス信号)
を距離に変換する係数(スケールファクタ)である。
【0047】次に、加速度信号(電圧)SiをA/D変
換し(ステップS405)、挙動推定手段64の処理
(ステップS406)を実行する。ここでは、加速度信
号および距離信号から車両の姿勢角βiなどを算出す
る。
【0048】次に、挙動推定手段64で算出した車両の
速度Viと姿勢角βiと加速度センサ1のスケールファク
タSFACCiとを用いて、以下の(5)式により、加速度
センサ1の加速度信号のバイアスSOiを算出する(ステ
ップS407)。
【0049】
【数4】
【0050】(5)式のように算出(補正)された値
は、次回の加速度センサ1での計測に使用される。最後
に、挙動推定手段64で算出した車両の速度Viおよび
姿勢角βiを出力して(ステップS408)、ステップ
S402に戻る。
【0051】以上のように、離散時刻i毎に車両の速度
iおよび姿勢角βiの算出と、加速度信号のバイアスS
Oiの補正とを実行する。
【0052】次に、挙動推定手段64で適用されている
車両挙動の推定方法について、さらに具体的に説明す
る。この推定方法は、各時刻における予測値と観測値と
の誤差(ノイズ)を修正(除去)しながら、各時刻にお
ける最適な推定値を逐次求める方法である。
【0053】まず、ある値を予測するための算出式を設
定し、この算出式を用いて、観測値を得ることができる
時刻nまで予測を繰り返す。その後、観測値が取得され
れば、観測値と時刻nでの予測値とのそれぞれの誤差を
算出し、観測値の誤差を差し引いた上で、時刻nでの予
測値を観測値に所定割合だけ漸近させるように推定値を
算出する。また、両誤差を用いて所定割合を算出し、こ
の所定割合を次回の推定値の算出に用いる。
【0054】このように、誤差の算出と算出式の修正を
繰り返すことによって、上記算出式は、次第に最適な推
定値を算出することができる形に収まっていくことにな
る。この処理方法は、カルマンフィルタ処理と呼ばれて
いる。
【0055】以下、このカルマンフィルタ処理を用い
て、加速度信号Siと車両挙動を表す速度Viと姿勢角β
iとの関係と、距離センサ2からの観測値とその観測値
の誤差との関係とから、現在の車両挙動を推定する。ま
た、算出された車両挙動を用いて、加速度センサ1の加
速度信号のバイアスSOiを補正する。
【0056】以上のような処理を離散時刻i毎に繰り返
すことにより、繰り返し推定された推定値は、誤差が小
さくなり、真の値に近づくことになる。また、加速度信
号のバイアスSOiの補正を繰り返すことにより、加速度
信号のバイアスSOiを利用した加速度センサ1の加速度
実測値も精度が高くなる。
【0057】まず、加速度信号Siから車両挙動を表す
速度Viおよび姿勢角βiを離散時刻i毎に算出する関係
式(システムモデル)を導く。加速度センサ1におい
て、加速度信号Siと車両の移動に伴う前後加速度成分
(move)iと、道路傾斜時に重力加速度の影響で生じる
加速度成分S(tilt)iと、加速度信号のバイアスSOi
は、以下の(6)式の関係にある。
【0058】
【数5】
【0059】また、前後加速度成分S(move)iと、道路
傾斜時に重力加速度の影響で生じる加速度成分S
(tilt)iと、速度Vi、車両の姿勢角βiは、それぞれ、
以下の(7)式、(8)式のように表わされる。
【0060】
【数6】
【0061】上記(6)式に(7)式および(8)式を
代入すると、車両の姿勢角βiに関する以下の(9)式
〜(12)式が導出される。
【0062】
【数7】
【0063】ここで、(9)式の姿勢角βiが20°以
下ならば、2%以下の誤差内で(10)式の近似式を使
えることから、(10)式を変形して(11)式と(1
2)式のシステムモデルが得られる。
【0064】なお、(11)式および(12)式中のS
ACCiは、加速度信号Siを加速度に変換するスケール
ファクタであり、gは重力加速度、Aiは車両挙動を表
す加速度である。
【0065】次に、距離信号から算出された速度VRi
加速度ARi、およびシステムモデルの算出結果の関係
は、以下の(13)式、(14)式の観測モデルのよう
に表される。
【0066】
【数8】
【0067】なお、(13)式、(14)式において、
δVRi、δARiは、距離信号(パルス信号)の量子化で
速度および加速度の取り得る最大値との差異を、それぞ
れ、距離信号から算出した速度VRiおよび加速度ARi
誤差とした値である。
【0068】そして、状態方程式は、以下の(15)式
〜(19)式のように表される。
【0069】
【数9】
【0070】(15)式〜(19)式において、xi
離散時刻iにおける速度、加速度、姿勢角およびスケー
ルファクタの状態ベクトルを表す。次に、Fiは離散時
刻iにおける状態遷移行列、Giは離散時刻iにおける
駆動行列を表す。さらに、wiは離散時刻iにおけるシ
ステム誤差、yiは離散時刻iにおける観測値、viは離
散時刻iにおける観測誤差(観測値と真の値との誤差)
を表す。Hは観測行列を表す。
【0071】さらに、観測方程式は、以下の(20)式
〜(23)式のように表される。
【0072】
【数10】
【0073】なお、観測誤差viは、速度および加速度
の各誤差δVRi、δARiとする。システム誤差wiは、
状態ベクトルxiの要素SFACCiと、(9)式で算出し
た加速度センサ1の加速度信号のバイアスSOiとのそれ
ぞれの標準偏差を誤差としたδSFACCi、δSOiとす
る。
【0074】以上の関係式と、以下の(24)式〜(2
8)式に示すカルマンフィルタ方程式によって、車両の
速度と加速度と姿勢角とスケールファクタの予測をす
る。
【0075】
【数11】
【0076】そして、離散時刻i毎に車両の速度Vi
加速度Aiと姿勢角βiとスケールファクタSFACCiとの
推定値を算出する。さらに、それぞれの誤差、カルマン
方程式の係数となるカルマンゲインの算出を行う。
【0077】なお、(24)式〜(28)式において、
i|iは離散時刻iにおける状態ベクトルの推定量、x
i+1|iは離散時刻iにおける離散時刻i+1の状態ベク
トルの予測量、Kiはカルマンゲイン、Σi|iは離散時刻
iにおける状態ベクトルの共分散行列の推定量、Σ
i+1|iは離散時刻iにおける離散時刻i+1の共分散行
列の予測量、Σviは観測誤差の共分散行列、Σwiはシス
テム誤差の共分散行列を示す。
【0078】このように、カルマンフィルタ処理によっ
