本発明に係る遊技機を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1は、パチンコ遊技機1を正面から見た正面図である。図2は、主基板における回路構成の一例を示すブロック図である。図1の右下に、パチンコ遊技機1に関する座標系を定義しておく。パチンコ遊技機1を正面からみたとき、左方向をX軸正の方向、上方向をY軸正の方向、奥から手前に貫く方向をZ軸正の方向と、座標系を定義しておく。定義したパチンコ遊技機1の座標系は、図4〜図5で使用する座標系と同一である。なお、本実施例におけるパチンコ遊技機1の前面とは、該パチンコ遊技機1にて遊技を行う遊技者と対向する対向面である。
図1は、本実施例におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機1は、遊技盤(ゲージ盤)2を支持固定する遊技機用枠3(台枠)を有して構成されている。遊技盤2には、ガイドレール2bによって囲まれた遊技領域10が形成されている。発射装置250から発射された遊技球(遊技媒体)は、発射通路251を通過して、遊技領域10に打ち込まれる。また、遊技機用枠3には、ガラス窓50aを有するガラス扉枠50が左側辺を中心として回動可能に設けられ、該ガラス扉枠50により遊技領域10を含む遊技機用枠3の前面を開閉できるようになっており、ガラス扉枠50を閉鎖したときにガラス窓50aを通して遊技領域10を透視できるようになっている。
図1に示すように、遊技盤2は、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂等の透光性を有する合成樹脂材にて正面見略四角形状に形成され、前面である遊技盤面に障害釘(図示略)やガイドレール2b等が設けられた盤面板(図示略)と、該盤面板の背面側に一体的に取り付けられるスペーサ部材(図示略)と、から主に構成されている。尚、遊技盤2は、ベニヤ板等の非透光性部材にて正面見略四角形状に構成され、前面である遊技盤面に障害釘(図示略)やガイドレール2b等が設けられた盤面板にて構成されてもよい。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域10の右側下部位置)には、第1特別図柄表示器4Aと、第2特別図柄表示器4Bとが設けられている。第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、変動表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(変動表示または可変表示ともいう)される。例えば、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を変動表示する。尚、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。
以下では、第1特別図柄表示器4Aにおいて変動表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示器4Bにおいて変動表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤2における遊技領域10の中央付近には、演出表示装置5が設けられている。演出表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。演出表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示器4Aによる第1特図の変動表示や第2特別図柄表示器4Bによる第2特図の変動表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の変動表示部となる演出図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である演出図柄が変動表示される。この演出図柄の変動表示も、変動表示ゲームに含まれる。
一例として、演出表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rが配置されている。特図ゲームにおける変動表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて、演出図柄の変動表示結果となる確定演出図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、演出表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の演出図柄の変動表示を行い、変動表示結果となる確定演出図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。尚、例えば特別図柄や演出図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、演出図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して変動表示を終了させることである。
「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて変動表示される演出図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)で構成される。演出図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。尚、演出図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
演出表示装置5の表示領域の下部の左右2箇所には、第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uが設定されている。第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uでは、特図ゲームに対応した変動表示の保留記憶数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。
ここで、特図ゲームに対応した変動表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや演出図柄の変動表示といった変動表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく変動表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、変動表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する変動表示の保留が行われる。本実施例では、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を丸型の白色表示とし、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を同様に丸型の白色表示とする。
図1に示す例では、第1特別図柄表示器4A及び第2特別図柄表示器4Bの上方位置に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。
演出表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の球受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド84によって、閉鎖位置となる閉鎖状態と開放位置となる開放状態とに変化する可動板を有する普通電動役物を備え、始動領域(第2始動領域)としての第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド84がオフ状態であるときに可動板が閉鎖位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しがたい閉鎖状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド84がオン状態であるときに可動板が開放位置となる開放制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすい開放状態となる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。尚、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通可変入賞球装置6Bの右方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド85によって開閉駆動される大入賞口扉(図示せず)を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口(図示せず)を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド85がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド85がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口7Aを通過(進入)しやすくする。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。尚、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば、図2に示すカウントスイッチ23A,23Bによって検出される。カウントスイッチ23A,23Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。従って、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口7Aが閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。尚、特別可変入賞球装置7の詳細な構造は本明細書では省略する。
