JP6657838B2 - 長尺材測位支援装置 - Google Patents
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Description
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたものである。本発明が解決しようとする課題は、実際の工事現場において計測作業を行わずとも、杭や柱等の長尺材の位置を計測できるようにすることである。
図1に示すように、長尺材測位支援装置10は、鉛直部材としての杭及び柱の位置の計測を支援するための装置である。長尺材測位支援装置10は、プログラム80がインストールされたデスクトップ型、ノートブック型又はタブレット型のパーソナルコンピュータである。図1に示すように、長尺材測位支援装置10は演算処理装置11、入力部12、表示部13及び記憶部14等を備える。
入力部12は、スイッチ、キーボード、ポインティングデバイス等の入力装置である。この入力部12は、操作されることによって操作内容に応じた信号を演算処理装置11に出力する。演算処理装置11は、入力部12から入力した信号に従った演算処理を行う。
表示部13は、画面表示を行うディスプレイ装置である。演算処理装置11が演算処理によりビデオ信号を生成し、そのビデオ信号を表示部13に出力するので、この表示部13がそのビデオ信号に従った表示を行う。
工事現場点群モデル30,40は、仮想三次元空間に配置される複数の点の集合体である。より具体的には、図5に示すように、工事現場点群モデル30,40の各点の情報は、点を識別するために一意的な識別子と、仮想三次元空間での点の位置を表す三次元座標値と、点の濃淡を表すデータ値(例えば、赤(R)の階調値、緑(G)の階調値、青(B)の階調値)とから構成されている。三次元座標値及びデータ値が識別子に対応付けられた状態で記憶部14に記憶されている。なお、図5では、工事現場点群モデル30,40がフルカラーのモデルを例にしているので、データ値が三原色(RGB)の階調値からなるが、工事現場点群モデル30,40が単色スケール(グレースケール)のモデルである場合、データ値が一色の階調値からなり、工事現場点群モデル30,40が二値(モノクロ)のモデルである場合、工事現場点群モデル30,40にはデータ値が含まれない。
図12〜図14に示すフローチャートを参照して、長尺材測位支援装置10を用いて杭の位置を計測する方法について説明する。ここで、図13に示すフローチャートは図12に示すステップS1のサブルーチンの処理の流れを示し、図14に示すフローチャートは図12に示すステップS3のサブルーチンの処理の流れを示す。なお、以下に説明する演算処理装置11の処理及び機能はプログラム80によって実現される。
プログラム80が演算処理装置11によって実行されると、まず、演算処理装置11は、記憶部14から工事現場点群モデル30を読み込む。そして、演算処理装置11は、工事現場点群モデル30の中から何れか一つの杭頭部の点群31を検索して抽出する。具体的には、以下のようにして杭頭部の点群31を抽出する。
次に、演算処理装置11は、読み込んだ三次元形状情報23及び位置情報24に基づいて、仮想三次元空間のうち杭モデル21Aの頭部を含む領域をX座標、Y座標及びZ座標の範囲により指定する(ステップS12)。以下、この領域を指定領域といい、その指定領域の一例を図8に示す(領域33が指定領域に相当する)。なお、ユーザが入力部12を操作することによってXYZ座標の範囲を入力し、演算処理装置11がその操作内容に従って指定領域を設定してもよい。
次に、演算処理装置11は、工事現場点群モデル30の各点のXYZ座標と指定領域のXYZ座標の範囲とを対比することによって、工事現場点群モデル30の各点のうち指定領域内に配される点を抽出する(ステップS13)。これらの点の集合体が杭頭部の点群31に相当する。
