JP6657572B2 - 光電変換素子 - Google Patents

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Description

本発明は、光電変換素子に関する。本明細書において光電変換素子とは、光エネルギーを電気エネルギーに変換する素子あるいは電気エネルギーを光エネルギーに変換する素子を表し、具体的には太陽電池あるいはフォトダイオード等が挙げられる。
近年、電子回路における駆動電力が非常に少なくなり、微弱な電力(μWオーダー)でもセンサ等の様々な電子部品を駆動することができるようになった。さらに、センサの活用に際し、その場で発電し消費できる自立電源として環境発電素子への応用が期待されており、その中でも太陽電池(光電変換素子の一種)は光があればどこでも発電できる素子として注目を集めている。
太陽電池としては、シリコン系太陽電池が最も普及しており、太陽光下での変換効率が高いものが多く報告されている(たとえば非特許文献1)。しかしながら、シリコン系太陽電池は太陽光下での変換効率は優れるが、屋内などの微弱光下での変換効率は低いことが一般的に知られている(たとえば非特許文献2)。
一方で、スイスローザンヌ工科大学のGraetzelらが発表した色素増感型太陽電池は、微弱光下において、シリコン太陽電池以上の高い光電変換特性を有することが報告されている(例えば、非特許文献3参照)。通常、LEDライトや蛍光灯などの室内光の照度は20Luxから1000Lux程度であり、太陽の直射光(およそ100000Lux)と比較し、非常に微弱な光である。Graetzelらは、酸化チタン等の金属酸化物半導体電極を多孔質化して表面積を大きくしたこと、並びに色素としてルテニウム錯体を単分子吸着させたことにより光電変換効率を著しく向上させた(例えば、特許文献1、非特許文献4、5参照)。しかしながら、微弱光下で光電変換効率に優れる色素増感太陽電池でも、太陽光下と微弱光下での変換効率は大きく変わらないことが知られている(特許文献2、非特許文献8)。
また、近年、ペロブスカイト型化合物が光を吸収し、発電するペロブスカイト型太陽電池が桐蔭横浜大学宮坂らによって報告されている(非特許文献6参照)。この太陽電池に用いられているペロブスカイト型化合物は、ハロゲン化メチルアミンとハロゲン化鉛を混合することによって形成されたものであり、可視光領域に強い吸収を有している。しかしながら、この化合物は溶液中では不安定なため、ヨウ素電解液を用いた場合は光電変換特性が低い。そこで、ヨウ素電解液を有機ホール輸送材料に変更することで変換効率を大きく向上させた光電変換素子が報告された(非特許文献7参照)。
また非特許文献9には、導電性高分子をホール輸送材料として用いた例が開示されている。
しかしながら、室内光のような微弱な光を電気に変換する際、これまで検討されてきたペロブスカイト型光電変換素子ではいずれも満足のいく特性のものが得られていないのが現状である(比較例参照)。
そこで、本発明は上記課題を鑑み、室内光のような微弱な入射光の場合(例えば1000Lux程度)において、良好な光電変換効率が得られるペロブスカイト型の光電変換素子を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために鋭意検討した結果、室内光のような微弱光下(5000lux以下)において高性能なペロブスカイト型光電変換素子を提供できることを見出し本発明に到達した。上記課題は、本発明の下記(1)の構成のペロブスカイト型光電変換素子によって解決される。
(1)「 導電膜基板上に、電子輸送層を設けた第一電極、無機半導体、一般式R3NH3M1X3(式中、Rはアルキル基を表し、M1は2価の金属イオンであり、Xはハロゲン原子を表す。)で示されるペロブスカイト型結晶構造を持つ材料、P型有機半導体が順次積層されてなる光電変換素子であって、前記P型有機半導体が下記構造式(A)の構造部分または(B)の構造部分を有するピロロ[3.2−b]ピロールー3,6−ジオン(本明細書ではこれを、単に「ピロロピロールー3,6−ジオン」と略称する。)誘導体または[1,2−b;4,5−b′]ジチオフェン(本明細書ではこれを、単に「ジチオフェン」と略称する。)誘導体を含むものであることを特徴とする光電変換素子。
本発明によれば、室内光のような微弱な入射光の場合であっても、良好な光電変換効率が得られるペロブスカイト型光電変換素子を提供することができる。
本発明の光電変換素子の一例を示す概略図である。 本発明における各実施例、比較例の評価結果示す図である。 本発明におけるペロブスカイト膜について説明する図である。 本発明のペロブスカイト型太陽電池の機作例について説明する図である。
本発明は、上記(1)に記載の構成を有する「ペロブスカイト型光電変換素子」に係るものであるが、この「ペロブスカイト型光電変換素子」は、以降の詳細な説明から理解されるように、つぎの(2)〜(5)に記載される態様の「ペロブスカイト型光電変換素子」をも包含する。
