本発明の電気接続構造の実施の形態について、図面を参照して説明する。本発明の電気接続構造は、実施の形態で説明する筐体100とその内部の構成(例えば、バスバー、モールド等)を含むものである。
(実施の形態1)
以下、実施の形態1について説明する。
まず、図1を用いて、本実施の形態に係る筐体100の全体構成について説明する。図1は、筐体100の一例を示す外観斜視図である。
図1に示すように、筐体100は、第1の箱型部材1、板状部材2、第2の箱型部材3を有し、板状部材2によって内部が第1の空間(例えば、後述の内部空間6)と第2の空間(後述の内部空間14)に分けられた1つの筐体である。第1の箱型部材1と板状部材2は、複数のネジ4によりネジ留めされる。第2の箱型部材3と板状部材2は、複数のネジ5によりネジ留めされる。第1の箱型部材1、板状部材2、第2の箱型部材3は、例えば、金属製である。
次に、図2を用いて、第1の箱型部材1について説明する。図2は、第1の箱型部材1の一例を示す外観斜視図である。
図2に示すように、第1の箱型部材1は、一面(底面)が開口した箱型(略直方体状)の部材である。第1の箱型部材1の開口面は、後述する板状部材2の第1面によって被覆される。
第1の箱型部材1の内部空間6(第1の空間の一例)には、第1の電気回路(図示略)が収容される。第1の電気回路は、後述する第2の箱型部材3の内部空間14(第2の空間の一例。図5参照)に収容される第2の電気回路(図示略)との間で、電力の伝達を行うデバイスである。
本実施の形態では例として、第1の電気回路に求められる防水規格の等級は、第2の電気回路に求められる防水規格の等級よりも低いとする。よって、第1の箱型部材1の内部空間6は、第2の箱型部材3の内部空間14よりも高い防水性は要求されない。
また、図2に示すように、第1の箱型部材1には、図1に示したネジ4が挿通される貫通孔7が形成されている。
次に、図3、図4を用いて、板状部材2について説明する。図3は、板状部材2の第1面の一例を示す外観斜視図である。図4は、板状部材2の第2面(第1面の裏面)の一例を示す外観斜視図である。
図3、図4に示す板状部材2は、第1の箱型部材1の内部空間6と第2の箱型部材3の内部空間14とを仕切る板状の部材(仕切り部材ともいう)である。板状部材2は、第1の箱型部材1の底面を構成するとともに、第2の箱型部材3の上面を構成する。
図3に示すように、板状部材2の第1面には、枠体8が形成されている。枠体8は、第1面と一体的に設けられてもよいし、第1面に対して着脱可能に設けられてもよい。
枠体8には、図1に示したネジ4が挿入されるネジ受け部(ネジ孔)9が設けられている。ネジ4が貫通孔7を介してネジ受け部9に挿入されることにより、第1の箱型部材1と板状部材2とがネジ留めされる。
また、図3、図4に示すように、板状部材2の中央部分には、板状部材2の第1面と第2面を貫通する1つの開口部10が設けられている。また、開口部10の周囲部分には、板状部材2の第1面と第2面を貫通する4つの貫通孔11が設けられている。
また、図3、図4に示すように、板状部材2の外周部分には、図1に示したネジ5が挿通される貫通孔12が設けられている。
次に、図5を用いて、第2の箱型部材3について説明する。図5は、第2の箱型部材3の一例を示す外観斜視図である。
図5に示すように、第2の箱型部材3は、一面(上面)が開口した箱型(略直方体状)の部材である。第2の箱型部材3の開口面は、上述した板状部材2の第2面によって被覆される。
第2の箱型部材3の内部空間14には、第2の電気回路(図示略)が収容される。第2の電気回路は、第1の箱型部材1の内部空間6に収容される第1の電気回路との間で、電力の伝達を行うデバイスである。
本実施の形態では例として、第2の電気回路に求められる防水規格の等級は、第1の電気回路に求められる防水規格の等級よりも高いとする。よって、第2の箱型部材3の内部空間14は、第1の箱型部材1の内部空間6よりも高い防水性が要求される。
また、図5に示すように、第2の箱型部材3の内部空間14には、第2の箱型部材3の底面から突出したネジ受け部材15が設けられている。ネジ受け部材15は、第2の箱型部材3の底面と一体的に設けられてもよいし、第2の箱型部材3の底面に対して着脱可能に設けられてもよい。
