JP6657850B2 - スパークプラグ - Google Patents

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Description

本発明は、自動車用エンジン等の内燃機関に用いられるスパークプラグに関する。
自動車用エンジンは、高出力化・高効率化と共に、小型化が進められており、エンジン設計の自由度を向上させるために、スパークプラグの小型化が求められている。一般に、スパークプラグは、接地電極が固定される取付金具内に、中心電極を保持する絶縁碍子が収納された構成を有し、中心電極は、絶縁碍子の軸孔の内部において、端子金具と接合される。中心電極は軸孔の先端側に、端子金具は軸孔の基端側に配置され、抵抗体及びシール層を介して接続される。
そのため、スパークプラグを小型化すると、絶縁碍子の外径及び軸孔径も小さくなり、軸孔内における各部材間の接合性にも影響する。接合強度が低下すると、振動や衝撃により接合界面に亀裂等が生じるおそれがあり、負荷寿命を低下させる要因となる。
特許文献1には、軸孔が比較的小径であり、端子金具の脚部が比較的短いスパークプラグが開示されている。このスパークプラグは、端子金具の偏芯や封着不良を抑制するために、端子金具の形状を規定し、各部の寸法、例えば軸孔径に対する端子部材の径や長さ等が、所定の関係となるようにしている。
特開2013−041753号公報
スパークプラグの組立工程において、端子金具の装着は、抵抗体やシール層を形成する粉末材料を充填し、加熱軟化させた状態で行われる。端子金具を軸孔に挿入して加圧すると、軸孔に挿入された先端部がシール層を介して絶縁碍子に融着固定されると共に、抵抗体に所定の押圧力を付与する。
ところが、近年主流となっている、いわゆるロングリーチ型のスパークプラグは、スパークプラグの取付ネジ長さが長くなっており、その分、端子金具の長さも長くなる。このために、絶縁碍子の軸孔への挿入、加圧時に、端子金具の径小部に変形等が生じ易くなり、融着時の密着力が不足する懸念がある。特許文献1に記載されるスパークプラグは、端子金具の脚部が比較的短い場合のみを対象としており、ロングリーチ型のスパークプラグには対応していない。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、スパークプラグが小型化し、端子金具の径小部長さが長くなっても、変形等による密着力の低下を抑制することができ、良好な負荷寿命性能を実現すると共に、端子金具の装着を容易にして量産性を向上できるスパークプラグを提供しようとするものである。
本発明の一態様は、
筒状の取付金具(2)の内側に同軸的に保持される筒状の絶縁碍子(3)と、
該絶縁碍子の軸孔(31)から端子基端部(11)が突出するように保持された端子金具(1)と、
上記絶縁碍子の上記軸孔から電極先端部(41)が突出するように保持された中心電極(4)と、
上記取付金具の先端側に固定されて上記中心電極と対向する接地電極(5)と、
上記端子金具と上記中心電極の間に介在する導電性シール層(61、62)及び抵抗体(7)を備えるスパークプラグ(P)において、
上記端子金具は、ビッカース硬度Hvが、100〜130の範囲にあると共に、上記軸孔内に収容される端子先端部(12)が、先端面(121)の外周縁部の全周にR面(123)又はC面(124)を有する形状であり、かつ、
上記R面のR寸法又は上記C面のC寸法の値V(単位:mm)と、上記端子金具のビッカース硬度Hvと、上記端子金具の最小径部(13)の径D(単位:mm)とが、下記式1で表される関係にある、スパークプラグにある。
V≧3.08−0.0163×Hv−0.375×D・・・(式1)
ただし、V>0、2.5mm≦D≦3.1mm
なお、括弧内の符号は、参考のために付したものであり、本発明はこれら符号により限定されるものではない。
上記態様のスパークプラグは、端子金具の先端面にR面又はC面を有することにより、絶縁碍子の軸孔に装着される際の引っ掛かり等が生じ難くなる。そのR寸法又はC寸法の値は、例えば、端子金具の硬度や最小径部の径に応じて選択することができ、端子金具の径小部に変形等が生じて密着力が低下することを防止することができる。
したがって、端子金具と中心電極の間に導電性シール層と抵抗体が介在する構成について、端子金具の融着と同時に抵抗体に適切な押圧力を与えることができる。また、ロングリーチ型のスパークプラグにも有効であり、端子金具の装着を容易にして量産性を向上でき、良好な負荷寿命性能を実現することができる。
