JP6667239B2 - 印刷システムにおける被駆動ローラの振動を減衰させる方法 - Google Patents

印刷システムにおける被駆動ローラの振動を減衰させる方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6667239B2
JP6667239B2 JP2015186374A JP2015186374A JP6667239B2 JP 6667239 B2 JP6667239 B2 JP 6667239B2 JP 2015186374 A JP2015186374 A JP 2015186374A JP 2015186374 A JP2015186374 A JP 2015186374A JP 6667239 B2 JP6667239 B2 JP 6667239B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
moment
roller
web
characteristic
drive unit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015186374A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016068563A (ja
Inventor
ティーマン ピーター
ティーマン ピーター
ピルスル シュテファン
ピルスル シュテファン
パペンベアガー マーティン
パペンベアガー マーティン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Production Printing Germany GmbH and Co KG
Original Assignee
Canon Production Printing Germany GmbH and Co KG
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Production Printing Germany GmbH and Co KG filed Critical Canon Production Printing Germany GmbH and Co KG
Publication of JP2016068563A publication Critical patent/JP2016068563A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6667239B2 publication Critical patent/JP6667239B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41FPRINTING MACHINES OR PRESSES
    • B41F33/00Indicating, counting, warning, control or safety devices
    • B41F33/0054Devices for controlling dampening
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41FPRINTING MACHINES OR PRESSES
    • B41F13/00Common details of rotary presses or machines
    • B41F13/004Electric or hydraulic features of drives
    • B41F13/0045Electric driving devices
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41FPRINTING MACHINES OR PRESSES
    • B41F13/00Common details of rotary presses or machines
    • B41F13/02Conveying or guiding webs through presses or machines
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41FPRINTING MACHINES OR PRESSES
    • B41F13/00Common details of rotary presses or machines
    • B41F13/08Cylinders
    • B41F13/085Cylinders with means for preventing or damping vibrations or shocks
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41PINDEXING SCHEME RELATING TO PRINTING, LINING MACHINES, TYPEWRITERS, AND TO STAMPS
    • B41P2213/00Arrangements for actuating or driving printing presses; Auxiliary devices or processes
    • B41P2213/40Auxiliary devices or processes associated with the drives
    • B41P2213/42Vibration-dampers for machine parts

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Controlling Rewinding, Feeding, Winding, Or Abnormalities Of Webs (AREA)
  • Inking, Control Or Cleaning Of Printing Machines (AREA)

