JP6656714B1 - 防具 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な操作で短時間に着脱ができ、装着時は軽量で動き易く、運動や行動の邪魔にならない防具を提供する。【解決手段】防具100は、主面を有するエネルギー吸収層1と、エネルギー吸収層1の少なくとも主面側を覆う表皮層2と、エネルギー吸収層1の下面に設けられた貼付層3とを備える。エネルギー吸収層1の少なくとも一部が、複数の分割領域1aに分割されており、主面と表皮層2の界面12が自由に可動するように構成されていることを特徴とする。【選択図】図2

Description

本発明は、防具に関する。
例えば、野球、またはソフトボール競技において、バットで打ったボールが打者自身の足に当たる自打球が、打者の前方に踏み出した足の脛部や足甲部に当たる場合があり、この自打球の衝撃による骨折や打撲などを負う可能性があるため、従来から打者が脛部と足甲部を自打球の衝撃から防護することを目的として、装着するレッグガードあるいはバッティングレガースなどと称される防具が知られている(特許文献1参照)。
スポーツ用品以外の例として、サポータにパッドを用いて身体の膝、肘等に装着して衝撃を吸収し保護するニーパッド、エルボーパッドなどと称される保護具が知られている(特許文献2参照)。
特開2016−214727号公報 特開2003−213506号公報
特許文献1記載のレッグガードは、脛部の前面を防護する脛当て具、足甲保護部材と脛部の側面を防護する側面保護片とから構成されており、面状ファスナーを用いて脛当て具と緩衝用部材を脱着して使用するものであって、脛当て具の雄部と雌部を有するバックルによって連結可能としたベルトを脛部に巻き付けて装着するものである。
特許文献1の説明によると、このレッグガードは、脛部は脛当て具を用い、脛部側面は側面保護片を用いて防護しており、各々は脛当て具に用いた硬質保護板と側面保護片に用いた硬質樹脂製芯材にて打球の衝撃エネルギーを分散して受け、裏面に緩衝用部材を用いて下肢に装備されるものであって、脛部や足部など下肢への取着にはバンド、ベルト、バックルまたは面状ファスナーを用いて巻き付ける煩雑な装着を必要とし、更には、ふくら脛部の拘束感や締付感、足甲保護部材の連結などにより打撃や走塁に装着による負担を感じやすく、更に着脱を繰り返して防具を使用するため、その耐久性を満たすための素材の選択や設計により重量が嵩み、使用者である選手の自由な打撃や走塁のさまたげとなっている。
特許文献2記載のサポータは、身体の膝部や肘部の保護と衝撃を吸収し保護する緩衝用部材部を積層状に有したサポータを用いているが、着脱を繰り返して使用する際の行動やサポータバンドの拘束などにより着脱の煩わしさが有り、サポータの拘束感や締付感を感じる状態で装着するため、使用者の自由な運動などのさまたげとなっている。
本発明に係る防具は、主面を有するエネルギー吸収層と、前記エネルギー吸収層の少なくとも前記主面側を覆う表皮層と、前記エネルギー吸収層の下面に設けられた貼付層とを備え、前記エネルギー吸収層の少なくとも一部が、複数の分割領域に分割されており、前記主面と前記表皮層の界面が自由に可動するように構成されていることを特徴とする。
本発明に係る防具では、貼付層の粘着力または接着力を用いて貼付し装着するため、これまで多用されてきたベルト、バンドまたはバックルなどの装備用具を用いた際に生じていた、ふくら脛部、足部、腕裏部および肘関節部などで生じる拘束感や締付感なしに装着できるため、打撃や走塁において使用者の自在なパフォーマンスを披露することができる。また、エネルギー吸収層の少なくとも一部が、複数の分割領域に分割されており、主面と前記表皮層の界面が自由に可動するように構成されているので、ふくら脛部、足部、腕裏部および肘関節部などの体の湾曲部に合わせて防具の形状を自由に変形できるので、これらの部位にフィッテイングして装着することができる。
また、本発明に係る防具では、隣接する前記分割領域の間には溝が形成されており、前記溝は、前記エネルギー吸収層を主面から下面まで貫通していることを特徴としてもよい。
本発明に係る防具では、湾曲度が大きい部位に貼付する場合に、衝撃を受けた際にエネルギー吸収層の裂けを防止することができる。
また、本発明に係る防具では、前記溝は、前記主面に第一の方向に沿って複数の第1の溝、及び前記第一の方向とは異なる第二の方向に沿って複数の第2の溝が形成されていることを特徴としてもよい。
本発明に係る防具では、肘や膝等の身体の湾曲している部位に対して、防具を的確に取着することができる。
また、本発明に係る防具では、前記分割領域は、前記表皮層との間に発生する摩擦係数を低減するために、下面から主面の方向にいくに従って幅が狭くなることを特徴としてもよい。
本発明に係る防具では、表皮層との間に発生する摩擦係数を低減することができるので、エネルギー吸収層の主面と表皮層の界面がより自由に可動するようにすることができる。この結果、体の湾曲部に合わせて防具の形状を一層自由に変形することができ、容易に部位にフィッテイングして装着することができる。
また、本発明に係る防具では、前記複数の分割領域の表面を覆う被覆層と、前記被覆層を介して、前記複数の分割領域を接続する密着部とをさらに備えることを特徴としてもよい。
本発明に係る防具では、複数の分割領域の表面を被覆層で覆い、さらに、エネルギー吸収層の分割領域を密着部により接続している。このように密着部により、分割領域を接続し一体化することによって、エネルギー吸収層の分割領域の主面が一体で動くため、表皮層との間に発生する摩擦係数を低減することができる。従い、表皮層の界面がより自由に可動するように構成することができる。この結果、体の湾曲部に合わせて防具の形状を一層自由に変形することができ、容易に部位にフィッテイングして装着することができる。
