JP6666989B2 - 身体前面部への大便拡散防止用の土手、及び身体の女性器部分に優しくフィットして、大便の付着や侵入を防止する盛り上りを設置した女性専用の介護用尿とりパッド。 - Google Patents

Description

この発明は、自力でトイレに行けず介護を必要とする人が、テープ止めタイプ紙おむつを併用する時に使用する女性専用の介護用尿とりパッドに関するものである。

従来の介護用尿とりパッドは男女共用が中心で、性別の工夫が見当らない。尿とりパッドと呼称しながら、実態は大便受けも併用している。しかし大便が身体の前面側に流れて広がることが、残念ながら己むを得ない状況となっている。

従来の介護尿とりパッドは次の様な欠点があった。
（イ）尿については相当量の吸収が可能になっているものの、大便については汚れ拡散の防止策がない。
（ロ）寝たきりの状態の場合、病院は人手不足の状況下では長時間の間、身体面の広範囲が大便で汚れたままで放置されていることが多い。個人宅での介護においては、特に大便の汚れの拭きとり、洗浄に労力がかかり、大変苦労している。
（ハ）介護の現場では、大便等による感染症が広く見られ、現実に大きな問題となっている。女性の場合は、女性器と肛門が近いため、大便の身体前面への拡散、流れ込みが、特に衛生上問題となっている。大陰唇のくぼみから、大便が侵入しやすく、その防止策が無いため感染症の懸念も大きい。加えて介護用尿とりパッドの取り替え時の、汚れ部分の洗浄には大変手間がかかり、それぞれの現場で個別に工夫しているのが現実である。

介護用尿とりパッド（１）の内面側の、身体の会陰部が当たる位置（２）に、横方向に半円柱の盛り上った土手（３）を設ける。これにより大便が女性器方向に流れて拡散することを防止する。その土手（３）に接続して、腹部面（４）に大陰唇のくぼみとその両渕をふさぐ広さで、盛り上り（５）を設けて装着時に女性器をしっかり覆う形とする。この盛り上り（５）の形状は、半円柱状で、土手（３）との接続部の３センチ部分には、大陰 唇のくぼみをぴったりふさぐために、くさび形の切り込み（６）を浅く設定する。これにより大陰唇に大便が侵入することを防止することが出来る。この盛り上り（５）は腹部面（４）に向って、幅は除々に細くし、盛り上りは除々に低くし、長さは大陰唇の長さの２分の１程度で盛り上り（５）が消滅する設定とする。土手（３）で身体前面への大便拡散、流れ込みを堰止めし、盛り上り（５）で大陰唇への大便侵入を防止するが、女性器の半分は解放されているので排尿時等に大きなストレスを感じることはない。

（イ）大便が身体前面部分へ拡散することを防げる。
（ロ）介護用尿とりパッドの取り替え時は、大便の拭きとりや洗浄が背面部中心になり作業が早く、非常に楽になる。
（ハ）本発明は女性専用の介護用尿とりパッドであるため、身体前面側のデリケートな部分に大便が付着あるいは、侵入するのを防止できるので、感染症の懸念も少なくなり快適性も大きく向上する。
（ニ）トイレでの大便の取り除き作業が楽になる。

介護用尿とりパッドの平面図 介護用尿とりパッドに土手を設置した斜視図 介護用尿とりパッドに土手と盛り上りを設置した全体の側面図 本発明の全体の斜視図

介護尿とりパッド（１）の内面側の、身体の会陰部が当たる位置（２）に、横方向に半円柱の盛り上った土手（３）を設けて大便が女性器方向に流れて拡散することを防止する。その土手（３）の中央部分より接続して腹部面（４）に向けて、大陰唇のくぼみとその両サイドの渕を押える範囲で盛り上り（５）を設ける。この盛り上り（５）は半円柱状として、土手（３）に接続する最初の３センチ程度の部分には、大陰唇のくぼみをぴったりふさぐためにくさび形の切り込み（６）を浅く設定する。これにより大陰唇に大便が侵入することを防止することが出来る。この盛り上り（５）は土手（３）に接続する部分から腹部面（４）に伸びるに従って、幅は除々に細くし、盛り上りは除々に低くし、長さは大 陰唇の長さの２分の１程度で盛り上り（５）が消滅する設定とする。会陰部が当る位置（２）に設ける半円柱の盛り上った土手（３）は身体腹部面（４）に大便が拡散することを堰止めする目的であるので、規模は直径２センチ程度の半円柱のベルト状の盛り上りとする。腹部面（４）に伸びた盛り上り（５）は女性のデリケートな部分への大便の侵入を防止する目的であるので、規模は直径３センチ程度の半円柱状の大きさから、腹部方向へ除々に小さくすることにより、腹部への圧迫感を無くし、排尿時の不快感を感じさせないで介護用尿とりパッド（１）の機能を保持することが出来る。本発明は、現在市場に流通している既存の介護用尿とりパッド（１）の内面側の２箇所に、土手（３）と盛り上り（５）を新たに追加設定した状態で需要者に提供することにより、実際の介護時の装着は従来と変らないため余分な負担がかからない。加えて、介護用尿とりパッド（１）の取り替え時の付着大便の洗浄を中心とした身体の洗浄作業が極めて楽になる。特に女性のデリケートな部分への大便の侵入を相当程度回避できるため、感染症の観点からもその効果は大きい。半円柱の盛り上った土手（３）とその土手（３）に接続して腹部面（４）に伸びた盛り上り（５）の組成素材は、カブレや異和感が発生しない様に、介護用尿とりパッド（１）の内面側一帯を組成する素材と同一とする。大便の侵入をさらに強く阻止する場合は、土手（３）と盛り上り（５）の硬度を高めるために、線状パルプ、吸水紙等の密度を濃くして調整する方法を採用する。前述の半円柱の盛り上った土手（３）を設けない場合は、会陰部が当たる位置（２）を起点として腹部面（４）に向けて大陰唇のくぼみとその両サイドの渕を押える範囲で、半円柱状の盛り上り（５）を単独で設ける。この盛り上り（５）の形状等を前述と同様に設定すれば、女性のデリケートな部分への大便の侵入を防止することが出来る。

１ 介護用尿とりパッド
２ 会陰部が当たる位置
３ 土手
４ 介護用尿とりパッドの腹部面
５ 盛り上り
６ くさび形の切り込み

Claims (4)

1. おむつと併用される介護用尿とりパッドであって、腹部面（４）に連結する全体で１枚の平坦な尿吸収部材において、前記腹部面（４）に隣接して肛門周辺に当たる部位である中間部分の会陰部が当たる位置（２）に、横方向に半円柱の盛り上がった土手（３）が設けられると共に、前記土手（３）の中央部分から、前記腹部面（４）の前方に向けて縦方向に立体的な盛り上がり（５）が設けられ、
   前記立体的な盛り上がり（５）は、後端に、女性器の大陰唇のくぼみをふさぐくさび形の切り込み（６）が設けられている、介護用尿とりパッド。
2. 前記土手（３）と前記立体的な盛り上がり（５）とがいずれも前記尿吸収部材と同一素材で構成されている、請求項１記載の介護用尿取りパッド。
3. 前記土手（３）又は前記立体的な盛り上がり（５）の硬度が前記同一素材で構成されているその他の部位よりも相対的に高く調整されている、請求項２記載の介護用尿取りパッド。
4. 前記立体的な盛り上がり（５）が、半円柱状をなし、前記腹部面（４）に進むに従って細く且つ低くなり、大陰唇の長さの１／２程度の長さを有することを特徴とする請求項１乃至請求項３のいずれか１項記載の介護用尿とりパッド。

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