Description

本発明は、印刷システムにおける、駆動ユニットによって駆動されるローラの振動を減衰させる方法に関する。この印刷システムでは、ローラを介してウェブ状被印刷材がガイドされている。駆動ユニットは、所定の目標モーメント、特には一定の目標モーメントで、ローラを駆動する。ローラとウェブ状被印刷材とが、振動を生じる系(以下振動系と称する)を形成している。
印刷システムでは、ウェブ状被印刷材が複数のローラによってガイドされ、このウェブ状被印刷材と複数のローラとが振動系を形成している。ここで、振動系の質量は、特に、ローラの大きな慣性モーメントとウェブ状被印刷材の弾性とによって形成されている。
とりわけ、2つの印刷ユニット間でウェブ状被印刷材の方向を転換することによって被印刷材の両面印刷を可能にするために使用されるいわゆる交差方向転換部では、しばしば振動による問題が発生する。なぜなら、振動系の固有振動数が励振振動数と一致してしまい、共振が発生して振動が増大してしまうことがあるからである。この場合、ウェブ状被印刷材内の牽引部に大きな揺れが生じ、この揺れが印刷ユニットの画像を形成する転写領域まで伝わり、色見当誤りが発生することがある。また、過度に大きな牽引力が生じると、特にパーフォレーション孔を有するウェブに印刷する場合、ウェブ状被印刷材が破れることがある。なお、こうした印刷システムは、印刷システムの停止をまねきうる共振振動を解消できるよう、ウェブ状被印刷材の応力監視部を有していることが多い。さらに、脱離も生じることがあり、これは表ページ及び裏ページの印刷の同期失敗を引き起こす。
特に交差方向転換部でこうした共振振動が起こりやすい。これは、きわめて大きな慣性モーメントを有する冷却ローラが交差方向転換部に設けられているからである。印刷システム内のウェブ状被印刷材の搬送速度に応じて、ウェブ状被印刷材をガイドするローラの偏心性のために、種々の振動数での励振が発生する。こうした励振振動数が冷却ローラ及びウェブ状被印刷材によって形成される振動系の固有振動数に一致すると、相応に共振が発生する。
固有振動数はウェブ状被印刷材の断面積とウェブ状被印刷材の材料とに依存しており、4Hzから18Hzまでの範囲にある。励振振動数は速度に依存しており、0Hzから40Hzまでの範囲にある。種々の様式で組み付けられているローラの径とそれぞれの偏心性とが異なるため、同じ速度のもとでも種々の励振振動数が生じ、これにより、共振の発生する確率がきわめて高くなる。
振動による誤りを回避するための公知の第1の手段は、印刷システムが危険な共振領域で駆動されることを回避するものである。このために、ウェブ状被印刷材の搬送速度を変更する際には、共振領域を迅速に通過するために、当該変更ができるだけ迅速に実行される。
しかし、この手法には、多数の異なるローラが存在し、これらのローラで生じる励振振動数が種々に異なるうえ、使用されるウェブ状被印刷材に依存して固有振動数も異なるため、共振領域を確実に迂回することが殆ど不可能であるという欠点がある。
振動の問題を回避するための公知の第2の手段は、共振領域を印刷システムの通常の動作状態の外側に設定するというものである。米国特許出願公開第2011/0315031号明細書から、例えば、弾性を有するウェブ状被印刷材のばね定数、ひいては、振動系の固有振動数を変化させるために、偏向ローラをずらすことが知られている。しかし、この手法には、使用されるそれぞれのウェブ状被印刷材に対して、煩雑な適合化が必要であるという欠点がある。
共振の問題を回避する公知の第3の手法は、励振振幅を最小化するということである。ここでは、最小の励振のみとするために、ウェブ状被印刷材をガイドするローラの偏心性を最小化する手段が試みられている。ただし、この手法は高いコストに結びついている。
共振の問題を回避する公知の第3の手法は、発生する振動を減衰させることである。こうした減衰は、制御部を介して、機械的及び/又は電気的に行われる。
機械的な減衰に際して、特には、機械的粘性減衰体が用いられる。当該粘性減衰体は、密なケーシングにシリコーンオイルが充填されており、このケーシングが振動を減衰させるべき軸に密着されて支承されるものである。さらに、当該軸には、軸とともに回転するディスクが、シリコーンオイルの充填されたケーシング室内に配置される。振動が発生すると、粘性摩擦により速度変化に比例するモーメントが発生し、このモーメントが振動に対して反対向きに作用して、いずれの時点においても減衰を生じさせる。
ただし、こうした機械的粘性減衰体にも、高価なうえに重量が大きく、かなりの設置スペースを要するという欠点がある。また、こうした機械的粘性減衰体には、被駆動ローラの加速乃至制動の際に、必然的に粘性体がともに加速乃至制動されるため、不要な力乃至エネルギのコストがかかり、加速過程乃至制動過程に遅延が生じるという問題もある。さらに、ディスクとシリコーンオイルとの間の摩擦によって熱も発生し、機械的粘性減衰体が著しく加熱されてしまうこともある。なお、こうした機械的粘性減衰体は、複雑な手法を用いないかぎり、種々の適用事例に適合化させることが困難である。