ネジ受け部材15には、後述するモールド28の位置決め用突起部31(図8参照)が挿入される位置決め用受け部16(孔)が設けられている。
また、ネジ受け部材15には、後述するネジ33(図9参照)が挿入されるネジ受け部17(ネジ孔)が設けられている。
また、図5に示すように、第2の箱型部材3の開口面の周囲部分には、後述する防水用封止部材32(図10参照)が配置される溝部18が設けられている。
また、図5に示すように、第2の箱型部材3の外周部分には、図1に示したネジ5が挿入されるネジ受け部19(ネジ孔)が設けられている。ネジ5が板状部材2の貫通孔12を介してネジ受け部19に挿入されることにより、第2の箱型部材3と板状部材2とがネジ留めされる。
次に、図6を用いて、第1の電気回路と第2の電気回路とを電気的に接続するバスバーについて説明する。図6は、第2の箱型部材3の内部空間14におけるバスバーの一例を示す外観斜視図である。なお、図6では、説明の便宜上、後述するモールド28の図示を省略している。
図6に示すように、第2の箱型部材3の内部空間14には、バスバー20、21、22、23、25、26が配置される。
まず、バスバー20について説明する。
バスバー20の一端には貫通孔20aが設けられており、バスバー20の他端には貫通孔20bが設けられている。
貫通孔20aには図示しないネジが挿通される。そのネジが貫通孔20aを介して第2の電気回路のネジ受け部(図示略)に挿入されることにより、バスバー20と第2の電気回路とがネジ留めされる。
貫通孔20bには図示しないネジが挿通される。例えば、そのネジが貫通孔20bと第1の電気回路(または、第1の電気回路と電気的に接続された図示しないバスバー)に設けられた図示しない貫通孔に挿通されることにより、バスバー20と第1の電気回路とがネジ留めされる。
次に、バスバー21について説明する。
バスバー21の一端には貫通孔21aが設けられており、バスバー21の他端には貫通孔21bが設けられている。
貫通孔21aには図示しないネジが挿通される。そのネジが貫通孔21aを介して第2の電気回路のネジ受け部(図示略)に挿入されることにより、バスバー21と第2の電気回路とがネジ留めされる。
貫通孔21bには図示しないネジが挿通される。例えば、そのネジが貫通孔21bと第1の電気回路(または、第1の電気回路と電気的に接続された図示しないバスバー)に設けられた図示しない貫通孔に挿通されることにより、バスバー21と第1の電気回路とがネジ留めされる。
次に、バスバー22、23について説明する。
バスバー22の一端には貫通孔22aが設けられており、バスバー22の他端には貫通孔22bが設けられている。また、バスバー23の一端には貫通孔23aが設けられており、バスバー23の他端には貫通孔23bが設けられている。
貫通孔22aと貫通孔23bにはネジ24が挿通される。これにより、バスバー22とバスバー23が接続される。なお、バスバー22とバスバー23は、一体的に形成されていてもよい。
貫通孔23aには図示しないネジが挿通される。そのネジが貫通孔23aを介して第2の電気回路のネジ受け部(図示略)に挿入されることにより、バスバー23と第2の電気回路とがネジ留めされる。
貫通孔22bには図示しないネジが挿通される。例えば、そのネジが貫通孔22bと第1の電気回路(または、第1の電気回路と電気的に接続された図示しないバスバー)に設けられた図示しない貫通孔に挿通されることにより、バスバー22と第1の電気回路とがネジ留めされる。
次に、バスバー25、26について説明する。
バスバー25の一端には貫通孔25aが設けられており、バスバー25の他端には貫通孔25bが設けられている。また、バスバー26の一端には貫通孔26aが設けられており、バスバー26の他端には貫通孔26bが設けられている。
貫通孔25aと貫通孔26bにはネジ27が挿通される。これにより、バスバー25とバスバー26が接続される。なお、バスバー25とバスバー26は、一体的に形成されていてもよい。
貫通孔26aには図示しないネジが挿通される。そのネジが貫通孔26aを介して第2の電気回路のネジ受け部(図示略)に挿入されることにより、バスバー26と第2の電気回路とがネジ留めされる。第2の電気回路の回路設計や配置最適化のために、第1の電気回路と電気的に接続する第2の電気回路(のネジ受け部)が、開口部10から離れた位置に設けられることがある。そのため、バスバー23、26を用いて延設させている。
