JP6666908B2 - 高質量流量を分布させるための薄スラブ用ノズル - Google Patents

高質量流量を分布させるための薄スラブ用ノズル Download PDF

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Description

本発明は、金属または合金の薄スラブを連続鋳造するための浸漬ノズル(以下、「薄スラブ用ノズル」と称する)に関するものである。特に、本発明は、薄スラブ用モールドへ注入する金属溶湯を極めて大きい流量で良好に制御することを可能にする特定の形状を有する薄スラブ用ノズルに係るものである。本発明は、このような薄スラブ用ノズルを備えた金属鋳造装置にも関する(後に続く圧延の有無に関係しない)。
連続金属形成プロセスでは、金属の溶湯は、1つの冶金用容器から別の冶金用容器または鋳型またはツールに移される。たとえば、図1に示されているように、取鍋11が炉からの溶湯で満たされ、取鍋シュラウドノズル111を通じてタンディッシュ10に移される。その後、溶湯は、タンディッシュから、スラブ、ビレット、梁、薄スラブまたはインゴットを形成するためのモールドに鋳込ノズル1を通じて鋳込むことができる。タンディッシュからの溶湯の流れは、重力によって鋳込ノズル1に通され、流量はストッパ7によって制御される。ストッパ7は、上部に移動可能に設置されており、鋳込ノズルのインレットオリフィスと同軸(すなわち鉛直)になるように延びるロッドである。ノズルのインレットオリフィスに隣接するストッパの端部がストッパヘッドであり、ストッパ端部は、インレットオリフィスの形状に適合する形状を有し、これにより、これらが接触すると、ノズルのインレットオリフィスが封止されるようになっている。タンディッシュからのおよび鋳型への溶湯の流量溶は、ストッパを上下に連続的に変位させることによりストッパヘッドとノズルオリフィスとの間の空間を制御することにより、制御される。
ノズルを通る金属の溶湯の流量Qの制御は非常に重要である。なぜなら、流量Qの変化が、鋳型100で形成される溶湯のメニスカス200mの高さを対応して変化させるからである。静止状態のメニスカスの高さは、以下の理由のために得られなければならない。液体潤滑スラグは、製造中のスラブのメニスカスで特別な粉末を溶融させることにより人工的に製造され、流れが進行するにしたがって鋳型壁に沿って分配される。メニスカスの高さが過度に変化する場合、潤滑スラグは、波形のメニスカスの最も低下した部分に集まる傾向があり、そのために、頂部が露出部して、潤滑剤がなくなることになるか、潤滑剤が少なくなり、鋳型が劣化するとともに製造される金属部分の表面にも有害である。さらに、メニスカスの高さが極めて激しく変化することにより、鋳造される金属部分に潤滑スラグが取り込まれる危険性が増大し、このことも、もちろん製品の品質に有害である。最後に、メニスカスの高さ変化により、ノズルの耐熱性外壁の摩耗速度が増大し、ノズルの耐用寿命が短くなる。
冶金学の特定の分野として、薄い金属ストリップの製造がある。本来、ストリップの最終的な寸法は冷間圧延によって得られる。冷間圧延は高価なプロセスである。その理由としては、半仕上げ製品を鋳造装置により製造し、その鋳造材を冷却、保管、多くの場合新しい工場に運搬する必要があり、再加熱してされて厚いストリップに熱間圧延して、最後に冷間圧延および焼鈍する必要があるからである。例えば、連続鋳造機を熱間圧延ステーションに連結させる様々な方法が提案されており、例えば鋳1.5mm未満のオーダーの薄い寸法のストリップを連続または半連続プロセスで製造して熱間圧延工程へ送り、これにより、2分の1をはるかに超えるエネルギー消費および水消費を低減させることが提案されている。たとえば、このようなプロセスは、国際公開第92/00815号、国際公開第00/50189号、国際公開第00/59650号、国際公開第2004/026497号および国際公開第2006/106376号に記載されている。特に、国際公開第2004/026497号は、いわゆる「エンドレス」プロセスを開示しており、金属体は鋳造ステージから圧延ステージまで何ら中断なしに常に連続しており、ストリップは、すでに最終的な厚さでコイラ前にて所定長さに切断される。このラインでは、年間400万トン以下という単一鋳造ラインでは先例のない製造量を達成できる。このようなプロセスの連続鋳造ステージにより、薄スラブ用モールドから出るスラブの中間処理を用いない薄スラブの製造が間違いなく可能になる。薄スラブは、一般的には30〜120mmのオーダーである薄スラブの厚さよりも実質的に大きい幅を有する半仕上げ製品である。このような用途については、製造量よりも、後続の圧延作業および圧延温度を保証するために、の大きな流量で、鋼などの薄スラブを鋳造することが必須であり、たとえば、幅1mmあたり最大5Kg/min、このことは、幅2.1mの鋼スラブを最大10トン/minで鋳造することができることを意味する。非常に特別なノズルを使用しなければならならず、このノズルは、多くの場合「薄スラブ用ノズル」と称され、本明細書ではこのように記載する。図1および図2に図示されているように、薄スラブ用ノズル1は、タンディッシュ10のような上部容器に既知の手法で接合される、長手方向軸線X1に沿って延びる管(通常、円形断面を有する円筒形であるが、必ずしも必要ではない)の上流部を備えている。薄スラブ用ノズルは、それを流れる金属溶湯200の流量を制御するために、通常は、ストッパ7と組み合わせて使用される。上流部の反対側の下流部において、薄スラブ用ノズルは、長手方向軸線X1に垂直な第1の横方向軸線X2に沿って薄くなり、長手方向X1および第1の横方向X2の両方に垂直な第2の横方向X3に沿って広くなり、これにより、鋳型壁から必要なクリアランスを維持しつつ、薄スラブ用ノズルを鋳型空洞部に嵌入することができる。下流部は、「拡散部」または「アウトレット拡散部」と多くの場合記載され、ポートアウトレット51dで開く2つのフロントポート51が設けられている。拡散部は、スラブが成形される際に、薄スラブ用モールド100に金属溶湯200を供給することを可能にし、スラブは、モールドの冷却された壁と接する際にシェル200sとして凝固し始める。
薄スラブ用ノズルの上流部と下流部は、接続部によって接続されており、薄スラブ用ノズルに全体的に典型的なシャベル状の形状を付与する。図2に図示されているように、薄スラブ用ノズルの空洞部(ボア)は、インレットオリフィスを備え、かつ分離器(デバイダ)10の高さで終端する中央ボア50を含んでおり(図3(a)で最も良好に見ることができる)、デバイダ10は、薄スラブ用ノズルのアウトレットポートオリフィスを含む2つのポート51を形成する。中央ボア50は、上流ボア部50aおよび収斂ボア部50eを備えている。収斂ボア部50eは、長手方向軸線X1に対して実質的に軸対称である中央ボア50aの形状として非常に重要であり、その役割は、長手方向軸線X1および第2の横方向軸線X3によって規定される平面Π2に対する平面対称性を有する平坦でかつ幅広いアウトレット拡散部に延在するポート51の高さで急激的に変化し、したがって、ノズルの上流部から下流部にわたる金属溶湯の流れパターンが顕著に乱される。したがって、薄スラブ用ノズルの収斂ボア部50eは、金属溶湯が、薄スラブ用ノズルの上流部から薄スラブ用ノズルの下流側端部に位置するアウトレット拡散部にできるだけ滑らかに流れることを確実にしなければならない。金属溶湯は、低い乱流レベル(小規模の渦または大きくない乱流を意味する)、微小速度および圧力変化をともなって、できるだけ適切な状態でフロントポート51内に入らなければならず、これにより、ポート壁に沿う流れの分離がなくなり、その結果、ポート51dに沿ってできるだけ均一な速度で入る。用語「薄スラブ用ノズル」は、上記に記載されているような、タンディッシュのような冶金用容器から薄スラブ用モールドに金属溶湯を移すことに適した、このようなノズルを限定して称するためにここで用いられている。この用語は、その下流部の外壁の、実質的に軸対称な形状を有するノズルを「薄スラブ用ノズル」の定義から明示的に除外する。