電気的な減衰が行われる場合、振動が求められ、この振動が減衰されるように、ローラの駆動ユニットの駆動が相応に適合化される。
このために、欧州特許出願公開第1837178号明細書からは、振動の補償方法が公知である。ここでは、振動の振動数スペクトルが求められて複数の振動数成分に分割され、この分割によって複数の対抗モーメントが求められることで、振動が補償される。この手法の欠点は、システムパラメータの取得が必須であり、特に、動作中の全ての励振振動数と印刷システムの振幅とを複雑な手法で計算しなければならないということである。この場合には、特に、高価なセンサも必要である。
独国特許出願公開第10107135号明細書の文献からは、複数のローラが連続して動作する印刷機における、振動の減衰方法が公知である。ここでは、少なくとも1つのローラで発生した位置偏差が検出され、そのつど、当該少なくとも1つのローラに対する反対向きの減衰力を形成するという、能動的な減衰が行われる。
独国特許出願公開第102007006683号明細書の文献には、交互に回転する複数のローラにおいて能動的な振動減衰を行う方法が記載されている。ここでは、少なくとも1つのローラの振動を検出する少なくとも1つのセンサと、当該少なくとも1つのセンサによって検出された振動データを処理し、当該振動データに基づく少なくとも1つの制御信号を出力する制御回路と、当該少なくとも1つの制御信号に基づいて少なくとも1つのローラに振動対抗力を印加する少なくとも1つのアクチュエータとが用いられている。
欧州特許出願公開第1837178号明細書 独国特許出願公開第10107135号明細書 独国特許出願公開第102007006683号明細書
本発明の課題は、印刷システムにおける、駆動ユニットによって駆動されるローラの振動を減衰させる方法を提供し、この方法によって、振動を簡単確実に減衰もしくは回避できるようにすることである。
この課題は、請求項1記載の特徴を有する方法によって解決される。本発明の有利な実施形態は従属請求項に示されている。
本発明によれば、まず、センサを用いて、ローラがウェブ状被印刷材を搬送する速度の代表量の実際値が求められる。ついで、予め定められた計算規則を用いて、機械的粘性減衰体での減衰率と等しい振動系の減衰率が得られるように、求められた実際値から補正モーメントが計算される。続いて、駆動ユニットによる駆動の際に、当該補正モーメントが予め設定された目標モーメントに加算され、これにより振動が補償される。
したがって、駆動ユニットによってローラを駆動する際に、機械的粘性減衰体の特性を電子的にきわめて容易にシミュレートできる。これにより、一方では、機械的粘性減衰体のポジティブな特性、すなわち、発生する速度変化に依存して大きなコストなしに振動を確実に減衰させるという特性を簡単に利用でき、他方では、機械的粘性減衰体の欠点を回避できるので、有利である。特に、付加的な要素を要さないので、コスト、構造スペース及び重量を節約できる。また、ウェブ状被印刷材の速度が変化する場合にも、当該「電子的減衰体」をともに加速する必要はないため、遅延は発生せず、エネルギ消費量も最小化される。
なお、こうした電気的粘性減衰体は、機械的粘性減衰体とは異なり、減衰エネルギの一部を自動的に印刷システムの駆動ユニットへ放出でき、きわめて僅かな熱しか生じさせないので、有利である。
さらに、こうした電気的減衰体は、印刷システムのパラメータ変化にきわめて簡単に適合化できるので、機械的な構造変更なしに、種々の適用事例で確実な減衰を行うことができる。
補正モーメントによって駆動ユニットの制御に介入する公知の電気的減衰体と比べて、本願請求項1の方法は、代表量の実際値のみを求めればよく、目標速度以外の他のシステムパラメータの考慮や振動の測定及び振動数の計算乃至複雑な分析を要さずに、簡単な計算規則で振動の減衰を制御できるという利点を有する。したがって、最小のコストしか必要とならず、特に付加的なセンサを使用しなくて済む。なぜなら、標準的に使用されている駆動ユニットには、既に、実際値の測定に使用可能な回転数センサが設けられているからである。
特に有利には、代表量として、駆動ユニットの回転数、特に、駆動ユニットの出力軸の回転数、又は、駆動ユニットの出力軸の角速度が求められる。これは、標準的に使用されているモータに既に組み込まれている回転数センサによって簡単に行うことができる。これに代えて、ローラの回転数もしくはローラの角速度もしくはローラの表面速度によって、速度を求めることもできる。さらに代替的に、ローラの領域のウェブ状被印刷材の速度を求め、これを代表量として用いることもできる。また、上述した全ての量を相互に変換し、ウェブ状被印刷材の搬送速度の尺度量として、ひいては、ローラの瞬時の回転速度の尺度量として用いることもできる。駆動ユニットはモーメントモードにおいて駆動されるので、ローラの回転速度及びウェブ状被印刷材の速度はつねに同一であり、これにより、ローラの速度及び出力軸の速度によって振動系の振動をシミュレートすることができる。
