JP6660299B2 - 飼料原料及びその用途 - Google Patents

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Description

本発明は、特定の組成を有する家畜用飼料原料とその用途に関し、より詳細には消化機能を向上可能な家畜用飼料原料とその用途に関する。
家畜の消化管の機能を調節することは、病気を予防し、消化を改善し、その結果、畜産産物を効率的に生産するのに有効である。消化機能には、消化管内での摂食物の消化として発酵が大きく影響する。そのため、例えば微生物製剤の投与によって発酵を制御することがよく行われる。
ウシ等の反芻動物は、通常の動物で利用できないような繊維質をエネルギー源とするために、ルーメン(第一胃)のような反芻胃を発達させている。ルーメン内は、摂取した飼料、唾液、発酵産物等によって恒常性が保たれ、微生物が棲息するのに適した環境となっている。
図1にルーメン発酵の経路を示す。飼料には、セルロース、ヘミセルロース、デンプン等の炭水化物が大量に含まれる。炭水化物は、ルーメン内の微生物の酵素によって、酢酸、酪酸、プロピオン酸等の短鎖脂肪酸(揮発性脂肪酸ともいう)、乳酸、メタン、二酸化炭素、水素等に変換される。短鎖脂肪酸は、ルーメン壁より大部分が吸収されて、動物の主要なエネルギー源となる。特に、プロピオン酸の生成を促すことが好ましい。
上記ルーメン発酵経路の途中で生成する乳酸がプロピオン酸へ変換されないまま、ルーメン内に蓄積すると、反芻動物の生育に影響を及ぼす。非特許文献1によれば、ルーメンアシドーシスは、ルーメン内でLactobacillus、Streptococcus bovis等の乳酸産生菌が増殖して、乳酸がルーメン内に蓄積し、ルーメン液のpH(以下、「ルーメンpH」という)が5以下となる状態であり、食欲喪失、乳量激減、横臥、起立不能等の臨床症状を示す。ルーメンpHが5.8以下の状態を亜急性ルーメンアシドーシスといい、摂餌量の低下、下痢、ルーメン粘液の損傷、蹄葉炎、肝膿瘍等の疾病を招く。したがって、反芻動物のルーメン内の乳酸の蓄積を抑え、プロピオン酸の生成を促進する手法が望まれる。
動物の飼育においては、限られた穀物資源をより有効に利用することも重要な課題である。例えば、反芻動物用飼料が反芻胃で発酵して得られる短鎖脂肪酸が、乳腺で乳脂肪、乳糖及び乳タンパク質を合成するための原料となる。非特許文献2によれば、乳牛に酢酸を給与することで、乳量の増加、乳脂肪濃度及び乳糖濃度が上昇し、プロピオン酸を給与することで乳タンパク質濃度が上昇することが報告されている。また、低脂肪乳の発生防止のために、ルーメン中の短鎖脂肪酸を高めることも推奨されている(非特許文献3 p91−p92)。したがって、乳の生産量及び乳成分を高めるためには、飼料を特定の短鎖脂肪酸へ効率的に変換できることが望ましい。
飼料の原料として油糧種子を搾油した際に得られる脱脂ミールが利用されている。脱脂ミールを飼料原料とする場合、動物の成長に必要な蛋白源として配合するのが一般的であり、消化管内での発酵の観点からの利用は考えられてこなかった。
また、反芻動物では、夏場の暑熱ストレスにより飼料の摂取量が低下し、生体内のエネルギーが不足して乳量、乳成分が低下することが知られている。泌乳初期には、摂食エネルギーより乳として排出されるエネルギーが多くなり、体内のエネルギーバランスがマイナスとなることで代謝障害や繁殖障害の発生が多くなることが知られている(非特許文献3 p63−64)。
そこで、前記問題点を解決する手段として脂肪酸カルシウムを一般の飼料に配合し給与する方法がある。脂肪酸カルシウムは、高エネルギー飼料として高泌乳牛やその他の家畜のエネルギー源として、特に暑熱時のエネルギー補給用に用いられている(非特許文献3 p63−64)。摂取された脂肪酸カルシウムは、ルーメン内では消化されず、第四胃で消化吸収されるため効率良くエネルギーを補給できるためである。
しかしながら、これらの従来方法は不足しがちとなった生体内のエネルギーの補完を目的とするものであり、家畜の消化管内での発酵を促進することにより、病気の予防と消化を改善し、飼料の利用効率を高め、少ない量の飼料で畜産産物を効率的に生産しようというものではなかった。
三森真琴、「亜急性ルーメンアシドーシスにおけるルーメン微生物の動態」、日獣会誌、65、p503−510、(2012) Brit.J.Nutr.(1961),15,p361−369 日本飼養標準 乳牛 2006年版(中央畜産会、平成19年9月20日発行)
