JP6668090B2 - 溶接性能を高めるための回路 - Google Patents

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Description

関連出願の相互参照
本願は、2015年2月5日に出願された米国仮特許出願第62/112,405号の優先権および利益を主張する。この特許出願は、その内容全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
本発明の特定の実施形態は、アーク溶接に関する。より詳細には、本発明の特定の実施形態は、溶接品質と同様に、アークの確立および安定を容易にする、改良された溶接ブリッジ回路を提供するためのシステムおよび方法に関する。
交流電流(AC)アーク溶接では、出力電流の極性が変化するとき、電流の瞬時値は、ゼロでなければならない。電流が減少するので、溶接パドルの冷却および金属ガスの還元が可能になり、ゼロ交差後にアークが安定し易く、かつ、確立し易くなる。
低インピーダンスアークを、最初に確立すること、または再度確立することは困難な課題となる場合がある。
従来的な手法、伝統的な手法、提案された手法のさらなる制約および難点は、そのようなシステムおよび方法と、図面を参照して本願の残りの部分に記載されたような本発明の実施形態との比較を通じて、当業者に明らかになるであろう。
本明細書における実施形態は、入力電流を出力電流に変換するように構成された溶接電力変換回路と、複数のスイッチおよび対応する電流経路とを備えるシステムを含むことが可能である。電流経路は、正の極性の電流主経路であって、電極から被加工物までの溶接経路を含む正の極性の電流主経路上の、正の極性の主スイッチと、正の極性の電流補助経路および極性遷移補助経路上の、正の極性の補助スイッチと、負の極性の電流主経路であって、被加工物から電極までの溶接経路を含む負の極性の電流主経路上の、負の極性の主スイッチと、負の極性の電流補助経路および極性遷移補助経路上の、負の極性の補助スイッチと、独立した放電制御電流経路上の、独立した放電制御スイッチとを少なくとも含む。システムは、複数のスイッチのうちの少なくとも1つを切り換えるように構成された制御部と、出力電流の極性変化に呼応して、蓄積されたエネルギーを放電するように構成された重畳素子であって、少なくとも電流が極性遷移補助経路を通って流れるときに、充電を行うように構成された重畳素子とをさらに含む。
本明細書における技法の一実施形態は、溶接電源において入力電流を出力電流に変換するステップと、少なくとも正の極性の電流主経路および負の極性の電流主経路を通して溶接電流方向を切り換えるステップと、少なくとも正の極性の電流補助経路、負の極性の電流補助経路、および極性遷移補助経路を通して補助電流方向を切り換えるステップと、少なくとも極性遷移補助経路を使用して、重畳素子を充電するステップと、出力電流極性の変化に呼応して、正の極性の電流主経路および負の極性の電流主経路のうちの少なくとも1つを通して、独立した放電制御電流経路を通して重畳素子を放電することによって誘起される電圧を誘起するステップとを含む方法を含む。
本発明の別の実施形態は、溶接電源において入力電流を出力電流に変換するための手段と、少なくとも正の極性の電流主経路および負の極性の電流主経路を通して溶接電流方向を切り換えるための手段と、少なくとも正の極性の電流補助経路、負の極性の電流補助経路、および極性遷移補助経路を通して補助電流方向を切り換えるための手段とを備えるシステムを含む。加えて、少なくとも極性遷移補助経路を使用して、重畳素子を充電するための手段と、出力電流極性の変化に呼応して、正の極性の電流主経路および負の極性の電流主経路のうちの少なくとも1つを通して、独立した放電制御電流経路を通して重畳素子を放電することによって誘起される電圧を誘起するための手段と、がある。
本発明の、図示された実施形態の詳細は、以下の記述および図面からより完全に理解されるであろう。
図1は、溶接電極および被加工物に動作可能に接続された溶接電源の例示的な一実施形態の概略的なブロック図を図示する。 図2は、図1の溶接電源の一部分の第1の実施形態の概略図を図示する。 図3Aは、AC溶接出力電流波形を実施する場合の、図2の溶接電源に類似した溶接電源の動作を図示する。 図3Bは、AC溶接出力電流波形を実施する場合の、図2の溶接電源に類似した溶接電源の動作を図示する。 図3Cは、AC溶接出力電流波形を実施する場合の、図2の溶接電源に類似した溶接電源の動作を図示する。 図4Aは、AC溶接出力電流波形を実施する場合の、図2の溶接電源の動作を図示する。 図4Bは、AC溶接出力電流波形を実施する場合の、図2の溶接電源の動作を図示する。 図5Aは、AC溶接出力電流波形を実施する場合の、図2の溶接電源に類似した溶接電源の動作を図示する。 図5Bは、AC溶接出力電流波形を実施する場合の、図2の溶接電源に類似した溶接電源の動作を図示する。 図6は、溶接電源の一部分の代替的な実施形態の概略図を図示する。 図7Aは、AC溶接出力電流波形を実施する場合の、図6の溶接電源の動作を図示する。 図7Bは、AC溶接出力電流波形を実施する場合の、図6の溶接電源の動作を図示する。 図7Cは、AC溶接出力電流波形を実施する場合の、図6の溶接電源の動作を図示する。 図8は、溶接電源の一部分の代替的な実施形態の概略図を図示する。 図9Aは、AC溶接出力電流波形を実施する場合の、図8の溶接電源の動作を図示する。 図9Bは、AC溶接出力電流波形を実施する場合の、図8の溶接電源の動作を図示する。 図9Cは、AC溶接出力電流波形を実施する場合の、図8の溶接電源の動作を図示する。 図10は、溶接電源の一部分の代替的な実施形態の概略図を図示する。 図11Aは、AC溶接出力電流波形を実施する場合の、図10の溶接電源の動作を図示する。 図11Bは、AC溶接出力電流波形を実施する場合の、図10の溶接電源の動作を図示する。 図11Cは、AC溶接出力電流波形を実施する場合の、図10の溶接電源の動作を図示する。
上述したように、アークを確立し、その品質を維持することは、一部の環境では、困難な課題となる場合がある。例えば、アークは、最初に望まない方向または角度で被加工物に飛び出す場合があり、その結果生じる高インピーダンスアークは、一般的な溶接電源が持ちこたえるのに必要な、低インピーダンス状態に再び集束するためのエネルギーを必要とする。この瞬時エネルギーを送達することができないと、溶接プロセスが低品質になるか、または、非効率になる可能性がある。
低電流アーク溶接と関連するプラズマ柱は、不安定になる傾向があり、望ましくないアークの停止につながる可能性がある。加えて、AC溶接プロセスのために、ゼロ遷移の間に、アーク電流は停止し、方向を変える。溶接を取り囲むアークプラズマおよびガスの状態に応じて、アークを再点火してもよいし、しなくてもよい。本発明のいくつかの実施形態は、高エネルギーの定電流源を設けてアークプラズマを安定化させるのに有意な量のインダクタンスで、適切に制御された電流を供給する低電流アーク調整回路を含む。極性変化の間に、アーク電流は、反対の極性に進む前にゼロに減衰する。この極性遷移の間に、アークからの電流およびアーク調整回路からの電流はいずれも、高電圧スナバ回路へと流れる。いくつかの実施形態では、極性変化の際、またはその前後に、不動作時間(偶発的な、または意図的なアーク停止期間)が存在する場合がある。いずれの場合も、スナバ回路によって加えられた高電圧が、アークエネルギーのすべてを急速に使い果たす。しかしながら、アーク調整回路のエネルギーのごく一部分だけが使い果たされる。溶接回路インダクタンスのエネルギーが使い果たされると、溶接出力は、極性を反転させることができる。アーク再点火電圧は、アーク調整回路のインダクタに蓄積されたエネルギーによって供給され、高電圧スナバ回路によって制限される。不動作時間を有する、いくつかの実施形態では、不動作時間により、電流がアークを通って戻ることができないので、重畳素子が充電を行う。意図的に不動作時間を設けて、重畳素子の充電を促進してアークを再点火するのに使用する、いくつかの実施形態では、不動作時間を制限して、再確立の妨げとなる溶接パドルの過度の冷却を防止しなければならない。ひとたびアークが再度確立されると、アーク調整回路からの電流は、再びアークに転じ、電圧は、アークを維持するのに必要な電圧に再び下落する。
したがって、本明細書に開示される発明は、一部の実施形態では、アークを確立または再確立するためのエネルギーを急増させる重畳回路を、1つ以上含むだけでなく、アークの安定性を維持するための安定経路および/またはバックグラウンド経路を、1つ以上含む溶接回路に関する。(例えば、1つ以上のキャパシタを含むが、これに限定されない)重畳素子を、回路内の様々な位置に配置することが可能である。以下ではキャパシタが詳細に説明されているが、他の回路素子を利用して、同様の効果を達成してもよいことが理解される。また、この開示は、同様の機能を達成するためのそのような変形例を、すべて包含することを意図するものである。
いくつかの実施形態では、重畳素子は、バックグラウンド/安定器回路または素子に蓄積されたエネルギーを使い果たさずに、重畳素子が最低電圧(例えば、再点火しきい値)に充電を行うようなサイズになっている。重畳素子はまた、低インピーダンスアークプラズマを再確立するのに十分なエネルギーを蓄積することが可能な大きさでなければならない。アーク再点火に必要な電圧は、プロセスによって変わる。一例をあげると、多大な労力を要する、(例えば、100%アルゴンガスを用いて負から正に遷移させる)タングステン不活性ガス(TIG:tungsten inert gas)アークであっても、例えば300Vで、ムラなく再点火することができるので、再点火電圧として識別することができる。代替的な実施形態では、再点火は、同様の、もしくは異なるアークにおいて150V、100V、または100V未満で達成可能である。
