JP6668139B2 - 検査装置および検査方法 - Google Patents

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Description

本発明は、検査装置および検査方法に関する。
複数のマイクロフォンを備えるマイクロフォンアレイは、多チャネルの音響信号の収録に用いられる。マイクロフォンアレイが収録した多チャネルの音響信号は、複数の話者の発話に伴う話者単位の音声に分離する音源分離や音源の方向を定める音源定位などに用いられる。音源分離や音源定位の処理では、マイクロフォン間における位置の違いに応じた音源からの伝達特性の差異の情報が利用される。
例えば、特許文献1には、複数のチャネルの音響信号に基づいて音響信号の収音位置と音源方向を算出する音響処理装置が開示されている。
特開2015−154207号公報
マイクロフォンアレイが量産されると、生産されたマイクロフォンアレイの検査が行われる。マイクロフォンアレイの検査には、筐体、各マイクロフォン単体の配置の他、マイクロフォンアレイを構成する複数のマイクロフォンの配置の検査が含まれる。その用途により、筐体とその筐体に配置された複数のマイクロフォン相互間の相対的な位置関係が重要なためである。そのため、マイクロフォン個々の動作や位置を検査するだけでは不足である。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、マイクロフォンアレイを構成する複数のマイクロフォンの相対的な位置関係を検査することができる検査装置および検査方法を提供する。
(1)本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、本発明の一態様は、M個(Mは2以上の整数)のマイクロフォンを備えたマイクロフォンアレイの検査装置であって、予め設定されたD通り(Dは2以上の整数)の目標方向のそれぞれに設置された音源から前記マイクロフォンアレイの各マイクロフォンまでの伝達関数を算出する処理を複数回行って、複数セットの目標方向ごとの伝達関数を取得する伝達関数算出部と、前記D通りの目標方向のそれぞれについて前記音源から前記各マイクロフォンまでの音の到来時間の時間差を成分とする時間差ベクトルを形成する処理を前記複数回行い、前記D通りの目標方向のそれぞれについて、前記複数回のそれぞれについて形成された時間差ベクトルをD個のクラスタにクラスタリングし、各クラスタについてクラスタ中心との距離が最も小さい代表時間差ベクトルを特定し、該代表時間差ベクトルに対応する代表伝達関数をマイクロフォンごとに定める代表伝達関数決定部と前記代表伝達関数と、前記各マイクロフォンまでの所定の理想的伝達関数との差分量を算出し、前記差分量のクラスタ間の代表値に基づいて前記マイクロフォンアレイが正常であるか否かを判定する判定部と、を備える検査装置である。
(2)本発明のその他の態様は、上述の検査装置であって、前記判定部は、前記差分量として、前記代表伝達関数と前記理想的伝達関数とのユークリッド距離を算出する。
(3)本発明のその他の態様は、上述の検査装置であって、前記判定部は、前記差分量として、前記代表伝達関数と前記理想的伝達関数との差分に所定の聴覚重み特性を乗じて重み付きユークリッド距離を算出する。
(4)本発明のその他の態様は、上述の検査装置であって、前記判定部は、前記差分量として、前記代表伝達関数と前記理想的伝達関数との位相差ならびに強度差をそれぞれ所定の重み特性で重み付けして得られる重み付き和の周波数間積分値を算出する。
(5)本発明のその他の態様は、上述の検査装置であって、前記音源からの伝達関数と前記理想的伝達関数との差分量を減少させる校正値を算出する校正値算出部を備える。
(6)本発明のその他の態様は、M個(Mは2以上の整数)のマイクロフォンを備えたマイクロフォンアレイの検査方法であって、予め設定されたD通り(Dは2以上の整数)の目標方向のそれぞれに設置された音源から前記マイクロフォンアレイの各マイクロフォンまでの伝達関数を算出する処理を複数回行って、複数セットの目標方向ごとの伝達関数を取得する伝達関数算出過程と、前記D通りの目標方向のそれぞれについて前記音源から前記各マイクロフォンまでの音の到来時間の時間差を成分とする時間差ベクトルを形成する処理を前記複数回行い、前記D通りの目標方向のそれぞれについて、前記複数回のそれぞれについて形成された時間差ベクトルをD個のクラスタにクラスタリングし、各クラスタについてクラスタ中心との距離が最も小さい代表時間差ベクトルを特定し、該代表時間差ベクトルに対応する代表伝達関数をマイクロフォンごとに定める代表伝達関数決定過程と前記代表伝達関数と、前記各マイクロフォンまでの所定の理想的伝達関数との差分量とを算出し、前記差分量のクラスタ間の代表値に基づいて前記マイクロフォンアレイが正常であるか否かを判定する判定過程と、を有する検査方法である。
本発明の態様(1)および(6)によれば、目標方向に設置された音源から各マイクロフォンまでの伝達関数と、各マイクロフォンまでの理想的伝達関数との差分量に基づいてマイクロフォンアレイが正常であるか否かが判定される。目標方向ごとのマイクロフォン間の時間差からなるクラスタが形成され、形成されたクラスタごとの時間差の代表値が代表伝達関数として定められる。目標方向に対応する伝達関数が代表伝達関数として定められるので、代表伝達関数の選択において雑音その他の音源の影響や目標方向の設定エラーの影響を回避することができる。また、クラスタごとの代表伝達関数と理想的伝達関数との差分量のクラスタ間代表値は、目標方向間で異なりうる雑音その他の音源の影響や目標方向の設定エラーの影響の度合いを代表する値である。この値に基づいてマイクロフォンアレイが正常であるか否かが定量的に判定される。そのため、マイクロフォンアレイを構成するマイクロフォンの相対的な位置関係の良否を定量的に判定することが可能になる。
