JP6656854B2 - シール部材 - Google Patents

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Description

本発明は、油圧機器に用いられるシール部材に関する。
油圧式の無段変速機などの各種油圧機器が搭載された自動車が知られている。これらの油圧機器には、オイルをシールするためのシールリングが用いられる。シールリングは、例えば、ハウジングに挿通されるシャフトに嵌め込まれ、ハウジングとシャフトとの間を封止する。
シールリングは、ハウジングとシャフトとの間の高いシール特性を実現するために、ハウジング及びシャフトに隙間なく密着可能であることが好ましい。このため、シールリングは、ゴム弾性を有するエラストマーで形成される場合がある。特許文献1,2には、エラストマーで形成されたシールリングが開示されている。
特開2012−255495号公報 特開2013−194884号公報
例えば、油圧機器が搭載された自動車では、燃費向上のため、油圧機器の駆動損失の低減が望まれている。
シールリングは、油圧機器の駆動時に、シャフトのハウジングに対する往復動に伴い、ハウジングに沿って摺動する。このため、油圧機器には、シールリングとハウジングとの間の摩擦力による駆動損失である摩擦損失(フリクションロス)が生じる。したがって、シールリングは、油圧機器の摩擦損失を低減するために、高い摺動特性を有することが好ましい。
しかしながら、エラストマーは、一般的に、ゴム弾性に富むものの、摩擦係数が高い。このため、エラストマーにより形成されたシールリングでは、高いシール特性が得られる反面、高い摺動特性が得られにくい。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、シール特性及び摺動特性に優れるシール部材を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係るシール部材は、アクリルエラストマー、水素化ニトリルエラストマー、フッ素エラストマー、フロロシリコーンエラストマーのいずれか1つを主成分とし、粒子状充填材と繊維状充填材の両方を含む複合材料から成る。
上記粒子状充填材の平均粒径が1.0μm以上50μm以下であり、上記繊維状充填材の平均径が5.0μm以上20μm以下であり、平均長さが0.1mm以上8mm以下である。
上記粒子状充填材の含有量が10体積%以上35体積%以下であり、上記繊維状充填材の含有量が5体積%以上15体積%以下である。
この構成により、シール特性及び摺動特性に優れるシール部材を提供することができる。
上記粒子状充填材と上記繊維状充填材が表面に露出していてもよい。
この構成により、更にシール特性及び摺動特性に優れるシール部材を提供することができる。
上記粒子状充填材が、フッ素樹脂、カーボン、グラファイト、及び合成シリカの少なくとも1つであってもよい。また、繊維状充填材が炭素繊維、アラミド繊維、及びフェノール繊維の少なくとも1つであってもよい。
この構成により、シール特性及び摺動特性に優れるシール部材を提供することができる。
上記複合材料の150℃における圧縮永久歪みが70%以下である。
この構成により、更にシール特性に優れるシール部材を提供することができる。
上記複合材料のオイル中における動摩擦係数が0.3以下である。
この構成により、更に摺動特性に優れるシール部材を提供することができる。
上記シール部材はリング状に成形されていてもよい。
この構成により、シール特性及び摺動特性に優れるシールリングを提供することができる。
シール特性及び摺動特性に優れるシール部材を提供することができる。
本発明の一実施形態に係るシールリング1の平面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
[シールリング1の概略構成]
図1は、本発明の一実施形態に係るシールリング1の平面図である。シールリング1は、中心軸Cを中心とするリング状に形成されている。シールリング1は、外周面10と、内周面20と、外周面10と内周面20とを接続する側面30a,30bと、を有する。
シールリング1には、必要に応じて、シャフトに嵌め込みやすくするための合口40が設けられる。合口の形状は、例えば、ストレート形、ダブルアングル形、トリプルステップ形などにすることができる。
シールリング1は、例えば自動車に搭載される油圧式の無段変速機など油圧機器に利用可能である。シールリング1は、油圧機器のハウジングに挿通されるシャフトに嵌め込まれ、ハウジングとシャフトとの間を封止する。ハウジングに挿通されたシャフトは、ハウジングに対して相対的に往復動する。
