JP6663756B2 - ガス検査機の点検処理システム - Google Patents
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更に、吸引流量異常ではあるが吸引流量が完全にはゼロではないガス検査機に対してガス警報確認処理を実行すると、点検用ガスが小流量ではあるがガス検査機に吸引されることで、ガス検査機から警報が出力され、結果、この警報の出力により正常状態であると誤判定してしまう恐れがあった。
当該点検処理手段が、前記点検処理として、前記ガス検査機のガス導入部にガス供給部を介して点検用ガスを供給して、前記ガス検査機のガス警報機能の異常の有無を確認するガス警報確認処理を実行するガス検査機の点検処理システムであって、
前記点検処理手段が、前記点検処理として、当該ガス警報確認処理の実行前に、
前記ガス検査機において前記ガス導入部の閉塞時に所定の閉塞警報を出力する閉塞警報機能の異常の有無を確認する閉塞警報確認処理と、前記ガス検査機のガス導入部からのガス吸引流量が適正流量範囲から乖離している吸引流量異常の有無を確認する吸引流量確認処理とを順に実行する点にある。
前記点検処理手段が、前記点検処理の終了時に、前記ガス検査機のガス導入部に大気を供給して当該ガス検査機のクリーニングを行うクリーニング処理を実行する点にある。
前記ガス供給部からのガス流出を遮断可能に構成され、
前記点検処理手段が、前記閉塞警報確認処理において、前記ガス検査機のガス導入部に前記ガス供給部を接続した状態で、当該ガス供給部からのガス流出を遮断させて、当該遮断に伴う前記ガス検査機の閉塞警報機能による前記閉塞警報の出力の有無を確認する点にある。
即ち、ガス検査機の閉塞警報機能では、例えば吸引ポンプの負荷の異常上昇を検知することにより、ガス導入部の状態がゴミ等により閉塞している閉塞状態であると判定し、そのことを閉塞異常として、所定の閉塞警報を出力する。このことを利用して、上記閉塞警報確認処理では、ガス検査機の導入部に接続されたガス供給部からのガス流出を遮断することで、ガス導入部の状態を擬似的な閉塞状態にして、ガス検査機の閉塞警報機能が正常に作動しているか否かを簡易に確認することができる。
前記点検処理手段が、前記吸引流量確認処理において、前記ガス供給部への前記点検用ガスの供給を停止すると共に、前記ガス検査機のガス導入部に前記ガス供給部を接続した状態で、前記大気開放経路を介して当該ガス供給部を大気開放させて、当該大気開放時に前記開放流量計測部で計測されたガス流量を前記ガス検査機のガス吸引流量として取得して、前記吸引流量異常の有無を確認する点にある。
即ち、上記吸引流量確認処理において、ガス検査機の導入部に接続されたガス供給部を、大気開放経路を介して、大気開放させる。すると、ガス検査機は当該大気開放経路を通じて大気を吸引する状態となるので、大気開放経路に設けられた開放流量計測部の計測結果を、ガス検査機のガス導入部からのガス吸引流量として取得し、その取得したガス吸引流量を適正流量範囲と比較して、吸引流量異常の有無を判定することができる。更に、この吸引流量確認処理では、大気を利用してガス検査機のガス吸引流量を取得するので、点検用ガスの浪費を抑制することができる。
当該点検用ガスの供給先を前記ガス供給部から外部に切り替えて当該点検用ガスを排気可能に構成され、
前記点検処理手段が、前記閉塞警報確認処理又は前記吸引流量確認処理の実行時に、前記希釈処理で生成された点検用ガスを外部に排気して、前記点検用ガスの濃度を安定化させる濃度安定化処理を実行する点にある。
また、このような希釈処理の初期段階では、上記濃度安定化処理が実行されて、流量や濃度が未だ安定していない点検用ガスが外部に排気されるので、後のガス警報確認処理の実行当初から流量や濃度が安定した点検用ガスをガス検査機のガス導入部に供給して正確な点検結果を得ることができる。