薄スラブ用モールド内のスラグおよび金属溶湯によって形成されるメニスカス200mの高さ制御は、全体的にノズルに関して上記で説明されている(図2を参照)ように、ストッパ7のストッパ上部と薄スラブ用ノズル1のインレットオリフィスとの間の距離を制御することによって主に達成される。上記で説明されたように、この制御は、鋳造される金属部分が良好な品質であることを確実にすることにとって非常に重要である。しかしながら、薄スラブ用モールドの幅または厚さLが非常に薄いため、距離の制御は、薄スラブの鋳造にとりわけ慎重な扱いを要し難しい。そのうえ、長手方向軸線X1に垂直なこのようなモールドの断面積L×W(面積=幅または厚さL×幅W)が小さいので、金属溶湯の流量Qの変化により、より大きな断面を有する厚い梁用、厚いプロファイル用などの他のタイプのモールドを用いるよりも際立って大きい変化の振幅をともなうメニスカスの高さの実質的な変化を生じさせる。
欧州特許出願公開第925132号は、タンディッシュのような金属容器から薄スラブ用モールドへの金属溶湯の流れの制御を改善し、拡散器の高さでの特定の形状の空洞部を有する薄スラブ用ノズルを提案している。たとえば、収斂ボア部50eの端部の高さでの2つのフロントポートの断面積の合計は、ノズルの上流と収斂ボア部50a,50eとの境界での対応する断面積よりも小さい。ポートの側壁は、長手方向軸線X1および第2の横方向軸線X3によって規定される平面Π2において下方に広がるが、ポートの側壁は、軸線X1,X2およびX2,X3によってそれぞれ規定される平面Π1およびΠ3において収斂し、下向きの方向に断面の減少が生じる。欧州特許出願公開第925132号の図2に表わされている薄スラブ用ノズルの接続部の空洞部壁は明確に線形的に収斂している。
欧州特許出願公開第1854571号は、連続する輪郭を有し、30°〜60°の頂角を有する尖頭アーチ状のデバイダの形状に特徴のある薄スラブ用ノズルを開示している。その下部にあるデバイダは、中央の鉛直軸線に向かって側部が対称的に先細りする。この設計は、上記で説明された欧州特許出願公開第925132号に開示されるタイプの薄スラブ用ノズルに現れた欠点を解決するものである。特に、この設計は、流れの不安定性と流れの分離が流れデバイダの輪郭に沿って起こることを防ぐ。流路仕切り(流れ分岐)現象を生じさせる流れデバイダの輪郭に沿って金属が流れる際、流れの分離により渦が生成される。これらの渦は、流れによってモールドに引きずり込まれ、得られた出る流れの両方の、狭い対向する面の間の過度の流体摩擦(乱流相互作用)によって生成される乱流構造と結合する傾向があり、この結果、モールド流れパターンの不安定性、非対称および振動が起こり、また、メニスカス(バスタブ面)に向かう流れの循環が起こり、この流れの循環は、極端に速く、液体が適度に入り込めない。
米国特許第7757747号、国際公開第9529025号、国際公開第9814292号、国際公開第02081128号および独国特許出願公開第4319195号の各々は、上記で説明された薄スラブ用ノズルのデバイダよりも実質的に高さの小さいデバイダを有する薄スラブ用ノズルを開示しており、高さの小さいデバイダは、1対の非常に短いポートを有する。流れが2つの個別の流れに分割された直後に、金属溶湯がアウトレットポートオリフィスから流れ出ることを許容することにより、平行な流線に近いものであって、大きいスケールの渦によって乱されず、薄スラブ用モールド内に向かう層流に似た流れを形成することはできないと考えられている。このような形状では、上流ボア部50aと収斂ボア部50eとの間の中央ボアの明確な区別は、もはや不可能である。
米国特許第7757747号は、中央ボア部によって形成された流れ経路を2つのサブフローに分割する第1の中央デバイダを備える薄スラブ用ノズルを開示している。薄スラブ用ノズルは、各サブフローを2つのさらなるサブフローに分割する2つの短いデバイダをさらに備えている。これにより、4つのポートアウトレットを備えるノズルがもたらされる。第1の方向に沿って、中央ボアは、インレットオリフィスから第1のデバイダまで連続的に減少し(米国特許第7757747号の図2を参照)、中央ボア全体が連続的に収斂するので、中央ボアは、上流ボア部50aと収斂ボア部50eに分割することができない。同様に、国際公開第9814292号および国際公開第9529025号には、中央ボア断面が、デバイダに達するまで、第1の方向に沿って連続的に細くなり、第1の方向に垂直な第2の方向に沿って広くなることが示されている(国際公開第9814292号の図15を参照)。いずれの場合にも、フロントポートは極めて短い。
国際公開第02081128号では、中央ボアの上流部は、円形断面から楕円断面に連続的に変化する。収斂ボア部50eを符号3として特定すると、収斂ボア部50eにより中央ボアは終端しないが、収斂ボア部50eは、最終的にデバイダに達して2つの極めて短いポートに沿って流れを分割するまで、単純に第1の方向に沿って細くなり、第1の方向に垂直な第2の方向に沿って広くなる。独国特許出願公開第4319195号は、明確な収斂ボア部を備えた薄スラブ用ノズルを開示している。収斂ボア部は、ノズルの第1の対称面上で線形的に収斂し、第1の対称面に垂直な第2の対称面上で線形的に広がる。この場合も、収斂ボア部により中央ボアは終端せず、中央ボアは、2つのポートを形成するデバイダに突き当たるまで、薄くかつ幅広い導管として延びる。
薄スラブ用ノズル技術において提案された様々な解決策は、薄スラブ用ノズルと、上記で説明したプロセスにおいて鋳造ステージを熱間圧延ステージに連続的に接続させることについてのすべての厳しい流れ要求をいまだに完全に満足には満たしていない。
以下が主に要求される。
a)モールドに極めて大きい質量流量で金属溶湯を供給することの実現性。
b)アウトレットポートでの流速の適切な分布。
c)流れパターンが安定しかつ制御されている状態での、モールド内での流れの再循環(同じタイプの流れの再循環)。
d)溶湯の優れた安定性の必要性、および「メニスカス」と呼ばれる溶融モールド粉末界面の必要性。
本発明は、薄スラブ用モールド内への金属溶湯の流れの優れた制御を提供し、薄スラブを、所望の寸法(たとえば<10mm)の薄いストリップを製造する熱間圧延ステージに直接送ることができる薄スラブ用ノズルを提案する。この利点および他の利点を以下に説明する。