て、離散時刻i毎に姿勢角βiなどの推定を行い、さら
に、加速度センサ1の加速度信号のバイアスSOiの補正
を行うことによって、車両挙動の推定値と加速度センサ
1による加速度実測値との精度が高くなる。
【0079】なお、補正された加速度信号のバイアスS
Oiと距離信号から算出された速度V Riとを(10)式に
直接代入して計算するのみであっても、精度の高い車両
の姿勢角を得ることができる。
【0080】また、ここでは、(13)式および(1
4)式との観測モデルにおいて、距離センサ2が出力す
る距離信号から速度および加速度を算出するものとして
説明したが、距離センサ2以外にも、車両の速度および
加速度を計測する手段(例えばGPS受信機など)を距
離センサ2の代わりに用いても同様の効果がある。
【0081】また、加速度信号のバイアスSOiの補正に
おいては、(5)式の算出値を加速度センサ1の加速度
信号のバイアスSOiの補正値として用いたが、さらにロ
ーパスフィルタ処理したものを加速度信号のバイアスS
Oiの補正値として用いれば、加速度センサ1の加速度信
号から算出する車両の姿勢角をより正確に、かつ誤差変
動を少なくすることができる。
【0082】実施の形態2.なお、上記実施の形態1で
は、加速度センサ1および距離センサ2のみを用いた
が、さらに高度計(GPS受信機)を用いてもよい。
【0083】以下、図面を参照しながら、この発明の実
施の形態2について説明する。図5は、この発明の実施
の形態2の構成を示すブロック図である。
【0084】図5において、前述(図1参照)と同様の
ものについては、同一符号を付して、または符号の後に
「A」を付して詳述を省略する。
【0085】3は高度計として用いられるGPS受信機
であり、複数のGPS衛星から電波を受信するGPSア
ンテナが接続されている。GPS受信機3は、周知のよ
うに複数のGPS衛星からの電波により位置(緯度、経
度、高度)を計測して位置信号(高度信号を含む)出力
する。
【0086】信号処理器6Aは、前述の速度計算手段6
1に加えて、挙動推定手段64Aを備えている。挙動推
定手段64Aは、加速度センサ1からの加速度信号と、
速度計算手段61により求められた速度および加速度
と、GPS受信機3により計測された高度を含む3次元
位置とから、車両の姿勢角や高度などを算出する。
【0087】信号処理器6A内の制御プログラムは、前
述(図4参照)のメインルーチンと、前述(図2参照)
の所定時間△T毎に実行される第1の割込処理と、前述
(図3参照)の距離信号の出力毎に実行される第2の割
込処理と、図6に示した第3の割込処理とにより構成さ
れている。第3の割込処理においては、GPS受信機3
が所定の周期毎に出力する位置データを受信する。
【0088】次に、図5とともに、図6および図2〜図
4のフローチャートを参照しながら、この発明の実施の
形態2による動作について説明する。
【0089】なお、第1および第2の割込処理について
は、図2および図3とともに前述したとおりである。同
様にメインルーチンについては、図4とともに前述した
とおりである。ただし、図4内のステップS406〜S
408の一部動作のみが異なる。
【0090】図6において、まず、GPS受信機3が出
力した位置信号を受信して車両挙動計測装置内のメモリ
に記憶させる(ステップS601)。続いて、全ての位
置信号の受信が完了したか判定し(ステップS60
2)、全ての位置データを受信完了した(すなわち、Y
ES)と判定されれば、GPS観測位置信号受信フラグ
をセットし(ステップS603)、受信が完了していな
い(すなわち、NO)と判定されれば、ステップS60
3を実行せずに図6の第3の割込処理を終了する。
【0091】なお、メインルーチン(図4参照)におい
て、前述と同様に、速度計算手段61および挙動推定手
段64Aの動作を管理する。
【0092】すなわち、図4内のステップS401〜S
405においては、前述と同様に動作し、ステップS4
06(挙動推定手段64A)においては、加速度信号、
距離信号および位置信号(高度信号)とから、姿勢角β
iや高度Hiなどを算出する。
【0093】
【数12】
【0094】次に、ステップS407において、以下の
(29)式〜(31)式を求める。すなわち、前述の
(10)式に(30)式を代入して導出した(31)式
に、挙動推定手段64Aで算出した車両の速度Vi、高
度Hiおよび加速度センサ1のスケールファクタSF
ACCiを代入して、加速度センサ1の加速度信号のバイア
スS Oiを算出する。この算出(補正)値は、次回の加速
度センサ1での計測に使用される。
【0095】最後に、ステップS408において、車両
の速度Viと姿勢角βiおよび高度H iの少なくとも一方
とを出力して、ステップS402に戻る。
【0096】以上のように、離散時刻i毎に、車両の速
度Viと姿勢角βiおよび高度Hiの少なくとも一方との
算出と、加速度信号のバイアスSOiおよびスケールファ
クタSFACCiの補正とを行う。
【0097】次に、挙動推定手段64Aで適用されてい
る車両挙動の推定方法について説明する。この推定方法
においても前述と同様に、カルマンフィルタ処理が用い
られる。
【0098】まず、離散時刻iにおける車両の移動距離
i、姿勢角βiが既知であれば、以下の(32)式に従
って高低差ΔHiが求めることができ、高度Hiは以下の
(33)式で算出することができる。
【0099】
【数13】
【0100】(32)式において、移動距離Liは、以
下の(34)式により算出される。
【0101】
【数14】
【0102】上記(33)式に(32)式を代入する
と、以下の(35)式が導出される。
【0103】
【数15】
【0104】この(35)式と前述の(11)式および
(12)式とは、加速度信号Siから車両挙動に関する
速度Viと姿勢角βiおよび高度Hiの少なくとも一方と
を離散時刻i毎に算出するシステムモデルである。
【0105】次に、速度計算手段61で算出した速度V
Riおよび加速度ARiと、(11)式、(12)式および
(35)式のシステムモデルの算出結果との関係は、
(13)式、(14)式および(36)式の観測モデル
のように表される。
【0106】
【数16】
【0107】なお、この場合、δVRiおよびδARiは、
距離信号から算出された速度および加速度の誤差であ
り、距離信号から算出した速度および加速度と、GPS