更に、この濃度安定化処理は、上記ガス警報確認処理に実行前の上記閉塞警報確認処理又は上記吸引流量確認処理と同時に実行されるので、当該濃度安定化処理の追加による点検処理時間の延長を抑制することができる。
前記ガス検査機の複数を点検対象として、当該点検対象とした複数のガス検査機に対して、直列的に前記点検処理を順次実行すると共に、当該点検処理において異常が確認された場合には、その異常が確認されたガス検査機に対する点検処理を終了して、次のガス検査機に対する点検処理に移行する点にある。
図1に示す点検処理システム100は、ガス検査機70の状態を点検するための点検処理方法を実施するシステムとして構成されており、ガス検査機70を収容するための収容部5が正面に設けられたシステム本体1と、当該収容部5に着脱自在に装着されて、ガス検査機70の収容部5への収容を可能とするアダプタ50とを備える。
先ず、ガス検査機70の構成について、図1、及び図2を参照して説明する。
ガス検査機70は、詳細については後述するが、ガス導入部72から導入した導入ガス中の特定成分としての例えば可燃性ガス(水素、メタン、プロパン等)や一酸化炭素の状態に応じて所定のガス警報を出力するガス警報機能を有すると共に、ガス導入部72の閉塞時に所定の閉塞警報を出力する閉塞警報機能を有する。
ガス導入部72は、検査機本体71から突出形成された略筒状の筒状部74、及び、当該筒状部74の先端側に連接する尖状の吸引ノズル73で構成されている。一方、検査機本体71内には、ガス導入部72を介して外部のガスを吸引するための吸引ポンプ75が設けられており、このことで、ガス検査機70は、吸引ノズル73から積極的にガスを吸引する吸引式に構成されている。
更に、検査機本体71内には、吸引ポンプ75で吸引した導入ガスが供給されて当該導入ガス中の特定成分に感応するセンサ素子等で構成されたセンサ部76、及び、コンピュータからなる制御部78等が設けられている。
次に、点検処理システム100の詳細構成、即ち点検処理システム100が備えるシステム本体1及びアダプタ50の詳細構成について、順に説明する。
尚、以下の説明では、点検処理システム100の点検対象を吸引式のガス検査機70とする例を説明するが、吸引式のガス検査機70以外にも、ガスが自然にセンサ部に導入される拡散式のガス検査機を点検対象としても構わない。また、この場合、必要な処理を適宜追加又は不要な処理を適宜割愛しても構わない。
次に、点検処理システム100が備えるシステム本体1の構成について、図1、図2、及び図7〜図13を参照して説明する。
図1に示すように、システム本体1の前面には、ガス検査機70を収容するための4つの収容部5が設けられており、このことでガス検査機70の複数を点検対象とすることが可能となる。システム本体1の前面には、このような収容部5の他に、ディスプレイ3やその他操作スイッチ及びスピーカなどの機器が配置されており、更には、点検対象となるガス検査機70のセンサ部76が感応する特定成分を含む原料ガスを貯留する2つのガス容器C1,C2が着脱自在に装着されている。尚、詳細は後述するが、このガス容器C1,C2に貯留される原料ガスは、適宜大気で希釈されて点検用ガスとして利用される。
図1及び図2に示すように、この収容部5の内部奥面側には、ガス検査機70のガス導入部72に点検用ガス等のガスを供給するためのガス供給部である給気用継手5aと、ガス検査機70から排出された排気を吸引して外部に排出するための排気吸引部である排気用継手5bと、アダプタ50に設けられた基盤52のコネクタ55に接続されるコネクタ5cとが配置されている。
尚、図1において、アダプタ50が装着されていない収容部5には、ガス検査機70の誤挿入等を防止するために、その前面にカバー5dが設けられている。
更に、制御部2は、上記点検処理手段2aに加えて、収容部5に装着されたアダプタ50の識別情報であるアダプタ識別情報を取得可能なアダプタ識別情報取得手段2b、及び、収容部5に収容されたガス検査機70の識別情報であるガス検査機識別情報を取得可能なガス検査機識別情報取得手段2cとしても機能する。
