JP6664870B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、遊技領域に遊技媒体を発射することにより遊技を行う遊技機に関する。
遊技機として、遊技球などの遊技媒体を発射装置によって遊技領域に発射し、遊技領域に設けられている入賞口などの入賞領域に遊技球が入賞すると、遊技価値が付与されるパチンコ遊技機などがある。また、パチンコ遊技機において、遊技領域に設けられた始動領域を遊技球が通過したことに基づいて、遊技媒体が進入しやすい開放状態(第1状態)と進入不能あるいは進入困難な閉鎖状態(第2状態)とに変化する可変入賞装置(可変進入手段)を備え、該可変入賞装置に進入した遊技球が通過領域を通過したことに基づいて、該可変入賞装置の状態が開放状態になるラウンド遊技が複数回実行される有利状態(例えば、大当り遊技状態)に制御されるもの等がある。
この種の遊技機として、可変入賞装置内に進入した遊技球を堰き止め、該堰き止めを一斉解除することで通過領域へ流下させるもので、堰き止められる遊技球数が多いほど遊技球が通過領域を通過する可能性が高くなるもの等があった(例えば、特許文献1参照)。
特開2008−237565号公報
上記特許文献1に記載の遊技機では、可変入賞装置へ入賞する遊技球数が多いほど通過領域を通過する可能性が高くなって遊技の興趣が高まるが、複数の遊技球を入賞させるのに時間がかかることで、開放状態に制御される時間が短いと通過領域を通過する可能性が低くなり、遊技の興趣が低下してしまうという問題があった。
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、可変進入手段が第1状態に制御される時間が短くても遊技の興趣を高めることができる遊技機を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の遊技機は、
遊技領域に遊技媒体を発射することにより遊技を行う遊技機であって、
遊技媒体が流下する所定流路の底面として形成される可動部材の動作により、遊技媒体が進入しやすい第1状態と進入不能あるいは進入困難な第2状態とに変化する可変進入手段と、
前記可変進入手段に進入した遊技媒体が通過領域を通過することに基づいて遊技状態を遊技者にとって有利な有利状態に制御する遊技状態制御手段と、
を備え、
前記可変進入手段に進入する遊技媒体数が多いときの方が少ないときよりも前記通過領域を通過する確率が高くなるように構成され、
前記可動部材上を流下する遊技媒体の流下時間を遅延させる遅延手段と、
前記可変進入手段が前記第2状態から前記第1状態へ変化する前に、該可変進入手段が前記第2状態から前記第1状態へ変化する旨を複数段階で報知する段階報知演出を実行可能な報知手段と、
をさらに備え、
前記遅延手段は、前記所定流路における前記可動部材に対応する位置に設けられ、前記所定流路を流下する遊技媒体に対して作用することで該遊技媒体の流下速度を低下させる複数の規制片である
ことを特徴としている
た、本発明の手段1に記載の遊技機は、
遊技領域(例えば、遊技領域10)に遊技媒体(例えば、遊技球)を発射することにより遊技を行う遊技機(例えば、パチンコ遊技機1)であって、
遊技媒体が流下する流路の底面として形成される可動部材(例えば、第2大入賞口用扉711)の動作により、遊技媒体が進入しやすい第1状態(例えば、開放状態)と進入不能あるいは進入困難な第2状態(例えば、閉鎖状態)とに変化する可変進入手段(例えば、第2特別可変入賞球装置7B)と、
前記可変進入手段に進入した遊技媒体が通過領域(例えば、第3カウントスイッチ24B)を通過することに基づいて遊技状態を遊技者にとって有利な有利状態(例えば、大当り遊技状態)に制御する遊技状態制御手段(例えば、CPU103が、小当り終了処理のS561にてV入賞フラグがセットされていた場合、S563にて大当りフラグをセットし、S567にて特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理に対応した値に更新する部分)と、
を備え、
前記可変進入手段に進入する遊技媒体数が多い(例えば、6個)ときの方が少ない(例えば、1〜5個)ときよりも前記通過領域を通過する確率が高くなるように構成され、
前記可動部材上を流下する遊技媒体の流下時間を遅延させる遅延手段(例えば、規制片765)と、
前記可変進入手段が前記第2状態から前記第1状態へ変化する前に、該第1状態へ変化することを報知する報知手段(例えば、演出制御用CPU120が、演出図柄変動中処理のS305Aにてナビ演出処理を実行する部分、図29参照)と、
をさらに備える
ことを特徴としている。
この特徴によれば、可変進入手段が第1状態へ変化することが報知手段により事前に報知されることで、可変進入手段が第1状態へ変化する前に、可変進入手段に向けて遊技媒体を発射して遅延手段により可動部材の流路に多くの遊技媒体を流下させておくことができ、これにより第1状態に制御される期間が短くても多くの遊技媒体が進入しやすくなるので、遊技の興趣が向上する。
尚、「前記通過領域を通過する確率」は、確率が0%のものや100%のものを含む。
本発明の手段2の遊技機は、手段1に記載の遊技機であって、
遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、CPU103)と、
前記遊技制御手段から送信された制御情報に基づいて演出の制御を行う演出制御手段(例えば、演出制御用CPU120)と、
を備える
ことを特徴としている。
この特徴によれば、遊技制御手段の負荷を軽減できる。
本発明の手段3の遊技機は、手段1または2に記載の遊技機であって、
前記可変進入手段(例えば、第2特別可変入賞球装置7B)に少なくとも所定数(例えば、6個)の遊技媒体(例えば、遊技球)が進入したとき、該所定数のうちいずれかの遊技媒体が必ず前記通過領域(例えば、第3カウントスイッチ24B)を通過する(図6(B)参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、可変進入手段へ進入する遊技媒体数に注目させることができる。
本発明の手段4の遊技機は、手段3に記載の遊技機であって、
前記可動部材(例えば、第2大入賞口用扉711)において、前記所定数(例えば、6個)以上の遊技媒体(例えば、遊技球)が一斉に流下可能である(図5(B)参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、可変進入手段が第1状態に変化したときに所定数以上の遊技媒体が一度に進入し得るため、遊技の興趣が向上する。
本発明の手段5の遊技機は、手段1〜4のいずれかに記載の遊技機であって、
前記可変進入手段(例えば、第2特別可変入賞球装置7B)に進入した遊技媒体(例えば、遊技球)が前記通過領域(例えば、第3カウントスイッチ24B)を通過する確率が異なる複数の経路を有し、
前記可変進入手段に予め定められた数以上の遊技媒体が進入したとき、少なくとも1の遊技媒体が、前記複数の経路のうち遊技媒体が前記通過領域を通過する確率が最も高い経路へ誘導される
ことを特徴としている。
この特徴によれば、可変進入手段へ進入する遊技媒体数に注目させることができる。
本発明の手段6の遊技機は、手段1〜5のいずれかに記載の遊技機であって、
前記報知手段は、前記可変進入手段(例えば、第2特別可変入賞球装置7B)が前記第2状態(例えば、閉鎖状態)から前記第1状態(例えば、開放状態)へ変化する場合、前記報知を行うときと行わないときとがある(例えば、演出制御用CPU120は、変動表示開始設定処理におけるS277Aにてナビ演出決定処理を実行し、実行しないことを決定する場合がある部分)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、遊技が単調となることを回避できる。
本発明の手段7の遊技機は、手段1〜6のいずれかに記載の遊技機であって、
始動領域(例えば、第1始動入賞口、第2始動入賞口)と、
前記始動領域とは異なる演出領域(例えば、演出ゲート61)と、
前記演出領域への遊技媒体の通過を判定する判定手段(演出制御用マイクロコンピュータ、図35のS510)と、
前記判定手段により遊技媒体の通過が判定されたことに基づいて、前記報知を行うか否かを決定する報知決定手段(演出制御用マイクロコンピュータ、図35のS518、図36のS638)と、
を備え、
前記報知手段は、前記報知決定手段にて報知を行うことが決定されたことに基づいて前記報知を行う
ことを特徴としている。
この特徴によれば、報知が単調とならないようにして遊技の興趣を向上させることができる。
尚、本発明は、本発明の請求項に記載された発明特定事項のみを有するものであって良いし、本発明の請求項に記載された発明特定事項とともに該発明特定事項以外の構成を有するものであっても良い。
実施例における遊技機を示す正面図である。 パチンコ遊技機の回路構成例を示すブロック図である。 (A)は第2特別可変入賞球装置が開放状態にある状態を示す断面図、(B)は閉鎖状態にある状態を示す断面図である。 (A)は第2特別可変入賞球装置が閉鎖状態にあるときの遊技球の流下状況を示す平面図、(B)は滞留した状態を示す平面図である。 (A)は第2特別可変入賞球装置が閉鎖状態であるとき、(B)は開放状態に変化したときの遊技球の流下状況を示す説明図である。 (A)は第2経路に遊技球が滞留している状態、(B)は遊技球が第3経路へ誘導される状態を示す説明図である。 (A)は第2特別可変入賞球装置が閉鎖状態であるとき、(B)は開放状態に変化したときの遊技球の流下状況の他の例を示す説明図である。 (A)はV入賞大当りが発生する場合、(B)はV入賞大当りが発生しない場合の各部の動作状況を示すタイミングチャートである。 演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。 主基板の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。 (A)は当り判定テーブル、(B)は大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)、(C)は大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)、(D)は小当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)、(E)は小当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)を示す図である。 遊技制御用データ保持エリアの構成例を示すブロック図である。 演出制御用データ保持エリアの構成例を示すブロック図である。 遊技制御用タイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。 特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。 始動入賞処理の一例を示すフローチャートである。 特別図柄通常処理の一例を示すフローチャートである。 特別図柄通常処理の一例を示すフローチャートである。 特別図柄停止処理の一例を示すフローチャートである。 小当り開放前処理の一例を示すフローチャートである。 小当り開放中処理の一例を示すフローチャートである。 小当り終了処理の一例を示すフローチャートである。 演出制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。 演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。 変動表示開始設定処理の一例を示すフローチャートである。 ナビ演出決定処理の一例を示すフローチャートである。 ナビ演出実行決定用テーブルの一例を示す図である。 演出図柄変動中処理の一例を示すフローチャートである。 ナビ演出態様の一例を示す説明図である。 パチンコ遊技機を正面からみた正面図である。 演出表示装置で実行されるナビ演出を時間経過に従って示す表示画面図である。 ナビ演出が実行されるときの演出制御用マイクロコンピュータによる演出制御のタイミングチャートである。 ナビ演出判定テーブルを表形式で示す図である。 ナビストック数選択テーブルを表形式で示す図である。 ナビ抽選演出処理の一例を示すフローチャートである。 演出設定処理の一例を示すフローチャートである。
本発明に係る遊技機を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1は、パチンコ遊技機を正面から見た正面図である。図2は、主基板における回路構成の一例を示すブロック図である。尚、以下において、図1の手前側をパチンコ遊技機1の前方(前面、正面)側、奥側を背面(後方)側とし、パチンコ遊技機1を前面側から見たときの上下左右方向を基準として説明する。尚、本実施例におけるパチンコ遊技機1の前面とは、該パチンコ遊技機1にて遊技を行う遊技者と対向する対向面である。尚、本実施例におけるフローチャートの各ステップの説明において、例えば「ステップS1」と記載する箇所を「S1」と略記する場合がある。
図1は、本実施例1におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(以下、遊技機と略記する場合がある)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレール2bによって囲まれた正面視略円形状の遊技領域10が形成されている。この遊技領域10には、遊技媒体としての遊技球が打球発射装置(図示略)から発射されて打ち込まれる。また、遊技機用枠3には、ガラス窓50aを有するガラス扉枠50が左側辺を中心として回動可能に設けられ、該ガラス扉枠50により遊技領域10を開閉できるようになっており、ガラス扉枠50を閉鎖したときにガラス窓50aを通して遊技領域10を透視できるようになっている。
図1に示すように、遊技盤2は、ベニヤ板等の非透光性部材にて正面見略四角形状に構成され、前面である遊技盤面に障害釘(図示略)やガイドレール2b等が設けられた盤面板にて構成されている。尚、本実施例では、遊技盤2はベニヤ板にて構成されていたが、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂等の透明な合成樹脂材にて形成され、前面である遊技盤面に障害釘(図示略)等が植設される盤面板(図示略)と、該盤面板の背面側に一体的に取り付けられるスペーサ部材(図示略)と、から構成されていてもよい。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域10の右側下部位置)には、第1特別図柄表示器4Aと、第2特別図柄表示器4Bとが設けられている。第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、特図の変動表示の一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(変動表示または可変表示ともいう)される。例えば、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を変動表示する。尚、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。
以下では、第1特別図柄表示器4Aにおいて変動表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示器4Bにおいて変動表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤2における遊技領域10の中央付近には、演出表示装置5が設けられている。演出表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。演出表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示器4Aによる第1特図の変動表示や第2特別図柄表示器4Bによる第2特図の変動表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の変動表示部となる演出図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である演出図柄が変動表示される。この演出図柄の変動表示も、変動表示ゲームに含まれる。
一例として、演出表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rが配置されている。特図ゲームにおける変動表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて、演出図柄の変動表示結果となる確定演出図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、演出表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の演出図柄の変動表示を行い、変動表示結果となる確定演出図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。尚、例えば特別図柄や演出図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、演出図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して変動表示を終了させることである。
「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて変動表示される演出図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)で構成される。演出図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。尚、演出図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
演出表示装置5の表示領域の下部の左右2箇所には、第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uが設定されている。第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uでは、特図ゲームに対応した変動表示の保留記憶数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。
ここで、特図ゲームに対応した変動表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや演出図柄の変動表示といった変動表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく変動表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、変動表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する変動表示の保留が行われる。本実施例では、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を丸型の白色表示とし、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を同様に丸型の白色表示とする。
図1に示す例では、第1特別図柄表示器4A及び第2特別図柄表示器4Bの上方位置に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。
演出表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の球受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)としての第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすい拡大開放状態となる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。尚、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの右側方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。図1に示すように、特別可変入賞球装置7は、正面視略逆L字形をなす立体構造物にて形成され、一部が遊技盤2から遊技領域10側に突出するように設けられ、左側に配設される第1特別可変入賞球装置7Aと、右側に配設される第2特別可変入賞球装置7Bと、を有している。
第1特別可変入賞球装置7Aは、図2に示す大入賞口用扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される第1大入賞口用扉(図示略)を備え、その第1大入賞口用扉(図示略)によって開放状態と閉鎖状態とに変化する第1大入賞口(図示略)を形成する。一例として、第1特別可変入賞球装置7Aでは、第1大入賞口用扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに第1大入賞口用扉(図示略)が第1大入賞口(図示略)を閉鎖状態として、遊技球が第1大入賞口を通過(進入)できなくする。その一方で、第1特別可変入賞球装置7Aでは、第1大入賞口用扉用のソレノイド82がオン状態であるときに第1大入賞口用扉が第1大入賞口を開放状態として、遊技球が第1大入賞口を通過(進入)しやすくする。このように、第1大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。尚、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
第1大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば、図2に示す第1カウントスイッチ23によって検出される。第1カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、第1特別可変入賞球装置7Aにおいて開放状態となった第1大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。従って、第1特別可変入賞球装置7Aにおいて第1大入賞口が開放状態となれば、その第1大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、第1特別可変入賞球装置7Aにおいて第1大入賞口が閉鎖状態となれば、第1大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
また、第2特別可変入賞球装置7Bは、図2に示す第2大入賞口用扉用となるソレノイド83によって開閉駆動される第2大入賞口用扉711(図3参照)を備え、その第2大入賞口用扉711によって開放状態と閉鎖状態とに変化する第2大入賞口712(図3参照)を形成する。一例として、第2特別可変入賞球装置7Bでは、第2大入賞口用扉用のソレノイド83がオフ状態であるときに第2大入賞口用扉711が第2大入賞口712を閉鎖状態として、遊技球が第2大入賞口712を通過(進入)できなくする。その一方で、第2特別可変入賞球装置7Bでは、第2大入賞口用扉用のソレノイド83がオン状態であるときに第2大入賞口用扉711が第2大入賞口712を開放状態として、遊技球が第2大入賞口712を通過(進入)しやすくする。このように、第2大入賞口712は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。尚、遊技球が第2大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が第2大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
第2大入賞口712を通過(進入)した遊技球は、例えば、図2に示す第2カウントスイッチ24Aによって検出される。第2カウントスイッチ24Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、第2特別可変入賞球装置7Bにおいて開放状態となった第2大入賞口712を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。従って、第2特別可変入賞球装置7Bにおいて第2大入賞口712が開放状態となれば、その第2大入賞口712に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、第1特別可変入賞球装置7Aにおいて第2大入賞口712が閉鎖状態となれば、第2大入賞口712に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
ここで、図3〜図7に基づいて、第2特別可変入賞球装置7Bの構成について説明する。図3は、(A)は第2特別可変入賞球装置が開放状態にある状態を示す断面図、(B)は閉鎖状態にある状態を示す断面図である。図4は、(A)は第2特別可変入賞球装置が閉鎖状態にあるときの遊技球の流下状況を示す平面図、(B)は滞留した状態を示す平面図である。図5は、(A)は第2特別可変入賞球装置が閉鎖状態であるとき、(B)は開放状態に変化したときの遊技球の流下状況を示す説明図である。図6は、(A)は第2経路に遊技球が滞留している状態、(B)は遊技球が第3経路へ誘導される状態を示す説明図である。図7は、(A)は第2特別可変入賞球装置が閉鎖状態であるとき、(B)は開放状態に変化したときの遊技球の流下状況の他の例を示す説明図である。図8は、(A)はV入賞大当りが発生する場合、(B)はV入賞大当りが発生しない場合の各部の動作状況を示すタイミングチャートである。
図1に示すように、第2特別可変入賞球装置7Bは、第1特別可変入賞球装置7Aよりも上方に突出して形成されており、第2大入賞口712は、第2特別可変入賞球装置7Bの上端部において上向きに開放するように形成されている。第2大入賞口用扉711は、ソレノイド83の駆動によって、遊技領域10から遊技盤2側へ退避して第2大入賞口712を開放状態とする開放位置(第1位置)と、遊技盤2から遊技領域10側へ突出して第2大入賞口712を閉鎖状態とする閉鎖位置(第2位置)と、の間で前後方向に向けて略水平にスライド移動可能に設けられている。
図3に示すように、第2特別可変入賞球装置7Bは、第2大入賞口712を通過した遊技球Pを該第2大入賞口712の下方において右側から左側へ向けて流下させる第1経路750Aと、第1経路750Aから第2カウントスイッチ24Aを通過した遊技球Pをやや左側下方に流下させる第2経路750Bと、第2経路750Bにおける第2カウントスイッチ24Aの直下において分岐され、第2カウントスイッチ24Aを通過したものの第2経路750Bに流下しなかった遊技球Pを右側下方へ流下させる第3経路750Cと、を有する。
第2経路750Bの下流部に到達した遊技球Pは、遊技盤2に形成された貫通孔720を介して遊技盤2の背面側に誘導され、第4カウントスイッチ24Cを通過することで該第4カウントスイッチ24Cによって検出された後、遊技機外へ排出される。また、第3経路750Cの下流部に到達した遊技球Pは、第3カウントスイッチ24Bを通過することで該第3カウントスイッチ24Bによって検出され、遊技盤2に形成された貫通孔721を介して遊技盤2の背面側に誘導された後、遊技機外へ排出される。
尚、本実施例では、CPU103は、後述する小当り遊技中における検出有効期間において第3カウントスイッチ24Bによって遊技球が検出されたことに基づき、小当り遊技終了後に大当り遊技状態に制御するようになっている。
また、CPU103は、第2カウントスイッチ24Aにて検出された遊技球数と、第3カウントスイッチ24B及び第4カウントスイッチ24Cにて検出された遊技球数の合計球数との差球数が所定球数以上となった場合、球詰りまたは不正が行われた可能性があるとしてエラー信号を出力する。
第2経路750Bにおける貫通孔720の近傍上流側には、遊技球Pの流下を規制するための規制部材730が設けられている。該規制部材730は、帯板状に形成され、ソレノイド84(図2参照)の駆動によって、遊技盤2から第2経路750B側へ突出して第2経路750Bを流下する遊技球Pの第4カウントスイッチ24Cへ向けての流下を規制する規制位置と、第2経路750Bから遊技盤2側へ退避して第2経路750Bを流下する遊技球Pの第4カウントスイッチ24Cへの流下を許容する規制解除位置と、の間で前後方向に略水平にスライド可能に設けられている。ソレノイド84がオフ状態のときに規制状態となり、オン状態のときに規制解除状態となる。
本実施例において、CPU103は、通常時においては規制部材730を規制位置に保持しており、第2大入賞口712が開放状態となったときから所定期間(例えば、本実施例では4秒)が経過したときに、ソレノイド84の駆動により規制部材730を規制位置から規制解除位置へ移動させ、該規制解除位置において予め定められた期間(例えば、本実施例では2秒)が経過したときに、ソレノイド84をオフ状態として規制位置へ移動させるようになっている。
尚、前記所定期間(例えば、本実施例では4秒)は、第2経路750Bに5個の遊技球P1〜P5を滞留させるとともに、少なくとも6球目の遊技球P6が第3経路750Cへ誘導されるのに必要な時間とされていれば、上記4秒に限定されるものではない。また、前記予め定められた期間は、第2経路750Bに滞留している5個の遊技球P全てが規制部材730を通過するのに要する時間とされていれば、上記2秒に限定されるものではない。
また、本実施例では、第3経路750Cは、規制部材730により遊技球Pの流下が規制されているとき、複数個(例えば、5個)の遊技球Pが滞留可能な長さを有しており、滞留している最後尾の遊技球Pは第3経路750Cとの分岐部付近に配置されるようになっている(図6(B)参照)。また、第2経路750Bと第3経路750Cとは、第2経路750Bに5個の遊技球Pが滞留されている場合や、何らかの要因(例えば、振動など)が生じた場合を除き、第2カウントスイッチ24Aを通過した遊技球Pを第3経路750Cより優先して第2経路750Bに案内するように構成されている。