本発明の態様(2)によれば、代表伝達関数と理想的伝達関数との差分の寄与を周波数ならびにマイクロフォン間で累積して差分量が算出される。そのため、マイクロフォンの配置に応じた伝達関数の物理特性に基づいてマイクロフォンアレイが正常であるか否かが定量的に判定される。
本発明の態様(3)によれば、人間の雑音に対する聴覚特性を表す聴覚重み特性で重み付けした差分の寄与を周波数間で累積して差分量が算出される。そのため、マイクロフォンの配置に応じて生ずる受音信号の差分の聴覚特性に基づいてマイクロフォンアレイが正常であるか否かが定量的に判定される。
本発明の態様(4)によれば、代表伝達関数と理想的伝達関数との物理特性の差分として位相差ならびに強度差をそれぞれの所定の重み特性で重み付けした重み付き和の寄与を周波数間で累積して差分量が算出される。そのため、マイクロフォンの配置に応じて生ずる位相差、強度差のそれぞれについて設定される所定の重み特性に基づいてマイクロフォンアレイが正常であるか否かが定量的に判定される。
本発明の態様(5)によれば、算出される校正値を用いてマイクロフォンによる受音信号を校正することで、理想的伝達関数を与えるマイクロフォンアレイによる受音信号に近似する受音信号を取得することができる。また、ユーザによるチャネル間における受信信号の各種パラメータの調整に係る煩雑な作業が軽減される。
本実施形態に係る検査システムの構成を示すブロック図である。 チャネル間時間差ベクトルの分布例を示す概念図である。 本実施形態に係る検査処理を示すフローチャートである。 目標方向の設定例を示す概念図である。 本実施形態の一変形例に係る検査システムの構成を示すブロック図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る検査システム1の構成を示すブロック図である。
本実施形態に係る検査システム1は、検査装置10を含んで構成される。
検査装置10は、マイクロフォンアレイ20が備えるM(Mは、2以上の整数)個のマイクロフォン21−1〜21−Mの配置が所定の仕様を満たしているか否かを検査する。図1に示す例では、Mは8である。検査装置10は、検査信号として所定の音響信号に基づく音を提示する音源としてスピーカ11を備える。検査装置10は、マイクロフォン21−1〜21−Mからの受音信号に基づいてスピーカ11から各マイクロフォン21−1〜21−Mまでの伝達関数を算出する。
検査装置10は、算出したスピーカ11から各マイクロフォン21−1〜21−Mまでの伝達関数と、スピーカ11から各マイクロフォン21−1〜21−Mまでの所定の理想的伝達関数との差分量に基づいてマイクロフォンアレイ20においてマイクロフォン21−1〜21−Mの配置が正常であるか否かを判定する。
マイクロフォンアレイ20は、M個のマイクロフォン21−1〜21−Mと、支持部22と、出力処理部23とを含んで構成される。
マイクロフォン21−1〜21−Mは、それぞれ到来した音を電気信号である受音信号に変換する電気音響変換素子である。マイクロフォン21−1〜21−Mは、それぞれ変換した受音信号を出力処理部23に出力する。マイクロフォン21−1〜21−Mは、それぞれ支持部22の異なる位置に配置されている。但し、マイクロフォン21−1〜21−8の配置は、同一機種のマイクロフォンアレイ20同士でも個々に異なる。そのため、マイクロフォン21−1〜21−M相互間で伝達関数が異なる。
支持部22は、マイクロフォン21−1〜21−Mを支持する部材である。図1に示す例では、支持部22の形状は環状であり、マイクロフォン21−1〜21−Mは、ほぼ等間隔に配置されている。
出力処理部23は、マイクロフォン21−1〜21−Mからそれぞれ入力された受音信号について、所定の処理を行う。所定の処理には、例えば、アナログ・ディジタル(A/D;Analog−to−Digital)変換、増幅(または減衰)などが含まれる。出力処理部23は、有線または無線で検査装置10と接続され、所定の処理を行って得られたマイクロフォン21−1〜21−MからのMチャネルの受音信号を検査装置10に出力する。
(検査装置)
次に、本実施形態に係る検査装置10の構成について説明する。検査装置10は、目標方向設定部101、検査信号処理部102、伝達関数算出部103、代表伝達関数決定部104、判定部105、入出力部108、記憶部109、スピーカ11および表示部12を含んで構成される。
目標方向設定部101は、マイクロフォンアレイ20からの検査信号に基づく音を提示するスピーカ11の目標方向を設定する。目標方向は、マイクロフォンアレイ20の代表点を基準としたスピーカ11の相対的な方向である。マイクロフォンアレイ20の代表点は、例えば、M個のマイクロフォン21−1〜21−Mの重心点である。1回の検査において、予め設定されたD(Dは、2以上の整数)通りの目標方向のそれぞれについて伝達関数が取得される。目標方向は、例えば、水平面内において所定の間隔をもって設定される。設定間隔は、例えば、1〜90°のいずれか任意の角度である。目標方向設定部101は、D通りの目標方向のうちいずれかの目標方向を選択する。目標方向設定部101は、目標方向の選択が完了したとき選択した目標方向を示す目標方向情報を検査信号処理部102に出力する。
目標方向設定部101は、マイクロフォンアレイ20の位置または向きを変更する駆動部(図示せず)、スピーカ11もしくは検査装置10自体の位置または向きを変更する駆動部(図示せず)、互いに位置の異なる複数のスピーカ11のうち音を提示するスピーカ11を選択する選択部(図示せず)のいずれか、またはその組み合わせを含んで構成されてもよい。これらの駆動部もしくは選択部は、マイクロフォンアレイ20の検査ラインに設けられてもよい。目標方向の設定例については、後述する。