また、本発明に係る防具では、前記エネルギー吸収層と前記表皮層と前記貼付層は、積層体を構成しており、前記積層体の装着後の形状を維持するための形状維持体をさらに備えることを特徴としてもよい。形状維持体を備えることにより、積層体の装着後の形状を維持することができる。
また、本発明に係る防具では、前記貼付層は、基材及び貼付剤とから構成されており、前記基材は前記形状維持体を兼ねることを特徴としてもよい。
また、本発明に係る防具では、前記エネルギー吸収層と前記表皮層との間に潤滑層が設けられていることを特徴としてもよい。潤滑層により表皮層との間に発生する摩擦係数を低減することができるので、エネルギー吸収層の主面と表皮層の界面がより自由に可動するようにすることができる。この結果、体の湾曲部に合わせて防具の形状を一層自由に変形することができ、容易に部位にフィッテイングして装着することができる。
また、本発明に係る防具では、前記表皮層は、一定以上の圧力を感じた部分の色が変化することを特徴としてもよい。表皮層の発色の有無、或いは発色の程度により、防具の再度装着の可否を容易に判断することができる。
野球あるいはソフトボールにおいて防具を適用した際の効果事例として、本発明の防具は貼付層の粘着力または接着力を用いて貼付し装着するため、これまで多用されてきたベルト、バンドまたはバックルなどの装備用具を用いた際に生じていた、ふくら脛部、足部、腕裏部および肘関節部などで生じる拘束感や締付感なしに装着できるため、打撃や走塁において使用者である選手が競技に集中したパフォーマンスを披露することができる。
図1は、本実施形態に係る防具の構成を概略的に示した図である。基本となる積層構造体の構成を示している。 図2は、本実施形態に係る防具の構成を概略的に示した図である。溝を有する積層構造体の構成を示している。 図3は、本実施形態に係る防具の構成を概略的に示した図である。図3の(1)部はエネルギー吸収層の途中で留まる溝を示しており、図3の(2)部は、図3の(1)部に示した防具に外力を印加したときの状態を示す図である。図3の(3)部は、エネルギー吸収層を貫通させた溝を示しており、図3の(4)部は、図3の(3)部に示した防具に外力を印加したときの状態を示す図である。 図4は、本実施形態のエネルギー吸収層の構成を概略的に示した図である。図4の(1)部は、第一の方向に延伸する第1の溝を有するエネルギー吸収層の構成を示している。図4の(2)部は、図4の(1)部に示した防具に外力を印加したときの状態を示す図である。図4の(3)部は、第一の方向と第二の方向に延伸する第1の溝及び第2の溝を有するエネルギー吸収層の構成を示している。図4の(4)部は、図4の(3)部に示した防具に外力を印加したときの状態を示す図である。 図5は、本実施形態に係る防具の構成を概略的に示した図である。溝を有する積層構造体の構成を示している。 図6は、本実施形態に係る防具の構成を概略的に示した図である。エネルギー吸収層の下面から主面の方向に、エネルギー吸収層の分割領域の幅が狭くなる構成を示している。 図7は、本実施形態に係る防具の構成を概略的に示した図である。エネルギー吸収層の表面を被覆層で覆う構成を示している。 図8は、本実施形態における形状維持体の構成を示した図である。 図9は、本実施形態に係る防具の装着状態を示した図である。防具は、第一の方向の溝を有している。 図10は、本実施形態に係る防具の装着状態を示した図である。防具は、第一の方向と第二の方向にそれぞれ延伸する第1及び第2の溝を有している。 図11は、防護パッドの使用形態を示した図である。 図12は、防護パッドを脛部および足部の防具に使用した例を示す図である。 図13は、防護パッドを肘部および腕部の防具に使用した例を示す図である。 図14は、防護パッドを顎部、側顔部の防具に使用した例を示す図である。 図15は、防護パッドを手部の防具に使用した例を示す図である。 図16は、防護パッドを野球の野手(主に投手)の防具に使用した例である。 図17は、防護パッドをモータースポーツ用チェスパッドに使用した例を示す図である。 図18は、防護パッドをモータースポーツ用チェスパッドに使用した例を示す図である。
以下、本発明の構造および構成を図1〜10のモデル図を用いて示し、実施の形態を図11〜18に実施例として説明する。
本発明による防具100の基本となる構成を図1の概略図を用いて示してある。外部から加わる衝撃を主にエネルギー吸収層1にて吸収し、その主面側に表皮層2、下面側に貼付層3を伴い形成した積層体101を用いることを基本とした構成になっている。
従来から防具100の多くの種類は、身体の表面の主に湾曲した身体の部位にバックル、ベルトまたはバンドなどの装備用具を用いて装着するものであったが、本発明では粘着剤、接着剤または面ファスナーなどを用いた貼付層3を用い、その着脱を軽易かつ瞬時に行えるとともに、バックル、ベルトまたはバンドなどの装備用具を用いないで着脱をすることが可能となり、これまでベルトまたはバンドなどの使用により感じていた拘束感や締付感を感じ取ることを無くすとともに、それらの部品削減により重量を大幅に軽減でき、使用者が狙った動作やパフォーマンスをより可能とする構成になっている。
身体の表面が平坦な部位には図1の(1)部に示した基本の積層体101を用いることが可能であるが、それを使用できる部位は上半身の前後面の一部に限られ、他の部位は体軸や四肢軸を中心として外側に湾曲した外殻/皮膚で囲まれており、例えば腕部、肢部などの身体8に対して、図1の(2)部に示した様に、基本の防具100をそのまま貼付した状態では、使用者の運動や挙動に応じてエネルギー吸収層1を主とした積層体101には内部応力10が溜まっているため、時間の経過や使用者の動きに伴って元の形状に戻ろうとする図1の(3)部の(a)から(b)の動きを示し、湾曲部や関節部などの屈曲する積層体101の構成には内部応力を解放するための特別な工夫と配慮が必要であった。
