JP6662198B2 - ニッケル複合水酸化物とその製造方法、非水系電解質二次電池用正極活物質とその製造方法、ならびに非水系電解質二次電池 - Google Patents

ニッケル複合水酸化物とその製造方法、非水系電解質二次電池用正極活物質とその製造方法、ならびに非水系電解質二次電池 Download PDF

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Description

本発明は、ニッケル複合水酸化物とその製造方法、非水系電解質二次電池用正極活物質とその製造方法、及び非水系電解質二次電池に関する。
近年、携帯電話やノート型パソコンなどの携帯機器の普及にともない、高いエネルギー密度を有する小型かつ軽量な二次電池の開発が強く望まれている。このような二次電池として、リチウム、リチウム合金、金属酸化物あるいはカーボンを負極として用いる非水系電解質二次電池がある。
非水系電解質二次電池の正極材料には、例えば、リチウム複合酸化物が正極活物質として使用される。リチウムコバルト複合酸化物は、合成が比較的容易であり、かつ、リチウムコバルト複合酸化物を正極材料に用いた非水系電解質二次電池において、4V級の高い電圧が得られるため、高いエネルギー密度を有する二次電池を実用化させるための材料として期待されている。リチウムコバルト複合酸化物に関しては、二次電池において優れた初期容量特性やサイクル特性を実現させるための研究開発が進められ、すでにさまざまな成果が得られている。
しかしながら、リチウムコバルト複合酸化物は、原料に希産で高価なコバルト化合物を用いるため、正極材料および二次電池のコストアップの原因となっている。リチウムコバルト複合酸化物を用いた非水系電解質二次電池は、その容量あたりの単価がニッケル水素電池の約4倍であるため、適用可能な用途がかなり限定される。よって、携帯機器のさらなる軽量化および小型化を実現する観点からは、正極活物質のコストを下げ、より安価な非水系電解質二次電池の製造を可能とする必要がある。
リチウムコバルト複合酸化物に代替できる正極活物質の1つに、コバルトよりも安価なニッケルを用いたリチウムニッケル複合酸化物がある。リチウムニッケル複合酸化物は、リチウムコバルト複合酸化物と同様の高い電池電圧を示すとともに、リチウムコバルト複合酸化物よりも低い電気化学ポテンシャルを示し、電解液の酸化による分解が問題になりにくいため、二次電池の高容量化を可能とする正極活物質として期待されている。このため、リチウムニッケル複合酸化物の研究開発も盛んに行われている。
ここで、電池容量は、充填性と密接な関係があることが知られている。充填密度が高くなれば、同体積の電極内により多くの正極活物質を充填できるため、電池容量が増加する。粒子密度が同等である場合、充填密度を増加するためには、粒径を大きくすることが効果的である。
一方、出力特性の改善には、正極活物質内部に電解液が侵入可能な空間部を形成することが有効である。このような正極活物質は、粒径が同程度である中実構造の正極活物質と比べて、電解液との反応面積を大きくすることができるため、正極抵抗を大幅に低減することが可能となる。
しかしながら、例えば、電池容量の向上のため、粒径を大きくして充填密度を向上させた場合、粒径が大きすぎ、比表面積が低下して、出力特性が低下することがある。また、出力特性の改善のため、比表面積を大きくした場合、充填密度が低下して、電池容量が低下することがある。このように、高い充填密度(タップ密度)と高い比表面積とを両立させ、高電池容量かつ高出力特性である二次電池を得ることは困難であった。
ところで、正極活物質は、その前駆体となる遷移金属複合水酸化物粒子の性状を引き継ぐことが知られている。すなわち、上記した正極活物質を得るためには、その前駆体である遷移金属水酸化物粒子の粒径、粒度分布、および粒子構造などを適切に制御することが必要となる。
例えば、特許文献1〜特許文献3には、主として核生成を行う核生成工程と、主として粒子成長を行う粒子成長工程の2段階に明確に分離した晶析反応により、正極活物質の前駆体となる遷移金属複合水酸化物粒子を製造する方法が開示されている。これらの方法では、核生成工程および粒子成長工程におけるpH値や反応雰囲気を適宜調整することで、小粒径で粒度分布が狭く、かつ、微細一次粒子からなる低密度の中心部と、高密度の外殻部とから構成される遷移金属複合水酸化物粒子を得ている。
特開2012−246199号公報 特開2013−147416号公報 WO2012/131881号公報
しかしながら、上記特許文献1〜特許文献3に記載の製造方法では、雰囲気制御のため原料水溶液の供給の一時停止が必要であり生産性に課題がある。また、得られる粒子から作製した正極活物質においては出力特性の改善はみられるが粒子中心部に中空部を設けるため体積エネルギー密度の向上は望めない。
本発明は、このような問題に鑑みて、高い充填密度と高い比表面積を両立し、高い体積エネルギー密度と高い出力特性が得ることが可能な非水系電解質二次電池用正極活物質及びその前駆体であるニッケル複合水酸化物を提供することを目的とする。また、そのニッケル複合水酸化物及び正極活物質を高い生産性で容易に製造する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、ニッケル複合水酸化物を前駆体として用いた正極活物質の充填性と比表面積に関して鋭意検討した結果、ニッケル複合水酸化物の二次粒子内部の組成を制御し粒子表面近傍組成のコバルト含有量を減らすことにより、得られる正極活物質は、粒径が均一で充填密度が高く、高い比表面積を有するとの知見を得て、本発明を完成したものである。
本発明の第1の態様では、複数の一次粒子が凝集した二次粒子からなり、一般式(1):Ni1−x−yCoMn(OH)2+α(前記式(1)中のxは0.20≦x≦0.35、yは0.20≦y≦0.35、αは0≦α≦0.5の範囲内にあり、0.4≦x+y≦0.7を満たす。)で表されるニッケル複合水酸化物であって、二次粒子の粒子表面から粒子内部にかけて外殻層と、その内部の中心部とを有し、外殻層は、二次粒子直径の10%以上30%以下の厚さを有し、かつ、コバルトの含有量が、外殻層に含まれる金属元素の合計に対して5原子%以下であり、二次粒子を構成する一次粒子は、外殻層で疎に、中心部で密に形成され、レーザー回折散乱法によって測定された粒度分布において、体積平均粒径(Mv)が4μm以上10μm以下であり、累積90体積%径(D90)及び累積10体積%径(D10)と、体積平均粒径(Mv)とによって算出される、粒径のばらつき指数を示す[(D90−D10)/Mv]が0.60以下である、ニッケル複合水酸化物ニッケル複合水酸化物が提供される。
また、外殻部は、その組成が、一般式(3):Ni 1−x−y Co Mn (OH) (但し、式中のxは0≦x≦0.05、yは0≦y≦0.6の範囲内にあり、0≦x+y≦0.6を満たす。)で表され、かつ、針状の一次粒子又は板状の一次粒子から構成されることが好ましい。
本発明の第2の態様では、複数の一次粒子が凝集した二次粒子からなり、一般式(1):Ni1−x−yCoMn(OH)2+α(前記式(1)中のxは0.20≦x≦0.35、yは0.20≦y≦0.35、αは0≦α≦0.5の範囲内にあり、0.4≦x+y≦0.7を満たす。)で表されるニッケル複合水酸化物を製造する方法であって、酸素濃度が5容量%以下の非酸化性雰囲気中で、液温25℃基準でpH値が12.5以上となるように調整して、核の生成を行う核生成工程と、核生成工程において形成された核を含有するスラリーを、酸素濃度が5容量%以下の非酸化性雰囲気中で、液温25℃基準でpH値が10.5以上12.5以下、かつ、該核生成工程におけるpH値より低くなるように調整し、スラリーに、ニッケル塩、コバルト塩及びマンガン塩の少なくとも一つを含む第1の混合水溶液を供給する第1の粒子成長工程と、第1の混合水溶液を、二次粒子中の全金属原子に対して5原子%以下のコバルトを含む第2の混合水溶液に切り替えて、スラリーに供給する第2の粒子成長工程と、を含み、第2の粒子成長工程において、二次粒子表面から粒子内部にかけて直径の10%以上30%以下の厚さを有し、かつ、コバルトの含有量が外殻層に含まれる金属元素の合計に対して5原子%以下となる外殻層を形成させる、ニッケル複合水酸化物の製造方法が提供される。
