JP6659613B2 - 偏波状態推定方法及び偏波状態推定装置 - Google Patents

偏波状態推定方法及び偏波状態推定装置 Download PDF

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Description

本発明は、主に偏波状態推定方法及び偏波状態推定装置に関する。
近年の光伝送システムでは、コヒーレント光通信技術とデジタル信号処理技術とを組み合わせたデジタルコヒーレント技術が用いられている。デジタルコヒーレント技術を用いた伝送方式では、送信側の装置が位相変調した光信号を出力し、受信側のコヒーレントレシーバがコヒーレント検波技術により取得した高感度の電気信号を出力する。受信側の装置は、電気信号をAD(Analog to Digital)コンバータでデジタル信号に変換した後に、デジタル信号処理により伝送路で歪んだ受信波形をデジタル領域で補償する(非特許文献1)。デジタル信号処理により波形の歪みの補正が簡易な構成で行うことができるため、大容量かつ高速な伝送システムが実現可能である。
デジタルコヒーレント伝送方式では、送信側で偏波多重された光信号を、受信側の装置がデジタル信号処理により偏波分離できるため、一般的に偏波多重された光信号を伝送に用いている。デジタル信号による偏波分離は、デジタルコヒーレント伝送方式において重要な技術の一つである。伝送路中の偏波状態の変動は、デジタル信号による偏波分離に影響を与えるため、伝送路において生じる偏波状態の変動を取得することは受信耐力の評価において重要である。
デジタルコヒーレント伝送では一般的に、デジタル信号処理装置において適応等化器として、FIR(Finite Impulse Response)フィルタが用いられる。FIRフィルタのタップ係数を任意のアルゴリズムを用いて適応制御することで、偏波分離や波形歪みの補償を実現している(非特許文献1)。
非特許文献2には、デジタル信号処理装置における適応等化器に用いられるFIRフィルタのタップ係数から光信号の偏波状態の変動速度を算出する手法が記載されている。この手法では、光信号の偏波状態を表現するストークスパラメータを、FIRフィルタのタップ係数から算出し、ストークスパラメータの時間変化より光信号の偏波状態の変化速度を算出する。しかし、この手法では、タップ係数からストークスパラメータを算出する際に三角関数を多用するために演算負荷が著しく大きくなるという問題がある。
S. J. Savory, "Digital filters for coherent optical receivers," Optics Express, vol.16, no.2, pp.804-814, 2008. Calvin C. K. Chan, "Optical Performance Monitoring: Advanced Techniques for Next-Generation Photonic Networks," Academic Press, pp.287-288, 2010.
前述の事情に鑑み、本発明は、偏波多重された光信号における偏波状態の変化速度を推定する際の演算負荷を削減することができる偏波状態推定方法及び偏波状態推定装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様における偏波状態推定方法は、偏波多重された光信号に含まれる複数の信号に対する適応等化に用いられるFIRフィルタの複数のタップ係数を取得する取得ステップと、前記タップ係数それぞれの変化量の和を算出する加算ステップと、前記和の時系列における周波数成分の絶対値が最大となる周波数を検出する検出ステップと、検出された前記周波数から前記偏波多重された光信号における偏波状態変動速度を推定する推定ステップと、を含む。
また、本発明の一態様によれば、上記の偏波状態推定方法において、前記偏波多重された光信号には異なる偏波面を有する2つの光信号が多重されており、前記FIRフィルタは、前記偏波多重された光信号から得られる第1及び第2の信号がそれぞれ入力され、前記複数のタップ係数は、前記第1の信号に含まれる前記2つの光信号それぞれの成分に対する第1及び第2のタップ係数ベクトルと、前記第2の信号に含まれる前記2つの光信号それぞれ成分に対する第3及び第4のタップ係数ベクトルとを含み、前記加算ステップでは、前記第1、第2、第3及び第4のタップ係数ベクトルのうち少なくとも一つのベクトルの各要素の変化量を加算して前記和を算出する。
