JP6668918B2 - 燃料電池の制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば車両用の駆動モータに、電流を供給する燃料電池の制御方法に関する。
燃料電池は、積層されている複数の燃料電池セルを備えており、これらの燃料電池セルのそれぞれで発電している。また、当該燃料電池には、駆動輪を駆動するための駆動モータの動力源として、車両に搭載されているものがある。
複数の燃料電池セルのうち、1つでも発電不能になると、燃料電池全体が発電効率は低下してしまう。車両搭載用の燃料電池に限らず、燃料電池の発電効率の低下を防ぐために、燃料電池を制御する必要がある。1つのセルの発電低下に対応するように制御する方法として、例えば、特許文献1に開示されているように、複数の燃料電池セルにおける最低セル電圧と、目標セル電圧の差分に応じて出力を制限し、燃料電池セルが低電圧状態で保持されないように制御する技術が知られている。
特開2003−187842号公報
ところが、上記例のような制御方法では、目標セル電圧を一定とした場合に、逐次変化するセル性能に応じて、適切な制限を行うことが困難になる場合がある。例えば、セルの性能が大きく低下しているときに、過度な出力要求を許容してしまうと、セル電圧が不安定になる可能性がある。また、出力可能な状態であるのにもかかわらず、出力が制限されてしまうようなことが発生してしまう。
出力減少時と増加時では、通常、燃料電池の応答性が異なる。これに対して、同条件で出力を変化させてしまうと、出力減少時に電圧が迅速に回復しない可能性があり、また、出力増加時においては、電圧がオーバーシュートして、一時的に電圧低下が発生する可能性もある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、複数の燃料電池セルにおける最低セル電圧等の電圧値に基づいて、燃料電池セルの出力電流値を制限し、燃料電池セルが低電圧状態で保持されないように制御できるようにすることである。
上記目的を達成するため本発明に係る燃料電池の制御方法は、駆動モータに、DC/DCコンバータを介して電流を供給する。前記燃料電池は、複数の燃料電池セルを備えており、該燃料電池セルのセル電圧が測定されることにより、最高セル電圧と最低セル電圧が設定されており、前記燃料電池セルには、限界低電圧と目標セル電圧差が設定され、前記限界低電圧は、所定の電流を供給する電圧の低い側の限界値として設定され、前記目標セル電圧差は、前記最高セル電圧と、前記最高セル電圧よりも低い下限電圧との間の電圧差として設定され、該下限電圧は、前記最高セル電圧の変動に対応して変動するように設定された電圧であって、電流を安定供給可能となる電圧の下限値として設定されている。当該制御方法は、前記最高セル電圧と前記最低セル電圧との差分電圧を算出し、前記最低セル電圧値が前記燃料電池に定められている第1の閾値よりも小さく、且つ前記差分電圧が前記燃料電池に定められている第2の閾値よりも大きいと判定された場合には、前記目標セル電圧差と、前記差分電圧との偏差に基づいて、第1の電流値を決定する工程と、前記最低セル電圧と前記限界低電圧の偏差に基づいて、第2の電流値を決定する工程と、前記第1の電流値及び前記第2の電流値のうち、小さい方の電流値を、前記DC/DCコンバータへの入力電流の最大値として設定する工程を有する。
また、本発明に係る燃料電池の制御方法の一態様では、前記駆動モータから要求される負荷が増大する時と、前記負荷が減少する時とでは、前記負荷の要求に対する応答性を異なるように設定する。
本発明によれば、燃料電池セルの水分状態にかかわらず、電圧の安定した領域で発電を行うことができる。また、使用時間の増加に伴い燃料電池全体が劣化した場合であっても、適切な電流制御が可能となる。
また、本発明の一態様によれば、燃料電池のセル電圧低下が発生したときに、燃料電池セルが低電圧状態に長時間保持されることを抑制できる。また、急激な負荷増大時においても、電圧のオーバーシュートによる一時的な限界低電圧の超過を防ぐことが可能となる。
本発明に係る燃料電池の作動原理を模式的に示す概略断面図である。 本発明に係る燃料電池の電流−電圧特性の一例を示すグラフである。 フラッディングが発生しているときの燃料電池セルの電圧挙動を示すグラフである。 本発明に係る燃料電池システムの構成を示すブロック図である。 図4のシステムの燃料電池が、駆動モータに供給する電流を制御する手順を示すフローチャートである。 図4の燃料電池の電流−電圧特性を示すグラフであり、図5のフローチャートで算出された第1の電流値及び第2の電流値の例を示している。 図4の燃料電池の所定時間に対する電流、電圧、及び、所定時間に対するインバータ(駆動モータ)からの負荷要求を示すグラフである。