検査信号処理部102は、目標方向設定部101から目標方向情報が入力されるとき所定の検査信号を生成する。検査信号は、伝達関数の測定用に用いられる音の提示に用いられる。検査信号は、各マイクロフォン21−1〜21−Mが受音すべき周波数帯域の成分を含む。その周波数帯域は、例えば、人間が発声する音声の帯域(典型的には、100Hz〜4kHz)、人間が音を知覚することができる可聴帯域(20Hz〜20kHz)など検査目的に応じて使い分けられてもよい。検査信号として、例えば、ホワイトノイズ、ピンクノイズ、チャープ信号、M系列信号などが利用可能である。検査信号処理部102は、目標方向情報が示す目標方向に設置されたスピーカ11に入出力部108を介して検査信号を出力する。
検査信号処理部102には、マイクロフォンアレイ20から入出力部108を介してMチャネルの受音信号が入力される。検査信号処理部102は、目標方向情報に検査信号ならびにMチャネルの受音信号を対応付けて伝達関数算出部103に出力する。以下の説明では、マイクロフォン21−1〜21−Mからの受音信号のチャネルを、それぞれチャネル1〜Mと呼ぶことがある。
なお、検査信号処理部102は、各目標方向について検査信号を出力する処理と、受音信号を入出力する処理を複数回繰り返してもよい。この繰り返しにより取得されたMチャネルの受音信号を用いて、目標方向ごとに複数セットのMチャネルの伝達関数が算出される。
伝達関数算出部103には、検査信号処理部102から目標方向情報、検査信号およびMチャネルの受音信号が入力される。伝達関数算出部103は、各チャネルの受音信号と検査信号に基づいて、そのチャネルの伝達関数H[n]m(θ,f)を算出する。
Figure 0006668139
式(1)において、n、mは、それぞれ測定回数、チャネルを示す。θ、fは、それぞれ目標方向、周波数を示す。S(f)は、検査信号の周波数fの成分を示す。X[n]m(θ,f)は、第n回の目標方向θからのチャネルmに係る受音信号の周波数fの成分を示す。
伝達関数算出部103は、目標方向情報と算出したMチャネルの伝達関数とを対応付けて記憶部109に記憶する。伝達関数算出部103は、その伝達関数の算出に用いたMチャネルの受音信号をさらに対応付けて記憶部109に記憶する。
代表伝達関数決定部104は、記憶部109に記憶された各回のMチャネルの伝達関数の算出に用いた受音信号を用いてチャネル間時間差を算出する。チャネル間時間差は、所定の基準チャネルに係るマイクロフォンと、他のチャネルに係るマイクロフォンとの間の音の到来時間差である。従って、チャネル間時間差は、基準チャネル以外のM−1個の他のチャネルのそれぞれについて算出される。以下の説明では、基準チャネルがチャネル1である場合を例にする。
代表伝達関数決定部104は、式(2)に示すように、各回の目標方向に係るM−1個のチャネル間時間差τ[n]2(θ)、…、τ[n]M(θ)を成分として有するチャネル間時間差ベクトルτ[n](θ)を形成する。式(2)において、Tは、ベクトルまたは行列の転置を示す。
Figure 0006668139
代表伝達関数決定部104は、各回の伝達関数に基づいて得られたチャネル間時間差ベクトルについてクラスタリングを行って、D個のクラスタに分類する。クラスタリングを行う際、代表伝達関数決定部104は、例えば、階層的クラスタリングの一手法である群平均法を用いる。
代表伝達関数決定部104は、D個のクラスタのうち各クラスタdに属するチャネル間時間差ベクトルτ[n]の平均値をクラスタ中心τとして算出する。そして、代表伝達関数決定部104は、各クラスタdに属するチャネル間時間差ベクトルτ[n]についてクラスタ中心τとの距離δ[n]dを、例えば、式(3)を用いて算出する。
Figure 0006668139
代表伝達関数決定部104は、各クラスタdについて最も小さい距離δ[n]dを与えるチャネル間時間差ベクトルτ[n]を当該クラスタdの代表のチャネル間時間差ベクトルとして特定する。代表伝達関数決定部104は、式(4)に示すように、特定した代表のチャネル間時間差ベクトルτ[n]に対応する伝達関数H[n]m(θ,f)を代表伝達関数H(d,f)として定める。
Figure 0006668139
代表伝達関数決定部104は、クラスタごとの代表伝達関数を示す代表伝達関数情報を記憶部109に記憶する。なお、クラスタ中心τは、そのクラスタdに対応する目標方向θに設置された音源から各マイクロフォン21−1〜21−Mまでの音の到達時間のチャネル間差の代表値を示す。
判定部105は、記憶部109から代表伝達関数情報と、予め記憶させておいた基準代表伝達関数情報を読み取る。基準代表伝達関数情報は、基準となる理想的な伝達関数として判定の基準となる良品の各マイクロフォンまでの伝達関数を示す情報である。以下、この伝達関数を基準代表伝達関数と呼ぶ。基準代表伝達関数として、例えば、設計仕様上の伝達関数、所定の検査項目を満たすと判定された既存のマイクロフォンアレイ20の伝達関数、などが用いられてもよい。基準代表伝達関数情報には、各目標方向から各マイクロフォン21−1〜21−Mまでの基準代表伝達関数の情報が含まれる。
判定部105は、目標方向ごとに対応するクラスタについて選択された代表伝達関数H(d,f)と、基準代表伝達関数H’(d,f)との差分量Cを用いて算出する。
差分量Cを表す指標値として、判定部105は、式(5)に示すユークリッド距離、式(6)に示すA特性重み付きユークリッド距離、式(7)に示す位相差ならびに強度差の重み付き和のいずれを算出してもよい。
Figure 0006668139
式(5)は、代表伝達関数H(d,f)と基準代表伝達関数H’(d,f)の差分の絶対値を、周波数fならびにチャネルmにわたり累積することによって差分量Cを算出することを示す。従って、差分量Cには、差分の寄与が周波数ならびにチャネルにかかわらず均等に含まれる。
Figure 0006668139