(2)「 前記構造式(A)または構造式(B)のピロロピロールー3,6−ジオン誘導体またはジチオフェン誘導体が、下記一般式(1)または(2)で表されるものであることを特徴とする前記(1)に記載の光電変換素子。
(式(1)、(2)中、R1はアルキル基、アルコキシカルボニル基を表し、R2、R3は芳香族基を表す。Yはアルコキシル基または芳香族基を表す。)
(3)「 前記構造式(A)または構造式(B)ののピロロピロールー3,6−ジオン誘導体またはジチオフエン誘導体が下記一般式(3)で表されるものであることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の光電変換素子。
(式(3)中、R1はアルキル基、アルコキシカルボニル基を表し、Rは芳香族基を表す。Yはアルコキシル基または芳香族基を表す。)
(4)「 前記構造式(A)または構造式(B)ののピロロピロールー3,6−ジオン誘導体またはジチオフェン誘導体が下記一般式(4)で表されるものであることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の光電変換素子。
(式(4)中、Yはアルコキシル基または芳香族基を表し、Z1、Z2は硫黄原子もしくは炭素原子を表し、Z1とZ2は結合して環を形成しても良い。)」
(5)「 前記構造式(B)のジチオフエン誘導体が下記一般式(5)または一般式(6)で表されるものであることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の光電変換素子。
(式(5)、(6)中、Yはアルコキシル基または芳香族基を表し、R4はアルキル基、アルコキシカルボニル基を表し、R5は水素原子、またはハロゲン原子を表す。R6はアルキル基を表す。)」
<基板>
以下、添付図面を参照しつつ、本発明を詳細に説明する。
本発明で用いられる基板1は、一定の硬性を維持する必要があり、基板1として用いられるものとしては、ガラス、透明プラスチック板、透明プラスチック膜、無機物透明結晶体等が挙げられる。基板1には、後述の電子集電電極が設けられ、透明導電性基板が構成される。
<電子集電電極>
本発明で用いられる貫通孔を有する電極2(以下、電子集電電極と称することもある。)は、基板1の上に設ける。電子集電電極2としては、可視光に対して透明な導電性物質や金属で構成されるものであり、通常の光電変換素子、あるいは液晶パネル等に用いられる公知のものを使用できる。例えば、インジウム・スズ酸化物(以下、ITOと称する)、フッ素ドープ酸化スズ(以下、FTOと称する)、アンチモンドープ酸化スズ(以下、ATOと称する)、インジウム・亜鉛酸化物、ニオブ・チタン酸化物、グラフェン、金、銀、Pt、Ti、Crなどの金属が挙げられ、これらが単独あるいは複数積層されていてもよい。電子集電電極の厚さは5nm〜100μmが好ましく、50nm〜10μmが更に好ましい。
また、金属リード線等を用いてもよい。
金属リード線の材質はアルミニウム、銅、銀、金、白金、ニッケル等の金属が挙げられる。金属リード線は、基板に蒸着、スパッタリング、圧着等で設置し、その上にITOやFTOを設ける方法が挙げられる。
<電子輸送層>
本発明の光電変換素子は、上記の電子集電電極2上に、半導体からなる電子輸送層を形成してもよい。この電子輸送層は、電子集電電極2上に緻密な電子輸送層を形成し、更にその上に多孔質状の電子輸送層4を形成する積層構造であることが好ましい。また、この緻密な電子輸送層の膜厚に制限はないが、10nm〜1μmが好ましく、20nm〜700nmがより好ましい。なお、電子輸送層の「緻密」とは、電子輸送層中の半導体微粒子の充填密度より高密度で無機半導体が充填されていることを意味する。
<多孔質状の電子輸送層、無機半導体>
多孔質状の電子輸送層4は、単層であっても多層であってもよい。多層の場合、粒径の異なる半導体微粒子の分散液を多層塗布することも、種類の異なる半導体や、樹脂、添加剤の組成が異なる塗布層を多層塗布することもできる。一度の塗布で膜厚が不足する場合には、多層塗布は有効な手段である。一般的に、電子輸送層の膜厚が増大するほど単位投影面積当たりの担持光増感化合物量も増えるため光の捕獲率が高くなるが、注入された電子の拡散距離も増えるため電荷の再結合によるロスも大きくなってしまう。従って、電子輸送層の膜厚は100nm〜100μmが好ましい。
用いられる半導体としては特に限定されるものではなく、公知のものを使用することができる。
具体的には、シリコン、ゲルマニウムのような単体半導体、あるいは金属のカルコゲニドに代表される化合物半導体、またはペロブスカイト構造を有する化合物等を挙げることができる。
金属のカルコゲニドとしてはチタン、スズ、亜鉛、鉄、タングステン、ジルコニウム、ハフニウム、ストロンチウム、インジウム、セリウム、イットリウム、ランタン、バナジウム、ニオブ、あるいはタンタルの酸化物、カドミウム、亜鉛、鉛、銀、アンチモン、ビスマスの硫化物、カドミウム、鉛のセレン化物、カドミウムのテルル化物等が挙げられる。
