JP6664573B2 - バラン及びアンテナ給電回路 - Google Patents
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Description
このバランは、不平衡端子と、2つの平衡端子(以下、2つの平衡端子のうち、一方の平衡端子を第1の平衡端子と称し、他方の平衡端子を第2の平衡端子と称する。)とを有している。
第1及び第2の平衡線路は、多層構造の基板において、不平衡線路が形成されている層と異なる層にそれぞれ形成されている。
第1の平衡線路は、一端が第1の平衡端子と接続され、他端が接地されており、不平衡線路と電気的に結合されている。
第2の平衡線路は、一端が第2の平衡端子と接続され、他端が接地されており、不平衡線路と電気的に結合されている。
まず、電気特性には、通過特性(振幅特性)及び反射特性が含まれる。例えば、コンピュータは、不平衡端子をポート(1)、第1の平衡端子をポート(2)、第2の平衡端子をポート(3)として、バランの電気特性をシミュレーションすることが可能である。コンピュータは、通過特性を示すSパラメータとして、S21及びS31のそれぞれをシミュレーションし、反射特性を示すSパラメータとして、S11をシミュレーションする。
S21は、通過特性として、挿入損失を示すSパラメータであり、ポート(1)から信号が入力されたときに、ポート(2)を通過する信号を表すものである。S31は、通過特性として、挿入損失を示すSパラメータであり、ポート(1)から信号が入力されたときに、ポート(3)を通過する信号を表すものである。S11は、反射特性として、反射損失を示すSパラメータであり、ポート(1)から信号が入力されたときに、ポート(1)に戻ってくる信号を表すものである。
従来のバランは、不平衡線路の実効誘電率と、第1及び第2の平衡線路の実効誘電率とが異なる条件の下では、不平衡線路の移相量と、第1及び第2の平衡線路の移相量とが相違してしまうことがある。
従来のバランは、移相量が相違している状況下では、S21とS31との差が大きくなり、第1の平衡線路を通過する信号の振幅と第2の平衡線路を通過する信号の振幅との差分が大きくなるという通過特性の劣化を生じることがある。
また、従来のバランは、移相量が相違している状況下では、不平衡端子から信号が入力されたとき、第1及び第2の平衡端子での信号の反射が大きくなり、反射特性の劣化を生じることがある。
図1は、実施の形態1によるバラン2を含むアンテナ給電回路を示す構成図である。
図2は、実施の形態1によるバラン2を示す等価回路図である。
図1及び図2において、アンテナ給電部1は、シングルエンドの信号である不平衡信号をバラン2に出力する。
また、アンテナ給電部1は、バラン2から出力された不平衡信号を入力する。
不平衡端子10は、アンテナ給電部1と接続されており、不平衡信号を入出力するための端子である。
第1の平衡端子11は、アンテナ3と接続されており、差動信号の一方の信号である第1の平衡信号を入出力するための端子である。
第2の平衡端子12は、アンテナ4と接続されており、差動信号の他方の信号である第2の平衡信号を入出力するための端子である。
バラン2は、アンテナ給電部1から出力された不平衡信号を第1及び第2の平衡信号に変換して、第1の平衡信号をアンテナ3に出力し、第2の平衡信号をアンテナ4に出力する。
また、バラン2は、アンテナ3から出力された第1の平衡信号とアンテナ4から出力された第2の平衡信号とを不平衡信号に変換して、不平衡信号をアンテナ給電部1に出力する。
アンテナ4は、第2の平衡端子12と接続されており、バラン2から出力された第2の平衡信号を空間に放射し、空間から入射された第2の平衡信号をバラン2に出力する。
第1の線路22は、伝送線路22aと、伝送線路22bとを有している。
第1の線路22は、不平衡信号の周波数において、概ね4分の1波長の長さを有している。
伝送線路22aは、一端が不平衡端子10と接続され、他端が伝送線路22bの一端と接続されている。
伝送線路22bは、一端が伝送線路22aの他端と接続され、他端が伝送線路32aの一端と接続されている。
伝送線路22a及び伝送線路22bのそれぞれは、不平衡信号の周波数において、概ね8分の1波長の長さを有している。
図2に示す等価回路図では、第1の線路22が、2つの伝送線路として、伝送線路22aと伝送線路22bとを有し、第1の線路22が、伝送線路22aと伝送線路22bとの直列回路として表されている。しかし、実際には、第1の線路22は、伝送線路22aの長さと、伝送線路22bの長さとの総和の長さを有する1つの伝送線路である。
第2の線路23は、平衡信号の周波数において、概ね4分の1波長の長さを有している。
伝送線路23aは、一端が第1の平衡端子11と接続され、他端が伝送線路23bの一端と接続されており、伝送線路22bと電気的に結合されている。
伝送線路23bは、一端が伝送線路23aの他端と接続され、他端が接地されており、伝送線路22aと電気的に結合されている。
伝送線路23a及び伝送線路23bのそれぞれは、平衡信号の周波数において、概ね8分の1波長の長さを有している。
接続点24は、伝送線路23aと伝送線路23bとの接続点である。
図2に示す等価回路図では、第2の線路23が、2つの伝送線路として、伝送線路23aと伝送線路23bとを有し、第2の線路23が、伝送線路23aと伝送線路23bとの直列回路として表されている。しかし、実際には、第2の線路23は、伝送線路23aの長さと、伝送線路23bの長さとの総和の長さを有する1つの伝送線路である。
第3の線路32は、伝送線路32aと、伝送線路32bとを有している。
第3の線路32は、不平衡信号の周波数において、概ね4分の1波長の長さを有している。
伝送線路32aは、一端が伝送線路22bの他端と接続され、他端が伝送線路32bの一端と接続されている。
伝送線路32bは、一端が伝送線路32aの他端と接続され、他端が開放されている。
伝送線路32a及び伝送線路32bのそれぞれは、不平衡信号の周波数において、概ね8分の1波長の長さを有している。