また、上記第1及び第2の粒子成長工程において、スラリーのアンモニア濃度を5g/L以上20g/L以下に調整することが好ましい。
本発明の第3の態様では、複数の一次粒子が凝集した二次粒子からなり、一般式(2):Li1+uNi1−x−yCoMn(前記式(2)中のuは、−0.05≦u≦0.50、xは0.20≦x≦0.35、yは0.20≦y≦0.35の範囲内にあり、0.4≦x+y≦0.7を満たす。)で表され、六方晶系の層状構造を有するリチウムニッケル複合酸化物を含む非水系電解質二次電池用の正極活物質であって、リチウムニッケル複合酸化物は、比表面積が1.0m/g以上3.0m/g以下、タップ密度が2.0g/ml以上3.0g/ml以下であり、かつ、比表面積とタップ密度との積が3.0以上であり、リチウムニッケル複合酸化物は、レーザー回折散乱法による粒度分布において、体積平均粒径(Mv)が4μm以上10μm以下であり、累積90体積%径(D90)及び累積10体積%径(D10)と、体積平均粒径(Mv)とによって算出される、粒径のばらつき指数を示す[(D90−D10)/Mv]が0.60以下である、非水系電解質二次電池用正極活物質が提供される。
また、リチウムニッケル複合酸化物は、二次粒子の粒子表面から粒子内部にかけて外殻層と、その内部の中心部とを有し、外殻層は、二次粒子直径の10%以上30%以下の厚さを有し、かつ、外殻層のコバルトの含有量が、内部のコバルトの含有量より少なく、二次粒子を構成する一次粒子は、外殻層で疎に、中心部で密に形成される、ことが好ましい。
本発明の第4の態様では、一般式(2):Li1+uNi1−x−yCoMn(前記式(2)中、uは、−0.05≦u≦0.50、xは、0.20≦x≦0.35、yは、0.20≦y≦0.35の範囲内にあり、0.4≦x+y≦0.7を満たす。)で表され、六方晶系の層状構造を有するリチウムニッケル複合酸化物により構成された非水系電解質二次電池用の正極活物質の製造方法であって、上記ニッケル複合水酸化物と、リチウム化合物とを混合してリチウム混合物を形成することと、上記リチウム混合物を、酸化性雰囲気中において850℃以上1100℃以下の温度で焼成することと、を含む非水系電解質二次電池用の正極活物質の製造方法が提供される。
また、上記ニッケル複合水酸化物と、リチウム化合物との混合は、リチウム混合物に含まれるリチウム以外の金属の原子数の和(Me)に対するリチウムの原子数(Li)の比(Li/Me)が、0.95以上1.5以下となるように混合することが好ましい。
本発明の第5の態様では、正極と、負極と、非水系電解質と、セパレータとを備え、正極は、上記非水系電解質二次電池用正極活物質を含む、非水系電解質二次電池が提供される。
本発明の正極活物質は、高い充填密度と高い比表面積とが両立しており、二次電池の正極材料として用いた場合に、高いエネルギー密度を有し、かつ出力特性の高い二次電池が得られる。また、本発明のニッケル複合水酸化物は、粒子内部の組成が制御されており、上記正極活物質の前駆体として好適に用いられる。また、本発明のニッケル複合水酸化物及びそれを用いた正極活物質の製造方法は、上記ニッケル複合水酸化物及びそれを用いた正極活物質を容易に、かつ、生産性高く製造できる製造方法を提供する。よって、本発明の工業的価値はきわめて高いものといえる。
図1は、本実施形態のニッケル複合水酸化物の一例を示す模式図である。 図2は、本実施形態のニッケル複合水酸化物の製造方法の一例を示すフローチャートである。 図3は、本実施形態の正極活物質の製造方法の一例を示すフローチャートである。 図4は、実施例で用いた評価用コイン型電池(2032型)を示す模式図である。 図5は、インピーダンス評価の測定例と解析に使用した等価回路の概略説明図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。また、図面においては、各構成をわかりやすくするために、一部を強調して、あるいは一部を簡略化して表しており、実際の構造または形状、縮尺等が異なっている場合がある。
[ニッケル複合水酸化物]
図1は、本実施形態に係るニッケル複合水酸化物を構成する二次粒子1の一例を示す模式図である。図1に示すように、二次粒子1は、コバルトを含まない又はその含有量が非常に低い外殻層2を有する。外殻層2の内部には、中心部3が配置される。ニッケル複合水酸化物は、非水系電解質二次電池用正極活物質(以下、「正極活物質」ともいう。)の前駆体として好適に用いられる。ニッケル複合水酸化物から得られた正極活物質は、非水系二次電池用正極材料として用いた場合に、優れた電池特性を得ることができる。
(ニッケル複合水酸化物の組成)
本実施形態のニッケル複合水酸化物は、一般式(1):Ni1−x−yCoMn(OH)2+α(但し、式(1)中、xは0.20≦x≦0.35、yは0.20≦y≦0.35、αは0≦α≦0.5の範囲内にある。)で表される。また、上記x及びyは、0.4≦x+y≦0.7を満たす。また、ニッケル複合水酸化物1は、その他の少量の添加元素を含んでもよい。この場合、ニッケル複合水酸化物1は、例えば、一般式(1−2):Ni1−x−yーzCoMn(OH)2+α(前記式(1−2)中のMは、Ni、Co、Mn以外の遷移金属元素、2族元素、および13族元素からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、xは0.20≦x≦0.35、yは0.20≦y≦0.35、zは0≦z≦0.1、αは0≦α≦0.5の範囲内にあり、0.4≦x+y+z≦0.7を満たす。)で表される。
(ニッケル複合水酸化物の粒子構造)
ニッケル複合水酸化物は、複数の一次粒子が凝集した二次粒子1からなる。外殻層2は、該二次粒子1の粒子表面から粒子内部(粒子中心部)にかけて、前記二次粒子直径の10%以上30%以下の厚さを有し、かつ、コバルトの含有量が、外殻層に含まれる金属元素の合計に対して5原子%以下以下の層である。また、コバルトの含有量の下限は0原子%以上である。ニッケル複合水酸化物は、該二次粒子1の粒子表面から粒子内部にかけて組成が制御された外殻層2を有することにより、得られる正極活物質のタップ密度を維持したまま比表面積を上げることが可能となり、出力特性と体積エネルギー密度とを両立させることができる。なお、外殻層2のコバルトの含有量は、例えば、走査型電子顕微鏡の断面観察におけるエネルギー分散型X線分析(EDX)の定量分析により測定することができる。また、外殻層2のコバルトの含有量は、例えば、後述する第2の粒子成長工程(ステップS3)における、第2の混合液の金属組成を制御することにより、所望の範囲に調整できる。
正極活物質の粒子モフォロジーは、前駆体の粒子モフォロジーの影響を強く受ける。このため前駆体の粉体特性を制御すことで、正極活物質にも同様の粉体特性粒が存在するようになる。即ち、二次粒子1は、外殻層2のコバルトの含有量を5原子%以下とすることにより、ニッケル含有量の高い水酸化物粒子にみられる針状の一次粒子を表面(外殻層2)に有する二次粒子や、マンガン含有量の高い水酸化物粒子にみられる板状の一次粒子を表面(外殻層2)に有する二次粒子を得ることができる。このよう粒子内部の構造が制御された二次粒子1からなるニッケル複合水酸化物とリチウム化合物とを混合し焼成して、層状構造を有する六方晶系のリチウムニッケル複合酸化物(正極活物質)を形成した場合、ニッケル複合水酸化物(前駆体)のモフォロジーの差により、中心部が密で表面近傍が疎の粒子構造を有する二次粒子からなる正極活物質となり、正極活物質のタップ密度を維持したまま比表面積を上げることが可能となり、二次電池に用いた場合、出力特性と体積エネルギー密度とを高いレベルで両立することができる。
一方、上記一般式(1)で表され、粒子内部の組成が均一な二次粒子からなるニッケル複合水酸化物の場合、その二次粒子を構成する一次粒子は、針状の一次粒子又は板状の一次粒子(Ni又はMnリッチ)と比較して、Coの含有量が高く、太い形態となるため、得られる正極活物質の比表面積が低下する傾向があり、高いタップ密度と高い比表面積とを両立させるのは難しい。