第2保留表示器25Bの右側には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(変動表示)する。このような普通図柄の変動表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート36を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面(遊技盤面)には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の球受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域10の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口16が設けられている。
遊技機用枠3の上部左右側には、効果音等を再生出力するための第1スピーカ81L,81Rが設けられており、さらに遊技領域10の周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域10における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。ガラス扉枠50の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域10に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル54(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドル54は、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドル54には、発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域10の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。
ガラス扉枠50の前面下部には、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検出するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ31Aの下部には、操作桿に対する傾倒操作を検出するコントローラセンサユニット35Aが設けられていればよい。例えば、コントローラセンサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側から見て操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側から見て操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組合せた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
スティックコントローラ31Aの上方には、遊技者が押下動作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下動作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者による押下動作を検出するプッシュセンサ35Bが設けられていればよい。
遊技機用枠3上、スティックコントローラ31Aの左右には第2スピーカ82R、82Lが配置されている。また、遊技機用枠3の下部には、第3スピーカ83が内蔵されている。第3スピーカ83には、主に低音を出力可能なサブウーハを使用している。このように本実施形態では、第3スピーカ83(サブウーハ)をパチンコ遊技機1の下方に配置したことで、パチンコ遊技機1を使用する遊技者の体躯に対して音圧を与え、遊技者に対して体感性に優れた演出効果を与えることが可能となっている。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。パチンコ遊技機1では、遊技領域10に設けられた通過ゲート36を通過した遊技球が、図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の変動表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の変動表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。
この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の変動表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が、図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示器4Aによる特図ゲームが開始される。また、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームが開始される。
第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームでは、特別図柄の変動表示を開始させた後、特図変動時間としての変動表示時間が経過すると、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されれば「ハズレ」となる。尚、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されるようにしても良く、これら所定表示結果としての所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示される場合には、大当り遊技状態とは異なる特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御すれば良い。
特図ゲームでの変動表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。
本実施例におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄としている。尚、小当り図柄を停止表示する場合には、例えば、「2」の数字を示す特別図柄を小当り図柄とすれば良い。尚、第1特別図柄表示器4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄やハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄やハズレ図柄となるようにしてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として「3」、「5」、「7」の数字を示す大当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「大当り」となった後、大当り遊技状態において、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間や0.1秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を開放状態とする。これにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とするラウンドが実行される。
ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「16」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。尚、ラウンドの実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば大入賞口に遊技球が入賞しなかったことなど)により、ラウンドの実行が終了するようにしてもよい。
大当り遊技状態におけるラウンドのうち、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に長い時間(例えば29秒など)となるラウンドは、通常開放ラウンドともいう。一方、特別可変入賞球装置7を第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に短い時間(例えば0.1秒など)となるラウンドは、短期開放ラウンドともいう。
尚、小当り図柄(例えば「2」の数字)を停止表示する場合にあっては、これら小当り図柄が確定特別図柄として導出された後に、特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御すれば良い。具体的に小当り遊技状態では、例えば、上記した、実質的には出球(賞球)が得られない短期開放大当り状態と同様に特別可変入賞球装置7において大入賞口を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させる可変入賞動作を実行すれば良い。
演出表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rでは、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、演出図柄の変動表示が開始される。そして、演出図柄の変動表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおける確定演出図柄の停止表示により変動表示が終了するまでの期間では、演出図柄の変動表示状態が所定のリーチ状態となることがある。
ここで、リーチ状態とは、演出表示装置5の表示領域にて停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部または一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の演出図柄表示エリア5L,5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する演出図柄(例えば「7」の英数字を示す演出図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの演出図柄表示エリア(例えば「中」の演出図柄表示エリア5Cなど)では演出図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおける全部または一部で演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
また、リーチ状態となったことに対応して、演出図柄の変動速度を低下させたり、演出表示装置5の表示領域に演出図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、演出図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、演出図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、演出図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。尚、リーチ演出には、演出表示装置5における表示動作のみならず、第1〜第3スピーカ81L,81R、82L,82R、83による音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、変動表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示態様は、変動表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」(「通常ハズレ」ともいう)の変動表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定のリーチハズレ組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示結果は、変動表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の変動表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄となる特別図柄のうち「3」の数字を示す大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、複数種類の大当り組合せのうち、所定の通常大当り組合せ(「非確変大当り組合せ」ともいう)となる確定演出図柄が停止表示される。尚、リーチ演出が実行されずに、確定演出図柄として非確変大当り組合せを停止表示しても良い。
通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)となる確定演出図柄は、例えば演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて変動表示される図柄番号が「1」〜「8」の演出図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である演出図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。通常大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である演出図柄は、通常図柄(「非確変図柄」ともいう)と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄が通常大当り図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)の確定演出図柄が停止表示される演出図柄の変動表示態様は、変動表示結果が「大当り」となる場合における「非確変」(「通常大当り」ともいう)の変動表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。尚、リーチ演出が実行されずに、確定演出図柄として通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)を停止表示しても良い。「非確変」の大当り種別で変動表示結果が「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時間短縮制御(時短制御)が行われる。時短制御が行われることにより、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。尚、時短制御では、後述するように普通図柄の当選頻度が高められて、普通可変入賞球装置6Bへの入賞頻度が高められる、いわゆる電チューサポートが実施される。ここで、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態などとは異なる通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、変動表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄となる特別図柄のうち、「5」、「7」の数字を示す特別図柄といった確変大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、演出図柄の変動表示態様が「通常」である場合と同様のリーチ演出が実行された後に、複数種類の大当り組合せのうち、所定の確変大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。尚、リーチ演出が実行されずに、確定演出図柄として確変大当り組合せを停止表示しても良い。確変大当り組合せとなる確定演出図柄は、例えば演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて変動表示される図柄番号が「1」〜「8」の演出図柄のうち、図柄番号が「7」である演出図柄が、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。確変大当り組合せを構成する図柄番号が「7」である演出図柄は、確変図柄と称される。特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される場合に、演出図柄の変動表示結果として、通常大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがあるようにしてもよい。