貫通孔25bには図示しないネジが挿通される。例えば、そのネジが貫通孔25bと第1の電気回路(または、第1の電気回路と電気的に接続された図示しないバスバー)に設けられた図示しない貫通孔に挿通されることにより、バスバー25と第1の電気回路とがネジ留めされる。
バスバー20、21、22、25は、絶縁性および耐熱性を有する樹脂(例えば、ポリブチレンテレフタレート樹脂、または、ナイロン等)によりインサート成形される。本実施の形態では、インサート成形により成形された樹脂を「モールド28」と呼ぶ。
次に、図7、図8を用いて、モールド28について説明する。図7は、モールド28の上面側を示す外観斜視図である。図8は、モールド28の底面側を示す外観斜視図である。
図7、図8に示すように、モールド28は、バスバー20、21、22、25の一部分を被覆する。ここでいう一部分は、例えば、貫通孔20b、21b、22b、25bの形成部分の下方であって、少なくとも開口部10に挿通される部分を含む。
また、図7に示すように、モールド28の上面には、後述するネジ35(図12参照)が挿入されるネジ受け部(ネジ孔)29が設けられている。なお、モールド28の上面とは、板状部材2の第2面に相対する面をいう。
また、図7に示すように、モールド28の上面には、ネジ受け部29の開口面よりも上方に突出し、開口部10を閉塞しつつ、貫通する突出部28aが設けられている。突出部28aにおいて、貫通孔20b、21b、22b、25bの形成部分は、外部に露出している。この突出部28aは、板状部材2の開口部10を閉塞する部分である(図11、図12参照)。
また、図7に示すように、モールド28の上面には、モールド28の上面の外周に沿って、後述する防水用封止部材34(図10参照)が配置される溝部13が設けられている。溝部13は、突出部28aの外周よりもモールド28の外周側に設けられ、また、ネジ受け部(ネジ孔)29よりもモールド28の外周側に設けられる。
また、図8に示すように、モールド28の底面には、上述した位置決め用受け部16(図5参照)に挿入される位置決め用突起部31が設けられている。
また、図7、図8に示すように、モールド28の側面には、後述するネジ33(図9参照)が挿通される貫通孔30(ネジ孔)が設けられている。
次に、図9を用いて、モールド28と第2の箱型部材3とのネジ留めについて説明する。図9は、第2の箱型部材3とモールド28とがネジ留めされた状態を示す外観斜視図である。
まず、図8に示した位置決め用突起部31を、図5に示した位置決め用受け部16に挿入する。そして、図9に示すように、ネジ33を、図8に示した貫通孔30を介して、図5に示したネジ受け部17に挿入する。これにより、第2の箱型部材3とモールド28とがネジ留めされる。
次に、図9〜図13を用いて、第2の箱型部材3と板状部材2とのネジ留めについて説明する。図10は、第2の箱型部材3とモールド28に防水用封止部材が配置された状態を示す外観斜視図である。図11は、第2の箱型部材3に板状部材2が載せられた状態を示す外観斜視図である。図12は、板状部材2とモールド28がネジ留めされ、板状部材2と第2の箱型部材3がネジ留めされた状態を示す外観斜視図である。図13は、図12に示したモールド28の図示を省略した外観斜視図である。
図9に示したように第2の箱型部材3とモールド28とをネジ33によりネジ留めした後、図10に示すように、図9に示した溝部13に防水用封止部材34を配置(はめ込み)し、図9に示した溝部18に防水用封止部材32を配置する。防水用封止部材32、34は、弾性部材であり、例えば、シリコンまたはエチレンプロピレンゴムである。
溝部13、18にそれぞれ配置された防水用封止部材32、34は、図10に示すように上方にはみ出すが、後述する板状部材2と第2の箱型部材3とのネジ留めおよび板状部材2とモールド28とのネジ留めにより、押しつぶされる。これにより、板状部材2の第2面と第2の箱型部材3の開口面の周囲部分とが隙間無く接着される。また、板状部材2の第2面とモールド28の上面(突出部28a以外の面)とが隙間無く接着される。