一方、ガス検査機識別情報取得手段2cは、収容部5にアダプタ50を介在させて収容されたガス検査機70側の制御部78との間で通信を行うことで、当該制御部78から、ガス検査機70の型式等のガス検査機識別情報を当該ガス検査機70が収容された収容部5に関連付けて取得する。
尚、アダプタ識別情報の取得タイミングについては、ガス検査機情報の取得タイミングと同様に、ガス検査機70の収容部5への収容時とすることができるが、ガス検査機70の収容時における情報処理量の削減等を目的として、収容部5へのアダプタ50の装着時とされている。
尚、図7〜図13では、弁V1〜V13において、閉状態のポートを黒塗り三角で示し、開状態のポートを白抜き三角で示している。
点検用ガスG1が通流する点検用ガス経路6cは、合流部B1から、三方弁V4、三方弁V3、分岐部B2、及び三方弁V1を経由して、給気用継手5aまでの経路として設けられている。
そして、この原料ガス経路6bや点検用ガス経路6cのように、点検用ガスG1又はその原料となる原料ガスG0が通流する経路をガス経路と呼ぶ。
また、給気用継手5aを大気開放可能な大気開放経路は、給気用継手5aから、三方弁V1、三方弁V3、流量計Mf1、及びフィルタF2を経由して、開放部O2までの経路として設けられている。
次に、アダプタ50の構成について、図1、図2、及び図3に基づいて説明する。
アダプタ50は、図1に示すように、システム本体1の正面に設けられた収容部5に対して着脱自在に装着されて、ガス検査機70の収容部5への収容を可能とするものとして構成されている。即ち、アダプタ50の外形はその収容部5の内部に正面側から挿入されて内嵌するよう共通の矩形断面を有し、アダプタ50の正面側の上下には、システム本体1に対してアダプタ50をネジにて固定するための取付用爪64が上下方向に突出形成されている。
そして、このアダプタ50は、収容部5に対して正面側から奥行き方向に挿入し、当該アダプタ50の取付用爪64を収容部5の縁部にネジにて固定する形態で、収容部5に装着される。
尚、このようなアダプタ50の選定及び装着は、使用者が自ら行っても構わないが、誤った選定や装着等を防止するために、点検処理システム100の販売者側で行うことが望ましい。
このアダプタ50の上側ケーシング50aの下面側や下側ケーシング50bの上面側には、上記ガス検査機収容部60以外に、詳細については後述するが、排気用チューブ57やフィルタ58が設けられる排気案内路56、給気用チューブ62が設けられる給気案内路61、通信部53や制御部54等が設けられた基盤52が収容される基盤収容部51、及び、通信用通路63などを形成するための各種凹部が設けられている。
そして、アダプタ50には、これら通信部79,53間で送受信される通信用赤外線を通過させるための通信用通路63が左右方向に延出する姿勢でアダプタ50に形成されている。このことで、ガス検査機70をアダプタ50のガス検査機収容部60に収容する際に、完全に収容された時点でこれら通信部79,53間の赤外線通信が可能となる。そこで、このような赤外線通信が可能となった状態を検出することで、ガス検査機70の収容完了を判定することができる。
尚、アダプタ50において、通信部53を設ける基盤52については、多種のアダプタに採用可能なように、複数種の通信部53のパターンを準備しておき、製造時にどの通信部を実装するかを決定することで、当該基盤52の共通化が図られている。
次に、上述した点検処理システム100で実行される点検処理方法について、図4〜図13を参照して、説明する。