なお、外殻層2及び中心部3を構成する1次粒子の形態は、後述するように得られる正極活物質において、高いタップ密度と高い比表面積とを両立するものであれば、特に限定されず、例えば、板状の一次粒子と針状の一次粒子との中間の形態であってもよい。
外殻層2の厚さtは、該二次粒子の粒子表面から粒子内部(粒子中心部)にかけて、二次粒子の直径dに対して10%以上30%以下であり、好ましくは10%以上20%以下である。外殻層2の厚さtが上記範囲である場合、得られる正極活物質のタップ密度と比表面積とのバランスに優れる。なお、外殻層2の厚さtは、EDXによる組成マッピングや線分析により求めることができる。また、二次粒子1の直径dは、走査型電子顕微鏡を用いた二次粒子1の断面観察により求めることができる。外殻層2の厚さtや二次粒子の直径dは、ニッケル複合水酸化物を構成する二次粒子1の間で変動する場合があるため、複数の二次粒子1を測定して平均値として求めることが好ましく、例えば、任意の10個の二次粒子1を測定した場合の平均値から求めることができる。
外殻層2の組成は、上記特性を満たせば特に限定されないが、例えば、外殻層2は、一般式(3):Ni1−x−yCoMn(OH)(但し、式中のxは0≦x≦0.05、yは0≦y≦0.6の範囲内にあり、0≦x+y≦0.6を満たす。)で表される。また、上記一般式(3)中、x=0であってもよく、すなわち、外殻層2は、Ni1−yMn(OH)(0≦y≦0.6)で表されてもよく、例えば、Ni(OH)であってもよく、Ni0.5Mn0.5(OH)であってもよい。また、Niの一部がさらに他の添加元素で置換されてもよく、例えば、外殻層2は、一般式(3−2):Ni1−x−y−zCoMn(OH)(式中、Mは、Ni、Co、Mn以外の遷移金属元素、2族元素、および13族元素からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、xは0≦x≦0.05、yは0≦y≦0.6、zは0≦z≦0.1の範囲内にあり、0≦x+y+y≦0.6を満たす。)で表されてもよい。
(ニッケル複合水酸化物の平均粒径及び粒径のばらつき)
ニッケル複合水酸化物は、レーザー回折散乱法による粒度分布において、体積平均粒径(Mv)が4μm以上10μm以下であることが好ましい。また、ニッケル複合水酸化物は、レーザー回折散乱法による粒度分布におけるD90及びD10と体積平均粒径(Mv)とによって算出される粒径のばらつき指数を示す[(D90−D10)/Mv]が0.60以下であることが好ましい。[(D90−D10)/Mv]を上記範囲とすることで、得られる正極活物質のばらつき指数を小さくすることができ、サイクル特性や出力特性を向上させることができる。
正極活物質の粒度分布は、前駆体であるニッケル複合水酸化物の影響を強く受けるため、ニッケル複合水酸化物に微粒子や粗大粒子が混入していると、正極活物質にも同様の粒子が存在するようになる。即ち、ニッケル複合水酸化物のばらつき指数が0.60を超えて、粒度分布が広い状態である場合、正極活物質にも微粒子又は粗大粒子が存在するようになることがある。なお、ばらつき指数が小さければ、正極活物質の特性を向上させることができるが、完全に粒径のばらつきを抑制することは困難であるため、現実的なばらつき指数の下限は、0.30以上程度である。
なお、粒径のばらつき指数を示す[(D90−D10)/Mv]において、D10は、各粒径における粒子数を粒径の小さい側から累積し、その累積体積が全粒子の合計体積の10%となる粒径を意味している。また、D90は、同様に粒子数を累積し、その累積体積が全粒子の合計体積の90%となる粒径を意味している。体積平均粒径(Mv)や、D90及びD10は、レーザー光回折散乱式粒度分析計を用いて測定することができる。
[ニッケル複合水酸化物の製造方法]
図2は、本実施形態に係るニッケル複合水酸化物の製造方法の一例を示すフローチャートである。図2のフローチャートを説明する際に、適宜図1を参照する。ニッケル複合水酸化物の製造方法は、少なくともニッケル、コバルト、マンガン塩を含有する水溶液と中和剤、好ましくはさらに錯化剤とを、撹拌しながら反応容器に供給して、晶析反応により二次粒子1からなるニッケル複合水酸化物を製造する。図2に示すように、ニッケル複合水酸化物の製造方法は、晶析を3段階に分けて、ニッケル、コバルト、マンガン塩を含有する水溶液と中和剤、好ましくはさらに錯化剤とを供給して反応容器を満たしながら、結晶核の生成を行う核生成工程(ステップS1)と、核生成工程で得られた結晶核を成長させる第1及び第2の粒子成長工程(ステップS2、ステップS3)とを備える。以下、各工程について詳細に説明する。
[核生成工程]
核生成工程(ステップS1)では、原料水溶液として用いられる所定量のニッケル塩、コバルト塩、マンガン塩のすくなくとも一つを含有する第1の混合水溶液(核生成用溶液)の組成を、所望の組成とし、酸素濃度が5容量%以下の非酸化性雰囲気中で、pH値を液温25℃で12.5以上となるように調整することによって、核の生成を優先的に生じさせる。以下、核生成工程(ステップ1)の各条件について説明する。
(pH制御)
核生成工程(ステップS1)においては、第1の混合水溶液(核生成用水溶液)のpH値が、液温25℃基準で12.5以上の範囲となるように制御する必要がある。液温25℃を基準としたpH値が12.5未満の場合、核が生成されるものの核自体が成長して大きくなるため、その後の第1及び第2の粒子成長工程(ステップS2、S3)で粒径の均一性が高い二次粒子が得られず、外殻層2の厚さtの制御が困難となる。一方、pH値が高いほど微細な核が得られるが、14.0を超える場合、反応液がゲル化して晶析が困難となったり、ニッケル複合水酸化物の核が小さくなり過ぎたりする等の問題が生じることがある。即ち、核生成工程(ステップS1)においては、第1の混合水溶液(核生成用水溶液)のpH値が12.5以上であり、好ましくは12.5以上14.0以下、より好ましくは12.5以上13.5以下の範囲内とすることによって、核を十分に生成することができる。
(中和剤)
pHは、中和剤であるアルカリ溶液を添加することにより制御することができる。アルカリ溶液は、特に限定されるものではなく、たとえば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの一般的なアルカリ金属水酸化物水溶液を用いることができる。アルカリ金属水酸化物を、直接、混合水溶液に添加することもできるが、pH制御の容易さから、水溶液として添加することが好ましい。この場合、アルカリ金属水酸化物水溶液の濃度は、12.5質量%以上30質量%以下とすることが好ましく、20質量%以上25質量%以下程度とすることがより好ましい。アルカリ金属水酸化物水溶液の濃度の低い場合、スラリー濃度が低下して生産性が悪化することがあるため、濃度を高めることが好ましく、具体的には、アルカリ金属水酸化物の濃度を20質量%以上とすることが好ましい。一方、アルカリ金属水酸化物の濃度が30質量%を超えると、添加位置でのpHが局部的に高くなり、微粒子が発生することがある。
(反応温度)
核生成工程(ステップS1)における核生成用水溶液の温度は、40℃以上70℃以下に保持することが好ましい。温度が上記範囲である場合、ニッケル複合水酸化物の微細な核を十分に生成させることができる。
核生成工程(ステップS1)においては、具体的には、予め、無機アルカリ水溶液に水を加えることによりpH値を12.5以上に調整したものを反応水溶液とし、反応水溶液を反応槽内で撹拌しながら第1の混合水溶液(核生成用水溶液)を供給し、無機アルカリ水溶液(中和剤)を添加してpH値を維持しながら核を生成させて、核を含むスラリーを得ることができる。反応水溶液のpH値を維持しながら第1の混合水溶液(核生成用水溶液)を供給する方法は、pH値の制御を厳密に行うことができ、核の生成が容易であり、好ましい。
[第1の粒子成長工程]