そこで、本発明の課題は、家畜の消化管内の発酵を効率よく促進する技術を提供することにある。具体的には、ルーメン内の微生物発酵を促進することにより、病気の予防と消化を改善し、飼料の利用効率を高め、少ない量の飼料で畜産産物を効率的に生産する飼料原料及びその用途である。
本発明者らは、前記課題を鋭意検討した結果、脂肪酸の金属塩とステロール類とを含有する飼料原料を給与することにより、高エネルギーかつ、家畜の消化管の発酵を促進して、飼料の利用効率を改善し、少ない量の飼料で多くの畜産産物を生産することを見出した。すなわち、本発明は、脂肪酸の金属塩及びステロール類を含み、前記脂肪酸の金属塩及び前記ステロール類の含有率の合計量が40質量%以上95質量%以下含有する飼料原料を提供する。
前記脂肪酸の金属塩100質量部に対し、前記ステロール類が0.1〜30質量部含有することが好ましい。
前記脂肪酸の金属塩の総脂肪酸中に、炭素数12〜24の不飽和脂肪酸が60質量%以上95質量%以下、及び炭素数12〜24の飽和脂肪酸が5質量%以上40質量%以下であることが好ましい。
前記脂肪酸の金属塩に含まれるリノール酸とオレイン酸との質量比(リノール酸/オレイン酸)が0.05以上5以下であることが好ましい。
前記脂肪酸の金属塩の金属がカルシウムであることが好ましい。
前記ステロール類中のβ-シトステロールの含量が30質量%以上であることが好ましい。
前記脂肪酸の金属塩及び/又は前記ステロール類は、油さい由来であることが好ましい。
前記飼料原料は、反芻動物向けであることが好ましい。
本発明は、前記飼料原料を含有する飼料である。
前記飼料原料を0.1〜100重量%含有する飼料であることが好ましい。
本発明は、脂肪酸カルシウム及びステロール類を含み、前記脂肪酸カルシウム及び前記ステロール類の合計量が40質量%以上95質量%以下含有する飼料原料の製造方法であって、前記脂肪酸カルシウムの総脂肪酸中の炭素数12〜24の不飽和脂肪酸が60質量%以上95質量%以下、炭素数12〜24の飽和脂肪酸が5質量%以上40質量%以下、かつ、前記脂肪酸カルシウムに含まれるリノール酸とオレイン酸との質量比(リノール酸/オレイン酸)が0.05以上5以下である前記脂肪酸カルシウム及び、前記ステロール類中のβ-シトステロールの含量が30質量%以上である前記ステロール類を、前記脂肪酸カルシウム100質量部に対し、前記ステロール類を0.1〜30質量部となるように含有させる工程を含む、前記製造方法である。
前記飼料原料にトコフェロールが含まれるように調製することが好ましい。
本発明は、前記飼料原料を飼料に混ぜて家畜に投与することを含む、家畜の育成方法もまた提供する。
本発明は、前記飼料原料を飼料に混ぜて家畜に投与することを含む反芻動物の育成方法であって、前記飼料原料の1日当たりの給与量を、ルーメン標準容積1リットル当たり、ステロール類が0.00625グラム以上0.5グラム以下とすることを特徴とする、反芻動物の育成方法もまた提供する。
前記飼料原料を飼料に混ぜて家畜に投与し、1日当たりの給与量をルーメン標準容量1リットル当たりの前記ステロール類が0.00625グラム以上0.25グラム以下とすることが好ましい。
本発明は、前記飼料原料を飼料に混ぜて家畜に投与することを含む、家畜の消化管内発酵促進方法もまた提供する。
本発明は、飼料原料を飼料に混ぜて家畜に投与することを含む、家畜の病気予防方法もまた提供する。
本発明は、脂肪酸の金属塩とステロール類とを含有する飼料を家畜動物に給与することにより高エネルギー、かつ家畜の消化管内の発酵を促進して、飼料の利用効率を改善し、少ない量の飼料で畜産産物を効率的に生産することが可能な飼料原料及びその用途を提供可能である。
反芻動物のルーメン発酵の経路図を示す。
以下に、本発明の一実施態様を具体的に説明する。本発明の家畜の消化管内の発酵を促進することは、具体的に、消化管内の発酵により、酢酸、プロピオン酸、総短鎖脂肪酸(プロピオン酸、酢酸、コハク酸、乳酸、ギ酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸の全てを合わせたものをいう)のいずれかの生成量が増加したことをいう。プロピオン酸、酢酸、又は総短鎖脂肪酸の生成量が増加することにより、家畜体内での飼料の利用効率が改善し、少ない量の飼料で畜産産物を効率的に生産することが可能となる。乳牛の場合、乳量の増加、乳脂肪濃度、乳糖濃度及び乳タンパク濃度の上昇も可能である。