先ず、作業者は、点検対象となるガス検査機70を作動させた状態で、収容部5に装着されたアダプタ50のガス検査機収容部60に挿入する。すると、前述したように、ガス検査機70側の吸引ノズル73がアダプタ50側の給気用チューブ62に接続されると共に、ガス検査機70側の通信部79とアダプタ50側の通信部53との間の赤外線通信が可能な状態となる。そして、システム本体1側の制御部2は、その赤外線通信が可能となった状態を、ガス検査機70の収容完了として判定する。
そして、点検処理方法では、図4に示すように、整合性確認処理(#S1)及び所定のグルーピング処理(#S2)を順に実行して、点検対象のガス検査機70を決定(#S3)した上で、当該決定したガス検査機70に対して点検処理(#S4)を実行する。また、この点検処理(#S4)の実行後には、クリーニング処理(#S6)を実行する。また、4つの収容部5に対してガス検査機70が複数収容されている場合には、そのガス検査機の複数を点検対象として、当該点検対象とした複数のガス検査機70に対して、直列的に点検処理(#S4)を順次実行する。尚、本実施形態では、点検処理方法を構成する各種処理は直列的に順次実行するものとするが、それの処理順序を変更したり、複数の処理の少なくとも一部を重複させたり、別の処理を間に介在させるなどのように、適宜可能な範囲内で実行手順を変更しても構わない。
以下、これら点検処理方法を構成する各処理の詳細について順に説明を加える。
図4に示す整合性確認処理(#S1)では、点検処理(#S4)の実行前に、アダプタ識別情報取得手段2bで取得したアダプタ識別情報とガス検査機識別情報取得手段2cで取得したガス検査機識別情報との整合性を確認する。
即ち、この整合性確認処理(#S1)では、アダプタ50の装着時に予め記憶部4に記憶した各収容部5のアダプタ識別情報を参照し、収容部5に収容されたガス検査機70のガス検査機識別情報が、同じ収容部5に関連付けられたアダプタ識別情報に適合するか否かを比較する形態で、点検対象となるガス検査機70に対して適合したアダプタ50が使用されているか否かを確認する。そして、適合していない場合には、点検処理(#S4)を停止して使用者にその旨を通知し、逆に、適合している場合には、次のグルーピング処理(#S2)に進む。
そして、このような整合性確認処理(#S1)を実行することで、例えばアダプタ50に対しそれに適合しないガス検査機70がセットされた状態で後の点検処理(#S4)が実行されることが防止される。よって、このようなガス検査機70とアダプタ50との組み合わせが不適合であることに起因する点検用ガスの漏洩や誤った点検結果を得るという問題が回避される。
図4に示すグルーピング処理(#S2)では、4つの収容部5に収容されたガス検査機70の複数を点検対象として、当該点検対象とした複数のガス検査機70の夫々に対して、当該ガス検査機70に供給する点検用ガスに応じてグループ分けを行う。更に、このグルーピング処理(#S2)では、点検用ガスに関する種々の情報をグループ分けの指標とすることができるが、本実施形態では、ガス検査機70に供給する点検用ガスの組成や濃度をグループ分けの指標としている。
そして、このようにグルーピング処理(#S2)を実行して、当該グループ毎に順次点検処理(#S4)を実行することで、点検対象の切り替えに伴う点検用ガスの組成や濃度の変更が簡素化されている。
図4に示す点検処理(#S4)の詳細な処理フローを図5に示す。図5に示すように、この点検処理では、点検対象のガス検査機70に対して、作業者確認処理(#S10)、初期確認処理(#S12)、閉塞警報確認処理(#S13)、吸引流量確認処理(#S14)、及びガス警報確認処理(#S15)を順に実行する。また、ガス警報確認処理の実行前、具体的には初期確認処理(#S12)〜吸引流量確認処理(#S14)の実行に並行して、濃度安定化処理(#S11)を実行する。
以下、これら点検処理を構成する各種処理の詳細について説明を加える。