本発明では、外部から加わる衝撃、例えば野球においては自打球や投手の投球の衝撃などを受ける防具として、また他の競技の防具、例えば格闘競技では攻撃道具による打撃の衝撃などを受ける防具として、エネルギー吸収層1を主とした積層体101を用いて衝撃を緩和する際に、“湾曲部や関節部への装着時に生じることになる内部応力10を緩和させることが出来る構造”を予め付与しておくことにより、使用者・選手が競技などに用いる際に積層体101の剥がれの発生を予防することが身体の殆どの部位において可能となり、従来は必要とされたバックル、ベルトまたはバンドなどの装備用具を用いることによって生じていた煩わしい着脱行動が、貼付層3を用いることによって、瞬時で簡単な手使いだけで装着を可能とし、また装備用具を無くしたことにより拘束感や締付感を感じることを無くすことを可能とした。
本発明による防具100の基本となる構成を示した図1の概略図の中の図1の(1)部の断面図において、エネルギー吸収層1の主面1-1に表皮層2、下面1-2に貼付層3が積層状に配置されたことを示したものであり、エネルギー吸収層1に発泡樹脂を用いると、外部からの衝撃に対して発泡樹脂体同士が気泡の反発で緩衝して、主に外部からの衝撃エネルギーを吸収するのと同時に、衝撃エネルギーに耐え切れない一部の樹脂膜が破裂することでエネルギーを吸収してくれる。
このとき、表皮層2は、最初に衝撃エネルギーを受ける板状のもので、衝撃エネルギーの一部をこの部位にて分散させて吸収し、エネルギー吸収層1の下面1−2にある貼付層3を用いて衣類、他の防具、または使用者の肌へ貼付するものである。
図1の(2)部の断面図は、本発明の積層体101を身体8の表面、例えば腕とか脛に貼付層3を介して貼付したものであり、主にエネルギー吸収層1を用いて外部からの衝撃エネルギーを吸収するものであるが、図1の(3)部の(a)に示したように平板状の積層体101を曲げて貼付する必要があり、多くの場合は外部からの衝撃を受ける前に、図1の(3)部の(b)に示したように積層体101の内部応力によりもとの平板の状態に戻ろうとするため、それに伴い貼付層3が衣類や肌から剥がれる現象が起きてしまう。
その剥がれ現象を避けるための対応策として、貼付層3の貼付力の性能を上げる対策法、または積層体101全体の内部応力10を予め緩和して積層体101が曲がったとしてもその曲がった状況を維持させて貼付層3が衣類や肌から剥がれることを防ぐ対策法、のどちらかを用いて剥がれ現象を予防する必要があった。
本発明は後者の対策法を用いており、その剥がれ現象を避けるため、エネルギー吸収層1を複数の分割領域1aに分け、隣接する分割領域1aの間には、予め所定の第一の方向に延伸する第1の溝5-1を設定し、表皮層2との界面12が自由に可動するように構成してあり、そのモデル断面図を図2に示したものであって、図2の(1)部に示したモデル図は溝5を設け、エネルギー吸収層1の両端は積層体101の表面(5面)を保護する被覆カバー4-1と接合したものである。
これ以降の説明に用いる外力=引張力は、湾曲の部へ貼付する際に、積層体101が「引っ張られ」「身体に沿わす」という2つの外力によって生じる応力のうちの代表として用いており、溝5の開口により内部の応力を緩和するものであって、図2の(2)部は、その積層体101に引張力9を掛けることにより、外力によってI字型の溝5-3の表面に溝部の開口部6が現われてエネルギー吸収層1が複数の分割領域1aに分割され、同時にエネルギー吸収層1に内在する一部の泡体が引張力よって変形されることにより、外力方向に伸ばされて厚みが減少するが、表皮層2との界面12が自由に可動するように構成したため、殆どの部分がそのままの形状を保って被覆カバー4-1内に保持された状態になる。
図2の(3)部は、表皮層2とエネルギー吸収層1との境界を拡大した図であって、通常は表皮層2に用いる素材面とエネルギー吸収層1に用いる素材面とのダイレクトタッチで用いることができるが、更に接触面の摩擦を下げて、よりスムーズな動きを促進したい場合は、この界面12に潤滑層13を用いることでその効果が得られるが、その潤滑層13には液体潤滑剤、半固体状潤滑剤、または固体潤滑剤のどれを用いても良く、また潤滑シートを貼付して用いることも可能である。
図2の(4)部は、エネルギー吸収層1の両端は積層体101の側面を保護する被覆カバー4-2と接合されているモデル図を示しており、そこで用いる溝5の構造として、I字型の溝5-3、V字型の溝5-4、U字型の溝5-5、または逆V字型の溝5-6を用いたモデル図であり、I字型の溝5-3は主に表皮層側を開いて用いる用途、V字型の溝5-4は主に肘や膝の関節部のカップ形状に予め表皮層側を閉じて用いる用途、U字型の溝5-5は主にエネルギー吸収層1と表皮層2との間の摩擦係数を低くして用いる用途、そして逆V字型の溝5-6は主に屈と伸の両方を伴う用途に用いることが好ましい。
また、エネルギー吸収層1を複数の分割領域1aに分割された領域の間に形成した溝5として、図3の(1)部に示したエネルギー吸収層1の途中で留まる溝5-7の方が積層体101を形成する工程上の都合、あるいはエネルギー吸収性に優れるため使い易いが、湾曲度が大きい部位に貼付する必要がある場合は、衝撃を受けると内部応力が大きいことに起因して、図3の(2)部の様にエネルギー吸収層1の裂け11が発生する場合が発生するため、図3の(3)部に示した前記エネルギー吸収層1内を予め貫通させて貼付層3に到達した溝5-8を用いることで、図3の(4)部に示した様にエネルギー吸収層1の裂け11の発生を抑えることができる。
この事例の学習から、V字型溝5-4をエネルギー吸収層1の途中で留めて用いる場合は、その先端を鈍角にして破断の感受性を抑えることが好ましく、貼付層3に用いる粘着剤または接着剤には、布、不織布、または樹脂などのフレキシブルな素材を用いた基材に塗布または含浸したものを用いて、溝5-1、5-2からの破断が貼付層3まで進行することを防ぐことが好ましい。
