JP6660075B2 - コンベヤ装置 - Google Patents
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Description
ここで、ベルトコンベヤを用いて掘削土砂を搬送する場合、従来のベルトコンベヤによっては、土砂を搬送し得る傾斜角度に限界がある。そのため、従来、立坑もしくは斜坑を介して掘削土砂を搬送する場合には、各種の揚重機器を別途に要していた。
例えば、特許文献1には、垂直搬送部内に、下部水平搬送部から送り込まれた被搬送物を垂直搬送部内へ掻き上げ、上部水平搬送部へ受け渡す搬送体を循環自在に装備している。
また、特許文献1記載の技術では、垂直搬送部のリタン側では、搬送体が天地逆を向くため、荷こぼれが生じやすいという問題がある。
そこで、本発明は、このような問題点に着目してなされたものであって、複雑な装置構成とすることなく、かつ荷こぼれが生じることなく、垂直方向への連続搬送用として好適なコンベヤ装置を提供することを課題とする。
そして、搬送経路上方側の折り返し位置近傍では、コンベヤベルトは、屈曲状態から再び展開状態とされるので、掘削土砂をコンベヤベルトから降ろして連続的に揚土することができ、さらに、コンベヤベルトを、展開状態から再び屈曲状態とされ復路に戻すことができる。
また、このコンベヤ装置によれば、コンベヤベルトが、往路側及び復路側とも、折り返し位置の近傍を除く搬送中において、幅方向に二つ折りの屈曲状態となっているので、コンベヤベルトが掘削土砂を囲繞するように保持し、荷こぼれを防止又は抑制することができる。また、往路側において掘削土砂を搬送して揚土し、掘削土砂が除かれた復路側において、資材などの他の部材を搬送することもできる。
図1に示すコンベヤ装置1は、立坑もしくは斜坑を介して地下掘削現場から掘削した土砂を、立坑を通じて地上部に搬出する際に用いるものであり、立抗内の下側に位置する水平搬送部2と、立抗内において垂直方向に延在する垂直搬送部3と、地上に位置する水平搬送部4とを有する。
ここで、搬送経路の変曲点P11〜P16を形成する箇所P1〜P6は、本実施形態においては、上方から見て四角形形状の角部に設定されるものであり、軸線が垂直方向に延びるように配置されるとともに上方から見て四角形状を有する支持枠10の角部に設定されている。
そして、搬送経路の変曲点P11〜P16を形成する箇所P1〜P6が設定される支持枠10の角部に位置する4つの支持軸12のそれぞれには、上下で一対をなして配置される前述の複数(本実施形態にあっては6個)の往路側第1乃至第6ガイドプーリ21〜26及び複数(本実施形態にあっては6個)の復路側第2乃至第7ガイドプーリ32〜37が設けられている。
なお、地上に位置する水平搬送部4には、図1、図3及び図5に示すように、複数の支持軸15が支持軸12の配設方向に延長するように設けられ、最も端の支持軸15には、上側に往路側第7ガイドプーリ27が配置されるとともに下側に復路側第1プーリ31が配置されている。
また、コンベヤ装置1は、無端状のコンベヤベルト40を備えている。このコンベヤベルト40は、幅方向で二つ折りされた屈曲状態で螺旋状の搬送経路に沿って往路側第1乃至第7ガイドプーリ21〜27の外周に順に上縁部41が支持されるように巻回される。また、コンベヤベルト40は、幅方向で二つ折りされた屈曲状態で螺旋状の搬送経路に沿って復路側第1乃至第7ガイドプーリ31〜37の外周に順に上縁部41が支持されるように巻回される。また、コンベヤベルト40は、搬送経路の上方側に位置する水平搬送部4と搬送経路の下方側に位置する水平搬送部2とのそれぞれの折り返し位置で折り返される。
なお、上側折り返しプーリ51には、図1に示すように、当該上側折り返しプーリ51を駆動する駆動モータ60が接続されている。また、図示はしないが、往路側第1ガイドプーリ21、往路側第3ガイドプーリ23及び往路側第5ガイドプーリ25にも、当該ガイドプーリのそれぞれを駆動する駆動モータが複数分散されて配置接続されている。
また、幅方向に二つ折りされた屈曲状態のコンベヤベルト40の上縁部は、複数のコンベヤベルト支持機構70によって支持されている。
更に、搬送経路の下方側に位置する水平搬送部2においては、図1及び図4に示すように、コンベヤベルト40が展開状態となる領域を除く位置に、複数の支持軸14が支持軸12の配設方向に延長するように設けられている。そして、各コンベヤベルト支持機構70は、下側折り返しプーリ52が支持されている支持軸14を除く複数の支持軸14のそれぞれに取り付けられている。このコンベヤベルト支持機構70の構造は、前述したコンベヤベルト支持機構70と同様である。