低インピーダンスプラズマアークを確立するのに必要なエネルギーの量は、主として負荷に依存する。最初に、負荷インダクタンス(例えば、チョーク、ケーブル、HF変圧器など)およびキャパシタンス(例えば、バイパスキャパシタンス、浮遊キャパシタンスなど)は、エネルギーのかなりの部分を吸収する。いくつかの実施形態では、重畳素子に蓄積された残りのエネルギーは、低インピーダンスアークを確立することが十分可能な大きさのピーク電流を駆動するのに、十分な量である。いくつかの実施形態では、この値は、例えば、30〜100アンペアの間である。
本開示は、明細書および特許請求の範囲全体にわたって使用され得る用語の様々な明示的、かつ、暗示的な定義を含む。すべての用語の単数形および複数形はいずれも、それぞれの専門用語の範囲内に該当する。
本明細書で使用する場合、「ソフトウェア」または「コンピュータプログラム」は、コンピュータまたは他の電子デバイスに、所望のやり方で機能、作用、および/または挙動を実行させる、1つ以上のコンピュータ読み取り可能および/または実行可能な指令を含むが、これらに限定されるものではない。指令は、動的にリンクされたライブラリとは別個のアプリケーションまたはコードを含むルーチン、アルゴリズム、モジュールまたはプログラムなどの様々な形態で具体化することができる。ソフトウェアはまた、スタンドアローン型プログラム、関数呼び出し、サーブレット、アプレット、アプリケーション、メモリに記憶された指令、オペレーティングシステムの一部、または他のタイプの実行可能な指令、などの様々な形態で実施することができる。当業者は、ソフトウェアの形態は、例えば、所望のアプリケーションの要件、動作環境、および/またはデザイナー/プログラマーの要望などに依存することを理解するであろう。
本明細書で使用する場合、「コンピュータ」、「要素プロセッサ」、または「コンピュータ装置」は、データを記憶、検索、および処理することができる、任意のプログラムされた、またはプログラム可能な電子デバイスを含むが、これらに限定されるものではない。「非一時的なコンピュータ読み取り可能媒体」は、CD−ROM、リムーバブルフラッシュメモリカード、ハードディスクドライブ、磁気テープ、およびフロッピーディスクを含むが、これらに限定されるものではない。
本明細書で使用する場合、「溶接ツール」は、溶接電源によって供給される電力を溶接電極へ印加する目的で、消耗溶接電極または非消耗溶接電極を受け入れる溶接ガン、溶接トーチ、または任意の溶接装置のことを指すが、これらに限定されるものではない。
本明細書で使用する場合、「溶接出力回路経路」は、溶接電源の溶接出力の第1の側から、第1の溶接ケーブル(または溶接ケーブルの第1の側)を通って溶接電極へ至り、(短絡、または溶接電極と被加工物との間のアークのいずれかを通して)被加工物へ至り、第2の溶接ケーブル(または溶接ケーブルの第2の側)を通って、溶接電源の溶接出力の第2の側へ戻る、電気経路を指す。以下に、図面に関して、他の回路経路を定義し、記述することにする。
本明細書で使用する場合、「溶接ケーブル」は、溶接電源と溶接電極の間、および溶接電源と被加工物との間を(例えば、溶接ワイヤ送給装置を通して)接続して、溶接電極と被加工物との間にアークを生み出すための電力を供給することが可能な電気ケーブルを指す。
本明細書で使用する場合、「溶接出力」は、溶接電源の電気出力回路、または出力ポート、または端子を指すか、溶接電源の電気出力回路または出力ポートによって供給される電力、電圧、または電流を指すか、または、溶接電源の出力に接続された負荷を指す場合もある。
本明細書で使用する場合、「コンピュータメモリ」は、コンピュータまたは要素プロセッサによって検索することが可能なデジタルデータまたは情報を記憶するように構成された記憶装置を指す。
本明細書で使用する場合、「制御部」は、論理回路、および/または要素プロセッサ、および溶接電源を制御することに関与する、関連するソフトウェアまたはプログラムを指す。
用語「信号」、「データ」、および「情報」は、本明細書において交換可能に使用されてもよいし、デジタルの形態、またはアナログの形態であってもよい。
用語「AC溶接」は、本明細書中で包括的に使用され、実際のAC溶接を指す場合もある。特許請求の範囲では、「AC溶接」を、交流電流を用いる溶接を指すのに特に使用することにする。しかしながら、本明細書の説明において、「AC溶接」と言う場合に、正負両方の極性におけるDC溶接、可変極性溶接、および他の混合溶接プロセスといったような、代替の選択肢を除外、または禁止することを意図していない。この点に関して、本開示は、相応して包含される代替的な実施形態を除外し、かつ、分離するのではなく、包括し、かつ、結合するものとして解釈されるべきである。しかしながら、上述したように、明示的に主張されている場合には、AC溶接、正のDC溶接、負のDC溶接、可変極性溶接、および/または、他の混合溶接プロセスは、列挙された技法のみであるとして解釈されるべきである。
本明細書における、重畳構成の「デュアル充電」構成は、2つの極性変化の間に、重畳素子の充電を行うが、1つの極性変化の間には、重畳素子の放電だけを行って、アークを再確立し易くする。構成および機能を説明する目的で、これを「デュアル充電、単一放電」あるいは「フルサイクル充電、半サイクル放電」と呼んでもまたよい。
「デュアル充電」重畳構成のいくつかの実施形態では、重畳素子は、バックグラウンド電流源およびバックグラウンドインダクタの両端に直接接続することが可能である。そのような実施形態では、インダクタが、両極性間の不動作時間の間に重畳素子を充電し、重畳素子は次に、ブリッジがいずれかの極性で再びONの状態になると、負荷に蓄積されたエネルギーを放出する。そのような実施形態では、このサイクルが各極性変化ごとに生じる。さらなる実施形態では、エネルギーの蓄積を、低いバックグラウンド電流レベルに制限してもよい。そのような制限は、例えば、サイクルとインダクタ電流との間の許容可能な不動作時間によって、生じ得る。簡単に言えば、不動作時間が増えることにより、重畳素子(例えばキャパシタ)にさらに多くの充電を行うことが可能になるが、同時に、溶接パドルを、不動作時間の後にアークの再確立を妨げる程度まで冷却するおそれがある。
不動作時間によるエネルギー制限を回避する、さらなる実施形態では、重畳素子が、いずれの半サイクル時にも充電を行うが、負から正への遷移時には、エネルギーの放出のみを行う。これは、一部の構成では、負から正への遷移の方が、正から負への遷移よりも再確立するのが難しい場合があるからである。単一のサイクルで放出する技法を用いたデュアルサイクル充電は、重畳素子に蓄積されたエネルギーが放電されるたびに、重畳素子を再充電するための2つの不動作時間期間が存在するので、サイクル当たりの充電に必要な不動作時間を最小に抑える一方で、蓄積されたエネルギーを最大にする。一部の実施形態では、バックグラウンドインダクタのエネルギーは、重畳素子の放電がなく、あまり労力を要しない正から負への遷移に対して十分に電圧が供給されているので、正から負への遷移におけるアークは、バックグラウンドインダクタのエネルギーを用いて再点火され、負から正への遷移におけるアークは、サイクル全体にわたって、2つの充電事象の間ずっと、キャパシタに蓄積されたエネルギーを用いて、少なくとも部分的に再点火される。
そのような構成は、複数の方法で実現可能である。一実施形態では、重畳素子の上部が、正母線(ダイオードのアノードではなくカソード)に直接再接続されている。この方法によって、正のスイッチがONの状態になると、重畳素子が放電を行う。少なくとも1つの実施形態では、正のスイッチがONであるときに、重畳素子が放電のみを行うが、代替的な実施形態が可能である。この方法および本願出願人の代替的な「デュアル充電」方法はいずれも、いくつかの実施形態では、キャパシタが放電された後、キャパシタを通るフリーホイール経路を生成することができる。フリーホイール経路は、一部の状況では、アークに送達されるバックグラウンド電流に悪影響を及ぼす可能性がある。そのような懸念は、追加のスイッチを利用して、キャパシタから直接アークまで、専用のエネルギー放電経路を設けることで克服することができる。その後、スイッチは、キャパシタが放電した後ただちにOFFの状態になり、(例えば、意図しないフリーホイール電流経路による)負荷に対するバックグラウンド電流の損失または転送を防ぐことができる。そのような構成のさらなる利益は、重畳素子が、正のサイクルの残りの期間の間にアーク電圧に充電を行うことにより、所望の再点火電圧レベル(例えば、蓄積されたエネルギー)に達するのに必要な、不動作時間の長さを短縮するということである。
本明細書におけるいくつかの実施形態は、代替電流経路を利用することができる。代替電流経路は、トポロジーに依存して変えることができる。いくつかの実施形態では、代替電流経路は、(例えば、主電源溶接電流経路を含む)出力ブリッジ回路を通って経路設定してもよいし、経路設定しなくてもよい。フルブリッジ出力の実施形態については、溶接(出力)ブリッジおよびバックグラウンド(代替)経路はいずれも、1つ以上(必ずではないが、最大ですべて)の同一のブリッジのスイッチを共有する。ハーフブリッジ出力を利用する実施形態については、代替経路は、溶接ブリッジスイッチを溶接出力と共有するが、第2のスイッチのセットを利用して、反転経路を完成してもよい。混合ブリッジの実施形態では、ハーフブリッジ出力が、電源溶接電流に使用され、別個のフルブリッジが、バックグラウンド経路/代替経路として利用される。混合ブリッジの実施形態は、負荷を通してただ1つだけの共有経路を含んでもよい。