次に、演算処理装置11は、ステップS1で抽出した杭頭部の点群31のX座標の平均値と、Y座標の平均値とを算出する。ここで、工事現場点群モデル30が実際の工事現場を点群で表したものであるので、杭頭部の点群31のXY座標の平均値は実際の杭芯の水平方向の位置に相当する。
以下では、このように算出された杭頭部の点群31のX座標の平均値及びY座標の平均値をそれぞれ中心点X座標及び中心点Y座標といい、中心点X座標及び中心点Y座標によって定義される点を特定中心点という。図15は杭頭部の点群31の平面図であり、図15に示す点34が特定中心点の一例である。
次に、演算処理装置11は、ステップS1で抽出した杭頭部の点群31の中から、杭の頭頂面を構成する点群(以下、頭頂面点群という)を抽出する。具体的には、以下のようにして頭頂面点群を抽出する。
次に、演算処理装置11は、径の補正値α(但し、αは変数である)として初期値α0(具体的には、α0=0)を設定する(ステップS22)。
次に、演算処理装置11は、ステップS23で算出した補正後内径及び補正後外径と、ステップS25で算出したZ座標の平均値とを対応付けて記憶する(ステップS26)。
ここで、杭頭部の点群31のうち杭の頭頂面近傍にある点は、杭の外周面や内周面に近づくほどZ座標が小さくなる傾向にある。そのため、外周面や内周面に近い点を除外すべく、上記ステップS21〜S30の処理によって、特定リング状領域に含まれる点を頭頂面点群として抽出する。
次に、演算処理装置11は、ステップS3で抽出した頭頂面点群のZ座標の平均値を算出する。つまり、演算処理装置11は、ステップS30で抽出した点の集合体のZ座標の平均値を算出する。ここで、工事現場点群モデル30が実際の工事現場を点群で表したものであるので、杭頭部の点群31のうち頭頂面点群のZ座標の平均値は、実際の工事現場における杭の頭頂面の鉛直方向の位置に相当する。
次に、演算処理装置11は、ステップS2で算出した杭頭部の点群31のX座標の平均値(中心点X座標)と、ステップS2で算出した杭頭部の点群31のY座標の平均値(中心点Y座標)と、ステップS4で算出した頭頂面点群のZ座標の平均値とを対応付けて、これら平均値を記憶部14に記録する。更に、演算処理装置11は、これらX座標、Y座標及びZ座標の平均値を表示部13に表示させる。よって、ユーザは、表示部13に表示されたX座標、Y座標及びZ座標の平均値を認識して取得することによって、杭の頭頂面の鉛直方向の位置及び水平方向の位置を計測することができる。
工事現場点群モデル30に含まれる他の杭頭部の点群31に対しても同様にして、上述のステップS1〜S5の処理を実行する。
図17〜図19に示すフローチャートを参照して、長尺材測位支援装置10を用いて柱の位置を計測する方法について説明する。ここで、図18に示すフローチャートは図17に示すステップS51のサブルーチンの処理の流れを示し、図19に示すフローチャートは図17に示すステップS53のサブルーチンの処理の流れを示す。なお、以下に説明する演算処理装置11の処理及び機能はプログラム80によって実現される。
プログラム80が演算処理装置11によって実行されると、まず、演算処理装置11は、記憶部14から工事現場点群モデル40を読み込む。そして、演算処理装置11は、工事現場点群モデル40の中から何れか一つの柱頭部の点群41を検索して抽出する。具体的には、以下のようにして柱頭部の点群41を抽出する。
次に、演算処理装置11は、読み込んだ三次元形状情報23及び位置情報24に基づいて、仮想三次元空間のうち柱モデル21Bの頭部を含む領域をX座標、Y座標及びZ座標の範囲により指定する(ステップS62)。以下、この領域を指定領域といい、その指定領域の一例を図11に示すが、図11に示す領域43が指定領域に相当する。なお、ユーザが入力部12を操作することによってXYZ座標の範囲を入力し、演算処理装置11がその操作内容に従って指定領域を設定してもよい。
次に、演算処理装置11は、工事現場点群モデル40の各点のXYZ座標と指定領域のXYZ座標の範囲とを対比することによって、工事現場点群モデル40の各点のうち指定領域内に配される点を抽出する(ステップS63)。これらの点の集合体が柱頭部の点群41に相当する。