このとき、シャフトに嵌め込まれたシールリング1の外周面10がハウジングの内周面に沿って相対的に中心軸C方向に摺動する。つまり、シールリング1では、ハウジングを相手材とする摺動面が外周面10となる。シールリング1は、以下に説明するように、外周面10とハウジングとの間のフリクションロスを効果的に低減可能な構成を有する。
[シールリング1の詳細構成]
シールリング1は、ベース材料であるエラストマーと、充填材料である粒子状充填材及び繊維状充填材を含む複合材料から成る。粒子状充填材及び繊維状充填材は、エラストマー中に均一に分散されている。
このシールリング1の複合材料中に粒子状充填材と繊維状充填材を充填することにより、エラストマーの摺動特性を向上させながら、引張強度を向上させることができ、かつ、良好な成形性を確保できる。
エラストマーは、特定の種類に限定されないが、耐熱性及び耐油性に優れ、圧縮永久歪みが小さいものであることが好ましい。具体的に、エラストマーの耐熱温度は180℃以上であることが好ましい。また、エラストマーは、150℃のCVTFへの1000時間の浸漬での体積膨張率が10%以下であることが好ましい。更に、エラストマーの圧縮永久歪み(177℃、22時間)は30%以であることが好ましい。

本実施形態では、上記の条件を満足するエラストマーとしてフッ素系エラストマーを用いる。フッ素系エラストマーとしては、例えば、信越化学工業株式会社の「SIFEL3000シリーズ」や、ダイキン工業株式会社の「Diel G−101」や、セントラルガラス株式会社の「セフラルソフト」や、住友スリーエム株式会社の「THV」や、旭硝子株式会社の「AFLAS」を採用可能である。
また、エラストマーとしては、フッ素系エラストマーに加え、例えば、アクリルエラストマー、水素化ニトリルエラストマー、及びフロロシリコーンエラストマーなども採用可能である。
粒子状充填材は、特定の種類に限定されず、1種類で構成されていても、複数種類で構成されていても構わない。粒子状充填材としては、例えば、フッ素樹脂、カーボン、グラファイト、合成シリカの少なくとも1つを採用可能である。
繊維状充填材は、特定の種類に限定されず、1種類で構成されていても、複数種類で構成されていても構わない。繊維状充填材としては、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、及びフェノール繊維の少なくとも1つを採用可能である。
粒子状充填材及び繊維状充填材は、シールリング1の摺動面である外周面10に、露出している。つまり、粒子状充填材及び繊維状充填材が外周面10から突出している。外周面10に露出する粒子状充填材及び繊維状充填材は、エラストマーによって部分的に保持されることにより、外周面10上に固定されている。
このような構成により、シールリング1の外周面10がハウジングに対して摺動する際に、外周面10に露出する粒子状充填材及び繊維状充填材がハウジングに当接するため、エラストマーとハウジングとの間に油膜が形成される。つまり、シールリング1の外周面10では、粒子状充填材及び繊維状充填材によってエラストマーとハウジングとの直接の接触が妨げられる。これにより、シールリング1とハウジングとの間のフリクションロスを低減可能である。
また、シールリング1では、エラストマーとハウジングとの直接の接触が妨げられるため、外周面10における優れた耐摩耗性も得られる。
粒子状充填材の平均径は、1.0μm以上50μm以下とすることが好ましい。粒子状充填材の平均径を1.0μm以上とすることにより、外周面10における突出量が大きくなるため、フリクションロスをより効果的に低減可能である。また、50μm以下とすることにより、シールリング1の機械的強度や硬度が更に向上する。
繊維状充填材の平均径(平均太さ)は、5.0μm以上20μm以下とすることが好ましい。繊維状充填材の平均径を5.0μm以上とすることにより、外周面10における突出量が大きくなるため、フリクションロスをより効果的に低減可能である。また、20μm以下とすることにより、シールリング1の機械的強度や硬度が更に向上する。
繊維状充填材の平均長さは、0.1mm以上8mm以下とすることが好ましい。繊維状充填材の平均長さを0.1mm以上8mm以下とすることにより、繊維としての性質が良好に得られるため、シールリング1の機械的強度や硬度が更に向上する。
シールリング1では、粒子状充填材及び繊維状充填材の含有量が多いほど、摺動特性が向上するものの、シール特性が低下してしまう。本実施形態では、摺動特性とシール特性とを両立可能とするとともに、成形性と引っ張り強度とを両立可能とするようにシールリング1を構成する複合材料における繊維状充填材の含有量が決定される。