以下、本発明に係る燃料電池の制御方法の一実施形態について、図面(図1〜図7)を参照して説明する。
本実施形態の燃料電池10が搭載されている燃料電池システムは、燃料電池10、駆動モータ21、DC/DCコンバータ23、インバータ24、ECU22、2次電池25を有している。図4のブロック図に示すように、駆動モータ21にはインバータ24が電気的に接続され、インバータ24から、駆動モータ21に電流が供給される。インバータ24には、例えば高電圧バッテリ等の2次電池25と、DC/DCコンバータ23が電気的に接続されている。DC/DCコンバータ23には、燃料電池10が電気的に接続されている。
ECU(エンジンコントロールユニット)22は、当該システムの制御部であり、燃料電池10、DC/DCコンバータ23、2次電池25、及びインバータ24に電気的に接続され、これらを制御している。また、ECU22は、燃料電池セル11の燃料電池セル11のセル電圧や電流を受信可能であり、燃料電池10がDC/DCコンバータ23に入力する電流を制御することができる。なお、詳細は省略しているが、当該システムは、燃料電池10の燃料電池セル11のセル電圧や電流を測定する測定部を備えており、当該測定部で測定した電圧値等を、ECU22が読み取るように構成されている。
ここで、燃料電池10の構造及び発電原理について図1を用いて説明する。なお、図1では、燃料電池10における1つの燃料電池セル11を示している。また、外部回路19は、概略的に示しており、図4で示されている他の部材等の図示は省略している。また、外部回路19の負荷20については、図1では特に詳細に示していないが、例えば図4における駆動モータ21に相当する。
車両に搭載される燃料電池システムは、電気化学反応により発電し、それに付随して水が生成される。燃料電池システムの燃料電池10は、最小構成単位となる燃料電池セル11を多数積層して、燃料電池スタックを構成している。固体高分子型の燃料電池10の一例として、図1に示すように、燃料電池セル11は、水素及び空気(酸素)をそれぞれ供給するアノード極12及びカソード極13を備えており、これらの間に挟まれている拡散層14a,14b、反応活性化のための触媒層15a,15b、及び中央に水素イオンを選択的に透過させる電解質膜18を有している。アノード極12と、電解質膜18との間には、拡散層14a及び触媒層15aが配置されている。カソード極13と電解質膜18との間にも、拡散層14b及び触媒層15bが配置されている。
アノード極12に供給された水素分子は、アノード極12の電解質膜18の表面にある触媒層15aにおいて、活性な水素原子となり、さらに水素イオンとなって電子を放出する。これは、下記の式(1)で表すことができる。
→2H+2e…式(1)
式(1)により、発生した水素イオンは、電解質膜18に含まれる水分を伴ってアノード極12の側からカソード極13の側へと電解質膜18中を移動し、電子は外部回路19を通じてカソード極13に移動する。この電子の移動により、外部回路19に介装された負荷20、例えば、車両の走行用の駆動モータ21(図4)に電流が流れる。外部回路19は、概略的に示しているが、アノード極12とカソード極13とを、負荷20を介して電気的に接続している。
一方、カソード極13では、触媒層15bにおいて外部回路19から供給された電子と電解質膜18を通して移動してきた水素イオンと空気中の酸素分子が結合して水となる。これは、下記の式(2)で表すことができる。
1/2 O+2H+2e→HO…式(2)
このように生成した水分の一部は濃度拡散によってアノード極12へと移動し、燃料電池セル11を通過する空気または水素とともに、燃料電池セル11の外へ排出される。固体高分子型の燃料電池10の性能は、燃料電池セル11の水分量に依存する。供給側の相対湿度が低ければ、燃料電池セル11は乾燥してイオン電導性が低下する。排水性が低下すると、燃料電池セル11の内部に水分が溜り(フラッディング)供給ガスの拡散が阻害され、性能が悪化する。
次に、燃料電池10における電流‐電圧特性について、図2のグラフを用いて説明する。燃料電池10の特性として、電流の増加に伴い電圧は低下する。低電流領域においては、アノード極12及びカソード極13において、それぞれ水素分子及び酸素分子が触媒反応により、イオン化するための活性化エネルギーが支配的に寄与し、燃料電池10の電圧を低下させる。一方で、高電流領域においては、アノード極12及びカソード極13への水素及び酸素の供給速度に律速されるため、電圧の降下が起こる。さらに、水素イオンが電解質膜18を移動する際の抵抗によるオーム損失に起因して、電流の増加と共に電圧が低下する。また、図2に示す電流‐電圧特性V1に対して、V2、V3、V4は、徐々に発電性能が低下している状態を示している。この例では、V4は、性能が最も低下している状態を示している。