次に、演算処理装置11は、ステップS51で抽出した柱頭部の点群41のX座標の平均値と、Y座標の平均値とを算出する。ここで、工事現場点群モデル40が実際の工事現場を点群で表したものであるので、柱頭部の点群41のXY座標の平均値は実際の柱芯の水平方向の位置に相当する。
以下では、このように算出された柱頭部の点群41のX座標の平均値及びY座標の平均値をそれぞれ中心点X座標及び中心点Y座標といい、中心点X座標及び中心点Y座標によって定義される点を特定中心点という。図20は柱頭部の点群41の平面図であり、図20に示す点44が特定中心点の一例である。
次に、演算処理装置11は、図20に示す矩形領域45を回転させつつ、各回転角における矩形領域45内の点のZ座標の平均値を算出することによって、Z座標の平均値のデータ列を生成し、そのデータ列の中から最大平均値を特定し、その最大平均値に対応する回転角を特定する。具体的には、以下のようにして最大平均値及びそれに対応する回転角を特定する。
次に、演算処理装置11は、辺長の補正値β(但し、βは正若しくは負の所定定数であるか、ゼロである)を設定して、ステップS71で読み込んだ辺長情報の値に補正値βを加算して、XY平面に平行な矩形領域を仮想三次元空間に設定する(ステップS72)。ここで、矩形領域の中心点(重心点)はステップS52で求めた特定中心点であり、その中心点のXY座標は中心点X座標及び中心点Y座標であり、その矩形領域の辺長は、ステップS71で読み込んだ辺長情報の値に補正値βを加算して得られた値である。なお、矩形領域の外縁上の各点はXY座標によって表され、矩形領域の外縁はXY座標の範囲によって表されている。
次に、演算処理装置11は、ステップS73で設定した矩形領域を、特定中心点を通る回転軸(その回転軸はZ軸に平行である)回りに回転角θだけ回転させる(ステップS74)。ここで、図20に示す矩形領域45は特定中心点を通る回転軸回りに回転されたものである。
次に、演算処理装置11は、ステップS51で抽出した柱頭部の点群41の各点のXY座標と、矩形領域の外縁を表すXY座標の範囲とを対比することによって(この際、Z座標は捨象する)、ステップS51で抽出した柱頭部の点群41中から、ステップS74で回転させた矩形領域の外縁の内側にある点を抽出する(ステップS75)。
次に、演算処理装置11は、回転角θと、ステップS76で算出した点のZ座標の平均値とを対応付けて記憶する(ステップS77)。
ここで、柱頭部以外の点群の点は柱頭部の点群41の点よりもZ座標が小さい。また、ステップS73で設定した矩形領域が柱頭部の点群41の外形を構成する矩形柱の外周面に合致していくほど、その矩形領域に含まれる柱頭部以外の点群の点の数が少なくなる傾向にある。よって、ステップS73で設定した矩形領域が柱頭部の点群41の外形を構成する矩形柱の外周面に最も合致した場合には、その矩形領域内に配される点のZ座標の平均値が最も大きくなる。よって、Z座標の平均値のデータ列の中で最大平均値に対応する回転角θは、実際の工事現場における柱の各柱面の向きに相当する。
次に、演算処理装置11は、ステップS52で算出した柱頭部の点群41のX座標の平均値(中心点X座標)と、ステップS52で算出した柱頭部の点群41のY座標の平均値(中心点Y座標)と、ステップS80で特定した最大値(Z座標の平均値のデータ列の中での最大値)と、その最大値に対応付けられた回転角θとを対応付けて、記憶部14に記録する。更に、演算処理装置11は、X座標及びY座標の平均値と、Z座標の平均値のデータ列の中での最大値と、その最大値に対応付けられた回転角θとを表示部13に表示させる。よって、ユーザは、表示部13を見ることによって、X座標及びY座標の平均値と、Z座標の平均値のデータ列の中での最大値と、その最大値に対応付けられた回転角θとを認識して取得することによって、柱の頭頂面の鉛直方向の位置及び水平方向の位置並びに各柱面の向きを計測することができる。