また、本発明の一態様によれば、上記の偏波状態推定方法において、前記加算ステップでは、前記第1及び第2のタップ係数ベクトルの各要素の変化量と、前記第3及び第4のタップ係数ベクトルの各要素の変化量とのいずれか一方を加算して前記和を算出する。
また、本発明の一態様によれば、上記の偏波状態推定方法において、前記加算ステップでは、前記第1、第2、第3及び第4のタップ係数ベクトルの各要素の変化量すべてを加算して前記和を算出する。
また、本発明の一態様によれば、上記の偏波状態推定方法において、前記FIRフィルタのタップ数をMとし、前記第1、第2、第3及び第4のタップ係数ベクトルの要素をhxx,i(n)、hxy,i(n)、hyx,i(n)、hyy,i(n)とし、各要素の変化量を
Δhxx,i(n)=hxx,i(n)−hxx,i(n−1)、
Δhxy,i(n)=hxy,i(n)−hxy,i(n−1)、
Δhyx,i(n)=hyx,i(n)−hyx,i(n−1)、
Δhyy,i(n)=hyy,i(n)−hyy,i(n−1)
とした場合、前記加算ステップでは、段落0034の式(2)におけるSxx(n)、Sxy(n)、Syx(n)、Syy(n)の少なくとも一つを前記和として算出する。
また、本発明の一態様における偏波状態推定装置は、偏波多重された光信号に含まれる複数の信号に対する適応等化に用いられるFIRフィルタの複数のタップ係数を取得する取得部と、前記タップ係数それぞれの変化量の和を算出する加算部と、前記和の時系列における周波数成分の絶対値が最大となる周波数を検出する検出部と、検出された前記周波数から前記偏波多重された光信号における偏波状態変動速度を推定する推定部と、を備える。
本発明によれば、偏波多重された光信号における偏波状態の変化速度を推定する際の演算負荷を削減することができる。
実施形態における光受信機の構成例を示すブロック図である。 実施形態における適応等化部の構成例を示すブロック図である。 実施形態における偏波状態変動速度推定部が行う推定処理を示すフローチャートである。 実施形態の光受信機を用いて光ファイバ伝送路の偏波状態変動速度を推定した結果を示す第1のグラフである。 実施形態の光受信機を用いて光ファイバ伝送路の偏波状態変動速度を推定した結果を示す第2のグラフである。 実施形態の光受信機を用いて光ファイバ伝送路の偏波状態変動速度を推定した結果を示す第3のグラフである。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態における偏波状態推定方法及び偏波状態推定装置を説明する。実施形態における偏波状態推定装置は、デジタル信号処理を適応等化する際のタップ係数を用いて、光信号の偏波状態が変化する速度を推定する。
図1は、本発明の実施形態における光受信機1の構成例を示すブロック図である。光受信機1は、光ファイバ伝送路にて伝送された光信号を受信する。光受信機1が受信する光信号は、偏波面が直交する2つの光信号が送信側の装置において偏波多重された光信号である。
光受信機1は、光コヒーレント受信機11とデジタル信号処理部12とを備える。光コヒーレント受信機11は、光受信機1に入力される光信号を局発光によりベースバンド光信号に変換する。光コヒーレント受信機11は、ベースバンド光信号を偏波面が直交する2つの光信号に分離する。光コヒーレント受信機11は、2つの光信号それぞれに対して光電変換及びAD変換を行う。光コヒーレント受信機11は、光電変換及びAD変換により得られた2つのデジタル信号をデジタル信号処理部12へ出力する。デジタル信号処理部12は、送信されたバイナリ情報を2つのデジタル信号から復調するとともに、光ファイバ伝送路における光信号の偏波状態変動速度を推定する。