国際公開第92/00815号 国際公開第00/50189号 国際公開第00/59650号 国際公開第2004/026497号 国際公開第2006/106376号 欧州特許出願公開第925132号明細書 欧州特許出願公開第1854571号明細書 米国特許第7757747号明細書 国際公開第9529025号 国際公開第9814292号 国際公開第02081128号 独国特許出願公開第4319195号明細書
本発明は、添付の独立請求項に規定される。好ましい具体例は、従属請求項に規定される。特に、本発明は、金属の薄スラブを鋳造するための薄スラブ用ノズルに関する。薄スラブ用ノズルは、長手方向軸線X1およびX1に垂直な第1の横方向軸線X2によって規定される第1の対称平面Π1に対して対称であり、かつ長手方向軸線X1、およびX1とX2に垂直な第2の横方向軸線X3によって規定される第2の対称平面Π2に対して対称である形状を有し、薄スラブ用ノズルは、
薄スラブ用ノズルの上流側端部に位置しており、長手方向軸線X1に平行に向いているインレットオリフィスを備えるインレット部から、
薄スラブ用ノズルの下流側端部に位置しており、第1および第2のアウトレットポートオリフィスを備えるアウトレット拡散部まで、長手方向軸線X1に沿って延びており、
アウトレット拡散部は、第2の横方向軸線X3に沿って測定した幅を有し、その幅は、第1の横方向軸線X2に沿って測定したアウトレット拡散部の厚さよりも少なくとも3倍大きい。
接続部が、インレット部とアウトレット拡散部とを接続しており、薄スラブ用ノズルは、 ボア壁によって画定され、インレットオリフィスで開き、デバイダの上流側端部で閉じるまで長手方向軸線X1に沿ってインレットオリフィスから延びる中央ボアをさらに備えており、中央ボアは、
インレットオリフィスを備えており、高さHaにわたって延びている上流ボア部と、
収斂ボア部であって、上流ボア部に隣接して上流側境界を形成しており、収斂ボア部は、高さHeであり、薄スラブ用ノズルの接続部に位置している、収斂ボア部と、
収斂ボア部に隣接しており、薄スラブ用ノズルの拡散部に位置しており、デバイダの上流側端部の高さで終端している高さHfの薄ボア部と、
デバイダによって分離され、第2の対称平面Π2に平行に延在する第1および第2のフロントポートであって、第1および第2のフロントポートは、収斂ボア部の2つの対向する壁上で少なくとも部分的に開いている第1および第2のポートインレットから、第1および第2のアウトレットポートオリフィスまで延在しており、第1および第2のフロントポートは、第1の横方向軸線X2に沿って測定される幅W51を有し、幅W51は、第1の横方向軸線X2に沿って測定される上流ボア部の幅D2(X1)よりも常に小さい、第1および第2のフロントポートと
を備える。
薄スラブ用ノズルは、第1の対称平面Π1に沿う薄スラブ用ノズルの断面において、中央ボアの壁の形状が、
上流ボア部の高さHaの少なくとも90%にわたるボア壁の任意の点での曲率半径ρa1が、無限大に近く、
収斂ボア部のボア壁の任意の点での曲率半径が有限であり、
収斂部の高さHeに対する薄ボア部の高さHfの比が1以下である(Hf/He≦1)ことを特徴とする。
好ましくは、収斂ボア部のボア壁の任意の点での曲率半径は、収斂ボア部の高さHeを通じて一定でない(したがって、半球形収斂ボア部は除かれる)。
ここで、用語「上流」および「下流」は、薄スラブ用ノズルが使用され、タンディッシュまたは他の任意の冶金容器の底に結合されたときの金属溶湯の流れの方向に関して定義される(図1〜図6において、この方向は、鉛直方向に上(上流)から下(下流)に向かう)。
流線をできるだけ平行に維持し、流れの分離を防止するために、ボアの全断面積は、インレット部から、中央ボアとフロントポートとを含む接続部の上流部まで比較的一定の状態を維持することが好ましい。特に、中央ボア並びに第1および第2のフロントポートの、長手方向軸線X1に垂直な平面Π3上で測定される全断面積A(X1)は、上流側境界での全断面積Aaに対する全断面積A(X1)の相対変化ΔA(X1)/Aa=|Aa−A(X1)|/Aaが、上流側境界から下がって収斂ボア部の高さHeの70%まで、長手方向軸線X1と交差する任意の平面Π3について、15%以下であることで特徴づけられる。さらに好ましい具体例においては、収斂ボア部における長手方向軸線X1に垂直な任意の平面Π3上の全断面積Aの、長手方向軸線X1上の平面Π3の位置に対する導関数dA/dX1は、必ず0以下(dA/dX1≦0)になるように、中央ボアおよびフロントポートの全断面が、中央ボアの高さ全体を通じて増加することがないことが好ましい。
好ましい具体例において、収斂ボア部は、
高さHcの端ボア部と、高さHbの遷移ボア部との2つのボア部にさらに分割され、
遷移ボア部は、上流ボア部および端ボア部に隣接して、上流ボア部と端ボア部との間に設けられ、一端に端ボア部との遷移境界を形成し、他端に上流ボア部との上流側境界を形成し、
第1の対称平面Π1に沿う薄スラブ用ノズルの断面において、収斂ボア部の壁の形状は、
端ボア部のボア壁の任意の点での曲率半径ρc1が、1/2×D2a以下(ρc1≦1/2×D2a)であり、ここで、D2aは、上流側境界における中央ボアの幅であり、
遷移ボア部のボア壁の任意の点での曲率半径ρb1が、1/2×D2aよりも大きく、かつ5×ρc1と50×D2aとの間にあり、
端ボア部(50c)に対する遷移ボア部の高さ比Hb/Hcが3〜12であることで特徴づけられる。
特に、端ボア部および遷移ボア部の少なくとも1つの、平面Π1に沿う断面が円弧を形成することが好ましい。換言すると、平面Π1に沿う薄スラブ用ノズルの断面上で測定される曲率半径ρb1は、遷移ボア部のボア壁の任意の点で一定であり、及び/又は、平面Π1に沿う薄スラブ用ノズルの断面上で測定される曲率半径ρc1は、端ボア部のボア壁の任意の点で一定である。
好ましい具体例によれば、上記で規定された対称平面Πに沿う薄スラブ用ノズルの中央ボアの断面の形状は、対称平面Π2に沿う断面にも適用され、より好ましくは、長手方向軸線X1を含む平面Πiに沿う任意の断面にも適用される。特に、第1および第2のポートインレットを除いて、第1の対称平面Π1に沿う薄スラブ用ノズルの断面に関する上記で規定された収斂ボア部、遷移ボア部および端ボア部のボア壁の曲率半径および高さ比は、対称平面Π2および好ましくは第1の長手方向軸線X1を含む任意の平面Πiに沿う薄スラブ用ノズルの断面に適用される。より好ましい具体例では、収斂ボア部は、長手方向軸線X1に垂直な任意の平面Π3に沿う楕円形断面を有するか、または円形断面さえ有する。円形断面の場合には、中央ボア部(ポートインレットを除く)は、回転対称形状を有する。換言すると、中央ボアは、第1および第2のポートインレットを除いて、長手方向軸線X1に垂直な平面Π3に沿う楕円形または円形の断面を有してもよく、その断面は、第1の横方向軸線X2および第2の横方向軸線X3に沿って、主直径D2(X1)、D3(X1)をそれぞれ有し、その断面の寸法は、比D2(X1)/D3(X1)が、D2(X1)≦D3(X1)の条件で、一定の値を維持するように、長手方向軸線X1に沿って変化する。このことは、円は円のままであり、楕円は、長手方向軸線X1(相似)に沿って同じ比率の楕円のままであることを意味する。