式(6)において、A(f)は、周波数fごとのA特性の強度を示す。A特性とは、人間の典型的な聴覚の感度の周波数特性に基づく重み係数である。A特性は、1kHz−4kHzの周波数帯域において他の周波数帯域よりも高く、20Hz以下または20kHz以上では、ほぼ0となる。つまり、式(6)は、代表伝達関数H(d,f)と基準代表伝達関数H’(d,f)の差分の絶対値に周波数fに依存するA特性を乗算して得られる乗算値を、周波数fならびにチャネルmにわたり累積することによって差分量Cを算出することを示す。そのため、差分量Cには、聴覚の周波数特性に応じた差分の寄与が含まれる。
Figure 0006668139
式(7)において、I(f)、P(f)は、それぞれ強度差、位相差に乗じられる周波数fに依存する重み係数を示す。arg(…)は、複素数…の位相を示す。従って、式(7)は、代表伝達関数H(d,f)と基準代表伝達関数H’(d,f)の強度差、位相差にそれぞれ重み係数I(f)、P(f)を乗じて得られる乗算値の和を、周波数fならびにチャネルmにわたり累積することによって差分量Cを算出することを示す。そのため、差分量Cには、強度差、位相差それぞれの周波数特性に応じた寄与が含まれる。
判定部105は、クラスタごとの差分量Cのうち、最も小さい差分量であるクラスタ間最小値Cminを選択する。そして、判定部105は、クラスタ間最小値Cminと所定の公差とを比較する。判定部105は、クラスタ間最小値Cminが公差よりも小さいとき、マイクロフォンアレイ20が良品であると判定する。判定部105は、クラスタ間最小値Cminが公差と等しいかより大きいとき、マイクロフォンアレイ20が不良品であると判定する。判定部105は、良品であるか否かを示す判定情報を表示部12に入出力部108を介して出力する。公差は、許容される差分量Cの大きさを示す値である。
従って、クラスタに対応する音源方向に応じて異なりうる差分量Cのうち最も小さい差分量であるクラスタ間最小値Cminに基づいてマイクロフォンアレイ20が良品であるか否かが判断される。そのため、測定された代表伝達関数のうち最も信頼できる音源方向からの代表伝達関数に基づくクラスタ間最小値Cminが公差と比較される。よって、検査環境において目標方向に設置されたスピーカ11以外の音源の影響を排除することができる。
なお、判定部105は、複数のマイクロフォンアレイ20間の差分量Cの標準偏差σの0.5〜2.0倍を公差として定めてもよい。
なお、判定部105は、クラスタ間の差分量Cの代表値として、クラスタ間最小値Cminに代え、クラスタごとの差分量Cのうち最も大きいクラスタ間最大値Cmaxを選択してもよい。そして、判定部105は、クラスタ間最大値Cmaxが公差よりも小さいとき、マイクロフォンアレイ20が良品であると判定し、クラスタ間最大値Cmaxが公差よりも大きいとき、マイクロフォンアレイ20が不良品であると判定する。その場合には、クラスタに対応する音源方向に応じて異なりうる差分量Cのうち最大の差分量Cであるクラスタ間最大値Cmaxに基づいてマイクロフォンアレイ20が良品であるか否かが判断される。そのため、クラスタ間最小値Cminと公差を比較する場合よりも厳格にマイクロフォンアレイ20の可否が判断される。
入出力部108は、スピーカ11、表示部12およびマイクロフォンアレイ20と有線または無線で接続して各種の信号を入出力する。入出力部108は、例えば、データ入出力インタフェースである。
記憶部109は、検査装置10における各種の処理に用いるデータ、各種の処理によって生成されたデータを記憶する。記憶部109は、例えば、ROM(Read−only Memory)、RAM(Random Access Memory)などの記憶媒体を含んで構成される。
表示部12は、判定部105から入力される判定情報を表示する。表示部12は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)である。
(クラスタリング)
次に、代表伝達関数決定部104が行うクラスタリングについて説明する。
まず、代表伝達関数決定部104は、クラスタリンクの対象であるチャネル間時間差ベクトルの要素として、チャネル間時間差を算出する。チャネル間時間差の算出の際、代表伝達関数決定部104は、記憶部109に記憶された各回のMチャネルの伝達関数の算出に用いた受音信号を用いる。代表伝達関数決定部104は、例えば、式(8)に示すようにマルチチャネルGCC−PHAT(Generalized Cross−Correlation methods with Phase Transform)法を用いて、チャネル間の相互相関関数が最も大きくなる時間差をチャネル間時間差として定める。
Figure 0006668139
τ[n]m(θ)は、第n回目の目標方向θからのチャネルmとチャネル1との間のチャネル間時間差を示す。argmaxτ…は、…を最大とするτを示す。E(…)は、時間平均を示す。*は、複素共役を示す。式(8)に示す例では、チャネル間時間差τ[n]m(θ)は、各回につき基準となるチャネル1以外のM−1チャネルのそれぞれについて算出される。Mチャネルの受話信号の取得は、上述したように各目標方向θについて1回に限らず複数回行われてもよい。
代表伝達関数決定部104は、各回について算出したM−1チャネルのチャネル間時間差τ[n]m(θ)からチャネル間時間差ベクトルτ[n](θ)を形成する。代表伝達関数決定部104は、それぞれ形成したチャネル間時間差ベクトルτ[n](θ)についてD個のクラスタに分類する際に行うクラスタリングの手法として、例えば、階層的クラスタリングを用いる。
階層的クラスタリングは、次の過程(1)〜(4)を有する手法である:(1)それぞれ1個のチャネル間時間差ベクトルをメンバとして有するクラスタを設定する、(2)各クラスタ間の類似度のうち、最も類似度が高いクラスタ同士を統合して1個のクラスタを形成する、(3)クラスタの数がD個になるとき処理を終了し、そうでなければ(4)に進む、(4)(3)において形成されたクラスタと他のクラスタのそれぞれとの類似度を算出し、(3)に戻る。