次いで、第1の粒子成長工程(ステップS2)では、まず、核生成工程(ステップS1)の終了後、反応槽内の核を含むスラリーを、酸素濃度が5容量%以下の非酸化性雰囲気中で、pH値が、液温25℃基準で10.5以上12.5以下、且つ核生成工程(ステップS1)におけるpHより低くなるように調整して、pHが調整されたスラリー(粒子成長用スラリー)を得る。pH値の制御は、例えば、上述したように第1の混合水溶液を供給しながら無機アルカリ水溶液(中和剤)の供給量を調節することにより行う。また、混合水溶液に含まれる塩を構成する無機酸を添加してpHを調整してもよい。
第1の粒子成長工程(ステップS2)では、少なくともニッケル塩、コバルト塩、マンガン塩の少なくとも一つを含有する第1の混合水溶液を、上記pHが調整されたスラリー(粒子成長用スラリー)に供給して、粒子成長を行う。第1の混合水溶液には、所定の組成のニッケル複合水酸化物が得られるように必要に応じてニッケル、コバルト、マンガンを含有する金属化合物を含有させる。この工程では、二次粒子1の中心部3の形成が主に行われる。
(pH制御)
第1の粒子成長工程(ステップS2)では、粒子成長用スラリーのpH値が、液温25℃基準で10.5以上12.5以下、好ましくは11.0以上12.0以下の範囲、且つ核生成工程におけるpHより低くなるように制御する。液温25℃を基準としたpH値が10.5未満の場合、得られるニッケル複合水酸化物中に含まれる不純物、例えば、金属塩に含まれるアニオン構成元素等が多くなるという問題が生じる。また、スラリーの液成分中に残留する金属成分が多くなって組成ずれや歩留まりが低下するという問題が生じる。一方、pH12.5を超える場合、粒子成長生成工程で新たな核が生成し、粒度分布が悪化し、後工程で形成される外殻層2の厚さtが制御できない。即ち、粒子成長工程において、粒子成長用スラリーのpH値を上記範囲に制御することにより、核生成工程(ステップS1)で生成した核の成長を優先的に起こさせ、新たな核形成を抑制することができ、得られるニッケル複合水酸化物を均質、且つ粒度分布の範囲が狭く、形状が制御されたものとすることができる。核生成と粒子成長とをより明確に分離するためには、粒子成長用スラリーのpH値を核生成工程(ステップS1)におけるpHより、0.5以上低く制御することが好ましく、1.0以上低く制御することがより好ましい。
(錯化剤)
第1及び第2の粒子成長工程においては、錯化剤としてアンモニアを添加することが好ましい。その際の粒子成長用スラリー中のアンモニア濃度は、5g/L以上20g/L以下に制御することが好ましい。アンモニアは錯化剤として作用するため、アンモニア濃度が5g/L未満の場合、金属イオンの溶解度を一定に保持することができず、結晶が発達した一次粒子が不均一となり、ニッケル複合水酸化物の粒径の幅がばらつき、外殻層2の厚さtがばらつく原因となることがある。アンモニア濃度が20g/Lを超える場合、金属イオンの溶解度が大きくなり過ぎ、粒子成長用スラリーに残存する金属イオン量が増えて、組成のずれ等が起きる場合がある。また、アンモニア濃度が変動すると、金属イオンの溶解度が変動し、均一なニッケル複合水酸化物が形成されないため、一定値に保持することが好ましい。例えば、アンモニア濃度の変動は、設定濃度に対して増加又は減少の幅が5g/L程度として所望の濃度に保持することが好ましい。なお、上記の核生成工程においても、同様の条件で錯化剤を添加してもよい。
アンモニアの添加は、アンモニウムイオン供給体によって行うことができる。アンモニウムイオン供給体は特に限定されないが、例えば、アンモニア、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、炭酸アンモニウム、フッ化アンモニウム等を使用することができる。
(反応温度)
第1の粒子成長工程(ステップS2)における反応水溶液の温度は、40℃〜70℃に保持することが好ましい。これにより、ニッケル複合水酸化物の粒径を目標とする範囲まで成長させることができる。40℃未満では、粒子成長用スラリーの液成分における金属塩の溶解度が低く塩濃度が低いため、粒子成長工程では核生成が多く微細な粒子が多くなり、粒度分布が悪化することがある。さらには、前記体積平均粒径比が0.2〜0.6の範囲から外れるといった可能性も高くなる。混合水溶液の温度が70℃を超えると、アンモニアを用いた場合にはその揮発が多く、ニッケルアンミン錯体濃度が安定せず、粒径がばらつく原因となる。また、中和剤については、核生成工程と同様のものを用いることができる。
(原料水溶液)
原料水溶液である第1の混合水溶液は、ニッケル塩、コバルト塩、マンガン塩の少なくとも一つを含む。これらの金属塩としては、硫酸塩、硝酸塩および塩化物などを使用することができ、コスト、不純物および廃液処理の観点から、硫酸塩を使用することが好ましい。第1の混合水溶液には、所定の組成比のニッケル複合水酸化物が得られるように必要に応じてニッケル、コバルト、マンガン、添加元素Mを含有する金属化合物を含有させる。なお、最終的に、上記式(1)で表されるニッケル複合水酸化物1を得られる範囲であれば、第1の混合溶液中のニッケル、コバルト、マンガン、元素Mの含有量は特に限定されない。なお、核生成工程(ステップS1)で用いられる第1の混合溶液と、第1の粒子成長工程(ステップS2)で用いられる第1の混合溶液とは、その組成が同一であってもよく、異なっていてもよい。なお、第1の粒子成長工程(ステップ2)では、上記核生成工程(ステップ1)と同様に、酸素濃度が5容量%以下の非酸化性雰囲気中で行うことができるため、雰囲気制御のため原料水溶液(例えば、第1の混合水溶液)の供給を一時的に停止する必要はない。
[第2の粒子成長工程]
次いで、第2の粒子成長工程(ステップS3)では、原料水溶液の切り替え以外はpH条件等は同様のまま、原料水溶液である第1の混合水溶液を、外殻層に含まれる金属元素の合計に対して5原子%以下のコバルトを含む第2の混合水溶液に切り替えて、前記スラリーに供給する。第2の粒子成長工程(ステップS3)では、上記の外殻層2を形成するため、反応水溶液内のコバルトの含有量を低減させる必要がある。そこで、第1の粒子成長工程において用いられた第1の混合水溶液を、第1の混合水溶液よりもコバルト含有量が低い第2の混合水溶液へと切り替える。これにより、目的とする粒子表面のコバルト含有量の少ないニッケル複合水酸化物粒子が得られる。
切り替えの時期は、外殻層の厚さによって調整すればよいが、例えば、晶析開始から晶析終了まで供給するすべての混合水溶液(第1及び第2混合水溶液を含む)中のニッケル、コバルト、マンガン及びMの合計で、10原子%以上65原子%以下を投入後に外殻層2の組成に相当する金属組成を有する第2の混合水溶液へ切り替えることが好ましい。また、混合水溶液の供給量が一定であれば、晶析時間によって切り替えることができる。すなわち、晶析開始から晶析終了までの晶析時間の10%〜65%経過した時点で混合水溶液を切り替えてもよい。
第1及び第2の粒子成長工程(ステップS2及びステップS3)において、核生成工程(ステップS1)で得られた核から成長する二次粒子の金属の組成比は、第1及び第2の粒子成長工程(ステップS2及びステップS3)でそれぞれ原料水溶液として用いられる第1の混合水溶液及び第2の混合水溶液における各金属の組成比と同様となる。また、核生成工程(ステップS1)においても、核における金属の組成比は、原料水溶液として用いられる第1の混合水溶液(核生成用水溶液)における各金属の組成比と同様となる。従って、核生成工程(ステップS1)で用いた原料水溶液中の金属塩と第1及び第2の粒子成長工程(ステップS2及びステップS3)で用いる原料水溶液中の金属塩の合計を、ニッケル複合水酸化物の各金属の組成比となるように調節する。
核生成工程(ステップS1)及び第1の粒子成長工程(ステップS2)で用いられる第1の混合水溶液、及び第2の粒子成長工程(ステップ2)で用いられる第2の混合水溶液のそれぞれの塩濃度は、各塩の合計で、1.0mol/L以上2.2mol/L以下とすることが好ましく、1.5mol/L以上2.0mol/L以下とすることがより好ましい。これらの混合水溶液の塩濃度が1.0mol/L未満であると、塩濃度が低すぎて、ニッケル複合水酸化物の結晶が十分に成長しないことがある。生産性を高めるためには、これらの混合水溶液の塩濃度を1.5mol/L以上とすることがより好ましい。一方、これらの混合水溶液の塩濃度が2.2mol/Lを超えると、常温での飽和濃度を超えるため、結晶が再析出して配管を詰まらせるなどの危険があるうえ、核生成の機会が多くなり、微粒子が多くなってしまう。