積層体101はその保持している貼付層3によって、衣類、他の防具、或いは使用者の肌等に直接貼付されているため、本来は引張りまたは圧縮により生ずる応力を緩和し、使用者の運動挙動に追随することを可能とする構成が必要とされるため、その内部応力緩和に対応するエネルギー吸収層1の構成が必要であるが、身体において圧縮の挙動は脇などの部位において発生するが、これらの部位は防具を殆ど必要としない部位であるため、本発明では引張りの外力に関して主に考慮した事例を示した。その防具100のエネルギー吸収層1の溝5の挙動を示すため、図4の見取り図を用いて、(表皮層2を外した状態の)エネルギー吸収層1の外力による動きを示した。
身体の殆どの部位は身長方向には縦長で、円周方向には体軸や四肢軸を中心として放射線状に身体が作られており、その外殻部の殆どの部位は湾曲しているのが通常であるため、それらの部位へ本発明の積層体101を的確に取着する為の方法として図4の(1)部の見取り図に示す様に、エネルギー吸収層1が所定の第一の方向に延伸した溝5-1を有した積層体101を用いれば良く、図4の(2)部には横方向の引張力9-1に対して、溝部が解放されて開口6することによって、その内部応力を管理するモデル図として例示してある。
肘、膝などの関節部は、防護するのに特に防具100を必要とされる部位であるとともに、これらの部位は二方向の応力への対応が必要であり、図4の(3)部の見取り図に示す様に、第1の溝5-1と交差する第二の方向に延伸した第2の溝5-2を有したエネルギー吸収層1を必要とし、図4の(4)部は、横方向の引張力9-1と縦方向の引張力9-2に対して両方向の溝が解放されて開口6し、その内部応力管理するモデル図として例示してある。
図5は、エネルギー吸収層1の主面1-1との界面12が自由に可動するように構成した表皮層2を、図5の(1)部に示す様に予めエネルギー吸収層1が広がった時のサイズに拡大した積層体101を用いたもので、衝撃吸収後の積層体101が図5の(2)部の様にエネルギー吸収層1の主面と表皮層との界面12で滑って延びている構成を示している。
図6は、もう一つのエネルギー吸収層1の構成を示しており、図6には下面から主面の方向に行くに従って幅が狭くなる分割領域1bを用いて摩擦係数を下げる手法の事例を示してあって、同時に第一の方向に延伸する第1の溝5-1と、第二の方向に延伸する第2の溝5-2によって形成され、並行して縦列と横列をなす釣鐘型錐体の先を表皮層側に配した釣鐘型錐体のエネルギー吸収層1の断面図も表現している。
図6の(1)部は下面から主面の方向に行くに従って幅が狭くなる分割領域1bの釣鐘形の幅がまだ狭くなっていない平坦部分にのみに被覆カバー4-1との接合部7を設けた構成であって、この場合は外力である引張力を掛けた場合は図6の(2)部に示す様に、下面から主面の方向に行くに従って幅が狭くなる分割領域1bの厚みが低減することになるが、図6の(3)部で示した釣鐘形の全体に被覆カバー4-1との接合部7を設けた構成を用いると、外力である引張力を掛けた場合は図6の(4)部に示す様に、下面から主面の方向に行くに従って幅が狭くなる分割領域1bの厚みが低減することが殆ど無く、第一方向の溝5-1だけの場合は釣鐘形の波板が孔雀型に広がり、また第一方向と第二方向の交差する溝5-1、-2の場合は釣鐘型錐体が菊花蕪型に開くように形成されている。
図7は、エネルギー吸収層1の分割領域1aの表面に被覆層14を形成した構成を示している。本実施形態では、被覆層14を介して、各分割領域1aが密着部14−2により接続されている。密着部14−2は、エネルギー吸収層1の分割領域1aの上面、及び側面をシート状の被覆層14−1で覆い、例えば、主面1-1から下面1-2まで貫通した溝5-8に位置する被覆層の一部または全部を融着、縫合、または接着により形成することができる。
図7の(1)部に示した様に、本実施形態では、複数の分割領域1aの表面を被覆層14で覆い、さらに、エネルギー吸収層1の分割領域1aを密着部14−2により接続している。このように密着部14−2により、分割領域1aを接続し一体化することによって、エネルギー吸収層1の分割領域1aの主面1−1が一体で動くため、表皮層2との間に発生する摩擦係数を低減することができる。従い、図7の(2)部に示した様に表皮層2の界面がより自由に可動するように構成することができる。この結果、体の湾曲部に合わせて防具100の形状を一層自由に変形することができ、容易に部位にフィッテイングして装着することができる。また、被覆層14により防具100の端部に現れる表皮層2及び貼付層3の側面を被覆するようにしてもよい。このとき、防具100の端部を被覆する被覆層14は、防具100の周囲を覆う被覆カバー4-2を兼ねることができる。また、複数の分割領域1aの表面全体が被覆層14で覆われるように、被覆層を形成してもよい。この場合は、まず、複数の分割領域1aの表面全体を被覆層14で覆い、その後、複数の分割領域1aの底面を貼付層3に固定することにより、エネルギー吸収層1を形成してもよい。
また、積層体101を実際にユニフォームや着衣の上に装着した際には、積層体101の残留内部応力によって形状を保持できなくなる場合が有り、装着後に湾曲した部位に沿った形状を想定通リに維持するのが難しいケースが出てくるため、図7に示した形状維持体60をエネルギー吸収層1と貼付層3の間、または貼付層3の基材に用いて形状を保つための形状維持体60を設けることもある。
図8に大きく分けて2種類の形状維持体60を示しており、まず平板状に用意された積層体101を装着する際、対象となる部位の形状に沿わせて貼付する際に維持体自体が沿わせた形に変形し、その形状をそのまま維持させる形状維持体60と、次に貼付する部位の形状を事前に想定した形に予め形成して用意しておく形状維持体60の2つのタイプの形状維持体がある。