図10に示したように防水用封止部材32、34を配置した後、図11に示すように、板状部材2を第2の箱型部材3に載置する。このとき、突出部28aは、板状部材2の開口部10に挿入され、その開口部10を閉塞する。また、このとき、板状部材2の貫通孔11の位置と、モールド28のネジ受け部29(図7、図9参照)の位置とが一致する。また、このとき、板状部材2の貫通孔12の位置と、第2の箱型部材3のネジ受け部19の位置とが一致する。
図11に示したように第2の箱型部材3に板状部材2を載置した後、図12に示すように、ネジ5を用いて板状部材2と第2の箱型部材3とのネジ留めを行い、ネジ35を用いて板状部材2とモールド28とのネジ留めを行う。具体的には、ネジ5を、図11に示した貫通孔12とネジ受け部19に挿入することにより、板状部材2と第2の箱型部材3とをネジ留めする。また、ネジ35を、図11に示した貫通孔11とネジ受け部29(図7、図9参照)に挿入することにより、板状部材2とモールド28とをネジ留めする。
図12において突出部28aの図示を省いた状態を、図13に示す。図13に示すように、バスバー20、21、22、25は、それぞれ、開口部10に挿通されている。また、バスバー20における貫通孔20bの形成部分、バスバー21における貫通孔21bの形成部分、バスバー22における貫通孔22bの形成部分、および、バスバー25における貫通孔25bの形成部分は、それぞれ、板状部材2の第1面よりも上方に位置している。すなわち、上記各形成部分は、第1の箱型部材1の内部空間6に位置することになる。
図1を用いて、第1の箱型部材1と板状部材2とのネジ留めについて説明する。
図12に示したように板状部材2と第2の箱型部材3とのネジ留めおよび板状部材2とモールド28とのネジ留めを行った後、図1に示すように、第1の箱型部材1を板状部材2に載置する。このとき、第1の箱型部材1の貫通孔7(図2参照)の位置と、板状部材2の枠体8に形成されたネジ受け部9(図12参照)の位置とが一致する。
そして、ネジ4を、図2に示した貫通孔7と図12に示したネジ受け部9に挿入することにより、第1の箱型部材1と板状部材2とをネジ留めする。これにより、図1に示した筐体100が完成される。
以上説明したように、本実施の形態によれば、1つの開口部10に複数のバスバー20、21、22、25が挿通させ、それらのバスバーをインサート成形したモールド28により開口部10を閉塞し、モールド28と板状部材2とを防水用封止部材32を介して密着させ、第2の箱型部材3と板状部材2とを防水用封止部材34を介して密着させる。すなわち、防水規格の等級が異なる空間(内部空間6、14)の間を挿通させる必要があるバスバーが複数ある場合であっても、複数のバスバー20、21、22、25を収束させて1つの開口部10から挿通させることで、複数のバスバー各々に対応する開口部を設け、当該開口部を閉塞(防水)させる場合に比べて、防水のための部品点数および組立工数を削減しつつ、防水性を確保することが可能である。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について説明する。
実施の形態1では、ネジ33によりモールド28と第2の箱型部材3とをネジ留めし、かつ、ネジ35によりモールド28と板状部材2とをネジ留めしたが、その場合、モールド28は上下方向の両方から締結されることになるため、板状部材2とモールド28の間に空隙が生じ、内部空間14の防水性が弱くなるおそれがある。そこで、下方向の締結(ネジ33によるモールド28と第2の箱型部材3とのネジ留め)を止めて、上方向の締結(ネジ35によるモールド28と板状部材2とのネジ留め)のみにすることが考えられる。しかしながら、高い剛性を有する複数のバスバー20、21、22、23、25、26が第2の電気回路に接続固定されているため、上方向の締結により、モールド28が上方向に持ち上がった際に、バスバーや第2の電気回路の所定箇所に負荷が生じるおそれがある。そこで、本実施の形態では、可撓性を有しないバスバーに可撓性を有するワイヤーハーネスを接続する構成を採用することで、モールド28と板状部材2とのネジ留めによるモールドの上方向の持ち上がりを許容し、防水性を確保するとともに、バスバーや第2の電気回路の所定箇所における負荷の発生を抑えるようにする。