サイドポートインレットが、収斂ボア部に大部分が位置することが好ましい。サイドポートインレットの上流側端部は、上流側境界の近傍に位置することが好ましい。同様に、サイドポートインレットの下流側端部は、収斂ボア部の下流側端部に近いことが好ましい。したがって、サイドポートインレットの下流側端部と収斂ボア部の下流側端部との間の距離は、薄ボア部の高さHfによって規定され、薄ボア部の高さHfは、比較的小さくする必要がある。特に、薄スラブ用ノズルの上流側端部と第1および第2のポートインレットの上流側端部との間の距離は、Ha(1±7%)の範囲であり、及び/又は、Ha(1+0.07)の範囲であり、及び/又は、(Ha±30mm)の範囲である。高さHfに関して、収斂部の高さHeに対する薄ボア部の高さHfの比は、50%以下、好ましくは25%以下、より好ましくは15%以下であることが好ましい。あるいは、中央ボアの高さ(=Ha+He+Hf)に対する薄ボア部の高さHfの比は、15%、好ましくは10%以下、より好ましくは7%以下、最も好ましくは3%以下であることが好ましい。
上記で説明したように、好ましくは、フロントポートは、収斂ボア部の高さ(収斂ボア部のわずかに上流および下流に及んでもよい)で中央ボア部に合流する。軸線X1、X3によって規定される平面Π2上において、好ましくは、第1および第2のフロントポートは、5°〜45°、より好ましくは15°〜40°、最も好ましくは20°〜30°の長手方向軸線X1に対する角度αで中央ボアに合流する。上流側境界での中央ボアの第1の横方向軸線X2に沿う幅D2aに対する、第1の横方向軸線X2に沿う第1および第2のフロントポートの幅W51の比W51/D2aは、好ましくは15%〜40%、より好ましくは24%〜32%である。
一方のフロントポートを他方から隔てているデバイダの形状は重要である。第2の対称平面Π2に沿う断面において、第1および第2のポート51と接するデバイダ10は、長手方向軸線X1に沿ってデバイダの上流側端部10uから薄スラブ用ノズルの下流側端部まで延在しており、まずデバイダがデバイダの最大幅に達するまで広がり、次に、薄スラブ用ノズルの下流側端部に達するまで収斂するデバイダの両方の壁によって特徴づけられる。好ましくは、デバイダ10の高さHdは、収斂ボア部の高さHeの少なくとも2倍大きい(Hd≧2He)。このことは、フロントポートが、中央ボアからフロントポートに金属溶湯の流れを変えた後に金属溶湯の流れを整流化することを可能にする程度に十分長いことを確実にする。
好ましい具体例では、上流側境界での中央ボアの第1の横方向軸線X2に沿う幅D2aに対する、遷移境界線での中央ボアの第1の横方向軸線X2に沿う幅D2bの比D2b/D2aは、65%〜85%、好ましくは70%〜80%である。
本発明はまた、薄スラブを鋳造する金属鋳造装置において、上記で規定された薄スラブ用ノズルに流体連通するアウトレットが少なくとも設けられているタンディッシュを備え、薄スラブノズルのアウトレット拡散部が、薄スラブ用モールドに挿入されている金属鋳造装置にも関する。特に、金属鋳造装置は、国際公開第92/00815号、国際公開第00/50189号、国際公開第00/59650号、国際公開第2004/026497号および国際公開第2006/106376号のいずれかに記載されている種類のものである。
本発明の本質のより完全な理解のために、以下の添付の図面とともに記載されている以下の詳細な説明を参照する。
薄スラブを鋳造する鋳造装置の全体図。 本発明に係る取鍋シュラウドノズルとともにタンディッシュの下部の断面側面図。 本発明の第1の具体例に係る薄スラブ用ノズルの、3つの直交する平面、Π1,Π2,Π3上の断面図。 図3で表わされている薄スラブ用ノズルの収斂ボア部を含む平面Π1,Π2上の断面図の一部の拡大図。 本発明の第2の具体例に係る薄スラブ用ノズルの、3つの直交する平面、Π1,Π2,Π3上の断面図。 図5で表わされている薄スラブ用ノズルの収斂ボア部を含む平面Π1,Π2上の断面図の一部の拡大図。 本発明に係る薄スラブ用ノズル(図5および図6に図示されているような薄スラブ用ノズル)の中央ボアおよびサイドポートの断面積を、従来技術の薄スラブ用ノズルのものと比較するグラフ。 様々な薄スラブ用ノズルの収斂ボア部に注目した、図7のグラフの拡大グラフ。
図1に図示されるように、本発明に係る薄スラブ用ノズル1は、タンディッシュから薄スラブ用モールド100に金属溶湯200を移すためにタンディッシュ10の底床への結合に適したものである。図2に示されているように、薄スラブ用モールドは、第1の横方向X2の寸法Lが小さいことが特徴である。したがって、挿入される薄スラブ用ノズルの部分も、この第1の横方向X2に相当薄くなければならない。薄スラブ用ノズルを流れる金属溶湯の流量は、ストッパ7により概ね制御される。ストッパ7の機能は、本明細書の導入部で説明されている。
本発明に係る薄スラブ用ノズルは、図3および図5に図示されている以下の3つの主要部分を備えている。
インレット部。薄スラブ用ノズルの上流側端部に位置しており、長手方向軸線X1に直交して向いている入口オリフィス50uを備え、タンディッシュの底床部への結合に適している。
アウトレット拡散部。薄スラブ用ノズルの下流側端部に位置しており、第1および第2のアウトレットポートオリフィス51dを備え、第2の横方向軸線X3に沿って測定した幅は、第1の横方向軸線X2に沿って測定した厚さよりも少なくとも3倍大きく、薄スラブ用モールドへの挿入に適している。
接続部。インレット部とアウトレット拡散部との間の遷移部を形成する。
薄スラブ用ノズルは、インレットオリフィス50uをアウトレットポートオリフィス51dに流体接続するボア(空洞)系を備えている。図2、図3および図5に図示されるように、ボア系は、ボア壁によって画定される中央ボア50を含み、中央ボア50は、インレットオリフィス50uで開き、長手方向軸線X1に沿ってインレットオリフィスから延びてデバイダ10の上流側端部10uで閉じる。中央ボアは、上流ボア部50aを含み、上流ボア部50aは、インレットオリフィスを備え、高さHaにわたって延在し、上流ボア部50aに隣接して、収斂ボア部50eとの上流側境界5aを形成する。
収斂ボア部50eは、高さHeで、薄スラブ用ノズルの接続部に位置する。
薄ボア部50fが、収斂ボア部50eに隣接しており、高さHfであり、薄スラブ用ノズルの拡散部に位置しており、デバイダ10の上流側端部10uの高さで終端する。
第1および第2のフロントポート51は、デバイダ10によって分離されており、第2の対称面Π2に平行に広がっている。第1および第2のフロントポートは、収斂ボア部50eの2つの対向する壁上で少なくとも部分的に開いている第1および第2のポートインレット51uから、第1および第2のアウトレットポートオリフィス51dまで延在する。第1および第2のフロントポート51は、第1の横方向軸線X2に沿って測定される幅W51を有し、幅W51は、第1の横方向軸線X2に沿って測定される上流ボア部50aの幅D2(X1)よりも常に小さい。