本発明の飼料原料は、脂肪酸の金属塩及びステロール類の合計量が40質量%以上95質量%以下、好ましくは50質量%以上95質量%以下、より好ましくは60質量%以上90質量以下、さらに好ましくは65質量%以上85質量%以下である。
前記脂肪酸の金属塩及び前記ステロール類を含有する飼料原料は、前記脂肪酸の金属塩100質量部に対し、前記ステロール類が、好ましくは0.1〜30質量部、より好ましくは1〜20質量部、さらに好ましくは3〜15質量部、最も好ましくは2〜12質量部である。
前記脂肪酸の金属塩の総脂肪酸中に、炭素数12〜24の不飽和脂肪酸が、好ましくは60質量%以上95質量%以下、より好ましくは70質量%以上95質量%以下、さらに好ましくは75質量%以上95質量%以下である。
前記脂肪酸の金属塩の総脂肪酸中に、炭素数12〜24の飽和脂肪酸が、好ましくは5質量%以上40質量%以下、5質量%以上30質量%以下が好ましく、さらに好ましくは5質量%以上25質量%以下である。
前記脂肪酸の金属塩に含まれるリノール酸及びオレイン酸の質量比(リノール酸/オレイン酸)は、好ましくは0.05以上5以下、より好ましくは0.1以上4以下、さらに好ましくは0.15以上3.5以下である。
前記脂肪酸の金属塩を構成する脂肪酸は、例えば大豆油、菜種油、コーン油、紅花油、ひまわり油、ボラージ油、アマニ油、パーム油及びその分別油、ごま油、オリーブ油、えごま油、落花生油、牛脂、豚脂、並びに、それらの水素添加、酵素改質等の加工処理を行った動植物油脂全般から得ることができる。また、それらの精製工程から得られる油さい等も使用できる。
本発明においては、家畜飼料として大量に入手可能である点等から、好ましくは大豆油、菜種油、コーン油、紅花油、ひまわり油、ボラージ油、アマニ油、パーム油及びその分別油、並びにそれらの油脂の精製工程で得られる油さい等が使用できる。その中でも、大豆油及び/又は菜種油の精製工程で得られる油さいがより好ましい。
前記脂肪酸の金属塩を構成する金属としては、家畜に対する必須ミネラル成分でもある点から、好ましくはカルシウム及び/又はマグネシウムであり、より好ましくは、取り扱いの容易さ、飼料への混和のし易さ、及び反芻動物のルーメンへの影響の点でカルシウムである。
前記脂肪酸の金属塩の製造方法は、脂肪酸と、金属の酸化物、水酸化物又は塩化物とを常法で反応させることによって製造することができ、特に水酸化ナトリウム及び/又は塩化カルシウムによる製造が好ましい。
前記脂肪酸の金属塩の製造例として、油脂の精製工程で産出するステロール類を含む油さいに、水酸化ナトリウムを前記油さいの鹸化価の0.1〜5倍量、好ましくは1.0〜1.6倍量、水を前記油さいの質量の2〜5倍量、好ましくは2〜3倍量加えて、70℃以上の温度で10分以上、好ましくは70〜90℃で10〜120分以上の時間、加熱を行う。
前記水酸化ナトリウムは固体でも溶液でも加えられるが、混合のし易さから溶液の方が好ましい。
加熱後、塩化カルシウムを添加して、脂肪酸カルシウムの沈殿を生成させる。塩化カルシウムは、無水物、及び含水物のいずれでもよい。
塩化カルシウム(無水)の場合の添加量は、油さいの油分1gに対して、0.198〜0.991g、好ましくは0.277〜0.495gである。含水の塩化カルシウムの場合には、前記塩化カルシウム(無水)と塩化カルシウムが等モルになるように添加量を決めればよい。
塩化カルシウムは、固体でも溶液でも加えることができるが、混合のし易さから、溶液の方が好ましい。発生する沈殿物を遠心分離や濾過で回収し、水洗、乾燥等の処理を経て、前記脂肪酸の金属塩を得ることができる。
前記ステロール類とは、コレステロール又は当該飽和型であるコレスタノールに類似した構造をもつ化合物の総称であり、動植物、微生物及び藻類に広く分布しているものをいう。本発明におけるステロール類は、当業者に公知の任意のものを使用することができ、植物体から抽出した物又は合成した物、フリー体及び/又はエステル体も含まれる。
特に、当業者に公知の任意の方法により、大豆、菜種、米糠、米胚芽等の適当な植物の脂溶性画分より得られる、各種の植物ステロール若しくは植物スタノールの混合物をそのまま使用することができる。なお、このような混合物中には、植物ステロール若しくは植物スタノール以外の各種成分、例えば、脂肪酸、脂肪酸エステル、トコフェロール類、リン脂質等が、適宜含まれていてもよい。
これら混合物の構成成分として含まれている各種の植物ステロール又は植物スタノールから選択された任意の一種又は数種の化合物からなる組み合わせを使用することもできる。
