JP6664874B2 - 小流量供給用調湿装置 - Google Patents

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Description

本発明は、高精度に調湿された調湿ガスを発生させることが可能である小流量供給用調湿装置に関する。
従来から、中空糸膜を介してガスに所定量の水分を加えて湿潤ガスを得るようにした調湿装置が知られており、産業分野においても、熱処理雰囲気ガス、医療用酸素及び半導体製造工程の一部ガスに加湿を必要とする場合には、従来のバブラー式に代わり中空糸膜モジュールを使用した膜式加湿装置が使用され始めている。
また、近年では、例えば、電子部品や精密機器の製造、測定、試験などの工業分野や、食物の保管などの食品分野、或は、iPS細胞の培養用インキュベーターなどの生物分野などの様々な分野において、小流量の調湿ガスの供給が要望されることも多くなってきている。このような小流量の調湿ガスの供給を必要としている分野では、多くの異なった調湿環境を同時に用意する必要もあるため、一定湿度の調湿ガスを多量に発生する産業用の大きな装置ではなく、安価でコンパクトな装置を多数設置したいとの要望がある。
これらの小流量の調湿ガスの供給が必要な分野で産業用の大流量の調湿装置を用いた場合には、必要以上の流量の湿潤ガスが供給されることで対象物に悪影響を与えるおそれがあり、例えば、インキュベーターにこの様な調湿装置を使用した場合には、大流量の調湿ガスの供給により細胞が吹き飛ばされることも考えられる。さらに、インキュベーターなどの生物分野や医療分野では雑菌による汚染を防止するため、クリーンな調湿ガスの供給が必要となる。
このような背景から、高精度に調湿されたクリーンな湿潤ガスを小流量で供給することができるコンパクトで安価な調湿装置が望まれている。
小流量の湿潤ガスを供給する調湿装置をコンパクト化するために、例えば、図12、図13に示すように、加湿ユニット部1において、タンク部2と長手形状の加湿モジュール部3とを別々に設け、これらを配管部4で接続することが考えられる。この場合、タンク部2から配管部4を介して自重で加湿モジュール部3に水が供給される。
しかしながら、このように構成された加湿ユニットでは、加湿モジュール部3に設けられた中空糸膜部5内側に流れるガスは、内側の凸凹等により流体摩擦エネルギが発生するために圧力損失が発生し、下流側にいくほどガス圧力が低くなる。すなわち、図12におけるガスの圧力は、加湿ユニット部1よりも一次側経路の圧力をPG1、加湿モジュール部3に設けられた中空糸膜部5内側の上流側のガス圧力をPG2、加湿モジュール部3の中空糸膜部5内側の下流側のガス圧力をPG3とした場合、圧力PG1>圧力PG2>圧力PG3の関係になる。この場合、タンク部2内の水Wの自重で中空糸膜部5の外側に水Wを供給するためには、水の自重による圧力PWを中空糸膜部5内側に流れるガスの圧力PG2より高くする必要がある。この水の自重による圧力PW>圧力PG2の関係にない場合には、中空糸膜部5内側を通過するガスが、膜内壁の細孔部を透過して水側に流出し、図13に示すように、中空糸膜部5の外側にガス層6として溜まることになる。その結果、水と膜表面の接触面積が低下して安定した加湿ができなくなる。さらに、このように構成された加湿ユニットでは、圧力PW>圧力PG2の関係を得られるように、タンク部2と加湿モジュール3との間に高低差を設ける必要があり、装置の大型化を招くおそれがある。
中空糸膜を使用した加湿モジュールでは、加湿モジュールを構成する中空糸膜の一方の側の水から他方の側の圧縮ガスに中空糸膜を通して気化した水蒸気を透過させて圧縮ガスを加湿している。このため、加湿モジュール内の水温がその加湿能力を左右し、水温が高いほど気化が促進されて加湿能力が高くなるが、水が気化する際には周囲から気化熱を奪うために加湿モジュール内の水の温度が低下し、これに従って加湿能力も低下する。
加湿モジュール内の水温を上昇させて加湿能力を向上させる手段として、特許文献1に記載されているサウナ装置の加湿部では、外部の熱源により加温した温水を透過膜に供給するようにしている。特許文献2に記載された加湿ユニットでは、加湿モジュールの一次側に熱交換器を設け、熱交換器を通過して加温された空気により中空糸ユニット内の水を加温するようにしている。また、特許文献3に記載された加湿器では、加湿モジュールに設置された加温体により中空糸膜中の水を加温するようにしている。
また、高精度に調湿された湿潤ガス供給方法及び装置として、例えば、特許文献4の加湿ガス供給方法及び装置が知られている。この湿潤ガス供給方法では、飽和湿潤ガスの圧力及び温度を測定し、これらに基づいて算出した飽和湿潤ガスの水分量と、加湿ガスの水分量及び流量とから、飽和湿潤ガスの流量及び乾燥ガスの流量を設定するようになっている。この湿潤ガス供給装置は、原料ガス供給経路と、この経路から分岐した加湿経路及び乾燥ガス経路と、ガス混合部と、加湿ガス供給経路とを有し、加湿経路からの飽和湿潤ガスと、乾燥ガス経路からの乾燥ガスとをガス混合部で混合して加湿ガス供給経路から供給するものであり、加湿経路には加湿器が備えられている。加湿器は、加湿膜、水槽、ポンプを有し、加湿膜、水槽にポンプで水を循環させた加湿器をガスが通過することで、水分を含んだ湿潤ガスがガス混合部に供給される。
特開2005−21428号公報 特開平7−318118号公報 特開平11−51427号公報 特開2008−275185号公報
特許文献1の加湿部の様に外部の熱源により温水を加温したり、特許文献2の加湿ユニットの様に加湿モジュールに1次側に熱交換器を設けて加湿する空気を暖めたり、特許文献3の加湿器の様に中空糸膜中の水を熱する加温体を設けたりすると、電気的な熱源と制御機器が必要となるため、加湿装置の構成が複雑となって大型化するとともに、装置の価格も高くなる。