振動系は、特に、ローラとウェブ状被印刷材とから形成される。ローラは、特には、両面印刷を可能にするために印刷ユニット間でウェブ状被印刷材の方向を転換する交差方向転換部の冷却ローラである。
実際値は、特には、ローラの駆動ユニットの回転数センサ(モーメントセンサ)を用いて求められるため、専用のセンサは必要なく、プロセス全体を、印刷システム内に既に存在している各要素の振動を減衰させるために実行でき、付加的なコストを生じない。
特に好ましい実施形態では、唯一の実際値だけでなく、代表量の実際信号特性も求められる。これは特に動作と同時にリアルタイムで実行される。
特に好ましい実施形態では、上述のようにして求められた代表量の実際信号特性が、代表量の目標信号特性から減算される。この減算によって差特性が形成され、続いて微分される。微分によって得られた特性は予め定められた係数と乗算され、補正モーメント特性が得られる。当該補正モーメントは、駆動ユニットによる駆動の際に、所定の目標モーメント、特には一定の目標モーメントに加算される。
実際信号特性を目標信号特性から減算することにより、差特性から、本来の目標モーメントを含まない、意図しない振動がそのつどシミュレートされる。当該差特性を微分することにより、速度変化が求められ、機械的粘性減衰体での場合と同様に、意図しない振動に比例する信号が形成される。当該信号は、振動を励振する全ての障害モーメントを合成したものに相当する。続いて、予め定められた係数との乗算により、この信号から、必要な補正モーメントが求められる。このようにして、特に簡単に、機械的粘性弾性減衰体が駆動時にシミュレートされ、大きな計算コストなしに、速度に確実に依存した系の減衰が達成される。予め定められた係数は特には一定値であるが、ここでは、この係数の絶対値が、特に、振動質量の慣性モーメントの値、すなわち、ローラの慣性モーメントの値に相当する。これに代えて、上記係数を、ローラの慣性モーメントよりも小さい値を有する係数としてもよい。
さらに有利には、目標信号特性を、さらなる計算の際に直接に、つまり実際信号特性の減算なしに微分することにより、速度変化を反映した信号特性を得ることができる。続いて、得られた特性が予め定められた係数と乗算される。この場合、好ましくは、当該予め定められた係数は、振動系の慣性モーメント、特にはローラの慣性モーメントに相当する。このようにして得られた補正モーメント特性は、上述した場合と同様に目標モーメントに加算され、駆動ユニットによるローラの駆動時に相応に考慮される。
別の計算規則により、ローラの加速時又は制動時に、ローラの慣性によって生じる遅延を防止するために、付加的なモーメントを目標モーメントに加える予制御を行うこともできる。このようにすれば、用紙ウェブに一定の合成モーメントが作用し、色見当ずれもしくはウェブの応力増大が発生しなくなる。
こうした予制御を行わないと、駆動ユニットのモーメント駆動部が、直接には駆動ユニットの出力軸にしか関係しない一定のモーメントを送出してしまうという問題が生じる。ウェブ状被印刷材に作用するモーメントは、ローラの質量によって生じる力により、加速乃至制動の際に大きく変化する。この力は、制動時にはウェブの応力を増大させるし、加速時には逆にウェブの応力を低下させるので、ウェブがガイドから脱離してしまうことがある。
本発明の特に好ましい実施形態では、上述した2つの方法が並行して実行され、ここから得られた複数の補正モーメント特性が加算されて1つの合成補正モーメント特性が形成される。当該合成補正モーメント特性は目標モーメントに加算され、駆動ユニットによる駆動時に相応に考慮される。こうして、最初に説明した計算によって生じた振動が減衰され、次に説明した計算によって予制御が行われて、速度変化時の振動発生が回避されるか又は少なくとも低減される。
さらに有利には、目標信号特性として、ウェブ状被印刷材の平均搬送速度が用いられる。当該搬送速度は、特には、時間依存性の機械の目標値として、リアルタイムで印刷システムから取り出し可能である。この場合、特に、既知となったデータへのアクセスが行われる。
上述した方法ステップは、特には自動的に、印刷システムの制御ユニットによって実行される。特に、相応の処理を行うプログラムデータが制御ユニットに格納されている。
本発明のさらなる特徴及び利点は、添付図に関連して詳細に説明される本発明の実施例についての以下の説明から得られる。
印刷システムの一部分を示す概略図である。 図1の印刷システムの交差方向転換部を示す概略図である。 図1,図2の印刷システムの振動系を示す概略図である。 約8Hzの固有振動数の例において発生する励振振動数及び共振領域を示す表である。 図3の振動系の振動を減衰させる方法を示す信号フローチャートである。 減衰率の計算中に生じる信号特性を示すグラフである。 減衰を行わない場合の振動を示す信号特性図である。 図5の振動を減衰させる方法を実行した場合の振動を示す(図7に対応する)信号特性図である。