性能が低下する一因としては、燃料電池セル11でフラッディングが発生している可能性がある。この場合、燃料電池セル11内に水が溜まることで触媒へのガス供給が阻害されるため、電圧の低下が特に大きくなる。過度なフラッディング状態では、燃料電池セル11の電圧が電圧下限値(限界低電圧)を下回ることにより、発電が停止する可能性がある。
また、フラッディング状態の燃料電池セル11は、電流−電圧特性のみならず、図3に示すように、電流変動速度に対する電圧の応答性や、一定電流としたときの電圧の安定性も大きく変化する。図3では、破線は通常状態のセル電圧を示し、実線はフラッディング状態のセル電圧を示している。一般的に電流の増加速度が大きい場合には、電圧がオーバーシュートした後に大きく低下することがある。例えば、図3におけるA部で示すように、時間t1〜時間t2の間で電流が急激に増加したときに、破線で示されているフラッディング状態の燃料電池セル11のセル電圧は、オーバーシュートを起こし、時間t2の直後に回復した後は、時間t3まで安定している。さらに、図3のB部に示すように、時間t4から時間t5の間のように電流値をさらに大きくすると、時間t4で電圧がオーバーシュートし、その後、時間t5までの間、振動することがある。
ここで、本実施形態の燃料電池システムの構成について、図4を用いて説明する。燃料電池システムは、車輪を駆動するための駆動モータ21からの負荷要求に対して、2次電池25及び燃料電池10によって電力供給をしている。燃料電池10、駆動モータ21、2次電池25の電圧を合わせるために、燃料電池10の電力は、DC/DCコンバータ23を介して供給されている。燃料電池10単独では、電力を制御することが困難であるため、DC/DCコンバータ23の入出力の電力(電流)を、ECU22より指令することで、燃料電池10を制御している。
本実施形態のシステムでは、ECU22が燃料電池10を構成する全ての燃料電池セル11の電圧を読み込んで、燃料電池10の供給可能な最大電流を算出し、その値をDC/DCコンバータ23の入力電流の最大電流値として設定する。このときの最大電流値を設定する手順(ステップ)について、図5のフローチャートと、図6の電流‐電圧特性のグラフを用いて、以下に説明する。
本システムでは、ECU22は、常時、燃料電池システムが稼働している間は、燃料電池10を構成している全ての燃料電池セル11の電圧を、所定の時間間隔で測定しており、この測定値に基づいて、最高セル電圧Vmaxと最低セル電圧Vminを決定し、これらの差分(差分電圧Vmax-min)を算出している。最高セル電圧Vmaxは、図6のグラフにおけるVmaxの曲線で示されている。一方、図6では、最低セル電圧は、3パターンの最低セル電圧、すなわち第1の最低セル電圧Vmin-1、第2の最低セル電圧Vmin-2、及び第3の最低セル電圧Vmin-3の曲線で示されている。
また、当該燃料電池セル11には、限界低電圧Vlowと目標セル電圧差Vspreadが、設定されている。限界低電圧Vlowは、所定の電流を供給する電圧の低い側の限界値として設定されるもので、図6では、電流に対して一定値であり、一点鎖線で示されている。
目標セル電圧差Vspreadは、最高セル電圧Vmaxと、下限電圧との間の電圧差として設定される特性値である。下限電圧は、最高セル電圧Vmaxよりも低い電圧で、図6では破線で示されている。当該下限電圧は、最高セル電圧Vmaxの変動に対応して変動するように設定され、電流を安定供給可能となる電圧の下限値として設定されている。この例では、最高セル電圧Vmaxを示す曲線に対して、ほぼ等間隔を保つ曲線として示されている。
上記の設定を踏まえて行う本実施形態の制御方法について、以下に説明する。先ず、インバータ24及び2次電池25の要求に従って、燃料電池10がDC/DCコンバータ23に入力する電流を、ECU22から指示する(ステップ1)。
このとき、予め算出されている最低セル電圧Vminと第1の閾値Vaとを比較し、さらに、差分電圧Vmax-minと、第2の閾値Vbとを比較して、
min ≦Va 、Vmax-min ≧ Vb
を満たすか否かを判定する(ステップ2)。ここで、第1の閾値Vaや第2の閾値Vbは、燃料電池10に定められている特性値で、例えば車両に搭載する前に予め設定されている値である。第1の閾値Vaや第2の閾値Vbは、通常、実験等により設定される。