これに加え、調湿する対象空間や加湿された湿潤ガスを供給する出口側配管が温調されておらず、外気温度(雰囲気温度)に従う場合には、加湿モジュール内の水温を雰囲気温度以下とする様に制御し、加湿された湿潤ガスの温度が雰囲気温度を超えないように制御しないと、加湿モジュール内で加熱された高湿度の湿潤ガスが外気により冷却されて過飽和となり、装置の出口側配管等に結露が生じる不具合が発生する。これを防ぐためには、出口側配管に断熱材を取付けたり、加熱装置を取り付けたりする必要があるため、さらに加湿装置の複雑化、高価格化を招くことになる。
特許文献4の加湿ガス供給装置では、加湿経路からの飽和湿潤ガスと乾燥ガス経路からの乾燥ガスを、設定湿度が得られるように混合してから調湿空間に導入しているが、このためには、加湿経路及び乾燥ガス供給経路に各々別体の流量調節器(飽和湿潤ガス流量調節器及び乾燥ガス流量調節器)を設け、それらの流量調節器には高価な比例制御弁を用いる必要がある。
また、乾燥ガス及び飽和湿潤ガスの流量を制御するため、加湿経路の加湿器後段に飽和湿潤ガスの圧力と温度を測定するための圧力計及び湿度計を設置し、それらの測定値を基に制御器で所要の演算を行い、演算結果により飽和湿潤ガス流量調節器及び乾燥ガス流量調節器のガス流量をそれぞれ制御し、設定湿度が得られるように混合するので、飽和湿潤ガスと乾燥ガスの混合により目的の湿度ガスを得るためには緻密な制御が必要であり、制御器自体が高価なものとなる。
このため、装置が大型化するとともに全体の構成も複雑になり、装置の価格が高くなることは避けられない。
さらに、加湿ガス使用先(調湿空間)手前で飽和湿潤ガスと乾燥ガスとを混合して所定水分量の加湿ガスを得ているため、調湿空間の雰囲気温度が異なる場合には、設定湿度と調湿空間の湿度にズレが発生する問題もある。加えて、調湿空間に該空間の湿度を測定するセンサーがないため、絶えず湿潤ガスを送風し続けたり、水ポンプを循環し続けたりする必要があり、運用コストの増加につながる。
本発明は、上記の課題点を解決するために開発に至ったものであり、その目的とするところは、小型かつ簡単に構成され、安定した高い加湿能力を有するとともに、加湿装置への組み込み性やモジュール交換性に優れた安価な加湿ユニット、及び当該ユニットを備え、高精度に調湿されたクリーンな調湿ガスを効率良く供給することができる小型、かつ簡単な構造であり、安価な調湿装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、加湿モジュールの一次側に電磁弁を設け、この電磁弁の一次側又は二次側に除湿モジュールを設け、電磁弁の切換えにより、加湿モジュールから湿潤ガス、除湿モジュールから除湿ガスとの何れか一方を調湿ガス配管で調湿空間を有する容器内に供給し、除湿ラインの途中には、中空糸膜で構成した除湿モジュールを設け、加湿ラインの途中には加湿ユニットを設けると共に、加湿ユニットは、中空糸膜で構成した加湿モジュールに水を供給する供給経路と、加湿モジュールから水を還流させる還流経路と、供給経路と還流経路とを水を充填させたタンクを介して循環させる循環経路とを備え、供給経路の途中にはポンプを設け、還流経路の一部に熱伝導率の高い配管で形成した熱交換部を設け、この熱交換部は、外気である雰囲気温度下に配置させ、加湿モジュール内で気化熱を奪われて水温が低下した熱交換部内の水を、水温<外気である雰囲気温度の関係式で外気熱を転熱させることにより調湿ガス配管内を過飽和状態にすることなく結露の発生を防いだ小流量供給用調湿装置である。
請求項に係る発明は、容器内への湿潤ガス導入時にポンプを稼働させ、容器内への除湿ガス導入時又は容器内の湿度安定時にポンプを停止させるようにした小流量供給用調湿装置である。
本発明によると、タンクと中空糸膜束で構成した加湿モジュールとの間で水を循環させながら圧縮ガスを加湿する際に、加湿モジュール内で中空空糸膜を透過する水蒸気に気化熱を奪われて水の温度が低下しても、水が循環経路を循環する過程において、循環経路に設けた熱交換部で外気の熱を水に転熱して加温することができるため、加湿モジュールに供給する水の温度を雰囲気温度に近い温度に保つことができ、加湿ユニットの加湿能力の低下を抑制することができる。
しかも、タンクと加湿モジュールとの間で水を循環させながら圧縮ガスを加湿する際に、中空糸膜を透過する水蒸気に気化熱を奪われて水の温度が低下しても、水が循環経路を循環する過程において循環経路に設けた熱交換部で水に外気の熱を転熱して加温することができるため、加湿モジュールに供給する水の温度を雰囲気温度に近い温度に保つことができ、加湿ユニットの加湿能力の低下を抑制することができる。
また、還流経路を還流する水を加温するために熱源は外気の雰囲気温度であるため、必ず「水の温度<雰囲気温度」の関係が成立し、この水により加湿された湿潤ガスの温度が外部の雰囲気温度を超えることがないので、調湿する対象空間や加湿された湿潤ガスを供給する出口側配管が雰囲気温度に従う場合であっても、加湿モジュールから供給された湿潤ガスが外気により冷却されて過飽和となり、装置の出口側配管等に結露が生じることがない。このため、インキュベーター、デシケータ、グローブボックス、SPF動物実験装置などの結露状態を回避しなければならないスポット空間や、空気に湿潤ガスを供給して中湿度領域に調湿する場合に特に適している。
さらに、タンクから加湿モジュールの中空糸膜束の外側にポンプで加圧して水を供給することができるため、加湿モジュールの中空糸膜束に供給される水の圧力を加湿モジュール内の中空糸膜部内側を流れる圧縮ガスの圧力よりも高くすることができるので、中空糸膜部内側を流れる圧縮ガスが膜内壁の細孔部を透過して水側に流出することがなく、圧縮供給源から供給される圧縮ガスを安定して連続的に加湿することがきる。
