JP6667806B2 - 甲状腺刺激ホルモンレセプター抗体アイソタイプ測定を用いたバセドウ病の病態診断キット及びバセドウ病の病態の診断方法 - Google Patents
甲状腺刺激ホルモンレセプター抗体アイソタイプ測定を用いたバセドウ病の病態診断キット及びバセドウ病の病態の診断方法 Download PDFInfo
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Description
バセドウ病を診断するための診断キットであって、
甲状腺刺激ホルモンレセプター抗体に結合する標識化抗IgM抗体と、
上記甲状腺刺激ホルモンレセプター抗体に結合する標識化抗IgG抗体と、を有し、
上記甲状腺刺激ホルモンレセプター抗体に対する上記抗IgM抗体の結合量と上記抗IgG抗体の結合量の比をバセドウ病の病態指標として示す、診断キットが提供される。
TRAbへの抗IgG抗体の結合量に対する抗IgM抗体の結合量の比の値(M/G値)が、健常者におけるM/G値よりも有意に上昇していることが後述する実施例において実証されている。従って、この診断キットを用いることで、バセドウ病の診断が可能となる。
バセドウ病の病態指標の検出方法であって、
(a) 被験体である哺乳動物の体液試料中の甲状腺刺激ホルモンレセプター抗体を、上記甲状腺刺激ホルモンレセプター抗体に結合する標識化抗IgM抗体を用いて検出する検出工程と、
(b) 上記甲状腺刺激ホルモンレセプター抗体を、上記甲状腺刺激ホルモンレセプター抗体に結合する標識化抗IgG抗体を用いて検出する検出工程と、
(c) 上記標識化抗IgM抗体と上記甲状腺刺激ホルモンレセプター抗体との結合量を測定する測定工程と、
(d) 上記標識化抗IgG抗体と上記甲状腺刺激ホルモンレセプター抗体との結合量を測定する測定工程と、
(e) 上記標識化抗IgG抗体に関する上記結合量と上記標識化抗IgM抗体に関する上記結合量の比を算出する算出工程と、を有する、検出方法が提供される。
TRAbへの抗IgG抗体の結合量に対する抗IgM抗体の結合量の比の値(M/G値)が、健常者におけるM/G値よりも有意に上昇していることが後述する実施例において実証されている。従って、この検出方法を用いることで、バセドウ病の病態指標の検出が可能となる。
以下、本発明の実施形態について、詳しく説明する。なお、同様な内容については繰り返しの煩雑をさけるために、摘示説明を省略する。
本発明の本実施形態によれば、
バセドウ病を診断するための診断キットであって、
甲状腺刺激ホルモンレセプター抗体に結合する標識化抗IgM抗体と、
上記甲状腺刺激ホルモンレセプター抗体に結合する標識化抗IgG抗体と、を有し、
上記甲状腺刺激ホルモンレセプター抗体に対する上記抗IgM抗体の結合量と上記抗IgG抗体の結合量の比をバセドウ病の病態指標として示す、診断キットが提供される。
本発明の本実施形態によれば、
バセドウ病の病態指標の検出方法であって、
(a) 被験体である哺乳動物の体液試料中の甲状腺刺激ホルモンレセプター抗体を、上記甲状腺刺激ホルモンレセプター抗体に結合する標識化抗IgM抗体を用いて検出する検出工程と、
(b) 上記甲状腺刺激ホルモンレセプター抗体を、上記甲状腺刺激ホルモンレセプター抗体に結合する標識化抗IgG抗体を用いて検出する検出工程と、
(c) 上記標識化抗IgM抗体と上記甲状腺刺激ホルモンレセプター抗体との結合量を測定する測定工程と、
(d) 上記標識化抗IgG抗体と上記甲状腺刺激ホルモンレセプター抗体との結合量を測定する測定工程と、
(e) 上記標識化抗IgG抗体に関する上記結合量と上記標識化抗IgM抗体に関する上記結合量の比を算出する算出工程と、を有する、検出方法が提供される。
[0112]