デジタル信号処理部12は、波長分散補償部13、適応等化部14、キャリア位相補償部15、受信データ復調部16及び偏波状態変動速度推定部17を備える。波長分散補償部13は、光コヒーレント受信機11から出力される2つのデジタル信号それぞれに対して波長分散補償を行う。波長分散補償部13は、波長分散補償により得られたデジタル信号を適応等化部14へ出力する。適応等化部14は、波長分散補償部13から出力される2つのデジタル信号間の干渉及び歪みを抑える波形等化を行う。適応等化部14は、波形等化を施した2つのデジタル信号をキャリア位相補償部15へ出力する。
図2は、本実施形態における適応等化部14の構成例を示すブロック図である。図2に示す適応等化部14は、タップ数がM(Mは2以上の自然数)のFIRフィルタを用いて構成される。適応等化部14は、遅延器21−1〜21−(M−1)、23−1〜23−(M−1)、25−1〜25−(M−1)、27−1〜27−(M−1)と、乗算器22−1〜22−M、24−1〜24−M、26−1〜26−M、28−1〜28−Mと、加算器31、32と、タップ係数更新部33、34とを備える。
遅延器21−i、25−i(1≦i≦M−1,iは自然数)は、適応等化部14に入力される2つのデジタル信号のうち一方のデジタル信号xin(第1の信号)を遅延させた後に出力する。遅延器21−i、25−iがデジタル信号xinに対して与える遅延量は、i×(単位時間)である。単位時間は、光コヒーレント受信機11におけるAD変換のサンプリング間隔と同じ間隔としてもよいし、サンプリング間隔に基づいて定めた間隔としてもよい。
乗算器22−i、26−iは、タップ係数hxx,i、hyx,iをそれぞれ記憶している。乗算器22−1は、デジタル信号xinにタップ係数hxx,1を乗算し、乗算結果を出力する。乗算器22−i(2≦i≦M)は、遅延器21−(i−1)から出力されるデジタル信号xinにタップ係数hxx,iを乗算し、乗算結果を出力する。乗算器26−1は、デジタル信号xinにタップ係数hyx,1を乗算し、乗算結果を出力する。乗算器26−i(2≦i≦M)は、遅延器25−(i−1)から出力されるデジタル信号xinにタップ係数hyx,iを乗算し、乗算結果を出力する。
遅延器23−i、27−i(1≦i≦M−1)は、適応等化部14に入力される2つのデジタル信号のうち他方のデジタル信号yin(第2の信号)を遅延させた後に出力する。遅延器23−i、27−iがデジタル信号yinに対して与える遅延量は、i×(単位時間)である。
乗算器24−i、28−iは、タップ係数hxy,i、hyy,iをそれぞれ記憶している。乗算器24−1は、デジタル信号yinにタップ係数hxy,1を乗算し、乗算結果を出力する。乗算器24−i(2≦i≦M)は、遅延器23−(i−1)から出力されるデジタル信号yinにタップ係数hxy,iを乗算し、乗算結果を出力する。乗算器28−1は、デジタル信号yinにタップ係数hyy,1を乗算し、乗算結果を出力する。乗算器28−i(2≦i≦M)は、遅延器27−(i−1)から出力されるデジタル信号yinにタップ係数hyy,iを乗算し、乗算結果を出力する。
加算器31は、乗算器22−i、24−i(1≦i≦M−1)それぞれから出力される乗算結果を加算し、加算結果をデジタル信号xoutとして出力する。加算器32は、乗算器26−i、28−i(1≦i≦M−1)それぞれから出力される乗算結果を加算し、加算結果をデジタル信号youtとして出力する。デジタル信号xout、youtは適応等化部14が出力するデジタル信号である。
タップ係数更新部33は、デジタル信号xin、yinとデジタル信号xoutとに基づいて、タップ係数ベクトルhxx=[hxx,1,hxx,2,…,hxx,M]、hxy=[hxy,1,hxy,2,…,hxy,M]を更新する。タップ係数更新部33は、更新したタップ係数を乗算器22−i、24−iそれぞれに記憶させる。タップ係数更新部34は、デジタル信号xin、yinとデジタル信号youtとに基づいて、タップ係数hyx=[hyx,1,hyx,2,…,hyx,M]、hyy=[hyy,1,hyy,2,…,hyy,M]を更新する。タップ係数更新部34は、更新されたタップ係数を乗算器26−i、28−iそれぞれに記憶させる。