また、タンクからポンプにより水を加圧して加湿モジュールに供給するため、タンクと加湿モジュールの位置関係に大きな制限を受けることなく比較的自由に配置することができるので、装置をコンパクトに構成することができる。
請求項2に係る発明によると、圧縮供給源から圧縮ガスが加湿モジュールへ供給されない除湿時又は調湿空間内の湿度安定時にはポンプの動作を停止するので、圧縮ガスが加湿モジュールへ供給されないときでもポンプの動作を継続し、水を循環させることによる無駄なエネルギ消費を抑制することができる。
本発明の加湿ユニットを示す模式図である。 本発明の調湿装置の第1実施形態を示す模式図である。 装置本体の概略正面図である。 PID制御時による加湿と除湿の動作を表したグラフである。 調湿装置の第2実施形態を示す模式図である。 水循環式加湿ユニットの試験装置を示す模式図である。 エアーアシスト式加湿ユニットの試験装置を示す模式図である。 熱交換部の材質毎に加湿結果を計測したグラフである。 熱交換部の材質毎に加湿水蒸気量を計測したグラフである。 熱交換部の材質毎に加湿モジュール内の循環水の温度低下の計測結果を示すグラフである。 熱交換部の材質毎に循環水温度における加湿水蒸気量の計測結果を示すグラフである。 中空糸膜の水側へのガス流出状態を示す模式図である。 加湿モジュール内に空気層が発生した状態を示す模式図である。
本発明における加湿ユニット及び調湿装置を図面に基づいて、詳細に説明する。
図1においては、本発明の加湿ユニットの模式図を示している。加湿ユニット11は、加湿モジュール12と、水を充填するタンク13と、このタンク13から加湿モジュール12に水を供給する供給経路14と、この供給経路14に設けたポンプ15と、前記加湿モジュール12と前記タンク13を結ぶ還流経路16と、この還流経路16の途中に熱交換部17とを有し、加湿ユニット11の一次側に設けられた圧縮供給源であるガス供給用のポンプ18を介して加湿ユニット11に供給される圧縮ガスを、加湿モジュール12で加湿可能になっている。また、加湿ユニット11の一次側には流量調節弁19が設けられ、この流量調節弁19を介して流量調節された圧縮ガスが加湿モジュール12に供給される。この流量調節弁19により、加湿モジュール12内への過度な圧力の印加が防止され、加圧による露点上昇の結露を発生せずに、十分な加湿能力を得ることができる。
加湿モジュール12は、例えば、疎水性多孔質膜又は水蒸気透過性無孔膜等からなる中空糸膜20からなる中空糸膜束21、この中空糸膜束21充填用のケース22を有している。中空糸膜20は、水蒸気に対して透過性を有し、水Wに対して阻止性を有する疎水性多孔質膜で形成され、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ4−メチルペンテン−1等のオレフィン系中空糸やポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系中空糸が挙げられる。又、中空糸膜20の図示しない細孔は、仮に水W中に細菌類が繁殖していても細菌類の透過を確実に防ぐ孔径0.01μm以上、好ましくは0.05〜1.0μm、細菌類除去のためには0.2μm以下が好ましい。中空糸膜20の内径は、一例として約φ0.4mm、外径は約φ0.5mmである。又、水蒸気透過性を有する無孔膜でもよく、その材料としては、ポリマー鎖内に親水基を持つ透湿性ウレタン、ポリマー鎖内に塩基又は酸基を有するイオン交換ポリマー、芳香族ポリイミド等が挙げられる。
ケース22には、圧縮ガスを加湿するためにタンク13から供給される水W(純水)をケース22内に供給する入口23と、ケース22内から水Wを排出する出口24が設けられ、ケース22に両端部をポッティング部25によりポッティングした前記中空糸膜束21が密封されている。加湿モジュール12の一次側には所定圧の圧縮ガスを供給するための一次側流入口26が設けられており、加湿モジュール12は、この一次側流入口26に接続された一次側経路27を介して中空糸膜20内側に圧縮ガスが供給され、この中空糸膜束21の外側(外周)に入口23を介して水Wが供給されて圧縮ガスを加湿し、加湿された湿潤ガスを加湿モジュール12の二次側に設けた二次側流出口28から二次側経路29を介して供給する構造になっている。
ここで、所定圧とは、例えば、圧縮ガス流量10L/minの場合、2kPa程度の圧力である。また、圧縮ガスとは、インキュベーター等の装置内の空気や、装置を配置した室内の空気を圧縮したもの、あるいは、窒素等の不活性ガスを圧縮したものをいう。ここで、圧縮供給源18には、ポンプに変えてガスボンベを用いてもよい。
上記においては、圧縮供給源18からポッティング部25を介して中空糸膜20内側に圧縮ガス、入口23から中空糸膜束21の外側に水Wを供給することで、加湿モジュール12の二次側に湿潤ガスを発生させているが、中空糸膜束21の外側に圧縮ガス、中空糸膜20の内側に水を供給して湿潤ガスを発生させるようにしてもよい。
タンク13は、加湿モジュール12に供給する水W(純水)を充填している。タンク13の底部に設けた供給孔30には供給経路14が接続されており、タンクの上部に設けた還流孔31には還流経路16が接続されている。
供給経路14はタンク13の供給孔30と加湿モジュール12の入口23との間を連結しており、タンク13内に充填されている水を加湿モジュール12内に供給する。この供給経路14の途中には、ポンプ15を設けているので、タンク13内の水Wの有する位置エネルギに由ることなく、加圧して加湿モジュール12に水Wを供給することができる。このため、入口23内の空間の圧力はPPとなり、加湿モジュール12の中空糸膜20内の圧力PGよりも大きくなる圧力PP>圧力PGの関係となるので、水蒸気が中空糸膜20を透過して中空糸膜20内の圧縮ガスを効率的に加湿し、加湿モジュール12の二次側より湿潤ガスを発生することができる。また、中空糸膜20の外側に過度な水圧が加わることにより、中空糸膜20が破裂したり、水Wが中空糸膜20の疎水性の細孔を通過して中空糸膜20内に水のまま浸入したりすることを防止し、適切な加湿を行うためには、ポンプ15の作動を調整し、流量及び圧力を適切に調整する必要がある。なお、圧力PP>圧力PGの関係が得られない場合であっても、中空糸膜20の内側から水W側に透過するガスの量が少量の場合には、水Wと中空糸膜20表面の接触面積は減少するが、ポンプ15を設けたことで、タンク13から供給される水Wによりガスが置き換わるため、加湿モジュール12で加湿することができる。