実施形態1における、スパークプラグの主要部の縦断面図とその一部分解図。 実施形態1における、スパークプラグの全体構成を示す縦断面図。 実施形態1における、端子金具の正面図。 実施形態1における、端子金具の先端面のR面の部分拡大図。 実施形態1における、端子金具の先端面のC面の部分拡大図。 実施形態1における、端子金具を装着する工程である、加熱工程と加圧・冷却工程を説明するためのスパークプラグの主要部の縦断面図。 実施形態1における、端子金具を装着する工程を説明するためのスパークプラグの主要部の拡大断面図。 従来の端子金具を装着する工程を説明するためのスパークプラグの主要部の拡大断面図。 試験例における、端子金具の径を変更したときの、端子金具のビッカース硬度とR寸法又はC寸法の関係を示す図。
(実施形態1)
内燃機関用のスパークプラグに係る実施形態1について、図面を参照しながら説明する。図1、図2に示すように、スパークプラグPは、筒状の取付金具2と、その内側に保持された筒状の絶縁碍子3と、絶縁碍子3の内側に保持された端子金具1及び中心電極4と、取付金具2に固定された接地電極5と、を有する。絶縁碍子3の内側には、端子金具1と中心電極4の間に介在するように、導電性シール層である第1、第2シール層61、62及び抵抗体7が設けられる。内燃機関は、例えば自動車用エンジンであり、スパークプラグPは、図示しないエンジン燃焼室に臨むシリンダヘッドの取付孔に取り付けられる。
図2において、スパークプラグPは、同軸的に配置された取付金具2と絶縁碍子3の軸方向Xが、図の上下方向となり、中心電極4と接地電極5とが対向配置される先端側が、図の下端側となっている。取付金具2は、先端側半部の外周に、図示しないシリンダヘッドへの取付用ネジ部21を有し、取付用ネジ部21より大径の基端側半部は、シリンダヘッドの外方(すなわち、図の上方)に突出位置する。取付金具2は、大径の基端側半部内に、絶縁碍子3の軸方向Xの中間部に設けた大径部32を収納保持すると共に、基端縁部を加締め固定して、気密シールしている。
絶縁碍子3は、軸方向Xに貫通する軸孔31を有し、その先端側に中心電極4を収納している。中心電極4の大径の電極基端部42は、軸孔31の内周に設けたテーパ状の段差面313上に支持される。絶縁碍子3は、軸孔31の先端開口部311が、取付金具2よりも先端側に突出した状態で配置され、中心電極4の電極先端部41は、絶縁碍子3の軸孔31の先端開口部311よりも、さらに先端側に突出して位置する。接地電極5の基端側は、取付金具2の先端面に接合固定され、先端側は、径方向内方にL字状に屈曲して、対向する中心電極4の電極先端部41との間に、所定の火花放電ギャップを形成する。
絶縁碍子3は、軸孔31の基端側に端子金具1を収納しており、端子金具1は、大径の端子基端部11が、軸孔31の基端開口部312よりも基端側に突出している。端子金具1の端子先端部12は、第2シール層62と密着し、中心電極4の電極基端部42と第1シール層61とが密着すると共に、これら両シール層61、62の間に挟持されて抵抗体7が配置される。第1、第2シール層61、62は、金属粉末とガラス粉末を含む導電性ガラス材料、例えば、銅ガラス粉末等を混合して構成される。また、抵抗体7は、導電性材料を含む抵抗体材料、例えばカーボン粉末とガラス粉末とを含むカーボンレジスタガラス粉末等を混合して構成される。端子金具1は、例えば、鋼材からなり、絶縁碍子3は、例えば、アルミナ等の絶縁性セラミック材料からなる。
図1に示すように、絶縁碍子3の軸孔31内には、基端開口部312側から、中心電極3を挿通し、第1シール層61、抵抗体7、第2シール層62となる材料を順に充填した後に、基端開口部312を閉鎖するように、端子金具1が挿通配置される。充填された第1シール層61、抵抗体7、第2シール層62となる材料が圧縮される前の図示の状態では、端子金具1は、端子基端部11の先端面111が、基端開口部312よりも基端側(すなわち、図の上側)に間隔を有して位置しており、基端開口部312は閉鎖されていない。端子金具1は、後述する加熱・加圧工程において、端子基端部11が基端開口部312に当接する位置(例えば、図2参照)となるまで、軸孔31内に挿入される。