図1には、印刷システム10の一部分が概略的な斜視図で示されている。印刷システム10は、ウェブ状被印刷材16の第1ページを印刷するための第1の印刷ユニット12と、ウェブ状被印刷材16の第2ページ(第1ページの反対側のページ)を印刷するための第2の印刷ユニット14を含む。第1の印刷ユニット12及び第2の印刷ユニット14は特には同一に構成されている。
第1の印刷ユニット12と第2の印刷ユニット14との間に、図2に示されている交差方向転換部18が配置されている。この交差方向転換部18によってウェブ状被印刷材16が方向転換されるので、2つの印刷ユニット12,14により相応にウェブ状被印刷材16の両面印刷が可能となる。
ウェブ状被印刷材16は、第1の印刷ユニット12を介して予め定められた速度で駆動される。ここでは、第1の印刷ユニット12がマスタドライブを形成している。続いて、ウェブ状被印刷材16はまず第1の偏向ローラ20にかかり、ついで45°で配置された第1の偏向ロッド22によってガイドされる。さらにウェブ状被印刷材16は第2の偏向ローラ24によってガイドされ、その後、冷却ローラ26の周でガイドされる。当該冷却ローラ26は、特に冷却ユニットを備えているため、偏向ローラ20,24及び偏向ロッド22に比べて格段に大きな質量を有しており、したがって、著しく大きな慣性モーメントを有する。
ウェブ状被印刷材16は、冷却ローラ26の周でガイドされた後、第2の偏向ロッド28及び第3の偏向ローラ30の周によってガイドされ、その後、第2の印刷ユニット14においてさらに搬送される。第2の印刷ユニット14には、特に、上述したのと同様に、ウェブ状被印刷材16を予め定められた速度で搬送する駆動ユニットが設けられており、この駆動ユニットがスレーブドライブとして駆動される。
交差方向転換部18は駆動ユニット32を含み、この駆動ユニット32の出力軸34は歯付ベルト36を介して冷却ローラ26に結合されている。当該駆動ユニット32は、冷却ローラ26の駆動に用いられる。この場合、駆動ユニット32はモーメントモードで動作し、冷却ローラ26を予め定められた目標モーメントで駆動する。
冷却ローラ26及びウェブ状被印刷材16は振動系を形成しており、図3にこの振動系の概略的な置換モデルが示されている。振動系の質量は冷却ローラ26によって形成される。ウェブ状被印刷材の弾性により、相応の戻り力が当該質量に作用する。
振動系の固有振動数は、一方ではウェブ状被印刷材16の材料に依存して、他方ではウェブ状被印刷材16の断面積に依存して定まる。当該固有振動数は、4Hzから18Hzまでの領域にあり、標準的に使用されるウェブ状被印刷材では約8Hzである。特に薄いウェブ状被印刷材16及び/又は特に幅の狭いウェブ状被印刷材16では固有振動数は4Hz程度にしかならないが、特に幅広で質量の大きなウェブ状被印刷材16では18Hzまでとなる。冷却ローラ26及びウェブ状被印刷材16から形成される振動系は、特には、ウェブ状被印刷材16をガイドするローラの偏心性により励振される。当該偏心性は特に製造差と不精確性とによって生じる。このことは、図3の例として、図示のローラ20,24によって示されている。さらに、モーメント形成の不均等性により、関与している駆動ユニット、特に冷却ローラ26の駆動ユニット32や印刷ユニット12,14の駆動ユニットの極通過の振動数での励振も生じる。
特に、振動系を励振する励振振動数がこの振動系の固有振動数に一致する場合、つまり共振が起こる場合、振動系に生じる振動によって問題が発生する。この場合には特に、ウェブ状被印刷材16が破れたり、及び/又は、色見当ずれが生じたりする。
図4には、ウェブ状被印刷材16の種々の速度のもとで、種々の要素の不規則性に起因して生じる励振周波数の表が示されている。ここでは、第1の列に速度、第2の列に駆動ユニット32の極対に基づいて発生するそれぞれの励振周波数、第3の列に偏向ローラ20の偏心性に基づいて発生する励振周波数、第4の列に駆動軸の偏心性に基づいて発生する励振周波数、第5の列に冷却ローラの偏心性に基づいて発生する励振周波数が示されている。各冷却ローラはそれぞれ異なる直径及び周を有しているので、同一の速度であっても対応する励振周波数は著しく異なる。これにより、図4の表から読み取れるように、また後述するように、ウェブ状被印刷材16の現行の全ての動作速度のもとで、励振周波数が通常の固有周波数8Hzの領域に発生する。
速度が0.5m/sのとき、極対によって、約8Hzの振動数で励振ひいては共振が発生する。速度が1.7m/sのとき、偏向ローラ20によって、約8Hzの振動数すなわち振動系の固有振動数で、励振が生じる。速度が2.4m/sから2.5m/sまでのとき、駆動軸によって、約8MHzの振動数で励振が生じる。さらに、種々のウェブ状被印刷材16のために固有振動数が4Hzから18Hzまでの範囲で変化することを考慮すると、図4の表から、印刷システム10の全ての動作速度において、ウェブ状被印刷材16の変化に応じて、振動による共振の重大な問題が発生することがわかる。
このため、共振領域の移動又は共振領域の迂回によって共振の問題を回避することは殆ど不可能である。