還流経路16は、加湿モジュール12の出口24とタンク13の還流孔31との間を連結しており、加湿モジュール12内で圧縮ガスの加湿に使用された水Wをタンク13に還流させる。これにより、供給経路14と還流経路16は、タンク13内の水Wを加湿モジュール12へ循環させながら供給する循環経路32を構成するので、タンク13内に充填された水Wは、ポンプ15で加圧されることにより、タンク13と加湿モジュール12との間を循環供給されることになる。このため、加湿モジュール内で圧縮ガスを加湿する際に気化熱を奪われて温度が低下した水は、直ちにタンクから供給される水Wに置き換わるので、加湿モジュール内の水の温度が著しく低下することがなく、加湿モジュールの加湿能力の低下が抑制される。
また、タンク13内の水Wがポンプ15で加圧されて加湿モジュール12に供給されるので、水の自由落下による加湿方式の様に、タンク13と加湿モジュール12との間に高低差を設ける必要がなく、タンク13と加湿モジュール12の位置関係をある程度自由に設定することができるので、加湿ユニット11をコンパクトに構成することができる。
さらに、この還流経路16の途中に熱交換部17を設け、加湿モジュール12内で圧縮ガスを加湿する際に気化熱を奪われて温度が低下した状態で還流経路16内を流れる水Wに外気の熱を転熱し、水Wを加温できるようにしている。熱交換部とは、還流経路の外部とその内部を流れる水Wとの間で熱の交換が可能な部位のことであり、外気の熱(雰囲気温度)を還流経路16内を流れる水Wに転熱し、水温を高めることができる部位である。このため、熱交換部17は、それ以外の部位に比して、外部との熱の交換が有利となるように構成する必要があり、例えば、熱伝導率の高い材料を使用したり、外部に接する表面積が大きい形状にしたりすることが考えられる。熱交換部の好適な構成としては、材料面では、銅、アルミニウム、ステンレス等の熱伝導率が高い金属の使用が挙げられ、形状面では、還流経路において管路をコイル状に巻き回す、複数回折り返す、表面にフィンを取り付ける等の加工をした形状が挙げられる。本実施例では、熱伝導率が高い材料の金属管をコイル状に巻き回して熱交換部を構成した。
以上においては、供給経路14の途中にポンプ15を設けているが、ポンプ15を還流経路16の途中に設けても、水Wを加圧して循環させるため、同様の効果を得ることができる。また、熱交換部17を還流経路16の途中に設置しているが、熱交換部17は還流経路16と共に循環経路32を構成する供給経路14に設置しても略同様の効果を得ることができる。
図2においては、本発明の調湿装置の第1実施形態の模式図を示している。
この装置本体41は、加湿ユニット11を有する加湿ライン42、除湿モジュール43を有する除湿ライン44、圧縮供給源45、電磁弁46、内部に調湿空間Sを有する容器47を備えている。電磁弁46は、圧縮供給源45から装置本体41に圧縮ガスを供給する一次側経路48の途中に設けられ、一次側経路48は、電磁弁46を介して加湿ライン42と除湿ライン44とに分岐している。
加湿ライン42の途中には、加湿ユニット11が設けられており、加湿ユニット11の一次側に設けられた流量調節弁19を介して流量調節された圧縮ガスが加湿ユニット11に供給される。前述したように、加湿ユニット11は、加湿モジュール12と、水を充填するタンク13と、このタンク13から加湿モジュール12に水Wを供給する供給経路14と、この供給経路14に設けたポンプ15と、前記加湿モジュール12と前記タンク13を結ぶ還流経路16と、この還流経路16の途中に熱交換部17とを備えて構成されており、加湿ユニット11に供給される圧縮ガスを継続的かつ安定的に加湿している。また、加湿ユニット11の一次側に設けた前記流量調節弁19により、加湿モジュール12内への過度な圧力の印加が防止され、加圧による露点上昇による結露を発生させずに、十分な加湿能力を得ることができる。
加湿ユニット11は、調湿する対象である調湿空間Sに対して、後述の調湿ガス配管49を介して接続されており、調湿空間Sに対して加湿した湿潤ガスを供給することができる。
除湿ライン44の途中には、除湿モジュール43と、この除湿モジュール43の二次側に流量調節弁51が設けられている。除湿モジュール43は、水蒸気透過性無孔膜からなる中空糸膜52を束ねた中空糸膜束53、この中空糸膜束53を充填するケース54を有し、ケース54内に両端部をポッティングした中空糸膜束53が密封されている。この中空糸膜53は、水蒸気透過性を有する無孔膜で、その材料は、ポリマー鎖内に親水基を持つ透湿性ウレタン、ポリマー鎖内に塩基又は酸基を有するイオン交換ポリマー、芳香族ポリイミド等が挙げられる。二次側の流量調節弁51により流量調整がなされ、除湿モジュール43の中空糸膜52の内側に圧縮ガスが供給されると、圧縮ガスに含まれる水蒸気のみが中空糸膜52を透過して膜の外側に排出されるため、圧縮ガスは除湿されて除湿ガスとなり、この除湿ガスの一部を中空糸膜52の外側にパージして連続的に除湿を行いながら、除湿モジュール43の二次側に除湿ガスを供給する。