受信機3で計測した速度および加速度とを比較して求め
られる。
【0108】また、δHRiは、離散時刻i毎の車両の移
動距離Liおよび姿勢角βiから(32)式で算出された
高度方向移動量ΔHiと、離散時刻iにおけるGPS受
信機3が計測した高度の変化量(HRi−HRi-1)とを比
較して求めたGPS受信機3が計測した高度の誤差であ
る。
【0109】そして、状態方程式は、(15)式および
(37)式〜(40)式のように表される。
【0110】
【数17】
【0111】さらに、観測方程式は、(20)式および
(40)式〜(42)式のように表される。
【0112】
【数18】
【0113】なお、観測誤差viについては、速度の誤
差、加速度の誤差および高度の誤差δVRi、δARiおよ
びδHRiとする。また、システム誤差wiは、状態ベク
トルxiの要素SFACCiと、(31)式で算出した加速
度センサ1の加速度信号のバイアスSOiとのそれぞれの
標準偏差を誤差としたδSFACCiおよびδSOiとする。
【0114】以上の関係式と、(24)式〜(28)式
に示すカルマンフィルタ方程式によって、車両の速度と
加速度と高度および姿勢角の少なくとも一方とスケール
ファクタとの予測をする。そして、離散時刻i毎に車両
の速度Viと加速度Aiと高度Hiおよび姿勢角βiの少な
くとも一方とスケールファクタSFACCiとの推定値を算
出する。さらに、それぞれの誤差、カルマン方程式の係
数となるカルマンゲインの算出を行う。
【0115】このように、カルマンフィルタ処理によっ
て、離散時刻i毎に速度Viと姿勢角βiおよび高度Hi
の少なくとも一方とスケールファクタSFACCiとなどの
推定を行い、さらに、加速度センサ1の加速度信号のバ
イアスSOiの補正を行うことによって、車両挙動と加速
度センサ1による加速度実測値との精度が高くなる。
【0116】また、ここでは、(13)式および(1
4)式の観測モデルにおいて、距離センサ2が出力する
距離信号から速度VRiおよび加速度ARiを算出するもの
として説明したが、距離センサ2以外で車両の速度、加
速度および高度を計測する手段(例えば、GPS受信機
3)を距離センサ2の代わりに用いて、カルマンフィル
タ処理を実行することにより、最適な車両の速度Vi
姿勢角βiおよび高度Hiとを得ることができる。また、
距離センサ2を省くことができ、装置を簡略化すること
ができる。
【0117】また、GPS受信機3にDifferen
tial GPS(以下、DGPS)受信機、もしくは
測量用にも用いられるReal Time Kinem
atic GPS(以下、RTKGPS)受信機を用いれ
ば、より高精度に算出することができる。
【0118】また、移動距離Liは(34)式で算出す
るが、別の運動方程式で求めても同様な効果を得ること
ができる。
【0119】実施の形態3.なお、上記実施の形態2で
は、加速度センサ1および距離センサ2に加えて、高度
計としてGPS受信機3を用いたが、GPS受信機3の
代わりに気圧高度センサを用いてもよい。
【0120】以下、図面を参照しながら、この発明の実
施の形態3について説明する。図7は、この発明の実施
の形態3の構成を示すブロック図である。
【0121】図7において、前述(図1および図5参
照)と同様のものについては、同一符号を付して、また
は符号の後に「B」を付して詳述を省略する。
【0122】4は高度計として用いられる気圧高度セン
サであり、大気圧に応じた気圧信号(電圧)を出力す
る。
【0123】信号処理器6Bは、前述の速度計算手段6
1に加えて、距離推定手段64Bを備えている。挙動推
定手段64Bは、加速度センサ1からの加速度信号と、
速度計算手段61により求められた速度および加速度
と、気圧高度センサ4からの気圧信号とから、姿勢角や
高度などを算出する。
【0124】信号処理器6B内の制御プログラムは、前
述(図4参照)のメインルーチンと、前述(図2参照)
の所定時間△T毎に実行される第1の割込処理と、前述
(図3参照)の距離信号の出力毎に実行される第2の割
込処理とにより構成されている。
【0125】次に、図7とともに、図2〜図4のフロー
チャートを参照しながら、この発明の実施の形態3によ
る動作について説明する。
【0126】なお、第1および第2の割込処理につい
て、図2および図3とともに前述したとおりである。同
様に、メインルーチンについては、図4とともに前述し
たとおりである。ただし、図4内のステップS406〜
S408の一部動作のみが異なる。
【0127】なお、メインルーチン(図4参照)におい
ては、前述と同様に、速度計算手段61および挙動推定
処理64Bの動作を管理する。
【0128】すなわち、図4内のステップS401〜S
405においては、前述と同様に動作し、ステップS4
06(挙動推定手段64B)においては、気圧信号をA
/D変換し、図8に従って大気圧に換算して、さらに図
9に従って高度(信号)に変換する。そして、加速度信
号、距離信号および高度信号から、車両の姿勢角βi
高度Hiなどを算出する。
【0129】次に、ステップS407において、加速度
センサ1の加速度信号のバイアスを補正する。すなわ
ち、離散時刻i毎に気圧変動から高度差(Hi−Hi-1
を算出し、同様に距離信号から算出した速度から速度変
動(Vi−Vi-1)と、(34)式により移動距離Li
算出して、(31)式により、加速度センサ1の加速度
信号のバイアスSOiを算出する。この算出(補正)値は
次回の加速度センサ1での計測に使用される。
【0130】最後に、ステップS408において、車両
の速度Viと姿勢角βiおよび高度H iの少なくとも一方
とを出力して、ステップS402に戻る。
【0131】以上のように、離散時刻i毎に車両の速度
iと姿勢角βiおよび高度Hiの少なくとも一方との算
出、加速度信号のバイアスSOiの補正を行う。
【0132】なお、ここでは、実施の形態2で用いたG
PS受信機に代えて、気圧高度センサを高度計として用
いた。信号処理器64Bは、この気圧高度センサから出
力された気圧信号を高度信号に変換して、前述のGPS
受信機からの高度信号と同様に使用する。よって、挙動
推定手段64Bで適用されているカルマンフィルタ処理
の推定方法については、実施の形態2と同様であるので
詳述を省略する。
【0133】ただし、観測誤差viについては、速度の