よって、本発明では、電気的減衰体として構成された減衰体40(図3)が振動系に設けられる。減衰体40は、駆動ユニット32による駆動時に冷却ローラ26に係合し、振動が回避もしくは減衰されるよう、冷却ローラ26の駆動をつねに適合化させる。
この場合、電気的減衰体40は機械的粘性減衰体をシミュレートするように構成されている。このため、機械的粘性減衰体の特性、すなわち、速度に依存した振動の減衰が可能となり、上述した欠点が回避される。
図5には、駆動ユニット32の相応の駆動情報を計算する手段を示す信号フローチャートが示されている。ここで、図5では、個別に使用可能な2つの減衰方法が統合されて示されている。
振動を減衰させるために、まずはステップS10で、実際回転数特性が目標回転数特性から減算される。実際回転数特性は、特には、駆動ユニット32に通常設けられている回転数センサによって求められるので、付加的な要素を用意する必要はなく、本発明の方法は付加コストなしに利用可能である。なお、目標回転数特性は印刷システムの駆動部によって設定されている。
実際回転数特性を目標回転数特性から減算することにより、意図されている本来の目標回転数特性に重畳している振動が分離される。
ついで、ステップS12で、形成された差特性が所定時間後に微分される。これにより、意図しない合成振動に比例し、ひいては励振体によって形成される全ての障害モーメントを合成したモーメントに比例する速度変化が得られる。
続いてステップS14で、得られた特性に対し、振動質量の慣性モーメントに対応する予め定められた係数、すなわち、冷却ローラの慣性モーメントに対応する予め定められた係数が乗算される。これに代えて、ここでの係数が、振動系の質量よりも小さい絶対値を有してもよい。予め定められた係数との乗算により、振動系の振動を減衰させる補正モーメントが得られる。これは、補正モーメントを、駆動ユニット32が冷却ローラ26を駆動する際に用いられる本来の目標モーメントに加算することによって行われる。
図5に示されているケースでは、第1の補正モーメント特性の計算に並行して、第2の補正モーメント特性が求められ、これにより予制御が行われる。このために、ステップS16で、目標回転数特性が、直接に、つまり予め実際回転数特性の減算を行うことなく微分され、ステップS18で負の慣性モーメントと乗算される。当該予制御により、ウェブ状被印刷材16の加速時及び/又は制動時に、冷却ローラ26の慣性によって生じるウェブ状被印刷材16の応力変化が回避される。ここから第2の補正モーメント特性が得られる。
ステップS20では、第1の補正モーメント特性と第2の補正モーメント特性とが加算されて合成補正モーメント特性が得られ、これがステップS22で目標モーメントに加算される。ついで、このようにして得られた目標モーメントが、ステップS24,S26で駆動ユニット32の相応の駆動量へ変換される。ステップS30に示されているように、重畳している励振振動数に基づく駆動部と障害モーメントとの共同作用により、ステップS32で実際の速度特性が生じる。
選択的な方法として、ステップS10−S12に示されている減衰のみ、又は、ステップS16−S18に示されている予制御のみを行ってもよい。
図6には、2つのグラフが示されている。ここで、上方のグラフには回転数と時間との関係が示されている。曲線60は求められた実際回転数を表しており、曲線62は目標回転数を表している。ステップS12での減算により、意図しない振動のみをシミュレートした差信号特性64が得られる。
下方のグラフには、差信号特性64の微分により得られた信号特性が示されている。この信号特性は速度変化を反映している。速度変化は障害モーメントに比例しているので、相応の係数と乗算するのみで簡単に効率的な減衰に用いることができる。
図7,図8には、実験によって求められた振動系の振動特性が示されている。図7には上述した減衰を行わなかった場合の特性が示されており、図8には上述した減衰を行った場合の特性が示されている。図8から、振動が迅速に減衰し、問題が発生しにくくなることがわかる。
上述した方法は、もちろん、印刷システムの1つもしくは複数のローラ及びウェブ状被印刷材で生じる他の全ての振動系に適用可能であり、交差方向転換部の冷却ローラに限定されない。
全体として、上述した減衰方法により、ローラ駆動部の駆動制御を変化させるだけで効率的な減衰が達成され、その際に複雑なセンサや計算手法を必要としない。
特に、実際に機械的粘性減衰体を設けなくても、これに対応する減衰が達成されるため、大きな重量による慣性の発生、コストの増大、付加的な要素の用意などの全ての欠点を回避できる。
10 印刷システム、 12,14 印刷ユニット、 16 ウェブ状被印刷材、 18 交差方向転換部、 20,24,30 偏向ローラ、 22,28 偏向ロッド、 26 冷却ローラ、 32 駆動ユニット、 34 出力軸、 36 歯付ベルト、 40 減衰体、 60,62,64 信号特性、 S10−S32 方法のステップ