図3に示すように、端子金具1は、端子基端部11と端子先端部12の中間部に、両端部より径小の軸部13を有する。端子基端部11の先端側には、軸部13との間に所定長の首部14が設けられる。軸部13の径は、首部14の径よりも小さく、本形態における最小径部となっている。端子基端部11の先端側に続く部位である首部14は、軸孔31の径よりもわずかに小さい径を有し、端子金具1が軸孔31に挿通される際の軸方向Xのガイドとなる。
端子先端部12の先端面121は、第1、第2シール層61、62及び抵抗体7となる材料を押圧する押圧面となる。端子先端部12は、この押圧時に、第2シール層62に埋設され、先端面121及び外周面122が、第2シール層62を介して絶縁碍子3に固定される。そのため、接合面となる端子先端部12の外周面122には、表面積を拡大して接合性を高めるためにネジ加工が施され、螺旋状のネジ山とネジ溝が軸方向Xに交互に並ぶ接合面となる。なお、外周面122の表面形状は、ネジ加工による螺旋ネジ形状に限らず、表面に凹凸が形成されて第2シール層62との接合面積が増大する形状となっていればよい。
端子先端部12の先端面121は、外周縁部の全周を角のない面形状、すなわちR面123又はC面124としている。図4に示すように、先端面121は、外周縁部にR面取り加工を施して、その全周を、角を丸めたR面123とし、先端面121から外周面122側へ滑らかな曲面で接続する形状とすることができる。あるいは、図5に示すように、先端面121の外周縁部に、C面取り加工を施して、その全周を、角を落としたC面124とし、先端面121と外周面122とが所定の角度θ(すなわち、θ=45°)の傾斜面で接続する形状とすることもできる。
具体的には、R面123のR寸法又はC面124のC寸法の値V(単位:mm)と、端子金具1のビッカース硬度Hvと、最小径部である軸部13の径D(単位:mm)とは、下記式1で表される関係を満足するように設定される。
V≧3.08−0.0163×Hv−0.375×D・・・(式1)
ただし、V>0
上記式1は、後述する試験例に基づく回帰分析結果から得られた式であり、端子金具1のビッカース硬度Hvが小さいほど、又は、最小径部の径Dが小さいほど、R寸法又はC寸法の値Vが、大きくなる。
ここで、R寸法は、R面123の曲率半径であり、例えば、図4において、先端面121又は外周面122におけるR面123のカーブ基端位置から角までの長さV1に対応する。C寸法の値は、C面124の切取長さであり、例えば、図5において、先端面121又は外周面122におけるC面124のカット基端位置から角までの長さV2に対応する。また、式1で算出された値Vに基づいて、先端面121の外周縁部を、R面123(すなわち、V=V1)としても、C面124(すなわち、V=V2)としてもよい。
このように、小型のスパークプラグPにおいて、端子金具1の材料硬度が比較的低い場合(例えば、ビッカース硬度Hvが130以下)に、端子金具1の軸部13がより細径化しても(例えば、最小径部の径Dが3.1mm以下)、適切にR面123又C面124を形成することにより、加圧・加圧工程において、十分な押圧力を発揮することができる。
次に、本形態のスパークプラグPを製造するに際して、絶縁碍子3に端子金具1を装着するための加熱工程、加圧・冷却工程の概要と、本形態の端子先端部12の先端面121形状による作用効果を説明する。
図6は、取付金具2を装着する前のサブアッシー状態のスパークプラグPsであり、左図に示す加熱工程において、絶縁碍子3は支持台8に挿通保持され、基端開口部312の上方に端子金具1の端子基端部11が突出する状態で、図示しない加熱装置内に配置される。絶縁碍子3の軸孔31には、予め、中心電極4、第1シール層61、抵抗体7、第2シール層62となる材料が順に充填される。支持台8はブロック状で、絶縁碍子3の外形に沿う形状の保持孔81を有しており、その内周に設けたテーパ面82上に、絶縁碍子3の大径部32を支持する。加熱装置は図示しない加熱手段により、支持台8に支持された絶縁碍子3を所定温度に加熱可能であり、通常、軸孔31内に充填される材料中のガラス粉末の軟化温度以上に加熱されて、流動可能となる。
次いで、図6の右図に示す加圧・冷却工程において、絶縁碍子3の基端側に突出する端子金具1の首部14を、加圧部83を用いて軸孔31内に装着する。端子金具1は、支持台8に挿通保持された状態で、端子基端部11の上方に配置した加圧部83を押し下げることにより、端子先端部12の先端面121が第1、第2シール層61、62と抵抗体7となる材料を押圧する。