作業者確認処理(#S10)では、ディスプレイ3に作業者確認画面(図6(b)参照)を表示する。この作業者確認画面には、作業者が目視等で確認すべき点検項目が表示されており、作業者は、この表示に沿ってガス検査機70の目視等による点検を行い、問題がない場合には、同画面に表示されている「確認完了」ボタンを操作する。その「確認完了」ボタンが操作されると、この作業者確認処理(#S10)を終了し、ディスプレイ3の作業者確認画面(図6(b)参照)をバンプテスト画面(図6(c)参照)に遷移させると共に、次の初期確認処理(#S12)の実行を開始する。
初期確認処理(#S12)での各種補機の作動状態及びガスの流れ状態を図7に示す。この初期確認処理(#S12)では、オートゼロ設定と電池残量確認を行う。
オートゼロ設定では、ガス検査機70のガス導入部72が接続された給気用継手5aを、開放部O1に開放させるよう、三方弁V1の切替状態を設定する。すると、ガス検査機70は、ガス導入部72から開放部O1を介して大気OAを吸引し、当該吸引した大気OAをセンサ部76に供給する状態となる。この状態で、ガス検査機70側の制御部78に対してゼロ設定指示を送信し、それを受信したガス検査機70側の制御部78は、センサ部76の出力をゼロに設定する。一方、電池残量確認では、ガス検査機70側の電池残量を、同ガス検査機70の制御部78から受信する。
そして、オートゼロ設定と電池残量確認とが完了すると、上記ゼロ設定を行った旨と電池残量とをディスプレイ3に表示したバンプテスト画面(図6(c)参照)上に表示した上で、この初期確認処理(#S12)を終了する。
閉塞警報確認処理(#S13)での各種補機の作動状態及びガスの流れ状態を図8に示す。この閉塞警報確認処理(#S13)では、ガス検査機70においてガス導入部72の閉塞時に所定の閉塞警報を出力する閉塞警報機能の異常の有無を確認する。
即ち、閉塞警報確認処理(#S13)では、ガス検査機70のガス導入部72に給気用継手5aが接続された状態で、給気用継手5aからのガスの流出を遮断するように、給気用継手5aに通じる三方弁V1,V3,V4,V5の切替状態を設定する。すると、ガス検査機70のガス導入部72の状態は擬似的な閉塞状態となり、その際のガス検査機70の閉塞警報機能による閉塞警報の出力の有無をガス検査機70側の制御部78との通信により確認する。
そして、ガス検査機70の閉塞警報機能の異常の有無をディスプレイ3に表示したバンプテスト画面(図6(c)参照)上に表示した上で、この閉塞警報確認処理(#S13)を終了する。
吸引流量確認処理(#S14)での各種補機の作動状態及びガスの流れ状態を図9に示す。この吸引流量確認処理(#S14)では、ガス検査機70のガス導入部72からのガス吸引流量が適正流量範囲から乖離している吸引流量異常の有無を確認する。
即ち、吸引流量確認処理(#S14)では、ガス検査機70のガス導入部72に給気用継手5aを接続した状態で、三方弁V1、及び三方弁V3の切替状態を設定して、開放部O2に通じる大気開放経路を介して当該給気用継手5aを大気開放させる。すると、ガス検査機70は、ガス導入部72から当該大気開放経路を通じて大気OAを吸引することになるので、この大気開放経路に設けられた流量計Mf1(開放流量計測部の一例)で計測されたガス流量を、ガス検査機70のガス吸引量として取得して、ガス検査機70において適正なガス吸引流量を確保できない吸引流量異常の有無を把握する。
そして、ガス検査機70の吸引流量異常の有無をディスプレイ3に表示したバンプテスト画面(図6(c)参照)上に表示した上で、この吸引流量確認処理(#S14)を終了する。
濃度安定化処理(#S11)での各種補機の作動状態及びガスの流れ状態を図8〜10に示す。この濃度安定化処理(#S11)は、後のガス警報確認処理(#S15)の実行当初から流量や濃度が安定した点検用ガスG1をガス検査機70のガス導入部72に供給して正確な点検結果を得るために、当該警報確認処理(#S15)の実行前の閉塞警報確認処理(#S13)又は吸引流量確認処理(#S14)の実行時に実行する処理であり、具体的には初期確認処理(#S12)〜吸引流量確認処理(#S14)の実行に並行して実行し(図8,9参照)、更には、吸引流量確認処理(#S14)の実行後においても、点検用ガスG1の流量及び濃度が安定するまでは、警報確認処理(#S15)の実行開始を待機した状態で実行する(図10参照)。