他の化合物半導体としては亜鉛、ガリウム、インジウム、カドミウム、等のリン化物、ガリウム砒素、銅−インジウム−セレン化物、銅−インジウム−硫化物等が好ましい。また、ペロブスカイト構造を有する化合物としては、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ナトリウム、チタン酸バリウム、ニオブ酸カリウム等が好ましい。
これらの中でも酸化物半導体が好ましく、特に酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ニオブが好ましく、単独、あるいは2種以上の混合で使用しても構わない。これらの半導体の結晶型は特に限定されるものではなく、単結晶でも多結晶でも、あるいは非晶質でも構わない。
半導体微粒子のサイズに特に制限はないが、一次粒子の平均粒径は1〜100nmが好ましく、5〜50nmがより好ましい。また、より大きい平均粒径の半導体微粒子を混合あるいは積層して入射光を散乱させる効果により、効率を向上させることも可能である。この場合の半導体の平均粒径は50〜500nmが好ましい。
電子輸送層4の作製方法には特に制限はなく、スパッタリング等の真空中で薄膜を形成する方法や湿式製膜法が挙げられる。製造コスト等を考慮した場合、特に湿式製膜法が好ましく、半導体微粒子の粉末あるいはゾルを分散したペーストを調製し、電子集電電極基板上に塗布する方法が好ましい。この湿式製膜法を用いた場合、塗布方法は特に制限はなく、公知の方法に従って行なうことができる。例えば、ディップ法、スプレー法、ワイヤーバー法、スピンコート法、ローラーコート法、ブレードコート法、グラビアコート法、また、湿式印刷方法として、凸版、オフセット、グラビア、凹版、ゴム版、スクリーン印刷等様々な方法を用いることができる。
機械的粉砕、あるいはミルを使用して分散液を作製する場合、少なくとも半導体微粒子単独、あるいは半導体微粒子と樹脂の混合物を水あるいは有機溶剤に分散して形成される。
この時に使用される樹脂としては、スチレン、酢酸ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等によるビニル化合物の重合体や共重合体、シリコン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリエステル樹脂、セルロースエステル樹脂、セルロースエーテル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂等が挙げられる。
半導体微粒子を分散する溶媒としては、水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、α−テルピネオール等のアルコール系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、あるいはメチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、ギ酸エチル、酢酸エチル、あるいは酢酸n−ブチル等のエステル系溶媒、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、あるいはジオキサン等のエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、あるいはN−メチル−2−ピロリドン等のアミド系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、ブロモホルム、ヨウ化メチル、ジクロロエタン、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、フルオロベンゼン、ブロモベンゼン、ヨードベンゼン、あるいは1−クロロナフタレン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−オクタン、1,5−ヘキサジエン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロヘキサジエン、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼン、あるいはクメン等の炭化水素系溶媒を挙げることができる。これらは単独、あるいは2種以上の混合溶媒として用いることができる。
半導体微粒子の分散液、あるいはゾル−ゲル法等によって得られた半導体微粒子のペーストは、粒子の再凝集を防ぐため、塩酸、硝酸、酢酸等の酸、ポリオキシエチレン(10)オクチルフェニルエーテル等の界面活性剤、アセチルアセトン、2−アミノエタノール、エチレンジアミン等のキレート化剤等を添加することができる。また、製膜性を向上させる目的で増粘剤を添加することも有効な手段である。この時加える増粘剤としては、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール等の高分子、エチルセルロース等の増粘剤等が挙げられる。
