JP6662915B2 - 高弾性率ガラス繊維組成物及びそのガラス繊維並びに複合材料 - Google Patents

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Description

発明の詳細な説明
本願は、2016年2月29日に中国特許局に出願した出願番号が201610113362.0で、発明の名称が「高弾性率ガラス繊維組成物及びそのガラス繊維並びに複合材料」である中国特許出願の優先権を主張し、その全内容は引用により本願に組み込まれる。
(技術分野)
本発明は、高弾性率ガラス繊維組成物に関し、特に、先進的な複合材料補強基材とすることができる高弾性率ガラス繊維組成物及びそのガラス繊維並びに複合材料に関する。
(背景技術)
ガラス繊維は、無機繊維材料に属し、それを使用して樹脂を補強すれば、性能に優れた複合材料が得られる。高弾性率ガラス繊維は、先進的な複合材料の補強基材として、最初に主に航空、宇宙飛行、兵器などの国防と軍需産業分野に適用される。科学技術の進歩と経済の発展に伴って、高弾性率ガラス繊維は、風力翼、圧力容器、海上石油管路、自動車製造などの民用、工業分野において幅広く適用されている。
最初の高弾性率ガラスの成分は、MgO−Al−SiO系を主体とし、典型的な提案は、米国OC社のS−2ガラスが挙げられ、弾性率が89−90GPaであるが、その生産難度が高く、そのガラス繊維の成形温度が1571℃に高く達しており、液相線温度が1470℃に高く達しており、タンク窯による大規模の生産を実現し難い。したがって、OC社は、S−2ガラス繊維の生産を自ら諦め、その特許権を米国AGY社に譲渡した。
その後、OC社より更にHiPer−texガラスが開発され、弾性率が87−89GPaであり、これは、一部のガラス性能を犠牲して生産規模を交換する妥協的な策略であり、設計案は、S−2ガラスに対する簡単な改良に過ぎないため、ガラス繊維の成形温度と液相線温度が依然として高く、生産難度が依然として高く、タンク窯による大規模の生産を実現し難い。したがって、OC社はHiPer−texガラス繊維の生産も諦め、その特許権をヨーロッパの3B社に譲渡した。
フランスサンゴバン社より、MgO−CaO−Al−SiO系を主体とするRガラスが開発され、弾性率は、86−89GPaである。しかしながら、従来のRガラスのケイ素とアルミニウムの合計含有量が高く、ガラス結晶化性能を改良する効果的な提案も欠いており、カルシウムとマグネシウムの割合も合理的ではないため、ガラスが成形し難く、結晶化リスクが高く、且つ、ガラス液の表面張力が大きく、清澄難度が高く、そのガラス繊維の成形温度が1410℃に達し、液相線温度が1350℃に達し、これらは全てガラス繊維の効果的な引抜上の困難をもたらし、同様にタンク窯による大規模の生産を実現し難い。
中国では、南京ガラス繊維研究設計院よりHS2ガラスが開発され、弾性率が84−87GPaであり、その主な成分もSiO、Al、MgOを含み、更に一部のLiO、B、CeOとFeが導入され、その成形温度が1245℃に過ぎず、液相線温度が1320℃であり、両者の温度がいずれもSガラス繊維より遥かに低いが、その成形温度が液相線温度より低く、△T値が負であるため、ガラス繊維の効果的な引抜に非常に不利であり、引抜プロセスにガラス失透現象が発生することを防止するように、引抜温度を高め、特別な形のノズルを採用しなければならず、これは温度制御上の困難をもたらし、同じくタンク窯による大規模の生産を実現し難い。
まとめていえば、現段階の各種の高弾性率ガラス繊維は実際の生産において、全てタンク窯による生産難度が高いという一般的な普遍問題が存在し、具体的な表現として、ガラスの液相線温度が高く、結晶化速度が速く、成形温度が高く、表面張力が大きく、清澄難度が高く、△T値が小さく更に負であることが発見された。そのために、殆どの会社は、一部のガラス性能を犠牲して生産難度を低下させることが多く、これによって、上記ガラス繊維の弾性率のレベルが生産規模に伴って同時に向上できず、Sガラスの弾性率のボトルネックを今まで解消できない。
本発明の目的は、上記問題に対して、高弾性率ガラス繊維組成物を提供し、この組成物は、ガラスの弾性率を顕著に高めることができ、これを基礎に、従来の高弾性率ガラス液相線温度が高く、結晶化速度が速く、成形温度が高く、表面張力が大きく、清澄しにくく、タンク窯による効率的な生産を行いにくいという問題を克服し、高弾性率ガラスの液相線温度と成形温度を顕著に下げることができ、同等の条件でガラスの結晶化速度と気泡率の低減に寄与し、更に、望ましい△T値が得られ、タンク窯による高弾性率ガラス繊維の生産に特に適用する。
本発明の一つの側面によれば、成分として、
SiO 55−64重量%
Al 13−24重量%
0.1−6重量%
CaO 3.4−10.9重量%
MgO 8−14重量%
CaO+MgO+SrO <22重量%
LiO+NaO+K <2重量%
TiO<2重量%
Fe <1.5重量%
La0−1.2重量%を含み、
重量比率の比C1=(LiO+NaO+KO)/(Y+La)の範囲は、0.26より大きい高弾性率ガラス繊維組成物を提供する。
更に、重量比率の比C2=MgO/(CaO+SrO)の範囲は、0.8−2.1であるように限定されている。