一部の実施形態では、本明細書における構成が、単極性の電流源とともに代替経路に使用される。いくつかの実施形態では、これは、フルブリッジ経路をさらに利用して、バックグラウンド電流の極性を変更する。(例えば、図2におけるように)バックグラウンドを供給するバイポーラ電流源を有することが可能である。主電力溶接電源もまた、バイポーラ出力を有すると仮定して、電源(溶接電源およびバックグラウンド電源)はいずれも、ただ1つの共有ハーフブリッジ出力を必要とするだけでよい。
本明細書におけるいくつかの態様は、少なくとも溶接出力電流を供給するように構成された電源と、出力電流における極性の変更に基づいて、溶接出力経路と、極性遷移経路との間の出力電流の電流経路を切り換えるように構成された出力ブリッジ回路と、極性遷移経路の少なくとも一部分を含む代替極性遷移回路であって、出力電流の極性遷移の間に、溶接アークを安定させるのに十分な電圧を、電極と、溶接出力経路の被加工物との間に誘起するように構成された並列の極性遷移回路と、出力電流の極性遷移の間に、アークを再点火および集束させるのに十分な電圧を、電極と、被加工物との間に供給するように構成された、1つ以上の重畳素子とを備える溶接装置を含むことができる。
少なくとも1つの実施形態では、電源が、デュアル極性出力を供給する。少なくとも1つの実施形態では、出力ブリッジ回路が、ハーフブリッジトポロジーである。少なくとも1つの実施形態では、電源が、単一の極性出力を供給する。少なくとも1つの実施形態では、出力ブリッジ回路が、フルブリッジトポロジーである。少なくとも1つの実施形態では、各極性遷移における不動作時間の間に、代替極性遷移回路が、1つ以上の重畳素子のうちの少なくとも1つを充電する。少なくとも1つの実施形態では、不動作時間が既定されている。少なくとも1つの実施形態では、各極性遷移が、ゼロ交差遷移である。少なくとも1つの実施形態では、代替極性遷移回路が、アークの再確立を促進する。少なくとも1つの実施形態では、代替極性遷移回路が、バックグラウンド電流値まで、アークの再確立を促進する。
少なくとも1つの実施形態では、各ゼロ交差において、1つ以上の重畳素子のうちの少なくとも1つが、充電を行う。少なくとも1つの実施形態では、不動作時間の間に、1つ以上の重畳素子のうちの少なくとも1つが、充電を行う。少なくとも1つの実施形態では、溶接電流減衰の間に、1つ以上の重畳素子のうちの少なくとも1つが、出力溶接(ケーブルインダクタンス)電流エネルギーを吸収する。少なくとも1つの実施形態では、再確立段階の間に、1つ以上の重畳素子のうちの少なくとも1つが、制御された放電を行う。少なくとも1つの実施形態では、負から正への遷移の間に、1つ以上の重畳素子のうちの少なくとも1つが、制御された放電を行う。少なくとも1つの実施形態では、1つ以上の重畳素子のうちの少なくとも1つが、必要な不動作時間を最小限にし、かつ、エネルギーの蓄積を最大限にするデュアル充電、単一放電技法を利用する。
図面を参照すると、図1は、溶接電極Eおよび被加工物Wに動作可能に接続された溶接電源100の例示的な一実施形態の概略ブロック図を図示する。溶接電源100は、溶接電極Eと被加工物Wとの間の溶接出力電力を供給する電力変換回路110を含む。電源100は、共通/接地部に対して単一の極性出力を供給する電源を含む任意の電源とすることが可能であり、あるいは、共通/接地部に対してデュアル極性出力を供給する電源を含む任意の電源とすることも同様に可能である。任意選択のワイヤ送給装置5が、被加工物Wの方に消耗ワイヤ溶接電極Eを送給してもよい。あるいは、GTAWプロセスにおけるように、電極Eは、非消耗電極であってもよい。また、ワイヤ送給装置5は使用しなくてもよいし、あるいは、被加工物Wの方に溶接ワイヤを供給するために使用してもよい。ワイヤ送給装置5、消耗溶接電極E、および被加工物Wは、溶接電源100の一部ではなく、溶接出力ケーブルを介して溶接電源100に動作可能に接続することができる。
溶接電源100は、波形生成部120および制御部130をさらに含む。波形生成部120は、制御部130の命令で溶接波形を生成する。波形生成部120によって生成された波形により、電力変換回路110の出力が変調され、電極Eと被加工物Wとの間の溶接出力電流を生成する。
溶接電源100は、溶接出力電圧および電極Eと被加工物Wとの間の電流を監視し、監視された電圧および電流を制御部130に戻すために、電圧帰還回路140および電流帰還回路150をさらに含んでもよい。制御部130によって帰還電圧および帰還電流を使用して、波形生成部120により生成された溶接波形の修正に関する決定、および/または、例えば、溶接電源100の安全な動作に影響を及ぼす他の決定を行ってもよい。
溶接電源100は、電流切換回路180を含むこともまた可能である。いくつかの実施形態では、電流切換回路が、電力変換回路110に動作可能に接続されたブリッジ回路であって、制御部130の命令で溶接電源100の溶接出力に動作可能に接続された低インピーダンスの溶接出力回路経路(電極Eおよび被加工物Wを含む)を通る出力電流の方向を切り換えるように構成されたブリッジ回路を含むことが可能である。アーク調整回路は、ブリッジ回路に動作可能に接続され、ローエンドの溶接を安定化し、(例えば、出力電流の極性遷移の間にアークを再点火するのに十分である、溶接出力回路経路の電極Eと被加工物Wとの間の電圧を誘起することにより)電流の極性の遷移がほぼゼロになるのを補助するように、適切に調整された低い値の電流供給を提供するように構成されている。このようなブリッジ回路およびアーク調整回路の詳細な例および動作を、本明細書において詳しく後述する。
図2は、電流切換回路180に、ブリッジ回路160およびバイポーラアーク調整回路170を有する、図1の溶接電源100の一部分の例示的な一実施形態の概略図を図示する。図2にまた図示されているのは、電力変換回路110の一部分210であり、ここでは、電力変換回路110は、センタータップまたはハーフブリッジのトポロジー(例えば、インバータベース回路)である。図2の電流切換回路180は、ハーフブリッジトポロジーの形態であり、ここでは、電力変換回路110が、共通の経路を共有するように構成されたデュアル出力電流経路を提供することにより、各出力経路が共有経路内の反対の極性の流れを誘起することが可能になっている。
ブリッジ回路160は、切換トランジスタ211および212を含む。アーク調整回路170は、切換トランジスタ213および214、インダクタ215、定電流源216、ダイオード217〜220、そして任意選択で、重畳キャパシタ221、を含む。一実施形態によれば、切換トランジスタは、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT:insulated gate bipolar transistor)である。しかしながら、他の実施形態によれば、他のタイプの切換トランジスタ(例えば、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ、すなわちMOSFET:metal−oxide semiconductor field effect transistor)を用いることも同様に可能である。一実施形態によれば、定電流源は、(例えば、2アンペア〜10アンペアの間で)調節可能であってもよい。ダイオード182およびキャパシタ183を有するアクティブスナバ回路181を用いて、電流切換回路180の両端の電圧を(例えば、300V〜600Vの間のどこかに)制限して、出力回路経路を通る出力電流を急速に減衰させて、アーク再点火電圧レベルを制限するか、または結合するようにする。切換トランジスタ211および212の逆並列ダイオードは、スナバ/減衰電流を運ぶ。(例えば、アーク調整回路170のトランジスタの両端で短絡させることによる)インダクタの予備充電が、インダクタが、エネルギーを蓄積し、かつ、(溶接プロセスの開始時には)初期アーク点火機能を、または(ゼロ交差時には)アーク再点火機能を、よりすみやかに実行できる状況にあるように、所望される場合がある。
アーク調整回路170の、任意選択の重畳キャパシタ221を用いて、極性切り換えの間にゼロ電流を通して適度のオーバーシュートを提供してもよい。キャパシタ221は、ブリッジの不動作時間の間にアーク調整回路のインダクタからのエネルギーを蓄積することができる。アークが反対の極性で再確立されたときに、定電流源およびインダクタによって供給される電流に加えて、追加のブーストまたはオーバーシュートを提供しながら、エネルギーを放出してもよい。
本明細書において、図3A〜図3Cに関して説明するように、図2の電流切換回路180は、AC溶接動作を提供し、溶接プロセスの極性反転中に、電極Eと被加工物Wとの間に、溶接アークを再確立するのに十分な大きさの溶接電源の溶接出力における電圧を誘起する。溶接出力端子191および192が示され、溶接ケーブル経路を通して電極Eおよび被加工物Wが接続可能な、溶接電源の溶接出力を表している。
一実施形態によれば、インダクタ215は、約10〜100ミリヘンリーの(通常、溶接出力回路経路の総インダクタンスよりもはるかに大きい)インダクタンス値を有する。また、定電流源216は、2アンペア〜10アンペアの範囲の定電流を供給する。定電流源216は、例えば、チョッパー降圧調整器、または単純な電圧源と抵抗器など、いくつかの異なるタイプのいずれかであってもよい。インダクタは、出力電流の切り換え方向(極性反転/切換)によりアークが消えた後、ただちに、迅速かつ確実にアークを再点火するのに十分に大きな電圧を、電極と被加工物との間に誘起する間、比較的安定した電流を供給するサイズになっている。ゼロ電流交差(極性反転/切換)の間、電流がゼロに達するとアークは消滅し、アーク調整回路170のインダクタ215からのエネルギーにより誘起された高電圧(例えば、200〜400VDC)を用いて、アークを反対の極性で再確立する。インダクタ215は、流れる電流を維持し、スナバ回路181によって設定された制限値(例えば、400VDC)まで上昇するように高電圧を誘起する。インダクタ215は、切換トランジスタ211および212と連動した、切換トランジスタ213および214の状態によって(すなわち、いずれかの方向からゼロ電流点と交差するときに)決まるいずれかの極性で、高電圧レベルを誘起することができる。