その後、工事現場点群モデル40に含まれる他の柱頭部の点群41に対しても同様にして、上述のステップS51〜S54の処理を実行する。
以上説明した本発明の実施の形態によれば、長尺材測位支援装置10を用いることにより、以下の効果が得られる。
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、上記実施の形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。例えば、以下のような実施の形態が考えられる。
Claims (7)
- 工事現場を点群により表すとともに長尺材端部の点群を含んだ工事現場点群モデルを記憶した記憶部から前記工事現場点群モデルを読み込む読込手段と、
前記読込手段によって読み込んだ工事現場点群モデルから前記長尺材端部の点群を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段によって抽出した前記長尺材端部の点群のX座標の平均値及びY座標の平均値を算出する算出手段と、を備えることを特徴とする長尺材測位支援装置。 - 前記算出手段によって算出したX座標の平均値及びY座標の平均値を前記記憶部に記録する手段を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の長尺材測位支援装置。
- 前記抽出手段によって抽出した前記長尺材端部の点群の中から長尺材端面の点群を抽出する第二抽出手段と、
前記第二抽出手段によって抽出した前記長尺材端面の点群のZ座標の平均値を算出する第二算出手段と、を更に備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の長尺材測位支援装置。 - 前記工事現場点群モデルに含まれる前記長尺材端部の点群が円筒部材端部を表したものであり、
前記第二抽出手段が、
前記算出手段によって算出したX座標の平均値及びY座標の平均値を中心点のXY座標とした内周円及びそれよりも大径な外周円の半径を段階的に変化させつつ、前記抽出手段によって抽出した前記長尺材端部の点群のうち前記内周円と前記外周円との間に配される点のZ座標の平均値を算出することによって、内周円及び外周円の半径とZ座標の平均値とを対応付けたデータ列を生成するデータ列生成手段と、
前記データ列生成手段によって生成したデータ列のうち最大の平均値に対応付けられた内周円及び外周円の半径を特定する特定手段と、
前記抽出手段によって抽出した前記長尺材端部の点群のうち、前記特定手段により特定した半径の内周円と外周円との間に配される点を、前記長尺材端面の点群として抽出する第三抽出手段と、を有することを特徴とする請求項3に記載の長尺材測位支援装置。 - 前記第二算出手段によって算出した前記長尺材端面の点群のZ座標の平均値を前記記憶部に記録する手段を更に備えることを特徴とする請求項3又は4に記載の長尺材測位支援装置。
- 前記算出手段によって算出したX座標の平均値及びY座標の平均値を中心点のXY座標とした矩形領域を回転させつつ、前記抽出手段によって抽出した前記長尺材端部の点群のうち前記矩形領域内に配される点のZ座標の平均値を算出することによって、前記矩形領域の回転角とZ座標の平均値とを対応付けたデータ列を生成するデータ列生成手段と、
前記データ列生成手段によって生成したデータ列のうち最大の平均値を特定する第一特定手段と、
前記第一特定手段によって特定した最大の平均値に対応付けられた回転角を特定する第二特定手段と、を更に備え、
前記工事現場点群モデルに含まれる前記長尺材端部の点群は点対称な形状の端面を有する部材の端部を表したものであることを特徴とする請求項5に記載の長尺材測位支援装置。 - 前記第一特定手段によって特定した最大の平均値を前記記憶部に記録するとともに、前記第二特定手段によって特定した回転角を前記記憶部に記録する手段を更に備えることを特徴とする請求項6に記載の長尺材測位支援装置。
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