これにより、これら材料が圧縮されると共に、先端面121に接する第2シール層62となる材料が、外周面122と絶縁碍子3との隙間Gから軸部13方向へ這い上がる。この材料が、隙間Gを埋めた後、冷却されることによって、端子金具1が絶縁碍子3に固着される。そのため、図7に示すように、端子金具1は、端子先端部12と軸部13の径を、絶縁碍子3の孔径よりも小さく設定して、第2シール層62となる材料の這い上がり代を確保している。一方で、エンジンの小型高出力化に伴う冷却性能の向上要求等により、スパークプラグPの取付長は比較的長いままとなる。
そのため、端子金具1の軸孔31内の長さも相対的に長くなり、例えば、端子基端部11を除く端子金具1の長さL(すなわち、端子基端部11より先端側に位置して軸孔31内に収容される、首部14の基端から先端面121までの端子金具1の長さ)は、通常、30mmよりも長い。このように、端子金具1が細く長くなると、軸孔31への挿入・押圧時に曲がりや傾きが生じ易くなる。
このとき、図8に示すように、端子金具1の端子先端部12において、先端面121の外周縁部が角を有する形状である場合には、軸孔31の内壁面への引っ掛かり等が生じ易くなる。例えば、最小径部の軸部13に曲がりや傾きが生じると、端子先端部12の先端面121が軸直方向に対して傾斜し、外周縁部が軸孔31の内壁面に接触して、摩擦が大きくなる。その結果、第1、第2シール層61、62、抵抗体7への均一な加圧ができなくなるおそれがある。
ここで、スパークプラグPは、端子金具1の端子基端部11に、図示しない点火コイルへの接続コードが取付けられ、点火コイルで発生させた高電圧を、抵抗体7を介して中心電極4に印加することにより、接地電極5との間に火花放電を発生させる。このため、第1、第2シール層61、62及びこれらの間の抵抗体7が十分に圧縮され、密着性を高めると共に、振動等を繰り返し受けることによる抵抗値の増大、すなわち負荷寿命の低下を抑制することが重要となる。
これに対して、図4、図5のように、端子金具1の端子先端部12が、先端面121の外周にR面123又はC面124を有すると、軸孔31の内壁面への引っ掛かり等が生じ難くなる。そして、端子金具1の軸部13及び端子先端部12の曲がりや傾きが抑制され、軸孔31の内壁面との摩擦が小さくなるので、端子先端部12の先端面121による均一な加圧が可能になる。特に、上記式1を満たすように、R寸法又はC寸法の値Vを、端子金具1のビッカース硬度Hv及び軸部13の径Dに応じて設定することで、第2シール層62となる材料の這い上がり代を確保しつつ、曲がりや傾きによる引っ掛かりをなくすことができる。
したがって、本形態のスパークプラグPによれば、端子金具1の絶縁碍子3への装着性が向上し、第1、第2シール層61、62との密着性を高めて、接合強度を高めることができる。また、抵抗体7を適切に加圧、圧縮して所望の抵抗値特性を実現し、負荷寿命を向上させることができる。
(試験例)
上記式1を導出するために、上記図6の構成のサブアッシー状態のスパークプラグPsについて、表1に示すサンプル1〜サンプル22を準備し、各サンプルの評価試験を行った。各サンプルは、端子金具1の硬度(すなわち、ビッカース硬度Hv)を、100又は120とし、それぞれにつき、最小径部である軸部13の径Dを、φ2.5mm〜3.1mmの範囲で変更したものを用意した。これらについて、さらに、端子先端部12の先端面121の外周縁部を、所定の値Vとなるように面取りした。ここでは、先端面121の外周縁部をC面取りし、C面124の寸法を、表1に示すように、0.6mm以下の範囲で変化させて、サンプル1〜サンプル22とした。
なお、これらサンプルのうち、サンプル8、サンプル10は、C面124を形成していない(すなわち、C面124のC寸法が0mmである)サンプル例とした。各サンプルの硬度は、マイクロビッカース硬度計(すなわち、株式会社ミツトヨ製;HM−220)を使用し、所定の荷重を加えて測定した(例えば、荷重500g×15秒)。
また、端子金具1の端子先端部12と軸孔31の隙間Gは、端子金具1の各部径によらず、所定の隙間G(例えば、径方向距離:0.3mm程度)が確保できるように、絶縁碍子3の軸孔31の径を調整した。端子基端部11を除く端子金具1の長さLは、38mmとした。