図2に示す等価回路図では、第3の線路32が、2つの伝送線路として、伝送線路32aと伝送線路32bとを有し、第3の線路32が、伝送線路32aと伝送線路32bとの直列回路として表されている。しかし、実際には、第3の線路32は、伝送線路32aの長さと、伝送線路32bの長さとの総和の長さを有する1つの伝送線路である。
また、図2に示す等価回路図では、第1の線路22と第3の線路32とが、2つの伝送線路として表されている。しかし、実際には、第1の線路22と第3の線路32とは、一体的に形成された1つの伝送線路である。
第4の線路33は、平衡信号の周波数において、概ね4分の1波長の長さを有している。
伝送線路33aは、一端が第2の平衡端子12と接続され、他端が伝送線路33bの一端と接続されており、伝送線路32aと電気的に結合されている。
伝送線路33bは、一端が伝送線路33aの他端と接続され、他端が接地されており、伝送線路32bと電気的に結合されている。
接続点34は、伝送線路33aと伝送線路33bとの接続点である。
伝送線路33a及び伝送線路33bのそれぞれは、平衡信号の周波数において、概ね8分の1波長の長さを有している。
図2に示す等価回路図では、第4の線路33が、2つの伝送線路として、伝送線路33aと伝送線路33bとを有し、第4の線路33が、伝送線路33aと伝送線路33bとの直列回路として表されている。しかし、実際には、第4の線路33は、伝送線路33aの長さと、伝送線路33bの長さとの総和の長さを有する1つの伝送線路である。
第1の移相量調整回路41は、一端が接続点24と接続されており、第2の線路23の移相量を増やすオープンスタブである。
第2の移相量調整回路42は、第3の線路32の移相量と、第4の線路33の移相量とを合わせる回路である。
第2の移相量調整回路42は、一端が接続点34と接続されており、第4の線路33の移相量を増やすオープンスタブである。
図3の例では、バラン2が多層誘電体基板50に形成されている。
多層誘電体基板50は、5つの層を有している。
5つの層は、第1層50a、第2層50b、第3層50c、第4層50d及び第5層50eである。
第1層50aには、図4に示すように、第2の線路23、第4の線路33、第1の移相量調整回路41、第2の移相量調整回路42及び地導体43が形成されている。
図4において、ビア44は、第1層50aに形成されている地導体43、第3層50cに形成されている地導体43、第4層50dに形成されている地導体43及び第5層50eに形成されている地導体43のそれぞれを電気的に接続する接続部材である。
第1の結合部分線路25は、第2の線路23のうち、第1の線路22と電気的に結合される部分の線路である。
第2の結合部分線路35は、第4の線路33のうち、第3の線路32と電気的に結合される部分の線路である。
したがって、図中左側の地導体43と接続されている第1の結合部分線路25の一端から接続点24までの距離L1と、第1の結合部分線路25の他端から接続点24までの距離L2とが同じ距離である。
図4の例では、第2の移相量調整回路42が接続されている接続点34の位置は、第2の結合部分線路35における第2の平衡信号の伝搬方向の中央の位置である。
したがって、図中右側の地導体43と接続されている第2の結合部分線路35の一端から接続点34までの距離L1と、第2の結合部分線路35の他端から接続点34までの距離L2とが同じ距離である。
図4の例では、第2の線路23及び第4の線路33のそれぞれは、所定の線路幅を有する伝送線路として描いているため、接続点24及び接続点34のそれぞれは、点ではなく、線のように描いている。
第3層50cには、図5に示すように、第1の線路22、第3の線路32及び地導体43が形成されている。
図6は、第4層50dに形成されている導体パターンを示す平面図である。
第4層50dには、図6に示すように、地導体43が形成されている。
図7は、第5層50eに形成されている導体パターンを示す平面図である。
第5層50eには、図7に示すように、地導体43が形成されている。
また、実施の形態1のバラン2では、第1の線路22の実効誘電率εr1と、第3の線路32の実効誘電率εr3とが同じである。εr1=εr3である。以下、第1の線路22の実効誘電率εr1と、第3の線路32の実効誘電率εr3とを区別しない場合、それぞれの実効誘電率をεr1,3のように表記することがある。
実施の形態1のバラン2では、実効誘電率εr2,4が、実効誘電率εr1,3よりも低いものとする。
実効誘電率εr2,4が実効誘電率εr1,3よりも低い場合、第2の線路23の移相量p2及び第4の線路33の移相量p4のそれぞれは、第1の線路22の移相量p1及び第3の線路32の移相量p3のそれぞれよりも少なくなる。
第2の線路23の移相量p2と、第4の線路33の移相量p4とは同じであり、以下、第2の線路23の移相量p2と、第4の線路33の移相量p4とを区別せずに、移相量p2,4のように表記することがある。p2,4=p2=p4である。
また、第1の線路22の移相量p1と、第3の線路32の移相量p3とは同じであり、以下、第1の線路22の移相量p1と、第3の線路32の移相量p3とを区別せずに、移相量p1,3のように表記することがある。p1,3=p1=p3である。
第1の移相量調整回路41は、第2の線路23の移相量p2を増やすように作用する。
第2の移相量調整回路42は、第4の線路33の移相量p2を増やすように作用する。
実施の形態1のバラン2では、移相量p2,4と移相量p1,3とが等しくなるように、第1の移相量調整回路41であるオープンスタブの線路長及び第2の移相量調整回路42であるオープンスタブの線路長のそれぞれが決定される。
それぞれのオープンスタブの線路長は、多層誘電体基板50の実効誘電率及び伝送線路22a,22b,23a,23b,32a,32b,33a,33bにおけるそれぞれの線路長などに基づいて決定される。線路長の決定処理は、例えば、コンピュータのシミュレーションによって行われる。線路長の決定処理自体は、公知の技術であるため詳細な説明を省略する。それぞれのオープンスタブの線路長は、例えば、平衡信号の周波数において、4分の1波長以下の長さに決定される。
したがって、実施の形態1のバラン2では、実効誘電率εr2,4が実効誘電率εr1,3よりも低い場合でも、移相量p2,4と移相量p1,3とが等しくなっている。