前者の維持体自体が沿わせた形に変形させる事例として、金属材料の塑性変形を利用した形状維持体60があり、図8の(1)部、(2)部には六角のメタルメッシュ61と四角のメタルメッシュ62を用いた事例を示してあるが、それらはワイヤー組み加工、パンチング加工して形成したもの、あるいはその角形状を立体的に加工したもの、または予め装着後の形状に変形付与した形状のメタル材を使うこともできる。
また、前者のもう一つの事例として、メタル薄板の一部に間隔を置いて肉厚形状部64、例えば図8の(3)部に示したワイヤーなどの形の部位の設置、またはメタル薄板をある間隔で屈曲させて板厚部を形成させた部位を設け、装着時に変形した形を保持する加工を施した形状維持体63、あるいは図8の(4)部に示した、フレキシブルな動きをするコマの連続体を用いて装着時に変形した形を保持する形状維持体66を用いることなどにより形状を維持する形状維持体65を設けるケースがある。
後者の貼付する部位の形状を事前に想定した形に予め形成して用意しておく事例として、図8の(5)部に示した事例では、紙、樹脂または金属素材を用いて予め装着後の形状を付与し形成した形状維持体67を用いた事例、あるいは図10の(1)部に示した事例の様に、肘部の表皮層2そのものに予め装着後の椀状の形状を付与し形状維持体68としての機能を当初から備えて積層体101の形状を維持する手法を用いた事例などがある。
図9の(1)部は防具100である防護パッド16の着装前の状態を示した表面図であって、図9の(2)部の様に防護パッド16を着装する際に、所定の方向に延伸した溝5-1が開口6して内部応力を低減した装着前の状態を示しており、前記において身体の殆どの部位は身長方向には縦長、円周方向に関して外殻部の殆どの部位は湾曲していることを紹介したが、その一例として図9の(3)部に防護パッド16を脛部に貼付した形態を示した。
図9の(3)部では、ユニフォームやストッキングの衣類70に貼り付けるのに貼付層3を用いるため、従来必要とされたバックルやベルトを使わなくて良い状態を示しており、図9の(4)部は所定の第一の方向に延伸した溝5-1を有した防護パッド16を脛部(大腿部、上下腕部なども同じ)の断面が輪状の身体15に貼付した状態の防具100として用いる事例であるが、防具100は貼付した衣類70と身体15の肌との間にスペース71を確保できるため、ベルトやバンドの締付で生じていた衣類と身体の密着状態がなくなり、その結果として打順の待ち時間や打席でこれまで“密着”により生じていた“蒸れ”の不快を感じることがなくなり、スポーツ選手は競技に集中し集中してパフォーマンスを高めることができ、あわせて長期使用で生じる汗などの匂いの付着を無くすことができる事例である。
図10は、所定の第一の方向に延伸した第1の溝5-1と交差する第二の方向に延伸した第2の溝5-2を有した積層体101を関節部に用いた事例を示しており、肘や膝などの関節部の複雑な形状に対しても例えば図10の(1)部には予めカップ状に形成した表皮層68を用い、上/下腕部に貼付層3を設けて肘部に装着した事例であって、あるいは、図10の(2)部は肘自体に直接貼付層3を用いて装着した事例であるが、複雑な運動挙動を示す部位に対しても交差する溝部の開口6によって装着を行える構成を示している。
本発明のエネルギー吸収層1には、例えばポリエチレン、EVA、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリプロピレン、もしくはPET樹脂からなる発泡体・気泡体、天然もしくは合成ゴム発泡体で25%圧縮応力が3〜500kPaの範囲の物性を備えることが好ましく、あるいは、紙(段ボール)、ストーンペーパー、不織布もしくはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、PVC、またはABS樹脂からなる立体衝撃吸収構造体を用いた前記エネルギー吸収層1を用いることもできる。
本発明の表皮層2には、通常はポリエチレン、ポリプロピレン 、ポリスチレン 、ポリ塩化ビニル、ABS樹脂 、ポリエチレンテレフタラートなどを用いた樹脂板を用いるが、形状のフレキシビリティーを付与したい用途には、シリコン系またはウレタン系のゴム板や樹脂板などを用いることができ、あるいは安価な用途には紙あるいは不織布なども用いることができ、反対に強度を必要とする部位にはポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレートなどを用いた樹脂板を用いることが好ましく、意匠上の見栄えを得るためにカーボンファイバー強化プラスチックなどを用いてスポーティー感を付与することも可能である。
本発明の貼付層3には、通常は剥離紙でカバーを行い保管されている粘着貼付層または接着貼付層を貼付する相手の衣類の素材や肌の部位によって選択するものであるが、粘着貼付層としてはアクリル系粘着剤、ゴム系(天然ゴム/合成ゴム)粘着剤、シリコン系粘着剤、またはウレタン系粘着剤などの中から選ばれた粘着剤、接着貼付層としてはアクリル樹脂系接着剤、ゴム系接着剤、ウレタン樹脂系接着剤、エチレン-酢酸ビニル樹脂系接着剤、クロロプレンゴム系接着剤、酢酸ビニル樹脂系接着剤、シリコン系接着剤、スチレン-ブタジエンゴム系接着剤、ニトロセルロース接着剤、ポリウレタン樹脂系接着剤、ポリ酢酸ビニル樹脂溶液系接着剤、ポリスチレン樹脂溶剤系接着剤、またはポリビニルアルコール系接着剤などの中から選ばれた接着剤を用いることが好ましい。
また、貼付層3に面ファスナー、または面ファスナーのA面(フック側)のみを用い、衣類に物理的に付ける手法も用いられるが、A面単独で使用の際にはフックを通常より長くしフック曲げ量を少なくしたもの、またはフックを二股にして用いると、ユニフォームなどへ取り付けがし易く、ユニフォームなどから取り外し時に絡み付きを少なくして、使用者の衣類への着脱が容易になる。