具体的には、二方弁V7及び流量調整弁V10を開弁すると共に三方弁V8の切替状態を設定することで、ガス容器C1から取り出した原料ガスG0(本実施形態ではガス容器C1に貯留された原料ガスG0を利用するものとするが、別のガス容器C2のものを利用しても構わない。)を、圧力レギュレータR2で圧力を安定化させた上で流量計Mf2に通流させて、合流部B1に供給する。同時に、ポンプP1を作動させ、二方弁V11を開弁させると共に三方弁V12,V13の切替状態を設定することで、開放部O3から取り込んだ大気OAを、フィルタF3及び流量計Mf3に通流させて合流部B1に供給する。このことで、合流部B1では、流量計Mf2が設けられた原料ガス経路6bに通流された原料ガスG0が、流量計Mf3が設けられた大気供給経路6aに通流された大気OAにより希釈される所謂希釈処理が実行されて、点検用ガスG1が生成される。
そして、このような希釈処理において、ガス容器C1,C2の容量をできるだけ小さいもので済むように、原料ガスG0の希釈割合に応じて設定される原料ガスG0の設定流量は、同希釈割合に応じて設定される大気OAの設定流量よりも小さいものとされている。
そして、この濃度安定化処理(#S11)では、三方弁V4,V5の切替状態を設定することで、合流部B1で生成された点検用ガスG1は、三方弁V4,V5を介して開放部O4に供給され、当該開放部O4から外部に排気される。即ち、点検用ガスG1の供給先は、ガス検査機70側の給気用継手5aから外部の開放部O4に切り替えて当該点検用ガスG1を排気可能に構成されている。
希釈処理を行う場合のガス警報確認処理(#S15)での各種補機の作動状態及びガスの流れ状態を図11に示す。このガス警報確認処理(#S15)では、ガス検査機70のガス導入部72に対して、ガス供給部である分岐部B2及び給気用継手5aを介して希釈処理により生成された点検用ガスG1を供給して、ガス検査機70のガス警報機能の異常の有無を確認する。
尚、このガス警報確認処理(#S15)では、希釈処理により乾燥処理が施されていない大気OAで希釈された点検用ガスG1がガス検査機70に供給されるため、ガス検査機70のセンサ部76は、過剰に乾燥することなく、適度に湿気を含んだ通常の大気OAと同程度の状態に維持されて、通常使用時と同条件下で作動することになる。
そして、ガス検査機70のガス警報機能の異常の有無をディスプレイ3に表示したバンプテスト画面(図6(c)参照)上に表示した上で、この警報確認処理(#S15)を終了する。
上述した図11に示すガス警報確認処理(#S15)では、ガス容器C1から取り出した原料ガスG0を大気OAで希釈して点検用ガスG1を生成する希釈処理を実行する場合のものであるが、この希釈処理に代えて、ガス容器C1から取り出した原料ガスG0をそのまま希釈することなく点検用ガスとする非希釈処理を実行する場合のガス警報確認処理を行うことができ、以下に、その詳細について説明を加える。
尚、このガス警報確認処理(#S15)では、原料ガスG0をそのまま点検用ガスとして利用するため、前述した濃度安定化処理(#S11)は省略されることになる。
このことで、原料ガスG0をそのまま点検用ガスとして利用する場合において、当該原料ガスG0の流量が点検用ガスの必要流量に相当する比較的大流量になる場合でも、その原料ガスG0を、上記希釈処理において比較的大流量の大気OAが通流する比較的大流量に対応した大気供給経路6aに通流させ、例えばその原料ガスG0の流量を比較的大流量に対応する流量計Mf3で計測することができる。一方、上記希釈処理において比較的小流量の原料ガスG0が通流する流量計Mf2側の原料ガス供給経路は、小流量のみに対応する比較的簡単且つ小型なものとして構成されており、例えば流量計Mf2としても比較的小流量に対応するものが利用されている。