このような構成成分の代表例としては、例えば、β−シトステロール、β−シトスタノール、スチグマステロール、スチグマスタノール、カンペステロール、カンペスタノール、ブラシカステロール、ブラシカスタノール、アベナステロール、シトロスタジエノール等が挙げられる。
植物スタノールについては、天然物の他、植物ステロールを水素添加により飽和させた物も使用することができる。遊離体及び/又はそのエステル体の割合は、任意である。
油脂の精製工程で産出する脱酸油さい、脱臭留出物(スカム、脱臭スラッジ)等にステロール類が含まれている場合は、脱酸油さい及び脱臭留出物をそのまま使用することができる。ステロール類を含有する油さいや脱臭留出物から脂肪酸の金属塩を製造した際に副生されるステロール類も、本発明のステロール類である。
本発明のステロール類は、ステロール中のβ‐シトステロールの含量が、好ましくは30質量%以上、より好ましくは35質量%以上、さらに好ましくは40質量%以上である。
脂肪酸の金属塩及びステロール類を同時に調製できることから、油脂の精製工程の油さいを原料として使用することが好ましい。
本発明の飼料原料に、さらにトコフェロールを含むことが、効率的な粗繊維の消化の観点から好ましい。トコフェロールの含有量は、より好ましくは0.1mg/100g以上300mg/100g以下、さらに好ましくは1.0mg/100g以上200mg/100g以下、最も好ましくは3.0mg/100g以上150mg/100g以下である。
本発明の飼料原料に、さらにリンを含むことが好ましい。リンの含有量は、より好ましくは0.1質量%以上20質量%以下、さらに好ましくは0.5質量%以上10質量%以下、最も好ましくは1.0質量%以上5質量%以下である。
本発明の飼料原料には、機能を阻害しない限り、通常用いられる添加剤を適宜配合することができる。具体的には、保存安定性向上、酸化安定性向上を目的としたエトキシキン、BHT、BHA、TBHQ等が挙げられる。
本発明は、また、本発明の脂肪酸の金属塩及びステロール類を含有する飼料原料を含む飼料、及び前記飼料原料に混ぜて家畜に給与することを含む家畜の育成方法を提供する。
本発明の飼料において、前記飼料原料の含有量は、適用動物、日齢等に応じて適宜変更されるが、通常、0.1質量%以上100質量%以下でよく、好ましくは0.1質量%以上20質量%以下、より好ましくは0.1質量%以上10質量%以下、さらに好ましくは0.1質量%以上8質量%以下である。
ステロール類の給与量が1日当たりのルーメン標準容積1リットル当たり、0.00625〜0.5g、好ましくは0.00625〜0.25g、さらに好ましくは0.00625〜0.125gになるように、前記飼料原料を含む飼料を反芻動物に給与する。
β-シトステロールの給与量が1日当たりのルーメン標準容積1リットル当たり、0.00375〜0.3g、好ましくは0.00375〜0.15g、さらに好ましくは0.00375〜0.075gになるように、前記飼料原料を含む飼料を反芻動物に給与する。
脂肪酸の金属塩の給与量が1日当たりのルーメン標準容積1リットル当たり、0.1188〜9.5g、好ましくは0.1188〜4.75g、さらに好ましくは0.1188〜2.375gになるように、前記飼料原料を含む飼料を反芻動物に給与する。
前記反芻動物へのステロール類の給与量の算出方法をウシの例を用いて詳述する。1日当りの飼料摂取量25Kg(濃厚飼料と粗飼料とを等分に混合した物)に、前記飼料原料25〜2000g配合し(配合率0.1質量%以上8質量%以下)、ステロール類が前記飼料原料に対して5質量%含まれている場合、1日当りのステロール類の給与量は、1.25〜100gとなる。ルーメンの標準容積が200Lであるため、ルーメン標準容積1L当たりのステロール類は、0.00625〜0.5gである。
前記同様の算出方法において、好ましくは、前記飼料原料を1日当たり、25〜1000gの給与(配合率0.1質量%以上4質量%以下)とすると、ステロール類の給与量は、1.25〜50g、及びルーメン標準容積1L当たり0.00625〜0.25gである。さらに好ましくは、前記飼料原料を1日当たり25〜500gの給与(配合率0.1質量%以上2質量%以下)とすると、ステロール類の給与量は、1.25〜25g、及びルーメン標準容積1L当たり、0.00625〜0.125gである。