また、各成分の含有量は重量比率で以下の通りである。
SiO 56−60.4重量%
Al 13−24重量%
0.1−6重量%
CaO 3.4−10.9重量%
MgO 8−14重量%
CaO+MgO+SrO <22重量%
SrO <3重量%
LiO+NaO+K <2重量%
TiO<2重量%
Fe <1.5重量%
La0−1.2重量%
重量比率の比C1=(LiO+NaO+KO)/Yの範囲は、0.26より大きい。
更に、LiOの含有量は、重量比率で0.1−1.5%であるように限定されている。
更に、SrOの含有量は、重量比率で0.1−2.5%であるように限定されている。
更に、CaOの含有量は、重量比率で6−10.3%であるように限定されている。
更に、MgOの含有量は、重量比率で8.6−13%であるように限定されている。
更に、Yの含有量は、重量比率で0.5−5%であるように限定されている。
更に、Yの含有量は、重量比率で1.5−5%であるように限定されている。
また、各成分の含有量は重量比率で以下の通りである。
SiO 56−60.4重量%
Al 13−24重量%
0.5−5重量%
CaO 3.4−10.9重量%
MgO 8−14重量%
CaO+MgO+SrO <22重量%
SrO <3重量%
LiO 0.1−1.5重量%
LiO+NaO+K <2重量%
TiO<2重量%
Fe <1.5重量%
La0−1.2重量%
重量比率の比C1=(LiO+NaO+KO)/Yの範囲は、0.26より大きく、重量比率の比C2=MgO/(CaO+SrO)の範囲は、0.8−2.1である。
また、各成分の含有量は重量比率で以下の通りである。
SiO 56−60.4重量%
Al 13−24重量%
0.5−5重量%
CaO 3.4−10.9重量%
MgO 8−14重量%
CaO+MgO+SrO <22重量%
SrO <3重量%
LiO 0.1−1.5重量%
LiO+NaO+K <2重量%
TiO<2重量%
Fe <1.5重量%
La0−1.2重量%
重量比率の比C1=(LiO+NaO+KO)/(Y+La)の範囲は、0.28より大きく、重量比率の比C2=MgO/(CaO+SrO)の範囲は、0.8−2.1である。
また、各成分の含有量は重量比率で以下の通りである。
SiO 57−60.4重量%
Al 14−24重量%
0.5−5重量%
CaO 5−10.6重量%
MgO 8−14重量%
CaO+MgO+SrO <21重量%
SrO <3重量%
LiO 0.1−1重量%
LiO+NaO+K <2重量%
TiO<2重量%
Fe <1.5重量%
La0−1.2重量%
重量比率の比C1=(LiO+NaO+KO)/(Y+La)の範囲は、0.28より大きく、重量比率の比C2=MgO/(CaO+SrO)の範囲は、0.8−2.1である。
また、各成分の含有量は重量比率で以下の通りである。
SiO 57−60.4重量%
Al 14−23重量%
1.5−5重量%
CaO 6−10.3重量%
MgO 8.6−13重量%
CaO+MgO+SrO <21重量%
SrO <3重量%
LiO 0.1−1重量%
LiO+NaO+K <2重量%
TiO<2重量%
Fe <1.5重量%
La0−1.2重量%
重量比率の比C1=(LiO+NaO+KO)/(Y+La)の範囲は、0.29より大きく、重量比率の比C2=MgO/(CaO+SrO)の範囲は、0.9−1.8である。
また、各成分の含有量は重量比率で以下の通りである。
SiO 57−60.4重量%
Al 14−23重量%
1.5−5重量%
CaO 6−10.3重量%
MgO 8.6−13重量%
CaO+MgO+SrO <21重量%
SrO <3重量%
LiO 0.1−1重量%
LiO+NaO+K <2重量%
TiO<2重量%
Fe <1.5重量%
La0−1.2重量%
重量比率の比C1=(LiO+NaO+KO)/(Y+La)の範囲は、0.29より大きく、重量比率の比C2=MgO/(CaO+SrO)の範囲は、0.9−1.7である。
更に、SrOの含有量は、重量比率で0.1−2%であるように限定されている。
更に、Laの含有量は、重量比率で0.1−1%であるように限定されている。
更に、Yの含有量は、重量比率で2−4%であるように限定されている。
更に、CaOの含有量は、重量比率で6.5−10%であるように限定されている。
更に、MgOの含有量は、重量比率で12%より大きく13%以下であるように限定されている。
また、各成分の含有量は重量比率で以下の通りである。
SiO 55−64重量%
Al 13−24重量%
0.1−6重量%
CaO 3.4−10.9重量%
MgO 12重量%より大きく13重量%以下である
CaO+MgO+SrO <22重量%
LiO+NaO+K <2重量%
TiO<2重量%
Fe <1.5重量%
La0−1.2重量%
重量比率の比C1=(LiO+NaO+KO)/(Y+La)の範囲は、0.26より大きい。
また、各成分の含有量は重量比率で以下の通りである。
SiO 55−64重量%
Al 19重量%より大きく21重量%以下である
0.1−6重量%
CaO 3.4−10.9重量%
MgO 8−10.5重量%
CaO+MgO+SrO <22重量%
LiO+NaO+K ≦1重量%
TiO<2重量%
Fe <1.5重量%
La0−1.2重量%