半導体微粒子は、塗布した後に粒子同士を電子的にコンタクトさせ、膜強度の向上や基板との密着性を向上させるために焼成、マイクロ波照射、電子線照射、あるいはレーザー光照射を行なうことが好ましい。これらの処理は単独で行なってもあるいは二種類以上組み合わせて行なってもよい。
焼成する場合、焼成温度の範囲に特に制限はないが、温度を上げ過ぎると基板の抵抗が高くなったり、溶融することもあるため、30〜700℃が好ましく、100〜600℃がより好ましい。また、焼成時間にも特に制限はないが、10分〜10時間が好ましい。焼成後、半導体微粒子の表面積の増大や、光増感化合物から半導体微粒子への電子注入効率を高める目的で、例えば四塩化チタンの水溶液や有機溶剤との混合溶液を用いた化学メッキや三塩化チタン水溶液を用いた電気化学的メッキ処理を行なってもよい。マイクロ波照射は、電子輸送層形成側から照射しても、裏側から照射しても構わない。照射時間には特に制限がないが、1時間以内で行なうことが好ましい。
直径が数十nmの半導体微粒子を焼結等によって積層した膜は、多孔質状態を形成する。
このナノ多孔構造は、非常に高い表面積を持ち、その表面積はラフネスファクターを用いて表わすことができる。このラフネスファクターは、基板に塗布した半導体微粒子の面積に対する多孔質内部の実面積を表わす数値である。従って、ラフネスファクターは大きいほど好ましいが、電子輸送層の膜厚との関係もあり、本発明においては20以上が好ましい。
<ペロブスカイト化合物>
本発明におけるペロブスカイト化合物は有機化合物と無機化合物の複合物質(n型半導体材料)であり(念のため、V2O5,CrO3,MoO3、WO3のような仕事関数の高いp型のものでないことを入れる案にさせていただきましたが、可否をご指示ください。)、ハロゲン化金属からなる層と有機カチオン分子が並んだ層が交互に積層した層状ペロブスカイト型構造を示すことが好ましく、以下の一般式(7)にて表される。
XαYβMγ・・・・・一般式(7)
上記一般式において、Xはハロゲン原子、Yはアルキルアミン化合物、Mは2価金属原子を表し、α:β:γの比率が3:3:1である。
具体的には、Xは塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン原子を挙げることができ、これらは単独または混合物として用いることができる。Yはメチルアミン、エチルアミン、n−ブチルアミン、ホルムアミジン等のアルキルアミン化合物を挙げることができる。
図3Aに模式的に示されるように、有機無機ペロブスカイト化合物結晶は、概略、2つのピラミッドを、底面が共有されるように貼り合わせた形のハロゲン化鉛の8個が、アルキルアンモニウム部位を頂点とする立方体の殻中に埋め込まれた形のもの(但し6個のハロゲン原子のうち、3個は隣接結晶単位からもので、したがって残りの3個も隣接結晶単位に共有されている。ハロゲン原子についても同様)で、殻部分の立方体の6面と、内部の8面体の頂稜部との共有)であるが、ペロブスカイトの結晶単位における電荷輸送には方向性がある(前記の内部8面体の2つの錐状頂部方向に直交する結晶の(110)方向)が電荷輸送方向)が、図3Bにて模式的に示されるように、本発明において好ましく用いられる前記積層状ペロブスカイトは、無機層と有機層が交互に積層した立体構造を有する。
また知られるように、光電変換型電池の性能(光エネルギーに対する出力ネルギーの割合(%)は、通常、開放電圧Voc(電池が生成できる最大電圧)のみでなく、短絡電流Jsc(電池が生成できる最大電流)、及び曲線因子FF(電池が生成できる最大出力)を加味した3つのパラメータの積で表されるとされるところ、実際にはキャリアの輸率も重要であり、本発明におけるような薄層を介して各電極ユニットを直列結線する場合には、短絡電流Jscや曲線因子FFも非常に重要である。本発明においては、特定P型有機半造体と組合せ用いる相手が、特にプロブスカイト型結晶構造材料であることにより、短絡電流Jscや曲線因子FFが大幅に改善されることがその構造的性質から理解される。
また、図4に示されるように、P型半造体のD(HOMO)準位とD(LOMO)準位、n型半造体のA(HOMO)準位とA(LOMO)準位、の4つのうち、電池の効率は、P型半造体のD(HOMO)準位とn型半造体のA(LOMO)準位の幅で左右されると云われているところ、本発明における組合せでは、特定P型有機半造体のHOMO準位が高く、かつ、プロブスカイト型結晶構造材料のLUMO準位が低い(知られるように、A(φ)に比しC(φ)が大きいのがプロブスカイト型結晶構造材料の特徴)だけでなく(P型半造体のD(HOMO)準位とn型半造体のA(LOMO)準位の幅を採り易いだけでなく)、当該p型半導体層はバンドギャップ幅が広く仕事関数が高いため、ホールは通過させるが電子を良好にブロックし、一方、プロブスカイト型結晶構造材料は、その構造から理解されるように、バンドギャップ幅が広く仕事関数が低いため、電子は通過させるがホールを良好にブロックする(n型半導体であると同時に、無機層と有機層が交互に積層した立体構造を有するcharge transfer complexで、内部の正負両チャージをそれぞれ逆方向に移動可能)。すなわち、本発明においては、スイスローザンヌ工科大学のGraetzelらが発表(非特許文献3参照)したような、単なる色素増感されたものの使用とは、基本的に相違し、両キャリアの易動性にも優れるため、図2に示すような好結果しを齎すものと、本発明者らは推測している。