加湿ライン42と除湿ライン44とは合流経路55で合流している。図2に示すように、合流経路55の二次側には調湿ガス配管49が設けられ、装置本体41は、電磁弁46を切換えることにより圧縮供給源45から供給される圧縮ガスの供給先を加湿ライン42又は除湿ライン44のどちらか一方に切換え、この調湿ガス配管49を介して調湿空間S内に適宜に湿潤ガス又は除湿ガスを導入して調湿空間S内の雰囲気と混合させることにより、調湿空間S内を目的の湿度に調湿する。
その際、加湿ライン42と除湿ライン44の合流経路55の手前の加湿ライン42と除湿ライン44には、逆止弁56、56がそれぞれ設けられ、これらの逆止弁56、56を介して合流経路55が調湿空間Sに連通されている。これらの逆止弁56により、調湿空間Sからの加湿ライン42、除湿ライン44への調湿ガスの逆流が防止され、適宜必要なときに一方のラインにおける逆止弁56の一次側から直ちに十分な性能を有する湿潤ガス又は除湿ガスを供給可能となる。
図3においては、装置本体の正面模式図を示している。
図3に示すように、装置本体41はユニット化された状態に設けられ、この装置本体41の外側には、加湿モジュール12、除湿モジュール43が配置され、これらの加湿モジュール12と除湿モジュール43とを結ぶ各経路が内部で前記構成により接続されている。また、装置本体41の外側には、加湿モジュール12とタンク13とを結ぶ還流経路16を配設し、還流経路16の途中には、熱伝導率が大きい材料で形成された金属管をコイル状に巻き回して構成した熱交換部17を設けている。これに加え、装置本体41には調湿制御機構60が配設され、この調湿制御機構60により調湿空間S内の湿度を設定する。装置本体41の外側にはセンサー用端子台61が設けられ、このセンサー用端子台61と調湿制御機構60とが電気的に接続されている。調湿空間S内の湿度を設定する場合には、調湿制御機構60に設けられたパネル62より設定湿度等の入力が可能になっている。
このように、装置本体41の内部に主配管、電気配線を充填し、装置本体41の前面には湿度制御機構60、加湿モジュール12、除湿モジュール43、タンク13、ポンプ15及び熱交換部17を備えた還流経路16が配置されているので、装置全体を小型に構成することができるとともに、湿度制御機構60による湿度設定時、タンク13内への水Wの供給時、加湿モジュール12及び除湿モジュール43の交換時の操作性に優れたレイアウトになっている。
調湿空間Sを内部に設けた容器47は、例えば、デシケータやグローブボックス等の容器からなり、この容器47には配管ポート63、センサー用ポート64、排気ポート65が設けられている。配管ポート63には、装置本体41の接続口66と接続された調湿ガス供給用の調湿ガス配管49が接続され、配管ポート63を介して装置本体41からの湿潤ガス又は除湿ガスが調湿空間S内に供給される。センサー用ポート64には、図3に示した装置本体41のセンサー用端子台61に接続されたケーブル67が通され、このケーブル67に接続された湿度センサー68が容器47内の調湿空間Sに設けられる。又、排気ポート65は、湿潤ガス又は除湿ガスの供給により容器47内に圧力がかからないように設けられている。
次いで、上記した調湿装置の動作を説明する。
図1の加湿ユニット11を構成する加湿モジュール12の中空糸膜20内側に圧縮供給源45から圧縮ガスを供給することにより、加湿モジュール12の二次側より湿潤ガスを発生させることができる。このとき、中空糸膜20内側を通過する圧縮ガスの水側(中空糸膜20の外側)への流出対策として、前述したように水Wを供給経路14の途中に設けた水循環用のポンプ15により加圧してケース22内の空間(中空糸膜束21の外側)を加圧している。
このように供給経路14に設けたポンプ15より水Wを加圧することで、ケース22内空間の圧力PPが加湿モジュール12の中空糸膜20内の圧力PGよりも大きくなり、圧力PP>圧力PGの関係が成り立つ。この関係において、中空糸膜20内の圧縮ガスを加湿することにより、圧縮ガスの圧力が中空糸膜の水側に圧縮ガスを流出することを防ぎつつ、加湿モジュール11の中空糸膜束21の外側に水Wを確実に供給して圧縮ガスを加湿し、湿潤ガスを発生させることができる。その際、ポンプ15によりタンク13と加湿モジュール12との間で水Wを加圧して循環させている(水循環式)ので、加湿モジュール12内で圧縮ガスを加湿する際に気化熱を奪われて温度が低下した水Wは常に押し出されてタンクから供給された水Wに置き換わるため、加湿モジュール内の水Wの温度が著しく低下することがなく、加湿モジュール12の加湿能力が低下することを抑制することができる。
また、加湿モジュール12からタンクに13に水Wを還流させる還流経路16の少なくとも一部を外気と接するように配置し、特に、循環経路16の途中に熱交換部17を設けているため、加湿モジュール12内で気化熱を奪われて温度が低下し、還流経路16内を流れる水Wに対して外気の熱を転熱させて加温することができるので、加温された水Wをタンク13に還流させることができる。なお、この転熱は、熱交換部17を構成する管の径が小さいほど、管内を流れる水Wの中心部まで熱が伝わるため、可能な限り細管を用いることが望ましい。
以上の様に、加湿モジュール12により圧縮ガスを連続的に加湿しても、タンク13から供給経路14を介して加湿モジュール12に供給される水Wの温度が著しく低下することがないため、加湿モジュール12の加湿能力の低下を抑制することができ、安定した長時間加湿が可能になる。
これに加え、循環経路を循環する水を加温する熱源は外気の温度(雰囲気温度)であるため、必ず「水の温度<雰囲気温度」の関係が成立し、この水により加湿された湿潤ガスの温度は外部の雰囲気温度を超えることがない。このため、調湿する対象空間や加湿された湿潤ガスを供給する出口側配管が雰囲気温度に従う場合であっても、加湿モジュールから供給された湿潤ガスが外気により冷却されて過飽和となり、装置の出口側配管等に結露が生じる心配がなく、出口側配管に断熱材を取付けたり、加熱装置を取り付けたりする必要がないため、簡単かつ安価に装置を構成することができる。