重量比率の比C1=(LiO+NaO+KO)/(Y+La)の範囲は、0.26より大きい。
更に、CeOを含有してもよく、その含有量が重量比率で0−1%である。
本発明の他の側面によれば、上記ガラス繊維組成物で製造されるガラス繊維を提供する。
また、前記ガラス繊維の弾性率の範囲は、90−103GPaである。
本発明の三つ目の側面によれば、上記ガラス繊維を含む複合材料を提供する。
本発明による高弾性率ガラス繊維組成物は、主な革新点が、希土類酸化物Yを導入し、イットリウムのガラス構造における特別な補填作用を利用して、 (LiO+NaO+KO)/(Y+La)及びMgO/(CaO+SrO)の比を制御し、Y、La、LiO、SrO、CaO、MgO及びCaO+MgO+SrOの含有量範囲を合理的に配置し、且つ、イットリウムとアルカリ金属酸化物の間の協同効果及びSrO、CaO、MgOの間の混合アルカリ土類効果を利用し、更に適量のCeOなどを選択的に導入してもよいことである。
具体的には、本発明による高弾性率ガラス繊維組成物は、以下の成分を含有し、各成分の含有量が重量比率で以下の通りである。
SiO 55−64重量%
Al 13−24重量%
0.1−6重量%
CaO 3.4−10.9重量%
MgO 8−14重量%
CaO+MgO+SrO <22重量%
LiO+NaO+K <2重量%
TiO<2重量%
Fe <1.5重量%
La0−1.2重量%
重量比率の比C1=(LiO+NaO+KO)/(Y+La)の範囲は、0.26より大きい。
このガラス繊維組成物中の各成分の作用及び含有量についての説明は以下のとおりである。
SiOは、ガラス骨格を形成する主な酸化物であり、且つ、各成分を安定化させる作用を発揮する。本発明のガラス繊維組成物において、SiOの重量比率含有量の範囲を55−64%に限定する。機械的性能を保証する上で、ガラスの清澄難度を増やさないように、本発明において、わざと酸化ケイ素の含有量を高くないレベルに制御する。好ましくは、SiOの重量比率含有量の範囲は、56−60.4%に限定されてもよく、更に好ましくは、SiOの重量比率含有量の範囲は、57−60.4%に限定されてもよい。
Alも、ガラス骨格を形成する酸化物であり、SiOと結合する時に、ガラスの機械的性能に対して実質的な作用を発揮することができ、また、ガラスの分相の阻止と耐水性の面で重要な作用を発揮する。本発明のガラス繊維組成物において、Alの重量比率含有量の範囲を13−24%に限定し、その含有量が低いと、十分に高いガラス機械的性能、特に弾性率を得ることができないが、その含有量が余りにも高いと、ガラスの分相のリスクが大幅に高くなりやすい。好ましくは、Alの重量比率含有量の範囲は、14−24%に限定されてもよく、更に好ましくは、Alの重量比率含有量の範囲は、14−23%に限定されてもよい。また、ある実施例において、発明者は、Alの重量比率含有量を19%より大きく21%以下、MgOの重量比率含有量を10.5%以下、LiO+NaO+KOの重量比率含有量を1%以下に制御する場合、ガラスが優れた弾性率性能、抗結晶化能力及び成形範囲の△T値を得ることができることを意外に発見した。
OとNaOは、いずれもガラスの粘度を低下させることができ、良好なフラックス剤である。発明者は、アルカリ金属酸化物の総量が変わらない場合、NaOの代わりにKOを用いれば、ガラスの結晶化傾向を低減し、繊維の成形性能を改良することができることを発見した。NaOとKOに比べれば、LiOは、ガラスの粘度を明らかに低下させ、ガラスの溶製性能を改良することができるだけでなく、ガラスの力学性能の向上にも明らかに寄与する。また、少量のLiOだけで、相当な遊離酸素を提供することができ、より多くのアルミニウムイオンが四面体配位を形成して、ガラス体系の網目構造を補強することに寄与し、ガラスの結晶化能力を更に低下させることができるが、アルカリ金属イオンが余りにも多いと、ガラス構造の安定性に影響を及ぼすため、導入量が多くない方が良い。したがって、本発明のガラス繊維組成物において、LiO+NaO+KOの重量比率含有量の範囲を2%より小さく限定する。更に、LiOの重量比率含有量の範囲は、0.1−1.5%に限定されてもよく、好ましくは、LiOの重量比率含有量の範囲は、0.1−1%に限定されてもよい。
は、重要な希土類酸化物であり、発明者は、それがガラス弾性率の向上、ガラス結晶化の抑制の面で特に効果的であることを発見した。Y3+は、ガラスの網目に非常に入りにくく、一般的に、網目修飾イオンとして網目の隙間にあり、その配位数が高く、電界強度が高く、電荷が高く、蓄積能力が強く、ガラス構造の安定性を高め、ガラスの弾性率を高めることができ、更に、その他のイオンの移動と配列を効果的に阻止して、ガラスの結晶化傾向を低減する目的を達成することができる。本発明のガラス繊維組成物において、Yの重量比率含有量の範囲を0.1−6%に限定する。好ましくは、Yの重量比率含有量の範囲は、0.5−5%に限定されてもよく、好ましくは、Yの重量比率含有量の範囲は、1.5−5%に限定されてもよく、好ましくは、Yの重量比率含有量の範囲は、2−4%に限定されてもよい。