Claims (6)

  1. 印刷システムにおける、駆動ユニットによって駆動されるローラの振動を減衰させる方法であって、
    前記印刷システムでは、前記ローラ(26)を介してウェブ状被印刷材(16)がガイドされ、前記駆動ユニット(32)が前記ローラ(26)を予め定められた目標モーメントで駆動し、前記ローラ(26)及び前記ウェブ状被印刷材(16)が振動系を形成しており、
    センサを用いて、前記ローラ(26)が前記ウェブ状被印刷材(16)を搬送する速度の代表量の実際値を求め、
    予め定められた計算規則を用いて、機械的粘性減衰体での減衰率に等しい前記振動系の減衰率が得られるように、求められた実際値から補正モーメントを計算し、
    前記駆動ユニット(32)による駆動の際に、前記補正モーメントを前記目標モーメントに加算
    前記実際値として、前記代表量の実際信号特性(60)を求め、
    前記実際信号特性(60)から目標信号特性(62)を減算し、該減算によって得られた差特性(64)を微分し、該微分によって得られた特性を予め定められた係数と乗算して第1の補正モーメント特性を求め、
    前記目標信号特性(62)を微分し、該微分によって得られた特性を予め定められた係数と乗算して第2の補正モーメント特性を求め、
    前記第1の補正モーメント特性と前記第2の補正モーメント特性とを加算し、該加算によって得られた前記補正モーメントを、前記駆動ユニットによる駆動の際に、前記目標モーメントに加算する、
    ことを特徴とする方法。
  2. 前記代表量として、前記駆動ユニット(32)の回転数、前記駆動ユニット(32)の出力軸(34)の角速度、前記ローラ(26)の回転数、前記ローラ(26)の角速度、前記ローラ(26)の表面速度、及び/又は、前記ローラ(26)の領域での前記ウェブ状被印刷材(16)の速度を用いる、
    請求項1記載の方法。
  3. 前記実際値を、前記駆動ユニット(32)のモーメントセンサを用いて求める、
    請求項1又は2記載の方法。
  4. 前記予め定められた係数は前記ローラ(26)の慣性モーメントに相当する、
    請求項からまでのいずれか1項記載の方法。
  5. 前記予め定められた係数の絶対値は前記ローラ(26)の慣性モーメントの値より小さい、
    請求項からまでのいずれか1項記載の方法。
  6. 前記目標信号特性(62)として、前記ウェブ状被印刷材(16)の平均搬送速度を用いる、
    請求項からまでのいずれか1項記載の方法。
JP2015186374A 2014-09-24 2015-09-24 印刷システムにおける被駆動ローラの振動を減衰させる方法 Active JP6667239B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
DE102014113810.4A DE102014113810B4 (de) 2014-09-24 2014-09-24 Verfahren zum Dämpfen einer Oszillation einer angetriebenen Walze in einem Drucksystem
DE102014113810.4 2014-09-24