図4に示すように、第2特別可変入賞球装置7Bの上部には、右側から左側へ向けて下方に傾斜する上壁760が設けられている。上壁760の左右方向の略中央には平面視横長長方形状の第2大入賞口712が形成されており、該第2大入賞口712は、前述した第2大入賞口用扉711により開閉可能とされている。
第2大入賞口用扉711は、第2大入賞口712が閉鎖状態であるとき、該第2大入賞口用扉711の上流側(図中右側)の側部がその上流側の上壁760より若干下方に位置し、下流側(図中左側)の側部がその下流側の上壁760より若干上方に位置するように、右側から左側へ向けて下方に傾斜して設けられている。
第2特別可変入賞球装置7Bの前面を覆う前壁761の上部は、上壁760の前辺より所定高さ(例えば、遊技球Pの直径と同様の高さ)上方に突出するように延設されているとともに、第2特別可変入賞球装置7Bの背面を覆う後壁762の上部は、上壁760の後辺より所定高さ(例えば、遊技球Pの直径と同様の高さ)上方に突出するように延設されている。よって、第2大入賞口712が閉鎖状態であるとき、遊技領域10における演出表示装置5の右側を流下してきた遊技球Pのうち上壁760上に落下した遊技球Pは、上壁760及び第2大入賞口用扉711の上面を前壁761と後壁762とにより案内されながら左側へ流下するようになっている。
また、図4(B)に示すように、第2大入賞口712及び第2大入賞口用扉711の左右方向の長さ寸法は、遊技球Pが複数個(たとえば、5,6個程度)連なった長さと同様の長さに設定されている。
尚、第2特別可変入賞球装置7Bでは、前壁761が透光性を有する合成樹脂材にて形成されていることにより、第2特別可変入賞球装置7B内に進入した遊技球Pが第3カウントスイッチ24Bを通過したか否か等のような、第2特別可変入賞球装置7Bの内部における遊技球Pの流下状態を容易に遊技者が視認することができる。また、第2大入賞口712が閉鎖状態であるとき、上壁760及び第2大入賞口用扉711の上面を前壁761と後壁762とにより案内されながら左側へ流下する遊技球Pを視認できるようになっている。さらに、前壁761が上壁760及び第2大入賞口用扉711上に突出形成されていることにより、上壁760及び第2大入賞口用扉711上に落下した遊技球Pが跳ねてガラス窓50aに衝突することを防ぐことができる。
図4(A)(B)に示されるように、第2特別可変入賞球装置7Bでは、前壁761と後壁762との間に、左右方向に延在する流路が形成される。その流路においては、流路を流下する遊技球Pの流下速度を低下させる複数の規制片765が形成されている。図4(A)では、1個の遊技球Pが流路上を流下している状態が示されており、図4(B)では、複数個の遊技球Pが流路上を流下している状態、または、複数個の遊技球Pが流路上で滞留している状態が示されている。
規制片765は、前壁761及び後壁762それぞれの対向面に一体形成され、後壁762から前方に突出する態様、または、前壁761から後方に突出する態様でリブ状に形成されている。複数の規制片765は、前方から見て流路上を左側へ流下する遊技球Pに干渉することで、遊技球Pが前後方向成分の動きをもって蛇行する(所謂ジグザグ動作する)ように遊技球Pの流下方向を変更させて、その流下にかかる時間を、規制片765がない場合よりも遅延させる。これら複数の規制片765は、流路における遊技球Pの流下方向で、所定間隔を空けて並ぶように形成され、かつ、前壁761及び後壁762に交互に形成されている。また、規制片765は、第2大入賞口用扉711の前後方向幅の1/3〜1/4程度の幅寸法に設定され、かつ、隣接するもの同士の間に遊技球Pが通過可能な幅寸法に設定されている。尚、このような規制片765の数は、特段限定されるものではない。
以上のような規制片765の配置により、図4(A)に示すように、第2特別可変入賞球装置7Bでは、流路を流下しようとする遊技球Pが、流路上を蛇行するようにして流下することになる。そして、このような流路が形成される第2特別可変入賞球装置7Bの閉鎖状態では、遊技球Pが第2大入賞口712に進入せずに第2大入賞口用扉711上を通過する。
また、図4(B)に示すように、大入賞口が閉鎖状態であるときに、第2大入賞口用扉711は、同時に例えば最大6個の遊技球Pが流下可能な面積を有している。従って、第2大入賞口用扉711が後退移動して第2大入賞口712が開放状態となったときには、1回の開放制御によって第2大入賞口712が短時間開放されたときであっても、同時に6個の遊技球Pが第2大入賞口712に進入することが可能となっている。このように、第2特別可変入賞球装置7Bは、第2大入賞口712が閉鎖状態であるときに流路上に遊技球Pが複数個載ることが可能な構造となっている。
次いで、第2特別可変入賞球装置7Bが第1状態に変化したときの遊技球Pの流下状況及び各部の作動状況について、図8(A)のタイミングチャートに基づき、図5及び図6を参照しながら説明する。
図8(A)に示すように、小当りの発生に伴い小当り遊技状態に制御されると、第2大入賞口用扉711が閉鎖位置から開放位置へ移動し、第2大入賞口712が所定期間(例えば、約1.6秒間)に亘り開放状態に制御される。この開放状態になる直前において、図5(A)に示すように、第2大入賞口用扉711上に複数個(例えば、6個)の遊技球P1〜P6が滞留している場合、これら遊技球P1〜P6は、図5(B)に示すように第2大入賞口712に一斉に進入する。そして、図8(A)に示すように、これら遊技球P1〜P6は第1経路750Aを左側に流下し、第2カウントスイッチ24Aにより順次検出されていく。
開放状態に制御されたとき、第2経路750Bに遊技球は滞留していないため、第2カウントスイッチ24Aを通過した遊技球P1〜P5は、図6(A)に示すように第2経路750Bに案内される。図8(A)に示すように、開放状態に制御されたとき、規制部材730は規制位置に位置しているため、第2経路750Bに最初に流入した遊技球P1が規制部材730により流下が規制されることで、後続の遊技球P2〜P5が第2経路750Bに次々に滞留していく。
そして、図6(B)に示すように、第2経路750Bに5個の遊技球P1〜P5が滞留することで、後続の遊技球P6は第2経路750Bに滞留している最後尾の遊技球P5に接触して第3経路750Cへ誘導される。よって、図8(A)に示すように、第3経路750Cへ誘導された遊技球P6は、第3カウントスイッチ24Bを通過することにより該第3カウントスイッチ24Bにより検出される。これによりV入賞が発生し、大当り遊技状態へ移行することになる。
また、図8(A)に示すように、規制部材730は、第2大入賞口712が開放状態に制御されてから所定期間(例えば、約4秒)が経過したときに規制位置から規制解除位置へ移動する。これにより、第2経路750Bに滞留していた遊技球P1〜P5が一斉に流下して貫通孔720から遊技盤2の背面側に誘導された後、第4カウントスイッチ24Cを通過することにより該第4カウントスイッチ24Cにより検出される。
また、規制部材730は、規制解除位置へ移動してから予め定められた期間(例えば、約2秒)が経過したとき、再び規制解除位置から規制位置へ移動し、次回以降の開放制御が開始されるまで規制位置に維持される。尚、本実施例では、規制部材730は、後述する全ての種別の小当りにおいて同様の動作を行うようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、小当り種別に応じて別個の動作を行うようにしてもよい。
次に、図7(A)に示すように、第2大入賞口712が開放状態になる直前において、第2大入賞口用扉711上に複数個(例えば、3個)の遊技球P1〜P3しか滞留していない場合、これら遊技球P1〜P3は、第1経路750Aを左側に流下し、第2カウントスイッチ24Aにより順次検出された後、第2経路750Bに案内されて滞留するが、最後尾の遊技球P3が第2経路750Bと第3経路750Cとの分岐部まで到達しないため、図7(B)に示すように、後続の遊技球P4は第3経路750Cへ誘導されてしまう。よって、図8(B)に示すように、第3経路750Cへ誘導された遊技球P1〜P4は、規制部材730が規制解除位置に移動することにより全て第4カウントスイッチ24Cにより検出され、いずれの遊技球P1〜P4も第3カウントスイッチ24Bを通過することにより該第3カウントスイッチ24Bにより検出されることはないので、V入賞は発生しない。
以上説明したように、実施例1の第2特別可変入賞球装置7Bでは、遊技球Pが第2大入賞口用扉711上に複数個滞留している状態で第2大入賞口712が開放状態となれば、複数個(例えば、6個)の遊技球Pが一斉に第2大入賞口712に進入するため、遊技球Pが第3カウントスイッチ24Bを通過する確率が高い。尚、遊技球Pが第2大入賞口用扉711上に複数個滞留している状態(図4(B)のような状態)で第2大入賞口712が開放状態となれば、遊技球Pがほぼ100%の割合で第3カウントスイッチ24Bを通過するようにしてもよい。つまり、右打ちしていれば遊技球の大半は第2特別可変入賞球装置7Bへ誘導され、第2大入賞口用扉711上を流下することになるので、右打ちしているときに小当りが発生すれば、V入賞大当りが発生しやすくなる。
本実施例では、後述するように、低ベース状態、つまり、左打ちが推奨される状態において小当りが発生する場合、小当り遊技状態へ移行する前に、右打ちを促す発射案内演出としてのナビ演出が実行される。そして、ナビ演出に基づいて遊技者が右打ちした場合、遊技球Pが第2特別可変入賞球装置7Bの上部の流路上を多数同時に通過するかまたは流路上で多数滞留されるような態様となり、これにより小当り遊技状態が開始されて第2大入賞口712が開放状態となったとき、多数の遊技球Pが第2特別可変入賞球装置7Bの内部に一斉に進入する可能性が高まるため、V入賞大当りが発生しやすくなる。
尚、第2特別可変入賞球装置7Bの上部の通路を形成する上壁760と第2大入賞口用扉711との間に所定の段差を設けて、一時的に遊技球Pが滞留しやすくなるような構成を採用してもよい。このようにすれば、例えば、後述するような小当り遊技状態となるときにナビ演出が実行されて右打ちする発射案内がされて遊技球Pが右打ちされたときには、遊技球Pが第2特別可変入賞球装置7Bの上部の流路に多数の遊技球Pが滞留されるような態様となることにより、小当り遊技状態における第2大入賞口712の開放状態において、確実に多数の遊技球Pを第2特別可変入賞球装置7Bの内部に進入させることが可能となる。
図1に戻って、第2保留表示器25Bの上方位置には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(変動表示)する。このような普通図柄の変動表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び第1大入賞口や第2大入賞口712とは異なる入賞口として、例えば所定の球受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域10の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L,8Rが設けられており、さらに遊技領域10の周辺部には、演出用LED9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域10における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域10に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置(図示略)が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域10の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、発射装置(図示略)へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検出するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検出するコントローラセンサユニット35Aが設けられていればよい。例えば、コントローラセンサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側から見て操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側から見て操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組合せた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下動作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下動作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者による押下動作を検出するプッシュセンサ35Bが設けられていればよい。
この実施例では、遊技領域10に打ち出された遊技球は、遊技領域10の略中央位置に配設された演出表示装置5の周囲を囲うセンター飾り枠51の左側を流下する第1流下経路またはセンター飾り枠51の右側を流下する第2流下経路のいずれかを流下するようになっており、打球操作ハンドルにて弱めに打ち出された(左打ち)遊技球は第1流下経路を流下し、打球操作ハンドルにより強めに打ち出された(右打ち)遊技球は第2流下経路を流下する。
また、第1流下経路を流下した遊技球は、普通入賞球装置6A及び普通可変入賞球装置6Bに入賞可能であり、第2流下経路を流下した遊技球は、普通可変入賞球装置6B、第1特別可変入賞球装置7A及び第2特別可変入賞球装置7Bに入賞可能、かつ、通過ゲート41を通過可能となるように多数の障害釘が配設されている。つまり、左打ちの場合は第1特別可変入賞球装置7A及び第2特別可変入賞球装置7Bに入賞不能または入賞が困難とされる。また、通過ゲート41を通過不能または通過困難である。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。パチンコ遊技機1では、遊技領域10に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の変動表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の変動表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。
この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の変動表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示器4Aによる特図ゲームが開始される。また、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームが開始される。
第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームでは、特別図柄の変動表示を開始させた後、特図変動時間としての変動表示時間が経過すると、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されれば、所定表示結果としての「小当り」となり、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの変動表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。特図ゲームでの変動表示結果が「小当り」になった後には、大当り遊技状態とは異なる特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。
この実施例におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「3」、「5」、「7」、「9」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「2」、「4」、「6」、「8」の数字を示す特別図柄を小当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄としている。尚、第1特別図柄表示器4Aによる特図の変動表示における大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示器4Bによる特図の変動表示における各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄となるようにしてもよい。
特図の変動表示における確定特別図柄として「3」、「5」、「7」、「9」の数字を示す大当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「大当り」となった後、大当り遊技状態において、第1特別可変入賞球装置7Aの第1大入賞口用扉701が、所定の上限時間(例えば、29秒間または0.5秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間にて、第1大入賞口702を開放状態とする。これにより、第1特別可変入賞球装置7Aを遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とするラウンドが実行される。
第1大入賞口702の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「15」や「5」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。尚、ラウンドの実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば第1大入賞口702に遊技球が入賞しなかったことなど)により、ラウンドの実行が終了するようにしてもよい。
また、特図ゲームにおける確定特別図柄として小当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「小当り」となった後、小当り遊技状態において、第2特別可変入賞球装置7Bの第2大入賞口用扉711が、所定の上限時間(例えば、1.6秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間にて、第2大入賞口712を開放状態とする。これにより、第2特別可変入賞球装置7Bは遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)となる。
尚、本実施例では、小当り遊技状態において第2大入賞口用扉711が所定の上限時間である1.6秒が経過するまで1回開放するように設定されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、小当り遊技状態において複数回開放するようにしてもよい。
小当り遊技状態において、第2大入賞口712に入賞した遊技球が検出有効期間内に第2特別可変入賞球装置7B内に設けられた第3カウントスイッチ24Bを通過すると、該遊技球の第3カウントスイッチ24Bの通過に基づく「大当り」となる(V入賞大当り)。つまり、CPU103は、該遊技球の第3カウントスイッチ24Bの通過を検出したことに基づき、遊技状態を大当り遊技状態に制御する。一方、小当り遊技状態において第2大入賞口712に入賞した遊技球が第2特別可変入賞球装置7B内に設けられた第4カウントスイッチ24Cを通過した場合は、「大当り」とはならない。つまり、CPU103は、該遊技球の第4カウントスイッチ24Cの通過を検出したことに基づき、遊技状態を大当り遊技状態には制御しない。
そして、遊技球の第3カウントスイッチ24Bの通過に基づいて大当り遊技状態に制御されると、第2特別可変入賞球装置7Bの第2大入賞口用扉711が、所定の上限時間(例えば、29秒間または0.5秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば、10個)の入賞球が発生するまでの期間にて、第2大入賞口712を開放状態とする。これにより、第2特別可変入賞球装置7Bを遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とするラウンド遊技が実行される。尚、本実施例では、第3カウントスイッチ24Bの通過に基づいて大当り遊技状態に制御されると、第2特別可変入賞球装置7Bが第1状態に制御されるようになっていたが、第1特別可変入賞球装置7Aが第1状態に制御されるようにしてもよい。
第2大入賞口712の開放サイクルであるラウンド遊技は、その実行回数が所定の上限回数(例えば「15」や「5」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。尚、ラウンド遊技の実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば第2大入賞口712に遊技球が入賞しなかったことなど)によりラウンド遊技が終了するようにしてもよい。
尚、本実施例における大当り遊技状態の終了後は、所定の変動回数の範囲(例えば、100回)において時間短縮制御(時短制御)が行われる時短状態と、時短制御が行われない通常状態とのいずれかに制御される。時短制御が行われることにより、特図の変動表示における変動表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態などとは異なる通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば、100回)の特図の変動表示が実行されることと、変動表示結果が「大当り」となること、小当り遊技状態において遊技球が第3カウントスイッチ24Bを通過すること、のうちいずれかの条件が先に成立したときに終了すればよい。
時短制御が行われるときには、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームにおける変動時間(特図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、普通図柄表示器20による普図ゲームの変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図の変動表示での変動表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、変動表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。このように、時短制御に伴い第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御としては、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御(全てを含む)が組合せられて行われるようにしてもよい。
高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図の変動表示が頻繁に実行可能となることで、次に変動表示結果が「大当り」または「小当り」となるまでの時間が短縮される。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、時短制御が行われる期間と同一であればよい。時短制御と高開放制御がともに行われる遊技状態は、時短状態あるいは高ベース状態ともいう。
演出表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rでは、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、演出図柄の変動表示が開始される。そして、演出図柄の変動表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおける確定演出図柄の停止表示により変動表示が終了するまでの期間では、演出図柄の変動表示状態が所定のリーチ状態となることがある。
ここで、リーチ状態とは、演出表示装置5の表示領域にて停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部又は一部の演出図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の演出図柄表示エリア5L,5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する演出図柄(例えば「7」の英数字を示す演出図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの演出図柄表示エリア(例えば「中」の演出図柄表示エリア5Cなど)では演出図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおける全部又は一部で演出図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
また、リーチ状態となったことに対応して、演出図柄の変動速度を低下させたり、演出表示装置5の表示領域に演出図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、演出図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、演出図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、演出図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。尚、リーチ演出には、演出表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L,8Rによる音声出力動作や、演出用LED9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、変動表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。
演出図柄の変動表示中には、リーチ演出あるいは「滑り」や「擬似連」などの変動表示演出とは異なり、例えば所定の演出画像を表示することや、メッセージとなる画像表示や音声出力、LED点灯などのように、演出図柄の変動表示動作とは異なる演出動作により、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、スーパーリーチによるリーチ演出が実行される可能性があること、変動表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、遊技者に予め報知するための予告演出が実行されることがある。予告演出となる演出動作は、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rの全部にて演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となるより前(「左」及び「右」の演出図柄表示エリア5L,5Rにて演出図柄が仮停止表示されるより前)に実行(開始)されるものであればよい。また、変動表示結果が「大当り」となる可能性があることを報知する予告演出には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となった後に実行されるものが含まれていてもよい。
予告演出のうちには、保留表示予告演出となるものが含まれていてもよい。保留表示予告演出は、変動表示結果が「大当り」となる可能性などが、予告される対象となる変動表示を開始するより前に、特図ゲームの保留表示などの表示態様の変化に基づいて示唆される予告演出である。特に、複数回の特図ゲームに対応して複数回実行される演出図柄の変動表示にわたり、変動表示結果が「大当り」となる可能性などを連続して予告する演出は、連続予告演出(連続演出)とも称される。尚、特図ゲームが1回実行される間に、演出図柄を一旦仮停止表示させた後、当該演出図柄を再び変動(擬似連変動、再変動)させる演出表示を所定回数行い、擬似的に複数回の変動表示が実行されているかのように見せる「擬似連」の変動表示演出を実行する遊技機においては、当該擬似的な複数回の変動表示にわたり、変動表示結果が「大当り」となる可能性などを連続して予告する予告演出も連続予告演出(連続演出)に含まれる。
また、本実施例では、低ベース状態において変動表示結果が小当り表示結果となる場合、予告演出とは別に、遊技者に右打ち遊技を推奨するナビ演出を所定の確率にて実行することがある。尚、このナビ演出に関しては後述することとする。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の変動表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の変動表示を制御することといった、所定の表示図柄の変動表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81,82に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば演出表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、演出用LED9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。