アンテナ給電部1は、送信信号である不平衡信号をバラン2の不平衡端子10に出力する。
第1の線路22は、一端が不平衡端子10と接続されている。また、第3の線路32は、一端が第1の線路22の他端と接続されている。
したがって、第1の線路22及び第3の線路32のそれぞれには、不平衡端子10から入力された不平衡信号が流れる。
第4の線路33は、第3の線路32と電気的に結合されているため、不平衡信号が第3の線路32を流れると、第4の線路33に信号が流れるようになる。
第2の線路23を流れる信号は、第1の平衡端子11に出力される。第4の線路33を流れる信号は、第2の線路23を流れる信号と等振幅かつ逆位相の信号として、第2の平衡端子12に出力される。
したがって、第1の平衡端子11に出力される信号と、第2の平衡端子12に出力される信号とは、平衡信号である。
アンテナ4は、第2の平衡端子12と接続されているため、第4の線路33から第2の平衡端子12に出力された第2の平衡信号を電磁波として空間に放射する。
図9は、実施の形態1によるバラン2の電気特性として、L1=L2である場合の反射特性S11を示すスミスチャートである。
図8及び図9に示すバラン2の通過特性及び反射特性のそれぞれは、コンピュータによるシミュレーションで計算されている。
コンピュータのシミュレーションでは、不平衡端子10をポート(1)、第1の平衡端子11をポート(2)、第2の平衡端子12をポート(3)としている。
図8において、S21は、通過特性として、挿入損失を示すSパラメータであり、ポート(1)から信号が入力されたときに、ポート(2)を通過する信号を表すものである。S31は、通過特性として、挿入損失を示すSパラメータであり、ポート(1)から信号が入力されたときに、ポート(3)を通過する信号を表すものである。
図9において、S11は、反射特性として、反射損失を示すSパラメータであり、ポート(1)から信号が入力されたときに、ポート(1)に戻ってくる信号を表すものである。
図11は、比較対象のバランの電気特性として、反射特性S11を示すスミスチャートである。
比較対象のバランは、図2に示すバラン2において、第1の移相量調整回路41及び第2の移相量調整回路42のそれぞれが接続されていないバランである。
比較対象のバランは、図10に示すように、S21とS31との差が大きくなり、第1の平衡端子11から出力される第1の平衡信号の振幅と、第2の平衡端子12から出力される第2の平衡信号の振幅との差分が大きくなるという通過特性の劣化を生じている。
実施の形態1によるバラン2は、L1=L2である場合、図8に示すように、S21とS31との差が小さくなっている。したがって、実施の形態1によるバラン2は、第1の平衡端子11から出力される第1の平衡信号の振幅と、第2の平衡端子12から出力される第2の平衡信号の振幅との差分が小さくなっており、比較対象のバランよりも、通過特性の劣化が低減されている。
比較対象のバランの反射特性S11は、図11に示すように、S11がスミスチャートの中心からずれた位置で円弧を描いており、信号の反射が大きくなっている。
実施の形態1によるバラン2は、L1=L2である場合、図9に示すように、S11がスミスチャートの略中心の位置で円弧を描いており、信号の反射が小さくなっている。したがって、実施の形態1によるバラン2は、比較対象のバランよりも、反射特性の劣化が低減されている。
図12は、第1層50aに形成されている、L1<L2である場合の導体パターンを示す平面図である。
図13は、実施の形態1によるバラン2の電気特性として、L1<L2である場合の通過特性S21及び通過特性S31のそれぞれを示す説明図である。
図14は、実施の形態1によるバラン2の電気特性として、L1<L2である場合の反射特性S11を示すスミスチャートである。
図13及び図14に示すバラン2の電気特性は、図12に示すように、L1<L2であるとして、コンピュータがシミュレーションしている。
実施の形態1によるバラン2は、L1<L2である場合、S21とS31との差については、図13及び図10に示すように、比較対象のバランとほとんど変わっていない。
しかし、実施の形態1によるバラン2は、L1<L2である場合でも、信号の反射については、図14に示すように小さくなっており、比較対象のバランよりも、反射特性の劣化が低減されている。
図15は、第1層50aに形成されている、L1>L2である場合の導体パターンを示す平面図である。
図16は、実施の形態1によるバラン2の電気特性として、L1>L2である場合の通過特性S21及び通過特性S31のそれぞれを示す説明図である。
図17は、実施の形態1によるバラン2の電気特性として、L1>L2である場合の反射特性S11を示すスミスチャートである。
図16及び図17に示すバラン2の電気特性は、図15に示すように、L1>L2であるとして、コンピュータがシミュレーションしている。
実施の形態1によるバラン2は、L1>L2である場合、信号の反射については、図17及び図11に示すように、比較対象のバランとほとんど変わっていない。
しかし、実施の形態1によるバラン2は、L1>L2である場合でも、S21とS31との差については、図16に示すように小さくなっており、比較対象のバランよりも、通過特性の劣化が低減されている。
例えば、図18に示すように、第1の移相量調整回路41としての2つのオープンスタブが、接続点24を中心にして、点対称に配置されているバラン2であってもよい。また、第2の移相量調整回路42としての2つのオープンスタブが、接続点34を中心にして、点対称に配置されているバラン2であってもよい。
図18は、第1層50aに形成されている他の導体パターンを示す平面図である。
2つのオープンスタブが点対称に配置されるバラン2についても、電気特性の劣化を低減することができることができる。
実施の形態1のバラン2は、第1の移相量調整回路41及び第2の移相量調整回路42のそれぞれが、オープンスタブである例を示している。
実施の形態2では、第1の移相量調整回路61及び第2の移相量調整回路62のそれぞれが、コンデンサであるバラン2について説明する。