上記の構成により、加湿ユニット11を装置本体41に一本化することで簡略化しながらコンパクト化でき、軽量化を図ることができるため手軽に設置可能となる。また、加湿ユニット11は、加湿モジュール12内の中空糸膜20を利用して加湿を行っているため、仮に加湿モジュール12、タンク13、循環経路32内の水Wに雑菌が繁殖しても、雑菌は中空糸膜20の微細な細孔を通過できないので、湿潤ガス中への菌が流入することはなく、クリーンな湿潤ガスの供給が可能となる。また、加湿モジュール12は、除湿ライン44の除湿モジュール43と同形状にしているため、装置本体41の前面配置(外付け配置)が可能になり、修理やメンテナンス、モジュール交換性が容易になる。また、装置本体41に加湿モジュールを縦置きで設置することにより、装置稼働終了後に加湿モジュール12内の水Wを図示しないエアー抜き経路を介して排水することも可能になる。更に、装置本体41は可搬型であるため容易に持ち運ぶことも可能である。
上記の加湿モジュール12と除湿モジュール43とを装置本体41に設け、この装置本体41に圧縮供給源45により圧縮ガス(圧縮空気)を入口側から導入する際には、調湿空間S内の湿度に応じ、電磁弁46によって圧縮ガスを加湿ライン42又は除湿ライン44のどちらか一方に切換え、適宜に調湿空間S内に湿潤ガス又は除湿ガスを選択供給して、調湿空間S内を調湿している。このように、圧縮ガスを中空糸膜に通すだけで、湿潤ガス及び除湿ガスをそれぞれ得ることができるので、特に、中空糸膜モジュールを用いる場合に、本発明の電磁弁の切換により、迅速かつ確実に圧縮ガスの調湿が実行される。そのため、調湿空間S内には湿潤ガス又は除湿ガスが直接供給され、調湿空間S内の雰囲気と即時に混合されることにより、調湿空間S内の湿度が制御されるため、湿度制御の応答性及び調湿精度に優れている。
調湿時には、湿度センサー68により測定した調湿空間S内の湿度をパネル62でモニターしながら、調湿制御機構60を介して電磁弁46にフィードバック可能になっており、例えば、加湿過多の場合には除湿ライン44に、除湿過多の場合には加湿ライン42に電磁弁46で切換えて圧縮ガスが導入される。また、加湿ユニット11のポンプ15は、電磁弁46が加湿ライン42側に切換られた場合に連動して稼働し、除湿ライン44側に切換られた場合、又は調湿空間S内の湿度安定時には停止するように調湿制御機構60により制御されるので、無駄なエネルギ(電力)消費を抑制することができる。この調湿時の制御方法としては、例えば、PID制御が好ましい。
PID制御により制御する場合の一例を以下に述べる。調湿空間Sの湿度は、環境の温度や湿度に左右されるため、設定湿度に対して調湿空間Sの湿度が低い場合には湿潤ガスを導入し、湿度が高い場合には除湿ガスを導入する必要がある。装置本体41で使用する調湿制御機構60は、1台で加湿出力と除湿出力との2系統の出力を操作して制御可能となっている。
この制御時の動作としては、加湿側は「逆操作」、すなわち湿度測定値が設定値に対して増加した場合には調湿制御機構60の出力が減少する動作になり、除湿側は「正動作」、すなわち湿度測定値が設定値に対して増加した場合には調湿制御機構60の出力が増加する動作となる。また、このように加湿制御系(加湿モジュール12から湿度センサー68までの制御系統)と除湿制御系(除湿モジュール43から湿度センサー68までの制御系統)との2つの制御系から成る場合、加湿モジュール12と除湿モジュール43との性能差により加湿系と除湿系との応答性が異なることになる。そのため、一般的なON/OFF制御では安定した湿度に維持することが難しくなる。
本実施形態では、湿度を安定させるために加湿側、除湿側をそれぞれ独立してPID制御するようにした。このときの制御を図4のグラフに示している。図において、設定湿度を中心として、一方側に加湿出力、他方側に除湿出力を表している。設定湿度に対して湿度設定値が低い場合には、電磁弁46を加湿ライン42側に切換えて圧縮ガスを供給するとともにポンプ15を作動させ、湿度設定値が高い場合には、電磁弁46を除湿ライン44側に切換えて圧縮ガスを供給するとともにポンプ15を停止するようになっている。このように、加湿又は除湿する際は、何れか一方側のラインに圧縮ガスを供給するようにした制御を採用している。これらの加湿、除湿制御は、オーバーラップすることはなく、加湿出力と除湿出力の切り替えポイントで不感帯(デッドバンド)を設けている。これによって、調湿空間Sに圧縮ガスを常時供給することを防ぎ、設定値まで湿度を制御した後に安定した設定湿度に維持でき、設定値から離れるときに再び制御開始することで湿度の変化に対応できる。
本実施形態の装置本体41で供給できる湿潤ガスとしては、例えば、流量が10L/minまで、湿度制御範囲が、5%から70%であり、装置本体41を使用する際に適した温度は15〜35℃程度、圧縮ガスの供給圧力は0.5MPa程度となる。
図5においては、調湿装置の第2の実施形態を示している。なお、この実施形態において、前記実施形態と同一部分は同一符号によって表し、その説明を省略する。
この実施形態では、前記実施形態と同様の加湿ユニット11を設け、この加湿ユニット11を前記実施形態とは異なる経路の装置本体71に設けたものである。この装置本体71は、除湿モジュール43の位置が前記実施形態とは異なっており、圧縮供給源45から加湿ユニット11の一次側に圧縮ガス供給する一次側経路27の途中に電磁弁46が設けられ、この電磁弁46の一次側に除湿モジュール43が設けられている。更に、電磁弁46を介して加湿ユニット11を設けた加湿ライン42と、除湿ライン44とが切換可能に分岐され、合流経路55により加湿ライン12と除湿ライン14とが合流している。この構成の装置本体71において、容器47内の調湿空間S内に適宜に湿潤ガス又は除湿ガスを導入して調湿を行うようになっている。