上流部およびアウトレット拡散部の形状は、大きく異なる。前者は略円筒形であり、後者は、薄く平坦で末広がりに広がっている。これらの部分のボア系の形状もやはり実質的に異ならなければならない。上流ボア部は、広い意味で略角柱形または略楕円形であり、または、必ずしも必要ではないが、多くの場合は円筒形であり、または側壁が5°以下の適度な角度で下流にゆっくり収斂する相似形である。いずれの場合にも、その形状がストッパヘッド7の形状に適合しなければならない上流オリフィス50uは別として、上流ボア部50aの壁は、実質的に直線状である。すなわち、上流ボア部50aの高さHaの少なくとも90%(インレットオリフィスの領域を除く)にわたるボア壁の任意の点での曲率半径ρa1は、無限大に向かう。他方、フロントポート51は、これを薄スラブ用モールドに嵌入することができるように、第1の横方向X2に沿って狭くなっており、十分な断面積(長手方向軸線X1に垂直な任意の平面Π3に沿った断面積)を維持するために第2の横方向X3に沿って末広がりに広がる。
上流ボア部とフロントポートとの間のこのようなボア形状の相違とともに、薄スラブ用ノズルの接続部分に対応するボア系領域として定義され、かつ収斂ボア部50e、薄ボア部50fおよびフロントポート51の上流部を含む接続ボア部の形状は、金属溶湯が、所定の状態、すなわち、薄スラブ用ノズルの上流オリフィス50uから下流ポートオリフィス51dへの流線に関して層流であるような、いわゆる「完全乱れ確立態様」(大きいスケールの渦によって乱されない)で滑らかに流れることを確実にするために最も重要であることは明確である。第1の対称平面Π1に沿う本発明に係る薄スラブ用ノズルの断面では、接続ボア部50eの中央ボア50の壁の形状は、以下のように特徴づけられる。
収斂ボア部50eのボア壁の任意の点での曲率半径は、有限である。
収斂部50eの高さHeに対する薄ボア部50fの高さHfの比は1以下である(Hf/He≦1)。
図3および図4は、本発明の第1の具体例を示す。図3(b)および図4(b)は、軸線X1、X2によって定義される第1の対称平面Π1に沿う断面を示す。図3および図4の図(a)と図(b)を比較することによって、本具体例において、上流ボア部(50a)が直線状の壁を有する円筒形である一方で、収斂ボア部50eの壁が湾曲することを極めて明確に認識できる。また、中央ボア50が薄スラブ用ノズルのアウトレット拡散部にあまり深く突き出ないことが重要である。すなわち、薄ボア部50fの高さHfは、収斂ボア部50eの高さHeよりも大きくすることはできない(Hf/He≦1)。好ましくはHf/He<0.5、より好ましくはHf/He≦0.25、最も好ましくはHf/He≦0.15である。このことは、フロントポート内の金属溶湯の流れがフロントポートアウトレット51dに達する前に、その流れが正しい方向に整流化されるように流れが十分に長いことを確実にするために重要である。薄ボア部50fは、好ましくは、中央ボア50の全高さ(Ha+He+Hf)の15%以下、好ましくは10%以下、より好ましくは7%以下、最も好ましくは3%以下の高さHfを有する。特定の具体例では、Hf=0である。
さらに、中央ボア50のボア系下流の部分の高さHd、すなわち、デバイダ10の上流側端部10uの下流に位置し、デバイダの高さHdに対応する高さHdが、第1および第2のフロントポート51内の流れを整流化するように十分に高いことが有効である。特に、デバイダ10の高さHdは、収斂ボア部50eの高さHeの少なくとも2倍大きい(Hd≧2He)ことが好ましい。第1および第2のフロントポート51に沿う流れは、デバイダ10により最も良好に整流化され、デバイダ10は、長手方向軸線X1に沿ってデバイダの上流側端部10uから薄スラブ用ノズルの下流側端部まで延在し、まずデバイダがその最大幅に達するまで広がり、次に、薄スラブ用ノズルの下流側端部に達するまで収斂する、第2の対称平面Π2に沿う断面における2つの壁によって特徴づけられる。
図5および図6は、本発明の好ましい具体例を図示する。これらの図では、収斂ボア部50eは、以下の2つのボア部にさらに分割される。
高さHcの端ボア部50c。
上流ボア部50aおよび端ボア部50cに隣接して、上流ボア部50aと端ボア部50cとの間に設けられた遷移ボア。すなわち、一端に端ボア部との遷移境界5bを形成し、他端に上流ボア部との上流側境界5aを形成する高さHbの遷移ボア部50b。
第1の対称平面Π1に沿う薄スラブ用ノズルの断面において、収斂ボア部50eの壁の形状は以下のように特徴づけられる。
端ボア部50cのボア壁の任意の点での曲率半径ρc1は、1/2×D2a以下であり、ここで、D2aは、上流側境界5aにおける中央ボア50の幅である(ρc1≦1/2×D2a)。
遷移ボア部50bのボア壁の任意の点での曲率半径ρb1は、1/2×D2aよりも大きく、かつ5×ρc1から50×D2aまでである。
この具体例では、遷移ボア部50bの高さHbは、端ボア部50cの高さHcよりも実質的に大きいものとする。特に、高さ比Hb/Hcは、3〜12とする。
好ましい具体例では、遷移ボア部50bおよび端ボア部50cの少なくとも一方または両方の曲率半径ρb1,ρc1は、対応するボア部50b,50cの全高さHb,Hcにわたって一定であり、したがって、図6(b)に図示されているように、対応する円弧を形成する。
第1および第2のポートインレット51uの存在を除いて、軸線X1、X2によって定義される対称平面Π1に沿う断面に関して上記で定義される中央ボア50の形状は、必要な変更を加えて、軸線X1、X3によって定義される対称平面Π2に沿う断面(平面Π2の曲率半径がρb2およびρc2によって参照されている図6(a)に図示されているような断面)に適用され、さらに好ましくは、長手方向軸線X1を含む任意の平面Πiに沿う断面に適用されることが好ましい。たとえば、中央ボア50の収斂ボア部50eは、第1および第2のポートインレット51uを除いて、長手方向軸線X1に垂直な平面Π3に沿う楕円形または円形の断面を有してもよく、その断面は、第1の横方向軸線X2および第2の横方向軸線X3に沿って、主径D2(X1)、D3(X1)をそれぞれ有し、その断面の寸法は、比D2(X1)/D3(X1)が、D2(X1)≦D3(X1)の状態で、一定の状態を維持するように、長手方向軸線X1に沿って変化する。D2(X1)=D3(X1)の場合、収斂部50eの断面は円形である。上流ボア部50aが円筒形である場合、中央ボア50の形状(ポートインレット(51u)を除く)は、回転対称形状である。
収斂ボア部および薄ボア部50e,50fを備える接続ボア部は、上流側境界5aで幅D2aの円筒形の(または同様の)ボアから、幅D2aよりも実質的に小さい幅W51のフロントポートへの滑らかな流れ遷移を可能にしなければならない。たとえば、第1の横方向軸線X2に沿って測定する際、第1の横方向軸線X2に沿う第1および第2のフロントポートの幅W51と上流側境界5aでの中央ボア50の第1の横方向軸線X2に沿う幅D2aとの比W51/D2aは、通常は15%〜40%であり、好ましくは24%〜32%である。収斂ボア部50eが遷移ボア部50bおよび端ボア部50cを備える図5および図6に図示されたノズルの場合には、上流側境界5aでの中央ボア50の第1の横方向軸線X2に沿う幅D2aに対する、遷移境界線5bでの中央ボア50の第1の横方向軸線X2に沿う幅D2bの比D2b/D2aは、65%〜85%、好ましくは70%〜80%であることが好ましい。第1および第2のフロントポート51は、収斂ボア部の高さで中央ボア50に接続されるが、このような形状により、全ボア面積(以下でより詳細に説明される)が、遷移ボア部50bにおいて長手方向軸線X1に沿って比較的一定の状態を維持し、その後、中央ボア50aからフロントポート51に向かって流れを変える前に均一な圧力場を形成するように、端ボア部50cにおいて急激に減少することが可能になる。