図9(A)は、本実施例で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。尚、図9(A)に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図9(A)に示す例において、コマンド8001Hは、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第1変動開始コマンドである。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81XXHは、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rで変動表示される演出図柄などの変動パターン(変動時間)を指定する変動パターン指定コマンドである。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。尚、変動パターン指定コマンドでは、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンド8CXXHは、変動表示結果通知コマンドであり、特別図柄や演出図柄などの変動表示結果を指定する演出制御コマンドである。変動表示結果通知コマンドでは、例えば図9(B)に示すように、変動表示結果が「ハズレ」、「大当り」、「小当り」のいずれであるかの決定結果(事前決定結果)や、変動表示結果が「大当り」や「小当り」となる場合の当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果(当り種別決定結果)に応じて、異なるEXTデータが設定される。
変動表示結果通知コマンドでは、例えば図9(B)に示すように、コマンド8C00Hは、変動表示結果が「ハズレ」となる旨の事前決定結果を示す第1変動表示結果通知コマンドである。コマンド8C01Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「5ラウンド大当り」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第2変動表示結果通知コマンドである。コマンド8C02Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「15ラウンド大当り」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第3変動表示結果通知コマンドである。コマンド8C03Hは、変動表示結果が「小当り」となる旨の事前決定結果を示す第4変動表示結果通知コマンドである。
コマンド8D00Hは、第2特別可変入賞球装置7Bにおいて遊技球が第2大入賞口712に進入した後、第3カウントスイッチ24Bにより検出されたことを通知するV入賞通知コマンドである。
コマンド8F00Hは、演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリアで演出図柄の変動停止(確定)を指定する図柄確定コマンドである。コマンド95XXHは、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドである。遊技状態指定コマンドでは、例えばパチンコ遊技機1における現在の遊技状態に応じて、異なるEXTデータが設定される。具体的な一例として、コマンド9500Hを時短制御が行われない遊技状態(低ベース状態、通常状態)に対応した第1遊技状態指定コマンドとし、コマンド9501Hを時短制御が行われる遊技状態(高ベース状態、時短状態)に対応した第2遊技状態指定コマンドとする。
コマンドA0XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。コマンドA1XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態となっている期間であることを通知する大入賞口開放中通知コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であることを通知する大入賞口開放後通知コマンドである。コマンドA3XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する当り終了指定コマンドである。
当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、例えば変動表示結果通知コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、事前決定結果や大当り種別決定結果に応じて異なるEXTデータが設定されてもよい。あるいは、当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、事前決定結果及び大当り種別決定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、変動表示結果通知コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。大入賞口開放中通知コマンドや大入賞口開放後通知コマンドでは、例えば15ラウンド大当り状態や5ラウンド大当り状態におけるラウンドの実行回数(例えば「5」、「15」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。
コマンドB100Hは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aにより検出されて始動入賞(第1始動入賞)が発生したことに基づき、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドである。コマンドB200Hは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bにより検出されて始動入賞(第2始動入賞)が発生したことに基づき、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドである。
コマンドC1XXHは、第1保留記憶表示エリア5Dなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第1特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンドである。コマンドC2XXHは、第2保留記憶表示エリア5Uなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第2特図保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドである。第1保留記憶数通知コマンドは、例えば第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動条件が成立したことに基づいて、第1始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。第2保留記憶数通知コマンドは、例えば第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2始動条件が成立したことに基づいて、第2始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。また、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1開始条件と第2開始条件のいずれかが成立したとき(保留記憶数が減少したとき)に、特図ゲームの実行が開始されることなどに対応して送信されるようにしてもよい。
第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えて、合計保留記憶数を通知する合計保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。すなわち、合計保留記憶数の増加(または減少)を通知するための合計保留記憶数通知コマンドが用いられてもよい。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Outputport)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
図10は、主基板11の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図10に示すように、本実施例では、主基板11の側において、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当りや小当りの当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン種別判定用の乱数値MR3、変動パターン判定用の乱数値MR4、普図表示結果判定用の乱数値MR5のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。尚、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。
乱数回路104は、これらの乱数値MR1〜MR5の一部または全部を示す数値データをカウントするものであればよい。CPU103は、例えば、図12に示す遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路104とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することで、乱数値MR1〜MR5の一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。
特図表示結果判定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの変動表示結果を「大当り」や「小当り」として大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御するか否かを決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「65536」の範囲の値をとる。当り種別判定用の乱数値MR2は、変動表示結果を「大当り」とする場合における大当り種別を「第1大当り(5ラウンド大当り)」、「第2大当り(15ラウンド大当り)」、「第3大当り(実質0ラウンド大当り)」、「第4大当り(15ラウンド大当り)」のいずれかに決定するため、及び変動表示結果を「小当り」とする場合における小当り種別を「第1小当り(小当り後に5ラウンド大当り)」、「第2小当り(小当り後に15ラウンド大当り)」、「第3小当り(小当り後に実質0ラウンド大当り)」、「第4小当り(小当り後に15ラウンド大当り)」のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「300」の範囲の値をとる。
変動パターン種別判定用の乱数値MR3は、特別図柄や演出図柄の変動表示における変動パターン種別を、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「251」の範囲の値をとる。変動パターン判定用の乱数値MR4は、特別図柄や演出図柄の変動表示における変動パターンを、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「997」の範囲の値をとる。
普図表示結果判定用の乱数値MR4は、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける変動表示結果を「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするかなどの決定を行うために用いられる乱数値であり、例えば「3」〜「13」の範囲の値をとる。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種のテーブルデータなどが記憶されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定を行うために用意された、図4などに示す複数の判定テーブルを構成するテーブルデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御信号を出力させるために用いられる複数の制御パターンテーブルを構成するテーブルデータや、特別図柄や普通図柄などの変動表示における各図柄の変動態様となる変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルなどが記憶されている。
ROM101が記憶する判定テーブルには、例えば、図11(A)に示す当り判定テーブル130a、図11(B)に示す大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131a、図11(C)に示す大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131b、図11(D)に示す小当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131c、図11(E)に示す小当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131cの他、大当り用変動パターン種別判定テーブル(図示略)や小当り用変動パターン種別判定テーブル(図示略)、はずれ用変動パターン種別判定テーブル(図示略)、当り変動パターン判定テーブル(図示略)、はずれ変動パターン判定テーブル(図示略)、普図表示結果判定テーブル(図示略)、普図変動パターン決定テーブル(図示略)などが含まれている。
図11(A)は、当り判定テーブル130aを示す説明図である。当り判定テーブルとは、ROM101に記憶されているデータの集まりであって、乱数値MR1と比較される当り判定値が設定されているテーブルである。当り判定テーブルは、特別図柄ポインタが第1である、つまり、第1特別図柄が変動表示の対象とされている場合と、特別図柄ポインタが第2である、つまり、第2特別図柄が変動表示の対象とされている場合のそれぞれについて、大当りとする判定値と、小当りとする判定値が設定されている。図11(A)に記載されている数値が当り判定値であり、括弧内の数値は当り確率である。
図11(A)に示すように、大当りに対応する判定値として、特別図柄ポインタが第1である場合と第2である場合とで同様の判定値が設定されており、第2特別図柄が変動表示の対象とされている場合にも、第1特別図柄が変動表示の対象とされている場合と同じ確率(例えば、約1/300)で大当りが発生する。
また、特別図柄ポインタが第1である場合、大当りよりも高い割合(例えば、約1/200)で小当りが発生するとともに、特別図柄ポインタが第2である場合、ハズレがなく、大当り以外は全て小当りに当選するため、特別図柄ポインタが第1である場合よりも高い割合(例えば、約199/200)で小当りが発生するようになっている。
つまり、CPU103は、所定の時期に、乱数回路104のカウンタ値を抽出して抽出値を当り判定用乱数(乱数値MR1)の値とするのであるが、当り判定用乱数値が図11(A)に示す大当りに対応するいずれかの当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(第1大当り〜第4大当り)にすることに決定する。また、当り判定用乱数(乱数値MR1)が図11(A)に示す小当りに対応するいずれかの当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当り(第1小当り〜第4小当り)にすることに決定する。尚、図11(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)並びに小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に制御するか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器4Aまたは第2特別図柄表示器4Bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に制御するか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器4Aまたは第2特別図柄表示器4Bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
尚、本実施例では、CPU103は、図11(A)に示す当り判定テーブル130aを用いて大当りまたは小当りとするか否かを判定するようになっているが、大当り判定テーブルと小当り判定テーブルとを別個に設け、大当りの判定は、特別図柄ポインタによらず第1特別図柄の変動表示である場合と第2特別図柄の変動表示である場合とで共通のテーブルを用いて行うようにし、小当りの判定は、特別図柄ポインタが第1である場合と第2である場合とで別個のテーブルを用いて行うようにしてもよい。
図11(B)、(C)は、ROM101に記憶されている大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131a、大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bを示す説明図である。このうち、図11(B)は、遊技球が第1始動入賞口に入賞したことに基づく保留記憶を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合のテーブルである。また、図11(C)は、遊技球が第2始動入賞口に入賞したことに基づく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合のテーブルである。
大当り種別判定テーブル131a,131bは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、当り種別判定用の乱数(乱数値MR2)に基づいて、大当りの種別を第1大当り〜第4大当りのうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。尚、この実施例では、図11(B)、(C)に示すように、大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aには、第1大当りから第3大当りまでの3種類の大当りが設けられているのに対し、大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bには、第4大当りの1種類の大当りのみが設けられている。つまり、第1特別図柄の変動表示が行われるときに発生する大当りとしては、第1大当りから第3大当りまでの3種類の大当りのうちのいずれかとなる一方、第2特別図柄の変動表示が行われるときに発生する大当りとしては、第4大当りのみとなる。
大当り種別判定テーブル131aには、第1大当り〜第3大当りのそれぞれについて、当り種別判定用の乱数(乱数値MR2)の判定値、ラウンド数(15R、5R)データ、対象大入賞口(第1大入賞口702)データ、大当り遊技終了後に遊技状態を通常状態とするか時短状態とするかを示すデータが設定されている。一方、大当り種別判定テーブル131bには、第4大当りのみについて、当り種別判定用の乱数(乱数値MR2)の判定値、ラウンド数(15R)データ、対象大入賞口(第1大入賞口702)データ、大当り遊技終了後に遊技状態を時短状態とすることを示すデータが設定されている。
具体的には、第1大当りに対応するラウンド数データに5ラウンドが設定されることで、第1大当りが5ラウンド大当りに設定され、第2大当りと第4大当りに対応するラウンド数データに15ラウンドが設定されることで、第2大当り及び第4大当りが15ラウンド大当りに設定され、第3大当りに対応するラウンド数データに15ラウンド(実質0ラウンド)が設定される。但し、第3大当りは、第1大入賞口702が高速で開放する短期開放大当りであるため、実際は出球を期待できない15ラウンド(実質0ラウンド)大当りとされている。よって、第2大当りまたは第4大当りとなることで、遊技者は、第1大当りまたは第3大当りよりも多くの遊技球が獲得可能となる。
また、時短フラグがオフ状態(セットされていない状態)である通常状態においては、第1大当り及び第2大当りの大当り遊技状態の終了後は、遊技状態が時短状態に制御され、第3大当りの大当り遊技終了後は遊技状態が通常状態に制御されるように設定されている。時短フラグがオン状態(セットされている状態)である時短状態においては、第1〜第3大当りの大当り遊技状態の終了後は、遊技状態が時短状態に制御されるように設定されている。
尚、大当り種別判定テーブル131aでは、当り種別判定用の乱数(乱数値MR2)の全判定値(1〜300)のうち、1〜150までが第1大当りに割り当てられ、151〜225までが第2大当りに割り当てられ、226〜300までが第3大当りに割り当てられている。つまり、本実施例の第1特図の変動表示において大当りとなる場合、約50%の割合で5ラウンドの第1大当り遊技が実行される一方で、5ラウンドの第2大当り遊技と15ラウンド(実質0ラウンド)の第3大当り遊技とがそれぞれ約25%の割合で実行されることとなる上、通常状態で大当りになる場合は約75%の割合で大当り遊技後の遊技状態が時短状態に制御され、25%の割合で大当り遊技後の遊技状態が時短状態に制御される一方、時短状態で大当りとなる場合は100%の割合で大当り遊技後の遊技状態が時短状態に制御される。
更に、大当り種別判定テーブル131bでは、当り種別判定用の乱数(乱数値MR2)の全判定値(1〜300)が第4大当りに割り当てられているため、100%の割合で15ラウンドの大当り遊技が実行され、遊技状態が通常状態であるか時短状態であるかに関わらず、100%の割合で大当り遊技終了後の遊技状態が時短状態に制御される。尚、本実施例では、第2特別図柄の変動表示において大当りとすることが決定された場合、大当り種別として15ラウンド大当りである第4大当りのみが決定されるようになっているが、5ラウンド大当りや15ラウンド(実質0ラウンド)大当り等の他の大当り種別のうちからいずれかが決定されるようにしてもよい。尚、これら第1大当り〜第4大当りでは、第1大入賞口702が開放される。
尚、時短状態は、前述したように所定回数(100回)の特図の変動表示が実行されることと、変動表示結果が「大当り」となること、遊技球が第3カウントスイッチ24Bを通過すること、のうちいずれかの条件が先に成立したときに終了する。
図11(D)(E)に示す小当り種別判定テーブル131c,131dは、変動表示結果を小当り図柄にする旨の判定がなされたときに、当り種別判定用の乱数(乱数値MR2)に基づいて、小当りの種別を第1小当り〜第4小当りのうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。尚、この実施例では、図11(D)、(E)に示すように、小当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131dには、第2大当りから第4大当りまでの3種類の大当りが設けられているのに対し、小当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131cには、第1小当りの1種類の小当りのみが設けられている。つまり、第2特別図柄の変動表示が行われるときに発生する小当りとしては、第1小当りから第3小当りまでの3種類の小当りのうちのいずれかとなる一方、第1特別図柄の変動表示が行われるときに発生する小当りとしては、第1大当りのみとなる。
図11(E)は、ROM101に記憶されている小当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131dを示す説明図である。この小当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131dは、遊技球が第2始動入賞口に入賞したことに基づく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)小当りの発生が決定されたときに、小当りの種別を決定する場合のテーブルである。つまり、小当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131dは、変動表示結果を小当り図柄にする旨の判定がなされたときに、当り種別判定用の乱数(乱数値MR2)に基づいて、小当りの種別を第2小当り〜第4小当りのうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
小当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131dには、第2小当り〜第4小当りのそれぞれについて、当り種別判定用の乱数(乱数値MR2)の判定値、小当りによって遊技球が第3カウントスイッチ24Bを通過することにより発生する大当り(V入賞大当り第6大当り〜第8大当り)のラウンド数データ、対象大入賞口(第2大入賞口712)データ、小当りによって遊技球が第3カウントスイッチ24Bを通過することにより発生した大当り(V入賞大当り第6大当り〜第8大当り)の大当り遊技終了後に遊技状態を通常状態とするか時短状態とするかを示すデータが設定されている。
具体的には、第1小当り時に遊技球が第3カウントスイッチ24Bを通過することに対して、5ラウンドのラウンド数データ(実質は4ラウンド)となる第5大当りが設定され、第2小当り時に遊技球が第3カウントスイッチ24Bを通過することに対して、5ラウンドのラウンド数データ(実質は4ラウンド)となる第6大当りが設定され、第3小当り時に遊技球が第3カウントスイッチ24Bを通過することに対して、15ラウンド(実質は0ラウンド)となる第7大当りが設定され、第4小当り時に遊技球が第3カウントスイッチ24Bを通過することに対して、15ラウンド(実質は0ラウンド)となる第8大当りが設定されている。これら第1小当り〜第4小当り、第5大当り〜第8大当りでは、第2大入賞口712が開放される。
また、時短フラグがオフ状態(セットされていない状態)である通常状態においては、第6大当り及び第7大当りの大当り遊技状態の終了後は遊技状態が時短状態に制御されるように設定され、第8大当りの大当り遊技終了後は遊技状態が通常状態に制御されるように設定されている。時短フラグがオン状態(セットされている状態)である時短状態においては、第5〜第8大当りの大当り遊技終了後は遊技状態が時短状態に制御されるように設定されている。
尚、小当り種別判定テーブル131dでは、当り種別判定用の乱数(乱数値MR2)の全判定値(1〜300)のうち、1〜25までが第2小当りに割り当てられ、26〜150までが第3小当りに割り当てられ、151〜300までが第4小当りに割り当てられている。つまり、本実施例の第2特図の変動表示において小当りとなる場合は、遊技球が第3カウントスイッチ24Bを通過することで約10%の割合で5ラウンド(実質4ラウンド)の第6大当り遊技が実行され、約40%の割合で15ラウンド(実質14ラウンド)の第7大当り遊技が実行され、約50%の割合で15ラウンド(実質0ラウンド)の第8大当り遊技が実行されることとなる上、通常状態で大当りになった場合は約50%の割合で大当り遊技後の遊技状態が時短状態に制御される一方、時短状態で大当りになった場合は100%の割合で大当り遊技後の遊技状態が時短状態に制御される。
このように第2特図の変動表示では、変動表示結果が大当りとなることで第4大当りの大当り遊技が実行されることに加え、変動表示結果が小当りとなり、小当り遊技状態において遊技球が第3カウントスイッチ24Bを通過することにより第6大当り〜第8大当りの大当り遊技が実行されるので、第1特図の変動表示にて大当りとなるよりも大当りになる確率が高いため、第1特図の変動表示よりも遊技者とって有利である。
また、第2特図の変動表示結果が大当たりとなること及び遊技球が第3カウントスイッチ24Bを通過することによる大当り遊技終了後は、第1特図の変動表示結果が大当りとなることによる大当り遊技終了後よりも高い割合で時短状態に制御されるため、当該時短状態で再び大当りとなる可能性が高いため、大当りが連続して発生することを期待できる。
尚、本実施例では、小当り遊技状態において遊技球が第3カウントスイッチ24Bを通過したときに、該小当り遊技状態における小当り種別(第2〜4小当り)に応じて大当り種別及び大当り遊技終了後の遊技状態が決定されるようになっていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、小当り遊技状態の契機となった小当り表示結果の種別(小当り種別)に関わらず、遊技球が第3カウントスイッチ24Bを通過したときに、大当り種別及び大当り遊技終了後の遊技状態を通常状態または時短状態のいずれとするかの抽選等を実行することにより、大当り種別及び大当り遊技終了後の遊技状態を決定するようにしてもよい。
本実施例では、変動表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、変動表示結果が「大当り」となる場合や「小当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。尚、変動表示結果が「ハズレ」で演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターン(「非リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称され、変動表示結果が「ハズレ」で演出図柄の変動表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターン(「リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称される。また、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、変動表示結果が「ハズレ」となる場合に対応したハズレ変動パターンに含まれる。変動表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンは、大当り変動パターンと称され、変動表示結果が「小当り」である場合に対応した変動パターンは、小当り変動パターンと称される。
大当り変動パターンやリーチ変動パターンには、ノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンとがある。また、小当り変動パターンには、リーチ演出が実行されない非リーチ変動パターンがある。尚、これらノーマルリーチ変動パターン、スーパーリーチ変動パターン、非リーチ変動パターンとして複数の変動パターンを設けてもよい。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために予め用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部または全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータとは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。
このようなRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば図12に示すような遊技制御用データ保持エリア150が設けられている。図12に示す遊技制御用データ保持エリア150は、第1特図保留記憶部151Aと、第2特図保留記憶部151Bと、普図保留記憶部151Cと、遊技制御フラグ設定部152と、遊技制御タイマ設定部153と、遊技制御カウンタ設定部154と、遊技制御バッファ設定部155とを備えている。
第1特図保留記憶部151Aは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第1始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部151Aは、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第1始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部151Aに記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける変動表示結果(特図表示結果)に基づき大当りとなるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
第2特図保留記憶部151Bは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第2始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部151Bは、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第2始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部151Bに記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける変動表示結果(特図表示結果)に基づき大当りとなるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
尚、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第1始動条件の成立に基づく保留情報(第1保留情報)と、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第2始動入賞の成立に基づく保留情報(第2保留情報)とを、共通の保留記憶部にて保留番号と対応付けて記憶するようにしてもよい。この場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかを示す始動口データを保留情報に含め、保留番号と対応付けて記憶させればよい。
普図保留記憶部151Cは、通過ゲート41を通過した遊技球がゲートスイッチ21によって検出されたにもかかわらず、未だ普通図柄表示器20により開始されていない普図ゲームの保留情報を記憶する。例えば、普図保留記憶部151Cは、遊技球が通過ゲート41を通過した順に保留番号と対応付けて、その遊技球の通過に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された普図表示結果判定用の乱数値MR4を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
遊技制御フラグ設定部152には、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部152には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
遊技制御タイマ設定部153には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部153には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
遊技制御カウンタ設定部154には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するための複数種類のカウンタが設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部154には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。ここで、遊技制御カウンタ設定部154には、遊技用乱数の一部または全部をCPU103がソフトウェアにより更新可能にカウントするためのランダムカウンタが設けられてもよい。
遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタには、乱数回路104で生成されない乱数値、例えば、乱数値MR2〜MR4を示す数値データが、ランダムカウント値として記憶され、CPU103によるソフトウェアの実行に応じて、定期的あるいは不定期に、各乱数値を示す数値データが更新される。CPU103がランダムカウント値を更新するために実行するソフトウェアは、ランダムカウント値を乱数回路104における数値データの更新動作とは別個に更新するためのものであってもよいし、乱数回路104から抽出された数値データの全部又は一部にスクランブル処理や演算処理といった所定の処理を施すことによりランダムカウント値を更新するためのものであってもよい。
遊技制御バッファ設定部155には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、遊技制御バッファ設定部155には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるI/O105は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
図2に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、演出表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。
演出制御基板12には、演出表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。
尚、演出制御基板12の側においても、主基板11と同様に、例えば、予告演出等の各種の演出の種別を決定するための乱数値(演出用乱数ともいう)が設定されている。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。
一例として、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の演出装置(例えば演出表示装置5やスピーカ8L,8R、演出用LED9及び装飾用LED、演出用模型など)による演出動作を制御するために使用する演出制御パターンを複数種類格納した演出制御パターンテーブルが記憶されている。演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。演出制御パターンテーブルには、例えば特図変動時演出制御パターンと、予告演出制御パターンと、各種演出制御パターン等が、格納されていればよい。
特図変動時演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにおいて特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、演出図柄の変動表示動作やリーチ演出、再抽選演出などにおける演出表示動作、あるいは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出表示動作といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。予告演出制御パターンは、例えば、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。
特図変動時演出制御パターンのうちには、例えばリーチ演出を実行する変動パターンごとに、それぞれのリーチ演出における演出態様を異ならせた複数種類のリーチ演出制御パターンが含まれてもよい。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、例えば図13(A)に示すような演出制御用データ保持エリア190が設けられている。図13(A)に示す演出制御用データ保持エリア190は、演出制御フラグ設定部191と、演出制御タイマ設定部192と、演出制御カウンタ設定部193と、演出制御バッファ設定部194とを備えている。
演出制御フラグ設定部191には、例えば演出表示装置5の画面上における演出画像の表示状態などといった演出動作状態や主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、演出制御フラグ設定部191には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
演出制御タイマ設定部192には、例えば演出表示装置5の画面上における演出画像の表示動作などといった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。例えば、演出制御タイマ設定部192には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
演出制御カウンタ設定部193には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。例えば、演出制御カウンタ設定部193には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。
演出制御バッファ設定部194には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、演出制御バッファ設定部194には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
本実施例では、図13(B)に示すような始動入賞時受信コマンドバッファ194Aを構成するデータが、演出制御バッファ設定部194の所定領域に記憶される。始動入賞時受信コマンドバッファ194Aには、第1特図保留記憶の合計保留記憶数の最大値(例えば「4」)に対応した格納領域(バッファ番号「1−1」〜「1−4」に対応した領域)と、変動表示中の第1特図に対応した格納領域(バッファ番号「1−0」に対応した領域)とが設けられている。また、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aには、第2特図保留記憶の合計保留記憶数の最大値(例えば「4」)に対応した格納領域(バッファ番号「2−1」〜「2−4」に対応した領域)と、変動表示中の第2特図に対応した格納領域(バッファ番号「2−0」に対応した領域)とが設けられている。第1始動入賞口や第2始動入賞口への始動入賞があったときには、始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンドまたは第2始動口入賞指定コマンド)、図柄指定コマンド、変動カテゴリ指定コマンド及び保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンド)という4つのコマンドが1セットとして、主基板11から演出制御基板12へと送信される。始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける第1特図保留記憶に対応した格納領域と第2特図保留記憶に対応した格納領域は、これらの始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリ指定コマンド、保留記憶数通知コマンドを対応付けて、第1特図保留記憶と第2特図保留記憶とに分けて格納するための格納領域(エントリ)が確保されている。
これら格納領域(エントリ)の記憶内容は、開始条件が成立して最上位の保留記憶(バッファ番号「1−1」またはバッファ番号「2−1」)の変動表示が開始されるときに、後述するように1つずつ上位にシフトされていくとともに、該開始条件が成立した保留記憶の内容を格納するバッファ番号「1−0」またはバッファ番号「2−0」の記憶内容は、当該変動表示を終了するときに実行される演出図柄変動停止処理においてクリアされるようになっている。
演出制御用CPU120は、第1始動入賞口への始動入賞時には、コマンドを始動入賞時受信コマンドバッファ194Aの第1特図保留記憶に対応する空きエントリにおける先頭(バッファ番号の最も若いエントリ)から格納していき、第2始動入賞口への始動入賞時には、コマンドを始動入賞時受信コマンドバッファ194Aの第2特図保留記憶に対応する空きエントリにおける先頭(バッファ番号の最も若いエントリ)から格納していく。始動入賞時には、始動口入賞指定コマンドから保留記憶数通知コマンドまでが順次送信される。したがって、コマンド受信が行われれば、第1特図保留記憶または第2特図保留記憶に対応するバッファ番号の末尾「1」〜「4」のそれぞれに対応する格納領域に、始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリ指定コマンド、保留記憶数通知コマンドの順に格納されていくことになる。
図11(B)に示す始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納されているコマンドは、演出図柄の変動表示を開始するごとに、直前に終了した変動表示の保留記憶に対応したエントリ(バッファ番号「1−0」または「2−0」のエントリ)に格納されているものが削除されるとともに、該開始する変動表示の保留記憶に対応したエントリ(バッファ番号「1−1」または「2−1」に対応したエントリ)に格納されているものと、該開始する変動表示の保留記憶以降のエントリの記憶内容がシフトされる。例えば図11(B)に示す格納状態において第1特図保留記憶の演出図柄の変動表示が終了した場合には、バッファ番号「0」に格納されている各コマンドが削除され、バッファ番号「1」に格納されている各コマンドがバッファ番号「0」にシフトされるとともに、バッファ番号「2」に対応した領域にて格納されている各コマンドがバッファ番号「1」に対応した領域にシフトされ、バッファ番号「3」、「4」のそれぞれに対応した領域にて格納されている各コマンドが、バッファ番号「2」、「3」に対応した領域にシフトされる。よって、バッファ番号「0」は、その時点において変動表示されている保留記憶に関する各コマンドを格納するための領域(エントリ)となる。
次に、遊技機の動作について説明する。先ず、パチンコ遊技機1に対して電源が投入され電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100にてメイン処理が実行される。メイン処理では、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになる。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、CPU103)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、S1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU103は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU103は、まず、割込禁止に設定する(S1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(S2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(S3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(S4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(S5)。尚、割込モード2は、CPU103が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU103は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(S6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU103は、通常の初期化処理(S10〜S15)を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(S7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU103は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU103は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(S8)。本実施例では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、S8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU103は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(S41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM101に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM102内の領域)に設定する(S42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。S41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、時短フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU103は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(S43)。そして、S14に移行する。尚、本実施例では、CPU103は、S43の処理において、バックアップRAMに保存されていた合算保留記憶数カウンタの値を設定した合算保留記憶数指定コマンドも演出制御基板12に対して送信する。
尚、本実施例では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU103は、まず、RAMクリア処理を行う(S10)。尚、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM102の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM101に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(S12)。
S11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU103は、サブ基板(主基板11以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ100が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(S13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータは、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置5において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
また、CPU103は、乱数回路104を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(S14)。CPU103は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路104に乱数値MRの値を更新させるための設定を行う。
そして、S15において、CPU103は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行う。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。本実施例では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(S10〜S15)が完了すると、CPU103は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(S17)および初期値用乱数更新処理(S18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(S16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(S19)。本実施例では、表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。本実施例では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ100が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
タイマ割込が発生すると、CPU103は、図14に示すS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU103は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、スイッチ回路110を介して、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、第1カウントスイッチ23、第2カウントスイッチ24A、第3カウントスイッチ24B及び第4カウントスイッチ24Cの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理S21)。
次に、CPU103は、第1特別図柄表示器4A、第2特別図柄表示器4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cの表示制御を行う表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示器4A、第2特別図柄表示器4Bおよび普通図柄表示器20については、S32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理S23)。CPU103は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理S24,S25)。
さらに、CPU103は、特別図柄プロセス処理を行う(S26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器4A、第2特別図柄表示器4Bおよび第1大入賞口や第2大入賞口712を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(S27)。普通図柄プロセス処理では、CPU103は、普通図柄表示器20の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU103は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU103は、演出制御用マイクロコンピュータに演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理S28)。
更に、CPU103は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(S29)。
また、CPU103は、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、第1カウントスイッチ23及び第2カウントスイッチ24Aの検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(S30)。具体的には、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B及び第2カウントスイッチ24Aのいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板(図示略)に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
本実施例では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU103は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S31出力処理)。
また、CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(S32)。CPU103は、例えば、特別図柄プロセス処理でセットされる開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU103は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器4Aおよび第2特別図柄表示器4Bにおける第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示を実行する。
さらに、CPU103は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(S33)。CPU103は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU103は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器20における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。
以上の制御によって、本実施例では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。尚、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるS21〜S33(S29を除く。)の処理に相当する。また、本実施例では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
図15は、主基板11に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、CPU103)が実行する特別図柄プロセス処理(S26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。先ず、CPU103は、第1始動入賞口または第2始動入賞口のどちらに遊技球が入賞したかや、各遊技用乱数値MR1〜MR4の抽出及び記憶を行う始動入賞処理を実行する(S300−)。尚、始動入賞処理においては、CPU103は、遊技球が入賞した始動入賞口に応じて、図9(A)、(B)に示す始動入賞指定コマンド等を演出制御基板12に対して送信するための送信設定を実行する。
S300−の処理の実行後は、内部状態に応じて、S300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。S300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(S300)特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ100は、特別図柄の変動表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示の表示結果を大当りまたは小当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットし、小当りとする場合には小当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS301に応じた値(この例では1)に更新する。尚、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(S301)特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(変動表示時間変動表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の変動表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(S302)特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータに、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(S303)特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(S301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS304に対応した値(この例では4)に更新する。