誤差、加速度の誤差および高度の誤差δVRi、δARi
よびδHRiとする。速度の誤差δVRiおよび加速度の誤
差δARiについては、実施の形態1で前述したとおりで
ある。さらに、高度の誤差δHRiについては、実施の形
態2で前述したとおりである。
【0134】また、ここでは、高度計として気圧高度セ
ンサを用いたが、高度を検出できるものであれば他のも
のでもよく、カルマンフィルタ処理により同様な効果を
得ることができる。
【0135】さらに、精度の高いDGPS受信機、RT
KGPS受信機であれば、なお一層精度の高い姿勢角を
得ることができる。
【0136】実施の形態4.なお、前述の実施の形態2
および3では、高度計としてGPS受信機または気圧高
度センサのどちらか一方を用いたが、GPS受信機と気
圧高度センサとの両方を用いてもよい。
【0137】以下、図面を参照しながら、この発明の実
施の形態4について説明する。図10は、この発明の実
施の形態4の構成を示すブロック図である。
【0138】図10において、前述(図1、図5および
図7参照)と同様のものについては、同一符号を付し
て、または符号の後に「C」を付して詳述を省略する。
【0139】信号処理器6Cは、前述の速度計算手段6
1に加えて、挙動推定手段64Cを備えている。挙動推
定手段64Cは、加速度センサ1からの加速度信号と、
速度計算手段61により求められた速度および加速度
と、GPS受信機3からの位置信号と、気圧高度センサ
4からの気圧信号とから、姿勢角や高度などを算出す
る。
【0140】信号処理器6C内の制御プログラムは、図
11で示したメインルーチンと、前述(図2参照)の第
1の割込処理と、前述(図3参照)の第2の割込処理
と、前述(図6参照)の第3の割込処理とにより構成さ
れている。
【0141】次に、図10とともに、図2、図3、図6
および図11を参照しながら、この発明の動作について
説明する。
【0142】なお、第1、第2および第3の割込処理に
ついては、図2、図3および図6とともに前述したとお
りである。
【0143】図11に示すメインルーチンにおいては、
速度計算手段61および挙動推定手段64Cの動作を管
理している。まず、全ての処理を初期化し(ステップS
1101)、以下の処理を実行する。
【0144】第1の割込処理(図2)でセットされた処
理開始フラグを参照して、すなわち、メインルーチンの
処理を開始するタイミングか否か判定する(ステップS
1102)。ステップS1102において、処理開始フ
ラグがセットされている(すなわち、YES)と判定さ
れれば、処理を開始するタイミングであると見なして、
次回の処理のために処理開始フラグをクリアする(ステ
ップS1103)。
【0145】一方、ステップS1102において、処理
開始フラグがセットされていない(すなわち、NO)と
判定されれば、メインルーチンの処理を開始するタイミ
ングではないと見なし、第1の割込処理内のステップS
201で処理開始フラグがセット(ステップS1102
でYESと判定)されるまで待機する。
【0146】ステップS1103に続いて、速度計算手
段61の処理(ステップS1104)を実行する。すな
わち、速度計算手段は、前述の(3)式、(4)式によ
り、距離センサ2の車速パルスカウンタのカウント値△
iから速度VRiおよび加速度ARiを算出する。また、
次回の処理のために、車速パルスカウンタのカウント値
△Niを0にする。
【0147】次に、加速度信号SiをA/D変換する
(ステップS1105)。
【0148】また、気圧信号をA/D変換して、図8に
従って大気圧に換算し、さらに図9に従って高度(高度
信号)に換算する(ステップS1106)。
【0149】次に、挙動推定手段64Cの処理(ステッ
プS1107)を実行する。ここでは、加速度信号、距
離信号、位置信号および気圧信号から、車両の姿勢角β
iや高度Hiなどを算出する。
【0150】挙動推定手段64Cで算出した車両の速度
i、高度Hi、姿勢角βiおよびスケールファクタSF
ACCiを用いて(31)式により、加速度センサ1の加速
度信号のバイアスSOiを算出する(ステップS110
8)。
【0151】(31)式のように算出(補正)された値
は、次回の加速度センサ1での計測に使用される。最後
に、挙動推定手段64Cで算出した車両の速度Viと姿
勢角βiおよび高度Hiの少なくとも一方とを出力して
(ステップS1109)、ステップS402に戻る。
【0152】以上のように、離散時刻i毎に、車両の速
度Viと姿勢角βiおよび高度Hiの少なくとも一方との
算出、加速度信号のバイアスSOiの補正を実行する。
【0153】次に、挙動推定手段64Cで適用されてい
る推定方法は、前述の実施の形態3と同様に気圧高度セ
ンサ4で検出した高度を観測モデルとして用いてカルマ
ンフィルタ処理を用いる。よって、前述の実施の形態2
および3と同様であるので、詳述は省略する。
【0154】ただし、観測誤差viについては、前述の
距離信号から求めた速度および加速度と、GPS受信機
3で計測した速度および加速度との誤差δVRiおよびδ
Riとする。さらに、GPS受信機3および気圧高度セ
ンサ4でそれぞれ検出した高度の差にローパスフィルタ
処理した値を高度の誤差δHRiとする。
【0155】また、ここでは、前述の実施の形態3のよ
うに気圧高度センサ4で検出した高度を観測モデルにお
ける高度HRiとしたが、GPS受信機3で検出した高度
を用いても、カルマンフィルタ処理により、最適な車両
の速度Vi、姿勢角βiおよび高度Hiを算出することが
できる。
【0156】さらに、GPS受信機3に、精度の高いD
GPS受信機やRTKGPS受信機を用いれば、なお一
層精度の高い速度Vi、姿勢角βiおよび高度Hiを算出
することができる。
【0157】実施の形態5.なお、上記実施の形態2で
は、加速度センサ1、距離センサ2およびGPS受信機
3のみを用いたが、さらに相対方位センサを用いてもよ
い。
【0158】以下、図面を参照しながら、この発明の実
施の形態5について説明する。図12は、この発明の実
施の形態5の構成を示すブロック図である。
【0159】図12において、前述(図1、図5、図7
および図10)と同様のものについては、同一符号を付
して、または符号の後に「D」を付して詳述を省略す
る。
【0160】5はジャイロを用いて車両のヨーレート
(車が左右に向きを変えようとする動きの速度)に応じ