Laも、重要な希土類酸化物であり、発明者、それを単独に使用する際に、ガラス弾性率の向上、ガラス結晶化の抑制の面における作用がよりY明らかに弱いが、その清澄効果がYより優れていることを発見した。また、ランタンのモル質量とイオンの半径がいずれも大きいため、導入量が余りにも多いと、ガラス性能に対する向上作用が弱くなるだけでなく、更にガラス構造の安定性を破壊し、更にガラスの密度を顕著に増加するため、Laの導入量は、多くない方が良い。本発明のガラス繊維組成物において、少量のLaを選択的に導入することができ、Laの重量比率含有量の範囲を0−1.2%に限定する。更に、Laの重量比率含有量の範囲を0.1−1%に限定可能である。
発明者は、更に、Yの配位状態がガラスにおける遊離酸素の含有量に密に関連していることを発見した。Yは、結晶状態でベイカンシ欠陥が存在し、Yがガラスに添加された後、これらのベイカンシ欠陥は、他の酸化物、特にアルカリ金属酸化物により提供された遊離酸素で充填可能であり、異なる充填程度は、Yの配位状態及びその堆積密度に影響を及ぼし、ガラス性能に明らかな影響を及ぼす。これと同様に、Laも同じくベイカンシを補填するために一定の数の酸素を必要とする。十分な遊離酸素を得て、構造堆積をより緊密にし、抗結晶化作用をより明らかにするために、本発明において、重量比率の比C1=(LiO+NaO+KO)/(Y+La)の範囲を0.26より大きく限定する。好ましくは、比C1の範囲は、0.28より大きく限定されてもよい。更に好ましくは、比C1の範囲は、0.29より大きく限定されてもよい。
CaO、MgOとSrOは、主にガラス結晶化を制御し、ガラス粘度と材料特性を調節する作用を発揮する。特に、ガラス結晶化を制御する面で、発明者は、それらの導入量と割合関係を制御することにより、予想できない効果が得られた。一般的に、MgO−CaO−Al−SiO系を主体とする高性能ガラスは、ガラス結晶化後に含まれる結晶相が主に透輝石(CaMgSi)と灰長石(CaAlSi)を含む。二種類の結晶相の結晶化傾向を効果的に抑制し、ガラスの液相線温度と結晶化速度を低下させるために、本発明において、CaO+MgO+SrOの含有量範囲及び各成分間の割合関係C2=MgO/(CaO+SrO)を合理的に制御し、混合アルカリ土類効果を利用してより緊密な堆積構造を形成することで、その結晶核の形成と成長の際により多くのエネルギーが必要とされるようにし、また、Sr2+のイオン半径が大きく、その自身が移動しにくいだけでなく、更に同等の条件でMg2+とCa2+イオンの移動と再構成を効果的に阻害して、ガラスの結晶化傾向を抑制する目的を達成することができる。また、ガラスの材料特性を効果的に改良することもできる。本発明のガラス繊維組成物において、CaO+MgO+SrOの重量比率含有量の範囲を22%より小さく限定する。好ましくは、CaO+MgO+SrOの重量比率含有量の範囲は、21%より小さく限定されてもよい。更に、ある実施例において、重量比率の比C2=MgO/(CaO+SrO)の範囲は、0.8−2.1に限定されてもよい。好ましくは、比C2の範囲は、0.9−1.8に限定されてもよい。更に好ましくは、比C2の範囲は、0.9−1.7に限定されてもよい。他の実施例において、MgOの含有量が12%より大きい場合、上記比C2の範囲に制限されなくてもよい。
本発明のガラス繊維組成物において、CaOの重量比率含有量の範囲を3.4−10.9%に限定する。好ましくは、CaOの重量比率含有量の範囲は、5−10.6%に限定されてもよく、好ましくは、CaOの重量比率含有量の範囲は、6−10.3%に限定されてもよく、好ましくは、CaOの重量比率含有量の範囲は、6.5−10%に限定されてもよい。本発明のガラス繊維組成物において、MgOの重量比率含有量の範囲を8−14%に限定する。更に、ある実施例において、好ましくは、MgOの重量比率含有量の範囲は、8.6−13%に限定されてもよい。他の実施例において、好ましくは、MgOの重量比率含有量の範囲は、12より大きく13%以下であるよういに限定されてもよく。更に、SrOの重量比率含有量の範囲を3%より小さく限定する。好ましくは、SrOの重量比率含有量の範囲は、0.1−2.5%に限定されてもよい。更に好ましくは、SrOの重量比率含有量の範囲は、0.1−2%に限定されてもよい。
TiOは、高温時のガラスの粘度を低下させることができるだけでなく、一定のフラックス作用を有する。しかしながら、チタンイオンが一定の着色作用を有するため、特にTiOの含有量が2%を超えると、この着色作用が特に顕著になり、ある程度でガラス繊維製品の外観に影響を及ぼす。したがって、本発明のガラス繊維組成物において、TiOの重量比率含有量の範囲を2%より小さく限定する。
Feは、ガラスの溶製に寄与し、ガラスの結晶化性能をも改良することができる。しかしながら、鉄イオンと第一鉄イオンが着色作用を有するため、導入量が多くない方が良い。したがって、本発明のガラス繊維組成物において、Feの重量比率含有量の範囲を1.5%より小さく限定する。
本発明のガラス繊維組成物には、ガラスの結晶化傾向と清澄効果を更に改良するために、更に適量のCeOを選択的に導入してもよい。本発明のガラス繊維組成物において、CeOの重量比率含有量の範囲を0−1%に限定する。
また、本発明のガラス繊維組成物に少量の他の成分を含有してもよく、重量比率の合計含有量が一般的に2%を超えない。