特別図柄停止処理(S304)特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第1特別図柄表示器4Aまたは第2特別図柄表示器4Bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータに、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う。そして、大当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。尚、演出制御用マイクロコンピュータは、遊技制御用マイクロコンピュータ100が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置5において演出図柄が停止されるように制御する。
大入賞口開放前処理(S305)特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、第1大入賞口または第2大入賞口712を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、第1大入賞口または第2大入賞口712に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド82またはソレノイド83を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS306に対応した値(この例では6)に更新する。尚、大入賞口開放前処理はラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(S306)特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータに送信する制御や第1大入賞口または第2大入賞口712の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。第1大入賞口または第2大入賞口712の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(S307)特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータに行わせるための制御を行う。また、終了した大当り種別に応じて、遊技状態を示すフラグ(例えば、時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(S308)特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、第2大入賞口712を開放する制御を行う。具体的には、ソレノイド82を駆動して第2大入賞口712を開放状態にする。また、タイマによって小当り開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS309に対応した値(この例では9)に更新する。尚、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
小当り開放中処理(S309)特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。第2大入賞口712の閉成条件の成立を確認する制御と、第3カウントスイッチ24Bによる遊技球の検出の成立を確認する制御と、を行う。第2大入賞口712の閉成条件が成立した場合及び第3カウントスイッチ24Bによる遊技球の検出が成立した場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS310に対応した値(この例では10(10進数))に更新する。
小当り終了処理(S310)特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータに行わせるための制御を行う。そして、小当り開放中処理で第3カウントスイッチ24Bによる遊技球の検出が成立している場合は、該第3カウントスイッチ24Bによる遊技球の検出に基づき、V入賞大当りを設定する処理を行い、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、小当り開放中処理で第3カウントスイッチ24Bによる遊技球の検出が成立していない場合は、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図16に示す始動入賞処理において、CPU103は、まず、第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(S201)。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(S202)。CPU103は、例えばRAM102の所定領域に格納されている遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第1特図保留記憶数カウンタの格納値である第1特図保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。S202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには、例えばRAM102の所定領域に格納されている遊技制御バッファ設定部に設けられた始動口バッファの格納値を、「1」に設定する(S203)。
S201にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや、S202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには、第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(S204)。このとき、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(S205)。CPU103は、例えば前記技制御カウンタ設定部に設けられた第2特図保留記憶数カウンタの格納値である第2特図保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。S205にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(S205;No)、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値を、「2」に設定する(S206)。
S203,S206の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファの格納値である始動口バッファ値に応じた特図保留記憶数を1加算するように更新する(S207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1特図保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2特図保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1特図保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過(入賞)して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。また、第2特図保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過(入賞)して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。このときには、合計保留記憶数も1加算するように更新する(S208)。例えば、前記遊技制御カウンタ設定部に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新すればよい。
S208の処理を実行した後に、CPU103は、乱数回路104やRAM102のランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、特図表示結果判定用の乱数値MR1や当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン種別判定用の乱数値MR3、変動パターン判定用の乱数値MR4を示す数値データを抽出する(S209)。こうして抽出した各乱数値を示す数値データは、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭に、保留情報としてセットされることで記憶される(S210)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、RAM102に格納されている第1特図保留記憶部に乱数値MR1〜MR4を示す数値データがセットされる一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、RAM102に格納されている第2特図保留記憶部に乱数値MR1〜MR4を示す数値データがセットされる。このとき、対応する始動口データを、乱数値MR1〜MR4を示す数値データとともにセットしてもよい。
第1特図保留記憶部151Aは、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第1始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、前記第1特図保留記憶部は、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第1始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果判定用の乱数値MR1や当り種別判定用の乱数値MR2を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして前記第1特図保留記憶部に記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける変動表示結果(特図表示結果)に基づき所定の遊技価値が付与されるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
第2特図保留記憶部151Bは、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第2始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、前記第2特図保留記憶部は、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第2始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして前記第2特図保留記憶部に記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける変動表示結果(特図表示結果)に基づき所定の遊技価値が付与されるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
尚、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第1始動条件の成立に基づく保留情報(第1保留情報)と、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第2始動入賞の成立に基づく保留情報(第2保留情報)とを、共通の保留記憶部にて保留番号と対応付けて記憶するようにしてもよい。この場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかを示す始動口データを保留情報に含め、保留番号と対応付けて記憶させればよい。
特図表示結果判定用の乱数値MR1や当り種別判定用の乱数値MR2を示す数値データは、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否か、さらには変動表示結果を「大当り」または「小当り」とする場合の大当り種別や小当り種別を決定するために用いられる。変動パターン種別判定用の乱数値MR3や変動パターン判定用の乱数値MR4は、特別図柄や演出図柄の変動表示時間を含む変動パターンを決定するために用いられる。CPU103は、S209の処理を実行することにより、特別図柄や演出図柄の変動表示結果や変動表示時間を含む変動表示態様の決定に用いられる乱数値のうち、一部または全部を示す数値データを抽出する。
図16に示すS210の処理に続いて、始動口バッファ値に応じた始動口入賞指定コマンドの送信設定が行われる(S211)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときにはROM101における第1始動入賞口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタにより指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動入賞口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときにはROM101における第2始動入賞口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファのバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動入賞口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。こうして設定された始動口入賞指定コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、所定のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
S211の処理に続いて、例えばROM101における保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う(S213)。こうして設定された保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図8に示すS28の演出制御コマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
S213の処理を実行した後には、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(S214)。このとき、始動口バッファ値が「1」であれば(S214;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(S215)、S204の処理に進む。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには(S214;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(S216)、始動入賞処理を終了する。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
図17および図18は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU103は、合算保留記憶数の値を確認する(S51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば処理を終了し、合算保留記憶数が0でなければS52に進み、第2特図保留記憶数の値を確認する(S52)。
具体的には、第2特図保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。第2特図保留記憶数が0であれば、CPU103は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第1」を示すデータを設定する(S53)。一方、第2特図保留記憶数が0でなければ、CPU103は、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータを設定する(S54)。つまり、本実施例では、第2特図保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第2特別図柄の変動表示が第1特別図柄の変動表示よりも優先して実行されるようになっており(第2保留優先消化)、第1特別図柄の変動表示は第2特別図柄の変動表示よりも表示結果が導出され難くなっている。
次いで、CPU103は、RAM102において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM102の乱数バッファ領域に格納する(S55)。具体的には、CPU103は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1特図保留記憶数バッファにおける第1特図保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM102の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU103は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2特図保留記憶数バッファにおける第2特図保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM102の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU103は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S56)。具体的には、CPU103は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1特図保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1特図保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2特図保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2特図保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU103は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM102の第1特図保留記憶数バッファにおいて第1特図保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1特図保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM102の第2特図保留記憶数バッファにおいて第2特図保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2特図保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1特図保留記憶数(または、各第2特図保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1特図保留記憶数(または、第2特図保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
そして、CPU103は、第1保留表示器25A、第2保留表示器25Bの表示を1減らし(S57)、かつ合算保留記憶数の値を1減らす(S58)。
また、CPU103は、減算後の特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタの値にもとづいて、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータに送信する制御を行う(S59)。この場合、特別図柄ポインタに「第1」を示す値が設定されている場合には、CPU103は、第1特図保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行う。また、特別図柄ポインタに「第2」を示す値が設定されている場合には、CPU103は、第2特図保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行う。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、S55〜S59、S61〜65、S71〜76の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU103は、乱数バッファ領域から乱数値MR1(特図表示結果判定用)を読み出し、大当り判定モジュールを実行する(S61)。尚、この場合、CPU103は、始動入賞処理で抽出し第1特図保留記憶バッファや第2特図保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り判定用乱数を読み出し、大当り判定を行う。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値(図11(A)参照)と乱数値MR1とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、CPU103は、乱数値MR1の値が図11(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(S61;Yes)、S71に移行する。尚、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
S61において大当りとしないことに決定した場合には(S61;No)、CPU103は、あらかじめ決められている小当り判定値(図11(A)参照)と乱数値MR1とを比較し、乱数値MR1の値が図11(A)に示すいずれかの小当り判定値に一致するか否かを判定する(S62)。乱数値MR1の値がいずれかの小当り判定値に一致する場合は、小当りであることを示す小当りフラグをセットする(S63)。
次いで、図12(D)、(E)に示す小当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された当り種別判定用の乱数値MR2の値と一致する値に対応した種別(第1小当り〜第4小当り)を小当りの種別に決定する(S64)。この場合、CPU103は、S300−の始動入賞処理において抽出し第1特図保留記憶バッファや第2特図保留記憶バッファにあらかじめ格納した当り種別判定用の乱数値MR2を読み出し、小当り種別の決定を行う。
そして、CPU103は、決定した小当りの種別を示すデータをRAM102における小当り種別バッファに設定する(S74)。例えば、小当り種別が第1小当りの場合には小当り種別を示すデータとして「01」が設定され、小当り種別が第2小当りの場合には小当り種別を示すデータとして「02」が設定され、小当り種別が第3小当りの場合には小当り種別を示すデータとして「03」が設定され、小当り種別が第4小当りの場合には小当り種別を示すデータとして「04」が設定される。そして、S75に移行し、乱数値MR1の値がいずれの小当り判定値にも一致しない場合は、S63を経由せずにS75に移行する。
S71では、CPU103は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。次いで、図11(B)(C)に示す大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された当り種別判定用の乱数値MR2の値と一致する値に対応した種別(第1大当り〜第4大当りのいずれか)を大当りの種別に決定する(S73)。この場合、CPU103は、S300−の始動入賞処理において抽出し第1特図保留記憶バッファや第2特図保留記憶バッファにあらかじめ格納した当り種別判定用の乱数値MR2を読み出し、大当り種別の決定を行う。
そして、CPU103は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM102における大当り種別バッファに設定する(S74)。例えば、大当り種別が第1大当りの場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、大当り種別が第2大当りの場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定され、大当り種別が第3大当りの場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定され、大当り種別が第4大当りの場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定される。
次いで、CPU103は、特別図柄の停止図柄を決定する(S75)。具体的には、大当りフラグがセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別バッファの設定値から特定される大当り種別に応じて、種別毎に異なる大当り図柄となる所定の大当り記号を特別図柄の停止図柄に決定する。また、小当りフラグがセットされている場合には、小当り図柄となる、大当り記号とは異なる小当り記号を特別図柄の停止図柄に決定する。このように、大当り図柄を複数種類の大当り記号のうちから決定することで、遊技者に大当りであるかを特別図柄によって特定しにくくすることができる。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S301)に対応した値に更新する(S76)。
図19は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(S304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU103は、S32の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示器4Aまたは第2特別図柄表示器4Bに停止図柄を導出表示する制御を行う(S131)。尚、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には第1特別図柄表示器4Aでの第1特別図柄の変動を終了させ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には第2特別図柄表示器4Bでの第2特別図柄の変動を終了させる。また、演出制御用マイクロコンピュータに図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(S132)。そして、大当りフラグがセットされているか否かを判定する(S133)。
大当りフラグがセットされている場合には、CPU103は、演出制御用マイクロコンピュータに大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(S135)。また、CPU103は、演出制御用マイクロコンピュータに通常状態指定コマンドを送信する制御を行う(S136)。
次いで、CPU103は、時短フラグがセットされているか否かを判定する(S136a)。時短フラグがセットされていない場合は、S137に移行し、時短フラグがセットされている場合は、時短フラグをクリアし(S136b)、S137に移行する。
また、S137において、CPU103は、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置5において報知する時間)に相当する値を設定する(S137)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば、大当り種別が5ラウンド大当りであれば5回、15ラウンド大当りであれば15回)および大当り種別に応じた開放時間をセットし、大当り種別を示すデータをクリアする(S138)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(S305)に対応した値に更新する(S139)。
S133の処理において大当りフラグがセットされていない場合は、CPU103は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否か確認する(S141)。時短フラグがセットされている場合(すなわち、時短状態(高ベース状態)に制御されている場合)には、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値を−1する(S142)。そして、CPU103は、減算後の時短回数カウンタの値にもとづいて時短回数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータに送信する制御を行った後(S143)、減算後の時短回数カウンタの値が0になった場合には(S144)、時短フラグをクリアする(S145)。
S145にて時短フラグをクリアした場合、またはS141のNo、S144のNoの場合、CPU103は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(S147)。小当りフラグがセットされていれば、CPU103は、演出制御用マイクロコンピュータに小当り開始指定コマンドを送信し(S148)、S149に移行する。
S149において、CPU103は、小当り表示時間タイマに小当り表示時間(小当りが発生したことを、例えば、演出表示装置5において報知する時間)に相当する値を設定する(S149)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開始前処理(S308)に対応した値に更新する(S151)。
小当りフラグもセットされていなければ(S147;No)、CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新する(S152)。