群平均法は、この階層的クラスタリングにおいて、2つのクラスタのそれぞれから選択したチャネル間時間差ベクトル間の類似度を全てのチャネル間時間差ベクトルの組のそれぞれについて算出し、算出した類似度の平均値を2つのクラスタ間の類似度として定める手法である。
具体的には、代表伝達関数決定部104は、クラスタd、e間の類似度Δdeを、例えば、式(9)を用いて算出する。
Figure 0006668139
式(9)において、N、Nは、それぞれクラスタd、eに属するチャネル間時間差ベクトルτ[n](θ)の個数を示す。また、|…|は、ノルムを示す。即ち、式(9)は、クラスタdに属するチャネル間時間差ベクトルτ[n](θ)の平均値からクラスタeに属するチャネル間時間差ベクトルτ[n](θ)の平均値までの距離が類似度Δdeとして算出されることを示す。
図2は、チャネル間時間差ベクトルτ[n](θ)の分布の例を示す。
τ、τ、τは、それぞれチャネル間時間差ベクトルτ[n](θ)の要素であるチャネル2、3、4に係るチャネル間時間差を示す。黒丸は、個々のチャネル間時間差ベクトルτ[n](θ)を示す。C、C、Cは、それぞれ複数のチャネル間時間差ベクトルτ[1,1]〜τ[1,8]、τ[2,1]〜τ[2,8]、τ[3,1]〜τ[3,8]からなるクラスタを示す。τc1、τc2、τc3は、それぞれクラスタC、C、Cのクラスタ中心を示す。図2に示す例では、クラスタ中心τc1、τc2、τc3からの距離が最も小さいチャネル間時間差ベクトルτ[1,2]、τ[2,8]、τ[3,5]がクラスタC、C、Cの代表のチャネル間時間差ベクトルとして定められる。そして、チャネル間時間差ベクトルτ[1,2]、τ[2,8]、τ[3,5]を与える各Mチャネルの伝達関数H[1,2](θ,f)、H[2,8](θ,f)、H[3,5](θ,f)が、それぞれクラスタC、C、Cに係る代表伝達関数として選択される。
なお、チャネル間時間差ベクトルτ[n](θ)は、マイクロフォン21−1〜21−Mの所定の配置に対して目標方向に応じて一意に定められる。そのため、マイクロフォン21−1〜21−Mの変位(ずれ)その他の誤差が生じても、正常なマイクロフォンアレイ20であれば、チャネル間時間差ベクトルτ[n](θ)は、所定の目標位置に対応するクラスタ内に分布する。また、マイクロフォンアレイ20の自体の異常、雑音が生じる場合には、チャネル間時間差ベクトルτ[n](θ)は、その目標位置に対応するクラスタから外れる。そのため、代表伝達関数決定部104によれば、クラスタ中心との距離が所定の距離範囲内にあるチャネル間時間差ベクトルを与える代表伝達関数が、信頼性が高い伝達関数として選択される。
なお、代表伝達関数決定部104は、クラスタ中心からの距離が所定の距離(例えば、標準偏差の2倍)を超えるチャネル間時間差ベクトルを、クラスタリングの対象から除外し、残りのチャネル間時間差ベクトルについて、再度クラスタリングを行ってから、代表伝達関数を選択してもよい。その場合には、信頼性の低い伝達関数がクラスタリングの対象から除外されるので、より適切な代表伝達関数が選択される。
(検査処理)
次に、本実施形態に係る検査処理について説明する。
図3は、本実施形態に係る検査処理を示すフローチャートである。
(ループL01)目標方向ごとにステップS101〜S103の処理を繰り返す。D方向の目標方向の全てについて処理が終了した後、ステップS104の処理に進む。なお、1つの目標方向についてステップS102、S103の処理が複数回繰り返されてもよい。
(ステップS101)目標方向設定部101は、スピーカ11の目標方向を設定する。その後、ステップS102の処理に進む。
(ステップS102)検査信号処理部102は、所定の検査信号を生成し、生成した検査信号をスピーカ11に出力する。スピーカ11からは、検査信号に基づく音が再生される。検査信号処理部102には、スピーカ11からの音を収録して生成された受音信号を各マイクロフォン21−1〜21−Mから入力される。その後、ステップS103の処理に進む。
(ステップS103)伝達関数算出部103は、設定された目標方向について、検査信号と各チャネルの受音信号に基づいて伝達関数を算出する。その後、ステップS101の処理に戻る。
(ステップS104)代表伝達関数決定部104は、全目標方向について各回のMチャネルの伝達関数の算出に用いた受音信号を用いてチャネル間時間差を算出する。代表伝達関数決定部104は、各回について算出したチャネル間時間差を要素として含むチャネル間時間差ベクトルを全目標方向にわたりD個のクラスタにクラスタリングする。その後、ステップS105に進む。
(ステップS105)代表伝達関数決定部104は、クラスタごとにチャネル間時間差ベクトルの平均値をクラスタ中心として算出する。代表伝達関数決定部104は、算出したクラスタ中心からの距離が最も小さいチャネル間時間差ベクトルを与えるMチャネルの伝達関数を代表伝達関数として定める。その後、ステップS106に進む。
(ステップS106)判定部105は、クラスタごとにMチャネルの代表伝達関数と所定のMチャネルの基準代表伝達関数との差分量を算出する。その後、ステップS107に進む。
(ステップS107)判定部105は、算出した差分量のうちクラスタ間で最も小さい差分量であるクラスタ間最小値を算出する。その後、ステップS108に進む。
(ステップS108)判定部105は、差分量のクラスタ間最小値が所定の公差より小さいか否かを判定する。小さいと判定される場合(ステップS108 YES)、ステップS109の処理に進む。等しいかより大きいと判定される場合(ステップS108 NO)、ステップS110の処理に進む。
(ステップS109)判定部105は、マイクロフォンアレイ20が良品であると判定する。その後、判定結果を示す判定情報を表示部12に出力し、図3に示す処理を終了する。