前記反芻動物へのβ‐シトステロールの給与量の算出方法をウシの例を用いて詳述する。1日当りの飼料摂取量25Kg(濃厚飼料と粗飼料を等分に混合した物)に、前記飼料原料を1日当たり、25〜2000g配合し(配合率0.1質量%以上8質量%以下)、β−シトステロールが前記飼料原料に対して3質量%含まれている場合、1日当たりのβ-シトステロールの給与量は、0.75〜60gとなる。ルーメンの標準容量が200Lであるため、ルーメン標準容積1L当たりのβ−シトステロールは、0.00375〜0.3gである。
前記同様の算出方法において、好ましくは、前記飼料原料を1日当たり、25〜1000gの給与(配合率0.1質量%以上4質量%以下)とすると、β−シトステロールの給与量は、0.75〜30g、ルーメン標準容積1L当たり0.00375〜0.15gである。さらに好ましくは、前記飼料原料を1日当たり、25〜500gの給与(配合率0.1質量%以上2質量%以下)とすると、β−シトステロールの給与量は、0.75〜15g、ルーメン標準容積1L当たり、0.00375〜0.075gである。
前記反芻動物への脂肪酸の金属塩の給与量の算出方法をウシの例を用いて詳述する。1日当りの飼料摂取量25Kg(濃厚飼料と粗飼料を等分に混合した物)に、前記飼料原料を1日当たり、25〜2000g配合し(配合率0.1質量%以上8質量%以下)、前記脂肪酸の金属塩が前記飼料原料に対して95質量%含まれている場合、1日当りの前記脂肪酸の金属塩の給与量、23.75〜1900gとなる。ルーメンの標準容量が200Lであるため、ルーメン標準容積1L当たりの前記脂肪酸の金属塩は、0.1188〜9.5gである。
前記同様の算出方法において、好ましくは、前記飼料原料を1日当たり25〜1000gの給与(配合率0.1質量%以上4質量%以下)とすると、前記脂肪酸の金属塩の給与量は、23.75〜950g、ルーメン標準容積1L当たり0.1188〜4.75gである。さらに好ましくは、前記飼料原料を1日当たり、25〜500gの給与(配合率0.1質量%以上2質量%以下)とすると、前記脂肪酸の金属塩の給与量は、23.75〜475g、ルーメン標準容積1L当たり、0.1188〜2.375gである。
本発明は、また、本発明の前記飼料原料を含む飼料、及び前記飼料原料を飼料に混ぜて家畜に投与することを含む、消化管内発酵促進方法、及び病気予防方法を提供する。
本発明の飼料中の前記飼料原料の含有量は、適用動物、日齢等に応じて適宜変更されるが、通常0.1〜100質量%でよく、好ましくは0.1質量%以上20質量%以下、より好ましくは0.1質量%以上10質量%以下、さらに好ましくは0.1質量%以上8質量%以下である。
本明細書において、前記消化管内発酵促進とは、飼料中に含まれるセルロース、ヘミセルロース、デンプン等の炭水化物を、消化管内の微生物によって、動物の主要なエネルギー源となる短鎖脂肪酸(酢酸、酪酸、プロピオン酸等)、乳酸、メタン、二酸化炭素、水素等に変換されることが促進されるこという。
本明細書において、前記病気予防とは、例えばウシの場合、ルーメン発酵経路の途中で生成する乳酸がプロピオン酸に変換されないまま蓄積され、ルーメン液中のpHが5以下となることで食欲喪失、乳量激減、横臥、起立不能等の臨床症状を示すルーメンアシドーシス等が予防されることをいう。
本発明の飼料に含有される原料には、本発明の前記飼料原料以外に、米、玄米、ライ麦、小麦、大麦、トウモロコシ、マイロ、大豆等の穀類;大豆粕、脱皮大豆粕、大豆蛋白濃縮物、分離大豆蛋白、大豆蛋白分離副産物、菜種粕、綿実粕、ルピナス種粕、コーン蒸留粕、コーングルテンミール、コーングルテンフィード、アルファルファ粉、ポテトプロテイン、ヒヨコマメ、エンドウマメ、インゲンマメ、レンズマメ、ブラックビーン、等の植物性蛋白源;肉骨粉、血粉、フェザーミール、ポークミール、チキンミール、脱脂粉乳等の動物性蛋白源;植物性油脂、動物性油脂、粉末精製牛脂、肝油等の油脂類;リジン、メチオニン、スレオニン、トリプトファン、バリン、イソロイシン等のアミノ酸類;ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、パントテン酸カルシウム、ニコチン酸アミド、葉酸、ビタミンC、ビオチン、コリン等のビタミン類又はビタミン用作用物質;亜鉛、カルシウム、セレン、鉄、リン等のミネラル類;硫酸マグネシウム、硫酸鉄、硫酸銅、硫酸亜鉛、ヨウ化カリウム、硫酸コバルト、炭酸カルシウム、リン酸三カルシウム、塩化ナトリウム、リン酸カルシウム、塩化コリン等の無機塩類;色素が挙げられる。