図20は、特別図柄プロセス処理における小当り開放前処理(S307)を示すフローチャートである。小当り終了処理において、CPU103は、先ず、小当り開放前タイマがセットされているか否かを判定する(S500)。小当り開放前タイマがセットされていない場合は、該小当り開放前タイマに演出表示装置5において小当り開放前表示が行われる時間に対応する表示時間に相当する値を設定し(S500a)、小当り開放前処理を終了する。小当り開放前タイマがセットされている場合は、小当り開放前タイマを−1し(S501)、小当り開放前タイマがタイマアウトしたか否かを判定する(S502)。小当り開放前タイマがタイマアウトしていない場合は小当り開放前処理を終了する。
S502において、小当り開放前タイマがタイマアウトした場合は、小当り開放制御パターンのプロセステーブルをセットし(S505)、演出制御用マイクロコンピュータに、小当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(S506)。また、開放時間タイマに第2大入賞口用扉711が第2大入賞口712を開放する期間(例えば、1・6秒に相当する値)をセットし、該開放時間タイマをスタートさせる(S508)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開放中処理(S309)に対応した値に更新し(S509)、小当り開放前処理を終了する。
図21は、特別図柄プロセス処理における小当り開放中処理(S309)を示すフローチャートである。小当り開放中処理において、CPU103は、まず、開放時間タイマのタイマ値を−1した後(S521)、開放時間タイマがタイマアウトしたか否かを判定する(S522)。開放時間タイマがタイマアウトした場合は、特別図柄プロセスフラグの値を小当り終了処理(S310)に対応した値に更新して(S523)、小当り開放中処理を終了する。
開放時間タイマがタイマアウトしていない場合は、第3カウントスイッチ24Bがオンとなったか否かを判定する(S524)。第3カウントスイッチ24Bがオンとなっていない場合は、小当り開放中処理を終了する。第3カウントスイッチ24Bがオンとなった場合は、第3カウントスイッチ24Bが当該小当り中においてオンとなったことを示すV入賞フラグをセットし(S525)、演出制御用マイクロコンピュータに、V入賞通知コマンドを送信する制御を行い(S526)、開放時間タイマをクリアし(S527)、S523に移行する。
図22は、特別図柄プロセス処理における小当り終了処理(S310)を示すフローチャートである。小当り終了処理において、CPU103は、先ず小当り終了表示タイマがセットされているか否かを判定する(S547)。小当り終了表示タイマがセットされていない場合は、小当りフラグをクリアし(S548)、演出制御用マイクロコンピュータに、小当りに応じた当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(S549)。そして、小当り終了表示タイマに、演出表示装置5において小当り終了表示が行われている時間(小当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(S550)、小当り終了処理を終了する。
一方、S547において小当り終了表示タイマがセットされている場合は、CPU103は、小当り終了表示タイマを−1し(S551)、小当り終了表示時間が経過したか否か、つまり、小当り終了表示タイマがタイマアウトしたか否かを判定する(S552)。小当り終了表示時間が経過していない場合は、第3カウントスイッチ24Bがオンとなったか否かを判定する(S553)。第3カウントスイッチ24Bがオンとなっていない場合は、S557へ移行する。第3カウントスイッチ24Bがオンとなった場合は、既にV入賞フラグがセットされているか否かを判定し(S554)、V入賞フラグがセットされていれば、S557へ移行する。V入賞フラグがセットされていなければ、V入賞フラグをセットし(S555)、演出制御用マイクロコンピュータに、V入賞通知コマンドを送信する制御を行い(S556)、S557へ移行する。
S557では、開放時間タイマのタイマ値が規制部材730を規制解除状態とするタイミングであるか否かを判定する(S557)。開放時間タイマのタイマ値が規制部材730を規制解除状態とするタイミングである場合は、ソレノイド84をオン状態として規制部材730を規制解除位置へ移動させて規制解除状態に制御し(S558)、S559へ移行する。また、開放時間タイマのタイマ値が規制部材730を規制状態とするタイミングでない場合は、S558を経由せずにS559に移行する。
次いで、開放時間タイマのタイマ値が規制部材730を規制状態とするタイミングであるか否かを判定する(S559)。開放時間タイマのタイマ値が規制部材730を規制状態とするタイミングである場合は、ソレノイド84をオン状態として規制部材730を規制位置へ移動させて規制状態に制御し(S560)、小当り終了処理を終了する。また、開放時間タイマのタイマ値が規制部材730を規制状態とするタイミングでない場合は、S560を経由せずに小当り終了処理を終了する。
S552において、小当り終了表示時間が経過した場合は、V入賞フラグがセットされているか否かを判定する(S561)。V入賞フラグがセットされていない場合は、小当り遊技状態においてV入賞が発生しなかったとして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新し(S568)、S569へ移行する。
また、S561においてV入賞フラグがセットされている場合は、該V入賞フラグをクリアするとともに(S562)、大当りフラグをセットする(S563)。そして、当該終了した小当り種別に基づいて大当り種別を決定する(S564)。次いで、決定した大当りの種別を示すデータをRAM102における大当り種別バッファに設定し(S565)、S564で決定した大当り種別に応じた表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータに送信する制御を行い(S566)、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(S305)に対応した値に更新して(S567)、S569へ移行する。
そして、S569においては、演出制御用マイクロコンピュータに、小当り終了指定コマンドを送信する制御を行い(S569)、小当り終了処理を終了する。
尚、本実施例では、S561において小当り終了表示時間が経過したと判定された後は、第3カウントスイッチ24Bがオンとなったか否かを判定しないようになっているため、V入賞の有効検出期間は、第2大入賞口712が開放されてからS561において小当り終了表示時間が経過するまでの期間とされている。よって、本実施例では、小当り終了表示時間として、第2大入賞口712が開放されてから前述した第2経路750Bに5個の遊技球が滞留した後、6球目以降の遊技球が第3カウントスイッチ24Bを通過するのに要する時間を考慮した時間が設定されている。
また、S566にて決定した大当り種別に応じた表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータに対して送信しているが、本発明はこれに限定されず、これら表示結果指定コマンドに替えて、V入賞による大当り専用の表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータに対して送信するようにしても良い。更に、演出制御用マイクロコンピュータは、該V入賞による大当り専用の表示結果指定コマンドを受信したことに応じて、後述する大当り中演出処理等にてV入賞による大当り専用の演出を実行するようにしても良い。
また、本実施例では、演出制御用CPU120は、小当り開放中処理のS524において第3カウントスイッチ24Bがオンとなったと判定した場合はS525にてV入賞フラグをセットし、S310の小当り終了処理を経てからS305の大入賞口開放前処理へ移行するようになっていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、小当り開放中処理のS524において第3カウントスイッチ24Bがオンとなったと判定した場合、小当り終了処理を経由せずに直接S305の大入賞口開放前処理へ移行するようにしてもよい。
また、本実施例では、演出制御用CPU120は、小当り終了処理のS553において第3カウントスイッチ24Bがオンとなったと判定した場合、小当り終了表示時間の経過後にS305の大入賞口開放前処理へ移行するようになっていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、小当り終了処理のS553において第3カウントスイッチ24Bがオンとなったと判定した場合、小当り終了表示時間の経過後にS305の大入賞口開放前処理へ移行するようになっていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、小当り終了処理のS553において第3カウントスイッチ24Bがオンとなったと判定した場合、小当り終了表示時間の経過を待たずに小当り終了処理を終了して、S305の大入賞口開放前処理へ移行するようにしてもよい。
演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用マイクロコンピュータ(演出制御用CPU)が起動して、図23のフローチャートに示すように演出制御メイン処理を実行する。演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(S700)。その後、演出制御用CPUは、動作検出処理部に関する設定を実施するための動作検出処理部設定処理(S701)を実施した後、タイマ割込フラグの監視(S702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPUは、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。演出制御メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPUは、そのフラグをクリアし(S703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPUは、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理S704)。次いで、演出制御用CPUは、演出制御プロセス処理を行う(S705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置5の表示制御を実行する。
次いで、大当り図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S706)。その後、S702に移行する。
尚、CPU103から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンドであるのか解析する。
図24は、図23に示された演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPUは、先ず第1保留記憶表示エリア5Dと第2保留記憶表示エリア5Uにおける保留記憶表示を更新する保留表示更新処理を実行する(S800a)。そして、演出制御用CPUは、演出制御プロセスフラグの値に応じてS801〜S808のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。尚、演出制御プロセス処理では、演出表示装置5の表示状態が制御され、演出図柄の変動表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
S801の変動表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この変動表示開始待ち処理は、主基板11からの第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドなどを受信したか否かに基づき、演出表示装置5における演出図柄の変動表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。
S802の変動表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この変動表示開始設定処理は、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の変動表示が開始されることに対応して、演出表示装置5における演出図柄の変動表示や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定演出図柄や各種の演出制御パターンを判定する処理などを含んでいる。
S803の変動表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この変動表示中演出処理において、演出制御用CPUは、RAMの所定領域に格納されている演出制御タイマ設定部に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、演出図柄の変動表示中における各種の演出制御を行う。こうした演出制御を行った後、例えば特図変動時演出制御パターンから演出図柄の変動表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板11から伝送される図柄確定コマンドを受信したことなどに対応して、演出図柄の変動表示結果となる最終停止図柄としての確定演出図柄を完全停止表示させる。特図変動時演出制御パターンから終了コードが読み出されたことに対応して確定演出図柄を完全停止表示させるようにすれば、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する変動表示時間が経過したときに、主基板11からの演出制御コマンドによらなくても、演出制御基板12の側で自律的に確定演出図柄を導出表示して変動表示結果を確定させることができる。確定演出図柄を完全停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
S804の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPUは、主基板11から伝送された当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、当り開始指定コマンドを受信したきに、その当り開始指定コマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“6”に更新する。これに対して、当り開始指定コマンドを受信したときに、その当り開始指定コマンドが小当り遊技状態の開始を指定するもの(小当り開始指定コマンド)であれば、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。また、当り開始指定コマンドを受信せずに、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたときには、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
S805の小当り中演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この小当り中演出処理において、演出制御用CPUは、例えば小当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を演出表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板70に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ27から音声や効果音を出力させること、ランプドライバ基板35に対する指令(電飾信号)の出力により装飾LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、小当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、小当り中演出処理では、主基板11からV入賞通知コマンドを受信したことに対応して、実行中の演出制御に替えて、V入賞(小当り遊技中における第3カウントスイッチ24Bでの遊技級の検出)に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を演出表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板70に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ27から音声や効果音を出力させること、ランプドライバ基板35に対する指令(電飾信号)の出力により装飾LEDを点灯/消灯/点滅させることといったV入賞報知用の演出制御を実行する。また、小当り中演出処理では、例えば主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値を小当り終了演出に対応した値である“5”に更新する。
S806の小当り終了演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この小当り終了演出処理において、演出制御用CPUは、例えば小当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を演出表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板70に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ27から音声や効果音を出力させること、ランプドライバ基板35に対する指令(電飾信号)の出力により装飾LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、小当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、主基板11からV入賞通知コマンドを受信していない場合は演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新し、主基板11からV入賞通知コマンドを受信している場合は演出プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“6”に更新する。
S807の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPUは、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を演出表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板70に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ27から音声や効果音を出力させること、ランプドライバ基板35に対する指令(電飾信号)の出力により装飾LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出制御プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“7”に更新する。
S808のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPUは、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を演出表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板70に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ27から音声や効果音を出力させること、ランプドライバ基板35に対する指令(電飾信号)の出力により装飾LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
図25は、図24に示された演出制御プロセス処理における変動表示開始処理(S804)を示すフローチャートである。変動表示開始処理において、演出制御用CPU120は、まず、S271において第1変動開始コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する(S271)。第1変動開始コマンド受信フラグがセットされている場合は(S271;Y)、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける第1特図保留記憶のバッファ番号「1−0」〜「1−4」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグを、バッファ番号1個分ずつ上位にシフトする(S272)。尚、バッファ番号「1−0」の内容については、シフトする先が存在しないためにシフトすることはできないので消去される。
具体的には、第1特図保留記憶のバッファ番号「1−1」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグをバッファ番号「1−0」に対応付けて格納するようにシフトし、第1特図保留記憶のバッファ番号「1−2」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグをバッファ番号「1−1」に対応付けて格納するようにシフトし、第1特図保留記憶のバッファ番号「1−3」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグをバッファ番号「1−2」に対応付けて格納するようにシフトし、第1特図保留記憶のバッファ番号「1−4」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグをバッファ番号「1−3」に対応付けて格納するようにシフトする。
また、S271において第1変動開始コマンド受信フラグがセットされていない場合は(S271;N)、第2変動開始コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する(S273)。第2変動開始コマンド受信フラグがセットされていない場合は(S273;N)、演出図柄変動開始処理を終了し、第2変動開始コマンド受信フラグがセットされている場合は(S273;Y)、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける第2特図保留記憶のバッファ番号「2−0」〜「2−4」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグを、バッファ番号1個分ずつ上位にシフトする(S274)。尚、バッファ番号「2−0」の内容については、シフトする先が存在しないためにシフトすることはできないので消去される。
具体的には、第2特図保留記憶のバッファ番号「2−1」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグをバッファ番号「2−0」に対応付けて格納するようにシフトし、第2特図保留記憶のバッファ番号「2−2」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグをバッファ番号「2−1」に対応付けて格納するようにシフトし、第2特図保留記憶のバッファ番号「2−3」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグをバッファ番号「2−2」に対応付けて格納するようにシフトし、第2特図保留記憶のバッファ番号「2−4」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグをバッファ番号「2−3」に対応付けて格納するようにシフトする。
S272またはS274の実行後、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンド格納領域から変動パターン指定コマンドを読み出す(S275)。
次いで、表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(S276)。この場合、演出制御用CPU120は、表示結果指定コマンドで指定される表示結果に応じた演出図柄の停止図柄を決定し、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。
これら停止図柄の決定においては、演出制御用CPU120は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定すれば良い。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定すれば良い。
次いで、演出制御用CPU120は、予告演出決定処理を実施して、当該変動表示において予告演出を実行するか否かを決定する(S277)。予告演出としては、例えば、キャラクタが登場するキャラクタ予告演出や、予告画像が段階的に変化するステップアップ予告や、所定のキャラクタの一群が表示領域を横切る群予告等の実行を決定する。尚、これら異なる態様の予告演出を決定する場合には、予告演出を開始するタイミングが予告演出の態様に応じて異なるので、後述する予告演出開始待ちタイマに、予告演出の態様に応じた異なる期間を設定すれば良い。
尚、本実施例では、予告演出決定処理において、当該変動表示結果が小当り表示結果であるか否かを判定し、小当り表示結果である場合には、以下に説明するナビ演出を実行する可能性があるため、予告演出を決定しないようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、ナビ演出を実行するか否かに関わらず、予告演出の実行を決定するようにしてもよい。つまり、予告演出とナビ演出とが同時に実行されてもよい。
また、演出制御用CPU120は、ナビ演出決定処理を実施して、当該変動表示においてナビ演出を実行するか否かを決定する(S277A)。ナビ演出としては、例えば、演出図柄の変動が開始してから所定期間が経過したときにキャラクタが登場し、当該変動表示の変動表示結果として小当り表示結果が導出されることに伴い、小当り遊技状態に移行して第2特別可変入賞球装置7Bの第2大入賞口712が開放するため、演出図柄の変動表示が停止するまでに右打ちをして、第2特別可変入賞球装置7Bの第2大入賞口用扉711上により多くの遊技球を滞留させることを促す発射案内演出(図29参照)とされている。
本実施例のパチンコ遊技機1では、低ベース状態においては右打ちより左打ちが有利であり推奨されているので、第2特別可変入賞球装置7Bの第2大入賞口用扉711上を遊技球は流下しないため、遊技球は第2大入賞口用扉711上に滞留していない。よって、低ベース状態において変動表示結果として小当り表示結果が導出された場合、その時点から右打ちを開始しても、第2大入賞口712が開放するまでに第2大入賞口用扉711上に多数の遊技球を滞留させることは困難である。また、小当り遊技状態における第2大入賞口712の開放期間は約1.6秒であるため、小当り表示結果が導出されたときから右打ちを開始したとしても、1〜5球程度の遊技球は進入するが、6球以上の遊技球を入賞させることは困難である。
すなわち、前述したように、第2特別可変入賞球装置7Bは、6球以上の遊技球が入賞しなければ第3経路750Cへ誘導され第3カウントスイッチ24Bにより検出される可能性は極めて低く、V入賞大当りは期待できない。よって、小当り遊技状態に移行する前に上記したようなナビ演出が実行されることで、遊技者は予め右打ちをして第2大入賞口用扉711上に多数の遊技球を滞留させておくことが可能となるため、V入賞大当りの発生を期待できるようになる。
尚、本実施例では、高ベース状態においては右打ちを行っており、常に第2大入賞口用扉711上に多数の遊技球が滞留していることで、上記のようなナビ演出を実行しなくてもV入賞大当りが発生しやすいため、高ベース状態ではナビ演出は実行しないようになっているが、高ベース状態においてもナビ演出を実行するようにしてもよい。
図26は、図25に示された変動表示開始設定処理のS277Aにおけるナビ演出決定処理を示すフローチャートである。本実施例のナビ演出決定処理において演出制御用CPU120は、まず、遊技状態が低ベース状態であるか否かを判定する(S290)。低ベース状態であるか否かは、時短フラグがセットされているか否かにより特定できる。低ベース状態であれば、当該変動表示結果が小当り表示結果であるか否かを特定する(S291)。低ベース状態でなければ、以下の処理を行うことなくナビ演出決定処理を終了する。つまり、高ベース状態ではナビ演出は実行しないようになっている。また、変動表示結果は、変動開始時において主基板11から送信される変動表示結果(ハズレ、大当り、小当り)を指定するための変動表示結果指定コマンドを格納するための変動表示結果指定コマンド格納領域に記憶されている変動表示結果指定コマンドにより特定することができる。
そして、ナビ演出決定用乱数を抽出するとともに、図27に示すナビ演出実行決定用テーブルを用いてナビ演出の実行の有無を決定する(S292)。
尚、本実施例では、ナビ演出決定用乱数は、1〜100の範囲の乱数とされていて1〜100の範囲のいずれかの値が抽出される。尚、ナビ演出決定用乱数を生成するための予告演出決定用乱数カウンタがRAM122に設定されており、該ナビ演出決定用乱数カウンタが乱数更新処理にてタイマ割込毎に更新される。
図27に示すように、本実施例のナビ演出種別決定用テーブルにおいては、「実行」に対して51の判定値数が割り当てられ、「非実行(ナビ演出なし)」に対し49の判定値数が割り当てられている。つまり、小当り表示結果となる場合に51%の確率でナビ演出が実行されるようになっている。
尚、本実施例では、ナビ演出決定処理において51%の確率でナビ演出の実行を決定するようになっていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、ナビ演出の実行の決定確率は上記確率に限定されるものではなく、小当り確率等に応じて種々に変更可能である。