タップ係数更新部33、34は、式(1)を用いて、タップ係数ベクトルhxx、hxy、hyx、hyyを更新する。タップ係数更新部33、34は、タップ係数ベクトルhxx、hxy、hyx、hyyを偏波状態変動速度推定部17へ出力する。
Figure 0006659613
式(1)において、μはステップサイズパラメータであり、ε(n)及びε(n)は誤差評価関数である。ベクトルxin 及びyin は、デジタル信号xin及びyinの複素共役の時系列であり、xin =[xin(n),xin(n−1),…,xin(n−M+1)]及びyin =[yin(n),yin(n−1),…,yin(n−M+1)]である。タップ係数ベクトルhxx(n)、hxy(n)、hyx(n)、hyy(n)は(n−1)回目の更新により得られるタップ係数ベクトルである。例えば、タップ係数ベクトルhxx(n)は、[hxx,1(n),hxx,2(n),…,hxx,M(n)]である。ステップサイズパラメータμは、予め定められた値であってもよいし、偏波状態の変動速度に基づいて定められる値であってもよい。
なお、タップ係数更新部33、34は、RLS(Recursive Least-Squares)やCMA(Constant Modulus Algorithm)などの公知のアルゴリズムを適用して、タップ係数ベクトルhxx、hxy、hyx、hyyを逐次更新してもよい。
適応等化部14において、タップ係数更新部33、34は、光ファイバ伝送路における伝送特性の変化に応じてタップ係数hxx,i、hxy,i、hyx,i、hyy,iを逐次更新する。デジタル信号xin、yinに応じて各タップ係数が更新されることにより、2つのデジタル信号xin、yin間に対する波形等化と偏波分離とが行われる。
図1に戻りデジタル信号処理部12の構成の説明を続ける。キャリア位相補償部15は、適応等化部14から出力される2つのデジタル信号に対して周波数オフセット及び位相ノイズの推定を行う。キャリア位相補償部15は、推定結果に基づいて2つのデジタル信号に対して補償を行う。キャリア位相補償部15は、補償した2つのデジタル信号を受信データ復調部16へ出力する。受信データ復調部16は、キャリア位相補償部15から出力される2つのデジタル信号に対して復調及び復号を行うことにより、送信されたバイナリ情報を取得する。
偏波状態推定装置としての偏波状態変動速度推定部17は、適応等化部14から出力されるタップ係数ベクトルhxx、hxy、hyx、hyy(第1〜第4のタップ係数ベクトル)に基づいて、偏波状態の変動速度を推定する。適応等化によって更新される適応等化部14のFIRフィルタのタップ係数は、非特許文献2に記載されているようにストークスパラメータと関係性を持つ。すなわち、タップ係数の時間変化は、偏波状態の変動を示している。よって、タップ係数hxx,i、hxy,i、hyx,i、hyy,iを用いて、偏波状態の変動S(n)は式(2)で示される。
Figure 0006659613
式(2)において、MはFIRフィルタのタップ数である。Δhxx,i(n)、Δhxy,i、Δhyx,i、Δhyy,iそれぞれは、タップ係数の時間変化量を示す。
Δhxx,i(n)=hxx,i(n)−hxx,i(n−1)
Δhxy,i(n)=hxy,i(n)−hxy,i(n−1)
Δhyx,i(n)=hyx,i(n)−hyx,i(n−1)
Δhyy,i(n)=hyy,i(n)−hyy,i(n−1)
すなわち、Sxx(n)は、タップ係数ベクトルhxxの各要素の時間変化量の絶対値を加算した値である。同様に、Sxy(n)、Syx(n)、Syy(n)もタップ係数ベクトルhxy、hyx、hyyの各要素の時間変化量の絶対値を加算した値である。予め定められた周期でS(n)、Sxx(n)、Sxy(n)、Syx(n)、Syy(n)を逐次算出することにより、それぞれの時系列が得られる。
なお、式(2)におけるSxx(n)、Sxy(n)、Syx(n)、Syy(n)を算出する際に、M個のタップ係数すべてを加算対象とせずに、M個のタップ係数のうち一部のタップ係数を加算対象としてもよい。例えば、加算対象のタップ係数をM個のタップ係数のうちP番目からQ番目までの範囲のタップ係数としてもよい。P、Qは1<P<Q<Mを満たす自然数である。また、加算対象のタップ係数は、M個のタップ係数のうち予め定められた複数のタップ係数としてもよい。加算対象のタップ係数の数を減らすことにより、偏波状態の変動S(n)を算出する際の演算量が削減される。