このように、加湿モジュール12を有するユニット化された加湿ユニット11と、除湿モジュール43とを調湿装置に配設する場合に、除湿モジュール43の位置を変えることもできる。この場合には、加湿ライン42にも除湿された圧縮ガスが供給されるため、より安定した調湿機能を発揮することが可能になる。
次に、本発明における水循環方式の加湿ユニットの効果を実施例と比較例により説明する。
実施例として、図6に示す様に、前述した水循環式の加湿ユニットと同様に、タンク13に充填した水Wをポンプ15で循環経路32を循環させながら加湿モジュール12に供給し、還流経路16に熱交換部17を備えた加湿ユニット11を用いた。なお、この加湿ユニット11の各部の構成、作用は前述した加湿ユニットと共通するので、同一の符号を使用して説明を省略する。
中空糸膜20には、ポリイミド製の水蒸気透過膜(無孔膜)で膜外径410μmのものを使用し、この中空糸膜20を970本束ねて中空糸膜束21を構成し、ポッティング径18mm、有効膜長107mm、充填率50%としてケース22内に充填し、膜面積1336cmの加湿モジュール12を製作した。
熱交換部17は、銅、ステンレス(SUS)、ウレタン樹脂製のチューブにより、表1に示す仕様で製作した。
Figure 0006664874
実施例における試験回路81は、圧縮供給源45から供給する圧縮ガス(空気)を流量調整弁19を介して所定流量に調整した後、加湿ユニット11に供給して湿潤ガスを発生させる構成とした。加湿ユニット11の二次側経路82には流量計83を設け、この流量計83の計測値により流量調整弁19の開度を調整し、加湿ユニット11に供給する圧縮ガスの流量を所定値に設定できるようにしている。また、タンク13には充填した水Wの温度を計測する水温計84と、加湿ユニット11の二次側経路82には湿潤ガスの温度及び湿度を計測する温湿度計85と、加湿ユニット11が設置された雰囲気温度を測定する温度計86とを設け、これらの計測したデータをデータロガー87に記録するようにした。
参考例として、図7に示す様に、加湿モジュール91の一次側に圧縮供給源45から所定圧の圧縮ガスを供給する一次側経路92に分岐経路93を設けるとともに、この分岐経路93を水Wを充填したタンク94に連通させ、この分岐経路93を介して圧縮供給源45から供給される圧縮ガスによりタンク94内部を加圧するようにした加湿ユニット95(エアーアシスト方式)を用いた。この加湿ユニット95では、タンク94内で圧縮ガスの圧力が付加された水を供給経路14を介して加湿モジュール91内の中空糸膜束21の外側に供給することができる。このため、中空糸膜20内側を通過する圧縮ガスが、膜内壁の細孔部を透過して水側に流出することがないので、安定した長時間加湿が可能となっている。また、参考例の加湿ユニット95では、ポンプを備えていないために水が循環しないので、加湿モジュール91内の水の温度を加湿モジュール91内の中空糸膜束21の外側となる水側に設け、水温計84で直接計測するようにしている。
なお、参考例における試験回路96は、前述したように、加湿ユニット95がエアーアシスト方式であるため、加湿モジュール91内の中空糸膜束21の水側に水温計84を設けたことを除き、加湿モジュール91を構成する中空糸及び中空糸膜束の仕様、その他回路の構成は実施例の試験回路81と同様である。
以上の様に構成した実施例と参考例により、各雰囲気温度における加湿ユニットの加湿性能を計測した。
試験においては、前述の試験回路81を定温恒温器内に設置し、定温恒温器内部が所定の雰囲気温度になる様に設定した。定温恒温器内の温度とタンク13内の水Wの水温が同じ温度になるまでポンプ15を稼働させ、水Wを加湿ユニット11内で循環させた。定温恒温器内の温度と水Wの温度が同じとなったことを確認した後、圧縮供給源45から圧縮ガスの流量を調節して加湿ユニット11に供給し、約30分間データを測定してデータロガーに記録した。測定完了前10分間を安定域とし、各雰囲気温度における加湿能力を算出した。また、試験回路96については、定温恒温器内に設置し、定温恒温器内の温度とタンク94内の水Wの温度が同じになった後、試験回路81の場合と同様に加湿ユニット95に圧縮ガスを供給し、計測を行った。試験条件は、表2に示すとおりである。
Figure 0006664874
試験において計測したデータより、各雰囲気温度における発生した湿潤ガスの相対湿度、水蒸気発生量、循環水の温度低下、並びに循環水の温度の違いによる水蒸気発生量の変化を求めた。各雰囲気温度における試験結果を表3乃至5に示す。
Figure 0006664874
Figure 0006664874
Figure 0006664874
図8には、計測データより求めた熱交換部を構成する材料の熱伝導率の違いによる発生した湿潤ガスの相対湿度を雰囲気温度別に示すとともに、参考例としてエアーアシスト方式による場合の発生した湿潤ガスの相対湿度を雰囲気温度別に示す。各雰囲気における発生した湿潤ガスの相対湿度は、雰囲気温度25℃では熱交換部を構成する材料の熱伝導率の違いによる顕著な差はみられなかったが、雰囲気温度30℃から材料の熱伝導率の違いによる差が見え始め、雰囲気温度35℃では材料の熱伝導率の違いによる差がはっきりと現れ、熱交換部を構成する材料の熱伝導率が大きいほど、相対湿度が高い湿潤ガスを発生することができることを示している。また、熱交換部を構成する材料の熱伝導率に違いがあっても、エアーアシスト方式に比べると、水循環方式では発生する湿潤ガスの相対湿度は約20%以上向上している。
図9には、計測データより求めた熱交換部を構成する材料の熱伝導率の違いによる水蒸気発生量を雰囲気温度別に示すとともに、参考例としてエアーアシスト方式による場合の水蒸気発生量を雰囲気温度別に示す。各雰囲気温度における水蒸気発生量は、湿潤ガスの相対湿度と同様に、雰囲気温度30℃から材料の熱伝導率の違いによる差が見え始め、雰囲気温度35℃では材料の熱伝導率の違いによる差がはっきりと現れ、熱交換部を構成する材料の熱伝導率が大きいほど、水蒸気発生量が多いことを示している。また、熱交換部を構成する材料の熱伝導率に違いがあっても、エアーアシスト方式に比べ、水蒸気発生量は約6g/m以上多かった。