(ステップS110)判定部105は、マイクロフォンアレイ20が不良品であると判定する。その後、判定結果を示す判定情報を表示部12に出力し、図3に示す処理を終了する。
(目標方向の設定)
次に、目標方向設定部101による目標方向の設定例について説明する。
図4は、目標方向の設定例を示す図である。
図4(A)は、スピーカ移動型の設定例を示す平面図である。図4(A)に示す例では、水平面内において互いに直交した2つの方向であるX方向、Y方向が、それぞれ図面の右方、上方に表されている。スピーカ移動型では、1個のマイクロフォンアレイ20を所定の位置に静止したまま、その代表点を中心とする円周上において1個のスピーカ11を移動させる。目標方向設定部101は、スピーカ11の位置をその円周上で所定の各目標方向に移動させるための駆動部を備える。この構成によれば、個々のマイクロフォンアレイ20に応じて目標方向を変更することが容易である。
図4(B)は、複数スピーカ据え置き型の設定例を示す平面図である。複数スピーカ据え置き型では、1個のマイクロフォンアレイ20の代表点から各目標方向に複数(この例では、4個)のスピーカ11−1〜11−4を設置しておく。目標方向設定部101は、スピーカ11−1〜11−4のうち設定される目標方向に設置されたスピーカを検査信号の出力先として順次定める。この構成によれば、目標方向設定部101は、マイクロフォンアレイ20もしくはスピーカ11を移動させるための駆動部を備える必要がない。
図4(C)は、複数マイクロフォンアレイターンテーブル型の設定例を示す平面図である。複数マイクロフォンアレイターンテーブル型では、1個のスピーカ11の周囲に複数(この例では、4個)のマイクロフォンアレイ20−1〜20−4を、それぞれ別個のターンテーブル上に設置しておく。目標方向設定部101は、駆動部としてそれらのターンテーブルを備え、それぞれのターンテーブルの向きが各目標方向となるように、それらの向きを回転させる。そして、検査信号処理部102は、各マイクロフォンアレイ20−1〜20−4からの受信信号を取得する。この構成によれば、複数のマイクロフォンアレイ20−1〜20−4について同時に検査を行うことが可能になる。
図4(D)は、複数マイクロフォンアレイ移動型の設定例を示す平面図である。複数マイクロフォンアレイ移動型では、1個のスピーカ11の周囲に複数のマイクロフォンアレイ20をその向きを維持しながら順次移動させるライン機構に設置しておく。目標方向設定部101は、駆動部としてそのライン機構を備え、それぞれ設置されたマイクロフォンアレイ20からのスピーカ11の向きがいずれかの目標方向となるように、ライン機構を順次移動させる。そして、検査信号処理部102は、各マイクロフォンアレイ20からの受信信号を取得する。この構成によれば、複数のマイクロフォンアレイ20について同時に検査を行うことが可能になる。
図4(E)は、マイクロフォンアレイ縦移動型の設定例を示す側面図である。図4(E)に示す例では、水平面内の1つの方向であるX方向と、水平面に直交する垂直方向であるZ方向が、それぞれ図面の右方、上方に表されている。マイクロフォンアレイ縦移動型では、マイクロフォンアレイ20をベルトコンベアの支持台に設置させ、支持台を垂直方向に移動させることによりマイクロフォンアレイ20からのスピーカ11への目標方向として仰角を変更する。目標方向設定部101は、所定の目標方向としてスピーカ11の仰角を変更するための駆動部として当該ベルトコンベアを備える。この構成によれば、目標方向として仰角方向からの伝達関数について検査することが可能になる。また、ベルトコンベアが、複数の支持台を備え、それぞれの支持台にマイクロフォンアレイ20を設置することで、それぞれの受信信号に基づいてこれら複数のマイクロフォンアレイ20について同時に検査を行うことが可能になる。
図4(F)は、マイクロフォンアレイらせん移動型の設定例を示す側面図である。図4(F)に示す例では、水平面内の1つの方向であるX方向と、水平面内でX方向に直交するY方向が、それぞれ図面の右斜め下、右斜め上に表されている。マイクロフォンアレイらせん移動型では、マイクロフォンアレイ20をスピーカ11の周囲に設置され回転軸の方向が垂直方向(Z方向)であるらせん状の軌道上を移動させるライン機構に設置しておく。目標方向設定部101は、駆動部としてそのライン機構を備え、それぞれ設置されたマイクロフォンアレイ20からのスピーカ11の向きがいずれかの目標方向となるように、ライン機構を順次移動させる。そして、検査信号処理部102は、各マイクロフォンアレイ20からの受信信号を取得する。この構成によれば、目標方向として仰角方向と水平面内の方位角方向の伝達関数に基づいて検査を行うことが可能になる。また、軌道上に複数のマイクロフォンアレイ20を設置することで、それぞれの受信信号に基づいてこれら複数のマイクロフォンアレイ20について同時に検査を行うことが可能になる。
なお、図4(A)、(C)〜(F)に示す例では、駆動部はスピーカ11またはマイクロフォンアレイ20の移動に伴い騒音を発生させる。騒音の混入を防止するために、検査信号処理部102は、マイクロフォンアレイ20が静止しているときに検査信号をスピーカ11に出力し、マイクロフォンアレイ20からの受音信号を取得する。
また、図4(C)〜(F)に示す例では、スピーカ11は、無指向性スピーカであることが望ましい。無指向性スピーカとは、音の放射強度の放射方向による有意差がないスピーカである。そのため、スピーカ11として無指向性スピーカを用いることで誤差要因として放射強度の指向性による影響を低減することができる。
(変形例)
次に、本実施形態に係る変形例について説明する。
図5は、本変形例に係る検査システム1の構成を示すブロック図である。
本変形例に係る検査システム1において、検査装置10は、さらに校正値算出部106を含んで構成される。