本発明の飼料には、飼料の品質の低下防止、栄養成分の有効利用の促進等に用いられる汎用の飼料添加物を、本発明の効果を阻害しない範囲で使用してもよい。そのような例には、抗酸化剤、防カビ剤、粘結剤、乳化剤、pH調整剤、抗菌剤、呈味料、着香料、酵素、生菌剤、有機酸等が挙げられる。
本発明の飼料の適用対象は、特に制限されず、家畜や愛玩動物を含む。家畜の例には、ウシ、ヤギ、ヒツジ、ブタ、ウマ、ウサギ、ニワトリ、アヒル、七面鳥、ガチョウ、アイガモ、キジ、魚類等が挙げられる。
本発明の飼料は、ルーメン発酵において、プロピオン酸、酢酸、及び総短鎖脂肪酸を増大させる点で、ウシ、ヤギ、ヒツジ等の反芻動物に特に有用である。
以下に、本発明の実施例及び比較例を示すが、本発明の主旨はこれらに限定されるものではない。
1.試料の調製
以下の試料を用いて、実施例及び比較例に供する脂肪酸カルシウムを調製した。
(1)大豆油油さい
一般的な大豆原油の精製工程における脱酸工程で得られる脱酸油さい(ソーダ油さい)を使用した。
(2)菜種油油さい
一般的な菜種原油の精製工程における脱酸工程で得られる脱酸油さい(ソーダ油さい)を使用した。
(3)各種脂肪酸試薬
パルミチン酸(特級)、ステアリン酸(特級)、オレイン酸(生化学用)、リノール酸(一級)、及びリノレン酸であって、いずれもトコフェロールを含有していない試薬(和光純薬工業株式会社製)を使用した。
(4)β―シトステロール試薬
タマ生化学株式会社製であるβ―シトステロールを使用した。
2.成分分析方法
(1)一般成分
粗脂肪(質量%)、水分(質量%)、粗灰分(質量%)、粗蛋白質(質量%)、及び粗繊維(質量%)は、社団法人日本科学飼料協会発行の飼料分析方法に準ずる方法で測定した。
(2)脂肪酸組成及び脂肪酸含量
前記粗脂肪の測定の際に抽出された試料(油分)に内部標準(トリコサン酸メチル)を入れて、基準油脂分析試験法(日本油化学会制定)2.4.2.2-1996に準ずる方法にて定量分析した。
(3)脂肪酸カルシウム含有率
脂肪酸カルシウム含有率(質量%)は、以下の方法で分析及び算出した。上記(2)脂肪酸組成の測定で得られた脂肪酸含有率を(脂肪酸の分子量×2)で除して、さらに〔(脂肪酸の分子量−1)×2+カルシウムの分子量40)〕を乗じたものを、脂肪酸カルシウム含有率とした。
各種脂肪酸の分子量及びカルシウムの分子量は、以下の表1に示す値とし、以下の数1の式にて算出した。

(4)ステロール類
ステロール類組成は、以下の方法にて分析した。前記粗脂肪の測定の際に抽出された試料(油分)0.5〜1gと内部標準(5α−コレスタン−3β−オール)を、300mL容共栓付三角フラスコに精秤した。基準油脂分析試験法(日本油化学会制定)3.3.4−1996(不けん化物)に準ずる方法にて、不鹸化物を得た。得られた不鹸化物に5mLのジエチルエーテルを加え、そこから1mLを専用容器に分取した。分取した液にTMS化(トリメチルシリル化)処理を行い、GC(ガスクロマトグラフィー)分析用検液を得た。この分析用検液を、以下のGC条件にて分析を行った。
〔GC条件〕
カラム:CP−Sil 8BC(0.25mm(I.D.)×30m、膜厚0.25μm)
Inj.Temp.:280℃
Det.Temp.:290℃
Oven Temp.:260℃(50min.)→10℃/min.→300℃(10min.)
(5)ミネラル
ミネラルは、ナトリウムを原子吸光光度法、リンをICP発光分析法、カルシウムをICP発光分析法にて、それぞれ分析した。
(6)トコフェロール
トコフェロールは、高速液体クロマトグラフ法にて分析した。
〔実施例1〕(大豆油脂肪酸カルシウムの調製)
大豆原油を精製する脱酸処理で得られる脱酸油さいに、鹸化価の1.2倍量の水酸化ナトリウム、油さいの質量の2倍量の水を加えて70℃で60分間保温した。この混合物に含まれる油分1g当たり0.317gの塩化カルシウム(無水)を加えて、脂肪酸カルシウムの沈殿を生成させた。
生成させた沈殿を遠心分離(遠心機:タナベウィルテック製 CO−10、脱水袋:P26−1、遠心条件:3000rpm)で回収し、廃液のナトリウムイオン濃度が500ppm以下となるまで水洗を実施した。遠心、洗浄したものを取り出して、乾燥(FVドライヤー:大川原製作所製、FVD−50、乾燥条件:70℃減圧下で12時間)を実施して、大豆油脂肪酸カルシウムを得た。
〔比較例1〕(大豆油様脂肪酸カルシウムの調製)