確定演出図柄が通常大当り組合せであるか確変大当り組合せであるかにかかわらず、特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される変動表示態様は、変動表示結果が「大当り」となる場合における「確変」の変動表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。尚、本実施例では、「確変」の大当り種別のうち、確定特別図柄として「5」、「7」の変動表示結果にて「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確率変動制御(確変制御)が行われる。
これら確変制御が行われることにより、各回の特図ゲームにおいて変動表示結果(特図表示結果)が「大当り」となる確率は、通常状態に比べて高くなるように向上する。確変制御は、大当り遊技状態の終了後に変動表示結果が「大当り」となって再び大当り遊技状態に制御されるという条件が成立したときに、終了すればよい。尚、時短制御と同様に、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば時短回数と同じ100回や、時短回数とは異なる90回)の特図ゲームが実行されたときに、確変制御を終了してもよい。また、大当り遊技状態の終了後に特図ゲームが開始されるごとに実行される確変転落抽選にて確変制御を終了させる「確変転落あり」の決定がなされたときに、確変制御を終了してもよい。
時短制御が行われるときには、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、変動表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御(電チューサポート制御)が行われる。このように、時短制御に伴い第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御としては、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組合せられて行われるようにしてもよい。
高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に変動表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、時短制御が行われる期間と同一であればよい。
時短制御と高開放制御がともに行われる遊技状態は、時短状態あるいは高ベース状態ともいう。また、確変制御が行われる遊技状態は、確変状態あるいは高確状態ともいう。確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態は、高確高ベース状態とも称される。尚、本実施例では制御される遊技状態としては設定されていないが、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態は、高確低ベース状態とも称される。また、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態のみを、特に「確変状態」ということもあり、高確低ベース状態とは区別するために、時短付確変状態ということもある。一方、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態(高確低ベース状態)は、高確高ベース状態と区別するために、時短なし確変状態ということもある。確変制御が行われずに時短制御や高開放制御が行われる時短状態は、低確高ベース状態とも称される。確変制御や時短制御及び高開放制御がいずれも行われない通常状態は、低確低ベース状態とも称される。通常状態以外の遊技状態において時短制御や確変制御の少なくともいずれかが行われるときには、特図ゲームが頻繁に実行可能となることや、各回の特図ゲームにおける変動表示結果が「大当り」となる確率が高められることにより、遊技者にとって有利な状態となる。大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な遊技状態は、特別遊技状態とも称される。
尚、小当り図柄を停止表示する場合にあっては、前述した小当り遊技状態に制御した後には、遊技状態の変更が行われず、変動表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御すれば良い。
パチンコ遊技機1には、例えば、図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホール管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の変動表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の変動表示を制御することといった、所定の表示図柄の変動表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド84,85に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
また、主基板11には、ホール管理コンピュータと通信可能な通信部49が接続されている。通信部49は、ホール管理コンピュータと通信接続され、大当り遊技状態、遊技機用枠3の開放等、パチンコ遊技機1の各種状態を示す情報を、ホール管理コンピュータに送信する。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、演出表示装置5、第1スピーカ81L,81R,第2スピーカ82L,82R,第3スピーカ83(サブウーハ)、及び、遊技効果ランプ9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、演出表示装置5における表示動作や、第1スピーカ81L,81R,第2スピーカ82L,82R,第3スピーカ83(サブウーハ)への音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、第1スピーカ81L,81R,第2スピーカ82L,82R,第3スピーカ83(サブウーハ)から音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図3には、音声制御基板13の制御構成例を示すブロック図が示されている。音声制御基板13は、第1スピーカ81L,81R,第2スピーカ82L,82R,第3スピーカ83(サブウーハ)から音声を放音する機能を有し、音声出力部131と増幅部132、133、134を有して構成されている。音声出力部131は、第1音声再生部131aと帯域フィルタ131b、第2音声再生部131cを有して構成されている。第1音声再生部131aは、音声制御情報Iaに含まれる指示情報に基づきROM121等の記憶手段から、音声情報を読み出して再生し、第1右音声信号SR1と第1左音声信号SL1を増幅部132に出力する。また、帯域フィルタ131bは、第1右音声信号SR1と第1左音声信号SL1に基づいてサブウーハ信号SCを出力する。サブウーハ信号SCは、第1右音声信号SR1と第1左音声信号SL1を加算し、所定周波数以上の帯域カットを行うことなどで形成される。帯域フィルタ131bで形成されたサブウーハ信号SCは、増幅部133に出力される。第2音声再生部131cは、音声制御情報Ibに含まれる指示情報に基づきROM121等の記憶手段から、音声情報を読み出して再生し、第2右音声信号SR2と第2左音声信号SL2を増幅部134に出力する。
第1右音声信号SR1、第1左音声信号SL1は増幅部132で増幅され、第1右駆動信号TR1、第1左駆動信号TL1として、第1スピーカ81R、81Lを駆動する。サブウーハ信号SCは増幅部133で増幅され、サブウーハ駆動信号TCとして第3スピーカ83を駆動する。本実施形態では、遊技球に対する磁気の影響を抑制するため、第1スピーカ81R、81Lに磁気キャンセルマグネットを使用している。磁気キャンセルマグネットを使用した場合、低域成分が不足する、高次歪みが生じやすい等、第1スピーカ81R、81Lの音質が低下する場合がある。本実施形態では、第1スピーカ81R、81Lが出しにくい音域を補助するための補助スピーカとして、第3スピーカ83を設けている。