[非水系電解質二次電池用正極活物質]
本実施形態の正極活物質は、複数の一次粒子が互いに凝集した二次粒子からなり、一般式(2):Li1+uNi1−x−yCoMn(但し、前記式(2)中のuは−0.05≦u≦0.50、xは0.20≦x≦0.35、yは0.20≦y≦0.35の範囲内にあり、0.4≦x+y≦0.7を満たす。)で表され、六方晶系の層状構造を有するリチウムニッケル複合酸化物を含み、高い比表面積と高いタップ密度を両立することができる。以下、リチウムニッケル複合酸化物の特性について説明する。
(比表面積)
リチウムニッケル複合酸化物は、比表面積が1.0m/g以上3.0m/g以下であり、1.2m/g以上2.5m/g以下であることが好ましい。比表面積が上記範囲である場合、得られる二次電池の出力特性を向上させることができる。なお、比表面積は、BET法により測定することができる。
(タップ密度)
リチウムニッケル複合酸化物は、タップ密度が2.0g/ml以上3.0g/ml以下であり、2.0g/ml以上2.5g/ml以下であることが好ましい。タップ密度が上記範囲である場合、得られる二次電池の電池容量を向上させることができる。なお、タップ密度は、例えば、振とう比重測定器(株式会社蔵持科学器械製作所製、KRS−409)により測定することができる。
(比表面積とタップ密度との関係)
リチウムニッケル複合酸化物は、比表面積とタップ密度との積(比表面積×タップ密度)が3以上である。一般的に、比表面積とタップ密度との関係は相反するところ、比表面積とタップ密度との積が3以上である場合、高比表面積による高い出力特性と高タップ密度による電池内への高い充填性を両立させることができる。比表面積とタップ密度との積を評価に用いることで両方がバランスよく大きいものを選定する事ができる。比表面積とタップ密度の積が3未満の場合、比表面積が低く高い出力特性得られないか、あるいはタップ密度が低く電池内への充填性が低下する。比表面積とタップ密度の積の上限は、特に限定されるものではないが、6以下程度であり、より好ましくは5以下程度である。
(平均粒径及び粒径のばらつき)
リチウムニッケル複合酸化物は、レーザー回折散乱法によって測定された粒度分布において、体積平均粒径(Mv)が4μm以上10μm以下であることが好ましい。これにより、電池内での高い充填密度と優れた出力特性を両立させることができる。
また、リチウムニッケル複合酸化物は、累積90体積%径(D90)及び累積10体積%径(D10)と、前記体積平均粒径(Mv)とによって算出される、粒径のばらつき指数を示す[(D90−D10)/Mv]が、0.60以下であることが好ましい。これにより、微粒子や粗大粒子の混入を低減し、さらに優れた耐久性と出力特性を得ることができる。なお、体積平均粒径(Mv)や、D90及びD10は、ニッケル複合水酸化物と同様にして求めることができる。
(組成)
リチウムニッケル複合酸化物は、一般式(2):Li1+uNi1−x−yCoMn(前記式(2)中のuは、−0.05≦u≦0.50、xは0.20≦x≦0.35、yは0.20≦y≦0.35の範囲内にあり、0.4≦x+y≦0.7を満たす。)で表される。
上記式(2)中、リチウムの過剰量を示すuは、−0.05以上0.50以下であり、−0.05以上0.20以下とすることが好ましい。リチウムの過剰量uが−0.05未満の場合、得られた正極活物質を用いた非水系電解質二次電池における正極の反応抵抗が大きくなるため、二次電池の出力が低くなってしまう。一方、リチウムの過剰量uが0.50を超える場合、この正極活物質を用いた二次電池の初期放電容量が低下するとともに、正極の反応抵抗も増加してしまう。なお、正極活物質の組成は、ICP発光分析法により求めることができる。
なお、リチウム以外の金属元素の組成比は、前記ニッケル複合水酸化物の組成がそのまま維持される。一方、二次粒子の中心部と外殻層の組成比は、製造工程中の焼成において均質化される傾向にあるが、組成比の差を残すことによって、二次粒子の表面状態をより疎にすることができ、高い比表面積とすることができる。したがって、正極活物質は、上記のニッケル複合水酸化物と同様に、二次粒子の粒子表面から粒子内部にかけて外殻層を有し、前記外殻層は、前記二次粒子直径の10%以上30%以下の厚さを有し、かつ、コバルトの含有量が内部のコバルトの含有量より少ないことが好ましい。
さらにリチウムニッケル複合酸化物は、電池の特性を改善するために少量の添加元素を含んでもよい。この場合、リチウムニッケル複合酸化物は、例えば、一般式(2−2):Li1+uNi1−x−yCoMn(前記式(2−2)中のMは、Ni、Co、Mn以外の遷移金属元素、2族元素、および13族元素からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、uは−0.05≦u≦0.50、xは0.20≦x≦0.35、yは0.20≦y≦0.35、zは0≦z≦0.1の範囲内にあり、0.4≦x+y+z≦0.7を満たす。)で表される。
[非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法]
図3は、本実施形態に係る正極活物質の製造方法の一例を示すフローチャートである。本実施系の製造方法は、一般式(2):Li1+uNi1−x−yCoMn(前記式(2)中、uは−0.05≦u≦0.50、xは0.20≦x≦0.35、yは0.20≦y≦0.35である。)で表され、六方晶系の層状構造を有するリチウムニッケル複合酸化物により構成された非水系電解質二次電池用の正極活物質の製造方法である。以下、図3を参照して、正極活物質を製造する方法について説明する。
図3に示す示すように、正極活物質の製造方法は、上述のニッケル複合水酸化物とリチウム化合物と混合して、リチウム混合物を形成すること(ステップS4)と、このリチウム混合物を酸化性雰囲気中において850℃以上1100℃以下の温度で焼成すること(ステップS5)とが含まれる。以下、各工程について説明する。
(混合工程)
まず、上述のニッケル複合水酸化物とリチウム化合物と混合して、リチウム混合物を形成する(ステップS4)。リチウム化合物としては、特に限定されず公知のリチウム化合物が用いられることができ、例えば、入手が容易であるという観点から、水酸化リチウム、硝酸リチウム、炭酸リチウム、又は、これらの混合物が好ましく用いられる。これらの中でも、リチウム化合物としては、取り扱いの容易さ、品質の安定性の観点から、酸化リチウム又は炭酸リチウムがより好ましい。混合工程の前にニッケル複合水酸化物を酸化してニッケル複合酸化物の形態にした後、混合してもよい。
ニッケル複合水酸化物とリチウム化合物とは、リチウム混合物中のリチウム以外の金属の原子数、すなわち、ニッケル、コバルトおよび添加元素の原子数の和(Me)と、リチウムの原子数(Li)との比(Li/Me)が0.95以上1.50以下、好ましくは0.95以上1.20以下となるように混合される。すなわち、焼成前後でLi/Meは変化しないので、この混合工程(ステップS4)で混合するLi/Me比が正極活物質におけるLi/Me比となるため、リチウム混合物におけるLi/Meは、得ようとする正極活物質におけるLi/Meと同じになるように混合される。
また、混合には、一般的な混合機を使用することができ、シェーカーミキサ、レーディゲミキサ、ジュリアミキサ、Vブレンダなどを用いることができ、ニッケル複合水酸化物の形骸が破壊されない程度で、十分に混合されればよい。
(焼成工程)