一実施形態によれば、アーク調整回路における切換トランジスタおよびダイオードは、バックグラウンド電流(例えば、2〜10アンペア未満)だけを運び、ブリッジ回路の切換トランジスタが共有されて、アーク調整回路のフルブリッジ経路を完成する。アーク調整回路におけるダイオードは、電源電流、およびアーク調整回路の脚部によって形成された意図しないフリーホイール電流経路の両方をブロックする。アーク調整回路における切換トランジスタを用いて、(ブリッジ回路がOFFの状態で)スナバ回路のキャパシタを予備充電するのに使用可能な、単純なブースト電源を形成してもよい。同様に、アーク調整回路における切換トランジスタを用いて、アーク調整回路のインダクタを予備充電してもよい。一実施形態によれば、(アーク電圧と、電流源用の電圧源との間の差電圧が50Vであると仮定すると)100ミリヘンリーのインダクタを約20ミリ秒で10アンペアまで充電することができる。したがって、DCでGTAWプロセス(または任意の他のプロセス)を開始し、安定させるまでの時間は、いかなる追加の手段も用いずにアーク調整回路のインダクタを予備充電するのに十分すぎる時間でなければならない。
図3A〜図3Cは、AC溶接出力電流波形を実施する場合の、図2の溶接電源に類似した(すなわち、212のない)溶接電源の動作を図示する。なお、ここでは(そして本開示全体にわたってその他の箇所おいて)、AC溶接出力電流波形は、単純な方形波形として記述されているが、より複雑な波形を含む他の波形が、本明細書の説明に従って包含され得ることが理解される。図3A〜図3Cに示される負荷230は、抵抗、および電極Eと被加工物Wとの間のアークのインダクタンス、ならびに電極Eおよび被加工物Wを溶接電源に接続している溶接ケーブル経路(すなわち、溶接出力回路経路)を表している。しかしながら、電極E、被加工物W、および溶接ケーブル経路は、溶接電源の一部ではない。
図3Aの上方部分を参照すると、溶接電源によって生成されるAC波形300の正の電流の一部分(波形300の太線部参照)の間、電流は、主に、電力変換回路210から流れて、ブリッジ回路160の切換トランジスタ211を通り、(正の方向に)負荷230を通り、共通の経路を通って、電力変換回路210に戻る(太線矢印参照)。また、アーク調整回路170によって供給される低く調整された電流は、定電流源216から流れて、(インダクタにエネルギーを蓄積しながら)インダクタ215を通り、ダイオード217を通り、ブリッジ回路160の切換トランジスタ211を通り、(正の方向に)負荷230を通り、ダイオード219およびアーク調整回路170の切換トランジスタ214を通って、定電流源216に戻る(細線矢印参照)。
図3Aの下方部分を参照すると、AC波形300の正の電流の減衰部分(波形300の太線部を参照)の間、負荷230は、電源として効果的に作用し、流れる電流を維持しようとする。電流は、負荷230から流れて、電流が完全に減衰するまで、(フリーホイールに)電力変換回路210を通り、アクティブスナバ回路181を通り、ブリッジ回路160の切換トランジスタ212の逆並列ダイオードを通って、(正の方向に)負荷230に戻る(太線矢印参照)。また、アーク調整回路170によって供給される低く調整された電流は、定電流源216から流れて、(インダクタにエネルギーを蓄積しながら)インダクタ215を通り、ダイオード217を通り、スナバ回路181を通り、アーク調整回路170のダイオード220を通って、定電流源216に戻る(細線矢印参照)。負荷230を通る電流が完全に減衰した場合であっても、記述したように、アーク調整回路170からの電流は流れ続ける。
電流減衰の間、ブリッジ回路160は極性を変える。しかしながら、アーク電流が依然として正である限り、インダクタ215が、スナバ回路181によって生み出された高電圧経路を通してブリードオフする。アーク調整回路170は、2〜10アンペアの電流をスナバ回路181に供給する。負荷を通る電流がゼロに向かって低下すると、アークが消滅し、アーク調整回路は、負荷の両端に高電圧を印加してアークを反対の極性で再点火する。
図3Bを参照すると、AC波形300の極性遷移部分(波形300の太線部参照)の間、有意な電流は、電力変換回路210によって供給されない。電極Eと被加工物Wとの間のアークは短時間で消滅する。しかしながら、インダクタ215に蓄積されたエネルギーは、電極Eと被加工物Wとの間のアーク点火電圧を誘起する。電力変換回路からの電流は、負荷を通って、反対の方向に流れを再開することができる。アーク電流は、急速に再確立して、溶接出力電流のあらゆるアンダーシュートまたはオーバーシュートが、インダクタ215によって制御される。アーク調整回路がなければ、電力変換回路が、アークを再確立しようとするであろう。しかしながら、電力変換回路によって供給される電圧は通常、(例えば、100VDCに)制限されているので、アークが再確立されない場合がある。アーク調整回路170のインダクタ215からのエネルギーが放出されると、電流は、インダクタ215から流れて、切換トランジスタ213を通り、ダイオード218を通り、(負の方向に)負荷230を通り、ブリッジ回路160の切換トランジスタ212を通り、ダイオード220を通り、定電流源216を通って、インダクタ215に戻る(矢印参照)。その結果、電極Eと被加工物Wとの間のアークを、負の方向に急速に再点火して、電圧を、電源が電流を供給するのに十分に低いレベルに整定する。
図3Cの上方部分を参照すると、溶接電源によって生成されるAC波形300の負の電流の一部分(波形300の太線部参照)の間に、電流は、主に電力変換回路210から流れて、(負の方向に)負荷230を通り、ブリッジ回路160の切換トランジスタ212を通って、電力変換回路210に戻る(太線矢印参照)。また、アーク調整回路170によって供給される低く調整された電流は、定電流源216から流れて、(インダクタにエネルギーを蓄積しながら)インダクタ215を通り、切換トランジスタ213を通り、ダイオード218を通り、(負の方向に)負荷230を通り、ブリッジ回路160の切換トランジスタ212を通り、アーク調整回路170のダイオード220を通って、定電流源216に戻る(細線矢印参照)。
図3Cの下方部分を参照すると、AC波形300の負の電流の減衰部分(波形300の太線部参照)の間、負荷230は、電源として効果的に作用し、流れる電流を維持しようとする。電流は、負荷230から流れて、ブリッジ回路160の切換トランジスタ211の逆並列ダイオードを通り、アクティブスナバ回路181を通り、(フリーホイールに)電力変換回路210を通って、負荷230に戻る(太線矢印参照)。また、アーク調整回路170によって供給される低く調整された電流は、定電流源216から流れて、(インダクタにエネルギーを蓄積しながら)インダクタ215を通り、ダイオード217を通り、スナバ回路181を通り、アーク調整回路170のダイオード220を通って、定電流源216に戻る(細線矢印参照)。負荷230を通る電流が完全に減衰した場合であっても、記述したように、アーク調整回路170からの電流は流れ続ける。
遷移を、波形300の正の一部分に戻す(すなわち、波形が繰り返す)と同時に、図3Bのやり方と同様のやり方で、インダクタ215は、蓄積したエネルギーを、負荷を通して(ただし正の方向に)ダイオード217、切換トランジスタ211、ダイオード219、切換トランジスタ214、および定電流源216を介して放出し、電極Eと被加工物Wとの間のアークを正の方向に急速に再点火させる。アーク調整回路170は、適切に調整された低い電流値を、電源によって供給された溶接出力電流に連続的に加えて、電力変換回路によって供給された電流が、ゼロに向かって低減するにつれて、アークを安定化させ、かつ、アークを反対の極性で、ただちに再点火する。
図4Aおよび図4Bは、重畳キャパシタ221を使用する、異なる動作パラメータによる図2の溶接電源の動作を図示する。図2では重畳キャパシタ221が示されているが、このような重畳キャパシタは、いくつかの実施形態では任意選択として表示されているので、図3A〜図3Cに図示された態様には含まれていない。
図4Aは、最初に、電流出力波形400の正の部分を示している。キャパシタ充電波形490がその下に示され、電流出力波形400に対応している。この期間の間、正の極性の電流主経路412を使用して、電流が、負荷を通って電極から被加工物(正の極性)まで流れる。同時に、電流は、正の極性の電流補助経路414を通って流れ、バックグラウンド電流で出力電流を補いながら、正の部分の始まりにおいて、アークを再確立し易くする。図4Aは、ダイオード217、スイッチ211、および負荷を通して重畳キャパシタ221を放電し、次に、ダイオード219およびスイッチ214を通して戻る結果として生じる、負から正への遷移の直後の、正の側のオーバーシュートもまた示している。