一方、第2右音声信号SR2、第2左音声信号SL2は増幅部134で増幅され、第2右駆動信号TR2、第2左駆動信号TL2として、第2スピーカ82R、82Lを駆動する。本実施形態では、第1音声制御情報Iaに基づいて第1スピーカ81R、81L、第3スピーカ83を駆動し、第2音声制御情報Ibに基づいて第2スピーカ82R、82Lを駆動することで、異なる2系統の音声を放音することが可能となっている。パチンコ遊技機1では、パチンコ遊技機1における演出の内容や、音声情報の種別等に応じて、出力先となる系統を切り換えることが可能である。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23A,23B、第1検出スイッチ24A、第2検出スイッチ24Bからの検出信号を伝送する配線が接続されている。尚、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23A,23Bは、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。第1検出スイッチ24A,第2検出スイッチ24Bは、外枠200に対する遊技機用枠3の閉鎖、開放を検出するためのスイッチである。
また、主基板11には、第1特別図柄表示器4A、第2特別図柄表示器4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば、演出図柄の変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを示す変動パターン指定コマンドや、演出表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、第1スピーカ81L,81R,第2スピーカ82L,82R,第3スピーカ83(サブウーハ)への音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(ReadOnlyMemory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(RandomAccessMemory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(CentralProcessingUnit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Outputport)105と、を備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
図2に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、演出表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
また、本実施例では、演出表示装置5は遊技盤2よりも背面側に配設され、該遊技盤2に形成された開口2cを通して視認できるようになっている。尚、遊技盤2における開口2cには枠状のセンター飾り枠2dが設けられている。また、遊技盤2の背面側には、演出表示装置5や各種演出用構造物等が配設されている。演出制御基板12には、この各種演出用構造物に設けられる各種モータ、ソレノイド、センサ、発光ダイオード(LED)等の複数の電子部品が接続されている。
図4は、パチンコ遊技機1におけるスピーカの配置を説明するための図である。図1〜図3で説明したように本実施形態では、第1スピーカ81L,81R、第2スピーカ82L,82R、第3スピーカ83を含む、3種類のスピーカを使用している。各スピーカはパチンコ遊技機1の筐体内に位置しているが、図4には、筐体を透視した状態で各スピーカの振動板の配置が示されている。各スピーカの振動板の前面に位置する筐体には、放音孔が設けられており、各スピーカの振動板から放音された音は、この放音孔を介して、遊技者に伝達される。
本実施形態では、遊技盤2中の遊技領域と各スピーカの配置を説明するため、遊技盤2内に含まれる構成をいくつか示している。本実施形態では、遊技盤2の上方に第1スピーカ81L,81Rを配置し、遊技盤2の下方に第2スピーカ82L,83Rと第3スピーカ(サブウーハ)を配置している。第1スピーカ81L,81Rは、遊技盤2の遊技領域10中、遊技領域10に投入された直後の遊技球が流通する遊技媒体投入領域Dの近傍に配置されている。ここで遊技領域10とは、図1で説明した普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7など、遊技球の流通によって遊技状態を決定する各種入賞手段が配置された領域である。遊技球は、ガイドレール2bと外周枠2eの間に形成される経路Aを通過して、遊技領域10に投入される。遊技領域10は、中央に位置するセンター飾り枠2dで分けられており、遊技球を強く投入した場合には、矢印Cで示すようにセンター飾り枠2dの右側に落下(いわゆる「右打ち」)し、遊技球を弱く投入した場合には、矢印Bで示すようにセンター飾り枠2dの左側に落下(いわゆる「左打ち」)する。遊技球の打ち分けは、遊技状況によって変更される。また、遊技媒体投入領域Dとは、遊技領域10中、遊技領域10に投入された直後の遊技球が流通する領域であって、パチンコ遊技機1の場合、遊技領域10の上辺近傍であって、外周枠2eの上辺に沿った領域のことをいう。また、近傍とは、第1スピーカ81L,81Rの直径を2倍に拡大した範囲内に、遊技媒体投入領域Dが位置していることをいう。
ところで、スピーカを駆動する場合、スピーカから磁気漏れが生じることが考えられる。本実施形態のように、遊技媒体投入領域Dの近傍に第1スピーカ81L,81Rを配置した場合、第1スピーカ81L,81Rからの磁気漏れにより、遊技球の流通に影響を及ぼすことが考えられる。特に、遊技媒体投入領域Dにおける遊技球の移動は、遊技状況が決定される重要な要素である。このような遊技媒体投入領域Dにおいて、磁気漏れが無い場合と比較して遊技球が異なる振る舞いをすると、遊技上、好ましくない。そのため、本実施形態では、遊技媒体投入領域Dの近傍に位置する第1スピーカ81L,81Rには、磁気キャンセルマグネットを有するスピーカを使用している。磁気キャンセルマグネットを有する第1スピーカ81L,81Rを使用することで磁気漏れを抑え、遊技媒体投入領域D内で流通する遊技球に対する影響を抑制することが可能となっている。また、磁気キャンセルマグネットを有する第1スピーカ81L,81Rを使用することで、遊技媒体投入領域Dに近接して第1スピーカ81L,81Rを配置することも可能となり、パチンコ遊技機1内におけるレイアウトの自由度を向上させることも可能となっている。
一方、第2スピーカ82L,82Rは、パチンコ遊技機1において、第1スピーカ81L,81Rよりも遊技媒体投入領域Dから離れた位置に配置されている。したがって、遊技媒体投入領域Dに対する第2スピーカ82L,82Rの磁気漏れの影響は少ない。この第2スピーカ82L,82Rには、磁気キャンセルマグネットを有していないスピーカを使用している。磁気キャンセルマグネットを使用した場合、低域成分が出しにくくなる、あるいは、高次歪みが生じやすい等、音質が劣化する場合がある。本実施形態では、第2スピーカ82L,82Rに磁気キャンセルマグネットを使用しないことで、第2スピーカ82L,82Rから良質な音を放音可能としている。また、通知上、重要な音は、第2スピーカ82L,82Rから放音することで、遊技者などに対する聞き取り易さの向上を図っている。
第3スピーカ83(サブウーハ)は、パチンコ遊技機1の筐体下方に配置されている。図3で説明したように、この第3スピーカ83(サブウーハ)は、第1スピーカ81L,81Rから出力する第1音声信号の低域成分に相当している。上述したように第1スピーカ81L,81Rは、磁気キャンセルマグネットを使用しているため、低域成分の音質が劣化することが考えられる。本実施形態では、第3スピーカ83を使用することで、第1スピーカ81L,81Rの不足する音域を補い、遊技者などに対して良好な音を提供することを可能としている。
第1スピーカ81L,81Rは、磁気キャンセルマグネットを有し、第2スピーカ82L,82Rは、磁気キャンセルマグネットを有していないことを説明したが、第1スピーカ81L,81R、第2スピーカ82L,82Rの構成について説明する。図5は、第1スピーカ81L,81R、第2スピーカ82L,82Rの構成を説明するための図である。図5(A)、図5(B)は、それぞれ、第1スピーカ81L,81R、第2スピーカ82L,82Rの断面図であって、右下に示すパチンコ遊技機1の座標系から分かるように、パチンコ遊技機1の側面から眺めたときの断面図となっている。
まず、磁気キャンセルマグネットを有していない第2スピーカ82L,82Rの構成について、図5(B)を参照して説明する。第2スピーカ82L,82Rは、フレーム815に、エッジ818、ダンパー816を介して取り付けられた振動板817を有して構成されている。エッジ818、ダンパー816は、振動板817を振動させるべく弾性を有する部材で構成されている。また、振動板816にはボイスコイル813が取り付けられている。また、フレーム815の端部には、マグネット814を挟んで鉄製のヨーク811が固定されている。ヨーク811の中央には、マグネット814と対向するようにセンターポール812が設けられており、ボイスコイル813の位置での磁界強度を高めている。第2スピーカ82L,82Rからの音、ボイスコイル813に駆動信号を流すことで発生する。ボイスコイル813に流した駆動信号(電流)とマグネット814で発生した磁界が作用することで、振動板817をZ軸方向に振動させ、音が放音される。