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016068563A JP2016068563A (ja) 2016-05-09
JP6667239B2 true JP6667239B2 (ja) 2020-03-18

Family

ID=55444469

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015186374A Active JP6667239B2 (ja) 2014-09-24 2015-09-24 印刷システムにおける被駆動ローラの振動を減衰させる方法

Country Status (3)

Country Link
US (1) US9592662B2 (ja)
JP (1) JP6667239B2 (ja)
DE (1) DE102014113810B4 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102016115014A1 (de) * 2016-08-12 2018-02-15 Océ Holding B.V. Einrichtung zum Führen eines bandförmigen Aufzeichnungsträgers zwischen hintereinander angeordneten Druckwerken bei einem Druckgerät
EP3672808B1 (de) * 2017-08-21 2024-07-10 manroland sheetfed GmbH Regelung von druckmaschinen mit mehreren hauptantriebsmotoren
TWI664091B (zh) * 2018-07-25 2019-07-01 志岱企業股份有限公司 冷感壓貼紙轉貼裝置

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7791758B2 (en) * 2000-05-02 2010-09-07 Convolve, Inc. Vibration control technology and interface for computer printers and scanners
DE10107135A1 (de) * 2001-02-15 2002-08-29 Windmoeller & Hoelscher Rollendruckmaschine sowie Verfahren zur Schwingungsdämpfung hieran
DE102006013752A1 (de) * 2006-03-24 2007-09-27 Heidelberger Druckmaschinen Ag Verfahren zur Kompensation einer Schwingung in einer Druckmaschine
DE102007006683A1 (de) * 2007-02-10 2008-08-28 WINKLER + DüNNEBIER AG Vorrichtung und Verfahren zur aktiven Schwingungsdämpfung bei gegenläufig rotierenden Walzen
JP5095526B2 (ja) * 2008-06-27 2012-12-12 株式会社リコー 状態判別システムのシステム異常確認方法、状態判別システム及び画像形成装置
JP5446173B2 (ja) * 2008-08-29 2014-03-19 セイコーエプソン株式会社 印刷装置、キャリッジの駆動制御方法、可動部材の駆動制御方法
JP5299157B2 (ja) * 2009-08-10 2013-09-25 株式会社リコー 画像形成装置
US8448572B2 (en) 2010-06-24 2013-05-28 Xerox Corporation Web printing systems having system resonance tuner

Also Published As

Publication number Publication date
DE102014113810B4 (de) 2017-06-08
JP2016068563A (ja) 2016-05-09
US9592662B2 (en) 2017-03-14
DE102014113810A1 (de) 2016-03-24
US20160082717A1 (en) 2016-03-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6667239B2 (ja) 印刷システムにおける被駆動ローラの振動を減衰させる方法
JP2016111910A (ja) ハイブリッド車両の能動型振動低減制御装置及びその方法
US6796183B2 (en) Method for compensating for mechanical oscillations in machines
JP2007196686A (ja) 機械における機械振動を補償する方法
CN103032513B (zh) 速度成比例的主动减振系统
JP2013080468A (ja) 直接的に加速度を検出しない能動的な振動減衰装置
US9044974B1 (en) System and method for online web control in a tandem web printing system
JP2020501124A (ja) テストベンチ装置を調整するための方法及び装置
JP4645231B2 (ja) 動力伝達系の試験装置とその制御方法
JP2002196828A5 (ja)
JP2018091876A (ja) 動力系の試験装置
CN108027600B (zh) 在负载侧没有附加测量件时的负载振荡衰减
KR101784716B1 (ko) 다이나모미터 시스템의 제어 장치
JP4486813B2 (ja) 接触ローラを作動する駆動装置及び駆動法
JP2008304233A (ja) 電気慣性制御方法
JP2008105424A (ja) 枚葉紙印刷機で振動に起因する円周方向の見当誤差を補正する方法
JP2011160574A (ja) 電動機の速度制御装置
JP6960342B2 (ja) 加振装置及びこの加振装置を備えた振動試験装置
JP5026123B2 (ja) 印刷機の振動を補償する方法
JPH11327658A (ja) アクティブ制振系における移相適合制振方法
JP6408564B2 (ja) アクティブ制振装置および設計方法
SE1150149A1 (sv) Dämpning av drivlineoscillationer
JP2020058216A (ja) 制御装置
JP2010043940A (ja) 動力伝達系の試験装置およびその制御方法
JP4705653B2 (ja) 制振装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180525

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190424

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190520

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190813

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200127

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200225

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6667239

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250