各種脂肪酸の試薬を脂肪酸と反応し得る相当量の1.2倍量の水酸化ナトリウム、脂肪酸の質量の8倍量の水を加えて80℃で60分間保温した。この混合物に脂肪酸1g当たり0.238gの塩化カルシウム(無水)を加えて脂肪酸カルシウムの沈殿を得て回収し、廃液のナトリウムイオン濃度が500ppmとなるまで水洗を実施した。
洗浄したものを乾燥(乾燥条件:50℃で一晩送風乾燥させた後に50℃の減圧下で一晩乾燥)した。得られた各種脂肪酸カルシウムを大豆油脂肪酸組成と近似するように調合し、比較例1の大豆油様脂肪酸カルシウムを得た。
上記で得られた実施例1と比較例1の試料の成分分析結果を、表2に示す
〔ルーメン発酵試験1〕
(1)ルーメン液採取
試験には、体重約400kgのF1ウシ3頭を用いた。ウシは、個体毎に、コンクリート敷き牛房に収容した。ウシには、市販飼料(製品名:そよ風の薫り、日本配合飼料株式会社製)とイタリアンライグラスとを1:1の割合にて混合した飼料を、1日当たり2kg/頭、給与した。
ウシには、試験前3週間及び試験中、抗菌剤等の投与を行わなかった。朝の給与時に、ルーメンフィステルを装着したウシから、ルーメン液を約500mL採取した。
(2)発酵試験
上記実施例1及び比較例1で製造した試料を、牛ルーメン液により発酵させ、脂肪酸カルシウムとステロール類の発酵促進効果の影響を、以下の手順で調べた。
まず、ウシから採取したルーメン液500mLを4重ガーゼで濾過後、濾液をMcDougall’s Bufferで2倍希釈した。予め試験試料を入れてある50mL容バイアル瓶に、前記希釈液25mLを投入した。
上記バイアル瓶に、前記の各試料をその添加量が0.1%になるように添加した。これらの培養液に対して100mgの濾紙(ワットマンNo.1)を発酵基質として全てのバイアル瓶に添加した。バイアル瓶中の気相を窒素ガスで置換し、ブチルゴム栓とアルミシールで密栓した。得られた混合液を、37℃で48時間、振とう培養した。
実験は、1実験区につき、発酵を2反復で行った。発酵終了後に、培養液の一部を酢酸濃度比率、プロピオン酸濃度比率及び総短鎖脂肪酸濃度比率測定用に採取した。その後、培養液中に含まれる残存ろ紙を乾燥させ重量を測定した。繊維消化率を、以下の数2の式にて算出した。
上記方法及び数1にて得た上記比較例の繊維消化率を1.000としたときの相対値を、上記実施例の繊維消化比率[−]とした。
(3)酢酸濃度比率、プロピオン酸濃度比率及び総短鎖脂肪酸濃度比率の測定
上記発酵試験で採取したサンプル0.3mLを、蒸留水0.6mLで希釈後、0.09mLの過塩素酸(14%)加えて攪拌した。その後、10分間氷冷下で静置し、−80℃で凍結保存した。分析時に解凍し、0.45μmポアサイズのフィルターで濾過した。濾液をイオン排除液体クロマトグラフィーにかけ、酢酸、プロピオン酸及び総短鎖脂肪酸(プロピオン酸、酢酸、コハク酸、乳酸、ギ酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸の合計)の濃度を測定した。
上記比較例の値を1.000としたときの相対値を、上記実施例の酢酸比率[−]、プロピオン酸比率[−]及び総短鎖脂肪酸比率[−]とした。結果を表3に示す。
実施例1のステロール類の含有する大豆油脂肪酸カルシウムは、比較例1のステロール類の含有しない大豆油様脂肪酸カルシウムと比較して、全ての比率で高い値を示し、発酵が好ましく促進していることがわかる。
〔実施例2〕(菜種油脂肪酸カルシウムの調製)
菜種油原油を精製する脱酸処理で得られる脱酸油さいを使用する以外は、実施例1と同様の方法にて、菜種油脂肪酸カルシウムを得た。
〔実施例3〕(ステロール類を添加した菜種油様脂肪酸カルシウムの調製)
比較例1で調製した脂肪酸カルシウムを菜種脂肪酸組成と近似させて調合した以外は、比較例1と同様の方法で、菜種油様脂肪酸カルシウムを得た後、試薬のβ−シトステロールを添加した。
〔比較例2〕(菜種油様脂肪酸カルシウムの調製)
比較例1で調製した脂肪酸カルシウムを菜種脂肪酸組成と近似させて調合した以外は、比較例1と同様の方法で、菜種油様脂肪酸カルシウムを得た。
前記で得られた実施例2、実施例3及び比較例2の試料の成分分析結果を、表4に示す。

〔ルーメン発酵試験2〕
(1)ルーメン液採取
ルーメン発酵試験1と同様の方法で、ルーメン液採取を実施した。結果を表5に示す。
(2)発酵試験
前記実施例2、実施例3及び比較例2で製造した試料を用いた以外は、ルーメン発酵試験1と同様の方法で、発酵試験を実施した。
(3)酢酸比率、プロピオン酸比率及び総短鎖脂肪酸濃度比率の測定