次に、第1スピーカ81L,81Rの構成について、図5(A)を参照して説明する。本実施形態の第1スピーカ81L,81Rは、第2スピーカ82L,82Rに磁気キャンセルマグネット819を付加した形態となっている。振動板817を振動させて音を発生する構成については同じであるため、説明は省略する。磁気キャンセルマグネット819は、ヨーク811の背面に固定された円環形状の永久磁石である。マグネット814で発生した磁界を抑制するように、マグネット814と同じ極性が向かい合うように固定されている。マグネット814から発生した磁気と、磁気キャンセルマグネット819から発生した磁気とが打ち消し合うことで、第1スピーカ81からの磁気漏れが抑制される。本実施形態の第1スピーカ81L,81Rは、図4で説明したように、遊技媒体投入領域Dの近傍に配置されるため、第1スピーカ81L,81Rからの磁気漏れを抑えることで、磁気漏れが遊技球に対して影響することを抑制することが可能となっている。
また、第1スピーカ81L,81Rの背面にはカバー820が設けられている。カバー820は、合成樹脂等で構成された部材であって、フレーム815に嵌合して取り付けられている。このカバー820は、取付作業の簡易化、磁気漏れの更なる抑制を目的として設けられた部材である。本実施形態では、パチンコ遊技機1側に設けられた取付側の部材が、このカバー820と嵌合する形状となっている。従って、第1スピーカ81の固定は、カバー820をパチンコ遊技機1側に嵌めることで行うことが可能であり、ネジ等の固定手段を使用する必要が無い。また、フレーム815の背面をカバー820で覆うことで、磁気漏れ抑制の効果を更に高めることが可能となっている。
次に、パチンコ遊技機1の動作について説明する。図6は、遊技制御用マイクロコンピュータのCPUが実行するメイン処理を示すフロー図である。リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになると、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103は、プログラムの内容が正当か否かを確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU103は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU103は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、マスク可能割込の割込モードを設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。尚、ステップS2では、遊技制御用マイクロコンピュータ100の特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込番地を示すモードに設定する。また、マスク可能な割込が発生すると、CPU103は、自動的に割込禁止状態に設定するとともに、プログラムカウンタの内容をスタックにセーブする。
次いで、内蔵デバイスレジスタの設定(初期化)を行う(ステップS5)。ステップS5の処理によって、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の設定(初期化)がなされる。
この実施例で用いられる遊技制御用マイクロコンピュータ100は、I/Oポート(PIO)およびタイマ/カウンタ回路(CTC)504も内蔵している。
次いで、CPU103は、RAM102をアクセス可能状態に設定し(ステップS6)、クリア信号のチェック処理に移行する。
尚、遊技の進行を制御する遊技装置制御処理(遊技制御処理)の開始タイミングをソフトウェアで遅らせるためのソフトウェア遅延処理を実行するようにしてもよい。そのようなソフトウェア遅延処理によって、ソフトウェア遅延処理を実行しない場合に比べて、遊技制御処理の開始タイミングを遅延させることができる。遅延処理を実行したときには、他の制御基板(例えば、払出制御基板91)に対して、遊技制御基板(主基板11)が送信するコマンドを他の制御基板のマイクロコンピュータが受信できないという状況が発生することを防止できる。
次いで、CPU103は、クリアスイッチがオンされているか否か確認する(ステップS7)。尚、CPU103は、入力ポート0を介して1回だけクリア信号の状態を確認するようにしてもよいが、複数回クリア信号の状態を確認するようにしてもよい。例えば、クリア信号の状態がオフ状態であることを確認したら、所定時間(例えば、0.1秒)の遅延時間をおいた後、クリア信号の状態を再確認する。そのときにクリア信号の状態がオン状態であることを確認したら、クリア信号がオン状態になっていると判定する。また、このときにクリア信号の状態がオフ状態であることを確認したら、所定時間の遅延時間をおいた後、再度、クリア信号の状態を再確認するようにしてもよい。ここで、再確認の回数は、1回または2回に限られず、3回以上であってもよい。また、2回チェックして、チェック結果が一致していなかったときにもう一度確認するようにしてもよい。
ステップS7でクリアスイッチがオンでない場合には、パチンコ遊技機1への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS8)。この実施例では、電力供給の停止が生じた場合には、バックアップRAM領域のデータを保護するための処理が行われている。そのような電力供給停止時処理が行われていたことを確認した場合には、CPU103は、電力供給停止時処理が行われた、すなわち電力供給停止時の制御状態が保存されていると判定する。電力供給停止時処理が行われていないことを確認した場合には、CPU103は初期化処理を実行する。
電力供給停止時処理が行われていたか否かは、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に保存されるバックアップ監視タイマの値が、電力供給停止時処理を実行したことに応じた値(例えば2)になっているか否かによって確認される。尚、そのような確認の仕方は一例であって、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップフラグ領域に電力供給停止時処理を実行したことを示すフラグをセットし、ステップS8において、そのフラグがセットされていることを確認したら電力供給停止時処理が行われたと判定してもよい。
電力供給停止時の制御状態が保存されていると判定したら、CPU103は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(ステップS9)。この実施例では、クリアデータ(00)をチェックサムデータエリアにセットし、チェックサム算出開始アドレスをポインタにセットする。また、チェックサムの対象になるデータ数に対応するチェックサム算出回数をセットする。そして、チェックサムデータエリアの内容とポインタが指すRAM領域の内容との排他的論理和を演算する。演算結果をチェックサムデータエリアにストアするとともに、ポインタの値を1増やし、チェックサム算出回数の値を1減算する。以上の処理が、チェックサム算出回数の値が0になるまで繰り返される。チェックサム算出回数の値が0になったら、CPU103は、チェックサムデータエリアの内容の各ビットの値を反転し、反転後のデータをチェックサムにする。
電力供給停止時処理において、上記の処理と同様の処理によってチェックサムが算出され、チェックサムはバックアップRAM領域に保存されている。ステップS9では、算出したチェックサムと保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっている可能性があることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理(ステップS10〜S14の処理)を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU103は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う。具体的には、ROM101に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM102内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU103は、ROM101に格納されているバックアップ時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定する(ステップS43)。また、CPU103は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS44)。そして、ステップS15に移行する。