加えて、被覆カバー部4にはフレキシブルな素材が目的に適すため、紙、不織布やストーンペーパー、またはそれらに柔らかさを加味した素材または加工を施したもの、あるいは伸縮機能を備えた繊維として例えばポリウレタン弾性繊維、仮撚加工糸、またはポリエーテルエステル系弾性などの弾性ファブリック、あるいはシリコン系、ポリウレタン系やゴム系の樹脂などを用いること、また被覆層14にも紙、不織布やストーンペーパー、またはそれらに柔らかさを加味した素材または加工を施したもの、またはそれらに柔らかさを加味した素材または加工を施したもの、あるいはそれらに潤滑性を加味した素材または加工を施したもの、更にはポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系、またはポリ塩化ビニル系などの樹脂フィルム、あるいは伸縮機能を備えた弾性ファブリックなどを用いることが好ましい。
図11以降には、本発明の防具100を野球競技用の防護パッド16として用いた使用例を示した。
使用者・選手は、数種類の形状の防護パッド16の中から使用者・選手が必要とするサイズの防護パッド16を選択し、必要とされる部位(図11の事例においては、脛部と足部)に貼り付け(A)、打撃に使用し、使用後は回収ボックス19にて回収し(C)リサイクルを行うことになる。
しかし、自打球を受けなかった場合は、貼付層3以外はそのまま使えるため、使用者・選手は防護パッド16を剥がし(B)、次の打順で貼付層3の粘着/接着力が再使用に耐えるかどうかの程度によって、噴霧のり17を用いて粘着/接着力を付加することができ、場合によってはリムーバー18を用い前回使用した一部または全部の粘着/接着剤を一度除去してから、粘着/接着剤を再付加して粘着/接着力を再生(D)させて再度装着する(A)ことができる。尚、面ファスナ―の場合はそのまま再使用することができる。
使用者・選手が自打球を受けた場合、または貼付力の回復ができなかった場合は回収ボックス19にて回収し(C)、積層体101が簡単な構成であって、容易にリサイクルができるが、プロ野球などでは、記念のサインを付けてファンサービスとして野球ファン20に配布すること(E)も可能である。
上記での再度装着の可否を判断するために、一定以上の圧力を感じた部分の色が変化する、例えば色素を有したマイクロカプセルを表皮層2または、被覆カバー4に保持させ、打球を受けた際にカプセルの壁が破壊して色を呈する手段、あるいは感圧で色が変化する感圧フィルムを用いることにより、その発色の有無、或いは発色の程度により、その判断を行う事も可能である。
<実施例1>
図12には本発明の防具100を野球競技用の防護パッド16として下脚部で使用する例を示しており、図12の(1)部は現行のレッグガードと同様の面形状を用い、脛部を防護する自打球防護パッド21、足部を防護する自打球防護パッド22であって、貼付層3を介して防具100として装備した使用事例であり、バックルやベルトの装備を不要とし、重量の大幅な軽減によって、使用者・選手がその装着感を殆ど感じることなく、打撃や走塁に集中ができてパフォーマンスを上げることを可能としている。
図12の(2)部は、脛部の脛骨側面を主に防護する自打球防護パッド23、および第5〜第4指骨を主に足部側面を防護する自打球防護パッド24であって、貼付層3を介して防具100として装備した使用事例でありであり、図12の(1)部の事例に対して更に重量の軽減と、プレーの邪魔になることを避け、使用者・選手がその装着感を更に感じることなく、打撃や走塁に集中ができて、更にパフォーマンスを上げることを可能としている。
図12の(3)部は、図12の(2)部とは反対に脛部とふくら脛部を更に広く防護する自打球防護パッド25、および第5〜第1指骨の足部全面を防護する自打球防護パッド26であって、貼付層3を介して防具100として装備した使用事例であり、図12の(1)部、(2)部の事例に対して防護域を拡げたものであるが、使用者・選手は依然として、その装着感を殆ど感じることなく、打撃や走塁に集中ができて、更にパフォーマンスを上げることを可能としている。
図12の(1)部、(2)部、(3)部の事例において、頸部だけに防護を行い足部の防護を必要としない使用者・選手は、頸部保護の片方のみの使用で、足部に装着をしないでプレーができ、また、本発明の防具100は貼付層3を用いて貼付するため、ベルトの巻き付けやバックルを用いた組付操作の必要がなくなり、使用者はワンタッチで、衣類、他の防具または肌上への易・速着脱を可能としている。
<実施例2>
図13には、本発明の防護パッド16の椀部での使用例を示した。
図13の(1)部は、現行のエルボーガードの中の一つと同様の面の形状で、上腕部から肘部を防護するデッドボール球防護パッド31であって、貼付層3を介して防具100として装備した使用事例であり、バックルやベルトの装備用具を不要とし、重量の大幅な軽減によって、使用者・選手がその装着感を殆ど感じることなく、打撃や走塁に集中ができてパフォーマンスを上げることを可能としている。
図13の(2)部は、上腕部を主に防護するデッドボール球防護パッド32と、肘部を主に防護するデッドボール球防護パッド33であって、貼付層3を介して防具100として装備したものであり、図13の(1)部に対して、使用者・選手が防護したいエリアを広げて確実に防護する使用事例で、装備カ所が増えてもバックルやベルトの装備用具を不要としてあるため、使用者・選手がその装着感を殆ど感じない程度で、打撃や走塁に集中ができてパフォーマンスを上げることを可能としている。