図4Aは、その後に、電流出力波形400に図示された正から負への極性遷移もまた図示している。図4Aおよび図4Bでは、不動作時間452が図示されており、それは、以前に確立されたアークの極性と反対の極性で流れる出力電流によりアークが再確立される前の、アークを通って流れる電流がない期間である。不動作時間になるまで電流が減衰している間、出力電流が、正から負への遷移主経路422を通って流れる。極性遷移および不動作時間での切り換えにより、電流は、遷移電流補助経路424を通ってもまた流れ、重畳キャパシタ221を充電する。これは、キャパシタ充電波形490の充電側492に示され、図示されるように不動作時間452に対応する継続期間を有する。代替的な実施形態では、充電側492と関連する期間は、長くしたり、または、短くしたりしてもよい。
図4Bは、正の部分および極性遷移の後の電流出力波形400の負の部分を示すことにより始まる。負の部分は、当初オーバーシュート454を含んでいる。オーバーシュート454は、負の極性でアークを再確立し易くするために用いられる、重畳キャパシタ221の放電に対応する。これは、キャパシタ電圧が、その充電されていないレベルに戻ったとき、キャパシタ充電波形490の放電側494によって示される。電流出力波形400の負の部分の間に、負の電流主経路432を使用して、電流が、負荷を通って被加工物から電極(負の極性)まで流れる。同時に、電流は、負の電流補助経路434を通って流れ、バックグラウンド電流で出力電流を補いながら、負の部分の始まりにおいて、アークを再確立し易くする。
図4Bは、その後に、電流出力波形400に図示された負から正への極性遷移もまた示している。再び、不動作時間452が図示されており、それは、以前に確立されたアークの極性と反対の極性で流れる出力電流によりアークが再確立される前の、アークを通って流れる電流がない期間である。不動作時間452になるまで電流が減衰している間、出力電流が、負から正への遷移主経路442を通って流れる。極性遷移および不動作時間での切り換えにより、電流は、遷移電流補助経路424を通ってもまた流れ、重畳キャパシタ221を充電する。これは、キャパシタ充電波形490の充電側492に再び示され、図示されるように不動作時間452に対応する継続期間を有する。代替的な実施形態では、充電側492と関連する期間は、長くしたり、または、短くしたりしてもよい。
溶接動作の継続期間中に、必要に応じてサイクルを繰り返して、正の極性と負の極性との間を変更することが可能である。例えば、図4Aおよび図4Bに図示されたサイクルは、デュアル充電、デュアル放電構成の一例である。デュアル充電、デュアル放電構成では、キャパシタが、半サイクルごとに(サイクルの両方の極性変化の間の不動作時間にわたって)充電し、(両方の極性においてアークの再確立を補助しながら)半サイクルごとに放電する。
図5Aおよび図5Bは、図4の構成に類似した構成を図示する。この構成では、切り換えが生じて、キャパシタが、半サイクルごとに充電を行うが、(ただ1つだけの極性に遷移するときに、アークの再確立を補助しながら)フルサイクル1つにつき一度だけ放電する、デュアル充電、単一放電構成を容易にする。一実施形態では、出力極性が負から正に遷移しているときにのみ、重畳キャパシタ221が放電を行う。充電および放電は、例えば、電源210の作動と同様に、スイッチ211、212、213および214によっても調整することが可能である。エネルギーは、電圧の2乗に相関するので、フル極性サイクル1つにつき一度だけ放電を行うことにより、重畳キャパシタ221が充電を行う不動作時間を最小限に抑えながらアークを再確立するのに、著しく大きな利点がもたらされる。上述したように、不動作時間を短縮することにより、アークの安定性および品質を阻害するおそれがある、溶接パドルの過度の冷却を防ぐ。
図5Aおよび図5Bは、図2の構成に類似しているが、同一ではない構成を示す。具体的には、図5Aおよび図5Bの構成では、キャパシタ221が、正のレールに直接接続されている。この点に関して、図5Aは、出力電流波形500の正の部分の確立および継続期間を最初に示している。負の出力極性から正の出力極性への遷移の間の、重畳キャパシタ221の放電による正の部分の始まりにおいて、オーバーシュート554が示されている。図からわかるように、重畳キャパシタ221は、正から負への遷移の間に充電を行うが、放電は行わないので、(後述する)負の部分にはオーバーシュートは存在しない。キャパシタ電圧波形590は、ひとたび出力電流が正の極性において(任意の不動作時間の後に)ゼロを超えて増大すれば、重畳キャパシタ221の電圧は、0(または別のバックグラウンドレベル)まで降下することを示している。出力電流波形500の正の部分の間に、出力電流は、正の極性の電流主経路512および正の極性の電流補助経路514を通って流れる。
図5Aは、不動作時間552を含む出力電流波形500における、正の極性と負の極性との間の極性遷移もまた示す。少なくとも不動作時間552の間、重畳キャパシタ221が、電流が遷移電流補助経路524を通って流れる間に充電を行うとき、不動作時間552の間、充電側592が、キャパシタ電圧波形590においてはっきりとわかる。電流は、正から負への極性遷移の間に(例えば、主溶接電流が減衰するとき)、正から負への遷移主経路522通ってもまた流れる。
図5Bは、出力電流波形500の負の部分の確立および継続期間を示す。示されるように、スイッチ211、212、213および214のON/OFF設定により、重畳キャパシタ221の充電の後に続いた放電がないので、オーバーシュートは存在しない。キャパシタ電圧波形590は、非アクティブ期間594を通じて安定したままである。電流は、負の電流主経路532および負の電流補助経路534を通って流れる。
図5Bは、不動作時間552を含む出力電流波形500における、正の極性と負の極性との間の極性遷移もまた示す。少なくとも不動作時間552の間、重畳キャパシタ221が、電流が遷移電流補助経路524を通って流れる間に2度目の充電を行うとき、不動作時間552の間、第2の充電側596が、キャパシタ電圧波形590においてはっきりとわかる。電流は、正から負への極性遷移の間に(例えば、主溶接電流が減衰するとき)、負から正への遷移主経路542を通ってもまた流れる。不動作時間552の後に続いて、図5Aに示されるように、サイクルが繰り返す。
図6は、独立した放電制御経路620を追加することによって、図2〜図5Bの回路に改良を加えている。独立した放電制御経路620は、独立した放電制御スイッチ622を含むことで、意図しないフリーホイール電流経路を防止しているが、いくつかの実施形態では、独立した放電制御スイッチ622を含まないことも可能である。独立した放電制御経路620は、放電ダイオード623もまた含む。
図6は、電流の流れの経路を制御する様々なスイッチもまた含む。描かれた他の素子に加えて、図6は、正の極性の主スイッチ211、負の極性の主スイッチ212、正の極性の補助スイッチ214、および負の極性の補助スイッチ213を含んでいる。
図6の回路は、図7A、図7Bおよび図7Cに示されるような、デュアル充電、単一放電の構成において実施することが可能である。
図7Aは、出力電流波形700の正の極性部分を示す。この部分の間、正の極性の主スイッチ211および正の極性の補助スイッチ214は、いずれもONである。一方、負の極性の主スイッチ212および負の極性の補助スイッチ213は、OFFである。これにより、溶接電流が、正の極性の電流主経路712を通って流れるようにするとともに、電流が、正の極性の電流補助経路714を通ってもまた流れるようにする。キャパシタ電圧波形790は、重畳キャパシタ221の蓄積を、ゼロまたはバックグラウンドから増加させる軽微な電圧の増加を示しているが、いくつかの実施形態では、正の部分の少なくとも一部分の間は、安定している。
図7Aは、正から負への出力電流極性遷移もまた示す。遷移の間、電流は、正の極性の主スイッチ211および正の極性の補助スイッチ214のOFFへの切り換え、ならびに負の極性の主スイッチ212および負の極性の補助スイッチ213のONへの切り換えに基づいて、正から負への電流遷移経路722を通って流れる。正から負への電流遷移経路722は、アクティブスナバ回路181を含んでいる。電流はまた、(限定するものではないが)少なくとも不動作時間752の間に、キャパシタ電圧波形790の充電側792によって表示されるような重畳キャパシタ221を充電しながら、遷移電流補助経路724も通って流れる。重畳キャパシタ221の放電は、この正から負への極性遷移時には生じない。
図7Bは、出力電流波形700の負の極性部分を示す。負の極性部分の間、負の極性の主スイッチ212および負の極性の補助スイッチ213は、ONのままであり、正の極性の主スイッチ211および正の極性の補助スイッチ214は、OFFのままである。電流は、負の電流主経路732だけでなく、負の電流補助経路734も通って流れる。重畳キャパシタ221に蓄積された電圧は、非アクティブ期間794の間、一定のままである。
図7Bは、負の極性と正の極性との間の遷移もまた示す。これは、少なくとも部分的に、正の極性の主スイッチ211および正の極性の補助スイッチ214のONへの切り換え、ならびに負の極性の主スイッチ212および負の極性の補助スイッチ213のOFFへの切り換えによって生じる。電流は、アクティブスナバ回路181を通って減衰しながら、負の極性の電流主経路742を通って流れる。電流は、(必ずしもそれだけではないが)少なくとも不動作時間752の間に、遷移電流補助経路724を通ってもまた流れる。これは、第2の充電側796によって示されるように、不動作時間752の後にアークを再点灯させるために利用可能なエネルギーを増大させながら、重畳キャパシタ221を2度目に充電する。図示されるように、第2の充電側796は、不動作時間752の長さに対応するが、様々な実施形態では、そのような期間は、互いに長くしたり、または、短くしたりしてもよい。