本発明のガラス繊維組成物において、各成分の含有量の上記範囲を選択することによりもたらした有益な効果は、実施例における具体的な実験データにより説明される。
以下は、本発明によるガラス繊維組成物に含まれる各成分の好ましい値の範囲の例である。
好ましい例1
本発明による高弾性率ガラス繊維組成物は、以下の成分を含有し、各成分の含有量が重量比率で以下の通りである。
SiO 56−60.4重量%
Al 13−24重量%
0.5−5重量%
CaO 3.4−10.9重量%
MgO 8−14重量%
CaO+MgO+SrO <22重量%
SrO <3重量%
LiO 0.1−1.5重量%
LiO+NaO+K <2重量%
TiO<2重量%
Fe <1.5重量%
La0−1.2重量%
重量比率の比C1=(LiO+NaO+KO)/(Y+La)の範囲は、0.26より大きく、重量比率の比C2=MgO/(CaO+SrO)の範囲は、0.8−2.1である。
好ましい例2
本発明による高弾性率ガラス繊維組成物は、以下の成分を含有し、各成分の含有量が重量比率で以下の通りである。
SiO 56−60.4重量%
Al 13−24重量%
0.5−5重量%
CaO 3.4−10.9重量%
MgO 8−14重量%
CaO+MgO+SrO <22重量%
SrO <3重量%
LiO 0.1−1.5重量%
LiO+NaO+K <2重量%
TiO<2重量%
Fe <1.5重量%
La0−1.2重量%
重量比率の比C1=(LiO+NaO+KO)/(Y+La)の範囲は、0.28より大きく、重量比率の比C2=MgO/(CaO+SrO)の範囲は、0.8−2.1である。
好ましい例3
本発明による高弾性率ガラス繊維組成物は、以下の成分を含有し、各成分の含有量が重量比率で以下の通りである。
SiO 57−60.4重量%
Al 14−24重量%
0.5−5重量%
CaO 5−10.6重量%
MgO 8−14重量%
CaO+MgO+SrO <21重量%
SrO <3重量%
LiO 0.1−1重量%
LiO+NaO+K <2重量%
TiO<2重量%
Fe <1.5重量%
La0−1.2重量%
重量比率の比C1=(LiO+NaO+KO)/(Y+La)の範囲は、0.28より大きく、重量比率の比C2=MgO/(CaO+SrO)の範囲は、0.8−2.1である。
好ましい例4
本発明による高弾性率ガラス繊維組成物は、以下の成分を含有し、各成分の含有量が重量比率で以下の通りである。
SiO 57−60.4重量%
Al 14−23重量%
1.5−5重量%
CaO 6−10.3重量%
MgO 8.6−13重量%
CaO+MgO+SrO <21重量%
SrO <3重量%
LiO 0.1−1重量%
LiO+NaO+K <2重量%
TiO<2重量%
Fe <1.5重量%
La0−1.2重量%
重量比率の比C1=(LiO+NaO+KO)/(Y+La)の範囲は、0.29より大きく、重量比率の比C2=MgO/(CaO+SrO)の範囲は、0.9−1.8である。
好ましい例5
本発明による高弾性率ガラス繊維組成物は、以下の成分を含有し、各成分の含有量が重量比率で以下の通りである。
SiO 57−60.4重量%
Al 14−23重量%
1.5−5重量%
CaO 6−10.3重量%
MgO 8.6−13重量%
CaO+MgO+SrO <21重量%
SrO <3重量%
LiO 0.1−1重量%
LiO+NaO+K <2重量%
TiO<2重量%
Fe <1.5重量%
La0−1.2重量%
重量比率の比C1=(LiO+NaO+KO)/(Y+La)の範囲は、0.29より大きく、重量比率の比C2=MgO/(CaO+SrO)の範囲は、0.9−1.7である。
好ましい例5によれば、この組成物の液相線温度は、1320℃以下であり、1300℃以下であることが好ましく、1250℃以下であることがより好ましく、この組成物で形成したガラス繊維の弾性率は、90−103GPaである。
好ましい例6
本発明による高弾性率ガラス繊維組成物は、以下の成分を含有し、各成分の含有量が重量比率で以下の通りである。
SiO 57−60.4重量%
Al 14−23重量%
1.5−5重量%
CaO 6−10.3重量%
MgO 8.6−13重量%
CaO+MgO+SrO <21重量%
SrO 0.1−2重量%
LiO 0.1−1重量%
LiO+NaO+K <2重量%
TiO<2重量%
Fe <1.5重量%
La0−1.2重量%
重量比率の比C1=(LiO+NaO+KO)/(Y+La)の範囲は、0.29より大きく、重量比率の比C2=MgO/(CaO+SrO)の範囲は、0.9−1.7である。
好ましい例7
本発明による高弾性率ガラス繊維組成物は、以下の成分を含有し、各成分の含有量が重量比率で以下の通りである。
SiO 57−60.4重量%
Al 14−24重量%
0.5−5重量%
CaO 5−10.6重量%
MgO 8−14重量%
CaO+MgO+SrO <21重量%
SrO <3重量%
LiO 0.1−1重量%
LiO+NaO+K <2重量%
TiO<2重量%
Fe <1.5重量%
La0.1−1重量%
重量比率の比C1=(LiO+NaO+KO)/(Y+La)の範囲は、0.28より大きく、重量比率の比C2=MgO/(CaO+SrO)の範囲は、0.8−2.1である。
好ましい例8
本発明による高弾性率ガラス繊維組成物は、以下の成分を含有し、各成分の含有量が重量比率で以下の通りである。