初期化処理では、CPU103は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。尚、RAM102の全領域を初期化せず、所定のデータをそのままにしてもよい。また、ROM101に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU103は、ROM101に格納されている初期化時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS13)、その内容に従ってサブ基板を初期化するための初期化コマンドをサブ基板に送信する処理を実行する(ステップS14)。初期化コマンドとして、演出表示装置5に表示される初期図柄を示すコマンドや払出制御基板91への初期化コマンド等を使用することができる。
そして、CPU103は、所定時間(例えば4ms)ごとに定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なうタイマ割込設定処理を実行する(ステップS16)。すなわち、初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施例では、4msごとに定期的にタイマ割込がかかるとする。
タイマ割込の設定が完了すると、CPU103は、まず、割込禁止状態にして(ステップS17)、初期値用乱数更新処理(ステップS18a)と表示用乱数更新処理(ステップS18b)を実行して、再び割込許可状態にする(ステップS19)。すなわち、CPU103は、初期値用乱数更新処理および表示用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態にして、初期値用乱数更新処理および表示用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態にする。
尚、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りの種類を決定するための判定用乱数(例えば、大当りを発生させる特別図柄を決定するための大当り図柄決定用乱数や、遊技状態を確変状態に移行させるかを決定するための確変決定用乱数、普通図柄に基づく当りを発生させるか否かを決定するための普通図柄当たり判定用乱数)を発生するためのカウンタ(判定用乱数発生カウンタ)等のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータが、パチンコ遊技機1に設けられている演出表示装置5、普通可変入賞球装置6B、払出装置152等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、判定用乱数発生カウンタのカウント値が1周すると、そのカウンタに初期値が設定される。
また、表示用乱数とは、特別図柄表示器(第1特別図柄表示器4A、第2特別図柄表示器4B)の表示を決定するための乱数である。この実施例では、表示用乱数として、特別図柄の変動パターンを決定するための変動パターン決定用乱数や、大当りを発生させない場合にリーチとするか否かを決定するためのリーチ判定用乱数が用いられる。また、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。
また、表示用乱数更新処理が実行されるときに割込禁止状態にされるのは、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が後述するタイマ割込処理でも実行される(すなわち、タイマ割込処理のステップS26,S27でも同じ処理が実行される)ことから、タイマ割込処理における処理と競合してしまうのを避けるためである。すなわち、ステップS18a,S18bの処理中にタイマ割込が発生してタイマ割込処理中で初期値用乱数や表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新してしまったのでは、カウント値の連続性が損なわれる場合がある。しかし、ステップS18a,S18bの処理中では割込禁止状態にしておけば、そのような不都合が生ずることはない。
次に、タイマ割込処理について説明する。図7は、タイマ割込処理を示すフロー図である。メイン処理の実行中に、具体的には、ステップS17〜S19のループ処理の実行中における割込許可になっている期間において、タイマ割込が発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103は、タイマ割込の発生に応じて起動されるタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、CPU103は、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断処理(電源断検出処理)を実行する(ステップS20)。そして、CPU103は、スイッチ回路110を介して、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23A,23B、および等のスイッチの検出信号を入力し、各スイッチの入力を検出する(スイッチ処理:ステップS21)。具体的には、各スイッチの検出信号を入力する入力ポートの状態がオン状態であれば、各スイッチに対応して設けられているスイッチタイマの値を+1する。
次に、CPU103は、特別図柄表示器(第1特別図柄表示器4A、第2特別図柄表示器4B)、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A,第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cの表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。特別図柄表示器(第1特別図柄表示器4A、第2特別図柄表示器4B)および普通図柄表示器20については、ステップS36,S37で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
次いで、CPU103は、大入賞口への異常入賞の発生を検出して異常報知を行うための入賞報知処理を実行する(ステップS24)。
ステップS24の後、CPU103は、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS25)。また、CPU103は、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理:ステップS26)。さらに、CPU103は、表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(表示用乱数更新処理:ステップS27)。
次いで、CPU103は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS28)。特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。また、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS29)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器20の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
次いで、CPU103は、特別図柄の変動に同期する演出図柄に関する演出制御コマンドを演出制御用CPU120に対して送信する処理を行う(演出図柄コマンド制御処理:ステップS30)。尚、演出図柄の変動が特別図柄の変動に同期するとは、変動時間(可変表示期間)が同じであることを意味する。
次いで、CPU103は、例えばホール管理コンピュータに供給される始動口信号、図柄確定回数1信号、図柄確定回数2信号、大当り1〜3信号、時短信号などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS31)。
また、CPU103は、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23A,23Bの検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS32)。具体的には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23A,23Bの何れかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板91に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて払出装置152を駆動する。