同じグループに属する次の点検対象のガス検査機70の点検処理に移行する際に実行する第1クリーニング処理(#S8)では、ガス検査機70のガス導入部72に大気OAを導入させて当該ガス検査機70のクリーニング(以下「ガス検査機クリーニング」と呼ぶ。)を行う。
一方、同じグループ内のガス検査機70の点検処理が全て終了した際に実行する第2クリーニング処理(#S6)では、ガス検査機クリーニングに加えて、点検用ガスG1又はその原料となる原料ガスG0が通流するガス経路に大気OAを通流させて当該ガス経路のクリーニング(以下「ガス経路クリーニング」と呼ぶ。)を行う。
尚、図12には、ガス経路クリーニングとガス検査機クリーニングとを同時に行う際の各種補機の作動状態及びガスの流れ状態を示す。
具体的に、ガス経路クリーニングでは、図11のガス警報確認処理(#S15)の状態から、流量調整弁V10を閉弁することで、ガス容器C1からの原料ガスG0の供給を停止すると共に、三方弁V8,V13の切替状態を設定して、開放部O3から取り込んだ大気OAを、ガス警報確認処理(#S15)等で原料ガスG0が通流していた流量計Mf2側の原料ガス経路6bに通流させる。このことで、当該原料ガス経路6bに残留する原料ガスG0が大気OAに置換されて、当該原料ガス経路6bがクリーニングされることになる。
そして、このようなガス経路クリーニングを実行することにより、次の点検対象のガス検査機70に対する点検処理において、ガス経路に残留する点検用ガスG1や原料ガスG0に起因する誤点検が回避される。
このガス経路クリーニングにおいて、原料ガス経路6b及び点検用ガス経路6cを通流後に分岐部B2に供給された大気OAは、三方弁V1,V5の切替状態を設定することで、開放部O4を介して外部に排気される。
一方、ガス検査機クリーニングでは、前述した初期確認処理(#S12)と同様に、ガス検査機70のガス導入部72が接続された給気用継手5aを開放部O1に開放させることで、ガス検査機70のガス導入部72には、開放部O1から取り込んだ大気OA、即ち上記ガス経路を通流したものとは別の新鮮な大気OAが導入される。そして、その大気OAがガス導入部72を介してガス検査機70に導入され、センサ部76を通流する。このことで、ガス検査機70側のガス導入部72やセンサ部76に残留する点検用ガスG1が大気OAに置換されて、当該ガス検査機70がクリーニングされることになる。
尚、このガス検査機クリーニングは、ガス検査機70のセンサ部76の出力信号から導入ガス中の特定成分濃度が略ゼロになったと判断したときに終了する。
尚、このガス検査機クリーニングにおいて、ガス検査機70の排気部77から排出された排気EAは、開口部59から周辺空気と共に取り込まれ、排気用継手5bを介して開放部O4から外部に排出される。このことで、この排気EAが収容部5側の前面から放出されることが防止されている。更に、この開口部59から吸引した排気EAは、ガス経路クリーニングで原料ガス経路6b及び点検用ガス経路6cを通流後の大気OAとまとめて排出される。このことで、ガス検査機クリーニング及びガス経路クリーニングのための排気経路が簡素化されている。
尚、これら排気EAと大気OAとは別々に外部に排出しても構わない。
(1)上記実施形態では、点検処理(#S4)及びその前後において、閉塞警報確認処理(#S13)、吸引流量確認処理(#S14)、及びガス警報確認処理(#S15)の他に、種々の処理を実行するように構成したが、これら他の処理については、適宜省略又は改変しても構わない。
また、これら閉塞警報確認処理(#S13)、吸引流量確認処理(#S14)、及びガス警報確認処理(#S15)の詳細についても、上記実施形態の構成が本発明の権利範囲を実質的に何ら限定するものではなく、適宜改変しても構わない。