前記実施例2、実施例3及び比較例2で製造した試料を用いた以外は、ルーメン発酵試験1と同様の方法で、酸比率、プロピオン酸比率及び総短鎖脂肪酸濃度比率の測定を実施した。
実施例2のステロール類の含有する菜種油脂肪酸カルシウムは、比較例2のステロール類の含有しない菜種油様脂肪酸カルシウムと比較して、全ての比率で高い値を示している。このことから、繊維の消化が良好であり、酢酸、プロピオン酸及び総短鎖脂肪酸の生成量が増加している。このことから、発酵が好ましく促進されていることがわかる。
一方、ステロール類を含有しない菜種油様脂肪酸カルシウムにβ−シトステロールを含有させた実施例3は、比較例2のステロール類を含有しない菜種油様脂肪酸カルシウムと比較して、全ての比率で高い値を示し、発酵が好ましく促進されていることがわかる。特に、実施例3の発酵が顕著に促進されていることから、ステロール類の中でも、β−シトステロールの効果が好ましいことを確認した。

Claims (17)

  1. 脂肪酸の金属塩及びステロール類を含み、前記脂肪酸の金属塩及び前記ステロール類の合計量が40質量%以上95質量%以下含有する飼料原料を飼料に混ぜて家畜に給与することを含む、家畜の消化管内発酵促進方法。
  2. 前記脂肪酸の金属塩100質量部に対し、前記ステロール類が0.1〜30質量部である、請求項1に記載の家畜の消化管内発酵促進方法。
  3. 前記脂肪酸の金属塩の総脂肪酸中に、炭素数12〜24の不飽和脂肪酸が60質量%以上95質量%以下、及び、炭素数12〜24の飽和脂肪酸が5質量%以上40質量%以下である、請求項1又は2に記載の家畜の消化管内発酵促進方法。
  4. 前記脂肪酸の金属塩に含まれるリノール酸とオレイン酸との質量比(リノール酸/オレイン酸)が0.05以上5以下である、請求項1〜3のいずれかに記載の家畜の消化管内発酵促進方法。
  5. 前記脂肪酸の金属塩が脂肪酸カルシウムである、請求項1〜4のいずれかに記載の家畜の消化管内発酵促進方法。
  6. 前記ステロール類中のβ-シトステロールの含量が30質量%以上である、請求項1〜5のいずれかに記載の家畜の消化管内発酵促進方法。
  7. 前記脂肪酸の金属塩及び/又は前記ステロール類が、油さい由来である、請求項1〜6のいずれかに記載の家畜の消化管内発酵促進方法。
  8. 前記家畜が反芻動物である、請求項1〜7のいずれかに記載の家畜の消化管内発酵促進方法。
  9. 前記消化管内発酵促進は、消化管内の発酵により、酢酸、プロピオン酸又は総短鎖脂肪酸の生成量を増加させる、請求項8に記載の消化管内発酵促進方法。
  10. 前記消化管がルーメンである、請求項8又は9に記載の消化管内発酵促進方法。
  11. 前記飼料が前記飼料原料を0.1〜100質量%含有する、請求項1〜10のいずれかに記載の家畜の消化管内発酵促進方法。
  12. 前記飼料原料は、前記脂肪酸カルシウムの総脂肪酸中の炭素数12〜24の不飽和脂肪酸が60質量%以上95質量%以下、炭素数12〜24の飽和脂肪酸が5質量%以上40質量%以下、かつ、前記脂肪酸カルシウムに含まれるリノール酸とオレイン酸との質量比(リノール酸/オレイン酸)が0.05以上5以下である前記脂肪酸カルシウム及び、前記ステロール類中のβ-シトステロールの含量が30質量%以上である前記ステロール類を、前記脂肪酸カルシウム100質量部に対し、前記ステロール類を0.1〜30質量部となるように含有する、請求項5に記載の家畜の消化管内発酵促進方法。
  13. 前記飼料原料にトコフェロールを含む、請求項12に記載の家畜の消化管内発酵促進方法。
  14. 前記飼料原料にリンを含む、請求項12又は13に記載の家畜の消化管内発酵促進方法。
  15. 前記飼料原料の1日当たりの給与量を、ルーメン標準容積1リットル当たり、ステロール類が0.00625g以上0.5g以下とすることを特徴とする、請求項8〜14のいずれかに記載の家畜の消化管内発酵促進方法。
  16. 前記ステロール類が0.00625g以上0.25g以下とすることを特徴とする、請求項15に記載の家畜の消化管内発酵促進方法。
  17. 前記飼料原料の1日当たりの給与量を、ルーメン標準容積1リットル当たり、β-シトステロール類が0.00375g以上0.3g以下とすることを特徴とする、請求項8〜14のいずれかに記載の家畜の消化管内発酵促進方法。
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