偏波状態変動速度推定部17は、式(2)により変動S(n)を算出し、算出した変動S(n)の周期を算出する。偏波状態変動速度推定部17は、算出したS(n)の周期の逆数(周波数)を算出することにより、偏波状態の変動速度を推定する。あるいは、偏波状態変動速度推定部17は、変動S(n)に対してフーリエ変換を行い、偏波状態の変動速度を推定してもよい。具体的には、偏波状態変動速度推定部17は、フーリエ変換により得られる周波数スペクトルにおいて強度の絶対値が最大となる周波数を検出し、検出した周波数から偏波状態の変動速度を推定する。
図3は、本実施形態における偏波状態変動速度推定部17が行う推定処理を示すフローチャートである。偏波状態変動速度推定部17は、推定処理を開始すると、適応等化部14からタップ係数ベクトルhxx、hxy、hyx、hyyを取得する(ステップS101)。偏波状態変動速度推定部17は、タップ係数ベクトルの各要素の時間変化量の総和Sxx(n)、Sxy(n)、Syx(n)、Syy(n)をタップ係数ベクトルごとに算出する(ステップS102)。なお、前述のように、偏波状態変動速度推定部17は、タップ係数ベクトルごとに一部の要素を加算してSxx(n)、Sxy(n)、Syx(n)、Syy(n)を算出してもよい。
偏波状態変動速度推定部17は、偏波状態の変動S(n)を算出し、変動S(n)における周波数成分の絶対値が最大となる周波数を検出する(ステップS103)。偏波状態変動速度推定部17は、検出した周波数を偏波状態の変動速度として推定する(ステップS104)。
偏波状態変動速度推定部17は、適応等化部14で用いられるFIRフィルタのタップ係数ベクトルに基づいて偏波状態の変化速度を推定するため、ストークスパラメータを算出する必要がない。タップ係数を用いた偏波状態の変動S(n)の算出(式(2))は、ストークスパラメータの算出に比べ比較的単純な演算で行えるため、演算負荷が小さい。したがって、偏波状態変動速度推定部17は、偏波状態の変化速度を推定する際の演算負荷を削減することができる。
なお、偏波状態変動速度推定部17は、変動S(n)に代えて、Sxx(n)、Sxy(n)、Syx(n)、Syy(n)それぞれから偏波状態の変動速度を推定してもよい。あるいは、偏波状態変動速度推定部17は、Sxx(n)、Sxy(n)、Syx(n)、Syy(n)の組み合わせから偏波状態の変動速度を推定してもよい。
光ファイバ伝送路における光信号のX偏波とY偏波との間にクロストークがない場合、タップ係数ベクトルhxy、hyxの各要素(タップ係数)はほぼ0となる。また、光受信機1が入力する光信号においてX偏波とY偏波とが入れ替わっている場合、タップ係数ベクトルhxx、hyyの各要素(タップ係数)はほぼ0となる。したがって、どのような偏波状態においても偏波状態の変動速度が推定できるように、Sxx(n)、Sxy(n)、Syx(n)、Syy(n)を加算したS(n)を用いて偏波状態の変動速度を推定することが望ましい。
一方で、偏波状態の変動速度を推定する際の演算量を減らすためには、タップ係数が0にならないタップ係数ベクトルの組み合わせ、具体的にはSxx(n)とSxy(n)との組み合わせ又はSyx(n)とSyy(n)との組み合わせのいずれか一方を用いてもよい。
伝送された光信号ではX偏波とY偏波との間でクロストークが生じていることが多いため、Sxx(n)、Sxy(n)、Syx(n)、Syy(n)のいずれか一つを用いても偏波状態の変動速度を推定できる場合がある。偏波状態変動速度推定部17は、偏波状態の変動速度を推定する際に用いるパラメータを減らすことで、演算負荷を削減することができる。
雑音によりデジタル信号の品質が劣化している場合、適応等化によって更新されるFIRフィルタのタップ係数が雑音の影響を受けてしまうことがある。この場合、偏波状態の変動速度の推定精度が低下してしまう可能性がある。しかし、タップ係数ベクトルhxx、hxy、hyx、hyy、あるいはタップ係数ベクトルの時間変化量Δhxx、Δhxy、Δhyx、Δhyyの移動平均から偏波状態の変動S(n)を算出することにより、雑音の影響を低減することができる。あるいは、偏波状態の変動S(n)の移動平均を用いて偏波状態の変動速度を算出することにより、雑音の影響を低減してもよい。