SiO 57−60.4重量%
Al 14−24重量%
2−4重量%
CaO 5−10.6重量%
MgO 8−14重量%
CaO+MgO+SrO <21重量%
SrO <3重量%
LiO 0.1−1重量%
LiO+NaO+K <2重量%
TiO<2重量%
Fe <1.5重量%
La0−1.2重量%
重量比率の比C1=(LiO+NaO+KO)/(Y+La)の範囲は、0.28より大きく、重量比率の比C2=MgO/(CaO+SrO)の範囲は、0.8−2.1である。
好ましい例9
本発明による高弾性率ガラス繊維組成物は、以下の成分を含有し、各成分の含有量が重量比率で以下の通りである。
SiO 57−60.4重量%
Al 14−24重量%
0.5−5重量%
CaO 6.5−10重量%
MgO 8−14重量%
CaO+MgO+SrO <21重量%
SrO <3重量%
LiO 0.1−1重量%
LiO+NaO+K <2重量%
TiO<2重量%
Fe <1.5重量%
La0−1.2重量%
重量比率の比C1=(LiO+NaO+KO)/(Y+La)の範囲は、0.28より大きく、重量比率の比C2=MgO/(CaO+SrO)の範囲は、0.8−2.1である。
好ましい例10
本発明による高弾性率ガラス繊維組成物は、以下の成分を含有し、各成分の含有量が重量比率で以下の通りである。
SiO 55−64重量%
Al 13−24重量%
0.1−6重量%
CaO 3.4−10.9重量%
MgO 12重量%より大きく13重量%以下である
CaO+MgO+SrO <22重量%
LiO+NaO+K <2重量%
TiO<2重量%
Fe <1.5重量%
La0−1.2重量%
重量比率の比C1=(LiO+NaO+KO)/(Y+La)の範囲は、0.26より大きい。
好ましい例10によれば、この組成物で形成したガラス繊維の弾性率は、95GPaより大きい。
好ましい例11
本発明による高弾性率ガラス繊維組成物は、以下の成分を含有し、各成分の含有量が重量比率で以下の通りである。
SiO 55−64重量%
Al 19重量%より大きく21重量%以下である
0.1−6重量%
CaO 3.4−10.9重量%
MgO 8−10.5重量%
CaO+MgO+SrO <22重量%
LiO+NaO+K ≦1重量%
TiO<2重量%
Fe <1.5重量%
La0−1.2重量%
重量比率の比C1=(LiO+NaO+KO)/(Y+La)の範囲は、0.26より大きい。
好ましい例12
本発明による高弾性率ガラス繊維組成物は、以下の成分を含有し、各成分の含有量が重量比率で以下の通りである。
SiO 57−60.4重量%
Al 14−24重量%
0.5−5重量%
CaO 5−10.6重量%
MgO 8−14重量%
CaO+MgO+SrO <21重量%
SrO <3重量%
LiO 0.1−1重量%
LiO+NaO+K <2重量%
TiO<2重量%
Fe <1.5重量%
La0−1.2重量%
CeO 0−1重量%
重量比率の比C1=(LiO+NaO+KO)/(Y+La)の範囲は、0.28より大きく、重量比率の比C2=MgO/(CaO+SrO)の範囲は、0.8−2.1である。
本発明の実施例の目的、技術提案及び利点をより明瞭にするために、以下、本発明の実施例における技術提案を明瞭で、完全に説明し、明らかに、説明される実施例は、本発明の一部の実施例に過ぎず、全ての実施例ではない。本発明における実施例に基づき、当業者が創造的な努力をすることなく得られた全ての他の実施例は、いずれも本発明の保護範囲に属する。衝突しない限り、本願の実施例及び実施例における特徴は相互に任意に組み合わせることができることを説明しておく。
本発明の基本的な思想として、ガラス繊維組成物の各成分の含有量は、重量比率で、SiOが55−64%であり、Alが13−24%であり、Yが0.1−6%であり、CaOが3.4−10.9%であり、MgOが8−14%であり、CaO+MgO+SrOが22%より小さく、LiO+NaO+KOが2%より小さく、TiOが2%より小さく、Feが1.5%より小さく、Laが0−1.2%であり、重量比率の比C1=(LiO+NaO+KO)/(Y+La)の範囲は、0.26より大きい。この組成物は、ガラスの弾性率を顕著に高めることができ、且つ、ガラスの結晶化傾向を効果的に抑制し、ガラスの液相線温度を下げ、望ましい△T値を得ることができ、更に高弾性率ガラスの清澄効果を改良することができ、タンク窯による高弾性率ガラス繊維の生産に特に適用する。
本発明のガラス繊維組成物におけるSiO、Al、Y、CaO、MgO、LiO、NaO、KO、Fe、TiO、SrOとLaの具体的な含有量の値を選択して実施例とし、Sガラス、従来のRガラスと改良Rガラスの性能パラメータと比較する。性能比較時に、6つの性能パラメータを選択する。
(1)成形温度:ガラス溶融物の粘度が10ポイズである時の温度。
(2)液相線温度:ガラス溶融物冷却時の結晶核形成開始温度、即ち、ガラス結晶化の上限温度。
(3)△T値:成形温度と液相線温度の差であり、引抜成形の温度範囲を表す。
(4)結晶化ピーク温度:DTAテストプロセスにおけるガラス結晶化最強ピークの温度。一般的に、この温度が高いほど、結晶核の成長に必要なエネルギーが多くなり、ガラスの結晶化傾向が小さくなることを表す。