図19において、図2と同一符号は同一又は相当部分を示すので説明を省略する。
第1の移相量調整回路61は、第1の線路22の移相量と、第2の線路23の移相量とを合わせる回路である。
第1の移相量調整回路61は、一端が接続点24と接続され、他端が接地されているコンデンサである。
第2の移相量調整回路62は、第3の線路32の移相量と、第4の線路33の移相量とを合わせる回路である。
第2の移相量調整回路62は、一端が接続点34と接続され、他端が接地されているコンデンサである。
第2の移相量調整回路62は、図2に示す第2の移相量調整回路42と同様に、第4の線路33の移相量p2,4を増やすように作用する。
実施の形態2のバラン2では、移相量p2,4と移相量p1,3とが等しくなるように、第1の移相量調整回路61及び第2の移相量調整回路62であるそれぞれのコンデンサの容量値が決定される。
それぞれのコンデンサの容量値は、多層誘電体基板50の実効誘電率及び伝送線路22a,22b,23a,23b,32a,32b,33a,33bにおけるそれぞれの線路長などに基づいて決定される。容量値の決定処理は、例えば、コンピュータのシミュレーションによって行われる。容量値の決定処理自体は、公知の技術であるため詳細な説明を省略する。
したがって、実施の形態2のバラン2では、実効誘電率εr2,4が実効誘電率εr1,3よりも低い場合でも、移相量p2,4と移相量p1,3とが等しくなっている。
実施の形態1のバラン2は、第1の移相量調整回路41及び第2の移相量調整回路42のそれぞれが、オープンスタブである例を示している。
実施の形態3では、第1の移相量調整回路63及び第2の移相量調整回路64のそれぞれが、並列共振回路であるバラン2について説明する。
図20において、図2と同一符号は同一又は相当部分を示すので説明を省略する。
第1の移相量調整回路63は、コンデンサ63a及びインダクタ63bを有しており、第1の線路22の移相量と、第2の線路23の移相量とを合わせる回路である。
コンデンサ63aは、一端が接続点24と接続され、他端が接地されている。
インダクタ63bは、コンデンサ63aと並列に接続されている。
第2の移相量調整回路64は、コンデンサ64a及びインダクタ64bを有しており、第3の線路32の移相量と、第4の線路33の移相量とを合わせる回路である。
コンデンサ64aは、一端が接続点34と接続され、他端が接地されている。
インダクタ64bは、コンデンサ64aと並列に接続されている。
第2の移相量調整回路64は、図2に示す第2の移相量調整回路42と同様に、第4の線路33の移相量p2,4を増やすように作用する。
実施の形態3のバラン2では、移相量p2,4と移相量p1,3とが等しくなるように、第1の移相量調整回路63及び第2の移相量調整回路64であるそれぞれの並列共振回路の共振周波数が決定される。
それぞれの並列共振回路の共振周波数は、多層誘電体基板50の実効誘電率及び伝送線路22a,22b,23a,23b,32a,32b,33a,33bにおけるそれぞれの線路長などに基づいて決定される。共振周波数の決定処理は、例えば、コンピュータのシミュレーションによって行われる。共振周波数の決定処理自体は、公知の技術であるため詳細な説明を省略する。
したがって、実施の形態3のバラン2では、実効誘電率εr2,4が実効誘電率εr1,3よりも低い場合でも、移相量p2,4と移相量p1,3とが等しくなっている。
実施の形態1のバラン2は、第1の移相量調整回路41及び第2の移相量調整回路42のそれぞれが、オープンスタブである例を示している。
実施の形態4では、第1の移相量調整回路65及び第2の移相量調整回路66のそれぞれが、遅延線路であるバラン2について説明する。
図22は、第1層50aに形成されている導体パターンを示す平面図である。
図21及び図22において、図2及び図4と同一符号は同一又は相当部分を示すので説明を省略する。
第1の移相量調整回路65は、第1の線路22の移相量と、第2の線路23の移相量とを合わせる回路である。
第1の移相量調整回路65は、伝送線路23aと伝送線路23bとの間に挿入されている遅延線路である。
第2の移相量調整回路66は、第3の線路32の移相量と、第4の線路33の移相量とを合わせる回路である。
第2の移相量調整回路66は、伝送線路33aと伝送線路33bとの間に挿入されている遅延線路である。
図22では、第1の移相量調整回路65である遅延線路が、第2の線路23の迂回線路である例を示している。また、第2の移相量調整回路66である遅延線路が、第4の線路33の迂回線路である例を示している。
第2の移相量調整回路66は、図2に示す第2の移相量調整回路42と同様に、第4の線路33の移相量p2,4を増やすように作用する。
実施の形態4のバラン2では、移相量p2,4と移相量p1,3とが等しくなるように、第1の移相量調整回路65及び第2の移相量調整回路66であるそれぞれの遅延線路の線路長が決定される。
それぞれの遅延線路の線路長は、多層誘電体基板50の実効誘電率及び伝送線路22a,22b,23a,23b,32a,32b,33a,33bにおけるそれぞれの線路長などに基づいて決定される。線路長の決定処理は、例えば、コンピュータのシミュレーションによって行われる。線路長の決定処理自体は、公知の技術であるため詳細な説明を省略する。
したがって、実施の形態4のバラン2では、実効誘電率εr2,4が実効誘電率εr1,3よりも低い場合でも、移相量p2,4と移相量p1,3とが等しくなっている。
実施の形態1のバラン2は、第1の移相量調整回路41及び第2の移相量調整回路42のそれぞれが、オープンスタブである例を示している。
実施の形態5では、第1の移相量調整回路67及び第2の移相量調整回路68のそれぞれが、インダクタであるバラン2を説明する。
図23において、図2と同一符号は同一又は相当部分を示すので説明を省略する。
第1の移相量調整回路67は、第1の線路22の移相量と、第2の線路23の移相量とを合わせる回路である。
第1の移相量調整回路67は、伝送線路23aと伝送線路23bとの間に挿入されているインダクタである。
第2の移相量調整回路68は、第3の線路32の移相量と、第4の線路33の移相量とを合わせる回路である。