図7Cは、正の極性におけるアークの再確立を示す。アークは、キャパシタ電圧波形790の放電側798に示されるような、重畳キャパシタ221の放電を通して再確立され、このとき、キャパシタ電圧は、ゼロ(またはバックグラウンド)まで降下する。この放電は、出力電流波形700に示されるオーバーシュート754に対応する。この放電は、出力電流および(存在する場合には)バックグラウンド電流を補って、負から正への極性遷移に続く不動作時間752の後にアークを再確立し易くする。電流は、正の極性の電流主経路712および正の極性の電流補助経路714を通って流れる。
図8は、ブリッジ回路160およびバイポーラアーク調整回路170を有する、図1の溶接電源100の一部分の一実施形態の概略図を図示する。図8にまた図示されているのは、電力変換回路110がDC+出力を供給する(例えば、チョッパーベースの回路)、電力変換回路110の一部分810である。図8の電流切換回路180は、フルブリッジトポロジーの形態である。フルブリッジトポロジーは、ほとんどどのような電源トポロジーとも使用することが可能で、融通性および既設計の電源に追加する可能性を提供する。図8は、共有H−ブリッジ切換トポロジーを提供し、その結果として、向上した低電流調整およびアーク再点火性能を提供することが可能な実施態様が得られる。
ブリッジ回路160は、フルH−ブリッジ構成を形成している、切換トランジスタ811、812、813および814を含む。アーク調整回路170は、インダクタ815と、定電流源816と、ダイオード817と、任意選択で、予備充電切換トランジスタ818とを含む。一実施形態によれば、切換トランジスタは、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)である。しかしながら、他の実施形態によれば、他のタイプの切換トランジスタ(例えば、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ、すなわちMOSFET)を用いることも同様に可能である。ダイオード882およびキャパシタ883を有するアクティブスナバ回路881を用いて、電流切換回路180の両端の電圧を(例えば、300V〜600Vの間のどこかに)制限して、出力回路経路を通る出力電流を急速に減衰させて、アーク再点火電圧を制限するか、または結合するようにする。切換トランジスタ811〜814の逆並列ダイオードは、スナバ/減衰電流を運ぶ。アーク調整回路170の、任意選択の予備充電切換トランジスタ818を用いて、インダクタ815をエネルギーで予備充電してもよい。予備充電切換トランジスタ818がONになると、インダクタからの電流は、予備充電切換トランジスタを通って流れる。再び、代替的な選択肢として、予備充電を、切換トランジスタの両端で短絡させることによって実行してもよい。インダクタの予備充電は、インダクタがエネルギーを蓄積し、(溶接プロセスの開始時には)初期アーク点火機能、または(ゼロ交差時には)アーク再点火機能を、よりすみやかに実行できる状況にあることが望まれる場合がある。
図8の電流切換回路180は、AC溶接動作を提供し、溶接プロセスの極性反転の間に、電極Eと被加工物Wとの間に、溶接アークを再確立するのに十分な大きさである溶接電源の溶接出力での電圧を誘起する。溶接出力端子191および192が示されており、電極Eおよび被加工物Wが溶接ケーブル経路を通して接続することが可能な、溶接電源の溶接出力を表している。
一実施形態によれば、インダクタ815は、約10〜100ミリヘンリーのインダクタンス値を有し、定電流源816は、2アンペア〜10アンペアの範囲の定電流を供給する。定電流源816は、例えば、チョッパー降圧調整器、または単純な電圧源と抵抗器など、いくつかの異なるタイプのいずれかであってもよい。インダクタは、出力電流の切り換え方向(極性反転/切換)によりアークが消えた後、ただちに、迅速かつ確実にアークを再点火するのに十分に大きな電圧を、電極と被加工物との間に誘起する間、比較的安定した電流を供給するサイズになっている。
ゼロ電流交差(極性反転/切換)の間、アークは消滅し、アーク調整回路170のインダクタからのエネルギーにより誘起された高電圧を用いて、反対の極性でアークを再確立する。インダクタは、流れる電流を維持し、スナバ回路881によって設定された制限値(例えば、400VDC)まで上昇するように高電圧を誘起する。インダクタは、切換トランジスタの状態によって(例えば、いずれかの方向からゼロ電流点と交差するときなどに)決定される、いずれかの極性で高電圧レベルを誘起する。
図8は、重畳キャパシタ821と、独立した放電制御スイッチ822と、放電ダイオード823とを含む、独立した放電制御経路820を有する回路の代替的な実施形態もまた示す。このように、図示されたトポロジーで重畳キャパシタを設けて、アークを再確立し易くすることができるとともに、意図しないフリーホイール電流を回避することができる。
図9A〜図9Cは、図8の回路の電流の流れ図を図示する。図9Aは、不動作時間、重畳素子の充電、および正から負への極性変化につながっている、正の極性のパルスおよび正の極性の減衰段階を示す。図9Bは、図示された回路の動作の負の極性のパルス電流部分を図示する。最後に、図9Cは、図示された回路の動作の負の減衰および重畳放電期間を図示する。スイッチのON/OFF設定が、それぞれの図示においてはっきりとわかる。簡潔にするために、それぞれの態様は、他の図に関して上述した詳細について記述しないが、本発明の範囲または趣旨から逸脱せずに、本明細書中の他の用語を使用して、この代替的な実施形態について記述することが可能である。
図10は、ブリッジ回路160およびバイポーラアーク調整回路170を有する、図1の溶接電源100の一部分の第2の例示的な実施形態の概略図を図示する。図10にまた図示されているのは、電力変換回路110が、センタータップまたはハーフブリッジトポロジー(例えば、インバータベースの回路)である、電力変換回路110の一部分210である。図10の電流切換回路180は、ハーフブリッジトポロジーの形態である。ハーフブリッジトポロジーでは、電力変換回路110が、共通の経路を共有するように構成されたデュアル出力電流経路を提供し、その結果、各出力経路が共有経路に反対の極性の流れを誘起することが可能になっている。図10の溶接電源部分の動作は、図2のそれと同様である。しかしながら、図10は、4つの切換トランジスタを有するフルブリッジアーク調整回路170を提供し、その結果として、向上した低電流調整および図2の構成を上回るアーク点火性能を提供することが可能な、やや高度な実施態様が得られる。
ブリッジ回路160は、切換トランジスタ1011および1012を含む。アーク調整回路170は、切換トランジスタ1013、1014、1015および1016と、インダクタ1017と、定電流源1018と、ダイオード1019と、任意選択で、予備充電切換トランジスタ1020とを含む。一実施形態によれば、切換トランジスタは、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)である。しかしながら、他の実施形態によれば、他のタイプの切換トランジスタ(例えば、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ、すなわちMOSFET)を用いることも同様に可能である。ダイオード1082およびキャパシタ1083を有するアクティブスナバ回路1081を用いて、電流切換回路180の両端の電圧を(例えば、300V〜600Vの間のどこかに)制限して、出力回路経路を通る出力電流を急速に減衰させて、アーク再点火電圧レベルを結合するか、または制限するようにする。切換トランジスタ1011および1012の逆並列ダイオードは、スナバ/減衰電流を運ぶ。アーク調整回路170の、任意選択の予備充電切換トランジスタ1020を用いて、インダクタ1017をエネルギーで予備充電してもよい。予備充電切換トランジスタ1020がONになると、インダクタ1017からの電流は、予備充電切換トランジスタ1020を通って流れる。代替的な選択肢として、インダクタの予備充電は、アーク調整回路170のトランジスタの両端(例えば、1013および1014、または1015および1016)で短絡させることによって達成することができる。インダクタの予備充電は、インダクタがエネルギーを蓄積し、(溶接プロセスの開始時には)初期アーク点火機能、または(ゼロ交差時には)アーク再点火機能を、よりすみやかに実行できる状況にあることが望まれる場合がある。
図10の電流切換回路180は、AC溶接動作を提供し、溶接プロセスの極性反転の間に、電極Eと被加工物Wとの間に、溶接アークを再確立するのに十分な大きさである溶接電源の溶接出力での電圧を誘起する。溶接出力端子191および192が示されており、電極Eおよび被加工物Wが溶接ケーブル経路を通して接続することが可能な、溶接電源の溶接出力を表している。
一実施形態によれば、インダクタ1017は、約10〜100ミリヘンリーのインダクタンス値を有し、定電流源1018は、2アンペア〜10アンペアの範囲の定電流を供給する。定電流源1018は、例えば、チョッパー降圧調整器、または単純な電圧源と抵抗器など、いくつかの異なるタイプのいずれかであってもよい。インダクタは、出力電流の切り換え方向(極性反転/切換)によりアークが消えた後、ただちに、迅速かつ確実にアークを再点火するのに十分に大きな電圧を、電極と被加工物との間に誘起する間、比較的安定した電流を供給するサイズになっている。
ゼロ電流交差(極性反転/切換)の間、アークは消滅し、アーク調整回路170のインダクタ1017からのエネルギーにより誘起された高電圧を用いて、反対の極性でアークを再確立する。インダクタ1017は、流れる電流を維持し、スナバ回路1081によって設定された制限値(例えば、400VDC)まで上昇するように高電圧を誘起する。インダクタ1017は、切換トランジスタの状態によって(例えば、いずれかの方向からゼロ電流点と交差するときなどに)決定される、いずれかの極性で高電圧レベルを誘起する。