すなわち、本発明における光電変換素子は、スイスローザンヌ工科大学のGraetzelらが発表(非特許文献1、2参照)したような、単なる色素増感されたものの使用とは、基本的に相違し、両キャリアの易動性にも優れるため、供述の実施例に示すような好結果しを齎すものと思われる。
本発明におけるペロブスカイト化合物は、ハロゲン化金属とハロゲン化アルキルアミンを溶媒に溶解あるいは分散した溶液を電子輸送層上に塗布、乾燥することで形成する一段階析出法、あるいはハロゲン化金属を溶解あるいは分散した溶媒を電子輸送層上に塗布、乾燥した後、ハロゲン化アルキルアミンを溶媒に溶解した溶液中に浸してペロブスカイト化合物を形成する二段階析出法の何れを用いても構わないが、特に二段階析出方が好ましい。
電子輸送層上に塗布する方法としては、浸漬法、スピンコート法、スプレー法、ディップ法、ローラ法、エアーナイフ法等を用いることができる。また、二酸化炭素などを用いた超臨界流体中で電子輸送層上に析出させても構わない。
二段階析出法の場合、ハロゲン化金属を電子輸送層上に形成したものと、ハロゲン化アルキルアミンの溶液を接触する方法としては、浸漬法、スピンコート法、スプレー法、ディップ法、ローラ法、エアーナイフ法等を用いることができる。また、二酸化炭素などを用いた超臨界流体中でハロゲン化アルキルアミンと接触することによって析出させても構わない。
また、電子輸送層上にペロブスカイト化合物を形成した後で、増感色素を吸着させても構わない。増感色素は使用される励起光により光励起される化合物であれば特に限定されないが、具体的には以下の化合物が挙げられる。
特表平7−500630号公報、特開平10−233238号公報、特開2000−26487号公報、特開2000−323191号公報、特開2001−59062号公報等に記載の金属錯体化合物、特開平10−93118号公報、特開2002−164089号公報、特開2004−95450号公報、J.Phys.Chem.C,7224,Vol.111(2007)等に記載のクマリン化合物、同特開2004−95450号公報、Chem.Commun.,4887(2007)等に記載のポリエン化合物、特開2003−264010号公報、特開2004−63274号公報、特開2004−115636号公報、特開2004−200068号、特開2004−235052号公報、J.Am.Chem.Soc.,12218,Vol.126(2004)、Chem.Commun.,3036(2003)、Angew.Chem.Int.Ed.,1923,Vol.47(2008)等に記載のインドリン化合物、J.Am.Chem.Soc.,16701,Vol.128(2006)、J.Am.Chem.Soc.,14256,Vol.128(2006)等に記載のチオフェン化合物、特開平11−86916号公報、特開平11−214730号公報、特開2000−106224号公報、特開2001−76773号公報、特開2003−7359号公報等に記載のシアニン色素、特開平11−214731号公報、特開平11−238905号公報、特開2001−52766号公報、特開2001−76775号公報、特開2003−7360号等に記載メロシアニン色素、特開平10−92477号公報、特開平11−273754号公報、特開平11−273755号公報、特開2003−31273号等に記載の9−アリールキサンテン化合物、特開平10−93118号公報、特開2003−31273号等に記載のトリアリールメタン化合物、特開平9−199744号公報、特開平10−233238号公報、特開平11−204821号公報、特開平11−265738号、J.Phys.Chem.,2342,Vol.91(1987)、J.Phys.Chem.B,6272,Vol.97(1993)、Electroanal.Chem.,31,Vol.537(2002)、特開2006−032260号公報、J.Porphyrins Phthalocyanines,230,Vol.3(1999)、Angew.Chem.Int.Ed.,373,Vol.46(2007)、Langmuir,5436,Vol.24(2008)等に記載のフタロシアニン化合物、ポルフィリン化合物等を挙げることができる。
特にこの中で、金属錯体化合物、インドリン化合物、チオフェン化合物、ポルフィリン化合物を用いることが好ましい。
〈ホール輸送層〉