これらサンプル1〜サンプル22のスパークプラグPsを、試験用放電装置に装着し、以下の方法で評価した。まず、スパークプラグPの端子金具1に、点火コイルを接続し、コイル−プラグ接続部に20pFの容量負荷を接続して、点火コイルで発生させた電圧を印加して、中心電極4と、評価装置に設置した接地電極5を模擬したアース体(例えば、3針ギャップ)との間で、火花放電させた。なお、放電電圧は、3針ギャップのギャップ長を変更し、以下の電圧に合わせ込んだ。評価試験条件は、次の通りとした。
放電電圧:20kV
電源周波数:60Hz
雰囲気温度:250℃
雰囲気圧:大気圧
サンプル1〜サンプル22について、スパークプラグPsの抵抗値の経時変化を、デジタル抵抗計にて測定し、初期抵抗値に対する抵抗値の上昇が25%以上となった時間を寿命時間とした。また、比較のため、従来プラグとして、端子金具の径が比較的大きく、硬度が比較的高いスパークプラグを用いて、同様の評価試験を行った。従来プラグの各部寸法等を、以下に示す。
絶縁碍子の軸孔径:φ4.1mm
端子金具の最小径部の径:φ3.5mm
隙間G:0.3mm
端子金具の硬度:Hv 140
端子金具の先端面:C面取りなしHv140
端子基端部11より先端側の端子金具1の長さ:38mm
結果を、表1に示す。ここで、表1における負荷寿命の判定は、従来プラグの寿命時間と比較したときに、従来プラグと同等以上であったサンプルを良、同等未満であったサンプルを不可、とした。表1に明らかなように、端子金具1の最小径部の径Dが小さいほど、良好な結果を得るためのC面取りの寸法が大きくなる。また、ビッカース硬度Hvの値が大きい方が、同じ最小径部の径Dに対して、良好な結果が得られるC寸法の値が小さくなっている。そこで、表1の結果から、ビッカース硬度Hvに対して最小径部の径Dを変更したときに、負荷寿命が良となる限界の値を示すサンプルを抽出して、表2に示した(すなわち、サンプル2、6、9、10、12、15、18、21)。また、表2に基づき、最小径部の径Dごとに、負荷寿命が良となるR寸法又はC寸法の値Vとビッカース硬度Hvの関係を、図9に示した。
Figure 0006657850
Figure 0006657850
さらに、公知の回帰分析法を用いて、これら変数の関係を表す式を求めた。図9に示されるように、最小径部の径Dが同じであるとき、負荷寿命が良となる限界のR寸法又はC寸法は、ビッカース硬度Hvと反比例の関係にあると推定される。そこで、ビッカース硬度Hvと最小径部の径D(単位:mm)を説明変数とし、負荷寿命が良となるR寸法又はC寸法の値V(単位:mm)を目標変数として、重回帰分析を行い、下記式1を得た。
V≧3.08−0.0163×Hv−0.375×D・・・(式1)
ただし、 V>0
これにより、ビッカース硬度Hvと最小径部の径D(単位:mm)を設定することで、負荷寿命が良となるR寸法又はC寸法の値V(単位:mm)を、上記式1を満足するように決定することができる。
(実施例)
次に、上記式1を用いて、ビッカース硬度Hvと最小径部の径Dに対する、R寸法又はC寸法の値Vを設定したサンプル23〜サンプル33を準備した。
表3に示すように、端子金具1のビッカース硬度Hvを、100〜130の範囲で変更し、最小径部である軸部13の径Dを2.mm〜3.mmの範囲で変更したときに、上記式1を満足するR寸法又はC寸法の値Vの下限値をそれぞれ算出した。この下限値に対して、実際の端子金具1の先端面121のC面取りの寸法が小さい、比較例サンプル(すなわち、サンプル23、サンプル24、サンプル27、サンプル29、サンプル30)と、実際のC面取りの寸法が下限値以上である、実施例サンプル(すなわち、サンプル25、サンプル26、サンプル28)を用意した。なお、サンプル30は、C面取りを行わない比較例サンプル(すなわち、C寸法=0mm)である。
また、C面取りに代えて、R面取りを行ったサンプルについても、下限値に対してR面取りの寸法が小さい、比較例サンプル(すなわち、サンプル31、サンプル33)と、実際のR面取りの寸法が下限値以上である、実施例サンプル(すなわち、サンプル32)を用意した。これらサンプル23〜サンプル33について、上記試験例と同様にして負荷寿命を評価した。結果を表3中に示す。また、この評価結果と式1との適合性を判定し、適合しているサンプルを適、適合していないサンプルを不適として、結果を表3中に併記した。
Figure 0006657850