図10は、重畳キャパシタ1031と、独立した放電制御スイッチ1032と、放電ダイオード1033とを含む、独立した放電制御経路1030を有する回路の代替的な実施形態もまた示す。このように、図示されたトポロジーで重畳キャパシタを設けて、アークを再確立し易くすることができるとともに、意図しないフリーホイール電流を回避することができる。
図11A〜図11Cは、図8の回路の電流の流れ図を図示する。図11Aは、不動作時間、重畳素子の充電、および正から負への極性変化につながっている、正の極性のパルスおよび正の極性の減衰段階を示す。図11Bは、図示された回路の動作の負の極性のパルス電流部分を図示する。最後に、図11Cは、図示された回路の動作の負の減衰および重畳放電期間を図示する。スイッチのON/OFF設定が、それぞれの図示においてはっきりとわかる。簡潔にするために、それぞれの態様は、他の図に関して上述した詳細について記述しないが、本発明の範囲または趣旨から逸脱せずに、本明細書中の他の用語を使用して、この代替的な実施形態について記述することが可能である。
したがって、本明細書における実施形態は、入力電流を出力電流に変換するように構成された溶接電力変換回路と、複数のスイッチおよび対応する電流経路を備えるシステムを含むことが可能である。電流経路は、正の極性の電流主経路であって、電極から被加工物までの溶接経路を含む正の極性の電流主経路上の、正の極性の主スイッチと、正の極性の電流補助経路および極性遷移補助経路上の、正の極性の補助スイッチと、負の極性の電流主経路であって、被加工物から電極までの溶接経路を含む負の極性の電流主経路上の、負の極性の主スイッチと、負の極性の電流補助経路および極性遷移補助経路上の、負の極性の補助スイッチと、独立した放電制御電流経路上の、独立した放電制御スイッチとを少なくとも含む。システムは、複数のスイッチのうちの少なくとも1つを切り換えるように構成された制御部と、出力電流の極性変化に呼応して、蓄積されたエネルギーを放電するように構成された重畳素子であって、少なくとも電流が極性遷移補助経路を通って流れるときに、充電を行うように構成された重畳素子とをさらに含む。
本明細書におけるさらなる態様は、正の極性の電流主経路および負の極性の電流主経路が、共通のアクティブスナバ回路を含む、同様のシステムを含むことが可能である。いくつかの実施形態では、共通のアクティブスナバ回路が、少なくとも、ダイオードと、キャパシタとを含む。
本明細書におけるさらなる態様は、正の極性の電流補助経路、負の極性の電流補助経路、および極性遷移補助経路のすべてが、インダクタを含む、同様のシステムを含むことが可能である。代替的な実施形態または補足的な実施形態では、重畳素子が、少なくとも極性変化と関連する不動作時間の間に、充電を行う。
本明細書におけるさらなる態様は、重畳素子が、正の極性部分および負の極性部分の両方を含む極性サイクル1つにつき一度放電を行う、同様のシステムを含むことが可能である。代替的な実施形態または補足的な実施形態では、重畳素子が呼応して放電を行う極性変化が、出力電流極性の負から正への変化である。
本明細書におけるさらなる態様は、重畳素子が、独立した放電制御経路に放電する、同様のシステムを含むことが可能である。
本明細書における実施形態は、溶接電源において入力電流を出力電流に変換するステップと、少なくとも正の極性の電流主経路および負の極性の電流主経路を通して溶接電流方向を切り換えるステップと、少なくとも正の極性の電流補助経路、負の極性の電流補助経路、および極性遷移補助経路を通して補助電流方向を切り換えるステップと、少なくとも極性遷移補助経路を使用して、重畳素子を充電するステップと、出力電流極性の変化に呼応して、正の極性の電流主経路および負の極性の電流主経路のうちの少なくとも1つを通して、独立した放電制御電流経路を通して重畳素子を放電することによって誘起される電圧を誘起するステップとを含む方法をさらに含むことが可能である。
本明細書におけるさらなる態様は、正の極性の電流主経路および負の極性の電流主経路が、共通のアクティブスナバ回路を含む、同様の方法を含むことが可能である。代替的な実施形態または補足的な実施形態では、共通のアクティブスナバ回路が、少なくともダイオードと、キャパシタとを含む。
本明細書におけるさらなる態様は、正の極性の電流補助経路、負の極性の電流補助経路、および極性遷移補助経路のすべてがインダクタを含む、同様の方法を含むことができる。さらなる実施形態では、重畳素子が、少なくとも極性変化と関連する不動作時間の間に、充電を行う。代替的なさらなる実施形態では、重畳素子が、正の極性部分および負の極性部分の両方を含む極性サイクル1つにつき一度放電を行う。さらなる態様では、重畳素子が呼応して放電を行う極性変化が、出力電流極性の負から正への変化である。別の代替的な構成では、重畳素子が、独立した放電制御経路に放電する。
本明細書における実施形態は、溶接電源において入力電流を出力電流に変換するための手段と、少なくとも正の極性の電流主経路および負の極性の電流主経路を通して溶接電流方向を切り換えるための手段と、少なくとも正の極性の電流補助経路、負の極性の電流補助経路、および極性遷移補助経路を通して補助電流方向を切り換えるための手段とを備えるシステムをさらに含む。加えて、少なくとも極性遷移補助経路を使用して、重畳素子を充電するための手段と、出力電流極性の変化に呼応して、正の極性の電流主経路および負の極性の電流主経路のうちの少なくとも1つを通して、独立した放電制御電流経路を通して重畳素子を放電することによって誘起される電圧を誘起するための手段と、がある。
本明細書におけるさらなる態様は、重畳素子が、少なくとも極性変化と関連する不動作時間の間に、充電を行う、同様のシステムを含むことが可能である。代替的な実施形態または補足的な実施形態では、重畳素子が、正の極性部分および負の極性部分の両方を含む極性サイクル1つにつき一度放電を行う。別のさらなる実施形態では、重畳素子が呼応して放電を行う極性変化が、出力電流極性の負から正への変化である。
添付した特許請求の範囲において、「含む(including)」および「有する(having)」という用語は、「含む、備える(comprising)」という用語と等価の平易な言葉として用いられている。「ここで(in which)」という用語は、「ここで(wherein)」と等価である。さらに、添付した特許請求の範囲において、「第1の(first)」、「第2の(second)」、「第3の(third)」、「上方(upper)」、「下方(lower)」、「下部(bottom)」、「上部(top)」などの用語は、単にラベルとして用いられており、その対象に数字的または位置的な要件を課すことを意図していない。さらに、添付した特許請求の範囲の限定は、means−plus−function形式において記述されておらず、そのような特許請求の範囲の限定が、「〜のための手段(means for)」の後にさらなる構造のない機能の記述が続く成句を明示的に用いない限り、かつ、そのような成句を明示的に用いるまで、米国特許法第112条第6項に基づき解釈されることを意図していない。本明細書で使用される場合、単数形において引用され、かつ、不定冠詞「a」または「an」が先行する要素またはステップは、そのような除外が明示的に記述されない限り、複数の前記要素またはステップを除外しないと解釈されるべきである。さらに、本発明の「一実施形態」と言う場合に、引用される特徴を同様に組み込んだ追加的な実施形態の存在を除外するものとして解釈されることを意図するものではない。また、逆のことが明示的に記述されない限り、特定の特性を有する1つの要素または複数の要素を「含む、備える(comprising)」、「含む(including)」、または「有する(having)」している実施形態は、その特性を有していない追加的なそのような要素を含み得る。また、同等の、または類似した要素を有するものとして特定の実施形態を示し得るが、これは例示の目的のためであるに過ぎず、そのような実施形態は、特許請求の範囲で指定されない限り、必ずしも同一の要素を有する必要はない。
本明細書で使用する場合、「〜得る(may)」および「〜得る(may be)」という用語は、一連の状況における発生、特定の特性、特徴、または機能を保有する可能性を示し、かつ/または、修飾される動詞と関連する能力、容量、または可能性のうちの1つ以上を表現することによって別の動詞を修飾する。したがって、「〜得る(may)」および「〜得る(may be)」の使用は、一部の状況においては、修飾される用語が、適切でなく、可能でなく、または適していないことがあり得ることを考慮しながら、修飾される用語が、表示される能力、機能、または使用に、明らかに適切である、可能である、または適していることを示す。例えば、一部の状況では、ある事象または能力を予期し得るが、他の状況では、その事象または能力は起こり得ない−この区別は「〜得る(may)」および「〜得る(may be)」という用語によって表現される。
この書面の記述は、最良の形態を含めて本発明を開示するために、ならびに当業者が、あらゆる装置またはシステムを作製し、かつ、使用すること、ならびにあらゆる組み込まれる方法を実行することを含めて、本発明を実施することを可能にするために、実施例を用いる。本発明の特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者が想到し得る他の実施例を含み得る。そのような他の実施例が、特許請求の範囲の文言と異ならない構造的要素を有する場合、またはそれらが特許請求の範囲の文言と実質的に異ならない等価な構造的要素を含む場合には、それらは特許請求の範囲内にあることを意図している。