また、本実施例では、ナビ演出決定処理におけるナビ演出の実行は常に51%確率で決定されるようになっていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、ナビ演出の実行の決定確率を、小当り変動パターン種別、小当り種別等に応じて異ならせてもよいし、例えば、ナビ演出実行抽選の高確率状態を設けた場合、該高確率状態であるか否かに応じて異ならせてもよいし、実施例2にて後述するように、ナビ演出の実行権利を抽選して記憶(ストック)しておき、小当り時にストックがある場合は100%の確率で実行してもよいし、大当りや小当りの発生回数あるいはナビ演出の実行回数等に応じて異なるようにしてもよい。
また、本実施例では、ナビ演出の演出態様は1種類とされており、ナビ演出決定処理においてナビ演出の実行の有無のみを決定していたが、本発明はこれに限定されるものではなく、ナビ演出の実行の有無だけでなく、実行を決定した場合に複数種類の演出態様のうちからいずれかの演出態様を決定するようにしてもよい。
尚、ナビ演出の演出態様としては、例えば、ナビ演出が開始されてから小当り表示結果が導出されるまでの時間が異なる複数種類の演出態様のうちから決定可能としてもよい。例えば、ナビ演出が開始されてから小当り表示結果が導出されるまでの時間が長い態様であれば、余裕をもって右打ちできるのでV入賞大当りの期待度が高くなり、ナビ演出が開始されてから小当り表示結果が導出されるまでの時間が短い態様であれば、余裕をもって右打ちできないのでV入賞大当りの期待度が低くなる。このように、ナビ演出を実行する場合でも、ナビ演出が開始されるタイミングによってV入賞大当りの期待度が変わることで、遊技者は小当り表示結果が導出されるまでの時間が長い演出態様が実行されることを期待するようになるため、遊技の興趣を向上させることができる。
図25に戻り、S277の予告演出決定処理の後に、S278において演出制御用CPU120は、予告演出実行決定フラグがセットされているか否か、つまり、S277の予告演出決定処理においていずれかの予告演出が決定されたか否かを判定する。
予告演出実行決定フラグがセットされている場合には、S279に進んで、予告演出開始待ちタイマに、予告演出開始までの期間として決定された予告演出に対応する期間を設定し(S279)、予告演出実行決定フラグをクリアして(S280)、S278Aに進む。一方、予告演出実行決定フラグがセットされていない場合には、S279経由することなくS278Aに進む。
次いで、S278Aにおいて演出制御用CPU120は、ナビ演出実行決定フラグがセットされているか否か、つまり、S277Aのナビ演出決定処理においていずれかの予告演出が決定されたか否かを判定する。
ナビ演出実行決定フラグがセットされている場合には、S279Aに進んで、ナビ演出開始待ちタイマに、ナビ演出開始までの期間を設定し(S279A)、ナビ演出実行決定フラグをクリアして(S280A)、S281に進む。一方、ナビ演出実行決定フラグがセットされていない場合には、S279A経由することなくS281に進む。
S281において演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドに応じた演出制御パターン(プロセステーブル)を選択する。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(S282)。
尚、プロセステーブルには、演出表示装置5の表示を制御するための表示制御実行データ、各LEDの点灯を制御するためのランプ制御実行データ、スピーカ8L,8Rから出力する音の制御するための音制御実行データや、プッシュボタン31Bやスティックコントローラ31Aの操作を制御するための操作部制御実行データ等が、各プロセスデータn(1〜N番まで)に対応付けて時系列に順番配列されている。
次いで、演出制御用CPU120は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音制御実行データ1、操作部制御実行データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置5、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ8L,8R、操作部(プッシュボタン31B、スティックコントローラ31A等))の制御を実行する(S283)。例えば、演出表示装置5において変動パターンに応じた画像を表示させるために、表示制御部123に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプ制御基板14に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ8L,8Rからの音声出力を行わせるために、音声制御基板13に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
尚、この実施例では、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の変動表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
そして、変動時間タイマに、変動パターン指定コマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(S284)。また、変動制御タイマに所定時間を設定する(S285)。尚、所定時間は例えば30msであり、演出制御用CPU120は、所定時間が経過する毎に左中右の演出図柄の表示状態を示す画像データをVRAMに書き込み、表示制御部123がVRAMに書き込まれた画像データに応じた信号を演出表示装置5に出力し、演出表示装置5が信号に応じた画像を表示することによって演出図柄の変動が実現される。次いで、演出制御プロセスフラグの値を変動表示中演出処理(S803)に対応した値にする(S286)。
図28は、演出制御プロセス処理における変動表示中演出処理(S803)を示すフローチャートである。変動表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、プロセスタイマ、変動時間タイマ、変動制御タイマのそれぞれの値を−1する(S301,S302,S303)。また、演出制御用CPU120は、予告演出開始待ちタイマがセットされている(予告演出を行うことに決定されている)か、または予告演出実行中フラグがセットされている(予告演出の実行中である)場合には(S304;Y)、予告演出処理を実行する(S305)。予告演出開始待ちタイマも予告演出実行中フラグもセットされていない場合には、S305の予告演出処理を実施することなく、S304Aに進む。
また、演出制御用CPU120は、ナビ演出開始待ちタイマがセットされている(ナビ演出を行うことに決定されている)か、またはナビ演出実行中フラグがセットされている(ナビ演出の実行中である)場合には(S304A;Y)、ナビ演出処理を実行する(S305A)。ナビ演出処理では、時間経過に従って、変動表示の終了後に第2特別可変入賞球装置7Bの第2大入賞口712が開放されるため右打ち遊技の開始を促す報知を行うための画像の表示や音声出力の処理を行う。ナビ演出開始待ちタイマもナビ演出実行中フラグもセットされていない場合には、S305Aのナビ演出処理を実施することなく、S306に進む。
図29には、ナビ演出態様の一例が示されている。ナビ演出では、図29(A)に示すように演出図柄の変動表示が停止している状態から、演出図柄の変動表示が開始されると、演出図柄の変動表示が開始されてから所定のタイミングで演出表示装置5の表示画面にキャラクタが出現する(図29(B)参照)。そして、キャラクタにより「アタッカーが開くよ!急いで右打ちを開始して!」なる音声が出力されるとともにメッセージが表示され、小当りとなって第2特別可変入賞球装置7Bの第2大入賞口712が開放されることが報知(ナビ)される。
次いで、小当り図柄の停止が近づくと「もうすぐ開くよ!3,2,1・・・」なる音声が出力されるとともにメッセージが表示され(図29(D)参照)、小当り図柄が停止されると、「アタッカーオープン!」なる音声が出力されるとともにメッセージが表示され、第2特別可変入賞球装置7Bの第2大入賞口712が開放されることが報知される(図29(E)参照)。
そして、小当り遊技状態において遊技球が第3カウントスイッチ24Bにて検出されると、演出表示装置5の表示画面に「V」の文字が表示され、V入賞が発生したことが報知される。次いで、大当り遊技状態への移行に伴い、演出表示装置5の表示画面に「大当り!」なる文字が表示され、V入賞大当りが開始されることが報知される(図29(G)参照)。
尚、特に図示しないが、小当り遊技状態において遊技球が第3カウントスイッチ24Bにて検出されなかったときには、小当り遊技状態の終了時に、演出表示装置5の表示画面に「残念」なる文字が表示され、V入賞が発生しなかったことが報知されるようにしてもよい。
また、ナビ演出が実行されない状態で小当り遊技状態が発生した場合、図29(E)〜(G)に示される演出と同様の演出が行われるようにしてもよいし、小当り遊技状態において演出表示装置5の表示画面に「?」などの演出画像を表示したり、あるいは、単に図柄を停止表示させておくだけで、第2特別可変入賞球装置7Bの第2大入賞口712が開放されていることを遊技者に気付かせないようにしてもよい。
S306において演出制御用CPU120は、プロセスタイマがタイマアウトしたか否か確認する。プロセスタイマがタイマアウトしていたら、プロセスデータの切り替えを行う(S307)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(S308)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、音制御実行データ、操作部制御データ等にもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する(S309)。
次に、変動制御タイマがタイマアウトしているか否かを確認する(S310)。変動制御タイマがタイマアウトしている場合には(S310;Y)、演出制御用CPU120は、左中右の演出図柄の次表示画面(前回の演出図柄の表示切り替え時点から30ms経過後に表示されるべき画面)の画像データを作成し、VRAMの所定領域に書き込む(S311)。そのようにして、演出表示装置5において、演出図柄の変動制御が実現される。表示制御部123は、設定されている背景画像等の所定領域の画像データと、プロセステーブルに設定されている表示制御実行データにもとづく画像データとを重畳したデータに基づく信号を演出表示装置5に出力する。そのようにして、演出表示装置5において、演出図柄の変動における背景画像、キャラクタ画像および演出図柄が表示される。また、変動制御タイマに所定値を再セットする(S312)。
また、プロセスタイマがタイマアウトしていない場合(S306;N)、変動制御タイマがタイマアウトしていない場合(S310;N)、S312の実行後、演出制御用CPU120は、変動時間タイマがタイマアウトしているか否か確認する(S313)。変動時間タイマがタイマアウトしていれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S76)に応じた値に更新する(S315)。変動時間タイマがタイマアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(S314;Y)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S76)に応じた値に更新する(S315)。変動時間タイマがタイマアウトしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターン指定コマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、演出図柄の変動を終了させることができる。
尚、演出図柄の変動制御に用いられているプロセステーブルには、演出図柄の変動表示中のプロセスデータが設定されている。つまり、プロセステーブルにおけるプロセスデータ1〜nのプロセスタイマ設定値の和は演出図柄の変動時間に相当する。よって、S306の処理において最後のプロセスデータnのプロセスタイマがタイマアウトしたときには、切り替えるべきプロセスデータ(表示制御実行データやランプ制御実行データ等)はなく、プロセステーブルにもとづく演出図柄の演出制御は終了する。
以上説明したように、本発明の実施例としてのパチンコ遊技機1にあっては、遊技球Pが流下する流路の底面として形成される可動部材としての第2大入賞口用扉711の動作により、遊技球が進入しやすい第1状態(例えば、開放状態)と進入不能あるいは進入困難な第2状態(例えば、閉鎖状態)とに変化する可変進入手段としての第2特別可変入賞球装置7Bと、を備え、CPU103は、第2特別可変入賞球装置7Bに進入した遊技球が通過領域としての第3カウントスイッチ24Bを通過することに基づいて、遊技状態を遊技者にとって有利な有利状態である大当り遊技状態に制御する。また、第2特別可変入賞球装置7Bに進入する遊技球数が多い(例えば、6個)ときの方が少ない(例えば、1〜5個)ときよりも遊技球数を通過する確率が高くなるように構成されているとともに、第2大入賞口用扉711上を流下する遊技球の流下時間を遅延させる規制片765を備え、演出制御用CPU120は、第2特別可変入賞球装置7Bが閉鎖状態から開放状態へ変化する前に、該開放状態へ変化することを報知するナビ演出処理を実行する。
このようにすることで、第2特別可変入賞球装置7Bが第1状態へ変化することがナビ演出により事前に報知されることで、第2特別可変入賞球装置7Bが第1状態へ変化する前に、第2特別可変入賞球装置7Bに向けて遊技球を発射して遅延手段により第2大入賞口用扉711の流路に多くの遊技球を流下させておくことができ、これにより開放状態に制御される期間が1.6秒間と短くても多くの遊技球が進入しやすくなり、V入賞大当りの発生確率が高まるので、遊技の興趣が向上する。
尚、本実施例では、小当りの発生により第2特別可変入賞球装置7Bが開放状態になった場合において6個以上の遊技球が進入したときに、第2経路750Bが遊技球で満杯になり6球目以降の遊技球が第3経路750Cへ誘導されるようになるので、6個以上の遊技球が進入した場合、5個以下の遊技球しか進入しなかった場合よりも通過領域としての第3カウントスイッチ24Bを通過する確率が高まるようになっていたが、5個以下の遊技球しか進入しなかった場合でも第3カウントスイッチ24Bを通過することもあり、また、6個以上の遊技球しか進入した場合でも第3カウントスイッチ24Bを通過しないこともあるように構成されているため、5個以下の遊技球しか進入しなかった場合にV入賞大当りに対する遊技者の期待感が著しく損われることを回避できる。
尚、本実施例では、上記したように5個以下の遊技球しか進入しなかった場合でも第3カウントスイッチ24Bを通過することもあるようになっていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、所定数未満の遊技球しか進入しなかった場合は第3カウントスイッチ24Bを通過する確率が0%となるようにしてもよい。
また、本実施例では、第2特別可変入賞球装置7Bに少なくとも所定数(例えば、6個)の遊技球が進入したとき、該所定数のうちいずれかの遊技媒体(例えば、最後に進入した遊技球)が必ず、つまり、100%の確率で第3カウントスイッチ24Bを通過するようになっていたため、第2特別可変入賞球装置7Bへ進入する遊技球数に注目させることができる。
尚、本実施例では、所定数以上の遊技球が進入した場合には100%の確率で第3カウントスイッチ24Bを通過するようになっていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、所定数以上の遊技球が進入した場合でも、該進入した遊技球のいずれも第3カウントスイッチ24Bを通過しないようにしてもよい。
また、本実施例では、第2特別可変入賞球装置7Bへ進入した遊技球が所定数(例えば、5個)を超えたときに該所定数未満の場合より第3カウントスイッチ24Bを通過する確率が高まるようになっていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、第2特別可変入賞球装置7Bに進入する遊技球数が多い(例えば、6個)ときの方が少ない(例えば、1〜5個)ときよりも遊技球数を通過する確率が高くなるように構成されていればよく、例えば、第2特別可変入賞球装置7Bへ進入する遊技球数が増加するほど第3カウントスイッチ24Bを通過する確率が順次高まるようにしてもよい。
また、第2大入賞口用扉711において、所定数(例えば、6個)以上の遊技球が一斉に流下可能であることで、第2特別可変入賞球装置7Bが開放状態に変化したときに所定数以上の遊技球が一度に第2大入賞口712へ進入し得るため、開放状態となる期間が短くてもV入賞大当りを期待できるようになるので、遊技の興趣が向上する。
また、本実施例では、第2特別可変入賞球装置7Bは、第2経路750Bに所定数の遊技球が滞留することで後続球が第3カウントスイッチ24Bへ誘導されるようになっていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、第2特別可変入賞球装置7Bに進入した遊技球が第3カウントスイッチ24Bを通過する確率が異なる複数の経路を有し、第2特別可変入賞球装置7Bに予め定められた数以上の遊技球が進入したとき、少なくとも1の遊技球が、前記複数の経路のうち遊技球が第3カウントスイッチ24Bを通過する確率が最も高い経路へ誘導されるようにしてもよい。
このようにすることで、第2特別可変入賞球装置7Bへ進入する遊技媒体数に注目させることができるとともに、これら複数の経路への流下状況を視認可能とすれば、遊技球が第3カウントスイッチ24Bを通過する確率が最も高い経路へ誘導されることを期待するようになるので、遊技の興趣が高まる。
また、第2特別可変入賞球装置7B内に、複数の落下孔を有するステージであって、複数のうちV入賞孔に落下した遊技球のみ第3カウントスイッチ24Bを通過し、他のハズレ孔に落下した遊技球は第3カウントスイッチ24Bを通過しないステージを設けた場合において、ハズレ孔に落下した遊技球は該ハズレ孔に留まって後続の遊技球が入りにくくすることで、第2大入賞口71へ進入する球数が多くなればなるほどV入賞孔に遊技球が落下する確率が高まる。このように、大入賞口へ進入する遊技球数が多くなるほどV入賞確率が構造的に高くなるものでもよい。
また、本実施例では、演出制御用CPU120は、第2特別可変入賞球装置7Bが閉鎖状態から開放状態へ変化する場合、ナビ演出を行うときと行わないときとがあるようにしていたので、遊技が単調となることを回避できる。
尚、本実施例では、低ベース状態において変動表示結果が小当りとなる場合にのみ、ナビ演出が実行されるようになっていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、低ベース状態において変動表示結果が小当り以外(例えば、大当りやハズレなど)となる場合において、いわゆるガセのナビ演出を行うようにしてもよい。この場合、大当りとなる場合でも実行するようにすれば、遊技者が予め右打ちしても損することはないので、ナビ演出の実行機会を増加させることができる。
また、本実施例では、ナビ演出は、左打ちを行っているときに実行して右打ちを促すものであったが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、遊技球を左弱め打ちしているときにナビ演出の実行により左強めうちにするもの等であってもよい。すなわち、遊技者による遊技球の発射操作態様(打球操作ハンドルの操作態様)を、遊技球が遊技領域10の第1経路を流下する第1発射操作態様から、遊技球が遊技領域10における第1経路とは異なる第2経路を流下する第2発射操作態様へ変更することを促す報知であればよい。
また、本実施例では、低ベース状態において変動表示結果が小当りとなる場合にのみ、ナビ演出が実行されるようになっていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、高ベース状態においても実行するようにしてもよい。
また、本実施例では、ナビ演出は抽選により実行の有無が決定されるようになっていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、第2大入賞口用扉711上を流下する遊技球数を検出可能な検出手段等を設け、低ベース状態において変動表示結果が小当りとなる場合において、該検出手段による検出結果に応じてナビ演出の実行の有無を決定するようにしてもよい。この場合、第2大入賞口用扉711上に多数の遊技球が滞留していればナビ演出の実行を決定しないようにしたり、第2大入賞口用扉711上を流下している遊技球数に応じてナビ演出の実行の有無や演出態様(例えば、チャンスなど)を決定するようにしてもよい。
また、本実施例では、ナビ演出は、変動表示結果が小当りとなる変動表示が開始されてから実行されるようになっていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、始動入賞時に取得した乱数値に基づいて、当該変動表示が開始されるまでに小当りになるか否かを先読み判定するようにし、該判定の結果小当りになると判定したときに当該判定の対象となる変動表示(いわゆるターゲット変動)が開始されるまでに複数の保留記憶がある場合において、複数の変動表示に跨ってナビ演出を実行するようにしてもよい。
また、ナビ演出は、小当り遊技状態へ移行するまでに実行するものに限定されるものではなく、第2大入賞口712が開放する前であれば、例えば、小当り遊技状態へ移行してから第2大入賞口712が開放するまでの間に実行してもよい。さらに、第2大入賞口712が開放されてからナビ演出を実行するようにしてもよく、ナビ演出の開始タイミングは上記のものに限定されるものではない。
また、本実施例では、第2大入賞口用扉711の流路を流下する遊技球Pの流下時間を遅延させる遅延手段の一例として、規制片765などにより流路を蛇行させて長くする例を記載したが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技球Pの流路を長くするだけでなく、例えば、遊技球Pの流路の底面を凹凸状にすることにより流下速度を低減させたり、遊技球Pの流路の底面の傾斜(第2大入賞口用扉711全体の傾斜や、上面のみの傾斜等を含む)を緩やかにすることにより流下速度を低減させたりする流下速度低減手段を適用してもよい。
以下、本発明の実施例2としてのパチンコ遊技機について、図30〜図36に基づいて説明する。尚、以下の説明において、前記実施例1と同様の構成や部位に関しては、同一の符号を付すことで詳細な説明は省略することとする。
本発明の実施例2としてのパチンコ遊技機1では、遊技領域10のうちの左遊技領域において遊技球を進入させることが可能な構造物として、通過ゲート41、および、演出ゲート61が設けられている。通過ゲート41は、遊技球が進入(通過)可能なゲート構造物であり、後述する普通図柄の変動表示等のために用いられる。演出ゲート61は、遊技球が進入(通過)可能なゲート構造物であり、後述するナビ演出の抽選表示等のために用いられる。このような通過ゲート41、および、演出ゲート61に遊技球を進入させることを狙うときに、遊技者は、遊技球を左打ちすればよい。演出ゲート61は、遊技球が通過可能なゲート状の構造物であり、通過ゲート41よりも多くの遊技球を受入れ可能とするために、ゲート構造の入側の幅が通過ゲート41よりも広く構成されている。例えば、通過ゲート41の入側の幅は遊技球が1個程度進入可能な幅であるが、演出ゲート61の入側の幅は遊技球が複数個進入可能な幅で形成されている。演出ゲート61では、流下してきた遊技球を中央部に誘導するために、内側へ向かい緩やかに傾斜した傾斜面が形成されている。演出ゲート61へ流下してきた遊技球は、傾斜面で誘導され、演出ゲート61の中央部に形成された開口を通過する。その際、演出ゲート61の中央部に設けられた演出ゲートスイッチ60により遊技球の通過(遊技球の進入)が検出される。
尚、演出ゲート61は、通過ゲート41と同様に入側の幅が遊技球が1個程度進入可能な形状で構成されてもよい。また、通過ゲート41は、演出ゲート61と同様に、入側の幅が遊技球が複数個進入可能な形状で構成されてもよい。また、演出制御用CPU120は、演出ゲートスイッチ60から、演出ゲート61を遊技球が通過(演出ゲート61に遊技球が進入)したことを検出した情報を示す情報信号としての演出ゲート通過検出信号をI/O125を介して入力する。
次に、演出表示装置5により実行される演出のうち、ナビ演出を具体的に説明する。図31は、演出表示装置5で実行される発射案内演出を時間経過に従って示す表示画面図である。発射案内演出は、以下に説明するナビ抽選演出およびナビ演出を含む。
演出ゲート61を通過した遊技球が演出ゲートスイッチ60により検出されるごとに、図31(a)に示すように演出口保留記憶表示部5aにおいて、演出口保留記憶を示す演出口保留記憶画像(図中「○」)が増加更新表示される。
演出口保留記憶とは、演出ゲート61のような演出領域に遊技球が進入したにもかかわらず未だナビ抽選演出のような演出の開始条件が成立していない演出表示について、所定の上限数(この例では「16」)の範囲内で情報を記憶することが演出口保留記憶と呼ばれる。また、このような演出口保留記憶という用語は、保留記憶された演出の情報を示す(特定する)場合にも用いられる。
そして、ナビ抽選演出の開始条件が成立するごとに、演出口保留記憶画像が1つずつ減少更新され、演出口保留記憶に基づいて、図31(b)〜(c)に示すようなナビ抽選演出が実行される。
ナビ抽選演出は、演出口保留記憶の消化に応じて実行される演出であり、この実施例2では、バトル演出を実行する画像を表示する演出制御が行なわれる。バトル演出では、図31(b)のように、遊技者の味方となる味方キャラクタ5bと、遊技者の敵となる敵キャラクタ5cとが対決する表示が実行される。バトル演出において、ナビ抽選で当りとなるときは、図31(c)のような味方キャラクタ5bが敵キャラクタ5cに勝利する演出結果となる演出が実行される。バトル演出において、ナビ抽選でハズレとなるときには図31(h)のような味方キャラクタ5bが敵キャラクタ5cに敗北する演出結果となる演出が実行される。これにより、ナビ演出の判定結果が当りとハズレとのどちらとなるかを遊技者に直感的に把握させることができる。
ナビ抽選演出において、図31(h)のようなナビ抽選でハズレとなる演出が実行されたときは、次の演出口保留記憶に基づく、次のナビ抽選演出が実行されていくこととなる。一方、ナビ抽選演出で図31(c)のようなナビ抽選で当りとなる演出が実行されたときは、図31(d)に示すように、「ナビGET!」というような、ナビ抽選によりナビ演出を実行する権利を獲得した(ナビ抽選に当った)ことを報知するナビ当り報知画像9eが演出表示装置5に表示されることにより、ナビ演出の判定結果が当りとなったことが報知される。これにより、ナビ演出の判定結果が当りとなったことを遊技者に明確に把握させることができる。
ナビ当り報知画像9eが表示された後は、「待機中」というような、ナビ表示の待機状態であることを報知する待機中報知画像5fが演出表示装置5に表示されることにより、ナビ演出の待機中であることが報知される。これにより、ナビ表示が実行可能な状態であることを遊技者に容易に把握させることができる。このような待機中報知画像5fは、第1小当り(V入賞に基づく大当り後に低ベース状態となる)及び第2小当り(V入賞に基づく大当り後に高ベース状態となる)のうち第2小当りが発生したという特定の小当り状態となるときまで、継続して表示される。ナビストック数は、ナビ演出の判定結果が当りになったときに、ナビ演出を実行可能とする変動表示の回数をストック(保存)された数を示す情報である。尚、待機中報知画像5fは、ナビ演出が実行可能とされる回数(例えば、10回、50回、100回等のナビストック数)分の特別図柄の変動表示として、第2小当り以外となる変動表示が実行されたときまで、継続して表示されるようにしてもよい。
待機中報知画像5fは、大当りが発生した後に高ベースとなる第2小当りが発生したという特定の小当り状態となるとき以外は、変化せずに継続表示される。一方、第2小当りを発生させることが決定されて、第2特別可変入賞球装置7Bで第2大入賞口712が開放状態となるときには、図31(f)に示すように、「右を狙え」とい右打ちを案内する右打ちナビ報知をするナビ演出が実行される。遊技者は、このような右打ちナビ報知にしたがって、右打ちをすれば、小当り遊技状態で開放状態に制御された第2特別可変入賞球装置7Bの第2大入賞口712に遊技球を入賞させることが可能となる。
右打ちナビ表示5gのようなナビ演出による発射案内により、小当り遊技状態においてV入賞したことに基づいて大当り遊技状態に制御された後に高ベース状態に制御されるときに発射案内がされるので、発射案内に従うことにより高ベース状態に制御されることが可能となり、遊技の興趣をさらに向上させることができる。
第2小当りのような小当り遊技状態において、第2特別可変入賞球装置7Bの第2大入賞口712に進入した遊技球が第3カウントスイッチ24Bにより検出されると、図31(g)に示すように、「V入賞GET!」というような、V入賞が発生したことを報知するV入賞報知表示9hが実行される。その後、大当りが発生したことを報知する大当り表示演出(ファンファーレ演出が実行され、大当り遊技状態の制御が開始される。
演出口保留記憶は、例えば、上限値が16個というような極めて多い個数のデータが記憶可能であり、そのデータに基づいて、図31(a)〜(c)、(h)等に示したようなナビ抽選演出が数多く実行されるようになるので、演出表示による遊技の興趣を向上させることができる。
次に、図31に示したような発射案内演出が実行されるときにおける演出制御用CPU120の演出制御のタイミングを説明する。図32は、発射案内演出が実行されるときの演出制御用CPU120による演出制御のタイミングチャートである。