表3に示されるように、C面取りの寸法が、上記式1から算出された下限値以上である実施例サンプルについては、いずれも評価結果が良であった。また、C面取りに代えて、R面取りを行ったサンプルについても、同様の結果が得られた。一方、R面取り又はC面取りの寸法が、上記式1から算出された下限値に満たない比較例サンプルについては、いずれも評価結果は不可となった。したがって、上記式1は、R寸法とC寸法の両方について有効であることがわかる。
以上により、スパークプラグPは、端子金具1の先端面121にR面取り又はC面取りを施した形状とすることで、上記式1に適合するように、端子金具1のビッカース硬度Hvと最小径部である軸部13の径Dに対して、R寸法又はC寸法の値Vを容易に決定することができる。例えば、ビッカース硬度Hvが130以下と比較的低い材料を用いた場合でも、軸部13の径DとR寸法又はC寸法の値Vを適切に設定することで、スパークプラグPの負荷寿命を、従来よりも長くすることができる。あるいは、軸部13の径Dが、3mm前後ないしそれ以下に細径化した場合でも、軸部13の径DとR寸法又はC寸法の値Vを適切に設定することで、同様の効果が得られる。
したがって、ロングリーチ型のスパークプラグPにおいても、端子金具1の絶縁碍子3への密着力が向上し、良好な負荷寿命性能を実現できると共に、端子金具1の装着が容易になり量産性を向上できる。
スパークプラグPは、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、本発明の趣旨を超えない範囲で、種々の変更が可能である。例えば、端子金具1の形状や材質、導電性シール層61、62や抵抗体7となる材料や、絶縁碍子3、取付金具2の形状等は、適宜変更することができる。
上記実施形態では、スパークプラグPを、自動車エンジン用として使用する例について説明したが、自動車に限らず、コージェネレーション、ガス圧送用ポンプ等に使用する内燃機関用のスパークプラグPであってもよい。
P スパークプラグ
1 端子金具
11 端子基端部
12 端子先端部
121 先端外周縁部
13 軸部
3 絶縁碍子
31 軸孔
4 中心電極
61、62 導電性シール層

Claims (6)

  1. 筒状の取付金具(2)の内側に同軸的に保持される筒状の絶縁碍子(3)と、
    該絶縁碍子の軸孔(31)から端子基端部(11)が突出するように保持された端子金具(1)と、
    上記絶縁碍子の上記軸孔から電極先端部(41)が突出するように保持された中心電極(4)と、
    上記取付金具の先端側に固定されて上記中心電極と対向する接地電極(5)と、
    上記端子金具と上記中心電極の間に介在する導電性シール層(61、62)及び抵抗体(7)を備えるスパークプラグ(P)において、
    上記端子金具は、ビッカース硬度Hvが、100〜130の範囲にあると共に、上記軸孔内に収容される端子先端部(12)が、先端面(121)の外周縁部の全周にR面(123)又はC面(124)を有する形状であり、かつ、
    上記R面のR寸法又は上記C面のC寸法の値V(単位:mm)と、上記端子金具のビッカース硬度Hvと、上記端子金具の最小径部(13)の径D(単位:mm)とが、下記式1で表される関係にある、スパークプラグ。
    V≧3.08−0.0163×Hv−0.375×D・・・(式1)
    ただし、V>0、2.5mm≦D≦3.1mm
  2. 上記先端面は、上記導電性シール層及び上記抵抗体となる材料を押圧する押圧面となり、上記抵抗体は、導電性材料の粉末とガラス粉末とを含む抵抗体材料にて構成される、請求項1に記載のスパークプラグ。
  3. 上記端子金具は、上記端子基端部と上記端子先端部との間に、上記最小径部となる軸部を有している、請求項1又は2に記載のスパークプラグ。
  4. 上記端子金具は、上記端子基端部よりも先端側に位置して上記軸孔内に収容される部位の軸方向(X)の長さLが、30mmよりも長い、請求項1〜3のいずれか1項に記載のスパークプラグ。
  5. 上記導電性シール層は、上記中心電極側に位置する第1シール層(61)と上記端子金具側に位置する第2シール層(62)を備え、両シール層の間に上記抵抗体を挟持している、請求項1〜4のいずれか1項に記載のスパークプラグ。
  6. 上記端子金具は、上記端子先端部が、上記第2シール層に埋設固定されている、請求項に記載のスパークプラグ。
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