校正値算出部106は、各チャネルmの受信信号から得られる伝達関数H[n]m(θ,f)に乗じて、その目標方向θに対応するクラスタdの基準代表伝達関数H’(d,f)との差分量Cを低減させる校正値を算出する。校正値算出部106は、例えば、式(10)に示すように代表伝達関数H(d,f)に対する基準代表伝達関数H’(d,f)の比のクラスタ間平均をチャネルmの校正値F(f)として算出する。式(10)において、<…>は、…のクラスタ間平均を示す。
Figure 0006668139
校正値算出部106は、算出した校正値F(f)を示す校正値情報をマイクロフォンアレイ20に入出力部108を介して出力する。
本変形例において、マイクロフォンアレイ20は、校正部231を備える。校正部231は、検査装置10から入力された構成値情報が示す校正値F(f)を設定する。校正部231は、各チャネルmの受音信号の周波数領域係数に当該チャネルmの校正値F(f)を乗じて得られる周波数特性を有するようにその受音信号を校正する。これにより、校正された受信信号から得られる伝達関数H[n]m(θ,f)と、その目標方向θに対応するクラスタdの基準代表伝達関数H’(d,f)により近似する。
なお、校正値算出部106は、制御変数と目標変数との差分の大きさの指標として差分量Cを減少させるように校正値F(f)を算出してもよい。その場合、校正値算出部106は、例えば、伝達関数H[n]m(θ,f)と校正値F(f)との積を観測変数、その目標方向θに対応するクラスタdの基準代表伝達関数H’(d,f)を目標変数として算出する。この校正値F(f)を算出するために、校正値算出部106は、最小二乗法など、公知の最適化方式を用いることができる。
なお、上述した例では、各チャネルmの校正値F(f)が周波数領域係数で表されている場合を例にしたが、校正値算出部106は、等価な周波数特性を有する時間領域のフィルタ係数として表された校正値を算出してもよい。その場合、校正部231は、各チャネルmの時間領域で表された受音信号を校正する際、算出した時間領域のフィルタ係数を用いて当該受音信号に対して畳み込み演算を行えばよい。
以上に説明したように、本実施形態に係る検査装置10は、所定の目標方向に設置されたスピーカ11からマイクロフォンアレイ20の各マイクロフォン21−1〜21−Mまでの伝達関数を算出する伝達関数算出部103を備える。また、検査装置10は、各マイクロフォン21−1〜21−Mまでの伝達関数と、各マイクロフォン21−1〜21−Mまでの所定の理想的伝達関数との差分量に基づいてマイクロフォンアレイ20が正常であるか否かを判定する判定部105を備える。
この構成により、目標方向に設置されたスピーカ11から各マイクロフォン21−1〜21−Mまでの伝達関数と、各マイクロフォン21−1〜21−Mまでの理想的伝達関数との差分量に基づいてマイクロフォンアレイ20が正常であるか否かが判定される。そのため、マイクロフォンアレイ20を構成するマイクロフォン21−1〜21−Mの相対的な位置関係の良否を定量的に判定することが可能になる。
また、検査装置10は、スピーカ11からの音のマイクロフォン21−1〜21−M間の時間差を目標方向間でクラスタリングし、クラスタリングにより得られるクラスタごとの時間差の代表値に対応する伝達関数を代表伝達関数として定める代表伝達関数決定部104を備える。また、判定部105は、クラスタごとの前記代表伝達関数と前記理想的伝達関数との差分量のクラスタ間代表値に基づいてマイクロフォンアレイ20が正常であるか否かを判定する。
この構成により、目標方向ごとのマイクロフォン21−1〜21−M間の時間差からなるクラスタが形成され、形成されたクラスタごとの時間差の代表値が代表伝達関数として定められる。目標方向に対応する伝達関数が代表伝達関数として定められるので、代表伝達関数の選択において雑音その他の音源の影響や目標方向の設定エラーの影響を回避することができる。また、クラスタごとの代表伝達関数と理想的伝達関数との差分量のクラスタ間代表値は、目標方向間で異なりうる雑音その他の音源の影響や目標方向の設定エラーの影響の度合いを代表する値である。この値に基づいてマイクロフォンアレイ20が正常であるか否かが定量的に判定される。
また、判定部105は、差分量として、代表伝達関数と理想的伝達関数とのユークリッド距離を算出する。
この構成により、代表伝達関数と理想的伝達関数との差分の寄与を周波数ならびにマイクロフォン21−1〜21−M間で累積して差分量が算出される。そのため、マイクロフォン21−1〜21−Mの配置に応じた伝達関数の物理特性に基づいてマイクロフォンアレイ20が正常であるか否かが定量的に判定される。
また、判定部105は、差分量として、代表伝達関数と理想的伝達関数との差分に所定の聴覚重み特性を乗じて重み付きユークリッド距離を算出する。
この構成により、人間の雑音に対する聴覚特性を表す聴覚重み特性で重み付けした差分の寄与を周波数間で累積して差分量が算出される。そのため、マイクロフォン21−1〜21−Mの配置に応じて生ずる受音信号の差分の聴覚特性に基づいてマイクロフォンアレイ20が正常であるか否かが定量的に判定される。
また、判定部105は、差分量として、代表伝達関数と理想的伝達関数との位相差ならびに強度差をそれぞれ所定の重み特性で重み付けして得られる重み付き和の周波数間積分値を算出する。
この構成により、代表伝達関数と理想的伝達関数との物理特性の差分として位相差ならびに強度差をそれぞれの所定の重み特性で重み付けした重み付き和の寄与を周波数間で累積して差分量が算出される。そのため、マイクロフォン21−1〜21−Mの配置に応じて生ずる位相差、強度差のそれぞれについて設定される所定の重み特性に基づいてマイクロフォンアレイ20が正常であるか否かが定量的に判定される。
また、検査装置10は、スピーカ11からの伝達関数と理想的伝達関数との差分量を減少させる校正値を算出する校正値算出部106を備える。