本発明においては、ホール輸送層に用いられる材料は前記構造式(A)もしくは(B)で表される部分構造を有するもの、すなわち、一般式(1)〜(6)で表される構造のものが好ましい。
一般式(1)、(2)、(3)において、R1はアルキル基、アルコキシカルボニル基を表し、R2、R3は芳香族基を表す。Yはアルコキシル基または芳香族基を表す。R1は炭素数4〜40アルキル基が好ましく、直鎖でも分岐鎖でも構わない。より好ましくは分岐の炭素数8〜22がより好ましい。R2、R3は芳香族基を表すが、その中でも、フェニレン基、チエニレン基が好ましい。Yは芳香族基が好ましく、その中でもチエニレン基が好ましい。チエニレン基は置換されていてもよく、好ましくは炭素数8〜22分岐のアルキル基が好ましい。
また、一般式(4)において、Yはアルコキシル基または芳香族基を表すが、Yは芳香族基が好ましく、その中でもチエニレン基が好ましい。チエニレン基は置換されていてもよく、好ましくは炭素数8〜22の分岐のアルキル基が好ましい。Z1、Z2は硫黄原子もしくは炭素原子を表し、Z1とZ2は結合して環を形成しても良いが、結合して環を形成したほうが好ましい。すなわち一般式(5)、(6)を表す。一般式(5)、(6)において、Yはアルコキシル基または芳香族基を表すが、Yは芳香族基が好ましく、その中でもチエニレン基が好ましい。知恵に連基は置換されていてもよく、好ましくは炭素数8〜22の分岐のアルキル基が好ましい。R4はアルキル基、アルコキシカルボニル基を表すが、炭素数4〜40のアルキル基が好ましく、直鎖でも分岐鎖でも構わない。より好ましくは分岐の炭素数8〜22がより好ましい。R5は水素原子、またはハロゲン原子を表すが、ハロゲン原子の中でもフッ素原子が好ましい。R6はアルキル基を表すが、直鎖の炭素数4〜12の炭素原子が好ましい。
以下、本発明の一般式(1)〜(6)で表される化合物の具体例を挙げるが、これらに限定されるものではない。
(上記化合物例において、nは2〜100を表す。)
これらのなかでも、ホール移動度、溶解性や分子パッキングの観点から例示化合物4,7,8が特に好ましい。 上記ホール輸送化合物はキャスト法、塗布法、スピンコート法、浸漬法、手法によりに形成される。 また、上記に示したホール輸送性化合物に各種添加剤を加えても良い。
添加剤としては、例えば、ヨウ素、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化セシウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化銅、ヨウ化鉄若しくはヨウ化銀等の金属ヨウ化物、ヨウ化テトラアルキルアンモニウム若しくはヨウ化ピリジニウム等の4級アンモニウム塩、臭化リチウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化セシウム若しくは臭化カルシウム等の金属臭化物、臭化テトラアルキルアンモニウム若しくは臭化ピリジニウム等の4級アンモニウム化合物の臭素塩、塩化銅若しくは塩化銀等の金属塩化物、酢酸銅、酢酸銀若しくは酢酸パラジウム等の酢酸金属塩、硫酸銅若しくは硫酸亜鉛等の金属硫酸塩、フェロシアン酸塩−フェリシアン酸塩若しくはフェロセン−フェリシニウムイオン等の金属錯体、ポリ硫化ナトリウム若しくはアルキルチオール−アルキルジスルフィド等のイオウ化合物、ビオロゲン色素、ヒドロキノン等、ヨウ化1,2−ジメチル−3−n−プロピルイミダゾイニウム塩、ヨウ化1−メチル−3−n−ヘキシルイミダゾリニウム塩、1,2−ジメチル−3−エチルイミダゾリウムトリフロオロメタンスルホン酸塩、1−メチル−3−ブチルイミダゾリウムノナフルオロブチルスルホン酸塩若しくは1−メチル−3−エチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチル)スルホニルイミド等のInorg. Chem. 35 (1996) 1168に記載のイオン液体、ピリジン、4−t−ブチルピリジン若しくはベンズイミダゾール等の塩基性化合物又はリチウムトリフルオロメタンスルホニルイミド若しくはリチウムジイソプロピルイミド等のリチウム化合物等を挙げることができる。
また、導電性を向上させる目的で、有機電荷輸送物質の一部をラジカルカチオンにするための酸化剤を添加しても良い。
酸化剤としては、例えば、ヘキサクロロアンチモン酸トリス(4−ブロモフェニル)アミニウム、ヘキサフルオロアンチモネート銀、ニトロソニウムテトラフルオボラート、硝酸銀等が挙げられる。なお、酸化剤の添加によって全ての有機ホール輸送材料が酸化される必要はなく、一部のみが酸化されていれば良い。また、添加した酸化剤は添加した後、系外に取り出しても、取り出さなくても良い。
無機及び有機ホール輸送層は、光増感化合物4を担持させた電子輸送層3の上に、直接形成される。有機ホール輸送層の作製方法は、特に限定されず、例えば、真空蒸着等の真空中で薄膜を形成する方法や湿式製膜法等が挙げられる。製造コスト等を考慮した場合、特に湿式製膜法が好ましく、電子輸送層3上に塗布する方法が好ましい。