以下、本実施の形態の構成を説明するが、筐体100を構成する第1の箱型部材1、板状部材2、および第2の箱型部材3については、実施の形態1と基本的に同じであるので、それらの説明は省略する。
まず、図14、図15を用いて、本実施の形態に係るバスバーとワイヤーハーネスの接続構成の一例について説明する。図14、図15は、本実施の形態に係るバスバーおよびワイヤーハーネスの一例を示す外観斜視図である。なお、図14、図15において、実施の形態1の説明に用いた各図と同一の構成要素については同一符号を付し、それらの説明は省略する。
図14、図15において、ワイヤーハーネス36〜39は可撓性を有する一方、バスバー23、26、40〜43は可撓性を有しない。
まず、ワイヤーハーネス36とバスバー43について説明する。
ワイヤーハーネス36の一端には貫通孔36aが設けられており、ワイヤーハーネス36の他端には貫通孔36bが設けられている。また、バスバー43の一端には貫通孔43aが設けられており、バスバー43の他端には貫通孔43bが設けられている。
貫通孔36aには図示しないネジが挿通される。そのネジが貫通孔36aを介して第2の電気回路のネジ受け部(図示略)に挿入されることにより、ワイヤーハーネス36と第2の電気回路とがネジ留めされる。
貫通孔36bと貫通孔43aにはネジ44(図17参照)が挿通される。これにより、ワイヤーハーネス36とバスバー43が接続される。
貫通孔43bには図示しないネジが挿通される。例えば、そのネジが貫通孔43bと第1の電気回路(または、第1の電気回路と電気的に接続された図示しないバスバー)に設けられた図示しない貫通孔に挿通されることにより、バスバー43と第1の電気回路とがネジ留めされる。
次に、ワイヤーハーネス37とバスバー40について説明する。
ワイヤーハーネス37の一端には貫通孔37aが設けられており、ワイヤーハーネス37の他端には貫通孔37bが設けられている。また、バスバー40の一端には貫通孔40aが設けられており、バスバー40の他端には貫通孔40bが設けられている。
貫通孔37aには図示しないネジが挿通される。そのネジが貫通孔37aを介して第2の電気回路のネジ受け部(図示略)に挿入されることにより、ワイヤーハーネス37と第2の電気回路とがネジ留めされる。
貫通孔37bと貫通孔40aにはネジ45(図17参照)が挿通される。これにより、ワイヤーハーネス37とバスバー40が接続される。
貫通孔40bには図示しないネジが挿通される。例えば、そのネジが貫通孔40bと第1の電気回路(または、第1の電気回路と電気的に接続された図示しないバスバー)に設けられた図示しない貫通孔に挿通されることにより、バスバー40と第1の電気回路とがネジ留めされる。
次に、ワイヤーハーネス38とバスバー41について説明する。
ワイヤーハーネス38の一端には貫通孔38aが設けられており、ワイヤーハーネス38の他端には貫通孔38bが設けられている。また、バスバー41の一端には貫通孔41aが設けられており、バスバー41の他端には貫通孔41bが設けられている。
貫通孔38aとバスバー23の貫通孔23bにネジ24が挿通される。これにより、ワイヤーハーネス38とバスバー23が接続される。
貫通孔38bと貫通孔41aにはネジ46(図17参照)が挿通される。これにより、ワイヤーハーネス38とバスバー41が接続される。
貫通孔41bには図示しないネジが挿通される。例えば、そのネジが貫通孔41bと第1の電気回路(または、第1の電気回路と電気的に接続された図示しないバスバー)に設けられた図示しない貫通孔に挿通されることにより、バスバー41と第1の電気回路とがネジ留めされる。
次に、ワイヤーハーネス39とバスバー42について説明する。
ワイヤーハーネス39の一端には貫通孔39aが設けられており、ワイヤーハーネス39の他端には貫通孔39bが設けられている。また、バスバー42の一端には貫通孔42aが設けられており、バスバー42の他端には貫通孔42bが設けられている。
貫通孔39aとバスバー26の貫通孔26bにネジ27が挿通される。これにより、ワイヤーハーネス39とバスバー26が接続される。
貫通孔39bと貫通孔42aにはネジ47(図17参照)が挿通される。これにより、ワイヤーハーネス39とバスバー42が接続される。