(5)弾性率:縦方向に沿う弾性率であり、ガラス繊維の弾性変形抵抗能力を表し、ASTM2343テストによるものである。
(6)気泡数:気泡数を測定する大体の方法としては、専用の金型により各実施例の配合料を形状が同じであるサンプルにプレスし、高温顕微鏡のサンプルテーブルに置き、プロセスに従って設定された空間温度1500℃に昇温し、保温せず、ガラスサンプルが炉に伴って常温まで冷却し、続いて偏光顕微鏡により微視的視点から各ガラスサンプルの気泡数を観察する。気泡数は、顕微鏡成像範囲を基準とする。
上記した6つのパラメータ及びその測定方法は、当業者にとって熟知したものであるため、上記パラメータによって本発明のガラス繊維組成物の性能を有力に説明することができる。
実験の具体的なプロセスとして、各成分は、適切な原料から得られ、割合に応じて各種の原料を混合し、各成分を最終的な所望の重量比率とし、混合後の配合料を溶融して清澄してから、ガラス液をブッシングプレート上のノズルを介して引き出すことによりガラス繊維を形成し、ガラス繊維を牽引して引抜機の回転ハンドピースに巻き取り、原繊維ケーキ又は糸ボールを形成する。勿論、所望の要求を満たすように、これらのガラス繊維を慣用の方法で高度加工することができる。
以下、本発明によるガラス繊維組成物の具体的な実施例を提供する。
実施例1
SiO 59.5%
Al 16.7%
CaO 8.9%
MgO 9.5%
1.8%
NaO 0.23%
O 0.36%
LiO 0.75%
Fe 0.44%
TiO 0.43%
SrO 1.0%
重量比率の比C1=(LiO+NaO+KO)/Yは、0.74であり、重量比率の比C2=MgO/(CaO+SrO)は、0.96である。
実施例1において測定された6つのパラメータの値はそれぞれ以下の通りである。
成形温度 1298℃
液相線温度 1205℃
△T値 93℃
結晶化ピーク温度 1023℃
弾性率 93.9GPa
気泡数 11個
実施例2
SiO 59.3%
Al 17.0%
CaO 8.2%
MgO 9.7%
3.3%
NaO 0.22%
O 0.37%
LiO 0.75%
Fe 0.44%
TiO 0.44%
重量比率の比C1=(LiO+NaO+KO)/Yは、0.41であり、重量比率の比C2=MgO/(CaO+SrO)は、1.18である。
実施例2において測定された6つのパラメータの値はそれぞれ以下の通りである。
成形温度 1300℃
液相線温度 1206℃
△T値 94℃
結晶化ピーク温度 1024℃
弾性率 95.6GPa
気泡数 8個
実施例3
SiO 58.2%
Al 19.2%
CaO 6.7%
MgO 10%
3.4%
NaO 0.19%
O 0.23%
LiO 0.55%
Fe 0.44%
TiO 0.82%
重量比率の比C1=(LiO+NaO+KO)/Yは、0.29であり、重量比率の比C2=MgO/(CaO+SrO)は、1.49である。
実施例3において測定された6つのパラメータの値はそれぞれ以下の通りである。
成形温度 1305℃
液相線温度 1200℃
△T値 105℃
結晶化ピーク温度 1024℃
弾性率 97.0GPa
気泡数 11個
実施例4
SiO 58.8%
Al 17.4%
CaO 5.8%
MgO 10.4%
5.0%
NaO 0.29%
O 0.49%
LiO 0.75%
Fe 0.43%
TiO 0.40%
重量比率の比C1=(LiO+NaO+KO)/Yは、0.31であり、重量比率の比C2=MgO/(CaO+SrO)は、1.79である。
実施例4において測定された6つのパラメータの値はそれぞれ以下の通りである。
成形温度 1303℃
液相線温度 1213℃
△T値 90℃
結晶化ピーク温度 1029℃
弾性率 100.3GPa
気泡数 9個
実施例5
SiO 59.3%
Al 17.1%
CaO 7.6%
MgO 10.4%
3.1%
NaO 0.21%
O 0.34%
LiO 0.45%
Fe 0.44%
TiO 0.43%
SrO 0.3%
重量比率の比C1=(LiO+NaO+KO)/Yは、0.32であり、重量比率の比C2=MgO/(CaO+SrO)は、1.37である。
実施例5において測定された6つのパラメータの値はそれぞれ以下の通りである。
成形温度 1296℃
液相線温度 1206℃
△T値 90℃
結晶化ピーク温度 1021℃
弾性率 94.1GPa
気泡数 10個
実施例6
SiO 59.3%
Al 16.3%
CaO 6.1%
MgO 12.2%
3.4%
NaO 0.23%
O 0.46%
LiO 0.50%
Fe 0.44%
TiO 0.82%
重量比率の比C1=(LiO+NaO+KO)/Yは、0.35であり、重量比率の比C2=MgO/(CaO+SrO)は、2である。
実施例6において測定された6つのパラメータの値はそれぞれ以下の通りである。
成形温度 1300℃
液相線温度 1220℃
△T値 80℃
結晶化ピーク温度 1020℃
弾性率 97.1GPa
気泡数 10個
以下、表の形で、本発明のガラス繊維組成物の上記実施例及び他の実施例とSガラス、従来のRガラスと改良Rガラスの性能パラメータの比較を提供する。ガラス繊維組成物の含有量は、重量比率で表される。実施例の成分の合計含有量が100%よりやや小さく、残量が微量の不純物又は分析できない少量の成分であると理解できることを説明しておく。