た角速度信号を出力する相対方位センサである。
【0161】信号処理器6Dは、前述の速度計算手段6
1に加えて、相対方位センサ5が出力する信号のオフセ
ットを検出するオフセット検出手段62と、車両の方位
変化を計算する方位変化計算手段63と、車両の位置
(λi,φi,Hi)および姿勢角βiを算出する挙動推定
手段64Dとを備えている。
【0162】信号処理器6D内の制御プログラムは、図
13に示すメインルーチンと、前述(図2参照)の第1
の割込処理と、前述(図3参照)の第2の割込処理と、
前述(図6参照)の第3の割込処理とにより構成されて
いる。
【0163】次に、図12とともに、図2、図3、図6
および図13のフローチャートを参照しながら、この発
明の実施の形態5による動作について説明する。
【0164】なお、第1、第2および第3の割込処理に
ついては、図2、図3および図6とともに前述したとお
りである。
【0165】一方、図13に示すメインルーチンにおい
ては、速度計算手段61、オフセット検出手段62、方
位変化計算手段63および挙動推定手段64Dの動作を
管理している。まず、全ての処理を初期化し(ステップ
S1301)、以下の処理を実行する。
【0166】第1の割込処理(図2)でセットされた処
理開始フラグを参照して、すなわち、メインルーチンの
処理を開始するタイミングか否かを判定する(ステップ
S1302)。ステップS1302において、処理開始
フラグがセットされている(すなわち、YES)と判定
されれば、処理を開始するタイミングであると見なし
て、次回の処理のために処理開始フラグをクリアする
(ステップS1303)。
【0167】一方、ステップS1302において、処理
開始フラグがセットされていない(すなわち、NO)と
判定されれば、メインルーチンの処理を開始するタイミ
ングではないと見なし、第1の割込処理内のステップS
201で処理開始フラグがセット(ステップS1302
でYESと判定)されるまで待機する。
【0168】ステップS1303に続いて、速度計算手
段61の処理(ステップS1304)を実行する。すな
わち、速度計算手段61は、以下の(43)式、(4
4)式により、所定時間△T毎にカウントした距離セン
サ2の車速パルスカウンタのカウント値△Niから、移
動距離Liおよび速度Viを算出する。
【0169】
【数19】
【0170】また、次回の処理のために車速パルスカウ
ンタのカウント値△Niを0にする。
【0171】次に、(12)式により、加速度信号Si
から車両の姿勢角βiを算出する(ステップS130
5)。オフセット検出手段62の処理は、ステップS1
304で計算した速度Viが0(即ち、停車中)の時、
停車中における所定時間分の角速度信号ωsgを平均して
角速度信号のオフセットω0fiを算出する(ステップS
1306)。
【0172】次に、方位変化計算手段63の処理(ステ
ップS1307)を実行する。すなわち、方位変化計算
手段63は、以下の(45)式により、所定時間△T毎
に計測した角速度信号ωsgから方位変化△αiを算出す
る。
【0173】
【数20】
【0174】なお、(45)式中のSF( ω→α )iは、
角速度信号を方位に変換するスケールファクタである。
【0175】次に、第3の割込処理(図6)でセットさ
れたGPS観測位置信号受信フラグを参照して、すなわ
ち、GPS受信機3から位置信号を受信完了したか否か
を判定する(ステップS1308)。ステップS130
8において、GPS観測位置信号受信フラグがセットさ
れている(すなわち、YES)と判定されれば、GPS
受信機3から位置信号を受信完了したと見なして、次回
の処理のためにGPS観測位置信号受信フラグをクリア
する(ステップS1309)。
【0176】一方、ステップS1308において、GP
S観測位置信号受信フラグがセットされていない(すな
わち、NO)と判定されれば、GPS受信機3から位置
信号を受信完了していないと見なして、ステップS13
02に戻る。
【0177】ステップS1309に続いて、挙動推定手
段64Dの処理(ステップS1310)を実行する。こ
こでは、加速度信号、距離信号、位置信号および角速度
信号から、車両の位置(λii,Hi)および姿勢角βi
を算出する。
【0178】そして、車両の位置(λii,Hi)、姿
勢角βiおよび速度Viを出力する(ステップS131
1)。最後に、GPS受信機3から位置信号を受信する
間の移動距離Liと方位変化△αiとを0にして(ステッ
プS1312)、ステップS1302に戻る。
【0179】以上のように、離散時刻i毎に車両の位置
(λii,Hi)、姿勢角βiおよび速度Viの算出を行
う。
【0180】次に、挙動推定手段64Dで適用されてい
る車両挙動の推定方法についてさらに具体的に説明す
る。この推定方法も、前述したカルマンフィルタ処理を
用いる。
【0181】まず、車両の移動距離Li、進行方位αi
算出する位置(λii,Hi)および姿勢角βiの関係
は、以下の(46)式〜(48)式のシステムモデルの
ように表される。
【0182】
【数21】
【0183】また、GPS受信機3で観測した位置情報
(λRiRi,HRi)およびシステムモデルの車両位置
(λii,Hi)の関係は、以下の(49)式〜(5
1)式の観測モデルのように表される。
【0184】
【数22】
【0185】なお、(46)式〜(51)式において、
iは離散時刻であり、λi-1 φi-1およびHi-1は離散時
刻i−1における車両位置の経度、緯度および高度であ
る。また、δΔαiはΔαiの誤差である。さらに、δλ
Ri、δφRiおよびδHRiは、GPS受信機3の観測位置
λRi、φRiおよびHRiの誤差である。
【0186】そして、状態方程式は、以下の(15)式
および(52)式〜(55)式のように表される。
【0187】
【数23】
【0188】さらに、観測方程式は、以下の(56)式
〜(59)式のように表される。
【0189】
【数24】
【0190】なお、観測誤差viについては、GPS受
信機3で観測した位置信号とカルマンフィルタ処理で算
出した位置データ(緯度、経度、高度)との誤差をそれ
ぞれ求め、その最大の誤差(δλRi、δφRi、δHRi
とする。また、所定区間におけるGPS航跡と車両位置
の走行軌跡との移動方向の誤差を方位誤差(システム誤
差wi)δΔαiとして算出する。
【0191】以上の関係式と、前述の(24)式〜(2