貫通孔42bには図示しないネジが挿通される。例えば、そのネジが貫通孔42bと第1の電気回路(または、第1の電気回路と電気的に接続された図示しないバスバー)に設けられた図示しない貫通孔に挿通されることにより、バスバー42と第1の電気回路とがネジ留めされる。
バスバー40〜43は、絶縁性および耐熱性を有する樹脂(例えば、ポリブチレンテレフタレート樹脂、または、ナイロン等)により、貫通孔40a〜43a、貫通孔40b〜43bにネジ留めが可能となるようにインサート成形される(図16、図17参照)。このインサート成形により成形されたモールド28bは、実施の形態1で説明したモールド28の形状とほぼ同じである。
次に、図16、図17を用いて、モールド28bについて説明する。図16は、モールド28bの上面側を示す外観斜視図である。図17は、モールド28bの底面側を示す外観斜視図である。
図16、図17に示すように、モールド28bは、バスバー40〜43の一部分を被覆する。ここでいう一部分は、例えば、貫通孔40b、41b、42b、43bの形成部分の下方であって、少なくとも開口部10に挿通される部分を含む。
また、図16、図17に示すように、モールド28bは、実施の形態1で説明した貫通孔30(図7、図8参照)を備えない。また、図示は省略するが、第2の箱型部材3の受け部材15は、ネジ受け部17(図5、図6参照)を備えない。すなわち、本実施の形態では、図9に示したネジ33によるモールド28bと第2の箱型部材3とのネジ留めは行われない。
具体的には、まず、図17に示した位置決め用突起部31を、図5に示した位置決め用受け部16に挿入することにより、モールド28bの位置が仮固定される。ここで、モールド28bは第2の箱型部材3と締結されないため、上下方向に変位可能である。なお、図5には、ネジ受け部17が図示されているが、実施の形態2では、ネジ受け部17は不要である。
次に、実施の形態1と同様に、図11に示すように、板状部材2を第2の箱型部材3に載置する。このとき、突出部28aは、板状部材2の開口部10に挿入され、その開口部10を閉塞する。また、このとき、板状部材2の貫通孔11の位置と、モールド28のネジ受け部29(図16参照)の位置とが一致する。
図11に示したように第2の箱型部材3に板状部材2を載置した後、図12に示すように、ネジ35を用いて板状部材2とモールド28bとのネジ留めを行う。具体的には、ネジ35を、図11に示した貫通孔11とネジ受け部29(図16参照)に挿入することにより、板状部材2とモールド28bとをネジ留めする。
このとき、上述の通り、モールド28bと第2の箱型部材3とのネジ留めは行われていないため、ネジ35のネジ留めにより、モールド28bは上方向(板状部材2側)に変位する。これにより、モールド28bの外周に沿って設けられた防水用封止部材34が、板状部材2とモールド28bに確実に押しつぶされ、板状部材2の第2面とモールド28bの上面(突出部28a以外の面)とが隙間無く接着され、防水性が確保される。
また、モールド28bが上方向(板状部材2側)に変位した場合であっても、バスバー40〜43と第2の電気回路の間に、可撓性を有するワイヤーハーネス36〜39が介在するため、モールド28bの変位による位置ずれをワイヤーハーネス36〜39で吸収することが可能であり、バスバー23、26や第2の電気回路への負荷の発生を抑えることができる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、実施の形態1の作用効果に加え、以下の作用効果を得ることができる。すなわち、本実施の形態では、可撓性を有しないバスバーに可撓性を有するワイヤーハーネスを接続する構成を採用することで、モールド28と板状部材2とのネジ留めによるモールドの上方向の持ち上がりを許容し、筐体100の所定箇所における負荷の発生を抑えることができる。
(実施の形態3)
次に、実施の形態3について説明する。
以下、本実施の形態の構成について、図18〜図20を用いて説明する。なお、図18〜図20において図1〜図17と共通する構成要素には同一符号を付し、それらの説明は省略する。
まず、図18を用いて、本実施の形態に係る筐体101の全体構成について説明する。図18は、筐体101の一例を示す外観斜視図である。