ここで、往路側第1乃至第6ガイドプーリ21〜26のそれぞれは、支持軸12と比較して極めて大きな直径を有している。このため、往路側第1乃至第6ガイドプーリ21〜26の外周を案内されるコンベヤベルト40の曲率は小さい。これにより、コンベヤベルト40の走行抵抗を小さくすることができる。
ここで、往路側において、幅方向で二つ折りされた屈曲状態のコンベヤベルト40の上縁部は、複数のコンベヤベルト支持機構70によって支持されている。このため、コンベヤベルト40の屈曲状態は確実に維持される。そして、各コンベヤベルト支持機構70は、外側支持ローラ72と内側支持ローラ73とで幅方向に二つ折りされた屈曲状態のコンベヤベルトの上縁部41を外内から挟持して支持するので、コンベヤベルト40の走行抵抗を小さくすることができる。
そして、幅方向で二つ折りされた屈曲状態で往路側第7ガイドプーリ27の外側を案内されて方向転換されたコンベヤベルト40は、水平搬送部4の折り返し位置の近傍Bで幅方向に展開された展開状態となり、図7に示すように、上側折り返しプーリ51で展開状態のまま折り返される。
幅方向で二つ折りされた屈曲状態となったコンベヤベルト40は、復路側第1ガイドプーリ31の外周を案内され、復路側において、垂直搬送部3の往路側第2ガイドプーリ32にまで搬送される。
そして、コンベヤベルト40は、幅方向で二つ折りされた屈曲状態で復路側第2ガイドプーリ32の外周、復路側第3ガイドプーリ33の外周、復路側第4ガイドプーリ34の外周、復路側第5ガイドプーリ35の外周、復路側第6ガイドプーリ36の外周、及び復路側第7ガイドプーリ37の外周の順に案内されて、各復路側第2乃至第7ガイドプーリ32〜37の変曲点P16〜P11で向きを90°ずつ変えつつ支持枠10において螺旋状に下降するように搬送される。
そして、復路側第7ガイドプーリ37の外側を案内されたコンベヤベルト40は、水平搬送部2において幅方向で二つ折りされた屈曲状態で下側折り返しプーリ52に至るまで搬送される。
ここで、復路側において、幅方向で二つ折りされた屈曲状態のコンベヤベルト40の上縁部は、複数のコンベヤベルト支持機構70によって支持されている。このため、コンベヤベルト40の屈曲状態は確実に維持される。そして、各コンベヤベルト支持機構70は、外側支持ローラ72と内側支持ローラ73とで幅方向に二つ折りされた屈曲状態のコンベヤベルトの上縁部41を外内から挟持して支持するので、コンベヤベルト40の走行抵抗を小さくすることができる。
このように構成されたコンベヤ装置1により地下掘削現場から掘削した土砂を、立坑を通じて地上部に搬出する方法について説明する。
従って、折り返し位置の近傍Bで掘削土砂をコンベヤベルト40から降ろして連続的に揚土することができる。
そして、掘削土砂が取り出されたコンベヤベルト40は、上側折り返しプーリ51で展開状態のまま折り返され、ガイドローラ54,55を通過した後、コンベヤベルト支持機構70の作用によって復路側第1ガイドプーリ31の手前側で幅方向で二つ折りされた屈曲状態となる。
このように、コンベヤ装置1によれば、複雑な装置構成とすることなく、垂直方向への連続搬送可能となる。そして、1台のコンベヤ装置で水平・垂直さらに水平方向への連続搬送が可能となる。
また、コンベヤベルト40が、往路側及び復路側とも、折り返し位置の近傍A、Bを除く搬送中において、幅方向に二つ折りの屈曲状態となっているので、往路側において掘削土砂を搬送して揚土し、掘削土砂が除かれた復路側において、資材などの他の部材を搬送することもできる。
また、コンベヤベルト40が、往路側及び復路側とも、折り返し位置の近傍A、Bを除く搬送中において、幅方向に二つ折りの屈曲状態となっており、掘削土砂がコンベヤベルト40により囲繞するように保持されるので、搬送中に緊急停止したとしても荷こぼれのおそれはない。
また、上側折り返しプーリ51、往路側第1ガイドプーリ21、往路側第3ガイドプーリ23及び往路側第5ガイドプーリ25には、当該ガイドプーリのそれぞれを駆動する駆動モータが複数箇所に分散して設けられているので、コンベヤベルトの張力を小さくすることができる。
例えば、コンベヤ装置1は、立坑もしくは斜坑を介して地下掘削現場から掘削した土砂を、立坑を通じて地上部に搬出する際に用いる場合のみならず、石炭などの貯蔵物を貯蔵するサイロへの貯蔵物の搬送にも用いることができる。