この構成により、算出される校正値を用いてマイクロフォン21−1〜21−Mによる受音信号を校正することで、理想的伝達関数を与えるマイクロフォンアレイによる受音信号に近似する受音信号を取得することができる。また、ユーザによるMチャネル間における受信信号の増幅率、位相などの各種のパラメータの調整に係る煩雑な作業が軽減される。
以上、図面を参照してこの発明の実施形態について説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
例えば、スピーカ11と表示部12の一方または両方は、入出力部108との間で各種の信号を入出力することができれば、検査装置10のその他の構成部と必ずしも一体化されていなくてもよい。
なお、上述した検査装置10の一部、例えば、目標方向設定部101、検査信号処理部102、伝達関数算出部103、代表伝達関数決定部104、判定部105および校正値算出部106をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この制御機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、検査装置10に内蔵されたコンピュータシステムであって、CPU(Central Processing Unit)等の制御機器の他、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
また、上述した実施形態における目標方向設定部101、検査信号処理部102、伝達関数算出部103、代表伝達関数決定部104、判定部105および校正値算出部106の一部、または全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現してもよい。目標方向設定部101、検査信号処理部102、伝達関数算出部103、代表伝達関数決定部104、判定部105および校正値算出部106の各機能ブロックは個別にプロセッサ化してもよいし、一部、または全部を集積してプロセッサ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現してもよい。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いてもよい。
1…検査システム、10…検査装置、11…スピーカ、12…表示部、20…マイクロフォンアレイ、21(21−1〜21−M)…マイクロフォンアレイ、22…支持部、23…出力処理部、101…目標方向設定部、102…検査信号処理部、103…伝達関数算出部、104…代表伝達関数決定部、105…判定部、106…校正値算出部、108…入出力部、109…記憶部、231…校正部

Claims (6)

  1. M個(Mは2以上の整数)のマイクロフォンを備えたマイクロフォンアレイの検査装置であって、
    予め設定されたD通り(Dは2以上の整数)の目標方向のそれぞれに設置された音源から前記マイクロフォンアレイの各マイクロフォンまでの伝達関数を算出する処理を複数回行って、複数セットの目標方向ごとの伝達関数を取得する伝達関数算出部と、
    前記D通りの目標方向のそれぞれについて前記音源から前記各マイクロフォンまでの音の到来時間の時間差を成分とする時間差ベクトルを形成する処理を前記複数回行い、
    前記D通りの目標方向のそれぞれについて、前記複数回のそれぞれについて形成された時間差ベクトルをD個のクラスタにクラスタリングし、
    各クラスタについてクラスタ中心との距離が最も小さい代表時間差ベクトルを特定し、該代表時間差ベクトルに対応する代表伝達関数をマイクロフォンごとに定める代表伝達関数決定部と
    前記代表伝達関数と、前記各マイクロフォンまでの所定の理想的伝達関数との差分量を算出し、前記差分量のクラスタ間の代表値に基づいて前記マイクロフォンアレイが正常であるか否かを判定する判定部と、
    を備える検査装置。
  2. 前記判定部は、前記差分量として、前記代表伝達関数と前記理想的伝達関数とのユークリッド距離を算出する請求項に記載の検査装置。
  3. 前記判定部は、前記差分量として、前記代表伝達関数と前記理想的伝達関数との差分に所定の聴覚重み特性を乗じて重み付きユークリッド距離を算出する請求項に記載の検査装置。
  4. 前記判定部は、前記差分量として、前記代表伝達関数と前記理想的伝達関数との位相差ならびに強度差をそれぞれ所定の重み特性で重み付けして得られる重み付き和の周波数間積分値を算出する請求項に記載の検査装置。
  5. 前記音源からの伝達関数と前記理想的伝達関数との差分量を減少させる校正値を算出する校正値算出部、
    を備える請求項から請求項のいずれか一項に記載の検査装置。
  6. M個(Mは2以上の整数)のマイクロフォンを備えたマイクロフォンアレイの検査方法であって、
    予め設定されたD通り(Dは2以上の整数)の目標方向のそれぞれに設置された音源から前記マイクロフォンアレイの各マイクロフォンまでの伝達関数を算出する処理を複数回行って、複数セットの目標方向ごとの伝達関数を取得する伝達関数算出過程と、
    前記D通りの目標方向のそれぞれについて前記音源から前記各マイクロフォンまでの音の到来時間の時間差を成分とする時間差ベクトルを形成する処理を前記複数回行い、
    前記D通りの目標方向のそれぞれについて、前記複数回のそれぞれについて形成された時間差ベクトルをD個のクラスタにクラスタリングし、
    各クラスタについてクラスタ中心との距離が最も小さい代表時間差ベクトルを特定し、該代表時間差ベクトルに対応する代表伝達関数をマイクロフォンごとに定める代表伝達関数決定過程と
    前記代表伝達関数と、前記各マイクロフォンまでの所定の理想的伝達関数との差分量とを算出し、前記差分量のクラスタ間の代表値に基づいて前記マイクロフォンアレイが正常であるか否かを判定する判定過程と、
    を有する検査方法。
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