8)式に示すカルマンフィルタ方程式によって、車両の
位置および姿勢角の予測をする。
【0192】そして、離散時刻i毎に車両の位置(λi,
φi,Hi)と姿勢角βiとの推定値を算出する。さらに、
それぞれの誤差やカルマン方程式の係数となるカルマン
ゲインの算出を行う。
【0193】このように、カルマンフィルタ処理によっ
て、離散時刻i毎に車両の位置(λ ii,Hi)および
姿勢角βiの推定を行うことによって、車両の3次元位
置と姿勢角の推定値の精度が高くなる。
【0194】なお、前述の(46)式〜(48)式のシ
ステムモデルにおいて、既知の進行方位αiを用いて緯
度λiおよび経度φiを算出した。この他に、離散時刻i
−1における進行方位αi-1に方位変化Δαiを加算し
て、離散時刻iにおける進行方位αiを算出するような
モデルに対応した状態方程式および観測方程式であって
も、カルマンフィルタ処理により、最適な車両の3次元
位置および姿勢角を得ることができる。
【0195】実施の形態6.以下、図面を参照しなが
ら、この発明の実施の形態6について説明する。図14
は、この発明の実施の形態6の構成を示す図である。
【0196】図14において、前述(図1、図5、図
7、図10および図12)と同様のものについては、同
一符号を付して、または符号の後に「E」を付して詳述
を省略する。
【0197】信号処理器6Eは、前述の速度計算手段6
1と、前述のオフセット検出手段62と、前述の方位変
化計算手段63と、車両の位置(λi,φi)および方位
αiを算出する挙動推定手段64Eとから構成される。
【0198】信号処理器6E内の制御プログラムは、前
述(図13参照)のメインルーチンと、前述(図2参
照)の第1の割込処理と、前述(図3参照)の第2の割
込処理と、前述(図6参照)の第3の割込処理とにより
構成されている。
【0199】次に、図14とともに図2、図3、図6お
よび図13のフローチャートを参照しながら、この発明
の実施の形態6による動作について説明する。
【0200】なお、第1、第2および第3の割込処理に
ついては、図2、図3および図6とともに前述したとお
りである。同様にメインルーチンについては、図13と
ともに前述したとおりである。ただし、図13内のS1
310〜S1312の一部動作のみが異なる。
【0201】なお、メインルーチン(図13参照)にお
いては、前述と同様に、信号処理器6Eの速度計算手段
61、オフセット検出手段62、方位変化計算手段63
および挙動推定手段64Eの動作を管理する。
【0202】すなわち、図13内のステップS1301
〜S1309においては、前述と同様に動作し、ステッ
プS1310(挙動推定手段64E)においては、加速
度信号、距離信号、位置信号および角速度信号から、車
両の位置(λii)と進行方位αiとを算出する。
【0203】次に、ステップS1311において、車両
の位置(λii)、進行方位αiおよび速度Viを出力
する。最後に、ステップS1312において、GPS受
信機3から位置信号を受信する間の移動距離Liと方位
変化△αiとを0にしてステップS1302に戻る。
【0204】次に、挙動推定手段64Eで適用されてい
る挙動推定方法について説明する。この推定方法におい
ても前述と同様に、カルマンフィルタ処理が用いられ
る。
【0205】まず、車両の移動距離Liと方位変化△αi
と、算出する位置(λii)と進行方位αiとの関係
は、以下の(60)式〜(65)式のシステムモデルで
表される。
【0206】
【数25】
【0207】さらに、GPS受信機3で観測した位置情
報(λRiRi)と、システムモデルの車両位置(λi,
φi)との関係は、以下の(66)式、(67)式の観
測モデルで表される。
【0208】
【数26】
【0209】なお、(60)式〜(67)式において、
iは離散時刻であり、λi-1およびφi-1は離散時刻i−
1における車両位置の経度および緯度である。また、α
i-1は離散時刻i−1における車両の進行方位である。
SFd →λおよびSFd →φは経度方向の移動量の単位を
距離から経度および緯度へ変換する係数である。また、
δλiおよびδφiは車両位置の経度および緯度の各誤差
である。さらに、δΔαiはΔαiの誤差であり、δLi
はLiの誤差である。また、δλRiおよびδφRiはGP
S受信機3の観測位置λRiおよびφRiの誤差である。
【0210】状態方程式は、以下の(15)式および
(68)式〜(71)式のように表される。
【0211】
【数27】
【0212】さらに、観測方程式は、以下の(20)式
および(72)式〜(74)式のように表される。
【0213】
【数28】
【0214】なお、観測誤差viについては、GPS受
信機3から出力される位置信号とカルマンフィルタ処理
で算出した位置データ(緯度、経度)との誤差を求め、
その最大の誤差をGPS受信機3から出力される位置信
号の誤差(δλRi、δφRi)とし、この誤差(δλRi
δφRi)を観測誤差viとする。
【0215】距離信号の距離の誤差δLiは、加速度セ
ンサ1で検出した車両の姿勢角をβiとすると、実際の
地図水平面上の移動距離はLcosβiであるので、Li
(1−cosβi)となる。また、所定区間におけるG
PS航跡と車両位置の走行軌跡との移動方向の差を算出
して、方位誤差δΔαiとする。以上のδLiとδΔαi
とをシステム誤差wiとする。
【0216】以上の関係式と、前述の(24)式〜(2
8)式に示すのカルマンフィルタ方程式によって、車両
の位置(λii)および進行方位αiを算出(推定)す
る。
【0217】このように、カルマンフィルタ処理で離散
時刻i毎に車両の位置(λii)および進行方位αi
推定を行うことによって、車両の位置および進行方位の
推定値の精度が高くなる。
【0218】また、ここでは、車両の姿勢角βiにより
推定される地図水平面上の距離誤差δLiを(15)式
および(68)式〜(71)式の状態方程式で用いた
が、(60)式〜(65)式のシステムモデルにおい
て、車両の姿勢角βiにより緯度φiおよび経度λiを更
新する差分方程式で状態方程式を導出するようにして
も、カルマンフィルタ処理により最適な車両の2次元位
置および進行方位を得ることができる。
【0219】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、車両
の前後方向加速度に対応した加速度信号を出力する加速