図32においては、演出ゲートスイッチ60、ナビ演出の判定、ナビ抽選演出、ナビ演出フラグ、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aまたは第2始動口スイッチ22B)、特別図柄の当り判定、特別図柄の変動表示、第2大入賞口712、および、ナビ演出のそれぞれの状態が時間経過に応じて示されている。
まず、演出ゲート61に遊技球が進入して(A)のように演出ゲートスイッチ60がON状態となって遊技球が検出されると、(B)のように演出制御用CPU120において、ナビ演出の当り判定(抽選)が行なわれる。ナビ演出の判定の判定結果が当りとなったときは、図31(b),(c),(h)のようなナビ抽選演出が実行され、そのナビ抽選演出の終了時において、当り表示結果を報知する図31(d)のような当り報知が行なわれる。また、ナビ演出の判定結果が当りとなったときは、ナビ抽選演出で当り報知が行なわれるときに、ナビ演出の判定結果が当りとなったことを示すナビ演出フラグがON状態にセットされ、ナビ演出が実行可能状態となって、図31(e)のような「待機中」表示が行なわれる。
そして、(E)のように第1始動口スイッチ22Aまたは第2始動口スイッチ22Bが始動入賞した遊技球を検出すると、遊技制御用マイクロコンピュータ100において、(F)のように当り判定が実行される。前述のナビ演出フラグがON状態にセットされているときに、当り判定の判定結果が第2小当りであるときには、(G)のように特別図柄の変動表示が実行された後、第2小当り表示結果が導出表示され、(H)のように第2大入賞口712が1.6秒間開放される小当り遊技状態に制御される。
このように第2小当りとなるときには、(I)のように、図31(f)のような右打ちナビ報知をするナビ演出が実行される。このような右打ちナビ報知に従って遊技者が右打ちをすれば、遊技球を第2大入賞口712に入賞させることが容易となる。
次に、ナビ演出の当り判定に用いられるナビ演出判定テーブルについて説明する。図33は、ナビ演出判定テーブルを表形式で示す図である。図33のナビ演出判定テーブルは、ROM121に記憶され、低ベース状態において、ナビ演出の判定に用いられる。
図33のナビ演出判定テーブルにおいては、ナビ演出当り(ナビ演出を実行する)と、ナビ演出ハズレ(ナビ演出を実行しない)とのそれぞれに、ナビ演出当り判定用のSR1(0〜499の数値範囲)の合計500個の値が割振られている。SR1の割振りについては、説明を明確化するために、SR1の割振られた個数が各テーブルに示されている。図33のナビ演出判定テーブルでは、「ナビ演出当り<ナビ演出ハズレ」という割合の関係で、データが設定されている。
次に、ナビストック数の選択に用いられるナビストック数選択テーブルについて説明する。図34は、ナビストック数選択テーブルを表形式で示す図である。図34のナビストック数選択テーブルは、ROM121に記憶され、ナビ演出の判定で当り判定がされたときにおいてナビストック数の選択に用いられる。
図34のナビストック数選択テーブルにおいては、10回、50回、100回というような複数種類のナビストック数のそれぞれに、ナビストック数選択用のSR2(0〜89の数値範囲)の合計90個の値が割振られている。SR2の割振りについては、説明を明確化するために、SR2の割振られた個数が各テーブルに示されている。図34のナビストック数選択テーブルでは、「10回<50回<100回」という割合の関係で、データが設定されている。
本実施例2では、図24に示された演出制御プロセス処理において、演出制御プロセスフラグの値に関わらず、ナビ抽選演出処理(S500)ナビ抽選演出に関する処理を行なう。図35は、ナビ抽選演出処理を示すフローチャートである。ナビ抽選演出処理においては、演出制御用CPU120が以下のような処理を実行する。
まず、演出ゲートスイッチ60がオン状態となって演出ゲート61への遊技球の進入が検出された否かを判定する(S510)。S510で演出ゲートスイッチ60がオン状態となっていないときは、後述するS514に進む。一方、S510で演出ゲートスイッチ60がオン状態となっているときは、演出口保留記憶数が上限値(例えば、16個)となっているか否かを判定する(S511)。
S511で演出口保留記憶数が上限値となっていないときは、ナビ演出当り判定用の乱数値SR1を抽出し、当該抽出値を演出口保留記憶情報として、RAM122に設けられた演出口保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)するともに、演出口保留記憶数を+1加算する(S512)。演出口保留記憶バッファは、ナビ抽選演出に用いる乱数値等のデータを演出口保留記憶情報として複数記憶可能な保存領域(保留記憶バッファ)であり、遊技制御用マイクロコンピュータ100に設けられた保留記憶バッファと同様の構成を有する記憶領域である。演出口保留記憶バッファには、演出口保留記憶数の上限値(この例では16)に対応した保存領域が設けられている。演出口保留記憶バッファでは、複数の保存領域において記憶順番にしたがってデータが順番に記憶されていき、記憶されたデータが、記憶時期が古いデータから順番に読出される。次に、演出口保留記憶表示を+1加算表示(S513)し、S514に進む。一方、S511で演出口保留記憶数が上限値となっているときは、演出口保留記憶を増やすことができないので、S514に進む。
S514では、現在が低ベース状態であるか否かを判定する(S514)。演出制御用CPU120では、遊技制御状態が、低ベース状態(通常状態)と、高ベース状態とのうちのどちらであるかを認識するための遊技状態データをRAM122の処理領域に記憶する処理をコマンド解析処理において行なう。具体的に、このような遊技状態データは、初期状態において低ベース状態(非時短状態)を特定する値に設定されており、時短状態指定コマンドを受信したときに遊技状態データを高ベース状態(時短状態)を特定する値に設定し、通常状態指定コマンドを受信したときに遊技状態データを低ベース状態(非時短状態)を特定する値に設定する処理が行なわれる。S514では、このような遊技状態データの値を確認することにより、現在が低ベース状態であるか否かを判定する。
次に、S514で低ベース状態ではないとき、すなわち、高ベース状態であるときは、特定のムービー画像(例えば、ナビ抽選演出に出現するキャラクタが特定のストーリに基づいて動作する動画等の画像)を表示する、高ベース中演出処理をし(S537)、処理を終了する。これにより、高ベース状態では、ナビ演出の判定が行なわれず、ナビ抽選演出が実行されない。尚、S537で特定のムービー画像を表示する高ベース中演出処理においては、特別図柄の変動表示に基づいて小当りとなるか否かを示唆する演出をすることが望ましい。このような特別図柄の変動表示に基づいて小当りとなるか否かを示唆する演出の一例として、例えば、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期して、演出表示装置5の隅部等の比較的小さい表示領域において、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての小型の演出図柄(所謂小図柄)を変動表示させて小当りとなるか否かを示唆することが可能な表示結果を表示する演出を行なうようにしてもよい。
一方、S514で低ベース状態であるときは、ナビ抽選演出実行中フラグがセットされているか否かを判定する(S515)。ナビ抽選演出実行中フラグは、ナビ抽選演出が実行されるときに、S530によりセットされるフラグである。S515でナビ抽選演出実行中フラグがセットされているときは、後述するS531に進む。一方、S515でナビ抽選演出実行中フラグがセットされていないときは、ナビ演出フラグがセットされているか否かを判定する(S516)。ナビ演出フラグは、ナビ演出の判定により当りと判定されたときに、ナビ抽選演出の終了タイミングでS535によりセットされるフラグである。
S516でナビ演出フラグがセットされているときは、現段階ではナビ抽選を実行する必要がないので、処理を終了する。一方、S516でナビ演出フラグがセットされていないときは、ナビ演出の抽選を実行するために、S517以降の処理に進む。
S517では、演出口保留記憶情報があるか否かを判定する(S517)。演出口保留記憶情報がないときは、ナビ演出の判定対象となる演出口保留記憶情報が存在しないので、処理を終了する。一方、演出口保留記憶情報があるときは、ナビ演出を実行するか否かを抽選により判定するナビ演出の判定を行なう(S518)。S518では、演出口保留記憶バッファから最も古い時期に記憶された演出口保留記憶情報としてのナビ演出当り判定用の乱数値SR1のデータを読出し、そのデータと図33のナビ演出判定テーブルとを用いて、ナビ演出を実行するか否かの抽選をする処理が行なわれる。そして、演出口保留記憶数を−1減算し(S519)、演出表示装置5の演出口保留記憶表示部5aで表示する演出口保留記憶表示数を−1減算更新する(S520)。S519では、演出口保留記憶数を−1減算するときに、演出口保留記憶バッファにおいて読出された最も古いデータを保存領域において消去し、残ったデータについて、古いデータから順番に各保存領域の内容を1つずつ先に進めて記憶する領域を変更することにより、残ったデータのうち最も古いデータが次に読出すデータとなるように保存領域のデータをシフトする。
次に、S518のナビ演出の判定の判定結果が当りであるか否かを判定する(S521)。S521で当りでないとき(ハズレのとき)は、演出口保留記憶数が「5」以上であるか否かを判定する(S522)。S522で演出口保留記憶数が「5」以上でないときは、第1演出時間(基本的な通常演出時間)でハズレ演出結果(バトル演出において味方キャラクタ5bが負ける演出結果)となるナビ抽選演出の実行を開始させる処理を行ない(S523)、S530に進む。一方、S522で演出口保留記憶数が「5」以上であるときは、第1演出時間よりも短い第2演出時間(短縮演出時間)でハズレ演出結果(バトル演出において味方キャラクタ5bが負ける演出結果)となるナビ抽選演出の実行を開始させる処理を行ない(S524)、S530に進む。これにより、ナビ演出の判定結果(抽選結果)がハズレのときに、演出口保留記憶数が所定数(例えば、5)以上のときは、通常よりも短縮された演出時間でナビ抽選演出が実行されるので、演出口保留記憶情報を処理する時間が短縮され、演出口保留記憶情報に基づくナビ演出の判定の当りを、より早期に発生させることが可能となる。
また、前述したS521で当りであるときは、ナビストック数選択用のSR2の値を抽出し、図34に示すようなナビストック数選択テーブルを用い、その抽出値に基づいてナビストック数を選択する(S525)。そして、選択したナビストック数をRAM122のナビストック数記憶領域に記憶する(S526)。S526においては、ナビストック数が10回、50回、および、100回のうちのいずれかの回数に選択される。このように、ナビ演出の判定が当りとなったときにナビストック数が複数種類の回数から選択されることにより、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、S522と同様に、演出口保留記憶数が「5」以上であるか否かを判定する(S527)。S527で演出口保留記憶数が「5」以上でないときは、前述の第1演出時間(基本的な通常演出時間)で当り演出結果(バトル演出において味方キャラクタ5bが勝つ演出結果)となるナビ抽選演出の実行を開始させる処理を行ない(S528)、S530に進む。一方、S527で演出口保留記憶数が「5」以上であるときは、第1演出時間よりも短い前述の第2演出時間(短縮演出時間)で当り演出結果(バトル演出において味方キャラクタ5bが勝つ演出結果)となるナビ抽選演出の実行を開始させる処理を行ない(S529)、S530に進む。これにより、ナビ演出の判定結果が当りのときにも、演出口保留記憶数が所定数以上のときは、通常よりも短縮された演出時間でナビ抽選演出が実行されるので、演出口保留記憶情報を処理する時間が短縮され、演出口保留記憶情報に基づくナビ演出の判定の当りを、より早期に発生させることが可能となる。
尚、ナビ演出の判定結果が当りのときには、演出口保留記憶数が所定数(「5」)以上であっても、第1演出時間(基本的な通常演出時間)でナビ抽選演出を実行するようにしてもよい。S530では、ナビ抽選演出実行中フラグをセットし(S530)、処理を終了する。
また、前述したS515でナビ抽選演出実行中フラグがセットされているときは、ナビ抽選演出実行中処理を実行する(S531)。ナビ抽選演出実行中処理では、図31(b),(c),(h)のようなナビ抽選演出の表示が実行される。S531では、ナビ抽選用のプロセスタイマの計時に応じて予め定められたバトル演出を実行するためのデータ(ナビ演出の判定結果が当りの場合のデータとハズレの場合のデータとがROM121に記憶されており、ナビ演出の判定結果に応じて選択される)を用い、ナビ抽選演出処理が実行されるごとに、ナビ抽選用のプロセスタイマの計時に応じたデータを用いることで、バトル演出が実行される。
そして、ナビ抽選演出用のプロセスタイマの計時が実行中のナビ抽選演出の終了時間に達したか否かを確認することに基づいて、ナビ抽選演出の終了タイミングであるか否かを判定する(S532)。S532でナビ抽選演出の終了タイミングではないときは、ナビ抽選演出を継続するために、処理を終了する。一方、S532でナビ抽選演出の終了タイミングであるときは、ナビ抽選演出を終了し、ナビ抽選演出実行中フラグをリセットする(S533)。そして、実行を終了したナビ抽選演出の演出結果が当り演出結果であるか否かを判定し(S534)、ハズレのときは処理を終了し、一方、当りのときは前述のナビ演出フラグをセットする(S535)ことによりナビ演出の判定結果が当りになったことを示し、さらに、図31(d)の「ナビGET!」のようなナビ当り報知画像9eを表示した後、図31(e)の「待機中」のような待機中報知画像5fを表示し(S536)、処理を終了する。
尚、ナビ演出判定テーブルを用いたナビ演出の判定は、低ベース状態に限らず、高ベース状態において実行するようにしてもよい。その場合には、後述するようなナビストックに基づいてナビ演出を実行する機能を設けずに、ナビ演出判定テーブルを用いたナビ演出の判定結果が当りとなったときに、当りとなった旨を報知する演出を実行するようにしてもよい。
また、ナビ演出判定テーブルを用いたナビ演出の判定を高ベース状態において実行するときには、後述するようなナビストックに基づいてナビ演出を実行する機能を設け、ナビ演出の判定結果に基づいて、所定回数のナビ演出を実行可能として、後に行なうナビストック数の選択決定に基づいて、ナビ演出の実行可能回数を上乗せするようにしてもよい。
次に、変動時演出開始処理のS604により実行される演出設定処理を説明する。図36は、演出設定処理を示すフローチャートである。図36においては、演出設定処理においてナビ演出の設定を行なう処理を代表例として説明し、それ以外の演出の設定に関する処理内容については省略する。演出設定処理において、演出制御用CPU120は、次のような処理を行なう。
まず、ナビ演出フラグがセットされているか否かを判定する(S631)。S631でナビ演出フラグがセットされていないときは、後述するS639に進む。一方、S631でナビ演出フラグがセットされているときは、前述したS514と同様に、遊技状態データに基づいて、現在が低ベース状態であるか否かを判定する(S632)。
S632で低ベース状態であるときは、後述するS637に進む。一方、S632で低ベース状態でないとき、すなわち、高ベース状態であるときは、ナビストック数に基づいてナビ演出を実行可能な状態であり、現在保有しているナビストック数を用いてナビ演出を実行するために、ナビストック数を−1減算更新する(S633)。そして、減算更新後のナビストック数が「0」か否かを判定し(S634)、「0」であれば、ナビストック数が「0」になったことを報知する演出(例えば、ナビストック数が「0」になった旨を示すメッセージを表示する演出)をし(S635)、ナビ演出フラグをリセットし(S636)、S637に進む。ナビ演出フラグがリセットされると、次回の特別図柄の変動表示時には、前述のS631からS639に進む。
S637では、今回の変動表示は第2小当り(V入賞に基づく大当り後に高ベース状態となる)となるものであるか否かを判定する(S637)。具体的に、S637では、今回の特別図柄の変動表示に際して受信した演出制御コマンド(表示結果指定コマンド格納領域に格納されている表示結果指定コマンド)に基づいて、今回実行する変動表示が、第2小当りとなるか否かが判定される。
S637で、第2小当りとなるときは、第1ナビ演出を実行するための演出実行設定をし(S638)、処理を終了する。第1ナビ演出は、演出表示装置5において図31(f)の右打ちナビ表示5gと、右打ちランプの点灯との両方をナビ演出として実行する演出である。このように、第2小当りとなるときは、演出表示装置5を用いて、ナビ演出が実行されることとなる。
前述のS636でナビストックをすべて消化してナビ演出フラグがリセットされたとき、または、例えば第2小当りとなるときにナビ演出なしで右打ちをして大当りを発生させて高ベース状態に制御されたときは、S631からS637を経ずにS639に直接進むようになるので、ナビストック数に基づいた演出表示装置5での右打ちナビ演出は実行されず、S638で設定されるような右打ちナビ表示5gをするナビ演出が実行されなくなる。
S637で、第2小当りとならないとき(第1小当りまたはハズレのとき)は、S639に進む。S639では、今回の変動表示は第1小当り(V入賞に基づく大当り後に低ベース状態となる)または第2小当り(S631から直接S639に進む場合に該当する場合があるが、S637からS639に進む場合は該当しない)となるものであるか否かを判定する(S639)。具体的に、S639では、今回の特別図柄の変動表示に際して受信した演出制御コマンド(表示結果指定コマンド格納領域に格納されている表示結果指定コマンド)に基づいて、今回実行する変動表示が、第1小当りまたは第2小当り(ナビ演出フラグがセットされていないときの第2小当り)となるか否かが判定される。
S639で、第1小当りまたは第2小当り(ナビ演出フラグがセットされていないときの第2小当り)となるときは、第2ナビ演出を実行するための演出設定をし(S640)、処理を終了する。第2ナビ演出は、右打ちランプの点灯のみをナビ演出として実行する演出である。このように、第1小当りとなるとき、および、ナビ演出フラグがセットされていないときの第2小当りとなるときは、右打ちランプのみを用いて、ナビ演出が実行されることとなる。一方、S639で、第1小当りまたは第2小当りとならないとき、すなわち、ハズレとなるときは、ナビ演出を実行しない演出設定をし(S641)、処理を終了する。これにより、特別図柄の変動表示結果がハズレ表示結果となるときには、ナビ演出が実行されない。
演出設定処理においては、ナビ演出フラグがセットされていないときには、S639に進むことにより、第2小当りに対応する第1ナビ演出が実行される可能性がないので、ナビ演出として、右打ちナビ表示5gが実行されることはない。
また、ナビ演出フラグがセットされているときにおいて、低ベース状態であるときは、必ずS637に進むことにより、第2小当りに対応する第1ナビ演出が実行される可能性があるので、ナビ演出として、右打ちナビ表示5gが実行される可能性がある。一方、ナビ演出フラグがセットされているときにおいて、高ベース状態であるときは、ナビストック数が「0」になるまでは必ずS637に進むことにより、第2小当りに対応する第1ナビ演出が実行される可能性があるので、ナビ演出として、右打ちナビ表示5gが実行される可能性があるが、ナビストック数が「0」になった後は、ナビ演出フラグがリセットされるので、S637に進まず、S631からS639に進むことになるので、ナビ演出として、右打ちナビ表示5gが実行される可能性がなくなる。
このような演出設定処理によれば、S638に示すように、大当り後に高ベースとなる第2小当りとすることが決定されたというような、特定条件が成立したときに、第1案内手段としての演出表示装置5の右打ちナビ表示5gにより発射案内がされるが、図35のS638,S640に示されるように、このような特定条件が成立したか否かにかかわらず第2案内手段としての右打ちランプの点灯により発射案内がされるので、第1案内手段により発射案内がされないときでも、第2案内手段により発射案内がされることにより、第2特別可変入賞球装置7Bの遊技球が入賞可能な状態を遊技者が確実に把握することができる。
また、このような図36の演出設定処理では、例えば、ナビ演出フラグがリセット中に第2小当り経由の大当りが発生して高ベースになったときのように、ナビ演出に従わずに所定の遊技がされたときに、遊技者へのペナルティ(罰則)として、その後のナビ演出の実行を制限する機能が含まれている。
このような図36の演出設定処理では、例えば、ナビ演出フラグがリセット中に第2小当り経由の大当りが発生して高ベースになったときのように、ナビ演出に従わずに所定の遊技がされたときに、遊技者へのペナルティとして、その後のナビ演出の実行を制限する機能が含まれている。
具体的に、図36のS631でナビ演出フラグがリセット状態であれば、第2小当りとなるときのナビ演出態様を決定するS637,S638に進まずに、第1小当りとなるとき、または、ハズレとなるときのナビ演出態様を決定するS639〜S641に進み、結果的にS641でナビ演出なしに設定されることにより、ナビ演出を制限する制御が行なわれる。これにより、ナビ演出フラグがリセット中に第2小当り経由の大当りが発生して高ベースになったときのように、ナビ演出に従わずに所定の遊技がされたときには、ナビ演出がまったく実行されなくなる。また、ナビ演出を制限する制御としては、右打ちランプの点灯のみという演出を実行するようにしてもよい。
このようなナビ演出の実行を制限する制御が行なわれことにより、ナビ演出のような発射案内に従わずに遊技がされたときに、発射案内が制限されるので、発射案内に従わない遊技者が有利となってしまうことを抑制することができる。
尚、ナビ演出を制限するときには、例えば、演出表示装置5において、ナビ演出を制限する旨をメッセージ表示により報知する等、ナビ演出を制限することを報知するようにしてもよい。
また、この実施例2では、ナビ演出フラグがリセット中に第2小当り経由の大当りが発生して高ベースになったときを対象として、ナビ演出に従わずに所定の遊技がされたときに、遊技者へのペナルティとして、その後のナビ演出の実行を制限する例を示した。しかし、これに加えて、ナビ演出フラグがリセット中に第1小当り経由の大当りが発生して低ベースになったときを対象として、ナビ演出に従わずに所定の遊技がされたときに、遊技者へのペナルティとして、その後のナビ演出の実行を制限する制御を行なうようにしてもよい。
また、ナビ演出を制限する制御としては、演出設定処理とは別にナビ演出制御処理を設け(例えば、演出制御プロセス処理において、S500、S800〜S807とは別にナビ演出制御処理と設ければよい)、そのナビ演出制御処理において、例えば、ナビ演出フラグがリセット中に第2小当り経由の大当りが発生して高ベースになっているというナビ演出の制限条件が成立したか否かを判定し、当該条件が成立したときに、例えば、演出設定処理において、ナビ演出なしとする処理を実行する等、その後のナビ演出の実行を制限するようにしてもよい。
以上に説明したような演出設定処理において、S637により第1ナビ演出を実行する設定がされたときは、当該設定に基づいて、変動時演出中処理において、図32(I)に示したようなタイミングで、第1ナビ演出が実行されることとなる。また、S640により第2ナビ演出を実行する設定がされたときは、当該設定に基づいて、変動時演出中処理において、図32(I)に示したようなタイミングで、第2ナビ演出が実行されることとなる。また、S641によりナビ演出なしとする設定がされたときは、当該設定に基づいて、変動時演出中処理において、ナビ演出が実行されないこととなる。
次に、前述した実施例2により得られる主な効果を説明する。
(1) 図35のS518、図36のS638、および、図35のS802に示すように、演出ゲート61への遊技球の進入が判定されたことに基づいて、第2特別可変入賞球装置7Bへの遊技球の発射に関する発射案内(ナビ演出)が実行可能となるので、発射案内が単調とならないようにして遊技の興趣を構成させることができる。
(2) 図36のS638に示すように、大当り後に高ベースとなる第2小当りとすることが決定されたというような、特定条件が成立したときに、第1案内手段としての演出表示装置5の打ちナビ表示9gにより発射案内がされるが、図35のS638,S640に示されるように、このような特定条件が成立したか否かにかかわらず第2案内手段としての右打ちランプの点灯により発射案内がされるので、第1案内手段により発射案内がされないときでも、第2案内手段により発射案内がされることにより、第2特別可変入賞球装置7Bの遊技球が入賞可能な状態を遊技者が確実に把握することができる。
(3) 前記(1)または(2)に記載の制御をするパチンコ遊技機1において、遊技の状態を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ100がさらに備えられているので、遊技の状態を制御することができる。
(4) 図36のS631でナビ演出フラグがリセット状態であれば、第2小当りとなるときのナビ演出態様を決定するS637,S638に進まずに、第1小当りとなるとき、または、ハズレとなるときのナビ演出態様を決定するS639〜S641に進み、結果的にS641でナビ演出なしに設定されることにより、ナビ演出が制限される処理ステップに示したように、ナビ演出のような発射案内に従わずに遊技がされたときに、発射案内が制限できるので、発射案内に従わない遊技者が有利となってしまうことを抑制することができる。
(5) 図31の右打ちナビ表示5g等のナビ演出による発射案内により、小当り遊技状態においてV入賞したことに基づいて大当り遊技状態に制御された後に高ベース状態に制御されるときに発射案内がされるので、発射案内に従うことにより高ベース状態に制御されることが可能となり、遊技の興趣をさらに向上させることができる。
(6) 図2に示すように、第2特別可変入賞球装置7Bにおいて、遊技球が流下する流路の底面として形成される第2大入賞口用扉711の動作により、遊技球が入賞可能となるので、発射された遊技媒体に対する第2特別可変入賞球装置7Bに入賞する遊技球の割合を向上させ、興趣を向上させることができる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機1を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、予め定められた球数の遊技球が遊技機内部に循環可能に内封され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球に対応する価値データや、入賞に応じた賞球数に対応する価値データを、記憶している価値データに対して加算して記憶する一方、遊技に使用された遊技球数に対応する価値データを、記憶されている価値データから減算し記憶する、所謂、封入式遊技機にも本発明を適用可能である。
また、前記実施例では、普通図柄及び特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置5で変動表示される演出図柄などの変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターン指定コマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、CPU103は、1つ目のコマンドでは擬似連や滑り演出等の有無、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータは2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。
尚、CPU103の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータの方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信するようにしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより普通図柄及び特別図柄の変動パターンを通知する様にすることで、変動パターン指定コマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
1 パチンコ遊技機
5 演出表示装置
7B 第2特別可変入賞球装置
24A 第2カウントスイッチ
24B 第3カウントスイッチ
24C 第4カウントスイッチ
100 遊技制御用マイクロコンピュータ
103 CPU
120 演出制御用CPU
711 第2大入賞口用扉
712 第2大入賞口
730 規制部材
750 規制片
750A 第1経路
750B 第2経路
750C 第3経路

Claims (1)

  1. 遊技領域に遊技媒体を発射することにより遊技を行う遊技機であって、
    遊技媒体が流下する所定流路の底面として形成される可動部材の動作により、遊技媒体が進入しやすい第1状態と進入不能あるいは進入困難な第2状態とに変化する可変進入手段と、
    前記可変進入手段に進入した遊技媒体が通過領域を通過することに基づいて遊技状態を遊技者にとって有利な有利状態に制御する遊技状態制御手段と、
    を備え、
    前記可変進入手段に進入する遊技媒体数が多いときの方が少ないときよりも前記通過領域を通過する確率が高くなるように構成され、
    前記可動部材上を流下する遊技媒体の流下時間を遅延させる遅延手段と、
    前記可変進入手段が前記第2状態から前記第1状態へ変化する前に、該可変進入手段が前記第2状態から前記第1状態へ変化する旨を複数段階で報知する段階報知演出を実行可能な報知手段と、
    をさらに備え、
    前記遅延手段は、前記所定流路における前記可動部材に対応する位置に設けられ、前記所定流路を流下する遊技媒体に対して作用することで該遊技媒体の流下速度を低下させる複数の規制片である
    ことを特徴とする遊技機。
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