上記判定条件を満たさない場合には、燃料電池10は、ECU22からの指令された電流を、DC/DCコンバータ23に供給する。
上記ステップ2の判定条件を満たす場合には、燃料電池10がDC/DCコンバータ23に入力する電流を以下の手順で制限する。
先ず、目標セル電圧差Vspreadと、差分電圧Vmax-minとの偏差に基づいて第1の電流値ILim1を算出し、続いて、最低セル電圧Vminと限界低電圧Vlowの偏差に基づいて、第2の電流値ILim2を算出する。
第1の電流値ILim1は、以下の式(3)及び式(4)で算出される。
Lim1= In-1 + Kp・(en − e n-1) + Ki・en・Dt …式(3)
en =Vspread − Vmax-min …式(4)
第2の電流値ILim2は、以下の式(5)及び式(6)で算出される。
Lim2 = In-1 − Kp・(En −E n-1) − Ki・En・Dt …式(5)
n = Vlow− Vmin …式(5)
上記の式において、nは現在の値であり、n−1は前回のサンプリング値を示している。Kp及びKiは、フィードバック制御の応答性を示す定数で、可変に設定されている。
上記式で算出された、第1の電流値ILim1及び第2の電流値ILim2のうち、小さい方の電流値を、DC/DCコンバータ23に入力する最大電流値として設定する(ステップ3)。
このとき、eが正のとき、第1の電流値ILim1は増加させるのに対して、Eが正のときは、第2の電流値ILim2は減少させるので、式(3)及び式(5)のそれぞれにおける第2項及び第3項の符号は逆転する。また、上述したようにKp及びKiは可変であり、目標セル電圧差Vspreadに向けて電流値を減少させるときの値が、目標セル電圧差Vspreadに向けて電流を増加させるときの値より大きくなるように設定する。
続いて、所定の電流における差分電圧Vmax-minと第3の閾値Vcとの関係で、
max-min ≦ Vc
を満たすか否かを判定する(ステップ4)。当該判定条件を満足しない場合には、ステップ3に戻り、DC/DCコンバータ23に入力する最大電流値を算出する(ステップ3)。その後再び、上記の判定条件について判定する(ステップ4)。ここで、第3の閾値Vcは、第1の閾値Vaや第2の閾値Vbと同様に、燃料電池10の特性値で、車両等に搭載する前に予め設定されている値である。この例では、Vcは、第1の閾値Vaはよりも大きい電圧値として設定されている。
ステップ4の判定条件を満足する場合には、電流制限を終了する(ステップ5)。
ここで、図6を用いて、最低セル電圧Vminの状態に基づいて、第1の電流値ILim1と第2の電流値ILim2のどちらか一方を選択することについて説明する。図6における最低セル電圧は、上記したように、3パターンの第1の最低セル電圧Vmin-1、第2の最低セル電圧Vmin-2、及び第3の最低セル電圧Vmin-3の曲線で示されている。
第1の最低セル電圧Vmin-1は、最も劣化が進んでいる状態であり、第2の最低セル電圧Vmin-2及び第3の最低セル電圧Vmin-3は、第1の最低セル電圧Vmin-1に対して、回復している状態を示している。第1〜第3の最低セル電圧Vmin-1、Vmin-2、Vmin-3の中では、第3の最低セル電圧Vmin-3が最も回復している状態を示している。
第1の最低セル電圧Vmin-1の状態にあるとき、第1の電流値ILim1は、第1の最低セル電圧Vmin-1と、下限電圧(図中の破線)の交点(図中の●)に漸近し、第2の電流値ILim2は、第1の最低セル電圧Vmin-1と、最低低電圧Vlow(図中の一点鎖線)の交点(図中の×)に漸近しようとする。第1の最低セル電圧Vmin-1の状態では、第2の電流値ILim2では、電圧の振動が起きる可能性がある。よって、DC/DCコンバータ23に入力する電流の上限値は、第1の電流値ILim1及び第2の電流値Ilim2のうち、小さい電流となる第1の電流値ILim1が選択される。
一方で、第3の最低セル電圧Vmin-3の状態では、第3の最低セル電圧Vmin-3と破線で示される下限電圧との交点は、一点鎖線で示される限界低電圧Vlowよりも低い電圧値となっている。第3の最低セル電圧Vmin-3の状態まで回復すると、低電圧状態で保持されることによるセルの破損を防ぐため、第2の電流値ILim2が選択される。
上記のようにDC/DCコンバータ23に入力する電流を制御することにより、性能が低下した燃料電池セル11の状態に応じて、電圧が安定した領域で燃料電池10を動作させることが可能となる。すなわち、燃料電池セル11の水分状態にかかわらず、セル電圧の安定した領域で発電を行うことができる。また、使用時間の増加に伴い燃料電池全体が劣化した場合であっても、適切な電流制御が可能となる。