度センサと、車両の移動距離に対応した距離信号を出力
する距離センサと、加速度信号および距離信号に基づい
てカルマンフィルタ処理を行い、車両の姿勢角を離散時
刻毎に算出する信号処理器とを備えたので、加速度セン
サの出力電圧に重畳されている車両の移動に伴う前後方
向加速度成分と、車両の傾斜に伴う重力の前後方向加速
度成分を分離し、移動時や停車時などに係わらず、カル
マンフィルタ処理で精度の高い姿勢角を求めることので
きる車両挙動計測装置が得られる効果がある。
【0220】また、この発明によれば、信号処理器は、
加速度信号および距離信号から算出された車両の加速度
および姿勢角と加速度センサに含まれるスケールファク
タとに基づいて離散時刻毎に加速度信号のバイアスを補
正するので、車両の移動時や停車時などに係わらず、加
速度センサの加速度信号のバイアスを補正することがで
き、精度の高い車両の姿勢角を求め続けることのできる
車両挙動計測装置が得られる効果がある。
【0221】また、この発明によれば、車両の高度に対
応した高度信号を出力する高度計を備え、信号処理器
は、加速度信号、距離信号および高度信号に基づいてカ
ルマンフィルタ処理を行い、離散時刻毎に姿勢角および
高度の少なくとも一方を算出するので、加速度センサの
出力電圧に重畳されている車両の移動に伴う前後方向加
速度成分と、車両の傾斜に伴う重力の前後方向加速度成
分を分離して、車両の移動時や停車時に係わらずカルマ
ンフィルタ処理により精度の高い車両の姿勢角と高度と
を求めることのできる車両挙動計測装置が得られる効果
がある。
【0222】また、この発明によれば、信号処理器は、
高度信号と車両の加速度と加速度センサに含まれるスケ
ールファクタとに基づいて離散時刻毎に加速度信号のバ
イアスを補正するので、車両の移動時や停車時に係わら
ず加速度センサの加速度信号のバイアスを補正でき、精
度の高い車両の姿勢角と高度とを求め続けることのでき
る車両挙動計測装置が得られる効果がある。
【0223】また、この発明によれば、信号処理器は、
距離信号および姿勢角から算出された車両の高度方向の
移動量と、高度信号の変化量とを比較して、カルマンフ
ィルタ処理による高度の観測誤差を算出するので、高度
計が計測した高度の誤差を精度高く算出することで、カ
ルマンフィルタ処理により、さらに最適な車両の姿勢角
と高度とを求めることのできる車両挙動計測装置が得ら
れる効果がある。
【0224】また、この発明によれば、高度計は、大気
圧に対応した気圧信号を出力する気圧高度センサからな
り、信号処理器は、距離信号から算出された車両の速度
と気圧信号から算出された高度差とに基づいて離散時刻
毎に加速度信号のバイアスを補正し、加速度信号、距離
信号および気圧信号に基づいてカルマンフィルタ処理を
行い、離散時刻毎に車両の姿勢角および高度の少なくと
も一方を算出するので、加速度センサの加速度信号のバ
イアスを車両の移動時や停車時に係わらず補正でき、精
度の高い車両の姿勢角、高度および速度を求め続けるこ
とのできる車両挙動計測装置が得られる効果がある。さ
らに、高度計として気圧高度センサを用いたので、GP
S衛星が放射した電波を受信できない構造物内もしくは
上空が閉ざされている道路、例えばトンネルや高架下で
あっても加速度センサの加速度信号のバイアスを補正で
き、どこでも精度の高い車両の姿勢角と高度とを求め続
けることのできる車両挙動計測装置が得られる効果があ
る。
【0225】また、この発明によれば、高度計は、車両
の高度を含む3次元位置に対応した位置信号を出力する
GPS受信機からなり、信号処理器は、加速度信号、距
離信号および位置信号に基づいてカルマンフィルタ処理
を行い、離散時刻毎に車両の姿勢角および高度の少なく
とも一方を算出するので、加速度センサの出力電圧に重
畳されている車両の移動に伴う前後方向加速度成分と車
両の傾斜に伴う重力の前後方向加速度成分とを分離し
て、車両の移動時や停車時に係わらずカルマンフィルタ
処理により精度の高い車両の姿勢角と高度とを求めるの
できる車両挙動計測装置が得られる効果がある。
【0226】また、この発明によれば、大気圧に対応し
た気圧信号を出力する気圧高度センサを備え、信号処理
器は、位置信号と気圧信号とを比較してカルマンフィル
タ処理による高度の観測誤差を算出し、加速度信号、距
離信号、位置信号および気圧信号に基づいてカルマンフ
ィルタ処理を行い、離散時刻毎に車両の姿勢角および高
度の少なくとも一方を算出するので、気圧高度センサが
計測した高度に含まれる大気圧変動に伴う高度の誤差、
GPS受信機が計測した高度に含まれる誤差、および加
速度センサと距離センサの出力信号から算出した高度方
向移動量の積算誤差の、それぞれの誤差に対応した最適
な車両の姿勢角と高度とを求めることのできる車両挙動
計測装置が得られる効果がある。
【0227】また、この発明によれば、車両の角速度に
対応した角速度信号を出力する相対方位センサを備え、
信号処理器は、加速度信号、距離信号、位置信号および
角速度信号に基づいてカルマンフィルタ処理を行い、離
散時刻毎に車両の3次元位置および姿勢角を算出するの
で、坂道走行中の移動距離を水平面に投影したときの位
置ずれを、緯度、経度、および高度方向で移動の整合が
図れる様に最適に修正して、より精度の高い車両の3次
元位置を求めることのできる車両挙動計測装置が得られ
る効果がある。
【0228】また、この発明によれば、車両の角速度に
対応した角速度信号を出力する相対方位センサを備え、
信号処理器は、車両の姿勢角および移動距離から算出さ
れる水平面の移動距離と、車両の移動距離とを比較して
システム誤差を算出し、加速度信号、距離信号、位置信
号および角速度信号に基づいてカルマンフィルタ処理を
行い、離散時刻毎に車両の2次元位置および進行方位を
算出するので、坂道走行中の移動距離を水平面に投影し
たときの位置ずれを、緯度、経度方向で移動の整合が図
れる様に最適に修正して、より精度の高い車両の2次元
位置を求めることのできる車両挙動計測装置が得られる
効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1の構成を示すブロッ
ク図である。
【図2】 この発明の実施の形態1による動作の一部を
示すフローチャートである。
【図3】 この発明の実施の形態1による動作の一部を
示すフローチャートである。