第2の移相量調整回路68は、伝送線路33aと伝送線路33bとの間に挿入されているインダクタである。
第2の移相量調整回路68は、図2に示す第2の移相量調整回路42と同様に、第4の線路33の移相量p2,4を増やすように作用する。
実施の形態5のバラン2では、移相量p2,4と移相量p1,3とが等しくなるように、第1の移相量調整回路67及び第2の移相量調整回路68であるそれぞれのインダクタのインダクタンスが決定される。
それぞれのインダクタのインダクタンスは、多層誘電体基板50の実効誘電率及び伝送線路22a,22b,23a,23b,32a,32b,33a,33bにおけるそれぞれの線路長などに基づいて決定される。インダクタンスの決定処理は、例えば、コンピュータのシミュレーションによって行われる。インダクタンスの決定処理自体は、公知の技術であるため詳細な説明を省略する。
したがって、実施の形態5のバラン2では、実効誘電率εr2,4が実効誘電率εr1,3よりも低い場合でも、移相量p2,4と移相量p1,3とが等しくなっている。
実施の形態1のバラン2は、第1の移相量調整回路41及び第2の移相量調整回路42のそれぞれが、オープンスタブである例を示している。
実施の形態6では、第1の移相量調整回路69及び第2の移相量調整回路70のそれぞれが、π型回路であるバラン2について説明する。
図24において、図2と同一符号は同一又は相当部分を示すので説明を省略する。
第1の移相量調整回路69は、第1の線路22の移相量と、第2の線路23の移相量とを合わせる回路である。
第1の移相量調整回路69は、伝送線路23aと伝送線路23bとの間に挿入されている第1のπ型回路である。
第2の移相量調整回路70は、第3の線路32の移相量と、第4の線路33の移相量とを合わせる回路である。
第2の移相量調整回路70は、伝送線路33aと伝送線路33bとの間に挿入されている第2のπ型回路である。
第1のインダクタ69aは、伝送線路23aと伝送線路23bとの間に挿入されている。
第1のコンデンサ69bは、一端が第1のインダクタ69aの一端と接続され、他端が接地されている。
第2のコンデンサ69cは、一端が第1のインダクタ69aの他端と接続され、他端が接地されている。
第2のインダクタ70aは、伝送線路33aと伝送線路33bとの間に挿入されている。
第3のコンデンサ70bは、一端が第2のインダクタ70aの一端と接続され、他端が接地されている。
第4のコンデンサ70cは、一端が第2のインダクタ70aの他端と接続され、他端が接地されている。
第2の移相量調整回路70は、図2に示す第2の移相量調整回路42と同様に、第4の線路33の移相量p2,4を遅くするように作用する。
実施の形態6のバラン2では、移相量p2,4と移相量p1,3とが等しくなるように、第1のインダクタ69aにおけるインダクタンスが決定され、第1のコンデンサ69b及び第2のコンデンサ69cにおけるそれぞれの容量値が決定される。
また、実施の形態6のバラン2では、移相量p2,4と移相量p1,3とが等しくなるように、第2のインダクタ70aにおけるインダクタンスが決定され、第3のコンデンサ70b及び第4のコンデンサ70cにおけるそれぞれの容量値が決定される。
それぞれのインダクタンス及びそれぞれの容量値は、多層誘電体基板50の実効誘電率及び伝送線路22a,22b,23a,23b,32a,32b,33a,33bにおけるそれぞれの線路長などに基づいて決定される。それぞれのインダクタンス及びそれぞれの容量値の決定処理は、例えば、コンピュータのシミュレーションによって行われる。インダクタンスの決定処理及び容量値の決定処理自体は、公知の技術であるため詳細な説明を省略する。
したがって、実施の形態6のバラン2では、実効誘電率εr2,4が実効誘電率εr1,3よりも低い場合でも、移相量p2,4と移相量p1,3とが等しくなっている。
実施の形態1のバラン2は、第1の移相量調整回路41及び第2の移相量調整回路42のそれぞれが、オープンスタブである例を示している。
実施の形態7では、第1の移相量調整回路71及び第2の移相量調整回路72のそれぞれが、T型回路であるバラン2を説明する。
図25において、図2と同一符号は同一又は相当部分を示すので説明を省略する。
第1の移相量調整回路71は、第1の線路22の移相量と、第2の線路23の移相量とを合わせる回路である。
第1の移相量調整回路71は、伝送線路23aと伝送線路23bとの間に挿入されている第1のT型回路である。
第2の移相量調整回路72は、第3の線路32の移相量と、第4の線路33の移相量とを合わせる回路である。
第2の移相量調整回路72は、伝送線路33aと伝送線路33bとの間に挿入されている第2のT型回路である。
第1のインダクタ71aは、一端が伝送線路23aの他端と接続され、他端が第2のインダクタ71bの一端と接続されている。
第2のインダクタ71bは、一端が第1のインダクタ71aの他端と接続され、他端が伝送線路23bの一端と接続されている。
第1のコンデンサ71cは、第1のインダクタ71aと第2のインダクタ71bとの接続点に一端が接続され、他端が接地されている。
第3のインダクタ72aは、一端が伝送線路33aの他端と接続され、他端が第4のインダクタ72bの一端と接続されている。
第4のインダクタ72bは、一端が第3のインダクタ72aの他端と接続され、他端が伝送線路33bの一端と接続されている。
第2のコンデンサ72cは、第3のインダクタ72aと第4のインダクタ72bとの接続点に一端が接続され、他端が接地されている。
第2の移相量調整回路72は、図2に示す第2の移相量調整回路42と同様に、第4の線路33の移相量p2,4を増やすように作用する。
実施の形態7のバラン2では、移相量p2,4と移相量p1,3とが等しくなるように、第1のインダクタ71a及び第2のインダクタ71bにおけるそれぞれのインダクタンスが決定され、第1のコンデンサ71cにおける容量値が決定される。
また、実施の形態7のバラン2では、移相量p2,4と移相量p1,3とが等しくなるように、第3のインダクタ72a及び第4のインダクタ72bにおけるそれぞれのインダクタンスが決定され、第2のコンデンサ72cにおける容量値が決定される。