Figure 0006662915
Figure 0006662915
Figure 0006662915
上記表における具体的な値から分かるように、Sガラスと従来のRガラスに比べれば、本発明のガラス繊維組成物は以下の利点を有する。(一)遥かに高い弾性率を有する。(二)遥かに低い液相線温度を有し、これは、ガラスの結晶化リスクを低減し、繊維の引抜効率を高めることに寄与し、高い結晶化ピーク温度を有し、これは、ガラスの結晶化プロセスにおいて結晶核の形成と成長により多くのエネルギーを必要とし、つまり、同等の条件で本発明ガラスの結晶化リスクがより小さいことを示す。(三)少ない気泡数を有し、これはガラスの清澄効果がより優れていることを示す。
Sガラスと従来のRガラスは、いずれもタンク窯による生産を実現できず、改良Rガラスは一部の性能を犠牲して液相線温度と成形温度を低下させることで、生産難度を低下させ、タンク窯による生産を実現する。それと異なり、本発明の組成物は、十分に低い液相線温度と成形温度を有し、タンク窯による生産を行うことができるだけでなく、ガラス弾性率が大幅に向上し、S等級とR等級ガラス繊維の弾性率レベルが生産規模に伴って同時に向上できないという技術ボトルネックが解消される。
本発明によるガラス繊維組成物は、上記優れた性能を有するガラス繊維とすることができる。
本発明によるガラス繊維組成物は、一つ又は複数の有機及び/又は無機材料と結合して、例えばガラス繊維補強基材のような性能に優れた複合材料を調製することができる。
最後に、本明細書では、用語「含む」、「有する」又はその他の任意の変形は、非排他的な包含を網羅することを意図しており、一連の要素を含むプロセス、方法、物品又は装置がそれらの要素を含むだけでなく、更に明らかに列挙していない他の要素をも含み、又は、更にこのようなプロセス、方法、物品又は装置に固有の要素を含み、他の限定がない限り、「一つの…を含む」という文に限定された要素について、前記要素を含むプロセス、方法、物品又は装置に、更に他の同じ要素が存在することを排除しないことを説明しておきたい。
以上の実施例は、本発明の技術提案を説明するためのものに過ぎず、それを制限するものではない。前記実施例を参照して本発明を詳細に説明したが、当業者であれば、依然として前記各実施例に記載の技術提案を変更し、又はその一部の技術的特徴に等価置換を行うことができ、これらの変更や置換によって、対応する技術提案の本質が本発明の各実施例の技術提案の精神と範囲から逸脱することはないことが理解できる。
本発明の組成物は、十分に低い液相線温度と成形温度を有し、タンク窯による生産を行うことができるだけでなく、更にガラス弾性率が大幅に向上し、S等級とR等級ガラス繊維の弾性率レベルが生産規模に伴って同時に向上できないという技術ボトルネックを解消し、現在主流となっている高弾性率ガラスに比べて、本発明のガラス繊維組成物は、弾性率、結晶化性能とガラス清澄の面で突破的な進展を取得し、同等の条件でのガラスの弾性率が大幅に向上し、結晶化リスクが大幅に低下し、気泡数が少なく、技術提案が全体的にタンク窯による大規模の生産を実現しやすい。

Claims (7)

  1. 成分として、
    SiO 55−64重量%
    Al17.1−24重量%
    0.1−6重量%
    CaO 3.4−7.6重量%
    MgO 10.4−14重量%
    SrO 0.1−1.1重量%
    CaO+MgO+SrO <22重量%
    LiO+NaO+KO <2重量%
    TiO<2重量%
    Fe <1.5重量%
    La0−1.2重量%を含み、
    重量比率の比C1=(LiO+NaO+KO)/(Y+La)の範囲は、0.26より大きいことを特徴とする高弾性率ガラス繊維組成物。
  2. MgOの含有量は重量比率で10.4−13%であることを特徴とする請求項に記載の高弾性率ガラス繊維組成物。
  3. の含有量は重量比率で0.5−5%であることを特徴とする請求項に記載の高弾性率ガラス繊維組成物。
  4. 成分として、
    SiO 55−64重量%
    Al 19重量%より大きく21重量%以下である
    0.1−6重量%
    CaO 3.4−10.9重量%
    MgO 8−10.5重量%
    CaO+MgO+SrO <22重量%
    LiO+NaO+KO ≦1重量%
    TiO<2重量%
    Fe <1.5重量%
    La 0−1.2重量%を含み、
    重量比率の比C1=(LiO+NaO+KO)/(Y+La)の範囲は、0.26より大きいことを特徴とする高弾性率ガラス繊維組成物。
  5. 更にCeOを含有し、その含有量が重量比率で0−1%であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の高弾性率ガラス繊維組成物。
  6. 請求項1〜のいずれかに記載のガラス繊維組成物を有することを特徴とするガラス繊維。
  7. 請求項に記載のガラス繊維を含むことを特徴とする複合材料。
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