また、パチンコ遊技機1の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する(ステップS33)。また、この実施例では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU103は、出力ポート0のRAM領域におけるソレノイドに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS34:出力処理)。そして、CPU103は、保留記憶数の増減をチェックする記憶処理を実行する(ステップS35)。
また、CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS36)。さらに、CPU103は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS37)。
次いで、CPU103は、各状態表示灯の表示を行うための状態表示制御データを状態表示制御データ設定用の出力バッファに設定する状態表示灯表示処理を行う(ステップS38)。この場合、遊技状態が高確率状態(例えば、確変状態)にも制御される場合には、高確率状態であることを示す状態表示灯の表示を行うための状態表示制御データを出力バッファに設定するようにしてもよい。その後、割込許可状態に設定し(ステップS39)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施例では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。尚、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S39(ステップS31,33を除く。)の処理に相当する。また、この実施例では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
次に、第1〜第3スピーカの制御について説明する。図3で説明したように、第1スピーカ81L,81R、第3スピーカ(サブウーハ)は、第1音声制御情報Iaに基づいて駆動される。一方、第2スピーカ82L,82Rは、第2音声制御情報Ibに基づいて駆動される。このように、異なる音声制御情報Ia、Ibを使用して駆動されるため、第1スピーカ81L,81R、第3スピーカ(サブウーハ)と、第2スピーカ82L,82Rからは異なる音声を出力することが可能である。本実施形態では、第1スピーカ81L,81Rに磁気キャンセルマグネット819を使用しているため、放音する音質が劣化し、場合によっては聞き取りにくくなることが考えられる。そのため、遊技を行う上で重要な情報は、第2スピーカ82L,82Rを使用して放音することとしている。そのため、演出制御基板12は、音声制御基板13に対し、音の種別によって、第1音声制御情報Ia、第2音声制御情報Ibを出力する。例えば、音の種別が台詞である場合には、第2音声制御情報Ibを出力することで、第2スピーカ82L,82Rから放音する。一方、音の種別が雰囲気を形成するためのBGMである場合には、第1音声制御情報Iaを出力することで、第1スピーカ81L,81R、第3スピーカ(サブウーハ)から放音する。このように第1音声制御情報Iaに基づいて第1スピーカ81L,81R、第3スピーカ(サブウーハ)から放音する第1の系統と、第2音声制御情報Ibに基づいて第2スピーカ82L,82Rから放音する第2の系統を設けたことで、音の種別に適した系統で放音することが可能となっている。なお、音の種別によっては、第1スピーカ81L,81R、第3スピーカ(サブウーハ)と、第2スピーカ82L,82Rから同じ音を放音させることとしてもよい。
また、放音に関する制御は、音の種別で制御する以外に、遊技状態に応じて制御することも可能である。図8は、第1スピーカ81L,81Rに関する音響制御処理を示すフローチャートである。遊技中、遊技球が各種入賞装置に入ることで遊技状態が変化する。特に、遊技状態が遊技者にとって有利な場合には、特別可変入賞球装置7に遊技球を入れるように右打ち(図4の矢印C)する必要がある。一方、遊技開始直後など、遊技状態が有利で無い場合には、普通入賞球装置6A等に遊技球を入れるように左打ち(図4の矢印C)する必要がある。図4から分かるように、右打ち時と左打ち時では、遊技媒体投入領域D内での遊技球の移動距離が異なることが分かる。すなわち、右打ち時では、遊技領域10に投入された遊技球は、遊技媒体投入領域Dの略全域を通過して、センター飾り枠2dの右側に落ちていく。本実施形態では、左右2つの第1スピーカ81L,81Rを使用しているため、遊技媒体投入領域Dの略全域を通過する遊技球は、左右両方の第1スピーカ81L,81Rから磁気的な影響を受けることとなる。一方、左打ち時は、遊技領域10に投入された遊技球は、遊技領域10の頂上にまで達することなく、センター飾り枠2dの左側に落ちるため、右打ち時よりも遊技媒体投入領域D内での移動距離は少ない。したがって、左打ち時には、主として、左の第1スピーカ81Lから磁気的な影響を受けることとなり、右の第1スピーカ81Rから受ける影響は少なくなる。
本実施形態では、遊技状態について、遊技媒体投入領域での遊技球の移動距離の違いに着目したものであり、遊技状態に応じて、第1スピーカ81L,81Rの放音を制御し、遊技球に対する磁気的な影響の抑制を図ることとしている。図8は、第1スピーカ81L,81Rに関する音響制御処理を示すフローチャートを示している。演出制御基板12は、パチンコ遊技機1における遊技状態を監視する。本実施形態では、遊技状態が左打ちであるか否か(ステップS901)、遊技状態が右打ちであるか否か(ステップS902)を監視する。遊技状態が左打ちの場合(ステップS901:Yes)、そして、デモ中のように、左打ちでも右打ちでも無い場合(ステップS902:No)には、第1スピーカ81L,81Rを通常駆動する。
一方、遊技状態が右打ちの場合(ステップS902:Yes)には、演出制御基板12は、遊技者に対して打ち方(右打ちであること)を通知する(ステップS903)。打ち方の通知は、第1スピーカ81L,81R、第3スピーカ(サブウーハ)、第2スピーカ82L,82Rを使用しても、どちらかであってもよい。あるいは、演出表示装置5を使用した視覚的な通知であってもよい。また、通知する内容は、「右打ちしてください」という直接的な内容であってもよいし、大当たりを通知することで、右打ちすることを暗示的に伝える内容であってもよい。右打ちの通知を行った後、演出制御基板12は、第1スピーカ81L,81Rからの放音を抑制する。ここで、放音の抑制とは、第1スピーカ81L,81Rから全く音を出さないことの他、左打ち時の通常状態よりも音量を抑えて放音することをいう。第1スピーカ81L,81Rにおける放音抑制は、第1音声制御情報Iaを使用して行う形態の他、増幅部132の音量を低下させる形態が考えられる。このように、本実施形態では、遊技媒体投入領域Dの移動距離が異なる遊技状態について、第1スピーカ81L,81Rの駆動形態を異ならせることで、第1スピーカ81L,81Rの磁気漏れが、遊技球に影響することを更に抑制することを可能としている。
以上、本実施形態では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機1に適用した例を説明したが、本発明は、例えば、遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンにも適用可能である。その場合、遊技媒体としては、球状の遊技球(パチンコ球)に代え、メダル等の非球状の遊技媒体が使用される。
また、パチンコ遊技機1、スロットマシンといった遊技機以外にも、例えば、玉貸機やカードユニット等、スピーカを備え、遊技媒体を扱う各種遊技用装置においても、遊技媒体が流通する領域近傍に配置されたスピーカに、磁気キャンセルマグネットを使用することで、遊技媒体に対するスピーカからの磁気漏れの影響を抑えることができ、遊技媒体の流通を適切なものとすることが可能となる。また、遊技媒体の流通を適切にすることで、遊技用装置の故障抑制にも繋がることになる。
また、遊技用装置としては、遊技機の上方には位置される呼び出しランプに使用することも可能である。呼び出しランプ内には、音で通知するためのスピーカが配置される場合もある。呼び出しランプ内には、遊技媒体は流通しないものの、遊技機に隣接して配置されるため、呼び出しランプ内のスピーカの磁気漏れが、遊技機内を流通する遊技媒体に作用することが考えられる。このような呼び出しランプについても、それが有するスピーカに磁気キャンセルマグネットを使用することで、隣接して配置された遊技機内での遊技媒体を適切に流通させることが可能となる。