それぞれのインダクタンス及びそれぞれの容量値は、多層誘電体基板50の実効誘電率及び伝送線路22a,22b,23a,23b,32a,32b,33a,33bにおけるそれぞれの線路長などに基づいて決定される。それぞれのインダクタンス及びそれぞれの容量値の決定処理は、例えば、コンピュータのシミュレーションによって行われる。インダクタンスの決定処理及び容量値の決定処理自体は、公知の技術であるため詳細な説明を省略する。
したがって、実施の形態7のバラン2では、実効誘電率εr2,4が実効誘電率εr1,3よりも低い場合でも、移相量p2,4と移相量p1,3とが等しくなっている。
実施の形態1のバラン2は、1つの第1の移相量調整回路41が第2の線路23に接続され、1つの第2の移相量調整回路42が第4の線路33に接続されている例を示している。
実施の形態8では、2つ以上の第1の移相量調整回路41が第2の線路23に接続され、2つ以上の第2の移相量調整回路42が第4の線路33に接続されているバラン2について説明する。
図27は、第1層50aに形成されている導体パターンを示す平面図である。
図26及び図27において、図2及び図4と同一符号は同一又は相当部分を示すので説明を省略する。
伝送線路22cは、一端が伝送線路22bの他端と接続され、他端が伝送線路22dの一端と接続されている。
伝送線路22dは、一端が伝送線路22cの他端と接続され、他端が伝送線路32aの一端と接続されている。
伝送線路23cは、一端が伝送線路23bの他端と接続され、他端が伝送線路23dの一端と接続されており、伝送線路22bと電気的に結合されている。
伝送線路23dは、一端が伝送線路23cの他端と接続され、他端が接地されており、伝送線路22aと電気的に結合されている。
図26の例では、伝送線路23aは、伝送線路22dと電気的に結合されており、伝送線路23bは、伝送線路22cと電気的に結合されている。
接続点24aは、伝送線路23aと伝送線路23bとの接続点である。
接続点24bは、伝送線路23bと伝送線路23cとの接続点である。
接続点24cは、伝送線路23cと伝送線路23dとの接続点である。
伝送線路32dは、一端が伝送線路32cの他端と接続され、他端が開放されている。
伝送線路33cは、一端が伝送線路33bの他端と接続され、他端が伝送線路33dの一端と接続されており、伝送線路32cと電気的に結合されている。
伝送線路33dは、一端が伝送線路33cの他端と接続され、他端が接地されており、伝送線路32dと電気的に結合されている。
接続点34aは、伝送線路33aと伝送線路33bとの接続点である。
接続点34bは、伝送線路33bと伝送線路33cとの接続点である。
接続点34cは、伝送線路33cと伝送線路33dとの接続点である。
第1の移相量調整回路41a,41b,41cのそれぞれは、一端が接続点24a,24b,24cのそれぞれと接続されている回路であり、図2に示す第1の移相量調整回路41と同様に、オープンスタブである。
第2の移相量調整回路42a,42b,42cのそれぞれは、第3の線路32の移相量と、第4の線路33の移相量とを合わせる回路である。
第2の移相量調整回路42a,42b,42cのそれぞれは、一端が接続点34a,34b,34cのそれぞれと接続されている回路であり、図2に示す第2の移相量調整回路42と同様に、オープンスタブである。
また、図26に示すバラン2では、3つの第2の移相量調整回路42a,42b,42cが第4の線路33に接続されているが、実施の形態8では、2つ以上の第2の移相量調整回路42が第4の線路33に接続されていればよい。したがって、2つの第2の移相量調整回路42、あるいは、4つ以上の第2の移相量調整回路42が第4の線路33に接続されているバラン2であってもよい。
図27の例では、第2の線路23及び第4の線路33のそれぞれは、所定の線路幅を有する伝送線路として描いているため、接続点24a,24b,24c及び接続点34a,34b,34cのそれぞれは、点ではなく、線のように描いている。
実効誘電率εr2,4が実効誘電率εr1,3よりも低い場合、第2の線路23及び第4の線路33におけるそれぞれの移相量p2,4は、第1の線路22及び第3の線路32におけるそれぞれの移相量p1,3よりも速くなる。
第1の移相量調整回路41a,41b,41cは、第2の線路23の移相量p2,4を増やすように作用する。
第2の移相量調整回路42a,42b,42cは、第4の線路33の移相量p2,4を増やすように作用する。
実施の形態8のバラン2では、移相量p2,4と移相量p1,3とが等しくなるように、第1の移相量調整回路41a,41b,41cであるオープンスタブ及び第2の移相量調整回路42a,42b,42cであるオープンスタブのそれぞれの線路長が決定される。
したがって、実施の形態8のバラン2では、実効誘電率εr2,4が実効誘電率εr1,3よりも低い場合でも、移相量p2,4と移相量p1,3とが等しくなっている。
距離L2は、接続点24cから接続点24bまでの距離である。
距離L3は、接続点24bから接続点24aまでの距離である。
距離L4は、接続点24aから第1の結合部分線路25の他端までの距離である。
図27における第2の結合部分線路35において、距離L1は、図中右側の地導体43と接続されている第2の結合部分線路35の一端から接続点34cまでの距離である。
距離L2は、接続点34cから接続点34bまでの距離である。
距離L3は、接続点34bから接続点34aまでの距離である。
距離L4は、接続点34aから第2の結合部分線路35の他端までの距離である。
図29は、実施の形態8によるバラン2の電気特性として、L1=L2=L3=L4である場合の反射特性S11を示すスミスチャートである。
図28及び図29に示すバラン2の電気特性は、コンピュータによるシミュレーションで計算されている。
コンピュータのシミュレーションでは、不平衡端子10をポート(1)、第1の平衡端子11をポート(2)、第2の平衡端子12をポート(3)としている。
実施の形態8によるバラン2は、L1=L2=L3=L4である場合、図29に示すように、S11がスミスチャートの略中心の位置で円弧を描いており、信号の反射が小さくなっている。したがって、実施の形態8によるバラン2は、比較対象のバランよりも、反射特性の劣化が低減されている。