図18に示すように、筐体101は、蓋部材50、板状部材2、第2の箱型部材3(本実施の形態では、以下、箱型部材3という)を有し、板状部材2によって内部が第1の空間(例えば、後述の枠体8aの内部空間6)と第2の空間(例えば、箱型部材3の内部空間14)に分けられた1つの筐体である。蓋部材50と板状部材2の枠体8aは、複数のネジ4によりネジ留めされる。箱型部材3と板状部材2は、複数のネジ5によりネジ留めされる。蓋部材50、板状部材2、箱型部材3は、例えば、金属製である。
次に、図19を用いて、蓋部材50について説明する。図19は、蓋部材50の一例を示す外観斜視図である。
図19に示すように、蓋部材50は板状の部材であり、その外周部分には図1に示したネジ4が挿通される貫通孔51が形成されている。
次に、図20を用いて、板状部材2について説明する。図20は、板状部材2の第1面の一例を示す外観斜視図である。
図20に示す板状部材2は、枠体8aの内部空間6(第1の空間の一例)と箱型部材3の内部空間14(図5参照。第2の空間の一例)とを仕切る板状の部材(仕切り部材ともいう)である。板状部材2の第1面は、内部空間6に面し、板状部材2の第2面(第1面の裏面)は、内部空間14に面する。なお、板状部材2の第2面の外観は、実施の形態1で説明した図5と同様である。
図20に示すように、板状部材2の第1面には、枠体8aが形成されている。枠体8aは、第1面と一体的に設けられてもよいし、第1面に対して着脱可能に設けられてもよい。
図20に示した枠体8aは、実施の形態1で説明した枠体8(例えば図3参照)よりも高背である。本実施の形態では、枠体8aにより囲まれた空間が内部空間6となる。
図20に示した内部空間6には、実施の形態1、2と同様に、第1の電気回路(図示略)が収容される。第1の電気回路は、後述する箱型部材3の内部空間14(図5参照)に収容される第2の電気回路(図示略)との間で、電力の伝達を行うデバイスである。
本実施の形態では例として、第1の電気回路に求められる防水規格の等級は、第2の電気回路に求められる防水規格の等級よりも低いとする。よって、枠体8aに囲まれた内部空間6は、箱型部材3の内部空間14よりも高い防水性は要求されない。
また、図20に示すように、枠体8aには、図18に示したネジ4が挿入されるネジ受け部(ネジ孔)9が設けられている。ネジ4が貫通孔51(図19参照)を介してネジ受け部9に挿入されることにより、蓋部材50と枠体8aとがネジ留めされる。これにより、枠体8aの開口面は、蓋部材50によって被覆される。
また、図20に示すように、板状部材2の中央部分には、板状部材2の第1面と第2面を貫通する1つの開口部10が設けられている。また、開口部10の周囲部分には、板状部材2の第1面と第2面を貫通する4つの貫通孔11が設けられている。
また、図20に示すように、板状部材2の外周部分には、図18に示したネジ5が挿通される貫通孔12が設けられている。
なお、本実施の形態では、枠体8aが形成された板状部材2を用いたが、これに限定されない。例えば、図20に示した板状部材2の代わりに、上面が開口した箱型部材(以下、第3の箱型部材という)を用いてもよい。その場合、第3の箱型部材の上面(開口面)は蓋部材50によって被覆され、第3の箱型部材の底面は箱型部材3の上面(開口面)を被覆する。このとき、第3の箱型部材の底面は、第3の箱型部材の内部空間と箱型部材3の内部空間14とを仕切る仕切り部材として機能する。
箱型部材3の外観は、図5と同様である。また、箱型部材3の内部空間14における構成(例えば、バスバー、モールド等)は、実施の形態1の構成(例えば、図6〜図10参照)または実施の形態2の構成(例えば、図14〜図17参照)のいずれであってもよい。
以上説明したように、本実施の形態によれば、実施の形態1または実施の形態2の作用効果を得ることができる。
以上、本発明の実施の形態1〜3について説明したが、上記説明は一例であり、種々の変形が可能である。以下、変形例について説明する。
(変形例1)
上記各実施の形態では、所定の部材同士をネジ留めする場合を例に挙げて説明したが、所定の部材同士の接続方法は、ネジ留めに限定されない。
(変形例2)