湿式製膜法を用いる場合、塗布方法は特に限定されず、公知の方法に従って行なうことができる。塗布方法は、例えば、ディップ法、スプレー法、ワイヤーバー法、スピンコート法、ローラーコート法、ブレードコート法、グラビアコート法等を用いることができる。また、凸版、オフセット、グラビア、凹版、ゴム版、スクリーン等を用いた印刷法を用いても良い。また、超臨界流体又は亜臨界流体中で製膜しても良い。
<ホール集電電極>
第二電極71は、基板70の上に形成される。第二電極71としては、例えば、白金、金、銀、銅、アルミニウム、ロジウム若しくはインジウム等の金属、グラファイト、フラーレン若しくはカーボンナノチューブ等の炭素系化合物、ITO、フッ素ドープ酸化スズ(以下、FTOと称す)、アンチモンドープ酸化スズ(以下、ATOと称す)等の導電性金属酸化物又はポリチオフェン若しくはポリアニリン等の導電性高分子等が挙げられる。
第二電極71の膜厚は、特に限定されない。また、第二電極71は、上述の材料を単独又は2種以上を混合又は積層して用いても良い。
本発明の光電変換素子は、例えば、有機太陽電池やEL素子、PL素子等に利用することができる。有機薄膜電池の場合、これに光を当てると,主にP型有機半導体の電子供与体分子が、光を吸収して励起され、エキシトンが生成する。そしてこのエキシトンが電子供与体と電子受容体の界面(pnジャンクション面)に移動して,そこで電子供与体から電子受容体に電子が流れて電荷分離状態を形成する。すなわち電子供与体は電子を電子受容体に渡して自身はカチオン(ホール)となるとともに、電子受容体は電子を受け取ってアニオンとなる。ホールが透明電極(第二電極)基板側に,電子がもう一方の電極に流れることにより,外部回路に電流が流れて太陽電池となる(バルクヘテロジャンクション型ソーラーセルの場合も同様)。したがって、第一電極、第二電極基の双方共に必ずしも透明でなくてもよいが、光入射のため少なくとも一方は透明であることが好ましい(他方は、透明であっても、光反射性であっても、不透明であってもよい)。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これら実施例は本発明についての理解を容易ならしめるためのものであって、本発明を限定するためのものではない。各例中、「部」及び「パーセント」は、別段の断りない限り、「質量部」及び「質量パーセント」を表わす。
[実施例1]
(多孔質状電子輸送層の作製)
基板にスパッタリングにより形成された緻密な電子輸送層(ITO層)上にDyesol社製18NR-T(酸化チタンペースト)を膜厚300nmになるようにスピンコートで塗布し、120℃で3分温風乾燥後、空気中550℃で30分間焼成し、多孔質状の電子輸送層を形成した。
(ペロブスカイト層の作製)
ヨウ化鉛(II)(0.438g)を溶解したN,N−ジメチルホルムアミド(1.0ml)溶液を、上記多孔質酸化チタン電極上にスピンコートを用いて塗布し、100℃で10分乾燥した。この電極を、ヨウ化メチルアミンを溶解したイソプロピルアルコール溶液(濃度0.038M)に1分浸漬し、イソプロピルアルコールに再度浸漬し、乾燥してペロブスカイト層を形成した。
(ホール輸送層の作製)
ホール輸送材料として前記例示化合物7(aldrich社製、p型有機半導体PTB7)20mgを用い、それをクロロベンゼン1mlに溶解させ、塗工液を調整した。その溶液をペロブスカイト層の上に1500rpmでスピンコート製膜した。この上にこの上に金を真空蒸着で約100nm形成して太陽電池素子を作製した。
得られた太陽電池の疑似太陽光照射下(AM1.5、100mW/cm2)における光電変換効率を測定した。擬似太陽光は英弘精機社製ソーラーシミュレーターSS−80XIL、評価機器はNF回路設計ブロック社製太陽電池評価システムAs−510−PV03にて測定した。光量は約10万lux AM1.5G、100mWcm−2に調整した。次に擬似太陽光にNDフィルタを装着することで光量を1万lux、5000lux, 1000lux、200lux、100luxに適宜調整し、各照度における光電変換効率を測定した。
結果を表2、図2に示す。
〔実施例2〕
実施例1において、ホール輸送材料として、PTB7の代わりに例示化合物4を用いた以外は実施例1と同様にして作製、評価した。
結果を表2、図2に示す。
〔実施例3〕
実施例1において、ホール輸送材料として、PTB7の代わりに例示化合物11を用いた以外は実施例1と同様にして作製、評価した。
結果を表2、図2に示す。
〔実施例4〕
実施例1において、ホール輸送材料として、PTB7の代わりに前記例示化合物12(aldrich社製、p型有機半導体PBDTBO-TPDO)を用いた以外は実施例1と同様にして作製、評価した。
結果を表2、図2に示す。
〔実施例5〕
実施例1において、ホール輸送材料として、PTB7の代わりに前記例示化合物6(1-material社製、p型有機半導体PCE-10)を用いた以外は実施例1と同様にして作製、評価した。