したがって、図30に示すように、第1の線路22の線路幅と、第3の線路32の線路幅とが異なる線路幅であってもよい。図30は、第3層50cに形成されている導体パターンを示す平面図である。
したがって、図31に示すように、第1の線路22及び第3の線路32におけるそれぞれの線路幅が、不平衡端子10から開放側に向かって徐々に太くなるように、第1の線路22及び第3の線路32におけるそれぞれの形状がテーパー形状であってもよい。図31は、第3層50cに形成されている導体パターンを示す平面図である。
実施の形態1〜8のバラン2では、第2の線路23及び第4の線路33におけるそれぞれの実効誘電率εr2,4が、第1の線路22及び第3の線路32におけるそれぞれの実効誘電率εr1,3よりも低い例を示している。
実施の形態9では、第1の線路22及び第3の線路32におけるそれぞれの実効誘電率εr1,3が、第2の線路23及び第4の線路33におけるそれぞれの実効誘電率εr2,4よりも低いバラン2について説明する。
実効誘電率εr1,3が実効誘電率εr2,4よりも低い場合、第1の線路22及び第3の線路32における移相量p1,3は、第2の線路23及び第4の線路33におけるそれぞれの移相量p2,4よりも速くなる。
図33は、第1層50aに形成されている導体パターンを示す平面図である。
図34は、第3層50cに形成されている導体パターンを示す平面図である。
図32から図34において、図2、図4及び図5と同一符号は同一又は相当部分を示すので説明を省略する。
第4層50dに形成されている導体パターンは、図6と同様である。また、第5層50eに形成されている導体パターンは、図7と同様である。
接続点26は、伝送線路22aと伝送線路22bとの接続点である。
接続点36は、伝送線路32aと伝送線路32bとの接続点である。
図34の例では、第1の線路22及び第3の線路32のそれぞれは、所定の線路幅を有する伝送線路として描いているため、接続点26及び接続点36のそれぞれは、点ではなく、線のように描いている。
第1の移相量調整回路81は、一端が接続点26と接続されており、第1の線路22の移相量を増やすオープンスタブである。
第2の移相量調整回路82は、第3の線路32の移相量と、第4の線路33の移相量とを合わせる回路である。
第2の移相量調整回路82は、一端が接続点36と接続されており、第3の線路32の移相量を増やすオープンスタブである。
第1の移相量調整回路81が接続されている接続点26の位置は、第1の線路22における不平衡信号の伝搬方向の中央の位置であってもよいし、中央の位置よりも不平衡端子10側であってもよいし、中央の位置よりも第3の線路32側であってもよい。
第2の移相量調整回路82が接続されている接続点36の位置は、第3の線路32における不平衡信号の伝搬方向の中央の位置であってもよいし、中央の位置よりも第1の線路22側であってもよいし、中央の位置よりも開放側であってもよい。
第2の移相量調整回路82は、第3の線路32の移相量p1,3を増やすように作用する。
実施の形態9のバラン2では、移相量p1,3と移相量p2,4とが等しくなるように、第1の移相量調整回路81であるオープンスタブの線路長及び第2の移相量調整回路82であるオープンスタブの線路長のそれぞれが決定される。
それぞれのオープンスタブの線路長は、多層誘電体基板50の実効誘電率及び伝送線路22a,22b,23a,23b,32a,32b,33a,33bにおけるそれぞれの線路長などに基づいて決定される。それぞれのオープンスタブの線路長は、例えば、不平衡信号の周波数において、4分の1波長以下の長さに決定される。
したがって、実施の形態9のバラン2では、実効誘電率εr1,3が実効誘電率εr2,4よりも低い場合でも、移相量p1,3と移相量p2,4とが等しくなっている。
例えば、第1の移相量調整回路81及び第2の移相量調整回路82のそれぞれは、図19に示す第1の移相量調整回路61及び第2の移相量調整回路62のそれぞれと同様に、コンデンサであってもよい。
また、第1の移相量調整回路81及び第2の移相量調整回路82のそれぞれは、図20に示す第1の移相量調整回路63及び第2の移相量調整回路64のそれぞれと同様に、並列共振回路であってもよい。
また、第1の移相量調整回路81及び第2の移相量調整回路82のそれぞれは、図21に示す第1の移相量調整回路65及び第2の移相量調整回路66のそれぞれと同様に、遅延線路であってもよい。
また、第1の移相量調整回路81及び第2の移相量調整回路82のそれぞれは、図23に示す第1の移相量調整回路67及び第2の移相量調整回路68のそれぞれと同様に、インダクタであってもよい。
また、第1の移相量調整回路81及び第2の移相量調整回路82のそれぞれは、図24に示す第1の移相量調整回路69及び第2の移相量調整回路70のそれぞれと同様に、π型回路であってもよい。
さらに、第1の移相量調整回路81及び第2の移相量調整回路82のそれぞれは、図25に示す第1の移相量調整回路71及び第2の移相量調整回路72のそれぞれと同様に、T型回路であってもよい。
実施の形態9では、2つ以上の第1の移相量調整回路81が第1の線路22に接続され、2つ以上の第2の移相量調整回路82が第3の線路32に接続されているバラン2であってもよい。
Claims (6)
- 一端が不平衡端子と接続されている第1の線路と、一端が第1の平衡端子と接続され、他端が接地されており、前記第1の線路と電気的に結合される第2の線路とを有する第1の結合線路と、
一端が前記第1の線路の他端と接続され、他端が開放されている第3の線路と、一端が第2の平衡端子と接続され、他端が接地されており、前記第3の線路と電気的に結合される第4の線路とを有する第2の結合線路と、
前記第1の線路の移相量と、前記第2の線路の移相量とを合わせる第1の移相量調整回路と、
前記第3の線路の移相量と、前記第4の線路の移相量とを合わせる第2の移相量調整回路と
を備え、
前記第1の移相量調整回路は、前記第1の線路又は前記第2の線路のいずれかに一端が接続されるオープンスタブであり、