また、コンベヤ装置1において、水平搬送部2、4は必ずしも必要はない。この場合、コンベヤベルト40は、垂直方向に延びる垂直搬送部3における搬送方向の上方側及び下方側のそれぞれ折り返し位置で折り返されるとともにそれぞれの折り返し位置の近傍で幅方向に展開された展開状態となる。また、下側折り返しプーリ52及び上側折り返しプーリ51は、それぞれ水平搬送部2、4ではなく、それぞれの折り返し位置でコンベヤベルト40を張設するように支持しつつ案内すればよい。
また、当該変曲点P11〜P16を形成する箇所P1〜P16は、上方から見て四角形状を含む多角形形状を有する支持枠10の角部に設定される必要は必ずしもない。往路側ガイドプーリ及び復路側ガイドプーリは、支持枠10の角部以外の変曲点P11〜P16を形成する箇所(例えば、立孔に配置された他の部材)に配置されてもよい。
また、支持枠10は、軸線が垂直方向に延びるように配置されるとともに上方から見て多角形形状を有すればよく、必ずしも、複数の支持軸12を上方から見て多角形形状となるように配置して構成する必要はない。
また、垂直搬送部2における支持枠10の高さは、立抗の高さに応じて調整すればよく、往路側ガイドプーリ及び復路側ガイドプーリの数は、それぞれ7つに限らず、支持枠10の高さと螺旋状の搬送経路における配置ピッチとによって決定される。
また、コンベヤベルト支持機構70の構造は、図9(A),(B)に示した例に限定されない。例えば、図10に示すように、図示しない下方が支持されたブラケットに複数のローラ75を二つに折り返されるコンベヤベルト40の外周に沿うように配置するようにしてもよい。
また、往路側第1乃至第6ガイドプーリ21〜26及び復路側第2乃至第7ガイドプーリ32〜37は、上下で一対をなして配置される場合のみならず、左右に並列して配置されてもよい。
2 水平搬送部
3 垂直搬送部
4 水平搬送部
10 支持枠
11 底板
12 支持軸
13 頂板
14 支持軸
15 支持軸
21 往路側第1ガイドプーリ
22 往路側第2ガイドプーリ
23 往路側第3ガイドプーリ
24 往路側第4ガイドプーリ
25 往路側第5ガイドプーリ
26 往路側第6ガイドプーリ
27 往路側第7ガイドプーリ
31 復路側第1ガイドプーリ
32 復路側第2ガイドプーリ
33 復路側第3ガイドプーリ
34 復路側第4ガイドプーリ
35 復路側第5ガイドプーリ
36 復路側第6ガイドプーリ
37 復路側第7ガイドプーリ
40 コンベヤベルト
40a 一方側の端部
40b 他方側の端部
41 上縁部
42 拡幅部材
51 上側折り返しプーリ
52 下側折り返しプーリ
53 支持部材
54,55 ガイドローラ
60 駆動モータ
70 コンベヤベルト支持機構
71 ローラ支持板
71a 平板部
71b 延長部
71c 垂下部
72 外側支持ローラ
73 内側支持ローラ
74 補助ガイドローラ
A 搬送経路の下方側に位置する水平搬送部の折り返し位置の近傍
B 搬送経路の上方側に位置する水平搬送部の折り返し位置の近傍
P1〜P6 変曲点を形成する箇所
P11〜P16 搬送経路の変曲点
Claims (1)
- 幅方向に二つ折りされた屈曲状態で垂直方向に延びる螺旋状の搬送経路に沿って複数の往路側ガイドプーリ及び複数の復路側ガイドプーリに順に上縁部が支持されるように巻回されるとともに、前記搬送経路の上方側及び下方側のそれぞれの折り返し位置で折り返され、前記それぞれの折り返し位置の近傍で幅方向に展開された展開状態となる、駆動モータの駆動により無限循環する無端状のコンベヤベルトと、
幅方向に二つ折りされた屈曲状態の前記コンベヤベルトの上縁部を支持する複数のコンベヤベルト支持機構とを備え、
幅方向に二つ折りされた屈曲状態の前記コンベヤベルトの上縁部は、上側に配置される前記コンベヤベルトの一方側の端部と、該一方側の端部に対して下側に上下並べて配置され、下面が傾斜面とされた前記コンベヤベルトの他方側の端部とで構成され、
前記複数のコンベヤベルト支持機構の各々は、ローラ支持板と、該ローラ支持板に取り付けられた外側支持ローラと、前記ローラ支持板の前記外側支持ローラに対して内側の位置に取り付けられた内側支持ローラとを備え、前記外側支持ローラは、前記コンベヤベルトの前記一方側の端部の外面に接触し、前記内側支持ローラは、前記コンベヤベルトの前記他方側の端部の傾斜面とされた前記下面に接触して、前記外側支持ローラと前記内側支持ローラとのみで幅方向に二つ折りされた屈曲状態の前記コンベヤベルトの上縁部を外内から挟持して支持することを特徴とするコンベヤ装置。
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