熱伝導率が小さいウレタン樹脂管で熱交換部を構成した場合であっても、エアーアシスト方式に比べて水循環方式では大きく加湿能力が向上していることから、先ず、加湿ユニットを水循環方式にした加湿能力の改善効果が大きく現れ、その効果に加え、加湿ユニットの循環経路に熱伝導率が高い材料で構成した熱交換部を設けたことによる加湿能力の改善効果が上積みされることを示している。
次に、図10には、計測データより求めた加湿ユニット内を循環する水の温度低下を雰囲気温度別に示している。この場合も、雰囲気温度25℃では熱交換部を構成する材料の熱伝導率の違いによる顕著な差はみられなかったが、雰囲気温度30℃から材料の熱伝導率の違いによる差が見え始め、雰囲気温度35℃では材料の熱伝導率の違いによる差がはっきりと現れ、ウレタン樹脂管で熱交換部を構成した場合の水温低下が最も大きく、熱交換部を構成する材料の熱伝導率が大きいほど、水温低下が小さい傾向を示している。このことは、熱交換部を熱伝導率が大きい材料で構成すると、外気の熱を循環水に効率よく転熱することができ、循環水の温度低下を抑制することをできることを示している。
また、図11には、試験データから求めた循環水の温度別における水蒸気発生量を示しているが、熱交換部を構成する材料の熱伝導率の違いによる水蒸気発生量の差はみられず、また各材料ともに循環水の温度が高くなると同じ勾配で水蒸気発生量が増加している。このことは、加湿モジュールの加湿能力は循環水の水温に依存することを改めて示しており、加湿モジュールの加湿能力を向上させるためには、供給する水の温度を高く維持することが重要であることを表している。
以上より、循環水の温度低下は雰囲気温度が高くなるに従って大きくなり、また、加湿モジュールの加湿能力は循環水温度に依存し、循環水の温度低下を抑制すると加湿モジュールの加湿能力が向上することが計測データにより裏付けられた。従って、循環経路に熱伝導率が大きい材料で構成した熱交換部を設け、外気の熱を循環水に効率よく転熱させて循環水の温度低下を抑制するようにした本発明のおける加湿ユニット及び加湿装置は、加湿能力の向上にとり極めて有効である。
以上説明したように、本発明に係る加湿ユニットは小型かつ簡単に構成され、加湿装置への組み込み性やモジュール交換性に優れている。また、特に加温装置を設けることなく、循環経路の一部に熱伝導率が高い材料で構成した熱交換部を設けるだけで外気の温度を循環経路を循環する水に転熱することにより加湿モジュールに供給する水の温度が著しく低下することを防ぎ、加湿モジュールの加湿能力を向上させることができる。さらに、本発明における加湿ユニットを使用した調湿装置は、電磁弁により圧縮供給源から供給される圧縮ガスの供給先を加湿ラインと除湿ラインに適宜切換えるのみの簡単な構造で、高精度に調湿された小流量のクリーンな調湿ガスを調湿空間に連続して安定的に供給することができる。また、本発明に係る加湿ユニット及び調湿装置は、簡単な構成でありながら、相対湿度が70%以上に達する調湿ガスを供給することが可能であり、JISの標準空気で規定されている湿度65%であることを考慮すると、各種の試験に使用する場合に十分な加湿能力を有している。
本発明は、インキュベーター、デシケータ、グローブボックス、SPF動物実験装置などのスポット空間や、空気に湿潤ガスを供給して中湿度領域に調湿する場合に適しているが、環境試験、培養などの試験、研究用、精密測定、各種検査用、電子部品等の保管用、特定ガスの調湿などにも応用することができる。また、装置の取得価格及び運用コストも安価であるので、異なる調湿空間を複数準備する必要がある場合に特に適している。
11 加湿ユニット
12 加湿モジュール
13 タンク
14 供給経路
15 ポンプ
16 還流経路
17 熱交換部
20 中空糸膜
21 中空糸膜束
32 循環経路
41 装置本体
42 加湿ライン
43 除湿モジュール
44 除湿ライン
45 圧縮供給源
47 容器
68 湿度センサー
PP 加湿モジュールの中空糸膜束外側の圧力
PG 加湿モジュールの中空糸膜内の圧力
S 調湿空間
W 水

Claims (2)

  1. 加湿モジュールの一次側に電磁弁を設け、この電磁弁の一次側又は二次側に除湿モジュールを設け、前記電磁弁の切換えにより、前記加湿モジュールから湿潤ガス、前記除湿モジュールから除湿ガスとの何れか一方を調湿ガス配管で調湿空間を有する容器内に供給し、除湿ラインの途中には、中空糸膜で構成した前記除湿モジュールを設け、加湿ラインの途中には加湿ユニットを設けると共に、前記加湿ユニットは、中空糸膜で構成した前記加湿モジュールに水を供給する供給経路と、前記加湿モジュールから水を還流させる還流経路と、前記供給経路と前記還流経路とを水を充填させたタンクを介して循環させる循環経路とを備え、前記供給経路の途中にはポンプを設け、前記還流経路の一部に熱伝導率の高い配管で形成した熱交換部を設け、この熱交換部は、外気である雰囲気温度下に配置させ、前記加湿モジュール内で気化熱を奪われて水温が低下した熱交換部内の水を、水温<外気である雰囲気温度の関係式で外気熱を転熱させることにより前記調湿ガス配管内を過飽和状態にすることなく結露の発生を防いだことを特徴とする小流量供給用調湿装置。
  2. 前記容器内への湿潤ガス導入時に前記ポンプを稼働させ、前記容器内への除湿ガス導入時又は前記容器内の湿度安定時に前記ポンプを停止させるようにした請求項に記載の小流量供給用調湿装置。
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