特定の実施形態を参照して本願の請求される主題を記述してきたが、当業者は、請求される主題の範囲から逸脱することなく、様々の変更を行い得ること、ならびに等価物に置き換え得ることを理解するであろう。加えて、請求される主題の範囲から逸脱することなく、多くの変更を行って、特定の状況または材料を、請求される主題の教示に適合させることができる。したがって、請求される主題は、開示された特定の実施形態に限定されるのではなく、請求される主題は、添付した特許請求の範囲内に含まれるすべての実施形態を含むことを意図している。
本明細書において説明した実施形態は、上記で説明したシステムおよび方法に関連しているが、これらの実施形態は、例示を目的としており、これらの実施形態の適用可能性を、本明細書に記載された説明だけに限定することを意図していない。本明細書において説明したシステムおよび方法を、上記で説明した発明の趣旨または範囲から逸脱することなく、アーク溶接、レーザー溶接、ろう付け、はんだ付け、プラズマ切断、ウォータージェット切断、レーザー切断、および、類似した制御法を用いる任意の他のシステムまたは方法に関するシステムおよび方法に、等しく適用可能であり、かつ、利用してもよい。当業者は、本明細書の実施形態および説明を、これらのシステムおよび方法の任意のいずれかに容易に組み入れることが可能である。限定するのではなく例として、本明細書で使用する場合、電源(例えば、とりわけ溶接電源)は、とりわけ、溶接、アーク溶接、レーザー溶接、ろう付け、はんだ付け、プラズマ切断、ウォータージェット切断、レーザー切断を行なう装置のための電源とすることができる。したがって、妥当な工学技術および判断のいずれかによって、本発明の実施形態の意図された有効範囲から逸脱して、溶接電源以外の電源を選択することができる。
5 ワイヤ送給装置
100 溶接電源
110 電力変換回路
120 波形生成部
130 制御部
140 電圧帰還回路
150 電流帰還回路
160 ブリッジ回路
170 アーク調整回路
180 電流切換回路
181 アクティブスナバ回路
182 ダイオード
183 キャパシタ
191、192 溶接出力端子
210 電力変換回路
211、212、213、214 切換トランジスタ
215 インダクタ
216 定電流源
217、218、219、220 ダイオード
221 重畳キャパシタ
230 負荷
300 AC波形
400 電流出力波形
412 電流主経路
414 電流補助経路
422 遷移主経路
424 遷移電流補助経路
432 電流主経路
434 電流補助経路
442 遷移主経路
452 不動作時間
454 オーバーシュート
490 キャパシタ充電波形
492 充電側
494 放電側
500 出力電流波形
512 電流主経路
514 電流補助経路
522 遷移主経路
524 遷移電流補助経路
532 電流主経路
534 電流補助経路
542 遷移主経路
552 不動作時間
554 オーバーシュート
590 キャパシタ電圧波形
592 充電側
594 非アクティブ期間
596 第2の充電側
620 放電制御経路
622 放電制御スイッチ
623 放電ダイオード
700 出力電流波形
712 電流主経路
714 電流補助経路
722 電流遷移経路
724 遷移電流補助経路
732 電流主経路
734 電流補助経路
742 電流主経路
752 不動作時間
754 オーバーシュート
790 キャパシタ電圧波形
792 充電側
794 非アクティブ期間
796 第2の充電側
798 放電側
810 一部分
811、812、813、814 切換トランジスタ
815 インダクタ
816 定電流源
817 ダイオード
818 予備充電切換トランジスタ
820 放電制御経路
821 重畳キャパシタ
822 放電制御スイッチ
823 放電ダイオード
881 アクティブスナバ回路
882 ダイオード
883 キャパシタ
1011、1012 切換トランジスタ
1013、1014、1015、1016 切換トランジスタ
1017 インダクタ
1018 定電流源
1019 ダイオード
1020 予備充電切換トランジスタ
1030 放電制御経路
1031 重畳キャパシタ
1032 放電制御スイッチ
1033 放電ダイオード
1081 アクティブスナバ回路
1082 ダイオード
1083 キャパシタ
E 溶接電極
W 被加工物

Claims (9)

  1. システムにおいて、
    入力電流を出力電流に変換するように構成された溶接電力変換回路と、
    複数のスイッチおよび対応する電流経路であって、
    正の極性の電流主経路であって、電極から被加工物までの溶接経路を含む正の極性の電流主経路上の、正の極性の主スイッチと、
    正の極性の電流補助経路および遷移電流補助経路上にある、正の極性の複数の補助スイッチと、
    負の極性の電流主経路であって、前記被加工物から前記電極までの前記溶接経路を含む負の極性の電流主経路上の、負の極性の主スイッチと、
    負の極性の電流補助経路および前記遷移電流補助経路上にある、負の極性の複数の補助スイッチであって、前記正の極性の複数の補助スイッチと当該負の極性の複数の補助スイッチとがフルブリッジアーク調整回路を形成する負の極性の複数の補助スイッチと、
    独立した放電制御電流経路上の、独立した放電制御スイッチと、
    を少なくとも含む複数のスイッチおよび対応する電流経路と、
    前記複数のスイッチのうちの少なくとも1つを切り換えるように構成された制御部と、
    前記出力電流の極性変化に呼応して、蓄積されたエネルギーを前記フルブリッジアーク調整回路に放電するように構成された重畳素子であって、少なくとも電流が前記遷移電流補助経路を通って流れるときに、充電を行うように構成された重畳素子と、
    を備え、
    前記独立した放電制御スイッチが、前記独立した放電制御電流経路を通して前記溶接経路へ前記蓄積されたエネルギーを放電することを制御できるように、前記重畳素子に接続され、
    前記重畳素子が、前記出力電流の極性変化に呼応して、正の極性部分および負の極性部分の両方を含む極性サイクル1つにつき1回または2回放電を行うことを特徴とするシステム。
  2. 請求項1に記載のシステムにおいて、前記正の極性の電流補助経路、前記負の極性の電流補助経路、および前記遷移電流補助経路のすべてが、インダクタを含むことを特徴とするシステム。
  3. 請求項1に記載のシステムにおいて、前記重畳素子が、少なくとも前記極性変化と関連する不動作時間の間に、充電を行うことを特徴とするシステム。
  4. 請求項1に記載のシステムにおいて、前記重畳素子が、独立した放電制御経路に放電することを特徴とするシステム。
  5. 方法において、
    溶接電源において入力電流を出力電流に変換するステップと、
    少なくとも正の極性の電流主経路および負の極性の電流主経路を通して溶接電流方向を切り換えるステップと、
    少なくとも正の極性の電流補助経路、負の極性の電流補助経路、および遷移電流補助経路を通して補助電流方向を切り換えるステップであって、前記正の極性の電流補助経路および負の極性の電流補助経路がフルブリッジアーク調整回路によって形成されるものであるステップと、
    少なくとも前記遷移電流補助経路を使用して、重畳素子を充電するステップと、
    出力電流極性の変化に呼応して、前記正の極性の電流主経路および前記負の極性の電流主経路のうちの少なくとも1つを通して、独立した放電制御電流経路を通して前記重畳素子を放電することによって誘起される電圧を誘起するステップと、
    を含み、
    前記重畳素子が、前記出力電流極性の変化に呼応して、正の極性部分および負の極性部分の両方を含む極性サイクル1つにつき1回または2回、前記フルブリッジアーク調整回路へ放電を行うことを特徴とする方法。
  6. 請求項5に記載の方法において、前記正の極性の電流補助経路、前記負の極性の電流補助経路、および前記遷移電流補助経路のすべてがインダクタを含むことを特徴とする方法。
  7. 請求項5に記載の方法において、前記重畳素子が、少なくとも前記極性の変化と関連する不動作時間の間に、充電を行うことを特徴とする方法。
  8. 請求項5に記載の方法において、前記重畳素子が、独立した放電制御経路に放電することを特徴とする方法。
  9. システムにおいて、
    溶接電源において入力電流を出力電流に変換するための手段と、
    少なくとも正の極性の電流主経路および負の極性の電流主経路を通して溶接電流方向を切り換えるための手段と、
    少なくとも正の極性の電流補助経路、負の極性の電流補助経路、および遷移電流補助経路を通して補助電流方向を切り換えるための手段であって、前記正の極性の電流補助経路および負の極性の電流補助経路がフルブリッジアーク調整回路によって形成される補助電流方向を切り換えるための手段と、
    少なくとも前記遷移電流補助経路を使用して、重畳素子を充電するための手段と、
    出力電流極性の変化に呼応して、前記正の極性の電流主経路および前記負の極性の電流主経路のうちの少なくとも1つを通して、独立した放電制御電流経路を通して前記重畳素子を放電することによって誘起される電圧を誘起するための手段と、
    を備え、
    前記重畳素子が、前記出力電流極性の変化に呼応して、正の極性部分および負の極性部分の両方を含む極性サイクル1つにつき1回または2回、前記フルブリッジアーク調整回路へ放電を行うことを特徴とするシステム。
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