具体的には、シールリング1の150℃における圧縮永久歪みが70%以下である場合に、シールリング1の高いシール特性を確保することができる。また、シールリング1のオイル中における中心軸C方向についての動摩擦係数が0.3以下である場合に、シールリング1の高い摺動特性を確保することができる。
また、シールリング1では、粒子状充填材の含有量が多すぎると、引っ張り強度が低下してしまう。この一方で、シールリング1では、繊維状充填材の含有量が多すぎると、成形性が低下してしまう。そこで、本実施形態に係るシールリング1では、粒子状充填材と繊維状充填材とを併用することにより、粒子状充填材及び繊維状充填材のそれぞれの含有量を抑えつつ優れた摺動特性が得られる。
以上より、この複合材料では、粒子状充填材の含有量が10体積%以上35体積%以下であり、繊維状充填材の含有量が5体積%以上15体積%以下とする。粒子状充填材の含有量を10体積%以上、繊維状充填材の含有量を5体積%以上とすることにより、摺動特性が向上する。また、粒子状充填材の含有量を35体積%以下、繊維状充填材の含有量を10体積%以下とすることにより、圧縮永久歪みの増加を抑制できると共に、成形性や引っ張り強度の低下を抑制できる。
このような複合材料で形成したシールリング1では、動摩擦係数及び圧縮永久歪みが十分に低く、引っ張り強度及び硬度が十分に高い。このため、十分な機械的強度を維持しつつ、優れた摺動特性及び成形性を有するシールリング1が得られる。
[シールリング1の製造方法]
以下、熱硬化及び射出成形を用いたシールリング1の製造方法の一例について説明する。なお、シールリング1の製造方法は、これらに限定されない。
(熱硬化)
ベース材料として熱硬化性フッ素系エラストマーを用いる場合、まず硬化前のフッ素系エラストマーペースト(液体)にPTFE粉末(粒子状充填材)とアラミド繊維(繊維状充填材)とを添加し、フッ素系エラストマーとPTFE粉末(粒子状充填材)とアラミド繊維(繊維状充填材)とを十分に混練して混練体を得る。そして、得られた混練体を金型に注入し、金型を加熱することにより金型内の混練体を硬化させる。金型を冷却した後に、金型内からシールリング1が得られる。
(射出成形)
ベース材料として熱可塑性フッ素系エラストマーを用いる場合、まずフッ素系エラストマーにPTFE粉末(粒子状充填材)とアラミド繊維(繊維状充填材)とを添加し、フッ素系エラストマーとPTFE粉末(粒子状充填材)とアラミド繊維(繊維状充填材)とを十分に混練して混練体を得る。そして、得られた混練体を加熱し、軟化した混練体を金型に充填する。金型を冷却した後に、金型内からシールリング1が得られる。
以下、上記実施形態の実施例を示すが、本発明は実施例に限定されない。
[シールリング1の作製]
本実施例では、フッ素系エラストマーとして、ショアA硬度が高く、耐圧性に優れる信越化学工業株式会社の「SIFEL3705A/B」を用いた。このフッ素系エラストマーは、二液タイプの熱硬化性ペーストである。
本実施例で使用した粒子状充填材について、PTFE粉末の平均粒径は8μm、グラファイト粉末の平均粒径は35μm、合成シリカ粉末の平均粒径は22μmとした。本実施例で使用した繊維状充填剤について、アラミド繊維の平均径は12μm、平均長さは1mmとした。炭素繊維の平均径は13μm、平均長さは0.7mmとした。ガラス繊維の平均径は11μm、平均長さは150μmとした。
実施例1〜4は、繊維状充填材の含有量を7体積%とし、粒子状充填材の含有量をそれぞれ15,20,30体積%と変化させた。実施例5〜7では、粒子状充填材の含有量を30体積%とし、繊維状充填材の含有量を5,10,15体積%と変化させた。実施例1〜7では、粒子状充填材としてPTFE粉末を用い、繊維状充填材としてアラミド繊維を用いた。
実施例8〜11では、粒子状充填材の含有量を30体積%、繊維状充填材の含有量を7体積%として、粒子状充填材と繊維状充填材の組み合わせを変えてシールリング1を作製した。実施例8,9では、粒子状充填材にPTFE粉末を用い、繊維状充填材にそれぞれ炭素繊維、ガラス繊維を用いた。実施例10,11では、繊維状充填材にアラミド繊維を用い、粒子状充填材にそれぞれグラファイト粉末、合成シリカ粉末を用いた。
以上の実施例1〜11に係るシールリング1は、以下に示す方法と同様の方法により作製した。まず、実施例1では、フッ素系エラストマーの一液と、フッ素系エラストマーの二液と、PTFE粉末と、アラミド繊維との混練を行った。この混練は、フッ素系エラストマーとPTFE粉末とアラミド繊維が良好に混ざり合えばよく、混練機を用いて行っても、手作業で行ってもよい。