次いで、リチウム混合物を焼成して、リチウムニッケル複合酸化物を得る(ステップS5)。焼成は、酸化性雰囲気中で、850℃以上1100℃以下で行う。焼成温度が850℃未満である場合、焼成が十分行われず、タップ密度が低下することがある。また、焼成温度が850℃未満である場合、リチウムの拡散が十分に進行せず、余剰のリチウムが残存し、結晶構造が整わなくなったり、粒子内部のニッケル、コバルト、マンガン組成の均一性が十分に得られず、電池に用いられた場合に十分な特性が得られないことがある。一方、1100℃を超えると、粒子表面の疎の部分が緻密化してしまう。また、複合酸化物の粒子間で激しく焼結が生じるとともに異常粒成長を生じる可能性があり、このため、焼成後の粒子が粗大となって略球状の粒子形態を保持できなくなる可能性がある。このような正極活物質は、比表面積が低下するため、電池に用いた場合、正極の抵抗が上昇して電池容量が低下する問題が生じる。また、焼成時間は、特に限定されないが、1時間以上24時間以内程度である。
なお、ニッケル複合水酸化物又はそれを酸化して得られるニッケル複合酸化物と、リチウム化合物と、の反応を均一に行わせる観点から、昇温速度は、例えば、1℃/min以上5℃/min以下の範囲で、上記焼成温度まで昇温することが好ましい。さらに、焼成前に、リチウム化合物の融点付近の温度で1時間〜10時間程度保持することで、より反応を均一に行わせることができる。
[非水系電解質二次電池]
本実施形態の非水系電解質二次電池は、一般の非水系電解質二次電池と同様の構成要素により構成されることができ、例えば、正極、負極及び非水系電解液を含む。なお、以下で説明する実施形態は例示に過ぎず、本実施形態の非水系電解質二次電池は、本明細書に記載されている実施形態を基に、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施することができる。また、本実施形態の非水系電解質二次電池は、その用途を特に限定するものではない。
(正極)
先に述べた非水系電解質二次電池用正極活物質を用い、例えば、以下のようにして、非水系電解質二次電池の正極を作製する。まず、粉末状の正極活物質、導電材、結着剤を混合し、さらに必要に応じて活性炭、粘度調整等の目的の溶剤を添加し、これを混練して正極合材ペーストを作製する。正極合材ペースト中のそれぞれの成分の混合比は、例えば、溶剤を除いた正極合材の固形分の全質量を100質量部とした場合、一般の非水系電解質二次電池の正極と同様、正極活物質の含有量を60〜95質量部とし、導電材の含有量を1〜20質量部とし、結着剤の含有量を1〜20質量部とすることが好ましい。
得られた正極合材ペーストを、例えば、アルミニウム箔製の集電体の表面に塗布し、乾燥して、溶剤を飛散させる。必要に応じ、電極密度を高めるべく、ロールプレス等により加圧することもある。このようにして、シート状の正極を作製することができる。シート状の正極は、目的とする電池に応じて適当な大きさに裁断等をして、電池の作製に供することができる。ただし、正極の作製方法は、例示のものに限られることなく、他の方法によってもよい。
正極の導電剤としては、例えば、黒鉛(天然黒鉛、人造黒鉛、膨張黒鉛など)や、アセチレンブラック、ケッチェンブラック(登録商標)などのカーボンブラック系材料などを用いることができる。
結着剤は、活物質粒子をつなぎ止める役割を果たすもので、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、フッ素ゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、スチレンブタジエン、セルロース系樹脂、ポリアクリル酸などを用いることができる。
なお、必要に応じ、正極活物質、導電材、活性炭を分散させ、結着剤を溶解する溶剤を正極合材に添加する。溶剤としては、具体的には、N−メチル−2−ピロリドン等の有機溶剤を用いることができる。また、正極合材には、電気二重層容量を増加させるために、活性炭を添加することができる。
(負極)
負極には、金属リチウムやリチウム合金等、あるいは、リチウムイオンを吸蔵及び脱離できる負極活物質に、結着剤を混合し、適当な溶剤を加えてペースト状にした負極合材を、銅等の金属箔集電体の表面に塗布し、乾燥し、必要に応じて電極密度を高めるべく圧縮して形成したものを使用する。
負極活物質としては、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、フェノール樹脂等の有機化合物焼成体、コークス等の炭素物質の粉状体を用いることができる。この場合、負極結着剤としては、正極同様、PVDF等の含フッ素樹脂等を用いることができ、これらの活物質及び結着剤を分散させる溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン等の有機溶剤を用いることができる。
(セパレータ)
正極と負極との間には、セパレータを挟み込んで配置する。セパレータは、正極と負極とを分離し、電解質を保持するものであり、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等の薄い膜で、微少な孔を多数有する膜を用いることができる。
(非水系電解液)
非水系電解液としては、例えば、支持塩としてのリチウム塩を有機溶媒に溶解したものが用いられる。使用する有機溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、トリフルオロプロピレンカーボネート等の環状カーボネート、また、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジプロピルカーボネート等の鎖状カーボネート、さらに、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメトキシエタン等のエーテル化合物、エチルメチルスルホン、ブタンスルトン等の硫黄化合物、リン酸トリエチル、リン酸トリオクチル等のリン化合物等から選ばれる1種を単独で、あるいは2種以上を混合して用いることができる。
支持塩としては、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiN(CFSO等、及びそれらの複合塩を用いることができる。さらに、非水系電解液は、ラジカル捕捉剤、界面活性剤及び難燃剤等を含んでいてもよい。
(電池の形状、構成)
本実施形態の非水系電解質二次電池は、例えば、上述したような正極、負極、セパレータ及び非水系電解液で構成される。また、非水系電解質二次電池の形状は、特に限定されず、円筒型、積層型等、種々のものとすることができる。いずれの形状を採る場合であっても、正極及び負極を、セパレータを介して積層させて電極体とし、得られた電極体に、非水系電解液を含浸させ、正極集電体と外部に通ずる正極端子との間、及び、負極集電体と外部に通ずる負極端子との間を、集電用リード等を用いて接続し、電池ケースに密閉して、非水系電解質二次電池を完成させる。
(非水系電解質二次電池の特性)
本実施形態の非水系電解質二次電池は、上記構成であり、上述の正極活物質を用いた正極を有しているので、高い充填密度と高い比表面積が得られ、体積エネルギー密度と出力特性とに優れたものとなる。
(二次電池の用途)
本実施形態の二次電池は、上記性質を有するので、常に高容量を要求される小型携帯電子機器(ノート型パーソナルコンピュータや携帯電話端末など)の電源に好適である。
また、本実施形態の二次電池は、高い充放電特性が要求されるモーター駆動用電源としての電池にも好適である。電池は、大型化すると安全性の確保が困難になり、高価な保護回路が必要不可欠であるが、本発明の二次電池は、優れた安全性を有しているため、安全性の確保が容易になるばかりでなく、高価な保護回路を簡略化し、より低コストにできる。そして、小型化、高出力化が可能であることから、搭載スペースに制約を受ける輸送機器用の電源として好適である。
以下、実施例および比較例によって、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。なお、本実施例では、特に断りがない限り、複合水酸化物、正極活物質の製造および二次電池の製造には、和光純薬工業株式会社製試薬特級の各試料を使用した。
(評価方法)