なお、上記実施の形態により説明される診断キット、検出方法及び診断方法等を用い、ヒトあるいは哺乳動物において、バセドウ病の治療薬や悪性化物質をスクリーニングする方法、病態を解析する方法等も、本発明の技術的範囲に含まれる。
血清試料
バセドウ病と診断された患者群50名とコントロール群10名(非バセドウ健常者)から経時的に採取した血清を用いた。
TRAb-IgGとTRAb-IgMを用いたELISA測定
採取した血清を用いて、TRAb-IgGとTRAb-IgMをELISAで測定した。本ELISA測定方法の概略を図1に示している。全長リコンビナントヒト甲状腺刺激ホルモンレセプター(TSHR) (Abnova, Taipei, Taiwan)及びそのTSHRのC末端に対するヤギ抗TSHR IgG (Santa Cruz Biotechnology, Santa Cruz, CA)を、ELISAプレートにコートした。コーティングバッファー(0.05 M Carbonate-Bicarboate)で希釈した0.01 g/L 抗TSHR IgGを100 ml、それぞれのELISAプレートのウェルに入れて、ELISAプレートを4℃で一晩インキュベートした。200 mlのブロッキング液(50 nM Tris、0.14 M Nacl、0.05% Tween20)を加えて、37℃で60分間インキュベートした。ELISAプレートを洗浄して、アッセイバッファー(50 mM Tris、0.14 M NaCl、1% BSA、0.05% Tween 20)に、リコンビナントヒトTSHRを加えて4 ng/mlとした。室温で30分間振盪した後、ELISAプレートを37℃でインキュベートし、もう一度洗浄した。50 mlのアッセイバッファーをELISAプレートのそれぞれのウェルに加え、更に、採取した血清サンプルを50 mlを加えた。ELISAプレートを37℃で60分間インキュベートして、もう一度洗浄した。HRP-共役ヤギ抗ヒトIgG-Fc検出抗体を100 ml加え、洗浄してから、それぞれのウェルに100 mlのTMB基質溶液を加え、室温で20分間暗所に置いた。100 mlの停止液(0.18M H2SO4)を加えた。最後に、それぞれのウェルにおける450 nmでの吸光度をELISAプレートリーダーで読み取った。同様に、HRP-共役ヤギ抗ヒトIgM-Fc検出抗体を用いて行った。全IgのELISAにおけるヒト参照血清によって作成した検量線を用いて、サンプルのTRAb-IgMとTRAb-IgG濃度を計算した。TRAb-IgM濃度とTRAb-IgG濃度の比(M/G)を算出した。算出したM/Gは、表1に示している。
TRAb-IgM濃度、TRAb-IgG濃度及びM/G値の経時的変化
バセドウ病と診断された3名の患者において、TRAb-IgM濃度、TRAb-IgG濃度及びM/G値を経時的に測定した。実験方法は、実施例1及び2に従った。対象患者1-3におけるTRAb-IgM濃度、TRAb-IgG濃度及びM/G値の経時的変化をそれぞれ表3-5に示している。
日)は、TRAb-IgG濃度が低下していた。7月5日におけるTRAb-IgG濃度は、5月7日と比較して上昇しているものの、診察では低下症と診断された。これは、初期の低下症であると考えられた。また、不安定な状態が持続している患者であったため、経時的変化の観察中は、上述したカットオフ値以上のM/G値を維持していた。
以上の結果から、M/G値が上昇し且つTRAb-IgG濃度が低下する場合は、甲状腺機能低下症に罹患していること又は甲状腺機能低下症に罹患するリスクがあることが明らかとなった。従って、バセドウ病患者において、TRAb-IgM濃度、TRAb-IgG濃度及びM/G値を経時的に測定し、記録しておくことで、低下症であるか亢進症であるかが判断可能になる。また、低下症又は亢進症に罹患する傾向にあるか否かも判断することが可能になる。