長手方向軸線X1に沿う金属溶湯の圧力は、ボア系の断面積に比例するので、金属溶湯流の向きが第1および第2のフロントポート51に向かって変えられなければならない端部10uに近づくまで、ボア系の全断面積が、中央ボア50内で実質的に一定の状態を維持することは重要である。ボア系は、角柱形であるか、わずかに広がる円錐形であるので、ボア系は上流ボア部において直線状であるが、断面積をできるだけ収斂ボア部50eの深くまで実質的に一定に保つことは最も大きな問題である。「実質的に一定」および「できるだけ深く」は、ここでは、上流側境界5aでの全断面積Aaに対する全断面積A(X1)の相対変化ΔA(X1)/Aa=|Aa−A(X1)|/Aaが、上流側境界5aから下がって収斂ボア部50eの高さHeの70%まで、長手方向軸線X1と交差する任意の平面Π3について、15%以下であるとすることを意味する。このことは、多くともHeの約30%に対応する非常に短い距離の範囲内で金属溶湯に圧力を形成することができ、第1および第2のフロントポート51に向かって横向きに金属流を偏向させることができることを意味する。特に、断面積は、金属溶湯が中央ボア部の端10u(10uは、デバイダ10の上流側端部に対応する)に達して、ほとんどがフロントポートに流れるまで、一切増加することがないことが有効である。実際に、接続部の断面積の増加により、乱流と大きな渦の形成とをもたらす流れの分離が起こる。このような要求は、長手方向軸線X1に垂直な任意の平面Π3上の全断面積Aの、長手方向軸線X1上の平面Π3の位置に対する、収斂ボア部50eにおける導関数dA/dX1で表わすことができ、この導関数は必ず0以下になっていることが有効である(dA/dX1≦0)。
長手方向軸線X1に沿う位置の関数としての、長手方向軸線X1に垂直な平面Π3上の全断面ボア面積(中央ボア50の断面積と第1および第2のフロントポート51の断面積との合計)の変化は、第1および第2のフロントポート51が中央ボア50に接続している箇所に依存する。上記で説明しているように、第1および第2のフロントポートのポートインレット51uは、収斂ボア部50eの2つの対向する壁上で少なくとも部分的に開いていなければならない。第1および第2のポートインレット51uの上流側端部は、上流側境界5aの極めて近傍に位置することが好ましい。ここで、「極めて近傍」は、第1および第2のポートインレット51uの上流側端部が、上流ボア部50aの高さHaの7%以下だけ、上流側境界から隔てられることを意味する。実際には、このことが上流側境界5aの上流または下流に30mm以上ということを表わすことにならない。第1および第2のポートインレット51uの下流側端部は、薄ボア部の高さHfに依存することは上記で説明されている。高さHfもまた極めて小さいことが好ましく、第1および第2のフロントポートのフロントポートインレット51uの高さの少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%が、収斂ボア部50e内に含まれることが好ましい。
軸線(X1,X3)によって定義される平面Π2(図3〜図6の図(a)を参照)において、第1および第2のフロントポート51は、好ましくは、5°〜45°に、より好ましくは15°〜40°に、最も好ましくは20°〜30°の長手方向軸線X1に対する角度αで中央ボア50に突き当たる。第1および第2のポートアウトレット51dの各々は、他方では、長手方向軸線X1に、実質的に垂直な平面を画定する。ここで、「実質的に垂直」は、90°±5°を意味する。このことは、金属溶湯が必ず長手方向軸線X1に実質的に平行な方向に薄スラブ用ノズルから流れ出ることを意味する。
図7および図8は、収斂ボア部の形状が相違する様々な薄スラブ用ノズルについて、長手方向軸線X1に沿う位置の関数としての全ボア面積(中央ボア50の面積+フロントポート51の面積)の変化を比較する。
黒い丸は、図5および図6に図示されているような本発明に係る薄スラブ用ノズルを示す。
白い丸は、半球形形状を有する収斂ボア部を示す。
灰色の丸は、円錐形形状を有する収斂ボア部を示す。
白い三角形は、2つの収斂する平坦な壁が収斂部の端に突き当たる「マイナスドライバ」形状を有する収斂ボア部を示す。
どのようにボア断面積が上流側境界5aから下がって第1および第2のポートアウトレット51dまで変化するかが図7からわかる。図7および図8にプロットされる様々なノズルは収斂ボア部50eの形状のみが変更されたので、アウトレット拡散部のボアのボア断面積は、すべてのノズルに共通しており、曲線は重なる。明確にするために、本発明に係るノズルの黒い丸のみが拡散部において表わされている。第1の横方向軸線X2に沿って測定された幅W51は、長手方向軸線X1および第2の横方向軸線X3の両方にわたって一定であるので、中央ボア50の下流の曲線の形は、平面Π2に沿う断面におけるデバイダ10の壁形状を表わす。デバイダ10の高さHdが収斂部の高さHeよりも大きく、したがって、金属溶湯の流れが、中央ボア50から第1および第2のフロントポート51に移る際に方向を変え、第1および第2のポートアウトレット51dの向きによって要求される流れ方向に沿って再調整することが可能な点に注意することが重要である。
ボア系の断面積が、接続ボア部において、あるノズルタイプと他のノズルタイプで極めて相違するように変わることが分かる。図8は、図7のグラフの拡大であり、上流側境界5aから下がってデバイダ10の上流側端部10uまでの接続ボア部について拡大されている。半球形収斂ボア部(白い丸)について、ボア断面積Aが、中央ボアの端10uまで急激に降下する前に、まず増加することが分かる。上記で説明しているように、断面積の増加は、流れの分離と、大きな渦および流れの不安定性を引き起こす流れの再循環とをもたらし、結果として、フロントポート51に向かって流れの方向を変える際に、気泡および乱流が形成される場合がある。したがって、このような解決策は、薄スラブ用ノズルを通る流れの良好な制御には都合が悪い。逆に、円錐形収斂ボア部(灰色の丸)のボア断面積は、まず極めて急激に降下し、その後、中央ボア50の端に達する前に増加する。この場合も、ボア断面積のこのような急な降下および増加が乱流を引き起こし、したがって、満足なものではない。「マイナスドライバ」形状(白い三角形)を有する収斂部を備える薄スラブ用ノズルは、ボア断面積が中央ボア50の端に達するまで一切増加しないで継続的に減少するので、半球形形状および円錐形形状を超える向上をもたらす。2つの先細りの平坦な壁を備えている形状から予測されるように、ボア断面積は、接続ボア部の全高さHeにわたって実質的に直線的に減少する。前者の2つの形状を超える改善がなされている一方で、収斂部の全高さHeにわたって乱れずにボアの断面積を減少させることによって、圧力は、均一に分布させられ、したがって、第1および第2のフロントポート(51)に向かって横向きの、中央ボア50aからの流れを十分に強く流すことができない。