以下の実施例および比較例において、体積平均粒径および粒度分布測定は、レーザ回折式粒度分布計(日機装株式会社製、商品名:マイクロトラック)により測定した。
タップ密度は、振とう比重測定器(株式会社蔵持科学器械製作所製、KRS−409)により測定した。
比表面積は、流動方式ガス吸着法比表面積測定装置(ユアサアイオニクス社製、マルチソーブ)により測定した。
粒子の外観については、走査型電子顕微鏡(株式会社日立ハイテクノロジーズ製、商品名:S−4700)により観察した。外殻層の組成は、エネルギー分散X線分光装置(EDX;日本電子株式会社社製、商品名:JED2300)により分析した。EDX検出器は、分解能:137eVであり、測定条件は、管電圧20kV、管電流20μA、倍率5000倍、WD15mm、プロセスタイム4,計数400万カウント以上とした。また、外殻層のCo含有量は、二次粒子断面の走査型電子顕微鏡観察におけるEDXによる組成分析により求めた。外殻層の厚さは、二次粒子断面の走査型電子顕微鏡観察において加速電圧を変化させ、二次粒子の中央部付近の断面が観察可能な二次粒子を選択し、観察された二次粒子断面のNi、Co及びMnのEDXによるマッピングから外殻層を判断して当該二次粒子の断面の直径に対する外殻層の厚さを測定し、二次粒子20個における平均値を求めた。二次粒子断面の直径は、二次粒子断面の外周上における任意の2点間での最長距離として求め、外殻層の厚さは、二次粒子断面の外周上の任意の点から外殻層と中心部との境界の最短距離を厚さとして、各二次粒子について5箇所測定して平均することで求めた。
正極活物質の組成分析は、ICP発光分析装置(株式会社島津製作所製、ICPS−8100)を用いて行った。
(評価用二次電池の製造)
得られた非水系電解質二次電池用正極活物質の評価は、図4に示すコイン型電池CBAを以下のように作製し、評価することで行なった。非水系電解質二次電池用正極活物質52.5mg、アセチレンブラック15mg、およびポリテトラフッ化エチレン樹脂(PTFE)7.5mgを混合し、100MPaの圧力で直径11mm、厚さ100μmにプレス成形して図5に示す正極PE(評価用電極)を作製した。その作製した正極PEを真空乾燥機中120℃で12時間乾燥した。そして、この正極PEを用いて2032型のコイン型電池CBAを、露点が−80℃に管理されたAr雰囲気のグローブボックス内で作製した。
負極NEには、直径14mmの円盤状に打ち抜かれた平均粒径20μm程度の黒鉛粉末とポリフッ化ビニリデンが銅箔に塗布された負極シートを用い、電解液には、1MのLiPFを支持電解質とするエチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)の3:7混合液(富山薬品工業株式会社製)を用いた。セパレータSEには膜厚25μmのポリエチレン多孔膜を用いた。また、コイン型電池CBAは、ガスケットGAとウェーブワッシャーWWを有し、正極缶PCと負極缶NCとでコイン状の電池に組み立てられた。製造したコイン型電池CBAの性能を示す初期放電容量及び正極抵抗(出力特性)は、以下のように評価した。
(初期放電容量)
初期放電容量は、コイン型電池CBAを製作してから24時間程度放置し、開回路電圧OCV(Open Circuit Voltage)が安定した後、正極に対する電流密度を0.1mA/cmとしてカットオフ電圧4.3Vまで充電し、1時間の休止後、カットオフ電圧3.0Vまで放電したときの容量を初期放電容量とした。充放電容量の測定には,マルチチャンネル電圧/電流発生器(株式会社富士通アクセス製)を用いた。
(反応抵抗)
また、充電電位4.1Vで充電した2032型コイン電池を用いて、交流インピーダンス法により抵抗値を測定した。測定には、周波数応答アナライザおよびポテンショガルバノスタット(ソーラトロン製)を使用して、交流インピーダンス法により測定すると、図5に示すナイキストプロットが得られる。ナイキストプロットは、溶液抵抗、負極抵抗と容量、及び、正極抵抗と容量を示す特性曲線の和として表しているため、等価回路を用いてフィッテング計算し、正極抵抗の値を算出した。
(実施例1)
第1の混合水溶液として、硫酸ニッケル(濃度:38.8g/L)と、硫酸コバルト(濃度:39.0g/L)と、硫酸マンガン(濃度:36.3g/L)の複合溶液を用意し、第2の混合水溶液として、硫酸ニッケル(濃度:115.9g/L)溶液を用意した。
反応槽(60L)内に、25Lの純水を入れて窒素雰囲気中(酸素濃度5容量%以下;反応槽内の酸素濃度が2容量%以下)で撹拌しながら、槽内温度を42℃に設定した。反応槽内へ、25質量%水酸化ナトリウム水溶液と25質量%アンモニア水とを適量加えて、槽内の液のpH値を、液温25℃基準で12.8に、液中のアンモニア濃度を10g/Lに調節した。ここに、硫酸ニッケル、硫酸コバルト、硫酸マンガンの混合水溶液(第1の混合水溶液)を130ml/分の割合で加えて反応水溶液とした。同時に、25質量%アンモニア水および25質量%水酸化ナトリウム水溶液を一定速度で加えていき、pH値を12.8(核生成pH)に制御しながら2分30秒間晶析を行った(核生成工程)。
その後、pH値が液温25℃基準で11.6(粒子成長pH)になるまで、25質量%水酸化ナトリウム水溶液の供給のみを一時停止し、pH値が11.6に到達した後、再度25質量%水酸化ナトリウム水溶液の供給を再開し、pH値を11.6に制御し、液中のアンモニア濃度を10g/Lに制御したまま、2.4時間晶析を継続した(第1の粒子成長工程)。
その後、原料溶液を硫酸ニッケル水溶液(第2の混合水溶液)に切り替えた以外は、上記粒子成長工程と同様の条件で、1.6時間晶析を継続し(第2の粒子成長工程)、反応を終了させた。
晶析の終了後、生成物を水洗、濾過、乾燥させ、Ni0.60Co0.20Mn0.20(OH)2+α(0≦α≦0.5)で表されるニッケル複合水酸化物粒子を得た。得られたニッケル複合水酸化物粒子(前駆体)の評価結果を表1に示す。
得られたニッケル複合水酸化物粒子と、Li/Me=1.04となるように秤量した炭酸リチウムを、シェーカーミキサー装置(ウィリー・エ・バッコーフェン(WAB)社製TURBULA TypeT2C)を用いて十分に混合し、リチウム混合物を得た。このリチウム混合物を空気(酸素:21容量%)気流中にて870℃で10時間保持して焼成し、その後、解砕してリチウムニッケル複合酸化物(正極活物質)を得るとともに評価した。得られた正極活物質の物性評価を表2に、電池評価を表3に示す。
(実施例2)
第1の混合水溶液を、硫酸ニッケル(濃度:78.3g/L)と硫酸コバルト(濃度:39.3g/L)の複合溶液とし、第2の混合水溶液を、硫酸ニッケル(濃度:58.7g/L)溶液と硫酸マンガン(濃度:54.9g/L)の複合溶液としたこと以外は、実施例1と同様にして正極活物質を得るとともに評価した。評価結果を表1および表2に示す。
(実施例3)
第1の混合水溶液を、硫酸ニッケル(濃度:39.1g/L)と、硫酸コバルト(濃度:58.9g/L)と、硫酸マンガン(濃度:18.3g/L)の複合溶液とし、第2の混合水溶液を、硫酸ニッケル(濃度:58.7g/L)溶液と硫酸マンガン(濃度:54.9g/L)の複合溶液とし、焼成温度を950℃にしたこと以外は、実施例1と同様にして正極活物質を得るとともに評価した。評価結果を表1および表2に示す。
(実施例4)
実施例1で得られた前駆体を用いて、焼成温度を900℃としたこと以外は、実施例1と同様にして正極活物質を得るとともに評価した。評価結果を表2に示す。
(比較例1)
使用した混合水溶液を、硫酸ニッケル(濃度:70.4g/L)と硫酸コバルト(濃度:23.6g/L)と硫酸マンガン(濃度:22.0g/L)の複合溶液(第1の原料溶液)のみで晶析を行ったこと以外は、実施例1と同様にして前駆体及び正極活物質を得るとともに評価した。評価結果を表1および表2に示す。
(比較例2)
第1の混合水溶液を、硫酸ニッケル(濃度:65.2g/L)と、硫酸コバルト(濃度:26.2g/L)の複合溶液とし、第2の混合水溶液を、硫酸ニッケル(濃度:24.4g/L)溶液と硫酸ニッケル(濃度:115.9g/L)の複合溶液とし、それぞれの粒子成長晶析時間を3.6時間と0.4時間にしたこと以外は実施例1と同様にして前駆体及び正極活物質を得るとともに評価した。評価結果を表1および表2に示す。