結果を表2、図2に示す。
〔実施例6〕
実施例1において、ホール輸送材料として、PTB7の代わりに例示化合物1を用いた以外は実施例1と同様にして作製、評価した。
結果を表2、図2に示す。
〔比較例1〕
実施例1においてホール輸送層を下記に変更した以外は実施例1と同様にして作製、評価した。
2,2(7,7(-テトラキス-(N,N-ジ-p−メトキシフェニルアミン)9,9(-スピロビフルオレン)))(50mM)、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(30mM)、4−t−ブチルピリジン(200mM)を溶解したクロロベンゼン溶液をスピンコートにて製膜し、自然乾燥した。この上に金を真空蒸着で約100nm形成した。
結果を表2、図2に示す。
〔比較例2〕
ホール輸送材料として、PTB7の代わりにP3HT(ポリチアゾール系のp型半導体材料、Merck社製SP001)を用いた以外は実施例1と同様にして作製、評価した。
結果を表2、図2に示す。
〔比較例3〕
下記の作製方法にて、色素増感太陽電池を作製した。
(酸化チタン半導体電極の作製)
チタニウムテトラ−n−プロポキシド2ml、酢酸4ml、イオン交換水1ml、2−プロパノール40mlを混合し、FTOガラス基板上にスピンコートし、室温で乾燥後、空気中450℃で30分間焼成した。再度同一溶液を用いて、得た電極上に膜厚100nmになるようにスピンコートで塗布し、空気中450℃で30分間焼成して緻密な電子輸送層を形成した。
酸化チタン(日本アエロジル社製P−25)3g、アセチルアセトン0.3gを水5.5g、エタノール1.2gと共にビーズミル処理を12時間施した。
得られた分散液に界面活性剤(和光純薬社製ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル)0.3g、ポリエチレングリコール(#20,000)1.2gを加えてペーストを作製した。
このペーストを、上記緻密な電子輸送層上に膜厚10μmになるように塗布し、室温で乾燥後、空気中500℃で30分間焼成し、多孔質状の電子輸送層を形成した。
上記酸化チタン半導体電極を、0.5mMに調整した下記の構造式で示される光増感化合物のクロロベンゼン溶液中に室温で15時間、暗所にて静置して光増感化合物を吸着させた。
(色素増感太陽電池の作製と評価)
電解液としては、ヨウ素0.05M、リチウムヨーダイド0.1M、1,3−ジメチル−2−イミダゾリニウムヨーダイド0.6M、t−ブチルピリジン0.05Mをアセトニトリル/バレロニトリル=17/3の混合液に溶解したものを使用した。対極にはFTO上に白金をスパッタリングしたものを使用した。厚さ30μmのスペーサーを両電極間に挟み込み、電解液を注入して色素増感太陽電池を作製した。
太陽電池評価は実施例1と同様にして行なった。結果を表2、図2に示す。
このように本発明に基づいて作製した太陽電池は比較太陽電池と比較して、擬似太陽光(10万lux)や10000luxのような高照度下では変換効率は低いが、微弱光(5000lux-100lux)において、
いずれも光電変換効率が優れていることが分かる。この結果は従来の太陽電池で考えられる結果と異なっており、容易には想定できないものである。
1 基板
2 第1の電極
3 綿密な電子輸送層
4 多孔質状の電子輸送層
5 ペロブスカイト化合物
6 ホール輸送層
7 第二の電極
特許第2664194号公報 特開2014−63592号公報
シャープ技報 93号 富士電機技報 2012 85号 パナソニック電工技報,56(2008)87 Nature,353(1991)737 J.Am.Chem.Soc.,115(1993)6382 Chem.Lett.,(1997)471 フジクラ技報,121(2012)42 有機系太陽電池とハイブリッド太陽電池の開発動向http://www.nikkeipr.co.jp/pvjapan/seminar1_1.pdf J.Appl.Mater.interfaces.2014,6,803-810

Claims (2)

  1. 一般式RNHM1X(式中、Rはアルキル基を表し、M1は2価の金属イオンであり、Xはハロゲン原子を表す。)で示されるペロブスカイト型結晶構造を持つ材料と、P型有機半導体とを有する光電変換素子であって、
    前記P型有機半導体が以下の化合物のいずれか一つを含むものであることを特徴とする光電変換素子。
    nは2〜100を表す。
    nは2〜100を表す。
    nは2〜100を表す。
    (式(3)中、Rはアルキルまたはアルコキシカルボニル基を表し、Rは芳香族基を表す。Yはアルコキシル基または芳香族基を表す。)
  2. 前記一般式(3)で表される化合物が、
    以下の構造式(3)及び(4)から選択される、請求項1に記載の光電変換素子。
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