次に、混練により得られた混練体をシールリング用の金型に充填し、金型の加熱を行った。金型の加熱では、150℃にて5〜10分保持した。これにより、外径125.0mm、内径119.0mm、幅3.0mmのシールリング1が得られた。
また、比較例1として粒子状充填材と繊維状充填材を含まないシールリング1を、また比較例2として粒子状充填材のみを含むシールリング1を、比較例3として繊維状充填材のみを含むシールリング1を、また比較例4〜7として粒子状充填材の含有量が上記実施形態の範囲外となるシールリング1を上記実施例と同様の方法により作製した。
具体的には、比較例4,5では粒子状充填材の含有量が上記実施形態の範囲外であり、比較例6,7では繊維状充填材の含有量が上記実施形態の範囲外である。
比較例4〜7では、粒子状充填材にPTFE粉末を用い、繊維状充填材としてアラミド繊維を用いた。
[シールリング1の評価]
シールリング1を評価するために、動摩擦係数、ショアA硬度、圧縮永久歪み、及び引っ張り強度の測定を行った。なお、動摩擦係数、圧縮永久歪み及び引っ張り強度についてはシールリング1そのものでは測定が困難であるため、シールリング1と同様の性能となるような測定サンプルを作製した。
(動摩擦係数の測定)
本測定の測定サンプルとして、長さ100mm、幅10mm、厚さ3mmの試験片をそれぞれ作製した。各サンプルについて、新東化学製トライボギアTYPE38を用い、100℃のオイル中で、面圧1.0MPa、測定速度10mm/秒、測定長10mm、ストローク回数100回の往復動摩擦摩耗試験により測定した。
動摩擦係数の測定結果の評価基準として、動摩擦係数が0.3以下の良好な結果が得られた測定サンプルを「A」と判定し、動摩擦係数が0.3を超える良好でない結果が得られた測定サンプルを「B」と判定するものとした。
(ショアA硬度の測定)
本測定の測定サンプルは、各シールリング1を適当な形状に切り出すことにより作製した。各測定サンプルについて、タイプAデュロメータを用い、JIS K7215に基づき、ショアA硬度を測定した。
ショアA硬度の測定結果の評価基準として、ショアA硬度が80以上の良好な結果が得られた測定サンプルを「A」と判定し、ショアA硬度が80未満の良好でない結果が得られた測定サンプルを「B」と判定するものとした。
(圧縮永久歪みの測定)
本測定の測定サンプルとしては、射出成型により得られた、長さ5mm、幅15mm、厚さ2mmの試験片を用いた。
本測定では、まず、スペーサにより挟んだ測定サンプルを、スペーサ間に加圧力を加えることにより25%圧縮し、150℃で100時間保持した。その後、スペーサ間の加圧力を解除し、測定サンプルを室温で30分間静置した。150℃における圧縮永久歪みを、以下の式により算出した。
(150℃における圧縮永久歪み)=[(t−t)/t−t]×100 [%]
(ここで、t:試験前の測定サンプルの厚さ(mm)、t:スペーサの厚さ(mm)、t:試験後(室温で30分静置した後)の測定サンプルの厚さ(mm)である。)
圧縮永久歪みの測定結果の評価基準として、圧縮永久歪みが70%以下の良好な結果が得られた測定サンプルを「A」と判定し、圧縮永久歪みが70%を超える良好でない結果が得られた測定サンプルを「B」と判定するものとした。
(引っ張り強度の測定)
本測定は、JIS6251に基づいて行った。測定サンプルとしてJIS3号ダンベルをそれぞれ作製し、引張速度500mm/分にて測定した。
引っ張り強度の測定結果の評価基準として、引っ張り強度が10MPa以上の良好な結果が得られた測定サンプルを「A」と判定し、引っ張り強度が10MPa未満の良好でない結果が得られた測定サンプルを「B」と判定するものとした。
(評価結果)
表1は、実施例1〜11及び比較例1〜7に係るシールリング1の評価結果を示している。
Figure 0006656854
表1に示すとおり、実施例1〜11に係るシールリング1では、いずれの測定についても良好な結果が得られた。これに対し、比較例1〜7に係るシールリング1では、いずれかの評価項目について良好でない結果が得られた。
より詳細には、粒子状充填材及び繊維状充填材を含まない比較例1に係るシールリング1では動摩擦係数、ショアA硬度、及び引っ張り強度において良好な結果が得られなかった。この結果から、エラストマーのみから成るシールリング1では、実施例1〜11に係るシールリング1に比べて、摺動特性、硬度、及び機械的強度が不足することが確認された。