(比較例3)
第1の混合水溶液を、硫酸ニッケル(濃度:78.3g/L)と、硫酸マンガン(濃度:36.6g/L)の複合溶液とし、第2の混合水溶液を、硫酸ニッケル(濃度:58.7g/L)溶液と硫酸コバルト濃度:58.9g/L)の複合溶液、2種類としたこと以外は、実施例1と同様にして前駆体及び正極活物質を得るとともに評価した。評価結果を表1および表2に示す。
(比較例4)
実施例1で得られた前駆体を用いて、焼成温度を800℃としたこと以外は、実施例1と同様にして正極活物質を得るとともに評価した。評価結果を表2に示す。
Figure 0006662198
Figure 0006662198
(評価結果)
実施例のニッケル複合水酸化物(前駆体)は、前駆体粒子表面より内部にかけてコバルト含有量の低い層(外殻層)を一定量有する。また、実施例の前駆体から得られた正極活物質は、例えば、比較例1のように粒子内部が均一な組成を有する前駆体から作製した正極活物質と比べて、高いタップ密度は維持したまま比表面積が高い粒子が得られることが示された。さらに、得られた正極物質を用いた二次電池は、比較例1と比べて、初期放電容量が高く、反応抵抗が低減されて、電気特性が向上したことが示された。
また、前駆体の外殻層の厚さが、粒子直径に対して、10%未満である比較例2では、実施例と比べて、比表面積が小さく、反応抵抗も高い。また、外殻層のCo含有量が多い比較例3では、タップ密度は、実施例と同程度であるものの、比表面積が小さく、反応抵抗も高い。さらに、焼成温度が850℃未満の比較例4では、重量当たりでは容量の低下がないものの、タップ密度が低く電池へ充填性が低下するため、電池の体積当たりの容量が低下する。
1…二次粒子(ニッケル複合水酸化物)
2…外殻層
3…中心部
t…外殻層の厚さ
d…二次粒子の直径
CBA…コイン型電池
PC…正極缶
NC…負極缶
GA…ガスケット
PE…正極
NE…負極
SE…セパレータ
WW…ウェーブワッシャー

Claims (9)

  1. 複数の一次粒子が凝集した二次粒子からなり、一般式(1):Ni1−x−yCoMn(OH)2+α(前記式(1)中のxは0.20≦x≦0.35、yは0.20≦y≦0.35、αは0≦α≦0.5の範囲内にあり、0.4≦x+y≦0.7を満たす。)で表されるニッケル複合水酸化物であって、
    前記二次粒子の粒子表面から粒子内部にかけて外殻層と、その内部の中心部とを有し、
    前記外殻層は、前記二次粒子直径の10%以上30%以下の厚さを有し、かつ、コバルトの含有量が、外殻層に含まれる金属元素の合計に対して5原子%以下であり、
    前記二次粒子を構成する一次粒子は、前記外殻層で疎に、前記中心部で密に形成され、
    レーザー回折散乱法によって測定された粒度分布において、体積平均粒径(Mv)が4μm以上10μm以下であり、累積90体積%径(D90)及び累積10体積%径(D10)と、前記体積平均粒径(Mv)とによって算出される、粒径のばらつき指数を示す[(D90−D10)/Mv]が0.60以下である、
    ニッケル複合水酸化物。
  2. 前記外殻部は、その組成が、一般式(3):Ni 1−x−y Co Mn (OH) (但し、式中のxは0≦x≦0.05、yは0≦y≦0.6の範囲内にあり、0≦x+y≦0.6を満たす。)で表され、かつ、針状の一次粒子又は板状の一次粒子から構成される、請求項1に記載のニッケル複合水酸化物。
  3. 複数の一次粒子が凝集した二次粒子からなり、一般式(1):Ni1−x−yCoMn(OH)2+α(前記式(1)中のxは0.20≦x≦0.35、yは0.20≦y≦0.35、αは0≦α≦0.5の範囲内にあり、0.4≦x+y≦0.7を満たす。)で表されるニッケル複合水酸化物を製造する方法であって、
    酸素濃度が5容量%以下の非酸化性雰囲気中で、液温25℃基準でpH値が12.5以上となるように調整して、核の生成を行う核生成工程と、
    前記核生成工程において形成された核を含有するスラリーを、酸素濃度が5容量%以下の非酸化性雰囲気中で、液温25℃基準でpH値が10.5以上12.5以下、かつ、該核生成工程におけるpH値より低くなるように調整し、前記スラリーに、ニッケル塩、コバルト塩及びマンガン塩の少なくとも一つを含む第1の混合水溶液を供給する第1の粒子成長工程と、
    前記第1の混合水溶液を、前記二次粒子中の全金属原子に対して5原子%以下のコバルトを含む第2の混合水溶液に切り替えて、前記スラリーに供給する第2の粒子成長工程と、を含み、
    前記第2の粒子成長工程において、前記二次粒子表面から粒子内部にかけて直径の10%以上30%以下の厚さを有し、かつ、コバルトの含有量が外殻層に含まれる金属元素の合計に対して5原子%以下となる外殻層を形成させる、ニッケル複合水酸化物の製造方法。
  4. 上記第1及び第2の粒子成長工程において、前記スラリーのアンモニア濃度を5g/L以上20g/L以下に調整する、請求項3に記載のニッケル複合水酸化物の製造方法。
  5. 複数の一次粒子が凝集した二次粒子からなり、一般式(2):Li1+uNi1−x−yCoMn(前記式(2)中のuは、−0.05≦u≦0.50、xは0.20≦x≦0.35、yは0.20≦y≦0.35の範囲内にあり、0.4≦x+y≦0.7を満たす。)で表され、六方晶系の層状構造を有するリチウムニッケル複合酸化物を含む非水系電解質二次電池用の正極活物質であって、
    前記リチウムニッケル複合酸化物は、比表面積が1.0m/g以上3.0m/g以下、タップ密度が2.0g/ml以上3.0g/ml以下であり、かつ、比表面積とタップ密度との積が3.0以上であり、
    前記リチウムニッケル複合酸化物は、レーザー回折散乱法による粒度分布において、体積平均粒径(Mv)が4μm以上10μm以下であり、累積90体積%径(D90)及び累積10体積%径(D10)と、前記体積平均粒径(Mv)とによって算出される、粒径のばらつき指数を示す[(D90−D10)/Mv]が0.60以下である、
    非水系電解質二次電池用正極活物質。
  6. 前記正極活物質は、二次粒子の粒子表面から粒子内部にかけて外殻層と、その内部の中心部とを有し、前記外殻層は、前記二次粒子直径の10%以上30%以下の厚さを有し、かつ、コバルトの含有量が、内部のコバルトの含有量より少なく、
    前記二次粒子を構成する一次粒子は、前記外殻層で疎に、前記中心部で密に形成される、請求項5に記載の非水系電解質二次電池用の正極活物質。
  7. 一般式(2):Li1+uNi1−x−yCoMn(前記式(2)中、uは、−0.05≦u≦0.50、xは、0.20≦x≦0.35、yは、0.20≦y≦0.35の範囲内にあり、0.4≦x+y≦0.7を満たす。)で表され、六方晶系の層状構造を有するリチウムニッケル複合酸化物により構成された非水系電解質二次電池用の正極活物質の製造方法であって、
    請求項3又は請求項4に記載の製造方法により、ニッケル複合水酸化物を得ることと、
    前記ニッケル複合水酸化物と、リチウム化合物とを混合してリチウム混合物を形成することと、
    上記混合工程で形成されたリチウム混合物を、酸化性雰囲気中において850℃以上1100℃以下の温度で焼成することと、を含む
    ことを特徴とする非水系電解質二次電池用の正極活物質の製造方法。
  8. 前記ニッケル複合水酸化物と、リチウム化合物との混合は、前記リチウム混合物に含まれるリチウム以外の金属の原子数の和(Me)に対するリチウムの原子数(Li)の比(Li/Me)が、0.95以上1.5以下となるように混合する、請求項7に記載の非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
  9. 正極と、負極と、非水系電解質と、セパレータとを備え、上記正極は、請求項5に記載の非水系電解質二次電池用正極活物質を含むことを特徴とする非水系電解質二次電池。
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