図13の(3)部は、図13の(2)部とは反対に下腕部を主に防護するデッドボール球防護パッド34を用いて、使用者・選手が防護したいエリアを確実に防護する使用事例であり、使用者・選手の選択で32〜34の防護パッドを組み合わせて腕部全体を防護する事も可能とし、装備カ所が増えてもバックルやベルトの装備用具を不要としてあるため、使用者・選手がその装着感をあまり感じない程度で、打撃や走塁に集中ができてパフォーマンスを上げることを可能としている。
<実施例4>
図14には、本発明の防護パッド16の頭部での使用例を示した。一部の選手は、顔面、特に顎部へのデッドボールを防護するためにフェースガードを耳フラップヘルメット41に取り付けてプレーしているが、図14の(1)部は、フェースガードの代替として、顎部を主に防護するデッドボール球防護パッド42を貼付層3を介して防具100として装備した使用事例であり、ヘルメットの動きに連動してフェースガードが動くことが無いため、視野を邪魔されることを無くすことができ、更にはフェースガード分の重量を大幅に軽減できるため、使用者・選手が打撃や走塁に集中ができてパフォーマンスを上げることを可能としている。
図14の(2)部は、現時点の野球規則では使用はできないが、将来の規則変更を想定した装着事例であって、本発明の防護パッド1の顎部に加えて耳部の防護を前提とした使用例を示した。これはフェースガードに加え耳フラップの代替として、顎部および耳部を防護するデッドボール球防護パッド43に貼付層3を介して防具100として装備した使用事例であり、ヘルメットの動きに連動して防護パッド43が動くことが無いため、更なる視野の妨害を阻止する事が出来る上、大幅な重量の軽減によって、使用者・選手が耳フラップヘルメットによる締め付け感や装着感を感じないで、打撃や走塁に集中ができてパフォーマンスを上げることを可能としている。
<実施例5>
図15には、本発明の防護パッド1の手部での使用例を示した。一部の選手の中には、手部、主に手の甲へのデッドボールを防護するために手甲プロテクターまたはハンドベルトを取り付けてプレーしているが、図15の(1)部はその代替として、手の甲部を主に防護するデッドボール球防護パッド51の貼付層3を介して防具100として装備した使用事例であり、使用者・選手がその装着感をあまり感じない程度で、打撃や走塁に集中ができてパフォーマンスを上げることを可能としている。
さらに、手の甲部に加え、図15の(2)部には手の指部を防護するデッドボール球防護パッド52(51を大きくして、指部に迫り出させたもの)、または手首部を防護するデッドボール球防護パッド53、あるいは逆の手の指部を防護するデッドボール球防護パッド54を装備した使用事例であり、使用者・選手がその装着感を感じない程度で、打撃や走塁に集中ができてパフォーマンスを上げることを可能としている。
<実施例6>
図16には、本発明の防護パッド1を野手、特に投手の被打球に対応する為の使用例を示した。投手が投げた球が、打者の打撃によって瞬時に投手の方向打ち返された場合に捕球ができない場合、あるいは、グラブで捕球ができない場合に別の手を防御なしに出してしまい、その手や腕部に骨折や重度の打撲などを負う可能性があるため、その被打球防護パッド55を脛部に装着する事例を紹介しており、部位は脛部に限らず投手が要望する足〜頭部に至る部位に貼付層3を介して防具100として装備できるため、使用者・投手がその装着感をあまり感じないで、投球に集中ができてパフォーマンスを上げることを可能としている。
<実施例7>
野球以外のスポーツにおいても、例えばバイクやBMX競技のチェストプロテクター、フェンシングのプロテクターや女子用胸部防具100、空手や武道、テコンドーなどの打撃系格闘技の胸腹部への衝撃を軽減させる防具100など数多くの防護または保護を必要とする競技に、拘束感や締付感を感じない、軽量で着脱が簡易な防具100としての適用が可能であって、図17はその一例として、本発明の防具100または防護パッドをモータースポーツ、特にバイクやBMXで装着するチェストパッド82の代替え使用例を示した。
チェスト用の防護用パッドは、野球用の防護パッド16の構成とは逆の構成を用いてあって、表皮層2の上層、即ちT−シャツ81側に貼付層83を配置した構成になっており、T−シャツ85の裏に貼付層83、表皮層2、エネルギー吸収層1、肌に優しい素材層84と連なる構成のチェスパッド代替用の防護パッド80として用いるもので、身体側に肌触りの良い素材を用いるか、または下着の上に装着することで装着の違和感なく取着することができる。
図18はその衣類への適用を紹介した事例で、裏返したT−シャツ85に接着層が表皮側にあるチェスパッド代替用の防護パッド80を用いるもの構成を示したものであって、裏返したT−シャツ85に、チェスパッド代替用の防護パッド80を貼付し、それを再度裏返して表面を出して防具100として用いるものであって、このT−シャツに防護パッドを保持させているものの、裏返して使用するため、外部からはそれを察知されず、またチェスト・プロテクター・パッドを用いた時に感じた拘束や締付感あるいは重量を感じることなくモータースポーツを楽しむことが出来る。
また、本発明の防具100は、生活用品としてシニア世代の介護用、または転倒しやすい患者の看護用の防具100として、あるいは間接部を主とした疼痛部位の防護や、傷や皮膚疾患部位の保護にあわせて症状に適応した経皮薬剤を貼付層3に含ませることで、療治など多彩な部位と多彩な療治に用いることを可能としている。
さらに、本発明の防具100は、エネルギー吸収層1の厚み、およびまたは防護パッドの平面サイズの選択が使用者の自由で行えるため、適用する部位の強度レベルによって、個々人の痛みを感じる感触によって、または個々人の体格の差によって、最適な厚みとサイズの選択が可能な防護パッドであり、また、現行の防具100に比して上記に示した様に、簡素で単純な構成を用いているため、軽量で安価な防護パッドの提供ができるため、使い切りや限られた回数の使用の目的に用いることができると同時に、単純な積層構造であるため、素材のリサイクルを行いやすい構成の防具100とし、使用後の素材の再使用が行い易い構成である。