本発明に係るノズル(黒い丸)のボア断面積は、収斂部の高さHeの半分を超える部分にわたって、好ましくはその70%にわたって非常にゆるやかに減少し、その後、より急激に減少する。したがって、圧力場を均一にしつつ第1および第2のフロントポート(51)に向かって融解金属の流れを向け直す(分布させる)ために、中央ボア50の端における小さい体積に圧力場を生成する。このことは、中央ボアの下流での流れの分離と乱流形成とのリスクを実質的に小さくしつつ、第1および第2のフロントポートに沿う整流化された流れを形成するのに好都合である。
流れの整流化の改善は、乱流の形成を防止するためにもちろん重要であるが、この改善はさらにストッパによる流量を極めて正確に制御することを可能にする。薄スラブ用ノズルのインレットオリフィスの流量は、ストッパヘッド7とインレットオリフィス50uのシートとを隔てる距離を変えることによって制御される。ノズルの長手方向軸線X1に沿うボア断面積の変化により、圧力場の局所的変化をともなう流れプロファイルが不均一になる場合、ストッパによって流量制御の精度を高めることは極めて難しくなり、流量は時間とともに変動し易くなる。本明細書の背景技術で説明されるように、このような流量変動は、薄スラブ用モールドにおけるメニスカスの高さの変動を必然的に引き起こし、その結果、上記説明のようになる。したがって、本発明は、従来よりも良好な、薄スラブ用ノズルを通る金属溶湯の流れおよび流量の制御を実現することを可能にする。このことは、鋼などの金属が、1500mmのスラブについて1分あたり約6〜7トンの速度である幅(W)1mmあたり5Kg/minのオーダーの高い鋳込速度で鋳造される高速鋳造装置にとって特に興味深い。特に、本発明のノズルは、より厚くてより幅広いスラブを1分あたり10トン以下で鋳造するのに適する新規の設備に適している。本発明に係るノズルは、段落0004で先に説明されているように、鋳造装置において1600mmから2000mm以上の幅(W)を有する大きな薄スラブを高速で鋳造することを可能にする。
本発明の薄スラブ用ノズルは、このような薄スラブ用ノズルと流体連通するアウトレットが少なくとも設けられているタンディッシュを備えている薄スラブを鋳造するための金属鋳造装置に用いられるのに特に適する。本発明に係る薄スラブ用ノズルを通る金属溶湯の流れを良好に制御することにより、高い精度で薄い寸法の金属ストリップを連続製造するための熱間圧延ユニットに連結される鋳造装置にその制御を使用することに関して、金属溶湯の流れは理想的になる。本発明に係る薄スラブ用ノズルは、エンドレス・ストリップ・プロダクション(ESP)と呼ばれる、単一の鋳造ラインおよび熱間圧延ユニットを備えているクレモナ(イタリア)にあるアルヴェディテクノロジーを用いて、圧延製品について、電炉のアッチェイリーエアルヴェディ社によってテストされた。0.8mm〜12.7mmの寸法を有するストリップを高い精度で一定の速度で連続的に製造することが成功した。薄スラブ用ノズルのメニスカスの高さ変化がモニタされ、極めて適切な状態を維持し、製造試験中に問題は起こらなかった。
薄いストリップの「エンドレス」ストリッププロダクションにより、従来のストリップ製造技術よりもエネルギー、水および装置コストを実質的に節減することができる。しかしながら、半仕上げ製品を、冷間圧延して欠陥を減らす前に、何らかの手法で処理することができる場合には、薄スラブ用ノズルから出る金属流についての要求と、その結果としての、薄スラブ用ノズルから出る流れの流れ制御についての要求とは、不連続なプロセスよりも非常に高い。本発明に係る薄スラブ用ノズルを用いて得られる優れた流れ制御は、均一な特性を有する薄いストリップの連続製造を可能にし、ESPユニットで使用するのに最適である。

Claims (13)

  1. 金属の薄スラブを鋳造するための薄スラブ用ノズル(1)であって、前記薄スラブ用ノズルは、
    長手方向軸線(X1)と該長手方向軸線(X1)に垂直な第1の横方向軸線(X2)とによって規定される第1の対称平面(Π1)に対して対称であり、かつ
    前記長手方向軸線(X1)と、前記長手方向軸線(X1)および前記第1の横方向軸線(X2)に垂直な第2の横方向軸線(X3)とによって規定される第2の対称平面(Π2)に対して対称である
    形状を有し、前記薄スラブ用ノズル(1)は、インレット部からアウトレット拡散部まで前記長手方向軸線(X1)に沿って延在しており、
    前記インレット部は、前記薄スラブ用ノズルの上流側端部に位置しており、前記長手方向軸線(X1)に対して垂直方向のインレットオリフィス(50u)を備え、
    前記アウトレット拡散部は、前記薄スラブ用ノズルの下流側端部に位置しており、第1および第2のアウトレットポートオリフィス(51d)を備え、前記アウトレット拡散部は、前記第2の横方向軸線(X3)に沿って測定した幅および前記第1の横方向軸線(X2)に沿って測定した厚さを有し、前記幅は前記厚さよりも少なくとも3倍大きく、 前記薄スラブ用ノズル(1)は、前記インレット部と前記アウトレット拡散部との間の遷移部形成する接続部を備えており、
    前記薄スラブ用ノズルは中央ボア(50)をさらに備えており、該中央ボア(50)は、ボア壁によって画定され、前記インレットオリフィス(50u)で開き、デバイダ(10)の上流側端部(10u)で閉じるまで前記長手方向軸線(X1)に沿って前記インレットオリフィスから延在し、
    前記中央ボアは、
    前記インレットオリフィス(50u)を備えており、高さHaにわたって延在する上流ボア部(50a)と、
    収斂ボア部(50e)であって、該収斂ボア部(50e)は、前記上流ボア部(50a)に隣接して、上流側境界(5a)を形成しており、前記収斂ボア部(50e)は、高さHeであり、前記薄スラブ用ノズルの前記接続部に位置している前記収斂ボア部(50e)と、
    前記収斂ボア部(50e)に隣接しており、前記薄スラブ用ノズルの前記アウトレット拡散部に位置し、前記デバイダ(10)の前記上流側端部(10u)の高さで終端している、高さHfの薄ボア部(50f)と、
    前記デバイダ(10)によって分離され、前記第2の対称平面Π2に平行に延在する第1および第2のフロントポート(51)であって、該第1および第2のフロントポートは、前記収斂ボア部(50e)の2つの対向する壁上で少なくとも部分的に開いている第1および第2のポートインレット(51u)から、前記第1および第2のアウトレットポートオリフィス(51d)まで延在しており、前記第1および第2のフロントポート(51)は、前記第1の横方向軸線(X2)に沿って測定される幅(W51)を有し、該幅(W51)は、前記第1の横方向軸線(X2)に沿って測定される前記上流ボア部(50a)の幅(D2(X1))よりも常に小さい、前記第1および第2のフロントポート(51)と
    を備え