前記第2の移相量調整回路は、前記オープンスタブの一端が前記第1の線路に接続されていれば、前記第3の線路に一端が接続され、前記オープンスタブの一端が前記第2の線路に接続されていれば、前記第4の線路に一端が接続されるオープンスタブであることを特徴とするバラン。 - 一端が不平衡端子と接続されている第1の線路と、一端が第1の平衡端子と接続され、他端が接地されており、前記第1の線路と電気的に結合される第2の線路とを有する第1の結合線路と、
一端が前記第1の線路の他端と接続され、他端が開放されている第3の線路と、一端が第2の平衡端子と接続され、他端が接地されており、前記第3の線路と電気的に結合される第4の線路とを有する第2の結合線路と、
前記第1の線路の移相量と、前記第2の線路の移相量とを合わせる第1の移相量調整回路と、
前記第3の線路の移相量と、前記第4の線路の移相量とを合わせる第2の移相量調整回路と
を備え、
前記第1の移相量調整回路は、前記第1の線路又は前記第2の線路のいずれかに一端が接続され、他端が接地されるコンデンサであり、
前記第2の移相量調整回路は、前記コンデンサの一端が前記第1の線路に接続されていれば、前記第3の線路に一端が接続され、前記コンデンサの一端が前記第2の線路に接続されていれば、前記第4の線路に一端が接続され、他端が接地されるコンデンサであることを特徴とするバラン。 - 一端が不平衡端子と接続されている第1の線路と、一端が第1の平衡端子と接続され、他端が接地されており、前記第1の線路と電気的に結合される第2の線路とを有する第1の結合線路と、
一端が前記第1の線路の他端と接続され、他端が開放されている第3の線路と、一端が第2の平衡端子と接続され、他端が接地されており、前記第3の線路と電気的に結合される第4の線路とを有する第2の結合線路と、
前記第1の線路の移相量と、前記第2の線路の移相量とを合わせる第1の移相量調整回路と、
前記第3の線路の移相量と、前記第4の線路の移相量とを合わせる第2の移相量調整回路と
を備え、
前記第1の移相量調整回路は、前記第1の線路又は前記第2の線路のいずれかに一端が接続され、他端が接地される並列共振回路であり、
前記第2の移相量調整回路は、前記並列共振回路の一端が前記第1の線路に接続されていれば、前記第3の線路に一端が接続され、前記並列共振回路の一端が前記第2の線路に接続されていれば、前記第4の線路に一端が接続され、他端が接地される並列共振回路であることを特徴とするバラン。 - 平衡信号を不平衡信号に変換し、あるいは、不平衡信号を平衡信号に変換するバランを備えるアンテナ給電回路であり、
前記バランは、
一端が不平衡端子と接続されている第1の線路と、一端が第1の平衡端子と接続され、他端が接地されており、前記第1の線路と電気的に結合される第2の線路とを有する第1の結合線路と、
一端が前記第1の線路の他端と接続され、他端が開放されている第3の線路と、一端が第2の平衡端子と接続され、他端が接地されており、前記第3の線路と電気的に結合される第4の線路とを有する第2の結合線路と、
前記第1の線路の移相量と、前記第2の線路の移相量とを合わせる第1の移相量調整回路と、
前記第3の線路の移相量と、前記第4の線路の移相量とを合わせる第2の移相量調整回路とを備え、
前記第1の移相量調整回路は、前記第1の線路又は前記第2の線路のいずれかに一端が接続されるオープンスタブであり、
前記第2の移相量調整回路は、前記オープンスタブの一端が前記第1の線路に接続されていれば、前記第3の線路に一端が接続され、前記オープンスタブの一端が前記第2の線路に接続されていれば、前記第4の線路に一端が接続されるオープンスタブであることを特徴とするアンテナ給電回路。 - 平衡信号を不平衡信号に変換し、あるいは、不平衡信号を平衡信号に変換するバランを備えるアンテナ給電回路であり、
前記バランは、
一端が不平衡端子と接続されている第1の線路と、一端が第1の平衡端子と接続され、他端が接地されており、前記第1の線路と電気的に結合される第2の線路とを有する第1の結合線路と、
一端が前記第1の線路の他端と接続され、他端が開放されている第3の線路と、一端が第2の平衡端子と接続され、他端が接地されており、前記第3の線路と電気的に結合される第4の線路とを有する第2の結合線路と、
前記第1の線路の移相量と、前記第2の線路の移相量とを合わせる第1の移相量調整回路と、
前記第3の線路の移相量と、前記第4の線路の移相量とを合わせる第2の移相量調整回路とを備え、
前記第1の移相量調整回路は、前記第1の線路又は前記第2の線路のいずれかに一端が接続され、他端が接地されるコンデンサであり、
前記第2の移相量調整回路は、前記コンデンサの一端が前記第1の線路に接続されていれば、前記第3の線路に一端が接続され、前記コンデンサの一端が前記第2の線路に接続されていれば、前記第4の線路に一端が接続され、他端が接地されるコンデンサであることを特徴とするアンテナ給電回路。 - 平衡信号を不平衡信号に変換し、あるいは、不平衡信号を平衡信号に変換するバランを備えるアンテナ給電回路であり、
前記バランは、
一端が不平衡端子と接続されている第1の線路と、一端が第1の平衡端子と接続され、他端が接地されており、前記第1の線路と電気的に結合される第2の線路とを有する第1の結合線路と、
一端が前記第1の線路の他端と接続され、他端が開放されている第3の線路と、一端が第2の平衡端子と接続され、他端が接地されており、前記第3の線路と電気的に結合される第4の線路とを有する第2の結合線路と、
前記第1の線路の移相量と、前記第2の線路の移相量とを合わせる第1の移相量調整回路と、
前記第3の線路の移相量と、前記第4の線路の移相量とを合わせる第2の移相量調整回路とを備え、
前記第1の移相量調整回路は、前記第1の線路又は前記第2の線路のいずれかに一端が接続され、他端が接地される並列共振回路であり、
前記第2の移相量調整回路は、前記並列共振回路の一端が前記第1の線路に接続されていれば、前記第3の線路に一端が接続され、前記並列共振回路の一端が前記第2の線路に接続されていれば、前記第4の線路に一端が接続され、他端が接地される並列共振回路であることを特徴とするアンテナ給電回路。
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