上記各実施の形態では、開口部10を挿通するバスバーが4つである場合を例に挙げて説明したが、開口部10を挿通するバスバーの数は、これに限定されず、複数であればよい。
(変形例3)
上記各実施の形態では、バスバー20(またはワイヤーハーネス36)、バスバー21(またはワイヤーハーネス37)、バスバー23、バスバー26に接続される第2の電気回路が共通の1つである場合を例に挙げたが、異なる複数の第2の電気回路であってもよい。例えば、バスバー20(またはワイヤーハーネス36)とバスバー21(またはワイヤーハーネス37)が第2の電気回路Aに接続され、バスバー23とバスバー26が第2の電気回路B(第2の電気回路Aとは異なるもの)に接続されてもよい。
上記各実施の形態では、バスバー20(またはバスバー43)、バスバー21(またはバスバー40)、バスバー22(またはバスバー41)、バスバー25(またはバスバー42)に接続される第1の電気回路が共通の1つである場合を例に挙げたが、異なる複数の第1の電気回路であってもよい。例えば、バスバー20(またはバスバー43)とバスバー21(またはバスバー40)が第1の電気回路Aに接続され、バスバー22(またはバスバー41)とバスバー25(またはバスバー42)が第1の電気回路B(第1の電気回路Aとは異なるもの)に接続されてもよい。
(変形例4)
上記各実施の形態では、第2の電気回路に求められる防水規格の等級は、第1の電気回路に求められる防水規格の等級よりも高く、第2の箱型部材3の内部空間14は、第1の箱型部材1の内部空間6よりも高い防水性が要求される場合を例に挙げたが、逆であってもよい。すなわち、第1の電気回路に求められる防水規格の等級は、第2の電気回路に求められる防水規格の等級よりも高く、第1の箱型部材1の内部空間6は、第2の箱型部材3の内部空間14よりも高い防水性が要求される場合でもよい。
(変形例5)
上記各実施の形態では、第2の箱型部材3の底面から突出して設けられた受け部材15に、位置決め用受け部16およびネジ受け部17を設ける場合を例に挙げたが、これに限定されない。例えば、受け部材15の代わりに、位置決め用受け部16およびネジ受け部17を設けたやぐら形状の部材を用いてもよい。
(変形例6)
上記各実施の形態では、筐体100は、第1の箱型部材1、板状部材2、第2の箱型部材3を合わせて1つの筐体を構成するとしたが、これに限定されない。例えば、筐体100は、第1の箱型部材1、板状部材2、第2の箱型部材3を合わせない1つの筐体(複数の筐体に分離できない1つの筐体)であってもよい。また、上記各実施の形態では、板状部材2が1枚である場合を例に挙げて説明したが、板状部材2は複数枚であってもよい。
(変形例7)
上記実施の形態2では、ワイヤーハーネス38がバスバー23と接続され、ワイヤーハーネス39がバスバー26と接続される構成を例に挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、図14、図15において、バスバー23、バスバー26の代わりに、ワイヤーハーネスを用いてもよい。
または、例えば、図14、図15において、バスバー23、バスバー26の代わりに、ワイヤーハーネスを用い、かつ、ワイヤーハーネス38とバスバー41、ワイヤーハーネス39とバスバー42の代わりに、バスバー(例えば、図6に示したバスバー22、25)を用いてもよい。すなわち、インサート成形されたバスバー40〜43と第2の電気回路の間に、可撓性を有するワイヤーハーネスが介在する構成になればよい。
(変形例8)
上記各実施の形態では、板状部材2の開口部10が1つ設けられる場合を例示したが、これに限定されない。例えば、2つ開口部10が設けられ、各開口部10に対応してモールドが設けられてもよい。但し、複数のバスバー(20、21、22、25)の数よりも開口部10の数が小さいことが好ましい。
(変形例9)
上記実施の形態3では、枠体8aが、内部空間6の4側面を構成する場合を例示したが、これに限定されない。例えば、枠体の一部のみが高背化され、内部空間6の1側面のみを構成してもよい。この場合、残りの3側面および上面を覆うように、実施の形態1の第1の箱型部材1の側面が1つ開口されたような部材が、配置される。なお、第1の電気回路と筐体外の電気回路を接続するコネクタは、内部空間6の側面を構成する枠体に設けられることが好ましい。