1:エネルギー吸収層
1a:エネルギー吸収層の分割領域
1b:下面から主面の方向に行くに従って幅が狭くなる分割領域
1-1:エネルギー吸収層の主面
1-2:エネルギー吸収層の下面
2:表皮層
3:貼付層
4:被覆カバー
4-1:積層体の表面(5面)を保護する被覆カバー
4-2:積層体の周囲(4面)を保護する被覆カバー
5:溝
5-1:第一の方向に延伸した第1の溝
5-2:第二の方向に延伸した第2の溝
5-3:I字型の溝
5-4:V字型の溝
5-5:U字型の溝
5-6:逆V字型の溝
5-7:エネルギー吸収層の途中で留まる溝
5-8:予め貫通させて貼付層に到達した溝
6:溝部の開口部
7:接合部
8:身体(腕、膝など)の断面
9:外力(引張力)
9-1:横方向の外力(引張力)
9-2:縦方向の外力(引張力)
10:応力(内部応力、残留応力)
11:エネルギー吸収層の裂け
12:主面と表皮層の界面
13:潤滑層
14:被覆層
14-1:シート状の被覆層
14-2:密着部
15:身体の断面
16:防護パッド(防具とする積層体のスポーツ用品、日用品としての呼称)
17:噴霧のり
18:(粘着剤/接着剤)リムーバー
19:リサイクル回収ボックス
20:野球ファン
21:脛部-自打球防護パッド(脛部防護タイプ)
22:足部-自打球防護パッド(足部防護タイプ)
23:脛部-自打球防護パッド(脛骨側面防護タイプ)
24:足部-自打球防護パッド(足部側面防護タイプ)
25:脛部-自打球防護パッド(脛骨+ふくら脛防護タイプ)
26:足部-自打球防護パッド(足部全面防護タイプ)
31:(肘+上腕)部-デッドボール球防護パッド(肘+上腕部防護タイプ)
32:上腕部-デッドボール球防護パッド(上腕部防護タイプ)
33:肘部-デッドボール球防護パッド(肘部防護タイプ)
34:下腕部-デッドボール球防護パッド(下腕部防護タイプ)
41:耳フラップヘルメット
42:顎部-デッドボール球防護パッド(フェースガードタイプ)
43:ヘルメット(耳フラップ無し)
44:耳+顎部-デッドボール球防護パッド(フェースガードタイプ)
51:手の甲部-デッドボール球防護パッド
52:手の甲部-デッドボール球防護パッド
53:手の甲部-デッドボール球防護パッド
54:指部-デッドボール球防護パッド
55:野手(投手)用防具-打球防護パッド
60:形状維持体
61:六角のメタルメッシュの形状維持体
62:四角のメタルメッシュの形状維持体
63:メタル薄板の一部に肉厚形状部位を設置した形状維持体
64:フレキシブル機能を持った形状維持体
65:予め装着後の形状を付与して形成した形状維持体
66:コマの連続体を用いて装着時に変形した形を保持する形状維持体
67:予め装着後の形状を付与し形成した形状維持体
68:肘部の表皮層そのものに予め装着後の形状を付与した形状維持体(表皮層)
70:衣類
71:衣類と身体の間のスペース
80:チェスパッド代替用の防護パッド
81:T−シャツ
82:チェスト(プロテクター)パッド
83:T−シャツ側の接着層
84:肌触りの良い素材
85:裏返しのT−シャツ
86:使用者の好みの意匠のT−シャツ
100:防具
101:積層体

Claims (9)

  1. 主面を有するエネルギー吸収層と、前記主面上に設けられ前記エネルギー吸収層の少なくとも前記主面側を覆う表皮層と、前記エネルギー吸収層の下面に設けられた貼付層とを含む積層体と
    前記積層体の側面を保護する被覆カバーと、を備え
    前記表皮層と前記エネルギー吸収層の端部は、前記被覆カバーと接合されており、
    前記エネルギー吸収層の少なくとも一部が、前記主面に交差する方向に延伸する溝により複数の分割領域に分割されており、
    前記エネルギー吸収層の前記主面と前記表皮層の界面は接合されておらず自由に可動するように構成されていることを特徴とする防具。
  2. 前記溝は、前記エネルギー吸収層を主面から下面まで貫通していることを特徴とする請求項1に記載の防具。
  3. 前記溝は、前記主面に第一の方向に沿って複数の第1の溝、及び前記第一の方向とは異なる第二の方向に沿って複数の第2の溝が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の防具。
  4. 前記分割領域は、前記表皮層との間に発生する摩擦係数を低減するために、下面から主面の方向にいくに従って幅が狭くなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の防具。
  5. 前記複数の分割領域の表面を覆う被覆層と、
    前記被覆層を介して、前記複数の分割領域を接続する密着部と、をさらに備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の防具。
  6. 前記積層体の装着後の形状を維持するための形状維持体をさらに備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の防具。
  7. 前記貼付層は、基材及び貼付剤とから構成されており、前記基材は前記形状維持体を兼ねることを特徴とする請求項に記載の防具。
  8. 前記エネルギー吸収層と前記表皮層との間に潤滑層が設けられていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の防具。
  9. 前記表皮層は、一定以上の圧力を感じた部分の色が変化することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の防具。
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