2b アダプタ識別情報取得手段
2c ガス検査機識別情報取得手段
5 収容部
5a 給気用継手(ガス供給部)
5b 排気用継手(排気吸引部)
6 希釈処理手段
50 アダプタ
53 通信部
56 排気案内路
59 開口部
60 ガス検査機収容部
61 給気案内路
70 ガス検査機
72 ガス導入部
77 排気部
79 通信部
100 点検処理システム
B2 分岐部(ガス供給部)
C1,C2 ガス容器
Mf1 流量計(開放流量計測部)
Claims (6)
- ガス導入部から吸引した導入ガス中の特定成分の状態に応じて所定のガス警報を出力するガス警報機能を有する吸引式のガス検査機の状態を点検する点検処理を実行する点検処理手段を備え、
当該点検処理手段が、前記点検処理として、前記ガス検査機のガス導入部にガス供給部を介して点検用ガスを供給して、前記ガス検査機のガス警報機能の異常の有無を確認するガス警報確認処理を実行するガス検査機の点検処理システムであって、
前記点検処理手段が、前記点検処理として、当該ガス警報確認処理の実行前に、
前記ガス検査機において前記ガス導入部の閉塞時に所定の閉塞警報を出力する閉塞警報機能の異常の有無を確認する閉塞警報確認処理と、前記ガス検査機のガス導入部からのガス吸引流量が適正流量範囲から乖離している吸引流量異常の有無を確認する吸引流量確認処理とを順に実行するガス検査機の点検処理システム。 - 前記ガス検査機のガス導入部に前記ガス供給部を介して大気を供給可能に構成され、
前記点検処理手段が、前記点検処理の終了時に、前記ガス検査機のガス導入部に大気を供給して当該ガス検査機のクリーニングを行うクリーニング処理を実行する請求項1に記載のガス検査機の点検処理システム。 - 前記ガス検査機が、前記ガス導入部の閉塞時に所定の閉塞警報を出力する閉塞警報機能を有し、
前記ガス供給部からのガス流出を遮断可能に構成され、
前記点検処理手段が、前記閉塞警報確認処理において、前記ガス検査機のガス導入部に前記ガス供給部を接続した状態で、当該ガス供給部からのガス流出を遮断させて、当該遮断に伴う前記ガス検査機の閉塞警報機能による前記閉塞警報の出力の有無を確認する請求項1又は2に記載のガス検査機の点検処理システム。 - 前記ガス供給部を大気開放可能な大気開放経路と、当該大気開放経路におけるガス流量を計測可能な開放流量計測部とを備え、
前記点検処理手段が、前記吸引流量確認処理において、前記ガス供給部への前記点検用ガスの供給を停止すると共に、前記ガス検査機のガス導入部に前記ガス供給部を接続した状態で、前記大気開放経路を介して当該ガス供給部を大気開放させて、当該大気開放時に前記開放流量計測部で計測されたガス流量を前記ガス検査機のガス吸引流量として取得して、前記吸引流量異常の有無を確認する請求項1〜3の何れか1項に記載のガス検査機の点検処理システム。 - ガス容器から取り出した原料ガスを大気で希釈して前記点検用ガスを生成する希釈処理を実行可能に構成され、
当該点検用ガスの供給先を前記ガス供給部から外部に切り替えて当該点検用ガスを排気可能に構成され、
前記点検処理手段が、前記閉塞警報確認処理又は前記吸引流量確認処理の実行時に、前記希釈処理で生成された点検用ガスを外部に排気して、前記点検用ガスの濃度を安定化させる濃度安定化処理を実行する請求項1〜4の何れか1項に記載のガス検査機の点検処理システム。 - 前記点検処理手段が、
前記ガス検査機の複数を点検対象として、当該点検対象とした複数のガス検査機に対して、直列的に前記点検処理を順次実行すると共に、当該点検処理において異常が確認された場合には、その異常が確認されたガス検査機に対する点検処理を終了して、次のガス検査機に対する点検処理に移行する請求項1〜5の何れか1項に記載のガス検査機の点検処理システム。
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