    前記中央ボア(50)は、前記上流ボア部(50a)の高さHaの少なくとも90%にわたる前記ボア壁の任意の点での曲率半径(ρa1)が無限大に近く、前記上流ボア部(50a)の前記ボア壁が略直線状であり、前記薄ボア部(50f)の高さHfが、前記収斂ボア部(50e)の下端と前記ポートインレット(51u)の下端との間の距離を規定する、薄スラブ用ノズル(1)において、
    (a)前記第1の対称平面Π1に沿う前記薄スラブ用ノズルの断面において、前記中央ボア(50)の前記壁の形状が

    記収斂ボア部(50e)の前記ボア壁の任意の点での曲率半径が有限であり、
    前記収斂部(50e)の高さHeに対する前記薄ボア部(50f)の高さHfの比が1以下であ(Hf/He≦1)
    (b)前記収斂ボア部(50e)は、高さHcの端ボア部(50c)と高さHbの遷移ボア部(50b)との2つのボア部にさらに分割され、
    前記遷移ボア部(50b)は、前記上流ボア部(50a)および前記端ボア部(50c)に隣接して、前記上流ボア部(50a)と前記端ボア部(50c)との間に設けられ、一端に前記端ボア部との遷移境界(5b)を形成し、他端に前記上流ボア部との前記上流側境界(5a)を形成し、
    前記第1の対称平面Π1に沿う前記薄スラブ用ノズルの断面において、前記収斂ボア部(50e)の壁の形状は、
    前記端ボア部(50c)のボア壁の任意の点での曲率半径(ρc1)が、前記上流側境界(5a)における前記中央ボア(50)の幅(D2a)の2分の1以下(ρc1≦1/2×D2a)であり、
    前記遷移ボア部(50b)のボア壁の任意の点での曲率半径ρb1が、前記幅(D2a)の2分の1よりも大きく、かつ5×ρc1と50×D2aとの間にあり、
    前記端ボア部(50c)に対する前記遷移ボア部(50b)の高さの比(Hb/Hc)が、3〜12であり、
    (c)前記第1の対称平面Π1に沿う前記薄スラブ用ノズルの断面上で測定される曲率半径ρb1は、前記遷移ボア部(50b)のボア壁の任意の点で一定であり、及び/又は、
    前記第1の対称平面Π1に沿う前記薄スラブ用ノズルの切断面上で測定される曲率半径ρc1は、前記端ボア部(50c)のボア壁の任意の点で一定である
    ことを特徴とする薄スラブ用ノズル。
  2. 前記中央ボア(50)並びに前記第1および第2のフロントポート(51)の前記長手方向軸線X1に垂直な平面Π3で測定される全断面積A(X1)は、前記上流側境界(5a)での全断面積Aaに対する前記全断面積A(X1)の相対変化ΔA(X1)/Aa=|Aa−A(X1)|/Aaが、前記上流側境界(5a)から前記収斂ボア部(50e)の前記高さHeの70%まで下方の、前記長手方向軸線(X1)と交差する任意の平面Π3について、15%以下であることを特徴とする請求項1に記載された薄スラブ用ノズル。
  3. 前記第1および第2のポートインレット(51u)を除いて、前記第1の対称平面Π1に沿う前記薄スラブ用ノズルの断面に関する請求項1、請求項3および請求項4において規定される前記収斂ボア部(50e)、前記遷移ボア部(50b)および前記端ボア部(50c)のボア壁の曲率半径および高さ比は、前記第2の対称平面Π2および前記第1の長手方向軸線(X1)を含む任意の平面Πiに沿う前記薄スラブ用ノズルの断面に適用される、請求項1または請求項に記載された薄スラブ用ノズル。
  4. 前記中央ボア(50)の前記収斂ボア部(50e)は、前記第1および第2のポートインレット(51u)を除いて、前記長手方向軸線(X1)に垂直な平面Π3に沿う楕円形または円形の断面を有し、該断面は、前記第1の横方向軸線(X2)および前記第2の横方向軸線(X3)に沿って、主直径D2(X1)、D3(X1)をそれぞれ有し、該断面の寸法は、比D2(X1)/D3(X1)が、D2(X1)≦D3(X1)の条件で一定の値を維持するように、前記長手方向軸線(X1)に沿って変化する、請求項1から請求項までのいずれか1項に記載された薄スラブ用ノズル。
  5. 前記収斂ボア部(50e)は、前記第1および第2のポートインレット(51u)を除いて、前記長手方向軸線(X1)について回転対称の形状を有する、請求項に記載された薄スラブ用ノズル。
  6. 前記薄スラブ用ノズルの前記上流側端部から前記第1および第2のポートインレットの前記上流側端部(51u)までの距離は、前記上流ボア部(50a)の高さHa±7%の範囲にあり、及び/又は、前記高さHa+30mmの範囲にあり、
    前記第2の対称平面Π2上において、前記第1および第2のフロントポート(51)は、5°〜45°の前記長手方向軸線(X1)に対する角度αで前記中央ボア(50)に合流する、請求項1から請求項までのいずれか1項に記載された薄スラブ用ノズル。
  7. 前記第1および第2のフロントポート(51)と接する前記デバイダ(10)の壁の、前記第2の対称平面Π2に沿う断面における形状は、まず前記デバイダが最大幅に達するまで広がり、次に、前記薄スラブ用ノズルの前記下流側端部に達するまで収斂することによって、前記長手方向軸線(X1)に沿って前記デバイダの前記上流側端部(10u)から前記薄スラブ用ノズルの前記下流側端部まで延びる両方の壁によって特徴づけられる請求項1から請求項までのいずれか1項に記載された薄スラブ用ノズル。
  8. 前記デバイダ(10)の高さHdは、前記収斂ボア部(50e)の高さの少なくとも2倍大きい(Hd≧2He)、請求項1から請求項までのいずれか1項に記載された薄スラブ用ノズル。
  9. 前記上流側境界(5a)での前記中央ボア(50)の前記第1の横方向軸線(X2)に沿う前記幅D2aに対する、前記第1の横方向軸線(X2)に沿う前記第1および第2のフロントポートの幅W51の比W51/D2aは、15%〜40%である、請求項1から請求項までのいずれか1項に記載された薄スラブ用ノズル。
  10. 前記上流側境界(5a)での前記中央ボア(50)の前記第1の横方向軸線(X2)に沿う幅D2aに対する、前記遷移境界線(5b)での前記中央ボア(50)の前記第1の横方向軸線(X2)に沿う幅D2bの比D2b/D2aは、65%〜85%である、請求項から請求項までのいずれか1項に記載された薄スラブ用ノズル。
  11. 前記収斂ボア部(50e)における前記長手方向軸線(X1)に垂直な任意の平面(Π3)上の全断面積Aの、前記長手方向軸線(X1)上の前記平面(Π3)の位置に対する導関数dA/dX1は、必ず0以下になっている(dA/dX1≦0)、請求項1から請求項10までのいずれか1項に記載された薄スラブ用ノズル。
  12. 前記収斂ボア部(50e)の高さHeに対する前記薄ボア部(50f)の高さHfの比は50%以下であり、及び/又は、
    前記中央ボア(50)の全高さに対する前記薄ボア部(50f)の高さHfの比は15%以下である、請求項1から請求項11までのいずれか1項に記載された薄スラブ用ノズル。
  13. 薄スラブを鋳造する金属鋳造装置において、請求項1から請求項12までのいずれか1項に記載された薄スラブ用ノズルに流体連通するアウトレットが少なくとも設けられているタンディッシュを備え、前記薄スラブノズルのアウトレット拡散部が、薄スラブ用モールドに挿入されている、金属鋳造装置。
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