図7における時間t6から時間t7の間で示すように、インバータ24の負荷要求電力の急激な増加に伴って燃料電池10に供給する電流は増加する。このとき、セル電圧は急激に低下する。この例では、第1の閾値Vaよりも電圧低下を起こしている。このとき、C部に示す電流が減少している時間t7の直後では、応答性を示す特性であるKp及びKiを大きく設定することにより、C部に対応する最低セル電圧のように、低下した後の電圧を早く回復させることができる。また、D部で示す電流が増加している区間である時間t8から時間t9では、Kp及びKiを、時間t6から時間t7の間のKp及びKiよりも小さく設定することで、電圧をオーバーシュートさせないように制御することもできる。
従って、図7に示すように、電流減少時と増加時で、異なるKp及びKiを設定していることにより、応答よく電圧を復元させることができる。また、電圧をオーバーシュートさせないことが可能となる。その結果、燃料電池10のセル電圧低下が発生したときに、燃料電池セル11が低電圧状態に長時間保持されることを抑制できる。さらに、インバータ24からの要求負荷(電力)が、急激に増大したときであっても、電圧のオーバーシュートによる一時的な限界低電圧の超過を防ぐことが可能となる。
以上の説明からわかるように、本実施形態のように燃料電池10を制御することによって、複数の燃料電池セル11における最低セル電圧等の電圧値に基づいて、燃料電池セル11の出力電流値を制限し、燃料電池セル11が低電圧状態で保持されないように制御できるようにすることが可能となる。
本実施形態の説明は、本発明を説明するための例示であって、特許請求の範囲に記載の発明を限定するものではない。また、本発明の各部構成は上記実施形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。
例えば、正常運転可能な状態で車両を停止しているときに、2次電池25のSOCを回復させると同時に、基準電流−電圧特性を取得しておき、最高セル電圧と最低セル電圧の差ではなく、基準電流‐電圧特性から求められる電圧と、最低セル電圧の差に基づいて電流制限を算出することも可能である。この場合、全ての燃料電池セル11が性能低下状態に陥ったときでも、適切に電流制御を行うことが可能となる。
10 燃料電池
11 燃料電池セル
12 アノード極
13 カソード極
14a、14b 拡散層
15a、15b 触媒層
18 電解質膜
19 外部回路
20 負荷
21 駆動モータ
22 ECU
23 DC/DCコンバータ
24 インバータ
25 2次電池

Claims (2)

  1. 駆動モータに、DC/DCコンバータを介して電流を供給する燃料電池の制御方法において、
    前記燃料電池は、複数の燃料電池セルを備えており、該燃料電池セルのセル電圧が測定されることにより、最高セル電圧と最低セル電圧が設定されており、
    前記燃料電池セルには、限界低電圧と目標セル電圧差が設定され、
    前記限界低電圧は、所定の電流を供給する電圧の低い側の限界値として設定され、
    前記目標セル電圧差は、前記最高セル電圧と、前記最高セル電圧よりも低い下限電圧との間の電圧差として設定され、該下限電圧は、前記最高セル電圧の変動に対応して変動するように設定された電圧であって、電流を安定供給可能となる電圧の下限値として設定されており、
    当該制御方法は、
    前記最高セル電圧と前記最低セル電圧との差分電圧を算出し、前記最低セル電圧値が前記燃料電池に定められている第1の閾値よりも小さく、且つ前記差分電圧が前記燃料電池に定められている第2の閾値よりも大きいと判定された場合には、
    前記目標セル電圧差と、前記差分電圧との偏差に基づいて、第1の電流値を決定する工程と、
    前記最低セル電圧と前記限界低電圧の偏差に基づいて、第2の電流値を決定する工程と、
    前記第1の電流値及び前記第2の電流値のうち、小さい方の電流値を、前記DC/DCコンバータへの入力電流の最大値として設定する工程を有することを特徴とする燃料電池の制御方法。
  2. 前記駆動モータから要求される負荷が増大する時と、前記負荷が減少する時とでは、前記負荷の要求に対する応答性を異なるように設定することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池の制御方法。
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