Claims (12)
- バセドウ病を診断するための診断キットであって、
甲状腺刺激ホルモンレセプター抗体に結合する標識化抗IgM抗体と、
前記甲状腺刺激ホルモンレセプター抗体に結合する標識化抗IgG抗体と、を有し、
前記甲状腺刺激ホルモンレセプター抗体に対する前記抗IgM抗体の結合量と前記抗IgG抗体の結合量の比をバセドウ病の病態指標として示す、診断キット。 - 前記甲状腺刺激ホルモンレセプター抗体に対する前記抗IgM抗体の結合量と前記抗IgG抗体の結合量の比の変化と、前記抗IgG抗体の結合量の変化をバセドウ病の病態指標として示す、請求項1に記載の診断キット。
- 前記標識化抗IgM抗体と標識化抗IgG抗体は、酵素、蛍光物質、ビオチン、呈色標識物質及び放射性物質からなる群より選択される標識物質で標識化されている、請求項1又は2に記載の診断キット。
- 甲状腺刺激ホルモンレセプタータンパク質と、
前記甲状腺刺激ホルモンレセプタータンパク質に特異的に結合する抗体を更に有する、請求項1から3のいずれかに記載の診断キット。 - 前記甲状腺刺激ホルモンレセプター抗体に対する各抗体の結合を検出するための支持手段を更に有する、請求項1から4のいずれかに記載の診断キット。
- 前記支持手段は、1又は複数のウェルを備えるプレートである、請求項5に記載の診断キット。
- バセドウ病の病態指標の検出方法であって、
(a) 被験体である哺乳動物の体液試料中の甲状腺刺激ホルモンレセプター抗体を、前記甲状腺刺激ホルモンレセプター抗体に結合する標識化抗IgM抗体を用いて検出する検出工程と、
(b) 前記甲状腺刺激ホルモンレセプター抗体を、前記甲状腺刺激ホルモンレセプター抗体に結合する標識化抗IgG抗体を用いて検出する検出工程と、
(c) 前記標識化抗IgM抗体と前記甲状腺刺激ホルモンレセプター抗体との結合量を測定する測定工程と、
(d) 前記標識化抗IgG抗体と前記甲状腺刺激ホルモンレセプター抗体との結合量を測定する測定工程と、
(e) 前記標識化抗IgG抗体に関する前記結合量と前記標識化抗IgM抗体に関する前記結合量の比を算出する算出工程と、を有する、検出方法。 - (f) 前記被験体から以前に算出された各標識化抗体の結合量の比と、算出工程(e)で算出した前記結合量の比との間に有意な差が存在するか否かを判断する判断工程を更に含む、請求項7に記載の検出方法。
- (g) 前記被験体から以前に測定された前記標識化抗IgG抗体に関する結合量と、測定工程(d)で測定した前記標識化抗IgG抗体に関する結合量との間に有意な差が存在するか否かを判断する判断工程を更に含む、請求項8に記載の検出方法。
- (h) 健常な哺乳動物から以前に算出された各標識化抗体の結合量の比と、算出工程(e)で算出した前記結合量の比との間に有意な差が存在するか否かを判断する判断工程を更に含む、請求項7に記載の検出方法。
- (i) 前記健常な哺乳動物から以前に測定された前記標識化抗IgG抗体に関する結合量と、判断工程(d)で測定した前記結合量との間に有意な差が存在するか否かを判断する判断工程を更に含む、請求項10に記載の検出方法。
- 前記体液試料は、血液である、請求項7から11のいずれかに記載の検出方法。
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CN116643056A (zh) * | 2022-02-15 | 2023-08-25 | 厦门万泰凯瑞生物技术有限公司 | 促甲状腺激素受体复合物、试剂盒、制备方法和用途 |
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