偏波状態変動速度推定部17は、各タップ係数ベクトルの移動平均又はタップ係数ベクトルの時間変化量の移動平均に基づいて偏波状態の変動S(n)を算出してもよい。あるいは、偏波状態変動速度推定部17は、各タップ係数ベクトルの時間変化量又は各タップ係数ベクトルから偏波状態の変動S(n)を算出し、偏波状態の変動S(n)の移動平均を用いて偏波状態の変動速度を推定してもよい。移動平均用いて偏波状態の変動速度を推定することにより、偏波状態変動速度推定部17は、偏波状態の変動速度の推定における雑音の影響を低減させることができる。
なお、偏波状態変動速度推定部17は、図3に示したフローチャートのステップS101を行う取得部と、ステップS102を行う加算部と、ステップS103を行う検出部と、ステップS104を行う推定部とを備える構成としてもよい。
図4から図6に本実施形態の光受信機1を用いて光ファイバ伝送路の偏波状態変動速度を推定した結果を示す。図4から図6の各図において、横軸は偏波状態の変動速度として周波数を示し、縦軸は各周波数成分の強度を示す。図4は、偏波状態の変動速度が1kHzの場合における偏波状態の変動S(n)をフーリエ変換して得られた結果の絶対値をプロットしたグラフである。図4に示すグラフでは、強度の絶対値が最大となる周波数は1.02kHzであり、偏波状態変動速度推定部17は偏波状態の変動速度を1.02kHzと推定した。
図5は、偏波状態の変動速度が2kHzの場合における偏波状態の変動S(n)をフーリエ変換して得られた結果の絶対値をプロットしたグラフである。図5に示すグラフでは、強度の絶対値が最大となる周波数は2.04kHzであり、偏波状態変動速度推定部17は偏波状態の変動速度を2.04kHzと推定した。図6は、偏波状態の変動速度が5kHzの場合における偏波状態の変動S(n)をフーリエ変換して得られた結果の絶対値をプロットしたグラフである。図6に示すグラフでは、強度の絶対値が最大となる周波数は5.10kHzであり、偏波状態変動速度推定部17は偏波状態の変動速度を5.10kHzと推定した。
図4から図6に示したように、本実施形態の光受信機1は、伝送路の偏波状態変動速度を精度よく推定できることが分かる。また、光受信機1は、ストークスパラメータを算出せずに偏波状態の変化速度を推定するため、偏波状態の変化速度を推定する際の演算負荷を削減することができる。光受信機1は、演算負荷が削減された推定方法により偏波状態変動速度を推定できるため、受信している光信号における偏波状態変動速度を速やかに取得することができる。また、偏波状態変動速度推定部17が行う偏波状態推定方法は、光受信機1における受信耐力の評価に好適である。
CPU(Central Processing Unit)やメモリや補助記憶装置などを備えるコンピュータは、非一時的記憶装置に記憶されたプログラムをCPUが実行することによって偏波状態変動速度推定部17を備える装置として機能してもよい。なお、偏波状態変動速度推定部17の各機能のすべて又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されてもよい。プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。プログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
偏波多重された光信号における偏波状態の変化速度を推定する際の演算負荷を削減することが不可欠な用途にも適用できる。
1…光受信機
11…光コヒーレント受信機
12…デジタル信号処理部
13…波長分散補償部
14…適応等化部
15…キャリア位相補償部
16…受信データ復調部
17…偏波状態変動速度推定部
21,23,25,27…遅延器
22,24,26,28…乗算器
31,32…加算器
33,34…タップ係数更新部

Claims (5)