また、繊維状充填材を含まず、粒子状充填材を含む比較例2に係るシールリング1では、引っ張り強度において良好な結果が得られなかった。この結果から、繊維状充填材を含まないシールリング1では、実施例1〜11に係るシールリング1に比べて、機械的強度が不足することが確認された。
また、粒子状充填材を含まず、繊維状充填材を含む比較例3に係るシールリング1では、動摩擦係数において良好な結果が得られなかった。この結果から、粒子状充填材を含まないシールリング1では、実施例1〜11に係るシールリング1に比べて、摺動特性が不足することが確認された。
粒子状充填材の含有量が上記実施形態の範囲よりも少ない比較例4に係るシールリング1では、動摩擦係数において良好な結果が得られなかった。この結果から、粒子状充填材の含有量が少ないシールリング1では、実施例1〜11に係るシールリング1に比べて、摺動特性が不足することが確認された。
粒子状充填材の含有量が上記実施形態の範囲よりも多い比較例5に係るシールリング1では、圧縮永久歪み及び引っ張り強度において良好な結果が得られなかった。この結果から、粒子状充填材の含有量が多いシールリング1では、実施例1〜11に係るシールリング1に比べて、シール特性及び機械的強度が不足することが確認された。
繊維状充填材の含有量が上記実施形態の範囲よりも少ない比較例6に係るシールリング1では、引っ張り強度において良好な結果が得られなかった。この結果から、繊維状充填材の含有量が少ないシールリング1では、実施例1〜11に係るシールリング1に比べて、機械的強度が不足することが確認された。
繊維状充填材の含有量が上記実施形態の範囲よりも多い比較例7に係るシールリング1では、圧縮永久歪みにおいて良好な結果が得られなかった。この結果から、繊維状充填材の含有量が多いシールリング1では、実施例1〜11に係るシールリング1に比べて、シール特性が不足することが確認された。また、繊維状充填材の含有量が多いシールリング1では、成形性の低下のために正確な形状のシールリング1が得られにくかった。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
例えば、本実施形態に係るシールリング1はエラストマー、粒子状充填材、及び繊維状充填材のみから成る。しかし、シールリング1の主成分がエラストマー、粒子状充填材、及び繊維状充填材であれば、シールリング1に各種添加物などの副成分が含まれていても本発明の目的を達成することができる。
また、本発明は、油圧機器に用いられるシール部材全般に適用可能である。したがって、シール部材は、シールリングに限らず、任意の形状であってよい。どのような形状のシール部材であっても、上記実施形態と同様の効果が得られる。
1…シールリング
10…外周面
20…内周面
30a,30b…側面
40…合口
C…中心軸

Claims (6)

  1. アクリルエラストマー、水素化ニトリルエラストマー、フッ素エラストマー、フロロシリコーンエラストマーのいずれか1つを主成分とし、粒子状充填材と繊維状充填材の両方を含む複合材料から成り、
    前記粒子状充填材の平均粒径が1.0μm以上50μm以下であり、前記繊維状充填材の平均径が5.0μm以上20μm以下であり、前記繊維状充填材の平均長さが0.1mm以上8mm以下であり、
    前記粒子状充填材の含有量が10体積%以上35体積%以下であり、前記繊維状充填材の含有量が5体積%以上15体積%以下である
    シール部材。
  2. 請求項1に記載のシール部材であって、
    前記粒子状充填材と前記繊維状充填材が表面に露出している
    シール部材。
  3. 請求項1又は2に記載のシール部材であって、
    前記粒子状充填材が、フッ素樹脂、カーボン、グラファイト、及び合成シリカの少なくとも1つであり、
    前記繊維状充填材が、炭素繊維、アラミド繊維、及びフェノール繊維の少なくとも1つである
    シール部材。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載のシール部材であって、
    前記複合材料の150℃における圧縮永久歪みが70%以下である
    シール部材。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載のシール部材であって、
    前記複合材料のオイル中における動摩擦係数が0.3以下である
    シール部材。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載のシール部材であって、
    リング状に成形されている
    シール部材。
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