【図4】 この発明の実施の形態1による動作の一部を
示すフローチャートである。
【図5】 この発明の実施の形態2の構成を示すブロッ
ク図である。
【図6】 この発明の実施の形態2による動作の一部を
示すフローチャートである。
【図7】 この発明の実施の形態3の構成を示すブロッ
ク図である。
【図8】 この発明の実施の形態3に係る大気圧と電圧
との関係を示す特性図である。
【図9】 この発明の実施の形態3に係る大気圧と高度
との関係として示す説明図(大気圧・高度換算表)であ
る。
【図10】 この発明の実施の形態4の構成を示すブロ
ック図である。
【図11】 この発明の実施の形態4による動作の一部
を示すフローチャートである。
【図12】 この発明の実施の形態5の構成を示すブロ
ック図である。
【図13】 この発明の実施の形態5による動作の一部
を示すフローチャートである。
【図14】 この発明の実施の形態6の構成を示すブロ
ック図である。
【符号の説明】
1 加速度センサ、2 距離センサ、3 GPS受信
機、4 気圧高度センサ、5 相対方位センサ、6、6
A〜6E 信号処理器、61 速度計算手段、62 オ
フセット検出手段、63 方位変化計算手段、64、6
4A〜64E 挙動推定手段。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 下谷 光生 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 2F029 AA02 AB01 AB07 AC03 AC04 AC14 AD03 3D037 FA15 FA21 FA23 5H180 AA01 CC27 CC30 FF04 FF07 FF22 FF27 FF32

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の前後方向加速度に対応した加速度
    信号を出力する加速度センサと、 前記車両の移動距離に対応した距離信号を出力する距離
    センサと、 前記加速度信号および前記距離信号に基づいてカルマン
    フィルタ処理を行い、前記車両の姿勢角を離散時刻毎に
    算出する信号処理器とを備えた車両挙動計測装置。
  2. 【請求項2】 前記信号処理器は、 前記加速度信号および前記距離信号から算出された前記
    車両の加速度および姿勢角と前記加速度センサに含まれ
    るスケールファクタとに基づいて前記離散時刻毎に前記
    加速度信号のバイアスを補正することを特徴とする請求
    項1に記載の車両挙動計測装置。
  3. 【請求項3】 前記車両の高度に対応した高度信号を出
    力する高度計を備え、 前記信号処理器は、前記加速度信号、前記距離信号およ
    び前記高度信号に基づいてカルマンフィルタ処理を行
    い、前記離散時刻毎に姿勢角および高度の少なくとも一
    方を算出することを特徴とする請求項1に記載の車両挙
    動計測装置。
  4. 【請求項4】 前記信号処理器は、 前記高度信号と前記車両の加速度と前記加速度センサに
    含まれるスケールファクタとに基づいて前記離散時刻毎
    に前記加速度信号のバイアスを補正することを特徴とす
    る請求項3に記載の車両挙動計測装置。
  5. 【請求項5】 前記信号処理器は、 前記距離信号および前記姿勢角から算出された前記車両
    の高度方向の移動量と、前記高度信号の変化量とを比較
    して、前記カルマンフィルタ処理による高度の観測誤差
    を算出することを特徴とする請求項3に記載の車両挙動
    計測装置。
  6. 【請求項6】 前記高度計は、大気圧に対応した気圧信
    号を出力する気圧高度センサからなり、 前記信号処理器は、前記距離信号から算出された前記車
    両の速度と前記気圧信号から算出された高度差とに基づ
    いて離散時刻毎に前記加速度信号のバイアスを補正し、
    前記加速度信号、前記距離信号および前記気圧信号に基
    づいてカルマンフィルタ処理を行い、前記離散時刻毎に
    前記車両の姿勢角および高度の少なくとも一方を算出す
    ることを特徴とする請求項3から請求項5までのいずれ
    かに記載の車両挙動計測装置。
  7. 【請求項7】 前記高度計は、前記車両の高度を含む3
    次元位置に対応した位置信号を出力するGPS受信機か
    らなり、 前記信号処理器は、前記加速度信号、前記距離信号およ
    び前記位置信号に基づいてカルマンフィルタ処理を行
    い、前記離散時刻毎に前記車両の姿勢角および高度の少
    なくとも一方を算出することを特徴とする請求項3から
    請求項5までのいずれかに記載の車両挙動計測装置。
  8. 【請求項8】 大気圧に対応した気圧信号を出力する気
    圧高度センサを備え、 前記信号処理器は、前記位置信号と前記気圧信号とを比
    較して前記カルマンフィルタ処理による高度の観測誤差
    を算出し、前記加速度信号、前記距離信号、前記位置信
    号および前記気圧信号に基づいてカルマンフィルタ処理
    を行い、前記離散時刻毎に前記車両の姿勢角および高度
    の少なくとも一方を算出することを特徴とする請求項7
    に記載の車両挙動計測装置。
  9. 【請求項9】 前記車両の角速度に対応した角速度信号
    を出力する相対方位センサを備え、 前記信号処理器は、前記加速度信号、前記距離信号、前
    記位置信号および前記角速度信号に基づいてカルマンフ
    ィルタ処理を行い、前記離散時刻毎に前記車両の3次元
    位置および姿勢角を算出することを特徴とする請求項7
    に記載の車両挙動計測装置。
  10. 【請求項10】 車両の角速度に対応した角速度信号を
    出力する相対方位センサを備え、 前記信号処理器は、前記車両の姿勢角および移動距離か
    ら算出される水平面の移動距離と、車両の移動距離とを
    比較してシステム誤差を算出し、前記加速度信号、前記
    距離信号、前記位置信号および前記角速度信号に基づい
    てカルマンフィルタ処理を行い、前記離散時刻毎に前記
    車両の2次元位置および進行方位を算出することを特徴
    とする請求項7に記載の車両挙動計測装置。
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