  1. 異なる偏波面を有する2つの光信号が偏波多重された光信号に含まれる2つの信号に対する適応等化に用いられ、前記偏波多重された光信号から得られる第1及び第2の信号がそれぞれ入力されるバタフライ型のFIRフィルタにおける、前記第1の信号に含まれる前記2つの光信号それぞれの成分に対する2つのタップ係数ベクトルと、前記第2の信号に含まれる前記2つの光信号それぞれの成分に対する2つのタップ係数ベクトルとを取得する取得ステップと、
    4つの前記タップ係数ベクトルのうち少なくとも一つのベクトルの各要素の変化量の絶対値の総和を算出する加算ステップと、
    前記和の時系列における周波数成分の絶対値が最大となる周波数を検出する検出ステップと、
    検出された前記周波数から前記偏波多重された光信号における偏波状態変動速度を推定する推定ステップと、
    を含む偏波状態推定方法。
  2. 前記加算ステップでは、
    前記第1の信号に含まれる前記2つの光信号それぞれの成分に対する2つのタップ係数ベクトルの各要素の変化量の絶対値と、前記第2の信号に含まれる前記2つの光信号それぞれの成分に対する2つのタップ係数ベクトルの各要素の変化量の絶対値とのいずれか一方を加算して前記和を算出する、
    請求項に記載の偏波状態推定方法。
  3. 前記加算ステップでは、
    4つの前記タップ係数ベクトルの各要素の変化量の絶対値すべてを加算して前記和を算出する、
    請求項に記載の偏波状態推定方法。
  4. 異なる偏波面を有する2つの光信号が偏波多重された光信号に含まれる2つの信号に対する適応等化に用いられ、前記偏波多重された光信号から得られる第1及び第2の信号がそれぞれ入力されるFIRフィルタの複数のタップ係数を取得する取得ステップと、
    前記タップ係数それぞれの変化量の総和を算出する加算ステップと、
    前記総和の時系列における周波数成分の絶対値が最大となる周波数を検出する検出ステップと、
    検出された前記周波数から前記偏波多重された光信号における偏波状態変動速度を推定する推定ステップと、
    を含み、
    前記複数のタップ係数は、前記第1の信号に含まれる前記2つの光信号それぞれの成分に対する第1及び第2のタップ係数ベクトルと、前記第2の信号に含まれる前記2つの光信号それぞれの成分に対する第3及び第4のタップ係数ベクトルとを含み、
    前記FIRフィルタのタップ数をMとし、前記第1、第2、第3及び第4のタップ係数ベクトルの要素をhxx,i(n)、hxy,i(n)、hyx,i(n)、hyy,i(n)とし、各要素の変化量を
    Δhxx,i(n)=hxx,i(n)−hxx,i(n−1)、
    Δhxy,i(n)=hxy,i(n)−hxy,i(n−1)、
    Δhyx,i(n)=hyx,i(n)−hyx,i(n−1)、
    Δhyy,i(n)=hyy,i(n)−hyy,i(n−1)
    とした場合、
    前記加算ステップでは、式(A)におけるSxx(n)、Sxy(n)、Syx(n)、Syy(n)の少なくとも一つを前記和として算出する、偏波状態推定方法。
    Figure 0006659613
  5. 異なる偏波面を有する2つの光信号が偏波多重された光信号に含まれる2つの信号に対する適応等化に用いられ、前記偏波多重された光信号から得られる第1及び第2の信号がそれぞれ入力されるバタフライ型のFIRフィルタにおける、前記第1の信号に含まれる前記2つの光信号それぞれの成分に対する2つのタップ係数ベクトルと、前記第2の信号に含まれる前記2つの光信号それぞれの成分に対する2つのタップ係数ベクトルとを取得する取得部と、
    4つの前記タップ係数ベクトルのうち少なくとも一つのベクトルの各要素の変化量の絶対値の総和を算出する加算部と、
    前記和の時系列における周波数成分の絶対値が最大となる周波数を検出する検出部と、
    検出された前記周波数から前記偏波多重された光信号における偏波状態変動速度を推定する推定部と、
    を備える偏波状態推定装置。
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